印字タンク搭載記録装置
【目的】 昼夜印刷が要求される業務や、夜間や休日に海外から多くの情報を無人で受信出力する職場でも採用し得る印字タンク搭載記録装置を提供する。
【構成】 インク量の上限を検出するインクフルセンサ9とインク量の下限を検出するインクエンプティセンサ10とを印字タンク1に設け、印字タンク1に挿抜するとノズル口を自動開閉するインク補給ノズル17をインクフルセンサ9の出力とインクエンプティセンサ10の出力とに基づいてノズル挿抜部21により、印字タンク1に挿抜し、インク補給タンク14から印字タンク1へインクを自動補給する。
【構成】 インク量の上限を検出するインクフルセンサ9とインク量の下限を検出するインクエンプティセンサ10とを印字タンク1に設け、印字タンク1に挿抜するとノズル口を自動開閉するインク補給ノズル17をインクフルセンサ9の出力とインクエンプティセンサ10の出力とに基づいてノズル挿抜部21により、印字タンク1に挿抜し、インク補給タンク14から印字タンク1へインクを自動補給する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェットプリンタ、あるいはインクジェットプリンタを内蔵する複合装置等の印字タンク搭載記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェットプリンタ、あるいはインクジェットプリンタを内蔵する複合装置等の印字タンク搭載記録装置は、印字ヘッドとともに印字タンクをキャリッジに搭載し、印字タンクから印字ヘッドにインクを供給して記録動作を行い、インクが無くなると空表示を行う。ユ−ザはこの表示を見て印字タンクを交換している。
【0003】ところで、印字タンクを印字ヘッドとともに搭載したキャリッジは高速で移動するので、搭載される印字タンクの容量はおのずと制限され、通常大きくても50〜150cc程度である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の印字タンク搭載記録装置にあっては、搭載されるインクの容量が制限されるので、昼夜印刷が要求される業務では交換頻度が高いことによる煩わしさから、あるいは、夜間や休日に海外から多くの情報を無人で受信出力する職場では夜間の無人運用ができないことによる不便さから印字タンクを搭載した記録装置は採用しにくいという問題点があった。
【0005】本発明は、昼夜印刷が要求される業務や、夜間や休日に海外から多くの情報を無人で受信出力する職場でも採用し得る印字タンク搭載記録装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明の印字タンク搭載記録装置においては、インクを補給する補給口とインク量の上限を検出する上限センサとインク量の下限を検出する下限センサとを印字タンクに設け、印字タンクより上位置に配設されたインク補給タンクと、一端部をインク補給タンクの底部に接続し、他端部には印字タンクの補給口に挿抜するとノズル口が開閉するインク補給ノズルを有するチュ−ブと、下限センサからの出力に基づいてキャリッジ移動手段により印字タンクをインク補給位置に位置決めする補給位置出し手段と、補給位置出し手段からの出力に基づいてインク補給ノズルを印字タンクの補給口に挿入し、上限センサからの出力に基づいてインク補給ノズルを補給口から抜出するインク補給手段とを備える。
【0007】
【作用】上記のように構成された印字タンク搭載記録装置の印字タンク内のインク量が下限に達すると、タンク補給位置決め手段が下限センサからの出力に基づいて、キャリッジ移動手段により印字タンクをインク補給位置に位置決めし、インク補給手段がインク補給ノズルをインク補給口に挿入させる。インク補給ノズルはノズル口を開き、インク補給タンクのインクは印字タンクに補給される。インク量が上限に達すると、インク補給手段が上限センサからの出力に基づいて、インク補給ノズルをインク補給口から抜出し、ノズル口は閉じられてインク補給は終了する。
【0008】従って本発明よれば、昼夜印刷が要求される業務や、夜間や休日に海外から多くの情報を無人で受信出力する職場でも採用し得る印字タンク搭載記録装置を提供できる。
【0009】
