印刷装置
【課題】第1のパワーセーブモード移行時間及び第2のパワーセーブモード移行時間をあらかじめ設定し、切替手段を操作することによって、第1のパワーセーブモード移行時間と第2のパワーセーブモード移行時間とを切り替えることができるようにして、使用状況に応じて容易にパワーセーブモード移行時間を切り替えることができるようにする。
【解決手段】設定された第1のパワーセーブモード移行時間及び第2のパワーセーブモード移行時間の設定値を記憶する記憶部と、印刷を終了してからの経過時間をカウントするカウント部と、第1のパワーセーブモード移行時間又は第2のパワーセーブモード移行時間を選択する切替手段と、経過時間と設定値とを比較して、経過時間が第1のパワーセーブモード移行時間又は第2のパワーセーブモード移行時間のうちの選択された方の設定値以上であると、ヒータをオフにしてパワーセーブモードに移行する制御部とを有する。
【解決手段】設定された第1のパワーセーブモード移行時間及び第2のパワーセーブモード移行時間の設定値を記憶する記憶部と、印刷を終了してからの経過時間をカウントするカウント部と、第1のパワーセーブモード移行時間又は第2のパワーセーブモード移行時間を選択する切替手段と、経過時間と設定値とを比較して、経過時間が第1のパワーセーブモード移行時間又は第2のパワーセーブモード移行時間のうちの選択された方の設定値以上であると、ヒータをオフにしてパワーセーブモードに移行する制御部とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ等の印刷装置においては、定着ローラの温度制御のために、定着ローラが備えるヒータをオン/オフするようになっている。そして、印刷時には、印刷に必要な温度となるように定着ローラの温度制御を行い、待機時には、印刷情報を受信してから印刷するときに時間がかからないように、印刷時よりやや低い温度となるように定着ローラの温度制御を行う。また、印刷装置が所定時間以上印刷を行わない場合には、消費電力を少なくするために、定着ローラの温度制御を停止し、ヒータをオフにして、パワーセーブモードに移行させる。なお、前記所定時間の設定は、ユーザが操作パネル又はプリンタドライバを操作して入力することによって設定することができるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−206354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の印刷装置においては、使用状況に拘(かか)わらず、所定時間以上印刷を行わない場合にはパワーセーブモードに移行してしまうので、使い勝手が悪くなってしまう。例えば、会社、オフィス等では、昼間と夜間とで印刷装置の使用状況が大きく相違し、昼間は印刷量が多いのに対し、夜間は印刷量が少なくなる。そのため、昼間は、印刷スピードを優先するために、印刷を行わない時間が長時間であってもパワーセーブモードに移行しないこと、すなわち、前記所定時間が長いことが要求される。一方、夜間は、消費電力の低減を優先するために、印刷を行わない時間が短時間であってもパワーセーブモードに移行すること、すなわち、前記所定時間が短いことが要求される。そのため、ユーザは、印刷装置の使用状況に応じて、前記所定時間の設定を変更しなければならず、煩わしく感じてしまう。
【0004】
本発明は、前記従来の印刷装置の問題点を解決して、第1のパワーセーブモード移行時間及び第2のパワーセーブモード移行時間をあらかじめ設定し、切替手段を操作することによって、前記第1のパワーセーブモード移行時間と第2のパワーセーブモード移行時間とを切り替えることができるようにして、使用状況に応じて容易にパワーセーブモード移行時間を切り替えることができる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのために、本発明の印刷装置においては、第1のパワーセーブモード移行時間及び第2のパワーセーブモード移行時間を設定する入力部と、該入力部によって設定された第1のパワーセーブモード移行時間及び第2のパワーセーブモード移行時間の設定値を記憶する記憶部と、印刷を終了してからの経過時間をカウントするカウント部と、前記第1のパワーセーブモード移行時間又は第2のパワーセーブモード移行時間を選択する切替手段と、前記カウント部によってカウントされた経過時間と前記記憶部に記憶された設定値とを比較して、前記経過時間が第1のパワーセーブモード移行時間又は第2のパワーセーブモード移行時間のうちの前記切替手段によって選択された方の設定値以上であると、ヒータをオフにしてパワーセーブモードに移行する制御部とを有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、印刷装置は、第1のパワーセーブモード移行時間及び第2のパワーセーブモード移行時間をあらかじめ設定し、切替手段を操作することによって、前記第1のパワーセーブモード移行時間と第2のパワーセーブモード移行時間とを切り替えることができるようになっている。そのため、使用状況に応じて容易にパワーセーブモード移行時間を切り替えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0008】
図1は本発明の第1の実施の形態における印刷装置の構成を示すブロック図である。
【0009】
図において、10は印刷装置であり、該印刷装置10は印刷指示や印刷設定などを行う上位装置としての上位ホスト21に接続されている。ここで、前記印刷装置10は、前記上位ホスト21から受信した印刷データを印刷媒体としての用紙に印刷する装置である。なお、前記印刷装置10は、インクジェット式、電子写真式、熱転写式等いかなる種類の装置であってもよく、また、カラープリンタであってもよいし、モノクロプリンタであってもよいし、プリンタ、ファクシミリ機及び複写機の機能を併せ持つ複合機であってもよいが、ここでは、電子写真式のモノクロプリンタであるものとして説明する。
【0010】
そして、15はインターフェイス部であり、前記上位ホスト21から送信された印刷データを受信する受信部として機能する。また、インターフェイス部15は、入力部としても機能し、上位ホスト21内のプリンタドライバで設定されたパワーセーブモード移行時間の設定値などの情報も受信して入力するようになっている。
【0011】
また、12は制御部としてのコントローラ制御用LSIであり、印刷を終了してからの経過時間、すなわち、印刷が行われない時間をカウントするカウント部13を備えている。そして、前記コントローラ制御用LSI12は、各種演算を行う演算処理手段としてのCPU11と通信可能に接続され、該CPU11とともに、上位ホスト21から送信された印刷データの処理を行う。
【0012】
さらに、14は書き込み可能な不揮発性の記憶部としてのEEPROM(Electrically−Erasable Programmable ROM)であり、印刷装置10の電源を投入した際に必要となる情報や、電源をオフにしても記憶させておきたい各種の設定データを格納することができ、パワーセーブモード移行時間の設定値も格納される。また、印刷部18に印刷速度を設定するための情報を固定値として保持することもできる。
【0013】
さらに、16は制御部としてのエンジン制御用LSIであり、前記コントローラ制御用LSI12と相互に通信を行って、所定のタイミングで印刷部18を制御する。なお、前記エンジン制御用LSI16は、後述される定着ローラ44の温度を制御するためのヒータ19のオン/オフも行っている。また、前記コントローラ制御用LSI12、EEPROM14、インターフェイス部15及びエンジン制御用LSI16は、相互に通信可能に接続されている。
【0014】
そして、17は操作部としての操作パネルであり、印刷装置10の状態を示す表示部、及び、種々の設定を行うとともにパワーセーブモード移行時間を設定する入力部を有する。
【0015】
また、前記上位ホスト21は、例えば、CPU、MPU等の演算手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力手段、CRT、液晶ディスプレイ等の表示手段等を備えるパーソナルコンピュータ、サーバ等のコンピュータであるが、印刷装置10で印刷するための印刷データを作成することができる装置であればいかなる種類の装置であってもよく、PDA(Personal Digital Assistant)、電子手帳、ゲーム機等であってもよい。
【0016】
次に、前記操作パネル17の構成について説明する。
【0017】
図2は本発明の第1の実施の形態における操作パネルの構成を示す図である。
【0018】
図2に示されるように、操作パネル17は、情報を表示するための表示部としてのLCD(Liquid Crystal Display)31、メニュー設定モードへ移行するためのメニューキー32、該メニューキー32によって表示されたメニューの項目や設定項目を選択するためのセレクトキー33、該セレクトキー33によって選択された項目の決定を行う決定キー34、及び、パワーセーブモード移行時間の設定を切り替えるための切替手段としてのパワーセーブ変更キー35を備えている。
【0019】
次に、前記構成の印刷装置10の動作について説明する。まず、印刷部18における印刷プロセスについて説明する。
【0020】
図3は本発明の第1の実施の形態における印刷装置の印刷プロセスの概略を示す図である。
【0021】
ここで、印刷部18は、図3に示されるように、露光装置としてのLED(Light Emitting Diode)ヘッド43を有するものであるとする。すなわち、印刷装置10がLEDヘッド43による露光プロセスを含む電子写真式の印刷プロセスを行うLEDプリンタであるものとして説明する。
【0022】
そして、前記印刷部18は、像担持体としての感光体ドラム41、該感光体ドラム41の周囲に配設され、該感光体ドラム41の表面に電気を供給してマイナス電荷を帯電させる帯電ローラ42、帯電された感光体ドラム41の表面に選択的に光を照射して静電潜像を形成する露光装置としてのLEDヘッド43、静電潜像が形成された感光体ドラム41の表面に現像剤としてのトナーを付着させて現像する現像ローラ46、該現像ローラ46にトナーを供給するトナー供給ローラ47、前記感光体ドラム41と対向させて配設され、図示されない搬送装置によって搬送される印刷媒体としての用紙にトナー像を転写する転写ローラ48、及び、用紙にトナー像を転写した後に感光体ドラム41の表面に残留したトナーを除去するクリーニングローラ49を有する。また、用紙にトナー像を定着させる定着器は、ヒータ19によって加熱される定着ローラ44、及び、該定着ローラ44に圧接し従動回転するバックアップローラ45を有する。
【0023】
印刷プロセスにおいては、帯電ローラ42によって感光体ドラム41の表面に電荷を蓄える帯電プロセスが行われ、LEDヘッド43によって感光体ドラム41上の画像データを形成する位置に光を照射して静電潜像を形成する露光プロセスが行われ、現像ローラ46によって感光体ドラム41上の静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像プロセスが行われ、転写ローラ48によって感光体ドラム41上のトナー像を用紙に転写させる転写プロセスが行われる。そして、トナー像が転写された用紙を定着器の定着ローラ44とバックアップローラ45との間を通して、熱と圧力とによってトナーを溶融させて用紙に定着させる定着プロセスが行われる。なお、定着ローラ44の温度制御は、ヒータ19をオン/オフすることによって行う。これらのプロセスを経て印刷が完了する。
【0024】
次に、定着ローラ44の温度制御について説明する。
【0025】
図4は本発明の第1の実施の形態における印刷装置の動作状態、定着ローラの温度及びヒータのオン/オフの関係を示した図である。
【0026】
まず、印刷装置10の動作状態が印刷であるときには、定着ローラ44の温度をT1〔℃〕にするためにヒータ19のオン/オフを繰り返す。また、印刷装置10の動作状態が待機であるときには、定着ローラ44の温度を印刷であるときよりやや低い温度であるT2〔℃〕にするようにヒータ19のオン/オフを繰り返す。なお、印刷装置10の動作状態が待機である時間の長さ、すなわち、パワーセーブモード移行時間の長さを印刷装置10のユーザは設定することができる。そして、設定したパワーセーブモード移行時間が経過すると、印刷装置10の運転状態がパワーセーブモードになり、ヒータ19をオフにして定着ローラ44の温度制御を停止する。印刷装置10における消費電力のほとんどはヒータ19によるものなので、該ヒータ19をオフにすることで印刷装置10の消費電力を抑えることができる。
