説明

双方向非接触給電システム

【課題】 高電圧駆動であっても良好な伝送効率を維持しつつ対称性も保持して非接触の双方向給電を実現し得る双方向非接触給電システムを提供する。
【解決手段】 非接触トランス3のコイル3A,3Bに直列および並列に接続されるコンデンサC1,C2,C5,C6を有してコイル3A,3Bとの間で共振回路を形成する双方向共振回路5,6と、これらにそれぞれ接続される電力変換装置1,2と、これらに並列に接続された直流電源DC1,DC2および負荷R1,R2と、電力変換装置1をインバータとして動作させるとともに電力変換装置2をコンバータとして動作させることにより一方向に電力を供給する際には、コンデンサC1がコイル3Aに直列に接続され、コンデンサC6がコイル3Bに並列に接続されるとともに、反対方向に電力を供給する際には逆の動作になるように制御するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は双方向非接触給電システムに関し、特に高電圧バッテリーを電源とする場合に適用して有用なものである。
【背景技術】
【0002】
近年環境負荷の観点からハイブリッド電気自動車等を含む電気自動車が注目されている。この種の電気自動車は、基本構成として巨大なバッテリーとインバータとを搭載し、加えて家庭用コンセントからの普通充電機能を備えている。
【0003】
一方、電気自動車への充電技術の一つである非接触給電は屋外でも安全、簡便にエネルギーを伝達できることから、近年特に注目されている。
【0004】
そこで、非接触給電および非接触充電の一例として図4に示すような双方向非接触給電システムが提案されている(非特許文献1参照)。同図に示すように、当該双方向非接触給電システムは、インバータまたはコンバータとして機能する電力変換装置1,2、スイッチ手段SW1,SW2で交互に選択される直流電源DC1,DC2、スイッチ手段SW4,SW3で交互に選択される負荷R2,R1ならびにノイズカット用のリアクトルL1,L2および平滑用のコンデンサC3,C4を有している。一方側の電力変換装置1と他方側の電力変換装置2とは非接触トランス3を介して電磁結合され、双方向の電力授受を行うようになっている。すなわち、電力変換装置1をインバータとして機能させる場合にはスイッチ手段SW1を投入するとともに、スイッチ手段SW4を投入して電力変換装置2をコンバータとして機能させる。逆の場合には、スイッチ手段SW2を投入するとともに、スイッチ手段SW3を投入して電力変換装置2をインバータとして機能させるとともに、電力変換装置1をコンバータとして機能させる。ここで、非接触トランス3とは、一方側のコイル3Aと他方側のコイル3Bとを分割し、故意にギャップを介して相対向させたトランスをいう。
【0005】
このように非接触トランス3を介して電力の授受を行わせる場合、漏れ磁束の増大に伴い一方側のコイル3Aと他方側のコイル3Bとの双方と鎖交する磁束が減少し、相互インダクタンスMが小さくなる。このため、非接触トランス3を用いる非接触給電方式では、10kHz以上の高い周波数ωでコイル電流をスイッチングしたり、コンデンサC1,C2をコイル3A,3Bの近傍へ挿入して良好な電力伝送を担保している。加えて、双方向性を保証するためには一方側と他方側の回路を同様に構成する必要があり、図4では最もシンプルな構成である直列−直列型のコンデンサ配置としている。
【0006】
かかる双方向非接触給電システムにおいて、高い電力伝送効率を維持するため、原則負荷R1,R2の抵抗値は相互リアクタンスωMよりも小さくする必要がある。負荷R1,R2の抵抗値が小さい場合、必然的に直流電源DC1,DC2の電圧が12V程度の低電圧となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【非特許文献1】電力中央研究所報告(H09015)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、実際の電気自動車に搭載されるバッテリーは300V程度と高電圧である。すなわち、駆動電圧が300V程度の電気自動車のバッテリーを利用した双方向非接触給電システムでは、ジュール熱の低減の観点から負荷電流Iを小さくする必要がある。このためには、負荷R1,R2の抵抗値を大きくする必要がある。
【0009】
ところが、図4に示すシステム構成において負荷R1,R2の抵抗値を大きくすれば、
高い電力伝送効率を維持させることが困難になる。
【0010】
