説明

印字品質評価システム、レーザマーキング装置、印字条件設定装置、印字品質評価装置、印字条件設定プログラム、印字品質評価プログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体

【課題】読取安定度を向上させるため、ユーザによる目視読み取りではなく、光学情報読取装置による読み取りに基づいて印字条件を設定する。
【解決手段】シンボル抽出手段63により抽出されたシンボルの印字位置を認識するための印字位置認識手段68と、シンボル抽出手段63により抽出されたシンボルに応じて、印字品質評価手段65による印字品質の評価結果を出力するための評価出力手段とを備え、特定パターンの印字位置がそれぞれ、特定パターンが付されたシンボルを印字した印字条件と関連付けられており、複数のシンボルは、それぞれが特定の二次元コードの構成単位であるセルを一又は複数組み合わせた評価パターンであって、それぞれが該特定の二次元コードよりも大きさの小さい評価パターンから構成されており、さらに各評価パターンを、セルのパターンを印字位置毎に異なるパターンで印字する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光を対象物に照射して印字等の加工を行うレーザマーキング装置、レーザ印字条件設定装置、及びこれらを組み合わせた印字品質評価システム、レーザ印字条件設定方法、レーザ印字条件設定プログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体及び記録した機器並びにレーザマーキング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、商品管理等の分野においてバーコード、二次元コード等様々なコードあるいは「シンボル」が利用されている。トレーサビリティ(traceability)が普及した今日においては、工場や物流拠点等に、バーコードリーダ又はコードリーダと称される光学情報読取装置を設置して、製品や産品にシンボル等を印刷又は刻印し(コード印字)、このコード印字の情報を光学情報読取装置で読み取るシステムが多くの業界で採用されている。このような印字加工を行うレーザマーキング装置は、レーザ光を所定の領域内において走査して、部品や製品等の印字対象物(ワーク)の表面に対しレーザ光を照射することで、印字やマーキング等の加工を行う。
【0003】
レーザマーキング装置を使用する際には、加工の際の印字条件としてレーザ光の走査速度、レーザ出力(レーザパワー)等の加工パラメータを最適値に設定してやる必要がある。またQスイッチングによりレーザ光をパルス発振させる場合はQスイッチ周波数も印字条件として設定する必要がある。Qスイッチングとは、光共振器の損失を増加させた状態でポンピングを行い、エネルギーを励起準位に蓄積して適当なときに損失を減少させ、レーザ作用を行わせることをいう。最適な印字条件はワークの材質や印字するマークの種類や大きさ等により異なる上、印字条件を構成するパラメータ同士も複雑に相関しているため、ユーザはこれらの値を調整しながら最適な印字条件に設定する作業は非常に困難である。
【0004】
本出願人は、最適な印字条件に容易に設定可能なレーザマーキング装置を先に開発した(特許文献1、2参照)。特許文献1に記載の技術は、レーザ光の走査速度及びレーザ出力を自動的に変化させた印字条件を複数設定し、各印字条件で実際に印字加工を行い、図78に示すような異なる印字の濃度を有する複数の印字見本501が形成された印字リスト500を作成する。これにより、ユーザは印字リスト500の中の印字見本501の番号を指定するだけで、この印字見本の印字に対応した走査速度VS、レーザ出力PL及びQスイッチ周波数fsを印字条件として設定できる。また特許文献2には、三次元加工が可能なレーザマーキング装置を用いて三次元的な印字を行う際に、好ましい印字条件を設定する方法が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−28586号公報
【特許文献2】特開2007−90352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の技術はユーザの目視によって、実際に印字された複数のシンボル(一例としてQRコード)の中から所望の結果が得られているものを選択させているため、印字されるシンボルのサイズが極めて小さい場合には、目視による判別が困難になるという問題があった。例えばマイクロQRコードの場合は、シンボルのサイズが縦1mm×横1mmといったサイズもののが存在する。また、通常のQRコードであっても、得られた印字結果に顕著な差が見られない場合は、どのQRコードを選択するのかはユーザの印象や主観等で左右されることがあり、定量的な判断結果が得られないこともある。
【0007】
さらに、ユーザの目視で得られた良好な結果が、このようなQRコード等のシンボルを読み取る読取装置側の読み取り条件として良好な結果とは必ずしも一致しない。すなわち、最終的に印字されたシンボルは読取装置によって読み取られるため、これら読取装置側で安定して読み取り可能となるように、読取安定性が向上するような印字条件とすることが肝要となる。例えば、シンボルのセルサイズを最適なサイズとしたり、白黒のコントラストが明確になるように、印字対象の材質や照明条件等、要求される仕様に応じた印字条件を設定することが必要である。特に、ダイレクトパーツマーキングと称される金属や樹脂のワーク表面に直接的に刻印したコード印字は光の当たり具合がバーコードリーダの読み取りを左右する要因になることが知られている。
【0008】
したがって、ユーザが目で見て問題なしと判断したコード印字であっても、バーコードリーダでは読み取るのが困難という場合もあり得る。また、ユーザの目で見たときにどれを選んでも支障が無いと思えるほど似かよった複数のコード印字が存在する場合、バーコードリーダ側から判断したときに、特定の一のコード印字が安定して読み取りができるという場合もあり得る。
【0009】
本発明は、従来のこのような問題点を解決するために成されたものである。本発明の主な目的は、加工されたシンボルを読み取る読取装置側の読取安定性を向上させた印字条件を設定可能な印字品質評価システム、レーザマーキング装置、レーザ印字条件設定装置、レーザ印字条件設定方法、レーザ印字条件設定プログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体及び記録した機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面に係る印字品質評価システムによれば、印字対象物に対して、印字条件の異なる複数のシンボルを印字可能なレーザマーキング装置と、前記レーザマーキング装置で印字対象物に印字された、印字条件の異なる複数のシンボルを撮像した撮像画像に基づいて各シンボルの印字品質を評価するための印字品質評価装置と、を含む印字品質評価システムであって、
前記レーザマーキング装置は、
印字条件を構成する複数の印字パラメータのうち、印字条件を異ならせるための少なくとも一の印字パラメータを可変パラメータとし、その他を固定パラメータとして設定可能なパラメータ設定手段と、
前記パラメータ設定手段で設定された固定パラメータに固定値を代入しつつ、前記パラメータ設定手段で設定された可変パラメータに複数の異なるパラメータ値をそれぞれ代入することで、複数の異なる印字条件を生成するための印字条件生成手段と、
それぞれが特定のシンボルの構成単位であるセルを一又は複数組み合わせた評価パターンであって、それぞれが該特定のシンボルよりも大きさの小さい複数の評価パターンを印字データとして生成するための印字データ生成手段と、
前記印字データ生成手段にて生成された複数の評価パターンを、前記印字条件生成手段にて生成された複数の異なる印字条件に基づいて印字するマーキング手段と、
を備え、
前記印字品質評価装置は、
印字対象物に印字された個々の評価パターンを含む撮像画像であって、該評価パターンの印字品質を評価可能な解像度にて撮像された撮像画像を取得するための画像取得手段と、
前記画像取得手段により得られた撮像画像中から、印字品質を評価可能な評価パターンを抽出するための抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された評価パターンの印字品質を評価するための印字品質評価手段と、
前記抽出手段により抽出された評価パターンの印字位置を認識するための印字位置認識手段と、
前記抽出手段により抽出された評価パターンに応じて、前記印字品質評価手段による印字品質の評価結果を出力するための評価出力手段と、
を備えることができる。これにより、複数の異なる評価パターンに基づいて、印字位置認識手段は評価パターンの印字位置を特定でき、この印字位置に対応した印字条件を把握できるので、印字品質評価手段で印字品質の高い評価パターンに応じて印字条件を決定できる。
【0011】
また、第2の側面に係る印字品質評価システムによれば、印字対象物に対して、印字条件の異なる複数のシンボルをレーザマーキング装置で印字するための印字条件を設定するための印字条件設定装置と、前記印字条件設定装置で設定された印字条件に従って生成された印字データに基づき、レーザマーキング装置で印字対象物に印字された、印字条件の異なる複数のシンボルを撮像した撮像画像に基づいて各シンボルの印字品質を評価するための印字品質評価装置と、を含む印字品質評価システムであって、
前記印字条件設定装置は、
印字条件を構成する複数の印字パラメータのうち、印字条件を異ならせるための少なくとも一の印字パラメータを可変パラメータとし、その他を固定パラメータとして設定可能なパラメータ設定手段と、
前記パラメータ設定手段で設定された固定パラメータに固定値を代入しつつ、前記パラメータ設定手段で設定された可変パラメータに複数の異なるパラメータ値をそれぞれ代入することで、複数の異なる印字条件を生成するための印字条件生成手段と、
それぞれが特定のシンボルの構成単位であるセルを一又は複数組み合わせた評価パターンであって、それぞれが該特定のシンボルよりも大きさの小さい複数の評価パターンを印字データとして生成するための印字データ生成手段と、
前記印字データ生成手段にて生成された複数の評価パターンを、前記印字条件生成手段にて生成された複数の異なる印字条件に基づいて印字するよう、レーザマーキング装置に送出するための印字データ出力手段と、
を備え、
前記印字品質評価装置は、
印字対象物に印字された個々の評価パターンを含む撮像画像であって、該評価パターンの印字品質を評価可能な解像度にて撮像された撮像画像を取得するための画像取得手段と、
前記画像取得手段により得られた撮像画像中から、印字品質を評価可能な評価パターンを抽出するための抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された評価パターンの印字品質を評価するための印字品質評価手段と、
前記抽出手段により抽出された評価パターンの印字位置を認識するための印字位置認識手段と、
前記抽出手段により抽出された評価パターンに応じて、前記印字品質評価手段による印字品質の評価結果を出力するための評価出力手段と、
を備え、
前記評価パターンの印字位置がそれぞれ、該評価パターンを印字した印字条件と関連付けられており、各評価パターンは、セルのパターンを印字位置毎に異なるパターンで印字することができる。これにより、複数の異なる評価パターンに基づいて、印字位置認識手段は評価パターンの印字位置を特定でき、この印字位置に対応した印字条件を把握できるので、印字品質評価手段で印字品質の高い評価パターンに応じて印字条件を決定できる。
【0012】
さらに、第3の側面に係るレーザマーキング装置によれば、印字対象物に対して、印字条件の異なる複数のシンボルを印字可能なレーザマーキング装置であって、
印字条件を構成する複数の印字パラメータのうち、印字条件を異ならせるための少なくとも一の印字パラメータを可変パラメータとし、その他を固定パラメータとして設定可能なパラメータ設定手段と、
前記パラメータ設定手段で設定された固定パラメータに固定値を代入しつつ、前記パラメータ設定手段で設定された可変パラメータに複数の異なるパラメータ値をそれぞれ代入することで、複数の異なる印字条件を生成するための印字条件生成手段と、
それぞれが特定のシンボルの構成単位であるセルを一又は複数組み合わせた評価パターンであって、それぞれが該特定のシンボルよりも大きさの小さい複数の評価パターンを印字データとして生成するための印字データ生成手段と、
前記印字データ生成手段にて生成された複数の評価パターンを、前記印字条件生成手段にて生成された複数の異なる印字条件に基づいて印字するマーキング手段と、
を備えることができる。
【0013】
さらにまた、第4の側面に係るレーザマーキング装置によれば、前記印字データ生成手段で生成される複数の評価パターンが、印字品質評価装置によって印字品質評価を行える単位にて形成されるよう構成できる。
【0014】
さらにまた、第5の側面に係るレーザマーキング装置によれば、前記印字データ生成手段で生成される複数の評価パターンが、格子状に配列された複数のセルからなるよう構成できる。これにより、印字領域を小さくしても印字品質の評価を行うことが可能となり、印字対象物が小サイズであったり印字可能な領域が狭い場合にも印字品質評価が行える利点が得られる。
【0015】
さらにまた、第6の側面に係るレーザマーキング装置によれば、前記印字データ生成手段で生成される複数の評価パターンが、二次元コードのファインダパターンを含むことができる。これにより、評価パターンがコードとして不完全であっても、印字品質の評価を行うことが可能となる。
【0016】
さらにまた、第7の側面に係るレーザマーキング装置によれば、前記印字データ生成手段で生成される複数の評価パターンについて、該評価パターンの方向を特定可能な形状とできる。
【0017】
さらにまた、第8の側面に係るレーザマーキング装置によれば、前記特定のシンボルを二次元コードとできる。
【0018】
さらにまた、第9の側面に係るレーザマーキング装置によれば、前記特定のシンボルをQRコードとできる。
【0019】
さらにまた、第10の側面に係る印字条件設定装置によれば、印字対象物に対して、印字条件の異なる複数のシンボルをレーザマーキング装置で印字するための印字条件を設定するための印字条件設定装置であって、
印字条件を構成する複数の印字パラメータのうち、印字条件を異ならせるための少なくとも一の印字パラメータを可変パラメータとし、その他を固定パラメータとして設定可能なパラメータ設定手段と、
前記パラメータ設定手段で設定された固定パラメータに固定値を代入しつつ、前記パラメータ設定手段で設定された可変パラメータに複数の異なるパラメータ値をそれぞれ代入することで、複数の異なる印字条件を生成するための印字条件生成手段と、
それぞれが特定のシンボルの構成単位であるセルを一又は複数組み合わせた評価パターンであって、それぞれが該特定のシンボルよりも大きさの小さい複数の評価パターンを印字データとして生成するための印字データ生成手段と、
前記印字データ生成手段にて生成された複数の評価パターンを、前記印字条件生成手段にて生成された複数の異なる印字条件に基づいて印字するよう、レーザマーキング装置に送出するための印字データ出力手段と、
を備えることができる。これにより、複数の異なる評価パターンの各々に、印字品質評価装置によって読み取り可能な状態で印字条件を特定するためのが含まれるため、印字品質評価装置側で印字品質評価の高かった評価パターンに対応する印字条件を把握できる。この結果、その印字条件をレーザマーキング装置にフィードバックすることで、運用時には光学情報読取装置での読取安定性が向上するように印字条件を設定できる。これによりユーザの目視や経験によらず、定性的により適した印字条件の設定が可能になる。
【0020】
さらにまた、第11の側面に係る印字品質評価装置によれば、印字対象物に印字された、印字条件の異なる複数のシンボルを撮像した撮像画像に基づいて各シンボルの印字品質を評価するための印字品質評価装置であって、
印字対象物に印字された個々のシンボルを含む撮像画像であって、該シンボルの印字品質を評価可能な解像度にて撮像された撮像画像を取得するための画像取得手段と、
前記画像取得手段により得られた撮像画像中から、印字品質を評価可能なシンボルを抽出するためのシンボル抽出手段と、
前記シンボル抽出手段により抽出されたシンボルの印字品質を評価するための印字品質評価手段と、
前記シンボル抽出手段により抽出されたシンボルの印字位置を認識するための印字位置認識手段と、
前記シンボル抽出手段により抽出されたシンボルに応じて、前記印字品質評価手段による印字品質の評価結果を出力するための評価出力手段と、
を備え、
前記特定パターンの印字位置がそれぞれ、前記特定パターンが付された前記シンボルを印字した印字条件と関連付けられており、
前記複数のシンボルは、それぞれが特定の二次元コードの構成単位であるセルを一又は複数組み合わせた評価パターンであって、それぞれが該特定の二次元コードよりも大きさの小さい評価パターンから構成されており、
さらに各評価パターンを、セルのパターンを印字位置毎に異なるパターンで印字することができる。これにより、複数の異なる評価パターンのパターンに基づいて、印字位置認識手段で評価パターンの印字位置を特定でき、この印字位置に対応した印字条件を把握できるので、印字品質の高い評価パターンに応じた印字条件を決定できる。
【0021】
さらにまた、第12の側面に係る印字品質評価装置によれば、印字対象物に印字された、印字条件の異なる複数のシンボルと、各シンボルの印字位置を特定するための特定パターンとを撮像した撮像画像に基づいて各シンボルの印字品質を評価するための印字品質評価装置であって、
印字対象物に印字された個々のシンボルを含む撮像画像であって、該シンボルの印字品質を評価可能な解像度にて、少なくとも前記特定パターンの一部が含まれるように撮像された撮像画像を取得するための画像取得手段と、
前記画像取得手段により得られた撮像画像中から、印字品質を評価可能なシンボルを抽出するためのシンボル抽出手段と、
前記シンボル抽出手段により抽出されたシンボルの印字品質を評価するための印字品質評価手段と、
前記画像取得手段により得られた撮像画像に含まれる前記特定パターンに基づいて、前記シンボル抽出手段により抽出されたシンボルの印字位置を認識するための印字位置認識手段と、
前記シンボル抽出手段により抽出されたシンボルに応じて、前記印字品質評価手段による印字品質の評価結果を出力するための評価出力手段と、
を備え、
前記特定パターンの印字位置がそれぞれ、前記特定パターンが付された前記シンボルを印字した印字条件と関連付けられており、
前記複数のシンボルは、それぞれが特定の二次元コードの構成単位であるセルを一又は複数組み合わせた評価パターンであって、それぞれが該特定の二次元コードよりも大きさの小さい評価パターンで構成できる。これにより、特定パターンに基づいてシンボルの印字位置を認識でき、該印字位置から印字条件を把握できるようになる。
【0022】
さらにまた、第13の側面に係る印字品質評価装置によれば、前記特定パターンの印字位置がそれぞれ、前記特定パターンが付された前記シンボルを印字した印字条件を構成する複数の印字パラメータのうち、印字条件を異ならせるために可変とした可変パラメータの情報と関連付けることができる。これにより、特定の印字パラメータを可変させて複数のシンボルを印字した際、シンボルの印字結果に基づいて、該シンボルに付された特定パターンから適切なパラメータ値を特定できるので、実際の印字結果から好ましい印字条件を把握できる利点が得られる。
【0023】
さらにまた、第14の側面に係る印字品質評価装置によれば、前記印字品質評価手段が、複数のセル間の印字品質評価を行うよう構成できる。
【0024】
さらにまた、第15の側面に係る印字品質評価装置によれば、前記印字品質評価手段が、複数のセル間の印字品質評価として、セル間のコントラスト又は均一性の評価を含むことができる。
【0025】
さらにまた、第16の側面に係る印字品質評価装置によれば、前記印字品質評価手段が、単一セルの印字品質評価を行うよう構成できる。
【0026】
さらにまた、第17の側面に係る印字品質評価装置によれば、前記印字品質評価手段が、単一セルの印字品質評価として、セルの形状の適否の評価を含むことができる。これにより、セルの太り細りやエッジ線明度といった形状適否に基づいて、適切に品質評価を行うことができる。
【0027】
さらにまた、第18の側面に係る印字品質評価装置によれば、さらに前記印字品質評価手段による印字品質の評価結果とともに、前記印字位置認識手段により認識されたシンボルの位置情報を表示可能な評価表示手段を備えることができる。これにより、ユーザは評価表示手段を確認して、最適な印字位置を選び、それをレーザマーキング装置にフィードバックすることができる。
【0028】
さらにまた、第19の側面に係る印字品質評価装置によれば、前記画像取得手段が、印字対象物に印字された個々のシンボルを含む撮像画像を、該シンボルの印字品質を評価可能な解像度にて撮像するための撮像手段であり、前記印字品質評価装置がさらに、前記撮像手段の撮像パラメータを変化させながらシンボルを連続して撮像するように前記撮像手段を制御するための撮像制御手段を備えており、前記印字品質評価手段は、シンボルの撮像パラメータの変化に対する読取安定度のスコアを算出し、前記評価表示手段は、該スコアとともに識別情報を表示するよう構成できる。これにより、ユーザは評価表示手段に表示されたスコアを確認して、最もよいスコアに対応する識別情報をレーザマーキング装置にフィードバックすればよく、最適な印字条件を簡単に設定することが可能となる。
【0029】
さらにまた、第20の側面に係る印字品質評価装置によれば、さらに前記評価表示手段に表示された撮像画像上に、一又は複数のシンボルをユーザに選択させるための対象領域を指定する対象領域設定手段を備えることができる。これにより、特定の部分領域のうち、ユーザが分析したいシンボルのみを選択することで、分析に要する時間を低減できる。
【0030】
