説明

印刷装置

【課題】印刷用紙やトナーなどの消耗品を無駄にすることなく、実際の印刷動作に対応した略正確な印刷時間を計測することができる印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷装置1は、上位装置2から印刷ジョブを受信した際に印刷ジョブから画像データを展開する画像展開部127と、印刷用紙を給紙開始してから排紙完了するまでの印刷用紙処理時間を記録した情報格納部122と、画像展開部127による画像展開時間と情報格納部122に記録された印刷用紙処理時間とに基づいて印刷用紙に画像を印刷することなく画像展開開始から排紙完了までに要する印刷時間を計測する時間計測部124とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関し、より詳細には、PC(パーソナルコンピュータ)などの上位装置から印刷ジョブを受信し、この印刷ジョブに基づき印刷用紙に印刷を行う印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、PCなどの上位装置で印刷データを作成するプリンタドライバの設計者や、印刷装置に搭載されるプリンタコントローラの設計者は、印刷速度性能を確認する場合、実際の印刷動作で印刷時間を計測することによって確認していた。そして、このときの印刷動作により印刷物が生成されるが、この印刷物が必要なわけではないので、印刷用紙やトナーなどの消耗品が無駄になってしまうという問題があった。
【0003】
上記のように消耗品が無駄になることを避けるために、例えば、特許文献1には、印刷用紙やトナーなどの消耗品を用いることなく、画像展開時間を計測することができる画像形成装置が提案されている。この画像形成装置は、印刷データが入力されてから画像として展開するまでの処理時間を測定する展開時間測定手段と、展開時間測定手段により測定された結果を表示する測定結果表示手段とを有している。これにより、ある1ページの印刷データの処理を開始してから、フレームバッファにそのページの画像を展開し終わるまでの処理時間を確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−341386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、実際の印刷動作は、印刷ジョブから画像データを展開する画像展開処理や、印刷用紙を給紙トレイから排紙トレイに搬送する印刷用紙搬送処理などが並行に処理される時間があるため、特許文献1に記載の技術のように画像展開時間を計測するだけでは、実際の印刷動作に対応した正確な印刷時間を計測することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、印刷用紙やトナーなどの消耗品を無駄にすることなく、実際の印刷動作に対応した略正確な印刷時間を計測することができる印刷装置を提供すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、上位装置から印刷ジョブを受信し、該印刷ジョブに基づき印刷用紙に画像を印刷する印刷装置であって、前記上位装置から印刷ジョブを受信した際に該印刷ジョブから画像データを展開する画像展開手段と、印刷用紙を給紙開始してから排紙完了するまでの印刷用紙処理時間を記録した印刷用紙処理時間記録手段と、前記画像展開手段による画像展開時間と前記印刷用紙処理時間記録手段に記録された印刷用紙処理時間とに基づいて印刷用紙に画像を印刷することなく画像展開開始から排紙完了までに要する印刷時間を計測する印刷時間計測手段とを備えたことを特徴としたものである。
【0008】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、所定の印刷条件が指定された印刷用紙処理時間記録用の印刷ジョブを実行することにより、前記印刷用紙処理時間として、印刷用紙を給紙トレイから排紙トレイに搬送する印刷用紙搬送時間と、前ページの給紙開始から次ページの給紙開始までの連続給紙最短待ち時間とを計測する印刷用紙処理時間計測手段を備え、前記印刷用紙処理時間記録手段は、前記印刷用紙処理時間計測手段により計測された印刷用紙搬送時間と連続給紙最短待ち時間とを、前記印刷用紙処理時間記録用の印刷ジョブ毎に記録することを特徴としたものである。
【0009】
第3の技術手段は、第2の技術手段において、複数の給紙トレイと、複数の排紙トレイとを備え、前記印刷用紙処理時間記録用の印刷ジョブには、前記所定の印刷条件として、給紙トレイと排紙トレイの組み合わせが指定されることを特徴としたものである。
【0010】
第4の技術手段は、請求項2又は3に記載の印刷装置において、前記印刷時間計測手段は、前記上位装置から受信した印刷ジョブの印刷条件に基づいて、前記印刷用紙処理時間記録手段を参照し、該印刷条件に対応する印刷用紙搬送時間と連続給紙最短待ち時間とを取得することを特徴としたものである。
【0011】
第5の技術手段は、第4の技術手段において、前記画像展開手段が前記上位装置から受信した印刷ジョブを画像データに展開する画像展開時間が前記印刷用紙処理時間記録手段から取得した連続給紙最短待ち時間以下の場合、前記印刷時間計測手段は、前記画像展開手段により1ページ目の画像データの展開が完了した後に前記印刷用紙処理時間記録手段から取得した印刷用紙搬送時間のカウントを開始し、前記画像展開手段により2ページ目以降の画像データの展開が完了した後に前記連続給紙最短待ち時間が経過してから前記印刷用紙搬送時間のカウントを開始することを特徴としたものである。
