説明

印刷装置及び印刷システム

【課題】印刷されるテープの幅が狭小でも、テープに印字される文字のつぶれ、読み難さを回避して目的のテープを作成する印刷装置及び印刷システムの提供を目的とする。
【解決手段】印刷媒体幅が所定の閾値以下である場合(S3:YES)、S5に進み、S1で指定された書体に展開された文字を簡易化された書体データ57に置き換える。この簡易化された書体データ57は、小さい文字でも見易いように線を細くしたり、場合によっては線を省略したりして作成されている。そして、入力された文字列をS5で置き換えられた簡易化された書体データ57を用いてイメージに展開し、サーマル印刷機構4で印刷されて印刷された印刷媒体23ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置及び印刷システムに関し、特にテープ幅の細いテープに対して印刷する文字・図形の処理に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、音楽CD、CD−ROM、DVD等のデータを記録しておくための記録媒体であるメディアが多数普及している。これに伴いこれらのメディアを保管するためのケースも多数出荷されて使用されている。そして、このケースは、それぞれのメディアの形状に合わせた投影面積と薄さで形成されている。
【0003】
ところで、上述のメディアを保管する薄いケースの背中にメディアの内容を活字で記述した細いテープを貼る要求がある。ところが、この細いテープの領域に活字を印刷して収めようとすると、活字が小さくなってしまって読めなくなるという問題があった。この問題を解決するための技術として、特許文献1には、印刷される用紙サイズが設定されると印刷される文字の大きさ(ポイント数)によって書体を変更する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開昭2004−118465号公報(段落0056〜段落0060)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のように、印刷される用紙サイズが設定され、印刷される文字の大きさ(ポイント数)によって書体を変更する技術は、簡単な文字には有効であるが画数の多い文字に対しては文字のつぶれが発生して読めないという問題があった。
【0006】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、印刷されるテープの幅が所定のテープ幅以下であることが検出されたとき、テープに印字される文字を簡易化することにより文字のつぶれ、読み難さを回避して目的のテープを作成する印刷装置及び印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、文字を入力する入力手段と、前記入力手段によって入力された文字を印刷媒体に印刷する印刷手段と、前記印刷媒体の幅が所定の幅以下であるか否かを検出する検出手段とを備えた印刷装置において、前記検出手段により前記印刷媒体が所定の幅以下であることが検出されたとき、文字を簡易化する第1の簡易化手段と、前記第1の簡易化手段によって簡易化された文字を、前記印刷手段により前記印刷媒体に印刷する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の印刷装置において、前記第1の簡易化手段は、文字の画数が所定の画数を超えたとき、その文字をひらがなに変換するようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、請求項1に記載の印刷装置において、前記第1の簡易化手段は、一つ以上の文字から構成される単語において、単語の中の少なくとも一つの文字の画数が所定の画数を超えたとき、その単語を全てひらがなに変換するようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、請求項1に記載の印刷装置において、入力された単語を同義語に変換するための同義語変換手段を備え、前記第1の簡易化手段は、一つ以上の文字から構成される単語において、単語の中の少なくとも一つの文字の画数が所定の画数を超えたとき、その単語を前記同義語変換手段により同義語に変換するようにしたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の印刷装置において、前記第1の簡易化手段は、簡易化する文字の画数を選択できるようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る発明は、請求項1に記載の印刷装置において、前記第1の簡易化手段によって簡易化された文字は、文字の書体を簡易化した簡易化フォントであることを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る発明は、印刷装置と文字及び図形を入力する入力手段を有するパーソナルコンピュータとがデータを送受信可能に接続され、さらに、前記入力手段により入力された文字及び図形をラスタデータに変換し、前記パーソナルコンピュータから前記印刷装置へ送信する印刷システムにおいて、前記印刷装置は、文字及び図形を印刷媒体に印刷する印刷手段と、前記印刷媒体の幅が所定の幅以下であるか否かを検出する検出手段とを備え、前記パーソナルコンピュータは、前記検出手段により前記印刷媒体が所定の幅以下であることが検出された検出信号を受信したとき、前記入力手段によって入力された文字及び図形を、それぞれ前記文字を示す文字コードと前記図形のイメージを示すラスタデータに変換して前記印刷手段に送信する印刷制御手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に係る発明は、請求項7に記載の印刷システムにおいて、前記印刷装置は、前記印刷制御手段から送信された文字コードに基づいて、印刷装置に内蔵されている所定幅以下の印刷媒体用に調整された専用フォントに変換して前記印刷手段により前記印刷媒体に印刷することを特徴とする。
【0015】
また、請求項9に係る発明は、印刷装置と文字及び図形を入力する入力手段を有するパーソナルコンピュータとがデータを送受信可能に接続された印刷システムにおいて、前記印刷装置は、文字及び図形を印刷媒体に印刷する印刷手段と、前記印刷媒体の幅が所定の幅以下であるか否かを検出する検出手段と、前記検出手段により前記印刷媒体が所定の幅以下であることが検出されたとき、文字を簡易化する第1の簡易化手段とを備え、前記パーソナルコンピュータは、前記検出手段により前記印刷媒体が所定の幅以下であることが検出された検出信号を受信したとき、前記入力手段によって入力された文字及び図形をそれぞれ文字コードとラスタデータに分割して前記印刷手段に送信する印刷制御手段とを備え、前記印刷装置は、前記印刷制御手段から送信された文字コードの文字を前記第1の簡易化手段により簡易化するとともに、その簡易化された文字コードの文字と前記印刷制御手段から送信されたラスタデータとを合成して前記印刷手段により前記印刷媒体に印刷することを特徴とする。
【0016】
そして、請求項10に係る発明は、請求項9に記載の印刷システムにおいて、前記パーソナルコンピュータは、文字を前記第1の簡易化手段によって簡易化される文字と同じ文字に簡易化する第2の簡易化手段を有し、前記検出手段により前記印刷媒体が所定の幅以下であることが検出された検出信号を受信したとき、前記入力手段で入力された文字を前記第2の簡易化手段によって簡易化された文字の文字コードに変換して前記印刷手段に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明に係る印刷装置では、検出手段により印刷媒体が所定の幅以下であることが検出されたとき、文字を簡易化する第1の簡易化手段と、第1の簡易化手段によって簡易化された文字を、印刷手段により印刷媒体に印刷する制御手段と、を備えたことにより、印刷媒体が所定の幅以下のとき印刷装置は、入力された文字を印刷装置が備えている文字の書体を簡易化する第1の簡易化手段によって簡易化してから、印刷手段により印刷媒体に印刷するようにしたので、所定幅以下の印刷媒体であっても文字つぶれを防止することができる。
【0018】
また、請求項2に記載の発明に係る印刷装置では、請求項1に記載の発明の効果に加え第1の簡易化手段は、文字の画数が所定の画数を超えたとき、その文字をひらがなに変換するようにしたので、文字の画数が多いために文字がつぶれて読めないという問題を解決できる。
【0019】
また、請求項3に記載の発明に係る印刷装置では、請求項1に記載の発明の効果に加え第1の簡易化手段が、一つ以上の文字から構成される単語において、単語の中の少なくとも一つの文字の画数が所定の画数を超えたとき、その単語を全てひらがなに変換するようにしたので、文字の画数が多いために文字がつぶれて読めないという問題を解決できる。また、単語の中で一つの文字の画数が所定の画数を超えたことにより、その文字のみをひらがなに変換した単語を含む文章が読み難いという問題を解決することができる。
【0020】
また、請求項4に記載の発明に係る印刷装置では、請求項1に記載の発明の効果に加え入力された単語を同義語に変換するための同義語変換手段を備え、第1の簡易化手段が、一つ以上の文字から構成される単語において、単語の中の少なくとも一つの文字の画数が所定の画数を超えたとき、その単語を同義語変換手段により同義語に変換するようにしたので、そのままその単語を使用すると文字がつぶれて読めなくなる問題をつぶれ難い同義語に変換したり、画数の少ない同義語に変換したりすることによって回避することができる。
【0021】
また、請求項5に記載の発明に係る印刷装置では、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加え第1の簡易化手段が、簡易化する文字の画数を選択できるようにしたので、一律に簡易化する文字の画数を固定してしまうと設定した画数よりも少ない画数でも文字がつぶれたりする問題や、設定した画数よりも多い画数でも文字のつぶれに対して余裕があっても簡易化されたりする事柄をその都度簡易化する文字の画数を選択することによって解決することができる。
【0022】
また、請求項6に記載の発明に係る印刷装置では、請求項1に記載の発明の効果に加え第1の簡易化手段によって簡易化された文字が、文字の書体を簡易化した簡易化フォントであるので、文字が太いとか、文字の画数が多いために文字がつぶれて読めないという問題を解決できる。
【0023】
また、請求項7に記載の発明に係る印刷システムでは、印刷装置が、文字及び図形を印刷媒体に印刷する印刷手段と、印刷媒体の幅が所定の幅以下であるか否かを検出する検出手段とを備え、パーソナルコンピュータは、検出手段により印刷媒体が所定の幅以下であることが検出された検出信号を受信したとき、入力手段によって入力された文字及び図形を、それぞれ文字を示す文字コードと図形のイメージを示すラスタデータに変換して印刷手段に送信する印刷制御手段を備えたので、印刷媒体が所定の幅以下のときパーソナルコンピュータから印刷装置に送る文字と図形のデータにおいて、文字と図形を一緒にしたラスタデータで印刷するとつぶれて読めなくなる文字を、図形のイメージを示すラスタデータと分離して文字を示す文字コードで送信することによって印刷装置に内蔵しているその文字コードに対応したその印刷装置用のフォントを選択して使用できるので文字つぶれを防止することができる。
【0024】
また、請求項8に記載の発明に係る印刷システムでは、請求項7に記載の発明の効果に加え印刷装置が、印刷制御手段から送信された文字コードに基づいて、印刷装置に内蔵されている所定幅以下の印刷媒体用に調整された専用フォントに変換して印刷手段により印刷媒体に印刷するようにしたので、所定幅以下の印刷媒体であっても文字つぶれを防止することができる。
【0025】
