説明

原稿照明ユニット、原稿読取装置、および画像形成装置

【課題】原稿照明ユニットの薄型化および照明効率の向上を図る。
【解決手段】X方向に配列された複数の発光素子4から放射した光を、導光体1の入射面3から入射、伝播させ、その一部を、入射面3と対向する出射面9から射出したのちに、対向レフ板11で反射して原稿台10上の被読取領域Aを照明する(光線23〜25)とともに、導光体1の水平面5の発光素子4に近い側に、偏向反射面6を、水平面7の発光素子4から遠い側に、偏向反射面8を設け、導光体1内に入射、伝播させた光の一部を、偏向反射面8にて反射したのち水平面5を透過させて被読取領域Aを照明し(光線22)、かつ、導光体1内に入射、伝播させた光の一部を、偏向反射面6にて反射させた後、偏向反射面8にて反射させ、水平面5を透過させて被読取領域Aを照明する(光線21)原稿照明ユニット20である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿照明ユニット、原稿読取装置および画像形成装置に関する。さらに詳述すると、デジタル複写機やイメージスキャナ等の読み取り装置に使用される原稿照明ユニット、原稿照明ユニットを備えた各種の原稿読取装置、および、原稿読取装置を備えた画像形成装置に関し、この画像形成装置として、複写機、ファクシミリ、プリンタ、およびこれらのいくつかを組み合わせた複合機などに適用可能なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオード(Light Emitting Diode:以下、LEDと称す)の開発が活発に行われている。LED素子の明るさは急激に高まっており、コストも低廉化してきている。LEDは、一般的に長寿命、高効率、高耐G性、単色発光などの利点を有しており、多くの照明分野への応用が期待されている。
【0003】
その用途の一つとして、デジタル複写機やイメージスキャナのような画像読み取り装置の原稿照明ユニット(原稿照明装置)がある。例えば、白色発光型のLED素子における発光スペクトルは可視域の波長帯をカバーしており、カラー画像読み取り装置の原稿照明ユニットにも使用することができる。このため、白色LEDを用いた多種多様な原稿照明ユニットが提案されている。
【0004】
LEDを光源とした読取照明系においては、従来、導光体を原稿台に対して斜めに配置する構成方式が採られていたが、この方式では、原稿台と垂直な方向に薄く構成する(省スペース化)ことが難しい。これに対し、導光体を原稿台と水平に配置すると、装置の厚さを薄くして、省スペース化を図ることが可能となる。
【0005】
しかし、導光体を原稿台と水平に配置する場合には、導光体の端部から光を放射して原稿台上の読取り領域に光を導かなければならない。例えば、特許文献1には、導光板90の光放射端側の面に傾きを設け、光路を原稿読取り位置方向に偏向する構成が開示されている(図17)。
【0006】
また、特許文献2には、省スペース化を目的とした画像読取装置が開示されている(図18)。さらに、特許文献3には、複数の導光経路を形成できると共に原稿への照射光の照射位置の位置合わせが容易な画像読取装置が開示されている(図19)。
【0007】
一方、特許文献4には、LEDチップの光を多層構造の薄型導光体に光結合し、ひとつの層に設けた微細な凹凸形状の構造体によって、導光体の上部に光を漏洩し、その上部を照明する照明装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1のように、導光板の光放射端側の面に傾きを設けると、その傾斜反射面(図17の符号91)を確保するために導光体が厚くなってしまうという問題がある。また、特許文献2では、LEDユニット92や導光体90が2つ必要(2灯対向照明)となりコストが高くなる、また、光出射面側で導光体をやや厚くする必要があるという問題があった。また、特許文献3も同様に、導光体90の出射面側を上側に突出させる必要があり、導光体90が厚くなってしまうという問題があった。
【0009】
このように、従来、導光体を十分に薄くして、原稿照明ユニットの薄型化(省スペース化)を図ることはできなかった。また、特許文献4によれば、導光体を薄く構成することが可能であるが、漏洩した光は導光体を配置した領域の上面を照射するものであり、導光体が配置されていない斜め上方向領域を照明することはできないという問題があった。
【0010】
そこで本発明は、原稿照明ユニットの薄型化および照明効率の向上を図ることができる原稿照明ユニット、原稿読取装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するため、本発明に係る原稿照明ユニットは、副走査方向をZ方向、主走査方向をX方向、X,Z方向と直交する方向をY方向とし、X方向の長さLx、Y方向の長さLy、Z方向の長さLzとした場合に、Lx>Lz>Lyの関係を満たす導光体と、該導光体とZ方向において被読取領域を挟んで配置される対向レフ板と、導光体のXZ面と平行に配置され、被読取領域が形成される原稿台と、を有する原稿照明ユニットであって、X方向に配列された複数の発光素子から放射した光を、導光体におけるXY面である入射面から導光体内に入射、伝播させ、その一部を、入射面と対向するXY面である出射面から導光体外に射出したのちに、出射面に対向配置される対向レフ板で反射して原稿台上の被読取領域を照明するとともに、導光体のXZ面のうち、原稿台に近い第1XZ面の発光素子に近い側に、該第1XZ面の他の面よりも入射ないし反射角が大きくなる第1光偏向反射領域を、第1XZ面に対向する第2XZ面の発光素子から遠い側に、該第2XZ面の他の面よりも入射ないし反射角が小さくなる第2光偏向反射領域を設け、発光素子から導光体内に入射、伝播させた光の一部を、第2光偏向反射領域にて反射したのち第1XZ面を透過させて原稿台上の被読取領域を照明し、かつ、発光素子から導光体内に入射、伝播させた光の一部を、第1光偏向反射領域にて反射させた後、第2光偏向反射領域にて反射させ、第1XZ面を透過させて原稿台上の被読取領域を照明するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、原稿照明ユニットの薄型化および照明効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係る原稿照明ユニットの概略断面図(YZ面)である。
【図2】原稿照明ユニットの概略断面図(XZ面)である。
【図3】第1光偏向反射領域を設けない場合の光束の説明図である。
【図4】第3光偏向反射領域を設けない場合の光束の説明図である。
【図5】第3光偏向反射領域を設けた場合の光束の説明図である。
【図6】第1光偏向反射領域における各反射面の傾きを変えた場合の光線の説明図である。
【図7】第2光偏向反射領域における各反射面の傾きを変えた場合の光線の説明図である。
【図8】第2光偏向反射領域の一部拡大図の一例を示す。
【図9】第2光偏向反射領域の一部拡大図の他の例を示す。
【図10】第1光偏向反射領域における光線の説明図である。
【図11】第1光偏向反射領域において傾き方向の異なる反射面を有する場合の光線の説明図である。
【図12】第2光偏向反射領域における光線の説明図である。
【図13】第2光偏向反射領域において傾き方向の異なる面を有する場合の光線の説明図である。
【図14】原稿読取装置の一実施形態を示す概略断面図である。
【図15】原稿読取装置の他の実施形態を示す概略断面図である。
【図16】画像形成装置の概略構成図である。
【図17】従来の画像読取装置の構成例である(特許文献1)。
【図18】従来の画像読取装置の構成例である(特許文献2)。
【図19】従来の画像読取装置の構成例である(特許文献3)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る構成を図1から図16に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0015】
(原稿照明ユニット)
[第1の実施形態]
本実施形態に係る原稿照明ユニットは、副走査方向をZ方向、主走査方向をX方向、X,Z方向と直交する方向をY方向とし、X方向の長さLx、Y方向の長さLy、Z方向の長さLzとした場合に、Lx>Lz>Lyの関係を満たす導光体(導光体1)と、該導光体とZ方向において被読取領域を挟んで配置される対向レフ板(対向レフ板11)と、導光体のXZ面と平行に配置され、被読取領域(原稿読取り領域A)が形成される原稿台(コンタクトガラス10)と、を有する原稿照明ユニット(原稿照明ユニット20)であって、X方向に配列された複数の発光素子(発光素子4)から放射した光を、導光体におけるXY面である入射面(入射面3)から導光体内に入射、伝播させ、その一部を、入射面と対向するXY面である出射面(出射面9)から導光体外に射出したのちに、出射面に対向配置される対向レフ板で反射して原稿台上の被読取領域を照明する(光線23〜25)とともに、導光体のXZ面のうち、原稿台に近い第1XZ面(水平面5)の発光素子に近い側に、該第1XZ面の他の面よりも入射ないし反射角が大きくなる第1光偏向反射領域(偏向反射面6)を、第1XZ面に対向する第2XZ面(水平面7)の発光素子から遠い側に、該第2XZ面の他の面よりも入射ないし反射角が小さくなる第2光偏向反射領域(偏向反射面8)を設け、発光素子から導光体内に入射、伝播させた光の一部を、第2光偏向反射領域にて反射したのち第1XZ面を透過させて原稿台上の被読取領域を照明し(光線22)、かつ、発光素子から導光体内に入射、伝播させた光の一部を、第1光偏向反射領域にて反射させた後、第2光偏向反射領域にて反射させ、第1XZ面を透過させて原稿台上の被読取領域を照明する(光線21)ものである。
【0016】
図1に本実施形態に係る原稿照明ユニット20の概略断面図(YZ面)を示す。原稿照明ユニット20は、原稿の主走査方向に長く延びる所定の読み取り幅の原稿読取り領域を包含する少なくとも所定照明幅に光を照射し、原稿からの反射光を画像読み取り素子によって読み取る原稿読取装置に用いられるものである。
【0017】
図2は、図1に示す原稿照明ユニット20の概略断面図(XZ面)を示している。光源としての発光素子4は、不図示の保持部材を介して実装基板12上にX方向に規則的に離間して複数配置されている。発光素子4としては、例えば、青色発光LED素子を蛍光体でカバーした白色LEDを用いることができる。
【0018】
なお、図2の例では、発光素子4はX方向において等ピッチで配置されているが、X方向における中央部よりも両端側における発光素子の配置間隔(ピッチ)を短くことも好ましい。照明系で原稿を均一に照明したとしても、結像光学系の画角によるCOS4乗則(コサイン4乗則)により画面周辺で照度が低下するが、LEDの配列間隔を不均一とし、COS4乗則の逆数となるような光量分布に構成することで、周辺光量低下を補正することが可能となる。
【0019】