さらにまた、第21の側面に係る印字条件設定プログラムによれば、印字対象物に対して、印字条件の異なる複数のシンボルをレーザマーキング装置で印字するための印字条件を設定するための印字条件設定プログラムであって、コンピュータに、
印字条件を構成する複数の印字パラメータのうち、印字条件を異ならせるための少なくとも一の印字パラメータを可変パラメータとし、その他を固定パラメータとして設定可能なパラメータ設定機能と、
前記パラメータ設定機能で設定された固定パラメータに固定値を代入しつつ、前記パラメータ設定機能で設定された可変パラメータに複数の異なるパラメータ値をそれぞれ代入することで、複数の異なる印字条件を生成するための印字条件生成機能と、
それぞれが特定のシンボルの構成単位であるセルを一又は複数組み合わせた評価パターンであって、それぞれが該特定のシンボルよりも大きさの小さい複数の評価パターンを印字データとして生成するための印字データ生成機能と、
前記印字データ生成機能にて生成された複数の評価パターンを、前記印字条件生成機能にて生成された複数の異なる印字条件に基づいて印字するよう、レーザマーキング装置に送出するための印字データ出力機能と、
を実現させることができる。これにより、複数の異なる評価パターンの各々に、印字品質評価装置によって読み取り可能な状態で印字条件を特定するための評価パターンが含まれるため、印字品質評価装置側で印字品質評価の高かった評価パターンに対応する印字条件を把握できる。この結果、その印字条件をレーザマーキング装置にフィードバックすることで、運用時には光学情報読取装置での読取安定性が向上するように印字条件を設定できる。これによりユーザの目視や経験によらず、定性的により適した印字条件の設定が可能になる。
【0031】
さらにまた、第22の側面に係る印字品質評価プログラムによれば、印字対象物に印字された、印字条件の異なる複数のシンボルを撮像した撮像画像に基づいて各シンボルの印字品質を評価するための印字品質評価プログラムであって、コンピュータに、
印字対象物に印字された個々のシンボルを含む撮像画像であって、該シンボルの印字品質を評価可能な解像度にて撮像された撮像画像を取得するための画像取得機能と、
前記画像取得機能により得られた撮像画像中から、印字品質を評価可能なシンボルを抽出するためのシンボル抽出機能と、
前記シンボル抽出機能により抽出されたシンボルの印字品質を評価するための印字品質評価機能と、
前記シンボル抽出機能により抽出されたシンボルの印字位置を認識するための印字位置認識機能と、
前記シンボル抽出機能により抽出されたシンボルに応じて、前記印字品質評価機能による印字品質の評価結果を出力するための評価出力手段と、
を実現させ、
前記特定パターンの印字位置がそれぞれ、前記特定パターンが付された前記シンボルを印字した印字条件と関連付けられており、
前記複数のシンボルは、それぞれが特定の二次元コードの構成単位であるセルを一又は複数組み合わせたシンボルであって、それぞれが該特定の二次元コードよりも大きさの小さいシンボルから構成されており、
さらに各シンボルは、セルのパターンを印字位置毎に異なるパターンで印字することができる。これにより、複数の異なるシンボルのパターンに基づいて、印字位置認識機能はシンボルの印字位置を特定でき、この印字位置に対応した印字条件を把握できるので、印字品質評価機能で印字品質の高いシンボルに応じた印字条件を決定できる。
【0032】
さらにまた第23の側面に係るコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、前記プログラムを格納したものである。記録媒体には、CD−ROM、CD−R、CD−RWやフレキシブルディスク、磁気テープ、MO、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−R、DVD+R、DVD−RW、DVD+RW、Blu−ray、HD DVD(AOD)等の磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリその他のプログラムを格納可能な媒体が含まれる。またプログラムには、前記記録媒体に格納されて配布されるものの他、インターネット等のネットワーク回線を通じてダウンロードによって配布される形態のものも含まれる。さらに記録媒体にはプログラムを記録可能な機器、例えば前記プログラムがソフトウエアやファームウエア等の形態で実行可能な状態に実装された汎用もしくは専用機器を含む。さらにまたプログラムに含まれる各処理や機能は、コンピュータで実行可能なプログラムソフトウエアにより実行してもよいし、各部の処理を所定のゲートアレイ(FPGA、ASIC)等のハードウエア、又はプログラムソフトウエアとハードウエアの一部の要素を実現する部分的ハードウエアモジュールとが混在する形式で実現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施例1に係る印字品質評価システムを示すブロック図である。
【図2】レーザ加工装置の構成を示すブロック図である。
【図3】走査部におけるX・Y軸スキャナの配置状態を示す透明斜視図である。
【図4】図5を背面方向から見た斜視図である。
【図5】印字条件設定部を示すブロック図である。
【図6】印字条件設プログラムをインストールしたコンピュータで印字条件設定装置を実現する構成を示す模式図である。
【図7】変形例に係る印字品質評価システムを示すブロック図である。
【図8】印字条件設定プログラムのユーザインターフェース画面を示すイメージ図である。
【図9】サンプル印字モードを実行する手順を示すフローチャートである。
【図10】テンプレート選択画面を示すイメージ図である。
【図11】第一サンプル印字条件設定画面を示すイメージ図である。
【図12】図11の印字データ指定欄で2次元コードを選択した状態を示すイメージ図である。
【図13】ドット状印字の設定画面を示すイメージ図である。
【図14】図13で「詳細設定」ボタンを押下して表示される詳細設定画面を示すイメージ図である。
【図15】図12で詳細設定ボタンを押下して表示される詳細設定画面を示すイメージ図である。
【図16】図15で「2次元コード」タブを選択した画面を示すイメージ図である。
【図17】図16で2次元コードの種別にデータマトリックスを選択した状態を示すイメージ図である。
【図18】図12で印字線幅詳細ボタンを押下して表示される印字線幅指定画面を示すイメージ図である。
【図19】第二サンプル印字条件設定画面を示すイメージ図である。
【図20】印字条件クリップボード画面を開いた状態を示すイメージ図である。
【図21】印字条件のコピーを行う様子を示すイメージ図である。
【図22】新規テンプレートを選択した場合のサンプル印字の手順示すフローチャートである。
【図23】光学情報読取プログラムのユーザインターフェース画面を示すイメージ図である。
【図24】印字品質評価を行う手順を示すフローチャートである。
【図25】ワークの設置条件の設定を行う手順を示すフローチャートである。
【図26】印字最適化画面を示すイメージ図である。
【図27】ライブビュー画面を示すイメージ図である。
【図28】照明設定画面を示すイメージ図である。
【図29】チューニング設定画面を示すイメージ図である。
【図30】印字情報入力画面を示すイメージ図である。
【図31】リンクデータの読み取り実行を行う様子を示すイメージ図である。
【図32】リンクデータから読み取られたデータが印字情報入力画面に各々入力された状態を示すイメージ図である。
【図33】図26の画面の項目名に可変パラメータが加えられた状態を示すイメージ図である。
【図34】照明の明るさを変化させながらサンプルコードを検索する状態を示すイメージ図である。
【図35】分析処理の手順を示すフローチャートである。
【図36】検出されたサンプルコードが枠状に囲まれて表示される状態を示すイメージ図である。
【図37】分析結果を示すイメージ図である。
【図38】図37で1−1のサンプルコードを選択することで表示されるライブビュー画面を示すイメージ図である。
【図39】図37で1−4のサンプルコードを選択することで表示されるライブビュー画面を示すイメージ図である。
【図40】2つのサンプルコードのスコアを対比させた状態を示すイメージ図である。
【図41】スコアの分布状態を等高線状に表示させたイメージ図である。
【図42】サンプル印字パターンの要素毎にスコアをマトリックス状に表示させた状態を示すイメージ図である。
【図43】スコアの分布状態を等高線状に表示させた状態を示すイメージ図である。
【図44】2回目の撮像画像で対象領域を指定する状態を示すイメージ図である。
【図45】2回目の撮像画像の分析結果を示すイメージ図である。
【図46】撮像画像を合成した合成画面で分析結果を表示させたイメージ図である。
【図47】スコア表示欄においてID番号でソートした状態を示すイメージ図である。
【図48】スコア表示欄においてQスイッチ周波数でソートした状態を示すイメージ図である。
【図49】スコア表示欄においてスポット可変でソートした状態を示すイメージ図である。
【図50】スコアをマトリックス表示させた状態を示すイメージ図である。
【図51】文字列情報を印字するサンプル印字パターンを示す模式図である。
【図52】シンボルに位置情報を文字で併記した例を示す模式図である。
【図53】シンボルを二次元コードとし、区切り線を特定パターンとしたサンプル印字パターンを示すイメージ図である。
【図54】シンボルをファインダパターンとし、縦軸と横軸に異なる線種を用いた区切り線を特定パターンとしたサンプル印字パターンを示すイメージ図である。
【図55】特定パターンを用いたサンプル印字パターンの全体像で印字品質評価を行う手順を示すフローチャートである。
【図56】シンボルにQRコードとし、縦横で線種を変更した区切り線を特定パターンとしたサンプル印字パターンを示すイメージ図である。
【図57】シンボルをファインダパターンとし、縦軸と横軸ですべて異なる線種を用いた区切り線を特定パターンとしたサンプル印字パターンを示すイメージ図である。
【図58】区切り線の本数を変更したサンプル印字パターンを示すイメージ図である。
【図59】複数の区切り線を構成する各線の線種を変更したサンプル印字パターンを示すイメージ図である。
【図60】区切り線を、サンプルコードを囲む円形としたサンプル印字パターンを示すイメージ図である。
【図61】各シンボルに方向性を示すパターンを付加したサンプルコードを示すイメージ図である。
【図62】特定パターンに識別情報を持たせたサンプルコードで印字品質評価を行う分析処理の手順を示すフローチャートである。
【図63】白黒セルを2×2セルの格子状に並べた評価パターンを示すイメージ図である。
【図64】ファインダパターンの評価パターンを示すイメージ図である。
【図65】(1:1:2:1:1)のファインダパターン状評価パターンを撮像した撮像画像を示すイメージ図である。
【図66】図65に対象領域を確定した状態を示すイメージ図である。
【図67】図66の対象領域内の画素値を計算したヒストグラムである。
【図68】図67の黒領域を図65の画像上で示したイメージ図である。
【図69】図67の白領域を図65の画像上で示したイメージ図である。
【図70】図65に矩形状領域を示したイメージ図である。
【図71】図70に示す矩形状においてエッジ位置を検出する状態を示すイメージ図である。
【図72】白黒セルを3×3セルの格子状に並べた評価パターンを示すイメージ図である。
【図73】白黒セルを4×4セルの格子状に並べた評価パターンを示すイメージ図である。
【図74】(1:1:3:1:1)のファインダパターン状評価パターンを示すイメージ図である。
【図75】(1:1:4:1:1)のファインダパターン状評価パターンを示すイメージ図である。
【図76】図73の格子状評価パターンに方向性特定パターンを付加した例を示すイメージ図である。
【図77】図75のファインダパターン状評価パターンに方向性特定パターンを付加した例を示すイメージ図である。
【図78】印字リストの一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための印字品質評価システム、レーザマーキング装置、印字条件設定装置、印字品質評価装置、印字条件設定プログラム、印字品質評価プログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を例示するものであって、本発明は印字品質評価システム、レーザマーキング装置、印字条件設定装置、印字品質評価装置、印字条件設定プログラム、印字品質評価プログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
【0035】
本発明の実施例において使用される印字品質評価システム、レーザマーキング装置、印字条件設定装置、印字品質評価装置とこれに接続される操作、制御、表示、その他の処理等のためのコンピュータ、プリンタ、外部記憶装置その他の周辺機器との接続は、例えばIEEE1394、RS−232xやRS−422、RS−423、RS−485、USB等のシリアル接続、パラレル接続、あるいは10BASE−T、100BASE−TX、1000BASE−T等のネットワークを介して電気的、あるいは磁気的、光学的に接続して通信を行う。接続は有線を使った物理的な接続に限られず、IEEE802.1x等の無線LANやBluetooth(登録商標)等の電波、赤外線、光通信等を利用した無線接続等でもよい。さらにデータの交換や設定の保存等を行うための記録媒体には、メモリカードや磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が利用できる。なお本明細書において印字品質評価システム、レーザマーキング装置、印字条件設定装置、印字品質評価装置とは、印字品質評価システム、レーザマーキング装置、印字条件設定装置、印字品質評価装置本体のみならず、これにコンピュータ、外部記憶装置等の周辺機器を組み合わせた印字品質評価システムも含む意味で使用する。
【0036】
また、本明細書において印字品質評価システム、レーザマーキング装置、印字条件設定装置、印字品質評価装置は、レーザマーキングや印字条件設定、印字品質評価を行うシステムそのもの、ならびにレーザマーキングや印字条件設定、印字品質評価に関連する入出力、表示、演算、通信その他の処理をハードウエア的に行う装置や方法に限定するものではない。ソフトウエア的に処理を実現する装置や方法も本発明の範囲内に包含する。例えば汎用の回路やコンピュータにソフトウエアやプログラム、プラグイン、オブジェクト、ライブラリ、アプレット、コンパイラ、モジュール、特定のプログラム上で動作するマクロ等を組み込んで画像生成そのものあるいはこれに関連する処理を可能とした装置やシステムも、本発明の印字品質評価システム、レーザマーキング装置、印字条件設定装置、印字品質評価装置に該当する。また本明細書においてコンピュータには、汎用あるいは専用の電子計算機の他、ワークステーション、端末、携帯型電子機器その他の電子デバイスも包含する。さらに本明細書においてプログラムとは、単体で使用されるものに限られず、特定のコンピュータプログラムやソフトウエア、サービス等の一部として機能する態様や、必要時に呼び出されて機能する態様、OS等の環境においてサービスとして提供される態様、環境に常駐して動作する態様、バックグラウンドで動作する態様やその他の支援プログラムという位置付けで使用することもできる。
【0037】
なお本明細書において、印字とは、印字対象物の表面を切削する他、熱によって材質を変色させるような処理、すなわち印字対象物の表面が必ずしも除去されていなくとも「印字」に含める意味で使用する。また印字する内容は、文字や数字、記号、図形等の印字に限らず、バーコードや二次元コード等のシンボルも含み、これらの印字内容を刻印や変色等の処理によって印字対象面に描くことを印字と呼ぶ。なお、レーザマーキング装置自体は、レーザ光を対象物に対して照射して印字等の加工を行う装置であるため、その用途は印字等のマーキングに限られず、後述する印字対象面の下地形成のための前処理加工や、刻印や切削、穴あけ、トリミング、スクライビング、表面処理等、その他の加工にも適用可能である。
(実施例1)
【0038】
図1に、本発明の実施例1に係る印字品質評価システムのブロック図を示す。この図に示す印字品質評価システムは、印字対象物であるワークWKにシンボルの印字を行うレーザマーキング装置1000と、印字されたシンボルを読み取り、印字品質の評価を行う光学情報読取システム2000とで構成される。
(レーザマーキング装置1000)
【0039】
レーザマーキング装置1000は、マーキング手段を構成するマーキング部100と、印字条件設定手段を構成する印字条件設定部200を備える。図1に示すように、マーキング部100はレーザ制御部10とレーザ出力部20を備える。また印字条件設定部200は、パラメータ設定手段32と、印字条件生成手段33と、印字データ生成手段34と、印字データ出力手段35と、印字情報コード設定手段38と、識別情報参照手段36とを備える。
(マーキング部100)
【0040】
図2にマーキング部100を構成するブロック図を示す。この図に示すマーキング部100は、レーザ制御部10とレーザ出力部20とを備える。マーキング部100は、印字条件設定部200で設定された印字条件に従い、レーザ制御部10のレーザ制御回路11がレーザ励起部12で発生される励起光を、レーザ出力部20のレーザ発振部21に伝達し、発振器を構成するレーザ媒質22に照射し、レーザ発振を生じさせる。レーザ発振光はレーザ媒質22の出射端面から出射され、ビームエキスパンダ23でビーム径を拡大されて、レーザ光走査部26に導かれる。レーザ光走査部26は、レーザ光LBを反射させて所望の方向に変光し、集光部24から出力されるレーザ光LBは、ワークWKの表面で走査されて印字等の加工を行う。
(レーザ制御部10)
【0041】
レーザ制御部10は、レーザ制御回路11と、印字メモリ部14と、レーザ励起部12と、励起電源13とを備える。後述する印字条件設定部200で設定された印字条件等の設定内容は、印字メモリ部14に記録する。レーザ制御回路11は、必要時に印字メモリ部14から設定内容を読み込み、印字条件に応じた印字信号に基づいてレーザ励起部12を動作させ、レーザ出力部20のレーザ媒質22を励起する。印字メモリ部14には、RAMやROM等の半導体メモリが利用できる。また印字メモリ部14はレーザ制御部10に内蔵する他、挿抜可能なPCカードやSDカード(商品名)等の半導体メモリカード、カード型ハードディスク等のメモリカードを利用することもできる。メモリカードで構成される印字メモリ部14は、コンピュータ等の外部機器で容易に書き換え可能であり、コンピュータで設定した内容をメモリカードに書き込み、レーザ制御部10にセットすることで、印字条件設定部200をレーザ制御部に接続することなく設定を行うことができる。特に半導体メモリはデータの読み込み、書き込みが高速で、しかも機械的動作部分がないため振動等に強く、ハードディスクのようなクラッシュによるデータ消失事故を防止できる。
【0042】
さらにレーザ制御回路11は、設定された印字を行うようレーザ媒質22で発振されたレーザ光LBをワークWK上で走査させるため、レーザ出力部20のレーザ光走査部26を動作させる走査信号をレーザ光走査部26に出力する。励起電源13は、定電圧電源として、レーザ励起部12へ所定電圧を印加する。印字動作を制御する印字信号は、そのHIGH/LOWに応じてレーザ光LBのON/OFFが切り替えられ、その一パルスが発振されるレーザ光LBの一パルスに対応するPWM信号である。PWM信号は、その周波数に応じたデューティ比に基づいてレーザ強度が定められる。ただ、周波数に基づいた走査速度によってレーザ強度が変化するよう構成することもできる。
(レーザ出力部20)
【0043】
レーザ出力部20は、レーザ発振部21を備える。レーザ光LBを発生させるレーザ発振部21は、レーザ媒質22と、レーザ媒質22が放出する誘導放出光の光路に沿って所定の距離を隔てて対向配置された出力ミラー及び全反射ミラーと、これらの間に配されたアパーチャ、Qスイッチ等を備える。レーザ媒質22が放出する誘導放出光を、出力ミラーと全反射ミラーとの間での多重反射により増幅し、Qスイッチの動作により短周期にて通断しつつアパーチャによりモード選別して、出力ミラーを経てレーザ光LBを出力する。図2に示すレーザ出力部20は、レーザ媒質22とレーザ光走査部26を備える。レーザ媒質22は光ファイバケーブル15を介してレーザ励起部12から入射されるレーザ励起光で励起されて、レーザ発振される。レーザ媒質22はロッド状の一方の端面からレーザ励起光を入力して励起され、他方の端面からレーザ光LBを出射する、いわゆるエンドポンピングによる励起方式を採用している。
(レーザ媒質22)
【0044】
上記の例では、レーザ媒質22としてロッド状のNd:YVO4の固体レーザ媒質を用いた。また固体レーザ媒質の励起用半導体レーザの波長は、このNd:YVO4の吸収スペクトルの中心波長である809nmに設定した。ただ、この例に限られず他の固体レーザ媒質として、例えば希土類をドープしたYAG、LiSrF、LiCaF、YLF、NAB、KNP、LNP、NYAB、NPP、GGG等も用いることもできる。また、固体レーザ媒質に波長変換素子を組み合わせて、出力されるレーザ光LBの波長を任意の波長に変換できる。
【0045】
さらに、固体レーザ媒質を使用せず、言い換えるとレーザ光を発振させる共振器を構成せず、波長変換のみを行う波長変換素子を使用することもできる。この場合は、半導体レーザの出力光に対して波長変換を行う。波長変換素子としては、例えばKTP(KTiPO4)、有機非線形光学材料や他の無機非線形光学材料、例えばKN(KNbO3)、KAP(KAsPO4)、BBO、LBOや、バルク型の分極反転素子(LiNbO3(Periodically Polled Lithium Niobate :PPLN)、LiTaO3等)が利用できる。また、Ho、Er、Tm、Sm、Nd等の希土類をドープしたフッ化物ファイバを用いたアップコンバージョンによるレーザの励起光源用半導体レーザを用いることもできる。このように、本実施の形態においてはレーザ発生源として様々なタイプを適宜利用できる。
