説明

印刷装置

【課題】ユーザの意図しない同じ名称の印刷装置で印刷が行われることを事前に防止することができる印刷装置を提供する。
【解決手段】同名プリンタがプリンタ情報内に存在すると判断する場合、CPUは、プリンタ名の登録を禁止する。そして、プリンタ名の登録が禁止されたと判断する場合(S106:YES)、CPUは、プリンタから管理サーバへのサインインを禁止する(S107)。このため、同名プリンタが存在する場合、印刷データを印刷しなくなり、ユーザの意図しない同名プリンタで印刷が行われることを未然に防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び印刷装置をネットワークで接続し、情報処理装置から印刷制限サーバを経由して印刷装置に印刷データを投入することにより、印刷を実行する印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、情報処理装置及び印刷装置をネットワークで接続し、情報処理装置から印刷制限サーバを経由して印刷装置に印刷データを投入することにより、印刷を実行する印刷システムがある。この印刷システムの一例として特許文献1に記載のシステムでは、ユーザが印刷装置を利用する際、情報処理装置から印刷制限サーバに問い合わせを行い、印刷上限枚数を超えていないことを条件に、印刷制限サーバにより印刷が許可される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−330686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、印刷装置の名称を登録する際、同じ名称の印刷装置を複数登録してしまうことがある。このため、ユーザが意図する印刷装置と異なる同じ名称の印刷装置に印刷データを投入し、印刷が実行された結果、ユーザの意図しない同じ名称の印刷装置で印刷が行われるという問題があった。
【0005】
そこで、ユーザの意図しない同じ名称の印刷装置で印刷が行われることを事前に防止することができる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題の解決を目的としてなされた印刷装置は、管理サーバとネットワークを介して接続する接続部と、ネットワークを介して受信した印刷データを印刷する印刷部と、自装置の名称の入力を受け付ける受付部と、受付部が受け付けた名称と同じ名称の印刷装置が存在するか否かを判断する判断部と、同じ名称の印刷装置が存在すると判断部が判断した場合、印刷部が印刷することを禁止する禁止部とを備えることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、自装置と同じ名称の印刷装置が存在する場合、印刷データを印刷しなくなり、ユーザの意図しない同じ名称の印刷装置で印刷が行われることを未然に防止することができる。
【0008】
また、受付部が受け付けた名称を変更する変更部を備え、禁止部は、名称が変更された場合、印刷部が印刷することを禁止しないようにしてもよい。
【0009】
この構成によれば、変更部が同じ名称の印刷装置が存在しないように自装置の名称を変更するので、同じ名称の印刷装置が存在しなくなり、意図しない印刷装置で印刷が行われる可能性を低くすることができる。
【0010】
また、同じ名称の印刷装置がネットワークに接続されているか否かを判断する接続判断部を備え、禁止部は、同じ名称の印刷装置がネットワークに接続されていないと接続判断部が判断する場合、印刷部が印刷することを禁止しないようにしてもよい。
【0011】
同じ名称の印刷装置であっても、ネットワークに接続されていない印刷装置は、ネットワークを介して印刷データを受信することがない。このため、自装置が、ネットワークに接続されていない他の印刷装置と同じ名称であっても、自装置と他の印刷装置とを間違える可能性が小さくなり、ユーザの意図する印刷装置で印刷が行われる可能性を高くすることができる。なお、接続判断部は過去にネットワークに接続したことのある印刷装置の範囲で、判断を行う。
【0012】
また、禁止部は、同じ名称の印刷装置がネットワークに接続されていない時間である非接続時間が、所定時間以上の場合、印刷部が印刷することを禁止しないようにしてもよい。
【0013】
この構成によれば、非接続時間が所定時間内であれば、ユーザの意図しない同じ名称の印刷装置で印刷が行われることを防止し、非接続時間が所定時間を越えれば、同じ名称の印刷装置でも印刷することができるようになる。すなわち、ユーザの意図しない同じ名称の印刷装置で印刷が行われることの防止と、ユーザの利便性との調和を図ることができる。
【0014】
また、アカウント情報を記憶する記憶部を備え、判断部は、記憶部に記憶されたアカウント情報が示すアカウントと同じアカウントを有する印刷装置の範囲内で、同じ名称の印刷装置が存在するか否かを判断するようにしてもよい。
【0015】
この構成によれば、判断する印刷装置の範囲を、記憶部に記憶されたアカウントと同じアカウントを有する印刷装置に限定することにより、判断にかかる時間を短縮することができる。
【0016】
また、判断部は、管理サーバに接続している印刷装置の範囲内で、同じ名称の印刷装置が存在するか否かを判断するようにしてもよい。
【0017】
この構成によれば、判断する印刷装置の範囲を、サーバに接続している印刷装置に限定することにより、判断にかかる時間を短縮することができる。
【0018】
また、同じ名称の印刷装置が存在すると判断部が判断した場合、受付部が受け付けた名称が使用できないことを通知する通知部を備えるようにしてもよい。
【0019】
この構成によれば、ユーザは、入力した名称が使用できないことを知ることができる。
【0020】
