説明

即放性錠剤の形態の1H−キナゾリン−2,4−ジオンAMPA受容体アンタゴニストを含む製剤およびその調製

本発明は、ヒドロキシプロピルセルロースならびに式(I)の化合物およびその塩から選択される活性成分を含む錠剤を提供する(式中、Rは、CF、CHF、CHF、CHCHF−、CHCF−、エチルまたはイソプロピルを表し、Rは、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アシル、ヒドロキシ、オキソ(=O)、アルコキシ、シクロアルコキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アシルアミノ、アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される、1つまたは複数の置換基によって置換されたアルキルを表し、またはRは、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される、1つまたは複数の置換基によって置換されたヘテロシクリルアルキルを表し、またはRは、シアノ、ヒドロキシ、アルカンジイル、アルケンジイル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ホルミル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される、1つまたは複数の置換基によって置換されたフェニルを表し、またはRは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アシル、アルコキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される、1つまたは複数の置換基によって任意選択で置換されたヘテロシクリルを表し、この複素環は1個の炭素原子でフェニル環に結合している)。本発明は、上記錠剤を調製する方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
製剤
本発明は、1H−キナゾリン−2,4−ジオンAMPA受容体アンタゴニストを含む医薬製剤に関する。より詳細には、本発明は、こうした化合物を含む即放性製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
共に、特に実施例を含めた全体が参考として全ての目的のため本明細書に挙げられているWO2006/108591およびこれに対応する米国特許出願第11/911,040号は、1H−キナゾリン−2,4−ジオンを記載し、AMPA受容体機能の変化またはAMPA受容体仲介性の神経損傷に関わる任意の病態、障害または臨床症状の治療における、それらの使用を記載する。より詳細には、式(I):
【0003】
【化1】

