説明

原盤及びその製造方法、ワーキングモールド及びその製造方法、電子ビーム露光装置、並びに電子ビーム露光方法

【課題】検出器の分解能に起因するエラーの発生を抑制する。
【解決手段】データ部とサーボ部とが基板上に形成され、磁気記録媒体又はそれを製造するために用いられるモールドをインプリントにより製造する際に用いられる原盤において、データパターンは以下の条件(1)及び(2)を満たすようにデータ部内に配置されている。(1)各々のトラックのサーボ部からデータ部に向かう方向において、データパターンの検出を開始するタイミング合わせの基準となるサーボパターンから、サーボ部に最も近いデータパターンまでの距離が、検出器における分解能の自然数倍である。(2)各々のトラック内において、データ部内のデータパターンから、該データパターンと隣接して形成された別のデータパターンまでの距離が、検出器における分解能の自然数倍である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原盤及びその製造方法、ワーキングモールド及びその製造方法、電子ビーム露光装置、並びに電子ビーム露光方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスク駆動装置などの磁気記録再生装置(以降、磁気記録装置と言う)に用いられる媒体の一つとして、パターンドメディア方式の磁気記録媒体が知られている。
【0003】
近年、この磁気記録媒体におけるパターンを形成する手法として、「インプリント法」が用いられている。インプリント法は、スタンパと呼ばれる元型のモールドに凹凸のパターンを形成しておき、この凹凸パターンの凹凸を反転させた反転パターンを、スタンパからの転写によって磁気記録媒体や別のワーキングモールドに形成する手法である。その場合、元型となるモールドには、フォトリソグラフィ法を利用して凹凸のパターンを形成するのが一般的である。
【0004】
フォトリソグラフィ法では、モールドの基(素材)になる基板に対して、「レジスト膜の形成」、「レジスト膜の露光」及び「レジスト膜の現像」を順に行うことによってレジストパターンを形成する。このうち、レジスト膜の露光には、電子ビーム描画装置が用いられている。電子ビーム描画装置は、基板上に形成されたレジスト膜に電子ビームを照射することにより、レジスト膜を露光する装置である。
【0005】
上述のようにレジスト膜への電子ビーム照射によって所定パターン形状の露光(即ちパターン描画)を終えたら、このパターン描画によって露光されたレジスト膜を現像することにより、基板上にレジストパターンを形成する。更に、このレジストパターンをマスクに用いて基板をエッチングすることにより、上記のパターンが形成されたモールドを得る。
【0006】
このように形成されたモールド(所謂「原盤」、「マスターモールド」とも言う)により磁気記録媒体を作製することもできるし、この原盤からワーキングモールドを作製し、このワーキングモールドにより磁気記録媒体を作製することもできる。
なお、ここでいう「ワーキングモールド」とは、インプリント法により原盤の凹凸を転写して凹凸を反転させる工程を一回又は複数回行って凹凸を形成した複製物である。また、本明細書におけるワーキングモールドは、上記複製物の中でも特に、最終製品である磁気記録媒体にパターンを転写するモールドのことを主として指すものとする。もちろんこのワーキングモールドは、最終製品である磁気記録媒体にパターンを転写するモールドを作製するためのモールドについても含む。
【0007】
なお、インプリント用モールド構造体を用いて磁気記録媒体を製造する技術として、特許文献1に記載の技術が知られている。具体的には、通常、データアドレスマークは磁気ヘッドにより書かれるところ、データアドレスマークに対応する凹凸パターンを、インプリント用モールド構造体の溝部に形成しておくという技術である。この構成により、インプリントにより形成された磁気記録媒体において、熱揺らぎや欠陥に起因する、読み出し不良・書き込み時の位置ズレ不良を回避することができる。
【0008】
また、ビット状のパターンを有する磁気記録媒体をインプリント用のスタンパから製造することも知られている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2には、データ領域
の磁性ドットが配置される中心線を軸に、周方向に異なる個数の磁性ドットで微小位置検出部を構成し、磁化反転を抑制することにより、安定したサーボパターンを維持する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−245534号公報
【特許文献2】特開2010−40099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
近年、このパターンドメディアが有するパターンサイズは、ますます微細化されてきている。この微細化はナノサイズにて行われており、磁気記録媒体の検査装置や、読み出し・書き込みを行う磁気記録装置の分解能のレベルへと、微細化が近づいてきている。
【0011】
この分解能の一例を挙げると、マスタークロックが500MHzの装置を用いた場合、検査装置や磁気記録装置にて用いられる電子ビームと基板の相対線速度が1m/sのときの分解能は2nmになる。これに対して、最近のパターンサイズはライン・アンド・スペースパターンで25nm(ライン:スペース=1:1)というレベルの微細なパターンが実現されつつある。
なお、本明細書における「分解能」とは、検査装置や磁気記録装置にて用いられるエネルギービーム(光ビーム、電子ビーム等を含む)と基板の相対線速度を1m/sとしたときの、検査装置や磁気記録装置のマスタークロックの逆数のことである。
【0012】
このように、分解能とパターンサイズのオーダーが近接することにより、不具合が発生することが、本発明者らの手により発見されている。
この不具合について、図1を用い、ビット状のパターン(以降、単にビットとも言う)を形成した場合について具体的に説明する。
【0013】
図1(a)に示すように、例えばビット状の凸部(磁性部)が磁気記録媒体上に、設計通りに形成されていたとする。設計通りにパターンが形成されていれば、通常だとエラーは起こらないはずである。
【0014】
しかしながら、磁気記録装置においては、分解能に応じた部分しか読み書きを行うことができない。つまり、図1(b)に示すように、分解能である2nm間隔で配置された破線部分においてでしか、読み書きを行うことができない。
【0015】
一方、上述のように仮に設計通りにパターンが形成されていても、図1(b)に示す破線部分に、ビットの中心点(×)が存在するというわけではない。
図1(b)に示す破線部分にビットの中心点が存在しないと以下の不具合が発生する。
【0016】
つまり、この磁気記録媒体の読み書きの際、磁気記録装置の分解能の限界に起因して、ビットの位置をずらして認識してしまうおそれが発生する。具体的には、ビットAの中心点が読み書き可能な部分(即ち図1(b)の破線部分)に存在していたとしても、それに隣接するビットBの中心点が、図1(b)に示す破線部分に存在しない場合が出てくる。この場合、本来読み書きを行いたかった部分aではなく、分解能に応じて離間した隣の破線部分bで読み書きを行ってしまうという現象が起こる。
【0017】
仮にマスタークロックが500MHzで相対線速度が1m/s(即ち分解能が2nm)の場合、磁気記録装置において読み書きの認識を開始するパターン(後述する同期信号検
出部212b)の位置をx=0nmとすると、磁気記録装置はx=2nm、4nm、6nm・・・の地点しか、読み書きの認識を行うことができない。
具体例で説明すると、例えばx=4nmの地点のビットAは問題なく読み書きできる。しかしながら、ビットBの中心がx=11nmの地点に存在する場合、そもそも読み書きを行わない、又は、x=10nmか12nmの地点で読み書きを行うことになってしまう。読み書きを行わなければそもそもエラーとなってしまうし、仮に、図1(c)のように読み書きをx=10nmの地点で行えたとしても、本来読み書きを行うべき11nmの地点から、1nm分、ズレが生じることになってしまう。
【0018】
このように、アナログ的にパターンを形成したにもかかわらず、読み書きや検査段階でのデジタル的認識を行うことにより、データが丸められ量子化誤差が生じる。その結果、位置ズレが発生してしまう。以降、この位置ズレのことを「データ転び」又は単に「転び」とも言う。
【0019】
なお、ビット状パターンを用いた磁気記録媒体の場合、読み書き等の位置ズレにおいては、ビット径の10%程度が許容範囲であると考えられている。現在、電子ビームによる露光においては、ビット径が12.5nm程度となっている。その結果、1.25nm程度のズレしか許容できない。それにもかかわらず、先ほど例示した図1(b)に示すように、隣接するビットBとビットCとで互いに離れる方向にデータが転んでしまうと、少なくとも合計2nm以上のズレが発生してしまい、読み書きの際のエラーの発生確率が著しく高くなってしまう。
【0020】
この不具合は、単に磁性記録媒体の読み書きエラーを発生させるのみならず、原盤又はワーキングモールドを製造するモールド製造工程から出荷工程に至るまでにおいて深刻な事態を招く恐れがある。例えば、設計通りのパターンを有する原盤又はワーキングモールドが作製できたとしても、まず、パターン検査装置の分解能の関係で、上述のようなエラーが生じるおそれがある。その上、上述のように磁気記録媒体を作製するに至る最終段階でエラーが生じるおそれもある。そもそも、設計通りに微細パターンを形成したにも関わらず、その後の磁気記録媒体の段階でエラーが発生するため、製品としての磁気記録媒体の歩留まりが低下するどころか、このエラーの原因究明のために多くの時間や労力を費やさなければならず、場合によっては基となるモールドを含めて全ての工程を再検討し、作製し直さなければならないおそれすらある。
【0021】
