説明

印刷装置

【課題】同じ大きさの用紙を長辺方向及び短辺方向で搬送可能に収納する給紙部からいずれかの方向で給紙された用紙に、画像生成部で生成された画像データに基づいた印刷を行う、高印刷パフォーマンスの印刷装置を提供する。
【解決手段】プリンタ1は、同じ大きさの用紙を長辺方向及び短辺方向で搬送可能に収納しており、画像生成部12で生成した画像データに基づいて印刷を行う。このプリンタ1は、印刷を行う用紙の給紙の方向を指定する用紙方向情報を生成する用紙方向情報生成部17を備え、画像生成部12が、印刷開始時に用紙切れでない場合、用紙方向情報が指定する方向用の画像データの作成を開始し、印刷中に用紙切れして印刷を中断した時に、印刷未完了のページについての用紙方向情報が指定する方向とは異方向用の画像データの生成を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された印刷ジョブに基づいて印刷を行う印刷装置であって、特に、同じ大きさの用紙を長辺方向及び短辺方向で搬送可能に収納する給紙部を有するものに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複合機(MFP:Multi-Function Peripheral)等の印刷装置として、同じ大きさの用紙を長辺方向及び短辺方向で搬送可能に収納する給紙部を有するものが知られている。一般的には、短辺方向のものが印刷速度が速いため良く使われている。このような印刷装置では、入力された印刷ジョブに基づいて、長辺方向または短辺方向で給紙された用紙上に印刷される。
また、上述のような印刷装置では、一般的には、印刷を行っている途中では、用紙給紙方向を変更することはできない。例えば、短辺方向に給紙されているA4の用紙上への印刷中に、用紙切れにより印刷が停止した時、長辺方向に給紙されるA4の用紙を用いて印刷することはできない。
【0003】
この問題を解決するものとして、特許文献1には、印刷中に短辺方向のA4の用紙が無くなった時に印刷を中断する印刷装置であって、中断後にユーザにより長辺方向のA4の用紙での印刷継続が選択された後に、短辺方向のA4の用紙へ印刷した画像を90度回転した画像の画像データを生成し、該画像を長辺方向のA4用紙上へ印刷するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−129043号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の方法では、ユーザ選択後に再度印刷用に画像データを生成するので、印刷に時間がかかる、すなわち、印刷パフォーマンスが低下する。
また、上述の方法以外に、長辺方向に搬送される用紙用の画像データ及び短辺方向に搬送される用紙用の画像データの両方を常に生成する方法が考えられる。しかし、この方法は処理量が多くなるため、印刷パフォーマンスが低下する。
【0006】
本発明は、上述のような実情を鑑み、同じ大きさの用紙を長辺方向及び短辺方向で搬送可能に収納する給紙部からいずれかの方向で給紙された用紙に、印刷ジョブから画像生成部により生成された画像データに基づいた印刷を行う、高印刷パフォーマンスの印刷装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の技術手段は、同じ大きさの用紙を長辺方向及び短辺方向で搬送可能に収納する給紙部からいずれかの方向で給紙された用紙に、画像生成部で生成した画像データに基づいて印刷を行う印刷装置であって、印刷を行う用紙の給紙の方向を指定する用紙方向情報を生成する用紙方向情報生成部を備え、前記画像生成部が、印刷開始時に用紙切れでない場合、前記用紙方向情報が指定する方向用の画像データの作成を開始し、印刷中に用紙切れして印刷を中断した時に、印刷未完了のページについての前記用紙方向情報が指定する方向とは異方向用の画像データの生成を開始することを特徴としたものである。
【0008】
本発明の第2の技術手段は、第1の技術手段において、印刷中断中に、前記用紙切れとなった方向の用紙が補給された場合、当該方向の用紙用の画像データに基づく当該方向の用紙への印刷を再開することを特徴としたものである。
【0009】
本発明の第3の技術手段は、第1または第2の技術手段において、印刷中断中に、前記用紙切れとなった方向とは異方向の用紙を印刷に用いることをユーザが選択した場合、前記異方向の用紙用のデータに基づく当該異方向の用紙への印刷を開始し印刷を継続することを特徴としたものである。
【0010】
