印刷装置および電子秤
【課題】印刷対象物を収容する部材の装置本体に対する着脱を妨げずに、反射型の態様で印刷対象物の位置を検知する技術を提供する。
【解決手段】印刷装置2が備えるセンサ23は、カセット22から繰り出されるラベルテープ80に光を照射して、ラベルテープ80に連ねられたラベル8の位置を検出する。センサ23は、第1発光部231と、受光部232と、第1発光部231から出射された光をラベルテープ80の裏面に導くとともに、その反射光を受光部232に導くプリズム234とを備える。ここにおいて、第1発光部231と受光部232とが装置本体に配設され、プリズム234が装置本体に対して着脱可能に構成されたカセット22に配設される。
【解決手段】印刷装置2が備えるセンサ23は、カセット22から繰り出されるラベルテープ80に光を照射して、ラベルテープ80に連ねられたラベル8の位置を検出する。センサ23は、第1発光部231と、受光部232と、第1発光部231から出射された光をラベルテープ80の裏面に導くとともに、その反射光を受光部232に導くプリズム234とを備える。ここにおいて、第1発光部231と受光部232とが装置本体に配設され、プリズム234が装置本体に対して着脱可能に構成されたカセット22に配設される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、印刷装置、例えば、計量結果に関連した情報を印刷可能な電子秤に搭載される印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット、百貨店等の食料品売り場、専門店等で行われている販売態様の1つに、販売員と客とが陳列ケース等をはさんで向かい合った状態で、販売員が客と対面してコミュニケーションを取りつつ客に商品を販売する、所謂「対面販売」がある。ここで、客に商品を計り売りする対面販売においては、商品の重量を計量するとともに、計量結果に関連した情報(商品の正味重量、商品の価格等)をラベルに印刷する、印刷機能付き電子秤が利用される。
【0003】
この種の電子秤に搭載される印刷装置は、ラベルロール(複数枚のラベルが帯方向に連ねられたラベルテープを、ロール状に丸めたもの)を収容するカセットと、ラベルに対する印刷を行う印刷ヘッドとを備え、カセットから繰り出されるラベルテープに連ねられたラベルに対して印刷ヘッドが印刷を行っていく。印刷が施されたラベルは、ラベル発行口から突き出され、販売員により切り取られて商品に貼付される。例えば特許文献1には、この種の電子秤の構成例が開示されている。
【0004】
ただし、ここで一般的に利用されているラベルテープには、台紙付きと台紙無しの2つのタイプがある。台紙付きのラベルテープは、帯状の非粘着性の台紙上に、裏面に粘着性を有するラベルが台紙の帯方向に沿って僅かな隙間をあけて複数枚張りつけられたものである。一方、台紙無しのラベルテープは、裏面に粘着性を有するラベルのみからなり、複数のラベルがミシン目等を介して複数枚つなげられたものである。
【0005】
ところで、1枚のラベル内に適切に印刷を行うためには、カセットから繰り出されるラベルテープに連ねられたラベルの位置(例えば、ラベルの先端位置)を検出し、この検出情報に基づいて印刷のタイミングを制御する必要がある。
【0006】
一般に、ラベルの位置検出は、透過型のセンサ(「フォトインタラプタ」と呼ばれることもある)を用いて行われることが多い。例えば、電子秤に用いられているラベルテープが台紙付きのラベルテープである場合、台紙におけるラベルが貼り付けられた部分と、ラベルが貼り付けられていない部分(ラベルとラベルとの隙間)との間に厚みの差が存在し、この厚みの差が透過光の強度差となって現れる。したがってこの場合、透過型のセンサを用いてラベルとラベルとの隙間を検出することによってラベルの先端位置を特定することができる。
【0007】
ところが、電子秤に用いられているラベルテープが台紙無しのラベルテープである場合、台紙有りのラベルテープのような厚みの差が存在しないため、透過型のセンサでラベルの位置を正確に検出することは難しい。
【0008】
そこで、台紙無しのラベルテープにおいては、各ラベルの裏面の定位置(例えば、先端部分)に検出用のマークを予め付しておき、当該マークを反射型のセンサ(「フォトリフレクタ」と呼ばれることもある)で検出することによってラベルの先端位置を特定する、という手法がとられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−14455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、電子秤のユーザは、カセット内のラベルロールがなくなると、新しいラベルロールに交換しなければならない。この交換の作業性を良好なものとするためには、ラベルロールを収容する部材であるカセットが、電子秤の装置本体に対して着脱可能となっていることが好ましい。
【0011】
図15には、カセット90の構成例が模式的に示されている。カセット90は、例えば、印刷ローラ91と、搬送ローラ92と、支持軸93とを備える。搬送ローラ92は、支持軸93に支持されたラベルロール800から繰り出されるラベルテープ80を印刷ローラ91に向けて送り出す。印刷ローラ91は、印刷に供されるプラテンローラであり、カセット90が電子秤の装置本体に収容された状態において、本体部に配置された印刷ヘッド(図示省略)との間にラベルテープ80を挟み込む。ラベルロール800から繰り出されるラベルテープ80は、その表面801を印刷ヘッド側に(すなわち、その裏面802を印刷ローラ91側に)向けるようにして印刷ローラ91と印刷ヘッドとの間に挟み込まれ、この位置で印刷を施されることになる。
【0012】
ここで、カセット90に収容されるラベルテープ80が、台紙無しのラベルテープである場合、上述したとおり、ラベル8の位置検出のためにはラベルテープ80の裏面802に光を当ててその反射光を検知する必要がある。ここで、ラベルロール800から繰り出されるラベルテープ80は、裏面802をカセット90の側に向けている。したがって、裏面802に光をあててその反射光を検知するためには、発光素子および受光素子からなる反射型のセンサ94を、カセット90に配設することになる。ところが、センサ94をカセット90に配設すると、発光素子および受光素子を装置本体と接続するための配線95がカセット90から延びることになり、カセット90を装置本体から着脱する際の妨げとなってしまう。
【0013】
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、印刷対象物を収容する部材の装置本体に対する着脱を妨げずに、反射型の態様で印刷対象物の位置を検知する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1に記載の発明は、印刷ヘッドと、複数の印刷対象物を帯状に連ねた対象テープをロール状にした対象ロールを収容する収容部と、前記収容部から繰り出される前記対象テープに光を照射して、前記対象テープに連ねられた印刷対象物の位置を検出するセンサと、前記センサが検出した前記印刷対象物の位置に基づいて前記印刷ヘッドを制御して、前記印刷ヘッドに前記印刷対象物に対する印刷を行わせる印刷制御部と、を備え、前記センサが、第1発光部と、受光部と、前記第1発光部から出射された光を前記対象テープの裏面に導くとともに、その反射光を前記受光部に導く導光部と、を備え、前記第1発光部と前記受光部とが装置本体に配設され、前記導光部が前記装置本体に対して着脱可能に構成された前記収容部に配設される。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の印刷装置であって、前記センサが、前記装置本体に配設された第2発光部、をさらに備え、前記導光部が、前記第2発光部から出射され、前記対象テープを透過した透過光を前記受光部に導く。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の印刷装置であって、前記センサが、前記第1発光部と前記第2発光部とを交互に発光させるとともに、前記受光部において交互に受光される前記反射光と前記透過光のいずれかに基づいて前記印刷対象物の位置を検出する検出制御部、をさらに備える。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の印刷装置であって、前記対象テープが、それぞれの裏面の定位置に検出用のマークが付された前記複数の印刷対象物を、一方向に連結させて帯状としたものである場合に、前記センサが、前記受光部において受光される前記反射光に基づいて前記印刷対象物の位置を検出する。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の印刷装置であって、前記対象テープが、帯状の台紙シート上に、その帯方向に沿って前記複数の印刷対象物が間隔をあけて配列されたものである場合に、前記センサが、前記受光部において受光される前記透過光に基づいて前記印刷対象物の位置を検出する。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項2から5のいずれかに記載の印刷装置であって、前記第1発光部と前記受光部とが、それぞれの光軸が、前記導光部の配置位置を通り前記対象テープの面方向と平行な第1平面内を通過するように配置され、前記導光部が、前記対象テープの面方向に対して傾斜した傾斜面を備え、前記傾斜面において、前記第1発光部から出射された光を屈折させて前記対象テープに入射させるとともに、前記対象テープで反射された反射光を屈折させて前記受光部に導く。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の印刷装置であって、前記傾斜面における、前記第1発光部の光軸が通過する第1面部分と前記受光部の光軸が通過する第2面部分とが、各面部分を通過する光軸に対して等しい角度で逆向きに傾斜して向かい合っている。
【0021】
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の印刷装置であって、前記第2発光部が、前記対象テープを挟んで、前記第1平面と逆側に配置され、前記導光部が、前記傾斜面において、前記第2発光部から出射されて前記対象テープを透過した透過光を屈折させて前記受光部に導く。
【0022】
請求項9に記載の発明は、計量対象物の重量を計量する計量装置と、前記計量装置による計量結果に関連した情報を印刷する印刷装置と、を備え、前記印刷装置が、印刷ヘッドと、複数の印刷対象物を帯状に連ねた対象テープをロール状にした対象ロールを収容する収容部と、前記収容部から繰り出される前記対象テープに光を照射して、前記対象テープに連ねられた印刷対象物の位置を検出するセンサと、前記センサが検出した前記印刷対象物の位置に基づいて前記印刷ヘッドを制御して、前記印刷ヘッドに前記印刷対象物に対する印刷を行わせる印刷制御部と、を備え、前記センサが、第1発光部と、受光部と、前記第1発光部から出射された光を前記対象テープの裏面に導くとともに、その反射光を前記受光部に導く導光部と、を備え、前記第1発光部と前記受光部とが装置本体に配設され、前記導光部が前記装置本体に対して着脱可能に構成された前記収容部に配設される。
【発明の効果】
【0023】
請求項1、9に記載の発明によると、センサにおいて、収容部に設けられた導光部が、装置本体に設けられた第1発光部から出射された光を対象テープの裏面に導くとともに、その反射光を、装置本体に設けられた受光部に導くので、反射型の態様で印刷対象物の位置を検知することができる。ここで、導光部には配線が必要ないので、このセンサが、収容部を装置本体に対して着脱する際の妨げとなることがない。
【0024】
請求項2に記載の発明によると、センサが備える受光部に、対象テープで反射した光と、対象テープを透過した光との両方を受光させることができる。したがって、このセンサにおいては、透過型、反射型のどちらの態様でも印刷対象物の位置を検知することができる。
【0025】
請求項3に記載の発明によると、印刷対象物に適した検出態様が、透過型、反射型のどちらであるかを予め判断しなくとも、透過型、あるいは、反射型のうち、適した検出態様で印刷対象物の位置を確実に検出することができる。
【0026】
請求項4に記載の発明によると、センサが、印刷対象物の裏面に付された検出用のマークを確実に検出することができる。すなわち、印刷対象物の位置を確実に検知することができる。
【0027】
請求項5に記載の発明によると、センサが、印刷対象物間の隙間を確実に検出することができる。すなわち、印刷対象物の位置を確実に検知することができる。
【0028】
請求項6に記載の発明によると、第1発光部と受光部とを第1平面内の任意の位置に配置できるので、これら各部の配置の自由度が高まる。
【0029】
請求項7に記載の発明によると、第1発光部から出射されて第1面部分に入射した光は、第1面部分において、第2面部分に向く方向に傾きながら対象テープに向かうように屈折される。すると、対象テープで反射された反射光は第2面部分に入射し、第2面部分において、受光部に向けて屈折されることになる。この構成によると、十分な量の反射光を受光部に導くことができるので、反射型の態様で印刷対象物の位置を検知する際の検知精度を向上させることができる。
【0030】
請求項8に記載の発明によると、第2発光部を、対象テープを挟んで第1平面と逆側となる任意の位置に配置できるので、第2発光部の配置の自由度が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】電子秤を示す斜視図である。
【図2】販売員側表示装置を上側に跳ね上げた状態の電子秤を示す斜視図である。
【図3】カバーを開けてカセットを半分引き出した状態の電子秤を示す斜視図である。
【図4】本体部から取り外した状態のカセットを示す斜視図である。
【図5】カセットの側面図である。
【図6】カセットが収容された状態の本体部の内部の様子を示す図である。
【図7】カセットが収容された状態の本体部の内部の様子を示す図である。
【図8】第1発光部が発光している状態において形成される光路を模式的に示す図である。
【図9】第1発光部が発光している状態において形成されるプリズム内の光路を模式的に示す図である。
【図10】第2発光部が発光している状態において形成される光路を模式的に示す図である。
