説明

印字装置、商品販売システムおよび商品販売方法

【課題】販売店舗内における商品についてリアルタイムに購買意欲を向上させることができる印字装置、商品販売システムおよび商品販売方法を提供することである。
【解決手段】店舗内に第1商品および第2商品が陳列されている。商品販売システム100は、表示装置150、選択装置160および印字装置130を含む。表示装置150は、第1商品に対して関連する関連基準情報114に基づいて関連基準情報114および第2商品の情報の一覧を表示し、選択装置160により表示装置150に表示された第2商品の情報が選択される。印字装置150は、選択装置160により選択された第2商品の情報322を第1商品に貼着するラベル320に印字する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品に貼着するラベルの印字装置、当該ラベルを用いた商品販売システムおよび商品販売方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、商品のラベルに関して種々の印字装置が使用されている。例えば、特許文献1には、計量、値付け印字装置に関し印字したラベルを物品に貼付する際、該物品のラベル貼付面が傾斜をしている場合においてもより確実にラベル貼付ができる自動式ラベル貼付装置について開示されている。
【0003】
特許文献1記載の自動式ラベル貼付装置は、物品毎に設定されている設定条件に基づいて印字されたラベルを物品に貼付する装置において、上記印字されたラベルがラベル貼付装置のラベル貼付指定位置に到来したことを検知することによって、上記物品のラベル貼付面と上記ラベル貼付装置のラベル吸着保持面とがほぼ平行になり、上記物品の上記ラベル貼付面にほぼ垂直に上記ラベルを吹き付けて貼付することができるものである。
【0004】
また、特許文献2には、包材の表示スペースの有効利用をはかり、それぞれの広告対象商品の販売相乗効果を得る包材広告売買仲介サービス提供サーバについて開示されている。
【0005】
特許文献2記載の包材広告売買仲介サービス提供サーバは、クライアント端末装置とは通信ネットワークを介して接続された包材広告売買仲介サービス提供サーバであって、包装商品の内容が表示された包材の空き表示スペースに広告掲載を許可することが包材の媒体情報を含めてクライアント 端末装置を介して登録され、通信ネットワークを介して公開される包材媒体情報公開手段と、公開された包材媒体を閲覧した広告掲載を希望する側のクライアント端末装置を介して登録される広告商品情報を取り込む広告商品情報取込み手段と、登録された媒体情報および広告商品情報から、広告によって得られる相乗効果を評価し、広告掲載を許可する側と広告掲載を希望する側の包材広告売買を通信ネットワークおよびそれぞれのクライアント端末装置を介して仲介する適正評価手段と、を備えたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−218144号公報
【特許文献2】特開2003−108862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように、特許文献1記載の印字装置は、印字されたラベルを貼り付けることができ、特許文献2に記載の包材広告売買仲介サービス提供サーバは、包材に広告を貼り付けることができる。そして、当該両技術を用いた場合、商品の製造メーカと、広告掲載を希望するメーカ側とには、メリットが生じる。
【0008】
しかしながら、当該技術では、実際に商品を販売する販売店舗側にメリットが生じないため、販売店舗側は当該技術を使用する意識が低下する。その結果、特許文献2の技術は、使用されないため、有効な効果を持っていても、当該効果が奏されないので問題となっている。
【0009】
また、特許文献2記載の広告掲載の効果は、リアルタイムに働くか否かが判断できず、効果の予測が困難であるため、販売店舗側にとっては当該広告を貼り付けた包材の商品の仕入れ個数および在庫等の決定に迷いが生じ、問題となっている。
【0010】
本発明の目的は、販売店舗内における商品についてリアルタイムに購買意欲を向上させることができる印字装置、商品販売システムおよび商品販売方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)
一局面に従う印字装置は、少なくとも第1商品および第2商品を販売する店舗内において、当該商品に貼着するためのラベルを印字する印字装置であって、第1商品に対して関連する関連基準情報に基づいて、該関連基準情報および第2商品の情報の一覧を表示する表示部と、表示部に表示された第2商品の情報を選択する選択部と、選択部により選択された第2商品の情報を第1商品に貼着するラベルに印字する印字部とを含むものである。
【0012】
