説明

印字装置

【課題】カセット1を非正規または正規の姿勢でカセット収納部31にセットした場合に正確に検知できるようにする。
【解決手段】開閉回動可能な蓋体127の裏面に第1押圧体151、第2押圧体152、第3押圧体153が固定されて下向き突設されている。蓋体127がカセット収納部131の上方を覆った際に、第1押圧体151はカセット収納部131にセットされたカセット1における第1被検出部13の上面を下向きに押圧できる位置に配置され、第2押圧体152は同じく第2被検出部15の上面を下向きに押圧できる位置に配置されている。同様な状態において、第3押圧体153は、カセット1における第3被検出部115の上面を下向きに押圧できる位置に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カセット収納部に収納されたカセットが正規の位置にセットされたか否かを判別できるようにしたカセット収納検出装置等を備えた印字装置の構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の印字装置は、例えば、特許文献1、2、3等に開示されているように、被印字媒体である印字用テープ(フィルムテープ)とインクリボンとをそれぞれ巻回した状態で収納したカセットを収納できる上向き開放状のカセット収納部を備えている。他方、カセットには、その一側角部に被検出部としてのセンサ孔を複数下向きに開口するようにして設けて、カセットの種類を検知できるようにしている。即ち、この複数のセンサ孔は、カセットに収納される印字用テープの幅寸法、種類(正像印字するレセプタタイプと、鏡像印字するラミネートタイプ等)、インクリボンの色等の組み合わせに応じて所定のパターン位置に設けられる。前記カセット収納部には前記センサ孔に対応して、検知部としてのON・OFFスイッチ群が上向き突出するように設けられており、センサ孔にスイッチの先端が嵌まるとき、OFF信号となり、センサ孔が無いことによりスイッチの先端がカセットにて押されるとON信号となる。このON・OFF信号の組み合わせにてカセットの種類が判別できるものであった。
【0003】
他方、特許文献4では、平面視矩形状のカセットの三隅にカセットの側面から突出する鰭状の位置合わせ部が形成されている。そして、カセット収納部を覆うケース蓋の回動中心に近い側に位置する1つの位置合わせ部はカセット収納部の載置部に設けられかカセット有無検出スイッチに当接することで、カセット収納部にカセットが収納されたか否かを判別する。ケース蓋の回動中心から遠い側の2つの位置合わせ部は他の載置部に載ることで、装着位置、特に上下方向の位置を規定するように構成されている。さらに、ケース蓋の裏面には、カセットの広幅面を押圧するための板バネが設けられている。
【特許文献1】特開平7−68814号公報
【特許文献2】特開平7−314866号公報
【特許文献3】特開平8−118738号公報等
【特許文献4】特開平6−127094号公報等
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のカセットにおける被検出部は、当該カセットの一側角部のみに設けられていたため、そのカセットをカセット収納部にセット(挿入)したとき、カセットのセット姿勢が左右あるいは上下の斜め方向にずれていても、前記被検出部がたまたま検知部の位置に合致しておれば、カセットのセット完了信号が出てしまう。この状態で印字用テープに印字を行なうと、印字位置が正規の位置からずれたり、インクリボンや印字用テープの搬送がずれたりし、ひどい場合にはこれらが破損、切断するという不都合があった。
【0005】
本発明は、従来の前記不都合を解消するためになされたものであって、カセット収納部において、カセットが正規の位置及び姿勢でセットされているか否かを容易に且つ正確に判別できるようにした印字装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の印字装置は、被印字媒体を収納した
カセットと、前記カセットを収納するカセット収納部と、前記カセット収納部に収納された前記カセットの被印字媒体に印字を行なう印字部と、前記カセット収納部の底面に対向して設けられ、前記カセット収納部を覆う位置と、前記カセット収納部を開放する位置との間で開閉回動する蓋体と、前記蓋体の裏面側に設けられ、前記カセットを前記カセット収納部の底面に向かって押えるための3つの押圧体とを備えた印字装置であって、前記蓋体は、その基端側を前記印字装置のケースに回動可能に装着され、前記3つの押圧体のうち、2つの押圧体は、前記蓋体の回動中心に対して遠近方向にずらした位置に配置され、前記3つの押圧体のうち、2つの押圧体は、前記回動中心の軸線方向にずらした位置に配置されているものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の印字装置において、前記カセットには、前記カセット収納部に収納された状態で、前記カセットに収納された前記被印字媒体の幅寸法の大小に拘わらず、前記被印字媒体の幅方向において同一の高さ部位となる位置に形成される被検出部が互いに間隔をおいて3箇所に形成され、前記3つの押圧体は、前記各被検出部を押圧するように配置されているものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載に印字装置において、前記3つの押圧体のうち、少なくとも1つの押圧体は、弾力付勢により前記1つの被検出部を押圧するように配置され、前記3つの押圧体のうち、残りの押圧体は前記蓋体に固定されて、前記残りの被検出部を押圧するように配置されているものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の印字装置において、前記3つの押圧体は全て前記蓋体に固定されて、前記各被検出部を押圧するように配置されているものである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の印字装置において、前記カセットは、前記広幅面と直交する方向の投影形状が実質上矩形状であり、前記カセットにおける前記蓋体の回動中心から離間した側に配置された前記被検出部を前記弾性付勢される1つの押圧体にて押圧するものである。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の印字装置において、前記カセットは、前記広幅面と直交する方向の投影形状が実質上矩形状であり、前記被検出部は、前記カセットにおける4つ隅部のうちの3箇所に形成されているものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明の印字装置では、被印字媒体を収納したカセットと、前記カセットを収納するカセット収納部と、前記カセット収納部に収納された前記カセットの被印字媒体に印字を行なう印字部と、前記カセット収納部の底面に対向して設けられ、前記カセット収納部を覆う位置と、前記カセット収納部を開放する位置との間で開閉回動する蓋体と、前記蓋体の裏面側に設けられ、前記カセットを前記カセット収納部の底面に向かって押えるための3つの押圧体とを備えた印字装置であって、前記蓋体は、その基端側を前記印字装置のケースに回動可能に装着され、前記3つの押圧体のうち、2つの押圧体は、前記蓋体の回動中心に対して遠近方向にずらした位置に配置され、前記3つの押圧体のうち、2つの押圧体は、前記回動中心の軸線方向にずらした位置に配置されているものである。
【0013】
前記蓋体が印字装置のケースに対して開閉回動することによって、前記カセット収納部を覆う位置と開放する位置との間で移動するようにしたものであるので、使用者は、前記ケース側のカセット収納部にカセットを収納した後、ケースに対して開閉回動される蓋体を閉じたとき、その閉じ具合を観察するのみで、至極簡単にカセットのセット状態が正規であるか非正規であるかが判断でき、誤ったセット状態のまま印字動作をすることを防止
することができるという効果を奏する。
【0014】
また、従来のように、一箇所の検知手段のみでカセットを検知する場合、セットされたカセットの姿勢が傾く等不正確な状態であると、誤った検知をしてしまう場合があるが、本発明においては、カセットをカセット収納部の底面に向かって押えるための3つの押圧体が蓋体の裏面側に設けられ、且つ前記3つの押圧体のうち、2つの押圧体は、前記蓋体の回動中心に対して遠近方向にずらした位置に配置され、前記3つの押圧体のうち、2つの押圧体は、前記蓋体の回動中心の軸線方向にずらした位置に配置されているものであるので、前記3つの押圧体は、互いに離れた3か箇所、つまりカセットの平面視内の領域において三角形の各頂点部分を押圧することになるから、前記蓋体でカセット収納部覆うように閉止すると、前記3つの押圧体にてカセット安定して押えることができ、カセット収納部において、カセットが正規の位置及び姿勢でセットされているか否かを容易に且つ正確に判別できるという効果を奏する。
【0015】
さらに、3つうちの2つの被検出部が、前記カセット収納部に収納されたカセットのうち、前記蓋体の回動中心に近い側に形成されているようにしたものであるので、作業者は、カセットを収納するときに、カセットの前記2つの被検出部の向きを確認するだけで、誤った向きにカセットがセットされることを防止し得る。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、前記カセットには、前記カセット収納部に収納された状態で、前記カセットに収納された前記被印字媒体の幅寸法の大小に拘わらず、前記被印字媒体の幅方向において同一の高さ部位となる位置に形成される被検出部が互いに間隔をおいて3箇所に形成され、前記3つの押圧体は、前記各被検出部を押圧するように配置されているものである。
【0017】
従って、被印字媒体の幅寸法の異なるカセットを取り替えてカセット収納部にセットしたときにも、蓋体に設けられた前記3つの押圧体の高さを変更することなく、収納状態を正確に検出できるという効果を奏する。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、前記3つの押圧体のうち、少なくとも1つの押圧体は、弾力付勢により前記1つの被検出部を押圧するように配置され、前記3つの押圧体のうち、残りの押圧体は前記蓋体に固定されて、前記残りの被検出部を押圧するように配置されているものである。
【0019】
従って、前記蓋体でカセット収納部内のカセットの上面を覆ったとき、弾力付勢により前記1つの被検出部を押圧するので、使用者は蓋体の閉じ具合を観察するのみで、至極簡単にカセットのセット状態が正規であるか非正規であるかが判断でき、誤ったセット状態のまま印字動作をすることを防止することができるという効果を奏する。
【0020】