【図11】第2発光部が発光している状態において形成されるプリズム内の光路を模式的に示す図である。
【図12】印刷装置の構成を示すブロック図である。
【図13】受光部における受光光の強度変化を模式的に示す図である。
【図14】表示画面の構成例を示す図である。
【図15】従来のカセットの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0033】
<1.電子秤の構成>
この発明の実施の形態に係る印刷装置を搭載した電子秤100の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、電子秤100を示す斜視図である。図1および以下に参照する各図には、説明の便宜上、前後、左右、上下、の各方向を示す座標軸が適宜付されている。
【0034】
電子秤100は、対面販売において、商品の重量を計量するとともに、計量結果に関連した情報(商品の正味重量、商品の価格等)を、裏面に粘着性を有するシール状のラベル8に印刷する「印刷機能付き電子秤」である。電子秤100は、例えば、客に商品を計り売りする対面販売が行われるスーパーマーケットの惣菜売り場等において、その前側を販売員側に、その後側を客側向けて配置される。
【0035】
電子秤100は、本体部10の上面に載置された計量装置1と、本体部10の例えば左側に設けられた印刷装置2と、本体部10の前側に配置された販売員側表示装置3と、本体部10の後側に配置された客側表示装置4とを主として備える。また、本体部10の内部には、これら各部1〜4を制御する制御部5が設けられる。
【0036】
計量装置1は、その上面に載置された計量対象物(ここでは商品)の重量を計量する機能部であり、制御部5と有線あるいは無線で接続されている。計量装置1は、例えば、その筐体内部に配置された皿受け部とロードセルとを備える(いずれも図示両略)。計量装置1の筐体の上面は計量皿として機能し、ここに商品が載置されると、その重量が皿受け部を介してロードセルに伝達され、ロードセルは当該重量に対応する荷重信号を制御部5に出力する。なお、計量装置1は、電子秤100の本体部10に対して着脱可能に構成されてもよい。
【0037】
印刷装置2は、計量対象物とされた商品に関する情報を、裏面に粘着性を有するラベル8の表面に対して、文字、図形および記号等の形で印刷する。ただし、ラベルに印刷される情報には、計量装置1における当該商品の計量結果に関連した情報が含まれる。印刷後のラベル8はラベル発行口104から突き出され、販売員は、発行されたラベル8を切り取って、これを計量装置1の上面に載置されている商品に貼付する。印刷装置2の構成については、後に詳細に説明する。
【0038】
販売員側表示装置3は、ユーザ(例えば、販売員)からの操作を受け付ける操作パネルとして機能する。販売員側表示装置3は、例えば、タッチパネル31と、複数の入力キー32とを備える。タッチパネル31は、例えば液晶ディスプレイによって構成されており、画面に文字や図形等を表示する表示機能と、指や専用のペンで画面に触れることによって画面上の位置を指定できるタッチパネル機能とを備えている。各入力キー32は、当該キーに対応する文字や数字の入力、あるいは、定められた機能を電子秤100に実行させるための指示の入力に使用される。販売員は、タッチパネル31のタッチパネル機能、あるいは、入力キー32を使用して、電子秤100に各種の指示等を入力することができる。
【0039】
客側表示装置4は、客に対して各種の情報を表示する情報表示装置として機能する。制御部5は、客側表示装置4に、販促メッセージ(お勧め商品に関する情報、特価情報等)、計量中の商品(計量対象物)に関する情報(商品の重量、単価、商品価格等)等を表示させる。
【0040】
制御部5は、例えば、プログラムや変数等を格納するメモリ、メモリに格納されたプログラムに従った制御を実行するCPU等を備える。制御部5は、電子秤100が備える各要素を制御することによって電子秤100全体の動作を管理する。
【0041】
<2.電子秤の全体の動作>
電子秤100の全体の動作を説明する。上述したとおり、電子秤100は、対面販売が行われる売り場において、その前側を販売員側に、その後側を客側向けて配置される。
【0042】
客から商品の求めがあると、販売員は、求められた商品を計量装置1の上面に載置する。すると、載置された商品の重量が皿受け部を介してロードセルに伝達され、ロードセルから当該重量に対応する荷重信号(すなわち、載置された商品の重量情報)が制御部5に出力される。
【0043】
一方で、販売員は、販売員側表示装置3を介して、客から求められた商品の種類を電子秤100に入力する。この入力操作は、具体的には、販売員が、客から求められた商品の種類に対応する入力キー32を操作する、あるいは、当該商品の種類に対応するタッチパネル31上の位置を指で触れることによって行われる。制御部5は当該入力操作を受け付けて、指定された商品の商品情報(商品の単位重量あたりの価格、消費期限、商品名等の各種情報)をメモリから読み出す。
【0044】
続いて、制御部5は、計量装置1から取得した商品の重量情報と、メモリから取得された商品情報とに基づいて、ラベルに印刷すべき情報(印刷情報)を取得する。例えば、制御部5は、商品の重量情報と商品の単位重量あたりの価格とに基づいて算出された商品の価格、商品の正味重量、定められた商品情報(商品の消費期限、商品名等)を、ラベル8に印刷すべき情報として取得する。
【0045】
そして、制御部5は、印刷装置2を制御して、取得された印刷情報をラベル8に印刷させる。印刷装置2において実行される印刷処理の態様は後に説明する。印刷処理が行われると、印刷情報が印刷されたラベル8がラベル発行口104から出てくる。販売員は、発行されたラベル8を切り取って計量装置1の上面に載置されている商品に貼付し、当該商品を客に渡す。
【0046】
なお、制御部5は、上記の一連の動作が行われている間、客側表示装置4に販促メッセージ、計量中の商品に関する情報等を表示させる。
【0047】
<3.印刷装置>
次に、印刷装置2について説明する。
【0048】
<3−1.ラベルテープ80>
印刷装置2の構成について具体的に説明する前に、印刷装置2において印刷対象物とされるラベル8について説明する。
【0049】
ラベル8は、複数枚帯状に連ねられてテープ状とされており(以下「ラベルテープ80」という)、印刷装置2においては、ラベルテープ80をロール状に巻いたラベルロール800(図2参照)からラベルテープ80を繰り出しながら、ここに連ねられた各ラベル8に対して印刷を行う。ここで、ラベルテープ80には、台紙無しのものと台紙付きのものの2種類が存在し、印刷装置2においてはどちらの種類のラベルテープ80であっても利用することができる。
【0050】
「台紙無しのラベルテープ80」とは、複数枚のラベル8を一方向に連結させて帯状としたものである。ここでは、連結された各ラベル8の間にはミシン目等が形成されており、各ラベル8を簡単に切り離せるようになっている。また、連結された各ラベル8の裏面の定位置(例えば、先端位置)には、検出用のマーク(以下「検出用マーク」という)が、インク等により印刷されることによって付されている。
【0051】
「台紙付きのラベルテープ80」とは、帯状の非粘着性の台紙シート(以下「台紙テープ」という)81上に、その帯方向に沿って、複数枚のラベル8が微小な隙間をあけて配列されて貼り付けられたものである。
【0052】
以下において、台紙無しのラベルテープ80と台紙付きラベルテープ80とを区別する場合には、前者を「台紙無しラベルテープ80a」と、後者を「台紙付きラベルテープ80b」と、それぞれ示すことにする。両者を区別しない場合は、単に「ラベルテープ80」と示す。
【0053】
<3−2.印刷装置2の構成>
印刷装置2の構成について、図2、図3を参照しながら説明する。図2は、販売員側表示装置3を上側に跳ね上げた状態の電子秤100を示す斜視図である。図3は、カバー101を開けてカセット22を半分引き出した状態の電子秤100を示す斜視図である。なお、図2、図3においては、カセット22に収容されるラベルロール800が仮想線で示されている。
【0054】
販売員側表示装置3は本体部10の上面の前側付近において、本体部10に対してヒンジ構造を介して着設されており、ヒンジ部を中心にして回動可能に構成されている。販売員側表示装置3を、ヒンジ部を中心にして上側に回動させると、販売員側表示装置3は本体部10の上側に跳ね上がる。すると、本体部10の前面に配置されたカバー101が現れる。
【0055】
カバー101は、本体部10の前面の一部を構成する。カバー101は、これを閉じた状態において、その上端と本体部10の天板との間に微小な隙間が形成されるようになっており、この隙間が、印刷後のラベル8を本体部10の外部に排出するラベル発行口104として機能する。また、カバー101は、その下端において、本体部10に対してヒンジ構造を介して着設されている。カバー101を、ヒンジ部を中心にして下側に回動させると、本体部10の内部の空間が開口する。
【0056】
本体部10の内部には、仕切り壁102により仕切られた空間103が形成されており、カバー101を開くと、この空間103が開口する。空間103には、ラベルロール800を収容する部材である「カセット22」が収容される。すなわち、空間103は、カセット22を収容するための収容空間として機能する。カセット22は、本体部10に対して着脱可能に形成されており、カバー101を開いてカセット22を前側に引き出すことにより、カセット22を本体部10から取り外せるようになっている。カセット22の構成については後に詳細に説明する。
【0057】
カバー101の内側面(収容空間103に対向する側の面)には、例えばダイレクトサーマル方式によりラベル8への印刷を行う印刷用のヘッド(印刷ヘッド)21が配設される。カバー101を閉じると、その内側に配設された印刷ヘッド21は、収容空間103に収容されているカセット22の印刷ローラ63と当接するようになっており、印刷ヘッド21は、印刷ローラ63との間にラベルテープ80を挟み込んだ状態で、ラベル8に対する印刷を行う。
【0058】
本体部10の各部およびカセット22の各位置には、カセット22から繰り出されるラベルテープ80に光を照射して、ラベルテープ80に連ねられたラベル8の位置を検出する機能部(センサ23(図12参照))を構成する各部が配置される。すなわち、仕切り壁102の収容空間103に対向する側の面には、発光ダイオード等の発光素子により構成される発光部(第1発光部)231と、フォトトランジスタ等の受光素子により構成される受光部232とが近接して配置される。第1発光部231と受光部232とは、1つの光学ユニット230としてユニット化されたものであってもよい。また、カバー101の内側であって、印刷ヘッド21の下方側には、発光ダイオード等の発光素子により構成される発光部(第2発光部)233が配置される。一方、カセット22には、発光部231,233から出射された光を受光部232に導くための導光部材であるプリズム234が配置される(図4参照)。これら各部231〜234の位置関係、および、これら各部231〜234による検出動作の態様については、後により具体的に説明する。
【0059】
<3−3.カセット22>
<3−3−1.構成>
続いて、カセット22の構成について、図4を参照しながら説明する。図4は、本体部10から取り外した状態のカセット22を示す斜視図である。なお、図4においては、カセット22に収容されるラベルロール800が仮想線で示されている。
【0060】
カセット22は、側壁601と、側壁601の下端縁に沿い、側壁601に対して垂直に配設された底壁602を備える。底壁602は、前方にむけて緩やかに反り上がっている。また、カセット22は、側壁601の前側上方に配設された第1の支持壁603およびこれと対向する第2の支持壁603と、一対の支持壁603の間に架け渡されるように配設された基部604とを備える。基部604は、側壁601に対して垂直に配設された厚板状の部材であり、前方に向けて斜め上に傾斜するような姿勢で配設される。基部604の下端と底壁602の上端との間には、ラベルテープ80が挿通可能な隙間が形成されている。
【0061】
側壁601の後方側には、支持軸61が配設される。支持軸61は、側壁601に対して垂直に突設される部材であり、側壁601に対して垂直な回動軸を中心に回動可能に構成される。支持軸61は、ラベルロール800の支管810内に挿通されて、ラベルロール800を支持する。ここで、支持軸61の軸部は、断面が扁平な形状(具体的には、2個の半円を直線で結んだ長円形状、あるいは、楕円形状)に形成されることが好ましい。断面が扁平な形状とされることによって、支持軸61が回動した際にラベルロール800の支管810が空回りしにくくなるという利点が得られる。また、支持軸61の周囲に歯を形成して支持軸61を歯車形状に構成してもよい。支持軸61を歯車形状に構成しておけば、ラベルロール800の支管810がさらに空回りしにくくなる。
【0062】
また、基部604には、下方側から順に、搬送ローラ62、印刷ローラ63、および、剥離板64が配設される。さらに、搬送ローラ62と印刷ローラ63との間には、プリズム234が配設される。プリズム234については後に説明する。
【0063】
搬送ローラ62は、長尺のローラ部材であり、基部604の前面において、左右に架け渡されるようにして配置される。搬送ローラ62は、ラベルテープ80を上方(印刷ローラ63側)に向けて送り出す送り用のローラである。
【0064】
印刷ローラ63は、搬送ローラ62と同様、長尺のローラ部材であり、基部604の前面であって搬送ローラ62の上側の位置において、左右に架け渡されるようにして配置される。印刷ローラ63は、搬送ローラ62から送り出されるラベルテープ80を印刷ヘッド21との間に挟み込む、所謂、プラテンローラである。
【0065】
剥離板64は、長尺の部材であり、基部604の上端位置において、左右に架け渡されるようにして配置される。剥離板64は、その先端において、印刷ローラ63の上方に押し出されたラベルテープ80の台紙テープ81を、後方に向けて急角度に曲折させる(図7参照)。
【0066】
