説明

印刷装置及び印刷システム

【課題】本発明は、同じ参照先の印刷対象データが異なる場合でも、ユーザ所望の印刷結果が得られる可能性の高い印刷装置を提供することを目的とする。
【解決手段】CPU31は、第1印刷対象データと第2印刷対象データとが異なると判断する場合(S202:YES)、CPU31は、印刷対象決定処理を実行する(S203)。そして、S203の印刷対象決定処理において、第2印刷対象データにエラー情報を含まれていると判断する場合(S301:YES)、CPU31は、エラー情報が一時的なエラーであることを示しているか否か判断し(S303)、エラー情報が一時的なエラーであることを示していないと判断する場合(S303:NO)、CPU31は、第1印刷対象データを印刷対象に決定する(S306)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを印刷装置の記憶部に記憶した後、ユーザからの指示を受け付けた際に、その画像データを印刷する印刷装置及び印刷システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザが指定した予備取得時刻になるとURL等の参照情報を参照し、その参照情報が示す参照先から印刷対象データを予備取得して、予備取得時刻の印刷対象データをRAM等の記憶部に記憶することができる印刷装置がある。この印刷装置は、ユーザが指定した本取得時刻になると、予備取得のときと同じ参照情報を参照し、予備取得時刻の印刷対象データが更新されているか判断する。そして、予備取得時刻の印刷対象データが更新されているときは、本取得時刻の印刷対象データを取得し、印刷を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−184180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記印刷装置では、予備取得時刻の印刷対象データと本取得時刻の印刷対象データとが異なり、本取得時刻の印刷対象データがユーザにとって不要な内容に更新されている場合であっても、本取得時刻の印刷対象データを印刷するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、同じ参照先の印刷対象データが異なる場合でも、ユーザ所望の印刷結果が得られる可能性の高い印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題の解決を目的としてなされた印刷装置は、印刷指示前に、データの参照情報に示される参照先にある第1印刷対象データを記憶する記憶部と、印刷指示をするとき、データの参照情報に示される参照先にある第2印刷対象データを取得する取得部と、取得部が取得した第2印刷対象データと、記憶部に記憶された第1印刷対象データとが異なるか否かを判断する同異判断部と、同異判断部が異なると判断する場合、取得部が取得した第2印刷対象データの要否を判断する要否判断部と、要否判断部が要と判断する場合、前記記憶部に記憶した第2印刷対象データを印刷し、要否判断部が不要と判断する場合、記憶部に記憶した第1印刷対象データを印刷する印刷部とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の印刷装置は、印刷指示前に、データの参照情報に示される参照先にある印刷対象データを第1印刷対象データとして記憶する。参照先は、データの格納場所を特定する情報により示されており、例えばURL(Uniform Resource Locator)で記載された情報のリンク先が該当する。本発明の印刷装置は、印刷指示をしたとき、第2印刷対象データを取得し、第2印刷対象データと、第1印刷対象データとが異なるか否かを判断する。さらに、第2印刷対象データと、第1印刷対象データとが異なる場合、第2印刷対象データの要否を判断する。そして、本発明の印刷装置は、第2印刷対象データが不要と判断する場合、第1印刷対象データを印刷する。
【0008】
すなわち、印刷指示したときの参照先にある第2印刷対象データと、記憶部に記憶された第1印刷対象データとが異なるときでも、記憶部に記憶された第1印刷対象データを印刷することになり、ユーザ所望の印刷結果が得られる可能性が高くなる。
【0009】
また、取得部が取得した第2印刷対象データにエラー情報が含まれているか否かを判断するエラー判断部を備え、要否判断部は、エラー判断部が第2印刷対象データにエラー情報が含まれていると判断する場合、取得部が取得した第2印刷対象データを不要と判断するようにしてもよい。
【0010】
この構成によれば、取得部が取得した第2印刷対象データにエラー情報が含まれている場合、印刷指示前に記憶部に記憶された第1印刷対象データが印刷される。このため、エラー情報を含まない第1印刷対象データを印刷する可能性が高くなり、ユーザ所望の印刷結果が得られる可能性が高くなる。
【0011】
また、エラー情報が一時的なエラー情報である場合、記憶部に記憶された第1印刷対象データの参照先から印刷対象データを取得する第1再取得部を備え、同異判断部は、第1再取得部が取得した印刷対象データと、記憶部に記憶された第1印刷対象データとが異なるか否かを判断し、要否判断部は、同異判断部が異なると判断する場合、第1再取得部が取得した印刷対象データの要否を判断し、印刷部は、要否判断部が要と判断する場合、第1再取得部が取得した印刷対象データを印刷するようにしてもよい。
【0012】
この構成によれば、取得部が取得した第2印刷対象データにエラー情報が含まれている場合でも、一時的なエラーである場合、エラーが解消するまで待ち、印刷対象データを再取得する。また、一時的なエラーである場合、エラーが解消するまでの時間が短い傾向にある。このため、短時間でエラーが解消される可能性が高いので、記憶部に記憶された第1印刷対象データよりも新しい印刷対象データを印刷する可能性が高くなり、ユーザ所望の印刷結果が得られる可能性が高くなる。
【0013】
また、記憶部に記憶された印刷対象データの参照先と異なる参照先がエラー情報に含まれている場合、エラー情報に含まれている異なる参照先から印刷対象データを取得する第2再取得部を備え、同異判断部は、第2再取得部が取得した印刷対象データと、記憶部に記憶された第1印刷対象データとが異なるか否かを判断し、要否判断部は、同異判断部が異なると判断する場合、第2再取得部が取得した印刷対象データの要否を判断し、印刷部は、要否判断部が要と判断する場合、第2再取得部が取得した印刷対象データを印刷するようにしてもよい。
【0014】
この構成によれば、記憶部に記憶された第1印刷対象データの参照先と異なる参照先がエラー情報に含まれている場合、エラー情報に含まれている異なる参照先から印刷対象データを再取得する。この場合、移転した参照先にユーザ所望の印刷対象データがある可能性が高い。このため、第2再取得部が取得した印刷対象データを印刷することにより、ユーザ所望の印刷結果が得られる可能性が高くなる。
【0015】
また、要否判断部は、取得部が取得した印刷対象データについて、印刷の要否を判断するようにしてもよい。
【0016】
この構成によれば、印刷の要否を判断することにより、無駄な印刷を防ぐことができ、トナー及び用紙等の消耗品を節約することができる。
【0017】
また、データの参照情報に示される参照先の印刷対象データを印刷するためにユーザによる印刷指示を受け付ける受付部を備え、記憶部は、受付部が印刷指示を受け付ける前を印刷指示前として、参照先の印刷対象データを記憶するようにしてもよい。
【0018】
この構成によれば、受付部が印刷指示を受け付ける前に印刷することがなくなり、ユーザが所望するときに印刷結果を得ることができる。
【0019】
また、記憶部は、印刷指示前に、データの参照情報のみを記憶するようにしてもよい。
【0020】
この構成によれば、記憶部の記憶容量を圧迫せず、記憶部を効率的に活用することができる。
【0021】
また、記憶部は、印刷指示前に、第1印刷対象データを記憶するとともに、データの参照情報を記憶するようにしてもよい。
【0022】
この構成によれば、印刷指示前に、印刷装置が第1印刷対象データを記憶しているので、印刷装置が他の制御を行っているときに第1印刷対象データを取得することがなくなり、印刷装置にかかる負荷を少なくすることができる。
【0023】
また、本発明は、データの参照情報に示される参照先にある第1印刷対象データを取得し、自装置が取得した第1印刷対象データと参照情報とを送信する送信部を備える情報処理装置と、情報装置から送信される第1印刷対象データと参照情報とを受信する受信部と、印刷対象データを印刷する印刷部とを備える印刷処理装置とから構成される印刷システムにおいて、印刷指示前に、第1印刷対象データと参照情報とを記憶する記憶部と、印刷指示をしたとき、前記記憶部に記憶されている参照情報に示される参照先にある第2印刷対象データを取得する取得部と、取得部が取得した第2印刷対象データと、記憶部に記憶された第1印刷対象データとが異なるか否か判断する同異判断部と、同異判断部が異なると判断するとき、取得部が取得した第2印刷対象データの要否を判断する要否判断部とを備え、印刷装置は、要否判断部が要と判断する場合、記憶部に記憶した第2印刷対象データを印刷し、要否判断部が不要と判断した場合、記憶部に記憶した第1印刷対象データを印刷することを特徴とする印刷システムを含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるプリンタの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】URL情報登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】URL情報印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態おける印刷対象決定処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態おける印刷対象決定処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1実施形態]
以下、本発明の印刷装置を具体化した第1実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は、Webページから印刷対象データを取得して印刷する機能を有するプリンタに本発明を適用したものである。
【0026】
[プリンタの構成]
本形態のプリンタ100(請求項に記載の印刷装置の一例)は、図1に示すように、CPU31と、ROM32と、RAM33と、NVRAM(Non Volatile RAM)34とを備えた制御部30を備えている。また、制御部30は、用紙に画像を印刷する画像形成部10と、動作状況の表示やユーザによる入力操作の受付を行う操作パネル40と、ネットワークインターフェース37と、USBインターフェース38と、無線通信インターフェース39とに、電気的に接続されている。
【0027】
ROM32には、プリンタ100を制御するための制御プログラムであるファームウェアや各種設定、初期値等が記憶されている。RAM33(請求項に記載の「記憶部」の一例)およびNVRAM34(請求項に記載の「記憶部」の一例)は、各種制御プログラムが読み出される作業領域として、あるいは印刷データを一時的に記憶する記憶領域として利用される。また、NVRAM34は、出荷後にユーザによって設定される各種の設定を記憶する記憶領域として利用される。なお、NVRAM34の代わりにFlash ROMを用いてもよい。
【0028】
CPU31(請求項に記載の「取得部」「同異判断部」「要否判断部」「第1再取得部」「第2再取得部」「エラー判断部」の一例)は、ROM32から読み出した制御プログラムや各種センサから送られる信号に従って、その処理結果をRAM33またはNVRAM34に記憶させながら、プリンタ100の各構成要素を制御する。
【0029】
ネットワークインターフェース37およびUSBインターフェース38は、他の装置との通信を可能にするインターフェースである。プリンタ100は、これらのインターフェースを介して他の装置から送信されるデータを受信する。なお、データを受信するとき、CPU31と、ネットワークインターフェース37、または、USBインターフェース38とが協働することで、請求項に記載の「受信部」の一例として機能する。
【0030】
本形態では、プリンタ100は、ネットワークインターフェース37を介して、プリンタ100用のプリンタドライバ(請求項に記載の「送信部」の一例)が組み込まれたパーソナルコンピュータ(PC)200(請求項に記載の「情報処理装置」の一例)、及び、Webページを格納するWebサーバ300(請求項に記載の「参照先」の一例)との通信が可能になっている。プリンタ100は、PC200及びWebサーバ300などの通信装置とともに印刷システム900を構成している。