【実施例】本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。尚、各図面に共通な要素には同一符号を付す。
【0010】第1実施例図1は第1実施例の概略構成を示す模式図である。印字タンク1と一体になった印字ヘッド2はキャリッジ3に搭載されてキャリッジ移動手段によって矢印A−B方向に移動し、図示せぬヘッド駆動手段により印字用紙4に印字する。キャリッジ移動手段は歯付きプ−リ5,6、歯付きベルト7、スペ−シングモ−タ8等で構成され、キャリッジ3は歯付きプ−リ5、6に巻き掛けられた歯付きベルト7に固着してある。歯付きプ−リ5はスペ−シングモ−タ8のモ−タ軸に固着してあり、歯付きプ−リ6は図示せぬフレ−ムに回転自在に支持してある。印字用紙4は矢印A−B方向に直角に交わる方向である図面の表側から裏側に向かって図示せぬラインフィ−ドモ−タにより改行動作を行う。
【0011】印字タンク1の内部には、図3に示すように、インク量の上限を検出する上限センサとしてのインクフルセンサ9が設けてあり、インク量の下限を検出する下限センサとしてのインクエンプティセンサ10が設けてある。インクエンプティセンサ10はインク量の下限を検出しても所定サイズの用紙を数頁印刷できるだけのマ−ジン量を持った位置に設けてある。また、印字タンク1の上部には、図2に示すように、インク補給口1aを開閉する断面L状に一体成形された蓋11が設けてあり、引張りスプリング12により矢印C方向に引張られてインク補給口1aを閉じている。インク補給口1aには突起部材13が設けてある。
【0012】インク補給タンク14は、図1に示すように、印字タンク1より上位置に配設され、大容量の据え置きタンクで上部にキャップ15を有し、下部から柔軟なチュ−ブ16が延在している。チュ−ブ16の先端部にはインク補給ノズル17が設けてある。インク補給ノズル17の内部には、図2に示すように、内在する圧縮スプリング18と圧縮スプリング18により付勢されてノズル先端部を塞ぐ球体19とが設けてある。インク補給ノズル17の近傍にはストッパとしてのノックピン20が図示せぬフレ−ムに植設してあり、キャリッジ3が矢印A方向に移動する際、印字タンク1の蓋11に当接して停止させ、インク補給口1aを開かせる。
【0013】ノズル挿抜部21は、図1に示すように、電磁ソレノイド22とリンク23と引張りスプリング24とを有する。リンク23は支軸25に回動自在に支持してあり、一端部をインク補給ノズル17に回動自在に支持し、他端部を電磁ソレノイド22の可動片22aに回動自在に支持してある。引張りスプリング24の一端部は図示せぬフレ−ムに設けたポストに掛けてあり、他端部は電磁ソレノイド22の可動片22aに掛けてある。従って、非通電時、電磁ソレノイド22の可動片22aは引張りスプリング24により矢印D方向に引張られ、リンク23は支軸25を中心に矢印E方向に回動している。リンク23の一端部に設けられたインク補給ノズル17は印字ホ−ムポジション外で回動する。
【0014】図4は第1実施例の制御部を示すブロック図である。制御部30はマイクロコンピュ−タで構成されており、バスライン31で接続された中央処理装置32(以後CPU32と記す)と記憶装置33(以後MEM33と記す)とを有し、スペ−シングモ−タ8、インクフルセンサ9、インクエンプティセンサ10、電磁ソレノイド22に信号線34〜37で接続されている。CPU32はMEM33に格納された制御プログラムに基づいてインクエンプティセンサ10からの出力によりスペ−シングモ−タ8を駆動して印字タンク1をインク補給位置に位置決めするタンク補給位置決め手段、タンク補給位置決め手段及びインクフルセンサ9からの出力により電磁ソレノイド22を駆動するインク補給手段になる。
【0015】インク補給位置は印字領域及び印字ホ−ムポジション外に設けてあり、インクエンプティセンサ10がオンになると、CPU32は印字ホ−ムポジションからインク補給位置までの距離に相当するスペ−シングモ−タ8の駆動量をMEM33から読み出してスペ−シングモ−タ8を回転駆動させる。