また、通知部は、使用されている名称の一覧を報知するようにしてもよい。
【0021】
この構成によれば、ユーザは、どの名称が使用できるか否かを把握しやすくなる。
また、管理サーバと接続するための接続情報を送信する送信部を備え、禁止部は、送信部が接続情報を送信することを禁止するようにしてもよい。
【0022】
この構成によれば、管理サーバと接続できないから、印刷データを受信することができなくなり、ユーザの意図しない同じ名称の印刷装置で印刷が行われることを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1〜3実施形態に共通するプリンタの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1〜3の実施形態に共通する印刷システムの動作概略を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1〜3実施形態に共通するプリンタリストの一例を示す図面である。
【図4】本発明の第1〜3の実施形態に共通するサインイン処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態おける登録判断処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態おける登録判断処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3実施形態おける登録判断処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3実施形態おける登録判断処理の手順を示すフローチャートの変形例である。
【図9】本発明の第3実施形態おける登録判断処理の手順を示すフローチャートの変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
以下、本発明の印刷装置を具体化した第1実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は、Webページから印刷対象データを取得して印刷する機能を有するプリンタに本発明を適用したものである。
【0025】
[プリンタの構成]
本形態のプリンタ100(請求項に記載の「印刷装置」の一例)は、図1に示すように、CPU31と、ROM32と、RAM33と、フラッシュメモリ34とを備えた制御部30を備えている。また、制御部30は、用紙に画像を印刷する画像形成部10と、動作状況の表示やユーザによる入力操作の受付を行う操作パネル40と、ネットワークインターフェース37と、USBインターフェース38とに、電気的に接続されている。
【0026】
ROM32には、プリンタ100を制御するための制御プログラムであるファームウェアや各種設定、初期値等が記憶されている。RAM33及びフラッシュメモリ34(請求項に記載の「記憶部」の一例)は、各種制御プログラムが読み出される作業領域として、あるいは印刷データを一時的に記憶する記憶領域として利用される。
【0027】
また、フラッシュメモリ34は、電源を切ってもデータが消えない不揮発性であり、出荷後にユーザによって設定される各種の設定を記憶する記憶領域として利用される。例えば、フラッシュメモリ34は、自装置のプリンタ名、及び、アカウント情報を記憶している。なお、自装置のプリンタ名を変更するときは、CPU31とフラッシュメモリ34とが協働することにより請求項に記載の「変更部」の一例として機能する。なお、プリンタ名は、プリンタまたは後述のPC200のユーザがプリンタを識別することができる文字または記号などの名称であり、例えば、プリンタメーカが定めるモデル名、またはユーザが任意に定める名称であってもよい。
【0028】
CPU31(請求項に記載の「判断部」、「禁止部」の一例)は、ROM32から読み出した制御プログラムや各種センサから送られる信号に従って、その処理結果をRAM33またはフラッシュメモリ34に記憶させながら、プリンタ100の各構成要素を制御する。
【0029】
ネットワークインターフェース37(請求項に記載の「接続部」の一例)およびUSBインターフェース38は、他の装置との通信を可能にするインターフェースである。プリンタ100は、これらのインターフェースを介して他の装置から送信されるデータを受信する。
【0030】
本形態では、プリンタ100は、ネットワークインターフェース37を介して、パーソナルコンピュータ(PC)200、及び、管理サーバ300との通信が可能になっている。プリンタ100は、PC200及び管理サーバ300などの通信装置とともに印刷システム900を構成している。
【0031】
この他、USBインターフェース38を介して他の装置を利用してもよい。例えば、USBインターフェース38にキーボードが装着されている場合には、そのキーボードを利用して入力操作を行うことができる。
【0032】
また、画像形成部10(請求項に記載の「印刷部」の一例)は、用紙に画像を印刷することができればよく、画像形成方式については電子写真方式であってもインクジェット方式であってもよい。また、カラー印刷が可能であってもよく、モノクロ印刷専用であってもよい。
【0033】
また、操作パネル40(請求項に記載の「受付部」、「通知部」の一例)は、ユーザ入力を受け付ける各種のボタンと、文字情報やボタン等を表示するタッチパネル画面とを有している。各種のボタンとしては、例えば、印刷動作の開始を指示するOKボタン、印刷動作のキャンセルを指示するキャンセルボタン、及び、ユーザがWebベージのURLを入力するための文字ボタンがある。
【0034】
[管理サーバの構成]
