説明

卵の表面上の汚れ及びその他の欠陥を検出するためのソフトウェア制御を有する視覚システム

卵取扱装置に組み込まれる視覚システムであり、本システムは、茶色及び白色の卵の両者の色調及び不良の少なくとも一方を検出するためのソフトウェア制御を組み込む。筐体が、遠隔の視覚パソコンシステムに対してスイッチにより有線通信する複数の高解像度生成カメラを組み込む。非線形拡散器が、前記カメラと関連する前記筐体の開口内部全体の均一な照明を促進するために、前記筐体の開口底部に沿って取付けられる。前記カメラは、許容範囲内の不良及びはじかれるべき不良の種類を分類し、且つ最終梱包用に卵をより一様な色調のグループに分別するのを補助するため、前記関連卵取扱装置に沿って連続的に移送される複数の卵の各々の複数の高解像度画像を生成するよう動作可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2008年2月4日に提出された、卵の表面上の汚れ及びその他の欠陥を検出するためのソフトウェア制御を有する視覚システムと題する仮出願第61/025,973号(35 USC 119(e))の本出願である。
【0002】
本発明は、茶色及び白色の卵上の不良を検出するためのソフトウェア制御及び茶色の卵の多数の色調を検出する能力を組み込む視覚システムを教示する。具体的には、本発明は、特にイーサネットカメラのようなイメージングカメラを単数又は複数対採用し、これらのカメラは、三次元筐体内でグループ化され、この筐体は、そのユニットの分離密閉区画内に全ての制御電気装置を隔離する。
【0003】
更に、このユニットは、1個以上の照明要素を含むと共に、照明要素から発生された光をそのユニットの内側で集束、拡大及び均等な配光の内のいずれかの形態に方向転換し且つ等しく配光する、湾曲した、弓状の、或いは非直線形の反射器又は拡散器要素を含む。この視覚システムは、限定ではないが一用途として、卵の非侵襲的検査を提供し、この利用では、照明要素及び湾曲拡散器がユニット内(及び任意だがその下方)の領域を均一に照明する能力により、暗部やその他の望ましくないダークスポットを無くし、それによって卵の色調及び汚損をより正確に検査及び検出する。
【背景技術】
【0004】
関連技術においては卵検査装置が周知となっている。これらの装置は、コンベヤのような、様々な型の卵処理移送装置と併用されている。これらの装置の典型的用途は、卵を色やサイズ等によって分類し、又、卵に付随する許容範囲外の汚損を検出するための、卵の非侵襲的検査を含む。
【0005】
球状表面を有する物体を検査する装置の一つの公知例が、Van Soestに対する米国特許第7,474,392号に説明されており、三次元の箱型筐体が、この箱型筐体の頂部として機能する艶無し透明の(乳白色のような)拡散板を介して照明する、最上部に位置する複数の線型照明を含む。一連の4枚の相互接続した側壁及び端壁は、各々、高い光反射係数を示す鏡面内側表面を示し、これにより、箱の開口した底部と連通しているコンベヤ上に載置された複数の物体を等しく照明するために、絶えず回帰する光源が生成される。このコンベヤ上の物体を観察するために、1台以上のカメラが、箱の頂部内側側壁に近接して、コンベヤの上方に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7,474,392号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、1つの卵取扱装置に組み込まれる視覚システムを開示し、当該システムは、茶色及び白色の卵の両者の色調及び不良の少なくとも一方を検出するためのソフトウェア制御を組み込む。筐体が、離れて取付けられた視覚パソコン(PC)システムに対して、ギガビットイーサネットスイッチによって有線通信する複数の高解像度生成カメラ(イーサネットカメラ等)を組み込む。
【課題を解決するための手段】
【0008】
拡散器(反射又は配光要素とも呼ぶ)が、前記筐体の底部の方を向いている開口に沿って取付けられる。この拡散器は、限定はしないが、放物線又は類似の形状を含むような、湾曲、弓形、或いは非線形の形状を示し、前記カメラに関連する前記筐体の開口内部全体を均一に照明するのを促進する。複数の光生成/照明要素が、前記拡散器の上方に配置され、前記カメラと協調して、許容範囲内の不良及びはじかれるべき不良の種類を分類し、且つ最終梱包用に卵をより一様な色調のグループに分別するのを補助するため、前記関連卵取扱装置に沿って連続的に移送される複数の卵の各々の複数の高解像度画像を生成するよう動作可能である。