本発明の主たる目的は、検出器の分解能に起因するエラーの発生を抑制する原盤及びその製造方法、ワーキングモールド及びその製造方法、電子ビーム露光装置、並びに電子ビーム露光方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上述の通り、本発明者らは、分解能とパターンサイズのオーダーが近接することにより、「データの転び」が磁気記録媒体の製造工程全体において重大な影響を及ぼすという知見を得た。この知見を基に、本発明者らはまず、検査装置や磁気記録装置のマスタークロックを高くする(即ち分解能を向上させる(例:分解能2nm→1nm))という手段について検討した。
【0023】
しかし、検査装置や磁気記録装置のマスタークロックは有限である上、マスタークロックを高くした検査装置や磁気記録装置は著しく高額となる。それに加え、磁気記録媒体が搭載されるハードディスク回路では低コストの回路設計が求められているという事情もある。この事情に反して高額な装置を用いると、磁気記録媒体そのものに価格を上乗せすることになる。そのため、上述の手段はコスト面で難がある。
なお、相対線速度を遅くするという手段も考えられるが、そのように設定すると、そも
そも原盤作製に多大な時間を要することになる。そうなると、作業効率が低下するおそれがある。
【0024】
そこで本発明者らは、後々に製造される磁気記録媒体に対して用いられる検査装置や磁気記録装置の分解能を、原盤の作製段階から予め考慮に入れておく、という知見を得た。
具体的には、データパターンの検出を開始するタイミング合わせの基準となるサーボパターンからデータパターンまでの距離、更には隣り合うデータパターン間の距離を、検査装置や磁気記録装置の分解能の自然数倍とし、データ転びの発生を抑制すべく、図1(b)(c)に示すような破線部分に必ずデータパターンが配置されるよう原盤を最初から作製しておく、という手段を想到した。この手段によって、原盤作製後に用いる装置の分解能に起因するエラーの発生を抑制することが、原盤作製の段階において保証できることを、本発明者らは見出した。
【0025】
この知見に基づいて成された本発明の態様は、以下の通りである。
本発明の第1の態様は、
データ部とサーボ部とが基板上に形成され、磁気記録媒体又はそれを製造するために用いられるワーキングモールドをインプリントにより製造する際に用いられる原盤において、
前記データ部は、磁気記録媒体において情報の記録を行うためのデータ領域の基となるデータパターンが形成された部分であり、
前記サーボ部は、磁気記録媒体においてデータ領域のトラック位置及び/又はパターン位置を特定するためのサーボ領域の基となるサーボパターンが形成された部分であり、
前記データパターンは以下の条件(1)及び(2)を満たすように前記データ部内に配置されていることを特徴とする原盤である。
(1)各々のトラックのサーボ部からデータ部に向かう方向において、データパターンの検出を開始するタイミング合わせの基準となるサーボパターンから、前記サーボ部に最も近いデータパターンまでの距離が、検出器における分解能の自然数倍である。
及び、
(2)各々のトラック内において、前記データ部内のデータパターンから、該データパターンと隣接して形成された別のデータパターンまでの距離が、検出器における分解能の自然数倍である。
但し、前記データパターンは、データパターンそのものに加え、データパターンの基礎となるパターンも含む。そして、前記検出器は、前記磁気記録媒体製造中ないし製造後に用いられる検出器であって、前記磁気記録媒体のサーボ領域におけるサーボ信号及びデータ領域における情報を検出する検出器である。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の態様であって、
前記データパターンはビットにより形成されたことを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載の態様であって、
複数のトラックが同心円状に形成されるとともに、各々のトラックにおいて少なくとも前記データ部のデータパターンの形態が1ビットごとに径方向及び周方向に分離されていることを特徴とする。
本発明の第4の態様は、第3の態様に記載の態様であって、
各々のトラック内において、データパターンの検出を開始するタイミング合わせの基準となるサーボパターンから、前記サーボ部に最も近いビットの略中心までの距離が、前記検出器における分解能の自然数倍であり、
各々のトラック内において、周方向で隣り合うビットの中心間距離が、前記検出器における分解能の自然数倍であることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、
データ部とサーボ部とが基板上に形成され、磁気記録媒体又はそれを製造するために用いられるワーキングモールドをインプリントにより製造する際に用いられる原盤において

前記データ部は、磁気記録媒体において情報の記録を行うためのデータ領域の基となるデータパターンが形成された部分であり、
前記サーボ部は、磁気記録媒体においてデータ領域のトラック位置及び/又はパターン位置を特定するためのサーボ領域の基となるサーボパターンが形成された部分であり、
複数のトラックが同心円状に形成されるとともに、各々のトラックにおいて少なくとも前記データ部のデータパターンの形態が平面視円形状の1ビットごとに径方向及び周方向に分離されており、以下の条件(1)及び(2)を満たすように前記データ部内に前記ビットが配置されていることを特徴とする原盤である。
(1)各々のトラックのサーボ部からデータ部に向かう方向において、データパターンの検出を開始するタイミング合わせの基準となるサーボパターンから、前記サーボ部に最も近い前記ビットの略中心までの距離が、検出器における分解能の自然数倍である。
及び、
(2)各々のトラック内において、周方向で隣り合うビットの中心間距離が、検出器における分解能の自然数倍である。
但し、前記データパターンは、データパターンそのものに加え、データパターンの基礎となるパターンを含む。そして、前記検出器は、前記磁気記録媒体製造中ないし製造後に用いられる検出器であって、前記磁気記録媒体のサーボ領域におけるサーボ信号及びデータ領域における情報を検出する検出器である。
本発明の第6の態様は、第1ないし第5のいずれかの態様に記載の原盤からインプリントにより製造されたことを特徴とするワーキングモールドである。
本発明の第7の態様は、
磁気記録媒体又はそれを製造するために用いられるワーキングモールドをインプリントにより製造する際に用いられる原盤であって、データ部とサーボ部とを基板上に有する原盤の製造方法において、
前記データ部は、磁気記録媒体において情報の記録を行うためのデータ領域の基となるデータパターンが形成された部分であり、
前記サーボ部は、磁気記録媒体においてデータ領域のトラック位置及び/又はパターン位置を特定するためのサーボ領域の基となるサーボパターンが形成された部分であり、
以下の条件(1)及び(2)を満たすように電子ビームの露光を行うことを特徴とする原盤の製造方法である。
(1)各々のトラックのサーボ部からデータ部に向かう方向において、データパターンの検出を開始するタイミング合わせの基準となるサーボパターンから、前記サーボ部に最も近いデータパターンまでの距離が、検出器における分解能の自然数倍とする。
及び、
(2)各々のトラック内において、前記データ部内のデータパターンから、該データパターンと隣接して形成された別のデータパターンまでの距離を、検出器における分解能の自然数倍とする。
但し、前記データパターンは、データパターンそのものに加え、データパターンの基礎となるパターンを含む。そして、前記検出器は、前記磁気記録媒体製造中ないし製造後に用いられる検出器であって、前記磁気記録媒体のサーボ領域におけるサーボ信号及びデータ領域における情報を検出する検出器である。
本発明の第8の態様は、第7の態様に記載の製造方法により製造された原盤からインプリントによりワーキングモールドを製造することを特徴とするワーキングモールドの製造方法である。
本発明の第9の態様は、
磁気記録媒体又はそれを製造するために用いられるワーキングモールドをインプリントにより製造する際に用いられる原盤を製造するための電子ビーム露光装置において、
前記磁気記録媒体上にて、データ領域のトラック位置及び/又はパターン位置を検出するためのサーボ領域のサーボ信号と、情報の記録を行うためのデータ領域の情報と、を検
出するために別途用いられる検出器の分解能を入力する分解能入力手段と、
一主面上に感光膜が形成された基板を保持しつつ、前記基板の主面上における電子ビームの照射位置を当該基板に対して相対的に移動させる移動手段と、
電子ビームを照射して、前記サーボ領域の基となるサーボパターンに対応した形状の露光を前記基板上のサーボ部に行い、且つ、前記データ領域の基となるデータパターンに対応した形状の露光を前記基板上のデータ部に行う露光手段と、
を備え、
以下の条件(1)及び(2)を満たすように電子ビームの露光を行うことを特徴とする電子ビーム露光装置である。
(1)各々のトラックのサーボ部からデータ部に向かう方向において、データパターンの検出を開始するタイミング合わせの基準となるサーボパターンから、サーボ部に最も近いデータパターンまでの距離が、前記分解能入力手段に入力された分解能の自然数倍となるように、前記移動手段により前記基板を移動させながら前記露光手段による露光を行う。及び、
(2)各々のトラック内において、データ部内のデータパターンから、該データパターンと隣接して形成された別のデータパターンまでの距離が、前記分解能入力手段に入力された分解能の自然数倍となるように、前記移動手段により前記基板を移動させながら前記露光手段による露光を行う。
但し、前記データパターンは、データパターンそのものに加え、データパターンの基礎となるパターンも含む。
本発明の第10の態様は、第9の態様に記載の態様であって、
前記データパターンはビットであることを特徴とする。
本発明の第11の態様は、第10の態様に記載の態様であって、
一主面上に感光膜が形成された基板を保持しつつ当該基板を回転させる回転手段と、
前記回転手段の駆動を制御する回転制御手段と、
を更に備え、