【0031】
この他、USBインターフェース38を介して他の装置を利用してもよい。例えば、USBインターフェース38にフラッシュメモリ(請求項に記載の「記憶部」の一例)が装着されている場合には、そのフラッシュメモリを記憶領域として利用できる。また、キーボードが装着されている場合には、そのキーボードを利用して入力操作を行うことができる。
【0032】
また、画像形成部10(請求項に記載の「印刷部」の一例)は、用紙に画像を印刷することができればよく、画像形成方式については電子写真方式であってもインクジェット方式であってもよい。また、カラー印刷が可能であってもよく、モノクロ印刷専用であってもよい。
【0033】
また、操作パネル40(請求項に記載の「受付部」の一例)は、ユーザ入力を受け付ける各種のボタンと、文字情報やボタン等を表示するタッチパネル画面とを有している。各種のボタンとしては、例えば、印刷動作の開始を指示するOKボタン、印刷動作のキャンセルを指示するキャンセルボタン、及び、ユーザがWebベージのURLを入力するための文字ボタンがある。
【0034】
[プリンタの制御]
続いて、プリンタ100の制御について説明する。第1実施形態のプリンタ100は、Webページを参照するためのURL情報を取得し、そのURL情報に基づいてWebページから印刷対象データ(コンテンツ)を取得し、そのコンテンツを印刷するWebページ印刷機能を有している。
【0035】
Webページ印刷を行う際には、URL情報登録処理を実行する。まず、ユーザがPC200からプリンタ100に、Webページを参照するためのURL情報にパスワードを付加して送信する。プリンタ100は、ネットワークインターフェース37を介して受信したURL情報をNVRAM34に記憶させる。
【0036】
そして、プリンタ100は、URL情報を受信した直後に、URL情報に基づいてWebページにアクセスし、当該Webページから印刷対象データをダウンロードし、ダウンロードした印刷対象データをNVRAM34に記憶させる。なお、本実施形態において、これらの処理は、ユーザが操作パネル40を操作してWebページ印刷の実行指示(請求項に記載の「印刷指示」の一例)を入力する前に行われているものとする。また、ここでNVRAM34に記憶させた印刷対象データはユーザ所望の内容を含むものとする。
【0037】
ユーザが操作パネル40を操作してWebページ印刷の実行指示を入力する。プリンタ100は、その実行指示が入力されると、NVRAM34に記憶されたURL情報を選択する選択画面を表示する。ユーザは、その選択画面からWebページのURL情報を選択し、パスワードを入力して、Webページ印刷の実行指示を入力する。例えば、Webサーバ300(図1参照)の所定のディレクトリに格納されているWebページの情報を印刷する場合には、そのディレクトリパスを含むURL情報を選択する。その後、操作パネル40からパスワードを入力し、操作パネル40のOKボタンを押下する。
【0038】
プリンタ100は、パスワードが一致すると、選択されたURL情報に基づいてWebサーバ300の所定のディレクトリにアクセスし、印刷対象データを自機のメモリ領域にダウンロードする。
【0039】
そして、プリンタ100は、ダウンロードした印刷対象データをRAM33に記憶させ、同じURL情報で関連付けられている、NVRAM34に記憶された印刷対象データと同一であるか否かを判断する。
【0040】
プリンタ100は、ダウンロードしてRAM33に記憶させた印刷対象データが、同じURL情報を有する、NVRAM34に記憶された印刷対象データと同一でないと判断する場合、RAM33に記憶させた印刷対象データの印刷が要か不要か判断する。
【0041】
そして、プリンタ100は、ダウンロードした印刷対象データの印刷が不要である場合、ダウンロードした印刷対象データをRAM33から消去し、NVRAM34に記憶された印刷対象データの印刷を実行する。
【0042】
なお、プリンタ100は、ダウンロードした印刷対象データの印刷が要と判断された場合、ダウンロードした印刷対象データの印刷を実行し、印刷対象データを印刷した場合は、ダウンロードした印刷対象データをRAM33から消去し、NVRAM34に記憶された印刷対象データをNVRAM34から消去する。
【0043】
[ステータスコード]
本実施形態において、プリンタ100がダウンロードした印刷対象データにされた更新が不要と判断するのは、下記のステータスコードと同じ文字列が、ダウンロードした印刷対象データに含まれているときである。
【0044】
403:Forbidden
404:Not Found
502:Bad Gateway
503:Service Unavailable
これらのステータスコードは2つのグループに分けられ、ダウンロードした印刷対象データへの更新が不要と判断された後の処理が、そのグループごとに異なる。
【0045】
(1)NVRAM34に記憶させた印刷対象データを印刷する
「403:Forbidden」又は「404:Not Found」のステータスコードを受信したときは、Webサーバ300においてアクセス権の設定ミス等の可能性が高い。このとき、Webサーバ300の管理者が連絡を受けてから設定を直す時間を考慮すると、1時間程度もしくはそれ以上の時間がかかることが予想される。このため、「403:Forbidden」又は「404:Not Found」の文字列が含まれている、ダウンロードした印刷対象データを印刷するよりも、NVRAM34に記憶させた印刷対象データを印刷したほうが、ユーザ所望の印刷結果が得られる。例えば、地図または列車ダイヤ等の内容が短期間で変更されない情報が印刷対象である場合、最新の印刷対象データでなくても有用性があり、ユーザ所望の印刷結果が得られる可能性が高い。
【0046】
(2)NVRAM34に記憶されたURL情報から印刷対象データを再取得する
