説明

反射スクリーン、映像表示システム、反射スクリーンの製造方法

【課題】明室環境下であっても明るくコントラストが高い良好な映像を表示できる反射スクリーン及び映像表示装置、そのような高品位の反射スクリーンを容易に製造可能な反射スクリーンの製造方法を提供する。
【解決手段】反射スクリーン10は、レンズ面111aと非レンズ面111bとを有する単位レンズ111が複数配列されたフレネルレンズ形状を背面側に有するレンズ層11と、非レンズ面111bとレンズ面111aの単位レンズ111の頂点t側となる第2領域111a−2とを被覆する光吸収部13と、レンズ面111aの第2領域111a−1以外の領域である第1領域111a−1を被覆する反射部12とを備える。反射スクリーン10は、光吸収部13を形成する材料の塗膜13Aを、映像源30に相当する位置から照射された光によって露光して除去することにより形成されるものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射スクリーン、映像表示システム、反射スクリーンの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、反射スクリーンに映像を投射する映像源として、至近距離からの投写で大画面表示を実現する短焦点型の映像投射装置(プロジェクタ)等が広く利用されている。このような短焦点型の映像投射装置は、反射スクリーンに対して、上方又は下方から従来の映像源よりも大きな入射角度で投射することができ、反射スクリーンを用いた映像表示システムの省スペース化等に寄与している。
そして、このような短焦点型の映像投射装置によって投射された映像光を良好に表示するために、単位レンズが複数配列されて形成されたリニアフレネルレンズ形状やサーキュラーフレネルレンズ形状を有するレンズ層の表面に反射層を形成した反射スクリーン等が様々に開発されている(例えば、特許文献1,2)。
また、反射スクリーンを用いた映像表示システムとして、明室環境下でもコントラスト等が良好な映像を表示可能である映像表示システムへの需要が高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−29875号公報
【特許文献2】特開2008−76522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようなレンズ層を用いた反射スクリーンでは、各レンズ形状を構成する単位レンズのレンズ形状の表面に反射層を形成し、投影された映像光を反射して映像を表示する。このような反射スクリーンの中には、映像光の反射に寄与しない非レンズ面に光を吸収する作用を有する光吸収層を形成することにより、外光や迷光等を吸収させ、コントラストの向上等を図ったものがある。
しかし、単位レンズは非常に微細であるため、反射層及び光吸収層を精度よく形成することは困難である。
特許文献1,2に記載の反射スクリーンは、上述のような光吸収層を備えておらず、また、光吸収層を備えた反射スクリーンの製造方法に関しては、一切開示されていない。
【0005】
本発明の課題は、明室環境下であっても明るくコントラストが高い良好な映像を表示できる反射スクリーン及び映像表示装置、そのような高品位の反射スクリーンを容易に製造可能な反射スクリーンの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、映像源から照射された映像光を反射させて観察可能に表示する反射スクリーンであって、背面側に凸であり、レンズ面(111a)と非レンズ面(111b)とを有する単位レンズ(111)が複数配列されたフレネルレンズ形状を背面側に有するレンズ層(11)と、前記単位レンズの配列方向に平行であってこの反射スクリーンの厚み方向に平行な断面において、前記非レンズ面と前記レンズ面の前記単位レンズの頂点(t)側となる第2領域(111a−2)とを被覆する光吸収部(13)と、前記レンズ面の前記第2領域以外の領域である第1領域(111a−1)を被覆する反射部(12)と、を備えること、を特徴とする反射スクリーン(10,20)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、前記第2領域(111a−2)は、前記レンズ層(11)に入射した映像光が直接入射しない領域であること、を特徴とする反射スクリーン(10,20)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーン(10,20)と、前記反射スクリーンに映像光を照射する映像源(30)と、を備える映像表示システム(1)である。
【0007】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンの製造方法であって、前記レンズ層(11)のフレネルレンズ形状を有する面に前記光吸収部を形成する材料を塗布する塗膜形成工程と、前記レンズ層に対して、前記フレネルレンズ形状を有する面とは反対側であり、前記反射スクリーンの使用状態における映像源(30)の映像光の照射位置となる点から光を照射し、前記光の到達した部分の塗膜を除去して前記光吸収部(13)を形成する光吸収部形成工程と、前記光吸収部形成工程の後に、前記塗膜が除去された面に前記反射部(12)を形成する反射部形成工程と、を備えること、を特徴とする反射スクリーンの製造方法である。