複数のトラックが同心円状に形成されるとともに、各々のトラックにおいて少なくとも前記データ部のデータパターンの形態が1ビットごとに径方向及び周方向に分離されていることを特徴とする。
本発明の第12の態様は、第10又は11の態様に記載の態様であって、
前記露光手段から照射される電子ビームを偏向する電子ビーム偏向手段を更に備え、
前記電子ビーム偏向手段により、
各々のトラック内において、データパターンの検出を開始するタイミング合わせの基準となるサーボパターンから、前記データ部内において前記サーボ部に最も近いビットの略中心までの距離が、検出器における分解能の自然数倍となる部分に電子ビームを照射し、且つ、
各々のトラック内において、該ビットの略中心から、該ビットと隣接して形成された別のビットの略中心までの距離が、検出器における分解能の自然数倍となる部分に電子ビームを照射することを特徴とする。
本発明の第13の態様は、第9ないし12のいずれかの態様に記載の態様であって、
前記露光手段による電子ビームの照射は、前記移動手段によって線速一定に行うことを特徴とする。
本発明の第14の態様は、
磁気記録媒体又はそれを製造するために用いられるワーキングモールドをインプリントにより製造する際に用いられる原盤を製造するための電子ビーム露光装置において、
一主面上に感光膜が形成された基板を保持しつつ当該基板を回転させる回転手段と、
前記回転手段で保持した基板の主面上で電子ビームの照射位置を当該基板の半径方向と平行な方向に移動させる移動手段と、
前記回転手段の駆動を制御する回転制御手段と、
前記磁気記録媒体上にて、情報の記録を行うためのデータ領域の情報と、データ領域の
トラック位置及び/又はパターン位置を検出するためのサーボ領域のサーボ信号とを検出するために別途用いられる検出器の分解能を入力する分解能入力手段と、
電子ビームを照射して、前記サーボ領域の基となるサーボパターンに対応した形状の露光を前記基板上のサーボ部に行い、且つ、前記データ領域の基となるデータパターンに対応したビット形状の露光を前記基板上のデータ部に行う露光手段と、
を備え、
前記回転制御手段によって、前記電子ビームの照射位置における前記基板の線速が一定となる条件で前記基板の回転速度を変化させながら、以下の条件(1)及び(2)を満たすように電子ビームの露光を行うことを特徴とする電子ビーム露光装置である。
(1)各々のトラックのサーボ部からデータ部に向かう方向において、データパターンの検出を開始するタイミング合わせの基準となるサーボパターンからサーボ部に最も近いビットの略中心までの距離が、前記分解能入力手段に入力された分解能の自然数倍となる部分に対し、前記電子ビーム偏向手段により電子ビームが照射されるように、前記回転手段及び前記移動手段により前記基板を移動させながら前記露光手段による露光を行う。
及び、
(2)データ部内において周方向で隣り合うビットの中心間距離が、前記分解能入力手段に入力された分解能の自然数倍となる部分に対し、前記電子ビーム偏向手段により電子ビームが照射されるように、前記回転手段及び前記移動手段により前記基板を移動させながら前記露光手段による露光を行う。
但し、前記データパターンは、データパターンそのものに加え、データパターンの基礎となるパターンも含む。
本発明の第15の態様は、
磁気記録媒体又はそれを製造するために用いられるワーキングモールドをインプリントにより製造する際に用いられる原盤を製造するための電子ビーム露光方法において、
前記磁気記録媒体上にて、情報の記録を行うためのデータ領域の情報と、データ領域のトラック位置及び/又はパターン位置を検出するためのサーボ領域のサーボ信号と、を検出するために別途用いられる検出器の分解能を入力する分解能入力工程と、
一主面上に感光膜が形成された基板を保持しつつ、前記基板の主面上における電子ビームの照射位置を当該基板に対して相対的に移動させる移動工程と、
電子ビームを照射して、前記サーボ領域の基となるサーボパターンに対応した形状の露光を前記基板上のサーボ部に行い、且つ、前記データ領域の基となるデータパターンに対応した形状の露光を前記基板上のデータ部に行う露光工程と、
を備え、
以下の条件(1)及び(2)を満たすように電子ビームの露光を行うことを特徴とする電子ビーム露光方法である。
(1)各々のトラックのサーボ部からデータ部に向かう方向において、データパターンの検出を開始するタイミング合わせの基準となるサーボパターンから、サーボ部に最も近いデータパターンまでの距離が、前記分解能入力工程にて電子ビーム露光装置に入力された分解能の自然数倍となるように、前記移動工程により前記基板を移動させながら前記露光工程によって露光を行う。
及び、
(2)各々のトラック内において、データ部内のデータパターンから、該データパターンと隣接して形成された別のデータパターンまでの距離が、前記分解能入力工程にて入力された分解能の自然数倍となるように、前記移動工程により前記基板を移動させながら前記露光工程によって露光を行う。
但し、前記データパターンは、データパターンそのものに加え、データパターンの基礎となるパターンも含む。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、検出器の分解能に起因するエラーの発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態におけるデータ転びの様子を示す概略図である。(a)は、設計通りに基板上に形成されたビット状のパターンを示す図であり、バツ印(×)はビット中心である。(b)は、検出器の分解能ごとの区切り(破線)を入れた場合のビット状のパターンを示す図であり、白丸(○)は、設計上、検出器によりビットが本来検出されるべき部分である。(c)は、検出器の分解能ごとの区切り(破線)を入れた上で、検出器によりビットが実際に検出されることになってしまう位置(黒丸(●))を示す図である。
【図2】露光の対象となる基板の構造の一例を示す図である。
【図3】本実施形態における基板を示す図であり、その基板におけるデータ部及びサーボ部、そしてデータパターンを示す図である。
【図4】同心円状のトラックが複数形成されている場合のビットの周期のズレ(ΔBP)を説明するための概略図である。破線は、検出器の分解能ごとの区切りである。白丸(○)は、検出器によりビットが検出される部分である。
【図5】本発明の実施の形態に係る電子ビーム露光装置の構成例を示す概略図である。
【図6】電子ビーム露光時の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態においては、次の順序で説明を行う。
1.原盤(基板)の構造
a)原盤上のサーボ部
b)原盤上のデータ部[本実施形態に係る条件1及び2]
2.電子ビーム露光装置の基本構成(機構系の構成、制御系の構成)
3.電子ビーム露光装置の基本動作
4.電子ビーム露光装置の制御方法(電子ビーム露光方法を含む)
5.実施の形態による効果
6.変形例
【0029】
<1.原盤(基板)の構造>
図2は、露光の対象となる基板4の構造の一例を示すもので、図中(A)は平面図、(B)は側断面図を示している。
【0030】
本実施形態において、基板4は、複数のトラックを有する磁気記録媒体を製造するため、又は複数のトラックを有する磁気記録媒体の製造に用いられるワーキングモールドをインプリントにより製造する際に用いられる原盤となる基板である。その材質について言えば、本実施形態においては、石英ガラス基板を用いて構成されるものである。また、基板4の平面形状は円形(即ち円盤状)になっている。基板4の一方の主面(上面)には、感光膜の一例としてのレジスト膜18を形成してある。本実施形態においては、レジスト膜18は、ポジ型レジストを使用する。
【0031】
ポジ型レジストを用いた場合、電子ビームの照射によって露光された部分が、その後の現像処理によって除去されることになる。ポジ型レジストは、ネガ型レジストに比べて、電子ビームに対する感度が高く、得られる解像度も高いため、これを用いてレジスト膜18を形成(成膜)した方が好ましい。本実施の形態においては、ポジ型レジストを用いてレジスト膜18を形成してあるものとする。
【0032】
基板4は、レジスト膜18が形成されている領域(成膜領域)のほぼ全部を露光の対象にしても良いし、当該領域の一部を露光の対象にしても良い。ここでは一例として、基板
4の物理的な中心Cpを基準にして、そこから基板4の半径方向に長さLr1までの円形領域E0を除いて、当該円形領域E0よりも外側の領域をレジスト膜18の有効領域(露光対象領域)19に設定している。
【0033】
ここで記述するレジスト膜18の有効領域19とは、電子ビーム露光後に行われる現象処理によってレジストのパターンが形成される領域をいう。このため、レジスト膜18の有効領域は、たとえば、電子ビーム露光とその後の現像処理によって得られたパターンに基づくディスク原盤を用いて、ディスク状の記録媒体を製造する場合に、当該記録媒体のディスク面に転写される領域に対応する領域(製品の品質維持に必要な領域)となる。
【0034】
そして、この有効領域19には、図3に示すように、データ部21と、前記データ部21に隣接するサーボ部22とが形成される。このサーボ部22とデータ部21とは同心円状の各トラック内において、交互に配置されている。
なお、前記データ部21は、磁気記録媒体において情報の記録を行うためのデータ領域の基となるデータパターン21’が形成された部分である。
また、前記サーボ部22は、磁気記録媒体においてトラック位置及び/又はパターン位置を特定するためのサーボ領域の基となるサーボパターン22’が形成された部分である。
そして、本実施形態においては、データパターン21’もサーボパターン22’も凹凸によりパターンが形成されている場合について述べる。
【0035】
なお、以降、パターンが存在する部分に関して原盤又はワーキングモールド上に設けられたものは「部」という単語を使用し、例えば「データ部」「サーボ部」、という。
一方、この原盤又はワーキングモールドにより将来的に形成される磁気記録媒体におけるパターンが存在する部分については「領域」という単語を使用し、例えば「データ領域」「サーボ領域」、と言うことにする。
