説明

印刷製品を搬送する輸送部材

【課題】多数のチェーン部材により形成された搬送チェーンの寿命を延長させ、稼働中の騒音発生を最小にする輸送部材を提供する。
【解決手段】印刷製品を搬送する輸送部材は、所定区間に計画された搬送チェーンから成り、搬送チェーンが多数の互いに連結可能で、少なくとも二つの搬送区間に沿って連続的に配置された機能ユニットから成り、機能ユニットが互いに剛性的或いは関節的の少なくとも一方の結合を形成する。さらに、機能ユニットが第一チェーン部材100と第二チェーン部材200から成り、それらが機能的に異なっていて互いに接続され、分離可能な結合、力締付けにより条件付けられた分離可能な結合或いは分離できない結合の少なくとも一方の結合用の手段或いは結合要素を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、印刷製品を搬送する輸送部材に関し、輸送部材が実質的に所定区間に集中された搬送チェーンから成り、搬送チェーンが実質的に多数の互いに連結可能な機能ユニットから成る。
【背景技術】
【0002】
この種の搬送チェーンは、およそ挿入機械、宛名装置、貼付け装置などのような個々の加工ステーション間に印刷製品を輸送するために利用される。この場合には、印刷製品が通常にはチェーン部材に組み立てられたグリッパにより保持され、場合によっては、加工ステーションでグリッパから解放される。連続的駆動を保証するために、搬送チェーンのチェーン部材が通常には無端に循環して搬送区間に沿って駆動できる。搬送チェーンは搬送区間に沿って適した搬送配置或いは案内レールにより案内され、これらレールが搬送区間の曲線も決定できる。搬送区間に沿ってチェーン部材の移動性を確保するために、これは関節的に、二つの軸線を中心に互いに無関係に旋回可能に互いに連結されなければならない。搬送区間は100m或いはそれ以上の長さを有する。案内レール配列とチェーン部材の組み立てが適切に費用がかかり、全搬送チェーン長さにわたり個々のチェーン部材間の関節的結合が確保されなければならない。
【0003】
スイス特許第588647号明細書(特許文献1)に記載された搬送チェーンには、球継手を介して互いに接続されたチェーン部材の組み立てが継手窪みと継手本体が赤道球セグメントとして形成されている。赤道で分割された球セグメントの思想はスイス特許第646762号明細書(特許文献2)とスイス特許第656683号明細書(特許文献3)にも取り上げられる。無論、個々のチェーン部材間の関節的結合のこの構造によって搬送チェーンの組み立てが搬送レールの傍に或いは搬送レールに実質的に簡略化されない。
【0004】
確実な簡略化はスイス特許第593187号明細書(特許文献4)による搬送チェーンの組み立ての際にも生じ、合成樹脂から成るチェーン部材がその縦方向を横切って整合された旋回軸線とノブを通して分離可能に互いに接続されていて、追加的部材がチェーン部材の固定要素に分離可能に取付けられている。無論、この書類に記載された搬送チェーンの際にもチェーン部材の組み立てが案内レール配列或いは案内レールの傍或いはそれ自体に注目すべき問題がもたらす。確実な組み立て簡略化は米国特許第4638906号明細書(特許文献5)による搬送チェーンで生じ、個々のチェーン部材が搬送方向と平行に延びている回転軸線を中心とする旋回によって互いに分解され得る。無論、そのために適切な開口が案内レールに設けられている。
【0005】
欧州特許出願公開第1832532号明細書(特許文献6)に記載された搬送チェーンでは、組み立て容易化は、軸受ハウジングが二つの軸受ハウジング部材上にあり、それらのハウジング部材が球状軸受本体に交差して、球継手を形成する。ここでも、再び軸受本体を赤道平面で分割する思想が取り上げられる。
【0006】
最後に欧州特許出願公開第1557387号明細書(特許文献7)には、搬送チェーンの各チェーン部材には少なくとも二つのクリップ或いはグリップがそれぞれ一個の印刷製品を把握するように取付けられることによって安価な搬送チェーンを準備することが提案されている。
【0007】
印刷製品を搬送する公知の搬送チェーンの前記説明が行われるように、案内レール配列によって与えられた搬送区間に沿って適切な搬送チェーンの組み立てが曲線搬送区間に沿って搬送チェーンの十分な移動性の同時保証の下で注目すべき問題をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】スイス特許第588647号明細書
【特許文献2】スイス特許第646762号明細書
【特許文献3】スイス特許第656683号明細書
【特許文献4】スイス特許第593187号明細書
【特許文献5】米国特許第4638906号明細書
【特許文献6】欧州特許出願公開第1832532号明細書