また、請求項9に記載の発明に係る印刷システムでは、印刷装置が、文字及び図形を印刷媒体に印刷する印刷手段と、印刷媒体の幅が所定の幅以下であるか否かを検出する検出手段と、検出手段により印刷媒体が所定の幅以下であることが検出されたとき、文字を簡易化する第1の簡易化手段とを備え、パーソナルコンピュータは、検出手段により印刷媒体が所定の幅以下であることが検出された検出信号を受信したとき、入力手段によって入力された文字及び図形をそれぞれ文字コードとラスタデータに分割して印刷手段に送信する印刷制御手段とを備え、印刷装置は、印刷制御手段から送信された文字コードの文字を第1の簡易化手段により簡易化するとともに、その簡易化された文字コードの文字と印刷制御手段から送信されたラスタデータとを合成して印刷手段により印刷媒体に印刷するようにしたことにより、印刷媒体が所定の幅以下のとき、パーソナルコンピュータが印刷装置に送る文字と図形において、文字と図形を一緒にしたラスタデータで送信して印刷するとつぶれて読めなくなる文字を、図形のイメージを示すラスタデータと分離し、文字コードで送信することにより、印刷装置が、この文字コードを基にして第1の簡易化手段により簡易化するとともにその簡易化された文字コードに対応する文字のデータと同時に送られてきた図形のイメージを示すラスタデータと合成してから、印刷手段により印刷媒体に印刷するようにしたので、所定幅以下の印刷媒体であっても文字つぶれを防止することができる。
【0026】
そして、請求項10に記載の発明に係る印刷システムでは、請求項9に記載の発明の効果に加えパーソナルコンピュータが、文字を第1の簡易化手段によって簡易化される文字と同じ文字に簡易化する第2の簡易化手段を有し、検出手段により印刷媒体が所定の幅以下であることが検出された検出信号を受信したとき、入力手段で入力された文字を第2の簡易化手段によって簡易化された文字の文字コードに変換して印刷手段に送信するようにしたことにより、印刷媒体が所定の幅以下のとき、パーソナルコンピュータが印刷手段に送る文字データを第2の簡易化手段によって簡易化し、文字のつぶれが無いことをパーソナルコンピュータ側で確認してから文字データを印刷装置に送信するようにしたので、印刷装置がその文字データを印刷手段により印刷媒体に印刷するとき、所定幅以下の印刷媒体であっても文字つぶれ無しで印刷することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明に係る印刷装置1について、本発明を具体化した第1の実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る印刷装置1の概略構成について図1乃至図4に基づき説明する。図1は、第1の実施形態における印刷装置1の斜視図、図2は、印刷装置1のカバー部材8を開けた斜視図、図3は、印刷媒体カセット10を装着したサーマル印刷機構4の概略平面図、図4は、印刷装置1の制御系のブロック図である。
【0028】
図1及び図2において、印刷装置1の本体フレーム2の前部にはキーボード3が配設され、キーボード3の後方で本体フレーム2内にはサーマル印刷機構4が配設され、またキーボード3の上方寄りには、入力した文字や記号を表示可能な液晶ディスプレイ(以後はLCDと省略)5が設けられている。更に、本体フレーム2の右側側面後方には、電源をON/OFFする為の電源スイッチ6が設けられている。そして、本体フレーム2の左側後方角には、印刷された印刷媒体23をカットするためのカッター釦7が設けられている。
【0029】
キーボード3には、アルファベット文字や数字や記号を入力する為の文字キー、スペースキー、Enterキー3a、カーソル移動キー3b、Back Spaceキーや取消キー等の編集キー、印字を指令する印刷キーが設けられている。これらは、氏名用のテープ、ファイル用の背表紙、メディアを保管する薄いケース用の背表紙等を印刷装置1で作成するときに必要に応じてアルファベット文字や数字や記号を入力するために使用される。
【0030】
本体フレーム2の後側において、図2のカバー部材8を開けた状態に示すように、LCD5の後方にラミネートテープ11を所定形状のカセットケースに収納した印刷媒体カセット10(図3参照)を装着するカセット保持部9が形成され、そのカセット保持部9には、印刷媒体カセット10内の使用済みのインクリボン13を巻取るためのリボン巻取カム25と、印字済みのテープを送り駆動するためのテープ送りローラカム26とが配置されている。カセット保持部9にはこの他、ラミネートテープ11に文字等を印字するサーマルヘッド19が、印刷媒体カセット10を装着した際にその開口部27に位置するように放熱を兼ねたサブフレーム28に取り付けられて配置されている。また、図3に示すように、サーマルヘッド19に対向して、ローラホルダ22がプラテンローラ20及び送りローラ21を保持すると共に、ホルダ軸29を中心にして回動可能な状態で配置されている。
【0031】
次に、サーマル印刷機構4について、図3に基づいて簡単に説明する。このサーマル印刷機構4には、着脱自在に矩形状の印刷媒体カセット10が装着されており、この印刷媒体カセット10には、印刷媒体であるラミネートテープ11が巻装されたテープスプール12とインクリボン13が巻装されたリボンスプール14と、このインクリボン13を巻取るリボン巻取りスプール15と、ラミネートテープ11と同一幅を有する両面テープ16が剥離紙を外側にして巻装された供給スプール17と、ラミネートテープ11と両面テープ16とを押圧して接合させる接合ローラ18とが回転自在に設けられている。
【0032】
前記ラミネートテープ11とインクリボン13とが重なる位置には、サーマルヘッド19が立設され、これらラミネートテープ11とインクリボン13とをサーマルヘッド19に押圧するプラテンローラ20と、ラミネートテープ11と両面テープ16とを接合ローラ18に押圧して印刷された印刷媒体23を作成しながらテープ送りする送りローラ21とは、本体フレーム2に設けられたホルダ軸29に回動自在に枢着されたローラホルダ22に回転可能に枢支されている。このサーマルヘッド19には、複数の発熱素子が上下方向に列設されている。
【0033】
従って、テープ送りモータ36(図4参照)の所定回転方向への駆動により、接合ローラ18とリボン巻取りスプール15とが所定回転方向に各々同期して駆動されながら、サーマルヘッド19の複数の発熱素子に通電された時、ラミネートテープ11の裏面側には、複数のドット列により文字や記号が鏡像で印刷され、しかもラミネートテープ11の裏面側に両面テープ16が接合されて印刷された印刷媒体23が作成され、印刷された印刷媒体23が排出方向Tの方向に搬送されて、図1及び図3に示すように、本体フレーム2の外側に排出される。
【0034】
なお、この印刷媒体カセット10は、そのテープ幅やテープ種類によって複数の印刷媒体カセット10が用意されている。この印刷媒体カセット10の底壁部には、複数のテープ種検出用穴24が形成され、このテープ種検出用穴24の組合せによってテープ幅やテープ種類が決まり、この情報が本体フレーム2に設けられたカセット保持部9の右上角に取り付けられているテープ種検出センサ30(図2、図4参照)で読み取られる。
【0035】
次に、印刷装置1の制御系について、図4に基づいて説明する。制御装置46の入出力インターフェイス44には、キーボード3と、テープ種検出センサ30と、LCD5に表示データを出力する為のビデオRAM31を有するディスプレイコントローラ(以後はLCDCと省略)32と、サーマルヘッド19を駆動する為の駆動回路35と、テープ送りモータ36を駆動する為の駆動回路37とが、各々接続されている。
【0036】
制御装置46は、CPU40と、このCPU40にデータバスなどのバス45を介して接続された入出力インターフェイス44、表示用キャラクタジェネレータROM(表示用CGROM)41、印刷用キャラクタジェネレータROM(印刷用CGROM)42,ROM43及びRAM50とから構成されている。表示用CGROM41には、アルファベット文字や記号などの多数のキャラクタの各々に関して、所定文字サイズの表示用ドットパターンデータが格納されている。印刷用CGROM42には、アルファベット文字や記号などの多数のキャラクタの各々に関して、印刷用ドットパターンデータが、各書体毎にコードデータに対応させて、複数の印字文字サイズ分が格納されている。
【0037】
前記ROM43のプログラムエリアには、キーボード3から入力された文字、数字、記号等のキャラクタのコードデータに対応させてLCDC32を制御する表示駆動制御プログラム47、印字に供する1ドット列毎のドットパターンデータを順次サーマルヘッド19に転送してテープ送りモータ36を駆動させて印刷する印刷駆動プログラム48、本願特有の後述する印刷媒体が所定の幅以下であることが検出されたとき、文字の書体を簡易化する簡易化プログラム49、印刷媒体が所定の幅以下であることが検出され、単語の中の文字の画数が所定の画数を超えたとき、その単語を同義語に変換するように指示されたときに動作する同義語変換プログラム54が格納されている。更に、ROM43のデータエリアには、書体を選択するときに使用される書体データ56、印刷媒体が所定の幅以下であるときに使用される簡易化された書体データ57、文字の画数や同義語を検索するときに使用される国語・漢字辞書データ58が格納されている。
また、前記RAM50には、キーボード3から入力された文字列データを格納するテキストメモリ51や、CPU40で演算した演算結果を一時的に格納するワークメモリ52やバッファ53が設けられている。
【0038】
続いて、前述のように構成された印刷装置1において、印刷された印刷媒体23を作成するための操作の流れを図5乃至図11に基づいて説明する。ここで、図5は、印刷装置1内で文字入力を行い、印刷媒体幅の閾値による書体の処理を行って、印刷された印刷媒体23を作成するフローチャートである。尚、フローチャートの図面におけるステップは、Sと略記する。また、図6は、印刷媒体幅の閾値設定画面を説明する説明図、図7は、書体設定画面を説明する説明図、図8は、文字サイズ設定画面を説明する説明図、図9は、文字画数の閾値設定の要否設定画面を説明する説明図、図10は、文字画数の閾値設定画面を説明する説明図、図11は、単語を同義語に、または文字をひらがなに、または単語をひらがなに変換する画面を説明する説明図である。
【0039】
先ず、S1で印刷装置1の初期設定を行う。初期設定の内容は、図5の初期設定表61に示すように、印刷媒体幅の閾値の設定、書体の設定、文字サイズの設定、文字画数の閾値の設定、文字の画数設定に伴う単語を同義語に変換するか、または文字をひらがなに変換するか、または単語をひらがなに変換するかの設定である。
この初期設定において、印刷媒体幅の閾値の設定は、操作者が必要とする印刷媒体幅の閾値を図6の印刷媒体幅の閾値設定画面60に示す印刷媒体幅の閾値選択画面の中から、キーボード3のカーソル移動キー3bを操作して画面のカーソルBKを移動させて選択することによって行われる。
一方、この印刷媒体幅の閾値と比較される印刷媒体の幅の検出は、印刷媒体カセット10が印刷装置1のカセット保持部9にセットされたとき、印刷媒体カセット10に設けられたテープ種検出用穴24をカセット保持部9に設けられたテープ種検出センサ30が検出し、その検出信号をCPU40が判別して行う。また、印刷媒体カセット10がセットされていないときは、LCD5に「カセットがセットされていません。カセットをセットして下さい。」と表示される。更に、電源スイッチ6をONにしたときには、印刷媒体幅の閾値は無し(図示せず)になっている。また、途中で設定を解除するときは「設定しない」を選択する。
また、書体の設定は、操作者が必要とする書体を図7の書体設定画面62に示す書体選択画面の中から、キーボード3のカーソル移動キー3bを操作して画面のカーソルBKを移動させて選択することによって行われる。この選択操作をしない場合は、以前に選択された書体がそのまま使用される。尚、書体設定画面62に示す書体選択画面のそれぞれの書体は、ROM43に書体データ56として格納されている。
また、文字サイズの設定は、図8の文字サイズ設定画面63に示す印刷媒体の幅に合わせた文字サイズ選択画面の中から、操作者が必要とする文字サイズをキーボード3のカーソル移動キー3bを操作して画面のカーソルBKを移動させて選択することによって行われる。これによって印刷媒体の幅に適応した文字サイズの設定が可能となる。この選択操作をしない場合は、以前に選択された文字サイズがそのまま使用される。
また、文字画数の閾値の設定は、電源スイッチ6をONにしたときには設定無しになっている。そして、操作者が図9の文字画数の閾値設定の要否設定画面64に示す「文字画数の閾値を設定する」を選択すると、図10に示す文字画数の閾値設定画面65に切り替わるが、この切り替わった直後の状態を本実施形態では文字画数の閾値を15画に設定するようにしている。しかしながら、この図10の文字画数の閾値設定画面65の文字画数の閾値選択画面の中から、操作者がキーボード3のカーソル移動キー3bを操作して画面のカーソルBKを移動させて選択することによって文字画数の閾値を自由に選択することもできる。これによって文字のつぶれの調整が可能となる。
