説明

印画紙、フォトブックおよび画像印画方法

【課題】誰でも容易に、見栄えが良いフォトブックの製本作業ができる印画紙を提供する。
【解決手段】印画紙1の印画部領域11は、フォトブックの1ページ分の領域である単位印画部12が複数設けられる。印画部領域11には、複数の単位印画部12を有するライン印画部13が複数設けられる。印画紙1には、ライン印画部13同士の境界14に対して、一方の端部に位置する単位印画部12を除いて本体部2にハーフカットが施される。いずれか1つのライン印画部13に含まれる2つの単位印画部12は、フォトブックの背15の幅だけ離れて設けられ、この2つの単位印画部12がフォトブックの表表紙および裏表紙として用いられる。印画紙1には、単位印画部12同士の境界のうち、ハーフカットが施された境界を除いて、折り目線が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人向けの写真アルバムであるフォトブック等、特に、人手によって製本作業を行うフォトブック等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラ等で撮影された写真を印画し、製本するフォトブック制作サービスが広まっている。フォトブック制作サービスとしては、(1)インターネットや店頭に設置された端末を介して注文し、注文場所とは異なる場所で印画、製本され、郵送または店頭にてフォトブックを受け取る方法、(2)店頭に設置された端末を介して注文し、その場で印画され、製本されたフォトブックを受け取る方法などが知られている。また、(1)、(2)等において、個人または専門家が製本作業を行う方法も知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、所定の印画がなされた後に折り曲げ処理されて複数のページ部となり、これに表紙が付けられて冊子となる手作り冊子作成用の印画用紙が記載されている。
特許文献1の実施例1では、別体の表紙31および背表紙32が、印画専用用紙10と共にキットとして提供されることが記載されている(段落[0043]、図4(c)参照)。実施例2では、あらかじめ綴じられた冊子作成用台紙51がキットとして同封されることが記載されている(段落[0046]、図5(c)参照)。実施例3では、印画用紙70に取り付ける表紙90が記載されている(段落[0054]、図8参照)。すなわち、特許文献1では、フォトブックの表紙が、画像が印画される印画用紙とは別体として準備されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−358810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のように、フォトブックの表紙と印画用紙を別体とすると、表紙と印画用紙との貼付作業を行う必要がある。この貼付作業では、表紙と印画用紙との端部の位置合わせが必要となる。
しかしながら、予め折り曲げ線を印画しておくことによって仕上がり精度の向上が可能な折り曲げ作業とは異なり、別体の表紙の端部と、印画用紙の端部との位置合わせ作業に対しては、仕上がり精度を向上させる手段がなく、作業に慣れていないユーザは失敗する可能性が高い。そして、端部の位置合わせ作業に失敗すると、非常に見栄えの悪いフォトブックになってしまう。
【0006】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、誰でも容易に、見栄えが良いフォトブックの製本作業ができる印画紙等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために第1の発明は、フォトブック用途に用いられ、受容層を含む本体部と離型シートとが積層されており、フォトブックの1ページ分の領域である単位印画部が、印画時の1面分の領域である印画部領域に複数設けられる印画紙であって、前記印画部領域には、複数の前記単位印画部を有するライン印画部が複数設けられ、前記ライン印画部同士の境界は、一方の端部に位置する前記単位印画部を除いて前記本体部にハーフカットが施され、いずれか1つの前記ライン印画部に含まれる2つの前記単位印画部は、フォトブックの背幅だけ離れて設けられ、当該2つの前記単位印画部がフォトブックの表表紙および裏表紙として用いられることを特徴とする印画紙である。
第1の発明の印画紙に画像印画処理を行うことによって、表紙と中身とが一体形成された画像印画済の印画紙が得られるので、端部の位置合わせが不要となり、誰でも容易に、見栄えが良いフォトブックの製本作業ができる。
【0008】
第1の発明は、前記単位印画部同士の境界のうち、ハーフカットが施された境界を除いて、折り目線が形成されることが望ましい。
これによって、フォトブックの製本作業において、折り目線に沿って折り作業を行うことができるので、製本作業の仕上がり精度を向上させることができる。
【0009】
また、第1の発明は、前記印画部領域のうち、前記単位印画部が設けられていない領域である余白領域に、検知マークが設けられることが望ましい。
これによって、画像印画処理の際、印画ずれが発生することがなく、見栄えが良いフォトブックを製作することができる。
【0010】
また、第1の発明は、前記単位印画部同士の境界のうち、フォトブックとして製本されるときに谷折りされる境界は、前記本体部および前記離型シートを断裁するカット部を有するミシン目が形成されることが望ましい。
これによって、貼付作業対象の2つの単位印画部の離型シートのみを剥がすことができ、貼付作業が容易になる。
【0011】
