原位置測定のための装置、システム、方法
要約
本発明は原位置測定を実行するための装置、システム、及び方法に関し、より詳細には、バルク流体からの試料を隔離して、該バルク流体内に望ましくない摂動の効果を生じることなく該試料の特性を測定可能な装置、システム、及び方法に関する。
本発明は原位置測定を実行するための装置、システム、及び方法に関し、より詳細には、バルク流体からの試料を隔離して、該バルク流体内に望ましくない摂動の効果を生じることなく該試料の特性を測定可能な装置、システム、及び方法に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(a) 技術分野
本発明は原位置測定を実行するための装置、システム、及び方法に関し、より詳細には、バルク流体からの試料を隔離して、該バルク流体内に望ましくない摂動の効果を生じることなく該試料の特性を測定可能な装置、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(b) 関連技術の説明
原位置測定及びこの実行におけるプローブの使用には、それらの極めて多様な用途ゆえに現在大きな関心が寄せられている。細胞培養、水系、又は生態系の何れの監視が目的であっても、系のパラメータを正確に測定することが自然的、空間的、且つ/又は時間的変動の検出に有用である。
【0003】
系から試料の取り出し及び/又は移送は、系の条件の汚染及び不正確な測定のリスクを増加させるため、この種の測定作業は原位置で行うのが理想である。例えば、バイオリアクターにおける工程では、細胞の生理学的状態及び系のパラメータを監視する機能は、系を所望の状態に制御且つ維持するには必須である。
【0004】
細胞培養に関しては、代謝状態の追跡は、例えば栄養補給方針の策定、工程のスケールアップ、及び最適な収穫期の計算などに非常に重要である。細胞内の代謝活動のよく使われる指標の1つに酸素摂取速度すなわちOURがある。動的方法(the
dynamic method)と呼ばれるOURを測定する従来の一方法では、全ての気体供給を停止した後、経時的に酸素消費を監視する必要がある。これは細胞に対して過酷で重大な攪乱を引き起こし、結果として細胞増殖に影響を与え、誤った示度の原因となる可能性があり、更に、長期間にわたる連続的な実時間監視が実行できない。
【0005】
図1Aに示した別の方法は、バイオリアクターから試料を採取し、それを監視及び制御システムを備えた外部容器に移しかえる段階を含む。正確且つ信頼できる示度を得るには、外部容器中のpH、温度、空気混和などの条件を調節且つ制御してバイオリアクター内の条件に一致させなければならない。しかし、これら条件を再現するのは容易でなく、時間もかかる。上述に鑑みて、系の摂動の効果を減少させる原位置測定のための装置及び方法が強く望まれている。
【0006】
発明の概要
本発明の一実施形態によれば、本体と、分離機と、ホルダと、1つ又は複数のプローブを備えた原位置測定のための装置が開示されている。前記本体はバルク流体に挿入するよう構成されており、内部と、該内部と該バルク流体との間の流体連通のための1つ又は複数の開口部とを含む。前記分離機は前記本体内部に収容され、前記1つ又は複数の開口部から離れた開放位置と、前記1つ又は複数の開口部に隣接した閉鎖位置との間を移動可能である。前記ホルダは前記分離機内に取り付けられており、チャンバ壁部を含む。前記チャンバ壁部、前記分離機、及び前記本体内部は合わせて試料チャンバを画定する。1つ又は複数のプローブは、その端部が前記試料チャンバ内に延伸した状態で前記ホルダに収容されている。
【0007】
本発明の別の実施形態では、原位置測定のためのシステムは、上述の装置と、前記バルク流体を含んだ容器と、該容器に取り付けられた引き込みアセンブリとを含む。
【0008】
本発明の更に別の実施形態では原位置測定を実行する方法が開示され、該方法は先ず、前記分離機が前記開放位置にある時に本発明の前記装置の前記本体を前記バルク流体に接触させる段階と、次に1つ又は複数のプローブを用いて前記バルク流体の1つ又は複数のパラメータを測定する段階とを含む。
【0009】
本発明の更に別の実施形態では原位置測定を実行する方法は、前記分離機が前記開放位置にある時に本発明の前記装置の前記本体を前記バルク流体に接触させる段階と、前記分離機を前記閉鎖位置まで移動させることで前記試料チャンバ内に前記バルク流体の試料を隔離する段階と、1つ又は複数のプローブを用いて前記試料の1つ又は複数のパラメータを測定する段階とを含む。
【0010】
本発明の更に別の実施形態では、原位置測定を実行する方法は、前記分離機が前記開放位置にある時に本明細書で開示したシステム内の前記装置の前記本体を前記バルク流体に接触させる段階と、1つ又は複数のプローブを用いて前記バルク流体の1つ又は複数のパラメータを測定する段階とを含む。
【0011】
本発明の更に別の実施形態では、原位置測定の方法は、前記分離機が前記開放位置にある時に本明細書で開示したシステム内の前記装置の前記本体を前記バルク流体に接触させる段階と、前記分離機を前記閉鎖位置まで移動させることで前記試料チャンバ内に前記バルク流体の試料を隔離する段階と、1つ又は複数のプローブを用いて前記バルク流体の1つ又は複数のパラメータを測定する段階とを含む。
【0012】
本発明の方法及び装置は他の特徴や利点を備えており、それらは本明細書に編入する添付図面や次の発明の詳細な説明から明らかとなり、より詳細にそれらに示した。又、添付図面や発明の詳細な説明は合わせて本発明の原理を説明するものである。
【0013】
発明の詳細な説明
ここで本発明の様々な実施形態を詳細に参照するが、これらの実例は添付した図面に示し下記に説明する。本発明を代表的な実施形態に関連して説明するが、この説明には本発明をこうした代表的な実施形態に限定する意図はないことを理解されたい。それどころか、本発明はこれら代表的な実施形態のみならず、様々な代替物、修正物、等価物、及び他の実施形態をも包含することが意図されており、これらは添付の特許請求の範囲に画定された本発明の精神及び範囲に含まれうるものである。細胞培養における使用に適した機能を備えた装置に関連して本発明を説明するが、こうした装置及びシステムは、バイオリアクターには関連しない任意流体環境の原位置測定に使用できることは理解できるはずである。
【0014】
本明細書では、「バルク流体」は、試料を隔離して分析する元となるまとまった量の流体を示す。
【0015】
本明細書に記載した実施形態は、リアクター、水系、または生態系内などのバルク流体の試料を隔離する原位置測定のための装置、システム、及び方法を提供する。試料の特性はバルク流体の摂動からのノイズなしで測定可能である。
【0016】
OURの従来の測定を示す概念図である図1Aを参照すると、リアクター内の試料流体は典型的には系から取り出され、OURのようなパラメータが測定される外部容器に移される。測定できる他のパラメータには硝化速度や脱窒速度などが含まれるが、それらに限定されない。外部容器内の温度、撹拌、空気混和などの条件はリアクター内の条件に一致するよう正確に制御しなければならない。上述のように、系からの取り出しには様々な課題や欠点を伴う。本発明は、取り出しと別の制御対象への移動を不要とする原位置測定のための装置、システム、及び方法を提供することで問題を解決する。本発明は、後述する装置によって培養基又はバルク流体の試料をリアクター内の区画に隔離することでこれを達成する。この試料流体はリアクター内に残るため、付加的な制御は必要ない。本発明の装置は閉鎖位置に移行させることも可能であり、これにより従来のセンサとして機能し、pH、温度、溶存酸素などのパラメータを検出し且つリアクター培養基内の変化を測定できる。
