説明

印刷装置及び印刷方法

【課題】複数のユーザの印刷ジョブをまとめて実行する機能を、ユーザに積極的に利用させることのできる印刷装置及び印刷方法を提供する。
【解決手段】受付部は、ユーザ端末から、即時に印刷出力を行う即時印刷ジョブ又は待機させる印刷予約ジョブを受付け、印刷予約ジョブを受付けた場合には当該印刷予約ジョブを記憶装置に記憶させる。印刷制御部は、受付けた印刷ジョブが即時印刷ジョブである場合には当該即時印刷ジョブを実行する。その一方で、表示制御部は、記憶手段に記憶された印刷予約ジョブを実行するか否かを選択させるための選択画面を生成し、生成した選択画面を即時印刷ジョブの送信元であるユーザ端末に表示させる。そして、前記選択画面に対してユーザによる印刷予約ジョブの実行指示が行われた場合には、印刷制御部は、記憶手段から印刷予約ジョブを読み出し更に実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の印刷ジョブをまとめて実行して印刷出力する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の印刷ジョブをまとめて実行して印刷出力する技術がある。例えば、特許文献1に開示されたファクシミリ装置は、受信した画像に関する印刷ジョブを記憶装置に一旦記憶しておき、予め設定された時刻が到来したことによって当該記憶装置に記憶していた印刷ジョブをまとめて実行するようになっている。また、特許文献1によれば、このファクシミリ装置は、受信した画像の情報量が所定以上になった場合にも記憶装置に記憶していた印刷ジョブをまとめて実行する。
【0003】
また、特許文献2には、複数の印刷ジョブをまとめて実行することが可能な情報処理装置が開示されている。この情報処理装置も、上記ファクシミリ装置と同様に、印刷ジョブを直ちには実行せず、一旦、印刷ジョブを記憶装置に記憶しておき、予約時刻が到来したことに伴いまとめて印刷ジョブを実行するようになっている。
【0004】
上記特許文献1や特許文献2に開示された構成によれば、間隔を開けて受付けた複数の印刷ジョブを一度にまとめて印刷出力することができるので、印刷ジョブを受付ける度に印刷出力を実行する場合に比べて消費電力が低減されるというメリットがある。また、複数の印刷ジョブがまとめて印刷されるため、一人のユーザが印刷された全ての用紙を回収し各ユーザに配布することで他のユーザにとっては用紙を回収するための労力を軽減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−27165号公報
【特許文献2】特開2003−233481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来では、単に、予約時間が到来したり、記憶してある情報量が所定量を超えたりしたことによって印刷ジョブが実行されるようになっているため、ユーザは、いつ自己の要求した印刷ジョブが実行されたかを把握できない。そのため、ユーザは、自己の要求した印刷ジョブが印刷出力されても気がつかない場合が多く、印刷された用紙が長時間放置されるケースも起こり得る。このような場合、当該放置された印刷物が第三者によって見られてしまう可能性があり、セキュリティ上好ましいものではない。
【0007】
また、複数のユーザによる印刷ジョブがまとめて印刷出力されるため、当該まとめて印刷された用紙は誰が印刷したものかの判断がつかない場合が多い。そのため、一のユーザが、まとめて印刷された用紙を配布しようとしても、印刷された用紙が誰のものかを把握できないので、当該用紙を印刷した他のユーザを捜すのに手間がかかったり、捜し当てた他のユーザが、自己の席からはかなり離れた席にいる者であったり、更には、結局、探し当てられずに当該印刷された用紙を排出トレイに再び戻してしまったりするケースも起こり得る。
【0008】
更に、従来では、単に、予約時間が到来したり、記憶してある情報量が所定量を超えたりしたことによって印刷ジョブが実行されるに過ぎず、記憶装置に記憶された印刷ジョブの数や情報量がどの程度であるかをユーザに対して提示するような構成を有していない。そのため、ユーザは、まとめて印刷された印刷物を回収しようと予約時間に合わせて印刷装置の前で待機しようとしても、他のユーザが発行した印刷ジョブの数や情報量がどの程度かを把握することが出来ないので、印刷出力が完了する時間を予測できない。このような場合、例えば、他のユーザが発行した印刷ジョブの数や情報量が多いことに伴い印刷所要時間が長くなると、ユーザは、予約時間に印刷物を回収しに印刷装置まで来たとしても、印刷出力が全て完了するまで自己が意図していた時間よりも長く待たされてしまうケースも出てくる。
【0009】
このように、従来では、複数のユーザの印刷ジョブをまとめて印刷する機能は、利用することによるメリットよりもデメリットの方が多く、使い勝手が悪いものであるためユーザに敬遠されがちになっているという問題がある。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、複数のユーザの印刷ジョブをまとめて実行する機能を、ユーザにとって使い勝手の良いものとすることにより、当該まとめて実行する機能をユーザに積極的に利用させることのできる印刷装置及び印刷方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、ネットワークを介して入力する印刷ジョブを受け付けて実行する印刷装置であって、印刷ジョブを受け付ける受付手段と、前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが、即時に印刷出力を行う即時印刷ジョブと、即時に印刷出力を行わずに待機させる印刷予約ジョブとのいずれであるか判別する判別手段と、前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが印刷予約ジョブである場合にその印刷予約ジョブを記憶するジョブ記憶手段と、前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが即時印刷ジョブである場合に、当該即時印刷ジョブの実行に伴って前記ジョブ記憶手段に記憶されている印刷予約ジョブを実行するか否かをユーザに選択させるための選択画面を生成し、該選択画面を当該即時印刷ジョブの送信元であるユーザ端末に表示させる表示制御手段と、前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが即時印刷ジョブである場合に、当該即時印刷ジョブを実行すると共に、前記表示制御手段によって生成された選択画面に対してユーザによる印刷予約ジョブの実行指示が行われた場合には前記ジョブ記憶手段から印刷予約ジョブを読み出し、当該印刷予約ジョブを更に実行する印刷制御手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の印刷装置において、前記ジョブ記憶手段は、複数の印刷予約ジョブを記憶可能であり、前記表示制御手段は、前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが即時印刷ジョブであり、且つ、前記ジョブ記憶手段に複数の印刷予約ジョブが記憶されている場合、前記ジョブ記憶手段に記憶されている複数の印刷予約ジョブのうちから当該即時印刷ジョブの実行に伴って実行すべき印刷予約ジョブをユーザに選択させるための選択画面を生成し、生成した選択画面を当該即時印刷ジョブの送信元であるユーザ端末に表示させ、前記印刷制御手段は、ユーザの選択結果に基づいて前記ジョブ記憶手段に記憶されている複数の印刷予約ジョブのうちから実行すべき印刷予約ジョブを読み出して実行することを特徴とする構成である。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の印刷装置において、前記表示制御手段は、選択画面を生成する際、所定数以下の印刷予約ジョブを選択候補として選択画面に含ませることを特徴とする構成である。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項2に記載の印刷装置において、前記ジョブ記憶手段に記憶されている複数の印刷予約ジョブのうちから、予め設定された優先度に基づいて、前記所定数以下の印刷予約ジョブを選択候補として選択画面に含ませることを特徴とする構成である。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の印刷装置において、印刷予約ジョブには、印刷期限を示す期限情報が含まれており、前記優先度は、印刷予約ジョブに含まれる期限情報において印刷期限の近いジョブが選択画面に提示されるように設定された期限優先情報であり、前記表示制御手段は、選択画面を生成する際、期限優先情報に基づいて印刷期限の近いジョブを優先的に前記ジョブ記憶手段から読み出して選択画面を生成することを特徴とする構成である。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項4又は5に記載の印刷装置において、ユーザによって過去に選択された印刷予約ジョブの履歴に関する履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段を更に備え、前記優先度は、前記履歴情報記憶手段に記憶される履歴情報において過去に選択された回数が多く記憶された印刷予約ジョブの発行元であるユーザの優先順位が高くなるように設定された履歴優先情報であって、前記表示制御手段は、選択画面を生成する際、履歴優先情報に基づいて、即時印刷ジョブを発行したユーザによって過去に選択された回数が多く記憶された印刷予約ジョブの発行元であるユーザを特定し、特定されたユーザによって発行された印刷予約ジョブを優先的に前記ジョブ記憶手段から読み出して選択画面を生成することを特徴とする構成である。
【0017】
請求項7に係る発明は、請求項4乃至6の何れかに記載の印刷装置において、前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが印刷予約ジョブである場合にその印刷予約ジョブの実行に要する印刷所要時間を算出する算出手段を更に備え、前記優先度は、印刷予約ジョブの印刷所要時間に基づいて優先順位が高くなるように設定された所要時間優先情報であり、前記表示制御手段は、選択画面を生成する際、所要時間優先情報に基づいて印刷予約ジョブを前記ジョブ記憶手段から読み出して選択画面を生成することを特徴とする構成である。
【0018】
請求項8に係る発明は、請求項4乃至7の何れかに記載の印刷装置において、ユーザによって予め設定された設定時間を記憶する設定時間記憶手段と、前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが印刷予約ジョブである場合にその印刷予約ジョブの実行に要する印刷所要時間を算出する算出手段と、を更に備え、前記表示制御手段は、選択画面を生成する際、前記設定時間記憶手段に記憶された設定時間の範囲内で、且つ、印刷所要時間の長い印刷予約ジョブを優先的に前記ジョブ記憶手段から読み出して選択画面を生成することを特徴とする構成である。
【0019】
請求項9に係る発明は、請求項4乃至8の何れかに記載の印刷装置において、前記優先度は、印刷予約ジョブの発行元であるユーザの種別毎に優先順位が設定されたユーザ種別優先情報であって、前記表示制御手段は、選択画面を生成する際、ユーザ種別優先情報に基づき優先順位の高いユーザの発行した印刷予約ジョブを優先的に前記ジョブ記憶手段から読み出して選択画面を生成することを特徴とする構成である。
【0020】
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の印刷装置において、前記表示制御手段は、選択画面を生成する際、履歴情報、所要時間優先情報、設定時間及びユーザ種別優先情報のうち、一又は複数の組み合わせに基づいて選択画面を生成することを特徴とする構成である。
【0021】
請求項11に係る発明は、請求項1乃至9の何れかに記載の印刷装置において、即時印刷ジョブの実行に伴って前記ジョブ記憶手段に記憶されている印刷予約ジョブを実行するか否かを予め設定された優先度に基づき決定する決定手段を更に有し、前記ジョブ記憶手段は、前記表示制御手段によって選択画面を生成するか、又は、前記決定手段によって実行すべき印刷予約ジョブを決定するかが選択的に設定された選択情報を更に記憶しており、前記表示制御手段は、前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが即時印刷ジョブである場合に、前記選択情報を参照し、前記選択情報が選択画面を生成することを示す場合には、選択画面を生成し、前記決定手段は、前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが即時印刷ジョブである場合に、前記選択情報を参照し、前記選択情報が、実行すべき印刷予約ジョブを決定することを示す場合には、予め設定された優先度に基づき印刷予約ジョブを実行するか否かを決定することを特徴とする構成である。
【0022】
