説明

厚み検知装置

【課題】
回転体の一部にしか紙葉類が掛からないようなことがあっても誤検知を抑制することができる厚み検知装置を提供し、検知精度を向上する。
【解決手段】
円柱形の定位置回転体と円柱形の位置変位回転体とを対設し、搬送される紙葉類が両回転体の間を通過する際に前記位置変位回転体が前記定位置回転体から離れる変位距離に基づいて前記紙葉類の厚みを検知する厚み検知装置について、前記位置変位回転体が前記紙葉類を押圧する際の荷重の重心を、位置変位回転体の中心から軸芯方向の一方へ片寄せて形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば紙葉類の厚みを検知ような厚み検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙葉類に異物が付着していないか検知等するために媒体の厚みを測定する方式として、紙葉類を固定ローラと可動ローラで挟んで、可動ローラの変位量を検知する方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
この方法での紙幣識別部について図と共に詳述すると、図9の正面一部断面図に示すように、可動ローラ110と固定ローラ130とで紙幣120を挟み、可動ローラ110の上部にセンサ101を備えている。
【0004】
可動ローラ110は、円筒形の外装ローラ111と軸芯113との間にゴム等の弾性体112を介装して形成している。固定ローラ130は、ローラ132に軸芯131を挿通して形成している。
【0005】
この構成により、可動ローラ110は、弾性体112により固定ローラ130に押さえつけており、この押さえつけ力の重心が可動ローラ110の中心となるように、可動ローラ110を左右均等に押さえつけている。
【0006】
この可動ローラ110と固定ローラ130のセットは、図10の(A)の平面図、及び(B)の側面図に示すように、搬送幅方向に複数分割配置し、搬送路全域をカバーして構成される。
【0007】
ここで、紙幣120の幅は搬送路140の幅より短いため、特に側端側の可動ローラ110には、図10の(A)に示すようにローラの半分しか紙幣120が掛からないものも出てくる。このように半分しか紙幣120が掛からない可動ローラ110は、傾くこととなる。
【0008】
一方従来は、図11の(A)の正面図に示すように、一つの可動ローラ110に対して、可動ローラ110の中心上方に一つのセンサ101を配置していた。この場合、可動ローラ110の端部をテープなどの付着異物150が通過すると、可動ローラ110の中心では異物高さの半分の高さしか検知できず検知が難しい問題があった。
【0009】
このため、最近では図11の(B)の正面図に示すように、一つの可動ローラ110に対してローラの両端にセンサ101を配置するように改善されている。
【0010】
しかし、この方式では逆に、図10と共に上述したように可動ローラ110に半分しか紙幣120が掛からない場合は、図12の(A)の正面図に示すように可動ローラ110がシーソーのように大きく傾いて片浮きの状態となる。
【0011】
このため、浮きの部分が実際の紙幣120の厚みよりかなり大きく検知され、異物がないのに異物だと誤検知することがあった。またこれを異物だと誤検知しない設定とすれば、図12の(B)の正面図に示すように、片浮き量より薄い付着異物150は検知できず、または片浮き量より薄い紙幣の凹凸の特徴を検出できないという問題があった。
【0012】
従って、このような誤検知を防ぐためには、紙幣端の厚みに関するデータを捨てなければならなかった。
【0013】
また片浮きしないようにするには、図13の平面図に示すように、媒体が半掛りとなり得る位置に可動ローラ110を配置しなければよいが、この場合、搬送路の中心にのみ可動ローラ110を配置することとなり、ますます検知できる領域が減ってしまうという問題があった。
【0014】
他方、片浮きの影響を小さくする別の方法として、可動ローラ110の幅を狭くして、捨てなければならないデータ量を少なくするという方法が考えられる。しかし、この場合はローラ数が増えることなり、コストが増大してしまう問題があった。
【0015】
【特許文献1】実開平6−61850号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