【0017】
代表的な実施形態では、図2に示したように、本発明の装置は本体30と、分離機32と、プローブホルダ33と、1つ又は複数のプローブ35とを含む。幾つかの実施形態では、この装置は、分離機の動きを制御するリニアステージ及びアクチュエータ37、ホルダの動きを制御するステッパーモータ及びギヤボックス39、本体の一端に取り付けられるエンドキャップ40、及び/又は引き込みハウジング42を更に含むことができる。本体は1つ又は複数の開口部44を備えるよう構成されており、これら開口部が遮られていない場合は、ハウジングの内部とその周囲環境との間で流体連通を許容する。図示した実施形態では、本体は3つの開口部を含んでいるが、様々な幾何学的形状及び寸法の1つ又は複数の開口部を使用してよいことは理解されるはずである。本体、分離機、及びホルダは、金属、合金、エラストマー、プラスチック、ポリウレタン、または複合材などの気体及び/又は液体不浸透性材料で作製すればよい。これら構成要素は、こうした材料及び/又は他の適切な材料を任意に組み合わせて作製してよいことは理解できるはずである。本体は一体式に形成してもよいし、螺着式の又はそれ以外の取り外し可能なエンドキャップ40を本体30の遠位端に備えることを示した図2B及び2Dに例示したように複数の組み付け部材からなるようにしてもよい。図2に示したような取り外し可能エンドキャップ40を備えた本体は一体形成されたものより機械加工性の観点からは製作が容易かもしれないが、本発明は特定の構造には限定されず、本体及び他の構成要素は様々な構成を取りうることは理解されるはずである。
【0018】
図2乃至5を参照すると、分離機32が本体30内に設けられ、その内部で移動可能である。図示した実施形態では、分離機32は、図5B及び10に示した開放位置と図5C及び9に示した閉鎖位置との間で軸方向に移動する。分離機が開放位置にある場合は、開口部44を介した流体の動きを表す矢印で示したように、本体内部はバルク流体と流体連通している。分離機が閉鎖位置にある場合、図5Cの上開口部44の屈曲矢印で示したように、本体内部はバルク流体から流体隔離するように開口部が封止されている。
【0019】
従って、幾つかの実施形態では、本装置には図5Bに示した開放モードと図5Cに示した閉鎖モードとの2つのモードすなわち位置がある。本装置は、収集しているデータに関してバルク流体から試料を流体隔離することが望ましいか否かによりどちらか一方のモードで使用できる。一例として且つ限定することなく図1Bも参照すると、開放モードは溶存酸素(DO)、溶存二酸化炭素、温度、又は細胞密度の測定に適するが、閉鎖モードはOUR又は硝化の測定に適する。図5B及び5Cに示したように、試料チャンバ46(破線で示した)は、何れのモードにおいても後述するホルダのチャンバ壁部47と、本体の内部と、分離機とで画定される。
【0020】
図2A乃至5Cを再び参照すると、本装置の代表的な実施形態は、図示したホルダチューブのようなホルダ33も含み、このホルダは1つ又は複数の検出プローブ35を分離機32の内側に収容している。試料に関するデータを収集するには、閉鎖位置又は開放位置にあるかによってバルク流体から流体隔離されていることも隔離されていないこともある試料チャンバ46内に、1つ又は複数のプローブが延伸している。本発明で用いた1つ又は複数のプローブは特注プローブでもよいし、例えば蛍光式光学プローブ、電気化学プローブ、溶存酸素プローブ、溶存二酸化炭素プローブ、又はそれらを任意数組み合わせたものなどの市販のプローブでもよいが、それらに限定されない。グルコース、グルタミン、乳酸、又はアンモニアなどの代謝物及び他の気体用のプローブを使用してもよい。
【0021】
図4及び5Aに示したように、1つ又は複数のプローブ35は、ホルダ、分離機、及び/又は本体の中心軸に対して偏心位置に取り付けてもよい。図4は中心の周りに対称に設けられた2つのプローブを示す。図5Aは単一の偏心プローブを示す。通常の技能を備えた当業者であれば、本発明は特定数の又は配置のプローブには限定されないことは理解できるはずである。図6に示したように、本体がステッパーモータ39及びギヤボックス49に接続できるので、ホルダは中心軸の周りを回転可能である。1つ又は複数の偏心プローブの場合は、これらプローブを用いて試料を試料チャンバ内でかき混ぜ、攪拌し、又はその他の様態で処理できる。本発明のこの特徴は、細胞又は他の試料成分を懸濁状態に維持し、O2、CO2などの気体又は代謝物の濃度勾配の形成を防ぐという利点をもたらす。幾つかの実施形態では、パドルなどのような任意数の撹拌子を試料チャンバ内で1つ又は複数のプローブに接続するか、その他の方法で取り付ければよい。通常の技能を備えた当業者であれば、プローブの数が幾つであっても、プローブが中心或いは偏心位置に取り付けられていても撹拌子を設けてよいことは理解できるはずである。
【0022】
幾つかの実施形態では、図6及び8に示したように、分離機はリニアステージ及びアクチュエータに取り付けられ、後者が分離機を図10に示した開放位置/モードと図9に示した閉鎖位置/モードとの間で軸方向に移動させる。このリニアステージは、鋼鉄、非反応性金属、ポリマーなどを含むがそれらに限定されない様々な材料で作製できる。
【0023】
ここで図8B及び11を参照すると、本発明の装置は引き込みシステム51と共に使用するよう適合できる。この引き込みシステムは、本発明の装置と、バルク流体を含んだ容器53と、この容器に取り付けられた引き込みアセンブリとを含むことができる。引き込みアセンブリは引き込みハウジング42を含み、ここでは本体30が、引き込みハウジングを介して取り出され且つバルク流体へ封止挿入されるよう構成されている。図9乃至11に示したように、この引き込みハウジングは、殺菌を目的として蒸気を注入するための1つ又は複数の蒸気ポート54を含むことができる。
【0024】
図3及び9を参照すると、幾つかの実施形態では、本装置は、リニアステージ及びアクチュエータ並びにステッパーモータ及びギヤボックス、又は分離機とホルダとを移動させる他の任意機構から取り外し可能であり、それにより本装置の一端に開放部が開口する。オートクレービング又は定置滅菌(SIP)処理のため、オートクレーブキャップ56を本装置の開放端に取り付け可能である。実施形態によっては、このキャップは開口部から遠位部分において本体に取り付けてもよい。このキャップは鋼鉄、ガラス、又は本発明の分野で耐熱性或いは耐圧性を備えることが知られている他の任意材料製とすればよい。
【0025】
任意の特注又は市販の引き込みアセンブリを使用でき、Mettler Toledo社のInTrac(登録商標)引き込みアセンブリ及び本発明の分野で公知のものを含むがそれらに限定されない。引き込みシステムと共に使用する際の本発明の融通性は、典型的に3ヶ月以上にわたる長期の潅流工程では特に有利である。本発明の引き込み機能により、例えば処理を大きく中断することなく不良/破損プローブを除去したり、試料の異なるパラメータを検査したりするためにプローブの交換、調節、保守、又は取替が可能となる。
【0026】
幾つかの実施形態では、本装置は1つ又は複数のOリングを含み、本発明の2つ以上の構成要素間の境界面で機械的又は流体封止を実現できる。Oリングは、エンドキャップ40と本体30との間、分離機32と本体30の開口部44に近位の端部との間、又は分離機32とホルダ33との間に配置できる。
【0027】
