説明

厨房用器物

【課題】 チタン材の優れた特性を保持することに加えて外面特性、詳しくは器物としての使用性、取扱い性に優れた厨房用器物の提供。
【解決手段】 器物本体Aをチタン材で所定の形状に成形するとともに、その外周面に鏡面処理を施して鏡面層aを形成する。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は厨房用器物、さらに詳しくはカクテルシェーカー、マグカップ等の容器や、醤油、ソース、酢等の調味料入れ、あるいは鍋、フライパンなど、厨房やテーブルで使用する器物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カクテルシェーカーやマグカップ等の容器を例にとれば、その材質はステンレス製あるいは洋白に銀めっきを施したものが一般的に使用されている。
しかるに、上記従来のシェーカーやマグカップによれば、収容したカクテルやウイスキー等の飲み物が容器の材質と反応して変質し、旨味が劣化するなどの不具合があった。
斯る不具合を解消するために本考案者らは、チタン材を素材とした各種の厨房用器物を提案した(特開平11−309057号公報参照)。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、上記チタン製厨房用器物にさらに改良を重ねて、チタン材の優れた特性を保持することに加えて外面特性、詳しくは器物としての使用性、取扱い性に優れた厨房用器物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
斯る本考案の厨房用器物は、器物本体をチタン材で所定の形状に成形するとともに、その外周面に鏡面処理を施してなることを特徴とする。
本考案が対象とする器物本体には、カクテルシェーカー、スキットル、マグカップ、ビールジョッキー、ビールタンクや醤油,ソース,酢等の調味料入れ、あるいはコーヒーポット、コーヒーカップ、ティーポット、ティーカップ、さらには鍋、フライパン等がある。
本考案によれば、カクテルシェーカー等の器物本体の外周面に、チタン材を鏡面処理した鏡面層が形成されているので、それを手で持ったときに指との手触りや密着性がよくて滑りがなく、また、鍋製品における耐熱性を単なるチタン製とした場合に較べて一段と高めることができる。
【0005】
【考案の実施の形態】
本考案の実施の形態を、カクテルシェーカー及び鍋の場合について図面により説明する。
図1はカクテルシェーカAを示し、その形状は本体部1、中蓋2及びキャップ3により構成される一般的な形態である。
このシェーカーAは、各部1,2,3をそれぞれチタン材で成形し、それらの外周面に鏡面処理を施して鏡面層aが作製される。
図2は鍋Bを示し、この鍋本体4も同様にチタン材で成形し、その外周面、特に底面部に鏡面処理を施して鏡面層bを作製する。なお、鍋本体Bに掴み手5を取り付ける場合には、該掴み手5は必ずしもチタン材である必要はなく、銅製とすることもよい。
【0006】
上記シェーカーA,鍋Bの鏡面処理は、バフ研摩、化学研摩、電解研摩等により仕上げられるが、好ましくは荒研摩の後に、適当な粉末を混入させた研摩液を使用してバフ研摩処理により鏡面仕上げをする。
【0007】
而して、上記シェーカーA,鍋Bによれば、チタン製としての特性、すなわち軽量性、強靭性、高耐熱性に優れた器物が得られるとともに、シェーカーA内に入れた洋酒などの飲み物を変質させることなく旨味を保持することができる。
それに加えて、シェーカーAの外周面に形成された鏡面層aにより、独特な手触りでしかも密着性がよいので、本来の軽量性と相俟ってシェーカーの持ち運びなど取扱いが簡便であるとともに、手で持って振り操作する際に操作しやすく快適な使用感が得られる。また、鍋Bに形成した鏡面層bにより、さらに高耐熱性となって熱を伝え難く内部の温度が急上昇しないので、鍋内の料理品のこげつきが阻止される。
【0008】
なお、上記実施の形態においては、シェーカー及び鍋製品の場合のみを説明したが、それに限られるものではなく、前述したスキットル、マグカップやコーヒーポット等にも適用して同様の特性が得られものであり、特にスキットル、マグカップに適用すれば、長時間にわたりウイスキー等の飲料物の味の劣化が防止されるばかりでなく、独特な手触りで快適な使用感が得られる。
【0009】
【考案の効果】
本考案によれば、カクテルシェーカーや鍋製品等の器物本体がチタン製であることにより、そこに収容した飲み物や料理品の味劣化を阻止して旨味を長時間維持することができる。
しかも、上記器物本体の外周面に鏡面処理を施して鏡面層を形成したので、手と器物本体とがフィットして快適な使用性が得られるとともに軽量性と相俟って取扱い性に優れた厨房用器物を提供することができる。
【0010】
また、器物本体が鍋製品である場合には、単なるチタン製とした場合に較べてさらに耐熱性を高めることができるので、鍋内の料理品のこげつきを防止して調理操作性に優れた厨房用器物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案のカクテルシェーカーを例示する断面図である。
【図2】 本考案の鍋製品を例示する断面図である。
【符号の説明】
A:カクテルシェーカー a:鏡面層
B:鍋 b:鏡面層

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 器物本体をチタン材で所定の形状に成形するとともに、その外周面に鏡面処理を施してなる厨房用器物。
【請求項2】 上記器物本体がカクテルシェーカーである請求項1記載の厨房用器物。
【請求項3】 上記器物本体が鍋製品である請求項1記載の厨房用器物。

【図1】
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【図2】
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【登録番号】実用新案登録第3069901号(U3069901)
【登録日】平成12年4月12日(2000.4.12)
【発行日】平成12年7月4日(2000.7.4)
【考案の名称】厨房用器物
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平11−9756
【出願日】平成11年12月22日(1999.12.22)
【出願人】(591175413)明道金属株式会社 (1)