説明

印画物およびその形成方法

【課題】 表示画像に高い解像度が得られ、かつ、省エネルギー化が達成される印画物およびその形成方法の提供。
【解決手段】 本発明の印画物は、画像支持基材上に粘着層が形成されてなる基材シートを有し、当該基材シートの粘着層にトナー粒子が埋没されることによりトナー粒子像が保持されており、剥離用基材上に剥離層が形成されてなる剥離シートの剥離層が前記基材シートの粘着層に対向して接着された状態に積層されてなる印画物であって、前記基材シートの粘着層が、JIS K6253 タイプAに準じて測定される硬さが2以上10以下であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像支持基材上にトナー粒子が埋没されることによりトナー粒子像が保持された粘着層が積層され、さらにその上に剥離シートが積層された印画物およびその形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来において、シールやラベルといった貼付対象物に対して接着することのできる印画物としては、例えば、自己粘着性を有する透明合成樹脂シートの表面に印刷層を形成したウィンドウディスプレイ用シール(特許文献1参照)や、支持体上に形成させた感熱記録層と、プラスチックフィルム上に形成させた接着層とを重ね合わせてコールドラミネートすることによって支持体上に感熱記録層と接着層からなる粘着層を設けた感熱記録ラベル(特許文献2参照)などがある。
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示された技術はオフセット印刷の応用なので、1枚から数枚の画像を可変印刷するには不向きである。
また、特許文献2に記載されたシールやラベルは、これらを形成する工程中に加熱を要する工程を含むために、その作製に多大なエネルギーを必要とし、省エネルギーの観点から、好ましくない。また、表示画像を通常の印刷方法によって形成するために、一般的な解像度が得られるのみである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−138827号公報
【特許文献2】特開2001−5394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、表示画像に高い解像度が得られ、かつ、省エネルギー化が達成される印画物およびその形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の印画物は、画像支持基材上に粘着層が形成されてなる基材シートを有し、当該基材シートの粘着層にトナー粒子が埋没されることによりトナー粒子像が保持されており、剥離用基材上に剥離層が形成されてなる剥離シートの剥離層が前記基材シートの粘着層に対向して接着された状態に積層されてなる印画物であって、
前記基材シートの粘着層が、JIS K6253 タイプAに準じて測定される硬さが2以上10以下であることを特徴とする。
【0007】
本発明の印画物においては、前記粘着層が、架橋構造を有するシリコーン樹脂または架橋構造を有するアクリル樹脂を含有してなるものであることが好ましい。
【0008】
本発明の印画物の形成方法は、上記の印画物を形成する方法であって、
一様に帯電された感光体を露光することによって静電潜像を形成する静電潜像形成工程、前記静電潜像をトナー粒子を含む現像剤により現像してトナー粒子像を形成する現像工程、前記トナー粒子像を剥離シートの剥離層上に静電転写する静電転写工程、および、静電転写されたトナー粒子像を担持する剥離シートを、当該剥離シートの剥離層と基材シートの粘着層を対向する状態に接着させて押圧することにより、粘着層内にトナー粒子を埋没させてトナー粒子像を保持させる圧着工程を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の印画物の形成方法は、上記の印画物を形成する方法であって、
一様に帯電された感光体を露光することによって静電潜像を形成する静電潜像形成工程、前記静電潜像をトナー粒子を含む現像剤により現像してトナー粒子像を形成する現像工程、前記トナー粒子像を基材シートの粘着層上に静電転写する静電転写工程、および、静電転写されたトナー粒子像を担持する基材シートを、当該基材シートの粘着層と剥離シートの剥離層を対向する状態に接着させて押圧することにより、粘着層内にトナー粒子を埋没させてトナー粒子像を保持させる圧着工程を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の印画物によれば、当該印画物が熱を与えずとも基材シートにトナー粒子像を定着させることができるために省エネルギー化が図られ、さらに、トナー粒子像を粘着層にトナー粒子が潰されない状態において保持させることができるために当該トナー粒子像による表示画像に高い解像度が得られ、さらに、粘着層が特定の硬度を有するものからなるために、当該粘着層における剥離シートから剥離されて露出された面に十分な剥離性および粘着性が得られ、従って、当該粘着層にトナー粒子を埋没させてトナー粒子像を保持した状態の基材シートを剥離シートから剥離することにより得られる接着・剥離性印画物に優れた繰り返し接着性が得られる。
【0011】
また、本発明の印画物から分離された剥離シートおよび/または画像支持基材を再使用することにより、全体として大きな省エネルギー化が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の印画物の形成方法を説明するための模式図であって、(a)、(b)は印画物の形成方法、(c)は(a)または(b)によって得られる印画物、(d)は(c)から得られる接着・剥離性印画物である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の印画物について詳細に説明する。
本発明の印画物は、剥離シートから剥離されて露出された面が繰り返し接着性を発揮するものである。
【0014】
<第1の実施の形態>
本発明の印画物の形成方法は、図1(a)に示されるように、剥離用基材14上に剥離層13が形成されてなる剥離シート18の当該剥離層13上に、例えば感光体(図示せず)上においてトナー粒子により静電的に形成されたトナー粒子像Tを転写して担持させた後、繰り返し接着性を発揮する接着面10Sを有する粘着層15が画像支持基材11上に形成されてなる基材シート17を、当該基材シート17の粘着層15を剥離層13のトナー粒子像Tが担持された面に接触させる状態に積層させて押圧して当該粘着層15にトナー粒子を埋没させることによりトナー粒子像Tを保持させ、これにより、基材シート17にトナー粒子像Tが定着されて表示画像が形成された印画物P(図1(c)参照。)を形成する方法である。
以下、この印画物の形成方法を、「第1の特定の印画物形成方法」ともいう。
【0015】