(式中
は、CF、CHF、CHF、CHCHF−、CHCF−、エチルまたはイソプロピルを表し、
は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アシル、ヒドロキシ、オキソ(=O)、アルコキシ、シクロアルコキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アシルアミノ、アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される1つまたは複数の置換基によって置換されたアルキルを表し、または
は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される1つまたは複数の置換基によって置換されたヘテロシクリルアルキルを表し、または
は、シアノ、ヒドロキシ、アルカンジイル、アルケンジイル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ホルミル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される1つまたは複数の置換基によって置換されたフェニルを表し、または
は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アシル、アルコキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択で置換されたヘテロシクリルを表し、この複素環は1個の炭素原子でフェニル環に結合している)
の化合物ならびにその塩が記載されている。
【0004】
上記クラスの薬物の1つまたは複数のメンバーを含む製剤は、そのクラスの薬物の1つまたは複数のメンバーの摂取後に迅速な吸収を提供する即放性を持つことが望ましいであろう。即放性製剤は、医薬技術の世界で知られている。しかし、製剤はそれぞれの活性成分または活性成分のクラスについて個々にデザインしなければならないことから、一つの製剤をすべての薬に使うことは出来ない。1種または複数の即放性添加剤と合わせたときの、具体的な薬用物質(クラス)の挙動は、計算または一般的に予測できない。一方では即放性物質(1種または複数)と、もう一方では活性成分との間の相互作用は、薬物放出、ならびに製剤の加工および貯蔵特性に影響し得る。前述の薬物のクラスについて生じる特定の難点は、簡単にバラバラになり過ぎない凝集性錠剤を成形できる組成物を考案する際に生じる。前述の薬物クラスについて生じるもう一つの特別な難点は、磨損度および/または硬度範囲について満足な値を示す錠剤を成形できる組成物を考案する際に生じる。前述の薬物クラスについて生じるもう一つの特別な難点は、錠剤への望ましくは高いレベルの薬剤負荷を達成する組成物を考案する際に生じる。
【0005】
したがって、比較的高い薬剤負荷を有し、および凝集性を有しうる錠剤を提供することは特に望ましいであろう。
【発明の概要】
【0006】
本発明によれば、式(I)の化合物またはその塩およびヒドロキシプロピルセルロースを含む錠剤が提供される。
【0007】
本発明の別の態様は、式(I)の化合物またはその塩、ヒドロキシプロピルセルロース、および崩壊剤を含む錠剤である。
【0008】
活性成分(化合物または塩)は、コーティングを除外して算出した錠剤の重量の2.5%〜30%、例えば5%〜27.5%であり、例えば5%〜26%の量であってもよい。一実施形態では、活性成分は20%〜26%の量である。
【0009】
ヒドロキシプロピルセルロースは、コーティングを除外して算出した錠剤の重量の2%〜10%、例えば3%〜8%であり、例えば4%〜7%または3%〜5%の量であってもよい。
【0010】
実施形態では、錠剤は、さらに、水不溶性フィラーおよび水溶性フィラーを含有する。
【0011】
一態様では、本発明は、ヒドロキシプロピルセルロースおよび式(I)の化合物またはその塩を含む内相成分を特徴とする、湿式造粒法で錠剤を作製する方法を提供する。
【0012】
本発明には、本発明の錠剤を作製するための、式(I)の化合物またはその塩およびヒドロキシプロピルセルロースを含む、圧縮していない組成物が含まれる。開示には、粉末または錠剤の形態の式(I)の化合物またはその塩およびヒドロキシプロピルセルロースを含む、均一な組成物も含まれる。本発明は、式(I)の化合物またはその塩およびヒドロキシプロピルセルロースを含む粉末ブレンドも提供し、このブレンドを圧縮して錠剤を形成することができる。
【0013】
本発明のさらなる態様および実施形態は、下記の説明および特許請求の範囲に記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
下記の定義が本明細書で使用される:
HPC=ヒドロキシプロピルセルロース
HPMC=ヒドロキシプロピルメチルセルロース
MCC=微結晶セルロース
錠剤コア=フィルムコーティングを除外した錠剤の本体、すなわち錠剤圧縮から生じる生成物。
【0015】
下記説明は、単語「約」によって修飾される様々な数値を開示する。説明には、単語「約」によって修飾されない場合の同じ数値も含まれる。
【0016】
一態様では、本発明は式(I)の化合物またはその塩を含む錠剤を提供する。製剤は、ヒドロキシプロピルセルロースを含むことを特徴とする。
【0017】
本発明には、治療上有効な量の式(I)の化合物またはその塩およびヒドロキシプロピルセルロースを含み、活性成分の即放性を有する錠剤が含まれる。
【0018】
用語「即放」は、具体的には擬似または実際の胃液と接してから約2時間以内、特に、擬似または実際の胃液と接してから約1時間以内に、活性成分を放出することを指す。具体的には、即放性錠剤は、擬似または実際の胃液と接してから約30分以内に活性成分を放出し始めることがある。
【0019】
用語「治療上有効な量」は、治療効果を達成する量を指す。
【0020】
一実施形態では、活性成分は式(I)の化合物であって、その塩ではない。別の実施形態では、活性成分は式(I)の化合物の塩である。一実施形態では、式(I)の化合物またはその塩は、水和物または他の溶媒和化合物である。別の実施形態では、式(I)の化合物またはその塩は、水和物または他の溶媒和化合物ではない。薬学的に許容される適した塩の一覧は、Remington's Pharmaceutical Sciences、17th ed.、Mack Publishing Company、Easton、Pa.、US、1985、p.1418、に見ることができ、その開示は本明細書に参考として組み込まれる。また、Stahl et al、Eds、"Handbook of Pharmaceutical Salts Properties Selection and Use"、Verlag Helvetica Chimica Acta and Wiley-VCH、2002も参照されたい。
