説明

危険監視システム、サーバー及び危険監視方法

【課題】気象状況を考慮したユーザーの体調を監視することで、危険な状態のユーザーを早期に発見し、救助することを可能とする危険監視システム、サーバー及び危険監視方法を提供すること。
【解決手段】危険監視システム1は、気象計測装置2と、各ユーザーに携帯される情報端末5と、を含む。各情報端末5は、取得したユーザーの活動データと生体情報をサーバー4に送信する。サーバー4は、気象データを取得する気象データ取得部、活動データを取得する活動データ取得部、生体情報を取得する生体情報取得部、取得した気象データ、活動データ及び生体情報を利用して、各ユーザーが危険な状態か否かを判定する体調レベル判定部、危険な状態と判定されたユーザーの危険情報を生成する危険情報生成部を含み、危険な状態と判定されたユーザー以外の少なくとも一人の他のユーザーが携帯する情報端末5に危険情報を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、危険監視システム、サーバー及び危険監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、「腕装着用バンドが連結されたケースと、温度を検出するための温度センサーと、該温度センサーの検出結果に基づいて気温をケース表面部に構成された表示部の所定領域に表示する表示制御手段とを有し、前記温度センサーは、その感熱部が前記ケースから外部に突出した状態に配置されていることを特徴とする腕装着型環境データ計測装置」が提案されている。
【0003】
一般に登山やハイキング、ジョギング等の体力を消耗する歩行を継続して行う場合は、歩行実行者の体力に応じた計画が重要である。このため従来では、登山やハイキングへ行く場合、予め目的地の地図やガイドブック等の資料を用意して、これら資料を参考に行動計画を作成することが一般に行われている。また行動計画には、目的地までの距離や歩行時間、休憩場所や休憩時間等を盛り込んだ行動(登山)計画表を作成し、この行動計画表に合わせて行動することが多い。しかし、地図やガイドブック等の資料より作成した行動計画表は、あくまでも一般的な人の体力から勘案したものであって、実際に登山やハイキングへ行く人の体力と必ずしも一致しないことが多い。このため、予め作成した行動計画表通りに登山やハイキングが実行できないばかりか、無理に行動計画表通りに行動した場合、体力を消耗して途中で動けなくなったたり、最悪の場合遭難する等の問題が生じる。
【0004】
一方ジョギング等の歩行行動の場合は、体力に限界を感じた時点で何時でも歩行行動を中止することができるため、登山やハイキングほど危険を伴うことは少ないが、予め自己の体力に応じた運動量を把握して歩行行動を行うことができれば、ジョギングにより体調を損なうことがないため、健康管理の上でも得策である。
【0005】
特許文献2では、かかる事情に鑑みなされたもので、利用者の体力に応じた歩行行動をシミュレートしたり、行動計画が容易に作成できる歩行管理システムを提供して、登山やハイキング時の事故を未然に防止したり、体力に合わせたジョギング等が容易に実行できるようにすることを目的とするものであり、「地形の等高線が3次元ディジタルデータで作成された地形図データと、入力手段より入力された個人データと前記地形図データから読み出したディジタルデータから個人の体力に合った初速度、最高速度、最高持続時間を算出して複数の体力曲線を作成し、メモリーに記憶すると共に、得られた体力曲線から個人の体力に合った体力曲線を随時選択して経路及び経過時間とともに表示手段へ出力する制御手段と、前記制御手段が作成した体力曲線に沿って行動した歩行行動を実績データとして個人毎に記憶、管理する行動実績管理手段とを具備したことを特徴とする歩行管理システム」が提案されている。
【0006】
ジョギングやウォーキングをする際、運動した量を定量化し、自らの運動の指標とするため、歩数計を用いることが多い。歩数と、歩数から換算した消費カロリーは利用者にとって一つの指標ではあるが、ただ単にその数値だけを目標として運動するのでは数日間もすれば飽きを生じ、楽しみにはなりにくい。そこで最近では、歩数に応じて画面上のペットが成長する、画面が進むなどのゲーム機能付き歩数計が市販されている。特許文献3では、「生体情報測定部と、前記生体情報測定部の測定結果に基づき運動量を算出する解析部と、前記解析部の算出結果を報知する音声部及び/又は画像表示部を備え、現実の運動を行うことにより仮想コースに沿っての移動を仮想体験できるシミュレーションゲームをリアルタイムで進行させる形で前記算出結果の報知が行われるようにしたことを特徴とする運動インストラクション装置」が提案されている。
【0007】
特許文献4では、前記の要求を満たすために案出されたものであり、住宅において居住者の健康面まで考慮された快適な住空間を得られる住宅の気圧管理システムを提供することを課題とし、これを解決するために、「利用者に装着され当該利用者の生体データを検出するセンサユニットと、前記利用者が所持する携帯通信端末と、この携帯通信端末に対し通信ネットワークを介して接続可能な管理装置とを具備する運動指導システムであって、前記管理装置は、前記利用者の個人データ、生体データ及び運動目的を表すデータを前記携帯通信端末から受信し記憶する手段と、前記記憶された利用者の個人データ、生体データ及び運動目的を表すデータを分析し、その分析結果をもとに前記利用者に適する第1の運動シナリオを作成する手段と、前記作成された第1の運動シナリオを前記携帯通信端末に配信する手段とを備え、前記携帯通信端末は、前記利用者の個人データ、運動前の生体データ及び運動目的を表すデータを前記管理装置へ送信する手段と、前記管理装置から配信される第1の運動シナリオを受信し、この受信された第1の運動シナリオを利用者に提示する手段と、を備えることを特徴とする運動指導システム」が提案されている。
【0008】
特許文献5では、「携帯情報端末を用いて、歩行者等の健康状態の指標を計測する手段から健康チェック用データを取得し、その健康チェック用データを前記歩行者等の識別情報とともに基地局を経由して支援センターに送信して、健康チェックを要求するステップと、前記支援センターにおいて、情報処理装置を用いて前記基地局から受信した前記健康チェック用データ及び前記歩行者等の識別情報を基に、前記歩行者等の健康状態を判定し、その判定結果又はその判定結果及び当該歩行者等の健康管理に有効なアドバイスを含む回答情報を、前記基地局を経由して前記携帯情報端末に送信するステップと、前記携帯情報端末において、受信した前記回答情報を記憶し、かつ、出力するステップと、からなる歩行者等健康チェック支援方法」が提案されている。
【0009】
特許文献6では、「個人の運動量を測定する運動量測定手段と、前記個人のある期間における運動量の目標値を設定する運動量目標値設定手段と、前記運動量測定手段が測定した前記期間よりも短い区間で運動量を逐次受信し、前記運動量目標値設定手段によって設定された目標値を前記期間の終了時に達成できるためのそれぞれの受信時点における運動量の過不足を演算する過不足演算手段と、この過不足演算手段の演算結果を表示する運動量過不足表示手段とを具備することを特徴とする運動量管理システム」が提案されている。
【0010】
特許文献7では、「地図情報データベースを記憶する手段と、位置を算出してこの算出した位置と前記地図情報データベースとから場所を認識する手段と、認識された前記場所の高さを算出する手段と、少なくとも加速度センサーと方位センサーとにより利用者の前記場所における動作を基準座標内におけるX、Y、Z方向の加速度と変化の周期とからなる動作パターンとして検出する手段と、検出された複数種類の前記動作パターンを前記場所及び前記高度の情報と対応付けて前記利用者の動作パターンデータベースとして記憶する手段と、前記加速度センサーにより前記利用者の動作パターンにX、Y、Z方向のいずれかの加速度と変化の周期のいずれかに変化が検出されたとき、前記場所の環境が所定以上の環境であるかを判断する手段と、前記場所の環境が所定以上の環境であると判断されたとき、危険な状態になる可能性を示すガイダンスをする手段と、を備えたことを特徴とする行動記録装置」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平8−254579号公報
【特許文献2】特開2007−075552号公報
【特許文献3】特開2002−346013号公報
【特許文献4】特開2006−263002号公報
【特許文献5】特開2007−075552号公報
【特許文献6】特開2007−115200号公報
【特許文献7】特開2003−323502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、同じ運動を行ったとしても、気象条件によって体に加わる負荷が大きく異なる。例えば、気温や湿度などがかなり高い、風がかなり強い、気圧がかなり低いといった気象条件では相対的に負荷が大きくなり、実質的な活動量(運動量)が相対的に大きくなると考えられる。そのため、例えば、ランニングをしている人は、気象条件によっては予想以上に体に過度の負担がかかって無意識のうちに体調不良を起こし、命の危険に晒される場合がある。1人で走っているランナーが体調不良を起こして動けなくなったような場合、仮に近くに他のランナーがいても気付かなければ救助することができず、手遅れになってしまう。特許文献1乃至7では、この問題に対する有効な解決策が示されていない。
【0013】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、気象状況を考慮したユーザーの体調を監視することで、危険な状態のユーザーを早期に発見し、救助することを可能とする危険監視システム、サーバー及び危険監視方法を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することが可能である。
【0015】
[適用例1]
本適用例に係る危険監視システムは、運動中の複数のユーザーの各々が危険な状態か否かを監視することができる危険監視システムであって、気象計測装置と、前記複数のユーザーの各々にそれぞれ携帯される複数の情報端末と、を含み、前記複数の情報端末の各々は、取得した前記複数のユーザーの各々の活動データと生体情報とをサーバーに送信し、前記サーバーは、前記気象計測装置が計測した気象データを取得する気象データ取得部と、前記複数の情報端末の各々から前記活動データを取得する活動データ取得部と、前記複数の情報端末の各々から前記生体情報を取得する生体情報取得部と、前記気象データ、前記活動データ及び前記生体情報を利用して、前記複数のユーザーの各々が危険な状態か否かを判定する体調レベル判定部と、危険な状態と判定されたユーザーの位置情報を含む危険情報を生成する危険情報生成部と、を含み、前記危険な状態と判定されたユーザー以外の少なくとも一人の他のユーザーが携帯する前記情報端末に前記危険情報を送信し、前記他のユーザーが携帯する前記情報端末は、前記サーバーから前記危険情報を受信する。
【0016】
この危険監視システムによれば、気象計測装置が計測した気象データを用いて気象条件の解析を行うことで、気象状況を考慮したユーザーの体調を監視することができる。そして、危険な状態のユーザーに関する危険情報を他のユーザーが確認することができるので、当該他のユーザーは、危険な状態のユーザーを早期に発見し、救助することができる。
【0017】
また、この危険監視システムによれば、処理能力の高いサーバーが、情報端末を介さずに、複数の気象計測装置が計測した気象データを直接受信し、ユーザーに関するデータや気象データを集中管理し、各ユーザーが危険な状態か否かの判定等を集中処理することで、情報端末の処理負荷を大幅に軽減することができる。
【0018】
[適用例2]
上記適用例に係る危険監視システムにおいて、前記気象計測装置は、前記ユーザーが運動するエリアに分散して配置されているようにしてもよい。
【0019】
このように、分散配置される複数の気象計測装置の各々が計測した気象データを用いて気象条件の解析を行うことで、気象状況を考慮したより正確なユーザーの体調を監視することができる。
【0020】
[適用例3]
上記適用例に係る危険監視システムにおいて、前記サーバーは、前記体調レベル判定部が、前記複数のユーザーの各々に対して、現在の体調レベルが危険レベルにある場合に危険な状態と判定するようにしてもよい。
【0021】
このようにすれば、危険情報を確認した他のユーザーが、体調レベルが危険レベルに達している極めて危険な状態のユーザーをいち早く救助することができる。
【0022】
[適用例4]
上記適用例に係る危険監視システムにおいて、前記体調レベル判定部が、前記複数のユーザーの各々に対して、現在の体調レベルが危険レベルにあるか体調レベルが所定時間以内に危険レベルに達すると予測する場合に危険な状態と判定するようにしてもよい。
【0023】
このようにすれば、危険情報を確認した他のユーザーが、現在危険な状態のユーザーだけでなく、危険な状態に陥る可能性のあるユーザーも早い段階で救助することができる。
【0024】
[適用例5]
上記適用例に係る危険監視システムにおいて、前記サーバーは、前記危険な状態と判定されたユーザーが携帯する前記情報端末に警告情報を送信し、前記危険な状態と判定されたユーザーが携帯する前記情報端末は、前記サーバーから前記警告情報を受信して警報音を出力するようにしてもよい。
【0025】
このようにすれば、ユーザーが危険な状態になっている場合は、警報音が鳴るので、危険情報を確認した他のユーザーや当該ユーザーの近くにいる人(当該危険監視システムのユーザーでなくてもよい)が気付いて迅速に救助することができる。
【0026】
[適用例6]
上記適用例に係る危険監視システムにおいて、前記危険な状態と判定されたユーザーが携帯する前記情報端末は、当該ユーザーによる所定の操作が行われるまで前記警報音の出力を継続するようにしてもよい。
【0027】
このようにすれば、危険な状態と判定されたユーザーがそれほど深刻な状態でなければ、警報音を解除することで救助されないようにすることができ、ユーザーが深刻な状態であれば、警報音を解除することができずに警報音が鳴り続くので、当該ユーザーを迅速に救助することができる。
【0028】
[適用例7]
上記適用例に係る危険監視システムにおいて、前記複数の情報端末の各々は、前記危険情報を受信した場合、当該危険情報を他の前記情報端末に送信するようにしてもよい。
【0029】
このようにすれば、通信ネットワークの不良やサーバーからの電波の受信環境が悪いために、サーバーから危険情報を受信できない情報端末があったとしても、他の情報端末から危険情報を受信できる可能性がある。さらに、危険情報を受信した情報端末が端末間通信を行って他の情報端末に危険情報を転送することを繰り返し行うことで、確実かつ迅速に多くのユーザーに危険情報を知らせることができる。これにより、危険な状態のユーザーを迅速に救助することができる。
【0030】
[適用例8]
上記適用例に係る危険監視システムにおいて、前記サーバーは、前記危険な状態と判定されたユーザーに対応づけて登録された、医療行為の参考として使用可能な医療参考情報を、当該ユーザーが携帯する前記情報端末に送信し、前記危険な状態と判定されたユーザーが携帯する前記情報端末は、前記サーバーから前記医療参考情報を受信して記憶部に保存するようにしてもよい。
【0031】
このようにすれば、危険な状態のユーザーが救助されて救命センター等に搬送された後、医師等が、情報端末に保存された当該ユーザーの医療参考情報(当該ユーザーの活動量や生体情報、既往歴、持病、服用中の薬の情報、薬アレルギー等)を参考にして当該ユーザーの診察や治療を迅速かつ有効に行うこができる。