このような方法によって得られた本発明の印画物Pは、トナー粒子像Tが保持された粘着層15を有する基材シート17を、剥離シート18から剥離することによって接着・剥離性印画物S(図1(d)参照)が得られ、当該接着・剥離性印画物Sは、粘着層15における当該剥離シート18からの剥離により露出された接着面10Sを、貼付対象物に剥離可能に接着することができる。
ここに、「貼付対象物に接着すること」とは、貼付対象物に接着面10Sを接触させて必要に応じて人力で応力を加えることにより、貼付対象物に接着固定されることを意味し、例えば粘着層15を構成する粘着材の粘着性によって接着固定が実現されてもよく、また例えば、粘着層15を構成する粘着材が粘着性を有さないものであっても、貼付対象物と粘着層15の接着面10Sとの間に空気が浸入しない状態が実現できる密着性によって接着固定が実現されてもよい。また、「貼付対象物に剥離可能に接着すること」とは、一の貼付対象物に接着させた接着・剥離性印画物Sを、貼付対象物から剥離し、同じまたは異なる貼付対象物に接着させることを繰り返し行うこと(以下、「繰り返し接着性」ともいう。)ができることを意味する。
【0016】
トナー粒子像Tについて、画像支持基材11に対して正像状のものを形成するかまたは鏡像状のものを形成するかは、得られる印画物Pの使用に係る所望の視認方向に基づいて選択されればよい。
具体的には、例えば窓ガラスなどの透光性を有する貼付対象物に接着する場合であって窓ガラス側からの視認を所望する場合は、画像支持基材11に対して正像状のものを形成すればよく、また例えば金属板などの透光性を有さない貼付対象物に貼付する場合であって画像支持基材11側からのみの視認を所望する場合は、画像支持基材11に対して鏡像状のものを形成すればよく、さらに例えば窓ガラスなどの透光性を有する貼付対象物に貼付して双方向からの視認を所望する場合は、画像支持基材11に対して正像状のものを形成しても鏡像状のものを形成してもよい。
【0017】
トナー粒子像Tを保持させるためには、外力を付与することができ、トナー粒子像Tをトナー粒子を埋没させることにより保持させるために付与する外力は、当該トナー粒子像Tを構成するトナー粒子の機械的強度や、粘着層15を構成する粘着材の種類によっても異なるが、例えば1.00×103 〜1.00×108 Paの大きさの押圧力とすることができる。
粘着層15にトナー粒子を埋没させる外力は、例えば適宜の転写装置によって与えられる静電的な力、剥離層13上に基材シート17が押し付けられる押圧力、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0018】
本発明の印画物の形成方法においては、トナー粒子像Tの形成に供されるトナー粒子の粒子形状度をA、粘着層に保持されたトナー粒子像Tを構成するトナー粒子の粒子形状度をBとしたときに下記関係式(I)を満たすことが好ましい。
関係式(I):1.0≧B/A≧0.9
ここに、トナー粒子の粒子形状度とは、(投影像の最小径/当該投影像の最大径)で表されるものである。
トナー粒子像Tの形成に供する前と粘着層15に埋没された後のトナー粒子の粒子形状度の変化の程度を示す(B/A)が上記関係式(I)の範囲にあることにより、小さな外力によってすなわち少量のエネルギーによって印画物を形成することができる。一方、粒子形状度の変化の程度を示す(B/A)が0.9未満である場合は、印画物Pを得るために必要とされるエネルギーが多量となり、環境負荷が大きいために好ましくない。
【0019】
トナー粒子像Tの形成に供されるトナー粒子の粒子形状度Aは、具体的には、感光体上に静電的に形成されたトナー粒子像Tを剥離し、走査型電子顕微鏡(SEM)「JSM−7401F」(日本電子社製)によって観察し、2,000倍の倍率の画像を「ルーゼックス画像解析装置」(ニレコ社製)に取り込み、個々のトナー粒子について、それぞれ、粒子の投影像の最大径と最小径を測定し、当該最小径を当該最大径で除した粒子形状度を求め、100個のトナー粒子についての粒子形状度の平均値を算出することにより、求められるものである。
【0020】
また、粘着層15に埋没された後のトナー粒子の粒子形状度Bは、具体的には、この形成方法により得られた印画物Pの断面切片を、透過型電子顕微鏡(TEM)「JEM−1400」(日本電子社製)によって観察し、2,000倍の倍率の画像を「ルーゼックス画像解析装置」(ニレコ社製)に取り込み、個々のトナー粒子について、それぞれ、粒子の投影像の最大径と最小径を測定し、当該最小径を当該最大径で除した粒子形状度を求め、100個のトナー粒子についての粒子形状度の平均値を算出することにより、求められるものである。
【0021】
このトナー粒子像Tの形成に供されるトナー粒子の粒子形状度Aは、具体的には0.40〜1.00であることが好ましく、より好ましくは0.60〜1.00である。また、粘着層15に埋没された後のトナー粒子の粒子形状度Bは、具体的には0.40〜1.00であることが好ましく、より好ましくは0.60〜1.00である。
【0022】
上記関係式(I)は、例えば、10%変形強度が1〜100MPaであるトナー粒子(以下、「硬質トナー粒子」ともいう。)を用いることにより、達成することができる。
この10%変形強度は、微小圧縮試験機「MCT−W201」(島津製作所社製)を用いて圧縮試験モードで測定される値である。
【0023】
〔剥離シート〕
本発明の印画物Pを形成する剥離シート18は、剥離用基材14上に剥離層13が形成されてなるものである。
【0024】
〔剥離層〕
本発明の印画物Pを構成する剥離層13は、JIS Z0237に準拠して、剥離速度300mm/min、剥離距離150mm、粘着層15の幅20mmの条件において行われる180°剥離試験によって測定される、粘着層15に貼付して0.5時間経過後の剥離強度が0.05〜8N/20mmであるものであることが好ましく、0.05〜5N/20mmであるものであることがより好ましい。
剥離層13が上記のような剥離強度を有するものであることにより、静電的に形成されたトナー粒子像Tを担持することができ、かつ、得られた印画物Pの使用時に当該剥離層13の剥離が容易で所望の粘着層15が維持された接着・剥離性印画物Sを得ることができる。剥離層13の剥離強度が過小である場合は、静電的に形成されたトナー粒子像Tを担持することが困難となるおそれがあり、また、剥離強度が過大である場合は、印画物Pの使用時に剥離層13が剥離しにくくなって所望の接着・剥離性印画物を得ることができないおそれがある。
【0025】
剥離層13としては、剥離用基材14上に形成されて露出される表面が、上記の剥離強度を有するものであればよく、この剥離層13の材料としては、具体的には、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂などを用いることができる。
剥離層13の厚みは0.5〜10μmであることが好ましく、より好ましくは1〜5μmである。
【0026】
〔剥離用基材〕
剥離用基材14としては、具体的には、各種の紙、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレン(PP)またはポリスチレン(PS)がコートされてなるコート紙、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)からなるシートフィルムなどを用いることができる。