店舗内に第1商品および第2商品が陳列されている。当該印字装置は、表示部、選択部および印字部とを含む。表示部は、第1商品に対して関連する関連基準情報に基づいて関連基準情報および第2商品の情報の一覧を表示し、選択部により表示部に表示された第2商品の情報が選択される。印字部は、選択部により選択された第2商品の情報を第1商品に貼着するラベルに印字する。
【0013】
この場合、印字装置の選択部により表示部に関連基準情報に基づいて表示された第2商品の一覧から第2商品を選択し、第1商品のラベルに当該第2商品の情報を印字することができる。したがって、印字部により印字されたラベルを第1商品に貼着することにより、第1商品を購入した店舗の顧客に第2商品の情報を提供することができる。その結果、店舗内にある第2商品の購買意欲を向上させることができる。
また、第1商品を購入しようとした際に、ラベルに第2商品の情報が付されているので、リアルタイムに第2商品の購買意欲を向上させることができる。
【0014】
(2)
第1商品は、生鮮食品であり、関連基準情報は、第1商品を調理するレシピであってもよい。
【0015】
この場合、第1商品は、生鮮食品であるので消費期限が短く、特に第2商品の販売促進をリアルタイムに行うことができる。また、具体的に、顧客がレシピの料理を作る場合には、第2商品が必要であり、顧客にとって買い忘れ防止のメリットがあり、さらに店舗にとっても第2商品を販売することができるので、両者にメリットが生じる。
【0016】
(3)
関連基準情報は、第2商品の在庫情報および第2商品の広告料に関する広告料情報のうち少なくとも一方を含んでもよい。
【0017】
この場合、在庫情報および広告料情報の少なくとも一方に基づいて、第2商品を選択部により選択し、第1商品のラベルに第2商品の情報を印字することができる。その結果、店舗にとって在庫量の多い、または在庫情報に含まれる消費期限情報から消費期限の短い商品を効率よく販売することができる。さらに、店舗にとって予測よりも売買の少ない商品、または絶対的に売買の動きが少ない商品またはジャンル(シニスジの商品)を積極的に販売することができる。また、広告料の高い順に第2商品を選択することもできるので、店舗における広告料収入のメリットがある。さらに、在庫情報と兼用して使用することで、消費期限が短く、かつ広告料の高い第2商品を選択することができるので、店舗における販売効率が飛躍的に上がる。
【0018】
(4)
第1商品および第2商品の販売実績と関連基準情報とを記録する記録装置をさらに備えてもよい。
【0019】
この場合、記録装置に第1商品および第2商品の販売実績と関連基準情報とが記録されているので、店舗における販売状況、販売実情等に応じて、関連基準情報を選択し、当該選択された第2商品の情報を第1商品のラベルに付与することができる。なお、選択部による選択は、店舗の管理者が手動で選択してもよく、印字装置の中央演算処理部により自動的に選択してもよい。
【0020】
(5)
他の局面に従う商品販売システムは、少なくとも第1商品および第2商品を販売する店舗において使用される商品販売システムであって、店舗内における第1商品および第2商品の関連基準情報を記録した記録装置と、第1商品に対して、記録装置に記録された関連基準情報に基づいて、該関連基準情報および第2商品の情報の一覧を表示する表示装置と、表示装置に表示された第2商品の情報を選択する選択装置と、選択装置により選択された第2商品の情報を第1商品に貼着するラベルに印字するように指示を行う演算処理装置と、演算処理装置からの指示に基づいて第1商品に貼着するラベルを印字する印字装置とを含むものである。
【0021】
商品販売システムにおいては、印字装置、記録装置、表示装置、選択装置および演算処理装置が設けられる。記録装置に記録された関連基準情報が表示装置に表示される。そして、当該関連基準情報に基づいて、第1商品に対する第2商品の情報を、選択装置により選択し、当該選択された第2商品の情報を第1商品のラベルに印字するよう、演算処理装置から印字装置に指示を行う。
【0022】
この場合、商品販売システムの選択装置により表示装置に表示された第2商品の一覧から第2商品を選択し、第1商品のラベルに当該第2商品の情報を印字することができる。したがって、印字装置により印字されたラベルを第1商品に貼着することにより、第1商品を購入した店舗の顧客に第2商品の情報を提供することができる。その結果、店舗内にある第2商品の購買意欲を向上させることができる。
また、第1商品を購入しようとした際に、ラベルに第2商品の情報が付されているので、リアルタイムに第2商品の購買意欲を向上させることができる。
【0023】
(6)
第1商品は、生鮮食品であり、関連基準情報は、第1商品を調理するレシピであることが好ましい。
【0024】
