説明

印刷装置及び印刷方法

【課題】 製造コストの高騰を来たすことなく印刷精度の向上を図る。
【解決手段】 設計上の直径Dsを有する基準版胴2sより大きな直径Dに形成された版胴2と、版胴の回転によって印刷される弾性変形可能な被印刷物100に対して印刷方向Xに伸長させる向きのテンションを付与するテンション付与機構4とを設け、テンション付与機構によって被印刷物を印刷方向に伸長させた状態で版胴による印刷を行い、印刷された被印刷物に対するテンションを解除して基準版胴によって印刷された基準印刷パターンPsと版胴によって印刷された印刷パターンとを比較して両者の相違量を検出し、テンションの付与が解除されたときに相違量がキャンセルされる大きさのテンションをテンション付与機構によって付与し、被印刷物を印刷方向に伸長させた状態で版胴による印刷を行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷装置及び印刷方法についての技術分野に関する。詳しくは、被印刷物をテンション付与機構によって伸長させた状態で印刷を行い製造コストの高騰を来たすことなく印刷精度の向上を図る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置として、外周面に所定のパターンが形成された円筒状の版胴が回転されることにより被印刷物に対して印刷が行われるようにされたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような印刷装置は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD )、プラズマディスプレイ(Plasma Display Panel:PDP)、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイに対して配線パターンを形成するために用いられている。
【0004】
特許文献1に記載された印刷装置にあっては、版胴に形成されたスケール(目盛)を検出カメラによって検出し、版胴の回転速度や被印刷物に対する速度の制御を行い精密な印刷を実現しようとしている。
【0005】
一方、近年、液晶ディスプレイ等に用いられるガラス基板は大型化の傾向にあるが、印刷精度としては1μm〜数μm程度の高い印刷精度が要求される。
【0006】
【特許文献1】特開2007−160538号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、円筒状の版胴を目標の直径に成形する場合には10μm程度の誤差の範囲までは比較的容易に加工できるが、それ以下の誤差の範囲内で成形するには高精度な設備や精密な環境等が必要であり、歩留まりも低下するため製造コストが高くなってしまう。
【0008】
従って、設計上の直径を有する版胴を成形することは困難であり、一般に、版胴を母材から円筒状に削って加工するため、設計上の直径に対して僅かに大きな直径を有する版胴が成形され、直径に関して設計値に対する誤差が生じる。
【0009】
また、版胴の外周面に形成されるパターンは、版胴の直径が設計上の直径であることを前提に形成されるため、版胴の直径の誤差が被印刷物に対する印刷における寸法誤差として生じてしまう。
【0010】
このような状況において、特許文献1に記載された印刷装置のように、版胴の回転速度や被印刷物に対する速度の制御を行うだけでは、被印刷物に対するパターンの転写位置が検出されておらず、上記したようなミクロンオーダーの誤差を確保した高い印刷精度を実現することは困難である。
【0011】
そこで、本発明印刷装置及び印刷方法は、上記した問題点を克服し、製造コストの高騰を来たすことなく印刷精度の向上を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
印刷装置は、上記した課題を解決するために、設計上の直径を有する基準版胴より大きな直径に形成された版胴と、前記版胴の回転によって印刷される弾性変形可能な被印刷物に対して印刷方向に伸長させる向きのテンションを付与するテンション付与機構とを備え、前記テンション付与機構によって前記被印刷物を前記印刷方向に伸長させた状態で前記版胴による印刷を行い、印刷された前記被印刷物に対するテンションを解除して前記基準版胴によって印刷された基準印刷パターンと前記版胴によって印刷された印刷パターンとを比較して両者の相違量を検出し、テンションの付与が解除されたときに前記相違量がキャンセルされる大きさのテンションを前記テンション付与機構によって付与し、前記被印刷物を前記印刷方向に伸長させた状態で前記版胴による印刷を行うようにしたものである。
【0013】
従って、印刷装置にあっては、被印刷物に対して相違量がキャンセルされる大きさのテンションの付与が解除されたときに版胴によって形成された印刷パターンが基準印刷パターンに一致される。
【0014】
上記した印刷装置においては、前記被印刷物として透明材料を用い、前記被印刷物を挟んだ反対側に前記基準印刷パターンが印刷されたテンプレートと前記相違量を検出する誤差検出カメラとを配置することが望ましい。
【0015】