【0012】
第6の技術手段は、第4の技術手段において、前記画像展開手段が前記上位装置から受信した印刷ジョブを画像データに展開する画像展開時間が前記印刷用紙処理時間記録手段から取得した連続給紙最短待ち時間より長い場合、前記印刷時間計測手段は、前記画像展開手段により各ページの画像データの展開が完了した後に前記印刷用紙処理時間記録手段から取得した印刷用紙搬送時間のカウントを開始することを特徴としたものである。
【0013】
第7の技術手段は、第1〜第6のいずれか1の技術手段において、印刷用紙を用いた通常印刷を行う通常印刷モードと、前記印刷用紙処理時間を計測し該計測結果を前記印刷用紙処理時間記録手段に記録する印刷用紙処理時間記録モードと、前記印刷時間計測手段により印刷用紙を用いずに印刷時間を計測する印刷時間計測モードとを切り替えるモード切替手段を備えたことを特徴としたものである。
【0014】
第8の技術手段は、第1〜第7のいずれか1の技術手段において、前記印刷時間計測手段による計測結果に基づいて、前記上位装置から受信した印刷ジョブに含まれる各ページの排紙完了のタイミングを前記上位装置に通知する排紙タイミング通知手段を備えることを特徴としたものである。
【0015】
第9の技術手段は、第8の技術手段において、前記排紙タイミング通知手段は、最終ページを判別し、該判別した最終ページの排紙完了のタイミングを前記上位装置に通知することを特徴としたものである。
【0016】
第10の技術手段は、第1〜第9のいずれか1の技術手段において、前記印刷時間計測手段により計測された印刷時間を記録する印刷時間記録手段と、該印刷時間記録手段に記録された印刷時間を通知する印刷時間通知手段とを備えたことを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、印刷用紙を用いずに画像展開時間と印刷用紙処理時間に基づく印刷時間を計測することができるため、印刷用紙やトナーなどの消耗品を無駄にすることなく、実際の印刷動作に対応した略正確な印刷時間を簡単な処理で知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷装置の機能的な構成例を示すブロック図である。
【図2】情報格納部に格納される印刷用紙処理時間保存テーブルの一例を示す図である。
【図3】印刷用紙処理時間記録モードにおける動作例を説明するための図である。
【図4】印刷時間計測モードが指定されたときのプリンタの印刷動作における時間経過の一例を示す図である。
【図5】プリンタに印刷用紙処理時間記録モードを指定して印刷用紙処理時間を記録する処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図6】プリンタに印刷時間計測モードを指定して印刷時間を計測する際の処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図7】印刷用紙計測モードでのプリント部の処理の一例を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の印刷装置に係る好適な実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、プリント機能を備えた単機能のプリンタを代表例として説明するが、本発明は、プリント機能、コピー機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能などの複数の機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)にも適用することができる。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷装置の機能的な構成例を示すブロック図である。図中、1は印刷装置(以下、プリンタという)を示す。このプリンタ1は、外部の上位装置2と通信し、上位装置2からの印刷ジョブデータを受信し、上位装置2へステータス通知データなどを送信するための通信制御部11と、CPUおよび主メモリなどにより構成される主制御部12と、上位装置2または操作パネル14から指定される各モード(通常印刷モード、印刷用紙処理時間記録モード、印刷時間計測モード)への切替設定を行うモード切替部13と、ユーザによる操作入力を受け付けるためのタッチパネルやユーザに各種通知を行うための表示部を備えた操作パネル14と、画像を印刷するための印刷用紙を給紙する給紙トレイ15と、給紙トレイ15から給紙された印刷用紙に、主制御部12により印刷ジョブデータから展開された画像データを印刷するプリント部16と、このプリント部16により画像データが印刷された印刷用紙(印刷物)を排紙する排紙トレイ17とを備える。
【0021】
上位装置2は、アプリケーション等で作成された文書データから印刷すべき印刷ジョブデータを生成し印刷を指示する典型的にはパーソナルコンピュータ、ワークステーションなどである。通信制御部11は、この上位装置2とネットワークなどの通信手段を介して通信し、印刷ジョブデータの受信やステータス通知データなどの送信を行う。ここで、通信手段として、例えば、USB(Universal Serial Bus)接続やパラレルインタフェースなどの手段が使用されてもよい。
【0022】