図2に示すように、発光素子4からの放射光は導光板1の内部を伝搬し、光線の一部は側面で内部全反射して進行し、図中の左端(出射面9)から放射される。また、後述するように、光線の一部は偏向反射領域6、または、偏向反射領域6,8で反射して紙面手前側(水平面5)に放射される。
【0020】
図1に示すように、発光素子4の発光面4Aから放射した光束は、導光体(導光板)1の入射面3より導光体内部に入射し、反射、屈折しながら伝搬する。なお、導光体1は不図示の保持部材により保持されている。また、導光体1の材料にはアクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリカーボネート等が用いられる。また、導光体1の大きさは、X方向は原稿サイズに応じて適宜設定され、例えば、数百ミリ程度であり、Y方向の厚みは、例えば、数mm、Z方向の長さは、例えば、数ミリ〜数十ミリである。また、発光素子4と入射面3との距離は、例えば0.5mm程度である。
【0021】
導光体内部を伝搬した光束の一部は、出射面9から放射される(光線23,24,25)。なお、導光体1の入射面3、出射面9、水平面5,7(後述の偏向反射面6,8を除く)は平坦平面である。
【0022】
出射面9からの放射光のうち放射角中央(Z方向)の光線23,24,25の進行方向には反射部材としての対向レフ板11が配置されており、対向レフ板11で反射された光束はコンタクトガラス(原稿台)10を介し、コンタクトガラス10の原稿面2に載置される原稿を照明する。なお、対向レフ板11としては、平面或いはX方向周りに曲率を有するアルミ製ミラー、アルミ蒸着ミラー等を用いることができる。
【0023】
本実施形態に係る原稿照明ユニット20では、導光体1は平行平板であり、水平面5,7は原稿面2と水平には位置される。また、導光体1における原稿面2と水平で原稿面2に近い側の水平面5の発光素子4に近い側に、水平面5の他の面よりも入射ないし反射角が大きくなる偏向反射面6が設けられている。
【0024】
偏向反射面6は、原稿面2に対し、図1に示すように偏向反射面を傾けて構成されている。これにより、水平面5で反射したときよりも原稿面2となす角が小さくなるように偏向される。したがって、次に説明する偏向反射面8への入射角も大きくなる。
【0025】
さらに、導光体1における原稿面2と水平で原稿面2から遠い側の水平面7の発光素子4から遠い側に、水平面7の他の面よりも入射ないし反射角が小さくなる偏向反射面8が設けられている。
【0026】
偏向反射面8は、原稿面2に対し、図1に示すように偏向反射面を傾けて構成されている。これにより、水平面7で反射したときよりも原稿面2となす角が大きくなるように偏向される。したがって、偏向反射面8の反射光が水平面5に入射する角度は、偏向反射面8の位置が原稿面と水平である場合、すなわち、偏向作用がない場合よりも小さくなる。
【0027】
このとき、水平面5への入射角が全反射角よりも小さくなるように、偏向反射面8の傾きを適宜選択することができる。全反射角よりも小さくすることによって、水平面5から光線21は透過する。この透過光(光線21)が原稿読取り領域Aに到達するように、偏向反射面8の傾きを適宜選択することができる。このように、発光素子4から入射面3に至り、入射面3から偏向反射面6で反射し、さらに偏向反射面8で反射する光線が光線21である。
【0028】
なお、偏向反射面6を設けない場合、図3に示すように、光線21に相当する光線は偏向反射面8で全反射せずに透過することとなり、原稿読取り領域Aに光線が到達しなくなってしまう。
【0029】
また、光線21とは別に、発光素子4から入射面3に至り、入射面3から直接偏向反射面8に入射する光線22がある。ここで、偏向反射面8で反射した光線22の水平面5への入射角が全反射角よりも小さくなるように、偏向反射面8の傾きを適宜選択することができる。全反射角よりも小さくすることによって、水平面5から光線22は透過する。この透過光(光線22)が原稿読取り領域Aに到達するように、偏向反射面8の傾きを適宜選択することができる。
【0030】
以上説明した導光体1の構成によれば、光線21および光線22がともに原稿読取り領域Aを照明することが可能となる。
【0031】
さらに、上記光線21,22のほか、発光素子4から入射面3に至り、入射面3と対向する出射面9に至る光線23がある。光線23は、出射面9に対向して配置した対向レフ板11で反射し、原稿読取り領域Aに到達する。
【0032】
また、発光素子4から入射面3に至り、入射面3から水平面5に至る光線24がある。光線24は水平面5で全反射して出射面9に至り、出射面9から対向レフ板11で反射して、原稿読取り領域Aに到達する。
【0033】
また、発光素子4から入射面3に至り、入射面3から水平面7に至る光線25がある。光線25は水平面7で全反射して、水平面5に至り、水平面5で全反射して出射面9に至り、出射面9から対向レフ板11で反射して、原稿読取り領域Aに到達する。
【0034】
ここで、図4に示すように、発光素子4から入射面3を介して水平面7および水平面5で反射する光線の一部が対向レフ板11で受けることができないことを防ぎ、上記光線25の光路を実現するため、図5に示すように、水平面7の発光素子4に近い側にも偏向反射面13(第3光偏向反射領域)を追加するようにしても良い。このように、水平面7の領域の一部をさらに偏向反射面13として光路調整を行うことにより、対向レフ板11に光線25を確実に導くことができるようになり、照明効率をさらに向上させることができる。
【0035】