また、側壁601における、支持軸61と側壁601と間の位置には、巻き取り軸65が配設される。巻き取り軸65は、側壁601に対して垂直に突設される部材であり、側壁601に対して垂直な回動軸を中心に回動可能に構成される。巻き取り軸65は、回動することによって、ラベルテープ80の台紙テープ81を巻き取って回収する(図7参照)。なお、巻き取り軸65は、断面が扁平な形状(具体的には、2個の半円を直線で結んだ長円形状、あるいは、楕円形状)に形成されることが好ましい。断面が扁平な形状とされることによって、巻き取り軸65の周囲に台紙テープ81を確実に巻きつかせることができる。
【0067】
また、支持軸61には、固定環66が挿通される。固定環66は、支持軸61の軸方向に沿って摺動可能とされており、支持軸61に支持されたラベルロール800を側壁601に当接させるように幅寄せして、ラベルロール800が支持軸61の延在方向に沿って動かないように固定する。ここで、固定環66について、図5を参照しながらより具体的に説明する。図5は、カセット22の側面図である。
【0068】
図5の上段に示すように、固定環66は、支持軸61の軸方向からみた平面視サイズが、ラベルロール800の支管810の内径よりも僅かに小さく、かつ支持軸61の断面サイズよりも大きくなるように形成されている。固定環66の平面視サイズが、ラベルロール800の支管810の内径よりも僅かに小さくされることによって、固定環66がラベルロール800の支管810内に支持軸61を挿通させる際の妨げとならない。
【0069】
作業者が、ラベルロール800を、その支管810内に支持軸61を挿通させて固定環66の奥側に押し込み、そして、ラベルロール800から手を離すと、ラベルロール800は、図5の下段に示すように、重力にしたがって落下し、支管810の上側が支持軸61に当接する位置で引っ掛かる。上述したとおり、固定環66の平面視サイズは、支持軸61の断面サイズよりも大きく形成されているので、この状態において、固定環66の上端は、ラベルロール800の支管810の上側よりも上方に位置する。したがって、固定環66を支持軸61に沿って摺動させて、支持軸61に支持されたラベルロール800を側壁601に当接するように幅寄せすると、固定環66とラベルロール800との間に当接部(図で斜線で示した部分)が形成される。この当接部において、ラベルロール800が支持軸61の延在方向に沿って動かないように確実に固定されることになる。
【0070】
<3−3−2.ラベルテープ80の搬送経路>
台紙無しラベルテープ80aの搬送経路について、図6を参照しながら説明する。図6は、カセット22が収容された状態の本体部10の内部の様子を示す図である。なお、図6においては、説明の便宜上、本体部10の側面とカセット22の支持壁603とが図示省略されている。
【0071】
カセット22の支持軸61に装着されたラベルロール800から繰り出される台紙無しラベルテープ80aは、その裏面(粘着面)を上側に向ける姿勢で、前方に向けて繰り出される。前方に繰り出された台紙無しラベルテープ80aは、搬送ローラ62を介して、印刷ローラ63まで導かれ、印刷ローラ63の位置において、印刷ローラ63と印刷ヘッド21との間に挟み込まれる。上述したとおり、台紙無しラベルテープ80aに連ねられた各ラベル8は、印刷ローラ63と印刷ヘッド21との間に挟み込まれた位置において、印刷ヘッド21から印刷を施されることになる。印刷ローラ63と印刷ヘッド21との間を通過した台紙無しラベルテープ80a(すなわち、印刷済みのラベル8)は、そのまま上方に押し出され、ラベル発行口104から突き出される。なお、カセット22において、台紙無しラベルテープ80aの裏面が接触しうる部分(具体的には、搬送ローラ62、基部604の下面(ラベルテープ80と対向する面)、印刷ローラ63,および、剥離板64等)には台紙無しラベルテープ80aの裏面がくっつかないように、非粘着コーティングが施されている。したがって、台紙無しラベルテープ80aの裏面がカセット22の各部にくっついてスムースな搬送が妨げられるといった事態が生じないようになっている。
【0072】
次に、台紙付きラベルテープ80bの搬送経路について、図7を参照しながら説明する。図7は、カセット22が収容された状態の本体部10の内部の様子を示す図である。なお、図7においても、説明の便宜上、本体部10の側面とカセット22の支持壁603とが図示省略されている。
【0073】
カセット22の支持軸61に装着されたラベルロール800から繰り出される台紙付きラベルテープ80bは、その裏面(台紙テープ81における、ラベル8が貼り付けられていない側の面)を上側に向ける姿勢で、前方に向けて繰り出される。前方に繰り出された台紙無しラベルテープ80aは、搬送ローラ62を介して、印刷ローラ63まで導かれ、印刷ローラ63の位置において、印刷ローラ63と印刷ヘッド21との間に挟み込まれる。上述したとおり、台紙付きラベルテープ80bに連ねられた各ラベル8は、印刷ローラ63と印刷ヘッド21との間に挟み込まれた位置において、印刷ヘッド21から印刷を施されることになる。印刷ローラ63と印刷ヘッド21との間を通過した台紙付きラベルテープ80bの台紙テープ81は、剥離板64により後方に向けて急角度に曲折される。すると、台紙テープ81からラベル8が剥離して上方に押し出され、ラベル発行口104から突き出される。そして、台紙テープ81は、後方にUターンして、巻き取り軸65により巻き取られる。
【0074】
<3−4.センサ23>
次に、センサ23について詳細に説明する。上述したとおり、センサ23は、本体部10の仕切り壁102に配設された第1発光部231および受光部232と、本体部10のカバー101に配設された第2発光部233と、カセット22の基部604に配設されたプリズム234とを備える(図3、図4参照)。
【0075】
<3−4−1.位置関係>
本体部10の収容空間103にカセット22を収容してカバー101を閉じた状態における、これら各部231〜234の位置関係について、先に参照した各図に加え、図8を参照しながら説明する。図8は、印刷装置2を図6の矢印K方向からみた断面部分を拡大して示す図である。すなわち、図8には、ラベルロール800の搬送方向と直交する断面で切った面における各部231〜234の位置関係が示されている。
【0076】
カセット22の基部604に配設されるプリズム234は、ラベルテープ80の搬送方向について、印刷ローラ63よりも上流側であり、かつ、側壁601側の支持壁603に近接した位置に配置される(図4参照)。なお、支持壁603とプリズム234との当接部分には、窓600が形成されており、光の通過が妨げられないようになっている。また、プリズム234は、基部604の下面(ラベルテープ80と対向する面)よりも僅かに(例えば、約0.5mm程度)落とし込まれた位置にくるように配置されており、台紙無しラベルテープ80aの裏面と接触しないようにされている。したがって、プリズム234には非粘着コーティングを施す必要がない。ただし、上述したとおり、基部604の下面には非粘着コーティングが施されており、台紙無しラベルテープ80aの裏面が基部604の下面にくっついてスムースな搬送が妨げられるといった事態が生じないようになっている。
【0077】
カセット22を収容空間103に収容すると、仕切り壁102に配設された第1発光部231および受光部232は、それぞれの光軸が、プリズム234の配置位置を通りラベルテープ80の面方向と平行な面(第1平面)H1内を通過するように配置される。なお、ここでは、第1発光部231と第2発光部233は、図8において紙面に垂直な方向に沿って配置されており、第1発光部231および受光部232は、それぞれの光軸が第1平面H1内において互いに平行となるように配置される。ただし、図では説明の便宜上、第1発光部231と第2発光部233とを少しずらして表している。
【0078】
また、カセット22を収容空間103に収容してカバー101を閉じると、カバー101の内側に配置された第2発光部233は、ラベルテープ80を挟んで、第1平面H1と逆側に配置されることになる。好ましくは、第2発光部233は、その光軸が、ラベルテープ80の面方向と直交し、かつ、プリズム234の配置位置を通る面(第2平面)H2内にくるように配置される。
【0079】
<3−4−2.プリズム234>
次に、プリズム234について、図9を参照しながら説明する。図9は、プリズム234の形状を示す斜視図である。なお、図9には、第1発光部231が発光している状態において形成されるプリズム234内の光路が模式的に示されている。
【0080】
プリズム234は、透明な媒質(例えば、ガラス、水晶等)で形成された多面体であり、第1発光部231、あるいは、第2発光部233から発光された光を受光部232に導く導光部である。
【0081】
プリズム234は、ラベルテープ80の面方向に対して傾斜した傾斜面2341を備える。傾斜面2341は、ラベルテープ80の面方向に沿う第1平面H1に対して45°傾斜し(すなわち、ラベルテープ80の法線方向に沿う第2平面H2に対しても45°傾斜し)(仮想線L)、さらに、第1発光部231の光軸が通過する第1面部分2341aと受光部232の光軸が通過する第2面部分2341bとが、各面部分を通過する光軸に対して等しい角度で逆向きに傾斜して向かい合っている。
【0082】
ここで、第1発光部231から出射された光の光路について、図8、図9を参照しながら説明する。第1発光部231から出射された光は第1平面H1上の光軸に沿って直進し、第1面部分2341aに入射する。第1面部分2341aに入射した光は、第1面部分2341aにおいて、第2面部分2341bに向く方向に僅かに傾きながらラベルテープ80に向かうように屈折される。すると、ラベルテープ80の裏面の位置Pで反射された反射光は第2面部分2341bに入射することになる。第2面部分2341bに入射した光は、第2面部分2341bにおいて、受光部232に向かうように屈折される。すなわち、第1発光部231が発光すると、ラベルテープ80の裏面での反射光が受光部232に入射することになる。
【0083】
ラベルテープ80が台紙無しラベルテープ80aである場合、その裏面には検出用マーク82が形成されている。したがって、検出用マーク82の形成位置での反射光と、それ以外の位置での反射光との間では、受光部232における検出強度が異なってくる。この強度差を利用して、台紙無しラベルテープ80aの裏面に付された検出用マーク82(ひいては、ラベル8の位置)を検出することができる。
【0084】
一方、第2発光部233から出射された光の光路について、図10、図11を参照しながら説明する。第2発光部233から出射された光の一部は、ラベルテープ80を透過した後に第2面部分2341bに入射する。第2面部分2341bに入射した光は、第2面部分2341bにおいて、受光部232に向かうように屈折される。すなわち、第2発光部233が発光すると、ラベルテープ80を透過した透過光が受光部232に入射することになる。
【0085】
ラベルテープ80が台紙付きラベルテープ80bである場合、台紙テープ81にラベル8が貼り付けられた部分と、ラベル8が貼り付けられていない台紙テープ81だけの部分(ラベル8間の隙間部分)との間には厚みの差が存在する。したがって、ラベル8の部分の透過光と、ラベル8間の隙間部分の透過光との間では、受光部232における検出強度が異なってくる。この強度差を利用して、台紙付きラベルテープ80bのラベル8間の隙間部分(ひいては、ラベル8の位置)を検出することができる。
【0086】
<3−5.印刷装置2の動作>
上記の構成を備える印刷装置2の動作を、上記に参照した各図に加え、図12を参照しながら説明する。図12は、印刷装置2の構成を示すブロック図である。
【0087】
<3−5−1.全体の動作>
印刷装置2は、上記の各部21〜23を制御して印刷動作を実行させる印刷制御部51を備える。印刷制御部51は、例えば、電子秤100の制御部5において実現される。
【0088】
ここで、印刷制御部51の制御下で行われる印刷動作の全体の流れを説明する。印刷装置2における印刷動作は、ラベルロール800を収容したカセット22が収容空間103に収容され、カバー101が閉じられた状態で行われる。なお、上述したとおり、カセット22に収容されるラベルロール800は、台紙無しラベルテープ80aをロール状にしたものでもよく、台紙付きラベルテープ80bをロール状にしたものでもよい。
【0089】
印刷制御部51は、まず、搬送ローラ62、印刷ローラ63、および、巻き取り軸65のそれぞれに接続された駆動部(図示省略)を駆動して、これら各部を同じ方向に回転させる。すると、カセット22に収容されたラベルロール800からラベルテープ80が繰り出されて、定められた搬送経路に沿って搬送される。
【0090】
一方で、印刷制御部51は、センサ23に、ラベルテープ80に連ねられたラベル8の位置を検出させるとともに、センサ23が検出したラベル8の位置に基づいて印刷ヘッド21を制御して、印刷ヘッド21にラベル8に対する印刷を行わせる。印刷ヘッド21は、印刷制御部51からの指示に応じて、印刷ローラ63との間に挟み込まれたラベル8に対して印刷を行う。これによって、ラベル発行口104から印刷が施されたラベル8が排出されることになる。
【0091】
<3−5−2.センサ23の動作>
印刷装置2は、センサ23が備える各部231〜233を制御して検出動作を実行させる検出制御部52を備える。検出制御部52は、例えば、電子秤100の制御部5において実現される。
【0092】
ここで、検出制御部52の制御下で行われる検出動作の流れを説明する。なお、以下の説明において参照する図13は、受光部232における検出強度の変化の様子を模式的に示す図である。
【0093】
検出制御部52は、印刷制御部51から検出動作の開始指示を受けると、第1発光部231と第2発光部233とを交互に発光させる。上述したとおり、第1発光部231が発光すると、受光部232において、ラベルテープ80の裏面での反射光が受光される。一方、第2発光部233が発光すると、受光部232において、ラベルテープ80を透過した透過光が受光される。
【0094】
いま、カセット22から繰り出されるラベルテープ80が台紙無しラベルテープ80aであるとする。台紙無しラベルテープ80aに連ねられた各ラベル8の裏面には検出用マーク82が付されており、検出用マーク82の形成位置において反射光に強度変化が検出される(図13の上段)。一方、台紙無しラベルテープ80aは、帯方向沿ってほぼ均一な厚みを有している。したがって、台紙無しラベルテープ80aを透過した透過光には、強度変化はほとんど現れない(図13の下段)。
