説明

原子力プラント点検装置

【課題】撮像装置の交換をより適切に行うことができる原子力プラント点検装置を提供する。
【解決手段】原子力プラント点検装置のカメラユニット6には、2つのCCDカメラ21,31、遮へい板22、およびこの遮へい板22を移動させる駆動モータ32a,32b、および遮へい板駆動ワイヤ33a,33bを有する。遮へい板22がCCDカメラ31の前面を覆っており、CCDカメラ21によって点検時での撮影が行われる。CCDカメラ21による撮影で得られた画像に含まれる放射線ノイズの画素数に基づいて、CCDカメラ21に入射される放射線の線量率を求め、この線量率を積算してCCDカメラ21の累積線量を求める。求められた累積線量が設定累積線量以上になったとき、制御ユニット34が駆動モータ32a,32bを回転させて遮へい板22をCCDカメラ31の前面まで移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力プラント点検装置に係り、特に、高い放射線量率環境下である原子炉内の炉内構造物および燃料集合体の状態を点検するのに好適な原子力プラント点検装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビカメラを有する潜水装置を、原子炉圧力容器内の炉心より下方の領域の水中に搬入し、この潜水装置を水中で移動しながら炉底部の状態を点検することが、例えば、特開平8−233980号公報に記載されている。潜水装置は集積線量計を備えている。
【0003】
また、特開昭59−92397号公報に記載された移動式点検装置は、放射線線量計を備えています。放射線線量計により線量率を測定し、測定された線量率の積算値を監視して移動式点検装置内の電子回路の交換時期を表示する。特開平11−177885号公報は耐放射線性撮像装置を記載している。この耐放射線性撮像装置は、撮像素子における照射積算量に対応した信号によって、放射線の影響により変動した映像信号を補正している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−233980号公報
【特許文献2】特開昭59−92397号公報
【特許文献3】特開平11−177885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
点検装置を原子炉内の高放射線量下で用いる場合には、点検装置に搭載された回路が放射線によりダメージを受ける。特開平8−233980号公報では、潜水装置に設けた深度計から得られる深度情報および原子炉内の線量率分布情報に基づいて原子炉内で点検時に移動している潜水装置の、今までにおける第1被ばく線量を求め、さらに、潜水装置を原子炉から回収するまでに潜水装置が受ける第2被ばく線量を求め、潜水装置に対する許容被ばく線量から、第1および第2被ばく線量、および前回の点検作業までに潜水装置が受けている第3被ばく線量の合計線量を差し引いて余寿命線量を求め、この余寿命線量に基づいて潜水装置に設けられた部品の余寿命時間を算出している。その余寿命時間に基づいて部品の使用限界および交換時期を知ることができる。潜水装置に放射線線量計を設置する必要はないが、原子炉内の線量率分布情報を得るためには原子炉に複数の放射線線量計を設置する必要がある。また、原子炉に複数の放射線線量計で測定された測定結果に基づいて原子炉内の線量率分布情報を算出するため、算出された線量率分布情報の精度はあまり良くなく、結果的に、得られた余寿命時間の精度も良いものとはいえない。
【0006】
特開昭59−92397号公報では、放射線線量計が移動式点検装置に設けられており、この放射線線量計で測定した、移動点検装置に照射された放射線線量に基づいて、放射線線量の積算値を求め、この積算値により移動点検装置に搭載された部品の寿命を予測している。移動式点検装置に放射線線量計が設けられている関係上、特開昭59−92397号公報で得られた搭載部品の寿命の精度は、特開平8−233980号公報に記載された潜水装置よりも向上する。しかしながら、特開昭59−92397号公報に記載された移動式点検装置では、テレビカメラ以外に寿命を求めるために放射線線量計を設置しなければならない。
【0007】