【0046】
さらにまた、レーザ発振部は、固体レーザに限られず、CO2やヘリウム−ネオン、アルゴン、窒素等の気体を媒質として用いる気体レーザを利用することもできる。例えば炭酸ガスレーザを用いた場合のレーザ発振部は、レーザ発振部の内部に炭酸ガス(CO2)が充填され、電極を内蔵しており、レーザ制御部から与えられる印字信号に基づいて、レーザ発振部内の炭酸ガスを励起し、レーザ発振させる。
(レーザ光走査部26)
【0047】
さらにレーザ出力部20は、レーザ出力光をワーク上で走査させるために、レーザ光走査部26を備える。レーザ光走査部26は図2に示すように、一対のガルバノミラーを構成するX・Y軸スキャナ27a、27bと、各ガルバノミラーをそれぞれ回動軸に固定し回動するためのガルバノモータ28a、28bとを備えている。これらガルバノモータ28は、スキャナ駆動回路25により駆動される。X・Y軸スキャナ27a、27bは、互いに直交する姿勢で配置されており、レーザ光をX方向、Y方向に反射させて走査させることができる。また、レーザ光走査部26の下方には、図2に示すように集光部24が備えられる。集光部24は集光レンズで構成され、fθレンズが使用される。
【0048】
またレーザ出力部20は、XY方向への走査のみならず、Z方向(高さ)への走査も可能とできる。このような三次元に印字が可能なレーザ光の走査系の例を図3、図4の斜視図に示す。この図に示す走査部は、レーザ光を発生させるレーザ発振部と光路を一致させたZ軸スキャナを内蔵するビームエキスパンダ23と、X軸スキャナ27aと、X軸スキャナ27aと直交するよう配置されたY軸スキャナ27bとを備える。このレーザ光走査系は、レーザ発振部より出射されるレーザ光をX軸スキャナ27a、Y軸スキャナ27bで作業領域WS内で二次元的に走査させ、さらにZ軸スキャナ27cで高さ方向にワーキングディスタンス、すなわち焦点距離を調整することができ、三次元状に印字加工が可能となる。
【0049】
X軸スキャナ27aとY軸スキャナ27bは、光を反射する反射面として全反射ミラーであるガルバノミラーと、ガルバノミラーを回動軸に固定して回動するためのガルバノモータと、回動軸の回転位置を検出して位置信号として出力する位置検出部を備える。また各スキャナは、スキャナを駆動するスキャナ駆動部に接続される。スキャナ駆動部はスキャナ制御部に接続され、スキャナを制御する制御信号をスキャナ制御部から受けて、これに基づいてスキャナを駆動する。例えばスキャナ駆動部は、制御信号に基づいてスキャナを駆動する駆動電流を調整する。またスキャナ駆動部は、制御信号に対する各スキャナの回転角の時間変化を調整する調整機構を備える。調整機構は、スキャナ駆動部の各パラメータを調整する可変抵抗等の半導体部品で構成される。
(ディスタンスポインタ)
【0050】
さらにレーザ光走査系は、ディスタンスポインタとして、ガイドレーザ光GBを発するガイド用光源29Aと、ガイドレーザ光光学系の一形態としてハーフミラー29aを備えると共に、ポインタ光調整系として、ポインタ光PBを照射するためのポインタ用光源29Bと、Y軸スキャナ27bの裏面に形成された第3のミラーとしてポインタ用スキャナミラー27dと、ポインタ用スキャナミラー27dで反射されたポインタ用光源29Bからのポインタ光PBをさらに反射させて焦点位置に向かって照射する固定ミラー29bとを備えている。このディスタンスポインタは、ガイドレーザ光GBで描画されるガイドパターンの中心にポインタ光PBを照射するよう調整することで、レーザ光LBの焦点位置を指示できる。
(Z軸スキャナ27c)
【0051】
一方でZ軸スキャナ27cはレーザ光LBのスポット径を調整し、これによって焦点距離を調整するビームエキスパンダ23により構成される。ビームエキスパンダ23は、小スポットへの集光を効果的に行わせるため、図3、図4に示すようにガルバノミラーの前段に配置され、レーザ発振部から出力されるレーザ光LBのビーム径を調整すると共に、レーザ光LBの焦点位置を調整可能としている。なお、上記の例では三次元印字が可能なレーザ光走査系について説明したが、本発明は二次元印字が可能なレーザマーキング装置においても適用できる。
(印字条件設定部200)
【0052】
次に印字条件設定部200について、図1を参照して説明する。印字条件設定部200はレーザ制御部10に接続され、レーザマーキング装置1000を操作するための必要な設定を入力してレーザ制御部10に送信する。設定内容はレーザマーキング装置1000の動作条件、すなわち印字条件や具体的な印字内容等である。ここでは、主に印字条件として、レーザパワー、スキャンスピード、Qスイッチ周波数、スポット可変値、印字回数等の印字パラメータを設定する。ここでレーザパワーはレーザ光の出力、スキャンスピードはレーザ光の走査速度、Qスイッチ周波数はQスイッチを動作させる周波数である。またスポット可変値は、レーザ光の焦点位置をワークの表面から高さ方向にずらすことで、焦点のスポット径を変化させるためのパラメータである。さらに印字回数は、同じ箇所を繰り返し走査する回数を指定する。
【0053】
図5に、印字条件設定部200のブロック図を示す。この図に示す印字条件設定部200は、各種設定を入力するための印字操作手段31と、印字操作手段31から入力された情報に基づいて印字条件の設定や傾斜角の演算等を行う印字演算部40と、設定内容や演算結果等を表示するための設定表示手段37と、各種設定データを記憶するための印字メモリ部14とを備える。印字操作手段31は、印字条件の印字パラメータを設定する機能を実現する。印字パラメータには、レーザ光の出力、走査速度の他、レーザ光の焦点位置すなわちワークからレーザ光出射面までの距離(高さ)等が挙げられる。印字メモリ部14は、印字操作手段31で設定された印字パラメータ等の情報を記憶する部材であり、固定記憶装置等の記憶媒体や半導体メモリ等が利用できる。また、図1の識別情報参照手段36の機能を果たし、対応テーブルを保持できる。
【0054】
また印字演算部40は、印字条件生成手段33により範囲で指定された印字パラメータから、指定された範囲及び幅で変化させた複数の印字条件の組を生成する印字条件生成手段33、印字条件生成手段33で生成された複数の印字条件の各々に対して印字データを生成する印字データ生成手段34と、最終的に設定された印字条件を所定の出力先に出力する印字データ出力手段35、印字条件がエンコードされた印字情報コードを設定するための印字情報コード設定手段38の機能を実現する。この印字演算部40は、LSIやIC等で構成される。設定表示手段37は、LCDやブラウン管等のモニタである。設定表示手段37は専用のディスプレイを設ける他、コンピュータのモニタを利用してもよい。
【0055】
印字操作手段31はキーボードやマウス、コンソール等の入力デバイスである。なお設定表示手段37をタッチパネル方式として印字操作手段31と後述する評価表示手段72を兼用することもできる。これによって、コンピュータ等を外部接続することなく操作手段でレーザマーキング装置の必要な設定を行うことができる。
【0056】
なお図5の例では、印字条件設定装置200Aを専用のハードウェアで構成したが、これらの部材はソフトウェアでも実行できる。特に、図6に示すように汎用のコンピュータに印字条件設プログラムをインストールして、印字条件設定装置200Aとして機能させることもできる。また図5の例では、マーキング部100と印字条件設定部200とを個別の機器としたが、これらを一体的に統合することもできる。例えばレーザマーキング装置自体にレーザ印字条件設定機能を付加することもできる。さらに、後述する光学情報読取システムを構成する光学情報読取手段や印字品質評価手段65を適宜統合させてもよい。
(光学情報読取システム2000)
【0057】
一方、光学情報読取システム2000は、図1に示すように、光学情報読取装置300と、印字品質評価装置400とで構成される。光学情報読取システム2000では、レーザマーキング装置1000によってワークに印字されたシンボルを、光学情報読取装置300が共通の撮像条件の下で撮像し、撮像画像を印字品質評価装置400が取り込む。そして、撮像画像から読取可能なシンボルを印字品質評価装置400が抽出し、抽出したシンボルの読取安定度を評価する。
(光学情報読取装置300)
【0058】
図1に示す光学情報読取装置300は、ワークに付されたシンボルを撮像する撮像手段51と、撮像手段51を制御する撮像制御手段52と、撮像手段51で撮像された撮像画像からシンボルを抽出するシンボル抽出手段56と、シンボル抽出手段56により抽出されたシンボルに含まれる情報を復号化するための復号化手段53と、ワークを照明するための内部照明ユニット54を備える。また必要に応じて外部照明ユニット55を付加することもできる。
【0059】
光学情報読取装置300は、バーコード、二次元コード等の光学情報又は光学符号や文字列(集合的に「シンボル」と呼ぶ。)を読み取って情報をデコード又は認識する装置であり、例えばバーコードリーダや二次元コードリーダ、OCR等である。光学情報読取装置300は、必要に応じて外部照明ユニット55を接続できる。一般的には、バーコードリーダには照明は不要であるが、二次元コードリーダには必要となる。外部照明ユニット55は例えばリング型の照明で、光学情報読取装置300に内蔵されている内部照明ユニット54と協働して、又は内部照明ユニット54の動作を止めて外部照明ユニット55のみでワークを照明する。
【0060】
光学情報読取装置300は、このようなシンボルが印字又は刻印される商品や物品、産品を製造する工場や流通拠点では、物品の搬送経路に設置される。運用時には、光学情報読取装置300で商品や物品に印字されたシンボルに記録されている情報を読み取り、この情報をホストコンピュータに転送して情報の解析が行われる。二次元コードの種類としては、QRコード、マイクロQRコード、データマトリックス(Data matrix;Data code)、ベリコード(Veri code)、アズテックコード(Aztec code)、PDF417、マキシコード(Maxi code)等がある。二次元コードにはスタック型とマトリクス型があるが、本発明はいずれの二次元コードに対しても適用できる。また本発明は、読み取り対象のシンボルを二次元コードに特定せず、一次元バーコードやその他のデータシンボル、文字認識を行うOCR等に対しても使用できる。
(印字品質評価装置400)
【0061】
この印字品質評価装置400は図1に示すように、撮像画像を取得する画像取得手段61と、抽出手段62と、印字品質評価手段65と、識別手段66と、対応関係記憶手段70と、評価操作手段71と、評価表示手段72と、対象領域設定手段73とを備える。評価表示手段72は、ディスプレイやモニタであり、評価操作手段71は、各種操作や設定を行うための入力デバイスである。対象領域設定手段73は、評価表示手段72に表示された撮像画像上に、対象領域を指定するための手段である。抽出手段62は、シンボルを抽出するシンボル抽出手段63と、特定パターンを抽出する特定パターン抽出手段64を備える。また認識手段66は、識別情報を認識する識別情報認識手段67と、印字位置を認識する印字位置認識手段68を備える。なお、印字条件設定装置200Aと印字品質評価装置とを、印字条件設定プログラムと印字品質評価プログラムとをインストールした同一のコンピュータで構成する場合は、該コンピュータのモニタが設定表示手段37と評価表示手段72とを兼用する。
(画像取得手段61)
【0062】
画像取得手段61は、印字対象物に印字された個々のシンボルを含む撮像画像を、このシンボルの印字品質を評価可能な解像度にて撮像された撮像画像を取得するための手段である。例えば、印字品質評価装置400と接続された光学情報読取装置300で撮像された撮像画像を取り込むためのインターフェース機器(例えば有線、無線の通信インターフェース)、あるいは撮像画像が記録された媒体を読み取る読取装置(例えばDVDドライブやメモリカードリーダ)等が該当する。また、図7に示すように、印字品質評価装置400にCCDカメラ等の撮像手段51を設けて、直接画像を撮像する構成としてもよい。この場合は、画像取得手段61が撮像手段51となる。
【0063】
なお印字品質評価装置400は、例えば印字品質評価プログラムをインストールしたパーソナルコンピュータ3を印字品質評価装置として機能させることができる。またこの図では、光学情報読取装置300と印字品質評価装置400を別体としているが、これらを統合することも可能である。さらに印字品質評価装置400は、製品や産品にシンボル等を印刷又は刻印するコード印字の評価に限られず、文字列をOCRで読み取る際の評価も含む。なお印字品質評価装置400は、一般には印字品質の評価時にのみ接続される。得られた印字品質の評価から適切な印字条件が決定されると、印字品質評価装置400は取り外され、実際の運用時には光学情報読取装置300のみでもってシンボルの読み取り作業が行われる。ただ、光学情報読取装置に印字品質評価機能を実装する等、光学情報読取装置と印字品質評価装置とを一体的に構成することも可能である。つまり、光学情報読取装置300に、シンボル抽出手段63や特定パターン抽出手段64等抽出手段62の機能をもたせるようにしてもよい。また図1の例では、レーザマーキング装置1000を印字条件設定部200とマーキング部100で構成した例を説明したが、この構成例に限られず、印字条件設定部とマーキング部を一体的に構成したり、あるいは逆に印字条件設定装置とマーキング装置を別体で構成することも可能である。
(撮像手段51)
【0064】
撮像手段51は、ワークに印字された個々のシンボルを含む撮像画像を、該シンボルの印字品質を評価可能な解像度にて撮像する。撮像手段51は、光学読取素子としてCMOSやCCD等の撮像素子を備えている。撮像素子とレンズ組立体との間の距離を大きくすることで、高い分解能でバーコードやQRコード等の光学情報を微小な領域まで読み取ることができる。
(撮像制御手段52)
【0065】
この撮像手段51は、撮像制御手段52により制御される。撮像制御手段52は、撮像手段51の撮像パラメータを変化させながらシンボルを連続して撮像する。ここで撮像パラメータは、明るさ、フィルタ、点灯パターン等を挙げることができ、その一つのパラメータだけを変化させてもよいし、複数のパラメータを変化させて読み取り易さの指標を求めるようにしてもよい。
(印字品質評価手段65)
【0066】
一方で印字品質評価手段65は、シンボル抽出手段により抽出されたシンボルの印字品質を評価する。具体的には、シンボルの撮像パラメータの変化に対する読取安定度のスコアを算出し、評価表示手段72で、該スコアと共に識別情報を表示する。このように、印字品質評価装置400で撮像画像中のサンプルコードSCに対して撮像パラメータを変化させながら読取試行し、この結果から得たサンプルコードSCの読取安定度のスコアを表示することで、ユーザに印字条件設定の示唆を提供することができる。これにより、ユーザは評価表示手段72に表示されたスコアを確認して、最もよいスコアに対応する識別情報をレーザマーキング装置1000にフィードバックすればよく、最適な印字条件を簡単に設定することが可能となる。
(印字条件設定方法)
【0067】
以下、印字条件設定装置200Aを用いてレーザマーキング装置1000の印字条件の設定を行う手順を、図8〜図14のユーザインターフェース画面に基づいて説明する。ここでは、印字条件設定装置200Aとして、図6のコンピュータに印字条件設定プログラムをインストールした構成を用いている。また図8〜図14に示す画面は、図1等の設定表示手段37に表示された印字条件設定プログラムのユーザインターフェース画面を示している。
【0068】
図8は印字内容を設定する印字条件設定プログラムのユーザインターフェース画面を示している。この例では、画面の左側にワーク上に印字される加工パターンのイメージを表示する編集表示欄202、右側に具体的な加工条件として各種データを指定する印字パターン入力欄204を設けている。印字パターン入力欄204では、設定項目を選択するタブとして「基本設定」タブ204h、「形状設定」タブ204i、「詳細設定」タブ204jを切り替えることができる。図8の例では「基本設定」タブ204hが選択されており、ここには加工種類指定欄204aと、文字データ指定欄204d、文字入力欄204b、詳細設定欄204cを設けている。加工種類指定欄204aは、加工パターンの種別として、文字列やシンボル、ロゴ、模様、図等のイメージを含めた印字パターン、若しくは加工機としての動作を行うかを指定する。図8の例では、加工種類指定欄204aからラジオボタンで文字列、ロゴ・図、加工機動作の別を選択する。また文字データ指定欄204dは、文字データの種別を指定する。ここでは文字、バーコード、2次元コード、RSS・コンポジットコード(Composite Code:CC)のいずれかをプルダウンメニューから選択する。さらに選択された文字データの種別に応じて、さらに詳細な種別を種別指定欄204qで選択する。例えば文字を選択した場合はフォントの種別、バーコードを選択した場合は、CODE39、ITF、2 of 5、NW7、JAN、Code 28等のバーコード種別、2次元コードを選択した場合は、QRコード、マイクロQRコード、DataMatrix等の2次元コード種別、RSS・コンポジットコードを選択した場合は、RSS-14、RSS-14 CC-A、RSS Stacked、RSS Stacked CC-A、RSS Limited、RSS Limited CC-A等のRSSコード種別、又はRSSコンポジットコード種別を指定する。文字入力欄204bでは、印字したい文字情報を入力する。入力された文字は、文字データ指定欄204dで文字を選択した場合、そのまま文字列として印字される。一方、シンボルが指定された場合は、選択されたシンボルの種別に従って入力された文字列がエンコードされた加工パターンが生成される。加工パターンの生成は、加工条件設定部3Cで行う他、加工データ生成部で行ってもよい。この例では印字演算部40が行っている。また詳細設定欄204cは、タブを切り替えて「印字データ」タブ204e、「サイズ・位置」タブ204f、「印字条件」タブ204g等、印字条件の詳細を指定する。
【0069】
編集表示欄202は印字データの編集状態のプレビューを表示する。図8の例ではワークWKの二次元図(ここでは横置き姿勢の円柱の平面図)が表示されており、ユーザはマウス操作や座標指定によりワークの表示倍率や姿勢、配置等を任意に変更できる。編集表示欄202は、表示されるサイズに応じて画面をスクロール表示できる。さらにワーク上に印字したい印字内容を設定し、ワーク上に貼り付けるように配置する。設定された印字内容は、印字ブロックとして、ブロック状に表示され、ブロック単位で移動や印字条件の変更が可能となる。なお各印字ブロックには、他の印字ブロックとの識別がし易いよう、ブロック番号が付与されている。また各印字ブロックには、ユーザが任意のコメントを付加することができ、それぞれの印字内容を判りやすく判別あるいは区別できるようにしている。
【0070】
さらに三次元印字データを立体的に表示させることもできる。図8の例では、編集表示欄202の右下に、三次元印字データを立体的に示す三次元ビューワ欄206を表示させている。この例では三次元ビューワ欄206にはワークWKである円柱の斜視図が示される。三次元ビューワ欄206で表示されるワークWKは、好ましくは姿勢や角度の変更、回転、倍率変更等の操作を可能とする。例えば三次元ビューワ欄206上からワークWKを直接ドラッグして回転、移動させる。この三次元ビューワ欄206は、表示をON/OFFさせることもできる。また、三次元ビューワを別画面で表示させる他、例えば編集表示欄の表示自体を三次元状に変化させるようにしてもよい。
【0071】
以上の印字条件設定プログラムで印字データが生成され設定作業が終了した後、得られた印字データを印字条件設定プログラムから、レーザマーキング装置のレーザ制御部10に転送する。転送の実行には、印字条件設定プログラムの画面左下に設けられた「転送・読出し」ボタン215を押下する。これによりレーザ制御部10内のメモリ部14に設定データが転送され、展開されて設定内容が切り替えられ、新たな印字条件が反映される。
【0072】
なおプログラムのユーザインターフェース画面の例において、各入力欄や各ボタン等の配置、形状、表示の仕方、サイズ、配色、模様等は適宜変更できることはいうまでもない。デザインの変更によってより見やすく、評価や判断が容易な表示としたり操作しやすいレイアウトとすることもできる。例えば詳細設定画面を別ウィンドウで表示させる、複数画面を同一表示画面内で表示する等、適宜変更できる。またこれらのプログラムのユーザインターフェース画面において、仮想的に設けられたボタン類や入力欄に対するON/OFF操作、数値や命令入力等の指定は、プログラムを組み込んだコンピュータに接続された印字操作手段31で行う。本明細書において「押下する」とは、ボタン類に物理的に触れて操作する他、印字操作手段31や後述する評価操作手段71等の操作手段によりクリックあるいは選択して擬似的に押下することを含む。操作手段等を構成する入出力デバイスはコンピュータと有線もしくは無線で接続され、あるいはコンピュータ等に固定されている。一般的な操作手段としては、例えばマウスやキーボード、スライドパッド、トラックポイント、タブレット、ジョイスティック、コンソール、ジョグダイヤル、デジタイザ、ライトペン、テンキー、タッチパッド、アキュポイント等の各種ポインティングデバイスが挙げられる。またこれらの入出力デバイスは、プログラムの操作のみに限られず、印字品質評価装置400等のハードウェアの操作にも利用できる。さらに、インターフェース画面を表示する評価表示手段72のディスプレイ自体にタッチスクリーンやタッチパネルを利用して、画面上をユーザが手で直接触れることにより入力や操作を可能としたり、または音声入力その他の既存の入力手段を利用、あるいはこれらを併用することもできる。
(テスト印字モード)
【0073】