主制御部12は、印刷ジョブデータに含まれる給紙トレイや排紙トレイを指定するためのコマンドなどのジョブ情報を解析するジョブ情報解析部121と、各種の設定情報や後述の図2に示す印刷用紙処理時間保存テーブルなどを格納する情報格納部122と、モード切替部13からのモード切替設定に応じた設定データを処理する設定処理部123と、印刷用紙処理時間記録モードでは印刷用紙処理時間を計測し、印刷時間計測モードでは印刷時間を計測する時間計測部124と、ジョブ情報解析部121で解析された給紙トレイ指定コマンドを処理する給紙トレイ処理部125と、ジョブ情報解析部121で解析された排紙トレイ指定コマンドを処理する排紙トレイ処理部126と、印刷ジョブデータから画像データをバッファメモリ(図示せず)に展開する画像展開部127とを備える。
【0023】
本発明の主たる特徴部分は、印刷用紙やトナーなどの消耗品を無駄にすることなく、実際の印刷動作に対応した略正確な印刷時間を計測することにある。このための構成として、プリンタ1は、上位装置2から印刷ジョブを受信した際に印刷ジョブから画像データを展開する画像展開手段に相当する画像展開部127と、印刷用紙を給紙開始してから排紙完了するまでの印刷用紙処理時間を記録した印刷用紙処理時間記録手段に相当する情報格納部122と、画像展開部127による画像展開時間と情報格納部122に記録された印刷用紙処理時間とに基づいて印刷用紙に画像を印刷することなく画像展開開始から排紙完了までに要する印刷時間を計測する印刷時間計測手段に相当する時間計測部124とを備える。
【0024】
また、プリンタ1は、所定の印刷条件が指定された印刷用紙処理時間記録用の印刷ジョブを実行することにより、印刷用紙処理時間として、印刷用紙を給紙トレイから排紙トレイに搬送する印刷用紙搬送時間と、前ページの給紙開始から次ページの給紙開始までの連続給紙最短待ち時間とを計測する印刷用紙処理時間計測手段を備える。この印刷用紙処理時間計測手段は時間計測部124により実現される。そして、情報格納部122は、時間計測部124により計測された印刷用紙搬送時間と連続給紙最短待ち時間とを、印刷用紙処理時間記録用の印刷ジョブ毎に記録した印刷用紙処理時間保存テーブルを格納する。
【0025】
図2は、情報格納部122に格納される印刷用紙処理時間保存テーブルの一例を示す図である。この印刷用紙処理時間保存テーブルは、プリンタ1にて印刷用紙処理時間記録モードを実行することで生成される。つまり、印刷用紙処理時間記録用の印刷ジョブを実際に実行して印刷用紙を搬送させることにより、印刷用紙搬送時間と連続給紙最短待ち時間を計測して印刷用紙処理時間保存テーブルに記録する。この印刷用紙処理時間記録用の印刷ジョブには、所定の印刷条件として、例えば、給紙トレイと排紙トレイの組み合わせが指定される。上記の印刷用紙処理時間記録モードの具体的な動作例について図3に基づいて説明する。
【0026】
ここで、モード切替部13は、印刷用紙を用いた通常印刷を行う通常印刷モードと、印刷用紙処理時間を計測し計測結果を印刷用紙処理時間保存テーブルに記録する印刷用紙処理時間記録モードと、時間計測部124により印刷用紙を用いずに印刷時間を計測する印刷時間計測モードとを切り替える。ユーザが上位装置2からモード切換部13を切り替えることで、プリンタ1に印刷用紙処理時間記録モードを指定することができる。
【0027】
図3は、印刷用紙処理時間記録モードにおける動作例を説明するための図である。図3(A)に示すように、プリンタ1には、複数の給紙トレイ1〜4と、複数の排紙トレイ1〜3とが装着されている。給紙トレイ1はA4サイズ用紙、給紙トレイ2はA4サイズ用紙、給紙トレイ3はA3サイズ用紙、給紙トレイ4はB4サイズ用紙がセットされている。また、排紙トレイ1はステープルなどの後処理がなく排紙処理に時間がかからない排紙トレイである。排紙トレイ2,3は、ステープルなどの後処理を行うため排紙トレイ1に比べて排紙処理に時間がかかる排紙トレイである。
【0028】
印刷用紙処理時間記録用の印刷ジョブは、上位装置2にて生成されるが、例えば、A4サイズの2ページ以上の白紙データで構成され、印刷条件として、給紙トレイと排紙トレイの組み合わせが指定される。図3(B)の例において、印刷用紙処理時間記録用印刷ジョブXには、A4サイズの白紙2ページ以上の印刷ジョブに対して、給紙トレイとして自動給紙、排紙トレイとして排紙トレイ1の組み合わせが指定されている。なお、給紙トレイとして自動給紙が指定された場合には給紙トレイ1が選択されるように予め設定されているものとする。上位装置2から送信される印刷用紙処理時間記録用印刷ジョブXがプリンタ1で実行されると、A4サイズの2ページ以上の印刷用紙が給紙トレイ1から給紙され排紙トレイ1に排紙されるが、印刷ジョブが白紙であるため、印刷用紙には何も印刷されない状態で排紙される。
【0029】
また、同様に、印刷用紙処理時間記録用印刷ジョブYには、A4サイズの白紙2ページ以上の印刷ジョブに対して、給紙トレイとして給紙トレイ2、排紙トレイとして排紙トレイ2の組み合わせが指定されている。上位装置2から送信される印刷用紙処理時間記録用印刷ジョブYがプリンタ1で実行されると、A4サイズの2ページ以上の印刷用紙が給紙トレイ2から給紙され排紙トレイ2に排紙されるが、印刷ジョブが白紙であるため、印刷用紙には何も印刷されない状態で排紙される。
【0030】