また、第1の発明における前記単位印画部のうち、先頭ページおよび最終ページに相当する前記単位印画部、並びに、フォトブックの表表紙および裏表紙として用いられる前記単位印画部は、左右方向(23、23A、23B)の大きさが、他の前記単位印画部よりも大きいことが望ましい。
これによって、フォトブックとして製本されたときに、表紙が中身より一回り大きくなるので、堅牢で、保存に適したフォトブックとすることができる。
【0012】
また、第1の発明における前記ライン印画部は、それぞれ偶数個の単位印画部を有することが望ましい。
これによって、無駄になる単位印画部がない。更に、全てのフォトブックのページに対して、見開き画像を印画することもできる。
【0013】
第2の発明は、第1の発明の印画紙を用いて制作されるフォトブックであって、隣接する前記ライン印画部には、互いに画像の上下方向(24、24A、24B)の向きが反対となるように、それぞれの画像が印画されることを特徴とするフォトブックである。
このようなフォトブックは、全ての画像が正しい向きに配置されており、見栄えが良い。
【0014】
第3の発明は、第2の発明のフォトブックの画像を印画する画像印画方法であって、複数の画像データと、前記画像データのページ順とを入力する入力ステップと、第1のライン印画部において、一方の端部の前記単位印画部から、前記ページ順に従って順番に、前記画像データを配置する第1の配置ステップと、前記第1のライン印画部と隣接する第2のライン印画部において、前記第1の配置ステップと左右方向(23、23A、23B)に対して反対の端部の前記単位印画部から、前記ページ順に従って順番に、かつ前記第1の配置ステップと上下方向(24、24A、24B)の向きが反対となるように、前記画像データを配置する第2の配置ステップと、を含むことを特徴とする画像印画方法である。
これによって、画像印画処理がなされ、フォトブックとして製本される直前の状態の印画紙を提供することができる。
【0015】
第3の発明における前記入力ステップは、更に、表表紙に印画される表表紙用画像データおよび裏表紙に印画される裏表紙用画像データを入力し、第3の発明は、更に、表表紙および裏表紙として用いられる2つの前記単位印画部に、それぞれ前記表表紙用画像データおよび前記裏表紙用画像データを配置する第3の配置ステップ、を含むことが望ましい。
これによって、表紙にユーザが所望する画像が配置された印画紙を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、誰でも容易に、見栄えが良いフォトブックの製本作業ができる印画紙等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】印画紙1の層構成の一例を示す図
【図2】印画紙1の平面構成の一例を示す図
【図3】印画紙1の画像配置の一例を示す図
【図4】ハーフカット処理と折り目線形成処理を説明する図
【図5】印画紙1Aの平面構成および画像配置の一例を示す図
【図6】印画紙1Bの平面構成および画像配置の一例を示す図
【図7】画像印画システム100の概要を示す図
【図8】熱転写プリンタ50の概要を示す図
【図9】熱転写シート52の平面構成の一例を示す図
【図10】印画テンプレート70の一例を示す図
【図11】画像印画処理の流れを示すフローチャート
【図12】製本作業の手順を示す図
【図13】印画紙1の実施例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、印画紙1の層構成の一例を示す図である。図1に示すように、印画紙1は、少なくとも受容層3を含む本体部2と、離型シート7とが積層されて構成されるものである。
本体部2は、受容層3に加えて、基材4a、接着剤層5、基材4b、粘着剤層6を含むことが望ましい。これらは、強度や耐熱性、色材の接着性などを考慮して、様々な構成あるいは材料を用いることができる。
例えば、図1に示す本体部2は、フォトブックとして製本されたときの強度を持たせる為、基材4aと基材4bの両方を備えるが、1つの材料のみで目的の強度を達成できる場合、本体部2は、基材4aと基材4bのいずれか1つのみを含むものとすることができる。
フォトブックとは、主に写真の画像が印画された複数のページが綴じられた冊子である。
【0019】
図2は、印画紙1の平面構成の一例を示す図である。印画紙1は、端部10a、10bを有するロール紙であり、フォトブック用途に用いられる。ロール紙の場合、印画時の1面分の領域である印画部領域11が、複数設けられる。但し、印画紙1は、印画部領域11が1つのみ設けられる枚葉紙であっても良い。
尚、図2では、二点鎖線による矩形によって、印画紙1の各要素(11、12、13、14、14aの付番によって示される要素)の範囲を示すものとする。
【0020】
図2の凡例に示すように、印画部領域11の内部に図示される線は、太線が「ハーフカット」、一点鎖線が「折り目線(谷)」、破線が「折り目線(山)」、点線(丸)が「(フォトブックの)背の折り目線」を意味する。
ここで、折り目線とは、フォトブックの製本作業において、折り作業を行うときの折位置を示す線である。「折り目線(谷)」は、谷折り作業を行うときの折位置を示し、「折り目線(山)」は、山折り作業を行うときの折位置を示す。
また、ハーフカットとは、印画紙1の離型シート7を除く本体部2を断裁するものである。
ハーフカット、折り目線(谷)、折り目線(山)、背の折り目線の形成方法については、図4を参照しながら後述する。
【0021】