特開平11−177885号公報に記載された耐放射線性撮像装置では、放射線の影響により変動した映像信号を補正しているので、高放射線環境下でも実用に耐える時間撮像ができ、低線量率の環境下では撮像可能時間を延長することができる。しかしながら、溶融した核燃料物質が存在する超高放射線環境下では、特開平11−177885号公報のように、撮影画像を画像処理で補正することは困難である。
【0008】
本発明の目的は、撮像装置の切り換えをより適切に行うことができる原子力プラント点検装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成する本発明の特徴は、複数の撮像装置と、点検対象物を照射する照射装置と、撮像装置による撮影で得られる点検対象物の画像情報に基づいて、点検対象物を撮影する撮像装置の切り換えを判定する判定装置とを備えたことにある。
【0010】
撮像装置の画像情報に基づいて撮像装置の切り換えを判定しているので、撮像装置の切り換えをより適切に行うことができる。
【0011】
好ましくは、撮像装置の前面を覆う放射線遮へい体と、放射線遮へい体を移動させる遮へい体移動装置と、その判定装置を含み、撮影に用いる撮像装置を切り換えるとき、遮へい体移動装置を制御して放射線遮蔽体を、1つの撮像装置の前面から他の撮像装置の前面まで移動させる制御装置とを備えることが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、撮像装置の切り換えをより適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の好適な一実施例である原子力プラント点検装置の構成図である。
【図2】図1に示す原子力プラント点検装置のカメラユニットの概観図である。
【図3】図1に示すカメラユニットの詳細構成図である。
【図4】図1に示す原子力プラント点検装置におけるカメラの交換の処理手順を示すフローチャーヤトである。
【図5】図4に示す累積線量の監視に関する詳細な手順を示すフローチャーヤトである。
【図6】図3に示すCCDカメラで撮影した画像の例を示す説明図であり、(A)は放射線線量率が高いときにおける撮像画像の一例を示す説明図、(B)は放射線線量率が低いときにおける撮像画像の一例を示す説明図である。
【図7】撮影により得られた画像のヒストグラムを示す説明図であり、(A)は図6(A)に対するヒストグラムを示す説明図、(B)は図6(B)に対するヒストグラムを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例】
【0015】
本発明の好適な一実施例である原子力プラント点検装置を、図1、図2および図3を用いて説明する。本実施例の原子力プラント点検装置を用いて点検を行う原子力プラントの概略構成を説明する。原子炉格納容器2が原子炉建屋1内に設置され、原子炉3が原子炉格納容器2内に据え付けられている。
【0016】
本実施例の原子力プラント点検装置は、カメラ固定治具5、カメラユニット6、および制御装置8を備えている。カメラユニット6がカメラ固定治具5の先端部に取り付けられ、制御装置8が、カメラ固定治具5内を通して配線されたケーブル7により制御装置8に接続される。制御装置8は、表示装置9および操作盤10に接続される。制御装置8、表示装置9および操作盤10は原子炉建屋1の外に置かれている。
【0017】
カメラユニット6の詳細な構造を、図2および図3を用いて説明する。カメラユニット6は、図2に示す外観形状を有する、放射線遮へい材で作られたケーシング12を有する。カメラユニット6は、ケーシング12以外に、CCDカメラ(撮像装置)21,31、遮へい板22、照明装置23a,23b、駆動モータ32a,32b、遮へい板駆動ワイヤ33a,33b、制御ユニット34および電源ユニット35を有する。CCDカメラ21,31、遮へい板22、照明装置23a,23b、駆動モータ32a,32b、遮へい板駆動ワイヤ33a,33b、制御ユニット34および電源ユニット35は、ケーシング12内に設置されている。照明装置23a,23bがケーシング12の前面の左右に設置され、これらの照明装置の間に一対のCCDカメラ21,31が配置されている。照明装置23a、23bの間にCCDカメラ21,31を配置しているので、撮影対象の視認性を確保することができる。CCDカメラの替りにCMOSカメラまたは他の電子式撮像装置を用いても良い。
【0018】
