説明

原稿読み取り装置、画像形成装置、電子装置、原稿読み取り装置の出荷方法、画像形成装置の出荷方法、及び電子装置の出荷方法

【課題】原稿読み取り装置本体又は電子装置本体に対して一時的に固定された走査部又は移動部の固定を解除し忘れにくい原稿読み取り装置、画像形成装置、電子装置、原稿読み取り装置の出荷方法、画像形成装置の出荷方法、及び電子装置の出荷方法を提供する。
【解決手段】画像形成装置10は、光学読み取り装置本体509と、光学読み取り装置本体509内で移動して原稿を走査するフルレートキャリッジ532と、画像形成装置本体12外に設けられ、電力供給に用いられるプラグ404とを有し、プラグ404は、光学読み取り装置本体509に対して、フルレートキャリッジ532を一時的に固定する固定部として用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿読み取り装置、画像形成装置、電子装置、原稿読み取り装置の出荷方法、画像形成装置の出荷方法、及び電子装置の出荷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンタクトガラスに載置された原稿を押さえる圧板と、前記コンタクトガラスに沿って移動する走査ユニットを備え前記原稿の画像を読み取る画像読み取り部とを有する画像読み取り装置において、前記走査ユニットを固定するロックピンに連結されて前記圧板上に架け渡されたシール部材を備える画像読み取り装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−64999号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、原稿読み取り装置本体又は電子装置本体に対して一時的に固定された走査部又は移動部の固定を解除し忘れにくい原稿読み取り装置、画像形成装置、電子装置、原稿読み取り装置の出荷方法、画像形成装置の出荷方法、及び電子装置の出荷方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る本発明は、原稿読み取り装置本体と、前記原稿読み取り装置本体内に設けられ、前記原稿読み取り装置本体内で移動して原稿を走査する走査部と、前記原稿読み取り装置本体外に設けられ、外部電源に接続され、電力供給に用いられる電力供給部と、を有し、前記電力供給部は、前記原稿読み取り装置本体に対して前記走査部を一時的に固定する固定部として用いられる原稿読み取り装置である。
【0006】
請求項2に係る本発明は、前記電力供給部は、前記原稿読み取り装置本体の側板を貫通し、前記走査部に挿入される挿入部を有する請求項1記載の原稿読み取り装置である。
【0007】
請求項3に係る本発明は、前記電力供給部は、前記走査部が有する係合部に係合可能な被係合部を有する請求項1又は2記載の原稿読み取り装置である。
【0008】
請求項4に係る本発明は、原稿読み取り装置と、前記原稿読み取り装置で読み取った原稿に基づき画像形成を行う画像形成部と、を有し、前記原稿読み取り装置は、原稿読み取り装置本体と、前記原稿読み取り装置本体内に設けられ、前記原稿読み取り装置本体内で移動して原稿を走査する走査部と、前記原稿読み取り装置本体外に設けられ、外部電源に接続され電力供給に用いられる電力供給部と、を有し、前記電力供給部は、前記原稿読み取り装置本体に対して、前記走査部を一時的に固定する固定部として用いられる画像形成装置である。
【0009】
請求項5に係る本発明は、電子装置本体と、前記電子装置本体に対して移動可能に設けられた移動部と、前記電子装置本体外に設けられ、外部電源に接続され電力供給に用いられる電力供給部と、を有し前記電力供給部は、前記電子装置本体に対して、前記移動部を一時的に固定する固定部として用いられる電子装置である。
【0010】
請求項6に係る本発明は、原稿読み取り装置本体内に設けられ、前記原稿読み取り装置本体内で移動して原稿を走査する走査部を、前記原稿読み取り装置本体外に設けられ、外部電源に接続され電力供給に用いられる電力供給部を用いて、前記原稿読み取り装置本体に対して一時的に固定して出荷する原稿読み取り装置の出荷方法である。
【0011】
請求項7に係る本発明は、画像形成部で画像形成がなされる原稿を読み取る原稿読み取り装置の原稿読み取り装置本体内に設けられ、前記原稿読み取り装置本体内で移動して原稿を走査する走査部を、前記原稿読み取り装置本体外に設けられ、外部電源に接続され電力供給に用いられる電力供給部を用いて前記原稿読み取り装置本体に対して一時的に固定して出荷する画像形成装置の出荷方法である。
【0012】
請求項8に係る本発明は、電子装置本体に対して移動可能に設けられた移動部を、前記電子装置本体外に設けられ、外部電源に接続され電力供給に用いられる電力供給部を用いて、前記電子装置本体に対して一時的に固定して出荷する電子装置の出荷方法である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る本発明によれば、原稿読み取り装置本体に対して一時的に固定された走査部の固定を解除し忘れにくい原稿読み取り装置を提供することができる。