【0095】
また、カセット22から繰り出されるラベルテープ80が台紙付きラベルテープ80bである場合、ラベル8が貼り付けられていない台紙テープ81だけの部分(ラベル8とラベル8との隙間)と、台紙テープ81にラベル8が貼り付けられた部分との間に厚みの差が存在する。したがって、この隙間の位置を透過した透過光は、それ以外の位置を透過した透過光よりも強度が強くなる。すなわち、ラベル8とラベル8との隙間の位置において透過光に強度変化が検出される(図13の上段)。一方、台紙付きラベルテープ80bの裏面(すなわち、台紙テープ81におけるラベル8が貼り付けられていない側の面)は、帯方向沿ってほぼ均一な色みを有している。したがって、台紙付きラベルテープ80bの裏面で反射した反射光には、強度変化はほとんど現れない(図13の下段)。
【0096】
ここで、第1発光部231と第2発光部233とが交互に発光すると、受光部232において、反射光と透過光とが交互に受光されることになる。すなわち、受光部232における検出光の強度変化は、図13の上段と下段とを重ね合わせたものとなる。つまり、カセット22から繰り出されるラベルテープ80が台紙無しラベルテープ80aである場合は各ラベル8の検出用マーク82の形成位置がピークとして現れ、カセット22から繰り出されるラベルテープ80が台紙付きラベルテープ80bである場合は各ラベル8間の隙間の位置がピークとして現れる。したがって、カセット22から繰り出されるラベルテープ80が、台紙無しラベルテープ80a、台紙付きラベルテープ80bのいずれであっても、受光部232は、各ラベル8の位置を確実に検出することができる。
【0097】
<4.効果>
上記の実施の形態によると、センサ23において、カセット22に設けられたプリズム234が、電子秤100の本体部10に設けられた第1発光部231から出射された光をラベルテープ80の裏面に導くとともに、その反射光を、本体部10に設けられた受光部232に導くので、反射型の態様でラベル8の位置を検知することができる。ここで、プリズム234には配線が必要ないので、このセンサ23が、カセット22を本体部10に対して着脱する際の妨げとなることがない。
【0098】
また、上記の実施の形態によると、センサ23が備える受光部232に、ラベルテープ80で反射した光と、ラベルテープ80を透過した光との両方を受光させることができる。したがって、このセンサ23においては、透過型、反射型のどちらの態様でもラベル8の位置を検知することができる。
【0099】
特に、上記の実施の形態によると、検出制御部52が第1発光部231と第2発光部233とを交互に発光させるので、ラベル8に適した検出態様が透過型、反射型のどちらであるかを予めユーザが判断しなくとも、透過型、あるいは、反射型のうち、適した検出態様でラベル8の位置を確実に検出することができる。特に、ラベルテープ80が台紙無しラベルテープ80aである場合、センサ23が、ラベル8の裏面に付された検出用マーク82を確実に検出することができる。したがって、ラベル8の位置を確実に検知することができる。また、ラベルテープ80が台紙付きラベルテープ80bである場合、センサ23が、ラベル8間の隙間を確実に検出することができる。すなわち、ラベル8の位置を確実に検知することができる。
【0100】
また、上記の実施の形態によると、第1発光部231と受光部232とを第1平面H1内の任意の位置に配置できるので、これら各部の配置の自由度が高まる。また、第2発光部233を、ラベルテープ80を挟んで第1平面H1と逆側となる任意の位置に配置できるので、第2発光部233の配置の自由度が高まる。
【0101】
特に、上記の実施の形態によると、プリズム234の傾斜面2341における、第1発光部231の光軸が通過する第1面部分2341aと受光部232の光軸が通過する第2面部分2341bとが、各面部分を通過する光軸に対して等しい角度で逆向きに傾斜して向かい合っているので、第1発光部231から出射されて第1面部分2341aに入射した光は、第1面部分2341aにおいて、第2面部分2341bに向く方向に傾きながらラベルテープ80に向かうように屈折される。すると、ラベルテープ80で反射された反射光は第2面部分2341bに入射し、第2面部分2341bにおいて、受光部232に向けて屈折されることになる。この構成によると、十分な量の反射光を受光部232に導くことができるので、反射型の態様でラベル8の位置を検知する際の検知精度を向上させることができる。
【0102】
<5.変形例>
上記の実施の形態においては、印刷装置2は、台紙無しラベルテープ80a、台紙付きラベルテープ80bのいずれでも利用可能としたが、必ずしも両方の種類のラベルテープを利用可能に構成する必要はなく、例えば、台紙無しラベルテープ80aのみ利用可能な構成としてもよい。この場合、センサ23において第2発光部233を設ける必要はない。
【0103】
また、上記の実施の形態においては、印刷対象物は、ラベル8であるとしたが、印刷対象物は必ずしもラベル8である必要はなく、例えば、印刷用紙等であってもよい。
【0104】
また、上記の実施の形態においては、電子秤100に搭載された印刷装置2について説明したが、印刷装置2は、必ずしも電子秤100に搭載される必要はない。
【0105】
<6.その他の変形例>
上記の実施の形態に係る電子秤100においては、ユーザは、販売員側表示装置3を介して装置の各種設定等を行うことができる。具体的には、ユーザが所定の操作(例えば、「メニューキー」の操作)を行うと、これに応じて、制御部5は、販売員側表示装置3に、各種のメニュー(操作項目)が一覧表示された画面(メニュー画面)を表示させる。ユーザが、タッチパネル機能、あるいは、入力キー32を用いて、一覧表示されたメニューのいずれかを選択し、さらに選択したメニューに係る設定事項を入力すると、制御部5は当該入力を受け付ける。
【0106】
ところで、装置の多機能化等に伴い、メニューの種類は増加する傾向にある。メニューの種類が増えると、各メニューを示すアイコンが小さくなり、ユーザが所望するメニューを検索しにくくなる。すなわち、検索効率が低下する。そこで、従来においては、検索効率の低下を防止するべく、メニューの階層化という手法がとられることが多かった。具体的には、第1のメニュー画面に上位層のメニューを一覧表示し、ユーザが第1のメニュー画面に一覧表示されたメニューの中から1個のメニューを選択すると、選択されたメニューをさらに細分化した下位層のメニューを一覧表示した第2のメニュー画面が表示される。この場合、ユーザは、所望するメニューが一覧表示に現れるまで選択操作を次々と繰り返すことによって、はじめて、所望するメニューを選択することができる。
【0107】
上記のように、メニューを階層化する態様によると、ユーザが所望のメニューを選択するために必要な操作回数が多く、操作時間もかかり、使い勝手が悪かった。
【0108】
そこで、メニュー画面に一覧表示されるメニューの種類が、ユーザの使用履歴等に応じて自動変更される構成としてもよい。この構成について、図14を参照しながら具体的に説明する。
【0109】
図14には、この変形例に係るメニュー画面Gの構成例が示されている。ここに示されるように、メニュー画面Gには、通常メニュー表示部分G0と、特定メニュー表示部分G1とが表示される。
【0110】
通常メニュー表示部分G1は、従来通りの態様でメニューが一覧表示される部分である。例えば、ユーザの指示に応じて、上述した上位層のメニュー、あるいは、上述した下位層のメニュー等が一覧表示される。
【0111】
特定メニュー表示部分G1は、装置が有する全メニューのうちから選択された特定のメニュー(特定メニュー)を一覧表示する部分である。制御部5が特定メニュー表示部分G1の表示を制御する態様について説明する。
【0112】
制御部5は、各ユーザから受け付けた操作の履歴を、当該ユーザの識別情報と対応付けて管理している。具体的には、ユーザの識別情報(例えば、ログインのパスワード)と、当該識別情報(例えば、パスワード)の入力後に行われた操作の履歴とを対応付けて蓄積している。
【0113】
ユーザがメニュー画面の表示指示を与えた場合、制御部5は、まず、当該ユーザの識別情報と対応付けられた操作の履歴を参照する。そして、現時点から遡って定められた回数Nのメニューの選択操作のうち、選択された回数が多いメニューから順に定められた個数(例えば、m個)のメニューを抽出する。そして抽出されたm個のメニューを、その抽出順に、特定メニュー表示部分G1の先頭(例えば、左から順にメニューを一覧表示される場合は、左側)から一覧表示させる。
【0114】
つまり、各ユーザに表示される特定メニュー表示部分G1には、当該ユーザが過去に行ったN回のメニュー選択操作のうち、最も多く選択されたメニューが先頭に、次に多く選択されたメニューがその隣に、その次に多く選択されたメニューがその隣に、といった具合に、m個のメニューが一覧表示されることになる。
【0115】
この構成によると、ユーザの利用傾向に応じたメニュー画面が表示されることになるので、ユーザが選択したいメニューが特定メニュー表示部分G1に現れる可能性が高くなる。したがって、特定メニュー表示部分G1に所望のメニューが表示されていれば、上述したように、所望するメニューがメニュー画面の一覧表示の中に現れるまで選択操作を次々と繰り返すという操作をユーザが行う必要がなく、ユーザは少ない操作回数で所望のメニューを選択することができる。
【0116】
なお、表示するメニューを選択する際に参照される操作履歴の回数Nは、ユーザが任意に設定可能とすることが好ましい。この場合、例えば、ユーザが当該回数Nを「100」と設定した場合、現時点から遡って100回分の操作履歴が取得され、これに基づいて特定メニュー画面G1に表示されるメニューが決定されることになる。また例えば、ユーザが当該回数Nを「1」と設定した場合、最後に操作されたメニューがメニュー画面G1に表示されることになる。また、特定メニュー表示部分G1に表示するメニューの個数mも、ユーザが任意に設定可能としてもよい。
【符号の説明】
【0117】
100 電子秤
1 計量装置
2 印刷装置
5 制御部
21 印刷ヘッド
22 カセット
23 検出センサ
51 印刷制御部
52 検出制御部
231 第1発光部
232 受光部
233 第2発光部
234 プリズム
【技術分野】
【0001】
この発明は、印刷装置、例えば、計量結果に関連した情報を印刷可能な電子秤に搭載される印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット、百貨店等の食料品売り場、専門店等で行われている販売態様の1つに、販売員と客とが陳列ケース等をはさんで向かい合った状態で、販売員が客と対面してコミュニケーションを取りつつ客に商品を販売する、所謂「対面販売」がある。ここで、客に商品を計り売りする対面販売においては、商品の重量を計量するとともに、計量結果に関連した情報(商品の正味重量、商品の価格等)をラベルに印刷する、印刷機能付き電子秤が利用される。
【0003】
この種の電子秤に搭載される印刷装置は、ラベルロール(複数枚のラベルが帯方向に連ねられたラベルテープを、ロール状に丸めたもの)を収容するカセットと、ラベルに対する印刷を行う印刷ヘッドとを備え、カセットから繰り出されるラベルテープに連ねられたラベルに対して印刷ヘッドが印刷を行っていく。印刷が施されたラベルは、ラベル発行口から突き出され、販売員により切り取られて商品に貼付される。例えば特許文献1には、この種の電子秤の構成例が開示されている。
【0004】
ただし、ここで一般的に利用されているラベルテープには、台紙付きと台紙無しの2つのタイプがある。台紙付きのラベルテープは、帯状の非粘着性の台紙上に、裏面に粘着性を有するラベルが台紙の帯方向に沿って僅かな隙間をあけて複数枚張りつけられたものである。一方、台紙無しのラベルテープは、裏面に粘着性を有するラベルのみからなり、複数のラベルがミシン目等を介して複数枚つなげられたものである。
【0005】
ところで、1枚のラベル内に適切に印刷を行うためには、カセットから繰り出されるラベルテープに連ねられたラベルの位置(例えば、ラベルの先端位置)を検出し、この検出情報に基づいて印刷のタイミングを制御する必要がある。
【0006】
一般に、ラベルの位置検出は、透過型のセンサ(「フォトインタラプタ」と呼ばれることもある)を用いて行われることが多い。例えば、電子秤に用いられているラベルテープが台紙付きのラベルテープである場合、台紙におけるラベルが貼り付けられた部分と、ラベルが貼り付けられていない部分(ラベルとラベルとの隙間)との間に厚みの差が存在し、この厚みの差が透過光の強度差となって現れる。したがってこの場合、透過型のセンサを用いてラベルとラベルとの隙間を検出することによってラベルの先端位置を特定することができる。
【0007】
ところが、電子秤に用いられているラベルテープが台紙無しのラベルテープである場合、台紙有りのラベルテープのような厚みの差が存在しないため、透過型のセンサでラベルの位置を正確に検出することは難しい。
【0008】
そこで、台紙無しのラベルテープにおいては、各ラベルの裏面の定位置(例えば、先端部分)に検出用のマークを予め付しておき、当該マークを反射型のセンサ(「フォトリフレクタ」と呼ばれることもある)で検出することによってラベルの先端位置を特定する、という手法がとられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−14455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、電子秤のユーザは、カセット内のラベルロールがなくなると、新しいラベルロールに交換しなければならない。この交換の作業性を良好なものとするためには、ラベルロールを収容する部材であるカセットが、電子秤の装置本体に対して着脱可能となっていることが好ましい。
【0011】
図15には、カセット90の構成例が模式的に示されている。カセット90は、例えば、印刷ローラ91と、搬送ローラ92と、支持軸93とを備える。搬送ローラ92は、支持軸93に支持されたラベルロール800から繰り出されるラベルテープ80を印刷ローラ91に向けて送り出す。印刷ローラ91は、印刷に供されるプラテンローラであり、カセット90が電子秤の装置本体に収容された状態において、本体部に配置された印刷ヘッド(図示省略)との間にラベルテープ80を挟み込む。ラベルロール800から繰り出されるラベルテープ80は、その表面801を印刷ヘッド側に(すなわち、その裏面802を印刷ローラ91側に)向けるようにして印刷ローラ91と印刷ヘッドとの間に挟み込まれ、この位置で印刷を施されることになる。