【0009】
前記カメラは、各カメラが所与の瞬間に複数の卵を視認するように、対にする等、あらゆる形にグループ化することが出来る。前記関連の卵取扱装置は、前記カメラによって一連の画像が撮られている間に前記卵を回転させることも出来る。前記照明要素は、更に、前記ユニット内部に沿って位置する高周波蛍光灯電球等によって提供される。前記照明は、前記ユニット全体及び前記卵又はその他の被検査物品を支持する前記コンベヤの表面領域に沿う均一な照明を促進するために、前記ユニットの底部の方を向いている開口に沿って取付けられた、カスタマイズされた放物線又はその他の非線形/湾曲した拡散器を通過する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
ここで、以下の詳細な説明と併せて読まれる際、添付の図面を参照するが、各図を通して同様の記号は同様の部分を表わす。
【図1】本発明に従う視覚システムの斜視組立説明図であり、三次元筐体、グループ化され、対になった複数のイメージングカメラ、蛍光灯管、及び下向きの放物線反射鏡を示す。
【図2】前記カメラ、照明、及び放物線反射鏡の配置をより良く図解するために三次元筐体を画定するサイドパネルを選択的に取り除いた状態の、前記視覚システムを回転させた斜視図である。
【図3】前記視覚システムを更に回転させた部分的分解斜視図である。
【図4】図1に示す前記視覚システムを回転させ更に組み立てた上面斜視図である。
【図5】図3に示す斜視図と比較して僅かに回転させた分解斜視図である。
【図5A】更なる変形に従って、変更されたドーム形状拡散器要素の部分説明図である。
【図5B】前記ドーム形状の拡散器の横断面に関する対数関数の説明図であり、頂部中心線から互いに反対に延出する放物線成分、放物線成分の端点から延出する線形成分、及び線形成分の端点から拡散器の側面延出端まで伸びる対数成分を含む。
【図6】高架で浮かされた視覚システムの下方に間隔を置いて取付けられた卵コンベヤを含むような既存の卵取扱装置に、取付けられた前記視覚システムの斜視説明図であり、更に、三次元ユニットから延出して遠隔地にある視覚パソコンに接続しているイーサネットケーブルを図示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここに提示する夫々の説明図を参照しながら、茶色及び白色両者の卵上の不良を検出するため、及び茶色の卵の多数の色調を検出する能力を有する視覚システム10が開示される。後に更に詳細に記述されるように、視覚システム10は、機械視覚検査技術を組み込んでおり、当該システムは、更に、関連するコンピュータ関連のソフトウェア製品とインターフェースする能力を示すあらゆる適当なプロセッサ又はハードウェアベースのサポート、及びアセンブリ全体の均一な照明を促進するために本システムに構築された特注設計の要素又は拡散器(例えば、図示例のような放物線形状及びドーム形状の)コンポーネントを含むものと理解される。
【0012】
更に、図6の周囲の説明図において参照されるように、斜視図は、集合的に参照番号12として示す、既存の卵取扱装置に取付けられた前記視覚システムを示すが、例として、中央搬送ベルトからそれに沿って単一の縦列レーンへ多数の卵(参照番号13で示される)を移送し、他のコンベアや卵洗浄機等の使用へ搬送するためにスプールバー上に移送される際に使用される卵配向集積システムを図示している。図解を容易にするため、卵搬送/取扱装置12に関連する様々な特徴(これら自体は本発明の焦点ではないので)は、これ以上参照又は記述はしない。
【0013】
参照番号14で図示するのは、前述の三次元ユニット10から延出しているイーサネットケーブルであり、これが本発明の焦点であり、遠隔地の視覚パソコン16に接続しており、その機能を以下に詳細に記述する。上記で更に参照されたように、この視覚システムは検査サブシステムを組み込んでおり、その技術は、卵13又はその他の被移送物体の検査パラメータを設定するための適当な操作プロトコルを提供するために、適切なハードウェア及びプロセッサコンポーネント(通常はパソコン16に含まれているものとして参照される)を含み、前記パラメータは、色の濃淡、染み/汚損の存在の決定、及びその他の考え得る評価基準及び/又は欠陥を特定する能力を含むと解釈される。
【0014】