被印刷物を挟んだ反対側に基準印刷パターンが印刷されたテンプレートと相違量を検出する誤差検出カメラとを配置することにより、誤差検出カメラによって印刷パターンの基準印刷パターンに対する相違量が検出される。
【0016】
上記した印刷装置においては、前記被印刷物を前記印刷方向へ送る送りローラーと、前記テンション付与機構として機能するテンション付与ローラーとを設け、前記送りローラーと前記テンション付与ローラーを前記被印刷物の前記印刷方向に離隔して配置し、前記テンション付与ローラーによってテンションが付与された状態で印刷が行われテンションが解除された前記被印刷物を前記送りローラーによって前記印刷方向へ送って前記相違量を検出することが望ましい。
【0017】
テンション付与ローラーによってテンションが付与された状態で印刷が行われテンションが解除された被印刷物を送りローラーによって印刷方向へ送って相違量を検出することにより、被印刷物に対する印刷と相違量の検出が連続的に行われる。
【0018】
上記した印刷装置においては、前記テンション付与ローラーを前記送りローラーとして用いることが望ましい。
【0019】
テンション付与ローラーを送りローラーとして用いることにより、テンション付与ローラーによって被印刷物が送られる。
【0020】
上記した印刷装置においては、前記被印刷物に付与されるテンションを測定するテンション測定装置を設け、前記テンション測定装置の測定値に基づいて前記被印刷物に付与するテンションを制御することが望ましい。
【0021】
テンション測定装置の測定値に基づいて被印刷物に付与するテンションを制御することにより、被印刷物に対するテンションの付与が高精度で行われる。
【0022】
印刷方法は、上記した課題を解決するために、弾性変形可能な被印刷物をテンション付与機構によって印刷方向に伸長させた状態で設計上の直径を有する基準版胴より大きな直径に形成された版胴による印刷を前記被印刷物に対して行い、印刷された前記被印刷物に対するテンションを解除して前記基準版胴によって印刷された基準印刷パターンと前記版胴によって印刷された印刷パターンとを比較して両者の相違量を検出し、テンションの付与が解除されたときに前記相違量がキャンセルされる大きさのテンションを前記テンション付与機構によって付与し、前記被印刷物を前記印刷方向に伸長させた状態で前記版胴による印刷を行うようにしたものである。
【0023】
従って、印刷方法にあっては、被印刷物に対して相違量がキャンセルされる大きさのテンションの付与が解除されたときに版胴によって形成された印刷パターンが基準印刷パターンに一致される。
【発明の効果】
【0024】
本発明印刷装置は、設計上の直径を有する基準版胴より大きな直径に形成された版胴と、前記版胴の回転によって印刷される弾性変形可能な被印刷物に対して印刷方向に伸長させる向きのテンションを付与するテンション付与機構とを備え、前記テンション付与機構によって前記被印刷物を前記印刷方向に伸長させた状態で前記版胴による印刷を行い、印刷された前記被印刷物に対するテンションを解除して前記基準版胴によって印刷された基準印刷パターンと前記版胴によって印刷された印刷パターンとを比較して両者の相違量を検出し、テンションの付与が解除されたときに前記相違量がキャンセルされる大きさのテンションを前記テンション付与機構によって付与し、前記被印刷物を前記印刷方向に伸長させた状態で前記版胴による印刷を行うようにしている。
【0025】
従って、印刷パターンと基準印刷パターンの相違量がキャンセルされる大きさのテンションを付与して被印刷物を印刷方向に伸長させた状態で印刷を行うため、高精度な設備や精密な環境等を必要とせず高い印刷精度を確保することができ、製造コストの高騰を来たすことなく印刷精度の向上を図ることができる。
【0026】
請求項2に記載した発明にあっては、前記被印刷物として透明材料を用い、前記被印刷物を挟んだ反対側に前記基準印刷パターンが印刷されたテンプレートと前記相違量を検出する誤差検出カメラとを配置している。
【0027】
従って、基準印刷パターンに対する印刷パターンの相違量の検出が容易であり、印刷の精度の向上及び印刷動作の高速化を図ることができる。
【0028】
請求項3に記載した発明にあっては、前記被印刷物を前記印刷方向へ送る送りローラーと、前記テンション付与機構として機能するテンション付与ローラーとを設け、前記送りローラーと前記テンション付与ローラーを前記被印刷物の前記印刷方向に離隔して配置し、前記テンション付与ローラーによってテンションが付与された状態で印刷が行われテンションが解除された前記被印刷物を前記送りローラーによって前記印刷方向へ送って前記相違量を検出するようにしている。
【0029】
従って、被印刷物に対する印刷と相違量の検出を連続的に行うことができ、印刷動作の高速性及び印刷作業における作業性の向上を図ることができる。
【0030】
請求項4に記載した発明にあっては、前記テンション付与ローラーを前記送りローラーとして用いている。
【0031】
従って、部品点数の削減及び機能性の向上による機構の簡素化を図ることができる。
【0032】