請求項5の発明は、請求項4に記載の反射スクリーンの製造方法において、前記塗膜形成工程において、前記光吸収部(13)を形成する材料として、感光性を有する材料を用い、前記光吸収部形成工程は、前記レンズ層(11)に対して、前記フレネルレンズ形状を有する面とは反対側であり、前記反射スクリーンの使用状態における映像源(30)の映像光の照射位置となる点から光を照射し、前記感光性を有する材料を露光する露光工程と、前記露光工程の後に、露光した部分の塗膜を現像液に溶解させて除去する除去工程と、を備えること、を特徴とする反射スクリーンの製造方法である。
請求項6の発明は、請求項4項に記載の反射スクリーンの製造方法において、前記光吸収部形成工程では、前記レンズ層(11)に対して、前記フレネルレンズ形状を有する面とは反対側であり、前記反射スクリーンの使用状態における映像源(30)の映像光の照射位置となる点から光を照射し、前記光の到達した部分の塗膜をアブレーション、溶融、昇華、燃焼、爆融もしくは削摩のいずれかにより除去すること、を特徴とする反射スクリーンの製造方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、映像光を効率よく反射し、かつ、外光や迷光を吸収したり、観察者には届かない方向へ反射したりでき、明室環境下でも明るく、コントラストの高い良好な映像を表示できる反射スクリーン、及び、映像表示装置とすることができる。また、本実施形態によれば、そのような高品位の反射スクリーンを、煩雑かつ精密な位置合わせ等を行うことなく容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態の反射スクリーン10を用いた映像表示システム1を示す図である。
【図2】第1実施形態の反射スクリーン10の層構成を示す図である。
【図3】第1実施形態の反射スクリーン10の製造方法の一部を説明する図である。
【図4】第2実施形態の反射スクリーン20の製造方法の一部を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。従って、各光線の入射角度等に関して、実際の角度とは異なる場合がある。
また、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、シート、板、フィルムの文言は、適宜置き換えることができるものとする。例えば、光学シートは、光学フィルムとしてもよいし、光学板としてもよい。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の反射スクリーン10を用いた映像表示システム1を示す図である。図1(a)は、この映像表示システム1の斜視図であり、図1(b)は、この映像表示システムの側面図である。
この映像表示システム1は、反射スクリーン10、映像源30等を有している。本実施形態では、反射スクリーン10が映像源30から投影された映像光Lを反射して、その画面上に映像を表示する一般的な映像表示システムを例に挙げて説明するが、これに限らず、映像表示システム1は、例えば、映像光Lを映像源30から投射するフロントプロジェクションテレビシステム等としてもよいし、反射スクリーン10と映像源30と反射スクリーンの観察画面上の位置を検出する位置検出部やパーソナルコンピュータ等を備えたインタラクティブボードシステムとしてもよい。
【0012】
映像源30は、映像光Lを反射スクリーンへ投影する映像投射装置であり、汎用のプロジェクタ等を用いることができる。この映像源30は、図1(b)に示すように、反射スクリーン10の使用状態におけるスクリーンの画面中央よりも下方側であって、反射スクリーン10の厚み方向における位置が従来のプロジェクタに比べて大幅に短い位置から映像光Lを反射スクリーン10に投射可能な短焦点型の汎用プロジェクタである。
【0013】
反射スクリーン10は、映像源30が投射した映像光Lを観察者O側へ向けて反射し、映像を表示する。使用状態において、この反射スクリーン10の観察画面は平面状であり、観察者O側から見て、その観察画面は、長辺方向が画面左右方向に平行となる略矩形状である。なお、以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向とは、特に断りが無い場合、この反射スクリーン10の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)であるとする。
この反射スクリーン10は、その背面側に、平板状の支持板50が、粘着材等からなる不図示の接合層を介して設けられており、この支持板50により、その平面性を維持している。本実施形態の支持板50は、光透過性を有していない。
【0014】
図2は、第1実施形態の反射スクリーン10の層構成を示す図である。