そして、弾力付勢された1つの被検出部だけで、カセットの1つの被検出部を押圧すると、カセットの他の個所が浮き上がる不具合があるが、本発明のように、蓋体に固定された残りの2つの押圧体でカセットの他の個所を押えることで、これらの3箇所の押圧たい協働作用にて確実に且つ正確な姿勢でカセットをカセット収納部にセットできる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、前記3つの押圧体は全て前記蓋体に固定されて、前記各被検出部を押圧するように配置されているものである。
【0022】
このように、3つの押圧体が全て前記蓋体に固定されていると、押圧体及び蓋体の製造及び構造が簡単になるという効果を奏する。また、3つの押圧体が前記蓋体における前記カセット収納部を覆う面に固定されているようにしたものであるので、蓋体のカセット収
納部を覆う面に固定された押圧体が、例えばカセットをカセットの収納面へ向かって弾性部材により付勢するために可動状態で支持されている押さえ板等の部材を介することなく直接カセットの被検出部を押圧するものであるから、より正確にカセットのセット状態が正規であるか非正規であるかが判断でき、誤ったセット状態のまま印字動作をすることを防止することができるという効果を奏する。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、前記カセットは、前記広幅面と直交する方向の投影形状が実質上矩形状であり、前記カセットにおける前記蓋体の回動中心から離間した側に配置された前記被検出部を前記弾性付勢される1つの押圧体にて押圧するものである。このように構成すると、請求項3の発明の効果に加えて、蓋体の回動中心から遠い側(離間した側)の被検出部に対して固定された押圧体で押圧するよりも、弾性付勢される1つの押圧体にて押圧するほうが押圧力のバラツキ(誤差)が生じにくくなる。換言すると、弾性付勢される押圧体にて被検出部を押圧するときの誤差を効果的に吸収できるという効果を奏する。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、前記カセットは、前記広幅面と直交する方向の投影形状が実質上矩形状であり、前記被検出部は、前記カセットにおける4つ隅部のうちの3箇所に形成されているものである。従って、被検出部同士の配置間隔を大きく設定できるので、カセットを正規の姿勢または非正規の姿勢でカセット収納部にセットしたか否かを直ちに、且つ正確に検知できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、本発明を具体化した第一の実施形態について、図1乃至図14を参照して説明する。図1はカセット1の斜視図、図2はカセット1の平面図及び下面図、図3はカセット1の上ケース2を除いた状態の平面図、図4は参考例としての印字テープ作成装置25であり、カセット収納部31にカセット1をセットしていない状態の蓋体開き位置の斜視図、図5はカセット収納部31にカセット1をセットしていない状態の本体ケース26の平面図、図6はカセット1をカセット収納部31にセットした状態の蓋体開き位置の印字テープ作成装置25の斜視図、図7は第1被検出部13及び検知部の側断面図、図8はカセット収納部31に12mm幅のフィルムテープを収納したカセット1を正規の姿勢でセットした状態の要部右側断面図、図9はカセット収納部31に12mm幅のフィルムテープを収納したカセット1を正規の姿勢でセットした状態の要部左側断面図、図10はカセット収納部31に24mm幅のフィルムテープを収納したカセット1を正規の姿勢でセットした状態の要部右側断面図、図11はカセット収納部31に24mm幅のフィルムテープを収納したカセット1を正規の姿勢でセットした状態の要部左側断面図、図12はカセット収納部31に24mm幅のフィルムテープを収納したカセット1を非正規の姿勢でセットした状態の要部左側断面図、図13は蓋体27の内側を示す平面図、図14はカセット収納部31にカセット1をセットした状態の本体ケースの平面図である。
【0026】
先ず、カセット1の概略構成について図1〜図3に基づき説明する。図1に示すように、カセット1は上ケース2と下ケース3とを有する。カセット1には、後述するテープ状の被印字媒体としてのフィルムテープ17を巻回したテープスプール18を回転可能に支持するための支持孔4、後述するサ−マルヘッド44によりフィルムテープ17上に文字等を印字する際にリボンスプール20からインクリボン19を引き出すとともに巻取るリボン巻取スプール21を支持するための支持孔5、後述する両面粘着テープ22の離形紙を外側に向けて巻回したテープスプール23を回動可能に支持するための支持孔6が形成されている。尚、下ケース3についても同様に上ケース2の各支持孔4、5、6に対向して支持孔4、5、6が形成されている。
【0027】
また、カセット1の前側(アーム部8の存在する側をいう、以下同じ)には、テープス