【0027】
本実施の形態において、ユーザは、操作パネル17又は上位ホスト21内のプリンタドライバを使用することによって、第1のパワーセーブモード移行時間及び第2のパワーセーブモード移行時間を設定することができる。ここで、第1のパワーセーブモード移行時間が印刷量が多い昼間用のパワーセーブモード移行時間であるとすると、昼間は印刷スピードを優先するために、印刷を行わない時間が長時間であってもパワーセーブモードに移行しないことが望ましいので、第1のパワーセーブモード移行時間を比較的長い時間である第1の設定値として、例えば、120分に設定する。
【0028】
また、第2のパワーセーブモード移行時間が印刷量が少ない夜間用のパワーセーブモード移行時間であるとすると、夜間は印刷装置10の消費電力を低減することを優先するために、印刷を行わない時間が短時間であってもパワーセーブモードに移行することが望ましいので、第2のパワーセーブモード移行時間を比較的短い時間である第2の設定値として、例えば、15分に設定する。
【0029】
そして、前記第1のパワーセーブモード移行時間及び第2のパワーセーブモード移行時間の設定値は、操作パネル17から入力された場合、エンジン制御用LSI16からコントローラ制御用LSI12へ送信される。そして、該コントローラ制御用LSI12は前記設定値をEEPROM14に格納する。また、前記設定値は、上位ホスト21内のプリンタドライバから入力された場合、インターフェイス部15を介してコントローラ制御用LSI12へ送信される。そして、該コントローラ制御用LSI12は前記設定値をEEPROM14に格納する。
【0030】
次に、印刷装置10がパワーセーブモードに移行する動作について説明する。
【0031】
図5は本発明の第1の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示す第1のタイムチャート、図6は本発明の第1の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示す第1のフローチャートである。
【0032】
ここでは、パワーセーブ変更キー35が操作されない、すなわち、押下されないときの動作について説明する。なお、パワーセーブ変更キー35が押下されないときは第1のパワーセーブモード移行時間が有効となっており、設定されたパワーセーブモード移行時間は、第1の設定値としての120分であるとする。
【0033】
図5に示されるように、印刷装置10が印刷を終了すると(時刻:t01、ステップS1)、印刷を終了した時刻からの経過時間をコントローラ制御用LSI12内のカウント部13がカウントする(ステップS2)。そして、コントローラ制御用LSI12はカウントした値が第1の設定値である120分を超えたか否かの判断を繰り返して行う(ステップS3)。そして、カウントした値が第1の設定値である120分を超えると(時刻:t02)、パワーセーブモードをオンにし(ステップS4)、その情報をエンジン制御用LSI16に送信される。すると、該エンジン制御用LSI16は、定着ローラ44の温度制御を停止してヒータ19をオフにする。
【0034】
そして、パワーセーブモードがオンの間に印刷データを上位ホスト21から受信すると(時刻:t03、ステップS5)、インターフェイス部15は受信した印刷データをコントローラ制御用LSI12に送信する。すると、該コントローラ制御用LSI12は、パワーセーブモードオフの情報をエンジン制御用LSI16に送信する。そして、パワーセーブモードオフの情報を受信したエンジン制御用LSI16は、ヒータ19をオンにして定着ローラ44の温度制御を行い、パワーセーブモードが解除される(ステップS6)。そして、上位ホスト21から受信した印刷データの印刷が行われる。その後、印刷が終了すると(時刻:t04)、再びカウント部13は、印刷を終了した時刻(時刻:t04、ステップS7)からの経過時間をカウントする。そして、コントローラ制御用LSI12は、カウントした値が第1の設定値である120分を超えると(時刻:t05)、再び、パワーセーブモードをオンにする。以降、前述の動作が繰り返して行われる。
【0035】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 印刷が終了する。
ステップS2 カウント部13がカウントする。
ステップS3 カウントした値が第1の設定値である120分を超えたか否かを判断する。カウントした値が第1の設定値である120分を超えた場合はステップS4に進み、カウントした値が第1の設定値である120分を超えていない場合はステップS2に戻る。
ステップS4 ヒータ19をオフにしてパワーセーブモードをオンにする。
ステップS5 印刷データを上位ホスト21から受信したか否かを判断する。印刷データを上位ホスト21から受信した場合はステップS6に進み、印刷データを上位ホスト21から受信していない場合はステップS4に戻る。
ステップS6 ヒータ19をオンにしてパワーセーブモードを解除する。
ステップS7 印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了した場合はステップS2に戻り、印刷が終了していない場合はステップS6に戻る。
【0036】
次に、パワーセーブ変更キー35が押下されたときの動作について説明する。
【0037】
図7は本発明の第1の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示す第2のタイムチャート、図8は本発明の第1の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示す第3のタイムチャート、図9は本発明の第1の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示す第2のフローチャートである。
【0038】
まず、印刷装置10が印刷を行っていない待機中にパワーセーブ変更キー35が操作された、すなわち、押下されたときの動作について説明する。
【0039】
図7に示されるように、印刷が終了した(時刻:t11)後の待機中にパワーセーブ変更キー35が押下されると(時刻:t12、ステップS16)、この情報はエンジン制御用LSI16に送信される。すると、該エンジン制御用LSI16はヒータ19をオフにして定着ローラ44の温度制御を停止し、パワーセーブモードがオンになる(ステップS21)。また、同時に、パワーセーブ変更キー35が押下された情報は、コントローラ制御用LSI12に送信される。
【0040】
この状態、すなわち、パワーセーブモードがオンの間に上位ホスト21から印刷データを受信すると(時刻:t13、ステップS23)、図5に示される場合と同様に、エンジン制御用LSI16は、ヒータ19をオンにして定着ローラ44の温度制御を行い、パワーセーブモードが解除される(ステップS24)。そして、上位ホスト21から受信した印刷データの印刷が行われる。
【0041】
その後、印刷が終了すると(時刻:t14、ステップS25)、再びカウント部13は、印刷を終了した時刻からの経過時間のカウントを開始する(ステップS27)。そして、コントローラ制御用LSI12はカウントした値が第2の設定値である15分を超えたか否かの判断を行う(ステップS29)。そして、カウントした値が第2の設定値である15分を超えると(時刻:t15)、その情報をエンジン制御用LSI16に送信する。すると、該エンジン制御用LSI16は、ヒータ19をオフにして定着ローラ44の温度制御を停止し、パワーセーブモードがオンになる(ステップS21)。
【0042】
また、第2の設定値が有効な場合に、再度パワーセーブ変更キー35が押下されると(時刻:t16、ステップS22、S26又はS28)、この情報はエンジン制御用LSI16に送信され、さらに、該エンジン制御用LSI16からコントローラ制御用LSI12に送信される。ここで、前記再度のパワーセーブ変更キー35の押下がパワーセーブモードがオンの間になされたとき(ステップS22)は、上位ホスト21から印刷データを受信すると(時刻:t17、ステップS12)、エンジン制御用LSI16は、ヒータ19をオンにして定着ローラ44の温度制御を行い、パワーセーブモードが解除され(ステップS13)、上位ホスト21から受信した印刷データの印刷が行われる。そして、印刷が終了すると(時刻:t18、ステップS14)、カウント部13は印刷を終了した時刻からの経過時間のカウントを開始する(ステップS15)。また、前記再度のパワーセーブ変更キー35の押下が印刷中になされたとき(ステップS26)は、印刷終了後、カウント部13は、印刷を終了した時刻からの経過時間のカウントを開始する(ステップS15)。さらに、前記再度のパワーセーブ変更キー35の押下が印刷中になされたとき(ステップS28)は、カウント部13は、そのままカウントを継続する(ステップS15)。そして、コントローラ制御用LSI12は、カウントした値が第1の設定値である120分を超えたか否かの判断を繰り返して行い(ステップS17)、120分を超えればパワーセーブモードをオンにする(時刻:t19、ステップS11)。
【0043】
次に、印刷装置10が印刷を行っている印刷中にパワーセーブ変更キー35が押下されたときの動作について説明する。
【0044】
図8に示されるように、印刷中にパワーセーブ変更キー35が押下されると(時刻:t21、ステップS19)、この情報はエンジン制御用LSI16に送信される。印刷中は印刷動作を優先するので、エンジン制御用LSI16は、ヒータ19をオンにして定着ローラ44の温度制御を行う。
【0045】
そして、印刷が終了すると(時刻:t22、ステップS20)、パワーセーブ変更キー35が押下された情報がコントローラ制御用LSI12に送信される。また、同時に、エンジン制御用LSI16は、ヒータ19をオフにして定着ローラ44の温度制御を停止し、パワーセーブモードがオンになる(ステップS21)。なお、この状態で上位ホスト21から印刷データを受信し(時刻:t23)、その後、再びパワーセーブモードに移行する動作は、図7に示される場合と同様であるので、説明を省略する。
【0046】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 ヒータ19をオフにしてパワーセーブモードをオンにする。
ステップS12 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS13に進み、印刷データを受信しない場合はステップS11に戻る。
ステップS13 ヒータ19をオンにしてパワーセーブモードを解除する。
ステップS14 印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了した場合はステップS15に進み、印刷が終了していない場合はステップS19に進む。
ステップS15 カウント部13は印刷を終了した時刻からの経過時間のカウントを開始する。
ステップS16 パワーセーブ変更キー35が押下されたか否かを判断する。パワーセーブ変更キー35が押下された場合はステップS21に進み、パワーセーブ変更キー35が押下されていない場合はステップS17に進む。
ステップS17 カウントした値が第1の設定値である120分を超えたか否かを判断する。カウントした値が第1の設定値である120分を超えた場合はステップS11に戻り、カウントした値が第1の設定値である120分を超えていない場合はステップS18に進む。
ステップS18 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS13に戻り、印刷データを受信しない場合はステップS15に戻る。
ステップS19 印刷中にパワーセーブ変更キー35が押下されたか否かを判断する。パワーセーブ変更キー35が押下された場合はステップS20に進み、パワーセーブ変更キー35が押下されていない場合はステップS13に戻る。