印画紙1の印画部領域11は、フォトブックの1ページ分の領域である単位印画部12が複数設けられる。図2の例では、単位印画部12が22個設けられている。
【0022】
印画部領域11には、複数の単位印画部12を有するライン印画部13が複数設けられる。図2の例では、ライン印画部13が4個設けられている。図2の例では、6個の単位印画部12を有するライン印画部13が3個、4個の単位印画部12を有するライン印画部13が1個設けられている。このように、ライン印画部13は、それぞれ偶数個の単位印画部12を有する。
【0023】
印画紙1には、ライン印画部13同士の境界14に対して、一方の端部に位置する単位印画部12を除き、ハーフカットが施される。図2の例では、例えば、6つの単位印画部12が接する境界14に対して、一方の端部に位置する単位印画部12同士が共有する境界14aを除き、ハーフカットが施される。
【0024】
いずれか1つのライン印画部13に含まれる2つの単位印画部12は、フォトブックの背15の幅だけ離れて設けられ、この2つの単位印画部12がフォトブックの表表紙および裏表紙として用いられる。
裏表紙として用いられる単位印画部12は、フォトブックの最終ページに相当する単位印画部12と隣接する。そして、裏表紙の単位印画部12と最終ページの単位印画部12とが共有する境界は、ハーフカットではなく、折り目線が形成される。これによって、フォトブックの中身と表紙が一体の状態で製本作業が行われ、表紙と中身の端部(矩形であれば4つの辺)の位置合わせをして一体とする作業が不要となる。
図2の例では、単位印画部12aが裏表紙、単位印画部12bが表表紙として用いられる。
【0025】
印画紙1には、単位印画部12同士の境界のうち、ハーフカットが施された境界を除いて、折り目線が形成される。図2の例では、一点鎖線によって示される境界には、谷折り用の折り目線が形成される。また、破線によって示される境界には、山折り用の折り目線が形成される。
尚、点線(丸)は、単位印画部12同士の境界ではないが、フォトブックの背15の折り目線が形成されても良い。
【0026】
印画紙1には、印画部領域11のうち、単位印画部12が設けられていない領域である余白領域17に、検知マーク16が設けられる。検知マーク16は、画像印画処理において設けられるものではなく、印画紙1の製造時に設けられる。
検知マーク16は、例えば、印画部領域11同士の間の領域18に設けられる。
【0027】
図3は、印画紙1の画像配置の一例を示す図である。
図3に示す「No1」〜「No20」は、フォトブックのページ番号を示している。また、「表表紙」および「裏表紙」は、フォトブックとして製本されたとき、それぞれ、表表紙および裏表紙となる単位印画部12を示している。
【0028】
図3に示すように、以下では、印画紙1の方向は、長手方向21および幅方向22と記載する。印画紙1がロール紙の場合、長手方向21は、印画紙1が巻かれる方向である。幅方向22は、印画紙1が巻かれる方向と直交する方向である。
また、印画部領域11の方向は、左右方向23および上下方向24と記載する。左右方向23は、ライン印画部13内で単位印画部12が並べられる方向である。上下方向24は、ライン印画部13が並べられる方向である。
左右方向23の左端の単位印画部12は、図3に示す「No1」、「No12」、「No13」、「表表紙」である。左右方向23の右端の単位印画部12は、図3に示す「No6」、「No7」、「No18」、「No19」である。
上下方向24の上端の単位印画部12は、図3に示す「No1」〜「No6」である。上下方向24の下端の単位印画部12は、図3に示す「表表紙」、「裏表紙」、「No20」、「No19」である。
上下方向24の上端に位置するライン印画部13を1列目のライン印画部13とし、以下、下端に向かって、2列目、3列目、4列目のライン印画部13とする。
【0029】
1列目のライン印画部13には、左右方向23の左端から順に、フォトブックのNo1〜No6のページに相当する単位印画部12が設けられる。
2列目のライン印画部13には、左右方向23の右端から順に、フォトブックのNo7〜No12のページに相当する単位印画部12が設けられる。
3列目のライン印画部13には、左右方向23の左端から順に、フォトブックのNo13〜No18のページに相当する単位印画部12が設けられる。
4列目のライン印画部13には、左右方向23の右端から順に、フォトブックのNo19〜No20のページに相当する単位印画部12、並びに、裏表紙として用いられる単位印画部12a、および表表紙として用いられる単位印画部12bが設けられる。
【0030】
図4は、ハーフカット処理と折り目線形成処理を説明する図である。図4(a)は、図3の上下方向24の上端かつ左右方向23の左端の周辺を示している。図4(b)は、図4(a)のA−A断面の断面図である。
図3の凡例を参照すれば分かるように、31はハーフカット、32a、32bは折り目線(谷)、33a、33bは折り目線(山)を示している。
ハーフカット31は、フォトブックとして製本されるときに、本になる領域とそれ以外とを分離する境界、またはライン印画部13同士を分離する境界である。折り目線(谷)32a、32bは、フォトブックとして製本されるときに谷折りされる境界である。また、折り目線(山)33a、33bは、フォトブックとして製本されるときに山折りされる境界である。
【0031】
