説明

反射偏光子を製造する方法

【課題】応力、歪み、温度差、水分、電場および磁場に関して安定な拡散反射偏光子を製造する方法の提供。
【解決手段】膜10を押出しかつ延伸することを含み、当該膜は第1のポリマー12および第2のポリマー14を含み、第1のポリマーは0.02未満の複屈折を有し、実質的に非晶質のナノコンポジット物質であり、第2のポリマーは分散されているマイナー相であり、第1および第2のポリマーの組成、Tgおよび屈折率、並びに延伸温度および延伸比のパラメーターが式:


を満足するように選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実質的に非晶質のナノコンポジットでありかつほぼ等方性の物質である第1のポリマー、その中に分散されている第2のポリマーを有する膜を含む拡散反射偏光子を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
反射偏光膜は1つの偏光の光を伝達し、直交偏光の光を反射する。これはLCDにおいて光効率を増大させるのに有用である。反射偏光膜の機能を達成するために様々な膜が開示されてきており、その中でも拡散反射偏光子はLCDにディフューザーを必要としない場合があり、このためLCDの複雑さを低減するのでより魅力的である。米国特許第5,783,120号は、第1の連続相(本明細書においては、メジャー相(すなわち、ブレンドの50重量%超を構成する)とも称される)および第2の分散相(本明細書においてはマイナー相(すなわち、ブレンドの50重量%未満を構成する)とも称される)を有し、この第1の相が少なくとも0.05の複屈折を有する非混和性ブレンドを含む膜を含む拡散反射偏光膜を教示する。この膜は、典型的には延伸によって、1以上の方向に配向される。分散相粒子のサイズおよび形状、分散相の体積分率、膜厚さおよび配向の量は、得られる膜における所望の波長の電磁放射線の、所望の程度の全透過率および拡散反射を達成するように選択される。表1〜表4に示される124例中で、例6、8、10、42−49を除くそのほとんどはメジャーおよび複屈折相としてポリエチレンナフタラート(PEN)を、およびマイナー相としてポリメタクリル酸メチル(PMMA)(例1)またはシンジオタクチックポリスチレン(sPS)(他の例)を含み、例6、8、10、42−49ではPENがマイナー相であり、sPSがメジャー相である。これら124例の全てにおいては、メジャー相は半結晶性ポリマーを含む。
【0003】
表1における例6、8および10は全透過率および反射率は満足できるものではなかったことを示した。式:
【数1】

として特定される性能指数(FOM)は1.27より小さかった。表2における例42−49はこの透過率および反射率データを有しておらず、かつ全く論じられていなかった。
【表1】

【0004】
異なる性質を有する無機含有物で満たされた膜は、独特の光透過率および反射特性を提供しうる。しかし、無機含有物で満たされたポリマーから製造された光学膜は様々な問題に悩まされる。典型的には、無機粒子とポリマーマトリックスとの間の接着が弱い。その結果、応力または歪みがマトリックスを横切って適用される場合には、このマトリックスと含有物との間の結合が破壊され、かつこの剛性の無機含有物が粉砕されうるので、この膜の光学特性は低下する。さらに、無機含有物の配置は、製造を複雑にするプロセス工程および考慮事項を必要とする。
【0005】
他の膜は、その中に分散された光調節性液晶の液滴を有する、透明の光透過性連続ポリマーマトリックスからなる。この物質の延伸は伝えられるところによると、結果的に、球から、引き延ばしの方向と平行な楕円の長軸を有する楕円体形状への液晶液滴の歪みをもたらす。
【0006】
先行技術の制限を回避する、連続相と分散相とを有する膜を含む改良された拡散反射偏光子についての必要性が存在している。改良された反射偏光子は、比較的安価な物質であり、かつ曇りを最小限にするために結晶性または半結晶性ではなく非晶質であるメジャー相を有するべきであり、その結果、この物質の三次元軸に沿ったこの2つの相の間の屈折率不適合が簡単にかつ永久に、所望の程度の拡散および正反射および透過を達成するように操作されることができる。この膜は、また、応力、歪み、温度差、水分、電場および磁場に関して望ましく安定でなければならず、この膜は有意でない水準の虹色を有する。これらの必要性は米国特許第7,583,440号(’440号特許)によってかなえられている。しかし、非常に限定された数の物質しか、この’440号特許に従って拡散反射偏光子を製造するのに利用できない。その結果、拡散反射偏光子の光学性能は、光学特性、特に屈折率および複屈折を調節するのに限定された可能性のせいで、妥協させられる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,783,120号明細書
【特許文献2】米国特許第7,583,440号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
よって、既知の反射偏光子の制限を回避するために、制御可能な屈折率を有するメジャー相および分散マイナー相を有する膜を含む改良された拡散反射偏光子についての必要性が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、拡散反射偏光子を製造する方法であって;
当該方法は、膜を押出しかつ延伸することを含み;当該膜は第1のポリマーおよび第2のポリマーを含み;第1のポリマーは0.02未満の複屈折を有し、実質的に非晶質のナノコンポジット物質であり;第1のポリマーはメジャー相であり、第2のポリマーは分散されているマイナー相であり;前記第1のポリマーおよび第2のポリマーは一緒にされて、電磁放射線の1つの偏光状態のための第1の軸に沿って、拡散反射率R1d、正反射率R1s、全反射率R1t、拡散透過率T1d、正透過率T1s、および全透過率T1tを示し、電磁放射線の別の偏光状態のための第2の軸に沿って、拡散反射率R2d、正反射率R2s、全反射率R2t、拡散透過率T2d、正透過率T2s、および全透過率T2tを示し;前記第1の軸および第2の軸は直交しており;第1および第2のポリマーの組成、Tgおよび屈折率、並びに延伸温度および延伸比のパラメーターが式:
【数2】