ステップS20 印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了した場合はステップS21に進み、印刷が終了していない場合は待機する。
ステップS21 ヒータ19をオフにしてパワーセーブモードをオンにする。
ステップS22 再度パワーセーブ変更キー35が押下されたか否かを判断する。再度パワーセーブ変更キー35が押下された場合はステップS12に戻り、再度パワーセーブ変更キー35が押下されていない場合はステップS23に進む。
ステップS23 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS24に進み、印刷データを受信していない場合はステップS21に戻る。
ステップS24 ヒータ19をオンにしてパワーセーブモードを解除する。
ステップS25 印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了した場合はステップS26に進み、印刷が終了していない場合はステップS24に戻る。
ステップS26 印刷中に再度パワーセーブ変更キー35が押下されたか否かを判断する。印刷中に再度パワーセーブ変更キー35が押下された場合はステップS15に戻り、印刷中に再度パワーセーブ変更キー35が押下されていない場合はステップS27に進む。
ステップS27 カウント部13は印刷を終了した時刻からの経過時間のカウントを開始する。
ステップS28 再度パワーセーブ変更キー35が押下されたか否かを判断する。再度パワーセーブ変更キー35が押下された場合はステップS15に戻り、再度パワーセーブ変更キー35が押下されていない場合はステップS29に進む。
ステップS29 カウントした値が第2の設定値である15分を超えたか否かを判断する。カウントした値が第2の設定値である15分を超えた場合はステップS21に戻り、カウントした値が第2の設定値である15分を超えていない場合はステップS30に進む。
ステップS30 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS24に戻り、印刷データを受信していない場合はステップS27に戻る。
【0047】
このように、本実施の形態においては、パワーセーブモード移行時間として、第1の設定値及び第2の設定値を設定することができ、前記第1の設定値と第2の設定値とを切り替えるための切替手段としてパワーセーブ変更キー35が操作パネル17上に設けられている。そのため、昼間と夜間との場合のように、パワーセーブモード移行時間を変更させたい場合に容易に変更することができる。
【0048】
また、印刷中にパワーセーブ変更キー35が押下された場合には、印刷終了後に直ちにパワーセーブモードに移行するようになっている。そのため、ユーザが、大量の印刷データを印刷装置10に送信した後にパワーセーブ変更キー35を押下し、その場を離れてしまっても、印刷装置10の消費電力を極力抑えることができる。
【0049】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び効果についても、その説明を省略する。
【0050】
図10は本発明の第2の実施の形態における印刷装置の構成を示すブロック図、図11は本発明の第2の実施の形態における操作パネルを示す図である。なお、図11(a)は操作パネルの構成を示し、図11(b)はパワーセーブ変更キーを押し続けることに伴うLCDの表示内容の変化を示している。
【0051】
本実施の形態において、コントローラ制御用LSI12は、印刷が終了してからの経過時間をカウントする第1カウント部13aと、第2のパワーセーブモード移行時間の設定値である第2の設定値が有効である時間をカウントする第2カウント部13bとを備える。また、図11(b)に示されるように、操作パネル17のパワーセーブ変更キー35を押下することによって、第2の設定値が有効な時間を設定することができるようになっている。なお、その他の点における構成は、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0052】
次に、本実施の形態における印刷装置10の動作について説明する。なお、第1のパワーセーブモード移行時間及び第2のパワーセーブモード移行時間を設定し、第1の設定値及び第2の設定値がEEPROM14に格納されるまでの動作は、前記第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0053】
図12は本発明の第2の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示すタイムチャート、図13は本発明の第2の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示すフローチャートである。
【0054】
本実施の形態においては、パワーセーブ変更キー35を押し続ける、すなわち、長押下することによって第2の設定値が有効な時間を設定するが、この動作は、前記第1の実施の形態におけるパワーセーブモード移行時間を切り替える動作も兼ねている。つまり、第2の設定値が有効な時間を設定すると、同時に、パワーセーブモード移行時間は第2の設定値が有効になる。なお、パワーセーブ変更キー35を長押下して第2の設定値が有効な間の動作は、パワーセーブ変更キー35の長押下が待機中になされた場合には前記第1の実施の形態における図7に示される動作と同様であり、パワーセーブ変更キー35の長押下が印刷中になされた場合には前記第1の実施の形態における図8に示される動作と同様であるので、説明を省略する。
【0055】
また、パワーセーブ変更キー35を押下するときの動作は、図11(b)に示されるように、パワーセーブ変更キー35を長押下して第2の設定値が有効な時間を設定する。ここでは、ユーザが、夜帰宅時に押下して翌朝出勤時に解除することを想定し、第2の設定値が有効な時間の設定時間が12時間であるものとする。そして、該設定時間の値は、エンジン制御用LSI16からコントローラ制御用LSI12へ送信され、該コントローラ制御用LSI12が前記設定時間の値をEEPROM14へ格納する。
【0056】
それと同時に、第2カウント部13bはカウントを開始する(時刻:t32、ステップS41)。すると、コントローラ制御用LSI12は定期的に第2カウント部13bのカウントした値とEEPROM14に格納された前記設定時間の値との比較を行う。そして、第2カウント部13bのカウントした値が前記設定時間である12時間を超えた時点で(時刻:t39、ステップS43、S47又はS49)、パワーセーブモード移行時間として、第1の設定値である120分が有効になる。その後、上位ホスト21から印刷データを受信すると(時刻:t40、ステップS32)、エンジン制御用LSI16は、ヒータ19をオンにして定着ローラ44の温度制御を行い、パワーセーブモードが解除され(ステップS33)、上位ホスト21から受信した印刷データの印刷が行われる。続いて、印刷が終了すると(時刻:t41、ステップS34)、第1カウント部13aはカウントを開始する。そして、カウントした値が第1の設定値である120分を超えたか否かの判断を行い(ステップS37)、120分を超えると、パワーセーブモードをオンにする(時刻:t42、ステップS31)。
【0057】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS31 ヒータ19をオフにしてパワーセーブモードをオンにする。
ステップS32 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS33に進み、印刷データを受信しない場合はステップS31に戻る。
ステップS33 ヒータ19をオンにしてパワーセーブモードを解除する。
ステップS34 印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了した場合はステップS35に進み、印刷が終了していない場合はステップS39に進む。
ステップS35 第1カウント部13aは印刷を終了した時刻からの経過時間のカウントを開始する。
ステップS36 パワーセーブ変更キー35が押下されたか否かを判断する。パワーセーブ変更キー35が押下された場合はステップS41に進み、パワーセーブ変更キー35が押下されていない場合はステップS37に進む。
ステップS37 カウントした値が第1の設定値である120分を超えたか否かを判断する。カウントした値が第1の設定値である120分を超えた場合はステップS31に戻り、カウントした値が第1の設定値である120分を超えていない場合はステップS38に進む。
ステップS38 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS33に戻り、印刷データを受信しない場合はステップS35に戻る。
ステップS39 パワーセーブ変更キー35が押下されたか否かを判断する。パワーセーブ変更キー35が押下された場合はステップS40に進み、パワーセーブ変更キー35が押下されていない場合はステップS33に戻る。
ステップS40 印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了した場合はステップS41に進み、印刷が終了していない場合は待機する。
ステップS41 第2カウント部13bはカウントを開始する。
ステップS42 ヒータ19をオフにしてパワーセーブモードをオンにする。
ステップS43 第2カウント部13bのカウントした値が設定時間を超えたか否かを判断する。第2カウント部13bのカウントした値が設定時間を超えた場合はステップS32に戻り、第2カウント部13bのカウントした値が設定時間を超えていない場合はステップS44に進む。
ステップS44 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS45に進み、印刷データを受信していない場合はステップS42に戻る。
ステップS45 ヒータ19をオンにしてパワーセーブモードを解除する。
ステップS46 印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了した場合はステップS47に進み、印刷が終了していない場合はステップS45に戻る。
ステップS47 印刷中に第2カウント部13bのカウントした値が設定時間を超えたか否かを判断する。印刷中に第2カウント部13bのカウントした値が設定時間を超えた場合はステップS35に戻り、印刷中に第2カウント部13bのカウントした値が設定時間を超えていない場合はステップS48に進む。
ステップS48 第1カウント部13aは印刷を終了した時刻からの経過時間のカウントを開始する。
ステップS49 第2カウント部13bのカウントした値が設定時間を超えたか否かを判断する。第2カウント部13bのカウントした値が設定時間を超えた場合はステップS35に戻り、第2カウント部13bのカウントした値が設定時間を超えていない場合はステップS50に進む。
ステップS50 カウントした値が第2の設定値である15分を超えたか否かを判断する。カウントした値が第2の設定値である15分を超えた場合はステップS42に戻り、カウントした値が第2の設定値である15分を超えていない場合はステップS51に進む。
ステップS51 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS45に戻り、印刷データを受信していない場合はステップS48に戻る。
【0058】
このように、本実施の形態においては、第2のパワーセーブモード移行時間の設定値である第2の設定値が有効である時間を設定することができ、さらに、設定された時間をカウントするようになっている。そのため、設定された時間が経過すると、第2のパワーセーブモード移行時間が有効な状態から第1のパワーセーブモード移行時間が有効な状態に自動的に切り替えられるので、ユーザは、第1のパワーセーブモード移行時間が有効な状態にするために再度パワーセーブ変更キー35を押下する必要がない。
【0059】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び効果についても、その説明を省略する。
【0060】