【特許文献7】欧州特許出願公開第1557387号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここで、この発明は是正策を創作する。請求項において特徴としているこの発明の課題は、前記種類の輸送部材には、簡単に鋳造された実施態様を提案して、その一次製造を安価に構成することである。さらに、この発明の課題は、多数のチェーン部材により形成された搬送チェーンの寿命を延長させ、稼働中の騒音発生を最小にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明によると、この課題は、搬送チェーンが搬送区間に沿って実質的に配置された少なくとも二つの機能ユニットから成り、連続的に配置された機能ユニットが剛性或いは関節的の少なくとも一方の結合を形成し、機能ユニットが機能的に相違し且つ作用接続している第一チェーン部材と第二チェーン部材とから成り、機能ユニットがそのシーケンスで搬送チェーンを形成するために機能性合同或いはほとんど(準)合同で或いは機能性と同様に或いは機能性により異なって構成され、そして連続的に配置された機能ユニットが分離可能な、或いは力一体的条件付けで分離可能な、或いは分離不可能な結合用の手段或いは結合要素を有することを特徴とする公知の搬送チェーンの再現によって解決される。
【0011】
搬送チェーンが多数の所謂搬送ユニットから成り、各搬送ユニットが第一チェーン部材と第二チェーン部材とから成ることが基礎とされているので、同時に、個々の搬送ユニットが互いに作用接続していて、個々の要素ではどんな結合種類が使用されるかは無関係であることが確定している。
【0012】
曲線搬送区間に沿う搬送チェーンのその他に必要な立体的移動性は、この発明の搬送チェーンでは、互いに連結可能な機能ユニットによって搬送チェーン配列の形成が剛性或いは関節的に互いに実現されることによって確保され得る。機能ユニットを形成するチェーン部材の結合をさらに、詳細に論じられる。この発明による搬送チェーンの組み立ての際に搬送チェーン部分が多数の継手配列或いは搬送チェーン配列の少なくとも一方により予め既製されて、案内レール配列に進められる。隣接した機能ユニットが搬送チェーン配列を形成するために、互いに結合される。それにより全体として明確な組み立て簡略化が生じ、というのは、搬送チェーンの機能安全性の保証のために必要な関節的結合が製品種類における搬送チェーンの既製化で製造されて、組み立て種類における組み立て中に剛性結合が個々の機構ユニット間に形成されなけばならないからである。
【0013】
それぞれ二つのチェーン部材により搬送された異なった機能、およそ駆動機能と案内機能を考慮して、二つのチェーン部材の結合によって形成された機能ユニットが第一機能部材として形成されたチェーン部材と、そのチェーン部材と異なって第二機能部材として形成されたチェーン部材と有するときに、有効であることが証明されたので、個々の機能が個々のチェーン部材に付属されていて、それは全体としてこの発明の搬送チェーンの稼働信頼性の改良或いは機能改良の少なくとも一方を生じる。一つの機能ユニットの個々のチェーン部材の間に剛性結合を形成するために、これらチェーン部材が一つの結合領域に形成一体的に互いに係合して、特に互いに係留されるときに、有効であることが証明された、形成一体的結合が分離可能な結合要素によって保持され得る。同じ或いは同様な結合が機能ユニットでも互いに設けられている。
【0014】
連続的隣接したチェーン部材に対する個々のチェーン部材の結合領域が搬送方向を横切って延びているフック状突起によって行われ、この突起が形成一体的結合でも互いに係合している。この場合には、一つのチェーン部材の結合領域が他のチェーン部材の結合領域に搬送方向に広がって、確実な結合を製造する。結合要素が特に簡単に一つのチェーン部材に一つの窪みを形成して他のチェーン部材に収容されたねじにねじ込まれたねじボルトの形態で有し、ねじボルトが目的に適ってねじと反対を向いた側面に配置されたボルトヘッドにより少なくとも直接に一つのチェーン部材に当接する。
【0015】
この発明の搬送チェーンの組立ての際に一つの機能ユニットの個々のチェーン部材がまず最初に形成一体的作用によって結合領域に位置決めされ得て、この位置で結合要素と固定される。ねじボルトのボルト軸が搬送方向を横切って、特に垂直に延びているときに、この発明の搬送チェーンの組立てが特に簡単に実施され得ることが示された、この配列によって特に組立て可能性、特に組立て開口用の四つの場所が案内レール配列に準備され得るからである。案内レール配列の搬送方向に延びているこの種のスリット状開口は、およそグリップ或いはクリップのように、印刷製品を搬送するために必要な機能装置用の案内レール配列の内部で必要とされ、その機能装置が搬送チェーンから出発して搬送方向を横切って延びている方向に延びていて、案内レールの外部に自由に接近できるのにちがいない。
