説明

反対称最適制御を使用する流量比率制御装置を含むガス送出方法及びシステム

単一の質量流量を少なくとも二つの流れライン(122a、122b)に分割するための流量比率制御装置(106)を含むガス送出システム用の反対称最適制御アルゴリズムを提供する。各流れラインは、流量計(124)及びバルブ(126)を含む。流量比率制御装置の両バルブは、単一の入力信号出力SISO制御装置と、インバーターと、二つの線型飽和器とを含む反対称最適制御装置によって、比率フィードバックループを通して制御される。SISO制御装置の出力を、二つのバルブに加えられる前に分割し変更する。二つのバルブ制御コマンドは、許容可能な最大バルブコンダクタンス位置に対し、実際上、反対称である。これらの二つのバルブコマンドが、夫々の線型飽和器を、許容可能な最大バルブコンダクタンス位置で二つの飽和限度の一方として通過するため、一方のバルブが、任意の時期に、許容可能な最大バルブコンダクタンス位置に保持されると同時に、他方のバルブが、流量比率を維持するように能動的に制御されるという正味の効果が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全体として、半導体加工機器に関し、更に詳細には、汚染物を含有しない正確に計量した量の処理ガスを、少なくとも二つの加工工具及び/又はチャンバに送出するための流量比率制御装置に関する。更に詳細には、本開示は、単一のガスボックスからの流れを少なくとも二つの加工工具及び/又は真空チャンバに分割するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造は、多くの場合、加工工具及び/又はチャンバへの数十のガスの送出を、注意深く同期し且つ正確に計測することを必要とする。製造工程で様々な方法及び多くの別個の加工工程が使用されてきた。例えば、半導体デバイスのクリーニング、研磨、酸化、マスキング、エッチング、ドーピング、金属化を必要とする。使用された工程は、それらの特定の順序及び使用される材料が、全て、特定のデバイスの製造に寄与する。
【0003】
従って、ウェーハ製造設備は、一般的には、化学蒸着、プラズマ蒸着、プラズマエッチング、スパッタリング、及び他の同様のガス工程が行われる領域を含むように形成される。加工工具は、化学蒸着反応器、真空スパッタリング機、プラズマエッチャー又はプラズマ支援化学蒸着チャンバ、等であり、様々な処理ガスを供給しなければならない。汚染物を含有しない正確に計量した量の純粋なガスを工具に供給しなければならない。
【0004】
代表的なウェーハ製造設備では、ガスはタンク内に収容されており、これらのタンクは配管又は導管でガス送出システムに連結されている。ガス送出システムは、汚染物を含有しない正確に計量した量の純粋な不活性ガス又は反応ガスを、製造設備のタンクから加工工具及び/又はチャンバに送出するためのガスボックスを含む。ガスボックスは、代表的には、ガス計量ユニットを各々有する複数のガス流れラインを含む。ガス計量ユニットは、バルブと、圧力調整器及び変換器と、質量流量制御装置と、フィルタ/清浄器を含んでいてもよい。各ガスラインは、別々のガス源に連結するための各ライン自体の入口を備えているが、全てのガス経路は、加工工具に連結するための単一の出口に集められる。
【0005】
場合によっては、組み合わせた処理ガスを多数の加工工具及び/又はチャンバの間で分割するのが望ましい。このような場合には、ガスボックスの単一のでを多数の加工工具及び/又はチャンバに二次流れラインを通して連結する。安全上の理由により、又は他の理由により、上流圧力を低く(例えば103.4205kPa(15psia))に保持する必要がある幾つかの用途では、流れ分割システムの例が、米国特許第4,369,031号、米国特許第5,453,124号、米国特許第6,333,272号、米国特許第6,418,954号、及び米国特許第6,766,260号、及び公開された米国特許出願第2002/0038669号に記載されている。米国特許第6,766,260号の流量比率制御装置は、第二流れラインの各々が別々の流量計及び制御バルブで制御されるため、特に興味深い。
【特許文献1】米国特許第4,369,031号
【特許文献2】米国特許第5,453,124号
【特許文献3】米国特許第6,333,272号
【特許文献4】米国特許第6,418,954号
【特許文献5】米国特許第6,766,260号
【特許文献6】米国特許出願第2002/0038669号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