請求項5に記載した発明にあっては、前記被印刷物に付与されるテンションを測定するテンション測定装置を設け、前記テンション測定装置の測定値に基づいて前記被印刷物に付与するテンションを制御するようにしている。
【0033】
従って、被印刷物に対してテンションを容易にかつ高い精度で付与することができる。
【0034】
本発明印刷方法は、弾性変形可能な被印刷物をテンション付与機構によって印刷方向に伸長させた状態で設計上の直径を有する基準版胴より大きな直径に形成された版胴による印刷を前記被印刷物に対して行い、印刷された前記被印刷物に対するテンションを解除して前記基準版胴によって印刷された基準印刷パターンと前記版胴によって印刷された印刷パターンとを比較して両者の相違量を検出し、テンションの付与が解除されたときに前記相違量がキャンセルされる大きさのテンションを前記テンション付与機構によって付与し、前記被印刷物を前記印刷方向に伸長させた状態で前記版胴による印刷を行うようにしている。
【0035】
従って、印刷パターンと基準印刷パターンの相違量がキャンセルされる大きさのテンションを付与して被印刷物を印刷方向に伸長させた状態で印刷を行うため、高精度な設備や精密な環境等を必要とせず高い印刷精度を確保することができ、製造コストの高騰を来たすことなく印刷精度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下に、本発明印刷装置及び印刷方法の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0037】
以下に示した最良の形態は、本発明印刷装置をグラビアオフセット印刷を行う印刷装置に適用し、本発明印刷方法をグラビアオフセット印刷を行う印刷装置による印刷方法に適用したものである。
【0038】
尚、本発明印刷装置及び印刷方法の適用範囲はそれぞれグラビアオフセット印刷を行う印刷装置及びグラビアオフセット印刷を行う印刷装置による印刷方法に限られることはない。本発明印刷装置及び印刷方法は、版胴の回転により印刷を行う各種の印刷装置及びこれらの印刷装置によって印刷を行う印刷方法に広く適用することができる。
【0039】
以下の説明にあっては、例として、ガラス基板等の被印刷物が上下方向を向く向きで配置された状態で方向を示すが、本発明の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0040】
[印刷装置の構成]
印刷装置1は、円筒状の版胴2とブランケットロール3と被印刷物100に対してテンションを付与するテンション付与機構4とニップロール5とを備えている(図1参照)。
【0041】
版胴2は設計上の直径を有する後述する基準版胴より僅かに大きな直径に形成されている。
【0042】
版胴2の外周面2aにはインクが充填される複数の凹部によって構成された所定のパターン2bが形成されている。パターン2bの各凹部には印刷用のインク200が充填される。インク200は図示しないインク供給装置から供給されてパターン2bの各凹部に充填され、不要なインク200はブレード6によって掻き取られる。
【0043】
ブランケットロール3は円筒状に形成され、外周部にゴム等の材料によって形成された転写部3aを有している。ブランケットロール3は版胴2の回転に伴って回転され、版胴2と同じ角速度で回転される。ブランケットロール3が回転されると、版胴2におけるパターン2bの各凹部に充填されたインク200が転写部3aに受理される。
【0044】
版胴2とブランケットロール3とブレード6は上下方向及び左右方向(印刷方向X)へ一体になって移動可能とされている。
【0045】
テンション付与機構4は、例えば、一対のクランパー4a、4aによって構成されている。クランパー4a、4aはそれぞれ被印刷物100の外周部を把持し被印刷物100に対して互いに反対方向へ引っ張り被印刷物100に印刷方向Xへのテンションを付与する。
【0046】
ニップロール5は被印刷物100を挟んでブランケットロール3の反対側に配置され、ブランケットロール3とともに被印刷物100を挟持した状態で回転しながらブランケットロール3と一体になって左右方向へ移動される。
【0047】
被印刷物100は、例えば、液晶ディスプレイ等に用いられる透明なガラス板であり、被印刷物100の一方の面には印刷装置1によって配線パターン(印刷パターン)が形成される。被印刷物100は弾性変形可能な材料によって形成されている。尚、被印刷物100としては、例えば、樹脂や金属によって形成された一定の弾性を有する平板状の部材を用いることも可能である。
【0048】
上記のように構成された印刷装置1において、パターン2bの各凹部にインク200が充填された版胴2が回転されると、ブランケットロール3とニップロール5が版胴2の回転に伴って回転されると共に一体になって印刷方向X(左方)へ移動される。
【0049】
版胴2とブランケットロール3の回転に伴ってインク200がブランケットロール3に受理され、ブランケットロール3に受理されたインク200が被印刷物100に転写されて印刷パターンが形成される。このとき被印刷物100を挟んでブランケットロール3の反対側に位置するニップロール5によって被印刷物100が押さえられ、ブランケットロール3による被印刷物100に対するインク200の良好な転写が行われる。