【0016】
機能装置のこの配列を考慮して、チェーン部材を結合するために使用されたねじボルトがねじと反対を向いた側面において搬送チェーンを横切って延びている機能装置、およそグリップ、クリップなどを連結するように施設された結合装置を形成するときに、それは所望の簡単な組立てを考慮して、特に意味のあるものとして示された。この場合には、結合装置が機能装置の構成部材としてしっかりと機能装置と接続され得る。この発明の搬送チェーンを備えた装備のしばしば狙った高い変調性を考慮して、結合装置は機能装置が搬送チェーンに連結され得るアダプターを形成するときに、有効なものとして証明され、異なった機能装置を連結するために、異なった結合装置或いはアダプターが使用できる。
【0017】
前に既に論じられたように、互いに異なったチェーン部材の使用が搬送チェーンの個々の機能の狙った最適化を考慮して、特に役立つ。この関係では、第一チェーン部材が搬送チェーンを駆動装置に連結させるように施設された領域を有し、第二チェーン部材が搬送チェーンを案内するように案内レール配列に沿って施設された案内装置を有するときに、目的に適ったものと証明された。一方の搬送機能と他方の案内機能とのこの分離によって、この発明の搬送チェーンの稼働信頼性の改良が達成される、というのは、例えば欧州特許第0540866号明細書(特許文献1)に記載されたチェーン駆動のように、通常の駆動装置が案内装置の領域で搬送チェーンに接触するからであり、案内装置が同時駆動機能によって高い摩耗を受ける。
【0018】
さらに、案内装置の領域内の搬送チェーンの従来の駆動は案内レール或いは案内レール配列の領域内の搬送装置の作用と多くの場合に搬送チェーンによる駆動要素の巻き付きとを必要とする。一方の搬送機能と他方の案内機能との連結領域のこの発明により企図された分離の際には、チェーン駆動は印刷製品用の案内機能と搬送機能と完全に無関係に実現され得る。それにより他の機能適性化が達成される。
【0019】
搬送チェーンに連結すべき機能装置用の特に大きい構成空間の準備を考慮して、駆動装置用の連結領域が機能装置を連結するように、場合によっては、結合装置を介して用いられるボルトヘッドと反対に位置した機能配列の側面に配置されるときに、特に意味のあるものと証明されたので、およそグリップのように、搬送チェーンの下部に吊り下げる機能装置では、駆動装置が搬送チェーンの上部に配置され得て、この位置で上方へ搬送チェーンから離れて突き出す連結領域と協働する。
【0020】
連結領域が、櫛状に特に搬送方向におよそ垂直に、横切って延びている櫛歯を備えて形成されるときに、連結領域が構造的に特に簡単に実現され得る。これら櫛歯間の中間空間では、駆動チェーンのチェーンボルトが搬送チェーンを駆動するために係合し得る。この場合には、搬送チェーンによる駆動歯車の包囲が必要ない。むしろ、搬送チェーンの駆動が搬送区間の直線に延びている部分に沿っても行われ得る。このために、無論、搬送チェーンが搬送装置と反対に位置した側面に案内レール配列の上或いは内の少なくとも一方で支持されるときに、目的に適っている。この目的のために、第二チェーン部材の案内装置が目的に適って少なくとも一つの、特に二つの、三つの以上の適切なロール軸に関連して回転可能に支承された案内ロールを有する。この場合には、全ての案内ロールが、およそグリップのような機能装置を連結するように使用されて、駆動装置を連結するように施設された連結領域の結合装置に向いた側面に配置されるときに、一方の駆動機能と他方の搬送機能との間の努めた機能分離が特に効果的に引き起こされ得るので、案内ロールの外部で自由に連結領域にアクセスされ得る。
【0021】
案内ロールが搬送方向に沿って互いにずれて第二チェーン部材に配置され得るにもかかわらず、二つの案内ロールが共通の、横切って、特に搬送区間或いは搬送方向に垂直に延びている第一ロール軸に関連して回転可能に支承されているときに、この発明の搬送チェーンの出来るだけコンパクトな構成を考慮して、目的に適ったものと証明された、二つの他の案内ロールが横切って、特に搬送方向と第一ロール軸によって緊張された平面に共通第二ロール軸に関連して回転可能に支承されている。対称的構成を維持するために、案内ロールが直方体の側面に配置され得て、その側面を半分する面に沿ってロール軸が延びている。
【0022】
