説明

卵殻膜粉末を含有する飲料

【課題】 卵殻膜粉末を用いて、従来のものよりも、美肌効果および健康増進効果に一層優れる飲料を提供すること。
【解決手段】 卵殻膜粉末、魚類由来コラーゲンペプチドおよびN−アセチルグルコサミンを有効成分として含有し、更に必要に応じて、L−アスコルビン酸類、ビタミンE、ローヤルゼリー、アセロラパウダー、アロエエキスパウダー、大豆多糖類、甘味料、香味料、保存料などの他の成分を含有する飲料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は卵殻膜粉末を含有する飲料に関する。より詳細には、本発明は、卵殻膜粉末と共に、魚類由来コラーゲンペプチドおよびN−アセチルグルコサミンを含有する、皮膚の老化や肌荒れを防止して皮膚を滑らかで、柔らかく、シットリとした、張り、艶のある美肌にし、しかも健康の増進効果や病気の予防効果などを有する飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの皮膚は、表面にある上皮層と、その下の結合組織性の真皮層からなっている。そのうち、真皮層はコラーゲンを主体とするタンパク質から主として構成されており、真皮層を構成するコラーゲンは、主としてα1(I)型コラーゲン[以下「(I)型コラーゲン」という]およびα1(III)型コラーゲン[以下「(III)型コラーゲン」という]である。(I)型コラーゲンは主として皮膚の構造維持機能を有し、(III)型コラーゲンは主として皮膚への柔軟性の付与機能を有する。
皮膚における(I)型コラーゲンと(III)型コラーゲンの割合は加齢に伴って変化し、(III)型コラーゲンは胎児のときに最も多く、10代から徐々に減少する。
皮膚における(III)型コラーゲンの割合を増すことができれば、加齢による皮膚の老化を止め、肌荒れを防止し、皮膚を滑らかで、柔らかく、シットリとした状態に保つことができる。
【0003】
卵殻膜は、鶏卵などの鳥類の卵の卵殻の内側にある膜で、内外2枚からなり、外卵殻膜は卵殻内面に密着し、内卵殻膜は卵白を包んでいる。
卵殻膜は、強靭な繊維性のタンパク質から主としてなり、昔から相撲部屋で擦り傷などの手当にも使われていたように、皮膚の再生を促進する働きを有することが知られており、近年、胎児性コラーゲンとも称される(III)型コラーゲンの生成を促進させる作用を有することが報告されている。
【0004】
また、卵殻膜およびそれを部分加水分解した加水分解卵殻膜は、上記した美肌効果や皮膚再生作用以外に、育毛、発毛促進、脱毛防止効果があることが知られている。さらに卵殻膜および加水分解卵殻膜は、生体内に生成した活性酸素を低減または消去する機能を有していて活性酸素によって引き起こされる種々の疾病や不良な身体症状の改善や予防効果があることも知られており、例えば、活性酸素によって傷んだ赤血球の正常状態への回復、ヘモグロビンの増加、肩凝りの解消、食欲増進、疲労の除去、生体の活性化、健康増進、健康の維持などに有効であるとされている。
【0005】
卵殻膜および加水分解卵殻膜が有する上記した優れた作用に注目して、卵殻膜または加水分解卵殻膜を配合した、経口で摂取する肌改善剤や肌改善用飲食物が知られている(特許文献1〜3)。
卵殻膜および加水分解卵殻膜のうち、加水分解卵殻膜は、水溶性で取り扱い性にも優れることから、他の成分と混合して固形状の食品や剤(錠剤、カプセル剤、顆粒剤など)にして用いるだけでなく、水に溶解させて飲料にして用いることが行なわれている。
【0006】
一方、加水分解処理を行なっていない卵殻膜は、加水分解処理を行なわないために加水分解卵殻膜に比べて低コストで入手できるが、水に溶解せず、しかも水に安定に分散しないため、飲料にして用いることは実際上行なわれておらず、固形状の食品中に添加したり、固形剤にして用いられている。しかしながら、本発明者が調べたところ、固形状の食品や固形剤中に含有されている未加水分解の卵殻膜は、消化吸収性に劣り、卵殻膜が本来有する上記した優れた特性を十分には発揮しにくいことが判明した。
【0007】
また、コラーゲンは、真皮、靭帯、腱、骨、軟骨などを構成するタンパク質の1つで、動物の細胞外マトリックス(細胞外基質)の主成分であり、ヒトでは全タンパク質のほぼ30%を占めているといわれている。
近年、魚類などから得られるコラーゲンまたは当該コラーゲンから調製したゼラチンを加水分解処理によって低分子化して、溶解性、消化吸収性、分散性を向上させた可溶性のコラーゲンペプチドが広く製造、販売されるようになっている。
コラーゲンペプチドは、加水分解する前のコラーゲンと同様に、保湿性および保水性を有し、摂取すると、皮膚に弾力性、張り、艶、潤いなどを与える美肌効果があり、また関節炎の症状の緩和作用、骨の形成促進作用なども有するとされていることから、コラーゲンペプチドを添加した飲食品が色々知られている(特許文献4〜8)。