図2(a)は、反射スクリーン10のスクリーン面に直交し、使用状態における画面上下方向に平行な断面での断面の一部を拡大して示し、図2(b)は、図2(a)における断面の単位レンズ111をさらに拡大して示している。図2では、理解を容易にするために、支持板50等は適宜省略して示してある。
反射スクリーン10は、その映像源30側(観察面側)から順に、表面機能層15、基材層14、レンズ層11、反射部12、光吸収部13等を備えている。ここで、スクリーン面とは、この反射スクリーン10において、スクリーン全体として見たときにおける、反射スクリーン10の平面方向となる面を示すものであり、本明細書中、及び、特許請求の範囲においても同一の定義として用いている。この反射スクリーン10のスクリーン面は、反射スクリーン10の観察画面に平行である。
本実施形態の反射スクリーン10は、例えば、画面サイズを対角80インチサイズとすることができる。
【0015】
基材層14は、この反射スクリーン10の基材となる透明又は半透明のシート状の部材である。基材層14の映像源側(観察面側)には、表面機能層15が一体に形成され、背面側(裏面側)には、レンズ層11が一体に形成されている。
この基材層14としては、例えば、厚さが100〜200μmであるPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、アクリル系樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂等の樹脂製のシート状部材を用いることができる。本実施形態の基材層14は、厚さ200μmのMBS樹脂製であり拡散材を含有するシート状の部材(拡散シート)を用いている。
なお、基材層14は、所定の透過率とするために、グレー等の染料や顔料等により着色が施されていてもよいし、視野角を広げるために、拡散材を含有していてもよいし、着色され、かつ、拡散材を含有する層としてもよい。また、基材層14は、単層ではなく、複数の層が一体に積層された形態としてもよく、例えば、上述のような拡散材を含有する層と透明な層等が一体に積層された形態としてもよい。
【0016】
レンズ層11は、基材層14の背面側に設けられた光透過性を有する層であり、その背面側(基材層14とは反対側)の面には、フレネルレンズ形状が形成されている。
レンズ層11に形成されるフレネルレンズ形状は、単位レンズが一方向に配列されたリニアフレネルレンズ形状としてもよいし、単位レンズが同心円状に配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状としてもよく、反射スクリーン10の使用環境や映像源30の光学特性等に合わせて、適宜最適な方を選択して用いることができる。
本実施形態では、レンズ層11は、リニアフレネルレンズ形状が形成されている例を挙げて説明する。本実施形態のレンズ層11のリニアフレネルレンズ形状は、単位レンズ111がスクリーン面に沿って画面上下方向に複数配列されることにより形成されている。
【0017】
レンズ層11は、紫外線硬化型樹脂により形成されている。なお、レンズ層11は、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
このレンズ層11は、例えば、表面機能層15が一方の面に形成された基材層14の他方の面に、紫外線成形法等によりレンズ層11を形成することにより作成することができる。レンズ層11(単位レンズ111)を紫外線成形法等により形成することにより、よりピッチの細かく、かつ、形状精度の高い単位レンズ111を形成することができる。なお、レンズ層11の形成方法は、適宜自由に選択してよく、この限りではない。
【0018】
単位レンズ111は、スクリーン面に直交する方向(反射スクリーン10の厚み方向)に平行であって単位レンズ111の配列方向(反射スクリーン10の画面上下方向)に平行な断面における断面形状が、略三角形形状であり、頂点tと、フレネルレンズ形状のレンズ面であるレンズ面111aと、頂点tを挟んでレンズ面111aと対向する非レンズ面111bとを有している。本実施形態の単位レンズ111は、背面側に凸となる略三角柱形状であり、その長手方向は、画面左右方向に平行であり、画面上下方向に配列されている。
単位レンズ111は、反射スクリーン10の使用状態において、レンズ面111aが頂点tを挟んで非レンズ面111bよりも鉛直方向上側に位置する。すなわち、鉛直方向において頂点tに対して、非レンズ面111bが映像源30側に位置し、レンズ面111aが映像源30とは反対側に位置する。
【0019】
レンズ面111aは、第1領域111a−1と第2領域111a−2とを有している。第2領域111a−2は、単位レンズ111の頂点tを含む頂部領域に位置し、第1領域111a−1は、レンズ面111a上において、第2領域111a−2よりも谷部v側に位置している。この第1領域111a−1は、映像源30から投射された映像光Lが到達する領域であり、映像光Lの反射に寄与するが、第2領域111a−2及び非レンズ面111bは、映像光Lの到達しない領域である。
【0020】