本体、分離機、ホルダ、及び1つ又は複数のプローブは、添付図面では筒状構造体として示されているが、通常の技能を備えた当業者であれば、これら構成要素は、例えば楕円、円形、多角形などの規則的形状又は不規則な形状とした任意の断面形状でよいことは理解するはずである。
【0028】
使用に際しては、本装置はバイオリアクター内の培地などのバルク流体に挿入される。図示した実施形態では、本装置はリアクターのポート又は容器壁部を介して挿入されるが、本装置は川、湖沼、湿地、水生培養槽、農業用水、及び海水などのバルク流体に直接挿入するよう構成してもよいことは理解されるはずである。バルク流体に挿入後は、分離機を開放位置(図5B)又は閉鎖位置(図5C)に配置できる。分離機が開放位置にあるときは、バルク流体の一部が開口部を介して試料チャンバ内に流入し、バルク流体中のpH、温度、溶存酸素などのパラメータの測定が可能となる。使用形態によっては、分離機が閉鎖位置にあるときにデータを収集し、従って試料チャンバ内の試料をバルク流体から流体隔離する。閉鎖モードでプローブが収集したデータは、リアクター内の細胞の生理的状態を評価したり、培養細胞の硝化又は酸素摂取速度などのパラメータを測定したりするのに適することがある。
【0029】
本発明には、溶存二酸化炭素プローブ及び溶存酸素プローブを同時又は交互に用いて培養内の細胞の呼吸商を測定することを含む多数の用途がある。溶存二酸化炭素プローブは、二酸化炭素発生速度(CER)を計算するためpCO2を経時的に測定する。すると、このCERを溶存酸素プローブにより求めたOURと共に使用して呼吸商(RQ)を求めることができる。
【0030】
本発明は培養内の細胞の健康及び生理学的状態を監視するのにも使用できる。例えば、細胞密度は定常状態では工程実行時に比較的一定を保つはずである。酸素消費速度も同様に一定であるはずである。こうした条件下で、酸素消費速度の変動が検出されれば、それは細胞密度の予期しない又は望ましくない変化を示す可能性があり、従って修正措置を施すことができる。他の条件下では、細胞密度の変化が予期されている場合、OUR測定による細胞密度の静止が検出されれば他の問題の存在を示すことがあり、原因を綿密に調査する必要が生じるかこともあろう。本発明の装置は開放モードを備えているので、哺乳類の細胞培養、原核及び真核発酵、水系、生態系研究、又は他の状況でリアクター内の高性能センサとして使用できる。
実例
【0031】
次の記載は、本発明の一実施形態の動作を例示するものであって限定するものではない。
【0032】
実験: 適切なプローブを選択し、システムに取り付けた。全てのOリング及び部材の状態を検査し、オートクレーブキャップをシステムに取り付け、オートクレーブで処理した。オートクレービング後に、オートクレーブキャップを本装置から除去し、それが取り付けられていた箇所にモーターを設置した。ここで本装置を、必要に応じて付加的な制御装置(pHプローブ、温度プローブなど)と共に容器/発酵槽に設置した。プローブを適切な送信機、すなわちDO送信機に接続し、それらの信号はデータ取得すなわちSCADAシステム(サンフランシスコ所在のJova Solutions社のFerm Works(商標)2.1)に送信した。プローブと分離機とを移動させるステッパーモータは、ステッパーモータコントローラ(サンフランシスコ所在のJova Solutions社のTIMS 0201(商標)2台)に接続され、制御ソフトウェアを初期設定した。この設定で、TIMS 0201は、発酵槽とFerm Works(商標)用のプラグインにおいて制御プログラムとを実行するプロセス制御コンピュータにUSBを介して接続した。
【0033】
システム動作用の適切なパラメータを設定した。これらのパラメータには、振動数/混合回数、分離機の開放及び閉鎖位置、測定頻度(自動モードにおける1時間毎の測定回数)を含めた。システムのDOプローブを較正し、0%及び100%の空気飽和をそれぞれ窒素と空気のリアクターへの散布で実現した。次の発酵工程を実行した: 培養基と細胞をリアクターに加え、溶存酸素(DO)、pH、温度、及び撹拌を含む重大なパラメータの監視制御とデータ収集コントロールループを開始した。不正確な示度を防ぐため、閉鎖モードでの測定前にパラメータ/条件は安定させた。閉鎖モードでの測定は、制御プログラムを介して分離機を移動し、試料チャンバを閉鎖することで開始した。試料の混合はステッパーモータ制御ソフトウェアによって実現し、プローブホルダを要求に従って時計回り又は反時計回りにスピンさせ、プローブを回転させた。酸素消費などのプローブ信号の変化は経時的に記録した。
【0034】
プローブ信号が所定の閾値に達すると、試料チャンバを開放し、試料をバルク流体に放出して戻した。ホルダの回転を停止し、新たな測定を行う前にプローブ示度を安定させた。付加的な測定を制御ソフトウェアによって時間設定した。酸素摂取速度は、実際の細胞密度に関して測定された経時的に酸素消費から計算した。
【0035】
全ての測定は4週間の灌流工程の間に行い、その条件は表1に示した。図13にグラフ化した結果は、本発明による測定の良好な再現性を示している。表2は、テスト期間の13日間に得られた算出OURとそれぞれの測定値に関連付けられた相対誤差とを示す。平均相対誤差は5.5%である。
【0036】
比較のため、本発明の分野で既知のグローバルマスバランシング(GMB)法を用いて、15.5x106細胞/mLの細胞密度において実験の1つに関してOURを推定した。本発明の原位置装置により測定された約2.0pmol/細胞・日のOURと比較して、GMB法の結果は約2.2pmol/細胞・日の推定OURであった。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
本発明を実用的且つ代表的な実施形態と現在考えられるものとの関連で説明してきたが、本発明は開示した実施形態に限定されるものでなく、それどころか添付した特許請求の範囲の精神及び範囲に含まれる様々な修正及び同等の構成を包含することを意図していることは理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】左側に図1Aとして示したOURを測定する従来の方法を、右側に図1Bとして示した本発明の原位置方法の代表的な実施形態と並置した概念図を示す。
【図2】図2A及び2Cは本発明の代表的な一実施形態をそれぞれ分解図と組立図で示し、図2B及び2Dは、市販の引き込みハウジングを備えた本発明の代表的な一実施形態をそれぞれ分解図と組立図で示す。
【図3】本発明の代表的な一実施形態の様々な構成要素の拡大図である。
【図4】本発明の代表的な一実施形態の前方透視図である。
【図5】本発明の代表的な一実施形態の詳細な説明図を示す。図5Aは正面断面図であり、図5B及び5Cは本発明の試料チャンバ部分をそれぞれ開放及び閉鎖位置で示した側断面図である。
【図6】容器壁部の一部に取り付けられると共にリニアステージ及びステッパーモータを備えた本発明の装置の側断面図である。
【図7】本発明の装置と組み合わせて使用される代表的な構成要素の拡大図である。
【図8】本発明の装置の側断面図を示す。図8Aは該装置が容器壁部を貫通して取り付けられていることを示し、図8Bは該装置が容器壁部から引き込まれていることを示す。
【図9】閉鎖位置にある本発明の装置の外側面図である。
【図10】開放位置にある本発明の装置の外側面図である。
【図11】引き込み操作が進行中である場合の本発明の装置を示した外側面図である。
【図12】オートクレーブキャップを備えた本発明の装置の外側面図である。