剥離用基材14の厚みは、10〜200μmであることが好ましく、より好ましくは25〜100μmである。
【0027】
〔基材シート〕
本発明の印画物を構成する基材シート17は、画像支持基材11の表面上に粘着層15が形成されてなるものである。
この基材シート17の厚みは、接着・剥離性印画物Sを凹凸のある面に貼付対象物に貼付したときに、当該貼付対象物の凹凸形状に表示画像ごと追随することが確実にできることから、100μm以下とされることが好ましい。
また、基材シート17の厚みが100μm以下である場合に、これを構成する画像支持基材11の厚みが50μm以下とされることが特に好ましい。
【0028】
〔画像支持基材〕
本発明の印画物を構成する画像支持基材11は、透光性を有する(透明の)ものであっても、透光性を有さない(不透明の)ものであってもよい。
画像支持基材11が透明のものである場合には、当該画像支持基材11の透過濃度が0.15以下であることが好ましく、0.10以下であることがより好ましい。
透過濃度は、透過率Tを常用対数で表したものであって、数式:透過濃度D=log(1/T)で表されるものである。
画像支持基材11の透過濃度が0.15以下とされていることにより、得られる接着・剥離性印画物Sにおけるトナー粒子像Tを画像支持基材11側から観察した場合においても、当該トナー粒子像Tによる表示画像の画像濃度が高いものとなって優れたコントラストが得られるために、十分な画像視認性が得られる。
透過濃度は、具体的には、濃度計「X−rite 310TR」(X−rite社製)を用いて、測定アパーチャーφ3mmで、キャリブレーションウェッジで、キャリブレーションを行った後、ビジュアル濃度を測定し、その測定結果により算出されるものである。
【0029】
画像支持基材11について、透明のものおよび不透明のもののいずれを使用するかは、得られる印画物Pの使用に係る所望の視認方向に基づいて選択されればよい。
具体的には、例えば窓ガラスなどの透光性を有する貼付対象物に接着して双方向からの視認を所望する場合は、画像支持基材11として透明のものを選択し、また例えば窓ガラスなどの透光性を有する貼付対象物に接着する場合であっても窓ガラス側からのみの視認を所望する場合は、画像支持基材11として不透明なものを選択し、さらに例えば、金属板などの透光性を有さない貼付対象物に接着する場合は、画像支持基材11として透明のものを選択すればよい。
【0030】
具体的な画像支持基材11としては、適宜の材質のものを用いることができ、例えば、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、ポリプロピレン(PP)合成紙、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリスチレン(PS)シート、ポリイミドフィルム、布などの各種を挙げることができる。
これらのうち、後述する分離処理を介する再使用を多数回、例えば10回以上繰り返してもその性能が損なわれない、高い強度を有するものが特に好ましく、このような再使用を多数回繰り返すことのできる画像支持基材11としては、腰のある普通紙(厚紙)、アート紙、コート紙、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリイミドフィルムなどが好ましく挙げられる。
画像支持基材11の厚みは10〜75μmであることが好ましく、より好ましくは25〜50μmである。
【0031】
〔粘着層〕
本発明において、粘着層15は、接着性を有し、かつ、トナー粒子を埋没させることのできるトナー粒子埋没性を有する粘着材よりなるものである。
粘着層15を構成する粘着材が接着性を発揮することにより、剥離層13と基材シート17とを、押圧力などの外力を付与することのみにより接着固定することができ、従って、剥離層13上に形成されたトナー粒子像Tを基材シート17に対して固定的に定着させることができる。
本発明に係る粘着層15は、1層によって構成されていてもよく、また、複数の層によって構成されていてもよい。
【0032】
粘着材としては、トナー粒子埋没性を確実に得る観点から、押圧力などの外力を付与されていない状態においては流動性を有さず、外力を付与されることによって流動状態を発現するものであることが好ましい。具体的には、例えば常態においてはゲル状であり、外力を付与されることによってゾル状に変化するチクソトロピー性を有するものとすることができる。
特に、外力によりトナー粒子を埋没させるときに、当該トナー粒子の粒子形状度の変化の程度が小さく抑制される程度の流動性と、得られる接着・剥離性印画物Sに繰り返し接着性が発現される程度の硬さを有するものであることが好ましい。
このような条件を満たす粘着材は、具体的には、トナー粒子を埋没させるための外力を付与した状態において、JIS K6253 タイプAに準じて測定される硬さが2以上10以下、好ましくは2以上5以下であるものである。
所望の硬さの粘着層は、さまざまな方法で得られるが、例えば、硬さの異なるゲル材料、エラストマー材料、ゴム材料などを所定の割合で配合する方法、硬化剤の量を調整する方法、加熱硬化タイプの材料であれば硬化条件を調整する方法などによって得ることができる。これらの方法のうち、硬さの予測精度の観点から、ゲル材料、エラストマー材料、ゴム材料の配合割合を調整することにより硬さを制御する方法が好ましい。
JIS K6253 タイプAに準じて行われる硬さの測定は、具体的には、「デュロメーターGS−719N」(テクロック株式会社製)を用いて、基材シート17上の粘着層15におけるトナー粒子の存在しない非画像部を対象として、行われる。
このような粘着材による粘着層15を用いることにより、感光体上に各トナー粒子が静電的に付着して形成されているトナー粒子像Tを、各トナー粒子における静電電荷を維持した状態において粘着層15に保持させることができる。
【0033】
また、粘着層15を形成する粘着材は、トナー粒子埋没性を確実に得る観点から、トナー粒子を構成する樹脂(以下、「トナー樹脂」ともいう。)と非相溶性のものとされる。また、粘着材としては、トナー粒子との親和性の高い材料が好ましい。
【0034】
粘着層15を形成する粘着材としては、特に、後述する分離処理を経ることによって得られる粘着材を画像形成用材料として、別の印画物の形成に供される粘着層を形成するための材料として再使用することができるものが好ましい。
【0035】
また、粘着材としては、接着面10Sにおける接着性を確実に発揮させる観点から、JIS−Z−0237規格:傾斜式ボールタック試験法により、傾斜角30°で、タック値が5以上であるものを用いることが好ましい。
また、粘着材としては、接着面10Sが繰り返し貼付性を有するものとできる観点から、JIS−Z−0237規格:粘着力試験法(ステンレス試験板に対して180°に引きはがす試験方法)により、粘着力が1〜10N/25mmであるものを用いることがより好ましい。
【0036】