管理サーバ300は、プリンタ100、プリンタ101及びプリンタ102での印刷を仲介するためのサーバである。管理サーバ300は、プリンタ100、プリンタ101及びプリンタ102のベンダーによって提供されるサーバではなく、クラウド印刷を提供する会社(以下「提携会社」という)によって提供されるサーバである。
【0035】
管理サーバ300は、プリンタ情報320を管理サーバ300のメモリ領域310に記憶している。また、管理サーバ300は、PDF及びJPEG等の形式の画像データをプリンタ100が印刷できるように展開する展開部330を備えている。プリンタ情報320には、ユーザID、AuthToken及びプリンタ名が対応付けられて記憶されている。ユーザIDは、上記提携会社から提供されるIDであり、AuthTokenは、ユーザがユーザIDを利用して管理サーバ300にログインする際に、当該ユーザに割り当てられる識別情報である。
【0036】
なお、管理サーバにおいてユーザIDとAuthTokenとは対応付けがされているため、ログインする際にユーザIDを受け付ければ、AuthTokenに関して何らかの入力をする必要はない。
【0037】
[印刷システムの構成]
続いて、プリンタ100を含む印刷システム900の構成および動作について、図2を参照しつつ説明する。
【0038】
印刷システム900では、PC200がユーザID及びパスワード等のアカウント情報を受け付けると、PC200が管理サーバ300にログインし、PC200と管理サーバ300との接続が確立される。また、プリンタ100がPC200と同様にアカウント情報を受け付けると、プリンタ100が管理サーバ300にサインインし(請求項に記載の「接続」の一例)、プリンタ100と管理サーバ300との接続が確立される。
【0039】
つまり、印刷システム900では、同じアカウント情報を用いてPC200が管理サーバ300にログインし、プリンタ100が管理サーバ300にサインインすると、PC200からプリンタ100を指定して印刷を実行させることができるように構成されている。
【0040】
なお、本明細書中では、便宜的に、PC200と管理サーバ300との接続を確立させるために、ユーザがアカウント情報をPC200から管理サーバ300に入力することをログインといい、プリンタ100と管理サーバ300との接続を確立するために、ユーザがアカウント情報をプリンタ100から管理サーバ300に入力することをサインインと、呼称を変えて説明する。
【0041】
また、本明細書中では、管理サーバ300とプリンタ100との接続及び切断は、物理的な接続及び切断に限らず、データの送受信を行える状態にあることを接続に含み、データの送受信を行えない状態にあることを切断に含むものとする。
【0042】
図2に示す印刷システム900では、プリンタ100と同様にプリンタ101及びプリンタ102が同じアカウント情報を用いて管理サーバ300にサインインしており、PC200では、プリンタ100、プリンタ101及びプリンタ102が選択肢として、PC200のディスプレイに表示され、選択肢の中からいずれかのプリンタを指定して印刷することができる。なお、選択肢は、プリンタ100、プリンタ101及びプリンタ102のいずれかのプリンタが生成してもよく、管理サーバ300が生成するようにしてもよい。
【0043】
例えば、PC200がユーザからプリンタ100への印刷指示を受け付けると、PC200がPDF及びJPEG等の形式の画像データを管理サーバ300に送信する。管理サーバ300では、展開部330が画像データを展開し、印刷データを作成する。つまり、管理サーバ300がプリンタドライバの役割を果たしている。そして、PC200から管理サーバ300を介してプリンタ100に対して、その印刷データが投入される。
【0044】
プリンタ100は、印刷データを受信した後、その印刷データの印刷を開始する。つまり、ユーザは、プリンタ100に印刷指示をした後、プリンタ100が設置されている場所まで移動する。そして、ユーザは印刷物を手にすることができる。
【0045】
しかし、上記の印刷手順では、例えば、プリンタ100のプリンタ名とプリンタ102のプリンタ名とが同じ場合、ユーザはプリンタ102に印刷指示をしているつもりであったが、実際にはプリンタ100に印刷指示をしている場合がある。
【0046】
この場合、ユーザは、プリンタ102が設置されている場所まで移動するが、印刷物を得ることができず、また、プリンタ100に印刷物が放置されることがある。このため、第三者に印刷物を持っていかれたり、見られたりすることにより、印刷物の情報が漏洩するおそれがある。例えば、同機種のプリンタを複数台購入して、印刷システム900を構築しようとする場合、自装置の機種の型番等を自動的に自装置のプリンタ名として設定する場合、上記問題が起こることが想定される。
【0047】
そこで、プリンタ100は、自装置のプリンタ名をフラッシュメモリ34に記憶することにより、プリンタ名を登録するときに、管理サーバ300から同じアカウント情報でサインインしているプリンタのプリンタ名の一覧であるプリンタ情報320をダウンロードし、ダウンロードしたプリンタ情報320に、自装置と同じプリンタ名のプリンタ(以下、同名プリンタという、請求項に記載の「同じ名称の印刷装置」の一例)が存在するか否かを判断する。同名プリンタが存在する場合、プリンタ100は、サインインせず、同名プリンタが存在するためサインインできない旨をユーザに通知する。
【0048】
すなわち、管理サーバ300に同じプリンタ名のプリンタ100及びプリンタ102の一方がサインインしているときは、他方の同じプリンタ名のプリンタはサインインが禁止される。
【0049】
よって、ユーザがプリンタ102と同じプリンタ名のプリンタ100を指定して印刷データを投入することがなくなり、印刷物がプリンタ100に放置されることを未然に防止することができる。