照明装置23a,23bはケーブル24a,24bにより電源ユニット35に接続される。電源ユニット35は、カメラ固定治具5内を通して配線されたケーブル(図示せず)により外部電源に接続される。ケーブル7に接続される制御ユニット34が、CCDカメラ21,31および駆動モータ32a,32bにそれぞれ接続される。遮へい板22に取り付けられた遮へい板駆動ワイヤ33aが駆動モータ32aの回転軸に取り付けられた回転ドラム(図示せず)に巻き付けられている。鉛製の遮へい板22に取り付けられた遮へい板駆動ワイヤ33bが駆動モータ32bの回転軸に取り付けられた他の回転ドラム(図示せず)に巻き付けられている。遮へい板22への遮へい板駆動ワイヤ33aの取り付け位置は、水平方向において、遮へい板22への遮へい板駆動ワイヤ33bの取り付け位置と180°反対側に存在する。遮へい板22は、鉛の替りに、放射線遮へい材であるタングステンで構成しても良い。
【0019】
カメラユニット6を用いて原子炉格納容器2内を点検する例について説明する。カメラ挿入口4が原子炉格納容器2の上蓋に形成され、カメラユニット6、およびカメラユニット6に取り付けられたカメラ固定治具5が、カメラ挿入口4を通して原子炉格納容器2内に挿入される。カメラユニット6およびカメラ固定治具5の原子炉格納容器2内への挿入後、カメラ挿入口4がシールされる。
【0020】
原子炉3内をカメラユニット6で点検する場合には、原子炉格納容器2の上蓋および原子炉3の原子炉圧力容器の上蓋にそれぞれカメラ挿入口4を形成し、これらのカメラ挿入口を通して原子炉圧力容器内にカメラユニット6およびカメラ固定治具5を挿入し、それらのカメラ挿入口をシールする。
【0021】
カメラユニット6が原子炉格納容器2内に配置された後、作業員11が、操作盤10を操作してカメラユニット6に対する制御指令を制御装置8に入力する。この制御指令は、制御装置8からケーブル7を通してカメラユニット6の制御ユニット34に伝えられる。制御ユニット34は、この制御指令に基づいて、後述するような駆動モータの回転制御を行う。原子炉格納容器2内に配置されたカメラユニット6では、原子炉格納容器2内に挿入される前に、図3に示すように、遮へい板22をCCDカメラ31の前面に配置する。このため、原子炉格納容器2内の状態が、遮へい板22が前面に配置されていないCCDカメラ21によって撮影される。CCDカメラ21はケーシング12に形成された開口部32を通して原子炉格納容器2内の状態を撮影するが、この撮影時において、開口部32を通して入射される放射線をCCDカメラ21が入射する。CCDカメラ21は、入射される放射線により損傷を受け、やがて、正常な映像を出力することができなくなる。このため、ある時点で、撮影に用いるCCDカメラをCCDカメラ21からCCDカメラ31に交換する必要性が生じる。
【0022】
カメラユニット6におけるCCDカメラの交換の処理を、図4および図5に示す処理手順に基づいて説明する。図4および図5に示す処理手順は、制御装置8で実行される。
【0023】
累積線量を監視する(ステップS1)。累積線量の監視は、図5に示すスッテプS11〜S19の各手順を実行する。照明装置を消灯する(ステップS11)。制御装置8が電源ユニット35を制御して照明装置23Aa,23bへの電気の供給を停止する。この結果、照明装置23Aa,23bが消灯する。照明装置23Aa,23bの消灯は、CCDカメラによって撮影された対象物の画像がハレーションを起こし、放射線ノイズと同色である白色部が多くなると、放射線ノイズが正しく測定できなくなることを防ぐためである。点検対象物の画像を取り込む(ステップS12)。CCDカメラ21で撮影して得られた点検対象物の画像が、制御ユニット34を経て制御装置8に入力される。この画像は表示装置9に表示される。CCDカメラ21で点検対象物を撮影しているとき、遮へい板22がケーシング12に形成された開口部32の、CCDカメラ31の前面の部分を塞いでおり、CCDカメラ31による点検対象物の撮影は行われていない。
【0024】