さらに、文字画数の閾値が文字画数の閾値選択画面より選択される図11に示す変換方法設定画面66のように切り替わり、単語を同義語に変換するか、または文字をひらがなに変換するか、または単語をひらがなに変換するかの設定を、この変換方法設定画面66の設定画面の中から、操作者がキーボード3のカーソル移動キー3bを操作して画面のカーソルBKを移動させながら選択設定する。
【0040】
次に、S2に進み、キーボード3から所望する文字が入力され、制御装置46のテキストメモリ51に格納される。
【0041】
次に、S3に進み、印刷媒体幅が所定の閾値以下であるか判断する。その判断は、印刷媒体カセット10が印刷装置1のカセット保持部9にセットされたとき、印刷媒体カセット10に設けられたテープ種検出用穴24をカセット保持部9に設けられたテープ種検出センサ30が検出し、その検出信号をCPU40が判別して行う。そこで、印刷媒体幅が所定の閾値以下でない場合(S3:NO)、S4に進み、S1で初期設定された書体と文字サイズに従い、入力された文字列をイメージに展開し、サーマル印刷機構4で印刷されて印刷媒体23ができる。
【0042】
S3に戻って、印刷媒体幅が所定の閾値以下である場合(S3:YES)、S5に進み、S1で指定された書体に展開された文字を簡易化された書体データ57に置き換える。この簡易化された書体データ57は、小さい文字でも見易いように線を細くしたり、場合によっては線を省略したりして作成されている。この簡易化された書体データ57は、上述のように制御装置46のROM43に格納されている。
【0043】
次に、S6に進み、更に文字列を見易くするステップに進むために文字の画数を利用するか判断する。そこで、文字の画数を利用しない場合(S6:NO)、S7に進み、入力された文字列をS5で置き換えられた簡易化された書体データ57を用いてイメージに展開し、サーマル印刷機構4で印刷されて印刷された印刷媒体23ができる。
【0044】
S6に戻って、文字の画数を利用する場合(S6:YES)、S8に進み、制御装置46のテキストメモリ51に格納されている文字列を単語単位に分解する。そして、S9に進み、S8で分解した単語の一つを抽出する。
【0045】
次に、S10に進み、S9で抽出した一つ単語の中に所定の閾値画数を超える文字があるか判断する。そこで、S9で抽出した一つ単語の中に所定の閾値画数を超える文字がある場合(S10:YES)、S11に進む。
【0046】
次に、S11では、更に文字列を見易くするステップに進むために、S1で初期設定した内容において「単語を同義語に変換する」が設定されているか判断する。そこで、「単語を同義語に変換する」が設定されている場合(S11:YES)、S12に進み、対象単語を同義語に変換してS16に進む。
【0047】
S11に戻って、「単語を同義語に変換する」が設定されていない場合(S11:NO)、S13に進む。
【0048】
次に、S13では、更に文字列を見易くするステップに進むために、S1で初期設定した内容において「文字をひらがなに変換する」が設定されているか判断する。そこで、「文字をひらがなに変換する」が設定されている場合(S13:YES)、S14に進み、対象文字をひらがなに変換してS16に進む。
【0049】
S13に戻って、「文字をひらがなに変換する」が設定されていない場合(S13:NO)、S1で初期設定した内容の「単語をひらがなに変換する」と同等になるので、S15に進んで対象単語をひらがなに変換してS16に進む。
【0050】
更に、S10に戻って、S9で抽出した一つ単語の中に所定の閾値画数を超える文字がない場合(S10:NO)、S16に進む。
【0051】
次に、S16では、S10、S12、S14、S15のそれぞれから進んできた処理に対して残りの文字列があるか判断する。そこで、残り文字列が有る場合(S16:YES)、S8に進み、S8以後の流れを繰り返す。
【0052】
S16に戻り、残り文字列が無い場合(S16:NO)、S17に進み、各簡易化手段(見易くするステップ)に基づいて、変換された文字列にも簡易化された書体データ57を用いてイメージに展開し、サーマル印刷機構4で印刷されて印刷された印刷媒体23が作成される。
尚、上述のフローチャートでは、単語を同義語に変換、文字をひらがなに変換、単語をひらがなに変換をいずれか一つを選択するようにプログラムしているが、二つ又は三つの組み合わせで行ってもよい。
【0053】
続いて、図12乃至図15に基づいて、図12に示す初期設定表68の設定によって実際に印刷された印字媒体23を作成する工程を図5のフローチャートを参照しつつ説明する。ここで、図12は、(工程1)ひらがな変換によって印刷された印刷媒体23を作成するための文字入力の画面表示67を説明する説明図、図13は、(工程2)入力された文字列を単語に分解するイメージを説明する説明図、図14は、(工程3)印刷された印刷媒体23を作成するために入力されて簡易化された文字列の画面表示69を説明する説明図、図15は、(工程4)文字のひらがな変換によって印刷された印刷媒体23の完成図である。また、図12に示す初期設定表68の内容は「印刷媒体幅の閾値:3.5mm、書体:MS明朝、文字サイズ:8(pt)、文字画数の閾値:15(画)、単語を同義語に変換:しない、文字をひらがなに変換:する、単語をひらがなに変換:しない」であり、カセット保持部9にセットされている印刷媒体カセット10の幅は3.5mmである。そして、入力する文字列は「楽曲タイトル一覧」である。この設定によって、「楽曲タイトル一覧」とキーボード3から入力された文字列が、この文字列に画数が15(画)以上の文字が含まれる場合には、印刷媒体幅の閾値が3.5mmであるので文字のひらがな変換がなされて、印刷媒体カセット10の3.5mmの印刷媒体に8(pt)の文字サイズで印刷される。
【0054】
先ず、図12について説明する。図12に示す前述の初期設定表68に基づいて、キーボード3から「楽曲タイトル一覧」の文字列を入力し、LCD5に印刷媒体の外形とカーソルの縦棒と共に印字イメージとして表示している。これは、図5のフローチャートにおけるS1、S2、S3、S5とステップを踏む状態である。
【0055】
次に、図13について説明する。図13では、印刷装置1の制御装置46の内部で行われる処理で入力された文字列を単語に分解し、文字の画数の解析をROM43に格納されている国語・漢字辞書データ58を使用して行っている。そして、図12の初期設定表68によれば、文字画数の閾値が15(画)で、文字をひらがなに変換するという設定なので、「一覧」という単語の「覧」の文字が17(画)でこの設定に相当する。そのため、「覧」という文字を「らん」とひらがなに変換する。これは、図5のフローチャートにおけるS6、S8、S9、S10、S11、S13、S14とステップを踏む状態である。
【0056】
次に、図14について説明する。図14では、印刷された印刷媒体23を作成するために入力されて簡易化された文字列の画面表示69が、LCD5に印刷媒体の外形と共に印刷イメージとして「楽曲タイトル一らん」の文字列が印刷媒体の外形と共に表示されている。これは、図5のフローチャートにおけるS14の状態である。
【0057】
そして、図15について説明する。図15は、幅3.5mmの印刷された印刷媒体23が完成された図を示している。キーボード3から入力された「楽曲タイトル一覧」の文字列が、文字画数の閾値を15(画)に設定し、文字をひらがなに変換するに設定したことによって「覧」がその文字に相当し、最終的に「楽曲タイトル一らん」の文字列がサーマル印刷機構4によって印刷されて、印刷された印刷媒体23が完成する。これは、図5のフローチャートにおいてS14、S16、S17とステップを踏んできた結果である。
【0058】
更に、図16及び図17に基づいて、文字の簡易化手段として、前述した文字のひらがな変換以外の単語の同義語変換と単語のひらがな変換について説明する。ここで、図16は、単語の同義語変換によって印刷された印刷媒体23の作成工程を示す説明図、図17は、単語のひらがな変換によって印刷された印刷媒体23の作成工程を示す説明図である。
【0059】
先ず、図16について説明する。図16に示す初期設定表70の内容は「印刷媒体幅の閾値:3.5mm、書体:MS明朝、文字サイズ:8(pt)、文字画数の閾値:15(画)、単語を同義語に変換:する、文字をひらがなに変換:しない、単語をひらがなに変換:しない」であり、カセット保持部9にセットされている印刷媒体カセット10の幅は3.5mmである。そして、入力する文字列は「楽曲タイトル一覧」である。この設定によって、「楽曲タイトル一覧」とキーボード3から入力された文字列に対して、この文字列に画数が15(画)以上の文字を含む単語が有った場合には、印刷媒体幅の閾値が3.5mmであるのでその単語の同義語に変換した後に、印刷媒体カセット10の3.5mmの印刷媒体に8(pt)の文字サイズで印刷される。
上述の設定に基づいて、「楽曲タイトル一覧」とキーボード3から文字列を入力すると、LCD5の画面に印刷された印刷媒体23を作成するための文字入力の画面表示67が表示される。そして、印刷媒体幅の閾値:3.5mm、文字画数の閾値:15(画)の条件の下に、「楽曲タイトル一覧」と入力された文字列を単語に分解し、国語・漢字辞書データ58から画数を解析する。その結果、「単語を同義語に変換する」の対象となる単語は「一覧」であることが解析され、国語・漢字辞書データ58に含まれている同義語から同義語として「表」が選択されて変換される。この解析に基づいて、キーボード3から入力された「楽曲タイトル一覧」の文字列が、最終的に「楽曲タイトル表」の文字列に変換されてサーマル印刷機構4によって印刷されて、印刷された印刷媒体23が完成する。尚、単語を同義語に変換する場合には、ROM43に格納されている同義語変換プログラム54が使用される。
【0060】
次に、図17について説明する。図17に示す初期設定表71の内容は「印刷媒体幅の閾値:3.5mm、書体:MS明朝、文字サイズ:8(pt)、文字画数の閾値:15(画)、単語を同義語に変換:しない、文字をひらがなに変換:しない、単語をひらがなに変換:する」であり、カセット保持部9にセットされている印刷媒体カセット10の幅は3.5mmである。そして、入力する文字列は「楽曲タイトル一覧」である。この設定によって、「楽曲タイトル一覧」とキーボード3から入力された文字列に対して、この文字列に画数が15(画)以上の文字を含む単語が有った場合には、印刷媒体幅の閾値が3.5mmであるのでその単語をひらがなに変換した後に、印刷媒体カセット10の3.5mmの印刷媒体に8(pt)の文字サイズで印刷される。
上述の設定に基づいて、「楽曲タイトル一覧」とキーボード3から文字列を入力すると、LCD5の画面に印刷された印刷媒体を作成するための文字入力の画面表示67bが表示される。そして、印刷媒体幅の閾値:3.5mm、文字画数の閾値:15(画)の条件の下に、「楽曲タイトル一覧」と入力された文字列を単語に分解し、国語・漢字辞書データ58から画数を解析する。その結果、「単語をひらがなに変換する」の対象となる単語は「一覧」であることが解析され、「一覧」が「いちらん」に変換される。この解析に基づいて、キーボード3から入力された「楽曲タイトル一覧」の文字列が、最終的に「楽曲タイトルいちらん」の文字列に変換されてサーマル印刷機構4によって印刷されて、印刷された印刷媒体23が完成する。
【0061】
ここで、キーボード3、Enterキー3a、カーソル移動キー3bは入力手段を構成する。サーマルヘッド19、駆動回路35、サーマル印刷機構4、印刷駆動プログラム48は印刷手段を構成する。印刷媒体カセット10のテープ種検出用穴24、テープ種検出センサ30は検出手段を構成する。ROM43の簡易化プログラム49、同義語変換プログラム54、書体データ56、簡易化された書体データ57、国語・漢字辞書データ58は第1の簡易化手段を構成する。ROM43の印刷駆動プログラム48、CPU40は制御手段を構成する。ROM43の簡易化プログラム49、同義語変換プログラム54、書体データ56、簡易化された書体データ57、国語・漢字辞書データ58は同義語変換手段を構成する。