本発明の第4の技術手段は、第1〜第3のいずれか1の技術手段において、前記画像生成部が、印刷開始時に用紙切れの場合、用紙が補給されるまでの間、前記長辺方向用の画像データ及び前記短辺方向用の画像データの両方を生成することを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、同じ大きさの用紙を長辺方向及び短辺方向で搬送可能に収納する給紙部からいずれかの方向で給紙された用紙に、画像生成部で生成した画像データに基づいた印刷を行う、高印刷パフォーマンスの印刷装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の印刷装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のプリンタでの画像データの生成例を具体的に説明する図である。
【図3】図1のプリンタでの画像データの生成例を具体的に説明する他の図である。
【図4】図1のプリンタでの画像データの生成例を具体的に説明する他の図である。
【図5】図1のプリンタにおける画像データ生成処理例を説明するフローチャートである。
【図6】図5の用紙方向情報生成処理例を説明するフローチャートである。
【図7】図5の中断時画像生成処理例を説明するフローチャートである。
【図8】図5の印刷完了待ち処理例を説明するフローチャートである。
【図9】図1のプリンタでの印刷処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明の印刷装置を、外部から入力される印刷ジョブに基づいて印刷を行うプリンタとして構成した例を示すブロック図である。
図1のプリンタ1は、I/O部11、画像生成部12、エンジン制御部13、ジョブ制御部14、記憶部15、ユーザインタフェース(UI:User Interface)制御部16、用紙方向情報生成部17と、を備える。なお、本明細書では、プリンタ1は、A4サイズの用紙が長辺方向(以下、縦方向)に給紙可能な状態で収納される給紙トレイや、同用紙が短辺方向(以下、横方向)に給紙可能な状態で収納される給紙トレイを有する印刷機構を備えるものとして説明する。説明を容易とするため、他のサイズの給紙トレイを有していないものとする。
【0014】
I/O部11は、ネットワークNやUSB(Universal Serial Bus)等を経由して外部装置との通信を行うものであり、該I/O部11を介して印刷ジョブが入力される。
画像生成部12は、I/O部11から入力された印刷ジョブに基づいて、画像データを生成するもので、横方向に給紙される用紙用の画像データ(以下、横方向用の画像データ)、及び/又は、縦方向に給紙される用紙用の画像データ(以下、縦方向用の画像データ)を生成する。その詳細については、後述する。
【0015】
エンジン制御部13は、画像生成部12により生成された画像データに基づいて印刷を行う印刷機構の印刷エンジンを駆動制御する。
ジョブ制御部14は、印刷ジョブの受信から、印刷前の印刷ジョブの管理を行う。
記憶部15は、ハードディスクドライブや不揮発性のメモリからなり、画像生成部12が生成した画像データや、印刷設定情報等の各種情報を記憶する。
UI制御部16は、不図示の表示部及び操作ボタン等からなる操作パネルにおけるユーザインタフェースの制御を行う。
【0016】
用紙方向情報生成部17は、印刷を行う用紙の給紙の方向を指定する用紙方向情報を生成する。
印刷ジョブでトレイの指定がない場合は、印刷速度の速い横方向が用紙方向情報により指定される。ただし、横方向の用紙が用紙切れの場合は、縦方向が用紙方向情報により指定される。
また、印刷開始時にトレイが指定されていた場合は、当該トレイに収納されている用紙の方向が用紙方向情報により指定される。
【0017】
この用紙方向情報に基づいてプリンタ1は以下のように動作する。まず、画像生成部12にて、用紙方向情報が指定する方向用の画像データを生成し印刷を開始する。また、印刷中に該当する用紙が用紙切れして印刷を中断した時、印刷未完了のページについて、用紙方向情報が指定する方向すなわち用紙切れとなった用紙の方向とは異方向用の画像データを生成し、用紙切れとなった方向用の画像データ及び上記異方向用の画像データの両方すなわち横方向用の画像データ及び縦方向用の画像データを用意する。
したがって、横方向と縦方向のいずれの方向の用紙で印刷を再開するとしても、即座に印刷を行うことができる。そのため、プリンタ1は高印刷パフォーマンスである。
【0018】
また、プリンタ1は、例えば、用紙方向情報が指定する横方向の用紙が用紙切れとなり印刷が中断した場合、縦方向の用紙を用いて印刷を再開することを操作パネルを介してユーザが選択したときに、縦方向用のデータに基づく縦方向の用紙への印刷を開始し印刷を継続する。なお、自動的に上記縦方向の用紙への印刷を開始してもよい。
さらに、上記の印刷中断後に、横方向の用紙が補給された場合、プリンタ1では、自動または手動で、横方向用の画像データに基づく横方向の用紙への印刷を再開する。