なお、図示していないが、導光体1とコンタクトガラス10間には発光面からの直接放射光束や導光体1から漏洩した光束が原稿面2に向かうのを遮光するために適宜カバー部材を配置してもよい。また、原稿面2における更なる色度ばらつき低減、照度分布のリップル低減、フレア防止のために、照明光学系とコンタクトガラス10間に拡散シートを配置してもよい。
【0036】
以上説明した本実施形態に係る原稿照明ユニットによれば、偏向反射面8(第2光偏向反射領域)で偏向反射した光線(光線22)が導光体1の斜め上方向の位置にある原稿読取り領域Aを照明することができるので、原稿面垂直方向に薄い導光体1を原稿面と水平に配置することが可能となる。このため、原稿面垂直方向に薄い原稿照明ユニットを構成することができる。
【0037】
また、偏向反射面6(第1光偏向反射領域)で偏向反射した光線(光線21)も偏向反射面8で偏向反射して、導光体1の斜め上方向の位置にある原稿読取り領域Aを照明することができるので、光利用効率を向上させることができる。
【0038】
さらに、導光体1の出射面9から出射して、対向レフ板11で反射し、原稿読取り領域Aに到達する光線(光線23〜25)により対向照明を実現、光利用効率を向上することが可能となる。
【0039】
[第2の実施形態]
以下、本発明に係る原稿照明ユニットの他の実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同様の点についての説明は省略する。
【0040】
光線21および光線22を、偏向反射面8で反射させるとき、偏向反射面8における入射ないし反射角が全反射条件を満たすように、偏向面反射6と偏向反射面8の傾角を適宜選択することが好ましい。これにより反射率を最大として(透過損失を無くし)、原稿読取り領域Aを照明することができるので、光利用効率を向上させることができる。
【0041】
[第3の実施形態]
また、上述のように、原稿照明ユニット20の偏向反射面6や偏向反射面8は原稿面2に対して面が傾いて構成されるが、偏向反射面6は、図1に示すように、Z方向における複数の偏向反射面に分割されていることが好ましい。また、偏向反射面8も同様に、図1に示すように、Z方向における複数の偏向反射面に分割されていることが好ましい。
【0042】
このように、Z方向において反射面を複数に分割することによって、所望の傾きの偏向反射面をZ方向に長く(数mmの幅を与える)しても、Y方向には厚くならないため、原稿照明ユニット20を薄型化することが可能となる。また、後述(第4の実施形態)のように、分割した面の各々の傾きを変えることで照明効率を向上することが可能となる。
【0043】
[第4の実施形態]
また、第3の実施形態で説明した反射面がZ方向に複数分割された偏向反射面6,8の各面の傾きを変えることも好ましい。以下に説明する。
【0044】
例えば、図6に示すように、偏向反射面6は、発光素子4に遠い側(6b)よりも近い側(6a)の面の傾きが大きい、すなわち、Z方向に複数に分割された偏向反射面6の左側の面の方の傾きを小さくすることが好ましい。これにより、偏向反射面6bで反射した光線が偏向反射面8に入射する位置を右側(発光素子4に近い側)によせることができる。
【0045】
一方、偏向反射面6の発光素子4に遠い側(6b)と近い側(6a)の面の角度とを同じにすると、遠い側(6b)の面を反射した光線が偏向反射面8に入射する位置は左側(発光素子4から遠い側)に移動してしまうことになるので、導光体1をZ方向に長くする必要があることとなる。
【0046】
このように、偏向反射面6の傾きを、発光素子4に近い側の偏向反射面6aにおける光線入射角が小さく、遠い側の偏向反射面6bにおける光線入射角が大きくすることにより、各々の光線の反射方向を適切に制御することができ、導光体の斜め上の照明領域に効率よく光を導くことができる。また、導光体1のZ方向の長さを短くすることができる。
【0047】
また、例えば、図7に示すように、偏向反射面8は、発光素子4に近い側(8a)よりも遠い側(8b)の面の傾きが大きい、すなわち、Z方向に複数に分割された偏向反射面8の左側の面の方の傾きを大きくすることが好ましい。
【0048】
これにより、偏向反射面8aと8bとにおける光線の反射方向を広げずに略平行に反射させることができ、水平面5を透過して照明する幅が広がらず、導光体1の斜め上方にある照明領域に効率よく光を導くことができる。また、さらに角度差を大きくすることで集光ぎみに照明することも可能となる。
【0049】
一方、偏向反射面8の発光素子4に近い側(8a)と遠い側(8b)との面の角度とを同じにすると、近い側の偏向反射面8aで反射した光線の水平面5への入射角度がさらに大きくなり、水平面5を透過できたとしても光線が広がってしまうため照明効率が低くなってしまう。
【0050】
上記について図1を用いて説明する。光線21よりも偏向反射面6において発光素子4からZ方向において遠い位置に入射する光線26は、偏向反射面6への入射角が光線21よりも大きくなるため、偏向反射面8への入射位置も光線21よりもZ方向において発光素子4から遠くなり、偏向反射面8への入射角もやや大きくなる。
【0051】
そこで、偏向反射面8を反射した光線26が水平面5を透過して、原稿読取り領域Aに到達するように、上述のように、光線26に対する偏向反射面6、および/または偏向反射面8の傾きを適宜調整するものである。
【0052】
また、偏向反射面6を反射した光線21と光線26が略平行になるように、光線26に対する偏向反射面6の傾きを与えると、偏向反射面8における光線21と光線26の入射位置のZ方向の距離が広がらないので原稿照明ユニット20を小型化することが可能となる。この場合、入射角も同じとなるため光線21と光線26に対する偏向反射面8の傾きを同じとすることができる。