この発明は、上述の問題に鑑み、回転体の一部にしか紙葉類が掛からないようなことがあっても誤検知を抑制することができる厚み検知装置を提供し、検知精度を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この発明は、円柱形の定位置回転体と円柱形の位置変位回転体とを対設し、搬送される紙葉類が両回転体の間を通過する際に前記位置変位回転体が前記定位置回転体から離れる変位距離に基づいて前記紙葉類の厚みを検知する厚み検知装置であって、前記位置変位回転体が前記紙葉類を押圧する際の荷重の重心を、位置変位回転体の中心から軸芯方向の一方へ片寄せて形成した厚み検知装置であることを特徴とする。
【0018】
前記荷重の重心の片寄せは、位置変位回転体を円筒形の外装と軸芯との間に備える弾性部材によって行う、又は、位置変位回転体を定位置回転体側へ外から付勢するバネ等の弾性体によって行う等、適宜の構成によって行うことを含む。
【0019】
前記構成により、通過する紙葉類が位置変位回転体に半掛かりする等全体が掛からないような場合であっても、重心が搬送幅中心方向へ偏っているために片浮き状態を抑制することができる。
【0020】
すなわち、紙葉類が重心部分まで掛かっていれば片浮きはせず正確に厚みを検知することができる。また、重心部分まで掛からなかった場合は、その位置変位回転体に紙葉類が掛かっている量が少ないため、片浮き量が少なく誤検知を抑制することができる。
【0021】
この発明の態様として、前記位置変位回転体を、非変形部材にて円筒形に形成した外装とその内側にある軸芯との間に弾性部材を備えて形成し、前記荷重の重心の片寄せをするべく、上記弾性部材の弾性力によって前記外装を内面から付勢する付勢力の重心を位置変位回転体の中心から軸芯方向の一方へ片寄せて形成することができる。
【0022】
これにより、シンプルな構造で重心の片寄せを実現することができ、小型コンパクトに形成して安価に製造することができる。
【0023】
またこの発明の態様として、前記弾性部材を、該弾性部材が前記外装内面と接触する接触面を軸芯方向の一方へ不均等に片寄せて形成することができる。
これにより、同一素材を使用した成形体で付勢力の片寄せを実現することがき、より安価に製造することができる。
【0024】
またこの発明の態様として、前記弾性部材を、弾性力の異なる複数種類の部材で形成し、弾性力の強い部材を軸芯方向の一方へ片寄せて備えることができる。
これにより、付勢力の重心の片寄せを弾性部材の弾性力の違いによって簡単に実現することができる。
【0025】
またこの発明の態様として、前記弾性部材を、前記外装の内面にリング状に接触する複数のリング状部を軸芯方向に不均等に備えた形状に形成することができる。
前記リング状部は、備える数を不均等に構成する、備える位置を不均等に構成する、直径を不均等に構成する、又はこれらの組み合わせにより軸芯方向に不均等に構成することを含む。
【0026】
これにより、弾性部材を歯車形状に形成したような場合と異なり、位置変位回転体の回転中の何時に紙葉類が接触しても、弾性部材がリング状であるため同一の付勢力を安定して得ることができる。また、簡単な構成で付勢力の重心を軸芯方向の一方へ片寄せることができる。
【0027】
またこの発明の態様として、前記弾性部材を、過剰な変位を抑制する変位抑制部を軸芯方向の付勢力が弱い側の端部に備えて形成することができる。
前記変位抑制部は、外装内周より小さいリング状部で形成する、あるいは外装内周と同サイズで弾性力が弱いリング状部で形成する等、変位を抑制する部分で構成することを含む。
【0028】
前記構成により、位置変位回転体が紙葉類によって位置変位する際に、付勢力の弱い側がふらつくことを防止し、付勢力の弱い側が紙葉類の厚み以上に変位することを防止して誤検知を防止することができる。
【発明の効果】
【0029】
この発明により、紙葉類の厚みを検知する際に誤検知を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
まず、図1に示す斜視図、及び図2に示す正面図と共に、厚み検知装置1の全体構成について説明する。
【0031】
厚み検知装置1は、搬送幅方向に水平に軸架して上下に対設した枢軸2,3と、上方の枢軸2に挿通する複数の重心片寄せ変位ローラ20及び中心変位ローラ40と、下方の枢軸3に相通する複数の固定ローラ60と、複数のセンサ10とで構成する。
【0032】
中心変位ローラ40は、枢軸2の中心位置に備えており、その両横にそれぞれ2つの重心片寄せ変位ローラ20を左右対称に計4つ配設している。
各片寄せ変位ローラ20及び中心変位ローラ40の上方位置には、ローラ両端部に対応してセンサ10を2つずつ備え、計10個配設している。