「502:Bad Gateway」又は「503:Service Unavailable」のステータスコードを受信したときは、Webサーバ300の負荷が高くなっているか、または、Webサーバ300の保守により一時的に利用できない状態となっている可能性が高い。そこで、印刷対象データの再取得を行う前に所定の待ち時間を設け、Webサーバ300のエラーが解除されたときに最新の印刷対象データを取得し、最新の印刷対象データを印刷する。このため、NVRAM34に記憶させた印刷対象データを印刷するよりも最新の印刷対象データを印刷するほうが、ユーザ所望の印刷結果が得られる可能性が高くなる。例えば、株式情報または天気予報等の内容が短期間で変更される情報が印刷対象である場合、最新の印刷対象データがユーザの所望する印刷対象データと考えられるので、NVRAM34に記憶された印刷対象データよりも最新の印刷対象データを印刷するほうが、ユーザ所望の印刷結果が得られる可能性が高い。
【0047】
[URL情報登録処理]
続いて、前述したURL情報登録処理について、図2のフローチャートを参照しつつ説明する。URL情報登録処理は、印刷ジョブを受信したことを契機に、CPU31によって実行される。
【0048】
URL情報登録処理では、まず、CPU31は、印刷ジョブを受信したとき、Webページを参照するためのURL情報を受信したか否かを判断する(S101、請求項に記載の「受信部」の一例)。
【0049】
URL情報を受信したと判断する場合(S101:YES)、CPU31は、URL情報に基づいてWebページにアクセスし、印刷対象データ(以下、第1印刷対象データという)を取得する(S102)。
【0050】
そして、URL情報と第1印刷対象データとを関連付けてNVRAM34に記憶させ(S103)、URL情報登録処理を終了する。
【0051】
S101において、CPU31は、URL情報を受信していないと判断する場合(S101:NO)、URL情報登録処理の開始時点で印刷ジョブとして印刷対象データをすでに受信しているので、受信した印刷対象データをNVRAM34に記憶させて(S104)、URL情報登録処理を終了する。
【0052】
[URL情報印刷処理]
続いて、URLジョブの印刷を実行するURL情報印刷処理について、図3のフローチャートを参照しつつ説明する。URL情報印刷処理は、URL情報を選択後、操作パネル40からパスワードを入力し、操作パネル40のOKボタンの押下を受け付けたことを契機に、CPU31によって実行される。
【0053】
URL情報印刷処理では、まず、CPU31は、ユーザにより選択されたURL情報に基づいてWebサーバ300の所定のディレクトリにアクセスさせ、印刷対象データ(以下、第2印刷対象データという)をダウンロードして、RAM33に記憶させる(S201、請求項に記載の「取得部」の一例)。
【0054】
次に、CPU31は、第2印刷対象データと第1印刷対象データとが異なるか否かを判断する(S202、請求項に記載の「同異判断部」の一例)。このS202の判断では、第2印刷対象データと第1印刷対象データとの文字列を比較して、整合率が所定の確率以上であれば、第2印刷対象データと第1印刷対象データとが同じという判断が行われる。
【0055】
そして、第2印刷対象データと第1印刷対象データとが異なると判断する場合(S202:YES)、CPU31は、後述する印刷対象決定処理を実行する(S203)。
【0056】
[印刷対象決定処理]
ここで、印刷対象決定処理について、図4を参照しながら説明する。印刷対象決定処理とは、第1印刷対象データ、第2印刷対象データ及びユーザに選択されたURL情報に基づいてWebサーバ300から再取得する印刷対象データのうち、いずれの印刷対象データを印刷するか決定する処理である。
【0057】
印刷対象決定処理では、まず、CPU31は、第2印刷対象データにエラー情報が含まれているか否かを判断する(S301、請求項に記載の「要否判断部」の一例)。このS301の判断は、「502:Bad Gateway」または「503:Service Unavailable」のステータスコードと同じ文字列が、第2印刷対象データに含まれているか否かを判断することにより行われる。
【0058】
すなわち、上記ステータスコードと同じ文字列が第2印刷対象データに含まれていた場合(S301:YES)、この第2印刷対象データを印刷しても、ユーザ所望の印刷結果は得られにくいので、S301の判断(S301:YES)により、第2印刷対象データの印刷の不要を判断している。
【0059】
第2印刷対象データにエラー情報が含まれていないと判断する場合(S301:NO)、CPU31は、第2印刷対象データを印刷対象に決定し(S302)、印刷対象決定処理を終了する。
【0060】
一方、第2印刷対象データにエラー情報が含まれていると判断する場合(S301:YES)、CPU31は、ステータスコードの文字列からエラー情報が一時的なエラーであることを示しているか否かを判断する(S303、請求項に記載の「エラー判断部」の一例)。このS303では、「502:Bad Gateway」または「503:Service Unavailable」のステータスコードと同じ文字列が、第2印刷対象データに含まれているとき、一時的なエラーと判断する。
【0061】
エラー情報が一時的なエラーであることを示していると判断する場合(S303:YES)、CPU31は、一時的なエラーが解除されるまでの所定時間待機させ(S304)、ユーザにより選択されたURL情報に基づいてWebサーバ300から再取得する印刷対象データを印刷対象に決定し(S305)、印刷対象決定処理を終了する。
【0062】
エラー情報が一時的なエラーであることを示していないと判断する場合(S303:NO)、CPU31は、第1印刷対象データを印刷対象に決定し(S306)、印刷対象決定処理を終了する。
【0063】
図3のURL情報印刷処理の説明に戻り、S203の印刷対象決定処理の後、CPU31は、第1印刷対象データを印刷するか否かを判断する(S204)。このS204の判断は、例えば、印刷対象決定処理において、第1印刷対象データを印刷対象に決定したか否かを判断することにより行われる。
【0064】
第1印刷対象データを印刷しないと判断する場合(S204:NO)、CPU31は、印刷対象データの再取得が必要か否かを判断する(S205)。このS205の判断は、例えば、印刷対象決定処理において、ユーザにより選択されたURL情報に基づいてWebサーバ300から再取得する印刷対象データを印刷対象に決定したか否かを判断することにより行われる。
【0065】
印刷対象データの再取得が必要でないと判断された場合(S205:NO)、CPU31は、画像形成部10に第2印刷対象データの印刷を実行させ(S206)、URL情報印刷処理を終了する。なお、S205において、第2印刷対象データを印刷対象に決定したか否かを判断してもよい。この変形例では、第2印刷対象データを印刷対象に決定したと判断する場合、S201に移行し、第2印刷対象データを印刷対象に決定したと判断しない場合、S206に移行する。