上記のいずれの印刷ジョブの場合でも、印刷用紙には何も印刷されず白紙のままで排紙されるため印刷用紙の再利用が可能である。つまり、この印刷ジョブを実行しても印刷用紙やトナーが消費されることがなく、無駄な印刷物が生成されることがない。
【0031】
なお、印刷用紙処理時間記録モードで用いる印刷ジョブは、2ページ以上の白紙ジョブに限定されず、2ページ以上の通常の文書ジョブとしてもよい。つまり、2ページ以上の文書データからなる印刷ジョブデータが入力され、印刷用紙処理時間記録モードが指定されているときは、印刷ジョブデータから画像データへの展開を行わず、印刷用紙の通紙処理のみを実行するようにする。この場合も、上記と同様に、印刷用紙には何も印刷されず白紙のままで排紙される。
【0032】
上記のようにして、プリンタ1を通常印刷モードから印刷用紙処理時間記録モードに切り替え、印刷用紙処理時間記録用印刷ジョブを実行することにより、印刷用紙処理時間が計測され、図2の印刷用紙処理時間保存テーブルに記録される。図3(C)に示すように、印刷用紙処理時間記録用印刷ジョブXの場合、給紙トレイ1からの給紙開始から排紙トレイ1への排紙完了までの印刷用紙搬送時間Xと、次の用紙を最短で連続給紙したときの連続給紙最短待ち時間Xとが、印刷用紙処理時間保存テーブルにそれぞれ保存される。
【0033】
また、同様に、印刷用紙処理時間記録用印刷ジョブYの場合、給紙トレイ2からの給紙開始から排紙トレイ2への排紙完了までの印刷用紙搬送時間Yと、次の用紙を最短で連続給紙したときの連続給紙最短待ち時間Yとが、印刷用紙処理時間保存テーブルにそれぞれ保存される。なお、連続給紙最短待ち時間X、Yは、プリンタ1の最速時間となるため、どの場合でもほぼ同じ時間と考えられるが、実動作による実時間を記録しておくことにより、より実動作に近い計測を行うことができる。
【0034】
図4は、印刷時間計測モードが指定されたときのプリンタ1の印刷動作における時間経過の一例を示す図である。プリンタ1が印刷時間計測モードに切り替えられた場合、時間計測部124は、上位装置2から受信した印刷ジョブの印刷条件に基づいて、情報格納部122に格納されている印刷用紙処理時間保存テーブルを参照し、この印刷条件に対応する印刷用紙搬送時間と連続給紙最短待ち時間とを取得する。例えば、上記の印刷条件として、給紙トレイに自動給紙、排紙トレイに排紙トレイ1が指定されていれば、印刷用紙処理時間記録用印刷ジョブXの印刷用紙搬送時間Xと連続給紙最短待ち時間Xが取得される。なお、印刷時間計測モードにおいて、上位装置2から送信する印刷ジョブは1ページ以上の所望の画像データで構成すればよい。
【0035】
上記例のように、上位装置2から受信した印刷ジョブに対して、印刷用紙処理時間保存テーブルから印刷用紙搬送時間Xと連続給紙最短待ち時間Xが取得される。そして、図4(A)に示すように、上記装置2から受信した印刷ジョブは画像展開部127で画像データに展開されるが、画像展開部127による画像展開時間が連続給紙最短待ち時間X以下の場合、時間計測部124は、画像展開部127により1ページ目の画像データの展開が完了した後に印刷用紙搬送時間Xのカウントを開始し、画像展開部127により2ページ目以降の画像データの展開が完了した後に連続給紙最短待ち時間Xが経過してから印刷用紙搬送時間Xのカウントを開始する。
【0036】
図4(A)に基づいて具体的に説明する。上位装置2から印刷ジョブデータの送信が開始されると、プリンタ1の主制御部12は、通信制御部11より印刷ジョブデータを読み込み、画像展開部127がページ1の画像展開を開始する(t0)。ページ1の画像展開が完了すると(t1)、主制御部12は、その画像を印刷用紙へ印刷するための印刷要求をプリント部16へ送信する。この際、印刷用紙処理時間保存テーブルから取得した印刷用紙搬送時間Xと連続給紙最短待ち時間Xもプリント部16に送信する。そして、時間計測部124からの指示に従って、プリント部16は、上記の印刷要求に応じて実際の印刷動作は行わずに印刷用紙搬送時間Xのカウントを開始し、印刷用紙搬送時間Xが経過すると(t4)、ページ1の排紙完了として、時間計測部124に通知する。
【0037】
次に、主制御部12の画像展開部127は、ページ1の画像展開が完了すると(t1)、すぐにページ2の画像展開を開始する。ページ2の画像展開が完了すると(t2)、主制御部12は、ページ2の印刷要求をプリント部16へ送信する。このとき、時間計測部124からの指示に従って、プリント部16は、ページ2の印刷要求を受信したときに連続給紙最短待ち時間Xが経過していないため、連続給紙最短待ち時間Xの経過後(t3)、ページ2の印刷用紙搬送時間Xのカウントを開始し(t3)、印刷用紙搬送時間Xが経過すると(t5)、ページ2の排紙完了として、時間計測部124に通知する。
【0038】
このようにして、時間計測部124では、画像を印刷用紙に印刷することなく画像展開開始から排紙完了までの印刷時間を計測する。図4(A)の例の場合、時間計測部124は、ページ1について、画像展開開始タイミングt0、画像展開完了タイミング(または給紙開始タイミング)t1、排紙完了タイミングt4を計測し、同様に、ページ2について、画像展開開始タイミングt1、画像展開完了タイミングt2、給紙開始タイミングt3、排紙完了タイミングt5を計測する。これらのタイミング情報に基づいて、ページ1の画像展開開始からページ2の排紙完了までの印刷時間あるいは各ページの画像展開開始から排紙完了までの印刷時間などを算出することができる。例えば、t0を基準とすると、ページ1の画像展開開始からページ2の排紙完了までの印刷時間はt5、ページ1の画像展開開始から排紙完了までの印刷時間はt4、ページ2の画像展開開始から排紙完了までの印刷時間はt5−t1と求めることができる。