ハーフカット31は、図4(b)に示すように、離型シート7を除く本体部2を断裁するものである。ハーフカット31の形成方法は、カッタ刃を取り付けた上型と台座の間に、印画紙1を挿入して、上型を上下動させる方法や、シリンダータイプのロータリーカッタ方法等、ハーフカット31を形成できる方法であれば特に制限はないが、カッタ刃を用いて所望の形状及び深さを形成することが好ましい。ハーフカット31は、例えば、特開2000−211258に記載されている方法などによって形成される。
【0032】
尚、本になる領域とそれ以外とを分離する境界に関しては、ブリッジを形成しても良い。ブリッジは、ハーフカット部の内部のいずれかに設けられるアンカット部である。
例えば、後述する画像印画処理において、印画紙1が長手方向21に搬送される場合、上下方向24に延伸し、かつ本になる領域とそれ以外とを分離するハーフカット(=左右方向23の左端および右端のハーフカット)についてブリッジを形成することで、搬送中に本体部2が剥がれるなどの搬送トラブルを防ぐことができる。
【0033】
折り目線(谷)32a、32bは、例えば、ミシン目として形成されることが望ましい。ミシン目は、ハーフカット部にアンカット部を繰り返し設けたものである。ミシン目は、例えば、カット部の長さが、アンカット部の長さよりも長くなるように形成される。ミシン目は、ハーフカットと同様の方法にて形成することができる。
【0034】
ここで、折り目線(谷)32a、32bに対しては、図4(b)に示すように、ミシン目のカット部が、本体部2に加えて、離型シート7も断裁するように形成することが望ましい。
図12を参照して後述するように、フォトブックとして製本されるときに、山折りされる境界を共有する2つの単位印画部12は、粘着剤層6によって貼り付けられる。このとき、他の単位印画部12の離型シート7まで剥がれていると、例えば粘着剤層6同士などの意図していない部分が貼り付くなどして、貼付作業が困難になる。
一方、折り目線(谷)32a、32bに対しては、ミシン目のカット部が、本体部2に加えて、離型シート7まで断裁されていれば、貼付作業対象の2つの単位印画部12の離型シート7のみを剥がすことができ、貼付作業が容易になる。
例えば、図4に示す例であれば、No2とNo3の貼付作業を行う際、作業者は、折り目線(谷)32aから折り目線(谷)32bまでの離型シート7(=No2およびNo3の単位印画部12の離型シート7)のみを剥がし、折り目線(谷)32bよりも左右方向23に対して右方向の離型シート7(=No4以降の単位印画部12の離型シート7)を剥がさずに作業をすれば良い。
【0035】
尚、折り目線(谷)32a、32bにおいて、離型シート7も断裁するミシン目を形成する場合、前述のハーフカット31も、離型シート7を断裁するように形成しても良い。
これによって、作業者が本体部2を剥がそうとすると、剥がされる本体部2と接する離型シート7は、本体部2に付着したまま、本にならない領域(余白17)から剥がれる。
【0036】
折り目線(山)33a、33bは、例えば、ミシン目として形成される。折り目線(山)33a、33bに対しては、図4(b)に示すように、ミシン目のカット部が、本体部2の一部または全部を断裁し、離型シート7を断裁しないように形成することが望ましい。
折り目線(山)33a、33bの離型シート7が断裁されていると、1回の貼付作業において、離型シート7を2回剥がす必要がある(=貼付対象の両面分の本体部2に付着している離型シート7を剥がす必要がある)。一方、折り目線(山)33a、33bの離型シート7が断裁されていないと、1回の貼付作業において、離型シート7を1回剥がすだけで良い。
図4(b)の例では、ミシン目のカット部が、本体部2を断裁している。
【0037】
尚、粘着剤層6に用いられる粘着剤の性質などによっては、折り目線(谷)32a、32b、および折り目線(山)33a、33bは、ミシン目のように本体部2や離型シート7を断裁するのではなく、単に押圧によって筋目を形成するだけでも良い。この場合、作業者が本体部2を剥がそうとすると、剥がされる本体部2と接する離型シート7が、本にならない領域(余白17)に付着し、本体部2から剥がれる。
【0038】
フォトブックの背15の2つの折り目線については、折り目線(谷)32a、32b、および折り目線(山)33a、33bと同様、ミシン目や筋目などを形成しても良い。また、フォトブックの背15の2つの折り目線のうち、いずれか一方のみに、ミシン目や筋目などを形成しても良い。
【0039】
以上、印画紙1の構成について説明したが、印画紙1の平面構成および画像配置は、図2、図3に示す態様に限られない。以下では、図5、図6を参照しながら、印画紙1の平面構成および画像配置の変形例について説明する。
【0040】
図5は、印画紙1Aの平面構成および画像配置の一例を示す図である。
図5に示す印画紙1Aも、図2に示す印画紙1と同様、端部10a、10bを有するロール紙である。
また、印画紙1と同様、印画紙1Aには、印画部領域11が複数設けられる。印画紙1Aの印画部領域11には、複数のライン印画部13が設けられ、ライン印画部13同士の境界14に対して、一方の端部に位置する単位印画部12を除いて本体部2にハーフカットが施される。また、いずれか1つのライン印画部13に含まれる2つの単位印画部12は、フォトブックの背15の幅だけ離れて設けられ、この2つの単位印画部12がフォトブックの表表紙および裏表紙として用いられる。印画紙1Aには、単位印画部12同士の境界のうち、ハーフカットが施された境界を除いて、折り目線が形成される。
【0041】
印画紙1Aは、印画紙1と異なり、No1のページ(先頭ページ)およびNo20のページ(最終ページ)に相当する単位印画部12、並びに、裏表紙として用いられる単位印画部12aおよび表表紙として用いられる単位印画部12bの左右方向23Aの大きさが、他の単位印画部12よりも、大きくなっている。このようにすることで、フォトブックとして製本されたときに、表紙が中身より一回り大きくなるので、堅牢で、保存に適したフォトブックとすることができる。