【0016】図5はインク補給状態時を示す説明図であり、図6は図5に示した説明図のM部詳細を示す拡大図である。即ち、キャリッジ3が矢印A方向に移動し、途中で印字タンク1の蓋11をインク補給ノズル17の近傍に設けたノックピン20に当接させて蓋11を矢印H方向に移動させて印字タンク1のインク補給口1aを開き、インク補給口1aをインク補給位置に位置決めし、通電された電磁ソレノイド22により可動片22aが矢印F方向に移動し、リンク23が支軸25を中心に矢印G方向に回動してインク補給ノズル17をインク補給口1aに挿入し、印字タンク1内の突起部材13によってノズル先端部を塞ぐ球体19が押し上げられた状態を示している。
【0017】図7は第1実施例の動作を説明するタイムチャ−トであり、(A)、(B)、(C)はそれぞれ印字ヘッド2、インクエンプティセンサ10、インクフルセンサ9の動作を示している。即ち、時刻t1 で印字ヘッド2が印字動作を開始し、時刻t2 でインクエンプティセンサ10がインク量の下限を検出し、時刻t3 で印字ヘッド2が印字動作を停止し、その後インク補給位置に移動してインク補給状態に入り、時刻t4 でインクフルセンサ9がインク量の上限を検出し、時刻t5 で印字ヘッド2が再び、印字動作を開始することを示している。
【0018】次に動作について図8に従って説明する。図8は第1実施例の動作を説明するフロ−チャ−トである。ステップS1 で制御部30は、印字動作中、インクエンプティセンサ10を介して印字タンク1のインク量をセンスしており、インクエンプティセンサ10がオンならばステップS2 に移る。
【0019】ステップS2 で制御部30は、行印字中か否かをチェックし、行印字中ならばステップS3 に分岐し、否ならばステップS4 に分岐する。ステップS3 で制御部30は、行末まで印字してステップS4 に移る。ステップS4 で制御部30は、スペ−シングモ−タ8を駆動してキャリッジ3を、図1、図2に示したように、矢印A方向に移動させ、印字タンク1のインク補給口1aをインク補給位置に位置決めする。
【0020】ステップS5 で制御部30は、電磁ソレノイド22に通電し、インク補給ノズル17をインク補給口1aに挿入させ、図6に示したように、突起部材13によってノズル先端部を塞ぐ球体19が押し上げ、インク補給タンク14から印字タンク1にインク補給を開始する。ステップS6 で制御部30は、インクフルセンサ9を介してインク補給量をセンスしており、インクフルセンサ9がオンならばステップS7 に分岐し、オフならばステップS5 に分岐する。ステップS7 で制御部30は、電磁ソレノイド22への通電を停止してインク補給ノズル17をインク補給口1aから外す。ステップS8 で制御部30は、スペ−シングモ−タ8を駆動してキャリッジ3を印字ホ−ムポジションに移動して再び、印字動作に戻る。
【0021】本実施例では印字タンクのインク補給口1aを開閉する蓋は断面L状の一体成形物としたが、蓋に突起部材を設けて断面L状としてもよい。
【0022】また、インク補給位置を印字領域及び印字ホ−ムポジション外としたが、印字ホ−ムポジションをインク補給位置としてもよい。
【0023】第2実施例第1実施例では単色の印字タンク搭載記録装置の場合について説明したが、色別の印字タンクを搭載した多色印字タンク搭載記録装置の場合についても適用できる。
【0024】図9は第2実施例の印字タンク一体型印字ヘッドの正面図であり、図10は図9に示した印字タンク一体型印字ヘッドの平面図である。印字タンク一体型印字ヘッド40はブラック、イエロ−、マゼンタ、シアンの色別に印字タンク41〜44を印字ヘッド45と一体に設けてある。印字タンク41〜44はインク補給口を、図10に示すように、ずらして設けてある。従って、蓋46〜49を開閉するノックピン50は、図11に示すように、ノックピン50を固着したラック51とピニオン52とパルスモ−タ53とによってノックピン50の長さ方向である矢印I−J方向に移動自在に設けてある。また、上限センサとしてのインクフルセンサ、下限センサとしてのインクエンプティセンサは各印字タンク41〜44に設けてある。また、インク補給タンク、ノズル挿抜部もそれぞれ色別に第1実施例と同様に設けてある。
【0025】動作についてはパルスモ−タ53を制御部に接続してインク補給対象の蓋を開閉するように制御する以外は第1実施例と同様であるので説明は省略する。