【0050】
なお、プリンタ101及びプリンタ102は、プリンタ100でサインインするときのアカウント情報を使用して、プリンタ100よりも前にプリンタ名を登録し、管理サーバ300にサインインしているものとする。また、プリンタ情報320には、過去に管理サーバ300にサインインしたことのあるプリンタについて記憶されているものとする。
【0051】
[プリンタの制御]
続いて、上述した印刷システム900の動作を実現するプリンタ100の制御について説明する。上述したようにプリンタ100の動作としては、サインイン処理において、同名プリンタが存在する場合、サインインを禁止する。以下、サインイン処理の動作を中心に説明する。
【0052】
[サインイン処理]
図4を参照しながら、サインイン処理について説明する。なお、サインイン処理は、ユーザが操作パネル40を操作することにより、例えば、操作パネル40に表示された項目の中からサインイン処理の項目をユーザが選択して、OKボタンを押下したことにより開始される。
【0053】
まず、ユーザが操作パネル40から入力するプリンタ名及びアカウント情報(請求項に記載の「接続情報」の一例)を受け付け(S101)、CPU31は、操作パネル40が受け付けたプリンタ名及びアカウント情報をRAM33に記憶させる。この時点では、プリンタ名及びアカウント情報を一時的に記憶しているだけであり、プリンタ情報は登録されていない。
【0054】
次に、CPU31は、プリンタ100から管理サーバ300にサインインする要求(以下、サインイン要求という)がされたか否かを判断する(S102)。例えば、操作パネル40に表示されたサインインのためのID、パスワード等を入力する画面において、ID、パスワードの入力後、接続の項目を選択して、OKボタンを押下したか否かを判断する。
【0055】
サインイン要求がされていない場合(S102:NO)、CPU31は、サインイン要求があるまで待機する。一方、サインイン要求がされた場合(S102:NO)、CPU31は、フラッシュメモリ34に記憶されたアカウント情報を読み出す(S103)。
【0056】
次に、読み出したアカウント情報を管理サーバ300に通知し、読み出したアカウント情報と同一のアカウント情報を有するプリンタについて、少なくともプリンタ名を収集したプリンタ情報320を管理サーバ300から取得する(S104)。続いて、CPU31は、プリンタ情報320を用いて、登録判断処理を実行する(S105)。
【0057】
[登録判断処理]
図5を参照しながら、登録判断処理について説明する。まず、CPU31は、S104において取得したプリンタ情報320を検索対象として、RAM33に一時的に記憶した自装置のプリンタ名と一つずつ比較し、同名プリンタがプリンタ情報320内に存在するか否かを判断する(S201)。
【0058】
同名プリンタがプリンタ情報320内に存在すると判断する場合(S201:YES)、CPU31は、プリンタ名の登録を禁止し(S210)、登録判断処理を終了する。ここで、プリンタ名の登録を禁止とは、S101で受け付けたプリンタ名をフラッシュメモリ34に記憶させないことをいう。
【0059】
一方、同名プリンタがプリンタ情報320内に存在しないと判断する場合(S201:NO)、CPU31は、プリンタ名の登録を許可し(S220)、登録判断処理を終了する。なお、S220において、登録を許可したときに、別途、S101で受け付けたプリンタ名をフラッシュメモリ34に記憶させることにより、プリンタ名の登録が行われる。
【0060】
図4のサインイン処理に戻り、CPU31は、登録判断処理において、プリンタ名の登録が禁止されたか否かを判断する(S106)。
【0061】
プリンタ名の登録が禁止されたと判断する場合(S106:YES)、CPU31は、S101で受け付けたアカウント情報を管理サーバ300に送信しないことにより、プリンタ100から管理サーバ300へのサインインを禁止する(S107、請求項に記載の「禁止部」の一例)。すなわち、この印刷システム900では、プリンタ100が管理サーバ300にサインインしていなければ印刷データの印刷を行えないから、管理サーバ300へのサインインを行わないことは、印刷データの印刷を禁止していることと等価である。
【0062】
そして、CPU31は、S101において受け付けたプリンタ名が使用できない旨を、操作パネル40を介してユーザに通知し(S108)、読み出したアカウント情報と同一のアカウント情報を有するプリンタのプリンタ名を、操作パネル40に表示し(S109)、サインイン処理を終了する。
【0063】
なお、S109の後、ユーザがOKボタンを押下すると、CPU31は、操作パネル40にはプリンタ名を入力する画面が表示させ、ユーザにプリンタ名の入力を促す。そして、ユーザは、S109において表示されたプリンタ名と異なるプリンタ名を入力し、OKボタンを押下すると、CPU31は、S101で受け付けたアカウント情報を管理サーバ300に送信し、プリンタ100から管理サーバ300へサインインする。
【0064】
一方、プリンタ名の登録が禁止されていないと判断する場合(S106:NO)、CPU31は、プリンタ100から管理サーバ300へのサインインを許可し(S110)、プリンタ100から管理サーバ300へサインインして、サインイン処理を終了する。この場合、サインインが行われているので、プリンタ100を指定した印刷データが管理サーバ300に存在する旨の通知を管理サーバ300から受信すると、プリンタ100は印刷データを管理サーバ300から取得し、印刷を行う。すなわち、印刷データの印刷が禁止されない。
【0065】