【0042】
また、印画紙1Aは、印画紙1と異なり、1列目のライン印画部13の右端を超えない位置の余白17Aに、検知マーク16Aが設けられている。この位置に検知マーク16Aが設けられると、印画部領域11同士の間の領域18Aが、印画紙1よりも狭くなり、画像の印画に使用されない領域を減らすことができる。
【0043】
図5に示すように、印画紙1Aの1列目のライン印画部13には、左右方向23Aの右端から順に、フォトブックのNo1〜No6のページに相当する単位印画部12が設けられる。
2列目のライン印画部13には、左右方向23Aの左端から順に、フォトブックのNo7〜No12のページに相当する単位印画部12が設けられる。
3列目のライン印画部13には、左右方向23Aの右端から順に、フォトブックのNo13〜No18のページに相当する単位印画部12が設けられる。
4列目のライン印画部13には、左右方向23Aの左端から順に、フォトブックのNo19〜No20のページに相当する単位印画部12、並びに、裏表紙として用いられる単位印画部12a、および表表紙として用いられる単位印画部12bが設けられる。
【0044】
図6は、印画紙1Bの平面構成および画像配置の一例を示す図である。
図6に示す印画紙1Bも、図2に示す印画紙1と同様、端部10a、10bを有するロール紙である。
また、印画紙1と同様、印画紙1Bには、印画部領域11が複数設けられる。印画紙1Bの印画部領域11には、複数のライン印画部13が設けられ、ライン印画部13同士の境界14に対して、一方の端部に位置する単位印画部12を除いて本体部2にハーフカットが施される。また、いずれか1つのライン印画部13に含まれる2つの単位印画部12は、フォトブックの背15の幅だけ離れて設けられ、この2つの単位印画部12がフォトブックの表表紙および裏表紙として用いられる。印画紙1Bには、単位印画部12同士の境界のうち、ハーフカットが施された境界を除いて、折り目線が形成される。
【0045】
印画紙1Bには、印画紙1と異なり、6列目のライン印画部13の左右方向23Bに対して左の位置の余白17Bに、検知マーク16Bが設けられている。この位置に検知マーク16Bが設けられると、印画部領域11同士の間の領域18Bが、印画紙1よりも狭くなり、画像の印画に使用されない領域を減らすことができる。
【0046】
図6に示すように、印画紙1Bの1列目のライン印画部13には、左右方向23Bの左端から順に、フォトブックのNo1〜No4のページに相当する単位印画部12が設けられる。
2列目のライン印画部13には、左右方向23Bの右端から順に、フォトブックのNo5〜No8のページに相当する単位印画部12が設けられる。
3列目のライン印画部13には、左右方向23Bの左端から順に、フォトブックのNo9〜No12のページに相当する単位印画部12が設けられる。
4列目のライン印画部13には、左右方向23Bの右端から順に、フォトブックのNo13〜No16のページに相当する単位印画部12が設けられる。
5列目のライン印画部13には、左右方向23Bの左端から順に、フォトブックのNo17〜No20のページに相当する単位印画部12が設けられる。
6列目のライン印画部13には、左右方向23Bの右端から順に、裏表紙として用いられる単位印画部12a、および表表紙として用いられる単位印画部12bが設けられる。
【0047】
前述の説明では、単位印画部12の形状を矩形(正方形)としたが、当然ながら、本発明はこれに限定されない。本発明は、隣接する単位印画部12同士が、一部の境界を共有していれば良い。従って、単位印画部12の形状は、例えば、矩形の四隅が角取りされた形状、楕円形状、ハートマーク形状など、様々な形状とすることができる。
【0048】
また、前述の説明では、印画紙1は、フォトブックの中身として、20ページ分の単位印画部12が設けられるものとしたが、当然ながら、本発明はこれに限定されない。本発明では、ページ数(単位印画部12の個数)、単位印画部12の左右方向23Aのサイズ、単位印画部12の上下方向24Aのサイズ、ライン印画部13の個数などは、特に限定されるものではない。
【0049】
以下では、図7〜図11を参照しながら、前述の印画紙1(印画紙1A、1Bを含む。)に画像を印画する画像印画方法を説明する。
図7は、画像印画システム100の概要を示す図である。図7に示すように、画像印画システム100は、画像入力端末40と熱転写プリンタ50により構成される。
【0050】
画像入力端末40は、制御部、記憶部、入力部、表示部、通信部等を有する。画像入力端末40は、ユーザがフォトブックに含めたい画像データを入力し、印画紙1の平面構成に応じて画像データが配置された印画データを生成し、熱転写プリンタ50に送信する。
熱転写プリンタ50は、画像入力端末40から送信される印画データを受信し、熱転写方式により印画紙1に画像を印画する。
【0051】
図8は、熱転写プリンタ50の概要を示す図である。図8に示すように、熱転写プリンタ50は、熱転写シート52、供給ローラ53、サーマルヘッド54、プラテンローラ55、熱転写シート供給ロール56、熱転写シート巻取ロール57、ニップローラ58、59、センサ60、カッタ61等から構成される。
【0052】