【0026】第2実施例によれば、特定の色のインクのみが使用頻度が高くてなって、他のインクが余っても、使用頻度の高いインクを補給すればよいので、従来のようにカ−トリッジごとすてるという無駄を防止できる。
【0027】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成されているので以下に記載される効果を奏する。
【0028】インク量の上限を検出する上限センサとインク量の下限を検出する下限センサとを印字タンクに設け、下限センサの出力と上限センサの出力とに基づいてインク補給タンクから印字タンクへインクを自動補給できるようにしたことにより、印字タンク搭載記録装置を昼夜印刷が要求される業務や、夜間や休日に海外から多くの情報を無人で受信出力する職場でも採用し得るという効果が得られる。
【0029】インク補給タンクを印字タンクより上位置に配設し、インク補給ノズルは圧縮スプリングと圧縮スプリングにより付勢されてノズル先端部を塞ぐ球体とを有し、インク補給口に該球体を押し上げる突起部材を設けたことにより、インク補給タンク内のインクはインク補給ノズルを印字インクのインク補給口に挿抜するだけでノズル口を開閉して自動補給される。
【0030】印字タンクのインク補給口に蓋を設けたことにより、水分の蒸発によるインクの乾燥化を防止できる。さらに、インク補給口を閉じる方向に蓋を付勢するr付勢部材と、補給位置に移動する際にストッパに当接してインク補給口を開かるようにしたことにより、蓋を自動的に開閉させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の概略構成を示す模式図である。
【図2】図1の要部詳細を示す拡大図である。
【図3】インクセンサの配置図である。
【図4】第1実施例の制御部を示すブロック図である。
【図5】インク補給状態時を示す説明図である。
【図6】図5に示した説明図のM部詳細を示す拡大図である。
【図7】第1実施例の動作を説明するタイムチャートである。
【図8】第1実施例の動作を説明するフローチャートである。
【図9】第2実施例の印字タンク一体型印字ヘッドの正面図である
【図10】図9に示した印字タンク一体型印字ヘッドの平面図である。
【図11】ストッパ要部の斜視図である。
【符号の説明】
1 印字タンク
9 インクフルセンサ
10 インクエンプティセンサ
14 インク補給タンク
17 インク補給ノズル
21 ノズル挿抜部
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェットプリンタ、あるいはインクジェットプリンタを内蔵する複合装置等の印字タンク搭載記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェットプリンタ、あるいはインクジェットプリンタを内蔵する複合装置等の印字タンク搭載記録装置は、印字ヘッドとともに印字タンクをキャリッジに搭載し、印字タンクから印字ヘッドにインクを供給して記録動作を行い、インクが無くなると空表示を行う。ユ−ザはこの表示を見て印字タンクを交換している。
【0003】ところで、印字タンクを印字ヘッドとともに搭載したキャリッジは高速で移動するので、搭載される印字タンクの容量はおのずと制限され、通常大きくても50〜150cc程度である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の印字タンク搭載記録装置にあっては、搭載されるインクの容量が制限されるので、昼夜印刷が要求される業務では交換頻度が高いことによる煩わしさから、あるいは、夜間や休日に海外から多くの情報を無人で受信出力する職場では夜間の無人運用ができないことによる不便さから印字タンクを搭載した記録装置は採用しにくいという問題点があった。