【0014】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明の奏する効果に加えて、簡単な操作で、原稿読み取り装置本体に対する走査部の固定と、固定の解除とを行うことができる原稿読み取り装置を提供することができる。
【0015】
請求項3に係る本発明によれば、請求項1又は2記載の本発明が奏する効果に加えて、操作者によって固定の解除がなされる場合以外には、原稿読み取り装置本体に対する走査部の固定が解除されにくい原稿読み取り装置を提供することができる。
【0016】
請求項4に係る本発明によれば、原稿読み取り装置本体に対して一時的に固定された走査部の固定を解除し忘れにくい画像形成装置を提供することができる。
【0017】
請求項5に係る本発明によれば、電子装置本体に対して一時的に固定された移動部の固定を解除し忘れにくい電子装置を提供することができる。
【0018】
請求項6に係る本発明によれば、原稿読み取り装置本体に対して一時的に固定された走査部の固定を解除し忘れにくい原稿読み取り装置の出荷方法を提供することができる。
【0019】
請求項7に係る本発明によれば、原稿読み取り装置本体に対して一時的に固定された走査部の固定を解除し忘れにくい画像形成装置の出荷方法を提供することができる。
【0020】
請求項8に係る本発明によれば、電子装置本体に対して一時的に固定された移動部の固定を解除し忘れにくい電子装置の出荷方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置10が示されている。
図1に示されるように、画像形成装置10は、電子装置としても用いられ、画像形成装置本体12を有し、画像形成装置本体12の、例えば前面に、操作部として用いられる操作パネル42と、表示部として用いられる表示パネル40とが装着されている。また、画像形成装置本体12の上部には、原稿読み取り装置として用いられるスキャナ500が支柱502を用いて、画像形成装置本体12との間に一定の間隔ができるように取り付けられている。
【0022】
図2には、画像形成装置本体12の左側面側の断面が示されている。
図2に示されるように、画像形成装置本体12には、画像形成装置本体12に対して開閉可能に開閉部30が取り付けられている。また、画像形成装置本体12内には、画像形成部100と、画像形成部100に用紙を供給する用紙供給部として用いられる給紙装置200と、給紙装置200から画像形成部100へ用紙を搬送し、画像形成部100からさらに下流側に向けて用紙を搬送する搬送装置300と、電源ユニット400とが設けられている。
また、画像形成装置本体12には、画像形成装置本体12内から用紙を排出するための排出口24が形成され、画像形成装置本体12の上部は、排出口24を介して用紙が排出される排出部26として用いられる。
【0023】
開閉部30は、ヒンジ32を用いて画像形成装置本体12に取り付けられていて、ヒンジ32を中心として回転するようにして、画像形成装置本体12に対して開閉可能することができるようになっている。
【0024】
画像形成部100は、カラー画像を形成する電子写真方式のもので、画像形成装置本体12に着脱可能に装着され、潜像像保持体として用いられる感光体104Y、104M、104C、104Bをそれぞれ有する4個のプロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Bを有する。プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106Bの詳細については後述する。
【0025】
また、画像形成部100は、感光体104Y、104M、104C、104Bに光により静電潜像を書き込む潜像形成手段として用いられる光書き込み装置(露光手段)108と、感光体104Y、104M、104C、104Bに形成された現像剤像を、それぞれ用紙に転写し、転写手段として用いられる転写ロール110Y、110M、110C、110Bと、転写ロール110Y、110M、110C、110Bによって用紙に転写された現像剤像を用紙に定着させる定着装置112とを有する。
【0026】
プロセスカートリッジ106Yはイエロー現像剤像の形成用であり、プロセスカートリッジ106Mはマゼンタ現像剤像の形成用であり、プロセスカートリッジ106Cはシアン現像剤像の形成用であり、プロセスカートリッジ106Bはブラック現像剤像の形成用である。プロセスカートリッジ106Yは、光書き込み装置108により感光体104Yに書き込まれた潜像を現像し、感光体104Yの表面にイエロー現像剤像を形成する。そして、プロセスカートリッジ106Yと同様に、プロセスカートリッジ106Mは感光体104Mの表面にマゼンタ現像剤像を、プロセスカートリッジ106Cは感光体104Cの表面にシアン現像剤像を、プロセスカートリッジ106Bは感光体104Bの表面にブラック現像剤像を形成する。
【0027】