図14は本発明の第3の実施の形態における印刷装置の構成を示すブロック図である。
【0061】
本実施の形態において、印刷装置10は、時刻を計測するための計時部20を更に有する。また、操作パネル17又は上位ホスト21内のプリンタドライバから第2の設定値を解除する時刻を設定することができるようになっている。なお、その他の点における構成は、前記第1及び第2の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0062】
次に、本実施の形態における印刷装置10の動作について説明する。なお、第1のパワーセーブモード移行時間及び第2のパワーセーブモード移行時間を設定し、第1の設定値及び第2の設定値がEEPROM14に格納されるまでの動作は、前記第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0063】
図15は本発明の第3の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示すタイムチャート、図16は本発明の第3の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示すフローチャートである。
【0064】
本実施の形態において、ユーザは、操作パネル17又は上位ホスト21内のプリンタドライバによって、第2の設定値が解除になる時刻を設定する。該時刻は、操作パネル17から入力された場合、エンジン制御用LSI16からコントローラ制御用LSI12へ送信される。そして、該コントローラ制御用LSI12は前記時刻をEEPROM14へ格納する。また、前記時刻は、上位ホスト21内のプリンタドライバから入力された場合、インターフェイス部15を介してコントローラ制御用LSI12へ送信される。そして、該コントローラ制御用LSI12は前記時刻をEEPROM14に格納する。ここでは、朝オフィスが始まる時刻を想定し、該時刻が8:30であるものとする。
【0065】
なお、パワーセーブ変更キー35を押下した際の動作は、パワーセーブ変更キー35の押下が待機中になされた場合には前記第1の実施の形態における図7に示される動作と同様であり、パワーセーブ変更キー35の押下が印刷中になされた場合には前記第1の実施の形態における図8に示される動作と同様であるので、説明を省略する。
【0066】
まず、コントローラ制御用LSI12は定期的に計時部20から時刻情報を取得する(時刻:t52、ステップS71)。そして、計時部20から取得した時刻が、EEPROM14に格納されている第2の設定値が解除になる時刻である8:30になると(時刻:t59、ステップS73、S77又はS79)、パワーセーブモード移行時間は第1の設定値である120分が有効になる。その後、上位ホスト21から印刷データを受信すると(時刻:t60、ステップS62)、エンジン制御用LSI16は、ヒータ19をオンにして定着ローラ44の温度制御を行い、パワーセーブモードが解除され(ステップS63)、上位ホスト21から受信した印刷データの印刷が行われる。続いて、印刷が終了すると(時刻:t61、ステップS64)、カウント部13はカウントを開始する。そして、カウントした値が第1の設定値である120分を超えたか否かの判断を行い(ステップS67)、120分を超えると、パワーセーブモードをオンにする(時刻:t62、ステップS61)。
【0067】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS61 ヒータ19をオフにしてパワーセーブモードをオンにする。
ステップS62 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS63に進み、印刷データを受信しない場合はステップS61に戻る。
ステップS63 ヒータ19をオンにしてパワーセーブモードを解除する。
ステップS64 印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了した場合はステップS65に進み、印刷が終了していない場合はステップS69に進む。
ステップS65 カウント部13は印刷を終了した時刻からの経過時間のカウントを開始する。
ステップS66 待機中にパワーセーブ変更キー35が押下されたか否かを判断する。パワーセーブ変更キー35が押下された場合はステップS71に進み、パワーセーブ変更キー35が押下されていない場合はステップS67に進む。
ステップS67 カウントした値が第1の設定値である120分を超えたか否かを判断する。カウントした値が第1の設定値である120分を超えた場合はステップS61に戻り、カウントした値が第1の設定値である120分を超えていない場合はステップS68に進む。
ステップS68 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS63に戻り、印刷データを受信しない場合はステップS65に戻る。
ステップS69 印刷中にパワーセーブ変更キー35が押下されたか否かを判断する。パワーセーブ変更キー35が押下された場合はステップS70に進み、パワーセーブ変更キー35が押下されていない場合はステップS63に戻る。
ステップS70 印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了した場合はステップS71に進み、印刷が終了していない場合は待機する。
ステップS71 計時部20から時刻情報を取得する。
ステップS72 ヒータ19をオフにしてパワーセーブモードをオンにする。
ステップS73 設定時刻を過ぎたか否かを判断する。設定時刻を過ぎた場合はステップS62に戻り、設定時刻を過ぎていない場合はステップS74に進む。
ステップS74 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS75に進み、印刷データを受信していない場合はステップS72に戻る。
ステップS75 ヒータ19をオンにしてパワーセーブモードを解除する。
ステップS76 印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了した場合はステップS77に進み、印刷が終了していない場合はステップS75に戻る。
ステップS77 印刷中に設定時刻を過ぎたか否かを判断する。印刷中に設定時刻を過ぎた場合はステップS65に戻り、印刷中に設定時刻を過ぎていない場合はステップS78に進む。
ステップS78 カウント部13は印刷を終了した時刻からの経過時間のカウントを開始する。
ステップS79 設定時刻を過ぎたか否かを判断する。設定時刻を過ぎた場合はステップS65に進み、設定時刻を過ぎていない場合はステップS80に進む。
ステップS80 カウントした値が第2の設定値である15分を超えたか否かを判断する。カウントした値が第2の設定値である15分を超えた場合はステップS72に戻り、カウントした値が第2の設定値である15分を超えていない場合はステップS81に進む。
ステップS81 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS75に戻り、印刷データを受信していない場合はステップS78に戻る。
【0068】
このように、本実施の形態においては、第2のパワーセーブモード移行時間の設定値である第2の設定値が解除になる時刻を設定することができ、さらに、計時部20が時刻を計測する。そのため、設定された時刻になると、第2のパワーセーブモード移行時間が有効な状態から第1のパワーセーブモード移行時間が有効な状態に自動的に切り替えられるので、ユーザは、第1のパワーセーブモード移行時間が有効な状態にするために再度パワーセーブ変更キー35を押下する必要がない。また、ユーザは、第2の設定値が有効である時間を設定する必要もなく、第2の設定値が解除になる時刻を最初の1回設定するだけでよい。したがって、ユーザの煩わしさを軽減することができる。
【0069】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1の実施の形態における印刷装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における操作パネルの構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における印刷装置の印刷プロセスの概略を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における印刷装置の動作状態、定着ローラの温度及びヒータのオン/オフの関係を示した図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示す第1のタイムチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示す第1のフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示す第2のタイムチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示す第3のタイムチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示す第2のフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態における印刷装置の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における操作パネルを示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示すタイムチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第3の実施の形態における印刷装置の構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示すタイムチャートである。
【図16】本発明の第3の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
10 印刷装置
12 コントローラ制御用LSI
13 カウント部
13a 第1カウント部
13b 第2カウント部
14 EEPROM
15 インターフェイス部
16 エンジン制御用LSI
19 ヒータ
20 計時部
35 パワーセーブ変更キー
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ等の印刷装置においては、定着ローラの温度制御のために、定着ローラが備えるヒータをオン/オフするようになっている。そして、印刷時には、印刷に必要な温度となるように定着ローラの温度制御を行い、待機時には、印刷情報を受信してから印刷するときに時間がかからないように、印刷時よりやや低い温度となるように定着ローラの温度制御を行う。また、印刷装置が所定時間以上印刷を行わない場合には、消費電力を少なくするために、定着ローラの温度制御を停止し、ヒータをオフにして、パワーセーブモードに移行させる。なお、前記所定時間の設定は、ユーザが操作パネル又はプリンタドライバを操作して入力することによって設定することができるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−206354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の印刷装置においては、使用状況に拘(かか)わらず、所定時間以上印刷を行わない場合にはパワーセーブモードに移行してしまうので、使い勝手が悪くなってしまう。例えば、会社、オフィス等では、昼間と夜間とで印刷装置の使用状況が大きく相違し、昼間は印刷量が多いのに対し、夜間は印刷量が少なくなる。そのため、昼間は、印刷スピードを優先するために、印刷を行わない時間が長時間であってもパワーセーブモードに移行しないこと、すなわち、前記所定時間が長いことが要求される。一方、夜間は、消費電力の低減を優先するために、印刷を行わない時間が短時間であってもパワーセーブモードに移行すること、すなわち、前記所定時間が短いことが要求される。そのため、ユーザは、印刷装置の使用状況に応じて、前記所定時間の設定を変更しなければならず、煩わしく感じてしまう。
