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原子力発電設備で使用した小口径配管の半割切断用プラズマ切断装置
説明

原子力発電設備で使用した小口径配管の半割切断用プラズマ切断装置

【課題】 プラズマトーチによる切断時に配管の内部にドロス、ヒューム等が付着しないよう極力これを抑えることができるようにすること、また、配管の半割切断時に発生する熱による変形を極力抑えることができるようにする。
【解決手段】 配管10を切断位置に固定する固定装置20と、配管を切断するプラズマトーチ30と、プラズマトーチを前記配管と平行して移動させるプラズマトーチ移動装置40と、プラズマトーチを前記配管に一定の力で押し付けるプラズマトーチ押付装置50と、前記配管の内部に噴出するプラズマアークやドロス或いはヒューム等を冷却し、これを風圧で前記配管の外部に排出する圧縮空気管60とで構成しする。プラズマトーチによる切断と同時に、圧縮空気管を追従させて切断時に発生するドロス、ヒューム等を配管の外へ排出させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
原子力発電所及びラジオアイソトープ使用施設では、施設内で使用していた放射能で内部及び外部が汚染された配管が発生する。このような配管は、放射性廃棄物低減の観点から、任意長さに切断し、これを半割にして外表面及び溶融箇所を除染した後、表面汚染検査を実施している。汚染された配管は、汚染検査で検査値が検出限界値以下であることを確認し、国の定めるクリアランスレベル施行まで敷地内の管理建屋内で保管、管理される。
【0002】
本発明は、配管の外径φ48.6mm以下の放射性物質に汚染された、または、管理区域から搬出を目的とした配管の半割処理に使用するプラズマ切断装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
例えば自動車のボディ製造ライン等においてプレス部品の切断にプラズマ切断が使用されていることは知られている(特許文献1参照。)。
【0004】
プラズマ切断においては、切断処理時に発生するドロス(Dross)即ちプラズマ切断実施時に母材が融解することにより発生する金属酸化物等の不要物が母材の製品側となる部位に付着すると製品不良となる。このため、従来からドロスが母材の製品側に付着しないプラズマ切断方法が取られている。
【0005】
従来、ドロスを母材の製品側に付着させない方法の一つとして、母材に対する垂直方向よりトーチを所定角度θ(トーチ角)だけ切断方向と逆の方向に傾けた状態でプラズマ切断すること(前進角による切断)が行われていた(特許文献1参照。)。
【0006】
ドロスはトーチの移動方向前方に発生或いは飛散する。このため、前記前進角による切断によれば発生したドロスはトーチの移動に伴い順次融解されていくので、上記切断方法によれば切断後の部位にドロスが残存することはなく、切断面の良好なプラズマ切断を行うことができる。
【0007】
これに対し3次元形状のプレス部品の切断等において、トーチを用いて切断する場合、母材に対してトーチが後退角をもって切断を行うとき、トーチを母材の製品パネル側に傾けて切断処理を行うことによりドロスが母材の廃材側に付着し、製品パネル側に付着することがないようにしたことも公知である(特許文献1参照。)。
【0008】
さて、プラズマ切断装置によって、外形寸法φ48.6mmの足場用単管パイプや、外形寸法約φ28mmの復水器熱交換チューブはこれを半割切断することは可能である。しかし、内部にドロスやヒュームの付着が激しく、上記した方法ではうまく処理できないので、これを除去するのに新たな処理方法が必要となる。また、外形寸法約φ15.8mmのステンレス製給水加熱器内のU字管式熱交換チューブは、切断時発生する熱による熱変形のため、切断軌跡が直線とならず、またプラズマ切断時に内部に付着したドロスやヒュームは、足場用単管パイプや復水器熱交換チューブ切断時に付着した量とくらべその量が非常に多く、切断後に実施するブラスト処理でも除去不能である。