【図13】18x106細胞/mLの細胞密度における潅流工程の間に得られた4つの酸素摂取速度の測定値のグラフである。
【技術分野】
【0001】
(a) 技術分野
本発明は原位置測定を実行するための装置、システム、及び方法に関し、より詳細には、バルク流体からの試料を隔離して、該バルク流体内に望ましくない摂動の効果を生じることなく該試料の特性を測定可能な装置、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(b) 関連技術の説明
原位置測定及びこの実行におけるプローブの使用には、それらの極めて多様な用途ゆえに現在大きな関心が寄せられている。細胞培養、水系、又は生態系の何れの監視が目的であっても、系のパラメータを正確に測定することが自然的、空間的、且つ/又は時間的変動の検出に有用である。
【0003】
系から試料の取り出し及び/又は移送は、系の条件の汚染及び不正確な測定のリスクを増加させるため、この種の測定作業は原位置で行うのが理想である。例えば、バイオリアクターにおける工程では、細胞の生理学的状態及び系のパラメータを監視する機能は、系を所望の状態に制御且つ維持するには必須である。
【0004】
細胞培養に関しては、代謝状態の追跡は、例えば栄養補給方針の策定、工程のスケールアップ、及び最適な収穫期の計算などに非常に重要である。細胞内の代謝活動のよく使われる指標の1つに酸素摂取速度すなわちOURがある。動的方法(the
dynamic method)と呼ばれるOURを測定する従来の一方法では、全ての気体供給を停止した後、経時的に酸素消費を監視する必要がある。これは細胞に対して過酷で重大な攪乱を引き起こし、結果として細胞増殖に影響を与え、誤った示度の原因となる可能性があり、更に、長期間にわたる連続的な実時間監視が実行できない。
【0005】
図1Aに示した別の方法は、バイオリアクターから試料を採取し、それを監視及び制御システムを備えた外部容器に移しかえる段階を含む。正確且つ信頼できる示度を得るには、外部容器中のpH、温度、空気混和などの条件を調節且つ制御してバイオリアクター内の条件に一致させなければならない。しかし、これら条件を再現するのは容易でなく、時間もかかる。上述に鑑みて、系の摂動の効果を減少させる原位置測定のための装置及び方法が強く望まれている。
【0006】
発明の概要
本発明の一実施形態によれば、本体と、分離機と、ホルダと、1つ又は複数のプローブを備えた原位置測定のための装置が開示されている。前記本体はバルク流体に挿入するよう構成されており、内部と、該内部と該バルク流体との間の流体連通のための1つ又は複数の開口部とを含む。前記分離機は前記本体内部に収容され、前記1つ又は複数の開口部から離れた開放位置と、前記1つ又は複数の開口部に隣接した閉鎖位置との間を移動可能である。前記ホルダは前記分離機内に取り付けられており、チャンバ壁部を含む。前記チャンバ壁部、前記分離機、及び前記本体内部は合わせて試料チャンバを画定する。1つ又は複数のプローブは、その端部が前記試料チャンバ内に延伸した状態で前記ホルダに収容されている。
【0007】
本発明の別の実施形態では、原位置測定のためのシステムは、上述の装置と、前記バルク流体を含んだ容器と、該容器に取り付けられた引き込みアセンブリとを含む。
【0008】
本発明の更に別の実施形態では原位置測定を実行する方法が開示され、該方法は先ず、前記分離機が前記開放位置にある時に本発明の前記装置の前記本体を前記バルク流体に接触させる段階と、次に1つ又は複数のプローブを用いて前記バルク流体の1つ又は複数のパラメータを測定する段階とを含む。
【0009】
本発明の更に別の実施形態では原位置測定を実行する方法は、前記分離機が前記開放位置にある時に本発明の前記装置の前記本体を前記バルク流体に接触させる段階と、前記分離機を前記閉鎖位置まで移動させることで前記試料チャンバ内に前記バルク流体の試料を隔離する段階と、1つ又は複数のプローブを用いて前記試料の1つ又は複数のパラメータを測定する段階とを含む。
【0010】
本発明の更に別の実施形態では、原位置測定を実行する方法は、前記分離機が前記開放位置にある時に本明細書で開示したシステム内の前記装置の前記本体を前記バルク流体に接触させる段階と、1つ又は複数のプローブを用いて前記バルク流体の1つ又は複数のパラメータを測定する段階とを含む。
【0011】
本発明の更に別の実施形態では、原位置測定の方法は、前記分離機が前記開放位置にある時に本明細書で開示したシステム内の前記装置の前記本体を前記バルク流体に接触させる段階と、前記分離機を前記閉鎖位置まで移動させることで前記試料チャンバ内に前記バルク流体の試料を隔離する段階と、1つ又は複数のプローブを用いて前記バルク流体の1つ又は複数のパラメータを測定する段階とを含む。
【0012】
本発明の方法及び装置は他の特徴や利点を備えており、それらは本明細書に編入する添付図面や次の発明の詳細な説明から明らかとなり、より詳細にそれらに示した。又、添付図面や発明の詳細な説明は合わせて本発明の原理を説明するものである。
【0013】
発明の詳細な説明
ここで本発明の様々な実施形態を詳細に参照するが、これらの実例は添付した図面に示し下記に説明する。本発明を代表的な実施形態に関連して説明するが、この説明には本発明をこうした代表的な実施形態に限定する意図はないことを理解されたい。それどころか、本発明はこれら代表的な実施形態のみならず、様々な代替物、修正物、等価物、及び他の実施形態をも包含することが意図されており、これらは添付の特許請求の範囲に画定された本発明の精神及び範囲に含まれうるものである。細胞培養における使用に適した機能を備えた装置に関連して本発明を説明するが、こうした装置及びシステムは、バイオリアクターには関連しない任意流体環境の原位置測定に使用できることは理解できるはずである。
【0014】
本明細書では、「バルク流体」は、試料を隔離して分析する元となるまとまった量の流体を示す。
【0015】
本明細書に記載した実施形態は、リアクター、水系、または生態系内などのバルク流体の試料を隔離する原位置測定のための装置、システム、及び方法を提供する。試料の特性はバルク流体の摂動からのノイズなしで測定可能である。
【0016】
OURの従来の測定を示す概念図である図1Aを参照すると、リアクター内の試料流体は典型的には系から取り出され、OURのようなパラメータが測定される外部容器に移される。測定できる他のパラメータには硝化速度や脱窒速度などが含まれるが、それらに限定されない。外部容器内の温度、撹拌、空気混和などの条件はリアクター内の条件に一致するよう正確に制御しなければならない。上述のように、系からの取り出しには様々な課題や欠点を伴う。本発明は、取り出しと別の制御対象への移動を不要とする原位置測定のための装置、システム、及び方法を提供することで問題を解決する。本発明は、後述する装置によって培養基又はバルク流体の試料をリアクター内の区画に隔離することでこれを達成する。この試料流体はリアクター内に残るため、付加的な制御は必要ない。本発明の装置は閉鎖位置に移行させることも可能であり、これにより従来のセンサとして機能し、pH、温度、溶存酸素などのパラメータを検出し且つリアクター培養基内の変化を測定できる。
【0017】