【0039】
ここで、性能評価のために実際に測定するプリンタの印刷時間は、上位装置(PC)のアプリケーション等で印刷ボタンが押下され最終ページの排紙完了までの時間であり、プリンタ側だけでいうと、この印刷時間は、印刷ジョブデータの受信開始から最終ページの排紙完了までの時間となる。このため、上位装置で印刷ボタンが押下されてからプリンタで画像展開が開始されるまでの時間と、プリンタでの印刷ジョブデータの受信開始から画像展開が開始されるまでの時間とを計測しておけば、上位装置で印刷ボタンが押下され最終ページの排紙完了までの時間と、印刷ジョブデータの受信開始から最終ページの排紙完了までの時間とを算出することができる。
【0040】
なお、上記では、プリント部16に印刷用紙搬送時間及び連続給紙最短待ち時間を送信して、各ページの排紙完了タイミングをプリント部16から時間計測部124に通知するようにしているが、時間計測部124が印刷用紙搬送時間及び連続給紙最短待ち時間のカウントを行ってもよい。例えば、図4(A)の場合、時間計測部124は、主制御部12からプリント部16へ印刷要求を送信した時点から印刷用紙搬送時間X(及び連続給紙最短待ち時間X)をカウントして各ページの排紙完了タイミングを取得する。
【0041】
また、図4(B)に示すように、画像展開部127による画像展開時間が連続給紙最短待ち時間Xより長い場合、時間計測部124は、画像展開部127により各ページの画像データの展開が完了した後に印刷用紙排紙時間Xのカウントを開始する。
【0042】
図4(B)に基づいて具体的に説明する。上位装置2から印刷ジョブデータの送信が開始されると、主制御部12は、通信制御部11より印刷ジョブデータを読み込み、画像展開部127がページ1の画像展開を開始する(t0)。ページ1の画像展開が完了すると(t0)、主制御部12は、その画像を印刷用紙に印刷するための印刷要求をプリント部16へ送信する。この際、印刷用紙処理時間保存テーブルから取得した印刷用紙搬送時間Xと連続給紙最短待ち時間Xもプリント部16に送信する。そして、時間計測部124からの指示に従って、プリント部16は、上記の印刷要求に応じて実際の印刷動作は行わずに印刷用紙搬送時間Xのカウントを開始し、印刷用紙搬送時間Xが経過すると(t4)、ページ1の排紙完了として、時間計測部124に通知する。
【0043】
次に、主制御部12の画像展開部127は、ページ1の画像展開が完了すると(t1)、すぐにページ2の画像展開を開始する。ページ2の画像展開が完了すると(t3)、主制御部12は、その画像を印刷用紙に印刷するための印刷要求をプリント部16へ送信する。そして、時間計測部124からの指示に従って、プリント部16は、ページ2の印刷要求を受信したときに既に連続給紙最短待ち時間Xが経過しているため、この印刷要求に応じてページ2の印刷用紙搬送時間Xのカウントを開始し(t3)、印刷用紙搬送時間Xが経過すると(t5)、ページ2の排紙完了として、時間計測部124に通知する。
【0044】
ここで、プリンタ1は、時間計測部124による計測結果に基づいて、上位装置2から受信した印刷ジョブに含まれる各ページの排紙完了のタイミングを上位装置2に通知する排紙タイミング通知手段を備える。この排紙タイミング通知手段は、主制御部12及び通信制御部11により実現される。すなわち、図4の例の場合、t0を基準として、ページ1の排紙完了タイミングt4とページ2の排紙完了タイミングt5を上位装置2へ通知する。
【0045】
なお、上記の排紙タイミング通知手段は、最終ページを判別し、判別した最終ページの排紙完了のタイミングを上位装置2に通知するようにしてもよい。これは、例えば、主制御部12が、プリント部16から現ページの排紙完了通知を受信すると、次ページがあるか否かを判定し、次ページがないと判定した場合に現ページを最終ページと判別することができる。そして、この判別の結果を上位装置2に通知することにより、上位装置2では最終ページまで印刷時間の計測が完了したものと判断し、上位装置2から送信した印刷ジョブについて印刷時間計測モードを終了させる。
【0046】
また、プリンタ1は、時間計測部124により計測された印刷時間を記録する印刷時間記録手段と、印刷時間記録手段に記録された印刷時間を通知する印刷時間通知手段とを備える。印刷時間記録手段は情報格納部122により実現され、印刷時間通知手段は操作パネル14により実現される。図4の例に示したように、印刷時間計測モードによりプリンタ1の印刷時間を印刷用紙等の消耗品を用いることなく計測することができるが、この計測結果を情報格納部122に記録しておく。そして、ユーザが操作パネル14を操作することで、情報格納部122に記録されている計測結果を、操作パネル14の表示部に表示させ、ユーザは操作パネル14上でプリンタ1の印刷時間を確認することができる。
【0047】
前述の図3(B)の例では、印刷用紙処理時間(印刷用紙搬送時間と連続給紙最短待ち時間)を、印刷条件として、用紙サイズと、給紙トレイと排紙トレイの組み合せとに従った印刷ジョブ毎に予め計測、記録している。そして、図4に示すように、用紙サイズと、給紙トレイと排紙トレイの組み合せとが指定された実際の印刷ジョブに基づいて、この印刷ジョブの画像展開に要する時間を計測すると共に、印刷ジョブの印刷条件に応じた印刷用紙処理時間を取得し、これを実際にカウントすることで排紙タイミングを検出しているが、このように印刷用紙処理時間を実際にカウントせずに、主制御部12での計算により排紙タイミングを算出するようにしてもよい。