光書き込み装置108は、レーザー露光装置からなり、感光体104Yにイエロー画像に対応するレーザー光を、感光体104Mにマゼンタ画像に対応するレーザー光を、感光体104Cにシアン画像に対応するレーザー光を、感光体104Bにブラック画像に対応するレーザー光をそれぞれ発し、感光体104Y、104M、104C、104Bにそれぞれ静電潜像を書き込む。
【0028】
転写ロール110Y、110M、110C、110Bには、それぞれ転写バイアスが印加されていて、感光体104Y、104M、104C、104Bに形成された現像剤像を、搬送ベルト330によって搬送中の用紙へと順に転写し、用紙にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の現像剤像が重ねられたカラー現像剤像を形成する。
【0029】
定着装置112は、例えば、加熱ロール112aと加圧ロール112bとからなり、加熱ロール112aと加圧ロール112bとの間を通過する用紙を加熱し加圧することで、用紙に現像剤像を定着させる。
【0030】
給紙装置200は、画像形成部100に用紙を供給するために用いられ、例えばカセット等からなる用紙収納容器202を有する。用紙収納容器202には、内部に用紙が積層するように収納され、画像形成装置本体12に対して、例えば前側に引き出し可能、又は取り外し可能となっている。
【0031】
また、給紙装置200は、用紙収納容器202から用紙を送り出し、送り出し手段として用いられるピックアップロール204と、ピックアップロール204に接触するように設けられ、用紙収納容器202からの用紙を捌き、複数枚の用紙が重なった状態で搬送されることを防止するリタードロール208とを有している。ピックアップロール204及びリタードロール208は、用紙収納容器202に装着され、用紙収納容器202と共に画像形成装置本体12から引き出し可能、又は取り外し可能となっている。
【0032】
搬送装置300は、レジストロール304と、排出ロール306と、反転搬送装置320と、搬送ベルト330とを有する。
レジストロール304は、給紙装置200から供給された用紙の斜行を補正するとともに、画像形成部100で画像形成がなされるタイミングと合致するように、画像形成部100に向けて用紙を供給するために用いられる。
【0033】
排出ロール306は、正回転と逆回転とを切り替えることができるようになっていて、正回転することで、定着装置112で現像剤像の定着がなされた用紙を排出部26に排出する。また、排出ロール306は、定着装置112側から搬送されてきた用紙の後端部付近を咥え込んだ状態で逆回転をすることで、用紙を後端部側から反転搬送装置320へと供給する。
【0034】
反転搬送装置320は、排出ロール306から供給された一方の面に現像剤像が定着された用紙を反転させつつ、レジストロール304に向けて再び搬送するために用いられる。反転搬送装置320は、例えば用紙を案内する案内部材(不図示)等によって形成される反転搬送路322と、反転搬送路322に沿って設けられた、例えば2組の反転搬送ロール324とを有する。
【0035】
搬送ベルト330は、感光体104Y、104M、104C、104Bから転写された現像剤像、又は感光体104Y、104M、104C、104Bから現像剤像が転写された用紙を搬送する搬送部材として用いられていて、この実施形態においては、感光体104Y、104M、104C、104Bから現像剤像が転写された用紙を搬送する。搬送ベルト330は、例えば2個の支持ロール332、332によって、図2中に示す矢印方向に回転することができるように支持されている。
支持ロール332、332のうちの少なくとも1つが、搬送ベルト330に駆動を伝達する駆動ロールとして用いられ、この駆動ロールからの駆動伝達を受けて搬送ベルト330が回転駆動する。
【0036】
電源ユニット400は、スキャナ500、画像形成部100、給紙装置200、搬送装置300等に電力を供給するために用いられ、電源コード402を介してプラグ404が接続されている。電源コード402及びプラグ404は、画像形成装置本体12及びスキャナ500の本体の外に設けられ、外部電源に接続され、電力供給のために用いられる電力供給部として用いられる。
【0037】
図3には、プロセスカートリッジ106が示されている。
プロセスカートリッジ106Y、106M、106C、106B、感光体104Y、104M、104C、104B、及び転写ロール110Y、110M、110C、110Bは、形成する現像剤像の色は異なるものの構成は同じであるので、以下、プロセスカートリッジ106、感光体104、転写ロール110と総称する。
【0038】
図3に示されるように、プロセスカートリッジ106は、プロセスカートリッジ本体122を有し、プロセスカートリッジ本体122内に、先述の感光体104と、感光体104を一様に帯電する帯電ロールを備えた帯電装置(帯電手段)124と、帯電装置124により帯電され、光書き込み装置108(図2参照)により感光体104に書き込まれた静電潜像を、現像剤で現像する現像装置126と、転写ロール110(図2参照)による現像剤像の転写がなされた後に、静電潜像が書き込まれた感光体104にイレース光を照射して除電する除電装置(除電手段)128と、感光体104に残留する現像剤をクリーニングブレード130により掻きとるクリーニング装置132とが設けられている。