【0066】
一方、印刷対象データの再取得が必要と判断する場合(S205:YES)、CPU31は、ユーザにより選択されたURL情報に基づいてWebサーバ300から印刷対象データを再取得し(請求項に記載の「第1再取得部」の一例)、再取得した印刷対象データについて、S202〜S205の処理の少なくとも一部を行う。
【0067】
なお、第2印刷対象データと第1印刷対象データとが同じと判断する場合(S202:NO)、CPU31は、画像形成部10に第1印刷対象データの印刷を実行させ(S207)、URL情報印刷処理を終了する。しかし、この場合、CPU31は、画像形成部10に第2印刷対象データの印刷を実行させてもよい。第1印刷対象データと第2印刷対象データとは実質的に同一だからである。
【0068】
また、第1印刷対象データを印刷すると判断する場合(S204:YES)、CPU31は、画像形成部10に第1印刷対象データの印刷を実行させ(S207)、URL情報印刷処理を終了する。
【0069】
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第1実施形態のプリンタ100において、CPU31は、第1印刷対象データと第2印刷対象データとが異なると判断する場合(S202:YES)、CPU31は、印刷対象決定処理を実行する(S203)。そして、S203の印刷対象決定処理において、第2印刷対象データにエラー情報が含まれていないと判断する場合(S301:NO)、CPU31は、第2印刷対象データを印刷対象に決定する(S302)。一方、第2印刷対象データにエラー情報を含まれていると判断する場合(S301:YES)、CPU31は、エラー情報が一時的なエラーであることを示しているか否かを判断し(S303)、エラー情報が一時的なエラーであることを示していないと判断する場合(S303:NO)、CPU31は、第1印刷対象データを印刷対象に決定し(S306)、印刷対象決定処理を終了する。
【0070】
つまり、第2印刷対象データが不要と判断する場合、CPU31は、画像形成部10に第1印刷対象データの印刷を実行させるので(S207)、第1印刷対象データと第2印刷対象データとが異なる場合でも、ユーザ所望の内容を含む第1印刷対象データを印刷することになり、ユーザ所望の印刷結果が得られる可能性が高くなる。
【0071】
なお、請求項に記載の「要否判断部」は、印刷の要否の判断を行うことにより、不要な印刷対象データの印刷が実行されることを防止することができる。また、トナー及び用紙等の消耗品を節約することができる。
【0072】
また、CPU31は、第2印刷対象データにエラー情報が含まれているか否かを判断する(S301)。第2印刷対象データにエラー情報が含まれていると判断する場合(S301:YES)、ユーザにより選択されたURL情報に基づいてWebサーバ300から再取得する印刷対象データ(S305)、または、第1印刷対象データを印刷対象に決定する(S306)。
【0073】
つまり、CPU31は、エラー情報を含まない印刷対象データについて印刷を画像形成部10に実行させるので、エラー情報を含まない印刷対象データを印刷することになり、ユーザ所望の印刷結果が得られる可能性が高くなる。
【0074】
また、エラー情報が一時的なエラーであることを示していると判断する場合(S303:YES)、CPU31は、一時的なエラーが解除されるまでの所定時間待機し(S304)、ユーザにより選択されたURL情報に基づいてWebサーバ300から再取得する印刷対象データを印刷対象に決定する(S305)。そして、再取得する印刷対象データについて、S202〜205の処理の少なくとも一部が行われるから、第1印刷対象データよりも新しく、ユーザにより選択されたURL情報に基づいてWebサーバ300から再取得する印刷対象データを、プリンタ100が印刷する可能性が高くなり、ユーザ所望の印刷結果が得られる可能性が高くなる。
【0075】
また、URL情報印刷処理は、URL情報を選択後、操作パネル40からパスワードを入力し、操作パネル40のOKボタンの押下を受け付けたことを契機に、CPU31によって実行される。このため、操作パネル40のOKボタンの押下を受け付ける前に印刷することがなくなり、ユーザが所望するときに印刷結果を得ることができる。
【0076】
また、URL情報印刷処理において、CPU31は、URL情報と第1印刷対象データとをNVRAM34に記憶させているので(S103)、CPU31が他の制御を行っているときに第1印刷対象データを取得する必要がなくなり、CPU31にかかる負荷を少なくすることができる。
【0077】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態は、印刷対象決定処理が第1実施形態と異なる。第2実施形態の印刷対象処理は、所定の文字列が第2印刷対象データに含まれていた場合、Webページのソースコード内に示される他のURL情報から印刷対象データを再取得する。
【0078】
より具体的には、図3のURL情報印刷処理において、CPU31は、印刷対象データの再取得が必要と判断する場合(S205:YES)、他のURL情報に基づいてWebサーバ300から印刷対象データを再取得する(請求項に記載の「第2再取得部」の一例)。
【0079】
[印刷対象決定処理]
第2実施形態の印刷対象決定処理について、図5のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、第1実施形態の印刷対象決定処理と同様の処理については、適宜省略しながら説明する。
【0080】
第2印刷対象データにエラー情報が含まれていると判断する場合(S301:YES)、S401において、CPU31は、第2印刷対象データに他のURL情報が含まれているか否かを判断する。このS401の判断は、「ホームページを移転しました。自動的に5秒後ジャンプします。」のような文字列が第2印刷対象データに含まれているか否かを判断することにより行われる。
【0081】