【0050】
[基準版胴と版胴]
上記したように、版胴2は設計上の直径Dsを有する基準版胴2sより僅かに大きな直径Dに形成されている(図2参照)。尚、図2には、基準版胴2sの直径Dsと版胴2の直径Dとの差を誇張して示してある。
【0051】
一般に、版胴の真円度や円筒度は比較的高い精度を確保し易いが、版胴の直径を設計上の直径に対して10μm程度より小さな誤差範囲になるように版胴を成形するこは困難であり、また、版胴の正確な直径を測定することも困難である。従って、版胴を母材から円筒状に削って加工する際に、設計上の直径に対して僅かに大きな直径を有する版胴が成形されることが一般である。
【0052】
また、版胴2の外周面に形成されるパターン2bは、版胴2の直径Dが設計上の直径Dsであることを前提に形成されるため、版胴2における直径Dの基準版胴2sにおける直径Dsに対する誤差が被印刷物100に対する印刷における寸法誤差として生じてしまう。
【0053】
従って、図3に示すように、基準版胴2sによって被印刷物100に形成された基準印刷パターンPs(図3の上段参照)と版胴2によって被印刷物100に形成された印刷パターンP(図3の下段参照)とを比較すると、印刷方向Xにおいて基準印刷パターンPsの幅Lsより印刷パターンPの幅Lが大きく形成される。尚、テンション付与機構4によってテンションが付与される前の被印刷物100の幅をHsとする(図3参照)。
【0054】
[印刷方法]
以下に、印刷装置1による印刷方法について説明する(図4乃至図14参照)。
【0055】
先ず、被印刷物100がクランパー4a、4aによって把持されて反対方向へ引っ張られ、印刷方向Xへのテンション(張力)が付与されて被印刷物100が弾性変形される(図4参照)。被印刷物100に付与されるテンションは比較的弱いテンションである。このときブランケットロール3は被印刷物100から上方に離隔され印刷開始位置に保持されている。
【0056】
尚、被印刷物100に付与されるテンションは、例えば、図示しないテンション測定装置の測定値に基づいて制御される。このように被印刷物100に付与されるテンションを測定するテンション測定装置を設け、テンション測定装置の測定値に基づいて被印刷物100に付与するテンションを制御しているため、被印刷物100に対してテンションを容易にかつ高い精度で付与することができる。
【0057】
次に、版胴2とブランケットロール3とブレード6が一体になって下方へ移動され、ブランケットロール3が初期位置に保持されているニップロール5の上方から被印刷物100に押し付けられる(図5参照)。従って、被印刷物100はブランケットロール3とニップロール5によって上下方向において挟持される。
【0058】
次いで、版胴2、ブランケットロール3及びニップロール5が回転されて被印刷物100に対する印刷が行われる(図6参照)。このとき被印刷物100は印刷方向Xに伸長されており、被印刷物100に形成された印刷パターンPaは、図7に示すように、印刷方向Xにおける幅Laが印刷パターンP(図3及び図7の各下段参照)の幅Lと同じであるが、被印刷物100の印刷方向Xにおける幅Hcが伸長された割合に応じて伸長前の幅Hsに対して大きくされている。被印刷物100は印刷方向Xにおける幅Haがテンション付与機構4によって幅Hsに対してx倍、例えば、1.02倍に伸長されているとする。
【0059】
尚、上記には、説明の便宜上、伸長された倍率xの例として1.02倍と言う大きな倍率を示したが、実際の倍率はこれよりも小さい数値である。また、以下に示す数値についても、同様に、説明の便宜上、実際の数値よりも大きな数値で示すこととする。
【0060】
被印刷物100に対する印刷が終了されると、版胴2とブランケットロール3とブレード6が一体になって上方へ移動され印刷開始位置に戻ると共にニップロール5が下方へ移動され初期位置に戻る。
【0061】
次いで、被印刷物100がテンプレート7上に載置されると共に被印刷物100の上方に印刷方向Xに離隔して基準合わせカメラ8と誤差検出カメラ9が位置される(図8参照)。テンプレート7の上面には基準版胴2sによって印刷された設計上の基準印刷パターンPsと図示しない基準マークとが形成されている。
【0062】
被印刷物100には図示しない位置合わせマークが形成されており、被印刷物100は基準合わせカメラ8の検出結果に基づいて位置合わせマークが基準マークに一致された状態でテンプレート7上に載置される。
【0063】
次に、被印刷物100に対するクランパー4a、4aの把持が解除され被印刷物100に対するテンションの付与が解除される(図9参照)。被印刷物100に対するテンションの付与が解除されると、印刷方向Xに伸長されていた被印刷物100が弾性復帰し、印刷パターンPaの幅Laが小さくなり幅Lbの印刷パターンPbが形成される(図10参照)。版胴2は直径Dが基準版胴2sの直径Dsより大きいため、印刷パターンPbは幅Lbがテンプレート7に形成された基準印刷パターンPsの幅Lsより大きくされている。
【0064】