請求項12に係る発明は、ネットワークを介して入力する印刷ジョブを受け付けて実行する印刷装置であって、ユーザに対して情報を表示する表示手段と、印刷ジョブを受け付ける受付手段と、前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが、即時に印刷出力を行う即時印刷ジョブと、即時に印刷出力を行わずに待機させる印刷予約ジョブとのいずれであるか判別する判別手段と、前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが印刷予約ジョブである場合にその印刷予約ジョブを記憶するジョブ記憶手段と、前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが即時印刷ジョブである場合に、当該即時印刷ジョブの実行に伴って前記ジョブ記憶手段に記憶されている印刷予約ジョブを実行するか否かをユーザに選択させるための選択画面を生成し、該選択画面を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが即時印刷ジョブである場合に、当該即時印刷ジョブを実行すると共に、前記表示制御手段によって生成された選択画面に対してユーザによる印刷予約ジョブの実行指示が行われた場合には前記ジョブ記憶手段から印刷予約ジョブを読み出し、当該印刷予約ジョブを更に実行する印刷制御手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0023】
請求項13に係る発明は、ネットワークを介して入力する印刷ジョブを受け付けて実行する印刷装置であって、印刷ジョブを受け付ける受付手段と、前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが、即時に印刷出力を行う即時印刷ジョブと、即時に印刷出力を行わずに待機させる印刷予約ジョブとのいずれであるか判別する判別手段と、前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが印刷予約ジョブである場合にその印刷予約ジョブを記憶するジョブ記憶手段と、当該即時印刷ジョブの実行に伴って前記ジョブ記憶手段に記憶されている印刷予約ジョブを実行するか否かを予め設定された優先度に基づき決定する決定手段と、前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが即時印刷ジョブである場合に、当該即時印刷ジョブを実行すると共に、前記決定手段の決定結果に基づいて当該印刷予約ジョブを更に実行する印刷制御手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0024】
請求項14に係る発明は、記憶装置を有する印刷装置においてネットワークを介して入力する印刷ジョブを受け付けて実行する印刷方法であって、印刷ジョブを受け付ける受付ステップと、前記受付ステップによって受け付けられた印刷ジョブが、即時に印刷出力を行う即時印刷ジョブと、即時に印刷出力を行わずに待機させる印刷予約ジョブとのいずれであるか判別する判別ステップと、前記受付ステップによって受け付けられた印刷ジョブが印刷予約ジョブである場合にその印刷予約ジョブを前記記憶装置に記憶する記憶ステップと、前記受付ステップによって受け付けられた印刷ジョブが即時印刷ジョブである場合に、当該即時印刷ジョブの実行に伴って前記記憶装置に記憶されている印刷予約ジョブを実行するか否かをユーザに選択させるための選択画面を生成し、該選択画面を当該即時印刷ジョブの送信元であるユーザ端末に表示させる表示ステップと、前記受付ステップによって受け付けられた印刷ジョブが即時印刷ジョブである場合に、当該即時印刷ジョブを実行すると共に、前記表示制御ステップによって生成された選択画面に対してユーザによる印刷予約ジョブの実行指示が行われた場合には前記記憶装置から印刷予約ジョブを読み出し、当該印刷予約ジョブを更に実行する印刷ステップと、を有することを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、複数のユーザの印刷ジョブをまとめて実行する機能を、ユーザにとって使い勝手の良いものとしたことにより、当該まとめて実行する機能をユーザに積極的に利用させることのできる印刷装置及び印刷方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】印刷装置を含むシステム構成例を示す図である。
【図2】印刷装置の機能構成例の一例を示す機能ブロック図である。
【図3】予約情報の一例を示す図である。
【図4】設定情報の一例を示す図である。
【図5】履歴情報の一例を示す図である。
【図6】選択画面の一例を示す図である。
【図7】選択画面の一例を示す図である。
【図8】選択画面の一例を示す図である。
【図9】設定情報の一例を示す図である。
【図10】印刷装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】印刷装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】印刷装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】ユーザ別優先度情報の一例を示す図である。
【図14】選択画面の一例を示す図である。
【図15】複合情報一例を示す図である。
【図16】選択画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0028】
図1は、本実施形態における印刷装置1を含むシステム構成の一例を示す図である。この印刷装置1は、ネットワーク5を介してユーザ端末6a〜6cと接続され、それぞれと通信可能になっている。また、印刷装置1は、ユーザに情報を表示する表示部2と、印刷処理を実行した後、印刷出力された用紙を排出するための排出口3と、排出された用紙を保持しておくための排出トレイ4とを有している。印刷装置1は、ユーザ端末6からの印刷ジョブを受付けると印刷処理を実行し、印刷出力された用紙が排出口3から排出され排出トレイ4に保持されるようになっている。ここで、表示部2は、例えば、いわゆるタッチパネルで構成され、ユーザからの操作を受付けるための操作受付部9が表示部2と一体的に設けられている。
【0029】
また、印刷装置1は、ユーザを個別に特定するためのユーザIDを記憶しており、ユーザ端末6a〜6cからユーザIDが送信されることでユーザを個別に特定してログインさせることが可能になっている。また、印刷装置1は、ユーザIDをユーザ端末6a〜6cの識別情報に関連づけて記憶する。このことにより、印刷装置1は、どのユーザがどのユーザ端末6a〜6cを使用しているかを特定可能になる。また、印刷装置1は、複数の印刷ジョブを一度にまとめて実行して印刷出力する、いわゆるまとめ印刷を実行可能になっている。なお、この印刷装置1は、いわゆる複合機やFAX装置など、印刷処理を実行する他の装置に組み込まれるものであってもよい。
【0030】
ユーザ端末6aは、ネットワーク5を介して印刷装置1と接続されており、印刷装置1と通信可能になっている。また、このユーザ端末6aは、ユーザに情報を表示するモニタ7aと、ユーザからの操作を受付ける操作部8aとを有している。他方、ユーザ端末6bは、モニタ7bと操作部8bとを有している。また、ユーザ端末6cは、モニタ7cと操作部8cとを有している。ユーザ端末6b及び6cのその他の構成は、ユーザ端末6aと同様であるので重複する説明を省略する。以下、説明の便宜上、ユーザ端末6a〜6cを特に区別する必要がない場合には、単に「ユーザ端末6」と称する。同様に、モニタ7a〜7cについては、「モニタ7」と称し、また、操作部8a〜8cについては、「操作部8」と称する。ここで、ユーザ端末6aはユーザAが使用するものとし、同様に、ユーザ端末6bはユーザBが、ユーザ端末6cはユーザCがそれぞれ使用するものとする。
【0031】
ユーザ端末6は、ユーザの操作部8への操作に基づいて、印刷装置1に対して印刷出力させるべき印刷ジョブを、印刷装置1に対して発行するようになっている。ここで、印刷ジョブには、即時に印刷出力を行わせる即時印刷ジョブと、即時に印刷出力を行わせずに待機させる印刷予約ジョブとの何れかが含まれている。ユーザ端末6は、印刷ジョブを生成する際、ユーザに対してこれら即時印刷ジョブと印刷予約ジョブとの何れとして発行するかを選択させるための画面をモニタ7に表示するようになっている。そして、ユーザ端末6は、ユーザの操作部8への操作に基づき選択された即時印刷ジョブ又は印刷予約ジョブを印刷装置1に対して発行する。
【0032】
また、ユーザ端末6は、印刷装置1に対し発行した印刷ジョブが即時印刷ジョブであった場合には、当該即時印刷ジョブを印刷装置1に出力すると共に、そのとき印刷装置1で待機中となっている印刷予約ジョブが存在する場合に印刷装置1から送信される画面情報を取得することで即時印刷ジョブの印刷出力と共に印刷予約ジョブをまとめて印刷出力するか否かを選択するための選択画面35を表示するようになっている。ここで、本実施形態では、図例に示すように、選択画面35は、ユーザ端末6cのモニタ7cに表示されるものとする。また、ユーザ端末6は、操作部8による選択画面35への選択結果を印刷装置1に対して送信するようになっている。この選択結果に基づき、印刷装置1は、即時印刷ジョブの実行と共に、当該選択された印刷予約ジョブを実行する。ただし、本実施形態の印刷装置1は、詳しくは後述するが、印刷予約ジョブを実行する場合、選択画面35に対するユーザの選択操作に基づいて印刷予約ジョブを実行するだけでなく、ユーザ端末6に選択画面35を表示させずに、自動的に、印刷予約ジョブを実行するか否かを決定して実行するようにも構成されている。このようにして本実施形態ではまとめ印刷が実行されるようになっている。以下、印刷装置1の具体的な構成について説明する。
【0033】
図2は、印刷装置1の機能ブロック図である。この図2に示すように、印刷装置1は、ユーザに情報を表示する表示部2と、ユーザに所定の操作を行わせる操作受付部9と、この印刷装置1の動作を制御する制御部10と、所定の情報を記憶する記憶部11と、印刷ジョブを実行する印刷部12と、を有している。
【0034】
制御部10は、ユーザ端末6からの印刷ジョブを受付ける受付部13と、受付部13によって受け付けられた印刷ジョブが即時に印刷出力を行う即時印刷ジョブか、即時に印刷出力を行わずに待機させる印刷予約ジョブの何れであるかを判別する判別部14と、受付部13によって受け付けられた印刷ジョブが印刷予約ジョブである場合にその印刷予約ジョブの実行に要する印刷所要時間を算出する算出部15と、上述した選択画面35を生成してユーザ端末6に表示させる表示制御部16と、選択画面35を生成しないで自動的に印刷予約ジョブを印刷出力するか否かを決定する決定部17と、即時印刷ジョブ及び印刷予約ジョブをそれぞれ印刷部12に出力する印刷制御部18と、を有している。
【0035】
記憶部11は、予約情報20と、優先情報21と、印刷予約ジョブ22とを記憶するものである。予約情報20は、受付部13によって受付けられた印刷予約ジョブ22を管理するための情報である。優先情報21は、複数の印刷予約ジョブ22のうちからユーザによって選択される可能性の高い印刷予約ジョブを優先的に絞り込む処理(以下「絞込処理」と称する)が実行される場合に、何れの印刷予約ジョブ22がユーザに選択される可能性が高いかを決めるための基準となる情報である。
【0036】
また、上述したように、記憶部11には、印刷予約ジョブ22が記憶される。この印刷予約ジョブ22には、ユーザから印刷出力を要求された文書や画像などの印刷データと、この印刷データを出力させるための印刷指示とが含まれている。なお、この印刷指示には、即時に印刷を実行するか否かを示す情報が含まれており、判別部14は、この情報に基づき受付部13によって受付けられた印刷ジョブが即時印刷ジョブであるか印刷予約ジョブ22であるかを特定可能になっている。
【0037】
図3は、記憶部11に記憶された予約情報20の一例を示したものである。予約情報20は、受付けられた印刷予約ジョブ22を管理するためのテーブルである。本実施形態では、予約情報20は、印刷予約ジョブ22を特定するための識別情報に所定の情報が関連づけられた予約ジョブ情報25を記録した情報となっている。すなわち、予約情報20には、印刷予約ジョブ22の識別情報であるジョブ番号20aに、ユーザ種別20b、所要時間(秒)20c及び印刷期限20dの3項目の情報が関連づけられて記録されている。以下、項目毎に具体的に説明する。
【0038】
ジョブ番号20aは、記憶部11に記憶された各印刷予約ジョブ22を特定するための識別情報である。本実施形態では、この図3に示すように、ジョブ番号20aは「1」〜「5」となっている。これは、記憶部11には、上記ジョブ番号1〜5に対応する複数の印刷予約ジョブ22がそれぞれ格納されていることを示している。例えば、受付部13は、印刷予約ジョブ22を記憶する際、予約ジョブ情報25のジョブ番号20aと同一の識別情報を付して当該受付けた印刷予約ジョブ22を記憶部11に記憶する。このことにより、予約ジョブ情報25のジョブ番号20aを特定することで、対応する印刷予約ジョブ22を記憶部11においても特定することが可能となる。ここで、説明の便宜上、以下、ジョブ番号20aの「1」〜「5」に対応する予約ジョブ情報25を、それぞれ予約ジョブ情報25a〜21eとする。なお、予約ジョブ情報25a〜21eを特に区別する必要のない場合には、単に「予約ジョブ情報25」と称する。
【0039】
ユーザ種別20bは、印刷予約ジョブ22を発行したユーザを特定するめの情報である。印刷予約ジョブ22には、発行元のユーザを特定するための情報が含まれており、受付部13が印刷予約ジョブ22を受付けた際に当該受付部13によってユーザが特定され、特定されたユーザがジョブ番号20aに関連づけられてユーザ種別20bに対応する欄に記録されるようになっている。本実施形態では、ユーザ種別20bは、上述したように、ユーザA、ユーザB及びユーザCの3種別を有している。また、本実施形態では、各予約ジョブ情報25には、以下のようにユーザ種別20bが対応付けられている。すなわち、予約ジョブ情報25a、25dには、それぞれ、印刷予約ジョブ22の発行元としてユーザ「A」が対応付けられている。同様に、予約ジョブ情報25b、25eには、それぞれ、ユーザ「B」が対応付けられ、また、予約ジョブ情報25cには、ユーザ「C」が対応付けられている。