【0048】
例えば、図4(A)の例の場合、ページ1の排紙タイミングt4は、ページ1の画像展開時間(t1−t0)に印刷用紙搬送時間X1を加算することで算出され、ページ2の排紙タイミングt5は、ページ1の画像展開時間(t1−t0)に、連続給紙最短待ち時間X2と印刷用紙搬送時間X1を加算することで算出することができる。なお、図4(B)の例の場合も同様に求めることができるが、この場合、ページ1の排紙タイミングt4は、ページ1の画像展開時間(t1−t0)に印刷用紙搬送時間X1を加算することで算出され、ページ2の排紙タイミングt5は、ページ2の画像展開時間(t3−t1)に、印刷用紙搬送時間X1を加算することで算出することができる。
【0049】
図5は、プリンタ1に印刷用紙処理時間記録モードを指定して印刷用紙処理時間を記録する処理の一例を説明するためのフロー図である。本例では、通常印刷モードがデフォルト設定されているものとする。まず、プリンタ1は、ユーザの操作等に基づいて、モード切替部13により印刷用紙処理時間記録モードが指定されたか否かを判定し(ステップS1)、印刷用紙処理時間記録モードが指定されたと判定した場合(YESの場合)、印刷用紙処理時間記録モードに入る(ステップS2)。
【0050】
主制御部12は、通信制御部11を介して、上位装置2から印刷用紙処理時間記録用印刷ジョブデータを受信したか否かを判定し(ステップS3)、印刷用紙処理時間記録用印刷ジョブデータ(以下、ここでは単に印刷ジョブデータという)を受信したと判定した場合(YESの場合)、主制御部12のジョブ情報解析部121は、印刷ジョブデータからジョブ情報を解析する。この解析結果に基づいて、給紙トレイ処理部125で給紙トレイを指定すると共に、排紙トレイ処理部126で排紙トレイを指定し、時間計測部124が、指定された給紙トレイと排紙トレイ間で実際に印刷用紙を搬送させたときの給紙開始から排紙完了までの印刷用紙搬送時間を計測する(ステップS4)。そして、時間計測部124で計測した印刷用紙搬送時間を情報格納部122の印刷用紙処理時間保存テーブルへ保存する(ステップS5)。
【0051】
また、上記ステップS3において、主制御部12が印刷ジョブデータを受信していないと判定した場合(NOの場合)、ステップS3で印刷ジョブデータの受信待ち状態に移行する。
【0052】
次に、時間計測部124は、前ページの給紙開始から次ページの給紙開始までの連続給紙最短待ち時間を計測し(ステップS6)、計測した連続給紙最短待ち時間を情報格納部122の印刷用紙処理時間保存テーブルへ保存する(ステップS7)。そして、プリンタ1は、必要な印刷用紙処理時間の計測および保存処理が終了したため、印刷用紙処理時間記録モードを終了し、ステップS1に戻り待機状態に移行する(ステップS8)。
【0053】
なお、ステップS1において、主制御部12は、印刷用紙処理時間記録モードが指定されないと判定した場合(NOの場合)、通常印刷モードによる通常の印刷処理を実行するように制御する(ステップS9)。
【0054】
図6は、プリンタ1に印刷時間計測モードを指定して印刷時間を計測する際の処理の一例を説明するためのフロー図である。本例でも通常印刷モードがデフォルト設定されているものとする。まず、プリンタ1は、ユーザの操作等に基づいて、モード切替部13により印刷時間計測モードが指定されたか否かを判定し(ステップS11)、印刷時間計測モードが指定されたと判定した場合(YESの場合)、主制御部12は、プリント部16へ印刷時間計測モード開始を通知する(ステップS12)。
【0055】
次に、主制御部12は、上位装置2から印刷ジョブデータを受信したか否かを判定し(ステップS13)、印刷ジョブデータを受信したと判定した場合(YESの場合)、印刷ジョブデータの印刷条件より給紙トレイと排紙トレイの組み合わせを特定し、特定したトレイの組み合わせに基づいて、情報格納部122の印刷用紙処理時間保存テーブルから印刷用紙処理時間(印刷用紙搬送時間と連続給紙最短待ち時間)を取得する(ステップS14)。なお、用紙サイズによっても印刷用紙処理時間が異なるため、上記印刷条件から用紙サイズを特定し、特定した用紙サイズとトレイの組み合せに基づいて、印刷用紙処理時間を取得してもよい。この場合、前述の図2に示した印刷用紙処理時間保存テーブルには、用紙サイズとトレイの組み合せに応じた印刷用紙処理時間(印刷用紙搬送時間と連続給紙最短待ち時間)を保存しておけばよい。また、ステップS13において、印刷ジョブデータを受信していないと判定した場合(NOの場合)、ステップS13で印刷ジョブの受信待ち状態に移行する。
【0056】
次に、画像展開部127が印刷ジョブデータから1ページ分の印刷画像を展開し(ステップS15)、1ページ分の印刷画像の展開が終了した後に、プリント部16へ印刷要求及びステップS14で取得した印刷用紙処理時間(印刷用紙搬送時間と連続給紙最短待ち時間)を通知する(ステップS16)。ここで、主制御部12は、プリント部16より排紙完了通知があるか否かを判定し(ステップS17)、プリント部16より排紙完了通知有りと判定した場合(YESの場合)、通信制御部11を介して、上位装置2へ排紙完了を通知する(ステップS18)。また、ステップS17において、プリント部16より排紙完了通知なしと判定した場合(NOの場合)、ステップS17で排紙完了通知待ち状態に移行する。