第2印刷対象データに他のURL情報が含まれていると判断する場合(S401:YES)、CPU31は、Webページのソースコードから他のURL情報を抽出し、抽出した他のURL情報から印刷対象データを再取得するように、設定を変更する(S402)。例えば、「meta http−equiv="Refresh"content="10;URL=http://example.com/"」から「http://example.com/」を抽出する。
【0082】
そして、CPU31は、他のURL情報に基づいてWebサーバ300から再取得する印刷対象データを印刷対象に決定し(S403)、印刷対象決定処理を終了する。
【0083】
[第2実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第2実施形態のプリンタ100において、CPU31は、第2印刷対象データに他のURL情報が含まれていると判断する場合(S401:YES)、CPU31は、他のURL情報から印刷対象データを再取得するように、設定を変更する(S402)。そして、CPU31は、他のURL情報に基づいてWebサーバ300から再取得する印刷対象データを印刷対象に決定する(S403)。このため、他のURL情報が含まれているステータスコードの場合、他のURL情報から再取得した印刷対象データが印刷されることになり、ユーザ所望の印刷結果が得られる可能性が高くなる。
【0084】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態は、URL情報印刷処理及び印刷対象決定処理について第1実施形態及び第2実施形態と異なる。第3実施形態の印刷対象決定処理において、CPU31は、第2印刷対象データにエラー情報が含まれているか否かを判断する(S301)だけの実施形態である。
【0085】
[URL情報印刷処理]
第3実施形態では、図3において、CPU31は、印刷対象データの再取得が必要か否かを判断する処理(S205)がない。
【0086】
すなわち、S201〜S203までは同様である。S203の後、CPU31は、第1印刷対象データを印刷するか否かを判断する(S204)。第1印刷対象データを印刷しないと判断する場合(S204:NO)、CPU31は、画像形成部10に第2印刷対象データの印刷を実行させ(S206)、URL情報印刷処理を終了する。
【0087】
一方、第1印刷対象データと第2印刷対象データとが同じと判断する場合(S202:NO)、CPU31は、画像形成部10に第1印刷対象データの印刷を実行させ(S207)、URL情報印刷処理を終了する。
【0088】
[印刷対象決定処理]
図4または図5において、まず、CPU31は、第2印刷対象データにエラー情報が含まれているか否かを判断する(S301)。第2印刷対象データにエラー情報が含まれていないと判断する場合(S301:NO)、CPU31は、第2印刷対象データを印刷対象に決定し(S302)、印刷対象決定処理を終了する。
【0089】
一方、第2印刷対象データにエラー情報を含まれていると判断する場合(S301:YES)、CPU31は、第1印刷対象データを印刷対象に決定し(S306)、印刷対象決定処理を終了する。
【0090】
[第3実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第3実施形態のプリンタ100において、CPU31は、第2印刷対象データが不要と判断する場合、画像形成部10に第1印刷対象データの印刷を実行させるので(S207)、第1印刷対象データと第2印刷対象データとが異なる場合でも、ユーザ所望の内容を含む第1印刷対象データを印刷することになり、ユーザ所望の印刷結果が得られる可能性が高くなる。
【0091】
[変形例]
なお、本実施形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、プリンタは、印刷機能を備えるものであればよく、複合機又は複写機であっても適用可能である。
【0092】
また、本実施形態では、操作パネル40の操作によって、プリンタに記憶されている印刷ジョブの印刷を開始しているが、これに限るものではない。例えば、モバイル端末からの印刷指令、又はカードリーダ等による認証に従って印刷を開始してもよい。
【0093】
また、本実施形態では、ユーザが操作パネル40を操作してWebページ印刷の実行指示を入力するが、これに限られるものではない。例えば、所定の条件が整えば自動的にWebページ印刷の実行指示を発生するようにしてもよい(請求項に記載の「印刷指示」の一例)。具体的には、ユーザがPC200からプリンタ100に、Webページを参照するためのURL情報を送信するときに、印刷予定時刻を送信する。そして、プリンタ100は、印刷予定時刻になると、NVRAM34に記憶されたURL情報を用いて印刷対象データを取得するように構成する。
【0094】
また、本実施形態では、URL情報と第1印刷対象データとを関連付けてNVRAM34に記憶させるとき(S103)、NVRAM34に不揮発状態で記憶されるが、この構成に限定されない。URL情報に基づいてWebページから取得した第1印刷対象データまたは第2印刷対象データの印刷を完了するまでの間、URL情報を記憶している構成であればよい。例えば、URL情報が入力されてから第1印刷対象データまたは第2印刷対象データの印刷が完了するまで、URL情報をRAM33などの一時記憶部に継続して記憶してもよい。また、例えば、USBインターフェース38に装着されているフラッシュメモリに、URL情報を記憶してもよい。
【0095】
また、本実施形態では、最初に印刷データを取得する時点において、ユーザはPC200からプリンタ100に、Webページを参照するためのURL情報を送信し、プリンタ100は、URL情報に基づいてWebページから第1印刷対象データを取得し、第1印刷対象データをNVRAM34に記憶させている。その後、印刷指示を出す時点において、ユーザが操作パネル40を操作してWebページ印刷の実行指示を入力するが、これに限られるものではない。
【0096】
例えば、第1印刷対象データを取得する時点において、ユーザはPC200からプリンタ100に、Webページを参照するためのURL情報と予備取得時刻とを送信し、プリンタ100は、予備取得時刻になると、URL情報に基づいてWebページから第1印刷対象データを取得しているようにしてもよい。その後、印刷指示を出す時点において、ユーザが操作パネル40を操作してWebページ印刷の実行指示を入力する。つまり、ユーザがWebページ印刷の実行指示を入力するまでに、時間の余裕があれば、ユーザはPC200からプリンタ100に、Webページを参照するためのURL情報を送信してから、すぐにURL情報に基づいてWebページから第1印刷対象データを取得しなくてもよい。このとき、予備取得時刻までは、NVRAM34の記憶容量を圧迫せず、他の用途にNVRAM34を使用することができ、NVRAM34を効率的に活用することができる。