【0008】
そして、上記した特許文献4〜8のうち、特許文献5には、コラーゲンペプチドとビタミンCおよびビタミンB2を併用することが記載され、特許文献6には、コラーゲンペプチドとN−アセチルグルコサミンを併用することが記載され、また特許文献8には、コラーゲンペプチドと大豆多糖類を併用することが記載されている。
【0009】
コラーゲンペプチドを摂取すると、またコラーゲンペプチドと共にビタミンCやN−アセチルグルコサミンを摂取すると、摂取しない場合に比べて、皮膚の弾力性、張り、艶、潤いなどが増すが、近年、美肌効果に対する消費者の要求度合がますます高くなっており、消費者の要求を十分に満足するには至っていない。
【0010】
【特許文献1】特開2003−245055号公報
【特許文献2】特開2003−246741号公報
【特許文献3】特開2004−229534号公報
【特許文献4】特開2000−93121号公報
【特許文献6】特開2006−262752号公報
【特許文献7】特開2007−185109号公報
【特許文献8】特開2007−167079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、加水分解卵殻膜に比べて低コストで入手可能な卵殻膜(加水分解されていな卵殻膜)を用いて、加水分解卵殻膜を含有する上記した従来の飲料、コラーゲンペプチドを含有する上記した従来の飲料、コラーゲンペプチドと共にビタミンCやN−アセチルグルコサミンなどを含有する上記した飲料に比べて、皮膚への弾力性、張り、艶、潤いなどの付与作用が一層高くて、近年の消費者の美肌効果に対する強い要求を満たすことのできる飲料を提供することである。
さらに、本発明の目的は、卵殻膜などの成分が飲料中に均一に安定に分散していて長期間経っても成分の沈殿や凝集が生じず、しかも飲料に配合した卵殻膜やその他の成分の性能の低下や変質などがなく、卵殻膜やその他の成分の上記した種々の優れた作用が長期にわたって維持される高品質の飲料を提供することである。
また、本発明の目的は、美肌効果と共に、湿疹、炎症、ヤケドなどの皮膚疾患の予防や治癒の促進、育毛、発毛促進、脱毛防止、筋肉、腱、靭帯、骨、その他の身体内の組織や器官に生じた損傷や障害などの疾病や不良な身体症状の改善や予防、生体の活性化、健康増進、健康の維持などの他の優れた効果をも有する飲料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成すべく、本発明者は卵殻膜入り飲料の試作を色々行ってきた。その結果、加水分解されていない卵殻膜粉末と共に、魚類由来コラーゲンペプチドおよびN−アセチルグルコサミンを用いて飲料をつくると、卵殻膜粉末が水中に安定に分散するようになって、長期間経っても沈殿や凝集が生じないこと、しかも卵殻膜粉末を固形食品や固形剤の形で摂取する場合に比べて卵殻膜粉末の消化吸収性が向上すること、その上卵殻膜、コラーゲンペプチドおよびN−アセチルグルコサミンが本来有する優れた特性が相乗的に発揮されて、上記した従来の飲料(加水分解卵殻膜を含有する飲料、コラーゲンペプチドを含有する飲料、コラーゲンペプチドと共にビタミンCやN−アセチルグルコサミンを含有する飲料)に比べて、皮膚への弾力性、張り、艶、潤い、しっとり感、滑らかさなどの付与効果が一層強くなり、美肌効果に一層優れる飲料が得られることを見出した。
また、本発明者は、卵殻膜粉末、魚類由来コラーゲンペプチドおよびN−アセチルグルコサミンを含有する当該飲料は、美肌効果だけでなく、湿疹、炎症、ヤケドなどの皮膚疾患の予防や治癒の促進、育毛、発毛促進、脱毛防止、筋肉、腱、靭帯、骨、その他の身体内の組織や器官に生じた損傷や障害などの疾病や不良な身体症状の改善や予防、生体の活性化、健康増進、健康の維持などにも優れた効果を発揮することを見出した。
【0013】
さらに、本発明者は、卵殻膜粉末、魚類由来コラーゲンペプチドおよびN−アセチルグルコサミンを含有する上記した飲料において、大豆多糖類を分散剤として用いると、卵殻膜粉末の分散安定性が一層向上することを見出した。
また、本発明者は、飲料中に、卵殻膜粉末、魚類由来コラーゲンペプチドおよびN−アセチルグルコサミンと共に、L−アスコルビン酸類、ビタミンE、ローヤルゼリー、アセロラパウダー、アロエエキスパウダーおよびビタミンEの1種または2種以上を含有させると、美肌効果が一層向上し、しかも生体の活性化、健康増進、健康の維持などに効果があることを見出した。
さらに、本発明者は、卵殻膜粉末、魚類由来コラーゲンペプチドおよびN−アセチルグルコサミンを含有する飲料において、魚類由来コラーゲンペプチドとして魚鱗由来コラーゲンペプチドを用いるのが美肌効果の点でより好ましいことを見出し、それらの種々の知見に基づいて本発明を完成した。
【0014】
すなわち、本発明は、