また、横方向の用紙が用紙切れとなった後に縦方向の用紙を用いた印刷が再開された場合でも、その後、横方向の用紙が補給された時に、自動的に横方向用の画像データに基づく横方向用の用紙への印刷に戻るようにするのが好ましい。横方向の方が速く印刷できるからである。
【0019】
図2〜図4は、図1のプリンタ1での画像データの生成例を具体的に説明する図である。
図では、生成済のページの画像データを通常の線で、印刷済のページの画像データを太線で示す。また、前提として、印刷ジョブ開始前のトレイに入っている用紙は次の通りであるものとする。すなわち、横方向に給紙されるA4サイズの用紙(以下、A4横用紙)がトレイ1に10枚、縦方向に給紙されるA4サイズの用紙(A4縦用紙)がトレイ2に100枚入っているとする。印刷ジョブとしては、A4用紙を用いて100ページ印刷するジョブが入力されたものとする。
【0020】
印刷ジョブが入力されると、プリンタ1では、A4横用紙用のトレイ1に用紙が入っているので、用紙方向情報生成部17が、印刷を行う用紙の給紙の方向として横方向を指定する用紙方向情報を生成する。そして、画像生成部12が、この用紙方向情報に基づいて、図2(A)に示すように、1ページ目から順にA4横用紙用の画像データ(以下、A4横画像データ)を生成する。
この画像データ生成に並行して、図2(B)に示すように、A4横画像データに基づくA4横用紙への印刷が1ページ目から順に行われ、10ページ目まで印刷を行った後、A4横用紙がないため、印刷を中断する。図2(B)の例では、A4横画像データに基づくA4横用紙への印刷が10ページまで完了し、この段階で既にA4横画像データが50ページ目まで作成済みとなっている。
【0021】
印刷中断中、プリンタ1では、画像生成部12が、図2(C)に示すように、印刷未完了のページから順にすなわち11ページ目から順にA4縦用紙用の画像データ(以下、A4縦画像データという)を生成する。なお、図2(D)は、印刷中断中に、11ページ目から20ページ目までA4縦画像データの生成が完了し、21ページ目のA4縦画像データを生成中である状態を示している。
【0022】
印刷中断後、図2(D)の状態の際に、例えば、A4縦用紙での印刷が再開されると、プリンタ1では、図3(A)に示すように、A4縦画像データ生成に並行して、A4縦画像データに基づくA4縦用紙への印刷が11ページ目から順に行われる。そして、最終的に、図3(B)に示すように、1ページ目から10ページ目まではA4横用紙で、11ページ目から100ページ目まではA4縦用紙で印刷されたものが得られる。
【0023】
また、印刷中断後、A4縦用紙での印刷が再開される前に、図2(D)の状態で、例えば、A4横用紙がトレイ1に補給された場合、プリンタ1では、図4(A)に示すように、A4縦画像データの生成を停止する。
そして、図4(B)に示すように、A4横画像データの生成を再開すると共に、11ページ目から順にA4横画像データに基づくA4横用紙への印刷を行う。そして、最終的に、図4(C)に示すように、1ページ目から100ページ目まで全てA4横用紙で印刷されたものが得られる。
【0024】
また、印刷開始時に用紙があるような通常の場合とは異なり、印刷開始時に、用紙が指定されていたトレイに既にない場合や、いずれのトレイにも既にない場合がある。この場合、用紙方向情報生成部17が、印刷を行う用紙の給紙の方向として横方向と縦方向の両方を指定する用紙方向情報を生成し、画像生成部12では、当該用紙方向情報に基づいて、上記両方の画像データを1ページ目から作成することが好ましい。この構成では、無かった方向の用紙が補給されたり、用紙切れとなっていない同一サイズで方向が異なる用紙での印刷がユーザにより選択されたりしたときに、すぐに印刷を開始することができる。
【0025】
図5は、図1のプリンタ1における画像データ生成処理例を説明するフローチャートである。
プリンタ1は、印刷ジョブを受信すると(ステップS1)、各給紙トレイの用紙有無情報等を取得し(ステップS2)、後述の図6で説明する用紙方向情報生成処理を行い(ステップS3)、用紙方向情報の生成を行う。そして、プリンタ1での印刷が現在中断中である否かを示す停止フラグがONであるか否か判定する(ステップS4)。
【0026】
停止フラグがONでなく中断中でない場合(NOの場合)、用紙方向情報に従った画像データが未生成の先頭ページについて、当該用紙方向情報に従った画像データを生成する(ステップS5)。そして、全てのページについて画像データを生成が完了したが否か判定し(ステップS6)、完了していない場合(NOの場合)は、ステップS4に戻り、次ページ以降について同様の処理を行い、完了していた場合(YESの場合)は、図7で説明する印刷完了待ち処理を実施して(ステップS7)、処理を終了する。