以上のような粘着材としては、例えば、シリコーン系、アクリル系、ビニル系、ウレタン系の樹脂、エラストマーまたはゴムなどの高分子化合物、およびそれらと有機溶剤またはオイルとのゲルやゾル、前記高分子化合物の水系エマルジョン、前記高分子化合物や水溶性高分子と水系溶媒とのゲルやゾルなどを用いることができる。
具体的には、シリコーン系の樹脂としては、ジメチルシロキサン、ジフェニルシロキサン、メチルビニルシロキサン、メチルフェニルシロキサン、フルオロシロキサン、トリフルオロシロキサン、トリフルオロプロピルシロキサン、クロロメチルシロキサン、シアノエチルシロキサン、ポリエーテルシロキサン、フルオロポリエーテルシロキサン、アミノシロキサンなどによるものが挙げられる。
また、アクリル系の樹脂としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートなどやメチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリルアミド誘導体、ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなどによる共重合物が挙げられる。
また、ビニル系の樹脂としては、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、フェノール-ビニルブチラール共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。
また、ウレタン系の樹脂としては、ポリオールとポリイソシアネートを反応して得られるポリウレタンプレポリマーが挙げられ、ポリオールとしては1,2−ポリブタジエンポリオール、1,4−ポリブタジエンポリオール、ポリ(ペンタジエン・ブタジエン)ポリオール、ポリ(ブタジエン・スチレン)ポリオール、ポリ(ブタジエン・アクリロニトリル)ポリオールなどがあり、ポリイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)などがある。
さらに、水溶性高分子としては、キサンタンガム、カラギナン、プルラン、ファーセレラン、カードラン、ゼラチン、コラーゲンなどの天然高分子多糖類;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム天然低分子多糖類;ポリアクリル酸;ポリアクリル酸ナトリウム;ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
水系溶媒としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
本発明において、粘着材として特に好ましく用いられるものは、架橋構造を有するシリコーン樹脂および架橋構造を有するアクリル樹脂である。
【0037】
粘着層15の厚みは、保持すべきトナー粒子像Tの厚みとの関係において設定され、例えば10〜90μmとされる。
この粘着層15の厚みは、接着・剥離性印画物Sを貼付対象物に貼付した後、剥離したときに、貼付対象物に剥離跡を残すことが抑制されることから、70μm以下とされることが好ましく、特に、50μm以下とされることが好ましい。
【0038】
〔トナー粒子〕
本発明の印画物におけるトナー粒子像を構成するトナー粒子は、例えば少なくとも樹脂を含有し、さらに所望に応じて着色剤、荷電制御剤、磁性粉、離型剤などを含有するものとすることができる。このようなトナー粒子の集合体を下記においてトナーと記す。
以下に、未使用のトナー粒子について説明する。
【0039】
〔トナー粒子の製造方法〕
このようなトナー粒子を製造する方法としては、特に限定されるものではなく、粉砕法、乳化分散法、懸濁重合法、分散重合法、乳化重合法、乳化重合凝集法、その他の公知の方法などを挙げることができる。
【0040】
〔トナー樹脂〕
トナー粒子が粉砕法、乳化分散法などによって製造される場合には、トナー樹脂として、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂などのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルフォン、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂などの公知の種々の樹脂を用いることができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0041】
一方、トナー粒子が懸濁重合法、分散重合法、乳化重合法、乳化重合凝集法などによって製造される場合には、トナー樹脂を得るための重合性単量体として、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレンあるいはスチレン誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル誘導体;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類;プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類;ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸またはメタクリル酸誘導体などのビニル系単量体を挙げることができる。これらのビニル系単量体は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0042】
また、重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが好ましい。イオン性解離基を有する重合性単量体は、例えばカルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基などの置換基を構成基として有するものであって、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレートなどが挙げられる。
さらに、重合性単量体として、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどの多官能性ビニル類を用いて架橋構造の樹脂を得ることもできる。
【0043】
〔着色剤〕
トナー粒子が着色剤を含有するものとして構成される場合において、着色剤としては、下記に例示するような有機または無機の各種、各色の顔料を使用することができる。
黒トナー用の着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、鉄・チタン複合酸化物ブラックなどを使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどを使用することができる。また、磁性体としてはフェライト、マグネタイトなどを使用することができる。