単位レンズ111は、図2(b)に示すように、レンズ面111aがスクリーン面に平行な面となす角度がαであり、非レンズ面111bがスクリーン面に平行な面となす角度がβ(β>α)である。また、単位レンズ111の配列ピッチがPである。
単位レンズ111の配列ピッチPや角度α、角度βは、映像光を投影する映像源30(プロジェクタ)の画素(ピクセル)の大きさや、映像源30の映像光の投射角度(スクリーン面に対する映像光の入射角度)等に応じて、適宜変更可能である。
図2では、理解を容易にするために、単位レンズ111の配列ピッチP、角度α及び角度βは、一定である例を示しているが、実際には、角度αは、単位レンズ111の配列方向に沿って所定の角度範囲内でしだいに変化している。
【0021】
一例として、本実施形態の単位レンズ111は、配列ピッチPが100μm、角度αが6〜20°の範囲内で配列方向に沿って画面上下方向上側となるにしたがって大きくなるように連続的に変化しており、角度βが90°である。また、本実施形態の単位レンズ111(レンズ層11)の屈折率は、1.55である。
なお、配列ピッチPが単位レンズ111の配列方向に沿ってしだいに変化してもよいし、単位レンズ111は、反射スクリーン10を使用環境や所望する光学性能等に合わせて、適宜その形状を選択してよい。
【0022】
反射部12は、光を反射する作用を有し、少なくともレンズ面111aの映像光が到達する第1領域111a−1上に形成されている。
この反射部12は、白色系や銀色系の塗料や、白色形や銀色系の顔料やビーズ又は金属の微細な蒸着膜を粉砕した粒子等を含有する紫外線硬化型樹脂や熱硬化型樹脂、銀やアルミニウム等の金属蒸着膜、金属箔等により形成される。また、反射部12は、明るい映像を表示するために、その反射率が40%以上とすることが好ましく、70%以上とすることがさらに好ましい。
本実施形態の反射部12は、単位レンズ111間の谷部を充填し、レンズ面111aの第1領域111a−1を被覆する形態となっており、銀色の顔料を含有する紫外線硬化型樹脂により形成されている。なお、これに限らず、反射部12は、第1領域111a−1や後述の光吸収部13による凹凸形状に沿って所定の厚さで形成してもよい。
この反射部12により、レンズ面111aの第1領域111a−1に入射する光は、反射される。
【0023】
光吸収部13は、光を吸収する作用を有する層であり、レンズ層11の非レンズ面111bと、レンズ面111aの頂部側となる第2領域111a−2とを被覆するように形成されている。この光吸収部13は、黒色等の暗色系の塗料や、暗色系の顔料や染料、カーボン粒子等を含有する紫外線硬化型樹脂や熱硬化型樹脂等により形成される。
この光吸収部13は、図2(b)に示すように、その断面が略矩形形状である形態としてもよいし、画面上下方向における背面側の幅が映像源側の幅より大きい四角形形状としてもよい。また、この光吸収部13は、非レンズ面111b上にのみに形成されている形態としてもよい。
【0024】
表面機能層15は、基材層14の観察者O側(映像源側)に設けられる層である。この表面機能層15は、反射防止機能や防眩機能、紫外線吸収機能、防汚機能や帯電防止機能等、適宜必要な機能を1つ又は複数選択して設けることができる。
この表面機能層15は、基材層14とは別層であって不図示の粘着材等により基材層14に接合される形態としてもよいし、基材層14のレンズ層11とは反対側の面に直接形成してもよい。
本実施形態の表面機能層15は、防眩機能及びハードコート機能を有しており、基材層14の映像源30側の表面に、ハードコート機能を有する電離放射線硬化型樹脂(例えば、ウレタンアクリレート等)を膜厚20μm程度で塗布して硬化させることにより、形成されている。
【0025】
ここで、図2(a)を参照しながら、本実施形態の反射スクリーン10へ入射する映像光及び外光の様子を説明する。なお、図2(a)では、理解を容易にするために、表面機能層15と基材層14とレンズ層11とは、同じ屈折率であるものとして示している。
映像源30から投影された映像光L1は、反射スクリーン10の下方から入射し、表面機能層15及び基材層14を透過してレンズ層11の単位レンズ111へ入射する。そして、図2(a)に示すように、映像光L1は、レンズ面111aの第1領域111a−1に入射して反射部12によって反射され、観察可能な光線として観察者O側へ向かう。角度βが反射スクリーン10の画面上下方向の各点における映像光Lの入射角度よりも大きく(望ましくは90°)、かつ、映像光L1が反射スクリーン10の下方から投射されるため、非レンズ面111b及びレンズ面111aの第2領域111a−2には、映像光L1が入射しない。
【0026】
一方、照明光等の不要な外光は、主として反射スクリーン10の上方から入射し、表面機能層15及び基材層14を透過してレンズ層11の単位レンズ111へ入射する。そして、一部の光は、図2(a)に示す外光G1のように、レンズ面111aの第1領域111a−1に入射し、反射部12により反射して、反射スクリーン10の下方側へ向かうので、観察者O側には直接届かない。