【0053】
[第5の実施形態]
また、偏向反射面6,8は、Z方向に加えて、X方向にも複数分割されていることが好ましい。以下、偏向反射面8を例に説明する。
【0054】
図8に偏向反射面8の一部拡大図を示す。偏向反射面81〜84は、偏向反射面8の一部を構成する各偏向反射面である。ここで、偏向反射面81と偏向反射面82はX方向において離間して配置されている。同様に、偏向反射面83と偏向反射面84もX方向に離間して配置されている。ここで、偏向反射面81と偏向反射面82との間のX方向の距離と、偏向反射面83と偏向反射面84との間のX方向の距離は等しく配置している。
【0055】
ところで、図8に示すような偏向反射面8の構成による場合、偏向反射面81および偏向反射面82の一部に入射した光束にケラレが発生する場合、一部の光線が原稿読取り領域Aに到達しなくなるので、その領域は暗くなる。また、その暗くなる領域は、偏向反射面のZ方向の端部であるため、偏向反射面81と偏向反射面82はZ方向の位置が同じである場合、X方向につらなった状態で暗くなる領域が生じ得る。その結果、原稿読取り領域Aにおいて主走査方向に連続的にライン状に暗くなるという現象が発生し得る。
【0056】
そこで、さらに、偏向反射面8の各偏向反射面を、X方向およびZ方向において複数の偏向反射面に分割して離間配置され、かつ、Z方向において並列に配置される偏向反射面の各列がZ方向においてずれた位置にあるように、各偏向反射面を配置することが好ましい。例えば、図9に示すように、偏向反射面85は、X方向には、偏向反射面81と偏向反射面82の間の位置であって、Z方向には、偏向反射面81と偏向反射面83の間の位置に配置される(千鳥状に配置される)ものであるが、少なくともZ方向にずれて配置されていればよい。
【0057】
ここで、偏向反射面81および偏向反射面82とZ方向においてずれた位置にある偏向反射面85を設けたことにより、ケラレの影響がでる位置もずれることとなる。また、偏向反射面85に入射する光線の角度は一様ではないので、偏向反射された光線群からなる光束はひろがって原稿読取り領域Aが照明され、このとき、偏向反射面81および偏向反射面82のけられで暗くなった領域に重畳して照明されることとなる。したがって、偏向反射面81および偏向反射面82の面の一部で発生する光線けられによって照度が低下した領域に偏向反射面85による光束が照明されて、低下した照度が補われる。
【0058】
このように、偏向反射面81と82で偏向反射した光束によって原稿読取り領域Aが照明されるとともに、偏向反射面85で偏向反射した光束が重畳して照明されるため、偏向反射面81と82の一部に入射した光束にケラレが発生して主走査方向にライン状に照度が低下するパターンが発生する場合にも、照度低下を改善し、主走査方向に連続的にライン状の暗い領域ができるのを防ぐことができる。
【0059】
なお、各偏向反射面は、上記第4の実施形態で述べたと同様に、発光素子4に近い側(8a)よりも遠い側(8b)の面の傾きが大きいこと(図7)が好ましい。すなわち、偏向反射面81と偏向反射面82の、水平面7に対する傾き、および偏向反射面83と偏向反射面84の、水平面7に対する傾きは等しいこと、また、偏向反射面81の水平面7に対する傾きは、偏向反射面83の水平面7に対する傾きよりも大きいこと、偏向反射面85の水平面7に対する傾きは、偏向反射面81の水平面7に対する傾きよりも小さいこと、偏向反射面85の水平面7に対する傾きは、偏向反射面83の水平面7に対する傾きよりも大きいことが、それぞれ好ましい。
【0060】
なお、図8および図9は、偏向反射面8の一部を示しており、各偏向反射面は、X、Z方向に偏向反射面8全体に亘って千鳥状に配置されているものである。なお、本実施形態では、偏向反射面8について説明したが、偏向反射面6についても同様である(図8および図9を上下に反転させた状態である)。
【0061】
[第6の実施形態]
また、Z方向に複数分割された偏向反射面6,8は、Z方向における複数の偏向反射面6,8の間に、該複数の偏向反射面6,8とは異なる方向の傾斜面を有することも好ましい。
【0062】
図10に示すように、偏向反射面6を構成する偏向反射面6cに光線Lが入射する位置によっては偏向反射した光線Lが、隣接する反射面6dでケラれてしまう場合がある。そこで、図11に示すように、Z方向における複数の偏向反射面6cの間の反射面6dを、Z方向において偏向反射面6cとは異なる方向(すなわち、逆方向)の傾斜面とすることで、反射面6dに光線Lがケラれないようにすることができる。これにより、ケラれていた光線についても照明光とすることができるため、光利用効率をさらに向上させることができる。
【0063】
また、偏向反射面8についても同様である。すなわち、図12に示すように、偏向反射面8を構成する偏向反射面8cの一部には光線Lが入射しないデッドゾーンDが生じてしまう。そこで、図13に示すように、Z方向における複数の偏向反射面8cの間の面8dを、Z方向において偏向反射面8cとは異なる方向(すなわち、逆方向)の傾斜面とすることで、偏向反射面8cにデッドゾーンDが生じないようにすることができる。これにより、光利用効率をさらに向上させることが可能となる。
【0064】
[第7の実施形態]
また、導光体1をハレーションラインよりもZ方向における発光素子4に近い側に配置し、対向レフ板11をハレーションラインよりもZ方向における発光素子4に遠い側に配置することが好ましい。