【0057】
次に、主制御部12は、次ページがあるか否かを判定し(ステップS19)、次ページが有ると判定した場合(YESの場合)、ステップS15に戻り、ステップS15からステップS19までの処理を繰り返す。なお、ステップS16において、印刷用紙処理時間(印刷用紙搬送時間と連続給紙最短待ち時間)は1ページ目の印刷要求時にプリント部16に通知されるため、2ページ目以降ではプリント部16に印刷要求のみを通知すればよく、印刷用紙処理時間を再度通知しなくてもよい。また、ステップS19において、次ページが無いと判定した場合(NOの場合)、印刷ジョブが終了となるため、主制御部12は、プリント部16より最終ページの排紙完了通知があるか否かを判定する(ステップS20)。
【0058】
そして、ステップS20において、主制御部12は、プリント部16より最終ページの排紙完了通知有りと判定した場合(YESの場合)、通信制御部11を介して、上位装置2へ最終ページの排紙完了を通知する(ステップS21)。また、ステップS20において、主制御部12は、プリント部16より最終ページの排紙完了通知なしと判定した場合(NOの場合)、ステップS20で最終ページの排紙完了通知待ち状態に移行する。
【0059】
その後、主制御部12は、印刷時間計測モードの終了がユーザにより指示されたか否かを判定し(ステップS22)、印刷用紙計測モードの終了が指示された場合(YESの場合)、印刷用紙計測モードを終了して、プリント部16へ印刷用紙計測モード終了を通知し(ステップS23)、ステップS11へ戻る。また、ステップS22において、印刷用紙計測モードの終了がユーザにより指示されていない場合(NOの場合)、ステップS13に戻り、印刷用紙計測モードを継続し、次の印刷ジョブの受信待ち状態に移行する。
【0060】
なお、ステップS11において、主制御部12は、印刷時間計測モードが指定されない場合(NOの場合)、通常印刷モードにて通常の印刷処理を実行するように制御する(ステップS24)。
【0061】
図7は、印刷用紙計測モードでのプリント部16の処理の一例を説明するためのフロー図である。まず、プリント部16は、主制御部12より印刷時間計測モードの開始通知が有るか否かを判定し(ステップS31)、開始通知有りと判定した場合(YESの場合)、主制御部12より印刷要求と共に、印刷用紙搬送時間と連続給紙最短待ち時間が通知されたか否かを判定する(ステップS32)。
【0062】
次に、ステップS32において、印刷要求の通知有りと判定した場合(YESの場合)、連続給紙最短待ち時間が経過済みか否かを判定する(ステップS33)。また、ステップS32において、印刷要求の通知なしと判定した場合(NOの場合)、ステップS32で印刷要求通知待ち状態に移行する。このステップS33において、最初のページでは連続給紙最短待ち時間をカウントしていないため、連続給紙最短待ち時間は経過済み(YES)と判定される。そして、プリント部16は、印刷用紙搬送時間のカウントを開始し(ステップS34)、続けて、連続給紙最短待ち時間のカウントを開始する(ステップS35)。
【0063】
その後、プリント部16は、実印刷での排紙完了時間と略同じになるように、現ページの印刷用紙搬送時間が経過したか否かを判定し(ステップS36)、現ページの印刷用紙搬送時間が経過したと判定した場合(YESの場合)、主制御部12へ現ページの排紙完了を通知する(ステップS37)。また、ステップS36において、現ページの印刷用紙搬送時間が経過していないと判定した場合(NOの場合)、ステップS36で経過待ち状態に移行する。
【0064】
そして、プリント部16は、主制御部12からの印刷時間計測モードの終了通知の有無を判定し(ステップS38)、印刷時間計測モードの終了通知なしと判定した場合(NOの場合)、ステップS32に戻り、ステップS32からステップS38の処理を繰り返す。また、ステップS38において、印刷時間計測モードの終了通知有りと判定した場合(YESの場合)、ステップS31へ戻る。
【0065】
なお、ステップS31において、主制御部12より印刷時間計測モードの開始通知がない場合(NOの場合)、通常印刷モードにより通常の印刷処理を実行する(ステップS39)。
【0066】
ここで、ステップS38でNOの場合に、ステップS32に移行するが、このステップS32において、プリント部16は、主制御部12から2ページ目以降の印刷要求の通知待ちを行う。この際、2ページ目以降では印刷要求のみが通知され、印刷用紙搬送時間と連続給紙最短待ち時間は通知されないものとする。そして、次のステップS33において、2ページ目以降の印刷要求の通知に応じて連続給紙最短待ち時間の経過が判定され、連続給紙最短待ち時間が経過していない場合には、連続給紙最短待ち時間の経過を待って印刷用紙搬送時間のカウントが開始される。
【0067】
このように本発明によれば、印刷用紙を用いずに画像展開時間と印刷用紙処理時間に基づく印刷時間を計測することができるため、印刷用紙やトナーなどの消耗品を無駄にすることなく、実際の印刷動作に対応した略正確な印刷時間を簡単な処理で知ることができる。
また、印刷時間の計測のために実際に印刷用紙を搬送させることがないため、用紙なしや用紙ジャムなどの用紙搬送に起因するエラーにより印刷時間の計測が失敗することを防止できる。
【符号の説明】
【0068】