【0009】
配管内部に付着した、ドロス、ヒューム等は、除染の妨げになる以外に、表面汚染検査の測定精度を落す原因にもなる。α線を発生する汚染の場合、透過力は非常に弱く薄い紙1枚で遮蔽されてしまう。また、β線を発生する汚染の場合、α線より透過力は強いが薄い金属1枚で遮蔽されてしまう。このことから、配管内部のα線、β線の汚染箇所にドロス、ヒューム等が付着していた場合、汚染があるにも関わらず、表面汚染を測定する測定器に汚染が感知できないという事が発生する危険性がある。
【特許文献1】特開平6−142935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
外部からプラズマで半割切断している切断対象配管(以下、単に配管という)の内部に、プラズマトーチによる切断部分に対し、プラズマトーチと常に同じ間隔で追従させて、圧縮空気吐出口を設け、圧縮空気を吐出すことにより、プラズマ半割切断時にプラズマアーク、ドロス、ヒューム等を風圧で配管の外部に排出し、配管の内部にドロス、ヒューム等が付着しないよう極力これを抑えることができるようにすること、また、配管の半割切断時に発生する熱による変形を極力抑えることができるようにすること、これらのことを可能にして、小口径配管の内外面の除染、汚染検査が可能となり、管理区域内で発生する廃棄物量の低減化をも可能にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
配管と、この配管を切断位置に固定する固定装置と、前記配管を切断するプラズマトーチと、プラズマトーチを前記配管と平行して移動させるプラズマトーチ移動装置と、プラズマトーチを前記配管に一定の力で押し付けるプラズマトーチ押付装置と、前記配管の内部に噴出するプラズマアークやドロス或いはヒューム等を冷却しこれを風圧で前記配管の外部に排出する圧縮空気管とで原子力発電設備で使用した小口径配管の半割切断用プラズマ切断装置を構成し、
前記プラズマトーチは前記配管の軸心に対しその前進方向に向けて45°〜60°の角度で配管の両側に設け、プラズマトーチによる切断と同時に、前記圧縮空気管を追従させて前記配管の内部を移動させ、切断時に発生するドロス、ヒューム等が前記配管の内部に付着する前にこれらを冷却し、風圧で前記配管の外へ排出させるようにしたことを特徴とする。
そして前記プラズマトーチを前記配管と平行して移動させるプラズマトーチ移動装置は、一対の平行移動用案内杆と、ボールネジ等の駆動装置と、駆動装置に連結された移動用モータとで構成され、これによりプラズマトーチの移動速度を制御すると共に、配管に対しプラズマトーチを常に平行移動させることができるようにした。
また、プラズマトーチを配管に一定の力で押し付けるプラズマトーチ押付装置は、プラズマトーチを配管に対し直交する方向に移動させるスライド装置と、プラズマトーチを前記プラズマトーチ押付装置に固定するトーチ固定装置と、プラズマトーチを配管から常に一定距離に保つ一対のガイド車輪と、ガイド車輪とプラズマトーチ押付装置とプラズマトーチ固定装置を常に配管に押し付けるよう一定の押し付け力を発生させるエアシリンダとで構成されている。
【発明の効果】
【0012】
1)外部からプラズマで半割切断している配管の内部に、切断部分に対し常に同じ間隔で追従する圧縮空気管を設置し、この圧縮空気管から圧縮空気を吐出すことにより、プラズマ半割切断時にプラズマアーク、ドロス、ヒューム等が冷却されつつ風圧で配管の外部に排出されるので、配管の内部にドロス、ヒューム等の付着を極力抑えることができるとともに、配管の切断時に発生する熱による変形を極力抑えることができる。これにより、小口径配管のプラズマ切断が可能になり、配管の内外面の除染、汚染検査が容易化され、管理区域内で発生する廃棄物をより少なくすることが可能となった。