熱転写シート52は、基材シート上に色材層および保護層を設けたものである。供給ローラ53は、印画紙1が巻き付けられたものであり、印画紙1を搬送方向に供給する。サーマルヘッド54は、熱転写シート52の色材と保護層を印画紙1に転写するものである。プラテンローラ55は、印画紙1を搬送しつつ受容層3に画像を印画するためのものである。熱転写シート供給ロール56は、熱転写シート52を巻き付けたものである。熱転写シート供給ロール56に巻き付けられた熱転写シート52は、印画時に搬送され、サーマルヘッド54の発熱部を経由して、熱転写シート巻取ロール57に巻き取られる。ニップローラ58、59は、印画紙1の搬送を行うためのものである。センサ60は、印画紙1の検知マーク16を検知し、印画位置を制御するためのものである。カッタ61は、1枚分の印画処理が終了すると、印画処理が行われた印画部領域11を切断するものである。
【0053】
図9は、熱転写シート52の平面構成の一例を示す図である。熱転写シート52としては、従来から知られている様々なものを使用可能である。図9に示すように、熱転写シート52の平面構成は、Y(イエロー)52a、M(マゼンダ)52b、C(シアン)52cの色材層を有する領域が面順次に設けられる。色材の転写順は、Y(イエロー)52a、M(マゼンダ)52b、C(シアン)52cとなる。また、熱転写シート52は、印画後の画像を保護するためのOP(保護層)52dの領域が、C(シアン)52cの後に面順次に設けられる。
熱転写シート52の平面構成は図9に限らず、K(ブラック)や特色の色材層を有する領域を更に加えても良い。
【0054】
図10は、印画テンプレート70の一例を示す図である。印画テンプレート70は、印画紙1の平面構成に応じて画像データを配置するために用いる。印画テンプレート70は、画像データの配置位置の他、解説71を含む。
解説71は、製本作業を容易にするための作業指示情報である。図10に示す例では、解説71には、製本作業に含まれる「山折り」、「谷折り」「貼付」の一部を指示する作業指示情報が含まれる。作業者は、解説71を参照すれば、作業内容を間違えることがない。例えば、「No1」と「No2」を誤って貼り付けてしまったり、「No1」と「No2」の境界を誤って山折りしてしまったりすることを防止することができる。
尚、解説71は、当然ながら、印画紙1の製造時に設けられるものではなく、図11を参照して後述する画像印画処理において印画されるものである。
【0055】
印画テンプレート70においても、図3に示す印画紙1の画像配置と同様、印画部領域11の方向は、左右方向23および上下方向24と記載する。図10に示す「No1」〜「No20」は、フォトブックのページ番号を示している。また、「表表紙」および「裏表紙」は、フォトブックとして製本されたとき、それぞれ、表表紙および裏表紙となる単位印画部12を示している。また、上下方向24の上端に位置するライン印画部13を1列目のライン印画部13とし、以下、下端に向かって、2列目、3列目、4列目のライン印画部13とする。
【0056】
図11は、画像印画処理の流れを示すフローチャートである。図11では、図2、図3に示す印画紙1に画像印画処理を行うものとし、図10に示す印画テンプレート70を用いるものとする。
【0057】
図11に示すように、画像入力端末40は、画像データと、ページ順(各画像データを何ページ目に配置するかを定めるための順番)を入力する(S101)。具体的には、印画テンプレート70の「No1」〜「No20」に配置される画像データ、並びに「表表紙」および「裏表紙」に配置される画像データを入力する。各画像データは、どのページに配置するかの情報が紐付けられて入力される。
以下では、「表表紙」に配置される画像データは、表表紙用画像データと記載する。同様に、「裏表紙」に配置される画像データは、裏表紙用画像データと記載する。
【0058】
次に、画像入力端末40は、印画テンプレート70の1列目のライン印画部13の左端(=左右方向23に対して一方の端部)の単位印画部12から、S101において入力されたページ順に従って順番に、6個の画像データを配置する(S102)。
具体的には、印画テンプレート70の「No1」〜「No6」に、それぞれ対応する画像データを配置する。ここで、「No1」〜「No6」の画像データの上端は、上下方向24の上端側(図10に示す「No1」〜「No6」側)である。
【0059】
次に、画像入力端末40は、印画テンプレート70の2列目のライン印画部13の右端(=S102と左右方向23に対して反対の端部)の単位印画部12から、S101において入力されたページ順に従って順番に、かつS102と上下方向24の向きが反対となるように、6個の画像データを配置する(S103)。
具体的には、印画テンプレート70の「No7」〜「No12」に、それぞれ対応する画像データを配置する。ここで、「No7」〜「No12」の画像データの上端は、上下方向24の下端側(図10に示す「表表紙」、「裏表紙」、「No20」、「No19」側)である。
【0060】
次に、画像入力端末40は、印画テンプレート70の3列目のライン印画部13の左端(=S103と左右方向23に対して反対の端部)の単位印画部12から、S101において入力されたページ順に従って順番に、かつS103と上下方向24の向きが反対となるように、6個の画像データを配置する(S104)。
具体的には、印画テンプレート70の「No13」〜「No18」に、それぞれ対応する画像データを配置する。ここで、「No13」〜「No18」の画像データの上端は、1列目のライン印画部13の「No1」〜「No6」と同様である。
【0061】