【0039】
プロセスカートリッジ本体122には、水平方向における一端部から他端部近傍まで至るレーザー光路122aが形成されていて、光書き込み装置108からのレーザー光がレーザー光路122aを通過して感光体104へと到達する。
【0040】
現像装置126は、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤を用いる2成分現像装置からなり、感光体104に形成された静電潜像を現像剤で現像する現像ロール134が配置された現像室136と、現像室136に現像剤を供給する第1の現像剤供給室138と、第1の現像剤供給室138に現像剤を供給する第2の現像剤供給室140とを有している。現像室136と第1の現像剤供給室138とはプロセスカートリッジ本体122に設けられた現像剤通路(不図示)で連通され、第1の現像剤供給室138と第2の現像剤供給室140とは現像剤搬送路(不図示)で連通されている。
【0041】
現像室136は感光体104の下方に位置しており、先述の現像ロール134とあわせて、2個のオーガ144、144が設けられている。オーガ144、144は、現像室136内のトナーとキャリアとからなる現像剤を現像ロール134へと搬送し、オーガ144、144により搬送された現像剤を現像ロール134が感光体104へと供給し、感光体104に形成された潜像を現像して、感光体104の表面に現像剤像を形成する。
【0042】
第1の現像剤供給室138は現像室136の側方に位置しており、第1現像剤供給室138内に貯蔵された現像剤が、現像室136との間の位置に設けられた現像剤搬送ロール146により先述の現像剤通路を介して現像室136へと供給される。また、第1の現像剤供給室138には、2つのスクレーパ148、148が設けられていて、スクレーパ148、148が第1の現像剤供給室138内の現像剤を撹拌するとともに、現像剤搬送ロール146の方向へ現像剤を搬送する。
【0043】
第2の現像剤供給室140は、第1の現像剤供給室138の上方に位置しており、第2の現像剤供給室140内に貯蔵された現像剤が現像剤搬送路(不図示)を通過して第1の現像剤供給室138へ供給される。
【0044】
図4には、プラグ404が示されている。
図4に示すように、プラグ404は、プラグ本体406を有し、プラグ本体406から突出するように、2つの電極板408、408が設けられている。電極板408、408は挿入部として用いられるとともに、被係合部として用いられる貫通孔410、410がそれぞれ形成されている。
【0045】
図5及び図6には、スキャナ500が示されている。
図5及び図6に示されるように、スキャナ500は原稿送り装置504と、光学読み取り装置506とを有する。
原稿送り装置504は、原稿送り装置本体508を有し、原稿送り装置本体508の上部に読み取りがなされる原稿Dが積層されるように載置される載置部として用いられる載置板501と、原稿送り装置本体508から原稿Dが排出される原稿排出部512が取り付けられている。
【0046】
原稿送り装置本体508内には、載置板501に載置された原稿Dを一枚ずつ呼び出す呼び出しロール514と、呼び出しロール514によって呼び出された原稿Dを搬送する例えば3個の搬送ロール516、518、520と、搬送ロール516、518、520によって搬送された原稿Dを、原稿送り装置本体508外に排出する排出ロール522とが設けられている。搬送ロール518と搬送ロール520との間では、原稿Dは、後述する原稿台530と平行な状態で搬送され、また、排出ロール522によって排出された原稿Dは原稿排出部512に収容される。
【0047】
原稿送り装置504においては、載置板501にセットされた原稿Dを呼び出しロール514により呼び出した後、搬送ロール516、518、520によって搬送する。原稿Dの片面の画像を読み取る場合は、搬送ロール516、518、520によって順に原稿Dを搬送した後、排出ロール522によって原稿Dを原稿排出部512に排出する。
【0048】
一方、原稿Dの両面の画像を読み取る場合は、搬送ロール516、518、520によって順に原稿Dを搬送した後、排出ロール522の正転/逆転動作と搬送路の切り替え動作により原稿Dを再び搬送ロール516に送り込み、搬送ロール518、520によって順に搬送し、原稿Dを表裏反転して原稿排出部512に排出する。これにより、搬送ロール518、520の間に設定された読み取り位置P1では、表裏が反転されたかたちで原稿Dが2回にわたって移動することになる。また、原稿排出部512に対しては、載置板501にセットされた状態と同じ向きで原稿Dが排出されることになる。
【0049】