【0032】
[適用例9]
上記適用例に係る危険監視システムにおいて、前記危険な状態と判定されたユーザーが携帯する前記情報端末は、当該ユーザーによる所定の操作が行われると、前記記憶部に保存した前記医療参考情報を消去するようにしてもよい。
【0033】
このようにすれば、危険な状態と判定されたユーザーが自ら警報音を解除できるのであればそれほど深刻な状態ではないので、医療参考情報を自動消去することで個人情報の無用な流出を防止することができる。
【0034】
[適用例10]
上記適用例に係る危険監視システムにおいて、前記複数の情報端末の各々は、前記複数のユーザーの各々の動きデータを取得して前記サーバーに送信し、前記サーバーは、前記複数の情報端末の各々から前記動きデータを取得する動きデータ取得部と、前記動きデータに基づいて、前記複数のユーザーの各々が転倒したか否かを判定する転倒判定部と、をさらに含み、前記危険情報生成部が、転倒したと判定されたユーザーの位置情報を含む前記危険情報を生成し、前記転倒したと判定されたユーザー以外の少なくとも一人の他のユーザーが携帯する前記情報端末に前記危険情報を送信するようにしてもよい。
【0035】
このようにすれば、転倒して動けなくなったユーザーも救助することができる。
【0036】
[適用例11]
上記適用例に係る危険監視システムは、前記サーバーをさらに含むようにしてもよい。
【0037】
[適用例12]
本適用例に係るサーバーは、気象計測装置及び前記複数のユーザーの各々にそれぞれ携帯され前記複数のユーザーの各々の活動データと生体情報とを取得する複数の情報端末と通信ネットワークを介して通信するサーバーであって、前記気象計測装置が計測した気象データを取得する気象データ取得部と、前記複数の情報端末の各々から前記活動データを取得する活動データ取得部と、前記複数の情報端末の各々から前記生体情報を取得する生体情報取得部と、前記気象データ、前記活動データ及び前記生体情報を利用して、前記複数のユーザーの各々が危険な状態か否かを判定する体調レベル判定部と、危険な状態と判定されたユーザーの位置情報を含む危険情報を生成する危険情報生成部と、を含み、前記危険な状態と判定されたユーザー以外の少なくとも一人の他のユーザーが携帯する前記情報端末に前記危険情報を送信する。
【0038】
[適用例13]
本適用例に係る危険監視方法は、運動中の複数のユーザーの各々が危険な状態か否かを監視する危険監視方法であって、気象計測装置が計測した気象データを取得する気象データ取得ステップと、前記複数のユーザーの各々にそれぞれ携帯される複数の情報端末から前記複数のユーザーの各々の活動データを取得する活動データ取得ステップと、前記複数の情報端末から前記複数のユーザーの各々の生体情報を取得する生体情報取得ステップと、前記気象データ、前記活動データ及び前記生体情報を利用して、前記複数のユーザーの各々が危険な状態か否かを判定する体調レベル判定ステップと、危険な状態と判定されたユーザーの位置情報を含む危険情報を生成する危険情報生成ステップと、前記危険な状態と判定されたユーザー以外の少なくとも一人の他のユーザーが携帯する前記情報端末に前記危険情報を送信するステップと、を含む。
【0039】
[適用例14]
本適用例に係るプログラムは、気象計測装置及び前記複数のユーザーの各々にそれぞれ携帯され前記複数のユーザーの各々の活動データと生体情報とを取得する複数の情報端末と通信ネットワークを介して通信するプログラムであって、コンピューターを、前記気象計測装置が計測した気象データを取得する気象データ取得部と、前記複数の情報端末の各々から前記活動データを取得する活動データ取得部と、前記複数の情報端末の各々から前記生体情報を取得する生体情報取得部と、前記気象データ、前記活動データ及び前記生体情報を利用して、前記複数のユーザーの各々が危険な状態か否かを判定する体調レベル判定部と、危険な状態と判定されたユーザーの位置情報を含む危険情報を生成する危険情報生成部と、前記危険な状態と判定されたユーザー以外の少なくとも一人の他のユーザーが携帯する前記情報端末に前記危険情報を送信する制御を行う通信制御部として機能させる。
【0040】
[適用例15]
本適用例に係る記録媒体は、上記適用例に係るプログラムを記録した、コンピューター読み取り可能な記録媒体である。
【0041】
[適用例16]
上記適用例に係る危険監視システムにおいて、前記他のユーザーは、前記危険な状態と判定されたユーザーから所定の範囲にいるユーザーであるようにしてもよい。
【0042】
このようにすれば、危険情報を確認した他のユーザーが、危険な状態のユーザーをいち早く発見することができる。
【0043】
[適用例17]
上記適用例に係る危険監視システムにおいて、前記他のユーザーの一人は、前記危険な状態と判定されたユーザーから最も近い位置にいるユーザーであるようにしてもよい。
【0044】
このようにすれば、危険情報を確認した他のユーザーが、危険な状態のユーザーをいち早く発見することができる。
【0045】
[適用例18]
上記適用例に係る危険監視システムにおいて、前記他のユーザーは、前記危険な状態と判定されたユーザーと同じグループとして登録されたユーザーであるようにしてもよい。
【0046】
このようにすれば、危険な状態と判定されたユーザーの個人情報が不特定のユーザーに流出することを防ぐことができる。
【0047】
[適用例19]
上記適用例に係る危険監視システムにおいて、前記体調レベル判定部は、前記複数のユーザーの各々に対応づけてそれぞれ設定された危険管理レベルに応じて、危険な状態と判定する閾値を変更するようにしてもよい。
【0048】
このようにすれば、各ユーザーが運動の熟練度等に応じて危険管理レベルを設定することで、例えば、熟練者は深刻な状態でなければ救助されないようにし、あるいは、初心者は深刻な状態でなくても救助されるようにすることが可能となる。
【0049】
[適用例20]
上記適用例に係る危険監視システムにおいて、前記サーバーは、前記危険な状態と判定されたユーザーに対応付けて設定された連絡先に、当該ユーザーが危険な状態である旨を通知するようにしてもよい。
【0050】
このようにすれば、例えば、人の少ない場所で1人で運動中のユーザーが危険な状態になった場合でも、自宅、あるいは、救命センターや携帯電話会社等のコールセンター等を連絡先に設定しておくことで迅速に救援を要請することができる。
【0051】
[適用例21]
上記適用例に係る危険監視システムにおいて、前記サーバーは、前記活動データ及び前記気象データを利用して、前記複数のユーザーの各々の活動量を計算する活動量計算部をさらに含み、前記活動量計算部が計算した前記複数のユーザーの各々の活動量の情報を前記複数の情報端末の各々に送信し、前記複数の情報端末の各々は、前記サーバーから前記活動量の情報を受信する、危険監視システムである。
【0052】
この危険監視システムによれば、気象計測装置が計測した気象データを用いて気象条件の解析を行うことで、気象状況を考慮したユーザーの活動量を計測することができる。
【0053】
[適用例22]
上記適用例に係る危険監視システムにおいて、前記サーバーは、前記複数のユーザーが運動するエリアの地図情報に基づいて、前記複数のユーザーの各々に対して設定された活動量を満たす運動経路の候補を選出する経路候補選出部をさらに含み、前記経路候補選出部が、前記気象データ取得部が取得した気象データを利用して、前記設定された活動量に到達するために運動すべき距離を計算し、当該計算された前記運動すべき距離を有する前記運動経路の候補を選出するようにしてもよい。
【0054】
このようにすれば、各ユーザーの目標活動量に合った運動をするための好適な運動経路を提示することができる。
【0055】
[適用例23]
上記適用例に係る危険監視システムにおいて、前記サーバーは、前記経路候補選出部が、前記気象データとともに、前記複数のユーザーの各々の過去の活動量に関する情報に基づいて、前記運動経路の候補を選出するようにしてもよい。
【0056】
このようにすれば、各ユーザーの体力も考慮された好適な運動経路を提示することができる。
【0057】
[適用例24]
上記適用例に係る危険監視システムにおいて、前記サーバーは、前記活動量計算部が計算した前記活動量と前記設定された活動量との差分に基づいて、前記複数のユーザーの各々の運動経路上の、前記ユーザーの活動量が前記設定された活動量に到達する残りの距離又は残りの時間を計算する目標到達値計算部をさらに含むようにしてもよい。
【0058】
このようにすれば、各ユーザーの運動中の気象条件の変化を考慮しながら、目標活動量に到達するまでの残りの距離又は残りの時間を提示することができる。
【0059】
[適用例25]
上記適用例に係る危険監視システムにおいて、前記サーバーは、前記目標到達値計算部が、前記気象データ取得部が取得した気象データを利用して、前記残りの距離又は前記残りの時間を計算するようにしてもよい。
【0060】
このようにすれば、リアルタイムに変化する気象条件を考慮して残りの距離や残りの時間を予測することができる。
【0061】
[適用例26]
上記適用例に係る危険監視システムにおいて、複数の前記気象計測装置が、前記複数のユーザーの各々の運動経路に沿って配置され、前記サーバーは、前記目標到達値計算部が、前記気象データ取得部が前記複数のユーザーの各々の運動経路に沿って前方に配置された所定数の前記気象計測装置から取得した気象データを利用して、前記残りの距離又は前記残りの時間を計算するようにしてもよい。
【0062】
このようにすれば、各ユーザーの前方の気象条件がわかるので、残りの距離や残りの時間の予測精度を高めることができる。
【0063】
[適用例27]
上記適用例に係る危険監視システムにおいて、前記複数の気象計測装置の各々は、気圧センサー、温度センサー、湿度センサー及び空気質センサーの少なくとも何れかを含むようにしてもよい。
【0064】
同じ運動をしても気圧、温度、湿度の違いによって活動量は大きく異なるので、気圧、温度、湿度を考慮してユーザーの活動量を計算することで、活動量に関するより有効な情報を提示することができる。
【0065】
また、酸素濃度の違いによっても活動量が大きく異なるので、空気質(微粒子や窒素酸化物(NO)の濃度等)も考慮してユーザーの活動量を計算することで、活動量に関するより有効な情報を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】危険監視システムの概要についての説明図。
【図2】活動量計測装置の外観の一例を示す図。
【図3】危険監視システムの構成例を示す図。
【図4】気象計測装置の構成例を示す図。
【図5】情報端末の構成例を示す図。
【図6】サーバーの構成例を示す図。
【図7】図7(A)は、ユーザー情報リストの一例を示す図であり、図7(B)は、運動履歴データリストの一例を示す図。
【図8】危険監視システムの全体処理のフローチャートの一例を示す図。
【図9】図9(A)は、情報端末の処理部による初期設定処理のフローチャートの一例を示す図であり、図9(B)は、サーバーの処理部による初期設定処理のフローチャートの一例を示す図。
【図10】初期設定の入力画面の一例を示す図。
【図11】初期設定の他の入力画面の一例を示す図。
【図12】図12(A)は、情報端末の処理部によるコース設定処理のフローチャートの一例を示す図であり、図12(B)は、サーバーの処理部によるコース設定処理のフローチャートの一例を示す図。
【図13】コース候補の選出についての説明図。
【図14】コースの選択画面の一例を示す図。
【図15】図15(A)は、情報端末の処理部による活動量計測処理のフローチャートの一例を示す図であり、図15(B)は、サーバーの処理部による活動量計測処理のフローチャートの一例を示す図。
【図16】活動量計測処理についての説明図。
【図17】活動量の計測結果の表示画面の一例を示す図。
【図18】図18(A)は、情報端末の処理部による危険監視処理のフローチャートの一例を示す図であり、図18(B)は、サーバーの処理部による危険監視処理のフローチャートの一例を示す図。
【図19】危険情報の表示画面の一例を示す図。
【図20】第2実施形態の危険監視システムの概要についての説明図。
【図21】第2実施形態における情報端末の構成例を示す図。
【図22】図22(A)は、第2実施形態における情報端末の処理部による危険監視処理のフローチャートの一例を示す図であり、図22(B)は、第2実施形態におけるサーバーの処理部による危険監視処理のフローチャートの一例を示す図。
【図23】第3実施形態におけるユーザー情報リストの一例を示す図。
【図24】図24(A)は、第3実施形態における情報端末の処理部による危険監視処理のフローチャートの一例を示す図であり、図24(B)は、第3実施形態におけるサーバーの処理部による危険監視処理のフローチャートの一例を示す図。
【図25】第4実施形態における情報端末の構成例を示す図。
【図26】第4実施形態におけるサーバーの構成例を示す図。
【図27】図27(A)は、第4実施形態における情報端末の処理部による危険監視処理のフローチャートの一例を示す図であり、図27(B)は、第4実施形態におけるサーバーの処理部による危険監視処理のフローチャートの一例を示す図。
【図28】変形例2における気象計測装置の構成例を示す図。
【図29】変形例4におけるユーザー情報リストの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0067】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0068】
1.第1実施形態
1−1.危険監視システムの概要
図1は、第1実施形態の危険監視システムの概要について説明するための図である。図1に示すように、第1実施形態の危険監視システムでは、複数のユーザー7(7a,7b,7c,7d,・・・)が運動する所定のエリアに、複数の気象計測装置2(白抜きの丸で表示)が分散配置されている。各ユーザー7(7a,7b,7c,7d,・・・)は、それぞれ情報端末5(5a,5b,5c,5d,・・・)を携帯し、設定されたコース(運動経路)上を移動する運動(ランニング、ジョギング、ウォーキング、サイクリングなど)を行う。各ユーザー7が運動するコースは、例えば、道路6上に設定され、複数のコースが存在してもよい。図1では、気象計測装置2は、コース(道路6)に沿ってほぼ一定の間隔(例えば約100m間隔)で配置されている。ただし、気象計測装置2は分散して配置されていればよく、その一部又は全部は、必ずしもコース(道路6)に沿って配置されていなくてもよい。
【0069】
各気象計測装置2は現在の気象データを計測してサーバー(不図示)に送信する。各情報端末5は、各ユーザー7の活動量を計算するために必要なデータ(活動データ)を当該ユーザー7から取得してサーバー(不図示)に送信する。サーバー(不図示)は、各ユーザー7の活動データと気象データから各ユーザー7の活動量を計算し、活動量の計算結果の情報を各情報端末5に送信する。
【0070】
また、各情報端末5は、各ユーザー7の生体情報を取得してサーバー(不図示)に送信する。サーバー(不図示)は、各ユーザー7の活動データ、生体情報及び気象データに基づいて各ユーザー7の体調レベルをリアルタイムに判定し、例えば、ユーザー7aの体調レベルが危険レベルにあると判定した場合、あるいは、ユーザー7aの体調レベルが危険レベルに達する危険性が高い場合、他のユーザー7b,7c,7d(例えば、ユーザー7aの近くにいるユーザー)の各情報端末5b,5c,5dに、ユーザー7aの位置情報を含む危険情報を送信する。ユーザー7b,7c,7dの各情報端末5b,5c,5dは、この危険情報を受信して救援を要請する特定の音を出力するとともにユーザー7aの位置を表示する。ユーザー7b,7c,7dは、各情報端末5b,5c,5dの表示を見ながら、ユーザー7aの救助や救急車の要請等の救命行動を迅速に行うことができる。