本出願において使用される「イーサネット(Ethernet)」という用語は、ローカルエリアネットワーク(LAN)用のフレームベースのコンピュータネットワーク技術の群を指す。この名前は、物理的概念である「エーテル(ether)」に由来し、媒体アクセス制御(MAC)/データリンク層のネットワークアクセスによる多数の配線及び信号伝達規格、及び共通のアドレス指定形式を定義する。このようにして、イーサネットステーションは互いにデータパケットを送信することによって通信するが、このデータパケットは、個別に送信され配信される個々のデータブロックから構成される。その他のLANと同様、各イーサネットステーションは、各データパケットの宛先と発信元の両方を特定するために使用される単一の48ビットアドレスを与えられている。
【0015】
図1〜5の各々に図示されているように、本開示の実施形態は、互いに対向配置されたカメラ18,20,及び22の個々の対によって更に参照されるように、この視覚システム10を画定する三次元筐体内部で対になった複数のイーサネット通信デジタルカメラを含む。好適な実施形態によれば、これらのカメラの個々のグループ化(例えば、前記の参照番号18,20,及び22)は、各カメラが所与の瞬間に複数の卵を視認するために、夫々のカメラの視野が所与の位置で交差するように各対が位置決めされる等(特に図2参照)、どのような方法でなされてもよく、例えば、望ましい改良形では、各カメラが20個(以上)の卵を視認する。更に、本発明に従い、本明細書に記述され請求された方法で機能するためのあらゆる変形において、単数のカメラ又はその他のオフ数のカメラも含めて、あらゆる複数のカメラを適宜採用することが出来ることが理解される。
【0016】
更に、好適な一実施形態においてイーサネット通信カメラを開示したが、恐らくイーサネット接続を必要としないような改良した視覚システムを組み込むに当たっては、本発明の範囲を逸脱することなく、異なる通信プラットフォーム下で動作するその他の許容範囲内のバージョンのデジタルカメラを含む、その他の可能なイメージングデバイスを利用することが出来ることにも留意すべきである。同様に、イーサネットケーブル14の使用には、カメラ又は関連するコンポーネントに組み込まれた、関連プロセッサ制御により様々な(対となる)カメラ同士間に確立されたその他のケーブル配線又は、場合によっては、ワイヤレス接続を代用することが出来る。
【0017】
このように、各カメラは、卵1個につき複数(例えば10枚又はそれ以上)の個別画像を提供することが出来る。前述の関連する卵取扱装置(上述の図6)は、各対となるカメラ18,20,及び22によって一連の画像が取得される間、卵を回転させることが出来る。図1〜5に図示する、対となるカメラ18,20,及び22を対向させて角度を付けた配置は、カメラの可能な一配置を示唆するものであり、更に、単数又は多数(3個以上)のカメラが所望の配置にすることが出来、また、前記関連する卵取扱装置の性能的側面と協調して、撮像対象の多数の品目(例えば複数の卵)の所望数の画像及びそれに関連する解像度の両方を提供することが出来るように、これらのカメラのあらゆる再配置が考えられることが理解される。
【0018】
この三次元視覚システム筐体内では、その一部である密閉筐体24が、概して参照番号26で示されているフレーム構成された通常は内側に開口している隣接筐体から分離して設置されている。密閉筐体24は、全ての制御電気装置(図2の部分省略図及び図3及び5の分解図における参照番号28を参照)を、アセンブリ10全体の分離密閉区画に隔離する。
【0019】
更に図2、3、及び5に最も良く示されているように、アセンブリ10の開口したフレーム構成区画26は、カメラ対18,20,及び22に関連する参照番号30,32,及び34で示されているように、オフセットカメラの各対に関連する複数の角度を付けた取付ブラケットを含み、これら取付ブラケットは、密閉電気的収容区画24の表面等に対してこれらのカメラ対を取付けている。前記開口したフレーム構成区画26を共に保持するための機械的構造については過度に詳細な説明はしないが、一連のフレーム、ブレイス、及び端部品が図示されており、これらは、略矩形に形成される共に開口した三次元内部空間を構成するために設けられ、この内部にカメラ対が、選択された下向き配置に配列されるように取付けられる。
【0020】