イエロートナー用のイエロー着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162など、また、顔料としてC.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185などを使用することができ、これらの混合物も使用することができる。
マゼンタトナー用のマゼンタ着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122など、顔料としてC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222などを使用することができ、これらの混合物も使用することができる。
シアントナー用のシアン着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー36、C.I.ソルベントブルー60、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ソルベントブルー93、C.I.ソルベントブルー95など、顔料としてC.I.ピグメントブルー1、7、15、60、62、66、76などを使用することができる。
これらの顔料は、1種単独であるいは2種以上を併用して用いることができる。
着色剤の添加量は、トナー樹脂100質量部に対して0.5〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜10質量部である。
【0044】
〔磁性粉〕
また、トナー粒子が磁性粉を含有するものとして構成される場合において、磁性粉としては、例えばマグネタイト、γ−ヘマタイト、または各種フェライトなどを使用することができる。
磁性粉の添加量は、トナー樹脂100質量部に対して10〜500質量部であることが好ましく、より好ましくは20〜200質量部である。
【0045】
〔荷電制御剤〕
また、トナー粒子が荷電制御剤を含有するものとして構成される場合において、荷電制御剤としては、摩擦帯電により正または負の帯電を与えることのできる物質であれば特に限定されず、公知の種々のものを使用することができる。具体的には、正帯電制御剤としては、例えば「ニグロシンベースEX」(オリエント化学工業社製)などのニグロシン系染料、「第4級アンモニウム塩P−51」(オリエント化学工業社製)、「コピーチャージPX VP435」(ヘキストジャパン社製)などの第4級アンモニウム塩、アルコキシ化アミン、アルキルアミド、モリブデン酸キレート顔料、および「PLZ1001」(四国化成工業社製)などのイミダゾール化合物などが挙げられ、また、負帯電制御剤としては、例えば、「ボントロンS−22」(オリエント化学工業社製)、「ボントロンS−34」(オリエント化学工業社製)、「ボントロンE−81」(オリエント化学工業社製)、「ボントロンE−84」(オリエント化学工業社製)、「スピロンブラックTRH」(保土谷化学工業杜製)などの金属錯体、チオインジゴ系顔料、「コピーチャージNX VP434」(ヘキストジャパン社製)などの第4級アンモニウム塩、「ボントロンE−89」(オリエント化学工業社製)などのカリックスアレーン化合物、「LR147」(日本カーリット社製)などのホウ素化合物、フッ化マグネシウム、フッ化カーボンなどのフッ素化合物などが挙げられる。負帯電制御剤として用いられる金属錯体としては、上記に示したもの以外にもオキシカルボン酸金属錯体、ジカルボン酸金属錯体、アミノ酸金属錯体、ジケトン金属錯体、ジアミン金属錯体、アゾ基含有ベンゼン−ベンゼン誘導体骨格金属体、アゾ基含有ベンゼン−ナフタレン誘導体骨格金属錯体などの各種の構造を有したものなどを使用することができる。
このようにトナー粒子が荷電制御剤を含有するものとして構成されることにより、トナーの帯電性が向上される。
荷電制御剤の添加量は、トナー樹脂100質量部に対して0.01〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部である。
【0046】
〔離型剤〕
さらに、トナー粒子が離型剤を含有するものとして構成される場合において、離型剤としては、公知の種々のワックスを用いることができる。ワックスとしては、特に低分子量ポリプロピレン、ポリエチレン、または酸化型のポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系ワックスを用いることが好ましい。
離型剤の添加量は、トナー樹脂100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量部である。
【0047】
〔トナー粒子の粒径〕
トナー粒子の粒径は、体積基準のメジアン径で3〜8μmであることが好ましい。体積基準のメジアン径が3〜8μmであることにより、細線の再現性や、写真画像の高画質化が達成できると共に、トナーの消費量を大粒径トナーを用いた場合に比して削減することができる。
【0048】
トナー粒子の体積基準のメジアン径は「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置を用いて測定・算出されるものである。具体的には、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を調製し、このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径が体積基準のメジアン径とされる。
【0049】
〔トナー粒子の平均円形度〕
以上のトナー粒子は、下記式(S)で示される平均円形度が0.700〜1.000であることが好ましく、より好ましくは0.850〜1.000である。
式(S);平均円形度=円相当径から求めた円の周囲長/粒子投影像の周囲長
【0050】
〔外添剤〕
上記のトナー粒子は、そのままでトナーを構成することができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、いわゆる後処理剤である流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加してトナーを構成してもよい。
後処理剤としては、例えば、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子などよりなる無機酸化物微粒子や、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子などの無機ステアリン酸化合物微粒子、あるいは、チタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物微粒子などが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
これらの種々の外添剤の添加量は、その合計が、トナー100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部とされる。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
【0051】
〔現像剤〕