【0021】
本発明で使用できる特定のHPCは、例えば公称(nominal)分子量約150kDa未満の低分子量のHPCであり、例えば約100kDa未満、具体的には約80kDaのものである。該HPCは、少なくとも約70kDaの分子量を有し得る。一実施形態では、HPCはEXF HPC、すなわち、微粒子径および公称分子量80kDaの低分子量HPCである。
【0022】
錠剤は、ヒドロキシプロピルセルロース(「HPC」)および活性成分に加えて、水溶性フィラーを含有できる。水溶性フィラーとしては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、乳酸カルシウム、マンニトール、尿素、イノシトール、コハク酸マグネシウム、ソルビトール、および炭水化物(例えばマンニトール、ラフィノース、ショ糖、ブドウ糖、果糖、乳糖および乳糖一水和物など)のうち一つ、またはそれらの組み合わせが挙げられる。特定の水溶性フィラーは、乳糖一水和物である。
【0023】
実施形態では、錠剤は、圧縮成型できるフィラー、例えばMCCを含有する。
【0024】
実施形態では、錠剤は、水不溶性フィラー、例えばMCCを含有する。
【0025】
開示には、錠剤が崩壊剤、例えばクロスカルメロースナトリウムまたはデンプングリコール酸ナトリウムを含有する実施形態が含まれる。
【0026】
錠剤は、さらに、1種または複数の他の添加剤、例えば1種または複数の滑沢剤、流動促進剤および流動助剤を含んでもよい。滑沢剤の例としては、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムまたは滑石、あるいはそれらの組み合わせが挙げられる。流動促進剤の例としては、乾式水酸化アルミニウムゲルまたはケイ酸マグネシウム、あるいはその組み合わせが挙げられる。例示的な流動助剤としては、シリカ、例えば無水性コロイド状シリカ(anhydrous colloidal silica)がそこに挙げられる。
【0027】
本発明には、錠剤がフィルムコーティングされる一実施形態が含まれる。
【0028】
したがって、例示的な錠剤は、
・活性化合物(化合物であって、塩ではない)
・HPC
・水溶性フィラー、例えば乳糖一水和物
・水不溶性フィラー、例えば微結晶セルロース
を含む。
【0029】
こうした例示的な錠剤は、さらに、他の(1種または複数の)打錠添加剤、例えば流動助剤(例えばシリカ)、崩壊剤(例えばデンプングリコール酸ナトリウム)および錠剤滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム)を含むことができる。錠剤は、さらに、任意選択のフィルムコーティングを含んでもよい。したがって、本発明の特定の錠剤は、以下のもの:活性化合物、80kDaのHPC、乳糖一水和物、微結晶セルロース、シリカ、デンプングリコール酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム(または変種の別の錠剤滑沢剤)、ならびに任意選択のフィルムコーティングを含むかそれらからなる。
【0030】
単一の錠剤は適切には、約1mg〜約500mgの有効成分、例えば約5mg〜約250mgの有効成分を含有する。ある種の実施形態では、単一の錠剤は、約10mg〜約200mgの活性成分を含有する。有効成分の特定の含有量は、錠剤1錠につき有効成分が約20mg〜約200mgである。いくつかの錠剤は、錠剤一錠につき活性成分を約50mg〜150mg含有する。
【0031】
次に、本発明の実施形態の、別の成分の比率を記載する。言うまでもなく、製剤の成分含有量の総パーセンテージは合計100%である。
【0032】
実施形態では、活性成分は、重量で、錠剤コア(すなわち任意選択のコーティングを除外した錠剤)の約2.5%〜約60%を構成し、例えば、重量で、錠剤コア(すなわち任意のコーティングを除外した錠剤)の約2.5%〜約30%などの、例えば、重量で、錠剤の約5%〜約27.5%を構成する。具体的な実施形態は、約20重量%〜約30重量%、例えば約20重量%〜約26重量%の活性成分を含有し、これらすべてのパーセンテージは錠剤コアの重量を基に算出される。さらに具体的な実施形態は、約24重量%〜約28重量%の活性成分、例えば約25重量%〜約27重量%の活性成分、例えば約26重量%の活性成分を含有するが、これらすべてのパーセンテージは錠剤コアの重量を基に算出される。さらに具体的な実施形態は、約25重量%〜約55重量%の活性成分を含有し、これらすべてのパーセンテージは錠剤コアの重量を基に算出される。
【0033】
HPCは、錠剤コアの重量の約2.9%〜約10%、例えば錠剤コアの重量の約3%〜8%、例えば錠剤コアの重量の約3%〜5%の量が適切である。
【0034】
開示には、水不溶性フィラー、例えばMCCを、約15%〜約60%、例えば20%〜約60%、例えば約25%〜約50%の量で含む錠剤が含まれる。いくつかの錠剤では、水不溶性フィラーは25%〜45%の量であり、例えば約35.4%、約43.8%または約36.3%の水不溶性フィラーを含有する錠剤の場合、例えば35%〜45%である。この項のパーセンテージは、錠剤コアの重量に対するパーセンテージであり、すなわち、コーティングフィルムを除外した錠剤の重量に対するパーセンテージである。
【0035】
本発明の錠剤は、錠剤コアの重量を基に算出した重量で約1%〜約20%の量の崩壊剤を含有でき、約4%〜約12%の崩壊剤、例えば約4%〜約6%の崩壊剤を含有する錠剤の場合、例えば約2.5%〜約15%を含有できる。一実施形態では、崩壊剤は、錠剤コアの重量の約5%〜約10%の量であり、錠剤コアの重量を基に算出した重量で5%又は6.8%の崩壊剤を含有する錠剤の場合、例えば約5%〜約7%である。
【0036】
他の添加剤、例えば流動助剤または滑沢剤は、錠剤コアの重量を基に算出した重量の最大約10%の量、例えば約1%〜約10%で存在できる。一実施形態では、他の添加剤は、約1.5%〜約5%の量で存在でき、約2.1%、2.4%または3.7%の他の添加剤を含有する錠剤の場合、例えば約2%〜約4%で存在できる。
【0037】
さらなる実施形態を、下記の表1に記載する。
【0038】
【表1】