【0033】
固定ローラ60は、枢軸3に5つ均等に挿通して備えており、紙幣5を搬送していない初期位置では、直上に対設している各重心片寄せ変位ローラ20及び中心変位ローラ40と接触している。
【0034】
以上の構成により、搬送路を搬送する紙幣5は、変位ローラ(20,40)と固定ローラ60の間を通過し、このとき変位ローラ(20,40)が持上げられてこの距離をセンサ10で検知することができる。
【0035】
次に、図3の(A)に示す斜視図、及び(B)に示す正面図と共に、中心変位ローラ40の内部構成について説明する。
【0036】
中心変位ローラ40は、金属部材で円筒形に形成したローラ外装41と、該ローラ外装41と枢軸2との間に介装した弾性体50とで構成する。
【0037】
弾性体50はゴム材で形成しており、弾性力を有している。該弾性体50には、ローラ外装41の内周より小さい円筒形の本体部52の両端部分に、ローラ外装41の内周と接触するのリング状の付勢リング部51,53を備えた形状に一体形成している。
【0038】
前記付勢リング部51,53の直径は、ローラ外装41の内周の直径より大きく形成し、ローラ外装41に押し込んで圧をかけるように構成している。
また前記付勢リング部51,53は、ローラ外装41の軸芯方向端面より少し内側に左右対称に備えている。
【0039】
以上の構成により、紙幣5が中心変位ローラ40と固定ローラ60(図2)の間を通過すると、中心変位ローラ40の弾性体50、特に付勢リング部51,53が変形し、ローラ外装41が紙幣5や異物の厚みによって持上げられることとなる。
【0040】
従って、ローラ外装41の高さが変化し、紙幣5の厚みが正常か否かをセンサ10(図2)で検知することができる。
【0041】
付勢リング部51,53を左右対称に備えているため、中心変位ローラ40の付勢リング部51,53による付勢力(荷重)の重心a(図3)は、中心変位ローラ40の中心c(図3)となる。従って、紙幣5が半掛かりすることのない搬送路中心部での紙幣5の厚み検知を、適切に行うことができる。
【0042】
次に、図4の(A)に示す斜視図、及び(B)に示す正面図と共に、重心片寄せ変位ローラ20の内部構成について説明する。
【0043】
重心片寄せ変位ローラ20は、金属部材で円筒形に形成したローラ外装21と、該ローラ外装21と枢軸2との間に介装した弾性体30とで構成する。
【0044】
弾性体30はゴム材で形成しており、弾性力を有している。該弾性体30には、ローラ外装21の内周より小さい円筒形の本体部33,35に、ローラ外装21の内周と接触するリング状の付勢リング部34,36と、該付勢リング部34,36の外周より小さく前記本体部33,35の外周より大きいリング状のぶれ防止リング部31とを備えた形状に一体形成している。
【0045】
前記付勢リング部34,36の直径は、ローラ外装21の内周の直径より大きく形成し、ローラ外装21に押し込んで圧をかけるように構成している。
また前記付勢リング部36は、弾性体30の一端(図示では右端)に備え、前記付勢リング部34は、弾性体30の中央より少し他端側(図示では左側)に備えている。
【0046】
前記ぶれ防止リング部31は、前記付勢リング部36と他端側の弾性体30の端部に、ローラ外装21の内面と接触しないように離間させて備えている。
【0047】
以上の構成により、紙幣5が重心片寄せ変位ローラ20と固定ローラ60(図2)の間を通過すると、重心片寄せ変位ローラ20の弾性体30、特に付勢リング部34,36が変形し、ローラ外装21が紙幣5や異物の厚みによって持上げられることとなる。
【0048】
従って、ローラ外装21の高さが変化し、紙幣5の厚みが正常か否かをセンサ10(図2)で検知することができる。
【0049】
搬送路外側の付勢リング部34を中心よりにして付勢リング部34,36を左右不均等に備えているため、付勢リング部34,36によりローラ外装21を付勢する付勢力の重心b(図4)は、重心片寄せ変位ローラ20の中心c(図4)より搬送路内側となる。
【0050】
従って、紙幣5が重心片寄せ変位ローラ20の全体に掛からず半掛かり等する場合に、紙幣5が掛かっている側である搬送路中心側に付勢力の重心があるため、重心片寄せ変位ローラ20が傾く事態を少なくして紙幣5と異物とを適切にセンサ10(図2)で検知することができる。
【0051】
詳述すると、図5の(A)の正面図に示すように、重心片寄せ変位ローラ20の半分に紙幣5が掛かっている場合、付勢リング部34,36による付勢力の重心bが重心片寄せ変位ローラ20の中心cより搬送路内側(紙幣5側)に片寄っていることで、重心片寄せ変位ローラ20は平行に持ち上がる。