次に、画像入力端末40は、印画テンプレート70の4列目のライン印画部13の右端(=S104と左右方向23に対して反対の端部)の単位印画部12から、S101において入力されたページ順に従って順番に、かつS104と上下方向24の向きが反対となるように、2個の画像データを配置する(S105)。
具体的には、印画テンプレート70の「No19」、「No20」に、それぞれ対応する画像データを配置する。ここで、「No19」、「No20」の画像データの上端は、2列目のライン印画部13の「No7」〜「No12」と同様である。
【0062】
次に、画像入力端末40は、印画テンプレート70の4列目のライン印画部13の裏表紙および表表紙として用いられる2つの単位印画部12a、12bに、表表紙用画像データおよび裏表紙用画像データを配置する(S106)。
更に、画像入力端末40は、フォトブックの背15に相当する領域にも、データ(タイトルや日付等の文字、装飾マーク、写真画像など)を配置しても良い。
ここで、表表紙用画像データおよび裏表紙用画像データの上端は、2列目のライン印画部13の「No7」〜「No12」と同様である。
【0063】
次に、画像入力端末40は、全ての画像データが配置された印画テンプレート70を印画データに変換し、熱転写プリンタ50に送信する(S107)。
これに対して、熱転写プリンタ50は、印画データを受信し、印画紙1に印画し、画像印画処理がなされた印画領域部11をカッタ61によって切断し、排出する(S108)。
【0064】
以上の通り、画像印画処理がなされ、フォトブックとして製本される前の状態として、印画紙1が排出される。
前述の説明では、画像印画処理を行う印画装置は、熱転写方式の熱転写プリンタ50としたが、当然ながら、本発明はこれに限定されない。印画装置としては、インクジェット方式や電子写真方式のプリンタなどを用いても良い。
尚、画像の印画位置が少しでもずれてしまうと、フォトブックの見栄えが悪くなることから、白ふちのある画像を印画するようにしても良い。
【0065】
次に、図10、図12を参照しながら、本発明の実施の形態によって画像印画処理がなされた印画紙1の製本作業について説明する。
図12は、製本作業の手順を示す図である。作業者は、図10の解説71を参照しながら、図12に示す製本作業を行う。
【0066】
図12(a)に示すように、作業者は、まず「No1」および「No2」を折り目線(谷)に沿って谷折り作業を行う。ここで、図中の黒丸は、裏面であることを示すものである。
【0067】
次に、図12(b)に示すように、作業者は、「No2」および「No3」の山折り作業と貼付作業を行う。山折り作業は、折り目線(山)に沿って行う。ここで、図4を参照して説明した通り、作業者は、「No2」および「No3」の離型シート7のみを剥がし、No4以降の離型シート7を剥がさずに作業をする。これによって、意図していない部分が貼り付くなどのトラブルを回避することができる。
作業者は、同様にして、「No3」および「No4」の谷折り作業、「No4」および「No5」の山折り作業と貼付作業、「No5」および「No6」の谷折り作業を順次行う。
【0068】
次に、図12(c)に示すように、作業者は、「No6」および「No7」の山折り作業と貼付作業を行う。
作業者は、同様にして、「No7」および「No8」の谷折り作業、「No8」および「No9」の山折り作業と貼付作業、・・・、「No19」および「No20」の谷折り作業を順次行う。
【0069】
次に、図12(d)に示すように、作業者は、「No20」および「裏表紙」の山折り作業と貼付作業を行う。
次に、作業者は、貼付作業が行われた「No1」〜「No20」および「裏表紙」に係る「のど」(フォトブックの中身の背15に接する部分)と、「表表紙」および「裏表紙」の間の領域(=フォトブックの背15)との貼付作業を行う。
【0070】
次に、図12(e)に示すように、作業者は、「表表紙」および「No1」の離型シート7を剥がして貼付作業を行う。
以上の通り、作業者は、特別な道具を用いなくても、容易に、かつ失敗することなく製本作業を行うことができる。
【0071】
特に、本発明の実施の形態では、画像印画処理がなされた印画紙1は、表表紙および裏表紙が、フォトブックの中身(「No1」〜「No20」)と一体形成されている。従って、表紙と中身との貼付作業において、端部の位置合わせが不要であり、作業に慣れていない作業者であっても失敗することがなく、見栄えの良いフォトブックを製作することができる。
【0072】
更に、このように製本されたフォトブックに対して、表紙と略同一の大きさを有する透明のブックカバーをかけることで、表紙に印画される画像が閲覧可能な状態で、フォトブック全体を保護することができる。
【実施例】
【0073】
次に、図13を参照しながら、本発明の実施の形態に係る印画紙1の実施例の1つについて説明する。
図13は、印画紙1の実施例を示す図である。
印画紙1は、幅方向22が152mmのロール紙とした。印画部領域11は、幅方向22が152mm、長手方向21が180mmとした。印画紙1の幅方向22の左端部の余白は12mmとし、右端部の余白は20mmとした。
単位印画部12は、左右方向23が30mm、上下方向24が30mmとした。ライン印画部13は、6個の単位印画部12を有し、左右方向23に並べて設けた。印画部領域11は、4個のライン印画部13を有し、上下方向24に並べて設けた。
印画部領域11同士の間の領域18は、14mmとした。検知マーク16は、印画部領域11同士の間の領域18に設けた。
このような印画紙1に対して、熱転写シート52は、6×8サイズ(幅方向22が152mm、長手方向21が203mmのサイズ)、または6×9サイズ(幅方向22が152mm、長手方向21が229mmのサイズ)のものを用いた。