以上のようなトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として印画物の形成に供することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として供してもよい。トナーを一成分現像剤として印画物の形成に供する場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させて磁性一成分現像剤としたもののいずれも使用することができる。また、トナーを二成分現像剤として印画物の形成に供する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる樹脂分散型キャリアなどを用いてもよい。
【0052】
以上のような印画物Pによれば、当該印画物Pが熱を与えずとも基材シート17にトナー粒子像Tを定着させることができるために省エネルギー化が図られ、さらに、トナー粒子像Tを粘着層15にトナー粒子が潰されない状態において保持させることができるために当該トナー粒子像Tによる表示画像に高い解像度が得られ、さらに、粘着層15が特定の硬度を有するものからなるために、当該粘着層15における剥離シート18から剥離されて露出された接着面10Sに十分な剥離性および粘着性が得られ、従って、当該粘着層15にトナー粒子像Tを保持した状態の基材シート17を剥離シート18から剥離することにより得られる接着・剥離性印画物Sに優れた繰り返し接着性が得られる。
【0053】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態に係る印画物の形成方法は、図1(b)に示されるように、繰り返し接着性を発揮する接着面10Sを有する粘着層15が画像支持基材11上に形成されてなる基材シート17を用い、当該基材シート17の粘着層15上に、例えば感光体(図示せず)上においてトナー粒子により静電的に形成されたトナー粒子像Tを転写して担持させた後、剥離層13を当該基材シート17の粘着層15に接触させる状態に積層させて当該粘着層15にトナー粒子像Tを保持させることにより、基材シート17にトナー粒子像Tが定着されて表示画像が形成されることの他は、第1の実施の形態と同様の要件を有する方法である。
このような印画物の形成方法によれば、上記の第1の特定の印画物形成方法と同様の効果を得ることができる。
以下、この印画物形成方法を、「第2の特定の印画物形成方法」ともいう。
【0054】
以上の第1の印画物形成方法および第2の印画物形成方法のうち、使用時のハンドリングの観点から、第1の特定の印画物形成方法を採用することが好ましい。
【0055】
〔印画物の使用方法〕
以上のような方法によって得られた印画物Pは、当該印画物Pにおいて剥離シート18から基材シート17を剥離して、このトナー粒子像Tが定着されてなる基材シート17からなる接着・剥離性印画物S(図1(d)参照。)を得、これを貼付対象物に対して接着・剥離性印画物Sの粘着層15を接触させることにより接着させて使用される。
貼付対象物としては、ガラス窓などの透光性を有する透明のもの、金属板などの透光性を有さない不透明のものなどが挙げられ、また、貼付対象物の貼付対象面としては、ガラス窓、金属板などの平面であっても、球体などの曲面であっても、くもりガラス、人体の肌などの凹凸のある面であってもよい。
【0056】
以上のような印画物Pによる接着・剥離性印画物Sは、例えば、窓ガラスに接着していわゆるウィンドウディスプレイとして、または、フォトフレームやアルバムに接着して写真として、または、フォトフレームに接着した状態でその背面に発光体が配置されたバックライトフィルムとして、あるいは、ホワイトボード、プラスチック板、ガラス窓などの掲示板に接着して掲示物として、使用することなどができる。
例えば接着・剥離性印画物Sがフォトフレームやアルバムに接着された写真においては、画像支持基材11の存在によって優れた光沢が得られる。また、接着・剥離性印画物Sによる掲示物においては、通常、掲示物は、磁石、画鋲、テープなどを使用して貼り付けており、掲示物全体が見られない、掲示物や掲示板に傷がつくなど、不便な点があるのに対し、これらが解消される。
【0057】
〔基材シートの再使用〕
本発明に係る第1の特定の印画物形成方法または第2の特定の印画物形成方法によって得られる一の印画物Pが使用されて当該使用後に回収される接着・剥離性印画物S(以下、「不用接着・剥離性印画物S」ともいう。)からは、分離処理を経ることにより基材シートが分離され、この分離された基材シート(以下、「再使用用基材シート」ともいう。)が画像形成用材料として上述した第1の特定の印画物形成方法または第2の特定の印画物形成方法に再使用されて本発明の印画物を繰り返し得ることができることが好ましい。
上述の特定の印画物形成方法と、基材シートの分離処理とを交互に繰り返すことにより、省エネルギー化が達成される再使用システムが得られる。
【0058】
再使用用基材シートは、不用接着・剥離性印画物Sにおける基材シート17の粘着層15のトナー粒子像Tを保持した面を布などによって擦過するワイプ処理を行ってトナー粒子像Tを構成するトナー粒子を除去することにより、得ることができる。
また、再使用用基材シートは、トナー粒子として磁性を有するものが用いられている場合は、不用接着・剥離性印画物Sに磁力を作用させて基材シート17からトナー粒子を分離させて静置させる方法によっても、得ることができる。
【0059】
原材料から製造された初期の基材シートを用いて得た印画物の、当該印画物の形成に要するエネルギーと、以上のように回収された再使用用基材シートを用いて得た印画物の、当該印画物の形成に要するエネルギーとの差は、実質的に、初期の基材シートを原材料から製造するために要する初期の製造エネルギーから、分離処理に係るエネルギーを引いた大きさである。
分離処理に係るエネルギーは、初期の製造エネルギーに比べて極めて小さいために、大きな省エネルギー化が達成される。
【0060】
〔画像支持基材の再使用〕
また、本発明に係る第1または第2の特定の印画物形成方法によって得られる一の印画物Pからの不用接着・剥離性印画物Sからは、分離処理を経ることにより画像支持基材が分離され、この分離された画像支持基材(以下、「再使用用画像支持基材」ともいう。)が画像形成用材料として上述した本発明に係る第1または第2の特定の印画物形成方法に再使用されて本発明の印画物を得ることができることが好ましい。
上述の特定の印画物形成方法と、画像支持基材の分離処理とを交互に繰り返すことにより、省エネルギー化が達成される再使用システムが得られる。
【0061】
再使用用画像支持基材は、基材シート17からトナー粒子像Tが保持された状態の粘着層15を直接剥離することにより、得られる。
また、粘着材は溶解または膨潤させることができ、かつ、画像支持基材11は溶解させない分離処理液に、印画物Pを浸漬することによっても、得られる。
【0062】
〔分離処理液〕
分離処理液としては、例えば水、メチルアルコール、エチルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、およびこれらの混合物などが挙げられる。