【0040】
所要時間(秒)20cは、印刷予約ジョブ22の実行が開始されてから完了するまでに要する時間を示す情報である。この所要時間(秒)20cは、受付部13が印刷予約ジョブ22を受付けた際に算出部15によって算出され、ジョブ番号20aに関連づけられて記録されるようになっている。なお、どのように所要時間(秒)20cを算出するかは適宜設計が可能であるが、例えば、印刷予約ジョブ22に含まれる印刷データの容量や印刷処理速度などに基づいて算出するようにしてもよい。本実施形態では、各予約ジョブ情報25には、以下のように所要時間(秒)20cが対応付けられている。すなわち、予約ジョブ情報25aでは、所要時間(秒)20cに「40」が対応付けられている。これは、予約ジョブ情報25aに対応する印刷予約ジョブ22の印刷所要時間が40秒であることを示している。同様に、予約ジョブ情報25bでは、所要時間(秒)20cに「20」が対応付けられている。予約ジョブ情報25cでは、所要時間(秒)20cに「30」が対応付けられている。予約ジョブ情報25dでは、所要時間(秒)20cに「10」が対応付けられている。予約ジョブ情報25eでは、所要時間(秒)20cに「5」が対応付けられている。
【0041】
印刷期限20dは、印刷予約ジョブ22の印刷出力を完了すべき期限の時刻を示す情報である。印刷予約ジョブ22には、ユーザによって予め設定される印刷期限に関する情報が含められている。そして、受付部13が印刷予約ジョブ22を受付けた際に当該受付部13によって印刷期限が特定され、特定された印刷期限がジョブ番号20aに関連づけられ印刷期限20dに対応する欄に記録されるようになっている。本実施形態では、各予約ジョブ情報25と印刷期限20dとの対応関係は以下のようになっている。すなわち、予約ジョブ情報25aでは、印刷期限20dに「なし」が対応付けられている。予約ジョブ情報25bでは、印刷期限20dに「12:00」(12時00分)が対応付けられている。予約ジョブ情報25cでは、印刷期限20dに「12:30」(12時30分)が対応付けられている。予約ジョブ情報25dでは、印刷期限20dに「13:00」(13時00分)が対応付けられている。予約ジョブ情報25eでは、印刷期限20dに「11:50」(11時50分)が対応付けられている。
【0042】
図2に戻って、優先情報21には、ユーザにより予め設定された設定情報30と、ユーザが過去に実行した印刷予約ジョブ22の履歴に関する情報である履歴情報31とが含まれている。図4、図5は、そのような優先情報21に含まれる設定情報30と履歴情報31について示したものである。以下、図4、図5を参照しつつ、設定情報30と履歴情報31について説明する。なお、以下の説明においては、ユーザA〜Cのそれぞれが印刷予約ジョブ22を発行したユーザであり、そして、ユーザA〜CのうちユーザCのみが即時印刷ジョブを発行したユーザであるとして説明する。
【0043】
図4は、設定情報30の一例を示したものである。設定情報30は、各ユーザによって、予め個別に設定される情報であり、本実施形態では、この設定情報30は、図例に「ユーザC個別設定情報」と示されているように、予め、ユーザCによって設定された情報を示している。本実施形態では、設定情報30は、複数の情報からなり、時間順序情報30aと、待機時間限度情報30bと、至急ジョブ絞込情報30cと、絞込数情報30dと、手動自動選択情報30eと、絞込優先情報30fとの各項目からなる情報を有している。
【0044】
時間順序情報30aは、印刷予約ジョブ22の印刷所要時間の長短の何れかに基づいてユーザCが選択する可能性の高い印刷予約ジョブ22を優先的に絞り込むための基準となる情報である。本実施形態では、時間順序情報30aは、「短い順」になっている。これは、予約情報20の所要時間(秒)20cに基づいて絞込処理が実行されることで、印刷所要時間の短い順に印刷予約ジョブ22が優先的に選択画面35に表示されることを示している。
【0045】
待機時間限度情報30bは、ユーザCの待機時間の限度が設定されたものである。すなわち、即時印刷ジョブを発行したユーザCにとっては、印刷予約ジョブ22の印刷処理が開始されてから完了するまで待機することになるが、この待機時間限度情報30bは、そのような待機時間の限度が予めユーザCによって設定されたものである。本実施形態では、待機時間限度情報30bは、「90」となっているが、これは、即時印刷ジョブを発行したユーザCにとって待機できる限度が90秒であることを示している。すなわちこの場合、待機時間限度情報30bに基づいて絞込処理が実行されることで、印刷所要時間が合計で90秒以内に収まるように、一若しくは複数の印刷予約ジョブ22が組み合わされて選択画面35に表示される。
【0046】
至急ジョブ絞込情報30cは、任意の期間を示す情報であり、印刷期限の迫った印刷予約ジョブ22(以下「至急ジョブ」と称する)を、他の優先情報21に関わらず選択画面35に表示させるための基準となる情報である。本実施形態では、待機時間限度情報30bは、「期限10分前」と設定されている。これは、予約情報20の印刷期限20dに記録された時間が現在時刻の10分前に到達した印刷予約ジョブ22は、他の優先情報21に関わらず選択画面35に表示されることを示している。
【0047】
絞込数情報30dは、選択画面35に表示すべき印刷予約ジョブ22の表示数を示す情報である。すなわち、選択画面35に表示される印刷予約ジョブ22の数が多過ぎるとユーザが選択する際の労力が多くなるので、選択候補となる印刷予約ジョブ22を所定数以下に絞って選択画面に表示することでユーザの労力を軽減させると共に選択時間も短くさせることができる。本実施形態では、絞込数情報30dは、「上位3つまで」と設定されている。これは、優先情報21に基づいて印刷予約ジョブ22を選択画面35に表示する際に、選択候補となる印刷予約ジョブ22が4つ以上ある場合であっても、優先度の高い順に3つまでしか表示されないことを示している。
【0048】
手動自動選択情報30eは、選択画面35を生成することにより印刷予約ジョブ22を実行するか否かの選択をユーザに行なわせる手動選択と、選択画面35を生成せずに、絞込処理後の印刷予約ジョブ22を直ちに実行する自動選択とのうち、ユーザによって予め設定されている設定状態を示す情報である。図例における手動自動選択情報30eは、「手動選択」になっている。これは、選択画面35が生成されることにより印刷予約ジョブ22を実行するか否かの選択がユーザによって行なわれることを示している。
【0049】
絞込優先情報30fは、上述した手動自動選択情報30eが「自動選択」に設定されている場合に、後述する複数の絞込基準のうち何れの絞込基準に基づき印刷予約ジョブ22を実行するかを特定するための情報である。図例における絞込優先情報30fは、ブランクになっているが、これは、手動自動選択情報30eが「手動選択」に設定されているためである。なお、この絞込優先情報30fに所定の設定がなされている場合の具体的な説明については後述する。
【0050】
図5は、履歴情報31について示したものである。この履歴情報31は、図例に「ユーザC個別履歴」として示したように、ユーザCの履歴のみを示しているが、実際には、履歴情報31は、ユーザA及びBの個別履歴も記録されて記憶部11に記憶されている。以下においては、説明の便宜上、ユーザCの履歴のみが示された履歴情報31について説明する。履歴情報31は、過去にユーザCへの選択画面35に表示された印刷予約ジョブ22のうち、ユーザCによって選択された回数が最も多いユーザが「1」から順に記録されるようになっている。すなわち、まとめ印刷は、主として、即時印刷ジョブを発行した一のユーザがボランティアによって、印刷予約ジョブ22を実行することで印刷出力された印刷物を回収して他のユーザに配布することが想定されているため、当該一のユーザは、席が近い他のユーザや仲の良い他のユーザのように、いつも決まった他のユーザが発行した印刷予約ジョブ22をまとめて印刷する場合もあると考えられる。そこで、本実施形態では、履歴情報31に基づいて絞込処理を実行することにより即時印刷ジョブを発行したユーザCによって過去に選択された回数の多いユーザが優先的に選択画面35に表示させるようになっている。
【0051】
本実施形態では、履歴情報31は、優先順位31aと、選択ユーザ種別31bと、選択回数31cとの3項目の情報を有している。そして、優先順位31aの「1」は最も優先順位が高いことを示している。本実施形態では、優先順位31aの「1」には、選択ユーザ種別31bの「C」が対応付けられている。これは、ユーザCが過去に選択した全ての印刷予約ジョブ22のうち、選択された回数が最も多い印刷予約ジョブ22は、発行元がユーザCである印刷予約ジョブ22であったことを示している。また、優先順位31aの「2」には選択ユーザ種別31bの「A」が対応付けられ、優先順位31aの「3」には選択ユーザ種別31bの「B」が対応付けられている。これは、ユーザAが2番目に優先順位が高く、ユーザBが最も優先順位が低いことを示している。
【0052】
選択回数31cは、過去に印刷予約ジョブ22を発行したユーザがユーザCによって選択された回数を示すものである。本実施形態では、選択ユーザ種別31bの「C」には、選択回数31cに「50」が対応付けられている。これは、ユーザCが過去に選択した印刷予約ジョブ22のうち、発行元がユーザCである印刷予約ジョブ22が50回選択されたことを示している。同様に、選択ユーザ種別31bの「A」には、選択回数31cに「20」が対応付けられ、選択ユーザ種別31bの「B」には、選択回数31cに「5」が対応付けられている。これは、ユーザCが過去に選択した印刷予約ジョブ22のうち、発行元がユーザAである印刷予約ジョブ22が20回、発行元がユーザBである印刷予約ジョブ22が5回、それぞれ選択されたことを示している。
【0053】
なお、本実施形態では、ユーザCによって選択された選択回数31cのみが履歴情報31に記録されるようになっているが、これに限られない。例えば、過去にユーザCに提示した選択画面35に提示された印刷予約ジョブ22のうち、ユーザCによって無視された回数を無視回数としてユーザ毎に記録しても良い。そして、この無視回数の多いユーザの印刷予約ジョブ22を積極的に選択画面35から除外するように構成しても良い。
【0054】
ここで、履歴情報31が長期に渡る履歴である場合には以下のように実情に沿わないケースが生じ得る。例えば、本実施形態においては、履歴情報31の選択回数31cがユーザCの次に多いユーザは、ユーザAである。仮にこのユーザAが配置換えなどで離れた位置に移動した場合には、それ以降、ユーザCは、ユーザAが発行元となる印刷予約ジョブ22を選択する可能性は低くなると考えられる。この場合に、履歴情報31が長期に渡る履歴であると、それまで蓄積された選択回数31cの「20」回を、例えば、ユーザBの選択回数31cが上回らない限りは、選択画面35aのおすすめ提示欄40には、いつまでもユーザAが発行元となる印刷予約ジョブ22が提示され続けることになる。そこで、このような事態になるのを防止するために、例えば、直近の1週間分の履歴が履歴情報31となるように毎日更新され続けるように構成しても良い。
【0055】
次に、図1に示した選択画面35について説明する。選択画面35は、本実施形態では、印刷予約ジョブ22を実行するか否かを即時印刷ジョブの発行元であるユーザCに選択させるための画面であり、印刷装置1において生成され、ユーザ端末6aのモニタ7aに表示される。ここで、選択画面35は、本実施形態では、図4に示した時間順序情報30a及び待機時間限度情報30bと、図5に示した履歴情報31(以下、これらを総称して「絞込基準」と称する)とに基づき3つの選択画面35が表示制御部16によって生成される。図6〜図8には、そのような選択画面35の例として選択画面35a〜35cが示してある。すなわち、図6は、履歴情報31に基づき生成された選択画面35aを示ものであり、図7は、時間順序情報30aに基づき生成された選択画面35bを示すものである。また、図8は、待機時間限度情報30bに基づき生成された選択画面35cを示すものである。以下、図6〜図8を参照しつつ、選択画面35について説明する。
【0056】
図6は、履歴情報31に基づいて生成された選択画面35aを示す図である。この図6では、選択画面35aは、履歴情報31に基づく絞込処理後の印刷予約ジョブ22を提示するための、おすすめ提示欄40と、至急ジョブを提示するための至急ジョブ提示欄41と、を有している。また、この選択画面35aの上部にはタブ39が3つ設けられている。タブ39に表された「おすすめ1」は、この選択画面35aに移行するためのタブであり、同様に、「おすすめ2」、「おすすめ3」は、それぞれ、選択画面35bと選択画面35cとに移行させるためのタブである。また、例えば、この図6に示すように、選択画面35aには、絞込処理の基準を示す絞込基準や所要時間の合計を表示したり、また、現在時刻を表示したりしても良い。なお、本実施形態では、現在時刻は「12:00」(12時00分)となっている。更には、即時印刷ジョブの印刷所要時間を表示しても良いし、おすすめ提示欄40に表示された各印刷予約ジョブ22の印刷所要時間と即時印刷ジョブの印刷所要時間とを合計した時間を表示しても良い。その他、選択画面35にどのような情報を含ませるかは適宜設計が可能である。
【0057】