米国特許第6,766,260号に示されている種類の流量比率制御装置は、初期設定時に所望の分割比率を迅速に安定させるが、流れを安定させるのに時間が掛かり、幾つかの用途では満足のいくものでなかった。更に、流量比率制御装置の前後の圧力降下が高く、二次流れ経路の一つの下流の閉塞を取り扱う上での制御装置の制御性能が低い。更に、二次流れラインでのバルブの一定のバルブ位置を最初に決定するのが困難であるため、設定が困難である。二つの二次流れラインを使用する実施例について、高流量バルブを一定のバルブとし、低流量バルブを、流量比率を制御するための制御バルブにする必要がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
全体に亘り、同じエレメントに同じ参照番号を付した添付図面を参照する。
【0008】
図1を参照すると、本開示は、流れをガス送出システムの二つの二次流路間で分割するための流量比率制御装置用の新規な制御アルゴリズムを提供する。システム及び方法は、汚染物を含有しない正確に計量した量の処理ガス(プロセスガス)及び浄化ガス(パージガス)を、半導体加工工具及び/又はチャンバに送出するため、ガス計量システムとともに使用されるようになっている。システム及び方法は、ガスの単一の流れを、比較的高い上流圧力を必要とせずに、予め選択した比の周知の正確な値で二つの二次流れに分割する利点を提供する。図1で全体に参照番号106を付した、ガス送出システム102の一部である流量比率制御装置は、例えば、ガス供給部(例えばガスタンク)104a、104b、104c、及び104dからの多くの処理ガス及び浄化ガスを含む多数のガスを個々に受け入れ、又はこれらのガスの混合物を選択的に受け入れる。ガスボックス112は、ガスの混合物を流量比率制御装置106に供給し、この流量比率制御装置106は、2つの処理チャンバ108及び110に連結された状態で示してある(別の態様では、ガスを、単一の処理チャンバ及び/又は他の加工工具の様々な噴射装置又は領域に計量分配してもよい)。ガスボックス112は、複数のガス通路部(ガススティック)114a、114b、114c、及び114dを含み、これらのガス通路部の各々は、好ましくは、対応するガス供給部104に流動学的に連結されており、対応するガス供給部104からのガスの流れを個々に制御する。図1には、四つのガス供給部104及び対応するガス通路部114が示してあるが、供給部及びガス通路部の数は、任意の数(一個を含む)であってもよい。ガス通路部114は、例えば、米国特許第6,418,954号に示すように、質量流量制御装置(MFC)、このMFCの前方に位置したバルブ、及びMFCの後方に位置したバルブを含む。ガス通路部114の各々は、汚染物を含有しない正確に計量した量のガス又はガスの組み合わせを流量比率制御装置106に供給した後、処理チャンバ108、110に、予め選択した流量比で正確に分割できる、制御可能なガス通路を提供する。図示していないけれども、ガス通路部の各々には、ガスを監視し又は制御するための、フィルタ、清浄器、及び圧力変換器及び制御装置等の他の構成要素が設けられていてもよい。スティック114は、例えば、各スティックからのガス流を、所望であれば、ガスボックスを離れる前に混合できるように、出口マニホールド116に互いに連結されている。出口マニホールド116は、流量比率制御装置106に連結されている。
【0009】
流量比率制御装置106は、少なくとも二つの流路即ち流れライン122a及び122bを含む。各流路は、バルブ126を制御し、及び従って各流路を通る質量流量を制御する上で使用するための流量信号を発生するためのセンサ124を含む流量計を備えている。センサ及びバルブは、かくして、出力質量流量Q1及びQ2、及びかくして流量比α=Q2/Q1を制御するために互いに使用される。本明細書中に説明した実施例では、制御バルブ126a及び126bは常開のバルブであるが、開示のシステムは、常閉のバルブを用いて設計することもできるということは理解されるべきである。各流路の出口130a及び130bは、対応する加工工具及び/又はチャンバに連結されている。これは、図1では、処理チャンバ108及び110の夫々である。これらのチャンバには、好ましくはゲートバルブ132a及び132bの形態の制御バルブに連結された出口が設けられている。これらのゲートバルブは、次いで、ガスをタンクからチャンバを通して引き出す上で使用するための真空ポンプと流体連通している。制御装置136は、下文で更に明らかになるように、とりわけ、入力αsp、即ち、予め選択した流量比の値、即ち設定点を流れライン122a及び122bの各々を通して受け取る。制御装置は、とりわけ、流れライン122a及び122bを通る質量流量の分割比を制御し且つ設定点に維持する。
【0010】
従って、図1のシステムを分析し且つ模式化し、流量比率及び二次流れラインに提供される流れについての整定時間を迅速にし、所与の流量比率設定点について、流量比率制御装置の前後の圧力降下を最小にする。一般的には、各二次流れラインでの流れは、ライン内の流れを制御するバルブに提供された上流圧力、下流圧力、及び電流の関数である。かくして、
【0011】
【数1】