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように第1実施形態における印刷装置では、同名プリンタがプリンタ情報320内に存在すると判断する場合(S201:YES)、CPU31は、プリンタ名の登録を禁止する(S210)。そして、プリンタ名の登録が禁止されたと判断する場合(S106:YES)、CPU31は、プリンタ100から管理サーバ300へのサインインを禁止する(S107)。このため、同名プリンタが存在する場合、印刷データを印刷しなくなり、ユーザの意図しない同名プリンタで印刷が行われることを未然に防止することができる。
【0066】
また、CPU31は、操作パネル40が受け付けたプリンタ名及びアカウント情報をフラッシュメモリ34に記憶させる。そして、CPU31は、フラッシュメモリ34に記憶されたアカウント情報を読み出し(S103)、読み出したアカウント情報を管理サーバ300に通知し、読み出したアカウント情報と同一のアカウント情報を有するプリンタについて、少なくともプリンタ名を収集したプリンタ情報320を管理サーバ300から取得する(S104)。このため、同名プリンタがプリンタ情報320内に存在するか否かを判断する(S201)際に、判断する範囲をフラッシュメモリ34に記憶されたアカウント情報と同一のアカウント情報を有するプリンタに限定することにより、S201の判断にかかる時間を短縮することができる。
【0067】
また、プリンタ名の登録が禁止されたと判断する場合(S106:YES)、CPU31は、S101において受け付けたプリンタ名が使用できない旨を、操作パネル40を介してユーザに通知する(S108)。このため、ユーザは、操作パネル40から入力するプリンタ名及びアカウント情報を受け付けられたが(S101)、操作パネル40から入力したプリンタ名が使用できないことを知ることができる。
【0068】
また、読み出したアカウント情報と同一のアカウント情報を有するプリンタのプリンタ名を、操作パネル40に表示する(S109)。このため、ユーザは、プリンタ名が同じにならないように、どのプリンタ名を使用することができるか否かを把握しやすくなる。
【0069】
[第2実施形態]
図6を参照しながら、第2実施形態における登録判断処理について説明する。第1実施形態では、登録判断処理において、同名プリンタが存在する場合、サインインを禁止していた。しかし、第2実施形態では、同名プリンタが存在する場合、プリンタ名を変更し、さらにプリンタ名の変更がユーザによって許可された場合、サインインを許可する。なお、第1実施形態と同様の処理については、適宜、説明を省略する。
【0070】
[登録判断処理]
同名プリンタがプリンタ情報320内に存在しないと判断する場合(S201:NO)、CPU31は、自装置のプリンタ名をプリンタ情報320内に存在しないプリンタ名に変更する(S202、請求項に記載の「変更部」の一例)。例えば、同名プリンタのプリンタ名が「プリンタ1」であった場合、自装置のプリンタ名にランダムに発生させたアルファベット3文字を付加して、プリンタ名を「プリンタ1_ABC」に変更する。
【0071】
次に、CPU31は、ユーザに変更したプリンタ名を許可するか否かを問い合わせ(S203)、ユーザに問い合わせた結果、変更したプリンタ名を許可する場合(S203:YES)、プリンタ名の登録を許可し(S220)、登録判断処理を終了する。
【0072】
一方、ユーザに問い合わせた結果が変更したプリンタ名を許可しない場合(S203:NO)、CPU31は、プリンタ名の登録を禁止し(S210)、登録判断処理を終了する。
【0073】
[第2実施形態の効果]
以上詳細に説明したように第2実施形態における印刷装置では、CPU31は、自装置のプリンタ名をプリンタ情報320内に存在しないプリンタ名に変更する(S202)。次に、CPU31は、ユーザに変更したプリンタ名を許可するか否かを問い合わせ(S203)、ユーザに問い合わせた結果、変更したプリンタ名を許可する場合(S203:YES)、プリンタ名の登録を許可する(S220)。このため、同名プリンタが存在しなくなり、意図しないプリンタで印刷が行われる可能性を低くすることができる。
【0074】
[第3実施形態]
図7を参照しながら、第3実施形態における登録判断処理について説明する。第3実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態とは異なり、同名プリンタが存在する場合、管理サーバ300にサインインしている自装置以外の他のプリンタの状態に応じて、サインインを許可する。具体的には、サインインしているプリンタの状態として、自装置以外の他のプリンタがサインインしているか否かと、自装置以外の他のプリンタがサインアウトしてからの経過時間とを、2つ例に挙げて説明する。
【0075】
なお、プリンタ情報320には、第1実施形態及び第2実施形態と比較して、図3に示すように、プリンタ名の他、接続状況に関する情報及び接続履歴に関する情報が含まれている。また、第1実施形態及び第2実施形態と同様の処理については、適宜、説明を省略する。
【0076】
[登録判断処理]
同名プリンタがプリンタ情報320内に存在すると判断する場合(S201:YES)、CPU31は、同名プリンタが管理サーバ300にサインインしているか否かを判断する(S204、請求項に記載の「接続判断部」の一例)。このS204の判断は、プリンタ情報320の接続状況を参照し、接続状況が接続の場合、サインインしていると判断する。なお、接続履歴がない場合は、サインインしていないと判断される。
【0077】
また、プリンタ情報320には、過去に管理サーバ300にサインインしたことのあるプリンタが記憶されている。このため、同名プリンタがプリンタ情報320内に存在するか否かを判断することは(S201)、過去に管理サーバ300にサインインしたことのあるプリンタに限定して、同名プリンタが存在するか否かを判断していることになる。つまり、S201の判断の後に行うS204の判断は、過去に管理サーバ300にサインインしたことのあるプリンタについて、サインインしているか否かについて判断を行っていることと等価である。