また、ステップS4において、停止フラグがONであり中断中であった場合(YESの場合)、後述の図7で説明する中断時画像生成処理を行ってからステップS6へ処理を進める。
【0027】
図6は、図5のステップS3の用紙方向情報生成処理例を説明するフローチャートである。
用紙方向情報生成処理では、図に示すように、まず、縦方向と横方向それぞれについてトレイに用紙があるか否か判定する(ステップS11)。
それぞれに用紙がある場合(YESの場合)、用紙方向情報生成部17により、優先トレイの用紙方向を給紙の方向として指定する用紙方向情報を生成し(ステップS12)、記憶部15に保存する(ステップS13)。なお、優先トレイとは、プリンタ1で予め決まっているトレイ優先順位に従ったトレイである。
【0028】
また、ステップS11において、縦方向と横方向のトレイの両方に用紙がない場合(NOの場合)、縦方向と横方向のいずれかの用紙がトレイにあるか否か判定する(ステップS14)。いずれかの用紙がトレイにある場合(ステップS14、YESの場合)、用紙方向情報生成部17により、トレイにある用紙の用紙方向を給紙の方向として指定する用紙方向情報を生成してから(ステップS15)、ステップS13に移行し、いずれの用紙もトレイにない場合(ステップS14、NOの場合)、用紙方向情報生成部17により、横方向用紙用と縦方向用紙の両方を給紙の方向として指定するような用紙方向情報を生成してから(ステップS16)、ステップS13に移行する。
【0029】
図7は、図5のステップS8の中断時画像生成処理例を説明する図である。
この処理は、用紙切れで印刷停止中に、印刷未完了のページの先頭から順に縦方向用の画像データと横方向用の画像データの両方を得るための処理である。
まず、印刷未完了のページの先頭ページのページ番号情報などのページ情報を取得し(ステップS21)、用紙方向情報が給紙の方向として横方向と縦方向の両方を指定しているか否か判定する(ステップS22)。
【0030】
両方を指定しておらず、横方向と縦方向のいずれかを指定している場合(NOの場合)、用紙方向情報が指定している方向とは別方向用の画像データを生成し(ステップS23)、ステップS24に処理を移行する。
一方、ステップS22において、用紙方向情報が給紙の方向として横方向と縦方向の両方を指定している場合(YESの場合)、横方向用の画像データ及び縦方向用の画像データの両方を生成し(ステップS26)、ステップS24に処理を移行する。
【0031】
ステップS24では、停止フラグがOFFになって印刷が再開/開始されたか否か判定し、OFFになっており印刷が再開/開始されていた場合(YESの場合)は終了し、OFFになっておらず印刷が再開/開始されていない場合(NOの場合)は、次ページのページ情報を取得し(ステップS25)、ステップS22に処理を戻し、停止フラグがOFFになるまで上述の処理を行う。
【0032】
図8は、図5のステップS7の印刷完了待ち処理例を説明するフローチャートである。
印刷完了待ち処理では、プリンタ1は、まず、印刷ジョブが完了したか否か判定する(ステップS31)。
【0033】
印刷ジョブが完了していた場合(YESの場合)、処理を終了し、完了していない場合(NOの場合)、印刷未完了の先頭ページの情報を取得し(ステップS32)、停止フラグがONであるか否か判定する(ステップS33)。
【0034】
ステップS33において、停止フラグがONであり、印刷中断中の場合(YESの場合)、当該ページについて、両方向の画像データを生成済みか否か判定する(ステップS34)。
生成済みの場合(YESの場合)、そのままステップS36へ移行し、生成済みでない場合(NOの場合)、生成済みの画像データの方向とは別方向の画像データを生成してから(ステップS35)、ステップS37へ移行する。
【0035】
また、ステップS33において、停止フラグがOFFであり、印刷中の場合(NOの場合)、当該ページについて、用紙方向情報で指定される用紙方向の画像データを生成済みか否か判定し(ステップS36)、生成済みでない場合(NOの場合)、ステップS35へ進み、生成済みの場合(YESの場合)、ステップS37へ進む。
ステップS36では、印刷が完了したか否か判定し、印刷が完了していた場合(YESの場合)は終了し、印刷が完了していない場合(NOの場合)は、次ページのページ情報を取得し(ステップS28)、ステップS33に処理を戻し、印刷が完了するまで上述の処理を行う。
【0036】
図9は、図1のプリンタ1での印刷処理例を示すフローチャートである。
この印刷処理は、画像データ生成処理と並列に実行されるもので、プリンタ1は、まず印刷するページの画像データが生成されているか否か判定する(ステップS41)。生成されていない場合(NOの場合)、ステップS41に戻り、生成されている場合(YESの場合)、用紙方向情報で指定されている方向の用紙があるか否か判定する(ステップS42)。