そして、図7〜図10に示す画像印画システム100において、図11に示す画像印画処理を行い、印画紙1にフォトブックの中身に相当する20枚の画像、およびフォトブックの表表紙および裏表紙に相当する2枚の画像を印画した。
更に、図12に示す製本作業を行い、フォトブックを製作した。このように製作されたフォトブックは、中身と表紙の位置ずれがなく、見栄えの良いものとなった。
【0074】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る印画紙1等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0075】
1………印画紙
2………本体部
3………受容層
4a、4b………基材
5………接着剤層
6………粘着剤層
7………離型シート
11………印画部領域
12………単位印画部
13………ライン印画部
14………ライン印画部13同士の境界
15………フォトブックの背
16、16A、16B………検知マーク
17、17A、17B………余白
18、18A、18B………印画部領域11同士の間の領域
21………長手方向
22………幅方向
23、23A、23B………左右方向
24、24A、24B………上下方向
31………ハーフカット
32a、32b………折り目線(谷)
33a、33b………折り目線(山)
40………画像入力端末
50………熱転写プリンタ
52………熱転写シート
70………印画テンプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトブック用途に用いられ、受容層を含む本体部と離型シートとが積層されており、フォトブックの1ページ分の領域である単位印画部が、印画時の1面分の領域である印画部領域に複数設けられる印画紙であって、
前記印画部領域には、複数の前記単位印画部を有するライン印画部が複数設けられ、
前記ライン印画部同士の境界は、一方の端部に位置する前記単位印画部を除いて前記本体部にハーフカットが施され、
いずれか1つの前記ライン印画部に含まれる2つの前記単位印画部は、フォトブックの背幅だけ離れて設けられ、当該2つの前記単位印画部がフォトブックの表表紙および裏表紙として用いられることを特徴とする印画紙。
【請求項2】
前記単位印画部同士の境界のうち、ハーフカットが施された境界を除いて、折り目線が形成されることを特徴とする請求項1に記載の印画紙。
【請求項3】
前記印画部領域のうち、前記単位印画部が設けられていない領域である余白領域に、検知マークが設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印画紙。
【請求項4】
前記単位印画部同士の境界のうち、フォトブックとして製本されるときに谷折りされる境界は、前記本体部および前記離型シートを断裁するカット部を有するミシン目が形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の印画紙。
【請求項5】
前記単位印画部のうち、先頭ページおよび最終ページに相当する前記単位印画部、並びに、フォトブックの表表紙および裏表紙として用いられる前記単位印画部は、左右方向(23、23A、23B)の大きさが、他の前記単位印画部よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の印画紙。
【請求項6】
前記ライン印画部は、それぞれ偶数個の単位印画部を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の印画紙。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の印画紙を用いて制作されるフォトブックであって、
隣接する前記ライン印画部には、互いに画像の上下方向(24、24A、24B)の向きが反対となるように、それぞれの画像が印画されることを特徴とするフォトブック。
【請求項8】
請求項7に記載のフォトブックの画像を印画する画像印画方法であって、
複数の画像データと、前記画像データのページ順とを入力する入力ステップと、
第1のライン印画部において、一方の端部の前記単位印画部から、前記ページ順に従って順番に、前記画像データを配置する第1の配置ステップと、
前記第1のライン印画部と隣接する第2のライン印画部において、前記第1の配置ステップと左右方向(23、23A、23B)に対して反対の端部の前記単位印画部から、前記ページ順に従って順番に、かつ前記第1の配置ステップと上下方向(24、24A、24B)の向きが反対となるように、前記画像データを配置する第2の配置ステップと、
を含むことを特徴とする画像印画方法。
【請求項9】
前記入力ステップは、更に、表表紙に印画される表表紙用画像データおよび裏表紙に印画される裏表紙用画像データを入力し、
更に、表表紙および裏表紙として用いられる2つの前記単位印画部に、それぞれ前記表表紙用画像データおよび前記裏表紙用画像データを配置する第3の配置ステップ、
を含むことを特徴とする請求項8記載の画像印画方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−901(P2012−901A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−138914(P2010−138914)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)