尚、印刷パターンPbと基準印刷パターンPsは実際には一部が重ね合わされるが、図10においては、理解を容易にするために、重ね合わされた部分を稍ずらした状態で示している(図14についても同じ)。
【0065】
このとき誤差検出カメラ9によって印刷パターンPbの幅Lbと基準印刷パターンPsの幅Lsとの相違量(誤差)が検出される。幅Lbが幅Lsに対してy倍、例えば、1.01倍(相違量が1/100)であったことが検出されると、この相違量に基づいて版胴2の直径Dと基準版胴2sの直径Dsとの比をx×y=1.02×1.01によって1.0302と算出することが可能である。従って、版胴2の直径Dは基準版胴2sの直径Dsに対して1.0302倍であることが算出される。
【0066】
次いで、印刷がされていない新たな被印刷物100がクランパー4a、4aによって把持される(図11参照)。被印刷物100はクランパー4a、4aによって反対方向へ引っ張られ、印刷方向Xへのテンションが付与されて弾性変形される。被印刷物100に付与されるテンションは、誤差検出カメラ9によって検出された相違量(誤差)に基づいて算出された大きさであり、被印刷物100が印刷方向Xに1.0302倍に伸長される大きさである。このときブランケットロール3は被印刷物100から上方に離隔して位置されている。
【0067】
次に、再び、版胴2とブランケットロール3とブレード6が一体になって下方へ移動されて被印刷物100がブランケットロール3とニップロール5によって上下方向において挟持される。
【0068】
次いで、版胴2、ブランケットロール3及びニップロール5が回転されて被印刷物100に対する印刷が行われる(図12参照)。このとき被印刷物100が印刷方向Xにおいて1.0302倍に伸長されて幅Hcとされているため、被印刷物100に形成された印刷パターンPc(図13参照)は幅Lcが基準印刷パターンPsの幅Lsの1.0302倍で形成される。
【0069】
被印刷物100に対する印刷が終了されると、版胴2とブランケットロール3とブレード6が一体になって上方へ移動されると共にニップロール5が下方へ移動されて被印刷物100から退避される。
【0070】
次いで、被印刷物100が、再度、テンプレート7上に載置されると共に被印刷物100の上方に印刷方向Xに離隔して基準合わせカメラ8と誤差検出カメラ9が位置される。被印刷物100は基準合わせカメラ8の検出結果に基づいて位置合わせマークが基準マークに一致された状態でテンプレート7上に載置される。
【0071】
次に、被印刷物100に対するクランパー4a、4aの把持が解除されて被印刷物100に対するテンションの付与が解除される。被印刷物100に対するテンションの付与が解除されると、印刷方向Xに伸長されていた被印刷物100が弾性復帰し、印刷パターンPcの幅Lcが小さくされて幅Ldの印刷パターンPdとされる(図14参照)。被印刷物100が弾性復帰された状態においては、被印刷物100の幅Hcが弾性変形される前の状態に比し印刷方向Xにおいて1/1.0302倍に収縮されるため、印刷パターンPdの幅Ldが基準印刷パターンPsの幅Lsに一致される。従って、設計に合致した印刷パターンが被印刷物100に形成される。
【0072】
尚、上記には、2回目の印刷により印刷パターンが基準版胴2sによって形成される基準印刷パターンPsに合致する場合を示したが、カメラの検出誤差等の各種の誤差によって2回目の印刷による印刷パターンが基準印刷パターンPsに許容される誤差範囲内で合致しない可能性もある。この場合には、例えば、誤差検出カメラ9による検出及び形成された印刷パターンと基準印刷パターンPsとの比較等を繰り返し行い、印刷パターンが基準印刷パターンPsに許容される誤差範囲内で合致させるようにすることも可能である。
【0073】
また、上記には、被印刷物100に付与するテンションの大きさを誤差検出カメラ9によって検出された相違量(誤差)に基づいて算出する例を示したが、テンションの大きさを算出することなく、被印刷物100を伸長させる寸法を算出し、この寸法に伸長されるように被印刷物100にテンションを付与することも可能である。
【0074】
さらに、上記には、ニップロール5を用いて被印刷物100に印刷を行う例を示したが、例えば、図15に示すように、印刷時にニップロール5に代えて、被印刷物100をチャッキングテーブル10に載置し、真空チャッキングや静電チャッキングによって被印刷物100を吸引した状態で印刷することも可能である。
【0075】
加えて、上記には、被印刷物100が透明材料である場合に設計上の基準印刷パターンPsが形成されたテンプレート7を用いて印刷パターンの誤差検出を行う例を示したが、被印刷物100が非透明な樹脂や金属等の場合には、例えば、形成された印刷パターンを反射させて設計上の印刷パターンと比較し誤差検出を行うことが可能である。
【0076】
[印刷装置の変形例及びその印刷方法]
以下に、変形例に係る印刷装置1Aについて説明する(図16乃至図20参照)。
【0077】