プール18から引き出されたフィルムテープ17、及び、リボンスプール20から引き出されたインクリボン19を案内し、開口8Aから送出するガイド部を構成するアーム部8(詳細な構成については後述する)が設けられており、かかるアーム部8の後方にはテープ印字装置のサーマルヘッド44(後述する)が、カセット1のセットに際して嵌まる、ヘッド装着部9が設けられている。更に、ヘッド装着部9においてアーム部8と対向する壁部9Aにはカセット1の後方に向かって入り込んだ第1嵌合部10が形成され、また、ヘッド装着部9の左側側壁には第1嵌合部10と直交する方向(壁部9Aに沿った方向)に入り込んだ第2嵌合部11が形成されている。これらの各第1嵌合部10、第2嵌合部11は、後述するように、サーマルヘッド44を支持するヘッドホルダ45に形成された2つの各突起部(図示せず)に嵌合されて、ヘッド装着部9に対するヘッドホルダ45の装着を各インクリボン19、フィルムテープ17に干渉することなく確実に行うためのものである。
【0028】
更に、各インクリボン19、フィルムテープ17の走行方向に関し、ヘッド装着部9の下流側において、テープ送りローラ12が支持孔に回動可能に支持されており、かかるテープ送りローラ12は、それに対向する側からテープ送りローラ12に圧接されるサブローラ(図示略)との協働により、テープスプール18からフィルムテープ17、及び、テープスプール23から両面粘着テープ22を引き出すとともに、サーマルヘッド44によりインクリボン19を介して文字等が印字されたフィルムテープ17と両面粘着テープ22とを、相互に接着するものである。
【0029】
また、テ−プ送りローラ12の近傍位置には上下一対の規制部材14、14が設けられており、これらの各規制部材14、14は、サーマルヘッド44の下流側にて文字等が印字されたフィルムテープ17を幅方向に規制案内するものであり、フィルムテープ17と両面粘着テープ22との間に位置ずれを生じることなく適正に接着するためのものである。
【0030】
カセット1の後側の左右両側縁部には、第2被検出部15と第1被検出部13とがカセット1の厚さ方向の略中途位置に鰭状に突出されて設けられる。カセット1の右後縁位置における第1被検出部13には、カセット1の種類(例えば、各フィルムテープ17の幅、インクリボン19に塗布されたインクの色等によりカセット1の種類が特定される)を検出するために、所定のパターンをもって複数個のスイッチ孔13Aが上下方向に穿設されている。スイッチ孔13Aの形成パターンは、各カセット1の種類に従って異なるパターンとされており、各スイッチ孔13Aにより形成されるパターンは、印字テ−プ作成装置25側のカセット収納部31に配設された検知部40から突出する複数個の検出スイッチ32(図7参照)のオン、オフの組合せに基づいて検出されるものである。また、第1被検出部13には、後述の位置決めピン36が嵌まるピン孔38が形成されている。
【0031】
次に、印字テ−プ作成装置25の構成について図4〜図10を参照しながら説明する。図8乃至図10の示すように、印字テ−プ作成装置25における本体ケース26の後端に取付けられる軸28を中心にして、蓋体27の後端が上下回動して開閉可能に装着されている。本体ケース26の上面前側には印字データや印字指令を入力するためのキータッチパネル29が設けられている。本体ケース26の後側には上面開放状のカセット収納部31が形成されている。該カセット収納部31には、金属製の底フレーム30から、前記ヘッドホルダ45、係合リブ付きのテープ駆動軸33、係合リブ付きのリボン巻取軸34が立設されており、カセット1をカセット収納部31にセットしたとき、テープ送りローラ12の内径部にテープ駆動軸33が嵌まり、リボン巻取スプール21の内径部にリボン巻取軸34が嵌まる。そして、テープ駆動軸33及びリボン巻取軸34が図示しない駆動モータ及び伝動ギヤ群を介して回転させられる。
【0032】
前記カセット収納部31には、フィルムテープ17の幅寸法が異なるカセット1を適宜セットできるように構成されている。この場合、カセット1に収納するフィルムテープ17(対応するインクリボン19)の幅寸法が異なると、当該カセット1の上ケース2から下ケース3までのカセット厚さ寸法H1は必然的に相違するが、このカセット厚さ寸法H1に拘らず、前記第1被検出部13と第2被検出部15とカセット1の右側前部の鰭状の突起部16(図1及び図2(a)参照)との各厚さ寸法H2は同一となるように形成する。例えば、図8及び図9に示す12mm幅のフィルムテープ17を収納したカセット1のカセット寸法H1は、図10〜図12に示す24mm幅のフィルムテープ17を収納したカセット1のカセット寸法H1とは異なるが、それぞれのカセット1の前記第1被検出部13と第2被検出部15と鰭状の前記突起部16の前記厚さ寸法H2はどれも同じ厚さである。
【0033】
他方、図4、図5、図9〜図12に示すように、前記底フレーム30から上向きに立設した2本の位置決めピン35、36は、前記カセット1に凹み形成されたピン孔37,38に嵌まって、且つ、位置決めピン35,36の先端面がピン孔37,38の底面に当接してカセット1がカセット収納部31内で適正な位置にセットできるようにするものである。
【0034】
さらに、カセット収納部31の右後側の前記検出スイッチ32が配置された検知部40は、カセット1における前記第1被検出部13の下面と対向し、他方、カセット収納部31の左後側に立設した支持ピン41は第2被検出部15の下面に当接し、カセット収納部31の右前側から立設した支持ピン42はカセット1における前記突起部16の下面に当接するように構成されている(図9〜図11参照)。
【0035】
したがって、支持部としての前記位置決めピン35、36、支持ピン41,42の高さ寸法を所定の値に設定することにより、各カセット1はそのカセット厚さ寸法の大小に拘らず、略水平状に支持され、且つ収納されるフィルムテープ17の幅方向の中心高さ位置が同じになるように設定されている。