【0052】
従って、センサ10と重心片寄せ変位ローラ20との距離L1は紙幣5の厚み分だけ変化し、適宜の判定手段(例えばCPU、ROM、RAMで構成する制御手段など)にて紙幣5であることを判定できる。従って、従来のように重心片寄せ変位ローラ20が傾いて異物ありと誤検知することを防止できる。
【0053】
図5の(B)の正面図に示すように、付勢リング部34,36による付勢力の重心bより搬送路外側だけに紙幣5が掛かった場合、重心片寄せ変位ローラ20は傾くこととなる。
【0054】
しかし、この傾きは従来に比べて小さな傾きであるため、センサ10と重心片寄せ変位ローラ20との距離L2の変化量は紙幣5の厚みに近い量となる。従って、紙幣5であると適宜の判定手段で判定できる。
【0055】
このように重心片寄せ変位ローラ20の片浮き量を抑える構造により、1つの重心片寄せ変位ローラ20に2つのセンサ10を備える構成にした場合でも、異物がないのに片浮きして異物ありと誤検知することを防ぐことができる。
【0056】
またこのような位置に紙幣5がある場合に紙幣5に異物がついていれば、図6の(C)の正面図に示すように、センサ10と重心片寄せ変位ローラ20との距離L3の変化量は異物7がない場合の距離L2の変化量より大きくなる。
【0057】
従って、適宜の判定手段で異物があると判定することができる。これにより、従来であれば紙幣5端に付着して片浮きの影に隠れてしまっていたような厚みの異物7も検知することができる。
【0058】
またこのように重心片寄せ変位ローラ20が傾く場合、中心よりの付勢リング部34(図4)が最も変形して傾くこととなるが、一定以上傾くとぶれ防止リング部31(図4)がローラ外装21の内面に接触する。
【0059】
これにより、高速搬送する紙幣5が重心片寄せ変位ローラ20にかかり、重心片寄せ変位ローラ20が傾き始めたときに、重心片寄せ変位ローラ20が跳ね上がって紙幣5や紙幣5と異物7の厚み以上に傾くことを防止でき、重心片寄せ変位ローラ20の傾斜回転時及び水平回転時のぶれも防止できる。
【0060】
以上のようにして、中心変位ローラ40を中心にして、付勢力の重心を搬送路中心側に向けた重心片寄せ変位ローラ20を左右に配設してそれぞれ個別に独立して変位することで、異物7の有無を正確に検知して、紙幣5の厚み検知の精度を向上することができる。
また紙幣5全域にわたって異物が検知でき、紙幣5端にある紙幣5の凹凸の特徴も検知できる。また全体を小型コンパクトに形成することができる。
【0061】
なお、横並びに配設する変位ローラ(20,40)の数を偶数にする場合は、中心変位ローラ40を使用せず、全て重心片寄せ変位ローラ20としても良い。
また、紙幣5が通過する際に紙幣5が全体に確実に掛かる変位ローラが複数ある場合は、これら複数の変位ローラ全てを中心変位ローラ40とし、他を重心片寄せ変位ローラ20としても良い。
【0062】
また、図7の(A)の正面図に示すように、材質の異なるゴム材を使用して重心片寄せ変位ローラ20を形成しても良い。
この場合、本体部33の搬送路外側端に付勢力が弱い方のゴム材による付勢リング部32を備え、本体部33の搬送路内側端に付勢力が強い方のゴム材による付勢リング部38を備えると良い。なお、該付勢リング部38は本体部33とは別体で構成すると良い。
【0063】
また、図7の(B)の正面図に示すように、複数の付勢リング部のそれぞれの厚みを不均一にして、ローラ外装21の内面と接触する面積を不均一に構成しても良い。
この場合、本体部33の搬送路外側端に厚みの薄い付勢リング部32を備え、本体部33の搬送路内側端に厚みの厚い付勢リング部39を備えると良い。
【0064】
また、図7の(C)の正面図に示すように、厚みが同じ複数の付勢リング部を個数が左右不均一となるようにして構成しても良い。
この場合、本体部33,35の両端に付勢リング部39a,39cを備え、その内側で搬送路中心側に付勢リング部39bを備えると良い。
【0065】
このように、様々な形状に弾性体30を形成しても、付勢力の重心を片寄せることで、前述したように紙幣5の厚み検知の精度向上を図ることができる。
また、本体部33,35と付勢リング部32,34,36,39,39a,39b,39cは、一体形成に限らず、別体に構成して連接してローラ外装21内に装着する構成としても良い。
【0066】