2)プラズマトーチを配管に押し付けることにより、変形した配管、変形が発生した配管に対し、プラズマトーチを常に一定の間隔で保持することができるので、安定したプラズマの発生が可能となり、精度の高い半割切断が実施できるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のプラズマ切断装置の構成は、図1に示すように、配管10を固定する配管固定装置20と、プラズマトーチ30と、プラズマトーチ30を配管10に対しこれと平行して移動させるプラズマトーチ移動装置40と、プラズマトーチ30を配管10に一定の力で押し付けるプラズマトーチ押付装置50と、配管10の内部に噴出するプラズマアークやドロス或いはヒューム等を冷却し、風圧で配管10の外部に排出する圧縮空気管60とで構成される。
【0014】
前記配管10は、図2に示すように下側の固定装置21と上側の固定装置22で配管10を上下から挟み込んで固定する。下側の固定装置21は、一定の位置に固定した状態で使用し、上側の固定装置22は、上下移動用のエアシリンダ23等で上下に移動可能である。半割切断箇所に配管10を自動又は手動でセットし、上側の固定装置22の上下移動操作で所定位置に固定する。
【0015】
プラズマトーチ30を配管10に対し平行に移動させるプラズマトーチ移動装置40は、配管10に対しこれと平行に設けた一対の平行移動用案内杆41と、一対の平行移動用案内杆41の中間にあるボールネジ等の駆動装置42と駆動用モータ43とで構成され、プラズマトーチ30の移動速度を制御すると共に、配管10に対しプラズマトーチ30を常に配管10に対し平行に移動させることができる。プラズマ切断時のプラズマトーチ30の移動速度は、80mm/minから120mm/min程度で設定する。
【0016】
プラズマトーチ30を配管10に一定の力で押し付けるプラズマトーチ押付装置50は、プラズマトーチ30を配管10に対し直交する方向に移動可能なスライド装置51と、プラズマトーチ30をプラズマトーチ押付装置50に固定するトーチ固定装置52と、プラズマトーチ30と配管10を常に一定距離(1mmから2mm)に保つ2個のガイド車輪53と、ガイド車輪53がプラズマトーチ押付装置50とプラズマトーチ固定装置52を介して、常に配管10に押し付けられるよう一定の押し付け力を発生させるエアシリンダ54とで構成される。エアシリンダ54は、配管10がガイド車輪53に当たる範囲で押し付け力を発生し、配管10から離れる位置に伸縮可能である。切断開始は一対のガイド車輪53の前側のガイド車輪53が配管10の後端部で押し付けを行ったのち、プラズマ発生機70のスイッチ入れてプラズマを発生させる。
【0017】
プラズマ発生器70は、パイロットアーク付きの機器を使用し、配管10とプラズマトーチ30が離れた状態から、プラズマトーチ30がアース物体即ち配管10に近づくと、自動的にプラズマが発生するようになっている。プラズマトーチ30を配管10に押し付けた状態で、プラズマトーチ30を平行移動すると、配管10とプラズマトーチ30が所定の位置に達した状態で、プラズマが発生し、配管10は切断される。配管10がプラズマトーチ30から外れると、プラズマ発生は自動停止する。この状態でガイド車輪は、後側の車輪53が配管10の端に押し付けられている。この時点でプラズマトーチ押付装置50の配管10への押し付けを終了する。
【0018】
切断時には圧縮空気管60から配管10の内部に噴出する圧縮空気でプラズマアーク、ドロス、ヒューム等は冷却されると共に、風圧で配管10を通ってその外部に排出される。圧縮空気管60は、プラズマトーチ移動装置40に固定アーム61で固定されている。圧縮空気管60の先端は、常にプラズマトーチ30と等間隔約10mm離され(図1(b)参照)、プラズマトーチ移動装置40の移動と共に、配管10内を移動する。圧縮空気管60には、チューブ62が接続され、プラズマ切断時に圧縮空気が噴出するよう制御バルブ(図示なし)により制御されている。圧縮空気は、圧力0.6Mpa〜0.7Mpaで、圧縮空気管60の径は、外径6mm以上を使用する。空気流量は標準状態で0.5m3/min以上必要である。
【0019】