図5のブロック図に示す印字条件設定装置200Aは、複数の印字モードを備えている。例えば図8の画面において、印字パターン入力欄204の下段に設けられた「テスト印字」ボタン208を押下すると、テスト印字モードを実行できる。テスト印字モードでは、二次元マトリックス状にテスト印字を行うことでブロック毎のレーザ光の走査速度(スキャンスピード)、レーザ出力(レーザパワー)の印字条件を設定する。すなわち、レーザ光の印字条件を構成する印字パラメータの内2つを変化させて複数の印字条件を生成し、各条件にてセル状に印字を行う。例えば、図78に示すように、セルを二次元マトリックス状に印字し、各セルの印字条件は横方向にはレーザ出力が徐々に低下するように変化させ、縦方向には走査速度が徐々に高速になるように変化させる。この結果、左上から右下に進むに従い、印字結果が薄くなるように印字される。ユーザはこのマトリックスから所望の印字結果の得られているセルを選択して、対応するレーザ光の走査速度及びレーザ出力を設定する。
(サンプル印字モード)
【0074】
一方で印字条件設定装置200Aは、ワークに対してより適切な印字条件を設定するため、異なる印字条件(サンプル印字条件)で試験的に複数のシンボル等の印字を行った上で、ユーザによる目視でなく、印字品質評価装置400で定性的に印字品質を評価する印字品質評価機能を実現するサンプル印字モードも備えている。サンプル印字モードにおいては、印字条件を構成する印字パラメータから、任意の2つの印字パラメータを可変パラメータとして選択し、残りの印字パラメータを固定パラメータとして、固定パラメータを固定値に維持しつつ、可変パラメータを変化させて複数のサンプルコードSCを印字する。ここでは、2つの可変パラメータの内、一方を縦軸、他方を横軸として、複数のサンプルコードSCをマトリックス状に並べたサンプル印字パターンSPを印字する。そしてサンプル印字パターンSP中から、適切な印字品質のサンプルコードSCを抽出することで、該サンプルコードSCを印字したサンプル印字条件を適切な印字条件として把握できる。また必要に応じて、可変パラメータの可変範囲や可変幅を変更したり、可変パラメータを他の印字パラメータに変更する等してサンプル印字を繰り返して、最終的に適切な印字パラメータの組を選択する。
【0075】
以下、サンプル印字モードを実行し、印字パラメータであるレーザパワー、スキャンスピード、Qスイッチ周波数、スポット可変値、印字回数の5つのパラメータを適切な値に設定する手順を、図9のフローチャートに基づいて説明する。まず、図8の画面において、印字パターン入力欄204の下段に設けられた「サンプル印字」ボタン209を押下することで、サンプル印字モードが開始され、図10に示すテンプレート選択画面210に遷移すると共に、画面上段に設けられたステップ表示欄211に「テンプレートの選択」が表示される。
(ステップS901:テンプレートの選択)
【0076】
図10の画面では、印字対象物であるワークの素材を選択する(ステップS901)。ここでは予め典型的なワークの材質がテンプレートとして用意されており、ユーザは画面右側上段に設けられたテンプレートボタン群213から、所望のテンプレートボタンを選択する。テンプレートとしては、樹脂、金属に対して黒色印字を行う例、金属に対して白色印字を行う例、汎用条件等が用意されている。いずれかのテンプレートボタンが選択されると、選択されたテンプレートの設定に従った推奨的な印字条件が自動的に設定される。具体的には後述する図11に示すように、他のテンプレートボタンがグレーアウトすると共に、サンプル印字条件指定欄222の各項目がテンプレートで設定された値に自動的に入力される。また、テンプレートを新規に作成することもできる。この場合は、新規テンプレートボタンを押下すると、各設定項目に任意の値を設定できるようになる。
(ステップS902:第一サンプル印字条件の設定)
【0077】
図10の画面からいずれかのテンプレートを選択すると、画面上段のステップ表示欄211のハイライトが「テンプレートの選択」から「ステップ1」に遷移すると共に、図11の第一サンプル印字条件設定画面220に移行する。ここでは、第一サンプル印字条件を設定する(ステップS902)。図11の画面では、画面右側でテンプレートボタン群213の下に印字データ指定欄221と、パラメータ設定手段32の一形態であるサンプル印字条件指定欄222が設けられる。サンプル印字条件指定欄222はさらに、可変パラメータ設定欄223と、固定パラメータ設定欄224と、レイアウト設定欄225を設けている。さらに画面の左側には、印字内容を表示する編集表示欄202が設けられている。ここでは、可変パラメータ設定欄223が第一サンプル印字条件を設定するための第一サンプル印字条件設定欄となる。
【0078】
図11の例では金属黒色のテンプレートを選択している。すなわち、従前の図10のテンプレート選択画面210で金属黒色ボタンを押下すると図11の第一サンプル印字条件設定画面220に遷移し、金属製のワークに黒色の印字を行うのに適した第一サンプル印字条件が、自動的にサンプル印字条件指定欄222に入力される。一般に金属製のワークに黒色の印字を行うには、レーザパワーを高め、スキャンスピードを遅くする。またQスイッチ周波数も低くして、より高いエネルギーが与えられるように設定する。また金属白色ボタンを押下すると、金属製のワークに白色で印字を行うのに適した条件が設定される。
(可変パラメータ)
【0079】
サンプル印字モードでは、5つの印字パラメータの内、2つの印字パラメータを可変パラメータとして選択し、残りを固定パラメータとする。可変パラメータの選択は可変パラメータ設定欄223で、固定パラメータの選択は固定パラメータ設定欄224で、それぞれ行う。図11の例では、可変パラメータ設定欄223で選択された印字パラメータは、固定パラメータ設定欄224で変更できないように自動的に設定される。ここでは、Qスイッチ周波数とスポット可変が可変パラメータとして選択されており、この結果固定パラメータ設定欄224では数値欄がグレーアウトされ、赤字で最小値が表示される。
(可変パラメータ設定欄223)
【0080】
可変パラメータ設定欄223では、サンプル印字パターンSP中の縦軸と横軸にあたる2つの可変パラメータ(縦軸可変パラメータと横軸可変パラメータ)をそれぞれ選択する。図11の例では、縦軸可変パラメータとしてQスイッチ周波数、横軸可変パラメータとしてスポット可変を選択している。また各可変パラメータを可変させる範囲を規定する可変値の最小値、最大値と、変化させる間隔についても規定する。
(スライダ223a、223b)
【0081】
各項目は数値で入力する他、スライダ223a、223bも用意されており、スライダ223a、223bを操作することで表示されている数値を連続的に可変できる。スライダ223a、223bは、最小値を示す最小値スライダと、最大値を示す最大値スライダで構成される。また最小値スライダと最大値スライダの間には範囲バーが設けられており、範囲バーをマウス等でドラッグすると、範囲を一定に維持したまま、最大値と最小値を連動させながら変化させることができる。また最小値スライダと最大値スライダをそれぞれ単独でドラッグすると、最小値、最大値のみが変化させ、またこれに応じて間隔も自動的に変化する。
【0082】
さらにスライダは、各可変パラメータで設定可能な範囲において、現在設定されている最大値と最小値がどの位置にあるかを視覚的に表示させる役目も果たし、ユーザはスライダを見て現在の範囲がどの位置にあり、どのように変化できるかをイメージ的に把握できる。さらに図11の例では、縦軸を調整する縦軸スライダ223a、横軸を調整する横軸スライダ223bを、各々縦姿勢、横姿勢に配置しており、これによってユーザは縦横のいずれの可変パラメータの調整であるかを視覚的に把握しやすくなる。
【0083】
図11の例では、Qスイッチ周波数については最小値を10kHz、最大値を100kHz、間隔を10kHzに設定しており、スポット可変については最小値−100(単位無し)と最大値0、及び間隔10にそれぞれ設定している。ここで設定された可変パラメータの条件に従って、編集表示欄202にはサンプルコードSCがマトリックス状に並べられたサンプル印字パターンSPが表示され、実際にサンプル印字されるイメージが確認できる。図11の条件では、縦軸(列方向)に10個、横軸(行方向)に11個、すなわち10行×11列のマトリックス状に、110個のシンボルが表示される。行数や列数は、可変パラメータで設定される最小値〜最大値の範囲や、間隔に応じて自動的に決定される。また、可変パラメータ設定欄223での設定値が変化されると、編集表示欄202でイメージ表示されるサンプル印字パターンSPもリアルタイムで更新される。
(固定パラメータ設定欄224)
【0084】
また固定パラメータ設定欄224では、各印字パラメータの値を設定する。図11の例では、可変パラメータに設定されて変更できなくなった固定パラメータ(Qスイッチ周波数とスポット可変)を除く、レーザパワーとスキャンスピード、印字回数を調整する。なお、各固定パラメータの初期値は、選択されたテンプレートに応じて、適切と思われる値又は値域が予め指定されており、ユーザはこの値を必要に応じて調整できる。また、固定パラメータ値は、ワーク種類と印字発色に基づいてユーザが決定するが、テンプレートに応じて一義的に決定するのではなく、例えばユーザインターフェース上で好ましい値の範囲(最適ゾーン)の誘導を行い、最終的に固定パラメータ値をユーザに決定させるようにしてもよい。
【0085】
さらにレイアウト設定欄225では、サンプル印字パターンSPの印字位置を指定する。ここではX座標とY座標、各サンプルコードSC間の間隔を数値で指定する。またサンプル印字パターンSPのブロックサイズも表示されており、数値を変更するとブロックサイズもこれに応じて更新される。
(印字データ指定欄221)
【0086】
また印字データ指定欄221から、サンプル印字される文字データの種別を指定する。ここでは文字や2次元コード、ドット2次元コード、バーコード、あるいは特定パターン等をプルダウンメニューから選択する。ここで文字を選択すれば、ユーザの目視による印字品質の評価が可能となり、2次元コードや特定パターンを選択すると、印字品質を印字品質評価装置400で評価することが可能となる。図11の例では印字データ指定欄221で文字を選択しており、編集表示欄202にはシンボルとして文字「A」がマトリックス状に並べられたサンプル印字パターンSPが表示されている。またサンプル印字パターンは、マトリックスを構成する行列の番号を示す行番号(図11の例では1〜10)と列番号(図11の例ではA〜K)も縦軸と横軸に併せて表示される。
【0087】
なお文字を選択した場合でも、後述するように特定パターンと組み合わせることで、印字品質評価機能を利用可能となる。また完全な2次元コードを構成しないシンボルであっても同様に印字品質評価機能を利用できる。
【0088】
印字データ指定欄221で2次元コードを選択すると、図12に示す画面となり(編集表示欄202に複数の2次元コードが表示され)、2次元コードの種別と、セルサイズ、印字線幅等を指定できる。2次元コードの種別は、コード種別指定欄221aで指定される。ここでは、QRコードやデータマトリックス等が選択できる。セルサイズは、セルサイズ指定欄221bから、2次元コードを構成する最小単位であるセルのサイズを指定する。また印字線幅は、印字線幅指定欄221cから、印字される線同士の間隔を指定する。
【0089】
なお、レーザ光による印字方法として、ここではレーザ光を走査して線を描くようにして塗り潰す方式を示しているが、レーザ光を点状に照射して、複数の点でサンプルコードを描くドット状の印字方法を採用することもできる。図13は、このようなドット状の印字方法を採用した場合の設定画面の例である。ここでは、印字方法指定欄221eにおいて、印字方法として塗り潰しでなくドット状を選択しており、この際に一セルを描くために必要なドット数をドット数指定欄221dから指定できる(例えば3×3)。また図13の画面から「詳細設定」ボタン226を押下すると、図14の詳細設定画面230Bとなり、二次元コードタブからドット数の他、ドットのパターンを一方向や双方向等に指定することもできる。
(条件レポート選択欄227)
【0090】
また条件レポート生成手段により、サンプル印字条件を印字するかどうかを指定できる。図11、図12の例では、条件レポート生成手段として印字データ指定欄221に条件レポート選択欄227が設けられており、ここにチェックを入れることで、オペレータが視認(判読)可能な英数文字から構成され、指定されたサンプル印字条件も印字されるように選択され、編集表示欄202に、サンプル印字条件を示すサンプル印字条件文字列SLが表示される。図12の例では、サンプル印字条件文字列SLとして、後述する印字情報コード(リンクデータLT)を構成するQRコードが左側に表示される。またサンプル印字条件の内、可変パラメータが上段に、固定パラメータが下段に表示される。ここでは可変パラメータであるQスイッチ周波数「Frequency」が、サンプル印字パターンSPの縦軸に沿って変化されていることを示す「↓」を左に、最小値10kHzと最大値100kHz、及び変化の間隔10KHzが「10−100(10)」として右側に、それぞれ表示されている。同様にもう一方の可変パラメータであるスポット可変「Spot」が、サンプル印字パターンSPの横軸に沿って変化されていることを示す「→」と、最小値−100(単位無し)と最大値0、及び変化の間隔10が「−100−0(10)」として、それぞれ表示されている。
【0091】
ここでサンプル印字される各サンプルコードに、2次元コード等のシンボルを用いることで、サンプル印字条件と関連付けられた識別情報をエンコードできる。図12の例では、第一サンプル印字パターンSP1中の各サンプルコードSCは、その2次元コードが印字された第一サンプル印字パターンSP1における印字位置をエンコードしている。例えば1行A列に位置するサンプルコードには「A1」が、10行K列に位置するサンプルコードには「K10」がエンコードされている。各印字位置におけるサンプル印字条件は、サンプル印字条件指定欄222で設定したサンプル印字条件と対応しているので、印字位置からサンプル印字条件が特定できる。例えば「A1」の印字位置では可変パラメータが最小となるため、Qスイッチ周波数10kHz、スポット可変−100となり、「K10」では可変パラメータが最大となるため、Qスイッチ周波数100kHz、スポット可変0となる。また固定パラメータについては固定値であるため、いずれのサンプルコードの印字においても変化せず、この例ではレーザパワー80%、スキャンスピード100mm/s、印字回数1回である。このように、所望のサンプルコードを選択して光学情報読取装置300や印字品質評価装置400で復号化(デコード)することで、そのサンプルコードを印字した印字条件を特定することが可能となる。この方法であれば、サンプルコードにエンコードされる文字列が印字位置を示す行と列で足りるため、例えば5文字しかエンコードできないマイクロQRコードのような小サイズのコードでもサンプルコードとして利用できる利点が得られる。
【0092】
また、コードのサイズが許容される場合は、サンプル印字パターンSPを構成する各サンプルコードSCに、サンプル印字条件を直接エンコードすることもできる。この場合は、サンプル印字パターン中から、所望のサンプルコード(2次元コード)を光学情報読取装置等で読み取り復号化すると、この2次元コードが印字されたサンプル印字条件が直接取得でき、対応テーブルや対応表、あるいは後述するリンクデータを参照する手間を省くことが可能となる。
(印字情報コード)
【0093】
さらに、サンプル印字条件文字列SLで印字される内容には、サンプル印字条件の詳細を文字列のみならず、2次元コード等のシンボルにエンコードした印字情報コード(リンクデータLT)を含めることもできる。これによって、リンクデータLTを光学情報読取装置300等で読み取ることで、どの印字パラメータを可変としてサンプル印字を行ったものかを把握できるようになる。図12の例では、第一サンプル印字条件を示す第一サンプル印字条件文字列SL1にリンクデータLTとしてQRコードを含めており、このQRコードを読み取ると、第一サンプル印字条件文字列SL1に含まれるサンプル印字条件を示す文字列と同等の内容として「FR 10 100 10 Y:SV −100 0 10 X:LP 80.0:SS 100:RE 1」が復号化される。ここで「FR」はQスイッチ周波数、「10 100 10 Y:」は10〜100kHzの範囲を10kHzずつY軸上に変化させたことを意味している。同様に「SV −100 0 10 X:」はスポット可変を10〜100の範囲で10ずつ、X軸上に変化させたことを意味している。また「LP 80.0:SS 100:RE 1」はレーザパワー80%、スキャンスピード100mm/s、印字回数1回を意味している。このようなリンクデータLTの生成は、後述する印字情報コード設定手段38で行われる。なお、本実施形態では、第一サンプル印字条件文字列SL1にリンクデータLTとしてQRコードを含める構成を採用しているが、第一サンプル印字条件文字列SL1のみを印字してもよいし、QRコードのみを印字してもよい。これにより、印字量を減らすことができる。
(詳細設定ボタン226B)
【0094】
さらに図12の画面で下段に設けられた「詳細設定」ボタン226を押下すると、図15の詳細設定画面230Aが表示される。図15の画面では、「印字情報」タブ231Aと「2次元コード」タブ231Bを備えている。「印字情報」タブ231Aを選択すると、サンプル印字の詳細を指定できる。例えば、第一サンプル印字パターンSP1の縦軸と横軸に行列番号を印字するかどうかを指定する座標軸表示手段232や、条件レポートの印字の有無を指定する条件レポート表示手段233、及び印字する場合には条件レポート(第一サンプル印字条件文字列SL1)の文字高さの指定を行う文字高さ指定欄234を設けている。またリンクデータLTの設定を行う印字情報コード設定手段38も構成している。具体的には、リンクデータ印字チェックボックス38aを備えており、このチェックボックスをONすることでリンクデータLTが印字される。さらに印字する際の、リンクデータLTの二次元コードのセルサイズもセルサイズ指定欄38bから指摘できる。加えて、これらリンクデータLTや条件レポート、あるいは後述する特定パターンの印字条件も、特定印字条件指定手段235から指定できる。
【0095】
また「2次元コード」タブ231Bを選択すると、図16に示すように印字される2次元コードの詳細を設定できる。ここでは二次元コードの種別を、種別選択欄236からQRコードやデータマトリックス等として選択できる。図16の例では、QRコードを選択した例を示している。ここでは選択された2次元コードのセルサイズやセル微調整値、印字線幅を、詳細設定欄237から指定できる。さらに詳細設定欄237では、パターンやファインダ、セル、セル印字順序等も指定できる。なおセル微調整とは、2次元コードのスペース部の面積が適正でなく読み取り率が悪い場合に利用され、設定値を大きくするとセルの塗り潰し間隔を変化させることなく面積を小さく調整でき、逆に設定値を小さくすると面積を大きくできる。一方、種別選択欄236で2次元コードの種別にデータマトリックスを指定すると、図17に示す画面となって、同様に詳細設定欄237からデータマトリックスの詳細を指定できる。
(下地)
【0096】
さらに下地の印字も可能である。例えば、鋳物等表面がざらついたワーク上にシンボルをマーキングする際、一旦下地加工した後にマーキングすることで、より高品質な印字が行える場合がある。このような場合に、下地加工の印字条件(下地加工条件)を、下地加工条件設定欄238から、シンボルの印字条件とは異なる条件に設定可能とすることで、より好ましい下地加工が実現できるようになる。図16等の画面では、このような下地加工に適した下地加工条件を設定できる。
【0097】
さらにまた、印字線幅の微調整も可能である。図12の画面から印字データ指定欄221で2次元コードを選択し、印字線幅詳細ボタン228を押下すると、図18の印字線幅詳細設定画面240となり、この画面から印字線幅を指定できる。この画面でワークの素材に応じて印字線幅を調整することで、綺麗な発色が得られる。例えば金属黒色の場合は超高密度、金属白色では高密度、樹脂では中密度から低密度といったように、素材に応じて適切な線の密度を選択できる。
(ステップS903:第一サンプル印字の実行)
【0098】
以上のようにして第一サンプル印字条件が入力されると、一回目のサンプル印字(第一サンプル印字)を実行する(図9のステップS903)。図12の画面では、編集表示欄202の下段に印字モード設定欄242が設けられている。印字モード設定欄242には、印字モードを選択する印字モード選択手段243がラジオボタンとして設けられている。またその右側には、ラジオボタンで選択された印字モードを実行するようレーザマーキング装置1000に対して指示を送出する「トリガ」ボタン244が設けられている。印字モード選択手段243で「印字レーザ」を選択し、「トリガ」ボタン244を押下すると、レーザマーキング装置1000に対し印字を命令するトリガ信号が送出されてサンプル印字が開始され、指定された第一サンプル印字条件に従い、ワーク上に第一サンプル印字パターンSP1が印字される。
【0099】
なお、サンプル印字の実行に先立ち、予めワークをレーザマーキング装置1000の出力位置に配置しておくべきことはいうまでもない。この際、印字位置すなわちレーザ光の照射位置を確認しやすいよう、必要に応じてガイドレーザ光を走査することもできる。具体的にはワークをセットした状態で、図12の画面から印字モード設定欄242でガイドレーザを選択して「トリガ」ボタン244を押下すると、図3、図4に示すガイド用光源29Aからガイドレーザ光が出射され、実際にワーク上に走査されて、ガイドレーザ光の残像効果によって印字位置が確認される。なお印字モード設定欄242は、ガイドレーザ光の走査モードを選択するガイドレーザ走査モード選択手段を兼ねている。ここでは、ガイドレーザ光を1回のみ走査する「1回」、連続して走査する「連続」、サンプル印字パターンSP及び条件レポートが印字される範囲を示す「範囲」のいずれかを選択できる。
【0100】