【0005】本発明は、昼夜印刷が要求される業務や、夜間や休日に海外から多くの情報を無人で受信出力する職場でも採用し得る印字タンク搭載記録装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明の印字タンク搭載記録装置においては、インクを補給する補給口とインク量の上限を検出する上限センサとインク量の下限を検出する下限センサとを印字タンクに設け、印字タンクより上位置に配設されたインク補給タンクと、一端部をインク補給タンクの底部に接続し、他端部には印字タンクの補給口に挿抜するとノズル口が開閉するインク補給ノズルを有するチュ−ブと、下限センサからの出力に基づいてキャリッジ移動手段により印字タンクをインク補給位置に位置決めする補給位置出し手段と、補給位置出し手段からの出力に基づいてインク補給ノズルを印字タンクの補給口に挿入し、上限センサからの出力に基づいてインク補給ノズルを補給口から抜出するインク補給手段とを備える。
【0007】
【作用】上記のように構成された印字タンク搭載記録装置の印字タンク内のインク量が下限に達すると、タンク補給位置決め手段が下限センサからの出力に基づいて、キャリッジ移動手段により印字タンクをインク補給位置に位置決めし、インク補給手段がインク補給ノズルをインク補給口に挿入させる。インク補給ノズルはノズル口を開き、インク補給タンクのインクは印字タンクに補給される。インク量が上限に達すると、インク補給手段が上限センサからの出力に基づいて、インク補給ノズルをインク補給口から抜出し、ノズル口は閉じられてインク補給は終了する。
【0008】従って本発明よれば、昼夜印刷が要求される業務や、夜間や休日に海外から多くの情報を無人で受信出力する職場でも採用し得る印字タンク搭載記録装置を提供できる。
【0009】
【実施例】本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。尚、各図面に共通な要素には同一符号を付す。
【0010】第1実施例図1は第1実施例の概略構成を示す模式図である。印字タンク1と一体になった印字ヘッド2はキャリッジ3に搭載されてキャリッジ移動手段によって矢印A−B方向に移動し、図示せぬヘッド駆動手段により印字用紙4に印字する。キャリッジ移動手段は歯付きプ−リ5,6、歯付きベルト7、スペ−シングモ−タ8等で構成され、キャリッジ3は歯付きプ−リ5、6に巻き掛けられた歯付きベルト7に固着してある。歯付きプ−リ5はスペ−シングモ−タ8のモ−タ軸に固着してあり、歯付きプ−リ6は図示せぬフレ−ムに回転自在に支持してある。印字用紙4は矢印A−B方向に直角に交わる方向である図面の表側から裏側に向かって図示せぬラインフィ−ドモ−タにより改行動作を行う。
【0011】印字タンク1の内部には、図3に示すように、インク量の上限を検出する上限センサとしてのインクフルセンサ9が設けてあり、インク量の下限を検出する下限センサとしてのインクエンプティセンサ10が設けてある。インクエンプティセンサ10はインク量の下限を検出しても所定サイズの用紙を数頁印刷できるだけのマ−ジン量を持った位置に設けてある。また、印字タンク1の上部には、図2に示すように、インク補給口1aを開閉する断面L状に一体成形された蓋11が設けてあり、引張りスプリング12により矢印C方向に引張られてインク補給口1aを閉じている。インク補給口1aには突起部材13が設けてある。
【0012】インク補給タンク14は、図1に示すように、印字タンク1より上位置に配設され、大容量の据え置きタンクで上部にキャップ15を有し、下部から柔軟なチュ−ブ16が延在している。チュ−ブ16の先端部にはインク補給ノズル17が設けてある。インク補給ノズル17の内部には、図2に示すように、内在する圧縮スプリング18と圧縮スプリング18により付勢されてノズル先端部を塞ぐ球体19とが設けてある。インク補給ノズル17の近傍にはストッパとしてのノックピン20が図示せぬフレ−ムに植設してあり、キャリッジ3が矢印A方向に移動する際、印字タンク1の蓋11に当接して停止させ、インク補給口1aを開かせる。
【0013】ノズル挿抜部21は、図1に示すように、電磁ソレノイド22とリンク23と引張りスプリング24とを有する。リンク23は支軸25に回動自在に支持してあり、一端部をインク補給ノズル17に回動自在に支持し、他端部を電磁ソレノイド22の可動片22aに回動自在に支持してある。引張りスプリング24の一端部は図示せぬフレ−ムに設けたポストに掛けてあり、他端部は電磁ソレノイド22の可動片22aに掛けてある。従って、非通電時、電磁ソレノイド22の可動片22aは引張りスプリング24により矢印D方向に引張られ、リンク23は支軸25を中心に矢印E方向に回動している。リンク23の一端部に設けられたインク補給ノズル17は印字ホ−ムポジション外で回動する。