おすすめ提示欄40は、即時印刷ジョブを発行したユーザCに対して、その即時印刷ジョブと共に実行することを推奨する少なくとも1つの印刷予約ジョブをリスト形式で表示するための表示欄であり、図例では、絞込数情報30dに基づき3つの欄が設けられている。そして、その3つの欄には、選択候補となる印刷予約ジョブ22として絞込処理後の予約ジョブ情報25が提示される。図例における、おすすめ提示欄40には、履歴情報31の優先順位31aに基づいて予約ジョブ情報25c、25a及び25dが提示されている。なお、予約ジョブ情報25が提示されるようになっている理由は、印刷予約ジョブ22に関する情報をより多くユーザに提示することで選択する際の参考とさせるためである。
【0058】
ここで、おすすめ提示欄40及び至急ジョブ提示欄41には、提示した予約ジョブ情報25に対応する印刷予約ジョブ22を実行するか否かをユーザに選択させるためのチェックボックス36が設けられている。なお、この図6に示すように、ユーザの便宜を図るため、おすすめ提示欄40のチェックボックス36には、既にチェックが入った状態で選択画面35aが生成されるようにしてもよい。そして、ユーザにより決定ボタン37が画面上で押下されることで選択が決定される。
【0059】
至急ジョブ提示欄41は、設定情報30の至急ジョブ絞込情報30cに基づき表示されるものである。本実施形態では、上述したように、至急ジョブ絞込情報30cは「期限10分前」と設定されている。また、予約情報20の予約ジョブ情報25eは、印刷期限20dが「11:50」であり、現在時刻の「12:00」に10分前と迫っている。そのため、表示制御部16によって至急ジョブ提示欄41が設けられて、予約ジョブ情報25eが提示される。ここで、印刷期限が10分前である印刷予約ジョブ22が予約情報20に記録されていないか、又は、設定情報30の至急ジョブ絞込情報30cに具体的な時間が設定されていない場合には、至急ジョブ提示欄41は選択画面35aに表示されない。また、至急ジョブ提示欄41に提示された予約ジョブ情報25は、ユーザCに選択される可能性が高いとはいえない場合があるので、図例に示すように、チェックボックス36は空白のまま選択画面35aが生成されるようにしてもよい。
【0060】
図7は、時間順序情報30aに基づいて生成された選択画面35bを示すものである。この選択画面35bのおすすめ提示欄40は、図6に示した選択画面35aと同様に、絞込数情報30dに基づき3つの欄が設けられている。そして、おすすめ提示欄40には、時間順序情報30aに設定された「短い順」に基づき、「所要時間(秒)」の数値が小さい順に、予約ジョブ情報25が表示される。ただし、図例に示すように、おすすめ提示欄40では、「ユーザ種別」が「C」の予約ジョブ情報25が最も上位に提示されている。これは、即時印刷ジョブの発行元であるユーザCにとっては、当該ユーザCが発行元となる印刷予約ジョブ22が選択される可能性が最も高いと考えられるためである。そこで、本実施形態では、即時印刷ジョブを発行した印刷予約ジョブ22は、絞込基準に関わらず、おすすめ提示欄40の最も上位に提示されるようになっている。そして、その次から「所要時間(秒)」の数値が小さい順に、予約ジョブ情報25a及び25dが提示される。なお、本実施形態のように、即時印刷ジョブの発行元を絞込基準に関わらず最も上位に提示するか否かは適宜設計が可能である。
【0061】
また、選択画面35bでは、選択画面35aとは異なり至急ジョブ提示欄41は表示されない。これは、至急ジョブである予約ジョブ情報25eが、おすすめ提示欄40に提示されているからである。なお、至急ジョブをおすすめ提示欄40に提示する場合は、図例に示すように、「印刷期限」の欄を「10分前」と表示し、ユーザCに対して予約ジョブ情報25eが至急ジョブであることを知らせるようにしても良い。
【0062】
図8は、待機時間限度情報30bに基づいて生成された選択画面35cを示すものである。この選択画面35cのおすすめ提示欄40は、図6、図7に示した選択画面35a、35bと同様に、絞込数情報30dに基づき3つの欄が設けられている。また、おすすめ提示欄40には、上記選択画面35bと同様に「ユーザ種別」が「C」である予約ジョブ情報25が最も上位に提示されている。そして、その次から予約ジョブ情報25a、25bの順で提示がなされている。ここで、待機時間限度情報30bに基づいて生成された選択画面35cは、それぞれの予約ジョブ情報25c、25a及び25bの「所要時間(秒)」の合計が、待機時間限度情報30bに設定された「90秒」に収まるように提示されるようになっている。本実施形態では、選択画面35cに示されたように、予約ジョブ情報25cの「所要時間(秒)」は「30」であり、また、予約ジョブ情報25aの「所要時間(秒)」は、「40」である。更に、予約ジョブ情報25bの「所要時間(秒)」は、「20」である。すなわち、予約ジョブ情報25c、25a及び25bの「所要時間(秒)」の合計は90秒であるので、待機時間限度情報30bに設定された「90秒」以内となっている。
【0063】
ここで、待機時間限度情報30bに基づいて生成された選択画面35cを生成する場合、仮に待機時間限度情報30bに設定された時間以内に収まる予約ジョブ情報25の組み合わせが複数パターン存在するときには、本実施形態では、以下のように優先順位を決定する。すなわち、この場合、予約情報20に記録された複数の予約ジョブ情報25のうち、所要時間(秒)20cが待機時間限度情報30b以内であることを条件に、所要時間(秒)20cの最も長いものから優先的に選択画面35cに表示する。これは、仮に所要時間(秒)20cの短いものから優先的に表示すると、何時まで経っても所要時間(秒)20cの長いものが選択画面35cに表示されなくってしまうという問題が起こりうるからである。ただし、何れの予約ジョブ情報25を組み合わせるかは、上記に限定されず、適宜設計が可能である。
【0064】
次に、図2に戻って、上述した制御部10の各機能部13〜18について説明する。まず、受付部13は、ユーザ端末6に対しユーザIDを要求する。そして、ユーザ端末6からユーザIDを受信すると、受付部13は、記憶部11に既に記憶されているユーザIDとマッチングすることでユーザを特定してログインを許可すると共にユーザ端末6を特定してユーザIDに関連づけて図示しない記憶領域に記憶させる。また、受付部13は、ログインを許可したユーザの使用するユーザ端末6から印刷ジョブを受付ける。このことにより、印刷ジョブを発行したユーザのユーザ端末6が特定可能になっている。そして、受付けた印刷ジョブが印刷予約ジョブ22であった場合には、当該受付けた印刷予約ジョブ22を記憶部11に記憶させると共に、受付けた印刷予約ジョブ22からユーザ種別20b及び印刷期限20dを特定してジョブ番号20aに関連づけて予約ジョブ情報25として予約情報20に記録する。一方、受付けた印刷ジョブが即時印刷ジョブであった場合には、受付部13は、ログインされているユーザを特定すると共に、当該受付けた即時印刷ジョブを印刷制御部18に送信する。
【0065】
また、受付部13は、ユーザによる選択画面35への選択結果を受付ける。そして、受付部13は、この選択結果を印刷制御部18に受け渡す。更に、受付部13は、ユーザ端末6から優先情報21の設定を受付けて記憶部11に記憶させる。具体的には、ユーザ端末6に履歴情報31以外の優先情報21を設定させるための設定画面を表示させ、ユーザの操作部8への操作に基づき設定された各種優先情報21を記憶部11に記憶させる。なお、履歴情報31の設定は、印刷制御部18によって実行される(詳しくは後述する)。
【0066】
判別部14は、受付部13によって受付けられた印刷ジョブが即時印刷ジョブであるか、又は印刷予約ジョブ22であるかを判別するものである。そして、この受付部13は、判別結果を受付部13に受け渡すようになっている。ここで、上述したように、印刷ジョブに含められる印刷指示には、ユーザ端末6によって予め即時印刷ジョブであるか又は印刷予約ジョブ22であるかを判別するための情報が含められており、受付部13は、この情報に基づいて判別結果を生成するようになっている。
【0067】
算出部15は、受付部13によって受付けられた印刷予約ジョブ22の実行が開始されてから完了するまでの時間を印刷所要時間として算出するものである。ここで、どのように印刷所要時間を算出するかについては、上述したように、例えば、印刷予約ジョブ22に含まれる印刷データの容量や印刷処理速度などに基づいて算出する。その一例としては以下のような方法がある。すなわち、印刷データに含まれる情報量としてページ数が30ページであり、印刷処理速度として1ページ/1秒の場合を想定する。この場合、印刷所要時間は、30ページを1ページ/1秒で除すことで30秒になる。算出部15は、このようにして算出した印刷所要時間を予約情報20のジョブ番号20aに関連づけて所要時間(秒)20cの欄に記録する。
【0068】
表示制御部16は、絞込処理を実行して選択画面35を生成し即時印刷ジョブを発行したユーザ端末6のモニタ7に表示させるものである。ここで、本実施形態では、絞込処理を以下のように実行する。なお、以下の説明は、履歴情報31に基づき絞込処理が実行される例である。
【0069】
まず、表示制御部16は、受付部13によって即時印刷ジョブが受付けられると、設定情報30を参照して、手動自動選択情報30eが「手動選択」になっているか否かを確認する。「手動選択」になっている場合には、表示制御部16は、絞込数情報30dを参照して、選択画面35aに表示すべき予約ジョブ情報25の表示数が「上位3つまで」であることを特定する。そして、表示制御部16は、履歴情報31を参照して、優先順位31aが「1」である選択ユーザ種別31bが「C」であり、順に、選択ユーザ種別31bが「A」、「B」であることを特定する。次に、表示制御部16は、予約情報20を参照して、ユーザ種別が「C」である予約ジョブ情報25cを特定する。また、表示制御部16は、表示数の残り2つとして次の優先順位であるユーザAの予約ジョブ情報25a及び25dをジョブ番号順に特定する。表示制御部16は、このようにして絞込処理を実行する。
【0070】
次に、表示制御部16は、絞り込んだ予約ジョブ情報25c、25a、25dを上記特定した順になるように選択画面35aのおすすめ提示欄40の各欄に記録する。また、表示制御部16は、設定情報30の至急ジョブ絞込情報30cを参照して、「期限10分前」である予約ジョブ情報25eを予約ジョブ情報25から特定して、特定した予約ジョブ情報25eを選択画面35aの至急ジョブ提示欄41に記録する。なお、このとき、表示制御部16は、図6に示すように、おすすめ提示欄40のチェックボックス36にチェックを入れた状態で選択画面35aを生成する。
【0071】
ここで、本実施形態では、おすすめ提示欄40に表示された全てのチェックボックス36にチェックマークが付されているが、各チェックボックス36のうち何れのチェックボックス36にチェックマークを予め付すかは適宜設計が可能である。例えば、表示制御部16は、予め設定されるユーザの印刷予約ジョブ22に対応するチェックボックス36にのみチェックマークを付しても良い。
【0072】
ここで、表示制御部16は、上述した履歴情報31以外に、時間順序情報30aや待機時間限度情報30bに基づいて絞込処理を実行する場合もある。すなわち、時間順序情報30aに基づいて絞込処理を実行する場合、表示制御部16は、まず、予約情報20を参照して、即時印刷ジョブの発行元であるユーザCの予約ジョブ情報25cを特定する。そして、表示制御部16は、予約情報20を参照して、絞込数情報30dに設定された3つの表示数のうち残り2つを特定する。本実施形態では、表示制御部16は、予約情報20を参照して、所要時間(秒)20cが最も短い順に予約ジョブ情報25eと、25dとを特定する。このようにして、表示制御部16は、時間順序情報30aに基づいて絞込処理を実行する。
【0073】
また、表示制御部16は、待機時間限度情報30bに基づいて絞込処理を実行する場合、まず、予約情報20を参照して、即時印刷ジョブの発行元であるユーザCの予約ジョブ情報25cを特定する。そして、表示制御部16は、予約情報20を参照して、所要時間(秒)20cが最も長い予約ジョブ情報25aを特定する。そして、上記特定された予約ジョブ情報25cと25aの所要時間(秒)を合計して70秒を算出する。このとき、表示制御部16は、設定情報30の待機時間限度情報30bに設定された時間が「90」であることを確認する。そして、待機時間限度情報30bに設定された時間である「90」秒から上記算出した70秒を差し引いた20秒を更に算出する。次に、表示制御部16は、この20秒よりも所要時間(秒)の短い予約ジョブ情報25のうち、最も所要時間(秒)の長い予約ジョブ情報25bを特定する。このようにして、表示制御部16は、時間順序情報30aに基づいて絞込処理を実行する。
【0074】
更に、表示制御部16は、以下に説明するように、生成した選択画面35を表示部2に表示させる構成も有している。このように構成されている理由は、印刷装置1の側を通りがかった者にまとめ印刷を実行させれば、即時印刷ジョブを発行したユーザによる選択を待つよりも早く手元に印刷物が届くので、印刷予約ジョブ22を発行したユーザにとっては都合がよいと考えられるからである。また、即時印刷ジョブを発行したユーザにとっても選択画面35で選択する手間や回収する手間が省けるので都合がよいからである。ただし、印刷装置1の通電状態がスリープ状態の場合に、そのスリープ状態から復帰させて印刷出力することは、消費電力が大きくなり経済的や環境的にも好ましくない。
【0075】
そこで、本実施形態では、即時印刷ジョブや印刷予約ジョブ22が実行された場合、又はその他の操作によって印刷装置1の通電状態が待機状態になっている場合にのみ、表示部2に選択画面35を表示して当該表示部2の近くにいるユーザに印刷予約ジョブ22の実行を促すようにする。具体的な構成としては、印刷装置1の通電状態が、省電力モードであるスリープ状態と、通常の動作モードである待機状態との何れであるかを検出する検出部を有し、この検出部によって検出された、通電状態が待機状態にあることを示す検出結果を表示制御部16が受付けている場合にのみ、当該表示制御部16は、選択画面35を表示部2に表示させる。なお、印刷予約ジョブ22の実行を促すための音声を報知する構成を有し、当該音声の報知と共に選択画面35を表示部2に表示させてもよい。