分離処理液には、画像形成用材料との親和性を高めるために、界面活性剤などが添加されていてもよい。
【0063】
分離処理液に浸漬された状態で分離された画像支持基材11と粘着材の分離処理液溶液は、例えば遠心分離機に掛けることにより、各々、回収することができる。
【0064】
原材料から製造された初期の画像支持基材を用いて得た印画物の、当該印画物の形成に要するエネルギーと、以上のように回収された再使用用画像支持基材を用いて得た印画物の、当該印画物の形成に要するエネルギーとの差は、実質的に、初期の画像支持基材を原材料から製造するために要する初期の製造エネルギーから、分離処理に係るエネルギーを引いた大きさである。
分離処理に係るエネルギーは、初期の製造エネルギーに比べて極めて小さいために、大きな省エネルギー化が達成される。
【0065】
〔粘着層の再使用〕
また、本発明に係る第1または第2の特定の印画物形成方法によって得られる一の印画物Pからの不用接着・剥離性印画物Sからは、分離処理を経ることにより粘着層を形成する粘着材が分離され、この分離された粘着材(以下、「再使用用粘着材」ともいう。)が画像形成用材料として再使用されて新たな粘着層(以下、「再使用用粘着層」ともいう。)が形成されて、上述した本発明に係る第1または第2の特定の印画物形成方法に再使用されて本発明の印画物を得ることができることが好ましい。
また、分離処理を経ることにより粘着層15が分離されてこの分離された粘着層が画像形成用材料として再使用されて再使用用粘着層が形成されて、上述した本発明に係る第1または第2の特定の印画物形成方法に用いられてもよい。
上述の特定の印画物形成方法と、粘着層の分離処理とを交互に繰り返すことにより、省エネルギー化が達成される再使用システムが得られる。
【0066】
再使用用粘着層は、粘着層15を形成する粘着材は溶解させることができ、かつ、他の構成材は溶解させない分離処理液に浸漬して溶解し、回収される粘着材の分離処理液溶液から分離処理液を除去して分離粘着材を得、この粘着材を用いて層形成させることにより、得られる。分離処理液に浸漬させる対象物は、不用接着・剥離性印画物Sとされる。
また、粘着層15を形成する粘着材を膨潤させることができる分離処理液に浸漬して膨潤させ、粘着材以外の構成材および分離処理液を除去し、これを静置することによっても、得られる。
また、不用接着・剥離性印画物Sの粘着層15におけるトナー粒子像Tを保持した面を布などによって擦過するワイプ処理を行うことにより、得ることもできる。
さらに、不用接着・剥離性印画物Sの粘着層15に磁力を作用させてトナー粒子を取り除き、当該トナー粒子が取り除かれた固体状の粘着層を溶融させてこれを用いて層形成させることによっても、あるいは、当該トナー粒子が取り除かれた固体状の粘着層を静置することによっても、得られる。
【0067】
〔剥離シートの再使用〕
さらに、本発明に係る第1または第2の特定の印画物形成方法によって得られる一の印画物Pから剥離して除去される剥離シート(以下、「再使用用剥離シート」ともいう。)は、画像形成用材料として上述した本発明に係る第1または第2の特定の印画物形成方法に再使用されて本発明の印画物を得ることができることが好ましい。
上述の特定の印画物形成方法と、剥離シートの剥離とを交互に繰り返すことにより、省エネルギー化が達成される再使用システムが得られる。
【0068】
原材料から製造された初期の剥離シートを用いて得た印画物の、当該印画物の形成に要するエネルギーと、以上のように回収された再使用用剥離シートを用いて得た印画物の、当該印画物の形成に要するエネルギーとの差は、実質的に、初期の剥離層を原材料から製造するために要する初期の製造エネルギーから、剥離に係るエネルギーを引いた大きさである。
剥離に係るエネルギーは、初期の製造エネルギーに比べて極めて小さいために、大きな省エネルギー化が達成される。
【0069】
以上のような、得られる印画物Pから分離された剥離シート18および/または基材シート17および/または粘着層15および/または画像支持基材11を再使用する方法によれば、全体として大きな省エネルギー化が達成される。
【0070】
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明の実施の形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
【実施例】
【0071】
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0072】
〔剥離シートの作製例1〜4〕
剥離用基材として、表1に記載のものを用い、剥離層を有さないものとして構成する場合はそのままのものを剥離シートとして、また、剥離層を有するものとして構成する場合は剥離用基材の表面に低温硬化型シリコーンエラストマー材料「SE1740」(東レ・ダウコーニング株式会社製)を膜厚5μmになるようにバーコーターで塗布した後、80℃で1時間加熱硬化を行うことにより剥離層を形成したものを剥離シートとして、剥離シート〔1〕〜〔4〕を作製した。
表1において、「J紙」は紙「Jペーパー」(コニカミノルタビジネスソリューションズ社製)、「グロスコート紙」は紙「PODグロスコート紙」(王子製紙株式会社製)である。
【0073】
【表1】

【0074】
〔基材シートの作製例1〕
厚さ50μmの透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムベース(画像支持基材:透過濃度0.05)上に、硬化後の針入度が75になるシリコーンゲル材料A「CY52−276」(東レ・ダウコーニング株式会社製)を、膜厚50μmになるようにバーコーターで塗布し、70℃で1時間加熱して硬化することによって、粘着層を有する基材シート〔1〕を作製した。
【0075】
〔基材シートの作製例2〜6〕
基材シートの作製例1において、シリコーンゲル材料Aの代わりに、シリコーンゲル材料B「SE1891H」(東レ・ダウコーニング株式会社製)、シリコーンエラストマー材料A「SE1740」(東レ・ダウコーニング株式会社製)、シリコーンエラストマー材料B「Sylgard184」(東レ・ダウコーニング株式会社製)を表2に従って配合した塗布液をバーコーターで塗布し、120℃で1時間加熱硬化したことの他は同様にして、基材シート〔2〕〜〔6〕を作製した。各基材シートのJISタイプAに準じて測定される硬さを測定し、表2に示した。
【0076】
【表2】

【0077】
〔印画物の形成例1:第1の実施の形態に係る方法〕
剥離シート〔1〕の剥離層上に、定着器を取り外した「bizhub C 253」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)によって、当該機種に対応する市販の現像剤を用いてカラートナー像を形成し、基材シート〔1〕を、当該基材シート〔1〕の粘着層がカラートナー像に接触する状態に剥離シート〔1〕に重畳し、その後、前記の取り外した定着器を加熱しない状態で通過させて押圧することにより、印画物〔1〕を得た。