【0036】
次に、前記カセット収納部31にカセット1が適正な姿勢でセットされたか否かを検知できるカセット収納検出装置の構成について説明する。図4、図8乃至図14に示す参考例では、前記カセット収納部31の上方を開閉可能に覆うための蓋体27の内面には、前記回動中心である軸28に近い側の左右に、一対の押圧体、すなわち、第1押圧体51と第2押圧体52とが下向きに突設されている。この場合、合成樹脂製の蓋体27に対して前記両押圧体51,52は一体的に形成することができる。また、第1押圧体51は前記カセット収納部31にセットされたカセット1における第1被検出部13の上面を下向きに押圧できる位置に配置され、第2押圧体52は同じく第2被検出部15の上面を下向きに押圧できる位置に配置されている。本参考例では、第1押圧体51及び第2押圧体52の断面は、補強リブを伴った平板状であって下端面に偏平な押圧部55を有する。
【0037】
なお、第1押圧体51と第2押圧体52は、その下向き長さが長いことと、前記蓋体27の回動中心に近い側に設けられていることから、蓋体27を大きく開いたとき本体ケース26の奥壁26aに干渉しないように、当該奥壁26aには、蓋体27の回動につれて第1押圧体51及び第2押圧体52が通過し得る切欠き部53,54が形成されている(図5及び図6参照)。この構成により、例えば、幅寸法12mmフィルムテープ17が収納されたカセット1をカセット収納部31に正規の姿勢及び位置にセットする。正規の位置とは、カセット1の位置決めのためのピン孔37、38にそれぞれ位置決めピン35、36が平行状に挿入され、且つ位置決めピン35,36の先端面がピン孔37,38の底面に当接した位置であり、セットされたカセット1は水平状(支持部としての前記支持ピン41,42の先端に、カセット1の第1被検出部13、第2被検出部15及び突起部16
の各下面が当接している状態)であるのが正規の姿勢である。
【0038】
次いで、蓋体27を閉じた状態では、図8及び図14に示すように、第1押圧体51により第1被検出部13を下向きに押圧するので、ピン孔38の底面と位置決めピン36の先端面がしっかりと確実に当接される一方、図9及び図14に示すように、第2押圧体52にて第2被検出部15を下向きに押圧して、その下面が支持ピン41にてしっかりと支持される。このような状態のときには、セットされたカセット1は水平状態であって、且つ正規の位置にセットされているので、第1被検出部13における所定のスイッチ孔13Aに検出スイッチ32が嵌まり、当該カセット1の種類等を検知することができ、且つ蓋体27はきっちりと閉まり、本体ケース26と略同じ面になるので、作業者はカセット1が正規の位置で且つ正規の姿勢でセットされたことが直ちに判断できるのである。
【0039】
24mm幅のフィルムテープ17を収納したカセット1を前記カセット収納部31に正規の姿勢且つ正規の位置にセットした場合を図10及び図11に示す。この場合も前記と同じく蓋体27がきっちりと閉まるので、カセット1が正規の位置で且つ正規の姿勢でセットされたことが直ちに判断できるのである。
【0040】
なお、図12は、カセット収納部31に対してカセット1が傾斜状に嵌まった場合等、第2被検出部15の箇所が浮き上がった非正規の姿勢でセットされた状態を示す。この場合には、第2押圧体52が第2被検出部15を正規の位置で押圧することができず(第2押圧体52の下端の押圧部55が第2被検出部15の角等に当たる)、従って、蓋体27は半閉じ状態(本体ケース26の上面に対して大きく隙間が存在する状態)となり、使用者は、カセット1が正規の姿勢でセットされていないことが直ちに判断できるのである。
【0041】
同様に、第1被検出部13が浮き上がった状態でカセット1をセットした場合にも、第1押圧体51が第1被検出部13の所定の箇所を押圧できず、蓋体27が半閉じ状態となる。さらに、前記第1被検出部13及び第2被検出部15の両方が浮き上がる状態でも、蓋体27がきっちりと閉じないので、カセット1の収納姿勢を直ちに判断できるのである。
【0042】
次に、第一乃至第三の実施形態を図15乃至図27を参照して説明する。図15は第一の実施形態におけるカセット収納部131にカセット1をセットした状態の本体ケースの右側断面図、図16は同蓋体127の内側を示す平面図、図17は図16に示す蓋体127を矢印16A方向から見た側面図、図18は図16に示す蓋体127を矢印16B方向から見た側面図、図19は第二の実施形態におけるカセット収納部231にカセット1をセットした状態の本体ケースの平面図、図20は第二の実施形態における蓋体227の内側を示す平面図、図21は図20に示す蓋体227を矢印20A方向から見た側面図、図22は図20に示す蓋体227を矢印20B方向から見た側面図、図23は第三の実施形態におけるカセット収納部331にカセット1をセットした状態の蓋体開き位置の印字テープ作成装置の斜視図、図24は第三の実施形態におけるカセット収納部331にカセット1をセットした状態の本体ケースの平面図、図25は第三の実施形態における蓋体327の内側を示す平面図、図26は図25に示す蓋体327を矢印25A方向から見た側面図、図27は図25に示す蓋体327を矢印25B方向から見た側面図である。
【0043】