本発明は、上記従来技術に鑑み、電源が高電圧であっても良好な伝送効率を維持しつつ対称性も保持して非接触の双方向給電を実現し得る双方向非接触給電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成する本発明の構成は次の知見を基礎とするものである。いま、図4に示す非接触トランス3における電力の伝送側のコイル3Aに直列にコンデンサを接続するとともに受電側のコイル3Bに並列に他のコンデンサを接続した場合、すなわち非接触トランス3のコイル3A,3Bの両端にコンデンサの直列−並列接続を行った場合を考える。この場合の等価回路において、式(1)が成立するように容量C(並列に接続した他のコンデンサの容量)と高周波電源の周波数ωを決める。
【0012】
(1/jωC)+jωL=0 ・・・・(1)
なお、上式(1)中、Lは非接触トランス3の自己インダクタンスである。
【0013】
上式(1)が成立している場合には、高周波電源から見たインピーダンスZは式(2)で表される。
Z=(1/jωC)+jω(1−k)L+kR ・・・・(2)
なお、上式(2)中、容量Cは直列に接続したコンデンサの容量、Rは受電側の抵抗、kは非接触トランス3における結合係数である。
【0014】
一方、伝送側の電圧をV、電流をI、受電側の電圧をV、電流をIとするとき式(3)および式(4)の関係が成立している。
/V=1/k ・・・・(3)
/I=k ・・・・(4)
【0015】
したがって、この場合の電力伝送効率は式(5)となる。
/P=1 ・・・・(5)
【0016】
これらの解析結果を参酌すると、式(5)の通り高い伝送効率を維持しつつ、式(2)の通り負荷R1,R2の抵抗値Rが大きくても電力伝送が成立するため、直列−並列のコンデンサ配置は高電圧系に適した回路構成であることが分かる。
【0017】
ただ、この場合には、伝送側と受電側とを逆転させると双方向性を担保することはできない。そこで、高電圧駆動であっても良好な伝送効率を維持しつつ対称性も保持して非接触の双方向給電を実現するためには、さらなる工夫が必要になる。
【0018】
本発明は上記知見に基づき、上述の如き目的を達成するもので、その第1の態様は、
一方側と他方側とで非接触で双方向の電気エネルギーの授受を行うよう相互に離隔して配設されている前記一方側および他方側のコイルを有する非接触トランスと、
第1および第2のスイッチ手段を介して前記コイルに直列および並列に接続されるコンデンサを有して前記コイルとの間で共振回路を形成する一方側および他方側の双方向共振回路と、
前記双方向共振回路にそれぞれ接続されるとともにインバータおよびコンバータとして動作される一方側および他方側の電力変換装置と、
一方側および他方側で前記各電力変換装置にそれぞれ第3および第4のスイッチ手段を介して並列に接続された直流電源および負荷と、
一方側から他方側に電力を供給する際には、一方側において前記第3のスイッチ手段を制御することにより前記電力変換装置を前記直流電源を電源とするインバータとして動作させるとともに前記双方向共振回路においては前記コンデンサが前記コイルに直列に接続されるように前記第1のスイッチ手段を制御する一方、他方側において前記双方向共振回路の前記コンデンサが前記コイルに並列に接続されるように前記第2のスイッチ手段を制御するとともに前記第4のスイッチ手段を制御して前記電力変換装置を前記負荷に電力を供給するコンバータとして動作させるように制御し、他方側から一方側に電力を供給する際には逆の動作になるように制御する制御手段とを有することを特徴とする双方向非接触給電システムにある。
【0019】
本態様によれば、非接触トランスを介して双方向の電力伝送を行う双方向非接触給電システムにおいて、一方側から他方側に電力を供給する場合には、一方側のコンデンサが非接触トランスの一方側のコイルに直列に接続され、他方側のコンデンサが他方側のコイルに並列に接続されるようにしているので、電源が高電圧であっても高い電力伝送効率を維持しつつ所定の電力伝送が可能になる。同時に、他方側から一方側に電力を供給する場合には、他方側のコンデンサが非接触トランスの他方側のコイルに直列に接続され、一方側のコンデンサが一方側のコイルに並列に接続されるようにしているので、双方向性が犠牲にされることはない。このように、電源が高電圧である場合の電力伝送効率を高く維持しつつ非接触トランスを介した双方向電力伝送を良好に行うことができる。
【0020】
本発明の第2の態様は、
第1の態様に記載する双方向非接触給電システムにおいて、
一方側と他方側の前記電力変換装置と前記負荷および直流電源との間に昇降圧コンバータを配設するとともに、