【0012】
ここで、カセット90に収容されるラベルテープ80が、台紙無しのラベルテープである場合、上述したとおり、ラベル8の位置検出のためにはラベルテープ80の裏面802に光を当ててその反射光を検知する必要がある。ここで、ラベルロール800から繰り出されるラベルテープ80は、裏面802をカセット90の側に向けている。したがって、裏面802に光をあててその反射光を検知するためには、発光素子および受光素子からなる反射型のセンサ94を、カセット90に配設することになる。ところが、センサ94をカセット90に配設すると、発光素子および受光素子を装置本体と接続するための配線95がカセット90から延びることになり、カセット90を装置本体から着脱する際の妨げとなってしまう。
【0013】
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、印刷対象物を収容する部材の装置本体に対する着脱を妨げずに、反射型の態様で印刷対象物の位置を検知する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1に記載の発明は、印刷ヘッドと、複数の印刷対象物を帯状に連ねた対象テープをロール状にした対象ロールを収容する収容部と、前記収容部から繰り出される前記対象テープに光を照射して、前記対象テープに連ねられた印刷対象物の位置を検出するセンサと、前記センサが検出した前記印刷対象物の位置に基づいて前記印刷ヘッドを制御して、前記印刷ヘッドに前記印刷対象物に対する印刷を行わせる印刷制御部と、を備え、前記センサが、第1発光部と、受光部と、前記第1発光部から出射された光を前記対象テープの裏面に導くとともに、その反射光を前記受光部に導く導光部と、を備え、前記第1発光部と前記受光部とが装置本体に配設され、前記導光部が前記装置本体に対して着脱可能に構成された前記収容部に配設される。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の印刷装置であって、前記センサが、前記装置本体に配設された第2発光部、をさらに備え、前記導光部が、前記第2発光部から出射され、前記対象テープを透過した透過光を前記受光部に導く。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の印刷装置であって、前記センサが、前記第1発光部と前記第2発光部とを交互に発光させるとともに、前記受光部において交互に受光される前記反射光と前記透過光のいずれかに基づいて前記印刷対象物の位置を検出する検出制御部、をさらに備える。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の印刷装置であって、前記対象テープが、それぞれの裏面の定位置に検出用のマークが付された前記複数の印刷対象物を、一方向に連結させて帯状としたものである場合に、前記センサが、前記受光部において受光される前記反射光に基づいて前記印刷対象物の位置を検出する。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の印刷装置であって、前記対象テープが、帯状の台紙シート上に、その帯方向に沿って前記複数の印刷対象物が間隔をあけて配列されたものである場合に、前記センサが、前記受光部において受光される前記透過光に基づいて前記印刷対象物の位置を検出する。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項2から5のいずれかに記載の印刷装置であって、前記第1発光部と前記受光部とが、それぞれの光軸が、前記導光部の配置位置を通り前記対象テープの面方向と平行な第1平面内を通過するように配置され、前記導光部が、前記対象テープの面方向に対して傾斜した傾斜面を備え、前記傾斜面において、前記第1発光部から出射された光を屈折させて前記対象テープに入射させるとともに、前記対象テープで反射された反射光を屈折させて前記受光部に導く。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の印刷装置であって、前記傾斜面における、前記第1発光部の光軸が通過する第1面部分と前記受光部の光軸が通過する第2面部分とが、各面部分を通過する光軸に対して等しい角度で逆向きに傾斜して向かい合っている。
【0021】
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の印刷装置であって、前記第2発光部が、前記対象テープを挟んで、前記第1平面と逆側に配置され、前記導光部が、前記傾斜面において、前記第2発光部から出射されて前記対象テープを透過した透過光を屈折させて前記受光部に導く。
【0022】
請求項9に記載の発明は、計量対象物の重量を計量する計量装置と、前記計量装置による計量結果に関連した情報を印刷する印刷装置と、を備え、前記印刷装置が、印刷ヘッドと、複数の印刷対象物を帯状に連ねた対象テープをロール状にした対象ロールを収容する収容部と、前記収容部から繰り出される前記対象テープに光を照射して、前記対象テープに連ねられた印刷対象物の位置を検出するセンサと、前記センサが検出した前記印刷対象物の位置に基づいて前記印刷ヘッドを制御して、前記印刷ヘッドに前記印刷対象物に対する印刷を行わせる印刷制御部と、を備え、前記センサが、第1発光部と、受光部と、前記第1発光部から出射された光を前記対象テープの裏面に導くとともに、その反射光を前記受光部に導く導光部と、を備え、前記第1発光部と前記受光部とが装置本体に配設され、前記導光部が前記装置本体に対して着脱可能に構成された前記収容部に配設される。
【発明の効果】
【0023】
請求項1、9に記載の発明によると、センサにおいて、収容部に設けられた導光部が、装置本体に設けられた第1発光部から出射された光を対象テープの裏面に導くとともに、その反射光を、装置本体に設けられた受光部に導くので、反射型の態様で印刷対象物の位置を検知することができる。ここで、導光部には配線が必要ないので、このセンサが、収容部を装置本体に対して着脱する際の妨げとなることがない。
【0024】
請求項2に記載の発明によると、センサが備える受光部に、対象テープで反射した光と、対象テープを透過した光との両方を受光させることができる。したがって、このセンサにおいては、透過型、反射型のどちらの態様でも印刷対象物の位置を検知することができる。
【0025】
請求項3に記載の発明によると、印刷対象物に適した検出態様が、透過型、反射型のどちらであるかを予め判断しなくとも、透過型、あるいは、反射型のうち、適した検出態様で印刷対象物の位置を確実に検出することができる。
【0026】
請求項4に記載の発明によると、センサが、印刷対象物の裏面に付された検出用のマークを確実に検出することができる。すなわち、印刷対象物の位置を確実に検知することができる。
【0027】
請求項5に記載の発明によると、センサが、印刷対象物間の隙間を確実に検出することができる。すなわち、印刷対象物の位置を確実に検知することができる。
【0028】
請求項6に記載の発明によると、第1発光部と受光部とを第1平面内の任意の位置に配置できるので、これら各部の配置の自由度が高まる。
【0029】
請求項7に記載の発明によると、第1発光部から出射されて第1面部分に入射した光は、第1面部分において、第2面部分に向く方向に傾きながら対象テープに向かうように屈折される。すると、対象テープで反射された反射光は第2面部分に入射し、第2面部分において、受光部に向けて屈折されることになる。この構成によると、十分な量の反射光を受光部に導くことができるので、反射型の態様で印刷対象物の位置を検知する際の検知精度を向上させることができる。
【0030】
請求項8に記載の発明によると、第2発光部を、対象テープを挟んで第1平面と逆側となる任意の位置に配置できるので、第2発光部の配置の自由度が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】電子秤を示す斜視図である。
【図2】販売員側表示装置を上側に跳ね上げた状態の電子秤を示す斜視図である。
【図3】カバーを開けてカセットを半分引き出した状態の電子秤を示す斜視図である。
【図4】本体部から取り外した状態のカセットを示す斜視図である。
【図5】カセットの側面図である。
【図6】カセットが収容された状態の本体部の内部の様子を示す図である。
【図7】カセットが収容された状態の本体部の内部の様子を示す図である。
【図8】第1発光部が発光している状態において形成される光路を模式的に示す図である。
【図9】第1発光部が発光している状態において形成されるプリズム内の光路を模式的に示す図である。
【図10】第2発光部が発光している状態において形成される光路を模式的に示す図である。
【図11】第2発光部が発光している状態において形成されるプリズム内の光路を模式的に示す図である。
【図12】印刷装置の構成を示すブロック図である。
【図13】受光部における受光光の強度変化を模式的に示す図である。
【図14】表示画面の構成例を示す図である。
【図15】従来のカセットの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0033】
<1.電子秤の構成>
この発明の実施の形態に係る印刷装置を搭載した電子秤100の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、電子秤100を示す斜視図である。図1および以下に参照する各図には、説明の便宜上、前後、左右、上下、の各方向を示す座標軸が適宜付されている。
【0034】
電子秤100は、対面販売において、商品の重量を計量するとともに、計量結果に関連した情報(商品の正味重量、商品の価格等)を、裏面に粘着性を有するシール状のラベル8に印刷する「印刷機能付き電子秤」である。電子秤100は、例えば、客に商品を計り売りする対面販売が行われるスーパーマーケットの惣菜売り場等において、その前側を販売員側に、その後側を客側向けて配置される。
【0035】
電子秤100は、本体部10の上面に載置された計量装置1と、本体部10の例えば左側に設けられた印刷装置2と、本体部10の前側に配置された販売員側表示装置3と、本体部10の後側に配置された客側表示装置4とを主として備える。また、本体部10の内部には、これら各部1〜4を制御する制御部5が設けられる。
【0036】
計量装置1は、その上面に載置された計量対象物(ここでは商品)の重量を計量する機能部であり、制御部5と有線あるいは無線で接続されている。計量装置1は、例えば、その筐体内部に配置された皿受け部とロードセルとを備える(いずれも図示両略)。計量装置1の筐体の上面は計量皿として機能し、ここに商品が載置されると、その重量が皿受け部を介してロードセルに伝達され、ロードセルは当該重量に対応する荷重信号を制御部5に出力する。なお、計量装置1は、電子秤100の本体部10に対して着脱可能に構成されてもよい。
【0037】
印刷装置2は、計量対象物とされた商品に関する情報を、裏面に粘着性を有するラベル8の表面に対して、文字、図形および記号等の形で印刷する。ただし、ラベルに印刷される情報には、計量装置1における当該商品の計量結果に関連した情報が含まれる。印刷後のラベル8はラベル発行口104から突き出され、販売員は、発行されたラベル8を切り取って、これを計量装置1の上面に載置されている商品に貼付する。印刷装置2の構成については、後に詳細に説明する。
【0038】
販売員側表示装置3は、ユーザ(例えば、販売員)からの操作を受け付ける操作パネルとして機能する。販売員側表示装置3は、例えば、タッチパネル31と、複数の入力キー32とを備える。タッチパネル31は、例えば液晶ディスプレイによって構成されており、画面に文字や図形等を表示する表示機能と、指や専用のペンで画面に触れることによって画面上の位置を指定できるタッチパネル機能とを備えている。各入力キー32は、当該キーに対応する文字や数字の入力、あるいは、定められた機能を電子秤100に実行させるための指示の入力に使用される。販売員は、タッチパネル31のタッチパネル機能、あるいは、入力キー32を使用して、電子秤100に各種の指示等を入力することができる。
【0039】
客側表示装置4は、客に対して各種の情報を表示する情報表示装置として機能する。制御部5は、客側表示装置4に、販促メッセージ(お勧め商品に関する情報、特価情報等)、計量中の商品(計量対象物)に関する情報(商品の重量、単価、商品価格等)等を表示させる。
【0040】
制御部5は、例えば、プログラムや変数等を格納するメモリ、メモリに格納されたプログラムに従った制御を実行するCPU等を備える。制御部5は、電子秤100が備える各要素を制御することによって電子秤100全体の動作を管理する。
【0041】
<2.電子秤の全体の動作>
電子秤100の全体の動作を説明する。上述したとおり、電子秤100は、対面販売が行われる売り場において、その前側を販売員側に、その後側を客側向けて配置される。
【0042】
客から商品の求めがあると、販売員は、求められた商品を計量装置1の上面に載置する。すると、載置された商品の重量が皿受け部を介してロードセルに伝達され、ロードセルから当該重量に対応する荷重信号(すなわち、載置された商品の重量情報)が制御部5に出力される。
【0043】
一方で、販売員は、販売員側表示装置3を介して、客から求められた商品の種類を電子秤100に入力する。この入力操作は、具体的には、販売員が、客から求められた商品の種類に対応する入力キー32を操作する、あるいは、当該商品の種類に対応するタッチパネル31上の位置を指で触れることによって行われる。制御部5は当該入力操作を受け付けて、指定された商品の商品情報(商品の単位重量あたりの価格、消費期限、商品名等の各種情報)をメモリから読み出す。
【0044】
続いて、制御部5は、計量装置1から取得した商品の重量情報と、メモリから取得された商品情報とに基づいて、ラベルに印刷すべき情報(印刷情報)を取得する。例えば、制御部5は、商品の重量情報と商品の単位重量あたりの価格とに基づいて算出された商品の価格、商品の正味重量、定められた商品情報(商品の消費期限、商品名等)を、ラベル8に印刷すべき情報として取得する。