ユニット照明は、任意の複数の照明要素によって与えられ、それは、透明白色で高周波の蛍光灯電球又は安定抵抗管によって代表され、参照番号36及び38で対として参照される。これは、更に、例えば、4本,6本,8本,10本又はそれ以上の本数の蛍光灯管(一例では、各管の長さは48インチ)のように、任意の複数の照明要素の提供などを含むと共に、離間し、横方向に延出するように配置される。これらは、照明に利用され、ユニットアセンブリ10の中間内部又は底部に面する位置等に沿って配置される。更に、前記蛍光灯電球には、LED(発光ダイオード)、及び白熱灯又はその他の照明要素等を制限なく含めて、その他の適切な照明要素又は光源を代用することが出来るものと想定且つ理解される。その他の照明の選択肢にはレーザーの採用等を含み、その他の可能な光源も前記アセンブリ10に組み込むことが出来る。
【0021】
照明要素による照明は、参照番号40で示すカスタマイズされた非線形形状(弓形又は湾曲を含む)要素、又は拡散器を通過するが、その非線形形状要素又は拡散器は、ユニットアセンブリ全体の均一な照明を促進するため、前記フレーム構成の開口した区画26の底部に面する開口に沿って取付けられる。図示した実施形態における拡散要素の構成(この用語は、あらゆる形態の配光又は反射要素を含むことを意図しており、この要素の特性は、その要素40内に別個に又は同時に設計されることができる)は、疑似放物線形状の拡散器40を示す。
【0022】
例示的説明図における参照番号40の拡散器要素に従う、放物線形状に関連する反射又は拡散能力は、典型的には、(前述の照明要素が発生するような)光線を共通の焦点に集束するよう働く。ここで考えられている拡散器の構成は、焦点を無限遠点に拡大することを意図しており、これによって、均一で一様な画像パターンが、要素40が反射器コンポーネントとして働く場合は前記ユニットの三次元内部内で提供され、拡散能力の状態では前記ユニットの直下であって検査対象の卵又はその他の複数の物体を移送する他のコンベヤ(図6も参照)上に沿った領域で提供される。更に、ここに記述するように、反射器/拡散器40の特徴は、照明の均一な配光という目的に加えて、又はその代わりに、所望の程度の集束や拡大を行うように更に再構成されることが出来る。
【0023】
図示した放物線構成以外に、本発明は、非線形表面領域を確立するためのあらゆる数式又は対数式に従って形成されるような、あらゆる湾曲又は円弧形状を示す非線形要素の設置を更に意図しており、それは、下方に位置するコンベヤの表面のような、前記ユニットの下方に存在する領域に対する、前記照明要素が発生する光の集束、均等配光、及び拡大の全部又は何れかを促進する。代わりに構成された拡散器要素に関するそのような他の形状は、あらゆる所望の三次元パターンに従って、照明要素の光線方向を転換するための、楕円体状、ジオイド状、変形円形状、ドーム形状、又は指数曲線形状などのいずれをも含むが、それらに限定されない。
【0024】
更に、図5Aに参照されるように、拡散器は、参照番号40'で示す実質的にドーム形状を更に示し、そして、更に、略円形のベースを有する丸みを帯びた半円筒構成として、より限定されている三次元用途に、概して定義される。前記要素40'に関連するドーム形状は、図5の前記放物線形状要素40が示す形状と同様に、略細長く横方向に延出し、前記ドーム形拡散要素40'は、同様に、断面が開口した端部を有するように示されている。しかし、更に、このドーム形状拡散器40'の端部を閉じて同様のドーム構成を示すことも可能であることが理解される。
【0025】
更なる特徴としては、前記ドーム形状要素が、長さ方向及び前記直下に位置するコンベヤの移送方向に対して垂直方向に延出することを含む(図6の動作図にも明瞭に示されているように、卵移送コンベヤに対して直線方向に延出する方向矢印42によって図示され、そして、図6において透視図で示される、前記ドーム形状拡散器40'の延出方向を特定する二方向矢印44に関連している)。更なる特徴は、頂部中心線46に対して対称性を示す前記ドーム形状を含むことであり、図5Aに示すように、頂部中心線46から第一延出側面48及び第二延出側面50が延出され、頂部中心線46は、前記移送方向(上述した方向矢印42)に対して垂直であり、前記移送線(再び図6に示す)に対して略平行な平面に存在する。特に図示しないが、図5に最も良く示されている放物線形状拡散器40も、同様に長さ方向に延出する頂部中心線を含むことが理解され、その中心線から第一側面及び第二側面が延出され、第一側面及び第二側面は、ドーム形状拡散器を参照して以下で十分に記述されるように、所望の数学/対数関数に従って構成されることが出来る。