(1) 卵殻膜粉末、魚類由来コラーゲンペプチドおよびN−アセチルグルコサミンを有効成分として含有することを特徴とする飲料である。
そして、本発明は、
(2) 飲料の質量に基づいて、卵殻膜粉末を0.05〜2.5質量%、魚類由来コラーゲンペプチドを0.1〜10質量%およびN−アセチルグルコサミンを0.05〜5質量%の割合で含有する前記(1)の飲料である。
【0015】
さらに、本発明は、
(3) 大豆多糖類よりなる分散安定剤を含有する前記(1)または(2)の飲料;
(4) L−アスコルビン酸類及びビタミンEの一方または両方を更に含有する前記(1)〜(3)のいずれかの飲料;
(5) ローヤルゼリー、アセロラパウダーおよびアロエエキスパウダーから選ばれる1種または2種以上を更に含有する前記(1)〜(4)のいずれかの飲料;および、
(6) 甘味料、香味料及び保存料のうちの1種または2種以上を更に含有する前記(1)〜(5)のいずれかの飲料;
である。
【0016】
そして、本発明は、
(7) 卵殻膜粉末、魚類由来コラーゲンペプチド、N−アセチルグルコサミン、L−アスコルビン酸類、ビタミンE、ローヤルゼリー、アセロラパウダー、アロエエキスパウダー、大豆多糖類、甘味料、香味料および保存料を含有する飲料である。
さらに、本発明は、
(8) 魚類由来コラーゲンペプチドが、魚鱗由来コラーゲンペプチドである前記(1)〜(7)のいずれかの飲料である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の飲料では、卵殻膜粉末などの成分が水中に安定に分散または溶解し、長期間経っても、成分の沈殿や凝集が生じず、保存安定性に優れている。
卵殻膜粉末が水中に分散している本発明の飲料は、卵殻膜粉末を固形食品や固形剤の形で摂取する場合に比べて卵殻膜粉末の消化吸収性に優れている。
本発明の飲料では、卵殻膜粉末、コラーゲンペプチドおよびN−アセチルグルコサミンが本来有する優れた特性が相乗的に発揮されて、従来の飲料(加水分解卵殻膜を含有する飲料、コラーゲンペプチドを含有する飲料、コラーゲンペプチドと共にビタミンCやN−アセチルグルコサミンを含有する飲料など)に比べて、皮膚への弾力性、張り、艶、潤い、しっとり感、滑らかさなどの付与効果が一層強くなり、美肌効果に極めて優れている。
本発明の飲料は、美肌効果だけでなく、湿疹、炎症、ヤケドなどの皮膚疾患の予防や治癒の促進、育毛、発毛促進、脱毛防止、筋肉、腱、靭帯、骨、その他の身体内の組織や器官に生じた損傷や障害などの疾病や不良な身体症状の改善や予防、生体の活性化、健康増進、健康の維持などにも優れた効果を発揮する。
【0018】
本発明の飲料のうち、大豆多糖類を分散剤として含有する飲料は、卵殻膜粉末などの分散安定性に一層優れている。
本発明の飲料のうち、卵殻膜粉末、魚類由来コラーゲンペプチドおよびN−アセチルグルコサミンと共に、L−アスコルビン酸類、ビタミンE、ローヤルゼリー、アセロラパウダー、アロエエキスパウダーおよびビタミンEの1種または2種以上を更に含有するものは、美肌効果に一層優れ、しかも生体の活性化、健康増進、健康の維持などに一層優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明では、卵殻膜粉末として、鳥類の卵から得られる、加水分解処理を行なっていない卵殻膜の粉末のいずれもが使用でき、そのうちでも鶏卵から得られる卵殻膜粉末が汎用性、入手容易性などの点から好ましく用いられる。
本発明で用いる卵殻膜粉末としては、飲料中に含有させた際の分散安定性、飲料を摂取した際の消化吸収性などの点から、微粒子状の卵殻膜粉末が好ましく用いられる。
特に、150メッシュの標準篩(150Tyler篩;目開き104μm)を通過する粒子の含有割合が70質量%以上である微粒子状の卵殻膜粉末は、飲料中での分散安定性に優れており、しかも消化吸収性に優れていて、卵殻膜が有する上記した美肌効果、育毛、発毛促進、脱毛防止、疾病や不良な身体症状の改善や予防、生体の活性化、健康増進、健康の維持などの優れた機能をより良好に発揮することができる点から好ましく用いられる。
【0020】
卵殻膜粉末自体は既に商品化されており、例えば、キューピー株式会社製「EMパウダー300」[150メッシュの標準篩(150メッシュのTyler篩;目開き104μm)を通過する粒子の含有割合が70質量%以上]を挙げることができ、本発明では前記した市販の卵殻膜粉末をそのまま使用することができる。また、前記した市販の卵殻膜粉末を更に粉砕して、150メッシュの標準篩(150メッシュTyler篩;目開き104μm)を通過する粒子の含有割合が例えば80質量%以上、更には90質量%以上の微粒子状の卵殻膜粉末を調製してそれを用いてもよいし、或いは150メッシュ標準篩よりも目開きの小さな標準篩[例えば、170メッシュの標準篩(170メッシュのTyler篩;目開き88μm)、200メッシュの標準篩(200メッシュのTyler篩;目開き74μm)、250メッシュの標準篩(250メッシュのTyler篩;目開き61μm)、270メッシュの標準篩(270メッシュのTyler篩;目開き53μm)、325メッシュの標準篩(325メッシュのTyler篩;目開き43μm)など]を用いて篩分け(分級)して、前記したいずれかの標準篩を通過する微粒子の含有割合が80質量%以上、更には90質量%以上の微粒子状の卵殻膜粉末を用いてもよい。