上記内容を端的に言えば、本実施形態の原盤に設けられたデータ部21及びサーボ部22の凹凸パターンが、インプリントにより磁気記録媒体に転写され、磁気記録媒体におけるデータ領域及びサーボ領域となる。
【0036】
以下、原盤におけるデータ部21及びサーボ部22について、サーボ部22→データ部21という順に説明する。その際、基板を円形とする関係上、図3に記載されているような、複数のトラックが同心円状に形成される場合について説明する。
【0037】
a)原盤上のサーボ部
同心円状の各トラック内での円周方向において、前記サーボ部22においては、プリアンブル部221、アドレス部222、及びバースト部223が、この配置順で構成されている。
【0038】
(プリアンブル部)
前記プリアンブル部221は、磁気記録媒体において、再生信号のクロックを同期させるための情報が記録されることになる部分である。そしてこのプリアンブル部221は、同期信号生成部221aと、同期信号検出部221bを更に具備している。
【0039】
同期信号生成部221aは、サーボ情報を呼び出す前に、信号アンプの増幅率を調整して振幅を一定にする働き、及びA/D変換(Analog to Digital Converter)クロック信
号のサンプリングタイミングを生成する働きを有する。同期信号生成部221aは、媒体の内周から外周までの全てあるいは一部の範囲で、径方向に連続して形成されている。そして、周方向に一定の間隔で形成されている。
【0040】
次に、同期信号検出部221bは、サーボ情報の開始を示す特徴的なパターンである。同期信号検出部221bは、原盤の内周から外周までの全てあるいは一部の範囲で、径方向に連続して形成されている。そして、周方向に同期信号生成部221aに比べて長いビット長の部分を有している。この部分が、最終的に磁気記録媒体において、単一の磁性部又は数ビット長の既定符号を生成する複数の磁性部となる。
【0041】
以上の同期信号生成部221a及び同期信号検出部221bは、本実施形態の原盤において、一つの特徴となる部分である。同期信号生成部221aが、最終的に磁気記録媒体において磁性部となり、同期信号となる「クロック」(即ち、形成されるパターンが有する所定の周期)を生成することになる。更には、同期信号検出部221bが、各々のトラックのサーボ部22からデータ部21に向かう方向において、データパターン21’の検出を開始するタイミング合わせの基準となるサーボパターン22’となる。
【0042】
本実施形態においては、磁気記録媒体を作製した後に使用するはずの検出器の分解能を考慮に入れ、予め、確実に分解能に応じて検出できる原盤上の位置に、ビットを形成しておく。更に詳しく言えば、「クロック」に応じてパターンが配置される位置が、検出器によって確実に検出されるようにする。そのために、上記の同期信号検出部221bから、円周方向にて隣接するデータ部21におけるビットの略中心までの距離を、分解能の自然数倍とする。こうすることにより、「データ転び」を抑制することができる。
詳細は、後のb)原盤上のデータ部、の項で詳述する。
【0043】
なお、ここで挙げた「検出器」は、前記磁気記録媒体製造中ないし製造後に用いられる検出器であって、前記磁気記録媒体のサーボ領域におけるサーボ信号及びデータ領域における情報を検出する検出器である。この検出器としては、検査装置や磁気記録再生装置などが挙げられる。
【0044】
また、後で詳述するが、本実施形態における「ビットの略中心」とは、「検出器によって本来認識されるべき地点でビットが認識される程度、ビット中心に近いビット内の部分」のことである。
【0045】
(アドレス部)
アドレス部222は、サーボフレーム毎のトラック番号及びセクタ番号を示すIDパターンである。磁気記録装置において、磁気ヘッドの位置するトラック位置を示す。
【0046】
アドレス部222は、セクタ番号を示す周方向位置では、媒体の内周から外周までの全てあるいは一部の範囲で、径方向に連続して形成されている。
なお、原盤のアドレス部222を転写された磁気記録媒体において、トラック番号の上位桁を示す周方向位置では、媒体の内周から外周までの全てあるいは一部の範囲で、アドレス部222に対応するパターンが径方向に連続している。一方、トラック番号の下位桁を示す周方向位置では、媒体の径方向に断続的となる磁性体が形成されている。
【0047】
(バースト部)
バースト部223は、シリンダアドレスのオントラック状態からのオフトラック量を検出するための磁気記録媒体におけるオフトラック検出用領域に対応する基板上部分である。
【0048】
バースト部223が磁気記録媒体に転写されると、この領域によって、磁気記録装置において、磁気ヘッドの位置のトラック中心からのずれ情報が検出される。磁気記録媒体においてバースト部223に対応する領域が、周方向に、特定の形状及び配列からなる磁性パターンを有し、それぞれの磁性パターンは、媒体の径方向に、トラック毎に、等間隔に
配置されている。
【0049】
なお、同心円状の各トラック内での円周方向におけるこれらの配置順はこの順番に限られない。ただ、上述の通り、磁気記録媒体におけるプリアンブル部221にて同期信号を生成・制御し、アドレス部222にて磁気記録装置における磁気ヘッドの位置するトラック位置を認識し、バースト部223にて磁気ヘッドのトラック中心からのズレ情報を記録するという役割を担っていることから、この順番が好ましい。
【0050】
b)原盤上のデータ部
本実施形態においては、前記サーボ部22に隣接するようにデータ部21が形成されている。更に詳しく言うと、円周方向において、バースト部223の後に、データ部21が形成されている。このデータ部21は、最終的に磁気記録媒体においてユーザデータを書き込み可能な領域となり、磁気記録再生装置の磁気ヘッドによってそれが可能となる。
【0051】
また、前記パターンとしては、ディスクリートパターン及びビットパターンのいずれかであっても良い。本実施形態においては平面視円形からなるビットパターンの場合について述べる。
【0052】
ビットパターンならば、ビットの略中心位置を基準に設定することができるという利点がある。
つまり、検出器において正確に認識可能な地点にビットの略中心があれば、その地点にて最もビットを認識しやすくなる。その結果、ビット径の大きさに拘らず、データパターン21’の検出を開始するタイミング合わせの基準となる同期信号検出部221bから、直近のデータパターン21’のビットの略中心までの距離を分解能の自然数倍にすることによって、データ転びを抑制することができる。
【0053】
各々のトラックにおいて少なくとも前記データ部21のデータパターン21’の形態は、1ビットごとに径方向及び周方向に分離されている。最終的な磁気記録媒体においては、データ領域は、磁気ヘッドによってユーザデータの書き込み可能な磁性帯を有する複数のトラックが設けられ、隣接するトラック間にはユーザデータの書き込み不能な非磁性帯が設けられている。即ち、磁気記録媒体は、磁性帯が非磁性帯によって物理的に分離されたディスクリートトラック型の記録媒体となっている。
【0054】
[本実施形態における条件]
そして、本実施形態の原盤における大きな特徴は、データパターン21’が以下の条件を満たすように前記データ部21内に配置されていることである。
【0055】
[条件1]
まず、各々のトラックのサーボ部22からデータ部21に向かう方向において、データパターン21’の検出を開始するタイミング合わせの基準となる同期信号検出部221bから、前記同期信号検出部221bに最も近いデータパターン21’までの距離を、検出器における分解能の自然数倍とする。
【0056】
先にも述べたように、磁気記録媒体の読み書きの際、磁気記録装置の分解能の限界に起因して、ビットの位置をずらして認識してしまうおそれが発生する。具体的には、ビットAの中心点が読み書き可能な部分に存在していたとしても、それに隣接するビットBの中心点が、図1に示す破線部分に存在しない場合が出てくる。
この場合、本来読み書きを行いたかった部分ではなく、分解能に応じて離間した隣の破線部分で読み書きを行ってしまうという現象が起こる。
つまり、アナログ的にパターンを形成したにもかかわらず、読み書きや検査段階でのデ
ジタル的認識を行うことにより位置ズレが発生してしまい、所謂「データ転び」が発生するおそれがある。
【0057】
ところが、本実施形態のように、磁気記録媒体作製前の原盤段階において既に検出器の分解能を考慮に入れてビットを配置することにより、データ転びの発生を抑制することができる。例示するならば、0nm、3nm、6nm、9nm・・・の地点しかパターンを認識できない分解能3nmの検出器を用いることを予め考慮に入れ、1nmや2nmの地点にはビット略中心を配置せず、3nm、6nm、9nmの地点にビット略中心を配置している。そしてそれを、原盤の作製段階において行うことに本実施形態の特徴がある。
【0058】
そして、上述の条件においては、データパターン21’の検出を開始するタイミング合わせの基準となる同期信号検出部221bをスタート地点として、同期信号検出部221bに最も近いビット略中心までの距離を、検出器における分解能の自然数倍としている。こうすることにより、上述の例示が如く、データ転びが起きないようなビット配置とすることができる。
それに加え、下記条件を満たすことにより、データ部21全体において、データ転びの発生を抑制することができる。
【0059】
[条件2]
各々のトラック内において、前記データ部21内のビット略中心から、該ビットと隣接して形成された別のビット略中心までの距離を、検出器における分解能の自然数倍とする。
【0060】
まず、条件1を満たすことによって、同期信号検出部221bに最も近いビットは、データ転びのおそれが抑制されている。その上で条件2に従って、このデータ転びが抑制されたビット略中心から、該ビットと隣接して形成された別のビット略中心までの距離を、検出器における分解能の自然数倍とする。