光学読み取り装置506は、原稿読取装置本体として用いられる光学読み取り装置本体509を有し、光学読み取り装置本体509の上部に原稿台530が取り付けられている。原稿台530は光を透過する材質である例えばガラス等からなり、原稿台530上には、被読み取り面を下向きにした状態でブック原稿、シート原稿などの静止原稿が載置され、原稿台530の上面を読み取り位置P2として静止原稿の画像が読み取られる。一方、先述のように原稿送り装置504によって搬送される移動原稿は、読み取り位置P1で読み取りがなされる。
【0050】
原稿読み取り装置本体509内には、走査部として用いられるフルレートキャリッジ532と、ハーフレートキャリッジ534と、結像レンズ536と、CCDセンサ538とが装着されている。フルレートキャリッジ532には、ランプ540、リフレクタ544、及び第1ミラー546が搭載されている。また、ハーフレートキャリッジ534には、第2ミラー548及び第3ミラー550が搭載されている。
【0051】
フルレートキャリッジ532とハーフレートキャリッジ534は、例えばステッピングモータからなる駆動源522により、副走査方向Y(図5及び図6の左右方向)に移動する。その際、ハーフレートキャリッジ534はフルレートキャリッジ532の1/2の速度で移動する。
【0052】
ランプ540は原稿面に光を照射するもので、リフレクタ544はランプ540の光を原稿面に集光させるものである。第1ミラー546は原稿面からの反射光を水平方向に反射し、第2ミラー548は第1ミラー546によって反射された光を垂直方向に反射するものである。また、第3ミラー550は第2ミラー548によって反射された光を水平方向に反射させ、結像レンズ536は第3ミラー550によって反射された光を所定の縮小倍率でCCDセンサ538の受像面に結像させるものである。CCDセンサ538は、原稿の画像を読み取る際の読み取りセンサとなるもので、原稿からの反射光に応じた画像信号を生成する。CCDセンサ538としては、例えばフルカラー画像の読み取りへの対応として3ラインカラーCCDなどが用いられる。
【0053】
フルレートキャリッジ532は、案内部として用いられる案内部材554によって、副走査方向Yの移動が案内される。案内部材554は、両端部がそれぞれ光学読み取り装置本体509の前側の内側板と後ろ側の内側板とに装着されているとともに、フルレートキャリッジ532の筐体を貫通するようになっている。フルレートキャリッジ532は、案内部材554に案内されつつ、駆動源522からの駆動伝達を受けて、副走査方向Yに移動する。
【0054】
図7及び図8には、光学読み取り装置506が示されている。
図7及び図8に示すように、光学読み取り装置本体509の左側面Dには、2つの挿入孔560、560が原稿読み取り装置本体509の外側から内側まで貫通するように形成されている。挿入孔560、560は、プラグ404(図4参照)の電極板408、408をそれぞれ挿入することができるようになっている。また、挿入孔560、560は、それぞれ略円弧形状を有し、挿入された電極板408、408が、挿入孔560、560に案内されつつ挿入孔560、560内を回転するようにして移動することができるようになっている。
【0055】
図9には、光学読み取り装置本体509に、フルレートキャリッジ532が一時的に固定された様子が示されている。
図9に示されるように、フルレートキャリッジ532の案内部材554が貫通した側の側面である右側面と逆側の側面である左側面近傍部は、重力方向下側から支持部材562によって支持されている。フルレートキャリッジ532は、案内部材554に案内されるとともに、支持部材562の重力方向上向きの面の上を滑るようにして移動する。
【0056】
フルレートキャリッジ532の本体には、電極板408、408が挿入される挿入孔564、564が形成されているとともに、フルレートキャリッジ532内には、例えば板バネ等の弾性体からなる固定部材566、566が設けられている。固定部材566、566には、係合部として用いられる凸部570、570がそれぞれ形成されている。また、固定部材566、566の凸部570、570が形成された側近傍には、圧接板568、568が設けられている。
【0057】
フルレートキャリッジ532を光学読み取り装置本体509に一時的に固定するには、プラグ404を画像読み取り装置本体509に装着することにより、電極板408、408を、画像読み取り装置本体509の側板を貫通し、フルレートキャリッジ532に挿入された状態とする。この際、電極板408、408は、図8に二点鎖線で示される位置に挿入され、その後、プラグ404を図8に示す矢印方向に回転させることにより、電極板408、408は、図8に実線で示され、図9に示される位置に移動する。
【0058】
電極板408、408が、図8に実線で示され、図9に示される位置に移動すると、電極板408、408は、固定部材566、566と圧接板568、568の間に挟みこまれるように挿入され、固定部材566、566の弾性によって圧接板568、568に圧接され、フルレートキャリッジ532が、原稿読み取り装置本体509に固定された状態となる。
【0059】
フルレートキャリッジ532が、原稿読み取り装置本体509に固定された状態においては、凸部570、570が貫通孔410、410に係合し、操作者によってプラグ404を引き抜くとの操作がなされる場合以外には、原稿読み取り装置本体509に対するフルレートキャリッジ532の固定が解除されにくい状態となる。