【0078】
同名プリンタが管理サーバ300にサインインしていると判断する場合(S204:YES)、CPU31は、プリンタ名の登録を禁止し(S210)、登録判断処理を終了する。
【0079】
一方、同名プリンタが管理サーバ300にサインインしていないと判断する場合(S204:NO)、CPU31は、自装置のプリンタ名と同じプリンタ名のプリンタが管理サーバ300からサインアウトしてから経過した時間(以下、サインアウト時間という、請求項に記載の「非接続時間」の一例)が所定時間を越えたか否かを判断する(S205)。
【0080】
ここで、所定時間とは、例えば、プリンタのサインイン及びサインアウトのログ情報をとっておき、同名プリンタが、前回サインアウトしてから次にサインインするまでの時間である。この所定時間は、接続状況に関する情報及び接続履歴に関する情報から求めることができる。例えば、図3において、プリンタ名が「プリンタ1」のプリンタ102は、接続履歴に関する情報を参照すると、前回サインアウトとして「2010/12/1 8:00切断」、サインインとして「2010/12/1 9:00接続」となっているので、所定時間は、1時間となる。一方、接続状況に関する情報を参照すると、「2010/12/1 10:00切断」となっている。プリンタ100がサインイン要求をするときが、「2011/1/2 10:00」とすると、プリンタ名が「プリンタ1」のプリンタ102のサインアウト時間は、30日以上となる。よって、所定時間である1時間をサインアウト時間が超えているから、S205では、サインアウト時間が所定時間を越えた(S205:YES)と判断されることになる。
【0081】
サインアウト時間が所定時間を越えていないと判断する場合(S205:NO)、CPU31は、プリンタ名の登録を禁止し(S210)、登録判断処理を終了する。所定時間を越えていなければ、ユーザの使用の傾向から自装置のプリンタ名と同じプリンタ名のプリンタがサインインする可能性が高いからである。
【0082】
また、サインアウト時間が所定時間を越えたと判断する場合(S205:YES)、CPU31は、プリンタ名の登録を許可し(S220)、登録判断処理を終了する。所定時間を経過していると、ユーザの使用の傾向から、自装置のプリンタ名と同じプリンタ名のプリンタがサインインしてくる可能性が低くなると考えられるからである。
【0083】
[第3実施形態の効果]
以上詳細に説明したように第3実施形態における印刷装置では、同名プリンタがプリンタ情報320内に存在すると判断する場合でも(S201:YES)、同名プリンタが管理サーバ300にサインインしていないと判断する場合(S204:NO)、CPU31は、プリンタ名の登録を許可する(S220)。例えば、同名プリンタであっても、ネットワークに接続されていないプリンタは、ネットワークを介して印刷データを受信することがない。このため、同名プリンタが管理サーバ300にサインインしていない場合、自装置と同名プリンタとを間違える可能性が小さくなり、ユーザの意図するプリンタで印刷が行われる可能性を高くすることができる。
【0084】
また、同名プリンタが管理サーバ300にサインインしていないと判断する場合でも(S204:NO)、サインアウト時間が所定時間を越えたと判断する場合(S205:YES)、CPU31は、プリンタ名の登録を許可する(S220)。このため、ユーザの意図しない同名プリンタで印刷が行われることの防止と、常に、同名プリンタで印刷することができない事態を回避することによりユーザの利便性を図ることと、の両立を図ることができる。
【0085】
[第4実施形態]
図8を参照しながら、第4実施形態における登録判断処理について説明する。第4実施形態は、第3実施形態において、CPU31は、自装置のプリンタ名と同じプリンタ名のプリンタが管理サーバ300からサインアウト時間が所定時間を越えたか否かを判断する(S205)処理を、省略した実施形態である。
【0086】
[登録判断処理]
同名プリンタがプリンタ情報320内に存在すると判断する場合(S201:YES)、CPU31は、同名プリンタが管理サーバ300にサインインしているか否かを判断する(S204)。
【0087】
同名プリンタが管理サーバ300にサインインしていると判断する場合(S204:YES)、CPU31は、プリンタ名の登録を禁止し(S210)、登録判断処理を終了する。
【0088】
一方、同名プリンタが管理サーバ300にサインインしていないと判断する場合(S204:NO)、CPU31は、プリンタ名の登録を許可し(S220)、登録判断処理を終了する。
【0089】
[第4実施形態の効果]
以上詳細に説明したように第4実施形態における印刷装置では、同名プリンタが管理サーバ300にサインインしていないと判断する場合(S204:NO)、CPU31は、プリンタ名の登録を許可し(S220)、登録判断処理を終了する。例えば、同名プリンタであっても、ネットワークに接続されていないプリンタは、ネットワークを介して印刷データを受信することがない。このため、同名プリンタが管理サーバ300にサインインしていない場合、自装置と同名プリンタとを間違える可能性が小さくなり、ユーザの意図するプリンタで印刷が行われる可能性を高くすることができる。
【0090】
[第5実施形態]
図9を参照しながら、第5実施形態における登録判断処理について説明する。第5実施形態は、第3実施形態において、CPU31は、同名プリンタが管理サーバ300にサインインしているか否かを判断する(S204)処理を、省略した実施形態である。