【0021】
ここで、本明細書でいう卵殻膜粉末の粒径に係る「Aメッシュの標準篩を通過する粒子の含有割合」とは、卵殻膜粉末をAメッシュの標準篩(Tyler篩)を用いて篩分け(分級)したときに、篩分け(分級)する前の卵殻膜粉末の全質量に対する、Aメッシュの標準篩(Tyler篩)を通過した粒子の質量割合(質量%)をいう。
【0022】
本発明で用いる魚類由来コラーゲンペプチドは、魚類の皮、骨および/または鱗から得られるコラーゲンまたは当該コラーゲンから得られるゼラチンを、酵素などを用いて部分加水分解処理して得られるコラーゲンペプチドである。そのうちでも、魚類由来コラーゲンペプチドとしては、魚類の鱗から得られるコラーゲンを用いて調製した魚鱗由来コラーゲンペプチドが、美肌効果などの本発明の効果をより良好に発揮させることができる点から好ましく用いられる。
【0023】
本発明で用いる魚類由来コラーゲンペプチドの分子量は特に制限されないが、消化吸収性、飲料のベース媒体をなす水への溶解性、取り扱い性などの点から、平均分子量が500〜15,000のものが好ましく用いられ、1,000〜10,000のものがより好ましく用いられ、1,500〜5,000のものがより好ましく用いられる。
前記した魚類由来コラーゲンペプチド、そのうちでも魚鱗由来コラーゲンペプチドとしては、種々の製品が既に製造されて市場で販売されている。
本発明では、食品への使用が許可されている魚類由来コラーゲンペプチドであればいずれを用いてもよい。
【0024】
本発明で用いるN−アセチルグルコサミン(すなわち2−アセトアミド−2−デオキシグルコース)は、天然アミノ糖の1種で、糖タンパク質、糖脂質、ムコ多糖類などの構成成分として人体中に広く分布している。N−アセチルグルコサミンは、生体内でグリコーゲンから代謝分解されて生成され、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸の原料となることが知られている。また、自然界では、N−アセチルグルコサミンは、カニ、エビなどの甲殻類の外皮を形成するキチン質に多量に含まれている。
N−アセチルグルコサミンを経口で摂取すると、軟骨や皮膚組織に取り込まれて、肌の潤いや滑らかさを改善する美肌効果や、関節の痛みや軋みを防止する効果があることが報告されている。
【0025】
N−アセチルグルコサミンの製法としては、カニやエビなどの甲殻類の殻に含まれるキチン質を原料とする方法などが挙げられる。
N−アセチルグルコサミンとしては、種々の製品が既に製造されて市場で販売されており、本発明では、食品への使用が許可されているN−アセチルグルコサミンであれば、いずれを用いてもよい。
【0026】
本発明の飲料は、飲料の質量(媒体である水を含めた総質量)に基づいて、卵殻膜粉末を0.05〜2.5質量%、魚類由来コラーゲンペプチドを0.1〜10質量%およびN−アセチルグルコサミンを0.05〜5質量%の割合で含有することが好ましく、卵殻膜粉末を0.1〜1質量%、魚類由来コラーゲンペプチドを0.5〜5質量%およびN−アセチルグルコサミンを0.1〜2質量%の割合で含有することがより好ましく、卵殻膜粉末を0.2〜0.5質量%、魚類由来コラーゲンペプチドを0.7〜2質量%およびN−アセチルグルコサミンを0.2〜1質量%の割合で含有することが更に好ましい。
【0027】
卵殻膜粉末の含有量が少なすぎると、皮膚に弾力性、張り、艶、潤い、滑らかさなどを与える美肌効果が十分に発揮されず、しかも湿疹、炎症、ヤケドなどの皮膚疾患の予防や治癒の促進、育毛、発毛促進、脱毛防止、筋肉、腱、靭帯、骨、その他の身体内の組織や器官に生じた損傷や障害などの疾病や不良な身体症状の改善や予防、生体の活性化、健康増進、健康の維持などの効果も低下し易くなる。一方、卵殻膜粉末の含有量が多すぎると、卵殻膜粉末が飲料中に安定に分散せず、沈殿や凝集などが生じ易くなり、しかも飲料の食味の低下、コストの上昇などが生ずる。
また、魚類由来コラーゲンペプチドの含有量が少なすぎると、前記したような美肌効果が十分に発揮されにくくなり、しかも飲料中に卵殻膜粉末が安定に分散しにくくなる。一方、魚類由来コラーゲンペプチドの含有量が多すぎると、飲料の食味の低下、コストの上昇、異臭などが生じ易くなる。
N−アセチルグルコサミンの含有量が少なすぎると、前記した美肌効果が十分に発揮されにくくなり、しかも体内での保水や潤滑が良好に行なわれにくくなる。一方、N−アセチルグルコサミンの含有量が多すぎると、飲料の食味の低下、コストの上昇、味の低下などが生じ易くなる。