【0012】
【数2】

【0013】
ここで、Q1(I1、Pu、Pd1)及びQ2(I2、Pu、Pd2)は、2つの非線型関数であり、出力流量(Q1及びQ2)を、バルブ電流(I1及びI2)、上流圧力(Pu)、及び下流圧力(Pd1及びPd2)と関連する。二つのラインが同じ上流圧力Puを共有するが、下流圧力Pd1及びPd2が夫々異なるということに着目されたい。数1及び数2は、下流圧力Pd1及びPd2の効果を無視することによって、Puに関して線型化でき、
【0014】
【数3】

【0015】
【数4】

【0016】
ここで、C1(I1)は、バルブ電流I1の関数である、バルブ1のコンダクタンスであり、C2(I2)は、バルブ電流I2の関数である、バルブ2のコンダクタンスである。
【0017】
流量の整定時間及び所定の比率の設定に応じた上流の圧力の変化を模式化するため、質量の保存についての方程式で開始できる。
【0018】
【数5】

【0019】
ここで、Vuは上流容積であり、
Pstpは標準圧力であり、110132.5Pa即ち14.7psiaであり、
Tstpは、標準温度であり、273.2K又は0℃であり、
Tは、システムで送出されるべきガスの温度であり、
Puは、システムで送出されるべきガスの上流圧力であり、
Qtは、全入口流であり、
Q1及びQ2は、二次流路の夫々を通る流れである。
数3及び数4を数5に代入すると、
【0020】
【数6】

【0021】
が得られる。
【0022】
ここで、Ctは、制御バルブ126a及び126bの総コンダクタンスであり、
【0023】
【数7】

【0024】
従って、数6の上流圧力Puは、時定数τpの一次システムであり、
【0025】
【数8】

【0026】
一次システムについての整定時間は、時定数τpと比例するということに着目されたい。従って、時定数τpを小さくすることによって、上流圧力Puの整定時間を小さくできる。流れについての整定時間が、数3及び数4が示す上流圧力についての整定時間と同じであるため、システムは、τpが小さい場合には、流れについての整定時間が速くなければならない。
【0027】
更に、定常状態での上流圧力Puは、数6の左側をゼロにすることによって得られ、以下のように表される。
【0028】
【数9】

【0029】
流量比率制御装置106の前後の圧力降下を小さくするため、上流圧力Puを小さくするのが望ましい。数9から明らかなように、バルブの総コンダクタンスを大きくすることによって上流圧力を小さくできる。
【0030】
従って、数8から明らかなように、流れについての設定時間を小さくするため、τpを小さくするのが望ましい。これは、Vuを小さくするか或いはCtを大きくするかのいずれか又は両方によって行われる。かくして、設計基準として、上流容積をできるだけ減少するのが好ましい。流量比率制御装置とガスボックス112との間の上流容積を減少するため、流量比率制御装置をガスボックス112にできるだけ近付けて設置してもよい。しかしながら、上流容積を制御することは不可能ではないにしろ比較的困難であり、及び制御バルブのコンダクタンスCtを制御するのが容易である。バルブのコンダクタンスを増大するためには、制御システムによりバルブがその最大開放状態にされるとき、バルブのコンダクタンスが最大になるように、比較的大きなオリフィスを持つバルブを設計するのが好ましい。バルブを開放すればする程、そのコンダクタンスが大きくなり、時定数τが短くなる。
【0031】
以上の説明から、バルブの総コンダクタンスCtを最大にすると、上流圧力及び従って二つの流れについての設定時間が最も速くなり、流量比率制御装置106の前後の圧力降下が最小になる。従って、制御アルゴリズムにより、所与の流量比率についてバルブのコンダクタンスを任意の時期に最大にできる場合には、流量比率制御装置は、比率及び流れについての最も速い整定時間に関して最適の制御性能が得られ、流量比率制御装置の前後の圧力降下を最小になる。
【0032】
図2は、上流圧力及び下流圧力が一定の二つの二次流れラインに位置決めした代表的な常開のバルブについての、バルブ制御電流に対する流量を示すグラフである。66.6612hPa、133.3224hPa、199.9836hPa、及び266.6448hPa(50トル、100トル、150トル、及び200トル)の上流圧力についての四組の曲線が示してある。下流圧力は0hPaに近い。図示のように、常開のバルブについてのバルブのコンダクタンスはバルブ電流の増大に従って減少する。
【0033】
流量の定義、即ちα=Q1/Q2、及び数1及び数2から、所与の流量比率αについて、以下の方程式が得られる。
【0034】
【数10】