【0062】
以上詳細に説明した通り、本発明の第1の実施形態に係る印刷装置1では、印刷媒体カセット10のテープ種検出用穴24、テープ種検出センサ30、CPU40等で構成される検出手段によりラミネートテープ11等で構成される印刷媒体23が所定の幅以下であることが検出されたとき、文字の書体を簡易化する、ROM43の簡易化プログラム49、同義語変換プログラム54、書体データ56、簡易化された書体データ57、国語・漢字辞書データ58等で構成される第1の簡易化手段と、第1の簡易化手段によって簡易化された文字を、サーマルヘッド19、駆動回路35、サーマル印刷機構4、印刷駆動プログラム48、で構成される印刷手段により印刷媒体に印刷する、ROM43の印刷駆動プログラム48、CPU40等で構成される制御手段と、を備えたことにより、印刷媒体が所定の幅以下のとき印刷装置1は、入力された文字を印刷装置1が備えている文字を簡易化する第1の簡易化手段によって簡易化してから、印刷手段により印刷媒体に印刷するようにしたので、所定幅以下の印刷媒体であっても文字つぶれを防止することができる。
【0063】
また、印刷装置1では、ROM43の簡易化プログラム49、同義語変換プログラム54、書体データ56、簡易化された書体データ57、国語・漢字辞書データ58等で構成される第1の簡易化手段は、文字の画数が所定の画数を超えたとき、その文字をひらがなに変換するようにしたので、文字の画数が多いために文字がつぶれて読めないという問題を解決できる。
【0064】
また、印刷装置1では、ROM43の簡易化プログラム49、同義語変換プログラム54、書体データ56、簡易化された書体データ57、国語・漢字辞書データ58等で構成される第1の簡易化手段が、一つ以上の文字から構成される単語において、単語の中の少なくとも一つの文字の画数が所定の画数を超えたとき、その単語を全てひらがなに変換するようにしたので、文字の画数が多いために文字がつぶれて読めないという問題を解決できる。また、単語の中で一つの文字の画数が所定の画数を超えたことにより、その文字のみをひらがなに変換した単語を含む文章が読み難いという問題を解決することができる。
【0065】
また、印刷装置1では、入力された単語を同義語に変換するための、ROM43の簡易化プログラム49、同義語変換プログラム54、書体データ56、簡易化された書体データ57、国語・漢字辞書データ58等で構成される同義語変換手段を備え、第1の簡易化手段が、一つ以上の文字から構成される単語において、単語の中の少なくとも一つの文字の画数が所定の画数を超えたとき、その単語を同義語変換手段により同義語に変換するようにしたので、そのままその単語を使用すると文字がつぶれて読めなくなる問題をつぶれ難い同義語に変換したり、画数の少ない同義語に変換したりすることによって回避することができる。
【0066】
また、印刷装置1では、ROM43の簡易化プログラム49、同義語変換プログラム54、書体データ56、簡易化された書体データ57、国語・漢字辞書データ58等で構成される第1の簡易化手段が、簡易化する文字の画数を選択できるようにしたので、一律に簡易化する文字の画数を固定してしまうと設定した画数よりも少ない画数でも文字がつぶれたりする問題や、設定した画数よりも多い画数でも文字のつぶれに対して余裕があっても簡易化されたりする事柄をその都度簡易化する文字の画数を選択することによって解決することができる。
【0067】
また、印刷装置1では、ROM43の簡易化プログラム49、同義語変換プログラム54、書体データ56、簡易化された書体データ57、国語・漢字辞書データ58等で構成される第1の簡易化手段によって簡易化された文字が、文字の書体が簡易化された書体データ57で構成される簡易化フォントであるので、文字の太さとか、文字の画数が多いために文字がつぶれて読めないという問題を解決できる。
【0068】
次に、本発明に係る印刷システム100について、本発明を具体化した第2の実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。第1の実施形態が文字を入力するキーボード3を内蔵する印刷装置1であって、印刷装置1自体で文字入力から印刷された印刷媒体23を作成する自己完結型の装置であるのに対し、本発明の第2の実施形態(後述する図18参照)は、第1の実施形態の印刷装置1とパーソナルコンピュータ(以後はPCと省略)101を接続した印刷システム100であって、PC101のキーボード103及びマウス106から文字及び図形等を入力し、PC101からデータを送信するときは、PC101内で文字データと図形のラスタデータに分離してから接続された印刷装置1に送信して、印刷装置1で印刷された印刷媒体23を作成するシステム構成になっている点が異なる。本発明の第2の実施形態では、この異なる点を説明し、使用する符号は同一機能のものは同一の符号を使用する。
【0069】
先ず、印刷システム100の構成を図18に基づいて説明する。ここで、図18は、第2の実施形態で印刷装置1とPC101を接続して印刷システム100を構成した状態を示す説明図である。
図18に示すように、印刷装置1とPC101は、印刷装置1に設けられているインターフェイスコネクタ109(図19参照)とPC101に設けられているインターフェイスコネクタ110(図19参照)を介してインターフェイスケーブル102で接続されている。印刷装置1の構成は、第1の実施形態で説明しているのでここでは説明を省略する。PC101は、文字等を入力するキーボード103、CPUが内蔵されている本体104、キーボード103及びマウス106から入力された文字及び図形を表示してその画面上で編集作業を行う液晶ディスプレイ(以後はLCDと省略)105、カーソルの移動及び動作の指示も行うマウス106で構成されている。そして、印刷システムアプリケーションソフト146を内蔵するCD−ROM107によって、印刷システムアプリケーションソフト146がPC101にインストールされて使用可能状態になる。この印刷システムアプリケーションソフト146には、PC101のLCD105の表示を印刷システムアプリケーションソフト146の表示用に動作する表示駆動制御プログラム147、PC101から印刷装置1を動作させるための印刷駆動プログラム148、また、印刷装置1での簡易化を行うプログラムと同じ簡易化プログラム49及び同義語変換プログラム54、印刷装置1に内蔵する各書体と同じ書体データ56、簡易化された書体データ57及び国語・漢字辞書データ58等が格納されている。
【0070】
次に、第2の実施形態における印刷装置1の制御系について、図4に示す第1の実施形態における印刷装置1の制御系と異なる点を図19に基づいて説明する。ここで、図19は、印刷装置1の制御系のブロック図である。
図19に示すように、入出力インターフェイス44にはインターフェイスコネクタ109が設けられており、このインターフェイスコネクタ109とPC101のインターフェイスコネクタ110とがインターフェイスケーブル102で接続されている。そして、PC接続用BPROM108が追加されてバス45に接続している。このPC接続用BPROM108には、PC101が印刷装置1を正常に動作させるためのプログラム(ドライバ)が記憶されている。その他は図4と同じであるので説明を省略する。この構成によって、PC101が印刷装置1を制御することができる。
【0071】
続いて、前述のように構成された印刷システム100において、印刷された印刷媒体23を作成する為の操作の流れを図20乃至図22に基づいて説明する。ここで、図20は、印刷システム100のPC101内で行われる処理のフローチャート、図21は、印刷システム100の印刷装置1内で行われる処理のフローチャート、図22は、PC101のLCD105に表示されるシステム操作画面112を「単語をひらがなに変換する」で説明する説明図である。
【0072】
先ず、図20から説明する。図20は、前述したように、印刷システム100のPC101内で行われる処理である。はじめに、S101で印刷システム100の初期設定を行う。初期設定の内容は、図20の初期設定表111に示すように、印刷媒体幅の閾値、書体の設定、文字サイズの設定、文字画数の閾値、文字画数の閾値の設定に伴う単語を同義語に変換するか、または文字をひらがなに変換するか、または単語をひらがなに変換するかの設定である。
この初期設定において印刷媒体幅の閾値の設定は、操作者が必要とする印刷媒体幅の閾値を図22の印刷媒体幅の閾値設定画面123に示す印刷媒体幅の閾値選択画面の中から、マウス106によってマウスカーソル114を移動して操作者が必要とする閾値を選択することによって行われる。
一方、この印刷媒体幅の閾値と比較される印刷媒体の幅の検出は、印刷媒体カセット10が印刷装置1のカセット保持部9にセットされたとき、印刷媒体カセット10に設けられたテープ種検出用穴24をカセット保持部9に設けられたテープ種検出センサ30が検出し、その検出信号を印刷装置1のCPU40が読み取ってその結果をPC101に送信し、PC101がその送信されてきた信号に基づいて印刷媒体の幅の設定を行う。図22の例では、印刷媒体の幅が3.5mmの印刷媒体カセット10がセットされている。ここで、図22は、PC101のLCD105に表示されるシステム操作画面112を「単語をひらがなに変換する」で説明する説明図である。一方、印刷媒体カセット10がセットされていないときは、LCD105に「カセットがセットされていません。カセットをセットして下さい。」と表示される。更に、印刷システム100を立ち上げたときには、印刷媒体幅の閾値は無し(図示せず)になっている。また、途中で設定を解除するときは「しない」を選択する。
また、書体の設定は、図22のシステム操作画面112(単語をひらがなに変換)の中の書体設定画面113に示す書体選択画面の中から、マウス106によってマウスカーソル114を移動して操作者が必要とする書体を選択することによって行われる。図22の例では、MS明朝の書体が選択されている。この選択操作をしない場合は、以前に選択された書体がそのまま使用される。尚、書体設定画面113に示す書体選択画面のそれぞれの書体は、PC101の記憶媒体に書体データ56として格納されている。また、全く同様の書体が、印刷装置1のROM43に書体データ56として格納されている。
また、文字サイズの設定は、図22のシステム操作画面112の中の文字サイズ設定画面115に、印刷装置1のカセット保持部9にセットされた印刷媒体カセット10の印刷媒体の幅が表示され、その印刷媒体の幅に印刷可能な文字サイズ選択画面が表示されるので、その表示された文字サイズ選択画面の中から、マウス106によってマウスカーソル114を移動し、操作者が必要とする文字サイズを選択することによって設定される。図22の例では、カセット保持部9にセットされている印刷媒体カセット10の印刷媒体の幅が3.5mmであることが表示され、文字サイズは8(pt)が設定されている。この選択操作をしない場合は、以前に選択された文字サイズがそのまま使用される。あるいは、以前に選択された文字サイズが、カセット保持部9にセットされている印刷媒体の幅の印刷可能な文字サイズより大きい場合、文字サイズは、そのセットされた印刷媒体の幅に印刷可能な最大の文字サイズに設定される。
また、文字画数の閾値の設定は、印刷システム100を立ち上げたときには設定無し(図示せず)になっている。そして、操作者が図22の文字画数の閾値設定の要否設定画面116に示す「文字画数の閾値を設定する」を選択すると、図22に示す文字画数の閾値設定画面117がアクティブになるが、この直後の状態を本実施形態では文字画数の閾値が15画になるように自動的に設定している。しかしながら、このアクティブになった文字画数の閾値設定画面117の文字画数の閾値選択画面の中から、マウス106によってマウスカーソル114を移動させて、操作者が必要とする文字画数の閾値に文字の画数を自由に選択することもできる。これによって文字のつぶれの調整が可能となる。図22の例では、文字画数の閾値の設定は、自動設定された15(画)に設定されている。
そして、文字画数の閾値設定が選択されると単語を同義語に変換するか、または文字をひらがなに変換するか、または単語をひらがなに変換するかの設定に進み、図22の変換方法設定画面118の変換方法の設定画面の中から、マウス106によってマウスカーソル114を移動して操作者が必要とする変換方法を選択することによって変換方法が設定される。図22の例では、「単語をひらがなに変換する」が選択されている。