【0028】
本発明の飲料は、卵殻膜粉末を飲料中に安定に分散させるために、必要に応じて分散安定剤を含有することができる。分散安定剤としては、大豆多糖類、カラギーナン、ペクチン、アラビアガムなどの多糖類などを挙げることができる。
そのうちでも、水溶性の大豆多糖類が、卵殻膜粉末を飲料中により安定に分散させることができる点から好ましく用いられる。水溶性の大豆多糖類は、種々のものが市場で販売されており、本発明ではそれらのいずれを用いてもよい。
分散安定剤、特に大豆多糖類を用いる場合は、飲料の全質量に基づいて、分散安定剤(特に大豆多糖類)を、0.02〜1質量%、特に0.05〜0.5質量%の割合で用いることが、飲料の分散安定性、食味、香りなどの点から好ましい。
【0029】
本発明の飲料は、卵殻膜粉末、魚類由来コラーゲンペプチドおよびN−アセチルグルコサミンと共に、必要に応じてL−アスコルビン酸類およびビタミンEの一方または両方を更に含有していてもよく、L−アスコルビン酸類およびビタミンEの両方を含有していることが好ましい。
【0030】
その際に、L−アスコルビン酸類としては、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸の塩、L−アスコルビン酸の誘導体(例えば、アスコルビン酸の2,3,5,6位の水酸基の1つ又は2つ以上がリン酸、ポリリン酸、硫酸、脂肪酸、その他製薬学上許容される化合物のエステルとなったものなど)の1種または2種以上を用いることができる。
L−アスコルビン酸類は、代表的な抗酸化物質の1つであって、黒メラニンを無色の還元メラニンに変化させて、皮膚に生じたシミやソバカスを目立たなくする働きがあり、また生体内でのコラーゲンの生成を助ける働きもあると言われている。
かかる点から、本発明の飲料中にL−アスコルビン酸類を更に含有させた場合は、その美肌効果が一層向上する。
本発明の飲料中にL−アスコルビン酸類を含有させる場合は、その含有量は、飲料の全質量に基づいて、0.02〜5質量%が好ましく、0.05〜1質量%がより好ましい。
【0031】
また、ビタミンE(トコフェロール)は強い抗酸化作用を有し、老化防止ビタミンとも称され、摂取することによって血流が改善されて栄養が各組織にゆきわたり、組織自体が若返るといわれている。
かかる点から、本発明の飲料中にビタミンEを更に含有させた場合は、組織の若返りにより美肌効果が一層向上する。
本発明の飲料中にビタミンEを含有させる場合は、その含有量は、飲料の全質量に基づいて、0.001〜0.1質量%が好ましく、0.005〜0.05質量%より好ましい。
【0032】
また、本発明の飲料は、必要に応じて、ローヤルゼリー、アセロラパウダーおよびアロエエキスパウダーから選ばれる1種または2種以上を更に含有していてもよく、ローヤルゼリー、アセロラパウダーおよびアロエエキスパウダーのうちの2種以上を含有していることが好ましく、ローヤルゼリー、アセロラパウダーおよびアロエエキスパウダーの3者を含有していることがより好ましい。
【0033】
ローヤルゼリーは、多くのビタミン類、ミネラル、アミノ酸を含み、高タンパクで様々な栄養素を含んでいて、健康増進作用があるとされている。
本発明の飲料中にローヤルゼリーを含有させる場合は、その含有量は、飲料の全質量に基づいて、0.05〜2質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましい。
【0034】
アセロラパウダーは、キントラシオ科の植物であるアセロラの果実から調製した粉末であり、レモンの10倍のビタミンCを含んでいるといわれている。
本発明の飲料中にアセロラパウダーを含有させる場合は、その含有量は、飲料の全質量に基づいて、0.02〜2質量%が好ましく、0.05〜1質量%がより好ましい。
【0035】
アロエエキスパウダーは、日本薬局方に基原植物として収載されているアロエフェロックス(A.ferox、別名:ケープアロエ)、或いはこれとアロエアフリカーナ(A.africana)またはアロエスピカータ(A.spicate)との雑種の葉の汁を濃縮乾燥させたもので、健胃効果、便秘解消効果があるとされており、種々の製品が従来から販売されている。
本発明の飲料中にアロエエキスパウダーを含有させる場合は、その含有量は、飲料の全質量に基づいて、0.02〜2質量%が好ましく、0.05〜1質量%より好ましい。
【0036】
本発明の飲料は、食味および風味を良好なものにして、本発明の飲料を摂取し易くするために、甘味料および/または香味料を含有することが好ましい。