【0039】
上記の重量パーセンテージは、任意選択のコーティングを除外している。
【0040】
具体的な下位実施形態では、活性化合物は、錠剤コアの重量の約20%〜約26%の量であり、HPCは、錠剤コアの約3%〜約5%の量であり、水溶性フィラーは、錠剤コアの重量の約25%〜約30%の量であり、崩壊剤は錠剤コアの重量の約4%〜約6%の量であり、および他の添加剤は、錠剤コアの約3%〜約4%の量である。
【0041】
本発明のすべての実施形態について、特徴の下記の組み合わせが一つの任意選択のサブクラスを形成する:HPCが約70kDa〜約100kDa、例えば約80kDaの分子量を有し、水不溶性フィラーが微結晶セルロースであり、水溶性フィラーが乳糖一水和物であり、崩壊剤がデンプングリコール酸ナトリウムである。
【0042】
他の添加剤は、流動助剤(例えばシリカ)および錠剤滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム)を典型的に含む、または、それ自体である。
【0043】
錠剤コアの総重量は、100mg〜1g、例えば175mg〜900mgが適切であり、例えば180mg〜220mg、350mg〜450mgまたは750mg〜850mgである。
【0044】
活性化合物
活性成分は、前述の式(I)の化合物またはその塩である。例えば、式(I)の化合物は、WO2006/108591の実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80および81のいずれかに記載されていることがある。いくつかの例示的な活性成分の構造式は、以下である。
【0045】
【化2】