【0026】
前記ドーム形状拡散器40'の横断面は、前記中心線46に対して垂直であり、任意の適当な非線形数学関数、例えば、光の反射又はその他の方向転換(例えば拡散)に役立たせるための非線形で三次元の表面を作り出す任意の数式又は対数など、に従う曲線に沿うことが理解される。そのような数式は、多項式、即ち、同一変数の異なる指数を含むような、多数の代数項の式を採用することも理解される。
【0027】
前述したように、そのような数学関数は、前述した放物線形状、及びあらゆる無数の更なる形状を成すように再構成されることも出来る。これらの更なる形状とは、例えば、様々な複数の面の多角形を確立する比較的少数の定義面から、より円滑な弓形に略相当する比較的多数の面まで、あらゆる個数の面を示すあらゆる三次元表面を含むことが出来る。
【0028】
いずれの場合にも、このような数学/対数関数は、図5Aの参照番号46で示すように中心線の始点から計算される。更に、採用された対数は、拡散器表面を所望の三次元形状に成形するために、前記中心線46に対して向かい合った面のどちらかに適用される同一又は異なる数学的に生成された関数を有することが出来ると理解される。
【0029】
図5Bを参照すると、説明図は、前記ドーム形状拡散器40'の断面に関連する対数関数を示しており、これは、移送される品目(例えば卵13)の搬送方向42に関連して示されている。この数学的関数は、前記頂部中央線46から反対の形で延出している複数の放物線成分を含み、これは、頂部中心線46と端点52及び54の間の延出成分として定義される。後続の線形成分は、前記放物線成分の端点52及び54から更なる端点56及び58まで延出する。対数成分は、前記線形成分の端点56及び58から、終点60及び62によって更に定義される前記拡散器の側面延出端まで延出する。
【0030】
頂部中心線から反対に延出する放物線‐線形‐対数シーケンスの図示配置は、一つの考えられる数学関数を表すだけと理解され、その他のバリエーションの数学的に構成された曲線も想定され、例えば、より少数の特徴的成分に制限したり、それら成分の複数の数及び配置の一方又は双方を変更したりする等、所望の任意の方法で、図5Bに示すシーケンスを逆にし、或いは変更することが出来る。更に、放物線関数、線形関数、及び対数関数の各々と共に採用される数学係数は、曲率を変化させ、或いは図示したプロファイルを変化させるように変更可能であることが理解される。このような関数を変更する能力は、中心線の片側又は両側面において、前記コンベヤの設計等におけるピッチのバリエーションに適合させるように係数を選択する能力を生む。ドーム表面の場合には、そのドーム表面は、異なる部品によって構成可能であり、部品の各々が異なる動作機能(また、反射及び拡散特性のバリエーションを含むような)を提供するように設計可能であることが理解される。
【0031】
また、拡散器40及び40'の成形(又は再成形)は、前記ユニットの内部を等しく照明して前記カメラの効率を最大にする反射能力と、上方に取付けられたユニット(再び図6を参照)直下の領域、具体的には卵13がその上に位置するコンベヤ等をより良く照明するための所望の様式で、拡散器の上方に位置する筐体の内部又は空間を越えて光を集束、拡大、又は方向転換することが出来る拡散能力と、のどちらか(又は潜在的には両者)で動作することを意図している。増加されると共にバランスされた移送コンベヤの照明を確立する能力は、湿った卵に関する不良の検知を可能にし、歴史的に、従来のイメージング技術では評価が非常に困難だったパラメータである。
【0032】
上述の(対となる)カメラは、更にギガビットイーサネットスイッチに結合しており、上述したように、ケーブル14によって、離れて取付けられた視覚パソコンシステム16と通信している。一般的に説明するため、イーサネット技術は、バス型トポロジー及び10メガビット/秒のデータ転送速度を特徴とするローカルエリアネットワークプロトコルとして最も広義且つ一般的に定義され、更に、これは、ブロードキャスト伝送媒体として機能する共用同軸ケーブルで通信するコンピュータのアイデアに基づいている。
【0033】
イーサネットステーション同士は、データパケット、つまり個別に送信して配信するデータブロックを送信することによって通信する。好適な動作のアプリケーションでは、データはパケットに分解され、パケットの各々は、宛先に受信されるまでその他のパケットに衝突することなく、CSMA/CDアルゴリズム等を使用して送信される。