【0073】
次に、S102に進み、キーボード103及びマウス106を操作して所望する文字や図形が入力され、PC101の入力バッファ(図示せず)に格納される。図22のシステム操作画面112(単語をひらがなに変換)の中に示す文字及び図形の入力画面119には印刷媒体の幅が表示され、表示された寸法の枠内に入力された文字及び図形が表示される。そして、操作者が、マウス106によってマウスカーソル114を、同一画面内にある変換開始アイコン120をクリックすると変換動作が開始する。図22の例では、キーボード103及びマウス106を操作して「楽曲タイトル一覧」と図形が入力され、「楽曲タイトル一覧」と図形とが合成されて、文字及び図形の入力画面119の表示された寸法の枠内に表示されている。
【0074】
次に、S103に進み、印刷媒体幅が所定の閾値以下であるか判断する。その判断は、印刷媒体カセット10が印刷装置1のカセット保持部9にセットされたとき、印刷媒体カセット10に設けられたテープ種検出用穴24をカセット保持部9に設けられたテープ種検出センサ30が検出し、その検出信号を印刷装置1のCPU40が読み取ってその結果をPC101に送信し、PC101がその送信されてきた信号に基づいて印刷媒体の幅を読み取りその情報をPC101に確保されている情報メモリ(図示せず)に格納し、その情報と印刷媒体幅の所定の閾値と比較して判断が行われる。そこで、印刷媒体幅が所定の閾値以下でない場合(S103:NO)、S104に進み、入力されてPC101の入力バッファに格納される文字の書体をPC101に格納される書体データ56に基づいてS101で指定された書体へ展開し、その展開した文字にPC101の入力バッファに格納された図形データを加えてラスタデータに展開してS105に進む。S105では、展開された文字及び図形データのラスタデータを印刷装置1に送信する。
【0075】
S103に戻って、印刷媒体幅が所定の閾値以下である場合(S103:YES)、S106に進む。S106では、S102で入力されてPC101の入力バッファに格納されている文字及び図形データの中から文字データ部分を抽出し、S107に進む。S107では、抽出された文字データの前に各種コマンド(モード切替コマンド、位置指定コマンド等)を付加してESC/Pコードとし、S108に進む。S108では、PC101の入力バッファに格納されている文字データ以外のデータ部分をラスタデータに展開し、S109に進む。S109では、ESC/Pコード及び展開されたラスタデータを印刷装置1に送信する。図22の例では、印刷装置1のカセット保持部9にセットされている印刷媒体カセット10の印刷媒体の幅が3.5mmであり、印刷媒体幅の閾値が3.5mmであるのでこのステップ(S103、S106、S107、S108、S109)に相当する。そのため、入力された「楽曲タイトル一覧」の文字データと枠の図形データの内、「楽曲タイトル一覧」の文字データを抽出して「楽曲タイトル一覧」の文字データの前に各種コマンドを付加してESC/Pコードとし、一方、図形データをラスタデータに展開し、前述のESC/Pコードとあわせ印刷装置1に送信する。
【0076】
次に、図21の説明をする。図21は、前述したように、印刷システム100の印刷装置1内で行われる処理である。はじめに、S121で、PC101から送信されてきたESC/Pコード及びラスタデータを印刷装置1の制御装置46に設けられているバッファ53に格納して受信処理を行い、S122に進む。
【0077】
次に、S122では、受信されたデータがラスタデータのみか判断する。そこで、受信されたデータがラスタデータのみの場合(S122:YES)、S141に進む。S141では、ラスタデータをイメージとしてイメージデータを印刷装置1のサーマル印刷機構4で印刷する。
【0078】
S122に戻って、受信されたデータがラスタデータのみでない場合(S122:NO)、S123に進み、印刷装置1の制御装置46に設けられているバッファ53に格納されているESC/Pコード及びラスタデータから、次のモード切替コマンドの前までのデータを取得してS124に進む。
ここで、モード切替コマンドは、1B+69+61のコードで表され、これに00のコードがプラスされるとこれ以降はESC/Pモードになる。そして、ESC/Pモードになってから、1B+24+X座標+Y座標で表される位置指定コマンドが続き、次に、1B+6B+フォントIDで表されるフォント選択コマンドが続き、文字データが続く。また、次に続くモード切替コマンドである1B+69+61のコードに01コードがプラスされるとこれ以降はラスタモードになり、ラスタデータが続く。そして、0Cで表される印刷コマンドが続く。
【0079】
次に、S124では、取得した次のモード切替コマンドの前までのデータがESC/Pモードであるか判断する。そこで、取得した次のモード切替コマンドの前までのデータがESC/Pモードでない場合(S124:NO)、取得した次のモード切替コマンドの前までのデータがラスタモードであるので、S125に進み、ラスタデータをイメージとして印刷装置1の制御装置46に設けられているワークメモリ52に格納してS139に進む。
【0080】
S124に戻って、取得した次のモード切替コマンドの前までのデータがESC/Pモードである場合(S124:YES)、S126に進み、図20のS101で指定された書体に展開された文字を簡易化された書体データ57に置き換える。この簡易化された書体データ57は、小さい文字でも見易いように線を細くしたり、場合によっては線を省略したりして作成されている。この簡易化された書体データ57は、PC101の確保された記憶媒体に簡易化された書体データ57としても格納されている。
【0081】
次に、S127に進み、更に文字列を見易くするステップに進むために文字の画数を利用するか判断する。そこで、文字の画数を利用しない場合(S127:NO)、S128に進み、入力された文字列をS126で置き換えられて簡易化された書体データ57を用いてイメージに展開してS139に進む。
【0082】
S127に戻って、文字の画数を利用する場合(S127:YES)、S129に進み、S126で簡易化された書体データ57の文字列を単語単位に分解する。図22の例では、文字の画数を利用するに設定されているのでこのステップ(S127、S129)に相当し、「楽曲タイトル一覧」が「楽曲/タイトル/一覧」の三つの単語に分解される。
そして、S130に進み、S129で分解した単語の一つを抽出する。
【0083】
次に、S131に進み、S130で抽出した一つの単語の中に所定の閾値の画数を超える文字があるか判断する。そこで、S130で抽出した一つの単語の中に所定の閾値の画数を超える文字がある場合(S131:YES)、S132に進む。図22の例では、文字画数の所定の閾値は、印刷システムを立ち上げたときに自動設定された15(画)に設定されているので、「楽曲/タイトル/一覧」の三つの単語の中では、「一覧」の「覧」の文字が17(画)で閾値を超える。
【0084】
次に、S132では、更に文字列を見易くするステップに進むために、図20のS101で初期設定した内容において「単語を同義語に変換する」が設定されているか判断する。そこで、「単語を同義語に変換する」が設定されている場合(S132:YES)、S133に進み、対象単語を同義語に変換してS137に進む。
【0085】
S132に戻って、「単語を同義語に変換する」が設定されていない場合(S132:NO)、S134に進む。
【0086】
次に、S134では、更に文字列を見易くするステップに進むために、図20のS101で初期設定した内容において「文字をひらがなに変換する」が設定されているか判断する。そこで、「文字をひらがなに変換する」が設定されている場合(S134:YES)、S135に進み、対象文字をひらがなに変換してS137に進む。
【0087】
S134に戻って、「文字をひらがなに変換する」が設定されていない場合(S134:NO)、図20のS101で初期設定した内容の「単語をひらがなに変換する」と同等になるので、S136に進んで対象単語をひらがなに変換してS137に進む。図22の例では、変換方法設定が「単語をひらがなに変換する」が選択されているのでこのステップ(S134、S136、S137)に相当し、「一覧」が「いちらん」に変換される。
【0088】
更に、S131に戻って、S130で抽出した一つ単語の中に所定の画数を超える文字がない場合(S131:NO)、S137に進む。
【0089】
次に、S137では、S131、S133、S135、S136のそれぞれから進んできた処理に対して残りの単語があるか判断する。そこで、残り単語が有る場合(S137:YES)、S129に進み、S129以後の流れを繰り返す。
【0090】
S137に戻り、残り単語が無い場合(S137:NO)、S138に進み、S131、S133、S135、S136まででそれぞれ処理されて進んできた文字列を各簡易化手段(見易くするステップ)に基づいて、変換された文字列にも簡易化された書体データ57を用いてイメージに展開し、S139に進む。図22の例では、「楽曲/タイトル/一覧」の「楽曲」、「タイトル」がそのままで、「一覧」が「いちらん」に変換され、「楽曲タイトル一覧」は「楽曲タイトルいちらん」に変換される。
【0091】
次に、S139では、S125、S128、S138から進んできた展開済みのイメージと新たに展開したイメージを印刷位置に基づいて合成し、S140に進む。
【0092】
次に、S140では、残りのデータがあるか判断する。そこで、残りのデータがある場合は(S140:YES)、S123に進み、S123以降を繰り返す。
【0093】
そして、S140に戻って、残りのデータがない場合は(S140:NO)、S141に進み、図22のシステム操作画面112の中に示す変換結果の画面121には印刷装置1内で行われた変換処理の結果がインターフェイスケーブル102を介してPC101に送られ、変換結果の画面121に擬似的に表示され、表示された寸法の枠内に変換された文字及び図形が表示される。そして、操作者が、マウス106によってマウスカーソル114を、同一画面内にある印刷開始アイコン122をクリックするとイメージデータを印刷装置1のサーマル印刷機構4で印刷する。そして、図25(後述する)に示すように、単語をひらがなに変換して印刷された印刷媒体23が完成する。図22の例では、システム操作画面112の中に、変換の結果画面121が表示され、更に、変換の結果画面121の中に表示された印刷媒体の幅寸法3.5mmを示す枠内に、変換された「楽曲タイトルいちらん」の文字列と図形が合成されて表示される。そして、操作者が、マウス106によってマウスカーソル114を、同一画面内にある印刷開始アイコン122をクリックするとイメージデータを印刷装置1のサーマル印刷機構4で印刷する。その結果、図25に示すように、3.5mmの印刷媒体に8(pt)の文字サイズで「楽曲タイトルいちらん」の文字列と図形が合成されて印刷された印刷媒体23が完成する。
尚、上述のフローチャートでは、単語を同義語に変換、文字をひらがなに変換、単語をひらがなに変換をいずれか一つを選択するようにプログラムしているが、二つ又は三つの組み合わせで行ってもよい。
【0094】
上述したように、図22の例は、PC101の液晶ディスプレイ105に表示されるシステム操作画面112の簡易化の変換方法を「単語をひらがなに変換する」で図20及び図21のフローチャートの説明と共に説明したが、「文字をひらがなに変換する」も「単語を同義語に変換する」も同様に説明することができる。ここでは、結果だけを図23乃至図27に基づいて説明する。ここで、図23は、PC101のLCD105に表示されるシステム操作画面124を「文字をひらがなに変換する」で説明する説明図、図24は、PC101のLCD105に表示されるシステム操作画面125を「単語を同義語に変換する」で説明する説明図、図25は、単語をひらがな変換によって印刷された印刷媒体23の完成図、図26は、文字をひらがな変換によって印刷された印刷媒体23の完成図、図27は、単語を同義語変換によって印刷された印刷媒体23の完成図である。
【0095】