また、一部の外光は、図2(a)に示す外光G2のように、レンズ面111aの第1領域111a−1で反射して、非レンズ面111bに入射して光吸収部13に吸収される。
また、一部の外光は、図2(a)に示す外光G3のように、非レンズ面111bに入射して光吸収部13に吸収される。外光G3のうち、非レンズ面111bで反射する光が生じる場合があるが、そのような光は僅かであり、反射してもその多くが第2領域111a−2に入射して光吸収部13に吸収される。
さらに、外光や一部の映像光の反射等によりレンズ層11内で発生した迷光も、その多くが光吸収部13によって吸収される。
【0027】
従って、上述のような光吸収部13による外光吸収作用や、反射部12による観察者Oの観察角度外への外光反射作用により、映像のコントラストを上げることができる。
よって、本実施形態の反射スクリーン10は、レンズ面111a上に形成された反射部12によって効率よく映像光L1を観察者O側へ反射でき、かつ、光吸収部13によって外光G1やレンズ層11内で発生した迷光等を吸収でき、さらに、外光G2を観察者Oには届かない方向へ反射するので、明室環境下であっても、明るく、コントラストの高い良好な映像を表示できる。
【0028】
(第1実施形態の反射スクリーンの製造方法の説明)
図3は、第1実施形態の反射スクリーン10の製造方法の一部を説明する図である。なお、図3においては、反射スクリーン10の単位レンズ111の配列方向に平行であってスクリーン面に直交する方向(反射スクリーン10の厚さ方向)に平行な断面の一部を拡大して示している。
まず、図3(a),(b)に示すように、基材層14を用意し、その一方の面上に紫外線成形法等により、レンズ層11を形成する。
次に、図3(c)に示すように、レンズ層11のフレネルレンズ形状が形成されている面上に、所定の厚さでポジ型の黒色レジストインキ等を塗布して塗膜13Aを形成する。この塗膜13Aの厚さは、適宜選定可能である。なお、これに限らず、例えば、ドライフィルムレジスト等によって形成してもよい。この黒色インキの塗布方法は、ダイコートやフローコート等、公知の方法を適宜採用できる。なお、このとき、基材層14のレンズ層11と反対側の面に塗布液が付着しないように、周縁部等にマスキング等の処理を施してもよい。
【0029】
次に、図3(d)に示すように、基材層14のレンズ層11とは反対側の面側(反射スクリーン時の映像源側)から、基材層14のシート面の法線方向に対して角度を有する方向に配置された光源40から、このレンズ層11と基材層14と塗膜13Aとが一体に形成された積層体10Aに対して、光を照射する。照射する光は、塗膜13Aを十分に露光できる程度の明るさを有している。光源40とレンズ層11は、反射スクリーン10の使用状態における映像源30とレンズ層11との位置関係と同じになるように、その位置が設定されている。これにより、実際の反射スクリーン10の使用状態と略同じ入射角度で、光源40からの光をレンズ層11に入射させることができる。そして、映像光Lの光路とこの光源40からの光の光路とが等しくなる。
光源40からの光が到達した領域は、露光する。この領域は、映像光Lが到達する第1領域111a−1に相当する。また、光源40からの光が到達しなかった領域は、露光せず、この領域は、第2領域111a−2や非レンズ面111bに相当する。
【0030】
次に図3(e)に示すように、所定の現像液で現像し、光源40からの光により露光した領域の塗膜を除去する。これにより、第1領域111a−1上の塗膜は除去され、第2領域111a−2及び非レンズ面111b上には塗膜が残り、光吸収部13が形成される。
次に、図3(f)に示すように、光吸収部13が形成されたレンズ層11のフレネルレンズ形状が形成された面上に、銀色の顔料を含有する紫外線硬化型樹脂等を塗布して硬化させ、反射部12を形成する。この反射部12は、図3(f)に示すように、単位レンズ111間の谷部を充填し、光吸収部13の背面側も被覆する程度に厚く塗布して形成されてもよいし、レンズ面111aや光吸収部13の凹凸形状に沿って所定の厚さで形成されてもよい。材料の特性や反射性能等に合わせて適宜設定可能である。なお、反射部12を形成するインキ等の塗布方法は、例えば、スクリーン印刷、グラビアリバースコート、インクジェット方式、ダイコート方式、フローコート方式による塗布等の方法を適宜用いることができる。
次に、表面機能層15を基材層14のレンズ層11とは反対側の面に一体に積層し、所定の大きさに裁断する等の工程を経て、反射スクリーン10が完成する。
【0031】
なお、上述の説明及び図3では、表面機能層15が反射部12や光吸収部13が形成された後に、基材層14に積層される例を示したが、これに限らず、先に基材層14の一方の面に一体に積層し、次に他方の面にレンズ層11を形成してもよい。
また、上述の図3では、理解を容易にするために、枚葉状の基材層14を使用する例を示したが、これに限らず、ウェブ状の基材層14を用いて反射スクリーン10を作製可能である。
【0032】
上述のような製造方法を採用することにより、反射スクリーン10の使用状態において、映像光Lが入射する第1領域111a−1には反射部12を、映像光Lが直接入射しない非レンズ面111bや第2領域111a−2には光吸収部13を形成でき、しかも精密な位置決めや煩雑な塗り分け等の工程が不要であり、容易に製造することができる。