一方側から他方側に電力を供給する際には、前記制御手段が一方側の昇降圧コンバータを必要に応じて昇圧コンバータとして動作させるとともに他方側の昇降圧コンバータを降圧コンバータとして動作させるように制御する一方、他方側から一方側に電力を供給する際には逆の動作になるように制御するものであることを特徴とする双方向非接触給電システムにある。
【0021】
本態様によれば、電力変換装置の入力電圧または出力電圧を任意に調整することができる。この結果、式(3)より0<k<1であることから、受電側の電圧Vは伝送側の電圧Vよりも高い電圧となるが、受電側の昇降圧コンバータを降圧コンバータとして動作させることにより、定格通りの性能を発揮させることが可能になる。
【0022】
さらに、特に複数のバッテリーをユニット化したモジュールで直流電源を形成した場合等には、その冗長性を確保し得る。
【0023】
本発明の第3の態様は、
第1の態様または第2の態様に記載する双方向非接触給電システムにおいて、
前記非接触トランスの一方側の前記コイルは家側に、他方側の前記コイルは移動により前記一方側のコイルに相対向し得るように車両側にそれぞれ配設されるとともに、前記一方側の前記双方向共振回路、電力変換装置、直流電源および負荷は前記家側に配設され、前記他方側の前記双方向共振回路、電力変換装置、直流電源および負荷は前記車両に搭載されていることを特徴とする双方向非接触給電システムにある。
【0024】
車両には、補機類に12V等を供給する鉛蓄電池と、モーターを駆動させるため300V相当の電圧を供給するバッテリーが搭載されている。本態様における直流電源および負荷は後者を対象とする。
【0025】
本態様によれば、上述の如き理由により、特に高電圧系統となる家と車両間の双方向非接触給電システムとして有用なものとなる。また、車載バッテリーは、通常多数のバッテリーをユニット化したモジュールで形成されているので、この場合の冗長性も確保し得る。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、非接触トランスを用いた双方向非接触給電システムにおいて使用する電源が高電圧であっても双方向性を犠牲にすることなく、高い電力伝送効率を維持しつつ双方向の非接触給電が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態に係る双方向非接触給電システムを示すブロック線図である。
【図2】図1に示す双方向非接触給電システムにより一方側から他方側へ電力伝送を行う場合の態様を示すブロック線図である。
【図3】図1に示す双方向非接触給電システムにより他方側から一方側へ電力伝送を行う場合の態様を示すブロック線図である。
【図4】従来技術に係る双方向非接触給電システムを示すブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る双方向非接触給電システムを示すブロック線図である。同図に示すように、本形態に係る双方向非接触給電システムは、図4に示す双方向非接触給電システムと同様に、非接触トランス3により分離されて対称に構成されている一方側(図中の左側;以下同じ)と他方側(図中の右側;以下同じ)とからなり、図4に示すシステムに双方向共振回路5,6および昇降圧コンバータ7,8を追加したものである。その他の構成は図4に示す双方向非接触給電システムと同様であるので、図4と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
【0029】
図1に示すように、双方向共振回路5,6はコイル3A,3Bに直列に接続されたコンデンサC1,C2と、コイル3A,3Bに並列に接続されたコンデンサC5,C6とからなり、コンデンサC1,C2の両端はスイッチ手段SW5、SW6で短絡可能に構成されるとともに、コンデンサC5,C6はスイッチ手段SW7,SW8によりコイル3A,3Bの両端間に選択的に接続可能に構成されている。ここで、一方側から他方側へ電力伝送を行う場合には、スイッチ手段SW5およびスイッチ手段SW7がOFF状態、スイッチ手段SW6およびスイッチ手段SW8がON状態になるように制御される。また、他方側から一方側へ電力伝送を行う場合には、スイッチ手段SW6およびスイッチ手段SW8がOFF状態、スイッチ手段SW5およびスイッチ手段SW7がON状態になるように制御される。かくして、前者の場合には一方側から他方側に向けて非接触トランス3を挟んでコンデンサC1およびコンデンサC6が直列−並列接続され、後者の場合には他方側から一方側に向けて非接触トランス3を挟んでコンデンサC2およびコンデンサC5が直列−並列接続される。
【0030】
かくして一方側と他方側との間での双方向性が担保されると同時に電源が高電圧であっても電力伝送効率を高く維持しつつ非接触トランスを介した非接触給電を行うことができる。