【化3】

【0046】
活性成分は、癲癇、統合失調症、双極性障害、パーキンソン病、薬物誘発性精神病および発作後精神病における精神病、(多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、ハンチントン病またはアルツハイマー病などの)神経変性障害、統合失調症、特に慢性統合失調症、不安症、鬱病、双極性気分障害、睡眠障害、認知障害、嘔吐症、耳鳴症、疼痛、神経疼痛、偏頭痛、麻酔剤、近視、腫瘍増殖、禁断症状、(脳卒中、クモ膜下出血、出生時低酸素症、脳脊髄外傷、頭部損傷、高頭蓋内圧、および脳神経系の低酸素症と潜在的に関連した任意の外科手技などの)虚血性低酸素状態、ならびに、感染症によって生じる状態を含めた、環境外因的神経毒の作用によって生じる状態、ならびに肝不全と関連した肝性脳症および代謝変化によって生じる状態の治療に有用である。したがって、本発明の製剤は、こうした疾患、例えば癲癇の治療に有用である。
【0047】
調製方法
本発明の錠剤は、湿式造粒法で作製できる。より具体的には、製剤の成分を、互いに同時に、または特定の順序で混合し、水で湿らせ、得られた顆粒の塊を乾燥させることにより造粒することができる。混合物を造粒する場合、任意選択で粉砕するが、粉砕してもしなくても、所望の粒径に適宜選別する。顆粒外添加剤、例えばフィラー、流動剤および滑沢剤は、造粒後に顆粒に加えることができる。より詳細には、活性成分、(1種または複数の)マトリックス形成剤、および任意選択の水溶性フィラーを含む内相成分を混合し、湿式造粒する。乾燥後、顆粒を外相成分と混合して乾燥混合物を形成する。
【0048】
乾燥混合物を、圧縮して錠剤を形成することができる。圧縮錠剤は、所望により、1種または複数のフィルムでコーティングできる。
【0049】
したがって、本発明は、一実施形態で、
水と内相の固形成分(前記固形成分はヒドロキシプロピルセルロースおよび式(I)の化合物を含む)とを合わせ、水と固形成分との組合せを造粒することにより、内相の湿潤顆粒を調製するステップと、
顆粒を乾燥させるステップと、
乾燥した顆粒を外相の成分とブレンドして打錠混合物を形成するステップと、
打錠混合物を圧縮するステップと
を含む、錠剤を調製する方法を提供する。
【0050】
本発明は、圧縮前の混合物を含み、したがって、粉末の形態の式(I)の化合物またはその塩およびヒドロキシプロピルセルロースを含む均一な組成物を含む。換言すれば、本発明には、式(I)の化合物または塩およびヒドロキシプロピルセルロースを含む粉末ブレンドが含まれる。
【0051】
より詳細には、錠剤を製造する例示的な手順は、下記ステップを含む:
ステップ1:内相の成分、すなわち原薬、(1種または複数の)結合剤、および(1種または複数の)フィラーならびに任意の他の内相成分を、撹拌機、例えば高剪断撹拌機のボウルに入れる。
ステップ2:混合する(例えば5分間)。
ステップ3:ステップ(2)の混合物に水を加える。
ステップ4:得られた組成物を混合する/混練する/造粒する。
ステップ5(任意選択):湿潤顆粒を選別する(例えばメッシュサイズ2mmのふるい)。
ステップ6:例えばトレイ上、または好ましくは流動層乾燥器(推奨)内で顆粒を乾燥させる。
ステップ7:外相、すなわち(1種または複数の)フィラー、(1種または複数の)崩壊剤、(1種または複数の)流動促進剤/(1種または複数の)流動剤、(1種または複数の)滑沢剤と、乾燥済の顆粒とを選別してブレンダーに入れる(例えばメッシュサイズ1mmのふるい)。
ステップ8:ステップ(7)の成分をブレンドする。
ステップ9:ステップ(8)の打錠混合物を、例えば圧送(回転式)打錠機で、必要な重量と寸法の錠剤コアに圧縮する。
ステップ10:(任意選択)例えばHPMCベースのフィルムで錠剤をフィルムコーティングする。
【0052】
湿式造粒法のステップで(例えば上記ステップ(1)〜(10)のステップ(3)で)使用される水の量は、固形成分(すなわち上記ステップ(1)〜(10)の場合のステップ(2)から得られる混合固形物)の重量の約25%〜約40%が適切であり、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%または約35%の例から、例えば約30%〜約35%が適切である。
【0053】
水は、約1分間〜約60分間にわたって、例えば約2〜約10分間、例えば約5分間にわたって内相成分に加えることが適切である。
【0054】
本発明では、好ましくは、任意選択のステップ5は除外される。対照的に、ステップ10は通常含まれる。したがって、本発明には、ステップ5を除くステップ1〜10のすべてを実施することを含む本発明の製剤を作製する方法が含まれる。タイミング、乾燥技術、メッシュサイズおよびフィルムコーティング成分などの変数は、変更可能であり、かつ上記に例証した通りである必要はないことが理解されよう。
【0055】
外相成分は適切には、一度に1つずつ順次加えて、次の成分を加える前に混合物とブレンドする。
【0056】
一実施形態では、乾燥した顆粒は、外相成分とブレンドする前に選別するが、特定すると、外相成分とブレンドする前に粉砕し、次いで選別してもよい。一実施形態では、乾燥した顆粒は、外相成分とブレンドする前に粉砕するが、具体的には、外相成分とブレンドする前に粉砕し、次いで選別してもよい。
【0057】
したがって、例示的な実施形態では、顆粒の調製に使用される内相は、下記を含むまたはそれらからなる:
・活性化合物(化合物であって、塩ではない)
・HPC、例えば80kDaのHPC
・水溶性フィラー、例えば乳糖一水和物
・水不溶性フィラー、例えば微結晶セルロース、
および外相(顆粒剤外部)は、下記を含む、またはそれらで構成される:
・水不溶性フィラー(例えば微結晶セルロース)
・崩壊剤(例えばデンプングリコール酸ナトリウム)
・錠剤滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム)
・流動助剤(例えばシリカ)。
【0058】
上記の手順(例えばステップ1〜4および6〜9)は、下記の表2に記載の成分を使用して錠剤の製造に適用できる。
【0059】
【表2】