尚、以下に示す印刷装置1Aは、上記した印刷装置1と比較して、クランパーとしてローラーが用いられていること及び被印刷物を送る送りローラーが設けられていることのみが相違するため、印刷装置1と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については印刷装置1における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0078】
印刷装置1Aは、版胴2とブランケットロール3と被印刷物100に対してテンションを付与するテンション付与機構4Aとニップロール5とを備えている(図16参照)。
【0079】
テンション付与機構4Aは、印刷方向Xに離隔して配置された上下各一対のテンション付与ローラー4b、4b、・・・によって構成されている。上下に位置するテンション付与ローラー4b、4bは被印刷物100を挟んだ反対側に位置されている。右側の上方側に位置するテンション付与ローラー4bは被印刷物100に離接する方向(上下方向)へ移動可能とされている。
【0080】
左側のテンション付与ローラー4b、4bと右側のテンション付与ローラー4b、4bの間には、版胴2とブランケットロール3とニップロール5が配置されている。
【0081】
例えば、左側に位置する一対のテンション付与ローラー4b、4bが被印刷物100を左方へ送る方向へ回転され、右側に位置する一対のテンション付与ローラー4b、4bが被印刷物100を右方へ送る方向へ回転されると、被印刷物100にテンションが付与される。また、左側に位置する一対のテンション付与ローラー4b、4bが被印刷物100を左方又は右方へ送る方向へ回転され、右側に位置する一対のテンション付与ローラー4b、4bが被印刷物100を同じく左方又は右方へ送る方向へ回転されると、被印刷物100が左方又は右方へ送られ、この場合にはテンション付与ローラー4b、4b、・・・が送りローラーとして機能する。
【0082】
このように印刷装置1Aにあっては、テンション付与機構4Aのテンション付与ローラー4b、4b、・・・が送りローラーとしても機能するため、部品点数の削減及び機能性の向上による機構の簡素化を図ることができる。
【0083】
印刷装置1Aには、一方のテンション付与ローラー4b、4b、例えば、右側に位置するテンション付与ローラー4b、4bの右方にテンプレート7と基準合わせカメラ8と誤差検出カメラ9が配置されている。テンプレート7は上下方向へ移動可能とされている。
【0084】
テンプレート7を挟んでテンション付与ローラー4b、4bの反対側には送りローラー11、11が上下に位置されている。送りローラー11、11は被印刷物100を挟んだ反対側に位置され、上側の送りローラー11が上下方向へ移動可能とされている。
【0085】
以下に、印刷装置1Aによる印刷方法について説明する(図16乃至図20参照)。
【0086】
先ず、被印刷物100がテンション付与ローラー4b、4b、・・・によって挟持されて反対方向へ引っ張られ、印刷方向Xへのテンション(張力)が付与されて被印刷物100が弾性変形される(図16参照)。被印刷物100に付与されるテンションは比較的弱いテンションである。
【0087】
被印刷物100はブランケットロール3とニップロール5によって上下方向において挟持され、版胴2、ブランケットロール3及びニップロール5が回転されて被印刷物100に対する印刷が行われる。このとき被印刷物100は印刷方向Xに伸長されており、被印刷物100に形成された印刷パターンPaは、印刷方向Xにおける幅Laが印刷パターンP(図3の下段参照)の幅Lと同じであるが、被印刷物100の印刷方向Xにおける幅が伸長された割合に応じて大きくされている。
【0088】
印刷時にはテンプレート7が被印刷物100から下方へ離隔して位置されている。
【0089】
被印刷物100に対する印刷が終了されると、図17及び図18に示すように、版胴2とブランケットロール3とブレード6が一体になって上方へ移動され回転開始位置に戻りニップロール5が初期位置に戻る。
【0090】
次いで、被印刷物100に対するテンション付与機構4Aによるテンションの付与が解除され、印刷方向Xに伸長されていた被印刷物100が弾性復帰し、印刷パターンPaの幅Laが小さくなり幅Lbの印刷パターンPbが形成される。このとき右側の上方側に位置するテンション付与ローラー4bが上方へ移動されて被印刷物100から退避される
次に、左側に位置するテンション付与ローラー4b、4bと送りローラー11、11が回転されて被印刷物100がテンプレート7側へ送られる(図18参照)。
【0091】
被印刷物100は印刷パターンPbがテンプレート7の上方に位置されたところで移動が停止される(図19参照)。このときテンプレート7が上方へ移動され、被印刷物100は基準合わせカメラ8の検出結果に基づいて位置合わせマークが基準マークに一致された状態でテンプレート7上に位置される。
【0092】
印刷パターンPbがテンプレート7の上方に位置されると、誤差検出カメラ9によって印刷パターンPbの幅Lbと基準印刷パターンPsの幅Lsとの相違量(誤差)が検出され、この相違量に基づいて版胴2における直径Dの基準版胴2sにおける直径Dsに対する比が算出される。
【0093】