【0076】
ここで、表示部2に表示する選択画面35には、どのような優先順位で予約ジョブ情報25を表示するかは適宜設計が可能であるが、例えば、この場合は表示部2の近くにいるユーザが誰であるかは特定できないと考えられるので、ユーザ種別に関する履歴情報31以外の絞込基準に基づき表示するようにしてもよい。すなわち、表示部2に表示すべき予約ジョブ情報25は、例えば、時間順序情報30aや待機時間限度情報30bに基づいて、印刷所要時間の短いものや印刷期限の迫っているものを優先的に表示するようにしてもよい。
【0077】
また、表示部2に選択画面35が表示される場合には、受付部13は、ユーザによるチェックボックス36への選択及び決定ボタン37の押下を受付ける。本実施形態では、このようにして、表示部2に選択画面35が表示される場合において、ユーザに選択された印刷予約ジョブ22を特定することが可能となっている。
【0078】
ここで、上記の説明では、即時印刷ジョブや印刷予約ジョブ22が実行されたことに伴い、表示部2に選択画面35が表示されるとして説明したが、これに限られない。例えば、記憶部11に印刷予約ジョブ22が記憶されている場合には、即時印刷ジョブや印刷予約ジョブ22の実行にかかわらず、定期的に所定の基準に基づき絞込処理を実行し選択画面35を表示部2に表示することにより印刷予約ジョブ22の実行を促す構成にしてもよい。
【0079】
このように構成することで、即時印刷ジョブや印刷予約ジョブ22が実行されなくても、印刷装置1の側を通りがかった者にまとめ印刷を実行させる機会を与えることが出来る。そのため、即時印刷ジョブや印刷予約ジョブ22の実行を待つよりも早く印刷予約ジョブを発行したユーザに印刷物が手元に届くことになるので、印刷予約ジョブ22を発行したユーザにとっては都合がよい。
【0080】
また、上記の説明では、選択画面35を表示させるとして説明したが、これに限られない。例えば、選択画面35を表示させずとも、印刷予約ジョブ22が待機状態であることを表示部2に報知させ、更に印刷指示の入力を行なわせるように構成にしてもよい。例えば、表示制御部16は、定期的に記憶部11を検索し当該記憶部11に印刷予約ジョブ22が記憶されているか否かを確認する。そして、印刷予約ジョブ22が記憶されている場合には、表示制御部16は、即時印刷ジョブや印刷予約ジョブ22の実行にかかわらず、印刷待ちの印刷予約ジョブ22があることを示す印刷予約ボタンを表示部2に表示する。
【0081】
この印刷予約ボタンが押下されると、表示制御部16は、記憶部11に記憶されている印刷予約ジョブ22に対応する予約ジョブ情報25を記憶部11から読出して、例えばジョブ番号順に一覧形式で表示部2に表示すると共に、表示させた印刷予約ジョブ22のうち何れを実行するかを選択させる選択ボタンを表示する。この選択ボタンが押下されると、受付部13によって選択が受付けられる。印刷制御部18は、受付部13によって受付けられた選択に基づき印刷予約ジョブ22を記憶部11から読出して印刷部12に出力する。これにより、印刷部12によって印刷予約ジョブ22が実行される。また、例えば、待機中の印刷予約ジョブ22があることを通りがかりの者に気づかせるために、印刷装置1にLED等の発光手段を設けて印刷予約ボタンの表示に伴い点滅させても良い。
【0082】
決定部17は、設定情報30の手動自動選択情報30eが「自動選択」に設定されている場合に機能するものである。すなわち、手動自動選択情報30eが「自動選択」に設定されている場合は、この決定部17によってユーザに選択される可能性の高い印刷予約ジョブ22が自動で決定されるようになっており、選択画面35は生成されない。これに対して、手動自動選択情報30eが「手動選択」に設定されている場合には、上述したように、表示制御部16によって選択画面35が生成される。このように、手動自動選択情報30eは、絞込処理によって絞り込まれた印刷予約ジョブ22を選択画面35に表示してユーザに提示するか、又は、絞込処理によって絞り込まれた印刷予約ジョブ22を直ちに実行するかを切替える為に設定された情報である。
【0083】
図9は、手動自動選択情報30eが「自動選択」に設定されている場合の設定情報30を示すものである。そして、絞込優先情報30fには、「履歴情報」が対応付けられて設定されているが、これは、履歴情報31に基づいて絞込処理が実行されることを示している。すなわち、絞込優先情報30fは、何れの絞込基準に基づき絞込処理を実行するかを特定するための情報である。また、絞込優先情報30fは、上述した「履歴情報」以外の絞込基準として、「時間順序情報」や「待機時間限度設定」が選択的に設定される。
【0084】
次に、決定部17の具体的な処理について説明する。なお、上記では、設定情報30及び履歴情報31は、選択画面35を生成する際に絞込処理を実行するための基準であるとして説明したが、これら設定情報30及び履歴情報31は、以下に説明するように、決定部17が絞込処理を実行するための基準にもなっている。すなわち、絞込優先情報30fに「履歴情報」が設定された場合には、履歴情報31に基づき絞込処理が実行され、絞込優先情報30fに「時間順序情報」が設定された場合には、時間順序情報30aに基づき絞込処理が実行される。同様に、絞込優先情報30fに「待機時間限度設定」が設定された場合には、待機時間限度情報30bに基づき絞込処理が実行される。
【0085】
まず、履歴情報31に基づき絞込処理が実行される場合について説明する。決定部17は、受付部13によって即時印刷ジョブが受付けられると、設定情報30を参照して、手動自動選択情報30eが「自動選択」になっているか否かを確認する。「自動選択」になっている場合には、決定部17は、絞込数情報30dを参照して、実行すべき予約ジョブ情報25の実行数が「上位3つまで」であることを特定する。次に、決定部17は、絞込優先情報30fを参照する。本実施形態では、絞込優先情報30fは、「履歴情報」が設定されている。この場合、決定部17は、履歴情報31を参照して、優先順位31aが「1」である選択ユーザ種別31bが「C」であり、順に選択ユーザ種別31bが「A」、「B」であることを特定する。そして、表示制御部16は、予約情報20を参照して、ユーザ種別が「C」である予約ジョブ情報25cを特定する。また、表示制御部16は、実行数の残り2つとして次の優先順位であるユーザAの予約ジョブ情報25a及び25dをジョブ番号順に特定する。
【0086】
決定部17は、このようにして絞り込んだ予約ジョブ情報25c、25a、25dを実行すべき印刷予約ジョブ22として決定する。そして、決定部17は、決定した印刷予約ジョブ22のジョブ番号を印刷制御部18に受け渡す。なお、このとき、決定部17は、優先順位が最も高い順に、予約ジョブ情報25c、25a、25dの順で印刷制御部18に受け渡しても良い。更に、決定部17は、至急ジョブ絞込情報30cが「期限10分前」に設定されていることを特定して、予約情報20から、印刷期限20dが10分前に迫っている予約ジョブ情報25eについても、実行すべき印刷予約ジョブとして決定するようにしても良い。また、この場合、決定結果を表示制御部16に受け渡すことで、決定結果をユーザに知らせるための報知画面を表示制御部16が生成して、即時印刷ジョブを発行したユーザ端末6のモニタ7に表示させるように構成しても良い。
【0087】
次に、決定部17が時間順序情報30aに基づいて絞込処理を実行する場合について説明する。決定部17は、まず、予約情報20を参照して、即時印刷ジョブの発行元であるユーザCの予約ジョブ情報25cを特定する。そして、決定部17は、予約情報20を参照して、絞込数情報30dに設定された3つの表示数のうち残り2つを特定する。すなわち、本実施形態では、決定部17は、予約情報20を参照して、所要時間(秒)20cが最も短い順に予約ジョブ情報25eと、25dとを特定する。このようにして、決定部17は、時間順序情報30aに基づいて絞込処理を実行することで、実行すべき印刷予約ジョブ22が予約ジョブ情報25c、25e及び25dであることを決定する。
【0088】
また、決定部17は、待機時間限度情報30bに基づいて絞込処理を実行する場合、まず、予約情報20を参照して、即時印刷ジョブの発行元であるユーザCの予約ジョブ情報25cを特定する。そして、決定部17は、予約情報20を参照して、所要時間(秒)20cが最も長い予約ジョブ情報25aを特定する。そして、上記特定された予約ジョブ情報25cと25aの所要時間(秒)を合計して70秒を算出する。このとき、決定部17は、設定情報30の待機時間限度情報30bに設定された時間が「90」であることを確認する。そして、待機時間限度情報30bに設定された時間である「90」秒から上記算出した70秒を差し引いた20秒を更に算出する。次に、決定部17は、この20秒よりも所要時間(秒)の短い予約ジョブ情報25のうち、最も所要時間(秒)の長い予約ジョブ情報25bを特定する。このようにして、決定部17は、時間順序情報30aに基づいて絞込処理を実行することで実行すべき印刷予約ジョブ22が、予約ジョブ情報25c、25a及び25bであることを決定する。
【0089】
印刷制御部18は、即時印刷ジョブと印刷予約ジョブ22とを印刷部12に対して送信するものである。すなわち、印刷制御部18は、受付部13から即時印刷ジョブを受付けると、受付けた即時印刷ジョブを印刷部12に送信する。このことにより、印刷部12によって即時印刷ジョブが実行されることで印刷出力された用紙が排出口3から排出されて排出トレイ4に保持される。
【0090】
また、印刷制御部18は、ユーザによる選択画面35のチェックボックス36への選択結果に基づき記憶部11から印刷予約ジョブ22を読み出して印刷部12に実行させる。本実施形態では、受付部13によって選択画面35へのチェックボックス36への選択が受付けられると、印刷制御部18は、選択されたチェックボックス36に対応する予約ジョブ情報25の識別番号に基づいて、当該予約ジョブ情報25に対応する印刷予約ジョブ22を特定して記憶部11から読み出す。このとき、選択画面35で表示順位が最も上位にある印刷予約ジョブ22を優先的に読み出して、読み出した順になるように印刷予約ジョブ22を印刷部12に対して送信する。印刷部12は、印刷予約ジョブ22を受付けると受付けた順に印刷出力を開始する。このようにして、即時印刷ジョブが実行されたことによって印刷された用紙と、印刷予約ジョブ22が実行されたことによって印刷された用紙は、共に排出口3から排出され排出トレイ4に保持される。また、排出された用紙は、選択画面35における表示順序に従って印刷されるため、即時印刷ジョブを発行したユーザは、選択画面35を参照することによって、印刷出力された用紙がどのユーザのものかを特定できるので配布する際の労力が軽減される。
【0091】
また、印刷制御部18は、決定部17から上述した決定結果を受付けた場合には、その決定結果に対応する印刷予約ジョブ22を印刷部12に実行させる。本実施形態では、印刷制御部18は、決定部17から、実行することが決定された印刷予約ジョブ22のジョブ番号を受付けると、受付けたジョブ番号に基づき記憶部11から印刷予約ジョブ22を読み出す。そして、印刷制御部18は、受付けた順序に従って印刷予約ジョブ22を印刷部12に送信する。印刷部12は、印刷予約ジョブ22を受付けると受付けた順に印刷出力を開始する。
【0092】
ここで、本実施形態では、即時印刷ジョブは、受付部13によって受付けられると、直ちに印刷制御部18によって印刷部12へ出力されるようになっている。その一方で、印刷予約ジョブ22を選択するための選択画面35がユーザ端末6に表示されるようになっている。すなわちこの場合、ユーザにとっては、自己が発行した即時印刷ジョブの印刷出力を待っている間に、まとめて印刷すべき印刷予約ジョブ22を選択できるので、印刷装置1は、まとめ印刷を実行する際の時間的な無駄が生じないので効率よくユーザにまとめ印刷を行わせることができる。
【0093】
また、印刷制御部18は、履歴情報31の更新を実行する。具体的には、印刷部12は、印刷予約ジョブ22の実行が完了すると、当該印刷予約ジョブ22の実行が完了したことを示す完了通知を印刷制御部18に送信するようになっている。この完了通知には、少なくとも即時印刷ジョブを発行したユーザの種別が含められている。印刷制御部18は、完了通知を受け取ると、当該完了通知に含められたユーザの種別を特定する。そして、印刷制御部18は、特定したユーザの種別に対応する履歴情報31の選択回数31cに1を加えて更新する。そして、印刷制御部18は、「選択回数」が最も多いユーザ種別20bの「順位」が「1」となるように順位を整えて履歴情報31を更新する。
【0094】
印刷部12は、即時印刷ジョブ及び印刷予約ジョブ22を実行して印刷出力するものである。そして、この印刷部12によって印刷された用紙は、排出口3から排出され排出トレイ4に保持される。また、上述したように、印刷部12は、印刷予約ジョブ22の実行が完了すると、当該印刷予約ジョブ22の実行が完了したことを示す完了通知を印刷制御部18に送信する。
【0095】
なお、受付部13、判別部14、算出部15、表示制御部16、決定部17及び印刷制御部18は、具体的には、図示しないが、記憶部11に記憶された制御プログラムがCPUによって適宜メモリ上に読み出されて実行されることで、各機能を奏するようになっている。
【0096】
図10〜図12は、上記のように構成される印刷装置1において実行される処理手順を示したフローチャートである。以下、フローチャートを参照しつつ処理手順について説明する。