【0014】図4は第1実施例の制御部を示すブロック図である。制御部30はマイクロコンピュ−タで構成されており、バスライン31で接続された中央処理装置32(以後CPU32と記す)と記憶装置33(以後MEM33と記す)とを有し、スペ−シングモ−タ8、インクフルセンサ9、インクエンプティセンサ10、電磁ソレノイド22に信号線34〜37で接続されている。CPU32はMEM33に格納された制御プログラムに基づいてインクエンプティセンサ10からの出力によりスペ−シングモ−タ8を駆動して印字タンク1をインク補給位置に位置決めするタンク補給位置決め手段、タンク補給位置決め手段及びインクフルセンサ9からの出力により電磁ソレノイド22を駆動するインク補給手段になる。
【0015】インク補給位置は印字領域及び印字ホ−ムポジション外に設けてあり、インクエンプティセンサ10がオンになると、CPU32は印字ホ−ムポジションからインク補給位置までの距離に相当するスペ−シングモ−タ8の駆動量をMEM33から読み出してスペ−シングモ−タ8を回転駆動させる。
【0016】図5はインク補給状態時を示す説明図であり、図6は図5に示した説明図のM部詳細を示す拡大図である。即ち、キャリッジ3が矢印A方向に移動し、途中で印字タンク1の蓋11をインク補給ノズル17の近傍に設けたノックピン20に当接させて蓋11を矢印H方向に移動させて印字タンク1のインク補給口1aを開き、インク補給口1aをインク補給位置に位置決めし、通電された電磁ソレノイド22により可動片22aが矢印F方向に移動し、リンク23が支軸25を中心に矢印G方向に回動してインク補給ノズル17をインク補給口1aに挿入し、印字タンク1内の突起部材13によってノズル先端部を塞ぐ球体19が押し上げられた状態を示している。
【0017】図7は第1実施例の動作を説明するタイムチャ−トであり、(A)、(B)、(C)はそれぞれ印字ヘッド2、インクエンプティセンサ10、インクフルセンサ9の動作を示している。即ち、時刻t1 で印字ヘッド2が印字動作を開始し、時刻t2 でインクエンプティセンサ10がインク量の下限を検出し、時刻t3 で印字ヘッド2が印字動作を停止し、その後インク補給位置に移動してインク補給状態に入り、時刻t4 でインクフルセンサ9がインク量の上限を検出し、時刻t5 で印字ヘッド2が再び、印字動作を開始することを示している。
【0018】次に動作について図8に従って説明する。図8は第1実施例の動作を説明するフロ−チャ−トである。ステップS1 で制御部30は、印字動作中、インクエンプティセンサ10を介して印字タンク1のインク量をセンスしており、インクエンプティセンサ10がオンならばステップS2 に移る。
【0019】ステップS2 で制御部30は、行印字中か否かをチェックし、行印字中ならばステップS3 に分岐し、否ならばステップS4 に分岐する。ステップS3 で制御部30は、行末まで印字してステップS4 に移る。ステップS4 で制御部30は、スペ−シングモ−タ8を駆動してキャリッジ3を、図1、図2に示したように、矢印A方向に移動させ、印字タンク1のインク補給口1aをインク補給位置に位置決めする。
【0020】ステップS5 で制御部30は、電磁ソレノイド22に通電し、インク補給ノズル17をインク補給口1aに挿入させ、図6に示したように、突起部材13によってノズル先端部を塞ぐ球体19が押し上げ、インク補給タンク14から印字タンク1にインク補給を開始する。ステップS6 で制御部30は、インクフルセンサ9を介してインク補給量をセンスしており、インクフルセンサ9がオンならばステップS7 に分岐し、オフならばステップS5 に分岐する。ステップS7 で制御部30は、電磁ソレノイド22への通電を停止してインク補給ノズル17をインク補給口1aから外す。ステップS8 で制御部30は、スペ−シングモ−タ8を駆動してキャリッジ3を印字ホ−ムポジションに移動して再び、印字動作に戻る。
【0021】本実施例では印字タンクのインク補給口1aを開閉する蓋は断面L状の一体成形物としたが、蓋に突起部材を設けて断面L状としてもよい。