【0031】
昇降圧コンバータ7は、リアクトルL3およびコンデンサC7とともに一方側で直流電源DC1および負荷R1と電力変換装置1との間に接続され、昇降圧コンバータ8は、リアクトルL4およびコンデンサC8とともに他方側で直流電源DC2および負荷R2と電力変換装置2との間に接続されている。かくして、一方側から他方側に電力を伝送する場合には、スイッチ手段SW1がON状態となって直流電源DC1を昇降圧コンバータ7の入力側に接続するとともにスイッチ手段SW4がON状態となって負荷R2を昇降圧コンバータ8の出力側に接続する。反対に、他方側から一方側に電力を伝送する場合には、スイッチ手段SW2がON状態となって直流電源DC2を昇降圧コンバータ8の入力側に接続するとともにスイッチ手段SW3がON状態となって負荷R1を昇降圧コンバータ7の出力側に接続するように制御される。
【0032】
かかる昇降圧コンバータ7,8はそのスイッチング制御により、電力変換装置1,2に印加する入力電圧を所定の値に調整するとともに、負荷R2,R1に印加する入力電圧を所定の値に調整する。
【0033】
上述の電力変換装置1,2の所定周波数(例えば10kHz)でのスイッチング、昇降圧コンバータ7,8の電圧調整のためのスイッチングおよびスイッチ手段SW1〜SW8の開閉制御は図示しない制御手段により行われる。
【0034】
上述の如き本形態によれば、一方側から他方側へ電力伝送を行う場合には、インバータとして機能させる一方側の電力変換装置1に、スイッチ手段SW1を介して一方側の直流電源DC1を接続し、コンバータとして機能させる他方側の電力変換装置2に、スイッチ手段SW4を介して他方側の負荷R2を接続するとともに、他方側から一方側に電力を供給する場合には、他方側の機器と一方側の機器の機能が逆転されるように接続することができるので、双方向の電力伝送を良好に行うことができる。
【0035】
ここで、本形態における非接触トランス3のコイル3A,3Bには、電力伝送の方向に沿いコンデンサC1,C6またはコンデンサC2,C5が直列−並列接続されるので、高い電力伝送効率を保持して高い電圧での電力伝送を実現することが可能になる。
【0036】
さらに、上述の如きコンデンサC1,C2,C5,C6の直列−並列に関する接続関係はスイッチ手段SW5〜SW8の切換えにより一方側と他方側とで対称な構成とすることができるので、双方向性が犠牲にされることもない。
【0037】
また、本形態では昇降圧コンバータ7,8を具備するので、電力変換装置1,2の入力電圧または出力電圧を任意に調整することができる。この結果、直流電源DC1,DC2や負荷R1,R2の性能にかかわらず電力変換装置1,2に対する所望の入出力電圧に対処し得る。特に複数のバッテリーをユニット化したモジュールで直流電源を形成した場合等には、その冗長性を確保し得る。すなわち、例えばバッテリーの放電に伴い出力電圧が単調減少した場合でもその出力電圧の昇圧により定格通りの性能を発揮させることが可能になる。
【0038】
また、一方側および他方側の具体的な構成は、上述の如き構成を備えていれば、それ以上特別な制限はないが、例えば一方側を家等の固定部とし、他方側を車両とした場合の双方向非接触給電システムとして有用なものとなる。この場合、非接触トランス3のコイル3Aを家側に、コイル3Bを車両の移動によりコイル3Aに相対向し得るように車両側に配設すれば良い。そして、電力変換装置1、双方向共振回路5、昇降圧コンバータ7、直流電源DC1および負荷R1を家側の固定機器として配設する。一方、電力変換装置2、双方向共振回路6、昇降圧コンバータ8、直流電源DC2および負荷R2は車両側の機器として車両に搭載されている。ここで、車載側の機器はハイブリッド電気自動車や電気自動車に装備されている機器をそのまま流用できる。
【0039】
したがって、一方側を家側とし、他方側を車両として通常は家側から車載バッテリーに充電を行い、非常時に車載バッテリーを電源として家側の負荷の電力を賄う等の使用態様に適用して有用なシステムを構築することができる。また、この場合、車載バッテリーは、通常多数のバッテリーをユニット化したモジュールで形成されているので、その冗長性も確保し得る。
【0040】
図2は、図1に示す双方向非接触給電システムにより一方側から他方側へ電力伝送を行う場合の態様の一例を示すブロック線図である。同図に示す例では直流電源DC1の出力電圧をそのまま(必要に応じ昇降圧コンバータ7により電圧調整を行っても良い)電力変換装置1に印加するとともにコンデンサC1,C6が直列−並列に接続された非接触トランス3を介して他方側に伝送された電力を昇降圧コンバータ8で適切な負荷電圧に降圧して負荷R2に供給している。