【0045】
そして、制御部5は、印刷装置2を制御して、取得された印刷情報をラベル8に印刷させる。印刷装置2において実行される印刷処理の態様は後に説明する。印刷処理が行われると、印刷情報が印刷されたラベル8がラベル発行口104から出てくる。販売員は、発行されたラベル8を切り取って計量装置1の上面に載置されている商品に貼付し、当該商品を客に渡す。
【0046】
なお、制御部5は、上記の一連の動作が行われている間、客側表示装置4に販促メッセージ、計量中の商品に関する情報等を表示させる。
【0047】
<3.印刷装置>
次に、印刷装置2について説明する。
【0048】
<3−1.ラベルテープ80>
印刷装置2の構成について具体的に説明する前に、印刷装置2において印刷対象物とされるラベル8について説明する。
【0049】
ラベル8は、複数枚帯状に連ねられてテープ状とされており(以下「ラベルテープ80」という)、印刷装置2においては、ラベルテープ80をロール状に巻いたラベルロール800(図2参照)からラベルテープ80を繰り出しながら、ここに連ねられた各ラベル8に対して印刷を行う。ここで、ラベルテープ80には、台紙無しのものと台紙付きのものの2種類が存在し、印刷装置2においてはどちらの種類のラベルテープ80であっても利用することができる。
【0050】
「台紙無しのラベルテープ80」とは、複数枚のラベル8を一方向に連結させて帯状としたものである。ここでは、連結された各ラベル8の間にはミシン目等が形成されており、各ラベル8を簡単に切り離せるようになっている。また、連結された各ラベル8の裏面の定位置(例えば、先端位置)には、検出用のマーク(以下「検出用マーク」という)が、インク等により印刷されることによって付されている。
【0051】
「台紙付きのラベルテープ80」とは、帯状の非粘着性の台紙シート(以下「台紙テープ」という)81上に、その帯方向に沿って、複数枚のラベル8が微小な隙間をあけて配列されて貼り付けられたものである。
【0052】
以下において、台紙無しのラベルテープ80と台紙付きラベルテープ80とを区別する場合には、前者を「台紙無しラベルテープ80a」と、後者を「台紙付きラベルテープ80b」と、それぞれ示すことにする。両者を区別しない場合は、単に「ラベルテープ80」と示す。
【0053】
<3−2.印刷装置2の構成>
印刷装置2の構成について、図2、図3を参照しながら説明する。図2は、販売員側表示装置3を上側に跳ね上げた状態の電子秤100を示す斜視図である。図3は、カバー101を開けてカセット22を半分引き出した状態の電子秤100を示す斜視図である。なお、図2、図3においては、カセット22に収容されるラベルロール800が仮想線で示されている。
【0054】
販売員側表示装置3は本体部10の上面の前側付近において、本体部10に対してヒンジ構造を介して着設されており、ヒンジ部を中心にして回動可能に構成されている。販売員側表示装置3を、ヒンジ部を中心にして上側に回動させると、販売員側表示装置3は本体部10の上側に跳ね上がる。すると、本体部10の前面に配置されたカバー101が現れる。
【0055】
カバー101は、本体部10の前面の一部を構成する。カバー101は、これを閉じた状態において、その上端と本体部10の天板との間に微小な隙間が形成されるようになっており、この隙間が、印刷後のラベル8を本体部10の外部に排出するラベル発行口104として機能する。また、カバー101は、その下端において、本体部10に対してヒンジ構造を介して着設されている。カバー101を、ヒンジ部を中心にして下側に回動させると、本体部10の内部の空間が開口する。
【0056】
本体部10の内部には、仕切り壁102により仕切られた空間103が形成されており、カバー101を開くと、この空間103が開口する。空間103には、ラベルロール800を収容する部材である「カセット22」が収容される。すなわち、空間103は、カセット22を収容するための収容空間として機能する。カセット22は、本体部10に対して着脱可能に形成されており、カバー101を開いてカセット22を前側に引き出すことにより、カセット22を本体部10から取り外せるようになっている。カセット22の構成については後に詳細に説明する。
【0057】
カバー101の内側面(収容空間103に対向する側の面)には、例えばダイレクトサーマル方式によりラベル8への印刷を行う印刷用のヘッド(印刷ヘッド)21が配設される。カバー101を閉じると、その内側に配設された印刷ヘッド21は、収容空間103に収容されているカセット22の印刷ローラ63と当接するようになっており、印刷ヘッド21は、印刷ローラ63との間にラベルテープ80を挟み込んだ状態で、ラベル8に対する印刷を行う。
【0058】
本体部10の各部およびカセット22の各位置には、カセット22から繰り出されるラベルテープ80に光を照射して、ラベルテープ80に連ねられたラベル8の位置を検出する機能部(センサ23(図12参照))を構成する各部が配置される。すなわち、仕切り壁102の収容空間103に対向する側の面には、発光ダイオード等の発光素子により構成される発光部(第1発光部)231と、フォトトランジスタ等の受光素子により構成される受光部232とが近接して配置される。第1発光部231と受光部232とは、1つの光学ユニット230としてユニット化されたものであってもよい。また、カバー101の内側であって、印刷ヘッド21の下方側には、発光ダイオード等の発光素子により構成される発光部(第2発光部)233が配置される。一方、カセット22には、発光部231,233から出射された光を受光部232に導くための導光部材であるプリズム234が配置される(図4参照)。これら各部231〜234の位置関係、および、これら各部231〜234による検出動作の態様については、後により具体的に説明する。
【0059】
<3−3.カセット22>
<3−3−1.構成>
続いて、カセット22の構成について、図4を参照しながら説明する。図4は、本体部10から取り外した状態のカセット22を示す斜視図である。なお、図4においては、カセット22に収容されるラベルロール800が仮想線で示されている。
【0060】
カセット22は、側壁601と、側壁601の下端縁に沿い、側壁601に対して垂直に配設された底壁602を備える。底壁602は、前方にむけて緩やかに反り上がっている。また、カセット22は、側壁601の前側上方に配設された第1の支持壁603およびこれと対向する第2の支持壁603と、一対の支持壁603の間に架け渡されるように配設された基部604とを備える。基部604は、側壁601に対して垂直に配設された厚板状の部材であり、前方に向けて斜め上に傾斜するような姿勢で配設される。基部604の下端と底壁602の上端との間には、ラベルテープ80が挿通可能な隙間が形成されている。
【0061】
側壁601の後方側には、支持軸61が配設される。支持軸61は、側壁601に対して垂直に突設される部材であり、側壁601に対して垂直な回動軸を中心に回動可能に構成される。支持軸61は、ラベルロール800の支管810内に挿通されて、ラベルロール800を支持する。ここで、支持軸61の軸部は、断面が扁平な形状(具体的には、2個の半円を直線で結んだ長円形状、あるいは、楕円形状)に形成されることが好ましい。断面が扁平な形状とされることによって、支持軸61が回動した際にラベルロール800の支管810が空回りしにくくなるという利点が得られる。また、支持軸61の周囲に歯を形成して支持軸61を歯車形状に構成してもよい。支持軸61を歯車形状に構成しておけば、ラベルロール800の支管810がさらに空回りしにくくなる。
【0062】
また、基部604には、下方側から順に、搬送ローラ62、印刷ローラ63、および、剥離板64が配設される。さらに、搬送ローラ62と印刷ローラ63との間には、プリズム234が配設される。プリズム234については後に説明する。
【0063】
搬送ローラ62は、長尺のローラ部材であり、基部604の前面において、左右に架け渡されるようにして配置される。搬送ローラ62は、ラベルテープ80を上方(印刷ローラ63側)に向けて送り出す送り用のローラである。
【0064】
印刷ローラ63は、搬送ローラ62と同様、長尺のローラ部材であり、基部604の前面であって搬送ローラ62の上側の位置において、左右に架け渡されるようにして配置される。印刷ローラ63は、搬送ローラ62から送り出されるラベルテープ80を印刷ヘッド21との間に挟み込む、所謂、プラテンローラである。
【0065】
剥離板64は、長尺の部材であり、基部604の上端位置において、左右に架け渡されるようにして配置される。剥離板64は、その先端において、印刷ローラ63の上方に押し出されたラベルテープ80の台紙テープ81を、後方に向けて急角度に曲折させる(図7参照)。
【0066】
また、側壁601における、支持軸61と側壁601と間の位置には、巻き取り軸65が配設される。巻き取り軸65は、側壁601に対して垂直に突設される部材であり、側壁601に対して垂直な回動軸を中心に回動可能に構成される。巻き取り軸65は、回動することによって、ラベルテープ80の台紙テープ81を巻き取って回収する(図7参照)。なお、巻き取り軸65は、断面が扁平な形状(具体的には、2個の半円を直線で結んだ長円形状、あるいは、楕円形状)に形成されることが好ましい。断面が扁平な形状とされることによって、巻き取り軸65の周囲に台紙テープ81を確実に巻きつかせることができる。
【0067】
また、支持軸61には、固定環66が挿通される。固定環66は、支持軸61の軸方向に沿って摺動可能とされており、支持軸61に支持されたラベルロール800を側壁601に当接させるように幅寄せして、ラベルロール800が支持軸61の延在方向に沿って動かないように固定する。ここで、固定環66について、図5を参照しながらより具体的に説明する。図5は、カセット22の側面図である。
【0068】
図5の上段に示すように、固定環66は、支持軸61の軸方向からみた平面視サイズが、ラベルロール800の支管810の内径よりも僅かに小さく、かつ支持軸61の断面サイズよりも大きくなるように形成されている。固定環66の平面視サイズが、ラベルロール800の支管810の内径よりも僅かに小さくされることによって、固定環66がラベルロール800の支管810内に支持軸61を挿通させる際の妨げとならない。
【0069】
作業者が、ラベルロール800を、その支管810内に支持軸61を挿通させて固定環66の奥側に押し込み、そして、ラベルロール800から手を離すと、ラベルロール800は、図5の下段に示すように、重力にしたがって落下し、支管810の上側が支持軸61に当接する位置で引っ掛かる。上述したとおり、固定環66の平面視サイズは、支持軸61の断面サイズよりも大きく形成されているので、この状態において、固定環66の上端は、ラベルロール800の支管810の上側よりも上方に位置する。したがって、固定環66を支持軸61に沿って摺動させて、支持軸61に支持されたラベルロール800を側壁601に当接するように幅寄せすると、固定環66とラベルロール800との間に当接部(図で斜線で示した部分)が形成される。この当接部において、ラベルロール800が支持軸61の延在方向に沿って動かないように確実に固定されることになる。
【0070】
<3−3−2.ラベルテープ80の搬送経路>
台紙無しラベルテープ80aの搬送経路について、図6を参照しながら説明する。図6は、カセット22が収容された状態の本体部10の内部の様子を示す図である。なお、図6においては、説明の便宜上、本体部10の側面とカセット22の支持壁603とが図示省略されている。
【0071】
カセット22の支持軸61に装着されたラベルロール800から繰り出される台紙無しラベルテープ80aは、その裏面(粘着面)を上側に向ける姿勢で、前方に向けて繰り出される。前方に繰り出された台紙無しラベルテープ80aは、搬送ローラ62を介して、印刷ローラ63まで導かれ、印刷ローラ63の位置において、印刷ローラ63と印刷ヘッド21との間に挟み込まれる。上述したとおり、台紙無しラベルテープ80aに連ねられた各ラベル8は、印刷ローラ63と印刷ヘッド21との間に挟み込まれた位置において、印刷ヘッド21から印刷を施されることになる。印刷ローラ63と印刷ヘッド21との間を通過した台紙無しラベルテープ80a(すなわち、印刷済みのラベル8)は、そのまま上方に押し出され、ラベル発行口104から突き出される。なお、カセット22において、台紙無しラベルテープ80aの裏面が接触しうる部分(具体的には、搬送ローラ62、基部604の下面(ラベルテープ80と対向する面)、印刷ローラ63,および、剥離板64等)には台紙無しラベルテープ80aの裏面がくっつかないように、非粘着コーティングが施されている。したがって、台紙無しラベルテープ80aの裏面がカセット22の各部にくっついてスムースな搬送が妨げられるといった事態が生じないようになっている。
【0072】
次に、台紙付きラベルテープ80bの搬送経路について、図7を参照しながら説明する。図7は、カセット22が収容された状態の本体部10の内部の様子を示す図である。なお、図7においても、説明の便宜上、本体部10の側面とカセット22の支持壁603とが図示省略されている。
【0073】
カセット22の支持軸61に装着されたラベルロール800から繰り出される台紙付きラベルテープ80bは、その裏面(台紙テープ81における、ラベル8が貼り付けられていない側の面)を上側に向ける姿勢で、前方に向けて繰り出される。前方に繰り出された台紙無しラベルテープ80aは、搬送ローラ62を介して、印刷ローラ63まで導かれ、印刷ローラ63の位置において、印刷ローラ63と印刷ヘッド21との間に挟み込まれる。上述したとおり、台紙付きラベルテープ80bに連ねられた各ラベル8は、印刷ローラ63と印刷ヘッド21との間に挟み込まれた位置において、印刷ヘッド21から印刷を施されることになる。印刷ローラ63と印刷ヘッド21との間を通過した台紙付きラベルテープ80bの台紙テープ81は、剥離板64により後方に向けて急角度に曲折される。すると、台紙テープ81からラベル8が剥離して上方に押し出され、ラベル発行口104から突き出される。そして、台紙テープ81は、後方にUターンして、巻き取り軸65により巻き取られる。
【0074】
<3−4.センサ23>