【0022】また、インク補給位置を印字領域及び印字ホ−ムポジション外としたが、印字ホ−ムポジションをインク補給位置としてもよい。
【0023】第2実施例第1実施例では単色の印字タンク搭載記録装置の場合について説明したが、色別の印字タンクを搭載した多色印字タンク搭載記録装置の場合についても適用できる。
【0024】図9は第2実施例の印字タンク一体型印字ヘッドの正面図であり、図10は図9に示した印字タンク一体型印字ヘッドの平面図である。印字タンク一体型印字ヘッド40はブラック、イエロ−、マゼンタ、シアンの色別に印字タンク41〜44を印字ヘッド45と一体に設けてある。印字タンク41〜44はインク補給口を、図10に示すように、ずらして設けてある。従って、蓋46〜49を開閉するノックピン50は、図11に示すように、ノックピン50を固着したラック51とピニオン52とパルスモ−タ53とによってノックピン50の長さ方向である矢印I−J方向に移動自在に設けてある。また、上限センサとしてのインクフルセンサ、下限センサとしてのインクエンプティセンサは各印字タンク41〜44に設けてある。また、インク補給タンク、ノズル挿抜部もそれぞれ色別に第1実施例と同様に設けてある。
【0025】動作についてはパルスモ−タ53を制御部に接続してインク補給対象の蓋を開閉するように制御する以外は第1実施例と同様であるので説明は省略する。
【0026】第2実施例によれば、特定の色のインクのみが使用頻度が高くてなって、他のインクが余っても、使用頻度の高いインクを補給すればよいので、従来のようにカ−トリッジごとすてるという無駄を防止できる。
【0027】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成されているので以下に記載される効果を奏する。
【0028】インク量の上限を検出する上限センサとインク量の下限を検出する下限センサとを印字タンクに設け、下限センサの出力と上限センサの出力とに基づいてインク補給タンクから印字タンクへインクを自動補給できるようにしたことにより、印字タンク搭載記録装置を昼夜印刷が要求される業務や、夜間や休日に海外から多くの情報を無人で受信出力する職場でも採用し得るという効果が得られる。
【0029】インク補給タンクを印字タンクより上位置に配設し、インク補給ノズルは圧縮スプリングと圧縮スプリングにより付勢されてノズル先端部を塞ぐ球体とを有し、インク補給口に該球体を押し上げる突起部材を設けたことにより、インク補給タンク内のインクはインク補給ノズルを印字インクのインク補給口に挿抜するだけでノズル口を開閉して自動補給される。
【0030】印字タンクのインク補給口に蓋を設けたことにより、水分の蒸発によるインクの乾燥化を防止できる。さらに、インク補給口を閉じる方向に蓋を付勢するr付勢部材と、補給位置に移動する際にストッパに当接してインク補給口を開かるようにしたことにより、蓋を自動的に開閉させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の概略構成を示す模式図である。
【図2】図1の要部詳細を示す拡大図である。
【図3】インクセンサの配置図である。
【図4】第1実施例の制御部を示すブロック図である。
【図5】インク補給状態時を示す説明図である。
【図6】図5に示した説明図のM部詳細を示す拡大図である。
【図7】第1実施例の動作を説明するタイムチャートである。
【図8】第1実施例の動作を説明するフローチャートである。
【図9】第2実施例の印字タンク一体型印字ヘッドの正面図である
【図10】図9に示した印字タンク一体型印字ヘッドの平面図である。
【図11】ストッパ要部の斜視図である。
【符号の説明】
1 印字タンク
9 インクフルセンサ
10 インクエンプティセンサ
14 インク補給タンク
17 インク補給ノズル
21 ノズル挿抜部
【特許請求の範囲】