代表的な実施形態では、図2に示したように、本発明の装置は本体30と、分離機32と、プローブホルダ33と、1つ又は複数のプローブ35とを含む。幾つかの実施形態では、この装置は、分離機の動きを制御するリニアステージ及びアクチュエータ37、ホルダの動きを制御するステッパーモータ及びギヤボックス39、本体の一端に取り付けられるエンドキャップ40、及び/又は引き込みハウジング42を更に含むことができる。本体は1つ又は複数の開口部44を備えるよう構成されており、これら開口部が遮られていない場合は、ハウジングの内部とその周囲環境との間で流体連通を許容する。図示した実施形態では、本体は3つの開口部を含んでいるが、様々な幾何学的形状及び寸法の1つ又は複数の開口部を使用してよいことは理解されるはずである。本体、分離機、及びホルダは、金属、合金、エラストマー、プラスチック、ポリウレタン、または複合材などの気体及び/又は液体不浸透性材料で作製すればよい。これら構成要素は、こうした材料及び/又は他の適切な材料を任意に組み合わせて作製してよいことは理解できるはずである。本体は一体式に形成してもよいし、螺着式の又はそれ以外の取り外し可能なエンドキャップ40を本体30の遠位端に備えることを示した図2B及び2Dに例示したように複数の組み付け部材からなるようにしてもよい。図2に示したような取り外し可能エンドキャップ40を備えた本体は一体形成されたものより機械加工性の観点からは製作が容易かもしれないが、本発明は特定の構造には限定されず、本体及び他の構成要素は様々な構成を取りうることは理解されるはずである。
【0018】
図2乃至5を参照すると、分離機32が本体30内に設けられ、その内部で移動可能である。図示した実施形態では、分離機32は、図5B及び10に示した開放位置と図5C及び9に示した閉鎖位置との間で軸方向に移動する。分離機が開放位置にある場合は、開口部44を介した流体の動きを表す矢印で示したように、本体内部はバルク流体と流体連通している。分離機が閉鎖位置にある場合、図5Cの上開口部44の屈曲矢印で示したように、本体内部はバルク流体から流体隔離するように開口部が封止されている。
【0019】
従って、幾つかの実施形態では、本装置には図5Bに示した開放モードと図5Cに示した閉鎖モードとの2つのモードすなわち位置がある。本装置は、収集しているデータに関してバルク流体から試料を流体隔離することが望ましいか否かによりどちらか一方のモードで使用できる。一例として且つ限定することなく図1Bも参照すると、開放モードは溶存酸素(DO)、溶存二酸化炭素、温度、又は細胞密度の測定に適するが、閉鎖モードはOUR又は硝化の測定に適する。図5B及び5Cに示したように、試料チャンバ46(破線で示した)は、何れのモードにおいても後述するホルダのチャンバ壁部47と、本体の内部と、分離機とで画定される。
【0020】
図2A乃至5Cを再び参照すると、本装置の代表的な実施形態は、図示したホルダチューブのようなホルダ33も含み、このホルダは1つ又は複数の検出プローブ35を分離機32の内側に収容している。試料に関するデータを収集するには、閉鎖位置又は開放位置にあるかによってバルク流体から流体隔離されていることも隔離されていないこともある試料チャンバ46内に、1つ又は複数のプローブが延伸している。本発明で用いた1つ又は複数のプローブは特注プローブでもよいし、例えば蛍光式光学プローブ、電気化学プローブ、溶存酸素プローブ、溶存二酸化炭素プローブ、又はそれらを任意数組み合わせたものなどの市販のプローブでもよいが、それらに限定されない。グルコース、グルタミン、乳酸、又はアンモニアなどの代謝物及び他の気体用のプローブを使用してもよい。
【0021】
図4及び5Aに示したように、1つ又は複数のプローブ35は、ホルダ、分離機、及び/又は本体の中心軸に対して偏心位置に取り付けてもよい。図4は中心の周りに対称に設けられた2つのプローブを示す。図5Aは単一の偏心プローブを示す。通常の技能を備えた当業者であれば、本発明は特定数の又は配置のプローブには限定されないことは理解できるはずである。図6に示したように、本体がステッパーモータ39及びギヤボックス49に接続できるので、ホルダは中心軸の周りを回転可能である。1つ又は複数の偏心プローブの場合は、これらプローブを用いて試料を試料チャンバ内でかき混ぜ、攪拌し、又はその他の様態で処理できる。本発明のこの特徴は、細胞又は他の試料成分を懸濁状態に維持し、O2、CO2などの気体又は代謝物の濃度勾配の形成を防ぐという利点をもたらす。幾つかの実施形態では、パドルなどのような任意数の撹拌子を試料チャンバ内で1つ又は複数のプローブに接続するか、その他の方法で取り付ければよい。通常の技能を備えた当業者であれば、プローブの数が幾つであっても、プローブが中心或いは偏心位置に取り付けられていても撹拌子を設けてよいことは理解できるはずである。
【0022】
幾つかの実施形態では、図6及び8に示したように、分離機はリニアステージ及びアクチュエータに取り付けられ、後者が分離機を図10に示した開放位置/モードと図9に示した閉鎖位置/モードとの間で軸方向に移動させる。このリニアステージは、鋼鉄、非反応性金属、ポリマーなどを含むがそれらに限定されない様々な材料で作製できる。
【0023】
ここで図8B及び11を参照すると、本発明の装置は引き込みシステム51と共に使用するよう適合できる。この引き込みシステムは、本発明の装置と、バルク流体を含んだ容器53と、この容器に取り付けられた引き込みアセンブリとを含むことができる。引き込みアセンブリは引き込みハウジング42を含み、ここでは本体30が、引き込みハウジングを介して取り出され且つバルク流体へ封止挿入されるよう構成されている。図9乃至11に示したように、この引き込みハウジングは、殺菌を目的として蒸気を注入するための1つ又は複数の蒸気ポート54を含むことができる。
【0024】
図3及び9を参照すると、幾つかの実施形態では、本装置は、リニアステージ及びアクチュエータ並びにステッパーモータ及びギヤボックス、又は分離機とホルダとを移動させる他の任意機構から取り外し可能であり、それにより本装置の一端に開放部が開口する。オートクレービング又は定置滅菌(SIP)処理のため、オートクレーブキャップ56を本装置の開放端に取り付け可能である。実施形態によっては、このキャップは開口部から遠位部分において本体に取り付けてもよい。このキャップは鋼鉄、ガラス、又は本発明の分野で耐熱性或いは耐圧性を備えることが知られている他の任意材料製とすればよい。
【0025】
任意の特注又は市販の引き込みアセンブリを使用でき、Mettler Toledo社のInTrac(登録商標)引き込みアセンブリ及び本発明の分野で公知のものを含むがそれらに限定されない。引き込みシステムと共に使用する際の本発明の融通性は、典型的に3ヶ月以上にわたる長期の潅流工程では特に有利である。本発明の引き込み機能により、例えば処理を大きく中断することなく不良/破損プローブを除去したり、試料の異なるパラメータを検査したりするためにプローブの交換、調節、保守、又は取替が可能となる。
【0026】
幾つかの実施形態では、本装置は1つ又は複数のOリングを含み、本発明の2つ以上の構成要素間の境界面で機械的又は流体封止を実現できる。Oリングは、エンドキャップ40と本体30との間、分離機32と本体30の開口部44に近位の端部との間、又は分離機32とホルダ33との間に配置できる。
【0027】
本体、分離機、ホルダ、及び1つ又は複数のプローブは、添付図面では筒状構造体として示されているが、通常の技能を備えた当業者であれば、これら構成要素は、例えば楕円、円形、多角形などの規則的形状又は不規則な形状とした任意の断面形状でよいことは理解するはずである。
【0028】