【0060】
表2に示すパーセンテージは、任意選択のコーティングを含むことなく算出した、すなわち錠剤コアを基に算出した。
【0061】
フィルムコーティングは、おそらく、また通常、圧縮コアに適用できる。
【0062】
これまでに行われた実験では、錠剤コア(すなわちいかなる任意選択のコーティングも除外した錠剤)の乾燥成分の26重量%を超える薬剤負荷を達成することは困難であった。
【0063】
前述のことから、本発明には、下記ステップ(a)で使用される物質に対して、例えば最大約26重量%の量の式(I)の化合物を含有する薬物負荷圧縮錠剤の調製方法が含まれることが認識されるであろう。この調製方法は下記ステップを含む:(a)化合物をヒドロキシプロピルセルロース、水溶性フィラー、水不溶性フィラーおよび崩壊剤とブレンドするステップ、(b)約1分間〜約60分間にわたって、ステップ(a)で使用される物質の重量の約25%〜約40%の量の水を添加して、ブレンドした混合物を湿式造粒して凝集するステップ、(c)凝集した混合物を乾燥させるステップ、(d)乾燥済混合物を粉砕して造粒するステップ、および任意選択で、それを選別するステップ、(e)粉砕した混合物を、任意の順序で、水不溶性フィラー、流動助剤、崩壊剤および錠剤滑沢剤とブレンドするステップ、(f)滑沢化した混合物を所望の形状の圧縮錠に圧縮するステップ。次いで、圧縮錠剤をフィルムコーティングしてもよい。
【0064】
本発明の一態様では、本発明の組成物は、例えば硬度範囲が大きいことを通じて好適な加工性を示している。このことは、広範囲の圧縮力を使用して錠剤を圧縮し、許容される打錠特性(例えばUSP No.1217テストを用いて評価される、例えば錠剤破断荷重、および/または、例えばUSP No.1217テストを用いて評価される磨損度)を有する錠剤を形成できることを意味する。例えば、ある種の態様では、組成物の錠剤は、25Nを超える硬度範囲を示し、例えば、40N超または50N超などの30Nを超える硬度範囲を示すことがある。好ましい一実施形態では、錠剤は、70Nを超える硬度範囲を示す。また硬度範囲は、100N未満であってもよく、例えば90N未満である。ある種の実施形態では、硬度範囲は80N未満であり、例えば70N未満、60Nまたは50N未満である。
【0065】
本発明の錠状組成物は、有益な磨損特性を示す。磨損度とは、包装、取扱いおよび輸送時における摩損錠剤が耐える性能である。磨損度は、任意の適切な測定技術、例えばUSPスタンダードNo.1216によって測定できる。
【0066】
本発明の一態様では、例えば1日1回150mgの量(任意選択で、50mgの用量を3つ同時に投与してもよい)の化合物(iii)を含む即放性組成物を提供する。この組成物は、患者に投与されると、AUCINFが、約17000±30%hrng/mL、例えば17000±20%hrng/mL、17000±10%hrng/mLなどの範囲であるような放出プロファイルを示し得る。
(実施例)
【0067】
下記実施例は、WO2006/108591で開示されているそれぞれの化合物、例えばその実施例で開示されている式(I)の化合物、例えば構造式(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)、(x)、(xi)、(xii)、(xiii)または(xiv)の化合物に適用できる。
【実施例1】
【0068】
下記組成物を、上記のステップ1〜4および6〜8に続いて湿式造粒し、共通ブレンドとして25、50、100および200mgの用量の圧縮錠剤に使用した。
【0069】
【表3】

【0070】
Avicel(登録商標)101およびAvicel(登録商標)PH102は、それぞれ微結晶セルロースである。Aerosil(登録商標)は、無水性コロイド状シリカである。
【実施例2】
【0071】
下記組成物を、上記のステップ1〜4および6〜8に続いて湿式造粒し、用量10mgの錠剤に圧縮した。
【0072】
【表4】

【実施例3】
【0073】
下記組成物を、上記のステップ1〜4および6〜8に続いて湿式造粒し、錠剤に圧縮した。
【0074】
【表5】

【0075】
実施例4〜11
実施例4〜10の組成物を、湿式造粒法の技術を用いて調製した。化合物(iii)を、内相の添加剤と共に最高速度の造粒撹拌機(Gral)中でブレンドした。次いで、水(24〜30%)を撹拌機の中に噴霧し、得られた組成物を2〜10分間にわたり造粒した。次いで流動層乾燥機または箱形乾燥器を用いて、水分量2〜3%を達成するまで顆粒を乾燥させた。外相の添加剤および乾燥済顆粒を1mmのふるいを用いて選別し、次いでタンブルブレンダー中で混合した。次いで滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)を0.5mmのふるいを用いて選別し、顆粒に加え、タンブルブレンダー中でブレンドした。次いでこの混合物を圧送(回転式)打錠機で圧縮し、混合物を錠剤の形状に変えた。次いでOpadry IIの茶色を使用して、錠剤をフィルムコーティングした。
【0076】
実施例11の組成物を、この実施例に記載の通り、ローラーコンパクション(roller compaction)技術を用いて調製した。これらの湿式造粒法およびローラーコンパクションメソッドで使用された組成物は、実施例4〜11に明記されている。これらの実施例では、下記の略号が使用される:湿式造粒法=WG;ローラーコンパクション=RC;式(iii)の化合物=化合物(iii)。
【実施例4】
【0077】
組成物TRD−2689−33。
【0078】
【表6】