【0097】
また、例えば、プリンタ100が第1印刷対象データを受信する前において、PC200においてWebページのURL情報を入力し、PC200がWebサーバ300にアクセスして取得した印刷対象データを、PC200からプリンタ100にWebページのURL情報とともに送信しているようにしてもよい。その後、印刷指示を出す時点において、ユーザが操作パネル40を操作してWebページ印刷の実行指示を入力する。
【0098】
このため、印刷指示前に、プリンタ100が第1印刷対象データを自ら取得する必要がなくなるので、プリンタ100が他の制御を行っているときに第1印刷対象データを取得することがなくなり、プリンタ100にかかる負荷を少なくすることができる。なお、プリンタにWebページのURL情報を送信する情報処理装置は、PCに限るものではなく、例えば、スマートフォン等のモバイル端末であってもよい。
【0099】
また、本実施形態では、プリンタ100は、第2印刷対象データと、同じURL情報を有する、NVRAM34に記憶された第1印刷対象データと同一であるか否かの判断を、第2印刷対象データと第1印刷対象データとの文字列を比較して判断することにより行っているが、これに限るものではない。例えば、選択されたURL情報に基づいてWebサーバ300の所定のディレクトリにアクセスするときに、NVRAM34に第1印刷対象データを記憶してから第1印刷対象データが更新されているか否かをWebサーバ300に問い合わせをする。そして、Webサーバ300への問い合わせ結果により、第1印刷対象データの同一を判断してもよい。
【0100】
また、本実施形態では、プリンタ100は、第2印刷対象データが要か不要かを判断しているが、これに限るものではない。例えば、プリンタ100は、第2印刷対象データをNVRAM34等に記憶させることの要否を判断してもよい。
【0101】
また、本実施形態では、プリンタ100は、第2印刷対象データが要か不要かを判断する際、「502:Bad Gateway」又は「503:Service Unavailable」のステータスコードと同じ文字列が、第2印刷対象データに含まれているか否かを判断するが、これに限るものではない。例えば、Webサーバ300から受信するステータスコードが「403:Forbidden」又は「404:Not Found」のステータスコードの場合、第2印刷対象データが不要と判断するようにしてもよい。また、これらの組み合わせで判断するようにしてもよい。
【0102】
また、本実施形態の第2実施形態の印刷対象処理は、所定の文字列が第2印刷対象データに含まれていた場合、Webページのソースコード内に示される他のURL情報から印刷対象データを再取得するが、これに限るものではない。例えば、「301 Moved Permanently」、「302 Found」、「303 See Other」又は「307 Temporary Redirect」のうち、いずれかのステータスコードの文字列が第2印刷対象データにあるとき、ステータスコードとともにソースコードに示されている他のURL情報から印刷対象データを再取得する。
【0103】
なお、「301 Moved Permanently」、「302 Found」、「303 See Other」又は「307 Temporary Redirect」のステータスコードを受信したときは、入力されたURL情報に基づくWebサーバ300の所定のディレクトリにアクセスしたが、所定のディレクトリに印刷対象データがなかった可能性が高い。この場合、Webサーバ300から受信した情報の中に、印刷対象データの移転先を示すURL情報が含まれていることがある。印刷対象データの移転先を示すURL情報が含まれていれば、このURL情報をRAM33に一時的に記憶させ、移転先のディレクトリにアクセスし、印刷対象データを自機のメモリ領域にダウンロードすることができる。そこで、移転先を示すURL情報の印刷対象データを印刷することで、ユーザ所望の印刷結果が得られる可能性が高くなる。
【0104】
また、本実施形態では、プリンタ100は、第2印刷対象データが要か不要かを判断する際、第2印刷対象データに、印刷禁止、転用禁止、等の印刷を禁止すべき情報が含まれているか否かを判断してもよい。このとき、印刷を禁止すべき情報が含まれている場合は、第2印刷対象データは不要と判断すればよい。
【0105】
また、本実施形態では、プリンタ100は、第2印刷対象データが要か不要かを判断する際、第2印刷対象データに一部表示できない部分があるか否かを判断してもよい。このとき、第2印刷対象データに一部表示できない部分がある場合は、第2印刷対象データは不要と判断すればよい。具体的に、第2印刷対象データに一部表示できない部分がある場合とは、プリンタ100又はPC200のメモリ不足のために第2印刷対象データに一部表示できない部分がある場合がある。また、第2印刷対象データにリンクの切れている画像等が含まれている場合がある。さらに、第1印刷対象データと第2印刷対象データとを比較して、第1印刷対象データには存在する画像等が、第2印刷対象データには存在しない場合である。
【0106】
また、本実施形態では、プリンタ100は、第2印刷対象データが要か不要かを判断する際、操作パネル40からファイルの種類、キーワード、及び画像の有無等の条件をユーザに入力させ、ユーザに入力させた条件を満たすか否かを判断してもよい。このとき、ユーザに入力させた条件を満たさない第2印刷対象データは不要と判断すればよい。
【0107】
また、本実施形態では、プリンタ100は、第2印刷対象データが要か不要かを判断する際、プリンタ100の印刷能力を超えるため、第2印刷対象データを印刷することができないか否かを判断するようにしてもよい。このとき、プリンタ100の印刷能力を超えるため、第2印刷対象データを印刷することができない場合は、第2印刷対象データは不要と判断すればよい。具体的には、プリンタ100が第2印刷対象データを解釈できず印刷ができない場合がある。また、第2印刷対象データのデータ形式を、プリンタ100がサポートしていない場合がある。さらに、第2印刷対象データにプリンタ100が未対応のフォントが含まれている場合がある。