また、上述の製造方法によれば、単位レンズ111が微細な場合にも、容易に反射部12と光吸収部13とを形成できる。
【0033】
以上のことから、本実施形態によれば、明室環境下であってもコントラストが高く、明るく良好な映像を表示することができる反射スクリーン及び映像表示システムとすることができる。特に、本実施形態によれば、光吸収部13が形成されるレンズ面111aの第2領域111a−2は、レンズ層11に入射した映像光が直接入射しない領域であるので、映像光を吸収することがなく、明るい映像を表示でき、かつ、外光を効果的に吸収することができる。
さらに、本実施形態によれば、上述のような高品位の反射スクリーンを、微細な単位レンズのレンズ面と非レンズ面に反射材料や光吸収材料を塗り分ける等とった煩雑な工程を経ることなく容易に製造することができる。従って、作業時間の低減や生産コストの低減等を図ることができる。
加えて、本実施形態によれば、単位レンズ111の角度αや角度β、配列ピッチP等を、映像源30の位置や反射スクリーンを使用する環境、所望する光学性能等に合わせて、適宜選択でき、さらに良好な映像を表示できる反射スクリーンとすることができる。
【0034】
(第2実施形態)
第2実施形態の反射スクリーン20は、その形状は第1実施形態の反射スクリーン10と同様の形態であるが、レーザー光を用いたアブレーションにより光吸収部13を形成している点が第1実施形態とは異なる。従って、上述の第1実施形態と同一の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
この第2実施形態の反射スクリーン120は、第1実施形態の反射スクリーン10に代えて映像表示システム1に用いることができる。
【0035】
図4は、第2実施形態の反射スクリーン20の製造方法の一部を説明する図である。
図4においては、反射スクリーン10の単位レンズ111の配列方向に平行であってスクリーン面に直交する方向(反射スクリーン10の厚さ方向)に平行な断面の一部を拡大して示している。
まず、第1実施形態と同様に、図4(a),(b)に示すように、基材層14を用意し、その一方の面上に紫外線成形法等により、レンズ層11を形成する。
次に、図4(c)に示すように、レンズ層11のフレネルレンズ形状が形成されている面上に、所定の厚さで黒色インキ等を塗布して塗膜13Bを形成する。なお、塗膜13Bは、例えば、スクリーン印刷等によって形成できる。
【0036】
次に、図4(d)に示すように、基材層14のレンズ層11とは反対側の面側(反射スクリーン時の映像源側)から、基材層14のシート面の法線方向に対して角度を有する方向に配置された光源40から、このレンズ層11と基材層14と塗膜13Bとが一体に形成された積層体20Aに対して、光を照射する。照射する光は、レーザー光が好ましく、例えば、YAGレーザーや半導体レーザー等が用いられる。この光源40と積層体20Aとの位置関係は、反射スクリーン20の使用状態における反射スクリーン20と映像源30との位置関係と同じである。この光は、基材層14に対して、光源40を動かしながら(例えば、照射角度を一定としたまま図4(d)中の矢印C方向へ動かしながら、又は、光源40の照射口を首振り状に動かしながら等)照射することが好ましい。
【0037】
これにより、反射スクリーン20の使用状態において映像光Lが到達する第1領域111a−1に相当する部分には、光源40からのレーザー光が到達し、その領域に塗布されていた黒色インキがレーザー光を吸収する。そして、その領域の黒色インキが加熱され、アブレーションを起こし、除去される。これにより、図4(e)に示すように、反射スクリーン20の使用状態において映像光Lの到達しない、非レンズ面111b及び第2領域111a−2には、光吸収部13が形成される。
【0038】
次に、図4(f)に示すように、光吸収部13が形成されたレンズ層11のフレネルレンズ形状が形成された面上に、前述の第1実施形態と同様に、銀色の顔料を含有した樹脂等を塗布して硬化させ、反射部12を形成する。反射部12は、図4(f)に示すように、単位レンズ111間の谷部を充填し、光吸収部13の背面側も被覆する程度に厚く塗布して形成されてもよいし、レンズ面111a及び光吸収部13の凹凸形状に沿って所定の厚さで形成されてもよく、材料の特性や反射性能等に合わせて適宜設定可能である。また、反射部12を形成する樹脂等の塗布方法は、スクリーン印刷に限らず、例えば、グラビアリバースコート、インクジェット方式、ダイコート方式、フローコート方式による塗布等の方法を適宜用いることができる。
【0039】
次に、表面機能層15を基材層14のレンズ層11とは反対側の面に一体に積層し、所定の大きさに裁断する等の工程を経て、反射スクリーン20が完成する。
なお、上述の説明及び図3では、表面機能層15が反射部12や光吸収部13が形成された後に、基材層14に積層される例を示したが、これに限らず、先に基材層14の一方の面に一体に積層し、次に他方の面にレンズ層11を形成してもよい。