先ず、図23から説明する。図23に示すように、システム操作画面(文字をひらがなに変換)124内の印刷媒体幅の閾値設定画面123では、印刷媒体幅の閾値として3.5mmが選択されている。同様に、書体設定画面113では、MS明朝が設定されている。また、文字サイズ設定画面115では、文字サイズとして8(pt)の文字サイズが選択されている。また、文字画数の閾値設定の要否設定画面116では、「文字画数の閾値を設定する」が選択され、文字画数の閾値設定画面117では、文字画数の閾値として15(画)が選択されている。そして、変換方法の設定画面118では、「文字をひらがなに変換する」が選択されている。このような条件の下に、キーボード103及びマウス106を使用して、システム操作画面(文字をひらがなに変換)124内の文字及び図形の入力画面119に「楽曲タイトル一覧」と文字列を入力し、この文字列を囲む図形を入力して、操作者が、マウス106によってマウスカーソル114を、同一画面内にある変換開始アイコン120をクリックすると、システム操作画面(文字をひらがなに変換)124内の変換の結果画面121に変換結果として「楽曲タイトル一らん」の文字列がこの文字列を囲む図形と共に表示される。そして、操作者が、マウス106によってマウスカーソル114を、同一画面内にある印刷開始アイコン122をクリックすると、「楽曲タイトル一らん」の文字列とこの文字列を囲む図形が印刷装置1のサーマル印刷機構4で印刷される。その結果、図26に示すように、3.5mmの印刷媒体に8(pt)の文字サイズで「楽曲タイトル一らん」の文字列と文字列を囲む図形が印刷された印刷媒体23が完成する。
【0096】
次に、図24の説明をする。図24に示すように、システム操作画面(単語を同義語に変換)125内の印刷媒体幅の閾値設定画面123では、印刷媒体幅の閾値として3.5mmが選択されている。同様に、書体設定画面113では、MS明朝が設定されている。また、文字サイズ設定画面115では、文字サイズとして8(pt)の文字サイズが選択されている。また、文字画数の閾値設定の要否設定画面116では、「文字画数の閾値を設定する」が選択され、文字画数の閾値設定画面117では、文字画数の閾値として15(画)が選択されている。そして、変換方法の設定画面118では、「単語を同義語に変換する」が選択されている。このような条件の下に、キーボード103及びマウス106を使用して、システム操作画面(単語を同義語に変換)125内の文字及び図形の入力画面119に「楽曲タイトル一覧」と文字列を入力し、この文字列を囲む図形を入力して、操作者が、マウス106によってマウスカーソル114を、同一画面内にある変換開始アイコン120をクリックすると、システム操作画面(単語を同義語に変換)125内の変換の結果画面121に変換結果として「楽曲タイトル表」の文字列がこの文字列を囲む図形と共に表示される。そして、操作者が、マウス106によってマウスカーソル114を、同一画面内にある印刷開始アイコン122をクリックすると、「楽曲タイトル表」の文字列とこの文字列を囲む図形が印刷装置1のサーマル印刷機構4で印刷される。その結果、図27に示すように、3.5mmの印刷媒体に8(pt)の文字サイズで「楽曲タイトル表」の文字列と文字列を囲む図形が印刷された印刷媒体23が完成する。
【0097】
ここで、印刷駆動プログラム148,PC101は印刷制御手段を構成する。簡易化プログラム49、同義語変換プログラム54、書体データ56、簡易化された書体データ57、国語・漢字辞書データ58は第1の簡易化手段を構成する。
【0098】
以上詳細に説明した通り、本発明の第2の実施形態に係る印刷システム100では、印刷装置1が、文字及び図形を印刷媒体に印刷する、サーマルヘッド19、駆動回路35、サーマル印刷機構4等で構成される印刷手段と、印刷媒体の幅が所定の幅以下であるか否かを検出する、印刷媒体カセット10のテープ種検出用穴24、テープ種検出センサ30等で構成される検出手段とを備え、PC101は、検出手段により印刷媒体を構成するラミネートテープ11が所定の幅以下であることが検出された検出信号を受信したとき、キーボード103、マウス106等で構成される入力手段によって入力された文字及び図形を、それぞれ文字を示す文字コードと図形のイメージを示すラスタデータに変換して印刷手段に送信する、印刷駆動プログラム148,PC101等で構成される印刷制御手段を備えたので、印刷媒体が所定の幅以下のときPC101から印刷装置1に送る文字と図形のデータにおいて、文字と図形を一緒にしたラスタデータで送信して印刷するとつぶれて読めなくなる文字も、図形のイメージを示すラスタデータと分離して文字を示す文字コードで送信することによって印刷装置1に内蔵している書体データ56、簡易化された書体データ57を選択して使用できるので文字つぶれを防止することができる。
【0099】
また、印刷システム100では、印刷装置1が、印刷駆動プログラム148,PC101等で構成される印刷制御手段から送信された文字コードに基づいて、印刷装置1に内蔵されている所定幅以下の印刷媒体を構成するラミネートテープ11用に調整された簡易化された書体データ57に変換して、サーマルヘッド19、駆動回路35、テープ送りモータ36、サーマル印刷機構4、印刷駆動プログラム48等で構成される印刷手段により印刷媒体を構成するラミネートテープ11に印刷するようにしたので、所定幅以下の印刷媒体を構成するラミネートテープ11であっても文字つぶれを防止することができる。
【0100】
また、印刷システム100では、印刷装置1が、文字及び図形を印刷媒体を構成するラミネートテープ11に印刷する、サーマルヘッド19、駆動回路35、テープ送りモータ36、サーマル印刷機構4、印刷駆動プログラム48等で構成される印刷手段と、印刷媒体を構成するラミネートテープ11の幅が所定の幅以下であるか否かを検出する、印刷媒体カセット10のテープ種検出用穴24、テープ種検出センサ30等で構成される検出手段と、検出手段により印刷媒体を構成するラミネートテープ11が所定の幅以下であることが検出されたとき、文字の書体を簡易化する、簡易化プログラム49、同義語変換プログラム54、書体データ56、簡易化された書体データ57、国語・漢字辞書データ58等で構成される第1の簡易化手段とを備え、PC101は、検出手段により印刷媒体を構成するラミネートテープ11が所定の幅以下であることが検出された検出信号を受信したとき、キーボード103、マウス106、PC101等で構成される入力手段によって入力された文字及び図形をそれぞれ文字コードとラスタデータに分割して印刷手段に送信する、印刷駆動プログラム148,PC101等で構成される印刷制御手段とを備え、印刷装置1は、印刷制御手段から送信された文字コードの文字を第1の簡易化手段により簡易化するとともに、その簡易化された文字コードの文字と印刷制御手段から送信されたラスタデータとを合成して印刷手段により印刷媒体を構成するラミネートテープ11に印刷するようにしたことにより、印刷媒体を構成するラミネートテープ11が所定の幅以下のとき、PC101がPC101から印刷装置1に送る文字と図形のデータにおいて、文字と図形を一緒にしたラスタデータで送信して印刷するとつぶれて読めなくなる文字も、図形のイメージを示すラスタデータと分離して文字を示す文字コードで送信し、印刷装置1が、この文字コードを基にして印刷装置1に備えられている第1の簡易化手段により簡易化するとともにその簡易化された文字コードの文字と同時に送られてきた図形のイメージを示すラスタデータと合成してから、印刷手段により印刷媒体を構成するラミネートテープ11に印刷するようにしたので、所定幅以下の印刷媒体を構成するラミネートテープ11であっても文字つぶれを防止することができる。
【0101】
次に、本発明に係る印刷システム100について、本発明を具体化した第3の実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。第1の実施形態が文字を入力するキーボード3を内蔵する印刷装置1であって、印刷装置1自体で文字入力から印刷された印刷媒体23を作成する自己完結型の装置であり、本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態における印刷装置1とPC101を接続した印刷システム100であって、PC101のキーボード103及びマウス106から文字及び図形等を入力し、PC101からデータを送信するときは、PC101内で文字データと図形のラスタデータに分離してから接続された印刷装置1に送信して、印刷装置1で印刷された印刷媒体23を作成するシステム構成になっており、印刷装置1内で文字の書体を簡易化するのに対して、本発明の第3の実施形態では、PC101内で文字の書体を簡易化する点が異なる。本発明の第3の実施形態ではこの異なる点を説明し、使用する符号は同一機能のものは同一の符号を使用する。
【0102】
先ず、印刷システム100の構成であるが図18及び図19と全く同等の構成になっているので、ここでは詳細な説明を省略する。
図18及び図19に示すように、印刷装置1とPC101は、印刷装置1に設けられているインターフェイスコネクタ109とPC101に設けられているインターフェイスコネクタ110を介してインターフェイスケーブル102で接続されている。更に、印刷装置1の入出力インターフェイス44のバス45にはPC接続用BPROM108が追加されて接続されている。このPC接続用BPROM108には、PC101が印刷装置1を正常に動作させるためのプログラム(ドライバ)が記憶されている。そして、印刷システムアプリケーションソフト146を内蔵するCD−ROM107によって、印刷システムアプリケーションソフト146がPC101にインストールされて使用可能状態になる。この印刷システムアプリケーションソフト146には、表示駆動制御プログラム147、印刷駆動プログラム148、簡易化プログラム49、同義語変換プログラム54、書体データ56、簡易化された書体データ57、国語・漢字辞書データ58等が格納されている。
【0103】
続いて、前述のように構成された印刷システム100において、印刷された印刷媒体23を作成する為の操作の流れを図28及び図29に基づいて説明する。ここで、図28は、印刷システム100のPC101内で行われる処理のフローチャート、図29は、印刷システム100の印刷装置1内で行われる処理のフローチャートである。また、PC101のLCD105に表示されるシステム操作画面は図22乃至図24と同等であるので説明は図22を使用して行う。
【0104】
先ず、図28から説明する。図28は、前述したように、印刷システム100のPC101内で行われる処理である。はじめに、S201で印刷システム100の初期設定を行う。初期設定の内容は、図28の初期設定表126に示すように、印刷媒体幅の閾値、書体の設定、文字サイズの設定、文字画数の閾値、文字画数の閾値の設定に伴う単語を同義語に変換するか、または文字をひらがなに変換するか、または単語をひらがなに変換するかの設定である。
この初期設定において印刷媒体幅の閾値の設定は、操作者が必要とする印刷媒体幅の閾値を図22の印刷媒体幅の閾値設定画面123に示す印刷媒体幅の閾値選択画面の中から、マウス106によってマウスカーソル114を移動して操作者が必要とする閾値を選択することによって行われる。
一方、この印刷媒体幅の閾値と比較される印刷媒体の幅の検出は、印刷媒体カセット10が印刷装置1のカセット保持部9にセットされたとき、印刷媒体カセット10に設けられたテープ種検出用穴24をカセット保持部9に設けられたテープ種検出センサ30が検出し、その検出信号を印刷装置1のCPU40が読み取ってその結果をPC101に送信し、PC101がその送信されてきた信号に基づいて印刷媒体の幅の設定を行う。図22の例では、印刷媒体の幅が3.5mmの印刷媒体カセット10がセットされている。一方、印刷媒体カセット10がセットされていないときは、LCD105に「カセットがセットされていません。カセットをセットして下さい。」と表示される。更に、印刷システム100を立ち上げたときには、印刷媒体幅の閾値は無し(図示せず)になっている。また、途中で設定を解除するときは「しない」を選択する。
また、書体の設定は、図22のシステム操作画面112(単語をひらがなに変換)の中の書体設定画面113に示す書体選択画面の中から、マウス106によってマウスカーソル114を移動して操作者が必要とする書体を選択することによって行われる。図22の例では、MS明朝の書体が選択されている。この選択操作をしない場合は、以前に選択された書体がそのまま使用される。尚、書体設定画面113に示す書体選択画面のそれぞれの書体は、PC101の記憶媒体に書体データ56として格納されている。