次に、センサ23について詳細に説明する。上述したとおり、センサ23は、本体部10の仕切り壁102に配設された第1発光部231および受光部232と、本体部10のカバー101に配設された第2発光部233と、カセット22の基部604に配設されたプリズム234とを備える(図3、図4参照)。
【0075】
<3−4−1.位置関係>
本体部10の収容空間103にカセット22を収容してカバー101を閉じた状態における、これら各部231〜234の位置関係について、先に参照した各図に加え、図8を参照しながら説明する。図8は、印刷装置2を図6の矢印K方向からみた断面部分を拡大して示す図である。すなわち、図8には、ラベルロール800の搬送方向と直交する断面で切った面における各部231〜234の位置関係が示されている。
【0076】
カセット22の基部604に配設されるプリズム234は、ラベルテープ80の搬送方向について、印刷ローラ63よりも上流側であり、かつ、側壁601側の支持壁603に近接した位置に配置される(図4参照)。なお、支持壁603とプリズム234との当接部分には、窓600が形成されており、光の通過が妨げられないようになっている。また、プリズム234は、基部604の下面(ラベルテープ80と対向する面)よりも僅かに(例えば、約0.5mm程度)落とし込まれた位置にくるように配置されており、台紙無しラベルテープ80aの裏面と接触しないようにされている。したがって、プリズム234には非粘着コーティングを施す必要がない。ただし、上述したとおり、基部604の下面には非粘着コーティングが施されており、台紙無しラベルテープ80aの裏面が基部604の下面にくっついてスムースな搬送が妨げられるといった事態が生じないようになっている。
【0077】
カセット22を収容空間103に収容すると、仕切り壁102に配設された第1発光部231および受光部232は、それぞれの光軸が、プリズム234の配置位置を通りラベルテープ80の面方向と平行な面(第1平面)H1内を通過するように配置される。なお、ここでは、第1発光部231と第2発光部233は、図8において紙面に垂直な方向に沿って配置されており、第1発光部231および受光部232は、それぞれの光軸が第1平面H1内において互いに平行となるように配置される。ただし、図では説明の便宜上、第1発光部231と第2発光部233とを少しずらして表している。
【0078】
また、カセット22を収容空間103に収容してカバー101を閉じると、カバー101の内側に配置された第2発光部233は、ラベルテープ80を挟んで、第1平面H1と逆側に配置されることになる。好ましくは、第2発光部233は、その光軸が、ラベルテープ80の面方向と直交し、かつ、プリズム234の配置位置を通る面(第2平面)H2内にくるように配置される。
【0079】
<3−4−2.プリズム234>
次に、プリズム234について、図9を参照しながら説明する。図9は、プリズム234の形状を示す斜視図である。なお、図9には、第1発光部231が発光している状態において形成されるプリズム234内の光路が模式的に示されている。
【0080】
プリズム234は、透明な媒質(例えば、ガラス、水晶等)で形成された多面体であり、第1発光部231、あるいは、第2発光部233から発光された光を受光部232に導く導光部である。
【0081】
プリズム234は、ラベルテープ80の面方向に対して傾斜した傾斜面2341を備える。傾斜面2341は、ラベルテープ80の面方向に沿う第1平面H1に対して45°傾斜し(すなわち、ラベルテープ80の法線方向に沿う第2平面H2に対しても45°傾斜し)(仮想線L)、さらに、第1発光部231の光軸が通過する第1面部分2341aと受光部232の光軸が通過する第2面部分2341bとが、各面部分を通過する光軸に対して等しい角度で逆向きに傾斜して向かい合っている。
【0082】
ここで、第1発光部231から出射された光の光路について、図8、図9を参照しながら説明する。第1発光部231から出射された光は第1平面H1上の光軸に沿って直進し、第1面部分2341aに入射する。第1面部分2341aに入射した光は、第1面部分2341aにおいて、第2面部分2341bに向く方向に僅かに傾きながらラベルテープ80に向かうように屈折される。すると、ラベルテープ80の裏面の位置Pで反射された反射光は第2面部分2341bに入射することになる。第2面部分2341bに入射した光は、第2面部分2341bにおいて、受光部232に向かうように屈折される。すなわち、第1発光部231が発光すると、ラベルテープ80の裏面での反射光が受光部232に入射することになる。
【0083】
ラベルテープ80が台紙無しラベルテープ80aである場合、その裏面には検出用マーク82が形成されている。したがって、検出用マーク82の形成位置での反射光と、それ以外の位置での反射光との間では、受光部232における検出強度が異なってくる。この強度差を利用して、台紙無しラベルテープ80aの裏面に付された検出用マーク82(ひいては、ラベル8の位置)を検出することができる。
【0084】
一方、第2発光部233から出射された光の光路について、図10、図11を参照しながら説明する。第2発光部233から出射された光の一部は、ラベルテープ80を透過した後に第2面部分2341bに入射する。第2面部分2341bに入射した光は、第2面部分2341bにおいて、受光部232に向かうように屈折される。すなわち、第2発光部233が発光すると、ラベルテープ80を透過した透過光が受光部232に入射することになる。
【0085】
ラベルテープ80が台紙付きラベルテープ80bである場合、台紙テープ81にラベル8が貼り付けられた部分と、ラベル8が貼り付けられていない台紙テープ81だけの部分(ラベル8間の隙間部分)との間には厚みの差が存在する。したがって、ラベル8の部分の透過光と、ラベル8間の隙間部分の透過光との間では、受光部232における検出強度が異なってくる。この強度差を利用して、台紙付きラベルテープ80bのラベル8間の隙間部分(ひいては、ラベル8の位置)を検出することができる。
【0086】
<3−5.印刷装置2の動作>
上記の構成を備える印刷装置2の動作を、上記に参照した各図に加え、図12を参照しながら説明する。図12は、印刷装置2の構成を示すブロック図である。
【0087】
<3−5−1.全体の動作>
印刷装置2は、上記の各部21〜23を制御して印刷動作を実行させる印刷制御部51を備える。印刷制御部51は、例えば、電子秤100の制御部5において実現される。
【0088】
ここで、印刷制御部51の制御下で行われる印刷動作の全体の流れを説明する。印刷装置2における印刷動作は、ラベルロール800を収容したカセット22が収容空間103に収容され、カバー101が閉じられた状態で行われる。なお、上述したとおり、カセット22に収容されるラベルロール800は、台紙無しラベルテープ80aをロール状にしたものでもよく、台紙付きラベルテープ80bをロール状にしたものでもよい。
【0089】
印刷制御部51は、まず、搬送ローラ62、印刷ローラ63、および、巻き取り軸65のそれぞれに接続された駆動部(図示省略)を駆動して、これら各部を同じ方向に回転させる。すると、カセット22に収容されたラベルロール800からラベルテープ80が繰り出されて、定められた搬送経路に沿って搬送される。
【0090】
一方で、印刷制御部51は、センサ23に、ラベルテープ80に連ねられたラベル8の位置を検出させるとともに、センサ23が検出したラベル8の位置に基づいて印刷ヘッド21を制御して、印刷ヘッド21にラベル8に対する印刷を行わせる。印刷ヘッド21は、印刷制御部51からの指示に応じて、印刷ローラ63との間に挟み込まれたラベル8に対して印刷を行う。これによって、ラベル発行口104から印刷が施されたラベル8が排出されることになる。
【0091】
<3−5−2.センサ23の動作>
印刷装置2は、センサ23が備える各部231〜233を制御して検出動作を実行させる検出制御部52を備える。検出制御部52は、例えば、電子秤100の制御部5において実現される。
【0092】
ここで、検出制御部52の制御下で行われる検出動作の流れを説明する。なお、以下の説明において参照する図13は、受光部232における検出強度の変化の様子を模式的に示す図である。
【0093】
検出制御部52は、印刷制御部51から検出動作の開始指示を受けると、第1発光部231と第2発光部233とを交互に発光させる。上述したとおり、第1発光部231が発光すると、受光部232において、ラベルテープ80の裏面での反射光が受光される。一方、第2発光部233が発光すると、受光部232において、ラベルテープ80を透過した透過光が受光される。
【0094】
いま、カセット22から繰り出されるラベルテープ80が台紙無しラベルテープ80aであるとする。台紙無しラベルテープ80aに連ねられた各ラベル8の裏面には検出用マーク82が付されており、検出用マーク82の形成位置において反射光に強度変化が検出される(図13の上段)。一方、台紙無しラベルテープ80aは、帯方向沿ってほぼ均一な厚みを有している。したがって、台紙無しラベルテープ80aを透過した透過光には、強度変化はほとんど現れない(図13の下段)。
【0095】
また、カセット22から繰り出されるラベルテープ80が台紙付きラベルテープ80bである場合、ラベル8が貼り付けられていない台紙テープ81だけの部分(ラベル8とラベル8との隙間)と、台紙テープ81にラベル8が貼り付けられた部分との間に厚みの差が存在する。したがって、この隙間の位置を透過した透過光は、それ以外の位置を透過した透過光よりも強度が強くなる。すなわち、ラベル8とラベル8との隙間の位置において透過光に強度変化が検出される(図13の上段)。一方、台紙付きラベルテープ80bの裏面(すなわち、台紙テープ81におけるラベル8が貼り付けられていない側の面)は、帯方向沿ってほぼ均一な色みを有している。したがって、台紙付きラベルテープ80bの裏面で反射した反射光には、強度変化はほとんど現れない(図13の下段)。
【0096】
ここで、第1発光部231と第2発光部233とが交互に発光すると、受光部232において、反射光と透過光とが交互に受光されることになる。すなわち、受光部232における検出光の強度変化は、図13の上段と下段とを重ね合わせたものとなる。つまり、カセット22から繰り出されるラベルテープ80が台紙無しラベルテープ80aである場合は各ラベル8の検出用マーク82の形成位置がピークとして現れ、カセット22から繰り出されるラベルテープ80が台紙付きラベルテープ80bである場合は各ラベル8間の隙間の位置がピークとして現れる。したがって、カセット22から繰り出されるラベルテープ80が、台紙無しラベルテープ80a、台紙付きラベルテープ80bのいずれであっても、受光部232は、各ラベル8の位置を確実に検出することができる。
【0097】
<4.効果>
上記の実施の形態によると、センサ23において、カセット22に設けられたプリズム234が、電子秤100の本体部10に設けられた第1発光部231から出射された光をラベルテープ80の裏面に導くとともに、その反射光を、本体部10に設けられた受光部232に導くので、反射型の態様でラベル8の位置を検知することができる。ここで、プリズム234には配線が必要ないので、このセンサ23が、カセット22を本体部10に対して着脱する際の妨げとなることがない。
【0098】
また、上記の実施の形態によると、センサ23が備える受光部232に、ラベルテープ80で反射した光と、ラベルテープ80を透過した光との両方を受光させることができる。したがって、このセンサ23においては、透過型、反射型のどちらの態様でもラベル8の位置を検知することができる。
【0099】
特に、上記の実施の形態によると、検出制御部52が第1発光部231と第2発光部233とを交互に発光させるので、ラベル8に適した検出態様が透過型、反射型のどちらであるかを予めユーザが判断しなくとも、透過型、あるいは、反射型のうち、適した検出態様でラベル8の位置を確実に検出することができる。特に、ラベルテープ80が台紙無しラベルテープ80aである場合、センサ23が、ラベル8の裏面に付された検出用マーク82を確実に検出することができる。したがって、ラベル8の位置を確実に検知することができる。また、ラベルテープ80が台紙付きラベルテープ80bである場合、センサ23が、ラベル8間の隙間を確実に検出することができる。すなわち、ラベル8の位置を確実に検知することができる。
【0100】
また、上記の実施の形態によると、第1発光部231と受光部232とを第1平面H1内の任意の位置に配置できるので、これら各部の配置の自由度が高まる。また、第2発光部233を、ラベルテープ80を挟んで第1平面H1と逆側となる任意の位置に配置できるので、第2発光部233の配置の自由度が高まる。
【0101】
特に、上記の実施の形態によると、プリズム234の傾斜面2341における、第1発光部231の光軸が通過する第1面部分2341aと受光部232の光軸が通過する第2面部分2341bとが、各面部分を通過する光軸に対して等しい角度で逆向きに傾斜して向かい合っているので、第1発光部231から出射されて第1面部分2341aに入射した光は、第1面部分2341aにおいて、第2面部分2341bに向く方向に傾きながらラベルテープ80に向かうように屈折される。すると、ラベルテープ80で反射された反射光は第2面部分2341bに入射し、第2面部分2341bにおいて、受光部232に向けて屈折されることになる。この構成によると、十分な量の反射光を受光部232に導くことができるので、反射型の態様でラベル8の位置を検知する際の検知精度を向上させることができる。
【0102】
<5.変形例>
上記の実施の形態においては、印刷装置2は、台紙無しラベルテープ80a、台紙付きラベルテープ80bのいずれでも利用可能としたが、必ずしも両方の種類のラベルテープを利用可能に構成する必要はなく、例えば、台紙無しラベルテープ80aのみ利用可能な構成としてもよい。この場合、センサ23において第2発光部233を設ける必要はない。
【0103】
また、上記の実施の形態においては、印刷対象物は、ラベル8であるとしたが、印刷対象物は必ずしもラベル8である必要はなく、例えば、印刷用紙等であってもよい。
【0104】
また、上記の実施の形態においては、電子秤100に搭載された印刷装置2について説明したが、印刷装置2は、必ずしも電子秤100に搭載される必要はない。
【0105】
<6.その他の変形例>