この場合、第1商品は、生鮮食品であるので消費期限が短く、特に第2商品の販売促進をリアルタイムに行うことができる。また、具体的に、顧客がレシピの料理を作る場合には、第2商品が必要であり、顧客にとって買い忘れ防止のメリットがあり、さらに店舗にとっても第2商品を販売することができるので、両者にメリットが生じる。
【0025】
(7)
関連基準情報は、第2商品の在庫情報および第2商品の広告料に関する広告料情報のうち少なくとも一方を含んでもよい。
【0026】
この場合、在庫情報および広告料情報の少なくとも一方に基づいて、第2商品を選択装置により選択し、第1商品のラベルに第2商品の情報を印字することができる。その結果、店舗にとって在庫量の多い、または在庫情報に含まれる消費期限情報から消費期限の短い商品を効率よく販売することができる。さらに、店舗にとって予測よりも売買量の少ない商品、または絶対的に売買の動きが少ない商品またはジャンル(シニスジの商品)を積極的に販売することができる。また、広告料の高い順に第2商品を選択することもできるので、店舗における広告料収入のメリットがある。さらに、在庫情報と兼用して使用することで、消費期限が短く、かつ広告料の高い第2商品を選択することができるので、店舗における販売効率が飛躍的に上がる。なお、選択装置による選択は、店舗における販売状況、販売実情等に応じて、店舗の管理者が手動で選択してもよく、印字装置の中央演算処理部により自動的に選択してもよい。
【0027】
(8)
他の局面に従う商品販売方法は、少なくとも第1商品および第2商品を販売する店舗において、商品を販売する商品販売方法であって、第1商品および第2商品の関連基準情報を記録する記録ステップと、第1商品に対して、記録ステップにより記録された関連基準情報に基づいて、該関連基準情報および第2商品の情報の一覧を表示する表示ステップと、表示ステップに表示された第2商品の情報を選択する選択ステップと、選択ステップにより選択された第2商品の情報を第1商品のラベルに印字するように指示する指示ステップと、指示ステップにより指示された第2商品の情報を第1商品のラベルに印字する印字ステップと、を含むものである。
【0028】
商品販売方法においては、記録ステップに記録された関連基準情報が表示ステップにより表示される。そして、第1商品に対する第2商品の情報を、選択ステップにより選択し、当該選択された第2商品の情報を第1商品のラベルに印字するよう指示ステップにより指示され、印字ステップにおいて第2商品の情報が第1商品のラベルに印字される。
【0029】
この場合、第1商品に対する第2商品の情報の一覧から一の第2商品を選択することができ、第1商品のラベルに当該第2商品の情報を印字することができる。したがって、印字されたラベルを第1商品に貼着することにより、第1商品を購入した店舗の顧客に第2商品の情報を提供することができる。その結果、店舗内にある第2商品の購買意欲を向上させることができる。
また、第1商品を購入しようとした際に、ラベルに第2商品の情報が付されているので、リアルタイムに第2商品の購買意欲を向上させることができる。
【0030】
(9)
第1商品は、生鮮食品であり、記録ステップは、関連基準情報として第1商品を調理するレシピを記録することが好ましい。
【0031】
この場合、第1商品は、生鮮食品であるので消費期限が短く、特に第2商品の販売促進をリアルタイムに行うことができる。また、具体的に、顧客がレシピの料理を作る場合には、第2商品が必要であり、顧客にとって買い忘れ防止のメリットがあり、さらに店舗にとっても第2商品を販売することができるので、両者にメリットが生じる。
【0032】
(10)
記録ステップは、関連情報として第2商品の在庫情報および第2商品の広告料に関する広告料情報の少なくとも一方を記録してもよい。
【0033】
この場合、在庫情報および広告料情報の少なくとも一方に基づいて、第2商品を選択し、第1商品のラベルに第2商品の情報を印字することができる。その結果、店舗にとって在庫量の多い、または在庫情報に含まれる消費期限情報から消費期限の短い商品を効率よく販売することができる。さらに、店舗にとって予測よりも売買量の少ない商品、または絶対的に売買の動きが少ない商品またはジャンル(シニスジの商品)を積極的に販売することができる。また、広告料の高い順に第2商品を選択することができるので、店舗における広告料収入のメリットがある。さらに、在庫情報と兼用して使用することで、消費期限が短く、かつ広告料の高い第2商品を選択することができるので、店舗における販売効率が飛躍的に上がる。なお、選択ステップは、店舗における販売状況、販売実情等に応じて、店舗の管理者が手動で選択してもよく、印字装置の中央演算処理部により自動的に選択してもよい。
【発明の効果】
【0034】