こうすることにより、データ部21内における全てのビットについても、データ転びが起きないようなビット配置とすることができる。そして上述のように、データ部21全体にて同様な配置とすれば、データ部21全体においてデータ転びを抑制することができる。
【0061】
なお、上記「自然数倍」の臨界値についても述べる。
下限値についてであるが、ビットの径に応じて、互いに隣接するビットが一定の距離を確保できる程度の倍数ならば良い。例えば、ビット径が10nm、分解能が2nmである場合、データパターン21’の形態を1ビットごとに径方向及び周方向に分離するためにも、ビット略中心間距離は、分解能の5倍以上の自然数倍とした方が良い。
上限値についてであるが、1つのトラックにおけるデータ部21の幅(同心円状トラックの場合はデータ部21の周長)に応じて、所定の情報を記録できる程度の数のビットを形成できる程度の倍数ならば良い。
【0062】
(その他の部分)
上記以外の部分としては、データパターン21’とサーボパターン22’との間に、半径方向につながった略放射状の凸パターンからなる緩衝パターン等を設けることも考えられるが、本実施形態の効果を損なわない限り特に制限はなく、目的に応じて上記以外の部分を適宜選択することができる。
【0063】
(トラック変化によるパターン周期の変化)
上述の通り、同心円状トラックにおいて、1つのトラック内においては、上記の2つの条件を満たすことにより、最終的に磁気記録媒体でデータ転びを抑制することができる。
ところが、同心円状に複数のトラックを形成する場合、外周又は内周側のトラックは円周長が変化する。そして、ビット状のパターンを作製する場合、ビット略中心の位置のクロックを、各トラックにおいて一定にするのが非常に好ましい。
【0064】
具体的には、図4に示すように、トラック間の距離(TP)から、トラックの径が拡大されたことに伴うビット周期のずれ(ΔBP)を求める。
但し、ΔBP=BP0*TP/r
r:トラックT0の半径
BP0:トラックT0のビット周期
である。
【0065】
そして、或るトラック(T0)と、該トラックから外周方向に向かって次のトラック(T1)との間のΔBPが分解能の自然数倍となるよう、ビット略中心の位置を決定する。
こうすることにより、最終的な磁気記録媒体において、例えトラック位置が変わろうとも、確実に検出器が正しい位置にて読み書き等を行うことができる。そしてひいては、データ転びを同心円状のトラック全てにおいて抑制することができる。
【0066】
以上が、本実施形態に係る原盤の構成についての説明である。
以下、この原盤を作製するのに用いられる電子ビーム露光装置について説明する。
【0067】
<2.電子ビーム露光装置の基本構成>
図5は、本発明の実施の形態に係る電子ビーム露光装置の構成例を示す概略図である。図示した電子ビーム露光装置1は、大きくは、電子ビームを発生する電子ビーム発生部2と、この電子ビーム発生部2で発生させた電子ビームを制御する電子ビーム制御系3と、露光の対象となる基板4を支持するステージ機構5と、このステージ機構5の駆動を制御するステージ制御系6とを備えている。
【0068】
なお、本実施形態においては、電子ビーム発生部2と電子ビーム制御系3とを合わせて「露光手段」としている。この露光手段によって、電子ビームを照射して、前記サーボ領域の基となるサーボパターン22’に対応した形状の露光を前記基板上のサーボ部22に行い、且つ、前記データ領域の基となるデータパターン21’に対応した形状の露光を前記基板上のデータ部21に行うことになる。
【0069】
また、ステージ機構5とステージ制御系6と合わせて「移動手段」としている。この移動手段によって、一主面上に感光膜が形成された基板を保持しつつ、基板4の主面上における電子ビームの照射位置を当該基板4に対して相対的に移動させることになる。
【0070】
なお、本実施形態においてはr−θ系の回転ステージを用いるため、ステージ機構5は「移動手段」(XYZ軸に移動可能)と「回転手段」(r−θ軸に移動可能)とを兼ねている。また、ステージ制御系6は、電子ビームの照射位置を被照射体となる基板4に対して相対的に移動させる機能を有する。これに加え、ステージ制御系6は、この「回転手段」の駆動を制御する「回転制御手段」である。
【0071】
更に、本実施形態に係る電子ビーム露光装置は、上記の構成に対して所望の動作をさせるべく、所望の数値や動作パターンのようなデータを入力するインターフェイス20を加えた構成となっている。このインターフェイス20は、構成の一つとして、後述する「分解能入力手段」を備えている。
以下、このインターフェイス20に入力されたデータに応じて動作させる各部の構成についてまずは説明する。
【0072】
(電子ビーム発生部)
電子ビーム発生部2は、電子ビームの発生源となる電子銃7を用いて構成してある。電子銃7は、ステージ機構5に支持された基板4と対向する状態に配置してある。電子銃7は、電子ビームを下向きに発生するものとなっている。
なお、電子ビームを基板4に照射する際の照射形状は、本実施形態においては平面視円形としている。つまり、線状のパターンを形成する際には、ステージ機構5により基板4を回転させながら基板4上のレジストに電子ビームを照射し続け、線状の露光を行う。そして、円形ビット形状に露光する場合は、瞬間的に電子ビームを照射する。
【0073】
(電子ビーム制御系)
電子ビーム制御系3は、たとえば、図示のように集束レンズ8と、ブランキング電極9と、アパーチャ10と、対物レンズ11と、偏向器12とを有している。
【0074】
集束レンズ8は、電子銃7から出射された電子ビームのビーム径の広がりを抑制するものである。集束レンズ8は、電子銃7から基板4に至る電子ビームの軌道上において、電子銃7とブランキング電極9との間に配置してある。
【0075】
ブランキング電極9は、電子ビームの下流側への進行を制御するものである。ブランキング電極9は、ブランキングするとき(即ちブランキング電極9をONにするとき)は電子ビームをアパーチャ10で遮るように電子ビームの進行を制御する。一方、ブランキングしないとき(即ちブランキング電極9をOFFにするとき)は電子ビームをアパーチャ10の開口部13に通すように電子ビームの進行を制御する。ブランキング電極9は、電子銃7から基板4に至る電子ビームの軌道上において、集束レンズ8とアパーチャ10との間に配置してある。
【0076】
アパーチャ10は、電子ビーム露光処理に際して、不要な電子ビーム成分を遮断する機能を果たすものである。アパーチャ10は、不要な電子ビーム成分を遮断し、かつ必要な電子ビーム成分を通過させるための開口部13を一体に有している。アパーチャ10は、電子銃7から基板4に至る電子ビームの軌道上において、ブランキング電極9と対物レンズ11(偏向器12)との間に配置してある。
【0077】
対物レンズ11は、アパーチャ10の開口部13を通過した電子ビームのビーム径を絞るものである。対物レンズ11は、電子銃7から基板4に至る電子ビームの軌道上において、アパーチャ10とステージ機構5との間に配置してある。
【0078】
偏向器12は、アパーチャ10の開口部13を通過した電子ビームの向き(進行方向)を変えるものである。偏向器12は、電子銃7から基板4に至る電子ビームの軌道上において、前述した対物レンズ11とともに、アパーチャ10とステージ機構5との間に配置してある。
なお、本実施形態においては、電子ビーム制御系の内、少なくともブランキング電極9を含む部分であって、電子ビームを偏向させることに関係する部分が「電子ビーム偏向手段」となる。
【0079】
(ステージ機構)
ステージ機構5は、回転ステージ14と、直動ステージ15とを用いて構成してある。回転ステージ14及び直動ステージ15は、前述したr−θ系のステージを構成している。
【0080】
回転ステージ14は、基板4を水平に保持するとともに、保持した基板4を回転させるものである。回転ステージ14は、たとえば、図示しないスピンドルモータ等の駆動源を
用いて回転する仕組みになっている。回転ステージ14は、基板4を保持しつつ当該基板4を回転させる回転手段の一例として設けてある。
なお、本実施形態においては、この回転ステージ14が「回転手段」となる。
【0081】
直動ステージ15は、水平面に平行な一軸方向(以下、「水平方向」と記す)に直線的に移動するものである。直動ステージ15は、回転ステージ14及びこれに保持した基板4と一体になって水平方向に移動する。直動ステージ15は、回転ステージ14で保持した基板4を、この基板4の半径方向と平行な方向に移動させる移動手段の一例として設けてある。
【0082】
(ステージ制御系)
ステージ制御系6は、回転ステージ14を制御する回転ステージ制御部16と、直動ステージ15を制御する直動ステージ制御部17とを有している。
【0083】
回転ステージ制御部16は、回転ステージ14の駆動を制御するものである。更に詳述すると、回転ステージ制御部16は、たとえば、回転ステージ14の回転・停止といった基本的な動作に加えて、回転ステージ14の回転速度及び回転方向の制御を行う。ここで記述する回転ステージ14の回転速度は、単位時間当たりの回転数(単位;rpm)で表されるものである。回転ステージ14は、回転ステージ14の回転方向の現在位置(回転位相)を、たとえば、電子ビーム露光装置1が備える図示しない回転位置検知センサを用いて認識する。
なお、本実施形態においては、この回転ステージ制御部16が「回転制御手段」となる。
【0084】
直動ステージ制御部17は、直動ステージ15の駆動を制御するものである。更に詳述すると、直動ステージ制御部17は、たとえば、直動ステージ15の移動・停止といった基本的な動作に加えて、直動ステージ15の移動速度及び移動方向の制御を行う。回転ステージ制御部16は、直動ステージ15の移動方向の現在位置を、たとえば、電子ビーム露光装置1が備える図示しない移動位置検知センサを用いて認識する。
【0085】
<3.電子ビーム露光装置の基本動作>
次に、本発明の実施の形態に係る電子ビーム露光装置1の基本動作について説明する。
【0086】
まず、回転ステージ14の上に基板4を載せて固定する。このとき、回転ステージ14の回転中心と基板4の物理的な中心Cpとが一致するように、基板4を位置決めする。また、レジスト膜18が上を向くように(レジスト膜18が電子銃7と対向するように)基板4を水平に配置する。