【0004】
本発明は、前記従来の印刷装置の問題点を解決して、第1のパワーセーブモード移行時間及び第2のパワーセーブモード移行時間をあらかじめ設定し、切替手段を操作することによって、前記第1のパワーセーブモード移行時間と第2のパワーセーブモード移行時間とを切り替えることができるようにして、使用状況に応じて容易にパワーセーブモード移行時間を切り替えることができる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのために、本発明の印刷装置においては、第1のパワーセーブモード移行時間及び第2のパワーセーブモード移行時間を設定する入力部と、該入力部によって設定された第1のパワーセーブモード移行時間及び第2のパワーセーブモード移行時間の設定値を記憶する記憶部と、印刷を終了してからの経過時間をカウントするカウント部と、前記第1のパワーセーブモード移行時間又は第2のパワーセーブモード移行時間を選択する切替手段と、前記カウント部によってカウントされた経過時間と前記記憶部に記憶された設定値とを比較して、前記経過時間が第1のパワーセーブモード移行時間又は第2のパワーセーブモード移行時間のうちの前記切替手段によって選択された方の設定値以上であると、ヒータをオフにしてパワーセーブモードに移行する制御部とを有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、印刷装置は、第1のパワーセーブモード移行時間及び第2のパワーセーブモード移行時間をあらかじめ設定し、切替手段を操作することによって、前記第1のパワーセーブモード移行時間と第2のパワーセーブモード移行時間とを切り替えることができるようになっている。そのため、使用状況に応じて容易にパワーセーブモード移行時間を切り替えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0008】
図1は本発明の第1の実施の形態における印刷装置の構成を示すブロック図である。
【0009】
図において、10は印刷装置であり、該印刷装置10は印刷指示や印刷設定などを行う上位装置としての上位ホスト21に接続されている。ここで、前記印刷装置10は、前記上位ホスト21から受信した印刷データを印刷媒体としての用紙に印刷する装置である。なお、前記印刷装置10は、インクジェット式、電子写真式、熱転写式等いかなる種類の装置であってもよく、また、カラープリンタであってもよいし、モノクロプリンタであってもよいし、プリンタ、ファクシミリ機及び複写機の機能を併せ持つ複合機であってもよいが、ここでは、電子写真式のモノクロプリンタであるものとして説明する。
【0010】
そして、15はインターフェイス部であり、前記上位ホスト21から送信された印刷データを受信する受信部として機能する。また、インターフェイス部15は、入力部としても機能し、上位ホスト21内のプリンタドライバで設定されたパワーセーブモード移行時間の設定値などの情報も受信して入力するようになっている。
【0011】
また、12は制御部としてのコントローラ制御用LSIであり、印刷を終了してからの経過時間、すなわち、印刷が行われない時間をカウントするカウント部13を備えている。そして、前記コントローラ制御用LSI12は、各種演算を行う演算処理手段としてのCPU11と通信可能に接続され、該CPU11とともに、上位ホスト21から送信された印刷データの処理を行う。
【0012】
さらに、14は書き込み可能な不揮発性の記憶部としてのEEPROM(Electrically−Erasable Programmable ROM)であり、印刷装置10の電源を投入した際に必要となる情報や、電源をオフにしても記憶させておきたい各種の設定データを格納することができ、パワーセーブモード移行時間の設定値も格納される。また、印刷部18に印刷速度を設定するための情報を固定値として保持することもできる。
【0013】
さらに、16は制御部としてのエンジン制御用LSIであり、前記コントローラ制御用LSI12と相互に通信を行って、所定のタイミングで印刷部18を制御する。なお、前記エンジン制御用LSI16は、後述される定着ローラ44の温度を制御するためのヒータ19のオン/オフも行っている。また、前記コントローラ制御用LSI12、EEPROM14、インターフェイス部15及びエンジン制御用LSI16は、相互に通信可能に接続されている。
【0014】
そして、17は操作部としての操作パネルであり、印刷装置10の状態を示す表示部、及び、種々の設定を行うとともにパワーセーブモード移行時間を設定する入力部を有する。
【0015】
また、前記上位ホスト21は、例えば、CPU、MPU等の演算手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力手段、CRT、液晶ディスプレイ等の表示手段等を備えるパーソナルコンピュータ、サーバ等のコンピュータであるが、印刷装置10で印刷するための印刷データを作成することができる装置であればいかなる種類の装置であってもよく、PDA(Personal Digital Assistant)、電子手帳、ゲーム機等であってもよい。
【0016】
次に、前記操作パネル17の構成について説明する。
【0017】
図2は本発明の第1の実施の形態における操作パネルの構成を示す図である。
【0018】
図2に示されるように、操作パネル17は、情報を表示するための表示部としてのLCD(Liquid Crystal Display)31、メニュー設定モードへ移行するためのメニューキー32、該メニューキー32によって表示されたメニューの項目や設定項目を選択するためのセレクトキー33、該セレクトキー33によって選択された項目の決定を行う決定キー34、及び、パワーセーブモード移行時間の設定を切り替えるための切替手段としてのパワーセーブ変更キー35を備えている。
【0019】
次に、前記構成の印刷装置10の動作について説明する。まず、印刷部18における印刷プロセスについて説明する。
【0020】
図3は本発明の第1の実施の形態における印刷装置の印刷プロセスの概略を示す図である。
【0021】
ここで、印刷部18は、図3に示されるように、露光装置としてのLED(Light Emitting Diode)ヘッド43を有するものであるとする。すなわち、印刷装置10がLEDヘッド43による露光プロセスを含む電子写真式の印刷プロセスを行うLEDプリンタであるものとして説明する。
【0022】
そして、前記印刷部18は、像担持体としての感光体ドラム41、該感光体ドラム41の周囲に配設され、該感光体ドラム41の表面に電気を供給してマイナス電荷を帯電させる帯電ローラ42、帯電された感光体ドラム41の表面に選択的に光を照射して静電潜像を形成する露光装置としてのLEDヘッド43、静電潜像が形成された感光体ドラム41の表面に現像剤としてのトナーを付着させて現像する現像ローラ46、該現像ローラ46にトナーを供給するトナー供給ローラ47、前記感光体ドラム41と対向させて配設され、図示されない搬送装置によって搬送される印刷媒体としての用紙にトナー像を転写する転写ローラ48、及び、用紙にトナー像を転写した後に感光体ドラム41の表面に残留したトナーを除去するクリーニングローラ49を有する。また、用紙にトナー像を定着させる定着器は、ヒータ19によって加熱される定着ローラ44、及び、該定着ローラ44に圧接し従動回転するバックアップローラ45を有する。
【0023】
印刷プロセスにおいては、帯電ローラ42によって感光体ドラム41の表面に電荷を蓄える帯電プロセスが行われ、LEDヘッド43によって感光体ドラム41上の画像データを形成する位置に光を照射して静電潜像を形成する露光プロセスが行われ、現像ローラ46によって感光体ドラム41上の静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像プロセスが行われ、転写ローラ48によって感光体ドラム41上のトナー像を用紙に転写させる転写プロセスが行われる。そして、トナー像が転写された用紙を定着器の定着ローラ44とバックアップローラ45との間を通して、熱と圧力とによってトナーを溶融させて用紙に定着させる定着プロセスが行われる。なお、定着ローラ44の温度制御は、ヒータ19をオン/オフすることによって行う。これらのプロセスを経て印刷が完了する。
【0024】
次に、定着ローラ44の温度制御について説明する。
【0025】
図4は本発明の第1の実施の形態における印刷装置の動作状態、定着ローラの温度及びヒータのオン/オフの関係を示した図である。
【0026】
まず、印刷装置10の動作状態が印刷であるときには、定着ローラ44の温度をT1〔℃〕にするためにヒータ19のオン/オフを繰り返す。また、印刷装置10の動作状態が待機であるときには、定着ローラ44の温度を印刷であるときよりやや低い温度であるT2〔℃〕にするようにヒータ19のオン/オフを繰り返す。なお、印刷装置10の動作状態が待機である時間の長さ、すなわち、パワーセーブモード移行時間の長さを印刷装置10のユーザは設定することができる。そして、設定したパワーセーブモード移行時間が経過すると、印刷装置10の運転状態がパワーセーブモードになり、ヒータ19をオフにして定着ローラ44の温度制御を停止する。印刷装置10における消費電力のほとんどはヒータ19によるものなので、該ヒータ19をオフにすることで印刷装置10の消費電力を抑えることができる。
【0027】
本実施の形態において、ユーザは、操作パネル17又は上位ホスト21内のプリンタドライバを使用することによって、第1のパワーセーブモード移行時間及び第2のパワーセーブモード移行時間を設定することができる。ここで、第1のパワーセーブモード移行時間が印刷量が多い昼間用のパワーセーブモード移行時間であるとすると、昼間は印刷スピードを優先するために、印刷を行わない時間が長時間であってもパワーセーブモードに移行しないことが望ましいので、第1のパワーセーブモード移行時間を比較的長い時間である第1の設定値として、例えば、120分に設定する。
【0028】
また、第2のパワーセーブモード移行時間が印刷量が少ない夜間用のパワーセーブモード移行時間であるとすると、夜間は印刷装置10の消費電力を低減することを優先するために、印刷を行わない時間が短時間であってもパワーセーブモードに移行することが望ましいので、第2のパワーセーブモード移行時間を比較的短い時間である第2の設定値として、例えば、15分に設定する。
【0029】
そして、前記第1のパワーセーブモード移行時間及び第2のパワーセーブモード移行時間の設定値は、操作パネル17から入力された場合、エンジン制御用LSI16からコントローラ制御用LSI12へ送信される。そして、該コントローラ制御用LSI12は前記設定値をEEPROM14に格納する。また、前記設定値は、上位ホスト21内のプリンタドライバから入力された場合、インターフェイス部15を介してコントローラ制御用LSI12へ送信される。そして、該コントローラ制御用LSI12は前記設定値をEEPROM14に格納する。
【0030】
次に、印刷装置10がパワーセーブモードに移行する動作について説明する。
【0031】
図5は本発明の第1の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示す第1のタイムチャート、図6は本発明の第1の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示す第1のフローチャートである。
【0032】
ここでは、パワーセーブ変更キー35が操作されない、すなわち、押下されないときの動作について説明する。なお、パワーセーブ変更キー35が押下されないときは第1のパワーセーブモード移行時間が有効となっており、設定されたパワーセーブモード移行時間は、第1の設定値としての120分であるとする。
【0033】
図5に示されるように、印刷装置10が印刷を終了すると(時刻:t01、ステップS1)、印刷を終了した時刻からの経過時間をコントローラ制御用LSI12内のカウント部13がカウントする(ステップS2)。そして、コントローラ制御用LSI12はカウントした値が第1の設定値である120分を超えたか否かの判断を繰り返して行う(ステップS3)。そして、カウントした値が第1の設定値である120分を超えると(時刻:t02)、パワーセーブモードをオンにし(ステップS4)、その情報をエンジン制御用LSI16に送信される。すると、該エンジン制御用LSI16は、定着ローラ44の温度制御を停止してヒータ19をオフにする。