【0065】
導光体1の出射面9の位置がハレーションラインよりも内側にあると、原稿面が傾いているときにハレーションが生じてしまう。例えば、原稿面が10度傾いているとき、原稿から正反射する光線の角度は20度になる。
【0066】
図1において、原稿読取り領域Aから20度で正反射する光線のラインをハレーションライン15として示している。このため、導光体1の出射面9の位置は、ハレーションライン15よりもZ方向において光軸14から遠い位置になるように配置することが好ましい。
【0067】
これにより、読取り領域Aから反射する20度の反射光線が導光体1に当たらないため、ハレーションが発生することがない。具体的には、原稿面2の一部が浮いているときに、原稿面2で反射して導光体1側に戻り、導光体1で反射して再び原稿面2に戻り、原稿面2で再び反射して、読取り光学系を介して撮像素子に受光することによって生じるハレーションを回避することができる。
【0068】
対向レフ板11についても同様に、ハレーションライン16よりも内側にあると、原稿面2が傾いているときにハレーションが生じてしまう。なお、ハレーションライン16の傾きは−20度で示している。
【0069】
このため、対向レフ板11の位置は、導光板1とは光軸14を挟んで、Z方向において発光素子4から遠い側にあり、ハレーションライン16よりも光軸14からZ方向に遠い方向に対向レフ板11を配置することが好ましい。
【0070】
これにより、読取り領域Aから反射する20度の反射光線が対向レフ板11に当たらないため、ハレーションが発生することがない。具体的には、原稿面2の一部が浮いているときに、原稿面2で反射して対向レフ板11に戻り、対向レフ板11で反射して再び原稿面2に戻り、原稿面2で再び反射して、読取り光学系を介して撮像素子に受光することによって生じるハレーションを回避することができる。
【0071】
なお、ハレーションライン15,16の位置および角度は、原稿の傾き角や原稿読取り領域AのZ方向の幅等に応じて適宜設定するものであればよい。
【0072】
(原稿読取装置)
以上説明した原稿照明ユニット20を備えた原稿読取装置とすることにより、照明装置部を従来よりも格段に薄く構成でき、また、それによって読取り光学系部が厚くなることもないので、原稿読取装置としても従来よりも薄型化することが可能となる。
【0073】
図14は、本発明に係る原稿読取装置の一実施形態を示す概略断面図である。原稿読取装置30は、撮像素子31と、原稿35を配置する原稿台(コンタクトガラス)10と、原稿照明ユニット20と、該原稿照明ユニット20でライン状に照明された原稿35からの反射光を撮像素子31上に結像する結像光学系と、を備えるものである。なお、原稿照明ユニット20の照明光学系を20A、対向照明光学系を20Bとして示している。
【0074】
撮像素子31としては、例えばCCDを用いることができる。CCD31では原稿面情報の光信号が電気信号に光電変換されて、原稿35の原稿面2を読み取ることができる。
【0075】
また、結像光学系は、第1の反射ミラー33Aと、第2の反射ミラー34Bと、第3の反射ミラー34Cと、第1走行体33と、第2走行体34と、結像レンズ32とを有する。第1走行体33は、原稿照明装置20と、第1の反射ミラー33Aとを保持して走行する。また、第2走行体34は、第2の反射ミラー34Bと、第3の反射ミラー34Cとを保持して走行する。このときの第1走行体33の走行速度V1と第2走行体34の走行速度V2との速度比V1:V2は、2:1である。
【0076】
図14に示すとおり、第1走行体33のZ方向の変位幅をzとしたとき、原稿読取領域5とCCD31との距離である光路長はzだけ変動する。一方、図14に示すとおり、第2走行体34のZ方向の変位幅を同様にzとしたとき、原稿読取り領域AとCCD31との距離である光路長は2×zだけ変動する。このため、速度比V1:V2が2:1であることで、原稿読取り領域AからCCD31までの光路長、換言すると結像光学系の共役長を一定に保ちながら読取走査を行うことができる。
【0077】
本実施形態の原稿読取装置30によれば、原稿照明ユニット20が薄型化されているため、原稿読取装置30も薄くコンパクトに構成できる。また、各反射面、各反射ミラーや結像レンズ32などの光学素子の設置誤差や、走査駆動に伴う動的変動を許容して、撮像素子31の受光面上での受光信号の安定性に優れた装置を実現することができる。あるいはこれらの光学素子の公差を緩めることができる。即ち、原稿読取装置30における静的な位置ズレや、動的な位置変動に伴う、撮像素子31の受光面上での受光信号の変動に強いものとなる。
【0078】
また、図15は、本発明に係る原稿読取装置の他の実施形態を示す概略断面図である。なお、上記実施形態と同様の点についての説明は省略する。
【0079】
図15に示す原稿読取装置30における結像光学系は、反射ミラー37Dと、結像レンズ32とを有し、撮像素子31と、原稿照明ユニット20と、反射ミラー37Dと、結像レンズ32とが一体で走行される。このひとつの走行体37を副走査方向に走査駆動させることで、原稿35の情報を読み取ることができる。
【0080】
本実施形態の原稿読取装置30によれば、原稿照明ユニット20が薄型化されているため、原稿読取装置30も薄くコンパクトに構成できる。また、読取走査の際に反射ミラー37Dを別途駆動する必要がないので、駆動機構装置を簡素化し、原稿読取装置全体を小型・軽量化できる。また、走行体を走査駆動する際に振動等が発生しても、原稿照明装置30、反射ミラー37D、結像レンズ32及び撮像素子31の相対的な位置変動が、図14に示す例に比して、抑制されることから、読取走査駆動に付随する信号雑音が少なくなり、撮像素子31の受光面上で受光する光信号特性が安定化される。