また、上述の図3では、理解を容易にするために、枚葉状の基材層14を使用する例を示したが、これに限らず、ウェブ状の基材層14を用いて反射スクリーン10を作製可能である。
【0040】
よって、本実施形態によれば、明室環境下であってもコントラストが高く、明るく良好な映像を表示することができる反射スクリーンとすることができ、反射材料や光吸収材料の塗り分け等とった煩雑な工程を経ることなく容易に製造することができる。従って、作業時間の低減や生産コストの低減等を図ることができる。しかも、光吸収部13にレジストインキを使用した場合に必要となる現像工程を省略することができ、第1実施形態に示した製造方法に比べて、製造工程を短縮できる。
【0041】
(変形形態)
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)各実施形態において、光吸収部13を形成する塗膜13A,13Bは、露光及び現像処理や、レーザー光によるアブレーションにより、第1領域111a−1に対応する部分は除去される例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、以下のような感光性の粘着剤等を用いて光吸収部を形成してもよい。
まず、レンズ層11のレンズ形状が形成された面に、露光することにより粘着性を失う感光性の粘着剤を塗布して粘着剤の膜を形成する。そして、映像源に相当する位置に配置された照射器から光を照射して、第1領域111a−1上の粘着剤を効果させて粘着作用を消失させて除去する。このとき、非レンズ面111b及び第2領域111a−1は、露光していないので、粘着性を有している。次に、非レンズ面111b及び第2領域111a−1上にカーボン粉末等、黒色の粒子等を付着させ、光吸収部を形成する。このような形態としても、前述の第1実施形態と同様に、明るく、コントラストの高い良好な反射スクリーンを、容易に製造することができる。
なお、このような形態とする場合、第1領域111a−1上の露光により粘着作用を失った粘着剤は、その厚みが十分薄く、また、映像光Lの反射に影響を及ぼさない場合には、除去せず残した形態としてもよい。
【0042】
(2)各実施形態において、反射スクリーン10,20のレンズ層11の背面側にはリニアフレネルレンズ形状が形成される例を示したが、これに限らず、例えば、単位レンズ111が同心円状に配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状が形成されたレンズ層としてもよい。このとき、サーキュラーフレネルレンズ形状の光学的な中心は、反射スクリーン10,20の画面領域上に位置していてもよいし、位置していなくてもよい。
【0043】
(3)各実施形態において、反射スクリーン10,20は、その背面側に設けられた支持板50に粘着材層等を介して接合され、略平板状である例を示したが、これに限らず、例えば、粘着材層等を介して壁面に接合される形態としてもよい。
また、実施形態において、反射スクリーン10,20は、使用状態及び不使用状態においても略平板状である例を示したが、これに限らず、不使用時には巻き取って保管できる巻き取り可能な形態としてもよい。このような形態の場合には、支持板50等を設けず、反射スクリーン10,20の背面側を、光を透過しにくい布製又は樹脂製の遮光幕や耐傷性を向上させる保護層で被覆する形態としてもよい。
【0044】
(4)各実施形態において、反射スクリーン10,20は、例えば、反射スクリーンの剛性を高め、平面性を維持するためのガラス製や樹脂製の基板層や、コントラストを向上させる着色層、紫外線吸収作用を有する紫外線吸収層、タッチパネル層等をさらに備えた形態としてもよい。これらの層を設ける位置に関しては、適宜設定してよい。
【0045】
(5)各実施形態において、表面機能層15は、ハードコート機能及び防眩機能を備える例を示したが、紫外線吸収機能、反射防止機能、帯電防止機能、防汚機能等を有するものとしてもよい。
【0046】
(6)各実施形態において、単位レンズ111は、その断面形状におけるレンズ面111a,非レンズ面111bがいずれも直線状である例を示したが、これに限らず、例えば、少なくとも1つの面が曲線状であってもよいし、いずれかの面の一部が曲線状等であってもよい。また、レンズ面111a及び非レンズ面111bは、複数の面から構成される形態であり、シート面に直交かつ単位レンズの配列方向に平行な断面において、その断面形状が例えば、略五角柱形状や略六角柱形状となる形状としてもよい。
【0047】
(7)各実施形態において、反射スクリーン10,20の使用状態において、映像光Lの主たる入射方向は、反射スクリーン10,20の下方からである例を示したが、これに限らず、例えば、映像光の主たる入射方向が画面上方である場合には、それに合わせて、実施形態の反射スクリーン10,20を上下反転させた形態とすればよい。
【0048】