本発明に係る印字装置、商品販売システムおよび商品販売方法によれば、販売店舗内における商品についてリアルタイムに購買意欲を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態に係る商品販売システムの概略を説明するための模式的外観図
【図2】図1の商品販売システムの内部構成の一例を示す模式的構造図
【図3】商品販売システムにおける表示装置の表示の一例を示す模式図
【図4】在庫個数または在庫消費期限を基礎とした関連基準情報の作成手順の一例を説明するための模式的説明図
【図5】広告料を基礎とした関連基準情報の作成手順の一例を説明するための模式的説明図
【図6】レシピを基礎とした関連基準情報の作成手順の一例を説明するための模式的説明図
【図7】印字装置により第1商品のラベルを印字した状態を説明するための説明図
【図8】印字装置により第1商品のラベルを印字した状態を説明するための説明図
【図9】図3および図6に示したレシピAに関するラベルについての説明図
【図10】印字装置の外観の一例を示す模式図
【図11】印字装置の内部構成の一例を示す模式図
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を用いて説明する。第1の実施の形態においては、商品販売システムおよび商品販売方法について本発明を適用した場合について具体例を挙げて説明を行い、第2の実施の形態においては、印字装置に本発明を適用した場合について具体例を挙げて説明する。
【0037】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る第1の実施の形態に係る商品販売システム100の周辺概略を説明するための模式的外観図であり、図2は、図1の商品販売システム100の内部構成の一例を示す模式的構造図であり、図3は、商品販売システム100における表示装置150の表示の一例を示す模式図である。
【0038】
図1に示すように、商品販売システム100は、インターネット900を介して外部端末910,920,930に接続される。ここで、商品販売システム100は、スーパーマーケット等の店舗において採用される商品管理や売上集計等の一連のデータ処理を行う店舗管理システムである。また、外部端末910,920,930は、それぞれ商品の製造メーカに配置される。本実施の形態においては、商品販売システム100および外部端末910,920,930の間で相互通信が可能である。
【0039】
また、図2に示すように、商品販売システム100は、店舗内に配備されたバックボーンLAN(イーサーネット)に接続されるストアコントローラ110、POSシステム120、印字装置130、インターフェイス140、表示装置150および選択装置160を含む。
【0040】
ストアコントローラ110は、店舗管理システム全体の中央制御装置の役割を有する。また、ストアコントローラ110は、ストアオートメーションサーバーとも呼ばれる。このストアコントローラ110内には、記録装置112が備えられる。記録装置112には、商品マスタ113が記録されており、当該商品マスタ113には、各商品の商品名および商品価格情報、各商品を表すコード(以下、JAN(Japanese Article Number)コードという。)等の商品情報が記録されている。また、記録装置112には、商品マスタ113に記録された商品情報に関する関連基準情報114が記録されている。当該関連基準情報114の詳細については後述する。
【0041】
一般に、ストアコントローラ110は、商品マスタ113に基づいて店舗内の商品の価格管理、在庫管理、発注入庫管理、売上管理等の店舗内の各業務に関する管理を行う。例えば、店舗がフランチャイズチェーン店等の場合には、フランチャイズチェーンの本部から商品マスタ113がインターフェイス140を介してストアコントローラ110に送信される。また、インターフェイス140は、外部と接続されており、ストアコントローラ110から図1に示した外部端末910,920,930との通信を行う。
【0042】
次に、POSシステム120は、主として、POSサーバ121と、POSターミナルである複数台の電子キャッシュレジスタ(以下、ECR(Electric Cash
Register)という。)122とから構成されている。また、POSサーバ121は、商品の実売価格情報、売上情報、商品の販売実績等を記録する記録装置(図示せず)を有する。
【0043】
次いで、印字装置130は、店舗内に陳列される商品に関するラベルを印字するラベルプリンタである。本実施の形態においては、商品の包装とともに、ラベルを貼り付ける印字装置を例に挙げて説明する。一般的に印字装置130は、包装印字装置とも呼ばれる。なお、印字装置130は、上記の印字装置に限らず、ハンディタイプの印字装置であってもよく、対面式で作業者が手でラベルを貼り付ける印字装置であってもよい。当該印字装置130の詳細については後述する。
【0044】