【0091】
[登録判断処理]
同名プリンタがプリンタ情報320内に存在すると判断する場合(S201:YES)、CPU31は、自装置のプリンタ名と同じプリンタ名のプリンタが管理サーバ300からサインアウト時間が所定時間を越えたか否かを判断する(S205)。
【0092】
サインアウト時間が所定時間を越えていないと判断する場合(S205:NO)、CPU31は、プリンタ名の登録を禁止し(S210)、登録判断処理を終了する。
【0093】
一方、サインアウト時間が所定時間を越えたと判断する場合(S205:YES)、CPU31は、プリンタ名の登録を許可し(S220)、登録判断処理を終了する。
【0094】
[第5実施形態の効果]
以上詳細に説明したように第5実施形態における印刷装置では、同名プリンタが管理サーバ300にサインインしていないと判断する場合でも(S204:NO)、サインアウト時間が所定時間を越えたと判断する場合(S205:YES)、CPU31は、プリンタ名の登録を許可する(S220)。このため、ユーザの意図しない同名プリンタで印刷が行われることの防止と、常に、同名プリンタで印刷することができない事態を回避することによりユーザの利便性を図ることと、の両立を図ることができる。
【0095】
[変形例]
なお、本実施形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、プリンタは、印刷機能を備えるものであればよく、複合機又は複写機であっても適用可能である。
【0096】
また、本実施形態では、管理サーバ300は、インターネット回線に接続されていたが、これに限るものではない。例えば、WANやLAN等のネットワークに接続されていてもよい。
【0097】
また、本実施形態では、管理サーバ300は上記提携会社が提供するサーバであったが、これに限られるものではない。例えば、ベンダーが提供するサーバであってもよいし、上記提携会社が提供するサーバとベンダーが提供するサーバとが協働するようにしてもよい。
【0098】
また、本実施形態では、プリンタ名やアカウント情報等を、ユーザが操作パネル40から直接入力していたが、これに限るものではない。例えば、PC200から遠隔操作で、プリンタ名やアカウント情報等を入力することができるようにしてもよい。
【0099】
また、本実施形態では、サインイン処理において、サインインを禁止していたが、これに限られるものではない。例えば、サインインを許可するが、印刷データを受信するとき、CPU31と、ネットワークインターフェース37、または、USBインターフェース38とが協働することで、印刷データの受信を禁止(請求項に記載の「禁止部」の一例)するようにしてもよい。
【0100】
また、本実施形態では、不揮発性のメモリとしてフラッシュメモリ34を使用していたが、これに限るものではない。例えば、NVRAM(Non Volatile RAM)を使用してもよい。
【0101】
また、本実施形態では、同名プリンタが存在するためサインインできない旨をユーザに通知するとき、操作パネル40にメッセージを表示してユーザに通知していたが、これに限るものではない。例えば、メッセージの代わりに、音や光によりユーザに通知する構成としてもよい。また、E−mail等を登録することにより、所定のPCやスマートフォン等に通知が行くようにしてもよい。
【0102】
また、本実施形態では、プリンタ100は、プリンタ情報320をダウンロードして、同名プリンタが存在するか否かを判断していたが、これに限るものではない。例えば、管理サーバ300に問い合わせを行い、管理サーバ300がプリンタ情報320から同じプリンタ名のプリンタが存在するか否かを判断してもよい。また、プリンタ情報320をプリンタ100が定期的にダウンロードすることにより、プリンタ情報320を定期的に更新するようにしてもよい。
【0103】
また、本実施形態では、サインイン処理において、プリンタ名の登録を禁止する場合、管理サーバ300にサインインさせないことにより、印刷データの印刷を禁止していたが、これに限るものではない。例えば、管理サーバ300にサインインさせるが、印刷データの印刷を禁止してもよい(請求項に記載の「禁止部」の一例)。また、管理サーバ300にサインインさせるが、印刷データにパスワードを付加し、付加したパスワードが入力されるまでは印刷データが印刷されないようにしてもよい(請求項に記載の「禁止部」の一例)。また、プリンタ100が管理サーバ300から印刷データを取得する構成の場合、プリンタ100が管理サーバ300から印刷データを取得することを禁止するようにしてもよい(請求項に記載の「禁止部」の一例)。
【0104】
また、本実施形態では、サインイン処理において、プリンタ名を受け付けていたが、これに限るものではない。例えば、サインイン処理とは別の処理で、プリンタ名を受け付けるようにしてもよい。また、1回目のサインインのときは、本実施形態のサインイン処理を行い、2回目以降のサインインのときは、本実施形態のサインイン処理からプリンタ名の受付をしないようにしてもよい。すなわち、2回目以降のサインインのときは、ユーザは、プリンタ名の入力を省略することができる。
【0105】
また、本実施形態では、サインイン処理において、プリンタ名の登録が禁止された場合(S106:YES)、同一アカウント内のプリンタ名の一覧を表示していたが(S109)、これに限るものではない。例えば、同一アカウント内にないプリンタ名の候補を表示するようにしてもよい。
【0106】