この発明の範囲では、適切なチェーン部材の案内装置が少なくとも四つの案内ロールを有するときに、全ての立体的方向に曲線領域を有し得る案内レール配列における特に確実な案内機能の準備を考慮して、特に好ましいものと証明され、それぞれ二つの案内ロールが共通ロール軸に関連して回転可能に支承されて、両ロール軸が互いに垂直に延びていて一平面に配置されている。この場合には、さらに、所望案内機能が連続立体的ロール軸無しに実現されるので、少なくとも一つの案内ロールが第二機能部材の案内ジャーナルに回転可能に支承されるときに、コンパクトな構成の意味において、特に目的に適ったものと証明され、第二機能部材の案内ロールの個々に回転可能な支承の間にチェーン部材の他の機能領域が配置されるときに、回転可能な支承が共通の幾何学的ロール軸に関して保証され得る。
【0023】
従来の搬送チェーンにおけるのと同様に、この発明の搬送チェーンの継手配列のチェーン部材も、曲率半径によって限定された曲線ガイドのみに沿う移動性を準備するように二つの、特におよそ垂直に、互いに延びている旋回軸線を中心に互いに旋回可能である。このために、継手配列のチェーン部材が球セグメントと球殻セグメントを有する球継手配列を介して互いに接続され得る。この発明の搬送チェーンの特にコンパクトな構成の意味において、球セグメントと球殻セグメントがチェーン部材の一方の挿入領域に取付けられ、挿入領域と一緒に継手配列の他のチェーン部材の収容領域に収容されるときに、目的に適ったものと証明された。
【0024】
継手配列のチェーン部材を確実に結合するために、球セグメントと球殻セグメントが他のチェーン部材の収容領域を通過する結合ボルトにより通過され得る。この場合には、組み立ての際にまず最初に継手配列の一方のチェーン部材の球セグメントと球殻セグメントを支持する挿入領域が他方のチェーン部材の収容領域に挿入されて、結合ボルトが球セグメント、球殻セグメントと収容領域を通過する開口によって案内されて、チェーン部材間の結合を製造し、球セグメントが収容領域を有するチェーン部材に関してボルトによって固定され得るのに対して、球殻セグメントが適切なチェーン部材の挿入領域と一緒に球セグメントを中心に旋回され得て、挿入領域を有するチェーン部材の旋回可能性を収容領域を有するチェーン部材に関して可能とする。
【0025】
この発明の搬送チェーンの特に高い耐摩耗性の意味において、球セグメントが一つの金属工作材料から形成されるときに、目的に適ったものと証明され、球殻セグメントが僅かな摩擦係数を備える合成樹脂、例えばポリアミド或いはテフロン(登録商標)保持合成樹脂の少なくとも一方から形成され得て、それは、挿入領域が球殻セグメントと一緒に球セグメントに関して回転可能に支承されるように、挿入領域が挿入領域と形状一体的或いは材料一体的の少なくとも一方で形成されるときに、特に簡単な製造の意味において目的に適ったものとである。挿入領域は例えば特に繊維補強された合成樹脂を備える球セグメント領域の押出しによって形成され得る。球殻セグメントは予め仕上げられた一つの、二つの或いは複数の殻によって形成され得て、その殻が球セグメントの周りに置かれ、部分殻の互いに向いた端面には、場合によっては、芯合せ手段を備え得られる。挿入領域を収容領域と接続するボルトのボルト軸線に関してチェーン部材の旋回運動の案内の意味において、挿入領域がボルト軸線を循環する円板の円板セグメントとして形成され得て、収容領域のボルト軸線に向いた限定面が円板殻セグメントとして形成され得る。
【0026】
この発明の搬送チェーンは、継手配列の機能ユニットが機能配列の第一チェーン部材として形成されるか、或いは継手配列の他の機能ユニットが機能配列の第二チェーン部材として形成されるかの少なくとも一方で行われるときに、異なった構造要素と適切な軸受保持体の過剰な数の回避の下で特に簡単に製造され得る。
【0027】
継手配列の個々の機能ユニットの結合は、この発明の実施態様では、挿入領域が機能配列のチェーン部材を横切って互いに結合するボルトや特に第一チェーン部材のおよそ搬送方向に沿って延びている突起を有するときに、搬送チェーンに駆動装置を連結する影響の回避の下で確かに且つ確実に形成され得る。円板セグメント状挿入領域が十分な剛性を維持するために、その挿入領域の傍且つ通常にはその挿入領域の下部に取付けられた荷物による荷重の際に搬送方向且つねじボルト軸線によって固定された平面に配置されている。この場合には、収容領域が少なくとも一つのロール軸により通過されて、結合ボルト軸が第二ロール軸に対しておよそ平行に、特におよそ共通直線に延びているのに対して、第一ロール軸が円板セグメント状挿入領域の平面に配置されている。この場合には、挿入領域が第二機能要素の案内ジャーナル間に配置されていて、第一ロール軸に関して回転可能に支承された案内ロールが案内ジャーナルに取付けられている。
【0028】
この発明の搬送チェーンが連続的継手配列と機能配列によって準備され得る。それぞれ一つの第一チェーン部材が第二チェーン部材間に配置されていて、一方で第一チェーン部材の一方と関節的に、他方で第一チェーン部材の他方と剛性的に連結されている。