【0097】
まず、図12に示すように、受付部13によってユーザ端末6から印刷ジョブが受け付けられると(ステップS1のYES)と、判別部14は、受付けた印刷ジョブが即時印刷ジョブであるか、又は印刷予約ジョブ22であるかを判別する(ステップS2)。そして、受付部13は、判別部14から判別結果を受け取って、判別結果が印刷予約ジョブ22であることを示す場合には(ステップS3のYES)、当該受付けた印刷予約ジョブ22を記憶部11に記憶すると共に、予約ジョブ情報25を生成して予約情報20に記録する(ステップS4)。
【0098】
一方、受付部13は、受付けた印刷ジョブが即時印刷ジョブであった場合には(ステップS5のYES)、当該受付けた即時印刷ジョブを印刷制御部18に受け渡す。印刷制御部18は、受け取った即時印刷ジョブを印刷部12に送信する。このことにより印刷部12は、即時印刷ジョブを実行する(ステップS6)。このようにして印刷出力された用紙は排出口3から排出され排出トレイ4に保持される。
【0099】
次に、表示制御部16は、即時印刷ジョブを実行されると(ステップS6)、印刷部12によって印刷出力が行なわれている一方で(ステップS7)、設定情報30を参照して、手動自動選択情報30eが「手動選択」に設定されているか否かを確認する(ステップS8)。そして、表示制御部16は、手動自動選択情報30eが「手動選択」に設定されている場合には(ステップS8のYES)、図11に示したように、記憶部11に記憶された予約情報20を参照する(ステップS21)。そして、予約情報20に予約ジョブ情報25が記録されている場合には(ステップS22のYES)、表示制御部16は、優先情報21を参照して(ステップS23)、優先情報21に基づき絞込処理を実行する(ステップS24)。次に、表示制御部16は、絞り込んだ予約ジョブ情報25の表示順序を絞込基準に基づき整えて選択画面35を生成する(ステップS25)。そして、表示制御部16は、生成した選択画面35を即時印刷ジョブの発行元であるユーザ端末6のモニタ7に表示させる(ステップS26)。
【0100】
次に、受付部13は、ユーザの選択画面35への選択結果を受付ける(ステップS27)。印刷制御部18は、当該選択結果に基づき選択された予約ジョブ情報25に対応する印刷予約ジョブ22を記憶部11から読み出して印刷部12に送信する。このことにより、印刷部12は印刷予約ジョブ22を実行する(ステップS28)。そして、印刷出力された用紙は排出口3から排出されて排出トレイ4に保持される(ステップS29)。以上のようにして手動自動選択情報30eが「手動選択」に設定されている場合の処理は終了する。
【0101】
図10に戻って、決定部17は、即時印刷ジョブを実行されると(ステップS6)、印刷部12によって印刷出力が行なわれている一方で(ステップS7)、設定情報30を参照して、手動自動選択情報30eが「手動選択」に設定されているか否かを確認する(ステップS8)。そして、決定部17は、手動自動選択情報30eが「自動選択」に設定されている場合には(ステップS8のNO)、図12に示したように、記憶部11に記憶された予約情報20を参照する(ステップS31)。そして、予約情報20に予約ジョブ情報25が記録されている場合には(ステップS32のYES)、決定部17は、優先情報21を参照して(ステップS33)、優先情報21に基づき絞込処理を実行する(ステップS34)。このようにして決定部17は、絞り込んだ予約ジョブ情報25を実行すべき印刷予約ジョブ22として決定する(ステップS25)。
【0102】
次に、図11に戻って、印刷制御部18は、決定部17による決定結果に基づき決定された予約ジョブ情報25に対応する印刷予約ジョブ22を記憶部11から読み出して印刷部12に送信する。このことにより、印刷部12は印刷予約ジョブ22を実行する(ステップS28)。そして、印刷出力された用紙は排出口3から排出されて排出トレイ4に保持される(ステップS29)。以上のようにして手動自動選択情報30eが「自動選択」に設定されている場合の処理は終了する。
【0103】
以上のように、本実施形態の印刷装置1は、判別部14が、受付部13によって受け付けられた印刷ジョブが、即時に印刷出力を行う即時印刷ジョブと、即時に印刷出力を行わずに待機させる印刷予約ジョブ22とのいずれであるか判別する。そして、受付部13は、印刷ジョブが印刷予約ジョブ22である場合にその印刷予約ジョブ22を記憶部11に記憶させる。表示制御部16は、受付部13によって受け付けられた印刷ジョブが即時印刷ジョブである場合に、印刷予約ジョブ22を実行するか否かをユーザに選択させるための選択画面35を生成し、生成した選択画面35を当該即時印刷ジョブの送信元であるユーザ端末6に表示させる。その一方で、印刷制御部18は、受付部13によって受け付けられた印刷ジョブが即時印刷ジョブである場合に、当該即時印刷ジョブを実行すると共に、選択画面35に対してユーザによる印刷予約ジョブ22の実行指示が行われた場合には、記憶部11から印刷予約ジョブ22を読み出し、当該印刷予約ジョブ22を更に実行する。
【0104】
このような構成によれば、印刷装置1は、印刷予約ジョブ22を実行するか否かをユーザに選択させるための選択画面35を即時印刷ジョブの送信元であるユーザ端末6に表示させるようになっているので、ユーザがまとめ印刷を行うか否かを選択可能になっている。また、選択画面35を表示させる際、印刷装置1は、即時印刷ジョブをまず実行してから当該選択画面35をユーザ端末6に表示させるようになっている。このため、即時印刷ジョブを発行したユーザにとっては、自己が要求した即時印刷ジョブの印刷出力を待っている間に印刷予約ジョブ22を実行するか否かを選択できるので、時間的なロスがなく効率的にまとめ印刷を行うことが可能となる。
【0105】
また、即時印刷ジョブを発行したユーザは、自己の意志によって選択した印刷予約ジョブ22を印刷出力させるので、当該即時印刷ジョブを実行することによって印刷出力された印刷物と共に印刷予約ジョブ22によって印刷出力された印刷物も必ず回収して配布すると考えられる。すなわち、印刷装置1は、印刷予約ジョブ22を実行したことによって印刷出力された印刷物が排出トレイ4に長時間放置されるようなケースを防止できる。このことにより、印刷装置1は、まとめ印刷の使い勝手が良くユーザに積極的に当該まとめ印刷を利用させることができる。
【0106】
また、本実施形態では、記憶部11は、複数の印刷予約ジョブ22を記憶可能になっている。また、表示制御部16は、受付部13によって受け付けられた印刷ジョブが即時印刷ジョブであり、且つ、記憶部11に複数の印刷予約ジョブ22が記憶されている場合に、実行すべき印刷予約ジョブ22をユーザに選択させるための選択画面35を生成する。そして、表示制御部16は、生成した選択画面35を当該即時印刷ジョブの送信元であるユーザ端末6に表示させる。印刷制御部18は、ユーザの選択結果に基づいて記憶部11に記憶されている複数の印刷予約ジョブ22のうちから実行すべき印刷予約ジョブ22を読み出して実行する。
【0107】
上記のような構成によれば、印刷装置1は、複数の印刷予約ジョブ22のうちユーザ所望の印刷予約ジョブ22を選択画面35において選択させるようになっていることで、複数の印刷予約ジョブ22が待機状態であっても、ユーザにとって回収可能な印刷予約ジョブ22のみを選択して印刷出力させることができる。このことにより、印刷装置1は、まとめ印刷の使い勝手が良くユーザに積極的に当該まとめ印刷を利用させることができる。
【0108】
また、本実施形態では、表示制御部16は、選択画面35を生成する際、所定数以下の印刷予約ジョブ22を選択候補として選択画面35に含ませる構成を有している。そのため、選択画面35には、予め設定された数以上の印刷予約ジョブ22を表示させないようになっているので、ユーザにとっては印刷予約ジョブ22を選択するための労力が軽減される。このことにより、印刷装置1は、まとめ印刷の使い勝手が良くユーザに積極的に当該まとめ印刷を利用させることができる。
【0109】
また、本実施形態では、表示制御部16は、記憶部11に記憶されている複数の印刷予約ジョブ22のうちから、予め設定された優先度に基づいて、所定数以下の印刷予約ジョブ22を選択候補として選択画面35に含ませる構成を有している。そのため、選択画面35に表示される予約ジョブ情報25を予めユーザが選択する可能性の高いものに絞って表示することが可能となるので、ユーザにとっては印刷予約ジョブ22を選択するための労力が軽減される。このことにより、印刷装置1は、まとめ印刷の使い勝手が良くユーザに積極的に当該まとめ印刷を利用させることができる。
【0110】
また、本実施形態では、印刷予約ジョブ22には、印刷期限を示す情報である印刷期限20dが含まれている。そして、表示制御部16は、選択画面35を生成する際、印刷期限の迫った印刷予約ジョブ22を優先的に記憶部11から読み出して選択画面35を生成する構成を有している。このような構成によれば、表示制御部16は、印刷期限の迫っている印刷予約ジョブ22を至急ジョブ提示欄41に表示するので、印刷期限を徒過してしまうことを防止できる。このことにより、印刷装置1は、ユーザに安心して印刷予約ジョブ22を発行させることができるので、印刷予約ジョブ22を発行したユーザにとっても使い勝手が良く積極的にまとめ印刷を利用させることができる。
【0111】
また、本実施形態では、ユーザによって過去に選択された印刷予約ジョブ22の履歴に関する履歴情報31が記憶されるようになっている。そして、この履歴情報31では、過去に選択された回数が多い、印刷予約ジョブ22の発行元であるユーザの優先順位が高くなるように設定されている。そして、表示制御部16は、選択画面35を生成する際、履歴情報31に基づいて過去に選択された履歴が多い、印刷予約ジョブ22の発行元であるユーザを優先的に記憶部11から読み出して選択画面35を生成する構成を有している。
【0112】
このような構成によれば、印刷装置1は、履歴情報31に基づいて当該優先順位の高いユーザを優先的に選択画面35に表示することが可能となるので、ユーザにとっては印刷予約ジョブ22を選択するための労力が軽減される。すなわち本実施形態では、ユーザCにとっては、即時印刷ジョブを実行する度に、いつも決まったユーザであるユーザCやユーザAの印刷予約ジョブ22を選択する必要が無くなる。このことにより、印刷装置1は、まとめ印刷の使い勝手が良くユーザに積極的に当該まとめ印刷を利用させることができる。
【0113】
また、本実施形態では、受付部13によって受け付けられた印刷ジョブが印刷予約ジョブ22である場合にその印刷予約ジョブ22の実行に要する印刷所要時間を算出する算出手段を更に備えている。そして、算出された印刷所要時間に基づいて優先順位が高くなるように設定されている。表示制御部16は、選択画面35を生成する際、印刷所要時間の短い又は長い印刷予約ジョブ22を優先的に記憶部11から読み出して選択画面35を生成する構成を有している。
【0114】
このような構成によれば、印刷装置1は、印刷予約ジョブ22の印刷所要時間に基づいて優先順位が高くなるように設定されているため、例えば、本実施形態のように印刷所要時間の短い印刷予約ジョブ22から順に選択画面35に表示させたり、或いは、設定情報30の時間順序情報30aを「長い順」と設定することにより印刷所要時間の長い印刷予約ジョブ22から順に選択画面35に表示させたりすることが可能となる。このことにより、ユーザにとっては印刷予約ジョブ22を選択するための労力が軽減されるし、更に、印刷予約ジョブ22の印刷所要時間が把握できるので、全ての印刷出力が完了する頃合いを見計らって印刷された用紙を回収することができる。その結果、印刷装置1は、まとめ印刷の使い勝手が良くユーザに積極的に当該まとめ印刷を利用させることができる。
【0115】
また、本実施形態では、優先情報21として待機時間限度情報30bが予め設定されている。そして、表示制御部16は、選択画面35を生成する際、待機時間限度情報30bに設定された、ユーザにとって待機可能な待機時間の限度内で、且つ、印刷所要時間の長い印刷予約ジョブ22に対応する予約ジョブ情報25を優先的に記憶部11から読み出して選択画面35を生成する構成を有している。このような構成によれば、複数の印刷予約ジョブ22の印刷所要時間の合計時間を、当該待機時間の限度内に納めるように複数の予約ジョブ情報25を組み合わせて表示することができるので、全ての印刷出力が完了するまでの時間がユーザの意図した時間を超えてしまうようなケースを防止できる。更には、印刷装置1は、印刷所要時間の長い印刷予約ジョブ22に対応する予約ジョブ情報25を優先的に記憶部11から読み出して選択画面35に表示するようにしたので、印刷所要時間の長い印刷予約ジョブ22がいつまで経っても選択画面35に表示されなくなるという不具合も防止できる。その結果、印刷装置1は、まとめ印刷の使い勝手が良くユーザに積極的に当該まとめ印刷を利用させることができる。
【0116】
また、本実施形態では、選択画面35を生成しない場合に印刷予約ジョブを印刷出力するか否かを決定する決定部17を更に有している。また、記憶部11は、表示制御部16によって選択画面35を生成するか、又は、決定部17によって実行すべき印刷予約ジョブ22を決定するかが選択的に設定された手動自動選択情報30eを更に記憶している。そして、表示制御部16は、受付部13によって即時印刷ジョブが受付けられた場合に、手動自動選択情報30eを参照し、手動自動選択情報30eが「手動選択」である場合には、選択画面を生成する。一方、決定部17は、受付部13によって即時印刷ジョブが受付けられた場合に、手動自動選択情報30eを参照し、手動自動選択情報30eが「自動選択」である場合には、絞込優先情報30fに設定された絞込基準に基づいて印刷予約ジョブ22を実行するか否かを決定する。