【0035】
所与の流量比率αについて、上掲の数10の左側及び右側を、二つの曲線として図3にプロットする。わかるように、これらの二つの曲線と任意の水平方向ラインとの交点が、方程式10を満たすバルブ電流I1及びI2の一組の解を与える。換言すると、所与の流量比率αについてのI1及びI2の解は多数存在する。
【0036】
図3は、所与の流量比率αについてのI1及びI2の解の二つの組を示す。常開のバルブについて、バルブ電流が高ければ高い程、バルブのコンダクタンスが低くなる(即ちバルブの開放が小さくなる)。従って、I1及びI2値の組が小さければ小さい程、バルブのコンダクタンスが、他の解の組よりも高くなり、これにより、比率、流れ、及び上流圧力についての整定時間が速くなり、上文中に論じたように、制御装置の前後の圧力降下が小さくなる。
【0037】
図4は、I2=0のとき(又は、流量比率α及びバルブ曲線によってはI1=0のとき)、即ち一方のバルブが完全に開放しているとき、最適解の唯一の組が存在するということを示す。この点で、バルブの総コンダクタンスCtが最大である。従って、流量比率制御装置の前後の圧力降下が最小であり、デバイスは、比率、流れ、及び上流圧力について、最速の応答及び整定時間を提供できる。更に、常開のバルブについて、バルブ電流に対する流量の傾きは、図2に示すように、バルブ電流が小さい場合に小さい。傾きが小さければ小さい程、所与の固定されたバルブ電流の変化に対する流量の変化が小さい。バルブ電流に何らかのノイズが含まれている場合には、図4の傾きが小さい領域が流れに及ぼす影響は小さく、従って、流量比率は更に安定する。換言すると、システムは、バルブ電流のノイズの影響を受け難く、従って、作動領域で確固としている。
【0038】
図5に示す制御アルゴリズムのように、一方のバルブの制御に一定の電流を使用する場合には、上文中に説明したようにバルブのコンダクタンスが最大の最適の解からかけ離れた解を提供する。この制御システムの方法では、制御装置は、制御システム142の総和接合部140の入力のところで比率設定点αspを受け取るように形成されている。総和接合部の出力は、PI制御装置144の入力に接続されており、PI制御装置144は、次いで、制御電流I1を低流れ制御バルブ46に提供する。バルブ146を通る流れは、流れセンサ148によって感知され、このセンサは、流れラインを通る流れQ1を表す信号を提供する。高流れ制御バルブ150には一定の電流I2が供給される。バルブ150を通る流れは、流れセンサ152によって感知され、このセンサは、流れラインを通る流れQ2を表す信号を提供する。二つの信号の比Q2/Q1が、計測された流量比率αmである。この流量比率は、フィードバックループで総和接合部140に提供され、入力設定点αspから差し引かれる。この設計の問題点は、バルブの総コンダクタンスが、所与の流量比率αについて最大でないということである。一定のバルブは、通常は、高流れラインで選択され、通常は、二つのバルブの不適合、これらのバルブのヒステリシス、及び他方の流れラインの下流の閉塞に対処するため、非常に保存的位置、例えば半分開放した位置に設定される。従って、バルブの総コンダクタンスは、図4に示す最適の解と比べて非常に低い。上文中に論じたように、バルブの総コンダクタンスが低ければ低い程、流れについての整定時間が緩慢になり、流量比率制御装置の前後の圧力降下が大きくなる。一定バルブ流れラインの非常に保存的な一定のバルブ位置について、流量比率制御装置は、他方の流れラインの非常に重大な下流の閉塞の問題を取り扱うことができない。例えば、他方の流れラインの制御されたバルブを、重大な下流の閉塞のため、全開位置まで駆動してもよい。しかしながら一定のバルブは、流量比率を維持するための調節を行わない。従って、実際の流量比率は設定点からかけ離れてしまう。
【0039】
本発明の一つの特徴によれば、システムは、両方のバルブを、比率フィードバックループを通して、任意の種類の単一の入力信号出力(SISO)制御装置、例えばPID制御装置によって制御するように形成されている。二つのバルブの各々を制御するため、SISO制御装置の出力を分割し且つ変更する。二つのバルブ制御コマンドは、許容可能な最大バルブコンダクタンス位置に関し、実際上反対称である。即ち、これらの制御コマンドの関係は、SISO制御装置の出力を使用して一方のバルブを制御すると同時に、同じ出力を先ず最初に変換し、バイアス電流を追加した後、他方のバルブを制御するのに使用することにより形成される。二つのバルブコマンドは、各々、許容可能な最大バルブコンダクタンス位置で二つの飽和限度の一方として、線型飽和器を通過する。これによって得られる正味の効果は、一方のバルブを常に許容可能な最大バルブコンダクタンス位置に保持し、他方のバルブを能動的に制御して流量比率を維持するということである。反対称最適制御システムの好ましい実施例を図6に示す。
【0040】
図6を参照すると、とりわけ、一方のバルブを一定の電流で制御制御することにより加えられる制限をなくすように、好ましい反対称最適フィードバック制御システム160を使用して両バルブ126a及び126bを制御する。フィードバック制御システムは、好ましくは、図1の制御装置136でソフトウェアを走らせることによって作動するが、このシステムは、他の形態で実施してもよい。フィードバック制御システム160は、流量比率αspについての設定点を表す信号を受け入れるための総和接合部162への入力と、計測された流量比率αmを表す信号を受け入れるための別の入力とを含む。総和接合部162は、αspとαmとの間のエラー信号を計算した後、このエラー信号を、例えばPID制御装置であってもよいSISO制御装置164に供給する。制御装置164の出力即ちIcを線型飽和器(LSAT)166の入力に接続する。この飽和器166は、制御電流I1を提供するため、バルブ126aに接続されている。バルブ126aを通る流れは、対応する流れセンサ124aの流れ及びかくして出力に直接的に影響を及ぼす。このセンサの出力は、流量Q1を表す。SISO制御装置の出力Icは、更に、インバーター168に加えられ、このインバーターが入力を総和接合部170に加える。この総和接合部は、更に、一定のバイアス電流入力2Ioを受け取り、これをインバーター168の出力に加える。次いで、加算した信号を線型飽和器(LSAT)172に加え、この線型飽和器が出力電流I2を提供する。制御電流I2は、バルブ126bを制御し、このバルブは、センサ124bを通る流れに影響を及ぼす。Kのセンサは、センサの流れラインを通る流れを表す出力Q2を提供する。比Q2/Q1は、計測された比率αmを表す。この計測された比率αmを、制御フィードバック構成である総和接合部162のところで設定点から差し引く。
【0041】
線型飽和器は、各々、以下のように定義される。
【0042】
【数11】