【0034】
各イーサネットステーションは、各データパケットの宛先及び発信源の両方を特定するために使用される、単一の、48ビット等のアドレスが与えられている。ネットワークインターフェースカード(NIC)又はチップは、通常、これらのプロトコルに関連して重なるイメージングカメラ同士間等での混同を回避するため、他のイーサネットステーション宛のパケットを受取らない。
【0035】
イーサネット技術が進化し、特に、このサポートに必要なハードウェアのコストが次第に減少し、またこれが必要とするパネルの空間が減少したため、現在、大半の製造者がイーサネットカードの機能をパソコンのマザーボードに直接構築しており、これにより別個のネットワークカードを組み込む必要がなくなっている。
【0036】
具体的用途では、前記高解像度カメラは、前記対となる(或いは整列した)カメラを取付けた関連の卵取扱装置に沿って連続して移送される複数の卵の各々の高解像度画像を多数生成するよう動作する。これにより、茶色の卵の様々な色調の検出、及び茶色及び白色の両者の卵上のより小さな不良の検出のために、前記関連パソコン16内にパラメータを確立することが出来る。ひいては、これにより、許容範囲内の不良の種類及びはじかれるべき不良の種類を分類する際、並びに最終的な梱包用に卵をより一様な色調のグループに分別するのを補助する際に、ユーザに、より柔軟性を与えることが出来る。
【0037】
上述したソフトウェア制御操作プロトコルに加えて、前記視覚システムのソフトウェアコンポーネントは、所望のアプリケーションに従って卵を処理、分別、及び許容/排除するために、その他の基準やアプリケーションによって再プログラムされることも可能であることが理解される。これらのパラメータは、追加の及び一部の色の効果及び色の種類の識別を(茶色と白色の卵を厳密に分類することに加えて)含むことが出来る。卵を湿らせ、卵黄及び/又は卵白による粘液効果を観察し撮像することによって更なる分類が可能である。
【0038】
我々の発明を記述したが、添付の特許請求の範囲から逸脱しないその他及び更なる好適な実施形態は、本発明が関連する当業者に明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体搬送装置に組み込まれる視覚システムであって、
内部に少なくとも1台のカメラが取付けられた筐体と、
前記カメラと通信する検査サブシステムと、
前記筐体全体の反射照明と、前記筐体直下に位置する領域に対する拡散照明と、の少なくとも一方を促進するために、前記筐体の底部に沿って取付けられた三次元形状の要素と、を備え、
前記カメラは、前記検査サブシステムと協調して、決められたプロトコルに従って撮像された物体を分別するために、前記物体搬送装置によって連続的に移送された複数の物体の各々の高解像度画像を生成するように動作可能である視覚システム。
【請求項2】
前記筐体内に対向配列された対にグループ化された複数のカメラを備え、各カメラが所与の時点で複数の物体を視認する請求項1に記載の視覚システム。
【請求項3】
前記筐体が、内側に前記複数のカメラが取付けられ、
内側に開口した区画と、前記開口内部に隣接して延出し、制御電気装置を組み込む第二の密閉筐体と、を更に備える請求項2に記載の視覚システム。
【請求項4】
前記筐体が、特定の形状及びサイズを有すると共に、前記複数のカメラによって一連の画像が撮られている間に複数の卵の各々の平行移動及び回転の一方又は双方を行う卵コンベヤの上方に、高架配置方法で、取付けられる請求項2に記載の視覚システム。
【請求項5】
前記筐体内に固定された少なくとも1個の照明要素を更に備え、前記照明要素が、複数の透明白色の高周波蛍光灯電球を更に備える請求項1に記載の視覚システム。
【請求項6】
前記三次元形状の要素が、放物線形状の拡散器を更に備える請求項1に記載の視覚システム。
【請求項7】
前記三次元形状の要素が、ドーム形状の拡散器を更に備える請求項1に記載の視覚システム。
【請求項8】
前記物体搬送装置に関連するコンベヤの移動方向に対して垂直である、長手方向に延出する前記ドーム形状の拡散器を更に備える請求項7に記載の視覚システム。
【請求項9】