【0081】
(画像形成装置)
以上説明した原稿照明ユニット20または原稿読取装置30を備えた画像形成装置とすることにより、原稿読取部を従来よりも薄く構成することが可能となり、また、それに伴い画像形成装置の他の部分が厚みを増す必要もないため、画像形成装置を従来よりも薄型化することが可能となる。
【0082】
図16は、フルカラーの複写機100の内部構造を示す概略正面図である。複写機100の装置本体102内の中央部にはカラー画像を形成するための画像形成部103が設けられている。この画像形成部103は、等間隔に離間させて水平向きに並列に配設された4つのドラム状の感光体104、感光体104の外周面を一様に帯電する帯電ローラ105、帯電ローラ105により帯電された各感光体104の外周面を画像データに応じて露光することにより静電潜像を形成する露光装置106、静電潜像にトナーを供給することにより静電潜像をトナー像として顕像化する現像装置107、感光体104上のトナー像が順次転写される中間転写ベルト108、中間転写ベルト108上へのトナー像の転写後に感光体104上に残留したトナーを除去するクリーニング装置109、中間転写ベルト108上に転写されたトナー像を記録媒体Sに転写させる転写ローラ110等により構成されている。なお、4つの感光体104上にはそれぞれ異なる色のトナー像(Y;イエロー、M;マゼンタ、C;シアン、K;ブラック)が形成され、これらの各色のトナー像が中間転写ベルト108上に転写されることにより、中間転写ベルト108上ではカラーのトナー像が形成され、このカラーのトナー像が記録媒体Sに転写される。
【0083】
装置本体102の上部には、原稿照明ユニット20による照明対象物である原稿を自動送りするADF111と、原稿が載置されるコンタクトガラス10と、ADF11で自動送りされた原稿又はコンタクトガラス10上に載置された原稿を読取る原稿読取装置30とが配置されている。
【0084】
原稿読取装置30は、コンタクトガラス10と平行に2:1の速度で走行可能な第1・第2走行体114,115、レンズ116、原稿読取部であるCCD117等により構成されている。第1走行体114には、コンタクトガラス10上に載置された原稿、又は、ADF111で搬送される原稿の原稿面を照明するための原稿照明ユニット20と、原稿面で反射されて読取光軸に沿って進行する読取光を反射させる第1ミラー119とが搭載されている。第2走行体115には、第1ミラー119で反射された光をさらに反射させる第2ミラー120と第3ミラー121とが搭載されている。第1〜第3ミラー119,120,121で順次反射された読取光の進行方向前方には、レンズ116とCCD117とが配置されている。なお、原稿読取装置30はスキャナ装置として独立に動作させることも可能である。
【0085】
装置本体102の下部には、記録媒体Sを収納する複数段、例えば4段の用紙カセット124が設けられている。これらの用紙カセット124内に収納された記録媒体Sはピックアップローラ125とフィードローラ126とにより一枚ずつ分離給紙され、分離給紙された記録媒体Sは装置本体102内に設けられた用紙搬送路127に沿って搬送される。この用紙搬送路127上には、レジストローラ128、転写ローラ110、定着装置129、排紙ローラ130等が配置されている。
【0086】
このような構成において、原稿読取装置30での読み取り結果に応じて露光装置106の半導体レーザから各色(イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックK)の画像データに応じたレーザ光が出射され、そのレーザ光が帯電ローラ105により一様に帯電された各感光体104の外周面を露光することにより静電潜像が形成される。この静電潜像に対して各現像装置107から各色のトナーが供給されることにより、各色のトナー像が形成される。各感光体104上のトナー像は、感光体104と同期して移動する中間転写ベルト108上に順次転写され、中間転写ベルト108上にはカラートナー像が形成される。
【0087】
一方、画像形成部103での画像形成動作開始にあわせ、用紙カセット124内からは、記録媒体Sの分離給紙が開始され、分離給紙されて用紙搬送路127上を搬送された記録媒体Sは間欠的に回転駆動するレジストローラ128により、中間転写ベルト108と転写ローラ110との間の転写位置へ送り込まれる。
【0088】
次にレジストローラ128が回転駆動され、記録媒体Sが中間転写ベルト108と転写ローラ110との間に送り込まれることにより、中間転写ベルト8上のカラートナー像が記録媒体S上に転写される。記録媒体S上に転写されたカラートナー像は、記録媒体Sが定着装置129を通過する過程で記録媒体Sに定着され、カラートナー像が定着された記録媒体Sは排紙ローラ130によって排紙トレイ131上に排紙される。
【0089】
尚、上述の実施形態は本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0090】
1 導光体
2 原稿面
3 入射面
4 発光素子
4A 発光面
5 水平面(第1XZ面)
6 偏向反射面(第1光偏向反射領域)
6a 偏向反射面(発光素子に近い側)
6b 偏向反射面(発光素子に遠い側)
6c 偏向反射面
6d 傾きの異なる反射面
7 水平面(第2XZ面)
8 偏向反射面(第2光偏向反射領域)