これらの実施形態は、参考例と同一のカセット1を収納するカセット収納部を備え、参考例と同様な印字機構によりカセット1に収納されたテープ状の被印字媒体へ印字を行う印字テープ作成装置である。これらの印字テープ作成装置もカセット1が適正な姿勢でカセット収納部にセットされたか否かを検知できるカセット収納検出装置を備えている。このカセット収納検出装置以外は、基本的に参考例と同様な構成にて動作するものであるので説明を省略し、各実施形態におけるカセット収納検出装置の構成について以下に説明す
る。
【0044】
まず、第一の実施形態におけるカセット収納検出装置について図15乃至図18を参照して説明する。
【0045】
カセット収納部131の上方を開閉可能に覆うための蓋体127は、軸穴128A、128Bを回動中心として回動することにより、カセット収納部131の上方で開閉する。蓋体127は合成樹脂製であり、その内面には、第1押圧体151、第2押圧体152、第3押圧体153が、蓋体127から下向きに突出するように蓋体127に対して一体に形成されている。
【0046】
蓋体127が完全に閉じられ、蓋体127がカセット収納部131の上方を覆った際に、参考例と同様に、第1押圧体151はカセット収納部131にセットされたカセット1における第1被検出部13の上面を下向きに押圧できる位置に配置され、第2押圧体152は同じく第2被検出部15の上面を下向きに押圧できる位置に配置されている。同様な状態において、第3押圧体153は、カセット1における第3被検出部115の上面を下向きに押圧できる位置に配置されている。また、第1押圧体151、第2押圧体152、第3押圧体153の下端面は、参考例と同様な偏平な形をした押圧部となっている。
【0047】
蓋体127の内面には、更にカセット押さえ部材(押え板ともいう)154が設けられている。カセット押さえ部材154の一端には、カセットを押圧するための押圧部(押圧体ともいう)155が形成されており、他端は、支持部156にて回動可能に支持されている。支持部156においては、押圧部155がカセット収納部131にセットされたカセット1を下向きに付勢する方向に、カセット押さえ部材154が回動するようカセット押さえ部材154に対してバネにより回動力が付与されている。蓋体127が完全に閉じられた際、カセット1の上面において、第1乃至第3の被検出部13,15、115が設けられている3つのコーナーとは異なる残りのコーナーへカセット1の上面の中心よりやや寄った位置を、バネ押圧部(押圧体ともいう)155が押圧できるように、カセット押さえ部材154が配置されている。
【0048】
よって、カセット収納部131に対してカセット1が多少傾斜状に嵌まった場合であっても、蓋体127が閉じる方向に向かって回動されるのに伴い、カセット押さえ部材154がカセット1をカセット収納部131の底面に向かって徐々に強く付勢していく。従って、カセット収納部131におけるカセット1の姿勢が正規の姿勢に補正され易くなる効果がある。
【0049】
一方、カセット収納部131に対してカセット1がかなり傾斜状に嵌まったため、カセット押さえ部材154によるこのような付勢力がカセット1へ加えられてもカセット1が正規の姿勢に補正されないことも起こり得る。この場合、第1乃至第3の被検出部13,15、115の何れか或いは複数の被検出部が浮き上がった非正規の姿勢のままで蓋体127が閉じられようとするため、第1押圧体151、第2押圧体152、第3押圧体153のうち、浮き上がった被検出部に対応する押圧体は、参考例の場合と同様に、浮き上がった被検出部を正規の位置で押圧することができない。従って、蓋体127は、参考例の場合と同様に、半閉じ状態となり、使用者は、カセット1が正規の姿勢でセットされていないことが直ちに判断できるのである。
【0050】
次に、第二の実施形態におけるカセット収納検出装置について図19乃至図22を参照して説明する。
【0051】
カセット収納部231の上方を開閉可能に覆うための蓋体227は、回動中心部228
A、228Bを回動中心として回動することにより、カセット収納部231の上方で開閉する。蓋体227は合成樹脂製であり、その内面には、第1乃至第4押圧体251、252、253、254が、蓋体227から下向きに突出するように形成されている。
【0052】
第1乃至第2押圧体251、252は、蓋体227の内面に直接固定されており、第3乃至第4押圧体253、254は押さえ板255を介して蓋体227の内面に設けられている。
【0053】
押さえ板255は、バネ257により端部256を回動中心として、カセット収納部231にセットされたカセット1へ向かって付勢されている。従って、第3乃至第4押圧体253、254は、押さえ板255と一体になってカセット収納部231にセットされたカセット1へ向かって付勢されることになる。これにより、カセット収納部231の上方で、蓋体227が閉じていくにしたがって、カセット1へ向かって押さえ板と一体になってバネ257により付勢されている第3乃至第4押圧体253、254が、カセット1をカセット収納部231へ向かって付勢していく。よって、カセット1が正規の位置から多少ずれてカセット収納部231にセットされた状態で、蓋体227が閉じられ始めたとしても、第3乃至第4押圧体253、254がカセット1を付勢して正規の位置へ押しやることが可能となる。
【0054】