【0087】
次に、必要に応じて、予め設定されたイニシャライズ処理(たとえば、回転ステージ14の回転方向の基準位置を検知するための処理や、直動ステージ15の移動方向の基準位置を検知するための処理など)を行う。各々の基準位置は、たとえば、前述した回転位置検出センサ及び移動位置検知センサを用いて検知されるものである。
【0088】
次に、回転ステージ14に保持した基板4を予め決められた初期位置に配置し、そこで回転ステージ14の駆動により基板4を回転させる。そして、基板4の回転速度が予め決められた速度で安定したら、予め決められたタイミングで電子ビーム露光を開始する。そのときの様子を図6に示す。
【0089】
電子ビーム露光においては、電子銃7から出射した電子ビームを集束レンズ8で集束させるとともに、集束された電子ビームの進行をブランキング電極9で制御して、アパーチ
ャ10の開口部13に電子ビームを通す。更に、アパーチャ10を通過した電子ビームのビーム径を対物レンズ11で絞るとともに、その電子ビームの向きを偏向器12で制御する。
【0090】
これにより、基板4上に形成してあるレジスト膜18は、回転ステージ14の回転駆動によって同心円状に露光される。また、直動ステージ15の駆動によって基板4を水平方向に移動(微動)し、この移動にあわせて同心円状の露光を基板4の1回転ごとに繰り返すことにより、レジスト膜18の有効領域19全体が露光される。ただし、基板4が1回転する間に行われる同心円状の露光では、所望するピットパターンにあわせて電子ビームの照射のオンオフを切り替えるように制御する。この切り替えはブランキング電極9を用いて行う。
【0091】
なお、本実施形態においては、サーボ部22の一部においては線状のパターンが形成されるように電子ビームを基板4に露光する。そして、サーボ部22の他の部分及びデータ部21においては円形状のビットからなるパターンが形成されるように電子ビームを基板4に露光する。
【0092】
<4.電子ビーム露光装置の制御方法(電子ビーム露光方法を含む)>
次に、本発明の実施の形態に係る電子ビーム露光方法を含めて、電子ビーム露光装置1の制御方法を説明する。
【0093】
電子ビーム露光は、上述のインターフェイス20に入力されたデータに基づき、前述したとおり回転ステージ14の駆動により基板4を回転させながら行う。このとき、回転ステージ制御部16は、たとえば露光ビームの線速が一定になるように回転ステージ14の駆動を制御する。線速一定とすることにより、パターンの認識開始部分からの距離の制御を行いやすい。その結果、より確実にデータ転びが抑制された原盤を作製することができる。
【0094】
ここで、本実施形態において、インターフェイス20は「分解能入力手段」でもある。最終的に製造される磁気記録媒体上にて、トラック位置を検出するためのサーボ領域のサーボ信号と、情報の記録を行うためのデータ領域の情報と、を検出するために別途用いられる検出器の分解能を、この分解能入力手段へと入力する。
【0095】
そして、分解能入力手段であるインターフェイス20に入力された分解能における数値は、電子ビームを発生する電子ビーム発生部2と、この電子ビーム発生部2で発生させた電子ビームを制御する電子ビーム制御系3と、露光の対象となる基板4を支持するステージ機構5と、このステージ機構5の駆動を制御するステージ制御系6とに伝達される。言い換えるなら、分解能における数値は、露光手段、移動手段、回転手段、回転制御手段へと伝達される。
【0096】
分解能における数値が各構成に伝達された上で、この数値を考慮に入れつつ、上述の条件1に対応する露光を行う。
即ち、各々のトラックのサーボ部22からデータ部21に向かう方向において、データパターン21’の検出を開始するタイミング合わせの基準となるサーボパターン22’から、サーボ部22に最も近いデータパターン21’までの距離が、前記分解能入力手段に入力された分解能の自然数倍となるように、前記移動手段により前記基板4を移動させながら前記露光手段による露光を行う。
【0097】
そして、条件1と同様に、上述の条件2に対応する露光を行う。
即ち、データ部21内のデータパターン21’から、該データパターン21’と隣接し
て形成された別のデータパターン21’までの距離が、前記分解能入力手段に入力された分解能の自然数倍となるように、前記移動手段により前記基板4を移動させながら前記露光手段による露光を行う。
【0098】
具体的には、各々のトラック内において、データパターン21’の検出を開始するタイミング合わせの基準となるサーボパターン22’から、前記データ部21内において前記サーボ部22に最も近いビットの略中心までの距離が、検出器における分解能の自然数倍となる部分に電子ビームを照射し、且つ、各々のトラック内において、該ビットの略中心から、該ビットと隣接して形成された別のビットの略中心までの距離が、検出器における分解能の自然数倍となる部分に電子ビームを照射する。
【0099】
この際、本実施形態ではポジ型レジストを用いていることから、電子ビーム偏向手段(ブランキング電極9)を利用して、以下のような露光を行っても良い。即ち、分解能における数値は、電子ビーム制御系を介して電子ビーム偏向手段にも伝達する。そして、上述の2つの条件を満たす場所におけるレジストに対し電子ビームが露光されるよう、ブランキング電極をOFFにする。それ以外の場所においてはブランキング電極9をONとし、レジストに電子ビームが露光されないようにしても良い。
【0100】
なお、上述のようにレジストに対して電子ビームを露光した後は、公知の手段を用いて凹凸からなるデータ部21及びサーボ部22を有する原盤を製造することができる。かいつまんで言うと、レジストへの露光後、現像を行い、所定のパターン形状となったレジストパターンを得る。このレジストパターンをマスクにして、レジストの下部の導電層又は直接基板4をエッチングする。導電層を設けている場合は、最終的にこの導電層にも所定のパターンを形成し、最後に基板4へとパターン転写する。そして、レジストパターン(それに加え導電層)を除去し、データパターン21’を有するデータ部21、及びサーボパターン22’を有するサーボ部22を備えた原盤を得る。
【0101】
<5.実施の形態による効果>
本実施形態では、データパターン21’の検出を開始するタイミング合わせの基準となるサーボパターン22’からデータパターン21’までの距離、更には隣り合うデータパターン21’間の距離を、検査装置や磁気記録装置の分解能の自然数倍とする。そして、このデータパターン21’の配置においては、原盤の作製段階から既に、その後に使用する分解能を考慮に入れて原盤上のパターンを作製している。
【0102】
これにより、検査装置や磁気記録装置による位置検出の際、装置の分解能に起因するエラーの発生を抑制できる。更には、磁気記録媒体に対して用いられる検査装置や磁気記録装置のマスタークロックを高くせずとも、データ転びの発生を抑制することができる。また、相対線速度を遅くすることなく、データ転びの発生を抑制することができる。
その結果、製品としての磁気記録媒体の歩留まりを向上させることができ、分解能に起因するエラーのために無駄な時間や労力を費やす必要もなくなる。
【0103】
<6.変形例>
なお、本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
【0104】
まず、基板4の形状であるが、円形基板以外であっても良く、例えば矩形基板や多角形基板、更には半円形状の基板であっても良い。
また、トラックにおいても同心円状ではなく、直線のトラックであっても良いし、同心円以外の曲線のトラックであっても良い。
【0105】
また、本実施形態においては、複数のトラックを有する磁気記録媒体について述べた。その一方、本発明の思想は、当然、1つのトラックの場合にも適用可能である。なお、本実施形態における「各々のトラック」とは、1つのトラックの場合も含む。
【0106】
次に、データパターンについてであるが、本実施形態においては、原盤又はワーキングモールドの凹凸パターン一つ一つが、そのままデータ領域におけるデータパターンに対応する場合について述べた。その一方で、本実施形態の変形例として、凹凸パターン一つ一つはデータパターンにならずとも、複数の凹凸パターンによって初めてデータパターンとなる場合(即ちデータパターンの基礎となるパターン)も挙げられる。
具体的には、ビット状のパターンを形成する場合、4個のビットを1組としてデータパターンとするように、原盤又はワーキングモールドを形成しても良い。つまりこの場合、1個のビットが素パターンとなり、4個のビットによってデータパターンが形成されても良い。
【0107】
また、本実施形態においては円形のビットにより形成されたパターンについて述べたが、矩形のビットによりパターンが形成されても良い。
【0108】
更に、本実施形態においてはビットにより形成されたパターンについて述べたが、データ部21及びサーボ部22におけるパターンは、ビット以外の形状(例えばライン・アンド・スペース即ち線状)のパターンであっても良い。
【0109】
更に、ビット形状のパターンと線状パターンとを混合させたデータ部21やサーボ部22を形成しても良い。特にサーボ部22においては、サーボ部22全体を線状のパターンにより形成しても良いし、サーボ部22の一部のみ(例えばプリアンブル部221のみやその他の部分のみ)をビット状のパターンとしても良い。もちろん、プリアンブル部221内でも、ビット形状のパターンと線状パターンとを混合させても良い。
【0110】
なお、データ部21のパターンを線状とする場合のパターン配置であるが、データ転びが発生しないような配置、即ち独立して存在する線状パターンの隣り合う端同士の距離が分解能の自然数倍となる配置とするのが好ましい。
【0111】
ただ、エッチングによるパターン形成の際に、オーバーエッチング等により線状パターンが予想よりも大きくなってしまう、又は位置が変動してしまう可能性がある。