続いて、図2および図3に示すように、表示装置150は、ディスプレイを有する。また、選択装置160は、表示装置150と関連して動作し、例えば、マウス、キーボード等からなる。なお、表示装置150および選択装置160が一体として動作し得るタッチパネルディスプレイからなってもよい。
【0045】
図3に示すように、表示装置150においては、関連基準情報114が表示される。図3の関連基準情報114は、後述する在庫個数の降り順でソートを行った場合の表示の一例を示す。なお、図3で示す関連基準情報114は、後述する図4から図6に関する全ての処理を実施したものである。
【0046】
図3に示すように、表示装置150の上段に、第1商品、“国産もも肉”、在庫個数“500個”、消費期限“○月○日”が表示され、表示装置150の中段に、第2商品、第3商品、第4商品および第5商品として、商品名、在庫個数、期限、広告料およびレシピ等が表示される。
【0047】
さらに、表示装置150の下段に、中段のデータのソート条件、“在庫の個数”の上下スイッチ155U,155D、“在庫の期限” の上下スイッチ156U,156D、“広告料” の上下スイッチ157U,157D、“レシピ” の上下スイッチ158U,158D、“終了” のスイッチが表示される。
【0048】
この場合、店舗内の管理者または作業者が、選択装置150を用いて、関連基準情報114のうち少なくともいずれか1つを選択することができる。すなわち、店舗内の管理者または作業者は、選択装置160によりソートの各種上下スイッチを1個または複数を連続的に操作する。
そして、図3の関連基準情報114において表示された“第2商品”〜“第5商品”のいずれか1つを選択することにより、第1商品に対して選択された商品の情報がリンクされる。
【0049】
ここで、図3に示した関連基準情報114の作成手順について説明を行う。図4は、在庫個数または在庫消費期限を基礎とした関連基準情報114の作成手順の一例を説明するための模式的説明図である。
【0050】
まず、図4の上図に示すように、商品マスタ113には、各商品に対して在庫個数および在庫消費期限が記録されている。この場合、関連基準情報114として、商品マスタ113のデータを複写し、いずれの商品を基礎にするか決定する。図4においては、第1商品を基礎の商品として説明を行う。次に、図3に示した“在庫の個数”の下スイッチ155Dを操作する。
【0051】
その結果、図4の下図に示すように、関連基準情報114は、基礎となる第1商品が表示され、さらに、第1商品以外の第2商品から第5商品までについて、在庫個数の多いものから少ないものの順(降り順)でソートされる。
【0052】
そして、店舗内の管理者または作業者は、選択装置160を使用して、在庫個数の多いものから、または販売計画の優先させる商品でかつ在庫個数の多いものを選択し、第1商品と当該選択された商品の情報とをリンクさせる。
【0053】
また、同様に、在庫期限に基づいた場合には、図3に示した“在庫の期限”の上下スイッチ156U,156Dを操作することにより、第1商品以外の第2商品から第5商品までの各商品が昇り順または降り順でソートされる。
【0054】
そして、店舗内の管理者または作業者は、選択装置160を使用して、在庫期限の短いものから、または販売計画の優先させる商品(例えば、在庫量が多い商品など)でかつ在庫期限の短いものを選択し、第1商品と当該選択された商品の情報とをリンクさせる。
【0055】
次に、図5は、広告料を基礎とした関連基準情報114の作成手順の一例を説明するための模式的説明図である。
【0056】
まず、図5の上図に示すように、商品マスタ113には、各商品に対してJANコードが記載されている。このJANコードには、製造メーカにおける情報が含まれている。
【0057】
この場合、関連基準情報114として、商品マスタ113のデータを複写し、いずれの商品を基礎にするか決定する。図5においては、第1商品を基礎の商品として説明を行う。
【0058】
関連基準情報114の広告料には、JANコードに含まれる製造メーカ情報に基づいて、それぞれ各製造メーカ側の外部端末910,920,930からインターネット900を介して各製造メーカの商品に対する広告費用の額が提示され、当該提示された額が、関連基準情報114に組み込まれる。
【0059】
続いて、図3に示した“広告料”の下スイッチ157Dを操作する。その結果、図5の下図に示すように、関連基準情報114は、基礎となる第1商品が表示され、さらに、第1商品以外の第2商品から第5商品までについて、広告料の高いものから低いものの順(降り順)でソートされる。
【0060】
そして、店舗内の管理者または作業者が、選択装置160を使用して、広告料の高いものから、または販売計画の優先させる商品でかつ広告料の高いものを選択し、第1商品と当該選択された商品の情報とをリンクさせる。
【0061】