このようにして、必要に応じてワークの位置決めを行った後、上述した通り印字モード設定欄242で「印字レーザ」を選択して「トリガ」ボタン244を押下し、第一サンプル印字を実行する。この結果、設定された第一サンプル印字条件に従い、Qスイッチ周波数やスポット可変等の可変パラメータ値が異なるサンプル加工条件毎に、サンプルコードがマトリックス状に印字されていく。
(ステップS904:第一サンプル印字の評価)
【0101】
次に、一回目のサンプル印字がされたワークに対して、印字品質評価装置400を用いて印字品質の評価を行う(図9のステップS904)。具体的には、ワークに印字されたサンプル印字パターンSPを撮像し、印字品質評価手段65で読取安定度を示すスコアを演算し、スコアの高い、すなわち印字品質の高いサンプルコードを決定する。この詳細は後述する印字品質評価手順の説明にて詳述する。
(ステップS905:スコアの高いサンプルコードの選択)
【0102】
このようにして適切なサンプルコードが決定されると、このサンプルコードの第一サンプル印字条件を求める(図9のステップS905)。ここでは、このサンプルコードの印字位置で第一サンプル印字条件が特定できるよう、第一サンプル印字条件と印字位置の対応関係が予め決定されている。すなわち、各サンプルコードは2つの可変パラメータを変化させたマトリックス状に印字されているため、各可変パラメータの最小値、最大値、間隔から、印字位置における可変パラメータの値は一意に決定できる。このため、印字位置から対応関係に基づいて印字条件を特定する条件選択手段に印字位置を指定することで、第一サンプル印字条件を把握することができる。図12の例では、編集表示欄202の下段で印字モード設定欄242の右に設けられた条件選択欄245において、サンプルコードの印字位置を指定する。ここでは、編集表示欄202に示される第一サンプル印字パターンSP1の縦横に行番号、列番号が表示されているとおり、印字位置を行と列で指定できる。よって条件選択欄245においてプルダウンメニューから、印字位置を「A1」〜「K10」のいずれかとして選択できるようにしている。ここでは仮に印字位置「I9」のサンプルコードのスコアが高かったものとし、条件選択欄245において「I9」を指定する。ここで「I9」の印字位置は、可変パラメータのQスイッチ周波数が90kHz、スポット可変が−20に相当する。よってこれらの値が、自動的に可変パラメータ指定欄に入力される。この状態で「次ステップへ」ボタン246を押下すると、画面上段のステップ表示欄211のハイライトが「ステップ1」から「ステップ2」に変化すると共に、図19の第二サンプル印字条件設定画面220Bに移行する。
(ステップS906:第二サンプル印字条件の設定)
【0103】
図19の第二サンプル印字条件設定画面220Bでは、第二サンプル印字条件の設定を行う(図9のステップS906)。ここでは、さらに二回目のサンプル印字を行うための第二サンプル印字条件を設定する。上述した第一サンプル印字の結果、可変パラメータのQスイッチ周波数とスポット可変の適切な数値が既に判明している。よってこれらの印字パラメータは、第二サンプル印字に際しては固定パラメータとなる。一方で、これらに代わって、第二サンプル印字条件では新たな可変パラメータの組として、印字回数(第一可変パラメータ)とスキャンスピード(第二可変パラメータ)が自動的に選択される。このように、条件選択欄245の選択に従い、可変パラメータが固定パラメータに変化する一方で、別の固定パラメータが可変パラメータに変化する。
【0104】
以下、第一サンプル印字条件の設定と同様にして、各可変パラメータの最小値、最大値、間隔や、固定パラメータの値を調整できる。図19の例では、縦軸の印字回数として、最小値1回、最大値5回、間隔1回が指定され、また横軸のスキャンスピードとして、最小値50mm/s、最大値200mm/s、間隔50mm/sが指定されている。この第二サンプル印字条件の設定に従って、編集表示欄202には、これに対応する第二サンプル印字パターンSP2と第二サンプル印字条件文字列SL2が仮想的に表示される。第二サンプル印字パターンSP2の行列数は、最大値、最小値と間隔によって変化するため、第一サンプル印字パターンSP1と異なり、ここでは5行×4列となっている。また第二サンプルコードSC2も、第二サンプル印字条件に応じて、第一サンプル印字条件とは異なる印字条件がエンコードされるため、シンボルが変更される。
【0105】
なおこれら第二サンプル印字条件における可変パラメータの選択は、金属黒色のテンプレートにて予め規定されているようにしてもよい。同様に、第一サンプル印字条件と第二サンプル印字条件の2回でサンプル印字を行うことや、各可変パラメータ、固定パラメータのデフォルト値もテンプレートに予め規定されているようにしてもよい。これらは、金属製ワークに黒色の印字を行うのに適したと思われる推奨の条件として、予め規定されていると、ユーザはこれらの材質に関して適切な印字パラメータの知識が無くとも、推奨条件に従って容易に印字条件を決定することが可能となる。また、推奨値を適宜調整することも可能であり、これによって実際の環境に即したより適切な印字条件に調整できる。例えば、第一サンプル印字条件と第二サンプル印字条件のいずれにおいても、第一可変パラメータや第二可変パラメータを適宜変更できる。上述の例では図19においてプルダウンメニューから、他の印字パラメータを選択できる。また数値においても、所望の値に適宜変更できる。このようにして、より細かな印字条件に調整したい熟練ユーザの要求にも対応できる。
(ステップS907:第二サンプル印字の実行)
【0106】
以上のようにして第二サンプル印字条件が入力されると、同様に図19の第二サンプル印字条件設定画面220Bから印字モード選択手段243で印字モードを選択し、「トリガ」ボタン244を押下して、二回目のサンプル印字(第二サンプル印字)を実行する(図9のステップS907)。また、第二サンプル印字の実行に先立ち、必要に応じてワークの位置調整を行うことも上述の通りである。
(ステップS908:第二サンプル印字の評価)
【0107】
さらに第二サンプル印字結果に対して、同様に印字品質評価装置400を用いて印字品質の評価を行う(図9のステップS908)。
(ステップS909:スコアの高いサンプルコードの選択)
【0108】
さらに同様に、スコアの高い第二サンプル印字条件を求める(図9のステップS909)。ここでは、印字位置が「B2」のサンプルコードのスコアが高かったものとする。これに従い、条件選択欄245において「B2」を選択すると、この印字位置に応じた印字条件として、印字回数2回、スキャンスピード100mm/sが得られ、固定パラメータ設定欄224にこれらの値が入力される(図20)。
(ステップS910:印字条件の出力)
【0109】
以上のようにして、2回のサンプル印字を得て、印字条件が決定されると、この値を最終的な印字条件として決定し、出力する。この例では、印字パターン入力欄204の下段に設けられた「印字条件のコピー」ボタン247を押下すると、図20に示すように、印字条件クリップボード画面250が開き、固定パラメータ設定欄224で設定された印字条件が、印字条件クリップボード画面250に設けられた条件一覧251に転記されて表示される。同時に、現在設定されている印字ブロックの一覧も、ブロック一覧252に表示される。ブロック一覧252に表示される印字ブロックは、ブロック番号順に表示されている。また各印字ブロックには、ユーザが付加したコメントも併せて表示され、複数の印字ブロックがある場合の判別が容易となる。この印字条件クリップボード画面250からユーザは、印字条件を設定したい印字ブロックをブロック一覧252中から選択する。印字ブロックが選択されると、「ブロックへ貼り付け」ボタン253を押下できるようになり(図21)、このボタンを押下することで、印字条件が印字ブロックに設定される。このようにして、サンプル印字モードで適切な印字条件を探索して、得られた適切な結果を出力できる。サンプル印字モードを終了するには、「閉じる」ボタン254を押下する。このボタンを押下すると、元の編集画面に戻り、編集表示欄202において、印字条件設定済みの印字ブロックが確認できる。図21で示す印字ブロックには、印字内容として二次元コードが表示されており、この二次元コードの印字条件は、サンプル印字モードで設定した印字条件に設定されている(ここではQスイッチ周波数90kHz、スポット可変−20、印字回数2回、スキャンスピード100mm/s、レーザパワー80%)。
(探索パラメータ)
【0110】
上記の例では金属黒色のテンプレートとして、予め2回のサンプル印字を行うこと、及び各サンプル印字における可変パラメータの選択(第一サンプル印字ではQスイッチ周波数とスポット可変、第二サンプル印字では印字回数とスキャンスピード)を予め規定しており、さらに推奨の印字パラメータ値が自動的に与えられるように設定されている。このようにテンプレートは、印字対象のワークの素材毎に適切なサンプル印字条件となるよう、予め適切な組み合わせで設定されている。またサンプル印字モードでは、ユーザに対して上述した図9のフローチャート及びステップ表示欄211においてステップが遷移するように、設定すべき手順をガイダンスしている。これによりユーザは、ガイダンスに従ってワークの素材を選択してサンプル印字を繰り返すことで、所望の印字品質を実現できるようになり、ユーザは詳細な知識が無くとも容易に印字条件を設定できる。特に、複数の印字パラメータは複雑に影響し合っているため、従来は素材によっては適切な印字品質が得られるように印字条件を何度も試行錯誤しながら決定せねばならなかったという従来の問題を解消できる。加えて、従来はユーザが目視によって印字品質の善し悪しを判断していたため、たとえユーザの目視では綺麗な印字品質に見えても、実際に2次元コードリーダ等で読み込ませた場合に読み取りが不安定になるような事態も起こり得たところ、上記の方法では印字品質評価装置で実際に読み取り作業を行えるかどうかを評価しているため、このようなユーザの主観によらず、定性的で信頼性の高い印字品質評価が実現される。このように本実施の形態によれば、信頼性の高いマーキングを、容易に実現することができる。
【0111】
なお、サンプル印字を行う回数は、上記の金属黒色のテンプレートでは2回としているが、サンプル印字を3回以上繰り返したり、あるいは1回のみとすることも可能である。例えば、上記の金属黒色テンプレートではレーザパワーを可変パラメータに設定していない。そこで、例えば図19の第二サンプル印字条件設定画面220Bから、さらに「次ステップへ」ボタン246を押下して3回目のサンプル印字を実行し、レーザパワーを可変パラメータとして指定することも可能である。また可変パラメータは、必ずしも2つを選択する必要はなく、1つでもよい。1つの場合は、サンプル印字パターンが一次元状に横又は縦方向に延びるように表示される。例えばレーザパワーを第二可変パラメータとして設定し、第一可変パラメータを無しにすることで、横に長いサンプル印字パターンが得られる。
【0112】
上述の通り、ワークの素材に応じてサンプル印字の回数も予め適切に設定される。また、ユーザが任意にサンプル印字の条件を設定することも可能である。例えば、新規テンプレートを選択した場合は、サンプル印字の回数も含めて、ユーザが任意に設定できる。この場合のサンプル印字の手順を、図22に示す。この方法では、ステップS2201〜ステップS2204まで、すなわち一回目のサンプル印字を行うまでの手順は、上記図9と同じである。そしてステップS2204で印字品質の評価を行った結果に基づいて、ステップS2205では所望の印字品質が得られているかどうかを判定する。ここで所望の印字品質が得られている場合は、ステップS2206に進み、上記ステップS910と同様の手順となる。一方で所望の印字品質が得られていない場合は、ステップS2206−2に進み、サンプル印字条件を再設定して、ステップS2203に戻り、2回目のサンプル印字を行う。以下、所望の印字品質が得られるまでこの手順を繰り返して、得られた場合にステップS2206に進み、上述の通り印字条件を最終決定する。
(印字品質評価手順)
【0113】
次に、印字品質評価装置400で印字品質評価を行う具体的な手順、すなわち、ワークに印字されたサンプル印字パターンSPを撮像し、印字品質評価手段65で読取安定度を示すスコアを演算し、スコアの高い、すなわち印字品質の高いサンプルコードを決定する手順を、図24、図25のフローチャート及び図23〜図49のユーザインターフェース画面に基づいて説明する。この印字品質評価手順は、上述したサンプル印字モードにおいて、サンプル印字の評価ステップ(図9のステップS904、S908)に対応する。図23〜図49に示す画面は、図1の評価表示手段72に表示された印字品質評価プログラムのユーザインターフェース画面を示している。ここでは、光学情報読取システム2000を操作する光学情報読取プログラムに印字品質評価プログラムを統合しており、図23の光学情報読取装置操作画面260から、光学情報読取装置300の各種設定を行うことができる。画面上段には、各種の機能を実行するボタンが配置されている。この内、「印字最適化」ボタン262を押下すると、印字品質評価機能を実行できる。なおこの例では、印字品質評価装置400を操作する印字品質評価プログラムは、光学情報読取プログラムに組み込まれているが、これらのプログラムを個別に構成したり、一方のプログラムで他方のプログラムを呼び出すように構成することも可能である。
(印字品質評価機能)
(ステップS2401:ワーク設定条件の設定)
【0114】
印字品質評価機能を実行するには、まず図24のフローチャートにおけるステップS2401に示すように、ワークの設置条件の設定を行う。この手順の詳細は、図25に示している。
(ステップS2501:印字最適化画面270の起動)
【0115】
具体的には、図23の光学情報読取装置操作画面260から「印字最適化」ボタン262を押下すると、図26の印字最適化画面270が表示される。この画面では、画面左側に表示領域271が、画面右側に操作領域272が設けられている。表示領域271では、撮像手段51で撮像したシンボル等の画像や、リアルタイム画像(ライブビュー)等を表示できる。操作領域272には、各種操作を行うためのボタン等が設けられる。ここでは、後述するスコアを表示するスコア表示欄273、グラフ表示欄274、「レポート用データ出力」ボタン275等が設けられている。
【0116】
スコア表示欄273の項目欄273aは、この状態ではID、スコア、データのみが表示されており、後述する印字情報が入力されると、可変パラメータが項目欄273aに追加される。グラフ表示欄274には、演算されたスコアに対応するグラフが表示される。また図26の例では、操作領域272の上段に「ライブビュー」ボタン276、「印字情報入力」ボタン277、「分析」ボタン278、「チューニング設定」ボタン279、「クリア」ボタン280等が設けられている。さらに「クリア」ボタン280を押下すると、解析結果がクリアされる。
【0117】
印字品質評価機能を実行するには、まず照明条件や設置条件を調整する。図26の印字最適化画面270で「ライブビュー」ボタン276を押下すると、図27のライブビュー画面290が表示される。この画面は、撮像手段51で撮像されている画像がリアルタイムに表示される。ユーザはこのリアルタイム画像(ライブ画像)を見ながら、照明を調整する。
(照明条件の調整)
【0118】
図27の画面で照明設定ボタン292を押下すると、図28の照明設定画面300が表示され、照明条件の設定を行うことができる。上述の通り光学情報読取装置300は、内部照明ユニット54の他、外部照明ユニット55を接続することも可能である。外部照明ユニット55が接続されている場合は、外部照明ユニット55の設定もこの画面から行える。各照明は部分点灯が可能である。ここでは、径方向に内周2列、外周1列に照明を分割(ブロック分け)しており、また周方向には上下左右4方向に分割されている。ユーザは、所望の照明ブロックを点灯させ、又は所望の照明ブロックを消灯することで、サンプルコードやリンクデータの撮影に適した照明条件に調整する。また、照明ブロックや明るさを変化させて複数回撮像することもでき、この場合には変化させる照明パラメータの設定も行う。
【0119】
なおこのリアルタイム画像を見ながら、照明の調整と共に、ワークや撮像手段51の設置位置を調整することもできる。このような設置位置の調整は、この段階で行う他、次のステップS2503で行うこともできる。
(チューニング設定)
【0120】
また、照明条件の詳細な調整と共に、後述するチューニング処理のための設定も行う。チューニングとは、サンプルコードの読み取り余裕度を示すスコアを計算する処理である。具体的には、図26の画面から「チューニング設定」ボタン279を押下すると、図29に示すチューニング設定画面310が表示される。この画面から、読取対象のサンプルコードに対して個別にチューニングする場合の設定を行う。図29の画面上段には画質調整方法設定欄311が設けられ、明るさの変更方法を設定できる。ここで、明るさは(ゲイン)×(照明強度)×(露光時間)で決定される。この画質調整方法設定欄311に設けられた明るさ調整方法選択欄312において、「画質優先」か「速度優先」が選択できる。「画像優先」を選択すると、露光時間は30〜5000μsで選択され、ゲインの最大値を2.0倍までに制限する。また「速度優先」を選択すると、露光時間は手動設定となり、数値を指定できるようになる。ここでは30μs〜10000μsの範囲で、自由に指定できる。また、ゲインの最大は5.4倍までに設定される。
【0121】
さらにオフセット設定欄313では、撮像する画像の基準点を変更できる。基準点とは、黒と認識する明るさのレベルであり、この値を0〜254の任意の値に指定できる。規定値を選択した場合は、254に設定される。
【0122】
またダイナミックレンジ設定欄314では、上述したチューニングの明るさ調整方法の選択によって決定される。ここでは、「Hi−DR」、「高感度」、「標準」、「高S/N」の4つの選択肢が用意されており、「Hi−DR」では画素値をログ変換することで、ダイナミックレンジを拡大する。また「高感度」は、画素値の明るさをリニアな特性とし、感度を4倍の設定とする。さらに「標準」では画素値の明るさはリニアな特性としつつ、感度を2倍とする。さらにまた「高S/N」では、画素値の明るさはリニアな特性としつつ、感度を1倍の設定とする。
【0123】
またチューニング方法設定欄315では、「標準」と「フィルタ」の2種類を選択可能とする。「標準」では、入力画像をそのまま処理し、「フィルタ」では入力画像に対し、21種類の前処理を実行して、最も読み取り余裕度が高かった処理を自動で選択する。ここで前処理は、膨張、収縮、オープン、クローズ、平均化、メディアン、アンシャープマスクの7種類の画像処理を1〜3回適用して、フィルタなしも含めて合計22種類の画像に対する処理を行う。以上のようにして、照明条件の詳細設定やチューニング設定をチューニング設定画面310から行うことができる。
(ステップS2502:印字情報入力の有無)
【0124】
次に、必要に応じて印字情報を入力する。具体的には、図25のフローチャートのステップS2502において、印字情報入力の有無を判定する。入力する印字情報が無い場合はステップS2503に進み、印字情報を入力する場合はステップS2502−1に進む。ステップS2502−1では、印字情報入力画面320を表示させ、印字情報を入力する。具体的には、図26の画面から「印字情報入力」ボタン277を押下して、図30の印字情報入力画面320を表示させる。この画面では、印字情報を入力することができる。
(ステップS2502−2:印字情報コードの有無)
【0125】
次に、ステップS2502−2以降に進み、印字情報の入力を行う。この例では印字情報を入力する方法として、手動入力と自動入力の2通りが用意されている。自動入力は、印字情報コード(リンクデータLT)を読み取ることで行われる。具体的には、ステップS2502−2では、印字情報コードの有無を判定する。すなわち、印字情報コードがある場合はステップS2502−3−2に進み、印字情報コードを読み取らせる。ここでは、図30の画面で「ライブビュー」ボタン321を押下することで図31に示すライブビュー画面290を表示させる。この画面で、シンボル(リンクデータLT)を表示させ、「読み取り実行」ボタン322を押下して読み取りを行う。読み取られたデータはデコードされ、デコードされたデータの値が、図32に示すように印字情報入力画面320に各々入力される。
【0126】
一方、ステップS2502−2で印字情報コードが無い場合は、ステップS2502−3−1に進み、手動入力を行う。具体的には、図31の画面を表示させることなく、図30の画面上から直接、印字情報をユーザが手動で入力する。ここでは、サンプル印字条件を構成する各印字パラメータを固定パラメータ(図32の種別選択欄323で「−」(設定なし)を選択)か、可変パラメータ(図32の種別選択欄323で「X」(横軸)か「Y」(縦軸)を選択)を選択し、各値又は範囲を指定する。種別選択欄323で可変パラメータを選択すると、図32に示すように範囲と間隔の入力欄が表示される。ここでは、Qスイッチ周波数とスポット可変が可変パラメータに設定され、その範囲と間隔が入力される。
(印字情報入力完了)
【0127】
印字情報の入力が終了すると、図32の右下に設けられた「OK」ボタン324を押下して印字情報入力画面320を閉じ、印字最適化画面270に戻る。ここで、入力された印字条件に可変パラメータが含まれている場合は、操作領域272に設けられたスコア表示欄273の項目欄273aが、該当する可変パラメータを含むように変化する。ここでは図26の画面から図33に示すように、項目欄273aにサンプルコードのID番号(詳細は後述)、スコア、データに加え、FR(Qスイッチ周波数)とSV(スポット可変)の表示が追加される。また、各項目について、表示された数値でソートするソート表示機能も備えている(詳細は後述)。さらに項目として、TACT(=(1/SS)×RE×1000)(SSはスキャンスピード、REは印字回数)を表示させることもできる。これにより、印字タクトを推定して、この値が小さいほど印字タクトが速いという指標に利用できる。