一方、その場合であっても、データ転びが発生しない程度に配置が変化していても、本発明の思想を適用しうる。
【0112】
例えば図1において、分解能が2nm、且つx=0nmの地点で検出器がパターン検出を開始するという状況で、x=2nm〜6nmの位置まで線状パターンを作製するはずがx=1.9nm〜4.1nmの位置までの線状パターンを形成する場合について考える。この場合、分解能の自然数倍であるx=2nm及び4nmの地点にはパターンが存在し、x=0nm及び6nmの地点にはパターンが存在しないことから、データの転びは抑制される。その結果、この場合であっても、本発明の思想を適用しうる。
【0113】
上記の内容は、本実施形態で述べたビットの略中心についても同様である。即ち、ビット径が4nm、分解能が2nm、且つx=0nmの地点から検出器がパターン検出を開始するという状況で、本来x=6nmの地点にビットの中心を配置しなければならないところ、ビットの中心が5.5nm<x<6.5nmの範囲内の地点に配置されたとしても、データ転びの恐れはある程度抑制できる。そのため、本実施形態における「ビットの略中心」とは、「検出器によって本来認識されるべき地点でビットが認識される程度、ビット
中心に近いビット内の部分」のことである。
【0114】
次に、本実施形態だと、同心円状の各トラック内での円周方向において、サーボ部22においては、プリアンブル部221、アドレス部222、及びバースト部223が、この配置順で構成されている。その一方で、検出器において正常に検出できるのならば、サーボ部22はこの順番の配置でなくとも良い。
【0115】
また、これらの部分のうち、少なくともプリアンブル部221の同期信号生成部221a及び同期信号検出部221bさえあれば良い。本実施形態においては、この同期信号生成部221aのおかげで、分解能の自然数倍の間隔を空けてパターンを形成できるためである。また、同期信号検出部221bのおかげで、データパターン21’の検出を開始するタイミング合わせを行うことができるためである。
【0116】
更に、本実施形態においては同期信号生成部221aと同期信号検出部221bとをひとまとまりにしてプリアンブル部221を設けているが、両者を分離してプリアンブル部221を形成しても良い。つまり、各トラック内での円周方向において、同期信号生成部221a→アドレス部222→バースト部223→同期信号検出部221b→データパターン21’という順番としても良い。
【0117】
また、本実施形態で記載したように、同期信号検出部221bとデータ部21との間にアドレス部222やバースト部223を設けても勿論良いし、データパターン21’の検出を開始するタイミング合わせを行う部分をバースト部223が兼ねても良い。
【0118】
結局のところ、データパターン21’の検出を開始するタイミング合わせを行う部分から、データ部21におけるパターンまでの距離が、その後に用いられる検出器の分解能の自然数倍であれば、データ部21及びサーボ部22はどのような配置関係であっても構わない。
【0119】
更に言うと、各々のトラックのサーボ部からデータ部に向かう方向において前記サーボ部に最も近いデータパターンそのものを、データパターンの検出を開始するタイミング合わせのパターンとしても良い。つまり、データパターンそのものをタイミング合わせのパターンと設定できるのならば、上記の条件(1)を適用せずとも良い。
【0120】
次に、本実施形態においてはポジ型レジストを用いた場合について述べたが、ネガ型レジストを用いても良い。ネガ型レジストを用いた場合は、電子ビームの照射によって露光された部分が、現像後も除去されずに残ることになる。つまり、原盤となる基板上には、ビット状のレジスト層が形成されることとなり、ひいては基板には円柱状のビットが形成されることになる。
【0121】
また、最終的に作製される磁気記録媒体の構成(磁性体及び非磁性体)に合わせて、この円柱状のビットが形成された原盤から直接、磁気記録媒体を作製しても良い。また、パターンを一度反転させるためにこの原盤からワーキングモールドを作製し、このワーキングモールドから磁気記録媒体を作製しても良い。
【0122】
次に、本実施形態においては、分解能入力手段であるインターフェイス20に入力された分解能における数値を、露光手段、移動手段、回転手段、回転制御手段へと伝達した。その一方で、上述の2つの条件を満たして基板4上に露光が行えるのならば、これらの内の一部にのみ、分解能における数値を伝達しても良い。例えば、露光手段(特に電子ビーム偏向手段)にのみ分解能における値を伝達し、移動手段、回転手段及び回転制御手段においては一定動作を行わせる、という露光装置も考えられる。この場合、電子ビーム偏向手段のみに分解能を伝達すれば良いので、装置の簡略化を図ることができ、ひいては製造コストの減少をもたらすことができる。
【0123】
また、電子ビームの露光の順番であるが、基板4の半径方向において、電子ビーム露光は、基板4の内周側から外周側に向けて行っても良いし、逆に、基板4の外周側から内周
側に向けて行っても良い。つまり、本発明を実施するにあたって、レジスト膜18の有効領域19に対する電子ビーム露光の順序は任意に変更可能である。
【0124】
また、上記実施の形態においては、移動手段の一例として、回転ステージ14を搭載した直動ステージ15を挙げたが、これに限らず、例えば、直線状に凹凸パターンを配する場合等、r−θステージの代わりに、X−Yステージを用いても良い。
【0125】
更に、この移動手段は、電子ビーム発生部2及び電子ビーム制御系3を移動させるものであっても良い。すなわち、基板4の一主面上で電子ビームの照射位置を基板4の半径方向と平行な方向に移動させる移動手段としては、基板4側を移動させるものでも良いし、電子ビーム側を移動させるものでも良いし、それら両方を移動させるものでも良い。また、電子ビームの移動は、電子ビームを偏向して行うものでも良い。
【0126】
また、上記実施の形態で採用した電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法は、それぞれ、DTR技術に用いられる基板(ディスク原盤、スタンパ原盤など)の製造装置及び製造方法として適用することが可能であり、更に当該製造装置及び製造方法を本発明の一つの態様として抽出することも可能である。
【符号の説明】
【0127】
1 電子ビーム露光装置
2 電子ビーム発生部
3 電子ビーム制御系
4 基板
5 ステージ機構
6 ステージ制御系
7 電子銃
8 集束レンズ
9 ブランキング電極
10 アパーチャ
11 対物レンズ
12 偏向器
13 開口部
14 回転ステージ
15 直動ステージ
16 回転ステージ制御部
17 直動ステージ制御部
18 レジスト膜
19 レジスト膜の有効領域
20 インターフェイス
21 データ部
21’ データパターン
22 サーボ部
22’ サーボパターン
221 プリアンブル部
221a 同期信号生成部
221b 同期信号検出部
222 アドレス部
223 バースト部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ部とサーボ部とが基板上に形成され、磁気記録媒体又はそれを製造するために用いられるワーキングモールドをインプリントにより製造する際に用いられる原盤において、
前記データ部は、磁気記録媒体において情報の記録を行うためのデータ領域の基となるデータパターンが形成された部分であり、
前記サーボ部は、磁気記録媒体においてデータ領域のトラック位置及び/又はパターン位置を特定するためのサーボ領域の基となるサーボパターンが形成された部分であり、
前記データパターンは以下の条件(1)及び(2)を満たすように前記データ部内に配置されていることを特徴とする原盤。
(1)各々のトラックのサーボ部からデータ部に向かう方向において、データパターンの検出を開始するタイミング合わせの基準となるサーボパターンから、前記サーボ部に最も近いデータパターンまでの距離が、検出器における分解能の自然数倍である。
及び、
(2)各々のトラック内において、前記データ部内のデータパターンから、該データパターンと隣接して形成された別のデータパターンまでの距離が、検出器における分解能の自然数倍である。
但し、前記データパターンは、データパターンそのものに加え、データパターンの基礎となるパターンも含む。そして、前記検出器は、前記磁気記録媒体製造中ないし製造後に用いられる検出器であって、前記磁気記録媒体のサーボ領域におけるサーボ信号及びデータ領域における情報を検出する検出器である。
【請求項2】
前記データパターンはビットにより形成されたことを特徴とする請求項1に記載の原盤。
【請求項3】
複数のトラックが同心円状に形成されるとともに、各々のトラックにおいて少なくとも前記データ部のデータパターンの形態が1ビットごとに径方向及び周方向に分離されていることを特徴とする請求項2に記載の原盤。
【請求項4】
各々のトラック内において、データパターンの検出を開始するタイミング合わせの基準となるサーボパターンから、前記サーボ部に最も近いビットの略中心までの距離が、前記検出器における分解能の自然数倍であり、
各々のトラック内において、周方向で隣り合うビットの中心間距離が、前記検出器における分解能の自然数倍であることを特徴とする請求項3に記載の原盤。
【請求項5】
データ部とサーボ部とが基板上に形成され、磁気記録媒体又はそれを製造するために用いられるワーキングモールドをインプリントにより製造する際に用いられる原盤において、
前記データ部は、磁気記録媒体において情報の記録を行うためのデータ領域の基となるデータパターンが形成された部分であり、
前記サーボ部は、磁気記録媒体においてデータ領域のトラック位置及び/又はパターン位置を特定するためのサーボ領域の基となるサーボパターンが形成された部分であり、
複数のトラックが同心円状に形成されるとともに、各々のトラックにおいて少なくとも前記データ部のデータパターンの形態が平面視円形状の1ビットごとに径方向及び周方向に分離されており、以下の条件(1)及び(2)を満たすように前記データ部内に前記ビットが配置されていることを特徴とする原盤。