【0029】
他の好ましい課題による実施態様は従属請求項から引き起こす。
【図面の簡単な説明】
【0030】
次に、この発明は、図面を参照しながら説明され、全ての発明の本質に関して明細書に詳細に強調されていない細部が明確に関係付けられる。この発明の直接的理解の本質でない全ての要素が省略されていて、同じ要素が異なった図面で同じ参照符号を備えている。
【図1】この発明の搬送チェーンの側面図を示す。
【図2】この発明の搬送チェーンの平面図を示す。
【図3】この発明の搬送チェーンの機能配列の切断表示を示す。
【図4】この発明の搬送チェーンの継手配列の斜視表示を示す。
【図5】この発明の搬送チェーンの継手配列の切断表示を示す。
【図6】この発明の搬送チェーンの継手配列の第二切断表示を示す。
【図7】この発明の搬送チェーンの組立てを具体化する表示を示す。
【図8】この発明の搬送チェーンの第一機能部材の側面図を示す。
【図9】図4aに図示された第一機能部材の第一切断表示を示す。
【図10】図4aに図示された第一機能部材の第二切断表示を示す。
【図11】この発明の搬送チェーンに駆動装置を連結することを表示する側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図面に図示された搬送チェーンは、第一チェーン部材100と第二チェーン部材200の形態の機能部材を包含する。各第一チェーン部材100は駆動チェーン530に搬送チェーンを連結する櫛状に形成された連結領域110を有する(図11参照)。各第二チェーン部材200は全体として四つの案内ロール202、204、206、208を有し、案内ロール206と208が第一共通ロール軸に関して回転可能に支承されて、案内ロール202と204が第二共通ロール軸に関して回転可能に支承されている。第一と第二ロール軸が互いに垂直に延びていて、一つの平面に配置されている。各第一チェーン部材100が二つの第二チェーン部材200の間に配置されている。この場合には、各第一チェーン部材100が一方で機能配列を形成するように第二チェーン部材200の一方と剛性に結合され、他方で継手配列を形成するように第二チェーン部材200の他方と結合される。
【0032】
機能配列を形成するよう案内する第一チェーン部材100と第二チェーン部材200の間の剛性結合が図3に図示されている。その後に第二チェーン部材200と第一チェーン部材100とを結合するためにねじボルト300が挿入されて、このねじボルトが第二チェーン部材200の結合領域250の孔を通過し、第一チェーン部材100の結合領域150にねじ込まれている。このために、第一チェーン部材100には、袋孔152が形成されていて、その袋孔にねじ挿入体310が挿入されて、このねじ挿入体がねじボルト300により通過される。袋孔152が図5により連結領域110の下部に配置されていて、全案内ロール202、204、206、208が第二チェーン部材200と第一チェーン部材100との結合後に連結領域110のねじボルト300のボルトヘッド302に向いた側面に配置されているので、連結領域110が案内ロール202、204、206、208の外部に自由に接近できる。ボルトヘッド302は結合装置を介して第二チェーン部材200の連結領域110と反対に向いた側面に当接する。結合装置310が搬送チェーンにおよそグリップ或いはクリップ要素のような機能装置を連結するために用いられる。
【0033】
特に明確に図4で認識できるように、第一チェーン部材100の結合領域250が突起256と溝状窪み252を有し、その溝状窪みに突起256の隆起254が突き出し、一方、第一チェーン部材100の結合領域150が溝状窪み252に係合する突起152と突起256を受けるへこみ156とそれに補足的に形成されていて、突起152が隆起254を受けるへこみを有するので、第二チェーン部材200の連結領域250に第一チェーン部材100の結合領域150の互いの差し込みによって第一チェーン部材100と第二チェーン部材200の間の形状一体的結合が製造されていて、それらチェーン部材が突起256を通過して且つへこみ156と第一チェーン部材100の連結領域110の間に形成された袋孔152に案内されたねじボルト300(図3を参照)によって固定され得る。第一チェーン部材100と第二チェーン部材200の間の形状一体的結合を更に位置確保するために、突起256が鼻状係合領域258を有し、この係合領域が窪みのへこみ156に係合する。
【0034】