【0071】
図2(A)及び図2(B)は、情報端末5の外観の一例を示す図である。情報端末5は、ユーザー7の活動データを取得できる位置に装着される。情報端末5は、例えば、図2(A)に示すような腕時計タイプのものであってもよいし、図2(B)に示すような、衣服のポケット等に入れたり、バンドやクリップでユーザー7の体や衣服に固定するタイプのものであってもよい。ユーザー7は、情報端末5の操作部40(アップボタン42、ダウンボタン44、切替/決定ボタン46など)を操作することで初期設定や画面の切り替えなどを行い、ユーザー7の活動量などの情報は情報端末5の表示部(表示画面)70に表示される。これにより、ユーザー7は、運動開始後の活動量を知ることができる。
【0072】
1−2.危険監視システムの構成
[全体構成]
図3は、第1実施形態の危険監視システムの構成例を示す図である。本実施形態の危険監視システムは、図3の構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
【0073】
図3に示すように、第1実施形態の危険監視システム1は、複数の気象計測装置2、少なくとも1つの活動量計測装置5、サーバー4を含む。
【0074】
各気象計測装置2は、各地点の気象をリアルタイムに計測し、計測した気象データを、通信ネットワーク3(インターネットやLAN等)を介してサーバー4に送信する。
【0075】
各情報端末5は、例えば秒オーダーの周期でリアルタイムにユーザー7の活動データと生体情報を取得し、取得した活動データと生体情報を、通信ネットワーク3を介してサーバー4に送信する。
【0076】
サーバー4は、通信ネットワーク3を介して、各気象計測装置2から気象データを受信し、各情報端末5から各ユーザー7の活動データと生体情報を受信する。そして、サーバー4は、受信した気象データと活動データから各ユーザー7の活動量を計算し、各ユーザー7の活動量の計算結果の情報を、通信ネットワーク3を介して各情報端末5に送信する。各情報端末5は、通信ネットワーク3を介して、サーバー4から各ユーザー7の活動量の計算結果の情報を受信し、ユーザー7の活動量を表示部70に表示する。
【0077】
また、サーバー4は、各ユーザー7の生体情報と現在までの活動量から各ユーザー7の体調レベルを判定する。また、サーバー4は、各ユーザー7の所定時間後までの体調レベルの変化を予測し、所定時間以内に危険レベルに達する可能性があるか否かを判定する。そして、サーバー4は、危険レベルにあるか所定時間以内に危険レベルに達する可能性があると判定されたユーザー(危険な状態と判定されたユーザー)に関する危険情報を生成し、他のユーザーの情報端末5に、通信ネットワーク3を介して送信する。当該他のユーザーの情報端末5は、通信ネットワーク3を介して、サーバー4から危険情報を受信し、危険な状態と判定されたユーザー(以下、「危険な状態のユーザー」と略する)の位置を表示部70に表示する。
【0078】
[気象計測装置の構成]
図4は、図3の気象計測装置2の構成例を示す図である。図4に示すように、本実施形態では、各気象計測装置2は、気圧センサー10、温度センサー11、湿度センサー12を備え、所定のエリアに分散して配置される。ただし、気象計測装置2は、気圧センサー10、温度センサー11、湿度センサー12の一部を備えていなくてもよいし、逆に、他のセンサー(例えば、風速センサー等)を備えていてもよい。
【0079】
気象計測装置2は、例えば秒オーダーの周期でリアルタイムに気象を計測し、気圧センサー10、温度センサー11、湿度センサー12により計測された気象データ(気圧データ、温度データ、湿度データ)は、送信部14によりサーバー4に送信される。
【0080】
[情報端末の構成]
図5は、図3の情報端末5の構成例を示す図である。図5に示すように、本実施形態では、情報端末5は、操作部40、処理部(CPU:Central Processing Unit)50、活動量センサー60、GPSデータ受信部62、通信部64、記憶部66、記録媒体68、表示部70、生体情報センサー72、音出力部74を含んで構成されている。本実施形態の情報端末5は、図5の構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
【0081】
活動量センサー60は、情報端末5を携帯するユーザーの活動量を計算するために必要な活動データを取得するセンサーである。例えば、ユーザーの心拍数(活動データの一例)に基づいて活動量を計算する場合、活動量センサー60として心拍計が用いられる。また、ユーザーの歩数(活動データの一例)に基づいて活動量を計算する場合、活動量センサー60として歩数計が用いられる。また、ユーザーの動き(移動速度や移動時間)(活動データの一例)に基づいて活動量を計算する場合、活動量センサー60として3軸加速度センサーなどが用いられる。あるいは、ユーザーの心拍数、歩数、動きに基づいて活動量を総合的に計算する場合、活動量センサー60として心拍計、歩数計、3軸加速度センサーが用いられるようにしてもよい。
【0082】
生体情報センサー72は、情報端末5を携帯するユーザーの生体情報を取得するセンサーである。生体情報は、例えば、心拍数、脈拍数、呼吸数、血糖値、発汗量、体温、血液中の塩分濃度等の情報であり、生体情報センサー72は、これらの様々な生体情報のうち、少なくとも一部の生体情報を取得するセンサーであり、ユーザーから必要な生体情報を取得できる位置に装着される。なお、生体情報センサー72と活動量センサー60を兼用してもよい。例えば、心拍数は、生体情報であるとともに、活動量を計算するための活動データにもなるので、心拍計は、生体情報センサー72として機能するとともに、活動量センサー60としても機能する。
【0083】
GPSデータ受信部62は、GPS衛星から送信される電波信号を受信し、当該電波信号に重畳されているGPS衛星の軌道情報や時刻情報などを含む航法メッセージを復調する処理を行う。
【0084】
操作部40は、操作キーやボタンスイッチ等により構成される入力装置であり、ユーザーによる操作に応じた操作信号を処理部(CPU)50に出力する。
【0085】
記憶部66は、処理部(CPU)50が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。また、記憶部66は、処理部(CPU)50の作業領域として用いられ、操作部40から入力されたデータ、記録媒体68から読み出されたプログラムやデータ、通信部64を介してサーバー4から受信したデータ、処理部(CPU)50が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶するためにも使用される。
【0086】
処理部(CPU)50は、記憶部66や記録媒体68に記憶されているプログラムに従って、各種の計算処理や制御処理を行う。具体的には、処理部(CPU)50は、活動量センサー60、生体情報センサー72、GPSデータ受信部62等からデータを受け取って各種の計算処理を行う。また、処理部(CPU)50は、操作部40からの操作信号に応じた各種の処理、表示部70に各種の情報を表示させる処理、音出力部74に各種の音を出力させる処理、通信部64を介したサーバー4とのデータ通信を制御する処理等を行う。
【0087】
特に、本実施形態では、処理部(CPU)50は、位置情報生成部51、通信制御部52、表示制御部53、音出力制御部54を含む。ただし、本実施形態の処理部(CPU)50は、これらの一部の構成(要素)を省略したり、他の構成(要素)を追加した構成としてもよい。
【0088】
位置情報生成部51は、GPSデータ受信部62が復調した航法メッセージに含まれる軌道情報や時刻情報を用いて測位計算を行い、情報端末5の位置情報を生成する処理を行う。
【0089】
通信制御部52は、通信部64を介してサーバー4との間で行うデータ通信を制御する処理を行う。特に、本実施形態では、通信制御部52は、活動量センサー60が取得したユーザーの活動データ(心拍数、歩数、加速度などのデータ)、生体情報センサー72が取得したユーザーの生体情報、位置情報生成部51が生成した位置情報などを、通信部64を介してサーバー4に送信する処理を行う。また、通信制御部52は、ユーザーの活動量のデータ、ユーザーが運動する経路(コース)の候補のデータ、目標到達値(残り距離や残り時間)のデータ、地図情報、危険な状態のユーザーに関する危険情報などを、通信部64を介してサーバー4から受信し、記憶部66に保存する処理を行う。また、危険な状態のユーザーが携帯する情報端末5の処理部(CPU)50の通信制御部52は、通信部64を介して、サーバー4から警告情報を受信する処理を行うようにしてもよい。
【0090】
表示制御部53は、表示部70の表示を制御する処理を行う。特に、本実施形態では、表示制御部53は、記憶部66に保存された、ユーザーの活動量のデータ、ユーザーが運動する経路(コース)の候補のデータ、目標到達値(残り距離や残り時間)のデータ、地図情報などを、操作部40からの操作信号に応じて選択して表示部70に表示させる処理を行う。また、表示制御部53は、危険な状態のユーザーに関する危険情報を受信した場合に、危険情報に含まれる当該危険な状態のユーザーの位置情報を表示部70に表示させる処理を行う。
【0091】
音出力制御部54は、音出力部74に各種の音を出力させる処理を行う。特に、本実施形態では、危険な状態のユーザーに関する危険情報を受信した場合に、当該危険な状態のユーザーの救援を要請するためのあらかじめ決められた特定の音を音出力部74に出力させる処理を行う。また、音出力制御部54は、危険な状態のユーザーに対する警告情報を受信した場合に、当該危険な状態のユーザーが操作部40を操作して解除操作を行うまで、音出力部74に警報音を継続して出力させる処理を行うようにしてもよい。
【0092】
記録媒体68は、コンピューター読み取り可能な記録媒体であり、特に本実施形態では、コンピューターを上記の各部として機能させるためのプログラムが記憶されている。そして、本実施形態の処理部(CPU)50は、記録媒体68に記憶されているプログラムを実行することで、位置情報生成部51、通信制御部52、表示制御部53、音出力制御部54として機能する。あるいは、通信部64等を介して有線又は無線の通信ネットワークに接続されたサーバーから当該プログラムを受信し、受信したプログラムを記憶部66や記録媒体68に記憶して当該プログラムを実行するようにしてもよい。ただし、位置情報生成部51、通信制御部52、表示制御部53、音出力制御部54の少なくとも一部をハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
【0093】
なお、記録媒体68は、例えば、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、メモリー(ROM、フラッシュメモリーなど)により実現することができる。
【0094】
表示部70は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成される表示装置であり、処理部(CPU)50から入力される表示信号に基づいて各種の情報を表示する。表示部70には、例えば、現在の活動量や残り距離などの情報がリアルタイムに表示される。
【0095】
音出力部74は、スピーカー等の音を出力する装置である。
【0096】
[サーバーの構成]
図6は、図3のサーバー4の構成例を示す図である。図6に示すように、本実施形態では、サーバー4は、処理部(CPU)20、記憶部30、記録媒体32、通信部34を含んで構成されている。本実施形態のサーバー4は、図6の構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
【0097】
記憶部30は、処理部(CPU)20が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。また、記憶部30は、処理部(CPU)20の作業領域として用いられ、記録媒体32から読み出されたプログラムやデータ、通信部34を介して受信した気象データ、各ユーザーの活動データ、各情報端末5の位置情報、処理部(CPU)20が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶するためにも使用される。
【0098】
処理部(CPU)20は、記憶部30や記録媒体32に記憶されているプログラムに従って、各種の計算処理や制御処理を行う。具体的には、処理部(CPU)20は、通信部34を介して、気象データ、各ユーザーの活動データや生体情報、各情報端末5の位置情報などを受け取って各種の計算処理を行う。また、処理部(CPU)20は、通信部34を介した各気象計測装置2や各情報端末5とのデータ通信を制御する処理等を行う。
【0099】
特に、本実施形態では、処理部(CPU)20は、気象データ取得部21、活動データ取得部22、位置情報取得部23、活動量計算部24、経路候補選出部25、目標到達値計算部26、通信制御部27、生体情報取得部35、体調レベル判定部36、危険情報生成部37を含む。ただし、本実施形態の処理部(CPU)20は、これらの一部の構成(要素)を省略したり、他の構成(要素)を追加した構成としてもよい。
【0100】
気象データ取得部21は、通信部34から送られてくる気象データ(複数の気象計測装置2の少なくとも一部が計測した気象データ)を、気象計測装置2の識別IDと対応づけて継続して取得する処理を行う。具体的には、気象データ取得部21は、各気象データを受け取り、受け取った各気象データを気象計測装置2毎に割り当てられた識別IDと対応づけて順番に記憶部30に保存する。
【0101】
活動データ取得部22は、通信部34から送られてくる活動データ(各情報端末5が各ユーザー7から取得した活動データ)を、情報端末5の識別IDと対応づけて継続して取得する処理を行う。具体的には、活動データ取得部22は、各活動データを受け取り、受け取った各活動データを情報端末5毎に割り当てられた識別IDと対応づけて順番に記憶部30に保存する。
【0102】
位置情報取得部23は、通信部34から送られてくる位置情報(各情報端末5が生成した位置情報)を、情報端末5の識別IDと対応づけて継続して取得する処理を行う。具体的には、位置情報取得部23は、各位置情報を受け取り、受け取った各位置情報を情報端末5毎に割り当てられた識別IDと対応づけて順番に記憶部30に保存する。
【0103】
活動量計算部24は、活動データ取得部22が取得した活動データと気象データ取得部21が取得した気象データに基づいて、各ユーザーの活動量を計算する。具体的には、活動量計算部24は、各ユーザーの活動データから各ユーザーの活動量を計算するとともに、気象データに含まれる気圧データ、温度データ、湿度データから現在の気圧、温度、湿度を解析し、解析結果に応じて、各ユーザーの活動量を補正する。例えば、活動量計算部24は、各ユーザーの活動データから基準となる気圧、温度、湿度での各ユーザーの活動量を計算し、現在の気圧、温度、湿度に応じて各ユーザーの活動量を補正する。すなわち、活動量計算部24は、現在の気圧と基準値との差に応じて各ユーザーの活動量を増減させる。また、活動量計算部24は、現在の温度と基準値との差に応じて各ユーザーの活動量を増減させる。また、活動量計算部24は、現在の湿度と基準値との差に応じて各ユーザーの活動量を増減させる。