【0043】
ここで、aは飽和の下限であり、bは飽和の上限である。
【0044】
Ioを許容可能な最大バルブコンダクタンスを提供する最適のバルブ電流と定義する。一般的には、常開のバルブについては、
【0045】
【数12】

【0046】
であり、常閉のバルブについては、
【0047】
【数13】

【0048】
である。ここで、Iminは、許容可能な最小バルブ電流であり、Imaxは、許容可能な最大バルブ電流である。
【0049】
反対称最適制御アルゴリズムは、二つのバルブ制御コマンド、即ちI1及びI2を以下のように決定する。即ち、
常開のバルブについては、
【0050】
【数14】

【0051】
【数15】

【0052】
であり、ここで、Imは、常開のバルブについての許容可能な最大バルブ電流である。
常閉のバルブについては、
【0053】
【数16】

【0054】
【数17】

【0055】
であり、ここで、Imは、常閉のバルブについての許容可能な最小バルブ電流である。
【0056】
かくして、二つの線型飽和器への入力、即ち(Io+(Ic−Io)及びIo−(Ic−Io))は、最適バルブ電流Ioに関して反対称である。従って、線型飽和器の後の出力バルブ制御コマンドは、実際上、最適バルブ電流Ioに関して反対称である。
【0057】
二つの線型飽和器は、反対称最適制御アルゴリズムで重要な役割を果たす。一般的には、バルブ電流(I1又はI2)の一方が、常開のバルブについての[Io又はIm]又は常閉のバルブについての[Im又はIo]の、許容可能な電流限度内の可能なバルブ電流である。最適のバルブ電流Ioに関して反対称であるため、他方のバルブ電流(I2又はI1))は、[Io、Im]又は[Im、Io]による許容可能な電流限度の外にあり、Ioに関して外にある。線型飽和器のため、飽和限度外の任意のバルブ電流、即ちこの場合にはIoの値を飽和限度値にする。従って、一方のバルブ電流が、常に、許容可能な最大バルブ電流を与える最適のバルブ電流即ちIoに保持される。換言すると、反対称最適制御アルゴリズムにより、常に、I1=Io又はI2=Ioが保証される。以下、常開のバルブについての証明を記載するが、同じ原理が常閉のバルブにも適用されるということは理解されるべきである。
【0058】
常開のバルブについて、二つのバルブ制御電流即ちI1及びI2は、[数14]及び[数15]に記載してある。これらの二つのバルブ制御電流について、二つのケー
スがある。
ケース1.I1≧Ioである場合には、
【0059】
【数18】