(ステップS2503:ライブビューで対象サンプルコードを位置決め)
【0128】
このようにして印字情報が指定されると、必要に応じてライブビューを用いて、撮像対象のサンプルコードが画面内に写るようにワークの位置を調整する(ステップS2503)。
(ステップS2504:対象領域設定)
【0129】
さらにライブビュー画面290で、対象領域を設定することもできる(ステップS2504)。対象領域を設定する場合は、ステップS2504−1に進み、ライブビュー画面290上から、マウス等でサンプルコードを囲むように矩形状の領域を指定する。例えば、ライブビュー画面290で表示されているサンプルコードの内、明らかに印字結果が悪いサンプルコードについては、分析対象から予め外すように、対象領域をユーザが指定できる。このような指定は、図1のブロック図に示す対象領域設定手段73で行われる。具体的には、マウス等のポインティングデバイス(評価操作手段71)で、撮像画像上で所望の対象領域を設定する。対象領域は対角線を指定する枠状の他、自由曲線としてもよい。これにより、ユーザはサンプル印字パターン全体、あるいはこの内の特定の部分を表示させた状態から、分析したいサンプルコードのみ、例えば図27のライブビュー画面290では、サンプルコードの3行を選択してるが、この内、下の2行のみを選択する(図44)等して対象領域OAを制限することで、分析に要する時間を低減できる。
【0130】
以上のようにして、ワークの設置条件等が設定される。この手順は一例であり、設定の順序等は適宜変更できる。例えば先にワークの位置決めを行った後、照明条件や印字条件を入力してもよい。
(ステップS2402:分析)
【0131】
図24のフローチャートに戻って印字品質評価機能の説明を続けると、ステップS2401でワークの設置条件等が設定されると、ステップS2402に進み、分析を実行する。ここでは、図33の印字最適化画面270から「分析」ボタン278を押下する。すると図34に示すように、照明の明るさを変化させながら、印字品質評価手段65がサンプルコードを検索する。上述したステップS2504で対象領域が設定されている場合は、対象領域内を、設定されていない場合はライブビュー画面290に表示される視野内を検索して、画像処理により読み取り可能なサンプルコードを抽出する。この分析処理の手順を、図35のフローチャートに基づいて説明する。
(分析処理の手順)
【0132】
この分析処理の例では、照明条件として照明の明るさを変化させながらサンプルコードの撮像を繰り返す。具体的には、まずステップS3501で、照明の明るさを初期値に設定する。次いでステップS3502に進み、サンプルコードの撮像を行う。撮像は撮像手段51で行い、撮像の際には、各サンプルコードが読み取りに適した解像度となるように視野が調整される。
【0133】
さらにステップS3503で、撮像画像からシンボル抽出手段63でサンプルコードを抽出し、サンプルコードの復号化処理を復号化手段53又は69で行う。次いでステップS3504で、復号された結果をリストに追加する。この間、ライブビュー画像では図34に示すように、サンプルコードの撮像画像が、指定されている場合は対象領域OAを枠状に重ねて表示されると共に、コード分析中のプログレスバー293が表示され、視野内で読み取り可能なサンプルコードが見つかると、図36に示すように見つかったサンプルコードが枠状に囲まれて表示される。
【0134】
このようにして一回の撮像が終了すると、ステップS3505ですべての明るさでの撮像が完了したかどうかを判定し、未だの場合はステップS3505−1に進んで次の明るさに設定した上で、ステップS3502に戻って撮像を繰り返す。すべての明るさでの撮像が完了した場合は、ステップS3506に進む。
【0135】
ステップS3506では、リストに追加されたサンプルコード中から、対象となる一コードを選択する。その上でステップS3507に進み、対象コードに限定して、チューニングを実行する。
(印字スコアの計算)
【0136】
さらにステップS3508で、明るさ毎のスコアを合計して、印字スコアを計算する。なお、印字スコアの算出については、明るさ毎のスコアを合計したものに所定係数を乗算したり、或いは明るさ毎のスコアを合計した値に比例する値を印字スコアとして採用したりする等、種々の方法が考えられる。そして、一コードの印字スコアの計算が完了すると、ステップS3509で、すべてのサンプルコードの印字スコアの計算が完了したかどうかを判定し、未だの場合はステップS3509−1に進んで対象コードを変更し、ステップS3507に戻って印字スコアの計算処理を繰り返す。このようにしてすべてのサンプルコードで印字スコアの計算が完了すると、分析処理を終了する。
(照明の部分点灯パターン)
【0137】
なお以上の例では、照明条件の変化として、照明の明るさのみを変更した例を説明したが、これに限らず、照明の方向も変更させることができる。例えば図28の画面において、上下左右に分割された複数の照明ブロックから、複数の照明ブロックを選択して、これを切り替えて照明の部分点灯パターンを変化させながら撮像を行い、スコアを計算することもできる。これによって、照明条件も読み取りに適した条件に適切に設定できる利点が得られる。
(ステップS2403:結果確認)
【0138】
図24のフローチャートの説明に戻って、すべてのサンプルコードの分析が完了すると、ステップS2402からステップS2403に進み、結果の確認を行う。具体的には図37に示すように、表示領域271においてサンプルコードの撮像画像が表示され、操作領域272にはスコアが数値とグラフで表示されている。
(ID番号)
【0139】
ここで、読み取りが成功した各サンプルコードには、発見された順にID番号が付与されている。例えば1回目の分析で最初に見つかったサンプルコードには「1−1」、2番目に見つかったサンプルコードには「1−2」というように、ID番号が連番で付加される。ここでは9個のサンプルコードが発見されている。加えて、表示領域271の下段には履歴欄281が設けられ、1回目の分析結果の縮小画像282がサムネイル表示される。2回目以降の分析を行うと、この履歴欄282にサムネイル画像が追加される。サムネイル画像を選択すると、該当する分析結果が上段の表示領域271に表示される。このようにサムネイル画像は、表示領域271の切り替え手段として機能する。
(色分け表示)
【0140】
さらに発見された各サンプルコードは、色分けして表示される。色分け表示は、スコアに応じて、スコアが高く読取が安定して行えるサンプルコードは青色、スコアが中程度のサンプルコードは緑色、スコアが低いサンプルコードは赤色等として、ユーザに対して読取安定度の結果に応じて、読取し易いサンプルコードを視覚的に判別し易くできる。
【0141】
また操作領域272ではスコア表示欄273及びグラフ表示欄274に、各サンプルコードのID番号順に、演算されたスコアとそのグラフが表示される。なおグラフ表示欄274において、十字状の赤線は、ユーザが選択したポイント(プロット点)を示している。具体的には、スコア表示欄273及びグラフ表示欄274並びに表示領域271に表示される各ポイント及びレコード並びに2次元コードは、互いに連動表示されるようになっており、いずれかの領域で一の対象を選択したとき、他の領域でもハイライト表示されるようになっている。図37では、スコア表示欄273においてID1−1のレコード(このスコアは「8」)を選択したときの様子を示しており、グラフ表示欄274では、スコアが「8」となる一番左のポイントが強調されるように十字状の赤線が表示されている。
【0142】
ここでは、スコア値として照明の明るさを変化させながら、各明るさでサンプルコードの読み取りが実施できた場合に、個別の読み取りの余裕度を計算している。照明の明るさを変化させながら読み取りを行う際に、幅広い明るさで高い読み取り余裕度が得られたサンプルコードのスコアが高くなる。
【0143】
ライブビュー画面290でチューニングを再実行すると、チューニング結果表示欄294が付加され、より詳細なチューニング結果を表示できる。ここでは、図37の表示領域271で表示される、読み取りが成功したサンプルコード中から所望のサンプルコードを選択すると(或いは、所望のサンプルコードを選択した後にチューニングを再実行すると)、このサンプルコードのチューニング結果がライブビュー画面290に表示される。例えば、図37でID番号1−1のサンプルコードを選択すると、図38のライブビュー画面290Bに示すように、これに該当するID番号1−1のサンプルコードが枠状に示されると共に、チューニング結果の明るさとレベルの関係を示すグラフがチューニング結果表示欄294に表示される。また図37でID番号1−4のサンプルコードを選択すると、図39のライブビュー画面290Cに示すように、ID番号1−4のサンプルコードとそのチューニング結果がチューニング結果表示欄294に表示される。
【0144】
またサンプルコードのスコア同士を対比させることもできる。具体的には、図40に示すように、チューニング履歴一覧295を表示させ、画面右下のチューニング結果表示領域296に、2つのサンプルコードの各チューニング結果のグラフを重ねて表示させる。グラフのプロット値は色分けされており、画面左上のチューニング履歴一覧295には各サンプルコードの詳細が該当する色で表示される。これによって、サンプルコード同士の読み取り結果を容易に対比でき、より好ましい読み取り結果を示すサンプルコードの選択が容易となる。
【0145】
このようにして、スコアに基づいて好ましい印字品質のサンプルコードを選択する。サンプルコードの選択は、演算されたスコア値に基づいて所望のサンプルコードをユーザが選択する。特にユーザは、好適なスコアを示したサンプルコードが表示領域271において色分け表示されているので、この中から、最も安定して読み取りが行えると思われるサンプルコードを、対比させながら選択できる。特に色分けされたサンプルコードの分布状態に応じて、適切な選択が可能となる。例えば、仮にスコアの高い緑色のサンプルコードであっても、隣接するサンプルコードのスコアが低い場合は、印字条件がわずかでも変動すると読取安定度が悪くなる可能性がある。逆に、周囲に緑色のサンプルコードが多い領域からサンプルコードを選択すれば、多少印字条件が変動しても安定して読み取りができることとなる。このように、スコアの高低を色分けして表示することで、ユーザは分布状態を参照しながら、より安定した読み取り結果が期待できるサンプルコードを選択できる。また、サンプルコードの色分け表示に限らず、例えば図41に示すように、分布状態を等高線状284に表示させることもできる。あるいは、このようなユーザによる選択に限られず、最も高いスコアを示したサンプルコードを印字品質評価プログラム側で自動選択することもできる。なお、ステップS2403の結果確認を経て、ユーザが所望のサンプルコードを選択できなければ、再度ステップS2503(図25)に戻って、ステップS2402の分析を繰り返し行うようにしてもよい。この場合、図25におけるステップS2501〜ステップS2502は、省略することができる。
(ステップS2404:結果出力)
【0146】
このようにして最適な印字品質のサンプルコードが選択されると、この結果を評価出力手段が出力する(ステップS2404)。具体的には、評価結果や識別情報を評価表示手段72に表示させたり、印刷したり、あるいは識別情報や印字条件等を直接、データとしてレーザマーキング装置に対して出力する。このような出力によって、レーザマーキング装置1000に対して、印字品質評価のフィードバックを行うことができる。ここでは、印字品質評価に基づいて、ユーザが手動でレーザマーキング装置1000の印字条件を設定する(図9のステップS904、908)。もちろん、レーザマーキング装置と印字品質評価装置とを無線や有線で接続し、印字品質評価結果に基づくFB信号を印字品質評価装置で生成して、レーザマーキング装置にフィードバックするような構成とすることも可能である。なお以上の例では、レーザマーキング装置を用いたサンプル印字と、印字品質評価装置による印字品質評価とに関し、別々のサンプルワークを用いて説明した。同一のサンプルワークを用いた場合には、マトリックスの行列数が同じになることはもちろんである。
(レポート出力)
【0147】
また、レポート出力を行うこともできる。図37等の画面から、画面右下に設けられた「レポート用データ出力」ボタン275を押下すると、スコアの結果がレポートとして出力される。出力は、例えば画面上に表示させたり、紙等に印刷したり、あるいは印字品質評価装置と接続されたレーザマーキング装置や他の外部機器に対してデータを送出する等、種々の形態画利用できる。またレポート出力の書式としては、例えば図42に示すように行列状285に表示されたサンプル印字パターンの要素毎にスコアを表示させる。この際も、スコア値に応じて要素を色分けして表示させてもよい。あるいは図43のように色分けしたスコア値の分布状態を示すように、等高線状284Bに表示させることもできる。
(複数撮像画像の合成)
【0148】
なお、上述の通り撮像時には各サンプルコードが読み取りに適した解像度となるように視野を調整する必要がある。このとき、サンプルコードの数が多い場合やサンプルコードのサイズが大きい場合には、一画面ですべてのサンプルコードを撮像できない場合がある。このような場合は、複数回に分けて撮像を行う必要がある。この様子を図44〜図46に基づいて説明すると、まず図37に示すように1回目の撮像(又は分析)が終わった時点で「ライブビュー」ボタン276を押下してライブビュー画面290を表示させ、図44に示すように2回目の撮像画像に視野を合わせる。この例では、分析対象とする対象領域OAを枠状に指定している。そして上記と同様に、図37の印字最適化画面270に戻って「分析」ボタン278を押下すると、新たな撮像画像に対して分析が行われ、その結果が図45に示すように表示される。ここで表示領域271の履歴欄281には、2回目の撮像画像の縮小画像282Bがサムネイルとして追加されている。また必要に応じて、図46に示すように読み取り画像同士を合成して、一画面で分析結果を色分けして表示させることもできる。このようにして、すべてのサンプルコードを適切な解像度で撮像し、分析結果を比較できる。
【0149】
また印字品質評価プログラムは、分析補助機能として、印字パラメータのソート表示機能と、スコアのマトリックス表示機能を備えている。
(ソート表示機能)
【0150】
印字パラメータのソート表示機能は、スコア表示欄273に表示された印字パラメータ毎に、ソートする機能である。例えば図47に示すように、スコア表示欄273においてデフォルトではID番号順にソートされており、またグラフ表示欄274にはID番号ごとのスコア値が折れ線グラフで表示されている。この状態で、スコア表示欄273の項目欄273aから所望の項目、例えばFR(Qスイッチ周波数)を押下すると、図48に示すように、スコア表示欄273の表示内容が可変パラメータであるQスイッチ周波数でソートされた状態に変更され、さらにグラフ表示欄274の表示も、ID番号でなくQスイッチ周波数毎のスコア値の表示に変更される。これにより、例えばQスイッチ周波数が40kHz以上でスコア値が良好となる等の傾向が把握できるようになる。同様に、SV(スポット可変)を押下すれば、図49に示すようにスコア表示欄273はスポット可変の値でソートされた表示形態に切り替わり、またグラフ表示欄274もスポット可変毎のスコア値のグラフに変更される。また各画面において、項目欄273aのFRをもう一度押下すれば、昇順と降順を切り替えることもできる。これにより、ユーザは各サンプルコードを項目別に比較することが容易となる。
(スコアのマトリックス表示機能)
【0151】
さらに分析結果の出力形態として、スコアをマトリックス表示させることもできる。この機能は、図50に示すように、サンプル印字パターンを構成する行列状285Bに、すなわち2種類の可変パラメータを縦横に変化させたマトリックス状に、スコア値を表示させるものである。このマトリックス表示においても同様に、スコア値に応じた色分け表示を付加できる。これらの色分け表示で用いる色は、表示領域271における色分けと同じ色とすることで、ユーザは視覚的にスコア値の分布状態を容易に把握できる。この結果、上述の通り適切なサンプルコード、すなわち印字条件を選択する際に、印字条件が多少ばらついても、安定したスコアが期待できる位置を直感的に選びやすくなる。
(識別情報の変形例)
【0152】
以上は、サンプルコードを二次元コードとして、この二次元コードを識別情報として利用し、印字位置を直接エンコードした例について説明した。この方法であれば、サンプルコードのサンプル印字パターンにおける印字位置が、直接的に印字条件と結びつけられているため、識別情報認識手段67又は復号化手段53、69でサンプルコードを復号化することで、容易に印字条件を特定できる。ただ、この構成に限られず、サンプルコード自体に印字位置をエンコードせずとも、予め印字位置と印字条件とを関連付けておくことで、印字位置を他の方法で判別できれば、同様に印字条件を特定することが可能となる。
【0153】
例えば、サンプルコードとして二次元コードに代えて、文字や数字等で構成された文字列情報を識別情報として印字することもできる。この場合、図51に示すように、行列を示すためにA1、A2、...等、行番号と列番号との組み合わせで文字列情報を構成し、このサンプル印字パターンSP3を印字品質評価装置400側でOCRによって認識すれば、上記二次元コードのサンプルコードと同様に、印字条件を直接取得できる。また図52に示すように、二次元コードのシンボルSBにこのような文字列情報CIを付加したサンプルコードとしてもよい。この場合は、文字列情報と二次元コードのいずれからでも印字位置を特定できる。あるいは二次元コードには印字条件をエンコードせずとも、文字列情報から印字位置を特定できる。例えば、同一の二次元コードを繰り返し印字してもよい。または二次元コード部分をリンクデータと置き換えることもできる。いずれの場合も、文字列情報を光学情報読取装置で読み取ることで、印字位置を容易に特定できる。
【0154】
あるいは、このような文字列情報でなく、パターン等も識別情報として利用できる。すなわち、印字位置又は印字条件を示す識別情報を特定パターンとして印字し、この特定パターンと印字位置又は印字条件との対応関係を予め印字条件設定装置200A側で識別情報参照手段36に記憶させておくことで、印字品質評価装置400側で特定パターンを特定できれば、この特定パターンと対応する印字位置又は印字条件を印字条件設定装置200A側で識別情報参照手段36を参照して把握するという間接的な特定方法とすることもできる。識別情報参照手段36には、対応関係を記録した対応テーブル等を保持させる。このように、印字品質評価装置側では、印字条件まで把握することは必須でなく、レーザマーキング装置側で最終的に印字条件が特定できれば足りる。よって印字品質評価装置は、印字品質の高いサンプルデータを選択し、選択されたサンプルデータに付加された識別情報を把握できれば、これをレーザマーキング装置側に送出することで、レーザマーキング装置では識別情報から対応関係に従って、印字位置又は印字条件を直接的、又は間接的に特定できる。あるいは、印字品質評価装置400側で識別情報と印字位置との対応関係を記録した対応関係記憶手段70を持たせてもよい。このように、特定パターンと、印字位置又は印字条件の対応関係を特定する対応テーブルを、図1に示す対応関係記憶手段70や識別情報参照手段36に保持しておくことができる。また印字位置と印字条件の対応関係は、上述の通り、サンプル印字パターンにおける印字位置が、2つの可変パラメータを縦軸と横軸に取って変化させたマトリックス状の位置に対応しているため、各可変パラメータの最小値、最大値、間隔から、印字位置における可変パラメータの値を一意に決定できる。さらにその他の固定パラメータの値は、リンクデータ等から取得できる。なお、識別情報から印字条件を特定する作業は、印字品質評価装置で行ってもよいし、あるいは光学情報読取装置で行わせ、得られた印字条件をレーザマーキング装置に送出するような形態とすることもできる。
【0155】
なお、印字位置と印字条件との対応関係は、必ずしも上述したマトリックス状と対応させる必要はない。すなわち、シンボルに付された特定パターン等の識別条件を一意に特定でき、かつこの識別条件と印字条件を一対一の対応関係としておれば、識別情報に基づいて印字品質評価装置側で印字条件を特定できる。例えば、マトリックス状に印字されたサンプル印字パターンの、縦軸と横軸を入れ替えて印字しても、対応関係を維持しておれば識別情報から印字条件を特定できる。あるいは、可変パラメータを連続的に変化させてマトリックス状に印字するのでなく、マトリックス状の各要素に対して、異なる可変パラメータをランダムに割り当てる構成であっても、各要素が有する識別情報と、その要素を印字する際の印字条件との対応関係が一意に決定できるものであれば、対応関係を記録した対応テーブルを参照することで、印字条件の特定が可能となる。ただし、可変パラメータの変化を連続的に並べずにランダムに配置すると、可変パラメータがどの範囲で安定的な読み取りが可能となるかを、全体的に把握することが困難となる。特に、上述したスコア値の分布状態を等高線状に表示させて、安定的な領域を把握することができなくなる。よって、好ましくは上述の通り、可変パラメータの変化に従って配置したマトリックス状のサンプル印字パターンとすることが好ましいといえる。なお、このような印字位置の特定は、図1の印字位置認識手段68にて行われる。また対応テーブルは、特定パターンと印字位置の対応関係を記録するものに限られず、印字条件と印字位置の対応関係を記録することもできる。
(実施例2)
【0156】
以下、実施例2として、識別情報を特定パターンに持たせたサンプル印字パターンの例を、図53〜図60に基づいて説明する。以下の例では、サンプルコードを、シンボルSBと、各シンボルの印字位置を特定するための特定パターンとで構成している。特定パターンはシンボルの近傍、例えば周囲に印字される。図53の例では、シンボルSBを二次元コードで構成し、マトリックス状に印字される各シンボルを区切る区切り線DLを特定パターンとしている。すなわち、区切り線DLで区切られた格子状に、それぞれ二次元コードが印字される区切りパターンとなる。