【0104】
さらに、気象計測装置2が風速センサーを備える場合には、活動量計算部24は、気象データに含まれる風速データから現在の風速を解析し、解析結果に応じて、各ユーザーの活動量を補正するようにしてもよい。例えば、活動量計算部24は、各ユーザーの活動データから基準となる気圧、温度、湿度、風速での各ユーザーの活動量を計算し、現在の風速と基準値との差に応じて各ユーザーの活動量を増減させる。なお、気象計測装置2が風速センサーを備えていなくても、活動量計算部24は、気圧データから2点間毎(2つの気象計測装置2の間毎)の気圧傾度(=2点間の気圧差/2点間の距離)を計算し、気圧傾度の分布から現在の風速を概算することができるので、この概算された現在の風速に応じて各ユーザーの活動量を補正するようにしてもよい。
【0105】
経路候補選出部25は、各ユーザーが運動する所定エリアの地図情報(例えば、記憶部30や記録媒体32に保存されている)に基づいて、設定された目標活動量を満たすコース(運動経路)の候補を選出する処理を行う。当該地図情報には、道路の位置や傾斜の情報、各気象計測装置2の位置や識別IDの情報などが含まれている。
【0106】
特に、本実施形態では、経路候補選出部25は、気象データ取得部31が取得した気象データに基づいて、目標活動量に到達するために各ユーザーが運動すべき目標距離を補正計算し、当該補正計算された目標距離を有するコース(運動経路)の候補を選出する。例えば、経路候補選出部25は、活動量計算部24と同様の処理により、気象データから現在の気圧、温度、湿度、風速を解析し、解析結果に応じて目標距離を補正計算する。
【0107】
目標到達値計算部26は、活動量計算部24が計算した各ユーザーの現在までの活動量と設定された目標活動量との差分に基づいて、各コース(各ユーザーの運動経路)上の、各ユーザーの活動量が目標活動量に到達する残り距離又は残り時間を計算する処理を行う。特に、本実施形態では、目標到達値計算部26は、気象データ取得部21が取得した気象データに基づいて、残り距離又は残り時間を補正計算する。例えば、目標到達値計算部26は、活動量計算部24と同様の処理により、気象データから現在の気圧、温度、湿度、風速を解析し、解析結果に応じて残り距離又は残り時間を補正計算する。
【0108】
また、目標到達値計算部26は、気象データ取得部21が各コース(各ユーザーの運動経路)に沿って前方に配置されたN個(1又は複数)の気象計測装置2から取得した気象データに基づいて、各ユーザーの活動量が目標活動量に到達する残り距離又は残り時間を補正計算するようにしてもよい。
【0109】
生体情報取得部35は、通信部34から送られてくる各ユーザーの生体情報(各情報端末5が各ユーザーから取得した活動データ)を、情報端末5の識別IDと対応づけて継続して取得する処理を行う。具体的には、生体情報取得部35は、各生体情報を受け取り、受け取った各生体情報を情報端末5毎に割り当てられた識別IDと対応づけて順番に記憶部30に保存する。
【0110】
体調レベル判定部36は、気象データと各ユーザーの活動データや生体情報に基づいて、各ユーザーの体調レベルが危険レベルにあるか否かを判定する。具体的には、体調レベル判定部36は、活動量計算部が気象データと各ユーザーの活動データに基づいて計算した各ユーザーの活動量と、生体情報取得部35が取得した生体情報とに基づいて各ユーザーの体調レベルが危険レベルにあるか否かを判定する。体調レベル判定部36は、各ユーザーのユーザー情報に設定された年齢、性別、身長、体重等応じて危険レベルの判定閾値を変更する(例えば、年齢が高いほど危険レベルの判定閾値を低く設定する等)ようにしてもよい。
【0111】
また、体調レベル判定部36は、各ユーザーの所定時間後までの体調レベルの変化を、現在までの活動量、生体情報、前方の気象データに基づいて予測し、各ユーザーが所定時間以内に危険レベルに達する可能性があるか否かを判定するようにしてもよい。
【0112】
危険情報生成部37は、各ユーザーの位置情報や活動量、ユーザー情報等から、危険レベルにあるか所定時間以内に危険レベルに達すると判定されたユーザー(すなわち、危険な状態のユーザー)に関する危険情報を生成する。この危険情報は、少なくとも危険な状態のユーザーの位置情報を含み、さらに当該ユーザーの現在までの活動量、生体情報、年齢、性別等の情報を含むようにしてもよい。
【0113】
通信制御部27は、通信部34を介して各気象計測装置2や各情報端末5とのデータ通信や、通信ネットワーク3に接続された他のサーバーとのデータ通信等を制御する処理を行う。特に、本実施形態では、通信制御部27は、通信部34を介して、各気象計測装置2から気象データを受信し、各情報端末5から各ユーザーの活動データや位置情報を受信する。また、通信制御部27は、通信部34を介して、各ユーザーの活動量のデータ、各ユーザーが運動する経路(コース)の候補や目標到達値(残り距離や残り時間)のデータ、地図情報などを、各情報端末5に送信する。また、通信制御部27は、危険な状態のユーザーに関する危険情報を、通信部34を介して、他のユーザーが携帯する情報端末5に送信する処理を行う。さらに、通信制御部27は、危険な状態のユーザーが携帯する情報端末5に、通信部34を介して、警告情報を送信する処理を行うようにしてもよい。
【0114】
記録媒体32は、コンピューター読み取り可能な記録媒体であり、特に本実施形態では、コンピューターを上記の各部として機能させるためのプログラムが記憶されている。そして、本実施形態の処理部(CPU)20は、記録媒体32に記憶されているプログラムを実行することで、気象データ取得部21、活動データ取得部22、位置情報取得部23、活動量計算部24、経路候補選出部25、目標到達値計算部26、通信制御部27、生体情報取得部35、体調レベル判定部36、危険情報生成部37として機能する。あるいは、通信部34等を介して有線又は無線の通信ネットワークに接続された他のサーバーから当該プログラムを受信し、受信したプログラムを記憶部30や記録媒体32に記憶して当該プログラムを実行するようにしてもよい。ただし、気象データ取得部21、活動データ取得部22、位置情報取得部23、活動量計算部24、経路候補選出部25、目標到達値計算部26、通信制御部27、生体情報取得部35、体調レベル判定部36、危険情報生成部37の少なくとも一部をハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
【0115】
なお、記録媒体32は、例えば、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、メモリー(ROM、フラッシュメモリーなど)により実現することができる。
【0116】
本実施形態では、記憶部30あるいは記録媒体32には、特に、ユーザー情報リストと運動履歴データリストが記憶されている。図7(A)は、ユーザー情報リストの一例を示す図であり、図7(B)は、運動履歴データリストの一例を示す図である。
【0117】
図7(A)に示すように、ユーザー情報リスト200は、ユーザー情報のリストであり、各ユーザー情報は、ユーザーID(ユーザー識別番号)(210)、端末ID(端末識別番号)(220)、年齢(230)、性別(240)、身長(250)、体重(260)、運動履歴データID(270)等で構成されている。
【0118】
また、図7(B)に示すように、運動履歴データリスト300は、運動履歴データのリストであり、各運動履歴データには互いに異なる運動履歴データID(310)が割り当てられている。そして、各運動履歴データは、1又は複数のサブデータで構成され、各サブデータは、サブID(320)、運動モード(330)、運動日時(340)、運動コース(350)、目標設定情報(360)、結果情報(370)等で構成されている。さらに、目標設定情報(360)は、ユーザーが運動を開始する前に設定した目標値を示す情報であり、例えば、目標速度(362)や目標活動量(364)等の情報である。結果情報(370)は、以前にユーザーが行った運動の結果を示す情報であり、例えば、活動量(372)、移動距離(374)、運動時間(376)、平均速度(378)等の情報である。
【0119】
図7(A)の各ユーザー情報は、運動履歴データID(270)と一致する運動履歴データID(310)が割り当てられた図7(B)の運動履歴データにリンクしており、各ユーザーが情報端末5を携帯して運動を行う毎に、対応するユーザー情報からリンクされる運動履歴データに新たなサブIDが割り当てられたサブデータが登録される。図7(A)及び図7(B)の例では、例えば、ユーザーIDが「0001」のユーザー情報の運動履歴データは、運動履歴データIDが「D0001」であり、サブIDが「0001」、「0002」、・・・の複数のサブデータが登録されている。
【0120】
1−3.危険監視システムの処理
[全体処理]
図8は、危険監視システム1の全体処理のフローチャートの一例を示す図である。
【0121】
危険監視システム1は、情報端末5の起動後、最初に、ユーザー情報や運動の目標値を設定する初期設定処理を行う(S10)。
【0122】
次に、危険監視システム1は、ユーザーが運動するコースを設定するコース設定処理を行う(S12)。
【0123】
そして、危険監視システム1は、ユーザーが運動を開始した後(S14のY)、ユーザーの活動量を計測する活動量計測処理とともに、各ユーザーが危険レベルにあるか否かを監視する危険監視処理(S18)を行う(S16)。
【0124】
[初期設定処理]
図9(A)及び図9(B)は、危険監視システム1の初期設定処理(図8のS10の処理)のフローチャートの一例を示す図である。図9(A)は、情報端末5の処理部(CPU)50による処理のフローチャートの一例を示し、図9(B)は、サーバー4の処理部(CPU)20による処理のフローチャートの一例を示す図である。なお、サーバー4は、各情報端末5に対してそれぞれ図9(B)の処理を行う。
【0125】
まず、情報端末5の処理部(CPU)50は、表示部70に、図10に示すようなユーザーの年齢、性別、身長、体重の入力画面100を表示する(S110)。ユーザーはこの入力画面100に対して、アップボタン42、ダウンボタン44、切替/決定ボタン46を操作し、年齢、性別、身長、体重を入力する。
【0126】
入力画面100が表示された直後は選択モードになっており、選択モードでは、アップボタン42を押下する毎にカーソルが下方向に移動し、アップボタン44を押下する毎にカーソルが上方向に移動する。カーソルの位置の入力欄は、数字が白黒反転表示されており、切替/決定ボタン46を押下することで入力モードに切り替わり、カーソルの位置の入力欄に数字を入力することができる。入力モードでは、アップボタン42を押下する毎に、カーソルがある入力欄の数字が1だけ増加し、ダウンボタン44を押下する毎に、カーソルがある入力欄の数字が1だけ減少する。ただし、カーソルが性別の入力欄にある状態では、アップボタン42又はダウンボタン44を押下する毎に、「男」と「女」が交互に表示される。入力モードで切替/決定ボタン46を押下することで、入力内容が決定されるとともに、選択モードに戻る。ユーザーは、アップボタン42、ダウンボタン44、切替/決定ボタン46を操作して年齢、性別、身長、体重を入力した後、「OK」ボタンの位置にカーソルを移動して切替/決定ボタン46を押下すると、入力された年齢、性別、身長、体重が確定する。
【0127】
ユーザーによる年齢、性別、身長、体重の入力が完了すると(S112のY)、情報端末5の処理部(CPU)50は、情報端末5の端末IDとともに、入力された年齢、性別、身長、体重の情報をサーバー4に送信する(S114)。
【0128】
一方、サーバー4の処理部(CPU)20は、情報端末5から端末ID、年齢、性別、身長、体重の情報を受信し(S150)、受信した端末IDが端末ID(220)と一致するユーザー情報に、受信した年齢、性別、身長、体重の情報をユーザー情報に設定し、基礎代謝量を計算する(S152)。
【0129】
なお、情報端末5が起動した直後にサーバー4に端末IDを送信し、当該端末IDが一致するユーザー情報に既に年齢、性別、身長、体重の情報が設定されていれば、サーバー4が当該年齢、性別、身長、体重の情報を情報端末5に送信し、ステップS110において、情報端末5の表示部70に当該年齢、性別、身長、体重が入力された入力画面100を表示するようにしてもよい。ユーザーは、この入力画面100に対して、必要な項目のみ変更(例えば、体重のみ変更)すればよい。
【0130】
次に、情報端末5の処理部(CPU)50は、表示部70に、図11に示すような目標値の入力画面110を表示する(S116)。
【0131】
目標値の入力画面110は、「運動モード」の選択及び「速度」と「活動量」の入力が可能に構成されている。ユーザーは、「運動モード」の選択欄にカーソルを移動して切替/決定ボタン46を押下した後、例えば、ダウンボタン44を押下する毎に、「ランニング」→「ジョギング」→「ウォーキング」→「サイクリング」の順に表示が変更される。そして、ユーザーは、切替/決定ボタン46を押下することで、自分が行う運動として「ランニング」、「ジョギング」、「ウォーキング」、「サイクリング」のいずれかを選択することができる。「速度」の入力欄は、運動モードの選択と連動して、選択された運動モードの標準的な数値が初期値として表示される。ユーザーは、「速度」の入力欄(単位は「km/h」)にカーソルを移動して切替/決定ボタン46を押下した後、アップボタン42とダウンボタン44を操作して目標速度を0.1km/h単位で入力することができるようになっている。また、ユーザーは、「活動量」の入力欄(単位は「Ex(エクササイズ)」)にカーソルを移動して切替/決定ボタン46を押下した後、アップボタン42とダウンボタン44を操作して目標活動量を0.1Ex単位で入力することができるようになっている。
【0132】
なお、「活動量」の目標値の代わりに、「消費カロリー(単位はkcal)」の目標値の入力画面を表示部70に表示させるようにしてもよい。あるいは、ユーザーが「活動量」の表示位置にカーソルを移動して切替/決定ボタン46を押下した後、アップボタン42又はダウンボタン44を押下する毎に、「活動量」と「消費カロリー」が交互に表示される(これに連動して単位も「Ex」と「kcal」が交互に表示される)ようにすることで、入力項目をユーザーが選択できるようにしてもよい。消費カロリー(kcal)=活動量(Ex)×体重(kg)×1.05の関係式を用いて、「活動量」と「消費カロリー」が切り替わる毎にこれに連動して数値も変更されるようにしてもよい。
【0133】
また、入力画面110に「過去の目標値」ボタンを設け、ユーザーが「過去の目標値」ボタンの位置にカーソルを移動して切替/決定ボタン46を押下することで、過去の目標値(速度と活動量の目標値)の一覧を表示し、過去のいずれかの目標値(例えば前回の目標値)を選択できるようにしてもよい。この過去の目標値としては、運動履歴データを構成する各サブデータに含まれる目標速度(362)と目標活動量(364)が用いられる。
【0134】
ユーザーはこの入力画面110に対して、アップボタン42、ダウンボタン44、切替/決定ボタン46を操作し、運動モード、目標速度、目標活動量を入力した後、「OK」ボタンの位置にカーソルを移動して切替/決定ボタン46を押下すると、入力された目標値が確定する。
【0135】
ユーザーによる目標値の入力が完了すると(S118のY)、情報端末5の処理部(CPU)50は、情報端末5の端末IDとともに、入力された目標値の情報をサーバー4に送信する(S120)。