【0034】
そして、パワーセーブモードがオンの間に印刷データを上位ホスト21から受信すると(時刻:t03、ステップS5)、インターフェイス部15は受信した印刷データをコントローラ制御用LSI12に送信する。すると、該コントローラ制御用LSI12は、パワーセーブモードオフの情報をエンジン制御用LSI16に送信する。そして、パワーセーブモードオフの情報を受信したエンジン制御用LSI16は、ヒータ19をオンにして定着ローラ44の温度制御を行い、パワーセーブモードが解除される(ステップS6)。そして、上位ホスト21から受信した印刷データの印刷が行われる。その後、印刷が終了すると(時刻:t04)、再びカウント部13は、印刷を終了した時刻(時刻:t04、ステップS7)からの経過時間をカウントする。そして、コントローラ制御用LSI12は、カウントした値が第1の設定値である120分を超えると(時刻:t05)、再び、パワーセーブモードをオンにする。以降、前述の動作が繰り返して行われる。
【0035】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 印刷が終了する。
ステップS2 カウント部13がカウントする。
ステップS3 カウントした値が第1の設定値である120分を超えたか否かを判断する。カウントした値が第1の設定値である120分を超えた場合はステップS4に進み、カウントした値が第1の設定値である120分を超えていない場合はステップS2に戻る。
ステップS4 ヒータ19をオフにしてパワーセーブモードをオンにする。
ステップS5 印刷データを上位ホスト21から受信したか否かを判断する。印刷データを上位ホスト21から受信した場合はステップS6に進み、印刷データを上位ホスト21から受信していない場合はステップS4に戻る。
ステップS6 ヒータ19をオンにしてパワーセーブモードを解除する。
ステップS7 印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了した場合はステップS2に戻り、印刷が終了していない場合はステップS6に戻る。
【0036】
次に、パワーセーブ変更キー35が押下されたときの動作について説明する。
【0037】
図7は本発明の第1の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示す第2のタイムチャート、図8は本発明の第1の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示す第3のタイムチャート、図9は本発明の第1の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示す第2のフローチャートである。
【0038】
まず、印刷装置10が印刷を行っていない待機中にパワーセーブ変更キー35が操作された、すなわち、押下されたときの動作について説明する。
【0039】
図7に示されるように、印刷が終了した(時刻:t11)後の待機中にパワーセーブ変更キー35が押下されると(時刻:t12、ステップS16)、この情報はエンジン制御用LSI16に送信される。すると、該エンジン制御用LSI16はヒータ19をオフにして定着ローラ44の温度制御を停止し、パワーセーブモードがオンになる(ステップS21)。また、同時に、パワーセーブ変更キー35が押下された情報は、コントローラ制御用LSI12に送信される。
【0040】
この状態、すなわち、パワーセーブモードがオンの間に上位ホスト21から印刷データを受信すると(時刻:t13、ステップS23)、図5に示される場合と同様に、エンジン制御用LSI16は、ヒータ19をオンにして定着ローラ44の温度制御を行い、パワーセーブモードが解除される(ステップS24)。そして、上位ホスト21から受信した印刷データの印刷が行われる。
【0041】
その後、印刷が終了すると(時刻:t14、ステップS25)、再びカウント部13は、印刷を終了した時刻からの経過時間のカウントを開始する(ステップS27)。そして、コントローラ制御用LSI12はカウントした値が第2の設定値である15分を超えたか否かの判断を行う(ステップS29)。そして、カウントした値が第2の設定値である15分を超えると(時刻:t15)、その情報をエンジン制御用LSI16に送信する。すると、該エンジン制御用LSI16は、ヒータ19をオフにして定着ローラ44の温度制御を停止し、パワーセーブモードがオンになる(ステップS21)。
【0042】
また、第2の設定値が有効な場合に、再度パワーセーブ変更キー35が押下されると(時刻:t16、ステップS22、S26又はS28)、この情報はエンジン制御用LSI16に送信され、さらに、該エンジン制御用LSI16からコントローラ制御用LSI12に送信される。ここで、前記再度のパワーセーブ変更キー35の押下がパワーセーブモードがオンの間になされたとき(ステップS22)は、上位ホスト21から印刷データを受信すると(時刻:t17、ステップS12)、エンジン制御用LSI16は、ヒータ19をオンにして定着ローラ44の温度制御を行い、パワーセーブモードが解除され(ステップS13)、上位ホスト21から受信した印刷データの印刷が行われる。そして、印刷が終了すると(時刻:t18、ステップS14)、カウント部13は印刷を終了した時刻からの経過時間のカウントを開始する(ステップS15)。また、前記再度のパワーセーブ変更キー35の押下が印刷中になされたとき(ステップS26)は、印刷終了後、カウント部13は、印刷を終了した時刻からの経過時間のカウントを開始する(ステップS15)。さらに、前記再度のパワーセーブ変更キー35の押下が印刷中になされたとき(ステップS28)は、カウント部13は、そのままカウントを継続する(ステップS15)。そして、コントローラ制御用LSI12は、カウントした値が第1の設定値である120分を超えたか否かの判断を繰り返して行い(ステップS17)、120分を超えればパワーセーブモードをオンにする(時刻:t19、ステップS11)。
【0043】
次に、印刷装置10が印刷を行っている印刷中にパワーセーブ変更キー35が押下されたときの動作について説明する。
【0044】
図8に示されるように、印刷中にパワーセーブ変更キー35が押下されると(時刻:t21、ステップS19)、この情報はエンジン制御用LSI16に送信される。印刷中は印刷動作を優先するので、エンジン制御用LSI16は、ヒータ19をオンにして定着ローラ44の温度制御を行う。
【0045】
そして、印刷が終了すると(時刻:t22、ステップS20)、パワーセーブ変更キー35が押下された情報がコントローラ制御用LSI12に送信される。また、同時に、エンジン制御用LSI16は、ヒータ19をオフにして定着ローラ44の温度制御を停止し、パワーセーブモードがオンになる(ステップS21)。なお、この状態で上位ホスト21から印刷データを受信し(時刻:t23)、その後、再びパワーセーブモードに移行する動作は、図7に示される場合と同様であるので、説明を省略する。
【0046】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 ヒータ19をオフにしてパワーセーブモードをオンにする。
ステップS12 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS13に進み、印刷データを受信しない場合はステップS11に戻る。
ステップS13 ヒータ19をオンにしてパワーセーブモードを解除する。
ステップS14 印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了した場合はステップS15に進み、印刷が終了していない場合はステップS19に進む。
ステップS15 カウント部13は印刷を終了した時刻からの経過時間のカウントを開始する。
ステップS16 パワーセーブ変更キー35が押下されたか否かを判断する。パワーセーブ変更キー35が押下された場合はステップS21に進み、パワーセーブ変更キー35が押下されていない場合はステップS17に進む。
ステップS17 カウントした値が第1の設定値である120分を超えたか否かを判断する。カウントした値が第1の設定値である120分を超えた場合はステップS11に戻り、カウントした値が第1の設定値である120分を超えていない場合はステップS18に進む。
ステップS18 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS13に戻り、印刷データを受信しない場合はステップS15に戻る。
ステップS19 印刷中にパワーセーブ変更キー35が押下されたか否かを判断する。パワーセーブ変更キー35が押下された場合はステップS20に進み、パワーセーブ変更キー35が押下されていない場合はステップS13に戻る。
ステップS20 印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了した場合はステップS21に進み、印刷が終了していない場合は待機する。
ステップS21 ヒータ19をオフにしてパワーセーブモードをオンにする。
ステップS22 再度パワーセーブ変更キー35が押下されたか否かを判断する。再度パワーセーブ変更キー35が押下された場合はステップS12に戻り、再度パワーセーブ変更キー35が押下されていない場合はステップS23に進む。
ステップS23 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS24に進み、印刷データを受信していない場合はステップS21に戻る。
ステップS24 ヒータ19をオンにしてパワーセーブモードを解除する。
ステップS25 印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了した場合はステップS26に進み、印刷が終了していない場合はステップS24に戻る。
ステップS26 印刷中に再度パワーセーブ変更キー35が押下されたか否かを判断する。印刷中に再度パワーセーブ変更キー35が押下された場合はステップS15に戻り、印刷中に再度パワーセーブ変更キー35が押下されていない場合はステップS27に進む。
ステップS27 カウント部13は印刷を終了した時刻からの経過時間のカウントを開始する。
ステップS28 再度パワーセーブ変更キー35が押下されたか否かを判断する。再度パワーセーブ変更キー35が押下された場合はステップS15に戻り、再度パワーセーブ変更キー35が押下されていない場合はステップS29に進む。
ステップS29 カウントした値が第2の設定値である15分を超えたか否かを判断する。カウントした値が第2の設定値である15分を超えた場合はステップS21に戻り、カウントした値が第2の設定値である15分を超えていない場合はステップS30に進む。
ステップS30 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS24に戻り、印刷データを受信していない場合はステップS27に戻る。
【0047】
このように、本実施の形態においては、パワーセーブモード移行時間として、第1の設定値及び第2の設定値を設定することができ、前記第1の設定値と第2の設定値とを切り替えるための切替手段としてパワーセーブ変更キー35が操作パネル17上に設けられている。そのため、昼間と夜間との場合のように、パワーセーブモード移行時間を変更させたい場合に容易に変更することができる。
【0048】
また、印刷中にパワーセーブ変更キー35が押下された場合には、印刷終了後に直ちにパワーセーブモードに移行するようになっている。そのため、ユーザが、大量の印刷データを印刷装置10に送信した後にパワーセーブ変更キー35を押下し、その場を離れてしまっても、印刷装置10の消費電力を極力抑えることができる。
【0049】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び効果についても、その説明を省略する。
【0050】