甘味料としては、飲食物において従来から用いられている甘味料のいずれもが使用でき、例えば、ショ糖、グルコース、フラクトース、マルトース、ラクトース、水あめ、蜂蜜、フラクトオリゴ糖、果糖ブドウ糖液、スクラロース、アスパラテーム、果汁などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
そのうちでも、本発明の飲料では、甘味料として、フラクトオリゴ糖、果糖ブドウ糖液糖およびスクラロースの1種または2種以上が好ましく用いられ、これら3種類を併用することがより好ましい。
【0037】
本発明の飲料で甘味料として好ましく用いられるフラクトオリゴ糖は、善玉菌であるビフィズス菌には作用し、悪玉菌であるウェルシュ菌には作用しないという性質があり、そのため整腸作用を補助する働きがあり、便秘やダイエットに効果があるとされており、その延長として脂質を改善する働きをなし、動脈硬化、高脂血症の改善に役立つといわれている。
本発明の飲料中にフラクトオリゴ糖を含有させる場合は、その含有量は、飲料の全質量に基づいて、0.05〜4質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましい。
【0038】
また、本発明の飲料で甘味料として好ましく用いられる果糖ブドウ糖液糖は、果糖の含有率が50%以上の異性化糖液糖であり、キレのよい味質で、温度が低くなるほど甘みが強くなるという性質を有するため、常温または低温で摂取される本発明の飲料用の甘味料として適している。
本発明の飲料中に果糖ブドウ糖液糖を含有させる場合は、その含有量は、飲料の全質量に基づいて、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
【0039】
本発明の飲料で甘味料として好ましく用いられるスクラロースは、その正式名はトリクロロガラクトスクロースであり、天然の糖をベースとし、砂糖の約600倍の甘味度を有し、砂糖に近い味質を有する、ノンカロリー甘味料である。そのため、スクラロースは、極めて少量の使用で且つ飲料のカロリーを上昇させずに、本発明の飲料に甘味を付与することができる。
本発明の飲料中にスクラロースを含有させる場合は、その含有量は、飲料の全質量に基づいて、0.002〜0.2質量%が好ましく、0.005〜0.1質量%がより好ましい。
【0040】
本発明の飲料は、飲料の食味および風味を向上させるために、必要に応じて香味料を含有することができる。
香味料としては、飲料中に含まれる卵殻膜粉末、魚類由来コラーゲンペプチド、N−アセチルグルコサミンおよびその他の成分の変質、沈殿などを生じず、飲料に適した香味料であればいずれも使用でき、例えば、リンゴ果汁、柑橘類果汁、ブドウ果汁、パイナップル果汁、イチゴ果汁などの果汁類、アップル香料、柑橘類香料、ブドウ香料、パイナップル香料、イチゴ香料、天然香料などの香料、乳酸、発酵乳酸などの酸味調整剤などを挙げることができる。
飲料中の香味料の含有量は、香味料の種類、形態、飲料に付与しようとする風味や食味の内容などに応じて調整すればよい。
【0041】
本発明の飲料は、必要に応じて、保存料を含有していてもよい。本発明の飲料に用いる保存料としては、例えば、ユッカサポニン、安息香酸とその塩、ジフェニル、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステルなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
そのうちでも、本発明では、保存料として、ユッカサポニンが、抗菌作用の外、脂質低下作用、体脂肪の蓄積抑制効果、コレステロール低下作用、善玉コレステロール増加作用、腸内細菌の増殖、関節炎予防効果などを有すると点から好ましく用いられる。
本発明の飲料中に保存料(好ましくはユッカサポニン)を含有させる場合は、その含有量は、飲料の全質量に基づいて、0.02〜1質量%が好ましく、0.05〜0.5質量%がより好ましい。
【0042】
本発明の飲料は、本発明の目的および効果を妨げない範囲で、必要に応じて、上記した成分以外の成分を含有することができる。
本発明の飲料のpHは、飲料中に含まれる成分の沈殿、凝集、変質、性能低下などを招かず、しかもヒトが摂取し易いpHであればよく、一般的にはpHが2〜7であることが好ましく、3〜6.5であることが好ましい。
【0043】
本発明の飲料の製法は特に制限されず、水に、上記した成分を加えて均一に混合し、水に溶解する成分は水に溶解させ、水に溶解しない成分は水中に均一に分散させることにより製造することができる。
本発明の飲料の製造時に用いる水の量は適宜調節できるが、上記した美肌効果やその他の効果を十分に発揮し且つ成分の沈殿や凝集などが生じないようにするために、最終的に得られる飲料の質量に対して、水を65〜90質量%、更には70〜85質量%、特に75〜82質量%の量で用いて飲料を製造することが好ましい。