また、文字サイズの設定は、図22のシステム操作画面112の中の文字サイズ設定画面115に、印刷装置1のカセット保持部9にセットされた印刷媒体カセット10の印刷媒体の幅が表示され、その印刷媒体の幅に印刷可能な文字サイズ選択画面が表示されるので、その表示された文字サイズ選択画面の中から、マウス106によってマウスカーソル114を移動させ、操作者が必要とする文字サイズをクリックして必要な文字サイズを選択することによって設定される。図22の例では、カセット保持部9にセットされている印刷媒体カセット10の印刷媒体の幅が3.5mmであることが表示され、文字サイズは8(pt)が設定されている。この選択操作をしない場合は、以前に選択された文字サイズがそのまま使用される。あるいは、以前に選択された文字サイズが、カセット保持部9にセットされている印刷媒体の幅の印刷可能な文字サイズより大きい場合、文字サイズは、そのセットされた印刷媒体の幅に印刷可能な最大の文字サイズに設定される。
また、文字画数の閾値の設定は、印刷システム100を立ち上げたときには設定無し(図示せず)になっている。そして、操作者が図22の文字画数の閾値設定の要否設定画面116に示す「文字画数の閾値を設定する」を選択すると、図22に示す文字画数の閾値設定画面117がアクティブになるが、この直後の状態を本実施形態では文字画数の閾値が15画になるように自動的に設定している。しかしながら、このアクティブになった文字画数の閾値設定画面117の文字画数の閾値選択画面の中から、マウス106によってマウスカーソル114を移動させて、操作者が必要とする文字画数の閾値をクリックして文字の画数を自由に選択することもできる。これによって文字のつぶれの調整が可能となる。図22の例では、文字画数の閾値の設定は、自動設定された15(画)に設定されている。
そして、文字画数の閾値設定が選択されると単語を同義語に変換するか、または文字をひらがなに変換するか、または単語をひらがなに変換するかの設定に進み、図22の変換方法設定画面118の変換方法の設定画面の中から、マウス106によってマウスカーソル114を移動して操作者が必要とする変換方法をクリックして選択することによって変換方法が設定される。図22の例では、「単語をひらがなに変換する」が選択されている。
【0105】
次に、S202に進み、キーボード103及びマウス106を操作して所望する文字や図形が入力され、PC101の入力バッファ(図示せず)に格納される。図22のシステム操作画面112(単語をひらがなに変換)の中に示す文字及び図形の入力画面119には印刷媒体の幅が表示され、表示された寸法の枠内に入力された文字及び図形が表示される。そして、操作者が、マウス106によってマウスカーソル114を、同一画面内にある変換開始アイコン120をクリックすると変換動作が開始する。図22の例では、キーボード103及びマウス106を操作して「楽曲タイトル一覧」と図形が入力され、「楽曲タイトル一覧」と図形とが合成されて、文字及び図形の入力画面119の表示された寸法の枠内に表示されている。
【0106】
次に、S203に進み、印刷媒体幅が所定の閾値以下であるか判断する。その判断は、印刷媒体カセット10が印刷装置1のカセット保持部9にセットされたとき、印刷媒体カセット10に設けられたテープ種検出用穴24をカセット保持部9に設けられたテープ種検出センサ30が検出し、その検出信号を印刷装置1のCPU40が読み取ってその結果をPC101に送信し、PC101がその送信されてきた信号に基づいて印刷媒体の幅を読み取りその情報をPC101に確保されている情報メモリ(図示せず)に格納し、その情報と印刷媒体幅の所定の閾値と比較して判断が行われる。そこで、印刷媒体幅が所定の閾値以下でない場合(S203:NO)、S204に進み、入力されてPC101の入力バッファに格納される文字の書体をPC101に格納されている書体データ56に基づいてS201で指定された書体へ展開し、その展開した文字にPC101の入力バッファに格納された図形データを加えてラスタデータに展開してS205に進む。S205では、展開された文字及び図形のラスタデータを印刷装置1に送信する。
【0107】
S203に戻って、印刷媒体幅が所定の閾値以下である場合(S203:YES)、S206に進み、S201で指定された書体に展開された文字を簡易化された書体データ57に置き換える。この簡易化された書体データ57は、小さい文字でも見易いように線を細くしたり、場合によっては線を省略したりして作成されている。この簡易化された書体データ57は、PC101の印刷システムアプリケーションソフト146内に格納されている。図22の例では、S201でMS明朝の書体に展開された文字をMS明朝の簡易化された書体データ57に置き換える。
【0108】
次に、S207に進み、更に文字列を見易くするステップに進むために文字の画数を利用するか判断する。そこで、文字の画数を利用しない場合(S207:NO)、S208に進む。S208において、S202で入力されS201で指定された書体に展開された文字列は、S206で簡易化された書体データ57に置き換えられているが、ここではその文字列のデータ及び図形データをラスタデータに展開してS209に進む。そしてS209では、展開された文字及び図形のラスタデータを印刷装置1に送信する。
【0109】
S207に戻って、文字の画数を利用する場合(S207:YES)、S210に進み、文字及び図形データの中から文字データ部分を抽出してS211に進む。S211では、簡易化された書体データ57の文字列を単語単位に分解する。図22の例では、文字の画数を利用するに設定されているのでこのステップ(S207、S210、211)に相当し、「楽曲タイトル一覧」が「楽曲/タイトル/一覧」の三つの単語に分解される。
そして、S212に進み、S211で分解した単語の一つを抽出する。
【0110】
次に、S213に進み、S212で抽出した一つの単語の中に所定の閾値の画数を超える文字があるか判断する。そこで、S212で抽出した一つの単語の中に所定の閾値の画数を超える文字がある場合(S213:YES)、S214に進む。図22の例では、文字画数の所定の閾値は、印刷システムを立ち上げたときに自動設定された15(画)に設定されているので、「楽曲/タイトル/一覧」の三つの単語の中では、「一覧」の「覧」の文字が17(画)で閾値を超える。
【0111】
次に、S214では、更に文字列を見易くするステップに進むために、S201で初期設定した内容において「単語を同義語に変換する」が設定されているか判断する。そこで、「単語を同義語に変換する」が設定されている場合(S214:YES)、S215に進み、対象単語を同義語に変換してS219に進む。
【0112】
S214に戻って、「単語を同義語に変換する」が設定されていない場合(S214:NO)、S216に進む。
【0113】
次に、S216では、更に文字列を見易くするステップに進むために、S201で初期設定した内容において「文字をひらがなに変換する」が設定されているか判断する。そこで、「文字をひらがなに変換する」が設定されている場合(S216:YES)、S217に進み、対象文字をひらがなに変換してS219に進む。
【0114】
S216に戻って、「文字をひらがなに変換する」が設定されていない場合(S216:NO)、S201で初期設定した内容の「単語をひらがなに変換する」と同等になるので、S218に進んで対象単語をひらがなに変換してS219に進む。図22の例では、変換方法設定が「単語をひらがなに変換する」が選択されているのでこのステップ(S216、S218、S219)に相当し、「一覧」が「いちらん」に変換される。
【0115】
更に、S213に戻って、S212で抽出した一つ単語の中に所定の画数を超える文字がない場合(S213:NO)、S219に進む。
【0116】
次に、S219では、S213、S215、S217、S218のそれぞれから進んできた処理に対して残りの単語があるか判断する。そこで、残り単語が有る場合(S219:YES)、S211に進み、S211以後の流れを繰り返す。
【0117】
S219に戻り、残り単語が無い場合(S219:NO)、S220に進み、S220では、文字データの前に各種コマンドを付加してESC/Pコードとし、S221に進む。S221では、PC101の入力バッファに格納されている文字データ以外のデータ部分をラスタデータに展開し、S222に進む。S222では、ESC/Pコード及び展開されたラスタデータを印刷装置1に送信する。図22の例では、印刷装置1のカセット保持部9にセットされている印刷媒体カセット10の印刷媒体の幅が3.5mmであり、印刷媒体幅の閾値が3.5mmであるのでこのステップ(S203、S207、S213、S216、S218、S220、S221、S222)に相当する。そのため、入力された「楽曲タイトル一覧」の文字データと図形データの内、「楽曲タイトル一覧」の文字データが「楽曲タイトルいちらん」に変換され、変換された「楽曲タイトルいちらん」の文字データの前に各種コマンドを付加してESC/Pコードとする。一方、図形データをラスタデータに展開し、前述のESC/Pコード及びラスタデータを印刷装置1に送信する。
【0118】
次に、図29の説明をする。図29は、前述したように、印刷システム100の印刷装置1内で行われる処理である。はじめに、S231で、PC101から送信されてきたESC/Pコード及びラスタデータを印刷装置1の制御装置46に設けられているワークメモリ52に格納して受信処理を行い、S232に進む。
【0119】
次に、S232では、受信されたデータがラスタデータのみか判断する。そこで、受信されたデータがラスタデータのみの場合(S232:YES)、S239に進み、図22のシステム操作画面112の中に示す変換の結果画面121には変換された結果が実際の印刷結果の疑似画面として表示され、表示された寸法の枠内に変換された文字及び図形が表示される。そして、操作者が、マウス106によってマウスカーソル114を、同一画面内にある印刷開始アイコン122をクリックすると印刷装置1は、イメージデータをサーマル印刷機構4によって印刷することとなる。
【0120】
S232に戻って、受信されたデータがラスタデータのみでない場合(S232:NO)、S233に進み、印刷装置1の制御装置46に設けられているワークメモリ52に格納されているESC/Pコード及びラスタデータから、次のモード切替コマンドの前までのデータを取得してS234に進む。
【0121】
次に、S234では、取得した次のモード切替コマンドの前までのデータがESC/Pモードであるか判断する。そこで、取得した次のモード切替コマンドの前までのデータがESC/Pモードでない場合(S234:NO)、取得した次のモード切替コマンドの前までのデータがラスタモードであるので、S235に進み、ラスタデータをイメージとして印刷装置1の制御装置46に設けられているワークメモリ52に格納してS237に進む。図22の例では、ラスタデータに展開されている図形データがこれに相当し、図形のラスタデータをイメージとして印刷装置1の制御装置46に設けられているワークメモリ52に格納する。
【0122】
S234に戻って、取得した次のモード切替コマンドの前までのデータがESC/Pモードである場合(S234:YES)、S236に進み、図28のS201で指定された書体に展開された文字を簡易化された書体データ57に置き換える。この簡易化された書体データ57は、小さい文字でも見易いように線を細くしたり、場合によっては線を省略したりして作成されている。この簡易化された書体データ57は、PC101の確保された記憶媒体に簡易化された書体データ57としても格納されているが、印刷装置1の制御装置46に設けられているROM43に簡易化された書体データ57として格納されている。
【0123】
次に、S237に進み、S235、S236から進んできた展開済みのイメージと新たに展開したイメージを印刷位置に基づいて合成し、S238に進む。図22の例では、印刷装置1の制御装置46に設けられているワークメモリ52にイメージとして格納されている図形「枠」のラスタデータとイメージに展開された「楽曲タイトルいちらん」のデータを印刷位置に基づいて合成する。
【0124】