図1及び図2では、プラズマトーチ30は、配管10の片側のみ示しているが、実際は配管の両側に設置されている。従って配管固定装置20を移動させて、配管10の固定を解除することなく、配管の両側を切断して上下分割する半割加工が可能である。プラズマトーチ30は配管10の両側に2個付いているが、配管10の内部を移動する圧縮空気管60は、配管10が小口径のため2本は入らない。また配管10の両側にある2個のプラズマトーチ30は、プラズマ切断の特性により、同時に動かすことはできない。このため、1本の圧縮空気管60を、配管10の両側にある2個のプラズマトーチ30に使えるようにするには、進行方向後側に位置するプラズマトーチが移動し切断を開始すると同時に内部に引き込み、後側に位置するプラズマトーチ30が戻ると同時に、圧縮空気管60も元の位置に戻るようになっている。その後、前側のトーチが移動切断するときに、同じ圧縮空気管60が移動する仕組みになっている。このように1本の圧縮空気管60で、左右両側のプラズマトーチによる切断時に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(a)はプラズマ切断装置の平面図、(b)はプラズマトーチとガイド車輪の関係を示す図。
【図2】プラズマトーチの切断時の状態を示す斜視図。
【符号の説明】
【0021】
10 切断対象配管(配管) 20 配管固定装置
21 下側の固定装置 22 上側の固定装置
23 エアシリンダ 30 プラズマトーチ
40 プラズマトーチ移動装置 41 平行移動用案内杆
42 (ボールねじ等の)駆動装置 43 移動用モータ
50 プラズマトーチ押付装置 51 スライド装置
52 トーチ固定装置 53 ガイド車輪
54 エアシリンダ 60 圧縮空気管
70 プラズマ発生機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断対象配管と、この切断対象配管を切断位置に固定する固定装置と、前記切断対象配管を切断するプラズマトーチと、プラズマトーチを前記切断対象配管と平行して移動させるプラズマトーチ移動装置と、プラズマトーチを前記切断対象配管に一定の力で押し付ける押付装置と、前記切断対象配管内部に噴出するプラズマアークやドロス或いはヒューム等を冷却しこれを風圧で前記配管の外部に排出する圧縮空気管とで構成される原子力発電設備で使用した小口径配管の半割切断用プラズマ切断装置であって、
前記プラズマトーチは前記切断対象配管の軸心に対しその前進方向に向けて45°〜60°の角度で切断対象配管の両側に設け、プラズマトーチによる切断と同時に、前記圧縮空気管を追従させて前記切断対象配管内部を移動させ、切断時に発生するドロス、ヒューム等が前記切断対象配管内部に付着する前にこれらを冷却し、風圧で前記切断対象配管外へ排出させるようにした原子力発電設備で使用した小口径配管の半割切断装置。
【請求項2】
プラズマトーチを前記切断対象配管と平行して移動させるプラズマトーチ移動装置は、一対の平行移動用案内杆と、ボールネジ等の駆動装置と、駆動装置に連結された移動用モータとで構成され、これによりプラズマトーチの移動速度を制御すると共に、切断対象配管に対しプラズマトーチを常に平行移動させることができるようにした請求項1記載の原子力設備で使用した小口径配管の半割切断用プラズマ切断装置。
【請求項3】
プラズマトーチを切断対象配管に一定の力で押し付ける押付装置は、プラズマトーチを切断対象配管に対し直交する方向に移動させるスライド装置と、プラズマトーチを前記プラズマトーチ押付装置に固定するトーチ固定装置と、プラズマトーチを切断対象配管から常に一定距離に保つ一対のガイド車輪と、ガイド車輪とプラズマトーチ押付装置とプラズマトーチ固定装置を常に切断対象配管に押し付けるよう一定の押し付け力を発生させるエアシリンダとで構成した請求項1記載の原子力設備で使用した小口径配管の半割切断用プラズマ切断装置。

【図1】
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【図2】
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