また、飲料を製造する際の混合温度としては、好ましくは5〜30℃、より好ましくは5〜25℃、更に好ましくは5〜20℃の温度が採用される。温度が低過ぎると、成分の溶解および分散が均一に行なわれにくくなり、一方温度が高すぎると成分の変質などを招くことがある。
飲料を製造する際の混合方法や混合装置は特に制限されず、飲料の製造において従来から用いられている混合方法および混合装置を用いて行なうことができる。
【0044】
本発明の飲料の摂取量は、摂取するヒトの性別、年齢、体調、身体状況、体重などに応じて異なり得るが、例えば、一般的には、成人女子の場合は、卵殻膜粉末の摂取量で、1日に当たり、50mg〜2000mg程度になるような量で摂取するとよい。
【実施例】
【0045】
以下に本発明について実施例などによって具体的に説明するが、本発明は以下の例により何ら限定されない。
また、以下の実施例および比較例では、それぞれの成分(物質)として、下記のものを使用した。
【0046】
(1)卵殻膜粉末:
キューピー株式会社製「EMパウダー300」(150メッシュの標準篩を通過する粒子の含有割合70質量%以上)
(2)魚鱗由来コラーゲンペプチド:
株式会社ラビジェ販売「マリンコラーゲンリッチ500−F」
(3)N−アセチルグルコサミン:
焼津水産化学工業株式会社製「マリンスウィート」(登録商標)
(4)L−アスコルビン酸:
BASF武田ビタミン株式会社製「ビタミンC100」
(5)ビタミンE:
理研ビタミン株式会社製「ビタミンEアルファー50(A)」
(6)ローヤルゼリー:
有限会社マルオ食研製「水溶性ローヤルゼリー末I−60M」
(7)アセロラパウダー:
マリーンバイオ株式会社製「アセロラパウダー(AP)」
(8)アロエエキスパウダー:
丸善製薬株式会社製「アロエエキスパウダーC−MF」
(9)フラクトオリゴ糖:
明治製菓株式会社製「メイオリゴP粉末」
(10)果糖ブドウ糖液糖:
日本コーンスターチ株式会社製「ハイフラクトM75C」
(11)スクラロース:
三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製「スクラロース」
(12)リンゴ果汁:
青森りんご加工株式会社製「1/5りんご濃縮果汁」
(13)発酵乳酸
昭和化工株式会社製「発酵乳酸(50%)」(乳酸含有量50質量%)
(14)アップル香料:
株式会社サンアロマ製「アップルフレーバー70728」
(15)大豆多糖類:
三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製「SM−1200」
(16)ユッカサポニン:
丸善製薬株式会社製「サラキープPE」
【0047】
《実施例1》
(1) 以下の表1に示す量の水に、表1に示すそれぞれの成分を表1に示す割合で添加して、計量ミキサーを使用して20℃で均一に混合して、卵殻膜粉末、魚類由来コラーゲンペプチド(魚鱗由来コラーゲンペプチド)、N−アセチルグルコサミンおよびその他の成分を含有する飲料(分散液)を製造した。
(2) 上記(1)で得られた飲料を、ドリンク剤用のガラスビンに120mlずつ充填して、80℃で20分間滅菌処理し、密栓して、ガラスビン入り飲料を製造した。
【0048】
《比較例1〜5》
卵殻膜粉末、魚類由来コラーゲンペプチド(魚鱗由来コラーゲンペプチド)および/またはN−アセチルグルコサミンの配合量を以下の表1に示す量に変えた以外は、実施例1の(1)と同様にして飲料を製造し、それを実施例1の(2)と同様にしてドリンク剤用のガラスビンに充填し、滅菌および密栓してガラスビン入り飲料を製造した。
【0049】
【表1】

【0050】
《試験例1》[保存安定性の試験]
実施例1および比較例1〜5で得られたガラスビン入りの飲料を、常温下(25℃)で1週間静置し、1週間後に飲料の状態を目視で観察して、以下の評価基準に従って保存安定性を評価したところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0051】
[飲料の保存安定性の評価基準]
○:成分の沈殿および凝集が全くなく、均一な分散状態または溶液状態を維持しており、保存安定性に優れている。
△:成分の沈殿および/または凝集が少し生じており、保存安定性にやや劣っている。
×:成分の沈殿および/または凝集がかなり生じており、保存安定性に劣っている。
【0052】
《試験例2》[美肌効果の試験]
(1) 年齢が40歳から50歳までの女性60名を、年齢構成がほぼ同じになるようにして10名ずつ6組に分け、第1組の10名には実施例1の飲料を、第2組の10名には比較例1の飲料を、第3組の10名には比較例2の飲料を、第4組の10名には比較例3の飲料を、第5組の10名には比較例4の飲料を、第6組の10名には比較例5の飲料を、1日1回(1本)の割合で2週間にわたって継続して飲んでもらい、2週間後に顔の肌の状態を以下の評価基準にしたがって評価してもらい、各評価結果に該当する人数を数えたところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0053】