また、本実施形態では、読み出したアカウント情報と同一のアカウント情報を有するプリンタについて、少なくともプリンタ名を収集したプリンタ情報320を管理サーバ300から取得していたが(S104)、これに限るものではない。例えば、管理サーバ300にサインインしているプリンタについて、少なくともプリンタ名を収集したプリンタ情報320を管理サーバ300から取得してもよい。この構成によれば、同名プリンタがプリンタ情報320内に存在するか否かを判断する(S201)際に、判断する範囲を管理サーバ300にサインインしているプリンタに限定することにより、S201の判断にかかる時間を短縮することができる。なお、これらの組み合わせでもよく、読み出したアカウント情報と同一のアカウント情報を有するプリンタと、管理サーバ300にサインインしているプリンタと、の2つの条件を満たすプリンタについて、少なくともプリンタ名を収集したプリンタ情報320を管理サーバ300から取得してもよい。
【0107】
また、本実施形態では、所定時間は、同名プリンタが、前回サインアウトしてから次にサインインするまでの時間であったが、これに限るものではない。例えば、プリンタの工場出荷時にフラッシュメモリ34に設定された時間でも、ユーザにより設定された時間であってもよい。
【0108】
また、本実施形態では、自装置のプリンタ名にランダムに発生させたアルファベット3文字を付加して、プリンタ名を「プリンタ1_ABC」に変更していたが、これに限るものではない。例えば、自装置のプリンタ名にアカウント情報の一部を付加してもよいし、プリンタの設置場所を示す情報を付加してもよい。
【0109】
また、本実施形態では、サインアウト時間が所定時間を越えたと判断する場合(S205:YES)、CPU31は、プリンタ名の登録を許可していたが(S220)、これに限るものではない。例えば、プリンタ名の登録を許可せず、仮のプリンタ名として扱い、サインインだけ許可するようにしてもよい。この場合でも、同名プリンタが存在する場合、印刷データを印刷しなくなり、ユーザの意図しない同名プリンタで印刷が行われることを未然に防止することができる。なお、一時的にサインインが許可されたに過ぎないから、後日、サインインするときに、再度プリンタ名の登録をユーザに要求し、同名プリンタがサインインしていると、プリンタ名の変更が要求されることになる。
【符号の説明】
【0110】
10 画像形成部
30 制御部
100 プリンタ
101 プリンタ
102 プリンタ
110 メモリ領域
200 PC
300 管理サーバ
320 プリンタリスト
900 印刷システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理サーバとネットワークを介して接続する接続部と、
前記ネットワークを介して受信した印刷データを印刷する印刷部と、
自装置の名称の入力を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた名称と同じ名称の印刷装置が存在するか否かを判断する判断部と、
同じ名称の印刷装置が存在すると前記判断部が判断した場合、前記印刷部が印刷することを禁止する禁止部とを備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記受付部が受け付けた前記名称を変更する変更部を備え、
前記禁止部は、前記名称が変更された場合、前記印刷部が印刷することを禁止しないことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
同じ名称の印刷装置が前記ネットワークに接続されているか否かを判断する接続判断部を備え、
前記禁止部は、同じ名称の印刷装置が前記ネットワークに接続されていないと前記接続判断部が判断する場合、前記印刷部が印刷することを禁止しないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記禁止部は、同じ名称の印刷装置が前記ネットワークに接続されていない時間である非接続時間が、所定時間以上の場合、前記印刷部が印刷することを禁止しないことを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
アカウント情報を記憶する記憶部を備え、
前記判断部は、前記記憶部に記憶されたアカウント情報が示すアカウントと同じアカウントを有する印刷装置の範囲内で、同じ名称の印刷装置が存在するか否か判断することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項6】
前記判断部は、前記管理サーバに接続している印刷装置の範囲内で、同じ名称の印刷装置が存在するか否か判断することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項7】
同じ名称の印刷装置が存在すると前記判断部が判断した場合、前記受付部が受け付けた名称が使用できないことを通知する通知部を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項8】
前記通知部は、使用されている名称の一覧を通知することを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
【請求項9】
管理サーバと接続するための接続情報を送信する送信部を備え、
前記禁止部は、前記送信部が接続情報を送信することを禁止することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の印刷装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−91240(P2013−91240A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234661(P2011−234661)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】