8a 偏向反射面(発光素子に近い側)
8b 偏向反射面(発光素子に遠い側)
8c 偏向反射面
8d 面
81〜85 各偏向反射面
9 出射面
10 コンタクトガラス(原稿台)
11 対向レフ板
12 実装基板
13 偏向反射面(第3光偏向反射領域)
14 光軸
15 ハレーションライン
16 ハレーションライン
20 原稿照明ユニット
21 光線
22 光線
23 光線
24 光線
25 光線
26 光線
30 原稿読取装置
100 画像形成装置
A 原稿読取り領域
D デッドゾーン
L 光線
【先行技術文献】
【特許文献】
【0091】
【特許文献1】特開2010−252340号公報
【特許文献2】特開2010− 16496号公報
【特許文献3】特開2010−191397号公報
【特許文献4】特表2007−535790号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
副走査方向をZ方向、主走査方向をX方向、X,Z方向と直交する方向をY方向とし、
X方向の長さLx、Y方向の長さLy、Z方向の長さLzとした場合に、Lx>Lz>Lyの関係を満たす導光体と、
該導光体とZ方向において被読取領域を挟んで配置される対向レフ板と、
前記導光体のXZ面と平行に配置され、前記被読取領域が形成される原稿台と、を有する原稿照明ユニットであって、
X方向に配列された複数の発光素子から放射した光を、前記導光体におけるXY面である入射面から前記導光体内に入射、伝播させ、その一部を、前記入射面と対向するXY面である出射面から前記導光体外に射出したのちに、前記出射面に対向配置される前記対向レフ板で反射して前記原稿台上の前記被読取領域を照明するとともに、
前記導光体のXZ面のうち、前記原稿台に近い第1XZ面の前記発光素子に近い側に、該第1XZ面の他の面よりも入射ないし反射角が大きくなる第1光偏向反射領域を、
前記第1XZ面に対向する第2XZ面の前記発光素子から遠い側に、該第2XZ面の他の面よりも入射ないし反射角が小さくなる第2光偏向反射領域を設け、
前記発光素子から前記導光体内に入射、伝播させた光の一部を、前記第2光偏向反射領域にて反射したのち前記第1XZ面を透過させて前記原稿台上の前記被読取領域を照明し、
かつ、前記発光素子から前記導光体内に入射、伝播させた光の一部を、前記第1光偏向反射領域にて反射させた後、前記第2光偏向反射領域にて反射させ、前記第1XZ面を透過させて前記原稿台上の前記被読取領域を照明する
ことを特徴とする原稿照明ユニット。
【請求項2】
前記第1光偏向反射領域および前記第2光偏向反射領域の偏向反射面の傾きは、
前記第1光偏向反射領域を反射して前記第2光偏向反射領域に至る光線と前記発光素子から前記第2光偏向反射領域に至る光線とが、共に内部全反射条件を満たすことを特徴とする請求項1記載の原稿照明ユニット。
【請求項3】
前記第1光偏向反射領域、および/または、前記第2光偏向反射領域の偏向反射面は、Z方向において複数の偏向反射面に分割されていることを特徴とする請求項1または2に記載の原稿照明ユニット。
【請求項4】
前記第1光偏向反射領域の偏向反射面は、X方向およびZ方向において複数の偏向反射面に分割して離間配置され、かつ、Z方向において並列に配置される偏向反射面の各列がZ方向においてずれた位置にあることを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の原稿照明ユニット。
【請求項5】
前記第2光偏向反射領域の偏向反射面は、X方向およびZ方向において複数の偏向反射面に分割して離間配置され、かつ、Z方向において並列に配置される偏向反射面の各列がZ方向においてずれた位置にあることを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の原稿照明ユニット。
【請求項6】
前記第1光偏向反射領域の反射面は、前記発光素子に遠い側よりも近い側の面の傾きが大きいことを特徴とする請求項3または4に記載の原稿照明ユニット。
【請求項7】
前記第2光偏向反射領域の反射面は、前記発光素子に遠い側よりも近い側の面の傾きが小さいことを特徴とする請求項3または5に記載の原稿照明ユニット。
【請求項8】
Z方向における前記複数の偏向反射面の間に、該複数の偏向反射面とは異なる方向の傾斜面を有することを特徴とする請求項3から7までのいずれかに記載の原稿照明ユニット。
【請求項9】
前記導光体をハレーションラインよりもZ方向において前記発光素子に近い側、および/または、前記対向レフ板をハレーションラインよりもZ方向において前記発光素子から遠い側、に配置したことを特徴とする請求項1から8までのいずれかに記載の原稿照明ユニット。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれかに記載の原稿照明ユニットを備えることを特徴とする原稿読取装置。
【請求項11】
請求項1から9までのいずれかに記載の原稿照明ユニット、または請求項10に記載の原稿読取装置を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2013−102419(P2013−102419A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−182511(P2012−182511)
【出願日】平成24年8月21日(2012.8.21)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】