使用に際しては、本装置はバイオリアクター内の培地などのバルク流体に挿入される。図示した実施形態では、本装置はリアクターのポート又は容器壁部を介して挿入されるが、本装置は川、湖沼、湿地、水生培養槽、農業用水、及び海水などのバルク流体に直接挿入するよう構成してもよいことは理解されるはずである。バルク流体に挿入後は、分離機を開放位置(図5B)又は閉鎖位置(図5C)に配置できる。分離機が開放位置にあるときは、バルク流体の一部が開口部を介して試料チャンバ内に流入し、バルク流体中のpH、温度、溶存酸素などのパラメータの測定が可能となる。使用形態によっては、分離機が閉鎖位置にあるときにデータを収集し、従って試料チャンバ内の試料をバルク流体から流体隔離する。閉鎖モードでプローブが収集したデータは、リアクター内の細胞の生理的状態を評価したり、培養細胞の硝化又は酸素摂取速度などのパラメータを測定したりするのに適することがある。
【0029】
本発明には、溶存二酸化炭素プローブ及び溶存酸素プローブを同時又は交互に用いて培養内の細胞の呼吸商を測定することを含む多数の用途がある。溶存二酸化炭素プローブは、二酸化炭素発生速度(CER)を計算するためpCO2を経時的に測定する。すると、このCERを溶存酸素プローブにより求めたOURと共に使用して呼吸商(RQ)を求めることができる。
【0030】
本発明は培養内の細胞の健康及び生理学的状態を監視するのにも使用できる。例えば、細胞密度は定常状態では工程実行時に比較的一定を保つはずである。酸素消費速度も同様に一定であるはずである。こうした条件下で、酸素消費速度の変動が検出されれば、それは細胞密度の予期しない又は望ましくない変化を示す可能性があり、従って修正措置を施すことができる。他の条件下では、細胞密度の変化が予期されている場合、OUR測定による細胞密度の静止が検出されれば他の問題の存在を示すことがあり、原因を綿密に調査する必要が生じるかこともあろう。本発明の装置は開放モードを備えているので、哺乳類の細胞培養、原核及び真核発酵、水系、生態系研究、又は他の状況でリアクター内の高性能センサとして使用できる。
実例
【0031】
次の記載は、本発明の一実施形態の動作を例示するものであって限定するものではない。
【0032】
実験: 適切なプローブを選択し、システムに取り付けた。全てのOリング及び部材の状態を検査し、オートクレーブキャップをシステムに取り付け、オートクレーブで処理した。オートクレービング後に、オートクレーブキャップを本装置から除去し、それが取り付けられていた箇所にモーターを設置した。ここで本装置を、必要に応じて付加的な制御装置(pHプローブ、温度プローブなど)と共に容器/発酵槽に設置した。プローブを適切な送信機、すなわちDO送信機に接続し、それらの信号はデータ取得すなわちSCADAシステム(サンフランシスコ所在のJova Solutions社のFerm Works(商標)2.1)に送信した。プローブと分離機とを移動させるステッパーモータは、ステッパーモータコントローラ(サンフランシスコ所在のJova Solutions社のTIMS 0201(商標)2台)に接続され、制御ソフトウェアを初期設定した。この設定で、TIMS 0201は、発酵槽とFerm Works(商標)用のプラグインにおいて制御プログラムとを実行するプロセス制御コンピュータにUSBを介して接続した。
【0033】
システム動作用の適切なパラメータを設定した。これらのパラメータには、振動数/混合回数、分離機の開放及び閉鎖位置、測定頻度(自動モードにおける1時間毎の測定回数)を含めた。システムのDOプローブを較正し、0%及び100%の空気飽和をそれぞれ窒素と空気のリアクターへの散布で実現した。次の発酵工程を実行した: 培養基と細胞をリアクターに加え、溶存酸素(DO)、pH、温度、及び撹拌を含む重大なパラメータの監視制御とデータ収集コントロールループを開始した。不正確な示度を防ぐため、閉鎖モードでの測定前にパラメータ/条件は安定させた。閉鎖モードでの測定は、制御プログラムを介して分離機を移動し、試料チャンバを閉鎖することで開始した。試料の混合はステッパーモータ制御ソフトウェアによって実現し、プローブホルダを要求に従って時計回り又は反時計回りにスピンさせ、プローブを回転させた。酸素消費などのプローブ信号の変化は経時的に記録した。
【0034】
プローブ信号が所定の閾値に達すると、試料チャンバを開放し、試料をバルク流体に放出して戻した。ホルダの回転を停止し、新たな測定を行う前にプローブ示度を安定させた。付加的な測定を制御ソフトウェアによって時間設定した。酸素摂取速度は、実際の細胞密度に関して測定された経時的に酸素消費から計算した。
【0035】
全ての測定は4週間の灌流工程の間に行い、その条件は表1に示した。図13にグラフ化した結果は、本発明による測定の良好な再現性を示している。表2は、テスト期間の13日間に得られた算出OURとそれぞれの測定値に関連付けられた相対誤差とを示す。平均相対誤差は5.5%である。
【0036】
比較のため、本発明の分野で既知のグローバルマスバランシング(GMB)法を用いて、15.5x106細胞/mLの細胞密度において実験の1つに関してOURを推定した。本発明の原位置装置により測定された約2.0pmol/細胞・日のOURと比較して、GMB法の結果は約2.2pmol/細胞・日の推定OURであった。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
本発明を実用的且つ代表的な実施形態と現在考えられるものとの関連で説明してきたが、本発明は開示した実施形態に限定されるものでなく、それどころか添付した特許請求の範囲の精神及び範囲に含まれる様々な修正及び同等の構成を包含することを意図していることは理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】左側に図1Aとして示したOURを測定する従来の方法を、右側に図1Bとして示した本発明の原位置方法の代表的な実施形態と並置した概念図を示す。
【図2】図2A及び2Cは本発明の代表的な一実施形態をそれぞれ分解図と組立図で示し、図2B及び2Dは、市販の引き込みハウジングを備えた本発明の代表的な一実施形態をそれぞれ分解図と組立図で示す。
【図3】本発明の代表的な一実施形態の様々な構成要素の拡大図である。
【図4】本発明の代表的な一実施形態の前方透視図である。
【図5】本発明の代表的な一実施形態の詳細な説明図を示す。図5Aは正面断面図であり、図5B及び5Cは本発明の試料チャンバ部分をそれぞれ開放及び閉鎖位置で示した側断面図である。
【図6】容器壁部の一部に取り付けられると共にリニアステージ及びステッパーモータを備えた本発明の装置の側断面図である。
【図7】本発明の装置と組み合わせて使用される代表的な構成要素の拡大図である。
【図8】本発明の装置の側断面図を示す。図8Aは該装置が容器壁部を貫通して取り付けられていることを示し、図8Bは該装置が容器壁部から引き込まれていることを示す。
【図9】閉鎖位置にある本発明の装置の外側面図である。
【図10】開放位置にある本発明の装置の外側面図である。
【図11】引き込み操作が進行中である場合の本発明の装置を示した外側面図である。
【図12】オートクレーブキャップを備えた本発明の装置の外側面図である。
【図13】18x106細胞/mLの細胞密度における潅流工程の間に得られた4つの酸素摂取速度の測定値のグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原位置測定のための装置であって、
バルク流体に挿入するよう構成された本体であって、内部と、該内部と該バルク流体との間の流体連通のための1つ又は複数の開口部とを含む本体と、
前記本体内部に収容された分離機であって、前記1つ又は複数の開口部から離れた開放位置と、前記1つ又は複数の開口部に隣接した閉鎖位置との間を移動可能な分離機と、