[飲料の美肌効果の評価基準]
肌の張り
◎:飲料を飲む前と比べて肌の張りが大きく増した。
○:飲料を飲む前と比べて肌の張りが少し増した。
×:飲料を飲む前と比べて肌の張りが増していない。
肌の潤い
◎:飲料を飲む前と比べて肌の潤いが大きく増し、しっとり感が大きくなった。
○:飲料を飲む前と比べて肌の潤いが少し増し、しっとり感が付与された。
×:飲料を飲む前と比べて肌の潤いが増しておらず、しっとり感の向上がない。
肌の艶
◎:飲料を飲む前と比べて肌の艶が大きく増した。
○:飲料を飲む前と比べて肌の艶が少し増した。
×:飲料を飲む前と比べて肌の艶が増していない。
【0054】
【表2】

【0055】
上記の表2の結果にみるように、実施例1の飲料は、卵殻膜粉末、魚類由来コラーゲンペプチド(魚鱗由来コラーゲンペプチド)およびN−アセチルグルコサミンを含有していることにより、保存安定性に優れていて、長期間経っても、成分の沈殿および凝集が生じていない。
それに対して、比較例3および4の飲料は、卵殻膜粉末およびN−アセチルグルコサミンを含有し、魚類由来コラーゲンペプチド(魚鱗由来コラーゲンペプチド)を含有していないために、成分の沈殿および/または凝集が生じ、保存安定性に劣っている。
【0056】
さらに、実施例1の飲料は、卵殻膜粉末、魚類由来コラーゲンペプチド(魚鱗由来コラーゲンペプチド)およびN−アセチルグルコサミンを含有していることにより、比較例1および2の飲料(魚類由来コラーゲンペプチドおよびN−アセチルグルコサミンを含有するが、卵殻膜粉末を含有しない飲料)、比較例3および4の飲料(卵殻膜粉末およびN−アセチルグルコサミンを含有するが、魚類由来コラーゲンペプチドを含有しない飲料)、並びに比較例5の飲料(卵殻膜粉末および魚類由来コラーゲンペプチドを含有するがN−アセチルグルコサミンを含有しない飲料)に比べて、美肌効果に大きく優れており、肌の張り、潤いおよび艶を良好に向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の飲料は、卵殻膜粉末などの成分が水中に安定に分散または溶解し、長期間経っても、成分の沈殿や凝集が生じず、保存安定性に優れており、しかも皮膚への弾力性、張り、艶、潤い、しっとり感、滑らかさなどの付与効果が一層強くて美肌効果に極めて優れており、更には湿疹、炎症、ヤケドなどの皮膚疾患の予防や治癒の促進、育毛、発毛促進、脱毛防止、筋肉、腱、靭帯、骨、その他の身体内の組織や器官に生じた損傷や障害などの疾病や不良な身体症状の改善や予防、生体の活性化、健康増進、健康の維持などにも優れた効果を発揮するので、美容飲料および健康増進飲料などとして有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
卵殻膜粉末、魚類由来コラーゲンペプチドおよびN−アセチルグルコサミンを有効成分として含有することを特徴とする飲料。
【請求項2】
飲料の質量に基づいて、卵殻膜粉末を0.05〜2.5質量%、魚類由来コラーゲンペプチドを0.1〜10質量%およびN−アセチルグルコサミンを0.05〜5質量%の割合で含有する請求項1に記載の飲料。
【請求項3】
大豆多糖類よりなる分散安定剤を含有する請求項1または2に記載の飲料。
【請求項4】
L−アスコルビン酸類およびビタミンEの一方または両方を更に含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料。
【請求項5】
ローヤルゼリー、アセロラパウダーおよびアロエエキスパウダーから選ばれる1種または2種以上を更に含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の飲料。
【請求項6】
甘味料、香味料および保存料のうちの1種または2種以上を更に含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の飲料。
【請求項7】
卵殻膜粉末、魚類由来コラーゲンペプチド、N−アセチルグルコサミン、L−アスコルビン酸類、ビタミンE、ローヤルゼリー、アセロラパウダー、アロエエキスパウダー、大豆多糖類、甘味料、香味料および保存料を含有する飲料。
【請求項8】
魚類由来コラーゲンペプチドが、魚鱗由来コラーゲンペプチドである請求項1〜7のいずれか1項に記載の飲料。

【公開番号】特開2010−46006(P2010−46006A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−212448(P2008−212448)
【出願日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(502451878)
【Fターム(参考)】