【0136】
一方、サーバー4の処理部(CPU)20は、情報端末5から端末IDと目標値の情報を受信し(S154)、受信した端末IDが端末ID(220)と一致するユーザー情報からリンクされる運動履歴データに新たなサブデータを作成し、受信した目標値の情報(運動モード、目標速度、目標活動量)を当該サブデータの運動モード(330)、目標速度(362)、目標活動量(364)に設定する(S156)。
【0137】
[コース設定処理]
図12(A)及び図12(B)は、危険監視システム1のコース設定処理(図4のS12の処理)のフローチャートの一例を示す図である。図12(A)は、情報端末5の処理部(CPU)50による処理のフローチャートの一例を示し、図12(B)は、サーバー4の処理部(CPU)20による処理のフローチャートの一例を示す図である。なお、サーバー4は、各情報端末5に対してそれぞれ図12(B)の処理を行う。
【0138】
まず、情報端末5の処理部(CPU)50は、位置情報を生成し、情報端末5の端末IDと位置情報をサーバー4に送信し(S210)、サーバー4の処理部(CPU)20は、情報端末5からこの端末IDと位置情報を受信する(S250)。
【0139】
次に、サーバー4の処理部(CPU)20は、気象計測装置2から気象データを受信し、現在の気象条件(気圧、気温、湿度、風速など)を解析する(S252)。例えば、処理部(CPU)20は、ステップS250で受信した端末IDと位置情報を元に、情報端末5に最も近い気象計測装置2のみから気象データを取得し、現在の気象条件を解析するようにしてもよい。また、例えば、処理部(CPU)20は、情報端末5から所定範囲の距離にあるすべての気象計測装置2から気象データを取得し、気象データの平均値などから現在の気象条件を解析するようにしてもよい。
【0140】
次に、サーバー4の処理部(CPU)20は、基準となる気象条件で目標活動量を達成する距離(目標距離)を計算し(S254)、さらに、現在の気象条件に応じて目標距離を補正する(S256)。例えば、処理部(CPU)20は、現在の気温に応じて補正係数αを決定し、現在の湿度に応じて補正係数βを決定し、現在の気圧に応じて補正係数γを決定し、現在の風速に応じて補正係数δを決定し、目標距離をα×β×γ×δ倍に補正してもよい。例えば、気温と補正係数αの対応関係、湿度と補正係数βの対応関係、気圧と補正係数γの対応関係、風速と補正係数δの対応関係の各々に対応する数式(例えば多項式近似された数式)の係数値又は各対応関係のテーブルデータをあらかじめ記憶部30に記憶させておき、処理部(CPU)20がこの係数値又はテーブルデータを参照することで補正係数α,β,γ,δを計算により決定することができる。
【0141】
次に、サーバー4の処理部(CPU)20は、地図情報(例えば、記憶部30や記録媒体32に保存されている)に基づいて、補正後の目標距離に合うコース候補を選出する(S258)。例えば、処理部(CPU)20は、図13(A)において点線で示されるコースAと図13(B)において点線で示されるコースBをコース候補として選出する。
【0142】
次に、サーバー4の処理部(CPU)20は、コース候補の情報と地図情報を情報端末5に送信し(S260)、情報端末5の処理部(CPU)50は、サーバー4からコース候補の情報と地図情報を受信する(S212)。
【0143】
次に、情報端末5の処理部(CPU)50は、コースの選択画面を表示する(S214)。ユーザーはこの選択画面に対して、アップボタン42、ダウンボタン44、切替/決定ボタン46を操作し、運動するコースを選択する。具体的には、処理部(CPU)50は、ステップS212で受信したコース候補のリストを含む選択画面を表示する。例えば、図14に示すように、コースの選択画面120は、「コースA」、「コースB」、「自由コース」のいずれかの選択が可能に構成される。ユーザーは、「コースA」にカーソルを移動して切替/決定ボタン46を押下することで、例えば、図13(A)のようなコースAの経路(点線矢印の始点から終点までの経路)を示す画面が表示され、コースAを確認することができる。同様に、ユーザーは、「コースB」にカーソルを移動して切替/決定ボタン46を押下することで、例えば、図13(B)のようなコースBの経路(点線矢印の始点から終点までの経路)を示す画面が表示され、コースBを確認することができる。コースA又はコースBの表示画面において、ユーザーが切替/決定ボタン46を押下すれば、コースの選択画面120に戻る。ユーザーがあらかじめコースを決めずに自由に経路を選択したい場合は、「自由コース」を選択する。コースの選択画面120には、「コースA」、「コースB」、「自由コース」の各右側にチェックボックスが設けられており、ユーザーがいずれかのチェックボックスにカーソルを移動して切替/決定ボタン46を押下した後、「OK」ボタンにカーソルを移動して切替/決定ボタン46を押下することで、チェックされたコースが選択される。
【0144】
ユーザーによるコースの選択が完了すると(S216のY)、処理部(CPU)50は、端末IDと選択されたコースの情報をサーバー4に送信する(S218)。
【0145】
一方、サーバー4の処理部(CPU)20は、情報端末5から端末IDと選択されたコースの情報を受信し(S262)、受信したコースの情報を該当する運動履歴データのサブデータの運動コース(350)に設定する(S264)。
【0146】
なお、処理部(CPU)20は、S252ですべての気象計測装置2から気象データを取得し、S254〜S258の処理に代えて、各気象計測装置2の位置での気象条件から、コース候補の計算と目標距離の計算を同時に(総合的に)行うにようにしてもよい。
【0147】
[活動量計測処理]
図15(A)及び図15(B)は、危険監視システム1の活動量計測処理(図4のS16の処理)のフローチャートの一例を示す図である。図15(A)は、情報端末5の処理部(CPU)50による処理のフローチャートの一例を示し、図15(B)は、サーバー4の処理部(CPU)20による処理のフローチャートの一例を示す図である。なお、サーバー4は、各情報端末5に対してそれぞれ図15(B)の処理を行う。
【0148】
まず、情報端末5の処理部(CPU)50は、ユーザーの活動データを取得し、端末IDと活動データをサーバー4に送信し(S310)、サーバー4の処理部(CPU)20は、情報端末5から端末IDと活動データを受信する(S350)。
【0149】
次に、サーバー4の処理部(CPU)20は、コースに沿って前方に配置された直近のN個の気象計測装置2から気象データを受信する(S352)。例えば、図13(A)に示したコースAが設定されている場合、例えば、図16に示すように、コースAに沿って、ユーザー7(活動量表示装置5)の前方に配置された直近の5個(N=5のケース)の気象計測装置2a,2b,2c,2d,2eから気象データを取得する。これにより、コースAに沿って気象計測装置2が約100m間隔で配置されているなら、前方500m前後までの気象条件がわかる。
【0150】
次に、サーバー4の処理部(CPU)20は、ユーザーの活動データから、現在の気象条件を加味して、ユーザーの現在までの活動量の総和を計算する(S354)。例えば、処理部(CPU)20は、ユーザーの活動データから直近の単位時間Δtあたりのユーザーの活動量を計算し、現在の気象条件に応じて、当該単位時間Δtあたりのユーザーの活動量を補正する。現在の気象条件は、例えば、S352で活動量計測端末5に最も近い位置にある気象計測装置2(図16の例では気象計測装置2a)から取得した気象データから解析する。そして、処理部(CPU)20は、運動開始から単位時間Δtが経過する毎に、補正後の単位時間Δtあたりのユーザーの活動量を積算することで、現在までのユーザーの活動量の総和を計算する。
【0151】
次に、サーバー4の処理部(CPU)20は、ユーザーの現在までの活動量の総和と目標活動量との差分を計算し(S356)、現在までの活動量の総和と目標活動量との差分から、目標活動量に達するまでの残り距離を計算(推定)する(S358)。例えば、処理部(CPU)20は、ユーザーの現在までの活動量の総和と目標活動量との差分を、現在の単位時間Δtあたりのユーザーの活動量で割ることで、ユーザーが運動すべき残り時間を計算し、現在のユーザーの移動速度を元に残り距離を推定する。
【0152】
次に、サーバー4の処理部(CPU)20は、コースの前方の現在の気象条件に応じて、残り距離を補正し(S360)、補正後の残り距離の情報を情報端末5に送信する(S362)。例えば、処理部(CPU)20は、ステップS352でコースに沿って前方に配置された直近のN個の気象計測装置2(図16の例では5個の気象計測装置2a,2b,2c,2d,2e)から取得した気象データから、コースの前方の現在の気象条件を解析し、この気象条件が維持されると仮定して、あるいは、ユーザーが当該各気象計測装置2の位置を通過する時の気象条件を予測して、ステップS358で計算した残り距離を補正する。
【0153】
情報端末5の処理部(CPU)50は、サーバー4から補正後の残り距離の情報を受信し、表示部70に表示する(S312)。例えば、処理部(CPU)50は、図17に示すような、目標活動距離、活動量(現在までの活動量)、移動距離、運動時間、平均速度、推定される残り距離、推定される残り時間の情報を含む画面130を表示部70に表示する。ユーザーは、残り距離や残り時間を確認することで、あとどの程度運動すれば目標活動量に達するか知ることができる。
【0154】
次に、サーバー4の処理部(CPU)20は、ユーザーの活動量が目標活動量に到達したか否かを判定し(S364)、到達した場合は(S364のY)、結果情報と目標活動量に到達した旨の情報を情報端末5に送信する(S368)。情報端末5の処理部(CPU)50は、目標活動量に到達した場合(S314のY)、サーバー4から結果情報と目標活動量に到達した旨の情報を受信し、目標活動量に到達したことをユーザーに通知し、結果情報を表示部70に表示する(S318)。処理部(CPU)50は、表示部70に表示することで目標活動量に到達したことを通知してもよいし、情報端末5がスピーカーを備える場合は音で通知してもよい。結果情報は、当該運動による活動量、移動距離、運動時間、平均速度、消費カロリー、総消費カロリー(=基礎代謝量+消費カロリー)等の情報である。この結果情報は、該当する運動履歴データのサブデータの結果情報(活動量(372)、移動距離(374)、運動時間(376)、平均速度(378)等)として保存される。
【0155】
一方、ユーザーの活動量が目標活動量に到達していなければ(S364のN)、サーバー4の処理部(CPU)20は、単位時間Δtの経過を待って(S366のY)、S350〜S364の処理をもう一度行う。情報端末5の処理部(CPU)50は、目標活動量に到達していない場合(S314のN)、S310及びS312の処理をもう一度行う。
【0156】
[危険監視処理]
図18(A)及び図18(B)は、危険監視システム1の危険監視処理(図8のS18の処理)のフローチャートの一例を示す図である。図18(A)は、情報端末5の処理部(CPU)50による処理のフローチャートの一例を示し、図18(B)は、サーバー4の処理部(CPU)20による処理のフローチャートの一例を示す図である。なお、サーバー4は、各情報端末5に対してそれぞれ図18(B)の処理を行う。
【0157】
まず、情報端末5の処理部(CPU)50は、ユーザーの生体情報を取得し、端末IDと活動データをサーバー4に送信し(S410)、サーバー4の処理部(CPU)20は、情報端末5から端末IDと生体情報を受信する(S450)。
【0158】
次に、サーバー4の処理部(CPU)20は、活動量計測処理(S16)で計測したユーザーの現在までの活動量、ユーザーの現在の生体情報、現在の気象条件等から、ユーザーの体調レベルを算出し、危険レベルか否かを判定する(S452)。
【0159】
サーバー4の処理部(CPU)20は、ユーザーの体調レベルが危険レベルでないと判定した場合(S454のN)、ユーザーの現在までの体調レベルの推移、ユーザーの現在の生体情報、コース前方の現在の気象条件等から、所定時間後までのユーザーの体調レベルを予測し、所定時間以内に危険レベルに達する可能性があるか否かを判定する(S456)。
【0160】
そして、サーバー4の処理部(CPU)20は、ユーザーの体調レベルが危険レベルであると判定した場合(S454のY)、もしくは、ユーザーの体調レベルが所定時間以内に危険レベルに達する可能性があると判定した場合(S458のY)、当該ユーザー(危険な状態のユーザー)の情報端末5に警告情報を送信する(S460)。
【0161】
情報端末5の処理部(CPU)50は、サーバー4から警告情報を受信した場合(S412のY)、表示部70に警告情報を表示するとともに音出力部74から特定の警報音を出力し(S414)、ユーザー(危険な状態のユーザー)が操作部40を操作して警報音を解除する所定の操作を行うと(S416のY)、警報音の出力を停止する(S418)。表示部70には、警告情報として、例えば、ユーザー(危険な状態のユーザー)の心拍数や体温等の生体情報、ペースダウンや停止を指示する情報等が表示される。そして、所定の操作が行われるまで警報音が鳴り続けるため、ユーザー(危険な状態のユーザー)は、この警報音に気付いて警告情報の表示を確認することで、深刻な状態に陥る前に運動を中止する等の適切な行動をとることができる。
【0162】
次に、サーバー4の処理部(CPU)20は、当該ユーザー(危険な状態のユーザー)の現在位置、活動量、生体情報、年齢、性別等の情報を含む危険情報を生成する(S462)。
【0163】
次に、サーバー4の処理部(CPU)20は、当該ユーザー(危険な状態のユーザー)の近くにいる1又は複数の他のユーザーを特定する(S464)。具体的には、サーバー4の処理部(CPU)20は、活動量計測処理(S16)において、各情報端末5の現在の位置情報を取得しているので、この位置情報を元に当該ユーザー(危険な状態のユーザー)に最も近い1又は複数の他のユーザーを特定することができる。
【0164】
そして、サーバー4の処理部(CPU)20は、ステップS464で特定した他のユーザーの情報端末5に危険情報を送信する(S466)。
【0165】
情報端末5の処理部(CPU)50は、サーバー4から危険情報を受信した場合(S420のY)、表示部70に危険な状態のユーザーに関する危険情報を表示するとともに音出力部74から救援を要請する特定の救援要請音を出力し(S422)、ユーザー(他のユーザー)が操作部40を操作して救援要請音を解除する所定の操作を行うと(S424のY)、救援要請音の出力を停止する(S426)。表示部70には、危険情報として、例えば、図19に示すような、救援を指示するメッセージ、危険な状態のユーザーの位置を示す地図及び危険な状態のユーザーの年齢、性別、活動量、心拍数や体温等の生体情報等を含む画面140が表示される。なお、図19の例では、当該地図において、星印9aは危険な状態のユーザーの位置、黒塗りの三角印9bは自身の位置、丸印9cは近くにいるユーザーの位置を示している。そして、所定の操作が行われるまで救援要請音が鳴り続けるため、ユーザー(他のユーザー)は、この救援要請音に気付いて危険情報の表示を確認することで、危険な状態にあるユーザーの救助や救援要請等の適切な行動をとることができる。
【0166】
そして、サーバー4の処理部(CPU)20は、ユーザーが運動を終了するまで(S468のYになるまで)、単位時間Δtの経過を待って(S470のY)、S450〜S466の処理を繰り返し行う。