図3によると、連結領域110が櫛状に搬送方向を横切って且つねじボルト300の軸線とおよそ平行に延びている櫛歯を備えて形成されて、櫛歯間には中間空間が形成されていて、中間空間には駆動チェーン530(図11を参照)のチェーンボルトが係合する。案内ロール202、204、206、208が案内ジャーナル212、214、216、218に回転可能に支承されので、案内ジャーナル212、214、216、218の間に構造空間が第一チェーン部材100と第二チェーン部材200の間の関節的結合を製造するように役立つ。第一チェーン部材100と第二チェーン部材200の間の関節的結合によって製造された継手配列が図3−6に基づいて説明される。
【0035】
図4と5によると、第一チェーン部材100は搬送方向でボルト軸を横切って延びている挿入領域120を有し、挿入領域が第一チェーン部材100の案内ジャーナル212、214、216、218の間に形成された収容領域220に収容されている。挿入領域120は円板セグメント状に形成されて、一方、収容領域220が円板セグメント状に形成されているので、挿入領域120と収容領域220の限定面によって第一チェーン部材100の旋回運動用の案内が第二チェーン部材200に関して第二ロール軸によって形成された旋回軸を中心に形成されている。
【0036】
図6によると、第一チェーン部材100と第二チェーン部材200の間の関節的結合が挿入領域120に受けた球セグメント124を有し、球セグメント124と挿入領域120の外部領域の間には、僅かな滑動摩擦係数を備える合成樹脂材料から成る球殻セグメント状滑動要素122が配置されている。球セグメント124を受ける挿入領域120が球殻セグメント状滑動要素122を介して回転可能に球セグメント124上に支承される(図10を参照)ので、第一チェーン部材100が挿入領域120により収容領域220に挿入領域120を挿入した後に結合ボルト126の軸線とそれに垂直に且つねじボルト130と平行に延びている軸線128に関して旋回可能に支承されており、軸線128に関する旋回運動が収容領域220の幅によってボルト126の軸線によって決定された方向に固定される。必要の際にこの幅が増大され得る。
【0037】
図7はこの発明により組み立てられた搬送チェーンを示し、この図は更に以下に詳細に説明される。
【0038】
図8には、第一チェーン部材100が詳細に図示されている。この場合には、図10による第一チェーン部材100の挿入領域120が僅かな摩擦の合成樹脂材料を備える球セグメント124の部分的外套によって球殻セグメント状滑動要素122を形成するように形成されていて、形成された球セグメント124が合成樹脂、特に繊維補強合成樹脂を備える挿入領域120を形成するように射出され得る。球殻セグメント122が一部材で形成されて、二部材或いは多部材で形成される。この射出過程では、同時に結合領域150と連結領域110が形成されていて、射出過程中にねじ挿入体310を袋孔152に挿入することを考慮されている。図7によると、まず最初に継手配列が第一チェーン部材100と第二チェーン部材200から予め組み立て、次に結合領域150或いは250に留め合せ、引き続いてねじボルト300によって固定されるので、この発明の搬送チェーンが組み立てられる。
【0039】
図11によると、この発明の搬送チェーンが案内レール配列600によって形成された搬送区間に沿って搬送され得て、搬送チェーンが案内レール600内部に収容されていて、案内ロール202、204、206、208によって案内レール600の適切な走行面に案内されている。連結領域110が案内レール600の駆動空間610内に収容され、案内レール配列600の駆動部分で駆動装置500の駆動チェーン530と係合し、駆動チェーンが二つのチェーン歯車510と520を循環する。駆動装置500を連結するために、単に窪みが駆動空間610の限定面に製造されなればならず、それによって駆動チェーン530が連結領域110の領域に到達できる。
【0040】
この発明は、図面に基づいて説明された実施例に限定されていない。むしろ、搬送チェーンには三つの或いは少ない案内ロール、案内ジャーナルなどを備える他に構成された案内レール配列を備えて考慮される。さらに、搬送チェーンの連結領域が他に構成され得る。継手配列を形成する個々のチェーン部材のカルダン式結合も考慮される。
【0041】