【0060】
線型飽和器172に加えられた電流は、数18に従って、
【0061】
【数19】

【0062】
従って、線型飽和器172を通過するバルブ制御電流は、
【0063】
【数20】

【0064】
ケース2.I2≧Ioである場合には、
【0065】
【数21】

【0066】
[数21]を整理すると、
【0067】
【数22】

【0068】
数14に従って、かつ数22及び数11に従って、
【0069】
【数23】

【0070】
わかるように、いずれの場合でも、最適のバルブ電流値、即ちIoの一つのバルブ電流があり、これは許容可能な最大バルブコンダクタンスを提供する。
【0071】
かくして、両バルブは、任意の単一の入力、単一出力SISO制御装置、例えばPID制御装置によって、比率フィードバックループを通して制御される。SISO制御装置の出力は、二つのバルブに加えられる前に、分割され且つ変更される。二つのバルブ制御コマンドは、実際上、許容可能な最大バルブコンダクタンス位置に関して反対称である。これらの二つのバルブコマンドが、二つの飽和限度の一方である許容可能な最大バルブコンダクタンス位置で夫々の線型飽和器を通過するため、一方のバルブが、任意の時期に、許容可能な最大バルブコンダクタンス位置に保持されると同時に、他方のバルブが、流量比率を維持するように能動的に制御されるという正味の効果が得られる。従って、反対称最適制御アルゴリズムは、任意の時期に、許容可能な最大総バルブコンダクタンスを提供する。上文中に論じたように、総バルブコンダクタンスが最大であるため、比率、流れ、及び上流圧力についての整定時間が速くなり、流量比率制御装置の前後の圧力降下が低くなる。かくして、反対称最適制御アルゴリズムは、流量比率制御装置の制御性能を大幅に向上する。
【0072】
図7は、二つの常開のバルブの反対称最適制御を示す。図示のように、一方のバルブは常に許容可能な最大バルブコンダクタンスを提供する最適バルブ電流Ioで作動する。常開のバルブについて、バルブ電流が減少するに従って、バルブコンダクタンスが増大するか或いはバルブが更に大きく開放する。一般的には、最適バルブ電流Ioは、常開のバルブについての電流の下限であるか或いは許容可能な最小バルブ電流である。この流れラインの下流での閉塞により、電流I1によって制御されるバルブが開放し始めたとき、バルブは、完全に開放されるまで、又は時間toで電流下限Ioに達するまで開放し続ける。バルブ電流は、可能であれば、減少し続ける。その代わり、電流I2によって制御されるバルブが、流量比率を維持するため、反対称であることにより、toでのIoの値から最適電流Ioまで増大し始める。
【0073】
かくして、制御装置は、以下を提供するよう形成される。即ち、
(a)二次流れの比率を維持するように、二次流れライン内の質量流量を反対称に最適制御し、
(b)少なくとも一方のバルブが最適バルブ電流Ioにあり、許容可能な最大バルブコンダクタンス位置を任意の1つの作動時に提供し(線型飽和器を使用することによる)、これと同時に他方のバルブを能動的に制御し、予め選択した流量比率の値を維持し、
(c)一方の流れライン内の流れが減少した場合、二次流れの比率が予め選択した設定点からずれるように、二次流れの比率を、予め選択された設定点に維持するように、二次流れラインの質量流量を制御する。制御装置は、二次流れラインを通る相対的二次流を、比率が予め選択した設定点に戻るように調節する。一方のバルブが開放度を増大すると、最適のバルブ電流に至り、許容可能な最大バルブコンダクタンスを提供する最適のバルブ電流に保持する。最初はバルブ電流にあった他方のバルブは、予め選択した流量比率設定点を維持するため、閉鎖を開始する。このようにして、二つのバルブは、いずれかの流れラインでの非常に重大な下流閉塞状態を取り扱うため、互いに対して能動的制御を自動的に切り換える。
【0074】
かくして、本開示に従って提供された、新規であり且つ改良されたガス送出システム及び方法を説明した。本明細書中に説明した例示の実施例は、限定でなく、例として提供したものであり、当業者は、特許請求の範囲に記載した本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、組み合わせ、及び交換を行ってもよい。例えば、バルブを常開のバルブとして説明してきたが、常閉のバルブについても有効である。更に、流量比率制御装置を二つの二次流れラインを持つものとして説明したが、制御装置を更に多くの二次流れラインを持つように設計することができる。
【0075】
本明細書中に開示した、本開示のガス送出システム及び方法、及びその全ての構成要素は、特許請求の範囲のうちの少なくとも一つの範囲内に含まれる。ここに開示したチップアーチのエレメントは、権利放棄されるべきでなく、特許請求の範囲の解釈を制限しようとするものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は、本開示に従って形成した流量比率制御装置を含むガス送出システムの好ましい実施例のブロックダイヤグラムである。
【図2】図2は、代表的な常閉のバルブについての、様々な上流圧力での、バルブ制御信号に対する流量を表すグラフである。
【図3】図3は、図1の実施例の二つの制御バルブについての流量の、各バルブに加えられた制御信号の関数としてのグラフであり、所与の流量比率αについて、二つのバルブ制御コマンドの多数の解があることを示す。
【図4】図4は、図1の実施例の二つの制御バルブについての流量の、各バルブに加えられた制御信号の関数としてのグラフであり、図1の実施例の流量比率制御装置についてのバルブコンダクタンスが許容可能な最大値である最適解を示す。
【図5】図5は、高流れバルブは一定のバルブ位置にあり、低流れバルブは流量比率を維持するために能動的に制御される、流量比率制御装置の二つの二次流れラインを通る流れの比を制御するための従来技術の制御アルゴリズムの機能的ブロック図である。