蓋体227が完全に閉じられ、蓋体227がカセット収納部231の上方を覆った際には、参考例と同様に、第1押圧体251はカセット収納部231にセットされたカセット1における第1被検出部13の上面を下向きに押圧できる位置に配置され、第2押圧体252は同じく第2被検出部15の上面を下向きに押圧できる位置に配置されている。更に、第3及び第4押圧体253、254は、カセット1における第3及び第4被検出部115、215の上面を下向きに押圧できる位置に配置されている。また、第1乃至第4押圧体251、252、253、254の下端面は、参考例の押圧体51、52と同様な偏平な形をした押圧部となっている。
【0055】
第1及び第2押圧体251、252は、上述のように回動可能な押さえ板255に設けられているのではなく、蓋体227の内側に固定されて設けられている。従って、カセット1がカセット収納部231における正規の位置に装着されているか否かについて、より厳密に検出することができる。よって、少なくとも一つの押圧体は、前述の第1及び第2押圧体251、252のように蓋体227の内側に固定されて設けられていることが望ましい。
【0056】
カセット収納部231に対してカセット1が傾斜状に嵌まり、第1乃至第4の被検出部13,15、115、215の何れか或いは複数の被検出部の箇所が浮き上がった非正規の姿勢でセットされた場合には、第1乃至第4押圧体251、252、253、254の内、浮き上がった被検出部に対応する押圧体は、参考例の場合と同様に、浮き上がった被検出部を正規の位置で押圧することができない。従って、蓋体227は、参考例及び第一の実施形態の場合と同様に、半閉じ状態となり、使用者は、カセット1が正規の姿勢でセットされていないことが直ちに判断できるのである。
【0057】
次に、第三の実施形態におけるカセット収納検出装置について図23乃至図27を参照して説明する。
【0058】
カセット収納部331の上方を開閉可能に覆うための蓋体327は、回動中心部328A、328Bを回動中心として回動することにより、カセット収納部331の上方で開閉する。蓋体327は合成樹脂製であり、その内面には、第1乃至4押圧体351、352、353、354が、蓋体327から下向きに突出するように形成されている。
【0059】
本実施形態においても、第二の実施形態と類似した構成をとっており、 第2押圧体352は、蓋体327の内面に直接固定されており、第1、第3、第4押圧体351、353、354は押さえ板355を介して蓋体327の内面に設けられている。
【0060】
押さえ板355は、バネ357により、カセット収納部331にセットされたカセット1へ向かって付勢されている。従って、第1、第3、第4押圧体351、353、354は押さえ板355と一体になってカセット収納部331にセットされたカセット1へ向かって付勢されることになる。
【0061】
蓋体327が完全に閉じられ、蓋体327がカセット収納部331の上方を覆った際に、参考例と同様に、第1押圧体351はカセット収納部331にセットされたカセット1における第1被検出部13の上面を下向きに押圧できる位置に配置され、第2押圧体352は同じく第2被検出部15の上面を下向きに押圧できる位置に配置されている。更に、第3及び第4押圧体353、354は、カセット1における第3及び第4被検出部115、215の上面を下向きに押圧できる位置に配置されている。また、第1乃至第4押圧体351、352、353、354の下端面は、参考例の押圧体51、52と同様な偏平な形をした押圧部となっている。
【0062】
カセット収納部331に対してカセット1が傾斜状に嵌まり、第1乃至第4の被検出部13,15、115、215の何れか或いは複数の被検出部の箇所が浮き上がった非正規の姿勢でセットされた場合には、第1乃至第4押圧体351、352、353、354の内、浮き上がった被検出部に対応する押圧体は、第一の実施態様の場合と同様に、浮き上がった被検出部を正規の位置で押圧することができない。従って、蓋体327は、参考例、第一及び第二の実施形態の場合と同様に、半閉じ状態となり、使用者は、カセット1が正規の姿勢でセットされていないことが直ちに判断できるのである。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】カセットの斜視図である。
【図2】(a)はカセットの平面図、(b)はカセットの下面図である。
【図3】カセットの上ケースを除いた状態の平面図である。
【図4】参考例におけるカセット収納部にカセットをセットしていない状態の蓋体開き位置の印字テープ作成装置の斜視図である。
【図5】参考例におけるカセット収納部にカセットをセットしていない状態の本体ケースの平面図である。
【図6】参考例におけるカセット収納部にカセットをセットした状態の蓋体開き位置の印字テープ作成装置の斜視図である。
【図7】第1被検出部及び検知部の側断面図である。
【図8】参考例におけるカセット収納部に、12mm幅のフィルムテープを収納したカセットを正規の姿勢でセットした状態の要部右側断面図である。
【図9】参考例におけるカセット収納部に、12mm幅のフィルムテープを収納したカセットを正規の姿勢でセットした状態の要部左側断面図である。
【図10】参考例におけるカセット収納部に、24mm幅のフィルムテープを収納したカセットを正規の姿勢でセットした状態の要部右側断面図である。
【図11】参考例におけるカセット収納部に、24mm幅のフィルムテープを収納したカセットを正規の姿勢でセットした状態の要部左側断面図である。