次いで、右側の上方側に位置するテンション付与ローラー4bが下方へ移動され、再び、被印刷物100がテンション付与ローラー4b、4b、・・・によって挟持されて反対方向へ引っ張られ、印刷方向Xへのテンションが付与されて被印刷物100が弾性変形される。被印刷物100に付与されるテンションは、誤差検出カメラ9によって検出された相違量(誤差)に基づいて算出された大きさである。このときテンプレート7は下方へ移動され被印刷物100から下方へ離隔して位置される。
【0094】
次に、再び、版胴2とブランケットロール3とブレード6が一体になって下方へ移動されて被印刷物100がブランケットロール3とニップロール5によって上下方向において挟持される。
【0095】
次いで、版胴2、ブランケットロール3及びニップロール5が回転されて被印刷物100に対する印刷が行われる(図20参照)。このとき被印刷物100が印刷方向Xにおいて直径Dの直径Dsに対する倍率分だけ伸長されているため、被印刷物100に形成された印刷パターンPcは幅Lcが基準印刷パターンPsの幅Lsに対して、直径Dの直径Dsに対する倍率分の幅で形成される。
【0096】
被印刷物100に対する印刷が終了されると、版胴2とブランケットロール3とブレード6が一体になって上方へ移動され回転開始位置に戻りニップロール5が初期位置に戻る。
【0097】
次いで、被印刷物100に対するテンション付与機構4Aによるテンションの付与が解除され、印刷方向Xに伸長されていた被印刷物100が弾性復帰し、印刷パターンPcの幅Lcが小さくなり幅Ldの印刷パターンPdが形成される。このとき右側の上方側に位置するテンション付与ローラー4bが上方へ移動されて被印刷物100から退避される。
【0098】
被印刷物100が弾性復帰された状態においては、印刷パターンPdの幅Ldが基準印刷パターンPsの幅Lsに一致される。従って、設計に合致した印刷パターンが被印刷物100に形成される。
【0099】
尚、印刷装置1Aにおいても印刷装置1と同様に、2回目の印刷により印刷パターンが基準版胴2sによって形成される基準印刷パターンPsに合致する場合を示したが、カメラの検出誤差等の各種の誤差によって2回目の印刷による印刷パターンが基準印刷パターンPsに許容される誤差範囲内で合致しない可能性もある。この場合には、例えば、誤差検出カメラ9による検出及び形成された印刷パターンと基準印刷パターンPsとの比較等を繰り返し行い、印刷パターンが基準印刷パターンPsに許容される誤差範囲内で合致させるようにすることも可能である。
【0100】
上記したように、印刷装置1Aにあっては、被印刷物100を印刷方向Xへ送る送りローラー11、11とテンション付与機構4Aとして機能するテンション付与ローラー4b、4b、・・・とを設け、被印刷物100を印刷方向Xへ送って印刷パターンと基準印刷パターンPsの相違量を検出している。
【0101】
従って、被印刷物100に対する印刷と相違量の検出を連続的に行うことができ、印刷動作の高速性及び印刷作業における作業性の向上を図ることができる。
【0102】
[まとめ]
以上に記載した通り、印刷装置1、1Aにあっては、テンション付与機構4、4Aによって被印刷物100を印刷方向Xに伸長させた状態で印刷を行い、印刷パターンと基準印刷パターンPsの相違量がキャンセルされる大きさのテンションを付与して被印刷物100を印刷方向Xに伸長させた状態で印刷を行うようにしている。
【0103】
従って、高精度な設備や精密な環境等を必要とせず高い印刷精度を確保することができ、製造コストの高騰を来たすことなく印刷精度の向上を図ることができる。
【0104】
また、被印刷物100として透明材料を用い、被印刷物100を挟んだ反対側に基準印刷パターンPsが印刷されたテンプレート7と相違量を検出する誤差検出カメラ9とが配置されている。
【0105】
従って、基準印刷パターンに対する印刷パターンの相違量の検出が容易であり、印刷の精度の向上及び印刷動作の高速化を図ることができる。
【0106】
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】図2乃至図20と共に本発明印刷装置及び印刷方法の実施の形態を示すものであり、本図は、印刷装置の概略側面図である。
【図2】基準版胴と版胴の大きさを比較して示す概念図である。
【図3】基準版胴と版胴による印刷パターンを示すものであり、上段は基準版胴による印刷パターンを示す概念図であり、下段は版胴による印刷パターンを示す概念図である。
【図4】図5乃至図14と共に印刷方法を示すものであり、本図は、テンション付与機構によって被印刷物にテンションが付与された状態を示す概略側面図である。
【図5】図4に引き続き版胴等が下方へ移動されブランケットロールが被印刷物に接した状態を示す概略側面図である。
【図6】図5に引き続き被印刷物に対して印刷が行われている状態を示す概略側面図である。
【図7】被印刷物にテンションが付与された状態で形成された印刷パターンとテンションが付与されていない状態で形成された印刷パターンとの関係を示す概念図である。
【図8】図6に引き続き被印刷物がテンプレートに載置された状態を示す概略側面図である。
【図9】図8に引き続き被印刷物に対するテンションの付与が解除された状態を示す概略側面図である。