【0060】
図10には、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置が有する光学読み取り装置本体509に、フルレートキャリッジ532が一時的に固定された様子が示されている。
先述の第1の実施形態においては、プラグ404の電極板408、408を、画像読み取り装置本体509の側板を貫通し、フルレートキャリッジ532に挿入された状態とすることによって、フルレートキャリッジ532が、原稿読み取り装置本体509に一時的に固定された。これに対して、この第2の実施形態においては、プラグ404のプラグ本体406の少なくも一部分を、画像読み取り装置本体509の側板を貫通し、フルレートキャリッジ532に挿入された状態とすることによって、フルレートキャリッジ532が、原稿読み取り装置本体509に一時的に固定される。
【0061】
すなわち、プラグ本体406の電源コード402が設けられた側と逆側であって、電極板408、408が突出した側の部分が、挿入孔560に挿入され、さらに挿入孔564に挿入される。先述の第1の実施形態では、挿入孔560及び挿入孔564は、電極板408、408が挿入可能な形状に形成されていたが、この第2の実施形態においては、挿入孔560及び挿入孔564は、プラグ本体406が挿入可能な形状に形成されている。
【0062】
図11には、本発明の本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置が有する光学読み取り装置本体509に、フルレートキャリッジ532が一時的に固定された様子が示されている。
先述の第1の実施形態においては、プラグ404の電極板408、408を、画像読み取り装置本体509の側板を貫通し、フルレートキャリッジ532に挿入された状態とすることによって、フルレートキャリッジ532が、原稿読み取り装置本体509に一時的に固定された。これに対して、この第3の実施形態においては、電源コード402を用いフルレートキャリッジ532が、原稿読み取り装置本体509に一時的に固定される。
【0063】
すなわち、光学読み取り装置本体509に電源コード402を挿入可能な開放部576が形成されるとともに、フルレートキャリッジ532の本体の開放部576に対向する位置に、電源コード402を一時的に固定する固定部578が設けられていて、固定部578に電源コード402を固定することで、フルレートキャリッジ532が光学読み取り装置本体509に一時的に固定される。また、電源コード402を固定部578から取り外すことにより、フルレートキャリッジ532の光学読み取り装置本体509への一時的な固定が解除される。
【0064】
図12には、本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置が有する電源コードが示されている。
先述の第1の実施形態においては、電源コード402の一端側にプラグ404が設けられ、他端側は画像形成装置本体12内に設けられた電源ユニット400に接続されていた。これに対して、この第2の実施形態で用いられる電源コードは、一端側にプラグ404が設けられているとともに、他端側にプラグ404が設けられている。プラグ404は、画像形成装置本体12の外側から、電源ユニット400に対して装着することができ、又、電源ユニット400から取り外すことができるようになっている。
【0065】
また、先述の第1の実施形態では、プラグ404は、2つの電極板408を有していた。これに対して、この第4の実施形態では、プラグ404は、2つの電極板408に加えて、接地のために用いられる1つの接地電極412を有している。
【0066】
図13には、本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置が有する光学読み取り装置本体509に、フルレートキャリッジ532が一時的に固定された様子が示されている。
先述の第1の実施形態においては、プラグ404の電極板408、408を、画像読み取り装置本体509の側板を貫通し、フルレートキャリッジ532に挿入された状態とすることによって、フルレートキャリッジ532が、原稿読み取り装置本体509に一時的に固定された。これに対して、この第4の実施形態においては、電極板408、408とあわせて、接地電極412を画像読み取り装置本体509の側板を貫通し、フルレートキャリッジ532に挿入された状態とすることによって、フルレートキャリッジ532が、原稿読み取り装置本体509に一時的に固定されている。
【0067】
また、先述の第1の実施形態では、電極板408、408が、固定部材566、566と圧接板568、568の間に挟みこまれるように挿入され、固定部材566、566の弾性によって圧接板568、568に圧接され、フルレートキャリッジ532が、原稿読み取り装置本体509に固定された状態とされた。これに対して、この第4の実施形態では、接地電極412が、固定部材566と圧接板568の間に挟みこまれるように挿入され、固定部材566の弾性によって圧接板568に圧接され、フルレートキャリッジ532が、原稿読み取り装置本体509に固定された状態となる。