【0167】
同様に、情報端末5の処理部(CPU)50は、ユーザーが運動を終了するまで(S428のYになるまで)、単位時間Δtの経過を待って(S430のY)、S410〜S426の処理を繰り返し行う。
【0168】
以上に説明したように、第1実施形態の危険監視システムによれば、サーバー4が、分散配置された複数の気象計測装置2の各々が計測した気象データを用いて気象条件を解析し、気象条件に応じて各ユーザーの活動量をリアルタイムに補正しながら、各ユーザーの活動量と生体情報の推移を解析し、各ユーザーが危険な状態にあるか否かの判定や危険な状態に陥る可能性の予測を行う。特に、ユーザーが同じ運動をしても気圧、温度、湿度等の気象条件の違いによって活動量は大きく異なるので、気象条件に応じて活動量を補正することで当該判定や当該予測を精度良く行うことができる。さらに、サーバー4が、危険な状態にあるユーザーの近くにいる他のユーザーの情報端末5に危険情報を送信して救援を要請するので、当該他のユーザーが当該危険な状態にあるユーザーをいち早く救助することが可能になる。特に、ユーザーの運動経路に沿って前方に配置されたN個の気象計測装置2が計測した気象データを用いることで、ユーザーの前方の気象条件がわかるので、予測精度を高めることができる。
【0169】
また、本実施形態の危険監視システムによれば、サーバー4が、危険な状態に陥る可能性があるユーザーの情報端末5に警告情報を送信するので、当該ユーザーは危険な状態に陥る前にペースダウンや停止等の適切な行動を取ることができる。さらに、ユーザーが危険な状態になっている場合は、解除操作を行うことができずに警報音が鳴り続くので、当該ユーザーの近くにいる人(危険監視システム1のユーザーでなくてもよい)が気付いて救助することができる。
【0170】
一方、救援要請を受けたユーザーは、危険な状態のユーザーの元にいち早く駆けつけようとしてオーバーペースになり、危険な状態に陥るおそれがある。これに対して、本実施形態では、サーバー4が、各ユーザーの体調レベルをリアルタイムに監視し、危険な状態のユーザーの情報端末5だけでなく救援要請を受けたユーザーの情報端末5にも警告情報を送信するので、救援要請を受けたユーザーは情報端末5の表示を確認して、自身の体調も考慮しながら救援に向かうことができる。
【0171】
また、本実施形態の危険監視システムによれば、サーバー4が、分散配置された複数の気象計測装置2の各々が計測した気象データを用いて気象条件の解析を行うことで、気象状況を考慮して、活動量、コース候補の選出、残り距離(残り時間)等の補正計算を行うことができる。特に、ユーザーが同じ運動をしても気圧、温度、湿度の違いによって活動量は大きく異なるので、気圧、温度、湿度を考慮することで当該補正計算を精度よく行うことができる。
【0172】
また、本実施形態の危険監視システムによれば、サーバー4が、分散配置された複数の気象計測装置2の各々が計測した気象データを用いて目標活動量に到達するためにユーザーが運動すべき目標距離を補正計算してコースを選出することで、ユーザーが目標活動量に合った運動をするための好適なコースを提示することができる。これにより、ユーザーは、例えば、気象条件に影響されずに、毎日、目標活動量が一定になるようなコースを選択することができる。
【0173】
また、本実施形態の危険監視システムによれば、サーバー4が、分散配置された複数の気象計測装置2の各々が計測した気象データを用いることで、リアルタイムに変化する気象条件を考慮して残り距離や残り時間を予測することができる。特に、ユーザーの運動経路に沿って前方に配置されたN個の気象計測装置2が計測した気象データを用いることで、ユーザーの前方の気象条件がわかるので、残り距離や残り時間の予測精度を高めることができる。これにより、ユーザーは、例えば、気象条件に影響されずに、毎日、目標活動量が一定になるような運動を行うことができる。
【0174】
また、本実施形態の危険監視システムによれば、処理能力の高いサーバー4が、情報端末5を介さずに、多数の気象計測装置2が計測した気象データを直接受信し、ユーザーに関するデータ(ユーザー情報、運動履歴データ、活動データ、位置情報等)や気象データを集中管理し、気象条件を加味したコース選択、残り距離の補正計算、各ユーザーが危険な状態か否かの判定や予測等を集中処理することで、情報端末5の処理負荷を大幅に軽減することができる。
【0175】
なお、図18(B)のステップS452で危険レベルと判定された場合(S454のY)のみ、S462,S464,S466の処理を行うようにしてもよい。すなわち、危険レベルにあると判定されたユーザーに関しては、当該ユーザーに警告情報を送信するとともに他のユーザーに危険情報を送信し、所定時間以内に危険レベルに達する可能性があるユーザーに関しては、当該ユーザーに警告情報を送信するだけで他のユーザーに危険情報を送信しないようにしてもよい。あるいは、図18(B)のステップS452で危険レベルと判定されず(S454のN)、ステップS456で危険レベルと判定された場合(S458のY)は、S462,S464,S466の処理を行うか否かを各ユーザーが設定できるようにしてもよい。
【0176】
このようにすれば、現在危険な状態のユーザーに関する危険情報のみが他のユーザーに送信されるので、当該他のユーザーが危険情報を無視する可能性が低くなり、救助活動を懸命に行うことが期待できる。
【0177】
2.第2実施形態
2−1.危険監視システムの概要
図20は、第2実施形態の危険監視システムの概要について説明するための図である。第1実施形態の危険監視システムでは、サーバー4は、危険な状態のユーザー7aの近くにいるすべてのユーザー7a,7b,7cの各情報端末5a,5b,5cにそれぞれ危険情報を送信しているが、各情報端末5a,5b,5cの一部が、通信ネットワーク環境や電波の受信環境の不良のために危険情報を受信できない場合もある。そこで、第2実施形態の危険監視システムでは、危険情報を受信した情報端末5は、電波が届く距離にある1又は複数の他の情報端末5と端末間通信を行って危険情報を転送する。例えば、ユーザー7bの情報端末5bのみが危険な状態のユーザー7aに関する危険情報を受信した場合、情報端末5bは、電波が届く距離にある情報端末5cと端末間通信を行い、情報端末5cに危険情報を転送する。さらに、情報端末5cは、電波が届く距離にある情報端末5dと端末間通信を行い、情報端末5dに危険情報を転送する。このように、危険情報を受信した情報端末5が端末間通信を行って他の情報端末5に危険情報を転送することを繰り返し行うことで、確実かつ迅速に多くのユーザーに危険情報を知らせることができる。なお、危険な状態のユーザー7aの情報端末5aも端末間通信の対象としてもよい。
【0178】
2−2.危険監視システムの構成
[全体構成]
第2実施形態の危険監視システムの全体構成は、第1実施形態(図3)と同様であるため、図示及び説明を省略する。また、気象計測装置2とサーバー4の構成は、第1実施形態と同様であるため、その図示及び説明を省略する。
【0179】
[情報端末の構成]
図21は、本実施形態における情報端末5の構成例を示す図である。図21に示すように、本実施形態では、情報端末5は、操作部40、処理部(CPU)50、活動量センサー60、GPSデータ受信部62、通信部64、記憶部66、記録媒体68、表示部70、生体情報センサー72、音出力部74、端末間通信部76を含んで構成されている。本実施形態の情報端末5は、図21の構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。操作部40、活動量センサー60、GPSデータ受信部62、通信部64、記憶部66、記録媒体68、表示部70の各機能は、第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0180】
端末間通信部76は、電波の届く距離にある他の情報端末5との間で端末間通信を行い、データの送受信処理を行う。
【0181】
処理部(CPU)50は、第1実施形態と同様の処理に加えて、他の情報端末5との端末間通信を制御する処理をさらに行う。特に、本実施形態では、処理部(CPU)50は、位置情報生成部51、通信制御部52、表示制御部53、音出力制御部54、端末間通信制御部55を含む。ただし、本実施形態の処理部(CPU)50は、これらの一部の構成(要素)を省略したり、他の構成(要素)を追加した構成としてもよい。なお、位置情報生成部51、通信制御部52、表示制御部53、音出力制御部54の機能は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0182】
端末間通信制御部55は、端末間通信部76を介して他の情報端末5から危険情報を受信する処理や、通信部64又は端末間通信部76を介して受信した危険情報を、端末間通信部76を介して他の情報端末5に転送する処理を行う。
【0183】
2−3.危険監視システムの処理
[全体処理]
第2実施形態の危険監視システム1の全体処理のフローチャートは、第1実施形態(図8)と同様であるため、図示及び説明を省略する。
【0184】
また、初期設定処理(S10)、コース設定処理(S12)、活動量計測処理(S16)は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0185】
[危険監視処理]
図22は、情報端末5の処理部(CPU)50による危険監視処理(図8のS18の処理)のフローチャートの一例を示す図である。なお、サーバー4の処理部(CPU)20による危険監視処理(図8のS18の処理)のフローチャートは第1実施形態(図18(B))と同様であるので、その図示及び説明を省略する。
【0186】
まず、情報端末5の処理部(CPU)50は、第1実施形態(図18(A)のS410〜S418の処理)と同様に、S510〜S518の処理を行う。
【0187】
次に、情報端末5の処理部(CPU)50は、サーバー4又は他の情報端末5から危険情報を受信した場合(S420のY)、第1実施形態(図18(A)のS422〜S426の処理)と同様に、S522〜S526の処理を行い、続いて、通信可能な他の情報端末5を検索する(S528)。
【0188】
情報端末5の処理部(CPU)50は、通信可能な他の情報端末が見つかれば(S530のY)、当該他の情報端末5との間で、サーバー4を介さない、いわゆるP2P(Peer To Peer)方式で無線通信を行い、当該他の情報端末5に危険情報を送信する。そして、情報端末5の処理部(CPU)50は、ユーザーが運動を終了するまで(S534のYになるまで)、単位時間Δtの経過を待って(S536のY)、S510〜S532の処理を繰り返し行う。
【0189】
なお、危険情報が送信された他の情報端末5の処理部(CPU)50は、当該危険情報を受信し(S520のY)、危険情報の表示や救援要請音の出力処理(S422)の後、通信可能な他の情報端末5を検索し(S528)、通信可能な他の情報端末5があれば、当該他の端末5にさらに危険情報を送信する。このようにして、複数の情報端末5に危険情報が伝搬していく。
【0190】
以上に説明したように、第2実施形態の危険監視システムによれば、通信ネットワークの不良やサーバー4からの電波の受信環境が悪いために、サーバー4から危険情報を受信できない情報端末5があったとしても、他の情報端末5から危険情報を受信できる可能性がある。さらに、危険情報を受信した情報端末5が端末間通信を行って他の情報端末5に危険情報を転送することを繰り返し行うことで、確実かつ迅速に多くのユーザーに危険情報を知らせることができる。これにより、危険な状態のユーザーを迅速に救助することができるので、救命率を高めることができる。
【0191】
特に、危険情報を受信した情報端末5を形態するユーザーが危険な状態のユーザーの救助に向かうと、当該危険な状態のユーザーにより近い位置にいる他のユーザーに近づくので、仮に、当該他のユーザーの情報端末5がサーバー4から危険情報を受信できていなかったとしても、端末間通信により危険情報を受信することができる。その結果、危険な状態のユーザーにより近い位置にいるユーザーが救助に向かうことができる。
【0192】
3.第3実施形態
3−1.危険監視システムの概要
第3実施形態の危険監視システムでは、危険な状態のユーザーの端末に、サーバー4から、警告情報だけでなく、あらかじめ登録された個人医療情報(既往歴、持病、服用中の薬の情報、薬アレルギーに関する情報等)、当該ユーザーの活動量や生体情報の推移等の情報(医療参考情報)を転送し、情報端末5の記憶部にこれらの情報を保存する。危険な状態のユーザーが病院に搬送された後、医師等が情報端末5に保存された医療参考情報を見ることで、当該ユーザーの診察や治療を効率よく行うこができる。
【0193】
3−2.危険監視システムの構成
第3実施形態の危険監視システムの全体構成は、第1実施形態(図3)と同様であるため、図示及び説明を省略する。また、気象計測装置2、情報端末5、サーバー4の構成は、第1実施形態と同様であるため、その図示及び説明を省略する。
【0194】
ただし、第3実施形態では、図23に示すように、図7(A)に示したユーザー情報に対して、個人医療情報280が追加されている。個人医療情報280は、ユーザーの診察や治療の際に参考となる医療情報であり、例えば、ユーザーの既往歴(282)、持病(284)、服用中の薬(286)、薬アレルギー(288)等の情報を含む。
【0195】
サーバー4の処理部(CPU)20は、第1実施形態と同様の処理に加えて、危険な状態のユーザーの情報端末5に、警告情報とともに医療参考情報を送信する。
【0196】
情報端末5の処理部(CPU)50は、第1実施形態と同様の処理に加えて、サーバー4から医療参考情報を受信した場合、受信した医療参考除法を記憶部66又は記録媒体68に保存する処理等をさらに行う。
【0197】
3−3.危険監視システムの処理
[全体処理]
第3実施形態の危険監視システム1の全体処理のフローチャートは、第1実施形態(図8)と同様であるため、図示及び説明を省略する。
【0198】
また、初期設定処理(S10)、コース設定処理(S12)、活動量計測処理(S16)は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。ただし、初期設定処理(S10)において、各情報端末5の処理部(CPU)50は、ユーザーの年齢、性別、身長、体重の入力画面100(図10)の後に、あるいは当該画面100において、ユーザーの既往歴、持病、服用中の薬、薬アレルギー等の情報を設定する入力画面を表示し、入力情報をサーバー4に送信するようにしてもよい。そして、サーバー4の処理部(CPU)20は、各情報端末5から送信された当該入力情報を、ユーザー情報の個人医療情報(280)(ユーザーの既往歴(282)、持病(284)、服用中の薬(286)、薬アレルギー(288)等)に設定するようにしてもよい。
【0199】
[危険監視処理]
図24(A)及び図24(B)は、危険監視システム1の危険監視処理(図8のS18の処理)のフローチャートの一例を示す図である。図24(A)は、情報端末5の処理部(CPU)50による処理のフローチャートの一例を示し、図24(B)は、サーバー4の処理部(CPU)20による処理のフローチャートの一例を示す図である。なお、サーバー4は、各情報端末5に対してそれぞれ図24(B)の処理を行う。
【0200】
まず、情報端末5の処理部(CPU)50は、第1実施形態(図18(A)のS410の処理)と同様に、S610の処理を行い、サーバー4の処理部(CPU)20は、第1実施形態(図18(B)のS450〜S458の処理)と同様に、S650〜S658の処理を行う。