図10は本発明の第2の実施の形態における印刷装置の構成を示すブロック図、図11は本発明の第2の実施の形態における操作パネルを示す図である。なお、図11(a)は操作パネルの構成を示し、図11(b)はパワーセーブ変更キーを押し続けることに伴うLCDの表示内容の変化を示している。
【0051】
本実施の形態において、コントローラ制御用LSI12は、印刷が終了してからの経過時間をカウントする第1カウント部13aと、第2のパワーセーブモード移行時間の設定値である第2の設定値が有効である時間をカウントする第2カウント部13bとを備える。また、図11(b)に示されるように、操作パネル17のパワーセーブ変更キー35を押下することによって、第2の設定値が有効な時間を設定することができるようになっている。なお、その他の点における構成は、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0052】
次に、本実施の形態における印刷装置10の動作について説明する。なお、第1のパワーセーブモード移行時間及び第2のパワーセーブモード移行時間を設定し、第1の設定値及び第2の設定値がEEPROM14に格納されるまでの動作は、前記第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0053】
図12は本発明の第2の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示すタイムチャート、図13は本発明の第2の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示すフローチャートである。
【0054】
本実施の形態においては、パワーセーブ変更キー35を押し続ける、すなわち、長押下することによって第2の設定値が有効な時間を設定するが、この動作は、前記第1の実施の形態におけるパワーセーブモード移行時間を切り替える動作も兼ねている。つまり、第2の設定値が有効な時間を設定すると、同時に、パワーセーブモード移行時間は第2の設定値が有効になる。なお、パワーセーブ変更キー35を長押下して第2の設定値が有効な間の動作は、パワーセーブ変更キー35の長押下が待機中になされた場合には前記第1の実施の形態における図7に示される動作と同様であり、パワーセーブ変更キー35の長押下が印刷中になされた場合には前記第1の実施の形態における図8に示される動作と同様であるので、説明を省略する。
【0055】
また、パワーセーブ変更キー35を押下するときの動作は、図11(b)に示されるように、パワーセーブ変更キー35を長押下して第2の設定値が有効な時間を設定する。ここでは、ユーザが、夜帰宅時に押下して翌朝出勤時に解除することを想定し、第2の設定値が有効な時間の設定時間が12時間であるものとする。そして、該設定時間の値は、エンジン制御用LSI16からコントローラ制御用LSI12へ送信され、該コントローラ制御用LSI12が前記設定時間の値をEEPROM14へ格納する。
【0056】
それと同時に、第2カウント部13bはカウントを開始する(時刻:t32、ステップS41)。すると、コントローラ制御用LSI12は定期的に第2カウント部13bのカウントした値とEEPROM14に格納された前記設定時間の値との比較を行う。そして、第2カウント部13bのカウントした値が前記設定時間である12時間を超えた時点で(時刻:t39、ステップS43、S47又はS49)、パワーセーブモード移行時間として、第1の設定値である120分が有効になる。その後、上位ホスト21から印刷データを受信すると(時刻:t40、ステップS32)、エンジン制御用LSI16は、ヒータ19をオンにして定着ローラ44の温度制御を行い、パワーセーブモードが解除され(ステップS33)、上位ホスト21から受信した印刷データの印刷が行われる。続いて、印刷が終了すると(時刻:t41、ステップS34)、第1カウント部13aはカウントを開始する。そして、カウントした値が第1の設定値である120分を超えたか否かの判断を行い(ステップS37)、120分を超えると、パワーセーブモードをオンにする(時刻:t42、ステップS31)。
【0057】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS31 ヒータ19をオフにしてパワーセーブモードをオンにする。
ステップS32 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS33に進み、印刷データを受信しない場合はステップS31に戻る。
ステップS33 ヒータ19をオンにしてパワーセーブモードを解除する。
ステップS34 印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了した場合はステップS35に進み、印刷が終了していない場合はステップS39に進む。
ステップS35 第1カウント部13aは印刷を終了した時刻からの経過時間のカウントを開始する。
ステップS36 パワーセーブ変更キー35が押下されたか否かを判断する。パワーセーブ変更キー35が押下された場合はステップS41に進み、パワーセーブ変更キー35が押下されていない場合はステップS37に進む。
ステップS37 カウントした値が第1の設定値である120分を超えたか否かを判断する。カウントした値が第1の設定値である120分を超えた場合はステップS31に戻り、カウントした値が第1の設定値である120分を超えていない場合はステップS38に進む。
ステップS38 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS33に戻り、印刷データを受信しない場合はステップS35に戻る。
ステップS39 パワーセーブ変更キー35が押下されたか否かを判断する。パワーセーブ変更キー35が押下された場合はステップS40に進み、パワーセーブ変更キー35が押下されていない場合はステップS33に戻る。
ステップS40 印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了した場合はステップS41に進み、印刷が終了していない場合は待機する。
ステップS41 第2カウント部13bはカウントを開始する。
ステップS42 ヒータ19をオフにしてパワーセーブモードをオンにする。
ステップS43 第2カウント部13bのカウントした値が設定時間を超えたか否かを判断する。第2カウント部13bのカウントした値が設定時間を超えた場合はステップS32に戻り、第2カウント部13bのカウントした値が設定時間を超えていない場合はステップS44に進む。
ステップS44 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS45に進み、印刷データを受信していない場合はステップS42に戻る。
ステップS45 ヒータ19をオンにしてパワーセーブモードを解除する。
ステップS46 印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了した場合はステップS47に進み、印刷が終了していない場合はステップS45に戻る。
ステップS47 印刷中に第2カウント部13bのカウントした値が設定時間を超えたか否かを判断する。印刷中に第2カウント部13bのカウントした値が設定時間を超えた場合はステップS35に戻り、印刷中に第2カウント部13bのカウントした値が設定時間を超えていない場合はステップS48に進む。
ステップS48 第1カウント部13aは印刷を終了した時刻からの経過時間のカウントを開始する。
ステップS49 第2カウント部13bのカウントした値が設定時間を超えたか否かを判断する。第2カウント部13bのカウントした値が設定時間を超えた場合はステップS35に戻り、第2カウント部13bのカウントした値が設定時間を超えていない場合はステップS50に進む。
ステップS50 カウントした値が第2の設定値である15分を超えたか否かを判断する。カウントした値が第2の設定値である15分を超えた場合はステップS42に戻り、カウントした値が第2の設定値である15分を超えていない場合はステップS51に進む。
ステップS51 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS45に戻り、印刷データを受信していない場合はステップS48に戻る。
【0058】
このように、本実施の形態においては、第2のパワーセーブモード移行時間の設定値である第2の設定値が有効である時間を設定することができ、さらに、設定された時間をカウントするようになっている。そのため、設定された時間が経過すると、第2のパワーセーブモード移行時間が有効な状態から第1のパワーセーブモード移行時間が有効な状態に自動的に切り替えられるので、ユーザは、第1のパワーセーブモード移行時間が有効な状態にするために再度パワーセーブ変更キー35を押下する必要がない。
【0059】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び効果についても、その説明を省略する。
【0060】
図14は本発明の第3の実施の形態における印刷装置の構成を示すブロック図である。
【0061】
本実施の形態において、印刷装置10は、時刻を計測するための計時部20を更に有する。また、操作パネル17又は上位ホスト21内のプリンタドライバから第2の設定値を解除する時刻を設定することができるようになっている。なお、その他の点における構成は、前記第1及び第2の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0062】
次に、本実施の形態における印刷装置10の動作について説明する。なお、第1のパワーセーブモード移行時間及び第2のパワーセーブモード移行時間を設定し、第1の設定値及び第2の設定値がEEPROM14に格納されるまでの動作は、前記第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0063】
図15は本発明の第3の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示すタイムチャート、図16は本発明の第3の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示すフローチャートである。
【0064】
本実施の形態において、ユーザは、操作パネル17又は上位ホスト21内のプリンタドライバによって、第2の設定値が解除になる時刻を設定する。該時刻は、操作パネル17から入力された場合、エンジン制御用LSI16からコントローラ制御用LSI12へ送信される。そして、該コントローラ制御用LSI12は前記時刻をEEPROM14へ格納する。また、前記時刻は、上位ホスト21内のプリンタドライバから入力された場合、インターフェイス部15を介してコントローラ制御用LSI12へ送信される。そして、該コントローラ制御用LSI12は前記時刻をEEPROM14に格納する。ここでは、朝オフィスが始まる時刻を想定し、該時刻が8:30であるものとする。
【0065】
なお、パワーセーブ変更キー35を押下した際の動作は、パワーセーブ変更キー35の押下が待機中になされた場合には前記第1の実施の形態における図7に示される動作と同様であり、パワーセーブ変更キー35の押下が印刷中になされた場合には前記第1の実施の形態における図8に示される動作と同様であるので、説明を省略する。
【0066】
まず、コントローラ制御用LSI12は定期的に計時部20から時刻情報を取得する(時刻:t52、ステップS71)。そして、計時部20から取得した時刻が、EEPROM14に格納されている第2の設定値が解除になる時刻である8:30になると(時刻:t59、ステップS73、S77又はS79)、パワーセーブモード移行時間は第1の設定値である120分が有効になる。その後、上位ホスト21から印刷データを受信すると(時刻:t60、ステップS62)、エンジン制御用LSI16は、ヒータ19をオンにして定着ローラ44の温度制御を行い、パワーセーブモードが解除され(ステップS63)、上位ホスト21から受信した印刷データの印刷が行われる。続いて、印刷が終了すると(時刻:t61、ステップS64)、カウント部13はカウントを開始する。そして、カウントした値が第1の設定値である120分を超えたか否かの判断を行い(ステップS67)、120分を超えると、パワーセーブモードをオンにする(時刻:t62、ステップS61)。