【0117】
このような構成によれば、選択画面35を生成せずとも、自動でユーザに選択される可能性の高い印刷予約ジョブ22を実行させることが可能となる。このことにより、ユーザにとっては、選択画面35に提示された印刷予約ジョブ22を選択する手間が省けるので都合がよい。その結果、印刷装置1は、まとめ印刷の使い勝手が良くユーザに積極的に当該まとめ印刷を利用させることができる。
【0118】
また、本実施形態では、印刷装置1は、ユーザに対して情報を表示する表示部2を更に備えている。そして、表示制御部16は、選択画面35を表示部2に表示させるようになっている。受付部13は、表示部2に表示された選択画面35のユーザによる選択結果を受付け、印刷制御部18は、当該受付けた選択結果に基づいて印刷予約ジョブ22を実行する構成を有している。このような構成によれば、印刷装置1の側を通りがかった者に対しても印刷予約ジョブ22を実行させることが出来るので、印刷予約ジョブ22を発行したユーザにとっては、即時印刷ジョブを発行したユーザによって実行されるよりも早く印刷物が届けられるというメリットがある。このことにより、印刷予約ジョブ22を発行したユーザにとっても使い勝手が良く積極的にまとめ印刷を利用させることができる。
【0119】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、履歴情報31、時間順序情報30a及び待機時間限度情報30bに基づいて絞込処理を実行していたがこれに限られない。第2の実施形態は、ユーザCが個別に設定したユーザ種別に基づいて絞込処理が実行される構成である。なお、その他の構成は、全て上記と同様であるので説明を省略する。
【0120】
図13は、ユーザ別優先度情報45を示したものである。このユーザ別優先度情報45は、設定情報30に更に含まれる情報であり、ユーザCによって予め設定された各ユーザの優先順位を示す情報である。図例では、ユーザ別優先度情報45は、優先順位45aとユーザ種別45bとの2種別の情報を有している。優先順位45aは、「1」が最も高い順位であり「2」、「3」の順で優先度が低くなる。本実施形態では優先順位45aは、「1」がユーザ種別45bの「C」に対応付けられている。これは、ユーザCにとって最も優先度が高いユーザがユーザCであることを示している。そして、優先順位45aの「2」には、ユーザ種別45bの「B」が、優先順位45aの「3」には、ユーザ種別45bの「C」が、それぞれ対応付けられている。
【0121】
図14は、このように設定されたユーザ別優先度情報45に基づき生成された選択画面35dを示すものである。図14に示すように、おすすめ提示欄40には、最も上位にユーザCによって発行された予約ジョブ情報25cが提示され、次に優先順位の高いユーザBによって発行された予約ジョブ情報25b、25eが提示されている。すなわち、表示制御部16は、絞込処理をする際、絞込数情報30dを参照して、実行すべき予約ジョブ情報25の表示数が「上位3つまで」であることを特定する。次に、決定部17は、ユーザ別優先度情報45を参照して、優先順位45aが「1」である選択ユーザ種別31bが「C」であり、優先順位45aが「2」、「3」である選択ユーザ種別31bが、それぞれ、「B」、「A」であることを特定する。そして、表示制御部16は、予約情報20を参照して、ユーザ種別が「C」である予約ジョブ情報25cを特定する。また、表示制御部16は、表示数の残り2つとして次の優先順位であるユーザBの予約ジョブ情報25b及び25eをジョブ番号順に特定する。
【0122】
表示制御部16は、このようにして絞り込んだ予約ジョブ情報25c、25b、25eを上記特定した順になるように選択画面35dのおすすめ提示欄40の各欄に記録する。なお、この選択画面35dでは、至急ジョブである予約ジョブ情報25eが、おすすめ提示欄40に提示されているので、至急ジョブ提示欄41は表示されていない。
【0123】
一方、決定部17は、手動自動選択情報30eが「自動選択」に設定されている場合には、以下のように処理する。すなわち、決定部17は、絞込処理を実行する際、絞込数情報30dを参照して、実行すべき予約ジョブ情報25の実行数が「上位3つまで」であることを特定する。次に、決定部17は、ユーザ別優先度情報45を参照して、優先順位45aが「1」である選択ユーザ種別31bが「C」であり、順に選択ユーザ種別31bが「B」、「A」であることを特定する。そして、決定部17は、予約情報20を参照して、ユーザ種別が「C」である予約ジョブ情報25cを特定する。また、決定部17は、実行数の残り2つとして、次の優先順位であるユーザBの予約ジョブ情報25b及び25eをジョブ番号順に特定する。決定部17は、このようにして特定された予約ジョブ情報25b及び25eに対応する印刷予約ジョブ22を実行すべき印刷予約ジョブとして決定する。
【0124】
以上のように、本実施形態では、優先度として、実行すべき印刷予約ジョブ22の優先順位をユーザの種別に基づき決めるためのユーザ別優先度情報45が設定可能になっている。そして、表示制御部16は、選択画面35を生成する際、ユーザ別優先度情報45における順位の高いユーザCの発行した印刷予約ジョブ22を優先的に記憶部11から読み出して選択画面35を生成する。このような構成によれば、選択画面35には、優先順位の高いユーザCから順に印刷予約ジョブ22を優先的に表示することが可能となるので、ユーザにとっては印刷予約ジョブ22を選択するための労力が軽減される。また、自己の意志によって選択したユーザの印刷予約ジョブ22を実行することで、印刷出力された印刷物が誰のものか分からなくなるようなケースを防止できる。このことにより、印刷装置1は、まとめ印刷の使い勝手が良くユーザに積極的に当該まとめ印刷を利用させることができる。
【0125】
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、時間順序情報30a、待機時間限度情報30b履歴情報31及びのうちから一の情報に基づいて絞込処理を実行していたがこれに限られない。第3の実施形態は、これらの情報30a、30b及び31のうち、複数の情報に基づいて絞込処理が実行される構成である。なお、その他の構成は、全て上記と同様であるので説明を省略する。
【0126】
図15は、複合情報46を示したものである。この複合情報46は、設定情報30に更に含まれる情報であり、履歴情報31、時間順序情報30a及び待機時間限度情報30bと、更に第2の実施形態で示したユーザ別優先度情報45とのうち、一又は複数の絞込処理を実行するための基準となる情報である。図例では、複合情報46は、絞込種別46aと複合選択46bとの2種別の情報を有している。本実施形態では、複合情報46は、絞込種別46aの「履歴情報」と「時間順序情報」との2つに対応する複合選択46bの欄に「○」が設定されている。これは、絞込処理が履歴情報31と時間順序情報30aの2つに基づいて実行されることを示している。また、第3の実施形態では、設定情報30の絞込優先情報30fには、優先基準が複合情報46であることを示す「複合情報」と更に設定される場合もある。
【0127】
図16は、このように設定された複合情報46に基づき生成された選択画面35eを示すものである。図16に示すように、おすすめ提示欄40には、履歴情報31に基づき、最も上位にユーザCによって発行された予約ジョブ情報25cが提示され、次いで、優先順位の高いユーザAによって発行された予約ジョブ情報25d、25aが提示されている。この場合、予約ジョブ情報25d、25aについては、時間順序情報30aに基づき、所要時間(秒)の短い予約ジョブ情報25dが上位に表示されるようになっている。
【0128】
この第3の実施形態において、表示制御部16は、絞込処理を実行する際、絞込数情報30dを参照して、表示すべき予約ジョブ情報25の表示数が「上位3つまで」であることを特定する。次に、表示制御部16は、複合情報46を参照して、絞込種別46aに履歴情報31と時間順序情報30aとが設定されていることを特定する。そして、表示制御部16は、まず、履歴情報31を参照して、優先順位31aが「1」である選択ユーザ種別31bが「C」であり、順に選択ユーザ種別31bが「A」、「B」であることを特定する。そして、表示制御部16は、予約情報20を参照して、ユーザ種別が「C」である予約ジョブ情報25cを特定する。また、表示制御部16は、次の優先順位であるユーザAの予約ジョブ情報25a及び25dをジョブ番号順に特定する。このとき、仮にユーザAの予約ジョブ情報25が3つ以上ある場合には、表示制御部16は、その全ての予約ジョブ情報25をジョブ番号順に特定する。
【0129】
表示制御部16は、履歴情報31に基づき、予約ジョブ情報25c、25a及び25dを特定すると、即時印刷ジョブの発行元であるユーザCの予約ジョブ情報25cをおすすめ提示欄40の最も上位に記録する。次に、表示制御部16は、時間順序情報30aを参照して、設定内容が「短い順」に設定されていることを特定する。そして、表示制御部16は、ユーザAの予約ジョブ情報25a及び25dを、時間順序情報30aに基づき、所要時間(秒)の短い順になるように、予約ジョブ情報25d、25aの順でおすすめ提示欄40に記録する。なお、仮にユーザAの予約ジョブ情報25が3つ以上ある場合には、表示制御部16は、所要時間(秒)の最も短いものから順に2つの予約ジョブ情報25を抽出して、所要時間(秒)の短い順におすすめ提示欄40に記録する。
【0130】
一方、決定部17は、手動自動選択情報30eが「自動選択」に設定され、かつ、絞込優先情報30fに「複合情報」と設定されている場合には、以下のように処理する。すなわち、決定部17は、絞込処理を実行する際、絞込数情報30dを参照して、実行すべき予約ジョブ情報25の表示数が「上位3つまで」であることを特定する。次に、決定部17は、複合情報46を参照して、絞込種別46aに履歴情報31と時間順序情報30aとが設定されていることを特定する。そして、決定部17は、履歴情報31を参照して、優先順位31aが「1」である選択ユーザ種別31bが「C」であり、順に選択ユーザ種別31bが「A」、「B」であることを特定する。そして、決定部17は、予約情報20を参照して、ユーザ種別が「C」である予約ジョブ情報25cを特定する。また、決定部17は、次の優先順位であるユーザAの予約ジョブ情報25a及び25dをジョブ番号順に特定する。このとき、仮にユーザAの予約ジョブ情報25が3つ以上ある場合には、決定部17は、その全ての予約ジョブ情報25をジョブ番号順に特定する。
【0131】
決定部17は、履歴情報31に基づき、予約ジョブ情報25c、25a及び25dを特定すると、即時印刷ジョブの発行元であるユーザCの予約ジョブ情報25cを実行すべき印刷予約ジョブ22として特定する。次に、決定部17は、時間順序情報30aを参照して、設定内容が「短い順」に設定されていることを特定する。そして、決定部17は、ユーザAの予約ジョブ情報25a及び25dを、時間順序情報30aに基づき、所要時間(秒)の短い順になるように、予約ジョブ情報25d、25aの順で実行すべき印刷予約ジョブ22として特定する。なお、仮にユーザAの予約ジョブ情報25が3つ以上ある場合には、決定部17は、所要時間(秒)の最も短いものから順に2つの予約ジョブ情報25を抽出して、所要時間(秒)の短い順に実行すべき印刷予約ジョブ22として特定する。決定部17は、このようにして特定された予約ジョブ情報25c、25d及び25aの実行を決定する。
【0132】
以上のように、表示制御部16は、選択画面35を生成する際、履歴情報31、時間順序情報30a、待機時間限度情報30b及びユーザ別優先度情報45のうち、一又は複数の組み合わせに基づいて選択画面35を生成する構成を有している。そのため、絞込処理を実行する際、一の絞込基準で絞込処理を実行すると選択画面35aに提示すべき印刷予約ジョブ22の組み合わせが複数パターン存在する場合に、他の絞込基準で絞込処理が実行出来るようになる。このことにより、選択画面35aには、更にユーザに選択される可能性の高い印刷予約ジョブ22を優先的に絞り込んで提示することが出来るようになる。その結果、印刷装置1は、ユーザにとって使い勝手が良く、まとめ印刷をユーザに積極的に利用させることができる。
【0133】
以上、本発明に関する実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0134】
例えば、上述した実施形態では、ユーザ別優先度情報45には、単に優先順位45aにユーザ種別45bが対応付けられていたが(図13)、これに限られない。例えば、ユーザ毎の席の配置に関する配置情報を設定できるようにしてもよい。この配置情報は、各ユーザ同士の席の距離に関する情報が、例えば、座標情報として設定される。すなわち、優先情報21には、予めユーザCの席の座標(X1,Y1)から配布可能な座標(X3,Y3)が設定される。また、記憶部11には、ユーザA、ユーザB及びユーザCの席の座標が、それぞれ、(X2,Y2)、(X4,Y4)及び(X1,Y1)であることを記憶しておく。なお、X1からX4になるにつれて距離が離れているものとし、Y1〜Y4についても同様であるものとする。表示制御部16は、絞込処理を実行する際、優先情報21を参照して、ユーザCの席の座標(X1,Y1)から配布可能な座標(X3,Y3)を特定する。そして、記憶部11を参照して、ユーザAの座標は(X2,Y2)であるので配布可能な距離内にあることを特定する一方で、ユーザBの座標は(X4,Y4)であるので配布不可能な距離内にあることを特定する。このようにして、表示制御部16は、特定したユーザAの印刷予約ジョブ22を選択画面35に提示する。
【0135】