(8)各実施形態において、レンズ層11が基材層14の片面に紫外線成形により一体に形成される例を示したが、これに限らず、例えば、押し出し成形によりレンズ層を形成してもよい。このとき、レンズ層11に十分な厚みがあれば、基材層14を備えない形態としてもよいし、レンズ層11と基材層14と一体に積層した状態で押し出し成形してもよい。このような形態とすることにより、大量生産がさらに容易になり、安価に提供できる。また、押し出し成形以外にも、射出成形等により、レンズ層を形成してもよい。
【0049】
(9)各実施形態において、反射スクリーン10,20と映像源30とを備える映像表示システム1を示したが、これに限らず、例えば、さらに、パーソナルコンピュータ等の制御部や、使用者が触れた反射スクリーン10,20の画面上の位置を検出する位置検出装置を備え、位置検出装置及び映像源をパーソナルコンピュータ等の制御部と通信可能としたインタラクティブボードシステムとしてもよい。このような形態とすれば、例えば、使用者が反射スクリーン10,20の観察画面上にタッチペンや指等により描画した文字や図形等の情報を、投影画像と組み合わせ、図形や文字等が投影画像上に描かれたように表示したり、それらの情報を含む投影画像等をデータ化して保存したりすることができる。
また、反射スクリーン10,20は、一般的なホワイトボード等のように、マーカー等の所定の筆記具を用いてその表面(観察画面)に手書きで文字や図形等の情報を描画したり、描画した文字等を消去したりすることができ形態としてもよい。
【0050】
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0051】
1 映像表示システム
10,20 反射スクリーン
11 レンズ層
12 反射部
13 光吸収部
14 基材層
15 表面機能層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像源から照射された映像光を反射させて観察可能に表示する反射スクリーンであって、
背面側に凸であり、レンズ面と非レンズ面とを有する単位レンズが複数配列されたフレネルレンズ形状を背面側に有するレンズ層と、
前記単位レンズの配列方向に平行であってこの反射スクリーンの厚み方向に平行な断面において、
前記非レンズ面と前記レンズ面の前記単位レンズの頂点側となる第2領域とを被覆する光吸収部と、
前記レンズ面の前記第2領域以外の領域である第1領域を被覆する反射部と、
を備えること、
を特徴とする反射スクリーン。
【請求項2】
請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、
前記第2領域は、前記レンズ層に入射した映像光が直接入射しない領域であること、
を特徴とする反射スクリーン。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンと、
前記反射スクリーンに映像光を照射する映像源と、
を備える映像表示システム。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンの製造方法であって、
前記レンズ層のフレネルレンズ形状を有する面に前記光吸収部を形成する材料を塗布する塗膜形成工程と、
前記レンズ層に対して、前記フレネルレンズ形状を有する面とは反対側であり、前記反射スクリーンの使用状態における映像源の映像光の照射位置となる点から光を照射し、前記光の到達した部分の塗膜を除去して前記光吸収部を形成する光吸収部形成工程と、
前記光吸収部形成工程の後に、前記塗膜が除去された面に前記反射部を形成する反射部形成工程と、
を備えること、
を特徴とする反射スクリーンの製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の反射スクリーンの製造方法において、
前記塗膜形成工程において、前記光吸収部を形成する材料として、感光性を有する材料を用い、
前記光吸収部形成工程は、
前記レンズ層に対して、前記フレネルレンズ形状を有する面とは反対側であり、前記反射スクリーンの使用状態における映像源の映像光の照射位置となる点から光を照射し、前記感光性を有する材料を露光する露光工程と、
前記露光工程の後に、露光した部分の塗膜を現像液に溶解させて除去する除去工程と、
を備えること、
を特徴とする反射スクリーンの製造方法。
【請求項6】
請求項4項に記載の反射スクリーンの製造方法において、
前記光吸収部形成工程では、前記レンズ層に対して、前記フレネルレンズ形状を有する面とは反対側であり、前記反射スクリーンの使用状態における映像源の映像光の照射位置となる点から光を照射し、前記光の到達した部分の塗膜をアブレーション、溶融、昇華、燃焼、爆融もしくは削摩のいずれかにより除去すること、
を特徴とする反射スクリーンの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−68677(P2013−68677A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205338(P2011−205338)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】