【0068】
図14及び図15には、本発明の第5の実施形態に係る画像形成装置が有する光学読み取り装置本体509に、フルレートキャリッジ532が一時的に固定される様子が示されている。
図14及び図15に示されるように、光学読み取り装置本体509には、プラグ404が装着される装着部材430が光学読み取り装置本体509に対して回転することができるように取り付けられている。装着部材430は装着部材本体432を有し、装着部材本体432には、フルレートキャリッジ532側に突出するように設けられたL字形状の固定部434が取り付けられている。
【0069】
また、装着部材本体432には、装着部材本体432の表面から突出するように、例えば樹脂や金属等の弾性体からなる係合部436が設けられている。係合部436には、電極板408に形成された貫通孔410に係合可能な凸部440が形成されている。また、装着部材本体432には、電極板408、408が挿入される凹部450、450が形成されている。
【0070】
この第5の実施形態においては、フルレートキャリッジ532の本体に側板から突出するように突出板444が取り付けられている。突出板444の例えば上向きの面には、固定部434の先端部が挿入され、係合可能な凹部446が形成されている。
【0071】
また、この第5の実施形態においては、光学読み取り装置本体509に、係合部436を装着部材本体432の内側へ押し込むように押圧する押圧部材452が取り付けられている。
【0072】
この第5の実施形態において、フルレートキャリッジ532を光学読み取り装置本体509に一時的に固定するには、図14(a)に示されるように、電極板408、408が凹部450、450に挿入されるように、プラグ404を装着部材430に対して装着し、図14(b)に示したように、プラグ404と装着部材430とを一体として光学読み取り装置本体509に対して回転させる。
【0073】
装着部材430が回転することに伴い、固定部434も回転をし、図15(c)に示されるように固定部434の先端部が凹部446に挿入され、凹部446に係合される。そして、固定部434の先端部が凹部446に係合することで、フルレートキャリッジ532が光学読み取り装置本体509に一時的に固定される。
【0074】
図16には、本発明の第1乃至第5のいずれかの実施形態に係る画像形成装置10が出荷される様子が説明されている。
画像形成装置本体12が出荷される際には、図16(a)に示されるように、プラグ404を用いてフルレートキャリッジ532を光学読み取り装置本体509に一時的に固定した状態で、画像形成装置10を梱包用の梱包ケース600に緩衝材602等を用いて梱包する。
【0075】
出荷がなされた画像形成装置10は、図16(b)に示されるように、使用に先立って梱包が解かれる。
【0076】
そして梱包から解かれた画像形成装置10は、使用に先立ち、プラグ404が、例えば商業電源等の外部電源に接続される。この際、プラグ404又は電源コード402が、フルレートキャリッジ532から取り外されるため、フルレートキャリッジ532の光学読み取り装置本体532に対する一時的な接続が解除され、フルレートキャリッジ532は、光学読み取り装置本体509内を移動可能な状態となる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
以上述べたように、本発明は、スキャナ等の原稿読み取り装置、プリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置、及び電子装置と、原稿読み取り装置を出荷する出荷方法、画像形成装置を出荷する出荷方法、及び電子装置の出荷方法に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置を示す側面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置が有するプロセスカートリッジを示す側面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置が有するプラグを示す斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る原稿読み取り装置の断面を示し、図1におけるA−A線を含む面の断面を示す断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る原稿読み取り装置の断面を示し、図1におけるB−B線を含む面の断面を示す断面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る原稿読み取り装置の要部を示す斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る原稿読み取り装置の図7における面Dを示す側面