【図10】被印刷物に対するテンションの付与が解除されて形成された印刷パターンと基準印刷パターンの関係を示す概念図である。
【図11】図9に引き続き、テンション付与機構によって新たな被印刷物にテンションが付与された状態を示す概略側面図である。
【図12】図11に引き続き被印刷物に対して印刷が行われている状態を示す概略側面図である。
【図13】被印刷物にテンションが付与された状態で形成された印刷パターンとテンションが付与されていない状態で形成された印刷パターンとの関係を示す概念図である。
【図14】被印刷物に対するテンションの付与が解除されて形成された印刷パターンと基準印刷パターンの関係を示す概念図である。
【図15】チャッキングテーブルに載置された被印刷物が吸引された状態で印刷が行われている状態を示す概略側面図である。
【図16】図17乃至図20と共に変形例に係る印刷装置及びその印刷方法を示すものであり、本図は、テンション付与機構によって被印刷物にテンションが付与された状態で印刷が行われている状態を示す概略側面図である。
【図17】図16に引き続き印刷が終了し版胴等が上方へ移動された状態を示す概略側面図である。
【図18】図17に引き続き被印刷物がテンプレート側へ送られている状態を示す概略側面図である。
【図19】図18に引き続き印刷パターンがテンプレートの上方に移動された状態を示す概略側面図である。
【図20】図19に引き続きテンション付与機構によって被印刷物に新たにテンションが付与された状態で印刷が行われている状態を示す概略側面図である。
【符号の説明】
【0108】
1…印刷装置、2…版胴、4…テンション付与機構、9…誤差検出カメラ、100…被印刷物、2s…基準版胴、1A…印刷装置、4A…テンション付与機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設計上の直径を有する基準版胴より大きな直径に形成された版胴と、
前記版胴の回転によって印刷される弾性変形可能な被印刷物に対して印刷方向に伸長させる向きのテンションを付与するテンション付与機構とを備え、
前記テンション付与機構によって前記被印刷物を前記印刷方向に伸長させた状態で前記版胴による印刷を行い、
印刷された前記被印刷物に対するテンションを解除して前記基準版胴によって印刷された基準印刷パターンと前記版胴によって印刷された印刷パターンとを比較して両者の相違量を検出し、
テンションの付与が解除されたときに前記相違量がキャンセルされる大きさのテンションを前記テンション付与機構によって付与し、前記被印刷物を前記印刷方向に伸長させた状態で前記版胴による印刷を行うようにした
印刷装置。
【請求項2】
前記被印刷物として透明材料を用い、
前記被印刷物を挟んだ反対側に前記基準印刷パターンが印刷されたテンプレートと前記相違量を検出する誤差検出カメラとを配置した
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記被印刷物を前記印刷方向へ送る送りローラーと、
前記テンション付与機構として機能するテンション付与ローラーとを設け、
前記送りローラーと前記テンション付与ローラーを前記被印刷物の前記印刷方向に離隔して配置し、
前記テンション付与ローラーによってテンションが付与された状態で印刷が行われテンションが解除された前記被印刷物を前記送りローラーによって前記印刷方向へ送って前記相違量を検出するようにした
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記テンション付与ローラーを前記送りローラーとして用いた
請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記被印刷物に付与されるテンションを測定するテンション測定装置を設け、
前記テンション測定装置の測定値に基づいて前記被印刷物に付与するテンションを制御するようにした
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
弾性変形可能な被印刷物をテンション付与機構によって印刷方向に伸長させた状態で設計上の直径を有する基準版胴より大きな直径に形成された版胴による印刷を前記被印刷物に対して行い、
印刷された前記被印刷物に対するテンションを解除して前記基準版胴によって印刷された基準印刷パターンと前記版胴によって印刷された印刷パターンとを比較して両者の相違量を検出し、
テンションの付与が解除されたときに前記相違量がキャンセルされる大きさのテンションを前記テンション付与機構によって付与し、前記被印刷物を前記印刷方向に伸長させた状態で前記版胴による印刷を行うようにした
印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−25018(P2012−25018A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−165260(P2010−165260)
【出願日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】