特に、この理解し易い可能性がその他の明細書に既に説明されなかった限り、ここでは容易に理解し易い可能性を証明され、それぞれ述べられたように、機能ユニットが第一チェーン部材と第二チェーン部材から成り、これらは互いに作用接続されていて、そのシーケンスにおいて搬送チェーンを形成するように、機能性完全一致或いはほとんど完全一致で又はその機能性と同様に或いは機能性により種々に構成され得て、両チェーン部材の異なった機能並びに連結可能性が互いに自然に得られたままである。第一チェーン部材後に直接ではなく第二チェーン部材のみを継続し、むしろ、必要に応じて例えば第一チェーン部材後に二つの或いはその以上の第二チェーン部材を継続するか、或いは逆に、即ち二つの或いはその以上の第一チェーン部材を前後に連結することが可能である。連続的に配置された機能ユニットが分離可能な結合或いは力締付け(kraftschluss)により条件付き分離可能な結合、或いは分離できない結合用の手段或いは結合要素を有する。これは、一方では、個々の案内ユニットの幾何学的且つ機能的構成が全搬送チェーンによって均一ではないにちがいないことを意味する。中間稼働条件付き変動も可能である。他方では、機能ユニットが互いに搬送チェーンを形成するために異なって互いに接続され得ることが強調される。大抵の場合には、ここでは分離可能な結合、例えばねじ結合を選択する。その間に、力締付けにより条件付けられた結合を備えることが可能であり、この結合は分離可能な結合のように、必要に応じて維持する。最終的に、個々の搬送ユニットが分離できない結合によって例えば溶接結合を介してしっかりと互いに接続され得ることが排除されないままである。この実施可能性が種々の図には詳細に図示されていない、というのは、実施可能性が各専門家に周知であるからである。
【符号の説明】
【0042】
100.....第一チェーン部材
110.....連結領域
120.....挿入領域
122.....球殻セグメント
124.....球セグメント
126.....結合ボルト
150.....結合領域
152.....袋孔
200.....第二チェーン部材
202、204、206、208.....案内ロール
212、214、216、218.....案内ジャーナル
220.....収容領域
250.....結合領域
300.....ねじボルト
500.....駆動装置
510,520.....チェーン歯車
530.....駆動チェーン
600.....案内レール
610.....駆動空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送部材が実質的に所定区間に計画された搬送チェーンから成り、搬送チェーンが実質的に多数の互いに連結可能な機能ユニットから成り、印刷製品を搬送する輸送部材において、搬送チェーンが少なくとも二つの搬送区間に沿って実質的に連続的に配置された機能ユニットから成り、機能ユニットが互いに剛性的或いは関節的の少なくとも一方の結合を形成し、機能ユニットが第一チェーン部材(100)と第二チェーン部材(200)から成り、それらが機能的に異なっていて、互いに作用接続されていて、機能ユニットがそのシーケンスにおいて搬送チェーンを形成するために、機能性完全一致或いはほとんど完全一致で或いはその機能性と同様に或いは機能性により異なって構成されていて、機能ユニットが分離可能な結合、或いは力締付けにより条件付られて分離可能な結合或いは分離できない結合の少なくとも一方の結合用の手段或いは結合要素を有することを特徴とする輸送部材。
【請求項2】
それぞれ一つの第一チェーン部材(100)が少なくとも二つの第一或いは第二チェーン部材(200)の間に配置されていて、第一チェーン部材(100)が関節的に両他の第二チェーン部材(200)と連結されている、或いは第一チェーン部材(100)が一方で関節的に第二チェーン部材(200)の一方と連結され、他方で剛性的に第二チェーン部材(200)の他方と連結されている、或いは第一チェーン部材(100)が剛性的に両他の第二チェーン部材(200)と連結されていることを特徴とする請求項1に記載の輸送部材。
【請求項3】
それぞれ一つの第二チェーン部材(200)が二つの第一チェーン部材(100)の間に配置されていて、第二チェーン部材(200)が関節的に両他の第一チェーン部材(100)と連結されている、或いは第二チェーン部材(200)が一方で関節的に第一チェーン部材(100)の一方と連結され、他方で剛性的に第一チェーン部材(100)の他方と連結されている、或いは第二チェーン部材(200)が剛性的に両他の第一チェーン部材(100)と連結されていることを特徴とする請求項1に記載の輸送部材。
【請求項4】
第一チェーン部材(100)が駆動装置に搬送チェーンを連結するように施設された連結領域(110)を有し、第二チェーン部材(200)が案内レール配列(600)に沿って搬送チェーンを案内するように施設された少なくとも一つの案内装置(202、204、206、208)を有することを特徴とする請求項1に記載の輸送部材。
【請求項5】
連結領域(110)が櫛状に、搬送区間の方向に横切って、垂直に、或いはほとんど垂直に延びている櫛歯に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の輸送部材。
【請求項6】