CCDカメラ21による撮影によって得られた画像を、図6を用いて説明する。図6(A)に示す画像35aは、放射線量率が高い点検対象物36aの画像である。放射線量率が高い画像35aは、点検対象物36aの画像以外に、白色粒子状の放射線ノイズ37を含んでいる。図6(B)に示す画像35bは、放射線量率が低い点検対象物36bの画像である。放射線量率が高い画像35bは、放射線ノイズ37を含んでいるが、放射線量率が高い画像35aよりも放射線ノイズ37の量が少なくなる。このように、放射線ノイズ37は、放射線量率が高い画像35aで多く、放射線量率が低い画像35bで少なくなる。本実施例の原子力プラント点検装置では、この放射線ノイズ37の性質を利用して、CCDカメラで撮影して得られた画像を用いた、カメラに入射する放射線の線量率の推定、およびこの線量率の積算値である、CCDカメラの被ばく線量の定量的な判定を行い、CCDカメラの交換を判定する。
【0025】
ステップS12の後に、照明装置を点灯する(ステップS13)。制御装置8が電源ユニット35を制御して照明装置23Aa,23bに電気を供給する。この結果、照明装置23Aa,23bが点灯する。取り込んだ画像を二値化する(ステップS13)。制御装置8はステップS12で入力した画像を二値化する。
【0026】
そして、ヒストグラムを算出する(ステップS15)。制御装置8は、二値化した画像を用いてヒストグラム(白色度と画素数の関係)を算出する。図7(A)及び図7(B)は、ステップS15で算出されたヒストグラムの例を示している。放射線ノイズ37の多い画像35a(図6(A)参照)に対するヒストグラム38(図7(A))では、白色画素数を示す、横軸の右端の値、すなわち、放射線ノイズ量39が多くなる。放射線ノイズ37の少ない画像35b(図6(B)参照)に対するヒストグラム40(図7(B))では、白色画素数を示す、横軸の右端の値、すなわち、放射線ノイズ量41が少なくなる。
【0027】
カメラに入射する放射線の線量率を算出する(ステップS16)。制御装置8は、算出したヒストグラムの白色部分の画素数を用いて、CCDカメラ21に入射する放射線の線量率を算出する。この線量率の算出はその画素数に予め設定した計数αを乗じて行う。次に、累積線量を読み込む(ステップS17)。制御装置8は、本実施例の原子力プラントの前回の点検作業までにCCDカメラ21に照射された放射線による累積線量を、制御装置8の内部メモリから読み出す。累積線量を算出する(ステップS18)。制御装置8は、ステップS16で算出した各線量率を加算し、今回の点検作業における現時点までの累積線量を算出する。そして、制御装置8は、ステップS17で求めた累積線量を、ステップS17で読み込んだ累積線量に加算し、合計累積線量を求める。算出された累積線量を保存する(ステップS19)。制御装置8は、算出した合計累積線量を制御装置8の内部メモリに登録する。
【0028】
カメラの交換を判定する(ステップS2)。制御装置8は、合計累積線量が設定累積線量以上であるかを判定する。合計累積線量が設定累積線量未満であれば、ステップS2の判定結果が「NO」となる。ステップS2の判定結果が「NO」の場合には、点検終了かが判定される(ステップS5)。原子力プラント点検装置による点検が終了していない場合には、ステップS5の判定結果が「NO」となり、ステップS1〜S5の各手順が、ステップS5の判定結果が「YES」になるまで、繰り返される。ステップS5の判定結果が「YES」になる場合は、原子力プラント点検装置による点検が終了しているときである。
【0029】
ステップS2では、合計累積線量が設定累積線量以上であるとき、ステップS2の判定結果が「YES」になる。ステップS2の判定結果が「YES」になったとき、ステップS3およびS4の手順が実行される。
【0030】
遮へい板を移動する(ステップS3)。制御装置8は、ステップS2の判定処理において「YES」と判定したとき、制御ユニット34に遮へい板移動指令を出力する。遮へい板移動指令を入力した制御ユニット34は、駆動モータ32aの回転軸に連結された回転ドラムに遮へい板駆動ワイヤ33aが巻き取られるように駆動モータ32aを回転させ、遮へい板駆動ワイヤ33bが駆動モータ32bの回転軸に連結された回転ドラムから巻き戻されるように駆動モータ32bを回転させるように、駆動モータ32a,32bのそれぞれを制御する。この結果、図3において、遮へい板22が、CCDカメラ21の前面に位置するように、ケーシング12に形成された開口部32内を左から右に向かって移動し、開口部32の、CCDカメラ21の前面に存在する部分を塞ぐ。遮へい板22がCCDカメラ21の前面に位置してCCDカメラ21の前面に存在する開口部32の部分を塞いだとき、制御ユニット34により、駆動モータ32a,32bの回転が停止される。このような遮へい板22の移動によって、本実施例の原子力プラント点検装置を用いた原子炉格納容器2内での点検作業中に、撮影を行うCCDカメラがCCDカメラ21からCCDカメラ31に切り換えられる。このため、点検対象物から放出される放射線は、CCDカメラ21に入射されず、CCDカメラ31に入射される。前述のように、CCDカメラが切り換えられた後では、点検対象物の撮影がCCDカメラ31によって行われる。