また、例えば、ユーザ種別45bに加えて、ユーザの属する組織や部署に関する組織情報をユーザ毎に関連づけて設定しても良い。すなわち、この場合、組織情報に基づき優先順位を決定することにより、選択画面35には、即時印刷ジョブを発行したユーザの属する組織と同一組織に属するユーザが発行した印刷予約ジョブ22が優先的に表示されるようになる。
【0136】
また、上述した実施形態では、待機時間限度情報30bでは、定義された一の時間のみが設定されていたが、これに限られない。例えば、厳格に一の時間を設定するのではなく、ある程度の幅を持たせるようにしても良い。すなわち、待機時間限度情報30bが60秒であった場合には、「+5秒」や、「+1割」のような猶予時間情報を設定可能に構成してもよい。このようにすることで、待機時間限度情報30bの基づき絞込処理が実行される際に、猶予時間情報に基づくことで印刷予約ジョブ22の組み合わせの幅が広がり、即時印刷ジョブを発行したユーザにとっては選択の余地が広くなる。また、印刷予約ジョブ22を発行したユーザにとっても自己の発行した印刷予約ジョブ22に関する予約ジョブ情報25が選択画面35に表示されやすくなるので、当該印刷予約ジョブ22が実行される可能性が高くなるというメリットがある。
【0137】
また、上述した実施形態では、即時印刷ジョブが実行されることによって印刷された用紙と、印刷予約ジョブ22が実行されることによって印刷された用紙は、単に、排出口3から排出されると説明したが、このとき、印刷ジョブ毎に用紙を区別するために、印刷物にユーザの名を付したり、又は、印刷ジョブ毎或いはユーザ種別毎に印字の方向を異ならせて印刷出力したりするようにしても良い。
【0138】
更に、上述した実施形態では、表示制御部16は、選択画面35を生成する際、履歴情報31、時間順序情報30a、待機時間限度情報30b及びユーザ別優先度情報45のうち、一又は複数の組み合わせに基づいて選択画面35を生成する構成を有していたが、これに限られない。すなわち、予約ジョブ情報25の印刷期限20cに基づき選択画面35を生成するようにしてもよい。例えば、表示制御部16は、絞込処理を実行する際、予約情報20の印刷期限20dを参照して、印刷期限の迫っている順に予約ジョブ情報25を特定する。そして、表示制御部16は、当該特定された予約ジョブ情報25を絞込数情報30dに設定された数に絞って選択画面35のおすすめ提示欄40に提示するようにしても良い。
【符号の説明】
【0139】
1 印刷装置
2 表示部(表示手段)
3 排出口
4 排出トレイ
5 ネットワーク
6a〜c ユーザ端末
7a〜c モニタ
8a〜c 操作部
9 操作受付部
10 制御部
11 記憶部(各記憶手段)
12 印刷部(印刷制御手段)
13 受付部(受付手段)
14 判別部(判別手段)
15 算出部(算出手段)
16 表示制御部(表示制御手段)
17 決定部(決定手段)
18 印刷制御部(印刷制御手段)
20 予約情報
21 優先情報
22 印刷予約ジョブ
30 設定情報
31 履歴情報
35 選択画面
36 チェックボックス
37 決定ボタン
40 おすすめ提示欄
41 至急ジョブ提示欄
45 ユーザ別優先度情報
46 複合情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して入力する印刷ジョブを受け付けて実行する印刷装置であって、
印刷ジョブを受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが、即時に印刷出力を行う即時印刷ジョブと、即時に印刷出力を行わずに待機させる印刷予約ジョブとのいずれであるか判別する判別手段と、
前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが印刷予約ジョブである場合にその印刷予約ジョブを記憶するジョブ記憶手段と、
前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが即時印刷ジョブである場合に、当該即時印刷ジョブの実行に伴って前記ジョブ記憶手段に記憶されている印刷予約ジョブを実行するか否かをユーザに選択させるための選択画面を生成し、該選択画面を当該即時印刷ジョブの送信元であるユーザ端末に表示させる表示制御手段と、
前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが即時印刷ジョブである場合に、当該即時印刷ジョブを実行すると共に、前記表示制御手段によって生成された選択画面に対してユーザによる印刷予約ジョブの実行指示が行われた場合には前記ジョブ記憶手段から印刷予約ジョブを読み出し、当該印刷予約ジョブを更に実行する印刷制御手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記ジョブ記憶手段は、複数の印刷予約ジョブを記憶可能であり、
前記表示制御手段は、前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが即時印刷ジョブであり、且つ、前記ジョブ記憶手段に複数の印刷予約ジョブが記憶されている場合、前記ジョブ記憶手段に記憶されている複数の印刷予約ジョブのうちから当該即時印刷ジョブの実行に伴って実行すべき印刷予約ジョブをユーザに選択させるための選択画面を生成し、生成した選択画面を当該即時印刷ジョブの送信元であるユーザ端末に表示させ、
前記印刷制御手段は、ユーザの選択結果に基づいて前記ジョブ記憶手段に記憶されている複数の印刷予約ジョブのうちから実行すべき印刷予約ジョブを読み出して実行することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、選択画面を生成する際、所定数以下の印刷予約ジョブを選択候補として選択画面に含ませることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記ジョブ記憶手段に記憶されている複数の印刷予約ジョブのうちから、予め設定された優先度に基づいて、前記所定数以下の印刷予約ジョブを選択候補として選択画面に含ませることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項5】
印刷予約ジョブには、印刷期限を示す期限情報が含まれており、
前記優先度は、印刷予約ジョブに含まれる期限情報において印刷期限の近いジョブが選択画面に提示されるように設定された期限優先情報であり、
前記表示制御手段は、選択画面を生成する際、期限優先情報に基づいて印刷期限の近いジョブを優先的に前記ジョブ記憶手段から読み出して選択画面を生成することを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記優先度は、印刷予約ジョブの発行元であるユーザ毎に優先順位が設定されたユーザ優先情報であり、
前記表示制御手段は、選択画面を生成する際、ユーザ優先情報に基づき優先順位の高いユーザの発行した印刷予約ジョブを優先的に前記ジョブ記憶手段から読み出して選択画面を生成することを特徴とする請求項4又は5に記載の印刷装置。
【請求項7】
ユーザによって過去に選択された印刷予約ジョブの履歴に関する履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段を更に備え、
前記優先度は、前記履歴情報記憶手段に記憶される履歴情報において過去に選択された回数に基づいて印刷予約ジョブの発行元であるユーザの優先順位が高くなるように設定された履歴優先情報であり、
前記表示制御手段は、選択画面を生成する際、履歴優先情報に基づいて優先順位が高い印刷予約ジョブの発行元であるユーザを特定し、特定されたユーザによって発行された印刷予約ジョブを優先的に前記ジョブ記憶手段から読み出して選択画面を生成することを特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の印刷装置。
【請求項8】
前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが印刷予約ジョブである場合にその印刷予約ジョブの実行に要する印刷所要時間を算出する算出手段を更に備え、
前記優先度は、印刷予約ジョブの印刷所要時間に基づいて優先順位が高くなるように設定された所要時間優先情報であり、
前記表示制御手段は、選択画面を生成する際、所要時間優先情報に基づいて印刷予約ジョブを前記ジョブ記憶手段から読み出して選択画面を生成することを特徴とする請求項4乃至7の何れかに記載の印刷装置。
【請求項9】
ユーザによって予め設定された設定時間を記憶する設定時間記憶手段と、
前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが印刷予約ジョブである場合にその印刷予約ジョブの実行に要する印刷所要時間を算出する算出手段と、
を更に備え、
前記表示制御手段は、選択画面を生成する際、前記設定時間記憶手段に記憶された設定時間の範囲内で、且つ、印刷所要時間の長い印刷予約ジョブを優先的に前記ジョブ記憶手段から読み出して選択画面を生成することを特徴とする請求項4乃至8の何れかに記載の印刷装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、選択画面を生成する際、履歴情報、所要時間優先情報、設定時間及びユーザ種別優先情報のうち、一又は複数の組み合わせに基づいて選択画面を生成することを特徴とする請求項9に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記表示制御手段は、所定の印刷予約ジョブについては実行候補として予め選択された状態で選択画面を生成することを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の印刷装置。
【請求項12】
ネットワークを介して入力する印刷ジョブを受け付けて実行する印刷装置であって、
ユーザに対して情報を表示する表示手段と、
印刷ジョブを受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが、即時に印刷出力を行う即時印刷ジョブと、即時に印刷出力を行わずに待機させる印刷予約ジョブとのいずれであるか判別する判別手段と、
前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが印刷予約ジョブである場合にその印刷予約ジョブを記憶するジョブ記憶手段と、
前記ジョブ記憶手段に印刷予約ジョブが記憶されている場合に、当該印刷予約ジョブが待機中であることを前記表示手段に報知させる表示制御手段と、
前記受付手段によって受付けられる印刷指示に基づき前記ジョブ記憶手段から印刷予約ジョブを読み出し、当該印刷予約ジョブを実行する印刷制御手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項13】
ネットワークを介して入力する印刷ジョブを受け付けて実行する印刷装置であって、
印刷ジョブを受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが、即時に印刷出力を行う即時印刷ジョブと、即時に印刷出力を行わずに待機させる印刷予約ジョブとのいずれであるか判別する判別手段と、
前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが印刷予約ジョブである場合にその印刷予約ジョブを記憶するジョブ記憶手段と、
当該即時印刷ジョブの実行に伴って前記ジョブ記憶手段に記憶されている印刷予約ジョブを実行するか否かを予め設定された優先度に基づき決定する決定手段と、
前記受付手段によって受け付けられた印刷ジョブが即時印刷ジョブである場合に、当該即時印刷ジョブを実行すると共に、前記決定手段の決定結果に基づいて当該印刷予約ジョブを更に実行する印刷制御手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項14】
記憶装置を有する印刷装置においてネットワークを介して入力する印刷ジョブを受け付けて実行する印刷方法であって、
印刷ジョブを受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップによって受け付けられた印刷ジョブが、即時に印刷出力を行う即時印刷ジョブと、即時に印刷出力を行わずに待機させる印刷予約ジョブとのいずれであるか判別する判別ステップと、
前記受付ステップによって受け付けられた印刷ジョブが印刷予約ジョブである場合にその印刷予約ジョブを前記記憶装置に記憶する記憶ステップと、
前記受付ステップによって受け付けられた印刷ジョブが即時印刷ジョブである場合に、当該即時印刷ジョブの実行に伴って前記記憶装置に記憶されている印刷予約ジョブを実行するか否かをユーザに選択させるための選択画面を生成し、該選択画面を当該即時印刷ジョブの送信元であるユーザ端末に表示させる表示ステップと、
前記受付ステップによって受け付けられた印刷ジョブが即時印刷ジョブである場合に、当該即時印刷ジョブを実行すると共に、前記表示制御ステップによって生成された選択画面に対してユーザによる印刷予約ジョブの実行指示が行われた場合には前記記憶装置から印刷予約ジョブを読み出し、当該印刷予約ジョブを更に実行する印刷ステップと、
を有することを特徴とする印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−126034(P2012−126034A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−280032(P2010−280032)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】