続いて、図6は、レシピを基礎とした関連基準情報114の作成手順の一例を説明するための模式的説明図である。
【0062】
まず、図6の上図に示すように、商品マスタ113には、各商品に対してJANコードが記載されている。このJANコードには、商品分類および商品名に関する情報が含まれている。
【0063】
関連基準情報114として、商品マスタ113のデータを複写し、いずれの商品を基礎にするか決定する。図6においては、第1商品を基礎の商品として説明を行う。
【0064】
そして、店舗内の管理者または作業者が、選択装置160を用いて、関連基準情報114のJANコードの商品分類および商品名に関する情報に基づいて、第1商品に関するレシピをレシピデータ群から選択する。図6に示すように、“第1商品用レシピA”を選択した場合は、第2商品、第3商品および第8商品等が記載されている。
【0065】
そこで、第1商品に対して、第2商品、第3商品、第8商品のいずれか1つの商品の情報をリンク付けする。また、レシピデータ群から1個のレシピだけを選択するのではなく、複数のレシピに優先順位を付けて、さらに複数の商品の優先順位を選択してもよい。
【0066】
続いて、図7および図8は、印字装置130により第1商品のラベルを印字した状態を説明するための説明図である。図7は商品の包装を行うとともにラベルを印字し、当該印字されたラベルを貼着する印字装置を示し、図8は当該ラベルの具体例を説明するための説明図である。
【0067】
図7に示すように、トレーに載置された第1商品を印字装置130の商品投入口133aに載置する。印字装置130は、内蔵された電子秤装置を用いて第1商品の重量を測定する。すなわち、ストアコントローラ110から与えられた商品マスタ113に基づいて、重量当りの単価が規定されているので、重量値に基づいて、第1商品の価格が決定される。そして、ストアコントローラ110は、印字装置130に第1商品の包装指示を行うとともに、印字装置130に対してラベル320を印字するように指示する。ここで、ストアコントローラ110は、ラベル320に、第1商品の情報および上記で第1商品とリンクされた第2商品の情報を印字するように指示する。
その結果、図8に示すラベル320には、第1商品の情報321および第2商品の情報322が印字され、当該ラベルが第1商品310に貼着され、商品取り出し口133bに包装された商品が排出される。
【0068】
次に、図8に示したラベル320に対する効果について説明を行う。図9は、図3および図6に示したレシピAに関するラベルについての説明図である。
【0069】
図9に示すように、ラベル320には、第2商品の情報322がQRコードで印字されている。この場合、購入者は、携帯電話SBに搭載されているカメラでQRコードを読取り、画面HY1を得ることができる。画面HY1には、第1商品に対する調理用のレシピが表示される。購入者は、“もも肉のソテー”を選択した場合、画面HY2が表示される。
【0070】
画面HY2には、もも肉のソテーの材料が表示されており、第1商品の情報321と関連付けられた第2商品の情報322が表示される。ここで、第2商品が“ブラックペッパー”の場合、第2商品の情報322は、例えば、“今買えば、ブラックペッパー50円引き”と表示される。それにより、購入者は、第2商品の購買意欲を刺激される。
【0071】
(第2の実施の形態)
以下、第2の実施の形態として、印字装置に本発明を適用した場合について具体例を挙げて説明を行う。以下の説明においては、第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点について主に説明を行う。
【0072】
第2の実施の形態においては、第1の実施の形態において説明した、商品販売システムの内部構成において、ストアコントローラ110が実施していた機能を印字装置300に持たせたものである。
【0073】
図10は、印字装置の外観の一例を示す模式図であり、図11は、印字装置の内部構成の一例を示す模式図である。
【0074】
図10および図11に示すように、印字装置300は、中央演算処理装置(以下、CPUと呼ぶ)301、基本プログラムを記憶するRead−Only Memory(以下ROMと呼ぶ)302、演算処理の作業領域であるRandom Access Memory(以下、RAMと呼ぶ)303、プログラムや各種のデータファイルなどを記憶する記憶処理部304、ディスプレイ(タッチパネル)からなる表示部305、キーボード等で構成される入力部306、商品に対してラッピング等の包装処理を行う包装装置307、商品の商品情報をラベルまたはシール等に印字する印字装置308、インターフェィス(以下、I/Fと呼ぶ。)320およびデータ通信機能を有する外部通信330からなる。
【0075】