【0201】
そして、サーバー4の処理部(CPU)20は、ユーザーの体調レベルが危険レベルであると判定した場合(S654のY)、もしくは、ユーザーの体調レベルが所定時間以内に危険レベルに達する可能性があると判定した場合(S658のY)、当該ユーザーの年齢、性別、身長、体重、活動量や生体情報の推移、個人医療情報等の情報を含む医療参考情報を生成し(S660)、当該ユーザーの情報端末5に警告情報と医療参考情報を送信する(S662)。サーバー4の処理部(CPU)20は、続いて、第1実施形態(図18(B)のS462〜S466の処理)と同様に、S664〜S668の処理を行い、ユーザーが運動を終了するまで(S670のYになるまで)、単位時間Δtの経過を待って(S672のY)、S650〜S668の処理を繰り返し行う。
【0202】
一方、情報端末5の処理部(CPU)50は、サーバー4から警告情報と医療参考情報を受信した場合(S612のY)、受信した医療参考情報を保存し(S614)、警告情報を表示するとともに警報音を出力する(S616)。ユーザー(危険な状態のユーザー)が警報音を解除する所定の操作を行うと(S618のY)、情報端末5の処理部(CPU)50は、警報音の出力を停止す(S620)、ステップS614で保存した医療参考情報を消去する(S622)。当該ユーザーが自ら警報音を解除できるのであれば深刻な状態ではないので、医療参考情報を自動消去することで個人情報の無用な流出を防止することができる。
【0203】
そして、情報端末5の処理部(CPU)50は、第1実施形態(図18(A)のS422〜S428の処理)と同様に、S624〜S630の処理を行い、ユーザーが運動を終了するまで(S632のYになるまで)、単位時間Δtの経過を待って(S634のY)、S610〜S630の処理を繰り返し行う。
【0204】
以上に説明したように、第3実施形態の危険監視システムによれば、ユーザーが危険な状態になった場合、情報端末5にユーザーの活動量や生体情報の推移、既往歴、持病、服用中の薬の情報、薬アレルギー等の情報が保存されるので、当該ユーザーが救命センター等に搬送された後、医師等がこれらの情報を参考にして当該ユーザーの診察や治療を迅速かつ有効に行うこができる。
【0205】
4.第4実施形態
4−1.危険監視システムの概要
第4実施形態の危険監視システムでは、サーバー4は、各ユーザーの活動データや生体情報と気象データに基づいて各ユーザーが危険な状態か否かを判定するだけでなく、各ユーザーが転倒等の不意の事故によって危険な状態に陥った場合にも警告情報や危険情報を生成して情報端末5に送信する。
【0206】
4−2.危険監視システムの構成
第4実施形態の危険監視システムの全体構成は、第1実施形態(図3)と同様であるため、図示及び説明を省略する。また、気象計測装置2の構成は、第1実施形態と同様であるため、その図示及び説明を省略する。
【0207】
[情報端末の構成]
図25は、本実施形態における情報端末5の構成例を示す図である。図25に示すように、本実施形態では、情報端末5は、操作部40、処理部(CPU)50、活動量センサー60、GPSデータ受信部62、通信部64、記憶部66、記録媒体68、表示部70、生体情報センサー72、音出力部74、動き検出センサー78を含んで構成されている。本実施形態の情報端末5は、図25の構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。操作部40、活動量センサー60、GPSデータ受信部62、通信部64、記憶部66、記録媒体68、表示部70、生体情報センサー72、音出力部74の各機能は、第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0208】
動き検出センサー78は、情報端末5を携帯するユーザーの動きを検出するセンサーであり、例えば、加速度センサーや角速度センサー等のモーションセンサーでもよいし、気圧センサーでもよい。モーションセンサーを用いた場合、大きな動きを検出した直後からほとんど動きを検出しなくなれば、ユーザーが転倒して怪我をした可能性があると判断することができる。圧力センサーを用いた場合、例えば、気圧が10Pa程度増加した直後からほとんど変化しなくなれば、気圧センサーが1m程度低い位置に移動したと考えられるので、ユーザーが転倒して怪我をした可能性があると判断することができる。
【0209】
処理部(CPU)50は、第1実施形態と同様の処理に加えて、動き検出センサー78が検出したユーザーの動きデータに対する各種の処理をさらに行う。特に、本実施形態では、処理部(CPU)50は、位置情報生成部51、通信制御部52、表示制御部53、音出力制御部54を含む。ただし、本実施形態の処理部(CPU)50は、これらの一部の構成(要素)を省略したり、他の構成(要素)を追加した構成としてもよい。なお、位置情報生成部51の機能は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0210】
通信制御部52は、第1実施形態と同様の処理に加えて、特に、本実施形態では、動き検出センサー78が検出した動きデータを、通信部64を介してサーバー4に送信する処理や、転倒した可能性のあるユーザーに関する危険情報を、通信部64を介してサーバー4から受信する処理等を行う。また、転倒した可能性のあるユーザーが携帯する情報端末5の処理部(CPU)50の通信制御部52は、通信部64を介して、サーバー4から警告情報を受信する処理を行うようにしてもよい。
【0211】
表示制御部53は、第1実施形態と同様の処理に加えて、特に、本実施形態では、転倒した可能性のあるユーザーに関する危険情報を受信した場合に、危険情報に含まれる当該転倒した可能性のあるユーザーの位置情報を表示部70に表示させる処理を行う。
【0212】
音出力制御部54は、第1実施形態と同様の処理に加えて、特に、本実施形態では、転倒した可能性のあるユーザーに関する危険情報を受信した場合に、当該転倒した可能性のあるユーザーの救援を要請する救援要請音を音出力部74に出力させる処理を行う。また、音出力制御部54は、転倒した可能性のあるユーザーに対する警告情報を受信した場合に、当該転倒した可能性のあるユーザーが操作部40を操作して解除操作を行うまで、音出力部74に警報音を継続して出力させる処理を行うようにしてもよい。
【0213】
[サーバーの構成]
図26は、本実施形態におけるサーバー4の構成例を示す図である。図26に示すように、本実施形態では、サーバー4は、処理部(CPU)20、記憶部30、記録媒体32、通信部34を含んで構成されている。本実施形態のサーバー4は、図26の構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。記憶部30、記録媒体32、通信部34の各機能は、第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0214】
処理部(CPU)20は、第1実施形態と同様の処理に加えて、通信部34を介して動きデータを受け取って各種の計算処理を行う。また、処理部(CPU)20は、転倒した可能性のあるユーザーに関する危険情報を生成する処理や、通信部64を介して情報端末5に警告情報や危険情報を送信する処理等を行う。
【0215】
特に、本実施形態では、処理部(CPU)20は、気象データ取得部21、活動データ取得部22、位置情報取得部23、活動量計算部24、経路候補選出部25、目標到達値計算部26、通信制御部27、生体情報取得部35、体調レベル判定部36、危険情報生成部37、動きデータ取得部38、転倒判定部39を含む。ただし、本実施形態の処理部(CPU)20は、これらの一部の構成(要素)を省略したり、他の構成(要素)を追加した構成としてもよい。なお、気象データ取得部21、活動データ取得部22、位置情報取得部23、活動量計算部24、経路候補選出部25、目標到達値計算部26、生体情報取得部35、体調レベル判定部36の機能は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0216】
動きデータ取得部38は、通信部34から送られてくる各ユーザーの動きデータ(各情報端末5が各ユーザーから取得した動きデータ)を、情報端末5の識別IDと対応づけて継続して取得する処理を行う。具体的には、動きデータ取得部38は、各動きデータを受け取り、受け取った各動きデータを情報端末5毎に割り当てられた識別IDと対応づけて順番に記憶部30に保存する。
【0217】
転倒判定部39は、各ユーザーの動きデータに基づいて、各ユーザーが転倒したか否かを判定する。例えば、転倒判定部39は、動きデータが急激に変化した後、ほぼ一定値を持続するような場合、ユーザーが転倒したと判定してもよい。
【0218】
危険情報生成部37は、第1実施形態と同様の処理に加えて、転倒判定部39の判定結果に基づいて、転倒した可能性のあるユーザーに関する危険情報を生成する。この危険情報は、少なくとも転倒した可能性があるユーザーの位置情報を含み、さらに当該ユーザーの現在までの活動量、生体情報、年齢、性別等の情報を含むようにしてもよい。
【0219】
通信制御部27は、第1実施形態と同様の処理に加えて、特に、本実施形態では、転倒した可能性があるユーザーに関する危険情報を、通信部64を介して、他のユーザーが携帯する情報端末5に送信する処理を行う。また、通信制御部27は、転倒した可能性があるユーザーが携帯する情報端末5に、通信部34を介して、警告情報を送信する処理を行うようにしてもよい。
【0220】
4−3.危険監視システムの処理
[全体処理]
第4実施形態の危険監視システム1の全体処理のフローチャートは、第1実施形態(図8)と同様であるため、図示及び説明を省略する。
【0221】
また、初期設定処理(S10)、コース設定処理(S12)、活動量計測処理(S16)は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0222】
[危険監視処理]
図27(A)及び図27(B)は、危険監視システム1の危険監視処理(図8のS18の処理)のフローチャートの一例を示す図である。図27(A)は、情報端末5の処理部(CPU)50による処理のフローチャートの一例を示し、図27(B)は、サーバー4の処理部(CPU)20による処理のフローチャートの一例を示す図である。なお、サーバー4は、各情報端末5に対してそれぞれ図27(B)の処理を行う。
【0223】
まず、情報端末5の処理部(CPU)50は、ユーザーの生体情報と動きデータを取得し、端末ID、生体情報、動きデータをサーバー4に送信し(S710)、サーバー4の処理部(CPU)20は、情報端末5から端末ID、生体情報、動きデータを受信する(S750)。
【0224】
次に、サーバー4の処理部(CPU)20は、第1実施形態(図18(B)のS452〜S458の処理)と同様に、S752〜S758の処理を行い、ユーザーの体調レベルが所定時間以内に危険レベルに達する可能性はないと判定した場合(S758のY)、続いて、ユーザーの現在までの動きデータの推移から当該ユーザーが転倒したか否かを判定する(S760)。
【0225】
そして、サーバー4の処理部(CPU)20は、ユーザーの体調レベルが危険レベルであると判定した場合(S754のY)、ユーザーの体調レベルが所定時間以内に危険レベルに達する可能性があると判定した場合(S758のY)、もしくは、ユーザーが転倒した可能性がある場合(S762のY)、当該ユーザー(危険な状態のユーザー)の情報端末5に警告情報を送信する(S760)。
【0226】
情報端末5の処理部(CPU)50は、サーバー4から警告情報を受信した場合(S712のY)、第1実施形態(図18(B)のS414〜S418の処理)と同様に、S714〜S718の処理を行う。
【0227】
次に、サーバー4の処理部(CPU)20は、当該ユーザー(危険な状態のユーザー又は転倒した可能性があるユーザー)の現在位置、活動量、生体情報、年齢、性別等の情報を含む危険情報を生成し(S766)、当該ユーザー(危険な状態のユーザー又は転倒した可能性があるユーザー)の近くにいる1又は複数の他のユーザーを特定し(S768)、特定した他のユーザーの情報端末5に危険情報を送信する(S770)。
【0228】
情報端末5の処理部(CPU)50は、サーバー4から危険情報を受信した場合(S720のY)、第1実施形態(図18(B)のS422〜S426の処理)と同様に、S722〜S726の処理を行う。
【0229】
そして、情報端末5の処理部(CPU)50は、ユーザーが運動を終了するまで(S728のYになるまで)、単位時間Δtの経過を待って(S730のY)、S710〜S726の処理を繰り返し行う。
【0230】
同様に、サーバー4の処理部(CPU)20は、ユーザーが運動を終了するまで(S772のYになるまで)、単位時間Δtの経過を待って(S774のY)、S750〜S770の処理を繰り返し行う。
【0231】
以上に説明したように、第4実施形態の危険監視システムによれば、サーバー4が、転倒した可能性があるユーザーの近くにいる他のユーザーの情報端末5に危険情報を送信して救援を要請するので、当該他のユーザーが当該転倒した可能性があるユーザーをいち早く救助することが可能になる。
【0232】
また、第4実施形態の危険監視システムによれば、サーバー4が、転倒した可能性があるユーザーの情報端末5に警告情報を送信し、警告情報を受信した情報端末5は警報音を鳴らすので、当該ユーザーが実際に転倒して怪我をしていた場合には、警報音の解除操作を行わないようにすれば、当該ユーザーの近くにいる人(危険監視システム1のユーザーでなくてもよい)が気付いて救助することができる。
【0233】
なお、図27(B)のステップS752で危険レベルと判定された場合(S754のY)又はステップS760でユーザーが転倒したと判定された場合(S762のY)のみ、S766,S768,S770の処理を行うようにしてもよい。すなわち、危険レベルにあるか転倒したと判定されたユーザーに関しては、当該ユーザーに警告情報を送信するとともに他のユーザーに危険情報を送信し、所定時間以内に危険レベルに達する可能性があるユーザーに関しては、当該ユーザーに警告情報を送信するだけで他のユーザーに危険情報を送信しないようにしてもよい。あるいは、図27(B)のステップS752で危険レベルと判定されず(S754のN)、ステップS756で危険レベルと判定された場合(S758のY)は、S766,S768,S770の処理を行うか否かを各ユーザーが設定できるようにしてもよい。
【0234】
このようにすれば、現在危険な状態か転倒したユーザーに関する危険情報のみが他のユーザーに送信されるので、当該他のユーザーが危険情報を無視する可能性が低くなり、救助活動を懸命に行うことが期待できる。
【0235】
5.変形例
本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0236】
[変形例1]
ユーザーが過去に運動を行った際の活動量に関する実績情報を記憶しておき、活動量計測装置4の処理部(CPU)30(特に経路候補選出部34)は、気象条件とともに過去の実績を加味して、コース候補の選出を行うようにしてもよい。実績情報は、例えば、ユーザーが過去に運動を行った際の、活動量、心拍数、移動距離、移動速度、運動時間の各計測値、気象条件、目標活動量、目標距離、目標速度などの情報である。経路候補選出部34は、実績情報を参照し、例えば、その中の気象条件と、目標距離と移動距離との差や心拍数との関係等に応じて、次回の目標距離の補正量を増減する等してコース候補を選出する。
【0237】