【実施例5】
【0079】
組成物TRD−2689−13。
【0080】
【表7】

【実施例6】
【0081】
組成物TRD−2689−15。
【0082】
【表8】

【実施例7】
【0083】
組成物TRD−2689−17。
【0084】
【表9】

【実施例8】
【0085】
組成物TRD−2689−19。
【0086】
【表10】

【実施例9】
【0087】
組成物TRD−2577−145。
【0088】
【表11】

【実施例10】
【0089】
組成物TRD−2577−130。
【0090】
【表12】

【実施例11】
【0091】
組成物TRD−2577−135。
【0092】
【表13】

【0093】
この製剤を、下記の手順を用いてローラーコンパクション(RC)し、圧縮して錠剤の形状にした:
内相添加剤(化合物(iii)、マンニトール、Avicel 102、PVP K30、およびクロスカルメロース)を、1mmのふるいを用いて選別し、次いでタンブルブレンダーを用いて一緒にブレンドした。次いでこの散剤混合物をローラーコンパクションした。次いで得られた物質を、1mmのふるいを用いて選別した。外相添加剤、クロスカルメロースを選別し、一緒にブレンドした。次いで滑沢剤、ステアリン酸カルシウムを、0.5mmのふるいを用いて選別し、ブレンドして、錠剤圧縮のための最終顆粒を生成した。
【実施例12】
【0094】
実施例4〜11の錠剤の物性を試験し、結果を以下に示した。
【0095】
【表14】

【0096】
Dr Schleuniger Tablet tester、model 8Mを使用して硬度範囲(錠剤組成物の加工適性の尺度)を査定した。許容可能な打錠特性(例えばUSP No1217の破断テストを使用して測定した、例えば錠剤破断荷重)を有する錠剤を形成するのに必要な最小限の力を「最小打錠力」として示した。これらの特性を有する錠剤をまだ形成できる最大限の力を「最大打錠力」として示した。差を「硬度範囲」として示した。
【0097】
USP No.1216を使用して磨損度をテストした。錠剤重量をテストの前後に測定し、破損の目視検査を行った。錠剤サンプルは、重量の目減りが0.8%未満、および錠剤の破損が無いことを示せば、磨損度テストに合格した。
【0098】
組成物TRD−2689−33、TRD−2689−13、TRD−2689−15では、力の価値とは、破断荷重テスト(USP No.1217)および磨損度テスト(USP No1217)を満足させる錠剤を生成するのに必要な価値である。組成物TRD−2577−130では、力の価値とは、破断荷重テスト(USP No.1217)を満足させる錠剤を生成するのに必要な価値であるが、磨損度テスト(USP No1217)についてはそうではない。
【実施例13】
【0099】
実施例4に明示されている通りの錠剤50mgを、実施例4に記載の手順を用いて調製した。3つの錠剤を単回用量で標本母集団(12)に投与し、PKパラメータを測定した。これらのパラメータを下記に提供する。
【0100】
一次解析
一次PK変数を、対数変換し、混合効果線形モデルを使用して解析した。配列因子、期間因子および処置因子は、固定効果としてモデルに含まれ、対象はランダム効果として含まれた。PK変数(薬物動態解析母集団)の90%信頼区間。
【0101】
原薬:化合物(iii);マトリックス:プラズマ;分析物:化合物(iii)。
【0102】
【表15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシプロピルセルロースと式(I)の化合物およびその塩から選択される活性成分
【化4】

(式中
は、CF、CHF、CHF、CHCHF−、CHCF−、エチルまたはイソプロピルを表し、
は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アシル、ヒドロキシ、オキソ(=O)、アルコキシ、シクロアルコキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アシルアミノ、アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される1つまたは複数の置換基によって置換されたアルキルを表し、または
は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される1つまたは複数の置換基によって置換されたヘテロシクリルアルキルを表し、または
は、シアノ、ヒドロキシ、アルカンジイル、アルケンジイル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ホルミル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される1つまたは複数の置換基によって置換されたフェニルを表し、または
は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アシル、アルコキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択で置換されたヘテロシクリルを表し、この複素環は1個の炭素原子でフェニル環に結合している)と
を含む錠剤。
【請求項2】
化合物が式(i)から(xiv)の化合物から選択される一つである、請求項1に記載の錠剤。
【化5】