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る原稿読み取り装置を示し、図1におけるC−C線を含む面の断面を示す断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る原稿読み取り装置を示し、図1におけるC−C線を含む面に相当する面の断面を示す断面図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る原稿読み取り装置を示し、図1におけるC−C線を含む面に相当する面の断面を示す断面図である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置が有する電源コードを示す斜視図である。
【図13】本発明の第4の実施形態に係る原稿読み取り装置を示し、図1におけるC−C線を含む面に相当する面の断面を示す断面図である。
【図14】本発明の第5の実施形態に係る原稿読み取り装置を示し、図1におけるC−C線を含む面に相当する面の断面を示す断面図である。
【図15】本発明の第5の実施形態に係る原稿読み取り装置で、走査部が原稿読み取り装置本体に一時的に固定される工程を説明する説明図である。
【図16】本発明の第1乃至第5のいずれかの実施形態に係る画像形成装置が、梱包され、出荷された後、設置される手順を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0079】
10 画像形成装置
100 画像形成部
400 電源ユニット
402 電源コード
404 プラグ
406 プラグ本体
408 電極板
410 貫通孔
412 接地電極
430 装着部材
436 係合部
440 凸部
444 突出板
500 スキャナ
506 光学読み取り装置
508 原稿送り装置本体
509 光学読み取り装置本体
522 駆動源
532 フルレートキャリッジ
566 固定部材
570 凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿読み取り装置本体と、
前記原稿読み取り装置本体内に設けられ、前記原稿読み取り装置本体内で移動して原稿を走査する走査部と、
前記原稿読み取り装置本体外に設けられ、外部電源に接続され、電力供給に用いられる電力供給部と、
を有し、
前記電力供給部は、前記原稿読み取り装置本体に対して前記走査部を一時的に固定する固定部として用いられる原稿読み取り装置。
【請求項2】
前記電力供給部は、前記原稿読み取り装置本体の側板を貫通し、前記走査部に挿入される挿入部を有する請求項1記載の原稿読み取り装置。
【請求項3】
前記電力供給部は、前記走査部が有する係合部に係合可能な被係合部を有する請求項1又は2記載の原稿読み取り装置。
【請求項4】
原稿読み取り装置と、
前記原稿読み取り装置で読み取った原稿に基づき画像形成を行う画像形成部と、
を有し、
前記原稿読み取り装置は、
原稿読み取り装置本体と、
前記原稿読み取り装置本体内に設けられ、前記原稿読み取り装置本体内で移動して原稿を走査する走査部と、
前記原稿読み取り装置本体外に設けられ、外部電源に接続され電力供給に用いられる電力供給部と、
を有し、
前記電力供給部は、前記原稿読み取り装置本体に対して、前記走査部を一時的に固定する固定部として用いられる画像形成装置。
【請求項5】
電子装置本体と、
前記電子装置本体に対して移動可能に設けられた移動部と、
前記電子装置本体外に設けられ、外部電源に接続され電力供給に用いられる電力供給部と、
を有し
前記電力供給部は、前記電子装置本体に対して、前記移動部を一時的に固定する固定部として用いられる電子装置。
【請求項6】
原稿読み取り装置本体内に設けられ、前記原稿読み取り装置本体内で移動して原稿を走査する走査部を、前記原稿読み取り装置本体外に設けられ、外部電源に接続され電力供給に用いられる電力供給部を用いて、前記原稿読み取り装置本体に対して一時的に固定して出荷する原稿読み取り装置の出荷方法。
【請求項7】
画像形成部で画像形成がなされる原稿を読み取る原稿読み取り装置の原稿読み取り装置本体内に設けられ、前記原稿読み取り装置本体内で移動して原稿を走査する走査部を、前記原稿読み取り装置本体外に設けられ、外部電源に接続され電力供給に用いられる電力供給部を用いて前記原稿読み取り装置本体に対して一時的に固定して出荷する画像形成装置の出荷方法。
【請求項8】
電子装置本体に対して移動可能に設けられた移動部を、前記電子装置本体外に設けられ、外部電源に接続され電力供給に用いられる電力供給部を用いて、前記電子装置本体に対して一時的に固定して出荷する電子装置の出荷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−217125(P2009−217125A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−62438(P2008−62438)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】