【0108】
また、本実施形態では、CPU31は、Webページのソースコードから他のURL情報を抽出するとき、「meta http−equiv="Refresh"content="10;URL=http://example.com/"」から「http://example.com/」を抽出しているが、これに限るものではない。例えば、Webページの移転を知らせるWebページから他のURL情報の文字列を抽出するようにしてもよい。
【0109】
また、本実施形態では、「502:Bad Gateway」等のステータスコードを例示しながら説明しているが、例示したステータスコードに限るものではない。また、例示したステータスコードに関連するエラーの種類に限定するものでもない。種々のステータスコード、エラーの種類に対応するようにすることができる。
【符号の説明】
【0110】
10 画像形成部
30 制御部
100 プリンタ
110 メモリ領域
200 PC
300 Webサーバ
900 印刷システム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷指示前に、データの参照情報に示される参照先にある第1印刷対象データを記憶する記憶部と、
印刷指示をするとき、データの参照情報に示される参照先にある第2印刷対象データを取得する取得部と、
前記取得部が取得した第2印刷対象データと、前記記憶部に記憶された第1印刷対象データとが異なるか否かを判断する同異判断部と、
前記同異判断部が異なると判断する場合、前記取得部が取得した第2印刷対象データの要否を判断する要否判断部と、
前記要否判断部が要と判断する場合、前記記憶部に記憶した第2印刷対象データを印刷し、前記要否判断部が不要と判断する場合、前記記憶部に記憶した第1印刷対象データを印刷する印刷部とを備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記取得部が取得した第2印刷対象データにエラー情報が含まれているか否かを判断するエラー判断部を備え、
前記要否判断部は、前記エラー判断部が第2印刷対象データにエラー情報が含まれていると判断する場合、前記取得部が取得した第2印刷対象データを不要と判断することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
エラー情報が一時的なエラー情報である場合、前記記憶部に記憶された第1印刷対象データの参照先から印刷対象データを取得する第1再取得部を備え、
前記同異判断部は、前記第1再取得部が取得した印刷対象データと、前記記憶部に記憶された第1印刷対象データとが異なるか否かを判断し、
前記要否判断部は、前記同異判断部が異なると判断する場合、前記第1再取得部が取得した印刷対象データの要否を判断し、
前記印刷部は、前記要否判断部が要と判断する場合、前記第1再取得部が取得した印刷対象データを印刷することを特徴とすることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記記憶部に記憶された印刷対象データの参照先と異なる参照先がエラー情報に含まれている場合、エラー情報に含まれている異なる参照先から印刷対象データを取得する第2再取得部を備え、
前記同異判断部は、前記第2再取得部が取得した印刷対象データと、前記記憶部に記憶された第1印刷対象データとが異なるか否かを判断し、
前記要否判断部は、前記同異判断部が異なると判断する場合、前記第2再取得部が取得した印刷対象データの要否を判断し、
前記印刷部は、前記要否判断部が要と判断する場合、前記第2再取得部が取得した印刷対象データを印刷することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記要否判断部は、前記取得部が取得した印刷対象データについて、印刷の要否を判断することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項6】
データの参照情報に示される参照先の印刷対象データを印刷するためにユーザによる印刷指示を受け付ける受付部を備え、
前記記憶部は、前記受付部が印刷指示を受け付ける前を印刷指示前として、参照先の印刷対象データを記憶することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項7】
前記記憶部は、印刷指示前に、データの参照情報のみを記憶することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項8】
前記記憶部は、印刷指示前に、第1印刷対象データを記憶するとともに、データの参照情報を記憶することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項9】
データの参照情報に示される参照先にある第1印刷対象データを取得し、自装置が取得した第1印刷対象データと参照情報とを送信する送信部を備える情報処理装置と、前記情報処理装置から送信される第1印刷対象データと参照情報とを受信する受信部と、印刷対象データを印刷する印刷部とを備える印刷装置とから構成される印刷システムにおいて、
印刷指示前に、第1印刷対象データと参照情報とを記憶する記憶部と、
印刷指示をしたとき、前記記憶部に記憶されている参照情報に示される参照先にある第2印刷対象データを取得する取得部と、
前記取得部が取得した第2印刷対象データと、前記記憶部に記憶された第1印刷対象データとが異なるか否か判断する同異判断部と、
前記同異判断部が異なると判断するとき、前記取得部が取得した第2印刷対象データの要否を判断する要否判断部とを備え
前記印刷装置は、前記要否判断部が要と判断する場合、前記記憶部に記憶した第2印刷対象データを印刷し、前記要否判断部が不要と判断した場合、前記記憶部に記憶した第1印刷対象データを印刷することを特徴とする印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−71406(P2013−71406A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214022(P2011−214022)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】