【図12】参考例におけるカセット収納部に、24mm幅のフィルムテープを収納したカセットを非正規の姿勢でセットした状態の要部左側断面図である。
【図13】参考例における蓋体の内側を示す平面図である。
【図14】参考例におけるカセット収納部にカセットをセットした状態の本体ケースの平面図である。
【図15】第一の実施形態におけるカセット収納部にカセットをセットした状態の本体ケースの右側断面図である。
【図16】第一の実施形態における蓋体の内側を示す平面図である。
【図17】図16に示す蓋体を矢印16A方向から見た側面図である。
【図18】図16に示す蓋体を矢印16B方向から見た側面図である。
【図19】第二の実施形態におけるカセット収納部にカセットをセットした状態の本体ケースの平面図である。
【図20】第二の実施形態における蓋体の内側を示す平面図である。
【図21】図20に示す蓋体を矢印20A方向から見た側面図である。
【図22】図20に示す蓋体を矢印20B方向から見た側面図である。
【図23】第三の実施形態におけるカセット収納部にカセットをセットした状態の蓋体開き位置の印字テープ作成装置の斜視図である。
【図24】第三の実施形態におけるカセット収納部にカセットをセットした状態の本体ケースの平面図である。
【図25】第三の実施形態における蓋体の内側を示す平面図である。
【図26】図25に示す蓋体を矢印25A方向から見た側面図である。
【図27】図25に示す蓋体を矢印25B方向から見た側面図である。
【符号の説明】
【0064】
1 カセット
13 第1被検出部
15 第2被検出部
16 突起部
115 第3被検出部
215 第4被検出部
25 印字テープ作成装置
26 本体ケース
27、127、227、327 蓋体
31、131、231、331 カセット収納部
51、151、251、351 第1押圧体
52、152、252、352 第2押圧体
153、253、353 第3押圧体
254、354 第4押圧体
154、255、355 カセット押え部材としての押え板
155 バネ押圧部
257、357 バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印字媒体を収納したカセットと、前記カセットを収納するカセット収納部と、前記カセット収納部に収納された前記カセットの被印字媒体に印字を行なう印字部と、前記カセット収納部の底面に対向して設けられ、前記カセット収納部を覆う位置と、前記カセット収納部を開放する位置との間で開閉回動する蓋体と、前記蓋体の裏面側に設けられ、前記カセットを前記カセット収納部の底面に向かって押えるための3つの押圧体とを備えた印字装置であって、
前記蓋体は、その基端側を前記印字装置のケースに回動可能に装着され、
前記3つの押圧体のうち、2つの押圧体は、前記蓋体の回動中心に対して遠近方向にずらした位置に配置され、
前記3つの押圧体のうち、2つの押圧体は、前記回動中心の軸線方向にずらした位置に配置されていることを特徴とする印字装置。
【請求項2】
前記カセットには、前記カセット収納部に収納された状態で、前記カセットに収納された前記被印字媒体の幅寸法の大小に拘わらず、前記被印字媒体の幅方向において同一の高さ部位となる位置に形成される被検出部が互いに間隔をおいて3箇所に形成され、
前記3つの押圧体は、前記各被検出部を押圧するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の印字装置。
【請求項3】
前記3つの押圧体のうち、少なくとも1つの押圧体は、弾力付勢により前記1つの被検出部を押圧するように配置され、
前記3つの押圧体のうち、残りの押圧体は前記蓋体に固定されて、前記残りの被検出部を押圧するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の印字装置。
【請求項4】
前記3つの押圧体は全て前記蓋体に固定されて、前記各被検出部を押圧するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の印字装置。
【請求項5】
前記カセットは、前記広幅面と直交する方向の投影形状が実質上矩形状であり、
前記カセットにおける前記蓋体の回動中心から離間した側に配置された前記被検出部を前記弾性付勢される1つの押圧体にて押圧することを特徴とする請求項3に記載の印字装置。
【請求項6】
前記カセットは、前記広幅面と直交する方向の投影形状が実質上矩形状であり、
前記被検出部は、前記カセットにおける4つ隅部のうちの3箇所に形成されていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の印字装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2008−307900(P2008−307900A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−204996(P2008−204996)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【分割の表示】特願2000−280303(P2000−280303)の分割
【原出願日】平成12年9月14日(2000.9.14)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】