【0078】
〔印画物の形成例2〜21:第1の実施の形態に係る方法〕
印画物の形成例1において、表3に従った剥離シートおよび基材シートを用いたことの他は同様にして、印画物〔2〕〜〔21〕を得た。
【0079】
〔接着性の評価〕
この印画物〔1〕〜〔21〕の基材シートを剥離シートから剥離することによって、それぞれ接着・剥離性印画物〔1〕〜〔21〕を得、これをガラス板の一方の面を貼付対象面として貼付したところ、接着・剥離性印画物〔1〕〜〔21〕の全てについて、接着・剥離性印画物が貼付されたガラス板を垂直に立てても、これを空中において貼付対象面を地に向けた状態としても、接着・剥離性印画物がガラス板に対して適度な接着力を発揮することが確認された。また、剥離後に、基材シートにおける非画像部の硬さをJISタイプAに準じて測定したところ、それぞれ表2に示した値と変化がないことが確認された。
【0080】
〔表示画像の視認性の評価〕
この接着・剥離性印画物〔1〕〜〔21〕をガラス板に貼付した状態において目視で観察したところ、実施例に係る接着・剥離性印画物〔8〕〜〔10〕、〔18〕〜〔20〕については、その表示画像を鮮明に視認することができることが確認された。一方、比較例に係る接着・剥離性印画物〔1〕〜〔4〕、〔6〕、〔7〕、〔12〕〜〔14〕、〔16〕、〔17〕については、剥離シートの一部が剥離して粘着層を汚染したり、逆に粘着層が断裂して表示画像が剥離シートに残留することが確認された。また、比較例に係る接着・剥離性印画物〔5〕、〔11〕、〔15〕については、表示画像が安定せず、視認性が著しく損なわれた。
以下の評価基準に従った評価を表3に示す。
−評価基準−
◎:表示画像を極めて鮮明に視認することができる。
○:表示画像は◎に準ずる視認性を有する。
△:初期の視認性は優れるものの、経時的劣化等によって表示画像の鮮明さを長期間にわたって維持することができない。
×:初期より表示画像が安定せず、視認性が著しく損なわれる。
【0081】
〔繰り返し接着性の評価〕
この印画物〔1〕〜〔21〕の基材シートを剥離シートから剥離することによって、それぞれ接着・剥離性印画物〔1〕〜〔21〕を得、これをガラス板に貼付して12時間後に剥離した後に再度貼付する操作を、12時間毎に繰り返し行うことを2週間継続して行い、下記評価基準に従って評価した。結果を表3に示す。
−評価基準−
◎:2週間にわたって剥離時に粘着材がガラス板に残留することなく、接着性が発揮される。
○:1週間以上2週間未満の期間にわたって剥離時に粘着材がガラス板に残留することなく、接着性が発揮される。
△:貼付−剥離の操作を数回繰り返しただけで、剥離時に粘着材がガラス板に残留する。
×:貼付−剥離の初回の操作の剥離工程において、剥離できない、または、剥離しても粘着材がガラス板に残留する。
【0082】
【表3】

【0083】
〔印画物の形成例1:第2の実施の形態に係る方法〕
印画物の形成例1〜21に従った組み合わせの剥離シートおよび基材シートを用いて、それぞれ、基材シートの粘着層上に、定着器を取り外した「bizhub C 253」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)によって、当該機種に対応する市販の現像剤を用いてカラートナー像を形成し、剥離シートを、当該剥離シートの剥離層がカラートナー像に接触する状態に基材シートに重畳し、その後、前記の取り外した定着器を加熱しない状態で通過させて押圧することにより、印画物〔R1〕〜〔R21〕を得た。
これらの印画物〔R1〕〜〔R21〕について、印画物〔1〕〜〔21〕と同様の方法によって接着性、表示画像の視認性および繰り返し接着性の評価を行ったところ、それぞれ印画物〔1〕〜〔21〕と全く同じ結果が得られた。
【0084】
<再生印画物の作製例1>
本発明に係る印画物〔18〕について、基材シートを剥離し、剥離によって露出した面をメタノールを含んだ不織布で拭き取ることにより、再使用用基材シート〔18〕を得た。
この再使用用基材シート〔18〕と、剥離された剥離シートを用い、当該実施例4に係る印画物〔18〕と同様にして、再生印画物〔18〕を得た。この再生印画物〔18〕は、初期の印画物〔18〕と比べて目視において画像品質に差がなく、また、同等の繰り返し貼付性を有していた。
【0085】
<再生印画物の作製例2〜6>
再生印画物の作製例1において、印画物〔18〕の代わりに本発明に係る印画物〔8〕〜〔10〕、〔19〕、〔20〕を用いたことの他は同様にして、再生印画物を作製したところ、それぞれ、同様の結果が得られた。
【符号の説明】
【0086】
10S 接着面
11 画像支持基材
13 剥離層
14 剥離用基材
15 粘着層
17 基材シート
18 剥離シート
P 印画物
S 接着・剥離性印画物
T トナー粒子像




【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像支持基材上に粘着層が形成されてなる基材シートを有し、当該基材シートの粘着層にトナー粒子が埋没されることによりトナー粒子像が保持されており、剥離用基材上に剥離層が形成されてなる剥離シートの剥離層が前記基材シートの粘着層に対向して接着された状態に積層されてなる印画物であって、
前記基材シートの粘着層が、JIS K6253 タイプAに準じて測定される硬さが2以上10以下であることを特徴とする印画物。
【請求項2】
前記粘着層が、架橋構造を有するシリコーン樹脂または架橋構造を有するアクリル樹脂を含有してなるものであることを特徴とする請求項1に記載の印画物。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の印画物を形成する方法であって、
一様に帯電された感光体を露光することによって静電潜像を形成する静電潜像形成工程、前記静電潜像をトナー粒子を含む現像剤により現像してトナー粒子像を形成する現像工程、前記トナー粒子像を剥離シートの剥離層上に静電転写する静電転写工程、および、静電転写されたトナー粒子像を担持する剥離シートを、当該剥離シートの剥離層と基材シートの粘着層を対向する状態に接着させて押圧することにより、粘着層内にトナー粒子を埋没させてトナー粒子像を保持させる圧着工程を有することを特徴とする印画物の形成方法。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の印画物を形成する方法であって、
一様に帯電された感光体を露光することによって静電潜像を形成する静電潜像形成工程、前記静電潜像をトナー粒子を含む現像剤により現像してトナー粒子像を形成する現像工程、前記トナー粒子像を基材シートの粘着層上に静電転写する静電転写工程、および、静電転写されたトナー粒子像を担持する基材シートを、当該基材シートの粘着層と剥離シートの剥離層を対向する状態に接着させて押圧することにより、粘着層内にトナー粒子を埋没させてトナー粒子像を保持させる圧着工程を有することを特徴とする印画物の形成方法。




【図1】
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