【図6】図6は、両バルブを制御し、二つのバルブ制御コマンドが、許容可能な最大バルブコンダクタンスに関して実際上反対称である、図1の実施例の二つの二次流れラインを通る流れの比を制御するための好ましい反対称最適制御アルゴリズムの機能的ブロック図である。
【図7】図7は、二つの常閉のバルブを最適バルブ電流Ioに関して実際上反対称に作動する方法を示すグラフである。
【符号の説明】
【0077】
102 ガス送出システム
104 ガス供給部
106 流量比率制御装置
108、110 処理チャンバ
112 ガスボックス
114 ガス通路部
116 出口マニホールド
122 流れライン
124 センサ
126 バルブ
130 出口
132 ゲートバルブ
136 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一の質量流量を二つ又はそれ以上の二次流れに分割するためのシステムにおいて、
(A)単一の質量流量を受け取るための入口と、
(B)前記入口に連結されており、前記二次流れのうちの対応する一方の流れを搬送するように連結された少なくとも二つの二次流れラインであって、各二次流れラインは、
(1)対応する流れラインを通る流れを計測するために連結され、該流れラインを通る計測された流れを表す信号を提供する流量計と、
(2)前記対応する流れラインを通る流れを制御信号に基づいて制御するために連結されたバルブとを含む、前記二次流れラインと、
(C)前記二次流れの比率を制御するため、前記流量計及び前記バルブに連結された制御装置とを含み、
前記制御装置は、前記二次流れの比を予め選択された値に維持するように、前記二次流れライン内の質量流量を反対称最適制御するように形成されている、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、更に、
予め選択された比率と計測した比率との間の差の関数として第一制御信号を発生するように連結されたSISO制御装置と、
前記二次流れラインの各々に一つづつ設けられた、前記バルブの各々を制御するように、前記第一制御信号に応じてバルブ制御信号を提供するように形成された一対の線型飽和器とを含む、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムにおいて、更に、
前記第1制御信号を変換し、変換された制御信号を提供するように形成されたインバーターと、
第2制御信号を提供するように、前記変換された制御信号及び一定のバイアス信号を組み合わせるための総和接合部とを含み、
前記線型飽和器の一つによって提供された前記バルブ制御信号の一つは、前記第2制御信号の関数である、システム。
【請求項4】
第2流れラインを通る流量比率を制御するように、流量比率制御装置の二次流れラインの二つのバルブを制御する方法において、
前記二次流れの比率を予め選択した値に維持するように、前記二次流れライン内の質量流量の反対称最適制御を使用する工程を含む、方法。
【請求項5】
単一の質量流量を二つ又はそれ以上の二次流れに分割するためのシステムにおいて、
(A)単一の質量流量を受け取るための入口と、
(B)前記入口に連結されており、前記二次流れのうちの対応する一方の流れを搬送するように連結された少なくとも二つの二次流れラインであって、各二次流れラインは、
(1)対応する流れラインを通る流れを計測するために連結され、該流れラインを通る計測された流れを表す信号を提供する流量計と、
(2)前記対応する流れラインを通る流れを制御信号に基づいて制御するために連結されたバルブとを含む、前記二次流れラインと、
(C)前記二次流れの比率を予め選択した値に制御するため、前記流量計及び前記バルブに連結された制御装置とを含み、
前記制御装置は、前記バルブの少なくとも一方を、作動中の任意の瞬間での許容可能な最大バルブコンダクタンス位置を提供する最適バルブ電流に保持し、他方のバルブを、前記流量比率の予め選択された値を維持するため、能動的に制御するように形成されている、システム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムにおいて、更に、
予め選択された比率と計測した比率との間の差の関数として第一制御信号を発生するように連結されたSISO制御装置と、
前記二次流れラインの各々に一つづつ設けられた、前記バルブの各々を制御するように、前記第一制御信号に応じてバルブ制御信号を提供するように形成された一対の線型飽和器とを含む、システム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムにおいて、更に、
前記第1制御信号を変換し、変換された制御信号を提供するように形成されたインバーターと、
第2制御信号を提供するように、前記変換された制御信号及び一定のバイアス信号を組み合わせるための総和接合部とを含み、
前記線型飽和器の一つによって提供された前記バルブ制御信号の一つは、前記第2制御信号の関数である、システム。
【請求項8】
第2流れラインを通る流量比率を制御するように、流量比率制御装置の二次流れラインの二つのバルブを制御する方法において、
少なくとも一方のバルブを、作動の任意の一つの瞬間に、許容可能な最大バルブコンダクタンス位置を提供する最適位置に維持すると同時に、他方のバルブを、前記流量比率の予め選択された値を維持するように能動的に制御する工程を含む、方法。
【請求項9】
単一の質量流量を二つ又はそれ以上の二次流れに分割するためのシステムにおいて、
(A)単一の質量流量を受け取るための入口と、
(B)前記入口に連結されており、前記二次流れのうちの対応する一方の流れを搬送するように連結された少なくとも二つの二次流れラインであって、各二次流れラインは、