前記分離機内に取り付けられると共にチャンバ壁部を含むホルダであって、該チャンバ壁部、前記分離機、及び前記本体内部が合わせて試料チャンバを画定する、ホルダと、
前記ホルダに収容された1つ又は複数のプローブであって、前記試料チャンバ内に延伸したプローブ端部とを含む、装置。
【請求項2】
前記分離機が前記開放位置にある時は前記試料チャンバが前記バルク流体と流体連通し、前記分離機が前記閉鎖位置にある時は前記バルク流体から流体封止される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記1つ又は複数の開口部は、前記分離機が前記開放位置にある時は前記1つ又は複数のプローブ端部周りの前記バルク流体の自由な流動を許容し、前記分離機が前記閉鎖位置にある時は前記バルク流体の自由な流動を防ぐよう構成されている、上記の任意請求項に記載の装置。
【請求項4】
前記1つ又は複数のプローブの少なくとも1つが前記ホルダに対して偏心位置に取り付けられている、上記の任意請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記試料チャンバ内で流体を撹拌するための1つ又は複数の撹拌子を前記チャンバ内に更に含む、上記の任意請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの偏心プローブ端部が前記試料チャンバ内で回転し、従って前記1つ又は複数の撹拌子の前記少なくとも1つが形成されるよう、前記ホルダが前記分離機内に回転可能に取り付けられている、上記の任意請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記1つ又は複数のプローブの少なくとも1つが蛍光式光学プローブである、上記の任意請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記1つ又は複数のプローブの少なくとも1つが電気化学プローブである、上記の任意請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記1つ又は複数のプローブの1つが溶存酸素プローブである、上記の任意請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記1つ又は複数のプローブの1つが二酸化炭素プローブである、上記の任意請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記本体は、前記バルク流体を含むバイオリアクターのポートに挿入されるように構成されている、上記の任意請求項に記載の装置。
【請求項12】
原位置測定のためのシステムであって、
上記の任意請求項に記載の装置と、
前記バルク流体を含む容器と、
前記容器に取り付けられた引き込みアセンブリとを含む、システム。
【請求項13】
前記引き込みアセンブリは引き込みハウジングを含み、前記本体が、該引き込みハウジングを介して取り出され且つバルク流体へ封止挿入されるよう構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記引き込みハウジングが蒸気を案内するための1つ又は複数の蒸気ポートを含む、請求項12及び13の何れかに記載のシステム。
【請求項15】
前記引き込みハウジングの一端を覆うオートクレーブキャップを更に含む、請求項12乃至14の何れかに記載のシステム。
【請求項16】
原位置測定を実行する方法であって、
前記分離機が前記開放位置にある時に、請求項1乃至11の何れかに記載の装置の前記本体を前記バルク流体に接触させる段階と、
前記1つ又は複数のプローブを用いて前記バルク流体の1つ又は複数のパラメータを測定する段階とを含む、方法。
【請求項17】
前記バルク流体がバイオリアクター内に位置する、請求項16の何れかに記載の方法。
【請求項18】
前記1つ又は複数のパラメータが、前記バルク流体中の溶存酸素の測定単位である、請求項16又は17に記載の装置。
【請求項19】
原位置測定を実行する方法であって、
前記分離機が前記開放位置にある時に、請求項1乃至11の何れかに記載の装置の前記本体を前記バルク流体に接触させる段階と、
前記分離機を前記閉鎖位置まで移動させることで、前記試料チャンバ内に前記バルク流体の試料を隔離する段階と、
前記1つ又は複数のプローブを用いて前記試料の1つ又は複数のパラメータを測定する段階とを含む、方法。
【請求項20】
前記バルク流体がバイオリアクター内に位置する、請求項19の何れかに記載の方法。
【請求項21】
前記試料が細胞を含み、前記1つ又は複数のパラメータの少なくとも1つが、前記細胞の生理学的状態を示す、請求項19乃至20の何れかに記載の方法。
【請求項22】
前記1つ又は複数のパラメータが前記細胞の酸素摂取速度を含む、請求項21の何れかに記載の方法。
【請求項23】
前記接触させる段階の後に、軸を中心として前記ホルダを回転させて前記試料を撹拌する段階を更に含む、請求項19乃至29の何れかに記載の方法。
【請求項24】
原位置測定を実行する方法であって、
前記分離機が前記開放位置にある時に、請求項12乃至15の何れかに記載のシステムの前記装置の前記本体を前記バルク流体に接触させる段階と、
前記1つ又は複数のプローブを用いて前記バルク流体の1つ又は複数のパラメータを測定する段階とを含む、方法。
【請求項25】
前記バルク流体がバイオリアクター内に位置する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
原位置測定を実行する方法であって、
前記分離機が前記開放位置にある時に、請求項12乃至15の何れかに記載のシステムの前記装置の前記本体を前記バルク流体に接触させる段階と、
前記分離機を前記閉鎖位置まで移動させることで、前記試料チャンバ内に前記バルク流体の試料を隔離する段階と、
前記1つ又は複数のプローブを用いて前記試料の1つ又は複数のパラメータを測定する段階とを含む、方法。
【請求項27】
前記バルク流体がバイオリアクター内に位置する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記試料が細胞を含み、前記1つ又は複数のパラメータの少なくとも1つが、前記細胞の生理学的状態を示す、請求項26乃至27の何れかに記載の方法。
【請求項29】
前記1つ又は複数のパラメータが前記細胞の酸素摂取速度を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記接触させる段階の後に、軸を中心として前記ホルダを回転させて前記試料を撹拌する段階を更に含む、請求項26乃至29の何れかに記載の方法。
【請求項1】
原位置測定のための装置であって、
バルク流体に挿入するよう構成された本体であって、内部と、該内部と該バルク流体との間の流体連通のための1つ又は複数の開口部とを含む本体と、
前記本体内部に収容された分離機であって、前記1つ又は複数の開口部から離れた開放位置と、前記1つ又は複数の開口部に隣接した閉鎖位置との間を移動可能な分離機と、
前記分離機内に取り付けられると共にチャンバ壁部を含むホルダであって、該チャンバ壁部、前記分離機、及び前記本体内部が合わせて試料チャンバを画定する、ホルダと、
前記ホルダに収容された1つ又は複数のプローブであって、前記試料チャンバ内に延伸したプローブ端部とを含む、装置。
【請求項2】