このように、ユーザーが過去に運動を行った際の活動量に関する実績情報を用いることで、ユーザーの体力に応じた適切なコースを提示することができる。
【0238】
[変形例2]
図28に示すように、各気象計測装置2は、気圧センサー10、温度センサー11、湿度センサー12に加えて、空気質センサー13を備えるようにしてもよい。空気質センサー13は、空気中の微粒子(煙、砂、花粉等)や窒素酸化物(NO)等に反応するセンサーである。空気中に存在する微粒子等の濃度が高いほど酸素濃度が低くなるので、同じ運動をした場合でも活動量が大きくなる。従って、空気質を計測して気象条件に含めることで、コース候補の選出、残り距離(残り時間)の計算、危険レベルの判定や予測等をより精度よく行うことができる。
【0239】
[変形例3]
本実施形態では、サーバー4が、各ユーザーの体調レベルが危険レベルか否かを判定し、危険レベルにあるか所定時間以内に危険なレベルに達する可能性のあるユーザーの近くにいる他のユーザーに対して危険情報を送信しているが、サーバー4の処理部(CPU)20は、各ユーザーの危険レベルを危険度に応じた複数段階で判定し、判定結果に応じて危険度を含む危険情報を送信するようにしてもよい。そして、各情報端末5の処理部(CPU)50は、当該危険情報を受信した場合に、ユーザーの位置の表示を危険度に応じて変える(例えば、危険度に応じて色を変える)ようにしてもよい。このようにすれば、例えば、複数のユーザーが同時に危険レベルにある場合、所定のユーザー(危険レベルにあるいずれかのユーザーの近くにいるユーザー)は、携帯情報端末5の表示を見て、最も危険度の高いユーザーを優先的に救助する等の行動をすることができる。また、
同様に、本実施形態では、サーバー4が、各ユーザーの体調レベルが危険レベルか否かを判定し、危険レベルにあるか所定時間以内に危険なレベルに達する可能性のあるユーザーに対して警告情報を送信しているが、サーバー4は、各ユーザーの体調レベルを複数段階のレベル(例えば、正常レベル、注意レベル、危険レベルの3段階のレベル)で判定し、危険レベルまで行かない所定レベル(例えば、注意レベル)に達するか所定時間以内に当該所定レベルに達する可能性のあるユーザーに対して警告情報を送信するようにしてもよい。
【0240】
[変形例4]
本実施形態において、ユーザーが様々なオプション設定できるようにしてもよい。例えば、図29に示すように、図7(A)に示したユーザー情報に対して、緊急連絡先(290)、危険管理レベル(292)、グループ(294)等の各ユーザーが設定可能な項目を追加してもよい。
【0241】
緊急連絡先(290)は、ユーザーが危険な状態になった時に緊急連絡する電話番号やメールアドレス等の情報であり、例えば、サーバー4は、他のユーザーに危険情報を送信する際に、設定された緊急連絡先に同様の内容の情報を通知するようにしてもよい。例えば、ユーザーが人の少ない場所を1人でランニングするような場合、危険な状態になった時に近くに他のユーザーがいない可能性もあるので、自宅、あるいは、救命センターや携帯電話会社等のコールセンター等を緊急連絡先に設定しておくことで、危険な状態になった時にいち早く救援を要請することができる。
【0242】
危険管理レベル(292)は、危険レベルの判定閾値を変えるための情報であり、例えば、危険管理レベルが高いほど判定閾値を低くする。例えば、ユーザーがランニング等の運動の熟練者であれば、危険な状態か否かをある程度自身で判断できるので危機管理レベルを低く設定し、ユーザーが初心者であれば、危機管理レベルを最高レベルに設定する等が可能になる。
【0243】
グループ(292)は、危険情報を送信してもよいユーザーを限定するための情報であり、サーバー4は、同じグループに属するユーザーにのみ危険情報を送信する。これにより、不特定のユーザーに個人情報を知られないようにすることができる。
【0244】
[変形例5]
本実施形態において、情報端末5は、警告情報や危険情報を受信した場合に警報音や救援要請音を出力しているが、これらの音の出力に代えて、あるいはこれらの音の出力とともに、情報端末5を振動させることで警告情報や危険情報を受信したことをユーザーに知らせるようにしてもよい。
【0245】
[変形例6]
本実施形態において、サーバー4は、危険な状態のユーザーの情報端末5に警告情報を送信してから所定時間後に他のユーザーの情報端末5に危険情報を送信するようにしてもよい。例えば、警告情報を受信した情報端末5は、ユーザーによる警報音の解除操作が行われた場合、救援が不要である旨の情報をサーバー4に送信し、サーバー4は、情報端末5に警告情報を送信してから所定時間以内に救援が不要である旨の情報を受信した場合は、他のユーザーの情報端末5に危険情報を送信しないようにしてもよい。さらに、サーバー4は、他のユーザーの情報端末5に危険情報を送信した後、危険な状態のユーザーの情報端末5から救援が不要である旨の情報を受信した場合は、危険情報を送信した情報端末5に救援が不要である旨の情報を送信し、当該情報端末5は、救援が不要である旨の情報を表示するとともに特定の音を出力するようにしてもよい。
【0246】
[変形例7]
また、本実施形態において、サーバー4は、選択されたコースの情報と各ユーザーの位置情報に基づいてナビゲーション情報を生成して各情報端末5に送信し、各情報端末5は当該ナビゲーション情報を受信して表示部70に表示するとともに音声出力するようにしてもよい。このようにすれば、ユーザーは運動すべきコースを覚えておく必要がなく、また、運動すべきコースを誤る確率を低減させることができる。
【0247】
同様に、本実施形態において、サーバー4は、危険な状態のユーザーの位置情報と救援を要請する所定のユーザーの位置情報に基づいて、当該所定のユーザーの位置からが危険な状態のユーザーの位置までの経路を示すナビゲーション情報を生成して当該所定のユーザーの情報端末5に送信し、当該情報端末5は当該ナビゲーション情報を受信して表示部70に表示するとともに音声出力するようにしてもよい。このようにすれば、当該所定のユーザーはいち早く危険なユーザーの元に辿り着くことができるので、危険な状態のユーザーの救命率を高めることができる。
【0248】
[変形例8]
本実施形態において、サーバー4は、警告情報を送信した情報端末5から当該警告情報を受信した旨の応答信号が得られない場合には、他の情報端末5に警告情報を送信し、当該警告情報を受信した情報端末5は、端末間通信により、さらに他の情報端末5に当該警告情報を転送するようにしてもよい。このようにすれば、危険な状態のユーザーの情報端末5が、電波の受信環境状態が劣悪のために、警告情報を受信できないような場合であっても、他の情報端末5から警告情報を受信できる可能性がある。
【0249】
[変形例9]
第2実施形態では、ユーザーの数が多いほど、端末間通信による危険情報の転送が繰り返されて、危険な状態のユーザーから相当離れた位置にいるユーザーの情報端末5にも迅速に危険情報が到達する。そして、病院、コールセンター、警察署などの救命施設に近い位置にある情報端末5が危険情報を受信すると、当該施設にされたコンピューターに自動的に当該危険情報を転送するようにしてもよい。このようにすれば、危険な状態のユーザーの救助に向かった他のユーザーが仮に救命施設と連絡が取れないような場合でも、救命施設に危険な状態のユーザーの位置情報が伝わり、迅速な救命活動が期待できる。
【0250】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0251】
1 危険監視システム、2,2a,2b,2c,2d,2e 気象計測装置、3 通信ネットワーク、4 サーバー、5,5a,5b,5c,5d 情報端末、6 道路、7,7a,7b,7c,7d ユーザー、10 気圧センサー、11 温度センサー、12 湿度センサー、13 空気質センサー、14 送信部、20 処理部(CPU)、21 気象データ取得部、22 活動データ取得部、23 位置情報取得部、24 活動量計算部、25 経路候補選出部、26 目標到達値計算部、27 通信制御部、30 記憶部、32 記録媒体、34 通信部、35 生体情報取得部、36 体調レベル判定部、37 危険情報生成部、38 動きデータ取得部、39 転倒判定部、40 操作部、42 アップボタン、44 ダウンボタン、46 切替/決定ボタン、50 処理部(CPU)、51 位置情報生成部、52 通信制御部、53 表示制御部、54 音出力制御部、55 端末間通信制御部、60 活動量センサー、62 GPSデータ受信部、64 通信部、66 記憶部、68 記録媒体、70 表示部、72 生体情報センサー、74 音出力部、76 端末間通信部、78 動き検出センサー、100,110,120,130,140 表示画面、200 ユーザー情報リスト、300 運動履歴データリスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運動中の複数のユーザーの各々が危険な状態か否かを監視することができる危険監視システムであって、
気象計測装置と、
前記複数のユーザーの各々にそれぞれ携帯される複数の情報端末と、を含み、
前記複数の情報端末の各々は、
取得した前記複数のユーザーの各々の活動データと生体情報とをサーバーに送信し、
前記サーバーは、
前記気象計測装置が計測した気象データを取得する気象データ取得部と、
前記複数の情報端末の各々から前記活動データを取得する活動データ取得部と、
前記複数の情報端末の各々から前記生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記気象データ、前記活動データ及び前記生体情報を利用して、前記複数のユーザーの各々が危険な状態か否かを判定する体調レベル判定部と、
危険な状態と判定されたユーザーの位置情報を含む危険情報を生成する危険情報生成部と、を含み、
前記危険な状態と判定されたユーザー以外の少なくとも一人の他のユーザーが携帯する前記情報端末に前記危険情報を送信し、
前記他のユーザーが携帯する前記情報端末は、
前記サーバーから前記危険情報を受信する、危険監視システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記気象計測装置は、
前記複数のユーザーが運動するエリアに分散して配置されている、危険監視システム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記サーバーは、
前記体調レベル判定部が、
前記複数のユーザーの各々に対して、現在の体調レベルが危険レベルにある場合に危険な状態と判定する、危険監視システム。
【請求項4】
請求項1又は2において、
前記サーバーは、
前記体調レベル判定部が、
前記複数のユーザーの各々に対して、現在の体調レベルが危険レベルにあるか体調レベルが所定時間以内に危険レベルに達すると予測する場合に危険な状態と判定する、危険監視システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項において、
前記サーバーは、
前記危険な状態と判定されたユーザーが携帯する前記情報端末に警告情報を送信し、
前記危険な状態と判定されたユーザーが携帯する前記情報端末は、
前記サーバーから前記警告情報を受信して警報音を出力する、危険監視システム。
【請求項6】
請求項5において、
前記危険な状態と判定されたユーザーが携帯する前記情報端末は、
当該ユーザーによる所定の操作が行われるまで前記警報音の出力を継続する、危険監視システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項において、
前記複数の情報端末の各々は、
前記危険情報を受信した場合、当該危険情報を他の前記情報端末に送信する、危険監視システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項において、
前記サーバーは、
前記危険な状態と判定されたユーザーに対応づけて登録された、医療行為の参考として使用可能な医療参考情報を、当該ユーザーが携帯する前記情報端末に送信し、
前記危険な状態と判定されたユーザーが携帯する前記情報端末は、
前記サーバーから前記医療参考情報を受信して記憶部に保存する、危険監視システム。
【請求項9】
請求項8において、
前記危険な状態と判定されたユーザーが携帯する前記情報端末は、
当該ユーザーによる所定の操作が行われると、前記記憶部に保存した前記医療参考情報を消去する、危険監視システム。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項において、
前記複数の情報端末の各々は、
前記複数のユーザーの各々の動きデータを取得して前記サーバーに送信し、
前記サーバーは、
前記複数の情報端末の各々から前記動きデータを取得する動きデータ取得部と、
前記動きデータに基づいて、前記複数のユーザーの各々が転倒したか否かを判定する転倒判定部と、をさらに含み、
前記危険情報生成部が、
転倒したと判定されたユーザーの位置情報を含む前記危険情報を生成し、
前記転倒したと判定されたユーザー以外の少なくとも一人の他のユーザーが携帯する前記情報端末に前記危険情報を送信する、危険監視システム。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項において、
前記サーバーをさらに含む、危険監視システム。
【請求項12】
気象計測装置及び前記複数のユーザーの各々にそれぞれ携帯され前記複数のユーザーの各々の活動データと生体情報とを取得する複数の情報端末と通信ネットワークを介して通信するサーバーであって、
前記気象計測装置が計測した気象データを取得する気象データ取得部と、
前記複数の情報端末の各々から前記活動データを取得する活動データ取得部と、
前記複数の情報端末の各々から前記生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記気象データ、前記活動データ及び前記生体情報を利用して、前記複数のユーザーの各々が危険な状態か否かを判定する体調レベル判定部と、
危険な状態と判定されたユーザーの位置情報を含む危険情報を生成する危険情報生成部と、を含み、
前記危険な状態と判定されたユーザー以外の少なくとも一人の他のユーザーが携帯する前記情報端末に前記危険情報を送信する、サーバー。
【請求項13】
運動中の複数のユーザーの各々が危険な状態か否かを監視する危険監視方法であって、
気象計測装置が計測した気象データを取得する気象データ取得ステップと、
前記複数のユーザーの各々にそれぞれ携帯される複数の情報端末から前記複数のユーザーの各々の活動データを取得する活動データ取得ステップと、
前記複数の情報端末から前記複数のユーザーの各々の生体情報を取得する生体情報取得ステップと、
前記気象データ、前記活動データ及び前記生体情報を利用して、前記複数のユーザーの各々が危険な状態か否かを判定する体調レベル判定ステップと、
危険な状態と判定されたユーザーの位置情報を含む危険情報を生成する危険情報生成ステップと、
前記危険な状態と判定されたユーザー以外の少なくとも一人の他のユーザーが携帯する前記情報端末に前記危険情報を送信するステップと、を含む、危険監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2013−85896(P2013−85896A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232094(P2011−232094)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】