次に、S238では、残りのデータがあるか判断する。そこで、残りのデータがある場合は(S238:YES)、S233に進み、S233以降を繰り返す。
【0125】
そして、S238に戻って、残りのデータがない場合は(S238:NO)、S239に進み、図22のシステム操作画面112の中に示す変換の結果画面121には擬似的に変換された結果が表示され、表示された寸法の枠内に変換された文字及び図形が表示される。そして、操作者が、マウス106によってマウスカーソル114を、同一画面内にある印刷開始アイコン122をクリックすると印刷装置1は、イメージデータをサーマル印刷機構4によって印刷することとなる。そして、図25に示すように、単語をひらがなに変換して印刷された印刷媒体23が完成する。
尚、上述のフローチャートでは、単語を同義語に変換、文字をひらがなに変換、単語をひらがなに変換のいずれか一つを選択するようにプログラムしているが、二つ又は三つの組み合わせで行ってもよい。
【0126】
上述したように、第2の実施形態で説明した図22の例は、第3の実施形態でもPC101の液晶ディスプレイ105に表示されるシステム操作画面112の簡易化の変換方法を「単語をひらがなに変換する」で図28及び図29のフローチャートの説明と共に説明することができる。更に、「文字をひらがなに変換する」も「単語を同義語に変換する」も同様に説明することができる。そして、それらの結果は、第2の実施形態で説明した図23のPC101のLCD105に表示されるシステム操作画面124を「文字をひらがなに変換する」で説明する説明図、図24のPC101のLCD105に表示されるシステム操作画面125を「単語を同義語に変換する」で説明する説明図、図26の文字をひらがな変換によって印刷された印刷媒体の完成図、図27の単語を同義語変換によって印刷された印刷媒体の完成図と同様になるのでここでは説明を省略する。
【0127】
ここで、PC101の印刷システムアプリケーションソフト146に内蔵される簡易化プログラム49、同義語変換プログラム54、書体データ56、簡易化された書体データ57、国語・漢字辞書データ58は第2の簡易化手段を構成する。
【0128】
以上詳細に説明した通り、本発明の第3の実施形態に係る印刷システム100では、PC101が、文字を印刷装置1のROM43に内蔵される簡易化プログラム49、同義語変換プログラム54、書体データ56、簡易化された書体データ57、国語・漢字辞書データ58等で構成される第1の簡易化手段によって簡易化するのと同様に簡易化するPC101の印刷システムアプリケーションソフト146に内蔵される簡易化プログラム49、同義語変換プログラム54、書体データ56、簡易化された書体データ57、国語・漢字辞書データ58等で構成される第2の簡易化手段を有し、印刷媒体カセット10のテープ種検出用穴24、テープ種検出センサ30等で構成される検出手段により印刷媒体が所定の幅以下であることが検出された検出信号を受信したとき、キーボード103、マウス106、PC101等で構成される入力手段で入力された文字を第2の簡易化手段によって簡易化された文字コードに変換して、サーマルヘッド19、駆動回路35、サーマル印刷機構4、印刷駆動プログラム48等で構成される印刷手段に送信するようにしたことにより、印刷媒体を構成するラミネートテープ11が所定の幅以下のとき、PC101がPC101から印刷手段に送る文字データを第2の簡易化手段によって簡易化し、文字のつぶれが無いことをPC101側で確認してから文字データを印刷装置1に送信するようにしたので、印刷装置1がその文字データを印刷手段により印刷媒体を構成するラミネートテープ11に印刷するとき、所定幅以下の印刷媒体を構成するラミネートテープ11であっても文字つぶれ無しで印刷することができる。
【0129】
尚、本発明は、上記実施形態の記載に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の第1の実施形態おける印刷装置の斜視図である。
【図2】印刷装置のカバー部材を開けた斜視図である。
【図3】印刷媒体カセットを装着したサーマル印刷機構の概略平面図である。
【図4】印刷装置の制御系のブロック図である。
【図5】印刷装置内で文字入力を行い、印刷媒体幅の閾値による書体の処理を行って、印刷された印刷媒体を作成するフローチャートである。
【図6】印刷媒体幅の閾値設定画面を説明する説明図である。
【図7】書体設定画面を説明する説明図である。
【図8】文字サイズ設定画面を説明する説明図である。
【図9】文字画数の閾値設定の要否設定画面を説明する説明図である。
【図10】文字画数の閾値設定画面を説明する説明図である。
【図11】単語を同義語に、または文字をひらがなに、または単語をひらがなに変換する画面を説明する説明図である。
【図12】(工程1)ひらがな変換によって印刷された印刷媒体を作成するための文字入力の画面表示を説明する説明図である。
【図13】(工程2)入力された文字列を単語に分解するイメージを説明する説明図である。
【図14】(工程3)印刷された印刷媒体を作成するために入力されて簡易化された文字列の画面表示を説明する説明図である。
【図15】(工程4)文字をひらがな変換によって印刷された印刷媒体の完成図である。
【図16】単語の同義語変換によって印刷された印刷媒体の作成工程を示す説明図である。
【図17】単語のひらがな変換によって印刷された印刷媒体の作成工程を示す説明図である。
【図18】本発明の第2の実施形態における印刷装置とPCを接続して印刷システムを構成した状態を示す説明図である。
【図19】印刷装置の制御系のブロック図である。
【図20】印刷システムのPC内で行われる処理のフローチャートである。
【図21】印刷システムの印刷装置内で行われる処理のフローチャートである。
【図22】PCのLCDに表示されるシステム操作画面を「単語をひらがなに変換する」で説明する説明図である。
【図23】PCのLCDに表示されるシステム操作画面を「文字をひらがなに変換する」で説明する説明図である。
【図24】PCのLCDに表示されるシステム操作画面を「単語を同義語に変換する」で説明する説明図である。
【図25】単語をひらがな変換によって印刷された印刷媒体の完成図である。
【図26】文字をひらがな変換によって印刷された印刷媒体の完成図である。
【図27】単語を同義語変換によって印刷された印刷媒体の完成図である。
【図28】本発明の第3の実施形態における印刷システムのPC内で行われる処理のフローチャートである。
【図29】印刷システムの印刷装置内で行われる処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0131】
1 印刷装置
3 キーボード
4 サーマル印刷機構
10 印刷媒体カセット
11 ラミネートテープ
19 サーマルヘッド
24 テープ種検出用穴
30 テープ種検出センサ
40 CPU
43 ROM
46 制御装置
47 表示駆動制御プログラム
48 印刷駆動プログラム
49 簡易化プログラム
50 RAM
54 同義語変換プログラム
56 書体データ
57 簡易化された書体データ
56 書体データ
57 簡易化された書体データ
100 印刷システム
101 パーソナルコンピュータ(PC)
106 マウス
146 印刷システムアプリケーションソフ
148 印刷駆動プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字を入力する入力手段と、前記入力手段によって入力された文字を印刷媒体に印刷する印刷手段と、前記印刷媒体の幅が所定の幅以下であるか否かを検出する検出手段とを備えた印刷装置において、
前記検出手段により前記印刷媒体が所定の幅以下であることが検出されたとき、前記入力された文字を簡易化する第1の簡易化手段と、
前記第1の簡易化手段によって簡易化された文字を、前記印刷手段により前記印刷媒体に印刷する制御手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記第1の簡易化手段は、文字の画数が所定の画数を超えたとき、その文字をひらがなに変換するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記第1の簡易化手段は、一つ以上の文字から構成される単語において、単語の中の少なくとも一つの文字の画数が所定の画数を超えたとき、その単語を全てひらがなに変換するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
入力された単語を同義語に変換するための同義語変換手段を備え、
前記第1の簡易化手段は、一つ以上の文字から構成される単語において、単語の中の少なくとも一つの文字の画数が所定の画数を超えたとき、その単語を前記同義語変換手段により同義語に変換するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記第1の簡易化手段は、簡易化する文字の画数を選択できるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項6】
前記第1の簡易化手段によって簡易化された文字は、文字の書体を簡易化した簡易化フォントであることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項7】
印刷装置と文字及び図形を入力する入力手段を有するパーソナルコンピュータとがデータを送受信可能に接続され、さらに、前記入力手段により入力された文字及び図形をラスタデータに変換し、前記パーソナルコンピュータから前記印刷装置へ送信する印刷システムにおいて、
前記印刷装置は、文字及び図形を印刷媒体に印刷する印刷手段と、前記印刷媒体の幅が所定の幅以下であるか否かを検出する検出手段とを備え、
前記パーソナルコンピュータは、前記検出手段により前記印刷媒体が所定の幅以下であることが検出された検出信号を受信したとき、前記入力手段によって入力された文字及び図形を、それぞれ前記文字を示す文字コードと前記図形のイメージを示すラスタデータに変換して前記印刷手段に送信する印刷制御手段を備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項8】
前記印刷装置は、前記印刷制御手段から送信された文字コードに基づいて、印刷装置に内蔵されている所定幅以下の印刷媒体用に調整された専用フォントに変換して前記印刷手段により前記印刷媒体に印刷することを特徴とする請求項7に記載の印刷システム。
【請求項9】
印刷装置と文字及び図形を入力する入力手段を有するパーソナルコンピュータとがデータを送受信可能に接続された印刷システムにおいて、
前記印刷装置は、文字及び図形を印刷媒体に印刷する印刷手段と、前記印刷媒体の幅が所定の幅以下であるか否かを検出する検出手段と、前記検出手段により前記印刷媒体が所定の幅以下であることが検出されたとき、前記入力された文字を簡易化する第1の簡易化手段とを備え、
前記パーソナルコンピュータは、前記検出手段により前記印刷媒体が所定の幅以下であることが検出された検出信号を受信したとき、前記入力手段によって入力された文字及び図形をそれぞれ文字コードとラスタデータに分割して前記印刷手段に送信する印刷制御手段とを備え、
前記印刷装置は、前記印刷制御手段から送信された文字コードの文字を前記第1の簡易化手段により簡易化するとともに、その簡易化された文字コードの文字と前記印刷制御手段から送信されたラスタデータとを合成して前記印刷手段により前記印刷媒体に印刷することを特徴とする印刷システム。
【請求項10】
前記パーソナルコンピュータは、文字を前記第1の簡易化手段によって簡易化するのと同様に簡易化する第2の簡易化手段を有し、前記検出手段により前記印刷媒体が所定の幅以下であることが検出された検出信号を受信したとき、前記入力手段で入力された文字を前記第2の簡易化手段によって簡易化された文字の文字コードに変換して前記印刷手段に送信することを特徴とする請求項9に記載の印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2007−233785(P2007−233785A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−55698(P2006−55698)
【出願日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】