案内装置が四つの案内ロールから成り、第一対案内ロール(206、208)が搬送区間に対して共通に、横切って、垂直に、或いはほとんど垂直に延びている第一ロール軸線に関して回転可能に支承されていて、第二対案内ロール(202、204)が搬送方向と第一ロール軸によって固定された平面に対して共通に、横切って、垂直に、或いはほとんど垂直に第二ロール軸に関して回転可能に支承されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の輸送部材。
【請求項7】
第一対案内ロール(206、208)が搬送チェーンの走行方向と平行に或いは準平行に対して直角に或いはほとんど直角に支承され、第二対案内ロール(202、204)が搬送チェーンの走行方向と平行に或いはほとんど平行に支承されていることを特徴とする請求項6に記載の輸送部材。
【請求項8】
第一案内ロール(206、208)の軸(218)によって固定された平面と第二案内ロール(202、204)の軸(214)によって固定された平面とが互いに直角に或いはほとんど直角になっていることを特徴とする請求項6に記載の輸送部材。
【請求項9】
第一チェーン部材(100)の分離可能な結合が第二チェーン部材(200)と連結領域(110)の反対を向いた側面に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の輸送部材。
【請求項10】
第一チェーン部材(100)の分離可能な結合が第二チェーン部材(200)とねじボルト(300)によって実現されることを特徴とする請求項1に記載の輸送部材。
【請求項11】
チェーン部材(100、200)は少なくとも二つの旋回軸を中心に互いに旋回できることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の輸送部材。
【請求項12】
チェーン部材(100、200)は一つの球セグメント(124)と一つの、二つの或いは複数の部材の球殻セグメント(122)を有する球継手配列を介して互いに連結されていることを特徴とする請求項11に記載の輸送部材。
【請求項13】
球セグメント(124)と球殻セグメント(122)がチェーン部材(100)の一方の挿入領域(120)に取付けられ、挿入領域(120)と一緒に他のチェーン部材(200)の収容領域(220)に収容されていることを特徴とする請求項12に記載の輸送部材。
【請求項14】
球セグメント(124)と球殻セグメント(122)が他のチェーン部材(200)の収容領域(220)を通過する結合ボルト(126)により通過されていることを特徴とする請求項12に記載の輸送部材。
【請求項15】
球セグメント(124)が金属工作材料から形成されていて、球殻セグメント(122)が僅かな摩擦係数を備える合成樹脂から形成されていて、挿入領域(120)は、挿入領域(120)が球殻セグメント(122)と一緒に球セグメント(124)に関して回転可能に支承されるように球殻セグメント(122)と形状一体的或いは材料一体的の少なくとも一方で形成されていることを特徴とする請求項12乃至14のいずれか一項に記載の輸送部材。
【請求項16】
挿入領域(120)が球殻セグメント(122)の射出によって合成樹脂或いは繊維補強された合成樹脂により形成されていることを特徴とする請求項15に記載の輸送部材。
【請求項17】
挿入領域(120)がボルト軸を包囲する円板の円板セグメントを有することを特徴とする請求項14乃至16のいずれか一項に記載の輸送部材。
【請求項18】
挿入領域(120)が結合ボルト(126)を横切って且つ特に搬送チェーンに延びている第一チェーン部材(100)の突起を有することを特徴とする請求項1或いは17に記載の輸送部材。
【請求項19】
挿入領域(120)が搬送方向とねじボルト軸によって固定された平面に延びていることを特徴とする請求項18に記載の輸送部材。
【請求項20】
収容領域(220)が少なくとも一つのロール軸により通過されていることを特徴とする請求項14乃至19のいずれか一項に記載の輸送部材。
【請求項21】
結合ボルト(126)の軸線が第二ロール軸に対しておよそ平行に、特におよそ共直線に延びていることを特徴とする請求項18乃至20のいずれか一項に記載の輸送部材。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2011−105514(P2011−105514A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254033(P2010−254033)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(502200092)ミュラー・マルティニ・ホルディング・アクチエンゲゼルシヤフト (51)
【Fターム(参考)】