【0041】
一方、図3は、図1に示す双方向非接触給電システムにより逆に(他方側から一方側へ)電力伝送を行う場合の態様の一例を示すブロック線図である。同図に示す例では直流電源DC2の出力電圧をそのまま(必要に応じ昇降圧コンバータ8により電圧調整を行っても良い)電力変換装置2に印加するとともにコンデンサC2,C5が直列−並列に接続された非接触トランス3を介して一方側に伝送された電力を昇降圧コンバータ7で適切な負荷電圧に降圧して負荷R1に供給している。
【0042】
このように昇降圧コンバータ7,8を有する場合には、各部の電圧を任意に調節することができ、種々の定格の直流電源DC1,DC2や負荷R1,R2に柔軟に対応することができるという固有の効果は発揮される。これら昇降圧コンバータ7,8は受電側の電圧値を問わなければ必ずしも必要ではない。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は電気自動車と家等の固定設備との間で双方向に電力伝送を行うシステムを構築する産業分野において利用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1、2 電力変換装置
3 非接触トランス
3A,3B コイル
5,6 双方向共振回路
7,8 昇降圧コンバータ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方側と他方側とで非接触で双方向の電気エネルギーの授受を行うよう相互に離隔して配設されている前記一方側および他方側のコイルを有する非接触トランスと、
第1および第2のスイッチ手段を介して前記コイルに直列および並列に接続されるコンデンサを有して前記コイルとの間で共振回路を形成する一方側および他方側の双方向共振回路と、
前記双方向共振回路にそれぞれ接続されるとともにインバータおよびコンバータとして動作される一方側および他方側の電力変換装置と、
一方側および他方側で前記各電力変換装置にそれぞれ第3および第4のスイッチ手段を介して並列に接続された直流電源および負荷と、
一方側から他方側に電力を供給する際には、一方側において前記第3のスイッチ手段を制御することにより前記電力変換装置を前記直流電源を電源とするインバータとして動作させるとともに前記双方向共振回路においては前記コンデンサが前記コイルに直列に接続されるように前記第1のスイッチ手段を制御する一方、他方側において前記双方向共振回路の前記コンデンサが前記コイルに並列に接続されるように前記第2のスイッチ手段を制御するとともに前記第4のスイッチ手段を制御して前記電力変換装置を前記負荷に電力を供給するコンバータとして動作させるように制御し、他方側から一方側に電力を供給する際には逆の動作になるように制御する制御手段とを有することを特徴とする双方向非接触給電システム。
【請求項2】
請求項1に記載する双方向非接触給電システムにおいて、
一方側と他方側の前記電力変換装置と前記負荷および直流電源との間に昇降圧コンバータを配設するとともに、
一方側から他方側に電力を供給する際には、前記制御手段が一方側の昇降圧コンバータを必要に応じて昇圧コンバータとして動作させるとともに他方側の昇降圧コンバータを降圧コンバータとして動作させるように制御する一方、他方側から一方側に電力を供給する際には逆の動作になるように制御するものであることを特徴とする双方向非接触給電システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載する双方向非接触給電システムにおいて、
前記非接触トランスの一方側の前記コイルは家側に、他方側の前記コイルは移動により前記一方側のコイルに相対向し得るように車両側にそれぞれ配設されるとともに、前記一方側の前記双方向共振回路、電力変換装置、直流電源および負荷は前記家側に配設され、前記他方側の前記双方向共振回路、電力変換装置、直流電源および負荷は前記車両に搭載されていることを特徴とする双方向非接触給電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−244635(P2012−244635A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108680(P2011−108680)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000173809)一般財団法人電力中央研究所 (1,040)