前記ドーム形状の拡散器が、更に、前記物体搬送装置に関連するコンベヤの移動方向に対して垂直に延出していると共に前記コンベヤに関連する移送平面に対して実質的に平行な平面に置かれている、頂部中心線から延出している第一及び第二の対称的な延出側面からなる請求項7に記載の視覚システム。
【請求項10】
前記ドーム形状の拡散器の横断面が、更に、前記中心線に対して垂直であると共に数学的な非線形関数に従う曲率に沿う請求項9に記載の視覚システム。
【請求項11】
前記数学的な関数が、更に、前記中心線上に始点を有する対数関数からなる請求項10に記載の視覚システム。
【請求項12】
前記ドーム形状の拡散器の横断面に関連する前記対数関数が、更に、前記中心線から前記拡散器の2つの側面延出端に反対形状で延出する、放物線、線形、及び対数成分の少なくとも1つからなる請求項11に記載の視覚システム。
【請求項13】
前記複数のカメラの各々が、更に、イーサネット通信デジタルカメラからなる請求項2に記載の視覚システム。
【請求項14】
前記複数のデジタルカメラが、離れて取付けられた視覚パソコンシステムと、ギガビットイーサネットスイッチによって有線通信する請求項13に記載の視覚システム。
【請求項15】
前記複数のカメラが、更に複数の卵を含む複数の被搬送物体の各々の、複数の高解像度画像を生成する請求項14に記載の視覚システム。
【請求項16】
前記複数のカメラの各々が、更に、個々の卵の複数の画像を作成すると共に、前記撮像された複数の卵における不良の種類を分類すると共により一様な色調のグループへの前記複数の卵の分別を補助するためのソフトウェアプロトコルと、通信可能である請求項15に記載の視覚システム。
【請求項17】
視覚システムであって、
高解像度生成であってイーサネットである複数のカメラを内部に取付けた筐体と、
離れて取付けられた視覚パソコンシステムと、ギガビットイーサネットスイッチによって有線通信する前記複数のカメラと、
前記筐体内部に取付けられた複数の照明要素と、
前記複数のカメラに関連する前記筐体の開口内部全体を均一に照明することを促進するために、前記筐体の底部の方を向いている開口に沿って取付けられた非線形形状の拡散器と、を備え、
前記複数のカメラは、不良の種類を分類すると共に前記複数の卵をより一様な色調のグループに分別することを補助するための、卵取扱装置に関連した項目の表面に沿って、連続的に移送される複数の卵の各々の複数の高解像度画像を生成するよう動作可能である視覚システム。
【請求項18】
前記複数のカメラは、各カメラが所与の時点で複数の卵を視認するように、個別に対向配列された対にグループ化されると共に前記筐体内に収容され、
開口フレーム構成された内部を有する前記筐体に隣接して延出すると共に制御電気装置を組み込む第二の密閉筐体を更に備える請求項17に記載の視覚システム。
【請求項19】
前記非線形形状の拡散器が、更に、放射線形状又はドーム形状の拡散器の少なくとも1つからなる請求項17に記載の視覚システム。
【請求項20】
搬送された複数の卵の各々を検査するための視覚システムであって、
前記複数の卵がその上方を搬送される表面に対して、高架で且つ下向きの配置方法で取付けられる、複数の高解像度カメラを収容する三次元筐体と、
離れて取付けられた検査サブシステムと通信する前記複数のカメラと、
前記筐体の開口内部内に生成された均一照明の分散を促進するために、前記筐体の底部の方を向いている開口に沿って取り付けられた三次元形状の拡散器と、を備え、
前記複数のカメラは、決められたプロトコルに従って、撮像した複数の卵を分別するために、前記筐体の直線延出方向に対して垂直で且つ直下である移動方向に、卵取扱装置に沿って連続的に移送される、複数の卵の各々の高解像度画像を生成するように動作可能である視覚システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−517340(P2011−517340A)
【公表日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545966(P2010−545966)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/033052
【国際公開番号】WO2009/100114
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.ETHERNET
【出願人】(510212627)エフペーエス・フード・プロセッシング・システムズ・ベーフェー (1)
【Fターム(参考)】