【0157】
特定パターンによって印字位置を特定することで、この印字位置に対応する印字条件がレーザマーキング装置側で特定できる。また、印字位置の特定に、シンボルを利用することもできる。例えばシンボルによって方向性が定まる場合は、縦横の区別をシンボルの方向で判断することができる。例えば図53のようにシンボルSBにQRコードを利用する場合、QRコードはファインダパターンの位置により方向性を判断できる。すなわち、ワークが回転した姿勢で撮像されても、ファインダパターンが左上となるような姿勢に回転させて正しく処理できる。
(区切り線の構造全体から座標を決定する場合)
【0158】
ここで、図53に示すようなサンプル印字パターンの全体像から、各サンプルコードの印字位置を区別、特定する方法について説明する。ここでは、特定パターンである区切りの構造全体から座標を決定する。具体的に、区切り線は左下においてL字状に印字されており、このL字状パターンLPは他の部位には見られない。よってこのL字状パターンLPを座標軸の基準として用い、L字状パターンLPが左下に位置する姿勢を基準として座標位置を画像処理によって算出する。すなわち、L字状パターンLPの左下を原点として、各サンプルコードの印字位置は原点を基準とする座標、例えば(x、y)座標で表現できる。また原点の位置や座標軸の取り方は一例であって、他の方式(例えばr、θ)も任意に採用できることはいうまでもない。なお、画像の姿勢すなわち回転角度の補正については、上述の通りQRコードのファインダパターンを利用することも可能である。
【0159】
また、シンボルのパターンで方向が判断できない場合、例えば図54に示すように上下左右どの方向から見ても同じ形状となる図形のシンボルSB2(ここではQRコードのファインダパターン)の場合は、特定パターンのみで方向性を規定する必要がある。この際、上述したL字状パターン以外に、区切り線の線種を変更することも利用できる。例えば図54の例では、縦横の区切り線の内、横軸を実線DL2とし、縦軸を破線DL3としている。これにより、特定パターンのみで方向性を規定でき、方向性が定まれば、上述の通り左下の原点を基準として各シンボルの座標位置を特定できる。
【0160】
なお、特定パターンは、上述したリンクデータ等と同様、常に一定の印字条件(特定印字条件)で印字する。いいかえると、サンプルコードのように印字条件を変化させない。特定パターンの印字条件を変化させて、部分的に特定パターンが印字されない状態になると、印字位置の特定が困難となるためである。よって、特定パターンはサンプルコードとは別の印字条件に設定される。
【0161】
ただ、特定パターンが部分的に印字されないことがあっても、特定パターン推定手段によって他の部分から補間することも可能である。特定パターン推定手段は、画像処理等、線の補間を行う既知の手段が利用できる。例えば、ワークの材質が部分的に変化している場合や、表面に凹凸や曲面が含まれている場合等、下地の影響で直線の印字が部分的に途切れることが考えられる。このような場合でも、直線であれば画像処理によって失われた部分を類推して補間できる。また、後述する図60の例のように特定パターンを円形とする場合でも同様に、円弧の他の部分から補間できる。なお、下地を前処理で印字しやすくするように、下地加工処理用の条件を設定できることは上述の通りである。
(特定パターンを用いたサンプル印字パターンにおける印字品質評価手順)
【0162】
次に、このような特定パターンを用いたサンプル印字パターンで、印字品質評価を行う手順を、図55のフローチャートに基づいて説明する。この図において、ステップS5501〜S5502は、上述した図24のフローチャートと同一であり、説明を省略する。ステップS5502で分析が終了すると、ステップS5503’で必要に応じて画像の合成を行う。この特定パターンでは、サンプル印字パターンの全体像を取得した上で、印字位置を把握する。いいかえると、サンプル印字パターンの一部を撮像した部分画像では、印字位置を特定できない。よって、複数枚に分けて撮像する場合は、得られた部分画像を合成する作業が必要となる。画像構成は、画像処理によって画像に含まれる共通部分を認識し、これらを重ねるように合成する他、所定の分割パターンが決まっている場合は、これに従って順次撮像した画像を順次繋げていく。また、画像合成の処理は、他の処理と並列して行うこともできる。なお、一枚の撮像画像でサンプル印字パターンの全体像が撮像できる場合は、このステップは不要となる。この後のステップS5503以降は、図24のステップS2403以降と同一となり、特定パターン抽出手段64で抽出された特定パターンから印字位置が特定され、印字条件が特定される。
(区切りパターンから座標情報を規定する場合)
【0163】
以上の方法では、区切り線の全体から座標位置を特定するために、サンプル印字パターンの全体を撮像する必要がある。ただ、サンプル印字条件を変化させてサンプル印字する場合は、多くの条件に変化させる結果、視認困難な程に薄く印字されたサンプルコードも存在し得る。このようなサンプルコードの印字条件が不適切であることは明白であるが、このような場合でもサンプル印字パターンの全体像を常に撮像しなければならないとすれば、効率が悪くなることも考えられる。特に、撮像視野を広くしようとすれば解像度が低下するため、デコードが困難になる。このため、ある程度の解像度を確保しようとすれば、一度の撮像で含めることのできる視野範囲は制限される。一方で、サンプル印字条件の変化範囲や変化幅、サンプルコードのサイズによっては、サンプル印字パターンの大きさが大きくなることもある。このようなことから、サンプル印字パターンの全体像でなく、部分的に切り出した画像からでも印字位置の特定が可能である方が好都合な場合が多いと言える。次に、サンプル印字パターンの一部のみからでも印字位置の特定を可能とした印字位置特定方法について、図56、図57に基づいて説明する。
【0164】
図56の例では、シンボルSBにQRコードを用いているため、方向性は自ずと判別できる。すなわち、縦軸と横軸は共通にできる。そして、原点からX軸方向、Y軸方向に何番目の区切り線であるかを区別できるように、線種を変更している。この例では、1本目を実線、2本目を破線、3本目を一点鎖線としている。これにより、任意のサンプルコードを撮像する場合でも、その周囲に印字した区切り線を含めておくことで、このサンプルコードの印字位置を特定できる。線種の区別は、図1の識別情報認識手段67により行われる。具体的には、パターンサーチやエッジ検出等によって、区切り線を検出し、シンボルの周囲の区切り線の線種をそれぞれ特定し、この組み合わせに対応する印字位置を、対応関係記録手段に保持された対応テーブルを参照して取得する。
【0165】
また、シンボルにQRコードのような方向性を規定できるコードを用いない場合でも、図57に示すように縦横の線種をすべて変更することで、同様に区切り線から印字位置を判別できる。図57の例では、縦軸の1本目を鎖線とし、2本目を一点鎖線、3本目を二点鎖線とし、他方横軸の1本目を実線、2本目を短い一点鎖線、3本目を点線としている。この結果、どの印字位置のサンプルコードを撮像しても、シンボルSB2を囲む周囲の区切り線が4本とも異なるため、そのパターンの組み合わせを調べることで、印字位置を特定できるようになる。
【0166】
なお、このように区切りパターンから座標を決定する場合、X座標、Y座標それぞれの一方向について、シンボルを挟む2本の区切りパターンの線種で位置を判断できる。識別できる組み合わせの数は、区切り線の線種がN種類の場合、2Nとなる。例えば線種が直線と破線の2種類の場合は、22=4種類の座標位置を区別できる。同様に線種が3種類の場合は、23=8種類の座標位置、線種が4種類の場合は、24=16種類の座標位置が、それぞれ区別可能となる。このような線種の組み合わせで一方向の座標位置を確認できるので、上述の通り、シンボルで方向性を規定できる場合は一方向のみを、シンボルで方向性を規定できない場合は、X方向とY方向にそれぞれ、異なる線種の組み合わせを適用して、座標位置すなわちシンボルの印字位置の特定が可能となる。
【0167】
また、区切り線の区別について、線種以外に区切り線の本数で区別することも可能である。例えば図58に示すように、横軸の区切り線を1本線、縦軸の区切り線を2本線にすることで、縦横の方向性を区別できるようになる。
【0168】
さらに、区切り線を複数線とする際に、これを構成する各線の線種を変更することで、さらに多くの組み合わせを表現できる。例えば図59に示すように、区切り線を2本で構成した内、座標軸を示す線は、実線と実線の組み合わせとし、他の区切り線を実線と破線の組み合わせとすることで、座標軸を他と区別できる。また座標軸以外の区切り線で、各線の線種の組み合わせを変更すれば、これらを相互に区別することも可能となる。さらに複数線の本数も2本に限らず、3本以上としてもよい。また、直線に限らず、波線や鋸刃状線としたり、点線のドットを点や□、△や菱形、輪郭のみの中抜き点で構成する等、線種を区別可能な変形や装飾を適宜利用できる。
【0169】
さらに以上の例では、特定パターンを直線状で構成する例を説明したが、特定パターンは曲線を含むこともできる。例えば図60に示すように、特定パターンの区切り線を、サンプルコードを囲む円形DL3にすることもできる。このような特定パターンであっても、シンボルにQRコードのように方向性を規定できるタイプを利用すれば、サンプル印字パターンの方向性を確定でき、また全体像から左下等の基準域を基点に印字位置を特定できる。さらに、上記と同様、特定パターンの線種を変更することで、方向性や基準位置を規定することもできる。例えば左下に位置する円形区切り線のみを破線で印字すれば、これを抽出することで、姿勢と基準位置を特定できる。あるいは、図61に示すように、各シンボルに付す特定パターンに、シンボルの左下に個別に鉤状パターンLP2を付加することで、個別のサンプルコードのみを撮像しても方向性を判別でき、サンプル印字パターンの全体像を撮像する手間を省くことができる。
(特定パターン錦別情報を持たせたサンプル印字パターンにおける印字品質評価手順)
【0170】
次に、このようにシンボルに特定情報を含ませず(あるいは方向性を区別する情報のみを持たせ)、特定パターンに識別情報を含ませたサンプルコードを用いて、印字品質評価を行う際の、分析手順(図24のフローチャートにおけるステップS2402)について、図62のフローチャートに基づいて説明する。この図において、ステップS6201〜ステップS6209は、上述した図35のステップS3501〜ステップS3509と同様である。
【0171】
ステップS6209において、すべてのコードの印字スコアの計算が完了すると、ステップS6210に進み、座標情報を取得する。具体的には、識別情報、ここでは特定パターンに基づいて、座標位置、すなわちこの特定パターンが付されたシンボルの、サンプル印字パターンにおける印字位置を特定する。ここでは、シンボルの周囲に付された特定パターンを特定パターン抽出手段64で抽出し、この特定パターンから、このシンボルの座標位置を取得する。具体的には、上述の通り図1の識別情報認識手段67が、シンボルの周囲の区切り線の線種をそれぞれ特定して、この組み合わせに対応する印字位置を、対応関係記録手段に保持された対応テーブルを参照して取得する。このようにして印字位置が取得されると、図24のステップS2403以降に従って、結果が出力される。
【0172】
なお、この例ではすべてのコードの印字スコア計算を完了した後、各コードの座標を纏めて取得しているが、この方法に限られるものでない。例えば、各コードについてスコア計算後、座標位置を取得した後、他のコードのスコア計算に進むような手順とすることもできる。
【0173】
このように、サンプルコードの印字位置を示す識別情報は、必ずしもシンボルにエンコードする必要はなく、特定パターンにそのような識別情報を組み入れると共に、そのパターンを個々の印字条件と予め対応付けておくことで、対応関係から印字条件を特定できるようになる。またこの構成では、シンボルに識別情報を持たせる必要がないため、各シンボルを小さくでき、サンプル印字パターン全体の印字に必要な印字領域を小さくできる利点が得られる。
(実施例3)
【0174】
上述の通り、サンプルコードを構成するシンボルと特定パターンは、シンボルで印字品質を評価し、特定パターンで印字位置を特定するという機能をそれぞれ果たしている。以上の例では、シンボルとして主に2次元コードを用いた例を説明した。2次元コードを用いる場合は、印字位置等の識別情報を2次元コードにエンコードすることができる。ただ、何らかの情報をエンコードすることが可能な、完全なコードを用いなくとも、印字品質を評価できる程度のシンボルであれば、印字品質評価の目的を達成できる。特に、シンボルを完全なコードにする場合は、情報のエンコードのために相応のサイズが必要となるが、印字対象のワークによっては、十分な印字サイズが確保できないこともある。また、可変パラメータを細かく変化させる場合も、サンプルコードの数が増えるためにサンプル印字パターンが大きくなる。そこで、情報のエンコードができなくとも、印字パラメータの値が確定できる程度に印字品質の評価が可能なシンボルを用いることで、必要な印字領域を抑制し、またより多くの可変パラメータに対して評価が可能となる。以下、このようなシンボルの例を、図63〜図77に基づいて説明する。なお、これらの例では、シンボルは印字品質評価を企図しており、印字位置の特定は、上述した通り特定パターンが担う。
【0175】
なお印字品質の評価とは、必ずしもシンボルがデコード可能であることを意味せず、シンボルのセルサイズを認識可能であることや、白黒のコントラストを認識可能であること等も含む。また、複数のセル間の印字品質評価であれば、コントラストや印字均一性が挙げられ、単一のセルの印字品質評価であれば、太り細りやエッジ強度(エッジ鮮明度)等の形状が挙げられる。
(評価パターン)
【0176】
シンボルの印字品質評価を行うためのパターンとして、シンボルを構成する最小単位であるセルの、印字品質評価を行える単位にて形成されたパターンとして、評価パターンを印字する。ここでは、評価パターンを構成するセルが意図した形状に正しく印字できているかを評価する。また、上述したシンボルに代わって評価パターンを印字すると共に、上述した特定パターンを付加する。これにより、評価パターンの周囲に付された区切り線等の特定パターンを認識することで、評価パターン同士の相対位置、すなわち印字位置を特定できる。
【0177】
評価パターンの例を、図63、図64に示す。これらの印字品質評価を行うには、評価パターンを撮像した撮像画像中の個別パターンについて、スコア化を行う。ここでは、照明の明るさを変化させて、取得した複数のスコアを用いて印字スコアを計算する。印字スコアの計算については、実施例1で説明した方法と同様に、例えば各スコア値の合計値等を用いることができる。
【0178】
図63の評価パターンEP1は、白黒セルを2×2セルの格子状に並べている。この評価パターンの印字品質評価は、白セル、黒セルの輝度値を個別に取得し、コントラスト、均一性を計算する。また、白セル、黒セルの形状を評価し、太り細りやエッジ鮮明度(エッジ強度)を計算する。
【0179】
一方、図64はQRコード等に用いられるファインダパターン(FP)形状である。このファインダパターン形状の評価パターンEP2は、QRコードのFP検出と同様に、線幅データの比率からサーチを行うことができる。例えば、QRコードのファインダパターンは、縦横の中心線で白セルと黒セルの比率が、(1:1:3:1:1)となるように規格化されている。このため、この評価パターンEP2の印字品質評価は、中央の黒部分で、印字色の明るさ、均一性を取得する。また白枠部分から、背景色の明るさ、均一性を取得する。これによって、コントラストと均一性を計算できる。さらに白枠の太さを取得し、太り細りを計算できる。さらにまた、白枠、黒枠のエッジを評価することで、エッジ鮮明度を計算できる。
(評価計算の具体例)
【0180】
ここで評価パターンの評価方法の具体例を、図65〜図71に基づいて説明する。まず、コードの画素値を計算する。例えば、図64のようなファインダパターン状評価パターンEP2を撮像して、図65のような撮像画像が撮像された場合を考える。これを画像処理等により、図66のように対象領域OAを確定して、この対象領域OA内の画素値を計算し、図67に示すようなヒストグラムHGを得る。このヒストグラムHGにおいて、左側の楕円で囲んだ領域が中央の黒色四角形の領域(黒領域)に対応し、また右側の楕円で囲んだ領域が、黒領域を囲む周囲の白色の領域(白領域)に、それぞれ対応する。また、黒領域を図65の画像上で示すと図68のようになり、白領域は図69で示す矩形同士で挟まれた領域となる。
【0181】
ここで、コントラストは(白領域の平均)−(黒領域の平均)で、均一性は(白領域の標準偏差)+(黒領域の標準偏差)で、それぞれ表すことができる。
【0182】
またエッジの解析に関して、枠の太さはエッジ間の距離で、エッジ鮮明度はエッジ位置の微分波形の値で、それぞれ表現できる。例えば図70に示す矩形状において、エッジ位置を検出するため、X方向に走査し、Y方向に平均化した様子を、図71のグラフに示す。このグラフにおいて、太線は画素値を、細線はその微分値を、それぞれ示している。このように、微分波形のピークを、エッジとして認識する。
(パターンのスケーラビリティ)
【0183】
上述した図63では、2×2セルの白黒セルという極小サイズで格子状+を構成した。しかしながら、印字領域の周囲にノイズが多い場合や、ワークの材質等の要因で印字品質がばらついて特性が安定しないような場合は、このような小サイズでは評価が困難となる。そこで、印字側の情報量を増やして、データの平均化やばらつきの評価を行うことが好ましい。このような例として、例えば図63の2×2セルの格子状評価パターンを、図72の評価パターンEP3のように3×3セルとしたり、図73の評価パターンEP4のように4×4セルに増やした格子状評価パターンとする。あるいは図64のファインダパターン状評価パターンEP2を、(1:1:2:1:1)から、図74に示す評価パターンEP5のように(1:1:3:1:1)、又は図75の評価パターンEP6に示すように(1:1:4:1:1)の比率となるよう、評価パターンを大きくすることもできる。このように評価サイズを大きくすることで、ノイズやばらつきの影響を低減し、より安定した印字品質の評価が可能となる。
(方向性特定パターン)
【0184】
なお、上記の例ではいずれも、評価パターンのみでは方向性の区別ができない、対称形状の例を示した。ただ、このような形状に限らず、評価パターンに方向性の区別が可能な形状を持たせることも可能である。例えば、図73の格子状評価パターンEP4を、図76に示すような評価パターンEP7に変更する。図76の評価パターンは、方向性を規定する方向性特定パターンとして、左下に鉤状パターンLP3を重ねている。これにより、上述した図61と同様に非対称な形状となって、姿勢の特定が可能となる。また図75のファインダパターン状評価パターンEP6を、図77に示す評価パターンEP8のように変更する。この例では、原点付近、すなわち左下のパターンを階段状パターンLP4に変更しているので、この部分を画像処理等で検出することで、同様に評価パターンの姿勢を把握できる。これによって、評価パターンで方向性を確定できるので、特定パターンで方向性を規定せずとも印字位置の特定が実現できるようになる。
【0185】
以上のようにして、印字品質評価装置は、サンプル印字されたサンプルコードの印字品質を計算して、最も読み取りに適した印字条件を定量的に判断できる。この結果を、レーザマーキング装置にフィードバックすることで、ユーザの目視による判断よりも的確に、読取安定度の向上したレーザマーキングを実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0186】
本発明の印字品質評価システム、レーザマーキング装置、印字条件設定装置、印字品質評価装置、印字条件設定プログラム、印字品質評価プログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、レーザマーキング装置でワークに印字する二次元コードを二次元コードリーダで読み取って評価し、その結果をレーザマーキング装置の印字条件にフィードバックするシステムに好適に利用できる。
【符号の説明】
【0187】
1000…レーザマーキング装置
2000…光学情報読取システム
100…マーキング部
200…印字条件設定部;200A…印字条件設定装置
300…光学情報読取装置
400…印字品質評価装置
10…レーザ制御部;1A…コントローラ
11…レーザ制御回路
12…レーザ励起部
13…励起電源
14…印字メモリ部;14B…印字記憶部
15…光ファイバケーブル
20…レーザ出力部
21…レーザ発振部
22…レーザ媒質
23…ビームエキスパンダ
24…集光部
25…スキャナ駆動回路
26…レーザ光走査部
27…スキャナ
27a…X軸スキャナ;27b…Y軸スキャナ;27c…Z軸スキャナ
27d…ポインタ用スキャナミラー
28、28a、28b…ガルバノモータ
29A…ガイド用光源;29a…ハーフミラー
29B…ポインタ用光源;29b…固定ミラー
31…印字操作手段
32…パラメータ設定手段
33…印字条件生成手段
34…印字データ生成手段
35…印字データ出力手段
36…識別情報参照手段
37…設定表示手段
38…印字情報コード設定手段
38a…リンクデータ印字チェックボックス;38b…セルサイズ指定欄
40…印字演算部
51…撮像手段
52…撮像制御手段
53…復号化手段
54…内部照明ユニット
55…外部照明ユニット
56…シンボル抽出手段
61…画像取得手段
62…抽出手段
63…シンボル抽出手段
64…特定パターン抽出手段
65…印字品質評価手段
66…認識手段
67…識別情報認識手段
68…印字位置認識手段
69…復号化手段
70…対応関係記憶手段
71…評価操作手段
72…評価表示手段
73…対象領域設定手段