(1)対応する流れラインを通る流れを計測するために連結され、該流れラインを通る計測された流れを表す信号を提供する流量計と、
(2)前記対応する流れラインを通る流れを制御信号に基づいて制御するために連結されたバルブとを含む、前記二次流れラインと、
(C)前記二次流れの比率を予め選択した設定点で維持するために前記比率を制御するように、前記流量計及び前記バルブに連結された制御装置とを含み、
前記制御装置は、前記二次流れの比率を前記予め選択した設定点に維持するように、前記二次流れライン内の質量流量を制御するように形成されており、前記制御は、一方の流れライン内の流れが減少し、前記二次流れの比率が前記予め選択した設定点から逸脱した場合、前記制御装置が、前記二次流れラインを通る相対的二次流れを調節し、前記比率を前記予め選択した設定点に戻すように行われる、システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムにおいて、
一方のバルブの開口度が増大し、最適バルブ電流に達すると、前記バルブは、許容可能な最大バルブコンダクタンスを提供する前記最適バルブ電流に保持され、最初は最適バルブ電流にある他方のバルブは、予め選択した流量比率設定点を維持するため、閉鎖し始め、その結果、二つのバルブは、能動的制御を互いに自動的に切り換える、システム。
【請求項11】
請求項9に記載のシステムにおいて、更に、
予め選択された比率と計測した比率との間の差の関数として第一制御信号を発生するように連結されたSISO制御装置と、
前記二次流れラインの各々に一つづつ設けられた、前記バルブの各々を制御するように、前記第一制御信号に応じてバルブ制御信号を提供するように形成された一対の線型飽和器とを含む、システム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムにおいて、更に、
前記第1制御信号を変換し、変換された制御信号を提供するように形成されたインバーターと、
第2制御信号を提供するように、前記変換された制御信号及び一定のバイアス信号を組み合わせるための総和接合部とを含み、
前記線型飽和器の一つによって提供された前記バルブ制御信号の一つは、前記第2制御信号の関数である、システム。
【請求項13】
流量比率制御装置の対応する二次流れライン内の二次流れを制御し、前記二次流れの流量比率を制御するように二つのバルブを制御する方法において、
一方の流れライン内の流れが減少し、前記二次流れの比率が前記予め選択した設定点から逸脱した場合、前記制御装置が、前記二次流れラインを通る相対的二次流れを調節し、前記比率を前記予め選択した設定点に戻すように、前記二次流れの流量比率を予め選択した設定点に維持する工程を含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、
一方のバルブの開口度が増大し、最適バルブ電流に達した場合、前記バルブは、許容可能な最大バルブコンダクタンスを提供する前記最適バルブ電流に保持され、最初は最適バルブ電流にある他方のバルブは、予め選択した流量比率設定点を維持するため、閉鎖し始め、その結果、二つのバルブは制御を互いに自動的に切り換える、方法。
【請求項15】
流量比率制御装置を備えたガス送出システムにおいて、
一対の二次流れラインと、
前記二次流れラインを通る流れを制御コマンド信号に応じて夫々制御するように形成された一対のバルブと、
前記バルブの各々を通る流れを、予め選択した流量比率に従って制御するように形成された流れ制御装置であって、フィードバックループと、単一出力SISO制御装置と、前記バルブの各々で使用するための一対の線型飽和器とを含み、前記SISO制御装置は出力を有する、流れ制御装置とを含み、
前記バルブに対する前記制御コマンドは、前記SISO制御装置及び夫々の線型飽和器の出力の関数であり、
前記二つのバルブ制御コマンドは、前記バルブの許容可能な最大バルブコンダクタンス位置に対して実際上反対称である、ガス送出システム。
【請求項16】
請求項15に記載のガス送出システムにおいて、
前記二つのバルブ制御コマンドは、前記バルブの許容可能な最大バルブコンダクタンス位置に対して実際上反対称である、ガス送出システム。
【請求項17】
請求項16に記載のガス送出システムにおいて、
前記線型飽和器を使用することの正味の効果は、一方のバルブ制御装置のバルブコマンドを、許容可能な最大バルブコンダクタンスを提供する前記最適バルブ電流に保持すると同時に、他方を、予め選択した流量比率設定点に維持するため、能動的に制御することである、ガス送出システム。
【請求項18】
請求項16に記載のガス送出システムにおいて、
二つの線型飽和器への入力を反対称に維持し、及び従って前記バルブ制御コマンドを前記許容可能な最大バルブコンダクタンスに対して実際上反対称であるように、一方の線型飽和器がバイアス電流及び変換した信号を受け取る、ガス送出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−538656(P2008−538656A)
【公表日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507828(P2008−507828)
【出願日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/014682
【国際公開番号】WO2006/115926
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(592053963)エム ケー エス インストルメンツ インコーポレーテッド (114)
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】