【請求項1】 印字ヘッドとともにキャリッジに搭載された印字タンクから印字ヘッドにインクを供給し、キャリッジ移動手段によりキャリッジを移動させて記録する印字タンク搭載記録装置において、上記印字タンクには、インクを補給する補給口とインク量の上限を検出する上限センサとインク量の下限を検出する下限センサとを設け、記録装置側には、印字タンクより上位置に配設されたインク補給タンクと、一端部をインク補給タンクの底部に接続し、他端部には印字タンクの補給口に挿抜するとノズル口が開閉するインク補給ノズルを有するチュ−ブと、印字タンクの下限センサからの出力に基づいてキャリッジ移動手段により印字タンクをインク補給位置に位置決めする補給位置出し手段と、補給位置出し手段からの出力に基づいてインク補給ノズルを印字タンクの補給口に挿入し、上限センサからの出力に基づいてインク補給ノズルを補給口から抜出するインク補給手段とを備えたことを特徴とする印字タンク搭載記録装置。
【請求項2】 上記インク補給ノズルは圧縮スプリングと圧縮スプリングにより付勢されてノズル先端部を塞ぐ球体とを有し、上記印字タンクはインク補給口に該球体を押し上げる突起部材を設けた請求項1記載の印字タンク搭載記録装置。
【請求項3】 請求項1記載の印字タンク搭載記録装置において、上記印字タンク及びインク補給タンクはインクの色別に設けられたことを特徴とする印字タンク搭載記録装置。
【請求項4】 上記印字タンクにはインク補給口にキャリッジ移動方向へ開閉自在に設けられた断面L状を有する蓋と、インク補給口を閉じる方向に該蓋を付勢する付勢部材とを設け、上記キャリッジが上記インク補給位置に向かって移動するとき、該蓋に当接して蓋を停止させ、インク補給口を開くストッパを備えた請求項1記載、又は請求項2記載、又は請求項3記載の印字タンク搭載記録装置。
【請求項1】 印字ヘッドとともにキャリッジに搭載された印字タンクから印字ヘッドにインクを供給し、キャリッジ移動手段によりキャリッジを移動させて記録する印字タンク搭載記録装置において、上記印字タンクには、インクを補給する補給口とインク量の上限を検出する上限センサとインク量の下限を検出する下限センサとを設け、記録装置側には、印字タンクより上位置に配設されたインク補給タンクと、一端部をインク補給タンクの底部に接続し、他端部には印字タンクの補給口に挿抜するとノズル口が開閉するインク補給ノズルを有するチュ−ブと、印字タンクの下限センサからの出力に基づいてキャリッジ移動手段により印字タンクをインク補給位置に位置決めする補給位置出し手段と、補給位置出し手段からの出力に基づいてインク補給ノズルを印字タンクの補給口に挿入し、上限センサからの出力に基づいてインク補給ノズルを補給口から抜出するインク補給手段とを備えたことを特徴とする印字タンク搭載記録装置。
【請求項2】 上記インク補給ノズルは圧縮スプリングと圧縮スプリングにより付勢されてノズル先端部を塞ぐ球体とを有し、上記印字タンクはインク補給口に該球体を押し上げる突起部材を設けた請求項1記載の印字タンク搭載記録装置。
【請求項3】 請求項1記載の印字タンク搭載記録装置において、上記印字タンク及びインク補給タンクはインクの色別に設けられたことを特徴とする印字タンク搭載記録装置。
【請求項4】 上記印字タンクにはインク補給口にキャリッジ移動方向へ開閉自在に設けられた断面L状を有する蓋と、インク補給口を閉じる方向に該蓋を付勢する付勢部材とを設け、上記キャリッジが上記インク補給位置に向かって移動するとき、該蓋に当接して蓋を停止させ、インク補給口を開くストッパを備えた請求項1記載、又は請求項2記載、又は請求項3記載の印字タンク搭載記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図8】
【公開番号】特開平9−29991
【公開日】平成9年(1997)2月4日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−185413
【出願日】平成7年(1995)7月21日
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【公開日】平成9年(1997)2月4日
【国際特許分類】
【出願日】平成7年(1995)7月21日
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
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