202…編集表示欄
204…印字パターン入力欄;204a…加工種類指定欄;204b…文字入力欄
204c…詳細設定欄;204d…文字データ指定欄;204e…「印字データ」タブ
204f…「サイズ・位置」タブ;204g…「印字条件」タブ
204h…「基本設定」タブ;204i…「形状設定」タブ
204j…「詳細設定」タブ;204q…種別指定欄
206…三次元ビューワ欄
208…「テスト印字」ボタン
209…「サンプル印字」ボタン
210…テンプレート選択画面
211…ステップ表示欄
213…テンプレートボタン群
215…「転送・読出し」ボタン
220…第一サンプル印字条件設定画面;220B…第二サンプル印字条件設定画面
221…印字データ指定欄;221a…コード種別指定欄;221b…セルサイズ指定欄
221c…印字線幅指定欄;221d…ドット数指定欄;221e…印字方法指定欄
222…サンプル印字条件指定欄
223…可変パラメータ設定欄;223a…縦軸スライダ;223b…横軸スライダ
224…固定パラメータ設定欄
225…レイアウト設定欄
226…「詳細設定」ボタン
227…条件レポート選択欄
228…印字線幅詳細ボタン
230A、230B…詳細設定画面;
231A…「印字情報」タブ;231B…「2次元コード」タブ
232…座標軸表示手段
233…条件レポート表示手段
234…文字高さ指定欄
235…特定印字条件指定手段
236…種別選択欄
237…詳細設定欄
238…下地加工条件設定欄
240…印字線幅詳細設定画面
242…印字モード設定欄
243…印字モード選択手段
244…「トリガ」ボタン
245…条件選択欄
246…「次ステップへ」ボタン
247…「印字条件のコピー」ボタン
250…印字条件クリップボード画面
251…条件一覧
252…ブロック一覧
253…「ブロックへ貼り付け」ボタン
254…「閉じる」ボタン
260…光学情報読取装置操作画面
262…「印字最適化」ボタン
270…印字最適化画面
271…表示領域
272…操作領域
273…スコア表示欄;273a…項目欄
274…グラフ表示欄
275…「レポート用データ出力」ボタン
276…「ライブビュー」ボタン
277…「印字情報入力」ボタン
278…「分析」ボタン
279…「チューニング設定」ボタン
280…「クリア」ボタン
281…履歴欄
282、282B…縮小画像
284、284B…等高線表示
285、285B…行列状
290、290B、290C…ライブビュー画面
292…照明設定ボタン
293…プログレスバー
294…チューニング結果表示欄
295…チューニング履歴一覧
296…チューニング結果表示領域
300…照明設定画面
310…チューニング設定画面
311…画質調整方法設定欄
312…明るさ調整方法選択欄
313…オフセット設定欄
314…ダイナミックレンジ設定欄
315…チューニング方法設定欄
320…印字情報入力画面
321…「ライブビュー」ボタン
322…「読み取り実行」ボタン
323…種別選択欄
324…「OK」ボタン
500…印字リスト;501…印字見本
LB…レーザ光;PB…ポインタ光;GB…ガイドレーザ光
WK…ワーク;WS…作業領域
SP…サンプル印字パターン;SL…サンプル印字条件文字列;SC…サンプルコード
SP1…第一サンプル印字パターン;SL1…第一サンプル印字条件文字列
SP2…第二サンプル印字パターン;SL2…第二サンプル印字条件文字列
SC2…第二サンプルコード:
LT…リンクデータ
SP3…サンプル印字パターン
SB、SB2…シンボル;CI…文字列情報
LP…L字状パターン
DL…区切り線;DL2…実線;DL3…破線;DL4…円形
LP2、LP3…鉤状パターン;LP4…階段状パターン
EP1〜EP8…評価パターン
OA…対象領域;HG…ヒストグラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字対象物に対して、印字条件の異なる複数のシンボルを印字可能なレーザマーキング装置と、
前記レーザマーキング装置で印字対象物に印字された、印字条件の異なる複数のシンボルを撮像した撮像画像に基づいて各シンボルの印字品質を評価するための印字品質評価装置と、
を含む印字品質評価システムであって、
前記レーザマーキング装置は、
印字条件を構成する複数の印字パラメータのうち、印字条件を異ならせるための少なくとも一の印字パラメータを可変パラメータとし、その他を固定パラメータとして設定可能なパラメータ設定手段と、
前記パラメータ設定手段で設定された固定パラメータに固定値を代入しつつ、前記パラメータ設定手段で設定された可変パラメータに複数の異なるパラメータ値をそれぞれ代入することで、複数の異なる印字条件を生成するための印字条件生成手段と、
それぞれが特定のシンボルの構成単位であるセルを一又は複数組み合わせた評価パターンであって、それぞれが該特定のシンボルよりも大きさの小さい複数の評価パターンを印字データとして生成するための印字データ生成手段と、
前記印字データ生成手段にて生成された複数の評価パターンを、前記印字条件生成手段にて生成された複数の異なる印字条件に基づいて印字するマーキング手段と、
を備え、
前記印字品質評価装置は、
印字対象物に印字された個々の評価パターンを含む撮像画像であって、該評価パターンの印字品質を評価可能な解像度にて撮像された撮像画像を取得するための画像取得手段と、
前記画像取得手段により得られた撮像画像中から、印字品質を評価可能な評価パターンを抽出するための抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された評価パターンの印字品質を評価するための印字品質評価手段と、
前記抽出手段により抽出された評価パターンの印字位置を認識するための印字位置認識手段と、
前記抽出手段により抽出された評価パターンに応じて、前記印字品質評価手段による印字品質の評価結果を出力するための評価出力手段と、
を備えることを特徴とする加工品質表示システム。
【請求項2】
印字対象物に対して、印字条件の異なる複数のシンボルをレーザマーキング装置で印字するための印字条件を設定するための印字条件設定装置と、
前記印字条件設定装置で設定された印字条件に従って生成された印字データに基づき、レーザマーキング装置で印字対象物に印字された、印字条件の異なる複数のシンボルを撮像した撮像画像に基づいて各シンボルの印字品質を評価するための印字品質評価装置と、
を含む印字品質評価システムであって、
前記印字条件設定装置は、
印字条件を構成する複数の印字パラメータのうち、印字条件を異ならせるための少なくとも一の印字パラメータを可変パラメータとし、その他を固定パラメータとして設定可能なパラメータ設定手段と、
前記パラメータ設定手段で設定された固定パラメータに固定値を代入しつつ、前記パラメータ設定手段で設定された可変パラメータに複数の異なるパラメータ値をそれぞれ代入することで、複数の異なる印字条件を生成するための印字条件生成手段と、
それぞれが特定のシンボルの構成単位であるセルを一又は複数組み合わせた評価パターンであって、それぞれが該特定のシンボルよりも大きさの小さい複数の評価パターンを印字データとして生成するための印字データ生成手段と、
前記印字データ生成手段にて生成された複数の評価パターンを、前記印字条件生成手段にて生成された複数の異なる印字条件に基づいて印字するよう、レーザマーキング装置に送出するための印字データ出力手段と、
を備え、
前記印字品質評価装置は、
印字対象物に印字された個々の評価パターンを含む撮像画像であって、該評価パターンの印字品質を評価可能な解像度にて撮像された撮像画像を取得するための画像取得手段と、
前記画像取得手段により得られた撮像画像中から、印字品質を評価可能な評価パターンを抽出するための抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された評価パターンの印字品質を評価するための印字品質評価手段と、
前記抽出手段により抽出された評価パターンの印字位置を認識するための印字位置認識手段と、
前記抽出手段により抽出された評価パターンに応じて、前記印字品質評価手段による印字品質の評価結果を出力するための評価出力手段と、
を備え、
前記評価パターンの印字位置がそれぞれ、該評価パターンを印字した印字条件と関連付けられており、
各評価パターンは、セルのパターンを印字位置毎に異なるパターンで印字されてなることを特徴とする加工品質表示システム。
【請求項3】
印字対象物に対して、印字条件の異なる複数のシンボルを印字可能なレーザマーキング装置であって、
印字条件を構成する複数の印字パラメータのうち、印字条件を異ならせるための少なくとも一の印字パラメータを可変パラメータとし、その他を固定パラメータとして設定可能なパラメータ設定手段と、
前記パラメータ設定手段で設定された固定パラメータに固定値を代入しつつ、前記パラメータ設定手段で設定された可変パラメータに複数の異なるパラメータ値をそれぞれ代入することで、複数の異なる印字条件を生成するための印字条件生成手段と、
それぞれが特定のシンボルの構成単位であるセルを一又は複数組み合わせた評価パターンであって、それぞれが該特定のシンボルよりも大きさの小さい複数の評価パターンを印字データとして生成するための印字データ生成手段と、
前記印字データ生成手段にて生成された複数の評価パターンを、前記印字条件生成手段にて生成された複数の異なる印字条件に基づいて印字するマーキング手段と、
を備えることを特徴とするレーザマーキング装置。
【請求項4】
請求項3に記載のレーザマーキング装置であって、
前記印字データ生成手段で生成される複数の評価パターンが、印字品質評価装置によって印字品質評価を行える単位にて形成されるよう構成してなることを特徴とするレーザマーキング装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のレーザマーキング装置であって、
前記印字データ生成手段で生成される複数の評価パターンが、格子状に配列された複数のセルからなるよう構成してなることを特徴とするレーザマーキング装置。
【請求項6】
請求項3から5のいずれか一に記載のレーザマーキング装置であって、
前記印字データ生成手段で生成される複数の評価パターンが、二次元コードのファインダパターンを含むことを特徴とするレーザマーキング装置。
【請求項7】
請求項3から6のいずれか一に記載のレーザマーキング装置であって、
前記印字データ生成手段で生成される複数の評価パターンが、該評価パターンの方向を特定可能な形状であることを特徴とするレーザマーキング装置。
【請求項8】
請求項3から7のいずれか一に記載のレーザマーキング装置であって、
前記特定のシンボルが、二次元コードであることを特徴とするレーザマーキング装置。
【請求項9】
請求項3から8のいずれか一に記載のレーザマーキング装置であって、
前記特定のシンボルが、QRコードであることを特徴とするレーザマーキング装置。
【請求項10】
印字対象物に対して、印字条件の異なる複数のシンボルをレーザマーキング装置で印字するための印字条件を設定するための印字条件設定装置であって、
印字条件を構成する複数の印字パラメータのうち、印字条件を異ならせるための少なくとも一の印字パラメータを可変パラメータとし、その他を固定パラメータとして設定可能なパラメータ設定手段と、
前記パラメータ設定手段で設定された固定パラメータに固定値を代入しつつ、前記パラメータ設定手段で設定された可変パラメータに複数の異なるパラメータ値をそれぞれ代入することで、複数の異なる印字条件を生成するための印字条件生成手段と、
それぞれが特定のシンボルの構成単位であるセルを一又は複数組み合わせた評価パターンであって、それぞれが該特定のシンボルよりも大きさの小さい複数の評価パターンを印字データとして生成するための印字データ生成手段と、
前記印字データ生成手段にて生成された複数の評価パターンを、前記印字条件生成手段にて生成された複数の異なる印字条件に基づいて印字するよう、レーザマーキング装置に送出するための印字データ出力手段と、
を備えることを特徴とする印字条件設定装置。
【請求項11】
印字対象物に印字された、印字条件の異なる複数のシンボルを撮像した撮像画像に基づいて各シンボルの印字品質を評価するための印字品質評価装置であって、
印字対象物に印字された個々のシンボルを含む撮像画像であって、該シンボルの印字品質を評価可能な解像度にて撮像された撮像画像を取得するための画像取得手段と、
前記画像取得手段により得られた撮像画像中から、印字品質を評価可能なシンボルを抽出するためのシンボル抽出手段と、
前記シンボル抽出手段により抽出されたシンボルの印字品質を評価するための印字品質評価手段と、
前記シンボル抽出手段により抽出されたシンボルの印字位置を認識するための印字位置認識手段と、
前記シンボル抽出手段により抽出されたシンボルに応じて、前記印字品質評価手段による印字品質の評価結果を出力するための評価出力手段と、
を備え、
前記特定パターンの印字位置がそれぞれ、前記特定パターンが付された前記シンボルを印字した印字条件と関連付けられており、
前記複数のシンボルは、それぞれが特定の二次元コードの構成単位であるセルを一又は複数組み合わせた評価パターンであって、それぞれが該特定の二次元コードよりも大きさの小さい評価パターンから構成されており、
さらに各評価パターンは、セルのパターンを印字位置毎に異なるパターンで印字されてなることを特徴とする印字品質評価装置。
【請求項12】
印字対象物に印字された、印字条件の異なる複数のシンボルと、各シンボルの印字位置を特定するための特定パターンとを撮像した撮像画像に基づいて各シンボルの印字品質を評価するための印字品質評価装置であって、
印字対象物に印字された個々のシンボルを含む撮像画像であって、該シンボルの印字品質を評価可能な解像度にて、少なくとも前記特定パターンの一部が含まれるように撮像された撮像画像を取得するための画像取得手段と、
前記画像取得手段により得られた撮像画像中から、印字品質を評価可能なシンボルを抽出するためのシンボル抽出手段と、
前記シンボル抽出手段により抽出されたシンボルの印字品質を評価するための印字品質評価手段と、
前記画像取得手段により得られた撮像画像に含まれる前記特定パターンに基づいて、前記シンボル抽出手段により抽出されたシンボルの印字位置を認識するための印字位置認識手段と、
前記シンボル抽出手段により抽出されたシンボルに応じて、前記印字品質評価手段による印字品質の評価結果を出力するための評価出力手段と、
を備え、
前記特定パターンの印字位置がそれぞれ、前記特定パターンが付された前記シンボルを印字した印字条件と関連付けられており、
前記複数のシンボルは、それぞれが特定の二次元コードの構成単位であるセルを一又は複数組み合わせた評価パターンであって、それぞれが該特定の二次元コードよりも大きさの小さい評価パターンから構成されてなることを特徴とする印字品質評価装置。
【請求項13】
請求項12に記載の印字品質評価装置であって、
前記特定パターンの印字位置がそれぞれ、前記特定パターンが付された前記シンボルを印字した印字条件を構成する複数の印字パラメータのうち、印字条件を異ならせるために可変とした可変パラメータの情報と関連付けられていることを特徴とする印字品質評価装置。
【請求項14】
請求項11から13のいずれか一に記載の印字品質評価装置であって、
前記印字品質評価手段が、複数のセル間の印字品質評価を行うよう構成してなることを特徴とする印字品質評価装置。
【請求項15】
請求項14に記載の印字品質評価装置であって、
前記印字品質評価手段が、複数のセル間の印字品質評価として、セル間のコントラスト又は均一性の評価を含むことを特徴とする印字品質評価装置。
【請求項16】
請求項11から13のいずれか一に記載の印字品質評価装置であって、
前記印字品質評価手段が、単一セルの印字品質評価を行うよう構成してなることを特徴とする印字品質評価装置。
【請求項17】
請求項16に記載の印字品質評価装置であって、
前記印字品質評価手段が、単一セルの印字品質評価として、セルの形状の適否の評価を含むことを特徴とする印字品質評価装置。
【請求項18】
請求項11から17のいずれか一に記載の印字品質評価装置であって、さらに、
前記印字品質評価手段による印字品質の評価結果とともに、前記印字位置認識手段により認識されたシンボルの位置情報を表示可能な評価表示手段を備えることを特徴とする印字品質評価装置。
【請求項19】
請求項11から18のいずれか一に記載の印字品質評価装置であって、
前記画像取得手段が、印字対象物に印字された個々のシンボルを含む撮像画像を、該シンボルの印字品質を評価可能な解像度にて撮像するための撮像手段であり、
前記印字品質評価装置がさらに、
前記撮像手段の撮像パラメータを変化させながらシンボルを連続して撮像するように前記撮像手段を制御するための撮像制御手段を備えており、
前記印字品質評価手段は、シンボルの撮像パラメータの変化に対する読取安定度のスコアを算出し、
前記評価表示手段は、該スコアとともに識別情報を表示するよう構成してなることを特徴とする印字品質評価装置。
【請求項20】
請求項18又は19に記載の印字品質評価装置であって、さらに、
前記評価表示手段に表示された撮像画像上に、一又は複数のシンボルをユーザに選択させるための対象領域を指定する対象領域設定手段を備えることを特徴とする印字品質評価装置。
【請求項21】
印字対象物に対して、印字条件の異なる複数のシンボルをレーザマーキング装置で印字するための印字条件を設定するための印字条件設定プログラムであって、コンピュータに、
印字条件を構成する複数の印字パラメータのうち、印字条件を異ならせるための少なくとも一の印字パラメータを可変パラメータとし、その他を固定パラメータとして設定可能なパラメータ設定機能と、
前記パラメータ設定機能で設定された固定パラメータに固定値を代入しつつ、前記パラメータ設定機能で設定された可変パラメータに複数の異なるパラメータ値をそれぞれ代入することで、複数の異なる印字条件を生成するための印字条件生成機能と、
それぞれが特定のシンボルの構成単位であるセルを一又は複数組み合わせた評価パターンであって、それぞれが該特定のシンボルよりも大きさの小さい複数の評価パターンを印字データとして生成するための印字データ生成機能と、
前記印字データ生成機能にて生成された複数の評価パターンを、前記印字条件生成機能にて生成された複数の異なる印字条件に基づいて印字するよう、レーザマーキング装置に送出するための印字データ出力機能と、
を実現させることを特徴とする印字条件設定プログラム。
【請求項22】
印字対象物に印字された、印字条件の異なる複数のシンボルを撮像した撮像画像に基づいて各シンボルの印字品質を評価するための印字品質評価プログラムであって、コンピュータに、
印字対象物に印字された個々のシンボルを含む撮像画像であって、該シンボルの印字品質を評価可能な解像度にて撮像された撮像画像を取得するための画像取得機能と、
前記画像取得機能により得られた撮像画像中から、印字品質を評価可能なシンボルを抽出するためのシンボル抽出機能と、
前記シンボル抽出機能により抽出されたシンボルの印字品質を評価するための印字品質評価機能と、
前記シンボル抽出機能により抽出されたシンボルの印字位置を認識するための印字位置認識機能と、
前記シンボル抽出機能により抽出されたシンボルに応じて、前記印字品質評価機能による印字品質の評価結果を出力するための評価出力手段と、
を実現させ、
前記特定パターンの印字位置がそれぞれ、前記特定パターンが付された前記シンボルを印字した印字条件と関連付けられており、
前記複数のシンボルは、それぞれが特定の二次元コードの構成単位であるセルを一又は複数組み合わせたシンボルであって、それぞれが該特定の二次元コードよりも大きさの小さいシンボルから構成されており、
さらに各シンボルは、セルのパターンを印字位置毎に異なるパターンで印字されてなることを特徴とする加工品質表示プログラム。
【請求項23】
請求項21又は22に記載されるプログラムを格納したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図9】
image rotate

【図22】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図35】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate

【図52】
image rotate

【図53】
image rotate

【図54】
image rotate

【図55】
image rotate

【図56】
image rotate

【図57】
image rotate

【図58】
image rotate

【図59】
image rotate

【図60】
image rotate

【図61】
image rotate

【図62】
image rotate

【図63】
image rotate

【図64】
image rotate

【図67】
image rotate

【図71】
image rotate

【図72】
image rotate

【図73】
image rotate

【図74】
image rotate

【図75】
image rotate

【図76】
image rotate

【図77】
image rotate

【図78】
image rotate

【図8】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図23】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図65】
image rotate

【図66】
image rotate

【図68】
image rotate

【図69】
image rotate

【図70】
image rotate


【公開番号】特開2012−148309(P2012−148309A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−8799(P2011−8799)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】