図11に示すCPU301は、ROM302、RAM303、記憶処理部304、表示部305、入力部306、包装装置307、印字装置308、I/F320および外部通信330と接続されており、CPU301により、ROM302、RAM303、記憶処理部304、表示部305、入力部306、包装装置307、印字装置308、I/F320および外部通信330の個々が制御される。
【0076】
また、図11に示すように、記憶処理部304には、商品マスタ350、関連基準情報351等が記録される。関連基準情報351は、第1の実施の形態と同様に、在庫個数、在庫期限、広告料およびレシピ等の情報と商品マスタ350の情報とをリンクさせ、第1商品に対して、第2商品の情報をリンクさせたものである。なお、これらの商品マスタ350および関連基準情報351は、印字装置300の電源入り時に、ストアコントローラ200(図2参照)から外部通信330およびI/F320を介して記憶処理部304に記憶されてもよい。
【0077】
また、図11に示した印字装置300には、第1の実施の形態で示した図3の表示装置150と同等の表示が、表示部305に表示される。その他の処理については、第1の実施の形態と同様である。
【0078】
以上のように、第1および第2の実施の形態に係る商品販売システム100および印字装置300については、関連基準情報114に基づいて表示された第2商品の一覧から第2商品を選択し、第1商品のラベル320に当該第2商品の情報を印字することができる。したがって、印字されたラベル320を第1商品に貼着することにより、第1商品を購入した店舗の顧客に第2商品の情報を提供することができる。その結果、店舗内にある第2商品の購買意欲を向上させることができる。
【0079】
また、第1商品を購入しようとした際に、ラベル320に第2商品の情報322が付されているので、顧客にアルタイムで第2商品の購買意欲を向上させることができる。さらに、第1商品が、生鮮食品である場合には、生鮮食品は、消費期限が短いため、特に第2商品の販売促進をリアルタイムに行うことができる。
【0080】
また、具体的に、顧客がレシピの料理を作る場合には、第2商品が必要であり、顧客にとって買い忘れ防止のメリットがあり、さらに店舗にとっても第2商品を販売することができるので、両者にメリットが生じる。
【0081】
また、在庫情報および広告料情報の少なくとも一方に基づいて、第2商品を選択し、第1商品のラベル320に第2商品の情報322(QRコード)を印字することができる。その結果、店舗にとって在庫量の多い、または在庫情報に含まれる消費期限情報から消費期限の短い商品を効率よく販売することができる。さらに、店舗にとって予測よりも売買の少ない商品、または絶対的に売買の動きが少ない商品またはジャンル(シニスジの商品)を第2商品として顧客に提供することで、積極的に当該第2商品を販売することができる。また、広告料の高い順に第2商品を選択することもできるので、店舗における広告料収入のメリットがある。さらに、在庫情報と兼用して使用することで、消費期限が短く、かつ広告料の高い第2商品を選択することができるので、店舗における販売効率が飛躍的に上がる。
【0082】
また、第1商品および第2商品の販売実績および関連基準情報114が記録されるので、店舗における販売状況、販売実情等に応じて、関連基準情報114を選択し、当該選択された第2商品の情報を第1商品のラベル320に付与することができる。
【0083】
なお、本実施の形態においては、JANコードを記録する場合について説明を行ったが、これに限定されず、インストアコード、EANコード(イアンコード、European
Article Number)、UPCコード(Universal Product Code)、WPコード(World
Product Code)、新型バーコードであるGS1データバー等、任意のコードを用いてもよい。
【0084】
また、本実施の形態においては、第2商品の情報をQRコード322で説明したが、これに限定されず、バーコード、インターネットアドレス表示など、任意の情報であってもよい。
【0085】
また、POSシステム120は、POSサーバ121を有することとしたが、これに限定されず、POSサーバ121の機能をストアコントローラ110に持たせてPOSサーバ121の設置を省略してもよい。
【0086】
本実施の形態においては、ラベル320が、ラベルに相当し、印字装置130、印字部308が印字装置に相当し、関連基準情報114が関連基準情報に相当し、表示部150、表示部305が表示部、表示装置に相当し、選択部160、入力部306が選択部、選択装置に相当する。
【0087】
本発明の好ましい実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれらだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0088】