【0067】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS61 ヒータ19をオフにしてパワーセーブモードをオンにする。
ステップS62 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS63に進み、印刷データを受信しない場合はステップS61に戻る。
ステップS63 ヒータ19をオンにしてパワーセーブモードを解除する。
ステップS64 印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了した場合はステップS65に進み、印刷が終了していない場合はステップS69に進む。
ステップS65 カウント部13は印刷を終了した時刻からの経過時間のカウントを開始する。
ステップS66 待機中にパワーセーブ変更キー35が押下されたか否かを判断する。パワーセーブ変更キー35が押下された場合はステップS71に進み、パワーセーブ変更キー35が押下されていない場合はステップS67に進む。
ステップS67 カウントした値が第1の設定値である120分を超えたか否かを判断する。カウントした値が第1の設定値である120分を超えた場合はステップS61に戻り、カウントした値が第1の設定値である120分を超えていない場合はステップS68に進む。
ステップS68 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS63に戻り、印刷データを受信しない場合はステップS65に戻る。
ステップS69 印刷中にパワーセーブ変更キー35が押下されたか否かを判断する。パワーセーブ変更キー35が押下された場合はステップS70に進み、パワーセーブ変更キー35が押下されていない場合はステップS63に戻る。
ステップS70 印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了した場合はステップS71に進み、印刷が終了していない場合は待機する。
ステップS71 計時部20から時刻情報を取得する。
ステップS72 ヒータ19をオフにしてパワーセーブモードをオンにする。
ステップS73 設定時刻を過ぎたか否かを判断する。設定時刻を過ぎた場合はステップS62に戻り、設定時刻を過ぎていない場合はステップS74に進む。
ステップS74 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS75に進み、印刷データを受信していない場合はステップS72に戻る。
ステップS75 ヒータ19をオンにしてパワーセーブモードを解除する。
ステップS76 印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了した場合はステップS77に進み、印刷が終了していない場合はステップS75に戻る。
ステップS77 印刷中に設定時刻を過ぎたか否かを判断する。印刷中に設定時刻を過ぎた場合はステップS65に戻り、印刷中に設定時刻を過ぎていない場合はステップS78に進む。
ステップS78 カウント部13は印刷を終了した時刻からの経過時間のカウントを開始する。
ステップS79 設定時刻を過ぎたか否かを判断する。設定時刻を過ぎた場合はステップS65に進み、設定時刻を過ぎていない場合はステップS80に進む。
ステップS80 カウントした値が第2の設定値である15分を超えたか否かを判断する。カウントした値が第2の設定値である15分を超えた場合はステップS72に戻り、カウントした値が第2の設定値である15分を超えていない場合はステップS81に進む。
ステップS81 印刷データを受信したか否かを判断する。印刷データを受信した場合はステップS75に戻り、印刷データを受信していない場合はステップS78に戻る。
【0068】
このように、本実施の形態においては、第2のパワーセーブモード移行時間の設定値である第2の設定値が解除になる時刻を設定することができ、さらに、計時部20が時刻を計測する。そのため、設定された時刻になると、第2のパワーセーブモード移行時間が有効な状態から第1のパワーセーブモード移行時間が有効な状態に自動的に切り替えられるので、ユーザは、第1のパワーセーブモード移行時間が有効な状態にするために再度パワーセーブ変更キー35を押下する必要がない。また、ユーザは、第2の設定値が有効である時間を設定する必要もなく、第2の設定値が解除になる時刻を最初の1回設定するだけでよい。したがって、ユーザの煩わしさを軽減することができる。
【0069】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1の実施の形態における印刷装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における操作パネルの構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における印刷装置の印刷プロセスの概略を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における印刷装置の動作状態、定着ローラの温度及びヒータのオン/オフの関係を示した図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示す第1のタイムチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示す第1のフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示す第2のタイムチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示す第3のタイムチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示す第2のフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態における印刷装置の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における操作パネルを示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示すタイムチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第3の実施の形態における印刷装置の構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示すタイムチャートである。
【図16】本発明の第3の実施の形態における印刷装置のパワーセーブモードに移行する動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
10 印刷装置
12 コントローラ制御用LSI
13 カウント部
13a 第1カウント部
13b 第2カウント部
14 EEPROM
15 インターフェイス部
16 エンジン制御用LSI
19 ヒータ
20 計時部
35 パワーセーブ変更キー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)第1のパワーセーブモード移行時間及び第2のパワーセーブモード移行時間を設定する入力部と、
(b)該入力部によって設定された第1のパワーセーブモード移行時間及び第2のパワーセーブモード移行時間の設定値を記憶する記憶部と、
(c)印刷を終了してからの経過時間をカウントするカウント部と、
(d)前記第1のパワーセーブモード移行時間又は第2のパワーセーブモード移行時間を選択する切替手段と、
(e)前記カウント部によってカウントされた経過時間と前記記憶部に記憶された設定値とを比較して、前記経過時間が第1のパワーセーブモード移行時間又は第2のパワーセーブモード移行時間のうちの前記切替手段によって選択された方の設定値以上であると、ヒータをオフにしてパワーセーブモードに移行する制御部とを有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記切替手段が操作されると直ちにパワーセーブモードに移行する請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
印刷中に前記切替手段が操作されると、印刷が終了してからパワーセーブモードに移行する請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記切替手段は、前記第2のパワーセーブモード移行時間を選択する際に、該第2のパワーセーブモード移行時間の選択が有効である時間を設定することができる請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記第2のパワーセーブモード移行時間の選択が有効である時間が経過すると、第1のパワーセーブモード移行時間に切り替わる請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
時刻を計測する計時部を更に有し、前記入力部は第2のパワーセーブモード移行時間から第1のパワーセーブモード移行時間に切り替わる切替時刻を設定する請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記切替時刻になると、第1のパワーセーブモード移行時間に切り替わる請求項6に記載の印刷装置。
【請求項1】
(a)第1のパワーセーブモード移行時間及び第2のパワーセーブモード移行時間を設定する入力部と、
(b)該入力部によって設定された第1のパワーセーブモード移行時間及び第2のパワーセーブモード移行時間の設定値を記憶する記憶部と、
(c)印刷を終了してからの経過時間をカウントするカウント部と、
(d)前記第1のパワーセーブモード移行時間又は第2のパワーセーブモード移行時間を選択する切替手段と、
(e)前記カウント部によってカウントされた経過時間と前記記憶部に記憶された設定値とを比較して、前記経過時間が第1のパワーセーブモード移行時間又は第2のパワーセーブモード移行時間のうちの前記切替手段によって選択された方の設定値以上であると、ヒータをオフにしてパワーセーブモードに移行する制御部とを有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記切替手段が操作されると直ちにパワーセーブモードに移行する請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
印刷中に前記切替手段が操作されると、印刷が終了してからパワーセーブモードに移行する請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記切替手段は、前記第2のパワーセーブモード移行時間を選択する際に、該第2のパワーセーブモード移行時間の選択が有効である時間を設定することができる請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記第2のパワーセーブモード移行時間の選択が有効である時間が経過すると、第1のパワーセーブモード移行時間に切り替わる請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
時刻を計測する計時部を更に有し、前記入力部は第2のパワーセーブモード移行時間から第1のパワーセーブモード移行時間に切り替わる切替時刻を設定する請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記切替時刻になると、第1のパワーセーブモード移行時間に切り替わる請求項6に記載の印刷装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−260921(P2007−260921A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−85146(P2006−85146)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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