また、図8の正面断面図に示すように、重心片寄せ変位ローラ20の替わりに内装体を備えない重心片寄せ変位ローラ80を使用し、該重心片寄せ変位ローラ80の回転軸の両端を弾性部材であるバネ71,72で固定ローラ60に向けて付勢する構成としても良い。
【0067】
この場合、搬送路中心側のバネ72に搬送路外側のバネ71より弾性力が強いバネを使用すれば良い。
これにより、上述の各実施形態と同様、紙幣5の厚み検知の精度を向上することができる。
【0068】
また、固定ローラ60は重心片寄せ変位ローラ20,80、中心変位ローラ40に対応して複数備えたが、長型に形成した1つの固定ローラで構成し、備えている重心片寄せ変位ローラ20,80、中心変位ローラ40の全てに対向させても良い。
【0069】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の軸芯は、実施形態の枢軸2に対応し、
以下同様に、
紙葉類は、紙幣5に対応し、
位置変位回転体は、重心片寄せ変位ローラ20,80に対応し、
外装は、ローラ外装21に対応し、
変位抑制部は、ぶれ防止リング部31に対応し、
弾性部材は、弾性体30に対応し、
リング状部は、付勢リング部32,34,36,38,39,39a,39b,39cに対応し、
弾性力の強い部材は、付勢リング部38に対応し、
定位置回転体は、固定ローラ60に対応し、
変位距離は、距離L1,L2,L3に対応し、
荷重の重心及び付勢力の重心は、重心bに対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】厚み検知装置の斜視図。
【図2】厚み検知装置の正面図。
【図3】中心変位ローラの内部構成を説明する説明図。
【図4】重心片寄せ変位ローラの内部構成を説明する説明図。
【図5】重心片寄せ変位ローラの変位状態を説明する説明図。
【図6】重心片寄せ変位ローラの変位状態を説明する説明図。
【図7】他の実施形態の重心片寄せ変位ローラの説明図。
【図8】他の実施形態の重心片寄せ変位ローラの説明図。
【図9】従来の厚み検知装置の正面図。
【図10】従来の厚み検知装置の全体構成を示す説明図。
【図11】従来の変位ローラの変位状態を説明する説明図。
【図12】従来の変位ローラの変位状態を説明する説明図。
【図13】従来の厚み検知装置の平面図。
【符号の説明】
【0071】
1…厚み検知装置
2…枢軸
5…紙幣
20,80…重心片寄せ変位ローラ
21…ローラ外装
30…弾性体
31…ぶれ防止リング部
32,34,36,38,39,39a,39b,39c…付勢リング部
60…固定ローラ
L1,L2,L3…距離
b…重心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱形の定位置回転体と円柱形の位置変位回転体とを対設し、搬送される紙葉類が両回転体の間を通過する際に前記位置変位回転体が前記定位置回転体から離れる変位距離に基づいて前記紙葉類の厚みを検知する厚み検知装置であって、
前記位置変位回転体が前記紙葉類を押圧する際の荷重の重心を、位置変位回転体の中心から軸芯方向の一方へ片寄せて形成した
厚み検知装置。
【請求項2】
前記位置変位回転体を、非変形部材にて円筒形に形成した外装とその内側にある軸芯との間に弾性部材を備えて形成し、
前記荷重の重心の片寄せをするべく、上記弾性部材の弾性力によって前記外装を内面から付勢する付勢力の重心を位置変位回転体の中心から軸芯方向の一方へ片寄せて形成した
請求項1記載の厚み検知装置。
【請求項3】
前記弾性部材を、該弾性部材が前記外装内面と接触する接触面を軸芯方向の一方へ不均等に片寄せて形成した
請求項2記載の厚み検知装置。
【請求項4】
前記弾性部材を、弾性力の異なる複数種類の部材で形成し、弾性力の強い部材を軸芯方向の一方へ片寄せて備えた
請求項2又は3記載の厚み検知装置。
【請求項5】
前記弾性部材を、前記外装の内面にリング状に接触する複数のリング状部を軸芯方向に不均等に備えた形状に形成した
請求項2、3又は4記載の厚み検知装置。
【請求項6】
前記弾性部材を、過剰な変位を抑制する変位抑制部を軸芯方向の付勢力が弱い側の端部に備えて形成した
請求項2から5のいずれか1つに記載の厚み検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−84274(P2006−84274A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−268171(P2004−268171)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】