上記の実施の形態に係る電子秤100においては、ユーザは、販売員側表示装置3を介して装置の各種設定等を行うことができる。具体的には、ユーザが所定の操作(例えば、「メニューキー」の操作)を行うと、これに応じて、制御部5は、販売員側表示装置3に、各種のメニュー(操作項目)が一覧表示された画面(メニュー画面)を表示させる。ユーザが、タッチパネル機能、あるいは、入力キー32を用いて、一覧表示されたメニューのいずれかを選択し、さらに選択したメニューに係る設定事項を入力すると、制御部5は当該入力を受け付ける。
【0106】
ところで、装置の多機能化等に伴い、メニューの種類は増加する傾向にある。メニューの種類が増えると、各メニューを示すアイコンが小さくなり、ユーザが所望するメニューを検索しにくくなる。すなわち、検索効率が低下する。そこで、従来においては、検索効率の低下を防止するべく、メニューの階層化という手法がとられることが多かった。具体的には、第1のメニュー画面に上位層のメニューを一覧表示し、ユーザが第1のメニュー画面に一覧表示されたメニューの中から1個のメニューを選択すると、選択されたメニューをさらに細分化した下位層のメニューを一覧表示した第2のメニュー画面が表示される。この場合、ユーザは、所望するメニューが一覧表示に現れるまで選択操作を次々と繰り返すことによって、はじめて、所望するメニューを選択することができる。
【0107】
上記のように、メニューを階層化する態様によると、ユーザが所望のメニューを選択するために必要な操作回数が多く、操作時間もかかり、使い勝手が悪かった。
【0108】
そこで、メニュー画面に一覧表示されるメニューの種類が、ユーザの使用履歴等に応じて自動変更される構成としてもよい。この構成について、図14を参照しながら具体的に説明する。
【0109】
図14には、この変形例に係るメニュー画面Gの構成例が示されている。ここに示されるように、メニュー画面Gには、通常メニュー表示部分G0と、特定メニュー表示部分G1とが表示される。
【0110】
通常メニュー表示部分G1は、従来通りの態様でメニューが一覧表示される部分である。例えば、ユーザの指示に応じて、上述した上位層のメニュー、あるいは、上述した下位層のメニュー等が一覧表示される。
【0111】
特定メニュー表示部分G1は、装置が有する全メニューのうちから選択された特定のメニュー(特定メニュー)を一覧表示する部分である。制御部5が特定メニュー表示部分G1の表示を制御する態様について説明する。
【0112】
制御部5は、各ユーザから受け付けた操作の履歴を、当該ユーザの識別情報と対応付けて管理している。具体的には、ユーザの識別情報(例えば、ログインのパスワード)と、当該識別情報(例えば、パスワード)の入力後に行われた操作の履歴とを対応付けて蓄積している。
【0113】
ユーザがメニュー画面の表示指示を与えた場合、制御部5は、まず、当該ユーザの識別情報と対応付けられた操作の履歴を参照する。そして、現時点から遡って定められた回数Nのメニューの選択操作のうち、選択された回数が多いメニューから順に定められた個数(例えば、m個)のメニューを抽出する。そして抽出されたm個のメニューを、その抽出順に、特定メニュー表示部分G1の先頭(例えば、左から順にメニューを一覧表示される場合は、左側)から一覧表示させる。
【0114】
つまり、各ユーザに表示される特定メニュー表示部分G1には、当該ユーザが過去に行ったN回のメニュー選択操作のうち、最も多く選択されたメニューが先頭に、次に多く選択されたメニューがその隣に、その次に多く選択されたメニューがその隣に、といった具合に、m個のメニューが一覧表示されることになる。
【0115】
この構成によると、ユーザの利用傾向に応じたメニュー画面が表示されることになるので、ユーザが選択したいメニューが特定メニュー表示部分G1に現れる可能性が高くなる。したがって、特定メニュー表示部分G1に所望のメニューが表示されていれば、上述したように、所望するメニューがメニュー画面の一覧表示の中に現れるまで選択操作を次々と繰り返すという操作をユーザが行う必要がなく、ユーザは少ない操作回数で所望のメニューを選択することができる。
【0116】
なお、表示するメニューを選択する際に参照される操作履歴の回数Nは、ユーザが任意に設定可能とすることが好ましい。この場合、例えば、ユーザが当該回数Nを「100」と設定した場合、現時点から遡って100回分の操作履歴が取得され、これに基づいて特定メニュー画面G1に表示されるメニューが決定されることになる。また例えば、ユーザが当該回数Nを「1」と設定した場合、最後に操作されたメニューがメニュー画面G1に表示されることになる。また、特定メニュー表示部分G1に表示するメニューの個数mも、ユーザが任意に設定可能としてもよい。
【符号の説明】
【0117】
100 電子秤
1 計量装置
2 印刷装置
5 制御部
21 印刷ヘッド
22 カセット
23 検出センサ
51 印刷制御部
52 検出制御部
231 第1発光部
232 受光部
233 第2発光部
234 プリズム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ヘッドと、
複数の印刷対象物を帯状に連ねた対象テープをロール状にした対象ロールを収容する収容部と、
前記収容部から繰り出される前記対象テープに光を照射して、前記対象テープに連ねられた印刷対象物の位置を検出するセンサと、
前記センサが検出した前記印刷対象物の位置に基づいて前記印刷ヘッドを制御して、前記印刷ヘッドに前記印刷対象物に対する印刷を行わせる印刷制御部と、
を備え、
前記センサが、
第1発光部と、
受光部と、
前記第1発光部から出射された光を前記対象テープの裏面に導くとともに、その反射光を前記受光部に導く導光部と、
を備え、
前記第1発光部と前記受光部とが装置本体に配設され、前記導光部が前記装置本体に対して着脱可能に構成された前記収容部に配設される、印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置であって、
前記センサが、
前記装置本体に配設された第2発光部、
をさらに備え、
前記導光部が、
前記第2発光部から出射され、前記対象テープを透過した透過光を前記受光部に導く、印刷装置。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷装置であって、
前記センサが、
前記第1発光部と前記第2発光部とを交互に発光させるとともに、前記受光部において交互に受光される前記反射光と前記透過光のいずれかに基づいて前記印刷対象物の位置を検出する検出制御部、
をさらに備える印刷装置。
【請求項4】
請求項3に記載の印刷装置であって、
前記対象テープが、それぞれの裏面の定位置に検出用のマークが付された前記複数の印刷対象物を、一方向に連結させて帯状としたものである場合に、
前記センサが、前記受光部において受光される前記反射光に基づいて前記印刷対象物の位置を検出する、印刷装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の印刷装置であって、
前記対象テープが、帯状の台紙シート上に、その帯方向に沿って前記複数の印刷対象物が間隔をあけて配列されたものである場合に、
前記センサが、前記受光部において受光される前記透過光に基づいて前記印刷対象物の位置を検出する、印刷装置。
【請求項6】
請求項2から5のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記第1発光部と前記受光部とが、
それぞれの光軸が、前記導光部の配置位置を通り前記対象テープの面方向と平行な第1平面内を通過するように配置され、
前記導光部が、
前記対象テープの面方向に対して傾斜した傾斜面を備え、
前記傾斜面において、前記第1発光部から出射された光を屈折させて前記対象テープに入射させるとともに、前記対象テープで反射された反射光を屈折させて前記受光部に導く、印刷装置。
【請求項7】
請求項6に記載の印刷装置であって、
前記傾斜面における、前記第1発光部の光軸が通過する第1面部分と前記受光部の光軸が通過する第2面部分とが、各面部分を通過する光軸に対して等しい角度で逆向きに傾斜して向かい合っている、印刷装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の印刷装置であって、
前記第2発光部が、
前記対象テープを挟んで、前記第1平面と逆側に配置され、
前記導光部が、
前記傾斜面において、前記第2発光部から出射されて前記対象テープを透過した透過光を屈折させて前記受光部に導く、印刷装置。
【請求項9】
計量対象物の重量を計量する計量装置と、
前記計量装置による計量結果に関連した情報を印刷する印刷装置と、
を備え、
前記印刷装置が、
印刷ヘッドと、
複数の印刷対象物を帯状に連ねた対象テープをロール状にした対象ロールを収容する収容部と、
前記収容部から繰り出される前記対象テープに光を照射して、前記対象テープに連ねられた印刷対象物の位置を検出するセンサと、
前記センサが検出した前記印刷対象物の位置に基づいて前記印刷ヘッドを制御して、前記印刷ヘッドに前記印刷対象物に対する印刷を行わせる印刷制御部と、
を備え、
前記センサが、
第1発光部と、
受光部と、
前記第1発光部から出射された光を前記対象テープの裏面に導くとともに、その反射光を前記受光部に導く導光部と、
を備え、
前記第1発光部と前記受光部とが装置本体に配設され、前記導光部が前記装置本体に対して着脱可能に構成された前記収容部に配設される、電子秤。
【請求項1】
印刷ヘッドと、
複数の印刷対象物を帯状に連ねた対象テープをロール状にした対象ロールを収容する収容部と、
前記収容部から繰り出される前記対象テープに光を照射して、前記対象テープに連ねられた印刷対象物の位置を検出するセンサと、
前記センサが検出した前記印刷対象物の位置に基づいて前記印刷ヘッドを制御して、前記印刷ヘッドに前記印刷対象物に対する印刷を行わせる印刷制御部と、
を備え、
前記センサが、
第1発光部と、
受光部と、
前記第1発光部から出射された光を前記対象テープの裏面に導くとともに、その反射光を前記受光部に導く導光部と、
を備え、
前記第1発光部と前記受光部とが装置本体に配設され、前記導光部が前記装置本体に対して着脱可能に構成された前記収容部に配設される、印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置であって、
前記センサが、
前記装置本体に配設された第2発光部、
をさらに備え、
前記導光部が、
前記第2発光部から出射され、前記対象テープを透過した透過光を前記受光部に導く、印刷装置。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷装置であって、
前記センサが、
前記第1発光部と前記第2発光部とを交互に発光させるとともに、前記受光部において交互に受光される前記反射光と前記透過光のいずれかに基づいて前記印刷対象物の位置を検出する検出制御部、
をさらに備える印刷装置。
【請求項4】
請求項3に記載の印刷装置であって、
前記対象テープが、それぞれの裏面の定位置に検出用のマークが付された前記複数の印刷対象物を、一方向に連結させて帯状としたものである場合に、
前記センサが、前記受光部において受光される前記反射光に基づいて前記印刷対象物の位置を検出する、印刷装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の印刷装置であって、
前記対象テープが、帯状の台紙シート上に、その帯方向に沿って前記複数の印刷対象物が間隔をあけて配列されたものである場合に、
前記センサが、前記受光部において受光される前記透過光に基づいて前記印刷対象物の位置を検出する、印刷装置。
【請求項6】
請求項2から5のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記第1発光部と前記受光部とが、
それぞれの光軸が、前記導光部の配置位置を通り前記対象テープの面方向と平行な第1平面内を通過するように配置され、
前記導光部が、
前記対象テープの面方向に対して傾斜した傾斜面を備え、
前記傾斜面において、前記第1発光部から出射された光を屈折させて前記対象テープに入射させるとともに、前記対象テープで反射された反射光を屈折させて前記受光部に導く、印刷装置。
【請求項7】
請求項6に記載の印刷装置であって、
前記傾斜面における、前記第1発光部の光軸が通過する第1面部分と前記受光部の光軸が通過する第2面部分とが、各面部分を通過する光軸に対して等しい角度で逆向きに傾斜して向かい合っている、印刷装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の印刷装置であって、
前記第2発光部が、
前記対象テープを挟んで、前記第1平面と逆側に配置され、
前記導光部が、
前記傾斜面において、前記第2発光部から出射されて前記対象テープを透過した透過光を屈折させて前記受光部に導く、印刷装置。
【請求項9】
計量対象物の重量を計量する計量装置と、
前記計量装置による計量結果に関連した情報を印刷する印刷装置と、
を備え、
前記印刷装置が、
印刷ヘッドと、
複数の印刷対象物を帯状に連ねた対象テープをロール状にした対象ロールを収容する収容部と、
前記収容部から繰り出される前記対象テープに光を照射して、前記対象テープに連ねられた印刷対象物の位置を検出するセンサと、
前記センサが検出した前記印刷対象物の位置に基づいて前記印刷ヘッドを制御して、前記印刷ヘッドに前記印刷対象物に対する印刷を行わせる印刷制御部と、
を備え、
前記センサが、
第1発光部と、
受光部と、
前記第1発光部から出射された光を前記対象テープの裏面に導くとともに、その反射光を前記受光部に導く導光部と、
を備え、
前記第1発光部と前記受光部とが装置本体に配設され、前記導光部が前記装置本体に対して着脱可能に構成された前記収容部に配設される、電子秤。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−176507(P2012−176507A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39629(P2011−39629)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
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