前記分離機が前記開放位置にある時は前記試料チャンバが前記バルク流体と流体連通し、前記分離機が前記閉鎖位置にある時は前記バルク流体から流体封止される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記1つ又は複数の開口部は、前記分離機が前記開放位置にある時は前記1つ又は複数のプローブ端部周りの前記バルク流体の自由な流動を許容し、前記分離機が前記閉鎖位置にある時は前記バルク流体の自由な流動を防ぐよう構成されている、上記の任意請求項に記載の装置。
【請求項4】
前記1つ又は複数のプローブの少なくとも1つが前記ホルダに対して偏心位置に取り付けられている、上記の任意請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記試料チャンバ内で流体を撹拌するための1つ又は複数の撹拌子を前記チャンバ内に更に含む、上記の任意請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの偏心プローブ端部が前記試料チャンバ内で回転し、従って前記1つ又は複数の撹拌子の前記少なくとも1つが形成されるよう、前記ホルダが前記分離機内に回転可能に取り付けられている、上記の任意請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記1つ又は複数のプローブの少なくとも1つが蛍光式光学プローブである、上記の任意請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記1つ又は複数のプローブの少なくとも1つが電気化学プローブである、上記の任意請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記1つ又は複数のプローブの1つが溶存酸素プローブである、上記の任意請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記1つ又は複数のプローブの1つが二酸化炭素プローブである、上記の任意請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記本体は、前記バルク流体を含むバイオリアクターのポートに挿入されるように構成されている、上記の任意請求項に記載の装置。
【請求項12】
原位置測定のためのシステムであって、
上記の任意請求項に記載の装置と、
前記バルク流体を含む容器と、
前記容器に取り付けられた引き込みアセンブリとを含む、システム。
【請求項13】
前記引き込みアセンブリは引き込みハウジングを含み、前記本体が、該引き込みハウジングを介して取り出され且つバルク流体へ封止挿入されるよう構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記引き込みハウジングが蒸気を案内するための1つ又は複数の蒸気ポートを含む、請求項12及び13の何れかに記載のシステム。
【請求項15】
前記引き込みハウジングの一端を覆うオートクレーブキャップを更に含む、請求項12乃至14の何れかに記載のシステム。
【請求項16】
原位置測定を実行する方法であって、
前記分離機が前記開放位置にある時に、請求項1乃至11の何れかに記載の装置の前記本体を前記バルク流体に接触させる段階と、
前記1つ又は複数のプローブを用いて前記バルク流体の1つ又は複数のパラメータを測定する段階とを含む、方法。
【請求項17】
前記バルク流体がバイオリアクター内に位置する、請求項16の何れかに記載の方法。
【請求項18】
前記1つ又は複数のパラメータが、前記バルク流体中の溶存酸素の測定単位である、請求項16又は17に記載の装置。
【請求項19】
原位置測定を実行する方法であって、
前記分離機が前記開放位置にある時に、請求項1乃至11の何れかに記載の装置の前記本体を前記バルク流体に接触させる段階と、
前記分離機を前記閉鎖位置まで移動させることで、前記試料チャンバ内に前記バルク流体の試料を隔離する段階と、
前記1つ又は複数のプローブを用いて前記試料の1つ又は複数のパラメータを測定する段階とを含む、方法。
【請求項20】
前記バルク流体がバイオリアクター内に位置する、請求項19の何れかに記載の方法。
【請求項21】
前記試料が細胞を含み、前記1つ又は複数のパラメータの少なくとも1つが、前記細胞の生理学的状態を示す、請求項19乃至20の何れかに記載の方法。
【請求項22】
前記1つ又は複数のパラメータが前記細胞の酸素摂取速度を含む、請求項21の何れかに記載の方法。
【請求項23】
前記接触させる段階の後に、軸を中心として前記ホルダを回転させて前記試料を撹拌する段階を更に含む、請求項19乃至29の何れかに記載の方法。
【請求項24】
原位置測定を実行する方法であって、
前記分離機が前記開放位置にある時に、請求項12乃至15の何れかに記載のシステムの前記装置の前記本体を前記バルク流体に接触させる段階と、
前記1つ又は複数のプローブを用いて前記バルク流体の1つ又は複数のパラメータを測定する段階とを含む、方法。
【請求項25】
前記バルク流体がバイオリアクター内に位置する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
原位置測定を実行する方法であって、
前記分離機が前記開放位置にある時に、請求項12乃至15の何れかに記載のシステムの前記装置の前記本体を前記バルク流体に接触させる段階と、
前記分離機を前記閉鎖位置まで移動させることで、前記試料チャンバ内に前記バルク流体の試料を隔離する段階と、
前記1つ又は複数のプローブを用いて前記試料の1つ又は複数のパラメータを測定する段階とを含む、方法。
【請求項27】
前記バルク流体がバイオリアクター内に位置する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記試料が細胞を含み、前記1つ又は複数のパラメータの少なくとも1つが、前記細胞の生理学的状態を示す、請求項26乃至27の何れかに記載の方法。
【請求項29】
前記1つ又は複数のパラメータが前記細胞の酸素摂取速度を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記接触させる段階の後に、軸を中心として前記ホルダを回転させて前記試料を撹拌する段階を更に含む、請求項26乃至29の何れかに記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2010−507068(P2010−507068A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506638(P2009−506638)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/009883
【国際公開番号】WO2007/124159
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(392010599)バイエル・コーポレーシヨン (12)
【氏名又は名称原語表記】BAYER CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/009883
【国際公開番号】WO2007/124159
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(392010599)バイエル・コーポレーシヨン (12)
【氏名又は名称原語表記】BAYER CORPORATION
【Fターム(参考)】
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