【化6】

【請求項3】
活性成分が、コーティングを除外して算出した錠剤の重量の2.5%〜30%の量であり、ヒドロキシプロピルセルロースが、コーティングを除外して算出した錠剤の重量の2%〜10%の量である、請求項1または2に記載の錠剤。
【請求項4】
活性成分が5%〜27.5%の量、例えば5%〜26%であり、ヒドロキシプロピルセルロースが2%〜10%の量である、請求項3に記載の錠剤。
【請求項5】
活性成分が5%〜26%の量、例えば20%〜26%であり、ヒドロキシプロピルセルロースが3%〜8%の量である、請求項3に記載の錠剤。
【請求項6】
活性成分が、コーティングを除外して算出した錠剤の重量の24%〜28%の量、例えば25%〜27%、例えば26%である請求項1から3に記載の錠剤。
【請求項7】
ヒドロキシプロピルセルロースが、コーティングを除外して算出した錠剤の重量の4%〜7%の量である、請求項3に記載の錠剤。
【請求項8】
コーティングを除外して算出した錠剤の重量の20%〜40%の量の水溶性フィラー、例えば乳糖一水和物をさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項9】
コーティングを除外して算出した錠剤の重量の25%〜50%の量の水不溶性フィラー、例えば微結晶セルロースをさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項10】
コーティングを除外して算出した錠剤の重量の2.5%〜15%の量の崩壊剤、例えばデンプングリコール酸ナトリウムをさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項11】
コーティングを除外して算出した錠剤の重量の1.5%〜3.5%の量の崩壊剤、例えばデンプングリコール酸ナトリウムをさらに含む、請求項1から9のいずれかに記載の錠剤。
【請求項12】
コーティングを除外して算出した錠剤の重量の最大10%の量の、例えば流動助剤および錠剤滑沢剤を含む他の添加剤をさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項13】
表1の実施形態1、実施形態2または実施形態3として一覧になった成分、および任意選択のコーティングからなる、請求項1または2のいずれかに記載の錠剤。
【請求項14】
ヒドロキシプロピルセルロースが公称分子量70〜100kDa、例えば80kDaを有する、前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項15】
湿式造粒法によって得られた錠剤の特徴を有する、前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項16】
錠剤が湿式造粒法を用いて作製されることと、内相成分がヒドロキシプロピルセルロースおよび活性成分を含むこととを特徴とする、式(I)の化合物およびその塩から選択される活性成分を含む錠剤を作製する方法。
【請求項17】
湿式造粒法が、内相の固形成分の重量の25%〜40%の量の水、任意選択で内相の固形成分の重量の30%〜35%の量の水を使用する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
内相が、コーティングを除外して算出した錠剤の重量の2.5%〜30%の量の活性成分、およびコーティングを除外して算出した錠剤の重量の2%〜10%の量のヒドロキシプロピルセルロースを含む、請求項16または請求項17に記載の方法。
【請求項19】
内相が、5%〜27.5%の量、例えば5%〜26%、または25%〜27%の量の活性成分を含み、ヒドロキシプロピルセルロースが2%〜10%の量である、請求項16または請求項17に記載の方法。
【請求項20】
内相が、5%〜26%の量、例えば20%〜26%の量の活性成分を含み、ヒドロキシプロピルセルロースが3%〜8%の量である、請求項16または請求項17に記載の方法。
【請求項21】
ヒドロキシプロピルセルロースが4%〜7%の量である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
内相が、コーティングを除外して算出した錠剤の重量の20%〜40%の量の水溶性フィラー、例えば乳糖一水和物をさらに含む、請求項16から21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
内相が、コーティングを除外して算出した錠剤の重量の15%〜40%の量の水不溶性フィラー、例えば微結晶セルロースをさらに含む、請求項16から22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
内相が、コーティングを除外して算出した錠剤の重量の1.25%〜7.5%の量の崩壊剤、例えばデンプングリコール酸ナトリウムをさらに含む、請求項16から23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
外相が、コーティングを除外して算出した錠剤の重量の5%〜25%の量の水不溶性フィラー、例えば微結晶セルロースをさらに含む、請求項16から24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
外相が、コーティングを除外して算出した錠剤の重量の1.25%〜7.5%の量の崩壊剤、例えばデンプングリコール酸ナトリウムをさらに含む、請求項16から25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
外相が、流動助剤、錠剤滑沢剤および流動促進剤から選択される1種または複数のさらなる添加剤をさらに含む、請求項16から26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
内相および外相が、表2の実施形態A、実施形態Bまたは実施形態Cとして一覧になった成分からなる、請求項16または請求項17に記載の方法。
【請求項29】
水と内相の固形成分(前記固形成分はヒドロキシプロピルセルロースおよび活性成分を含む)とを合わせ、水と固形成分との組合せを造粒することにより、内相の湿潤顆粒を調製するステップと、
顆粒を乾燥させるステップと、
乾燥した顆粒を外相の成分とブレンドして打錠混合物を形成するステップと、
打錠混合物を圧縮するステップと
を含む、請求項16から28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
錠剤をフィルムコーティングするステップをさらに含む、請求項29に記載の方法。

【公表番号】特表2013−515076(P2013−515076A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546151(P2012−546151)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/061553
【国際公開番号】WO2011/079119
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】