100 商品販売システム
110 ストアコントローラ
112 記録装置
113 商品マスタ
114 関連基準情報
120 POSシステム
121 POSサーバ
122 電子キャッシュレジスタ
130 印字装置
133a 商品投入口
133b 商品取り出し口
140 インターフェイス
150 表示装置
160 選択装置
200 ストアコントローラ
300 印字装置
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 記憶処理部
305 表示部
306 入力部
307 包装装置
308 印字装置
320 ラベル
321 第1商品の情報
322 第2商品の情報(QRコード)
900 インターネット
910,920,930 外部端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1商品および第2商品を販売する店舗内において、当該商品に貼着するためのラベルを印字する印字装置であって、
前記第1商品に対して関連する関連基準情報に基づいて、該関連基準情報および前記第2商品の情報の一覧を表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記第2商品の情報を選択する選択部と、
前記選択部により選択された前記第2商品の情報を前記第1商品に貼着するラベルに印字する印字部とを含むことを特徴とする印字装置。
【請求項2】
前記第1商品は、生鮮食品であり、
前記関連基準情報は、第1商品を調理するレシピであることを特徴とする請求項1記載の印字装置。
【請求項3】
前記関連基準情報は、前記第2商品の在庫情報および前記第2商品の広告料に関する広告料情報のうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の請求項1記載の印字装置。
【請求項4】
前記第1商品および前記第2商品の販売実績および前記関連基準情報を記録する記録装置をさらに備えた請求項1から3のいずれか1項に記載の印字装置。
【請求項5】
少なくとも第1商品および第2商品を販売する店舗において使用される商品販売システムであって、
前記店舗内における前記第1商品および前記第2商品の関連基準情報を記録した記録装置と、
前記第1商品に対して、前記記録装置に記録された関連基準情報に基づいて、該関連基準情報および前記第2商品の情報の一覧を表示する表示装置と、
前記表示装置に表示された前記第2商品の情報を選択する選択装置と、
前記選択装置により選択された前記第2商品の情報を前記第1商品に貼着するラベルに印字するように指示を行う演算処理装置と、
前記演算処理装置からの指示に基づいて前記第1商品に貼着するラベルを印字する印字装置と、を含むことを特徴とする商品販売システム。
【請求項6】
前記第1商品は、生鮮食品であり、
前記関連基準情報は、第1商品を調理するレシピであることを特徴とする請求項5記載の商品販売システム。
【請求項7】
前記関連基準情報は、前記第2商品の在庫情報および前記第2商品の広告料に関する広告料情報のうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項5または6に記載の商品販売システム。
【請求項8】
少なくとも第1商品および第2商品を販売する店舗において、商品を販売する商品販売方法であって、
前記第1商品および前記第2商品の関連基準情報を記録する記録ステップと、
前記第1商品に対して、前記記録ステップにより記録された前記関連基準情報に基づいて、該関連基準情報および前記第2商品の情報の一覧を表示する表示ステップと、
前記表示ステップにより表示された前記第2商品の情報を選択する選択ステップと、
前記選択ステップにより選択された前記第2商品の情報を前記第1商品のラベルに印字するように指示する指示ステップと、
前記指示ステップにより指示された第2商品の情報を前記第1商品のラベルに印字する印字ステップと、を含む商品販売方法。
【請求項9】
前記第1商品は、生鮮食品であり、
前記記録ステップは、前記関連基準情報として第1商品を調理するレシピを記録することを特徴とする請求項8記載の商品販売方法。
【請求項10】
前記記録ステップは、関連基準情報として前記第2商品の在庫情報および前記第2商品の広告料に関する広告料情報の少なくとも一方を記録することを特徴とする請求項8または9に記載の商品販売方法。

【図2】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−178081(P2011−178081A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45896(P2010−45896)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】