(1)各々のトラックのサーボ部からデータ部に向かう方向において、データパターンの検出を開始するタイミング合わせの基準となるサーボパターンから、前記サーボ部に最も近い前記ビットの略中心までの距離が、検出器における分解能の自然数倍である。
及び、
(2)各々のトラック内において、周方向で隣り合うビットの中心間距離が、検出器における分解能の自然数倍である。
但し、前記データパターンは、データパターンそのものに加え、データパターンの基礎となるパターンを含む。そして、前記検出器は、前記磁気記録媒体製造中ないし製造後に用いられる検出器であって、前記磁気記録媒体のサーボ領域におけるサーボ信号及びデータ領域における情報を検出する検出器である。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の原盤からインプリントにより製造されたことを特徴とするワーキングモールド。
【請求項7】
磁気記録媒体又はそれを製造するために用いられるワーキングモールドをインプリントにより製造する際に用いられる原盤であって、データ部とサーボ部とを基板上に有する原盤の製造方法において、
前記データ部は、磁気記録媒体において情報の記録を行うためのデータ領域の基となるデータパターンが形成された部分であり、
前記サーボ部は、磁気記録媒体においてデータ領域のトラック位置及び/又はパターン位置を特定するためのサーボ領域の基となるサーボパターンが形成された部分であり、
以下の条件(1)及び(2)を満たすように電子ビームの露光を行うことを特徴とする原盤の製造方法。
(1)各々のトラックのサーボ部からデータ部に向かう方向において、データパターンの検出を開始するタイミング合わせの基準となるサーボパターンから、前記サーボ部に最も近いデータパターンまでの距離が、検出器における分解能の自然数倍とする。
及び、
(2)各々のトラック内において、前記データ部内のデータパターンから、該データパターンと隣接して形成された別のデータパターンまでの距離を、検出器における分解能の自然数倍とする。
但し、前記データパターンは、データパターンそのものに加え、データパターンの基礎となるパターンを含む。そして、前記検出器は、前記磁気記録媒体製造中ないし製造後に用いられる検出器であって、前記磁気記録媒体のサーボ領域におけるサーボ信号及びデータ領域における情報を検出する検出器である。
【請求項8】
請求項7に記載の製造方法により製造された原盤からインプリントによりワーキングモールドを製造することを特徴とするワーキングモールドの製造方法。
【請求項9】
磁気記録媒体又はそれを製造するために用いられるワーキングモールドをインプリントにより製造する際に用いられる原盤を製造するための電子ビーム露光装置において、
前記磁気記録媒体上にて、データ領域のトラック位置及び/又はパターン位置を検出するためのサーボ領域のサーボ信号と、情報の記録を行うためのデータ領域の情報と、を検出するために別途用いられる検出器の分解能を入力する分解能入力手段と、
一主面上に感光膜が形成された基板を保持しつつ、前記基板の主面上における電子ビームの照射位置を当該基板に対して相対的に移動させる移動手段と、
電子ビームを照射して、前記サーボ領域の基となるサーボパターンに対応した形状の露光を前記基板上のサーボ部に行い、且つ、前記データ領域の基となるデータパターンに対応した形状の露光を前記基板上のデータ部に行う露光手段と、
を備え、
以下の条件(1)及び(2)を満たすように電子ビームの露光を行うことを特徴とする電子ビーム露光装置。
(1)各々のトラックのサーボ部からデータ部に向かう方向において、データパターンの検出を開始するタイミング合わせの基準となるサーボパターンから、サーボ部に最も近い
データパターンまでの距離が、前記分解能入力手段に入力された分解能の自然数倍となるように、前記移動手段により前記基板を移動させながら前記露光手段による露光を行う。及び、
(2)各々のトラック内において、データ部内のデータパターンから、該データパターンと隣接して形成された別のデータパターンまでの距離が、前記分解能入力手段に入力された分解能の自然数倍となるように、前記移動手段により前記基板を移動させながら前記露光手段による露光を行う。
但し、前記データパターンは、データパターンそのものに加え、データパターンの基礎となるパターンも含む。
【請求項10】
前記データパターンはビットであることを特徴とする請求項9に記載の電子ビーム露光装置。
【請求項11】
一主面上に感光膜が形成された基板を保持しつつ当該基板を回転させる回転手段と、
前記回転手段の駆動を制御する回転制御手段と、
を更に備え、
複数のトラックが同心円状に形成されるとともに、各々のトラックにおいて少なくとも前記データ部のデータパターンの形態が1ビットごとに径方向及び周方向に分離されていることを特徴とする請求項10に記載の電子ビーム露光装置。
【請求項12】
前記露光手段から照射される電子ビームを偏向する電子ビーム偏向手段を更に備え、
前記電子ビーム偏向手段により、
各々のトラック内において、データパターンの検出を開始するタイミング合わせの基準となるサーボパターンから、前記データ部内において前記サーボ部に最も近いビットの略中心までの距離が、検出器における分解能の自然数倍となる部分に電子ビームを照射し、且つ、
各々のトラック内において、該ビットの略中心から、該ビットと隣接して形成された別のビットの略中心までの距離が、検出器における分解能の自然数倍となる部分に電子ビームを照射することを特徴とする請求項10又は11に記載の電子ビーム露光装置。
【請求項13】
前記露光手段による電子ビームの照射は、前記移動手段によって線速一定に行うことを特徴とする請求項9ないし12のいずれかに記載の電子ビーム露光装置。
【請求項14】
磁気記録媒体又はそれを製造するために用いられるワーキングモールドをインプリントにより製造する際に用いられる原盤を製造するための電子ビーム露光装置において、
一主面上に感光膜が形成された基板を保持しつつ当該基板を回転させる回転手段と、
前記回転手段で保持した基板の主面上で電子ビームの照射位置を当該基板の半径方向と平行な方向に移動させる移動手段と、
前記回転手段の駆動を制御する回転制御手段と、
前記磁気記録媒体上にて、情報の記録を行うためのデータ領域の情報と、データ領域のトラック位置及び/又はパターン位置を検出するためのサーボ領域のサーボ信号とを検出するために別途用いられる検出器の分解能を入力する分解能入力手段と、
電子ビームを照射して、前記サーボ領域の基となるサーボパターンに対応した形状の露光を前記基板上のサーボ部に行い、且つ、前記データ領域の基となるデータパターンに対応したビット形状の露光を前記基板上のデータ部に行う露光手段と、
を備え、
前記回転制御手段によって、前記電子ビームの照射位置における前記基板の線速が一定となる条件で前記基板の回転速度を変化させながら、以下の条件(1)及び(2)を満たすように電子ビームの露光を行うことを特徴とする電子ビーム露光装置。
(1)各々のトラックのサーボ部からデータ部に向かう方向において、データパターンの
検出を開始するタイミング合わせの基準となるサーボパターンからサーボ部に最も近いビットの略中心までの距離が、前記分解能入力手段に入力された分解能の自然数倍となる部分に対し、前記電子ビーム偏向手段により電子ビームが照射されるように、前記回転手段及び前記移動手段により前記基板を移動させながら前記露光手段による露光を行う。
及び、
(2)データ部内において周方向で隣り合うビットの中心間距離が、前記分解能入力手段に入力された分解能の自然数倍となる部分に対し、前記電子ビーム偏向手段により電子ビームが照射されるように、前記回転手段及び前記移動手段により前記基板を移動させながら前記露光手段による露光を行う。
但し、前記データパターンは、データパターンそのものに加え、データパターンの基礎となるパターンも含む。
【請求項15】
磁気記録媒体又はそれを製造するために用いられるワーキングモールドをインプリントにより製造する際に用いられる原盤を製造するための電子ビーム露光方法において、
前記磁気記録媒体上にて、情報の記録を行うためのデータ領域の情報と、データ領域のトラック位置及び/又はパターン位置を検出するためのサーボ領域のサーボ信号と、を検出するために別途用いられる検出器の分解能を入力する分解能入力工程と、
一主面上に感光膜が形成された基板を保持しつつ、前記基板の主面上における電子ビームの照射位置を当該基板に対して相対的に移動させる移動工程と、
電子ビームを照射して、前記サーボ領域の基となるサーボパターンに対応した形状の露光を前記基板上のサーボ部に行い、且つ、前記データ領域の基となるデータパターンに対応した形状の露光を前記基板上のデータ部に行う露光工程と、
を備え、
以下の条件(1)及び(2)を満たすように電子ビームの露光を行うことを特徴とする電子ビーム露光方法。
(1)各々のトラックのサーボ部からデータ部に向かう方向において、データパターンの検出を開始するタイミング合わせの基準となるサーボパターンから、サーボ部に最も近いデータパターンまでの距離が、前記分解能入力工程にて電子ビーム露光装置に入力された分解能の自然数倍となるように、前記移動工程により前記基板を移動させながら前記露光工程によって露光を行う。
及び、
(2)各々のトラック内において、データ部内のデータパターンから、該データパターンと隣接して形成された別のデータパターンまでの距離が、前記分解能入力工程にて入力された分解能の自然数倍となるように、前記移動工程により前記基板を移動させながら前記露光工程によって露光を行う。
但し、前記データパターンは、データパターンそのものに加え、データパターンの基礎となるパターンも含む。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−94224(P2012−94224A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242799(P2010−242799)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】