【0031】
ステップS3でのCCDカメラの切り換えが終了した後、累積線量がリセットされる(ステップS4)。CCDカメラがCCDカメラ21からCCDカメラ31に切り換えられた後、制御装置8は、内部メモリに格納している、CCDカメラ21に対する合計累積線量等の累積線量のデータを削除する。
【0032】
本実施例によれば、CCDカメラ(例えば、CCDカメラ21)の撮影により得られた画像情報、特に、この画像情報に含まれる放射線ノイズの画像情報に基づいてこのCCDカメラの撮影中において入射される放射線による累積線量を求め、求められた累積線量によりCCDカメラの交換を判定しているので、CCDカメラの切り換えをより適切に行うことができる。CCDカメラの撮影により得られる画像に含まれた放射線ノイズ37の画像の画素数(放射線ノイズの個数、すなわち、放射線ノイズ量)の値、すなわち、白色画素数の値に基づいて、CCDカメラの交換を判定しているので、CCDカメラの切り換え時期をより正確に判定することができる。
【0033】
CCDカメラの撮影により得られた画像情報に基づいてCCDカメラの交換の要否を判定しているので、本実施例は、この交換時期の判定に用いる累積線量を求めるために用いられる線量率の検出に従来例で使用されている放射線検出器を設ける必要がない。
【0034】
さらに、カメラユニット6内に予備のCCDカメラ(例えば、CCDカメラ31)を設けており、CCDカメラの交換が決定されたとき、予備のCCDカメラの前面を覆っている遮へい板(放射線遮へい体)を移動させて予備のCCDカメラで撮影を開始するので、本実施例は、撮影に供するCCDカメラの切り換えを短時間で行うことができる。このため、CCDカメラの切り換えによって中断される点検時間が非常に短く、CCDカメラを切り換えた場合でも点検を実質的に継続して行うことができる。
【0035】
カメラユニット6内でCCDカメラ21をCCDカメラ31に切り替えるので、1つの原子力プラント点検装置において、点検時間を長くすることができる。
【符号の説明】
【0036】
1…原子炉建屋、2…原子炉格納容器、3…原子炉、4…カメラ挿入口、5…カメラ固定治具、6…カメラユニット、7…カメラケーブル、8…制御装置、9…表示装置、10…コントローラ、21,31…CCDカメラ、22…遮へい板、23a,23b…照明装置、32a,32b…駆動モータ、33a,33b…遮へい板駆動ワイヤ、34…制御ユニット、35…電源ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の撮像装置と、点検対象物を照射する照射装置と、前記撮像装置による撮影で得られる前記点検対象物の画像情報に基づいて、前記点検対象物を撮影する前記撮像装置の切り換えを判定する判定装置とを備えたことを特徴とする原子力プラントの点検装置。
【請求項2】
前記撮像装置の前面を覆う放射線遮へい体と、前記放射線遮へい体を移動させる遮へい体移動装置と、前記判定装置を含み、撮影に用いる前記撮像装置を切り換えるとき、前記遮へい体移動装置を制御して前記放射線遮蔽体を、1つの前記撮像装置の前面から他の前記撮像装置の前面まで移動させる制御装置とを備える請求項1に記載の原子力プラントの点検装置。
【請求項3】
前記切り換えの判定を前記画像情報に含まれる放射線ノイズの画像情報に基づいて行う前記制御装置を備えた請求項1または2に記載の原子力プラント点検装置。
【請求項4】
前記切り換えの判定を前記画像情報に含まれる白色画素数の情報に基づいて行う前記制御装置を備えた請求項1または2に記載の原子力プラント点検装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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