1…印刷装置(プリンタ)、2…上位装置、11…通信制御部、12…主制御部、13…モード切替部、14…操作パネル、15…給紙トレイ、16…プリント部、17…排紙トレイ、121…ジョブ情報解析部、122…情報格納部、123…設定処理部、124…時間計測部、125…給紙トレイ処理部、126…排紙トレイ処理部、127…画像展開部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上位装置から印刷ジョブを受信し、該印刷ジョブに基づき印刷用紙に画像を印刷する印刷装置であって、
前記上位装置から印刷ジョブを受信した際に該印刷ジョブから画像データを展開する画像展開手段と、印刷用紙を給紙開始してから排紙完了するまでの印刷用紙処理時間を記録した印刷用紙処理時間記録手段と、前記画像展開手段による画像展開時間と前記印刷用紙処理時間記録手段に記録された印刷用紙処理時間とに基づいて印刷用紙に画像を印刷することなく画像展開開始から排紙完了までに要する印刷時間を計測する印刷時間計測手段とを備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置において、所定の印刷条件が指定された印刷用紙処理時間記録用の印刷ジョブを実行することにより、前記印刷用紙処理時間として、印刷用紙を給紙トレイから排紙トレイに搬送する印刷用紙搬送時間と、前ページの給紙開始から次ページの給紙開始までの連続給紙最短待ち時間とを計測する印刷用紙処理時間計測手段を備え、前記印刷用紙処理時間記録手段は、前記印刷用紙処理時間計測手段により計測された印刷用紙搬送時間と連続給紙最短待ち時間とを、前記印刷用紙処理時間記録用の印刷ジョブ毎に記録することを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷装置において、複数の給紙トレイと、複数の排紙トレイとを備え、前記印刷用紙処理時間記録用の印刷ジョブには、前記所定の印刷条件として、給紙トレイと排紙トレイの組み合わせが指定されることを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の印刷装置において、前記印刷時間計測手段は、前記上位装置から受信した印刷ジョブの印刷条件に基づいて、前記印刷用紙処理時間記録手段を参照し、該印刷条件に対応する印刷用紙搬送時間と連続給紙最短待ち時間とを取得することを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項4に記載の印刷装置において、前記画像展開手段が前記上位装置から受信した印刷ジョブを画像データに展開する画像展開時間が前記印刷用紙処理時間記録手段から取得した連続給紙最短待ち時間以下の場合、前記印刷時間計測手段は、前記画像展開手段により1ページ目の画像データの展開が完了した後に前記印刷用紙処理時間記録手段から取得した印刷用紙搬送時間のカウントを開始し、前記画像展開手段により2ページ目以降の画像データの展開が完了した後に前記連続給紙最短待ち時間が経過してから前記印刷用紙搬送時間のカウントを開始することを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項4に記載の印刷装置において、前記画像展開手段が前記上位装置から受信した印刷ジョブを画像データに展開する画像展開時間が前記印刷用紙処理時間記録手段から取得した連続給紙最短待ち時間より長い場合、前記印刷時間計測手段は、前記画像展開手段により各ページの画像データの展開が完了した後に前記印刷用紙処理時間記録手段から取得した印刷用紙搬送時間のカウントを開始することを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷装置において、印刷用紙を用いた通常印刷を行う通常印刷モードと、前記印刷用紙処理時間を計測し該計測結果を前記印刷用紙処理時間記録手段に記録する印刷用紙処理時間記録モードと、前記印刷時間計測手段により印刷用紙を用いずに印刷時間を計測する印刷時間計測モードとを切り替えるモード切替手段を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷装置において、前記印刷時間計測手段による計測結果に基づいて、前記上位装置から受信した印刷ジョブに含まれる各ページの排紙完了のタイミングを前記上位装置に通知する排紙タイミング通知手段を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項9】
請求項8に記載の印刷装置において、前記排紙タイミング通知手段は、最終ページを判別し、該判別した最終ページの排紙完了のタイミングを前記上位装置に通知することを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の印刷装置において、前記印刷時間計測手段により計測された印刷時間を記録する印刷時間記録手段と、該印刷時間記録手段に記録された印刷時間を通知する印刷時間通知手段とを備えたことを特徴とする印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−121246(P2012−121246A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274627(P2010−274627)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】