【0037】
ステップS42において、用紙方向情報で指定されている方向の用紙がある場合(NOの場合)、用紙方向情報で指定されている方向用の画像データを展開し(ステップS49)、印刷を行う(ステップS50)。印刷したとき、印刷済みページ情報をカウントアップし(ステップS51)、何ページ目まで印刷済であるかを判定できるようにする。印刷されたページの画像データは削除する(ステップS52)。なお、このとき、用紙方向情報で指定されている方向とは別方向の画像データがあれば、そちらも削除する。そして、現在のページが最終ページであるか否か判定し(ステップS53)、最終ページの場合(YESの場合)、印刷処理を終了し、最終ページでない場合(NOの場合)、ステップS41に処理を戻して、次のページに対して印刷処理を行う。
【0038】
ステップS42において、用紙方向情報で指定されている方向の用紙が用紙切れの場合(YESの場合)、停止フラグをONにし(ステップS43)、UI制御部16により「用紙なし」メッセージを操作パネルに表示しユーザ操作入力を待つ(ステップS44)。
【0039】
そして、用紙方向情報で指定されている方向とは別の方向の用紙を用いて印刷を継続することをユーザが操作パネルを介して選択したか否か判定する(ステップS45)。
別方向の用紙を用いて印刷を継続することをユーザが選択した場合(YESの場合)、用紙方向情報を更新し(ステップS46)、ステップS48に移行する。
また、別方向の用紙を用いて印刷を継続することをユーザが選択しなかった場合(NOの場合)、用紙方向情報で指定されている方向の用紙のトレイに給紙されたか否か判定する(ステップS47)。給紙されなかった場合(NOの場合)、ステップS44へ戻り、給紙された場合(YESの場合)、ステップS48へ移行する。
ステップS48では、停止フラグをOFFにしてから、処理をステップS49へ進める。
【0040】
以上では、A4サイズの用紙の例で説明したが、他のサイズの用紙を用いる印刷装置にも適用することができる。
【0041】
なお、横方向と縦方向の両方向に給紙不可能な用紙サイズの印刷や、中綴じ印刷、後処理していされた印刷など、印刷ジョブの途中で給紙方向を変更できない印刷の場合、上述の中断時画像生成処理は行わない。これにより、無駄な画像データ生成が行われないので、不要なパフォーマンスダウンを避けることができる。
【符号の説明】
【0042】
1…プリンタ、11…I/O部、12…画像生成部、13…エンジン制御部、14…ジョブ制御部、15…記憶部、16…UI制御部、17…用紙方向情報生成部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ大きさの用紙を長辺方向及び短辺方向で搬送可能に収納する給紙部からいずれかの方向で給紙された用紙に、画像生成部で生成した画像データに基づいて印刷を行う印刷装置であって、
印刷を行う用紙の給紙の方向を指定する用紙方向情報を生成する用紙方向情報生成部を備え、
前記画像生成部は、
印刷開始時に用紙切れでない場合、前記用紙方向情報が指定する方向用の画像データの作成を開始し、
印刷中に用紙切れして印刷を中断した時に、印刷未完了のページについての前記用紙方向情報が指定する方向とは異方向用の画像データの生成を開始することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
印刷中断中に、前記用紙切れとなった方向の用紙が補給された場合、当該方向の用紙用の画像データに基づく当該方向の用紙への印刷を再開することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
印刷中断中に、前記用紙切れとなった方向とは異方向の用紙を印刷に用いることをユーザが選択した場合、前記異方向の用紙用のデータに基づく当該異方向の用紙への印刷を開始し印刷を継続することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記画像生成部は、印刷開始時に用紙切れの場合、用紙が補給されるまでの間、前記長辺方向用の画像データ及び前記短辺方向用の画像データの両方を生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−43326(P2013−43326A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181642(P2011−181642)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】