を満足するように選択される;
拡散反射偏光子を製造する方法を提供する。
本発明はさらに、
第1のポリマーは環式ブロックコポリマーであって、約0.02未満の複屈折を有し;第1のポリマーはメジャー相であり、第2のポリマーは分散されているマイナー相であり;第1のポリマーの屈折率は第2のポリマーよりも配向による調節可能性に劣る;第1のポリマーと第2のポリマーとを含む組成物を提供し;並びに
電磁放射線の少なくとも1つの偏光のための少なくとも1つの軸に沿った前記組成物の拡散反射率が約50%を超えるまで、前記組成物を選択された温度範囲で、かつ選択された延伸比で延伸する;
ことを含む、拡散反射偏光子を製造する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明に従って製造された拡散反射偏光子を図示する概略透視図であって、この図においては、偏光子はコア層を有し、このコア層は、高度に複屈折である分散されているマイナー相と、ほぼまたは完全に光学的等方性であるメジャー相とを含み、コア層は2つの外側(保護)層の間に配置されている。
【図2】図2は、第1のポリマーナノコンポジットメジャー相およびその中に分散された第2のポリマーマイナー相を含む拡散反射偏光子層の概略断面図であって、ナノコンポジットメジャー相は、その中に分散された、連続非晶質相およびナノスケールドメインを含む。
【図3】図3は、2つの保護層が除去されている、図1に示された拡散反射偏光子を図示する概略透視図である。
【図4】図4は、メジャー相物質でも分散マイナー相物質でもない物質から形成された2つの保護層を有する拡散反射偏光子を図示する概略透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
定義:
用語「正反射率」Rとは、正反射角を中心とした周りの16度の頂角を有して現れる錐体への光線の反射率をいう。用語「拡散反射率」Rとは上記特定された正反射錐体の外側にある光線の反射率をいう。用語「全反射率」Rとは、表面からの全ての光の反射率を合わせたものをいう。よって、全反射率は正反射率および拡散反射率の合計である。
【0012】
同様に、用語「正透過率(specular transmittance)」Tは、本明細書においては、正(specular)方向を中心とした周りの16度の頂角を有して現れる錐体への光線の透過率に関して使用される。用語「拡散透過率」Tは、本明細書においては、上記特定された正(specular)錐体の外側にある全ての光線の透過率に関して使用される。用語「全透過率」Tとは、光学体を通る全ての光の透過率をあわせたものをいう。よって、全透過率は正透過率および拡散透過率の合計である。一般に、それぞれの拡散反射偏光子は、電磁放射線の1つの偏光状態についての第1の軸に沿った拡散反射率R1d、正反射率R1s、全反射率R1t、拡散透過率T1d、正透過率T1sおよび全透過率T1t、並びに電磁放射線の別の1つの偏光状態についての第2の軸に沿った拡散反射率R2d、正反射率R2s、全反射率R2t、拡散透過率T2d、正透過率T2sおよび全透過率T2tによって特徴づけられる。第1の軸および第2の軸は互いに直交しており、かつそれぞれは拡散反射偏光子の厚み方向に対して直交している。一般性を失うことなしに、第1の軸に沿った全反射率が第2の軸に沿ったものよりも大きくなる(すなわち、R1t>R2t)ように、および第1の軸に沿った全透過率が第2の軸に沿ったものよりも小さくなる(すなわち、T1t<T2t)ように、第1の軸および第2の軸は選択される。
【0013】
拡散反射率、正反射率、全反射率、拡散透過率、正透過率、全透過率は、本明細書において使用される場合、一般的に、米国特許第5,783,120号において定義されるのと同じ意味を有する。
【0014】
性能指数(Figure of Merit;FOM)
本発明に従って製造された拡散反射偏光子は全て、
【数3】

を満足する。
【0015】
式(1)は、本発明の反射偏光子は、反射においては、正反射よりも拡散反射であることを示す。ワイヤグリッド偏光子(例えば、ユタ州、オレムのMoxtek,Inc.,から入手可能なもの)、複数層干渉ベースの偏光子、例えば、ミネソタ州、セントポールの3Mによって製造される、ビキュイティ(Vikuiti商標)二重輝度上昇フィルム、またはコレステリック液晶ベースの反射偏光子は、拡散性よりも鏡面性であることに留意されるべきである。
【0016】
式(2)は拡散反射偏光子についての性能指数を定義する。この式は、その性能指数FOMが1.35より大きい場合には、膜が反射偏光子として定義されることを示す。偏光リサイクリングのために、重要なのは全反射率および全透過率であり、よって、様々な反射偏光子をランク付けする目的のためにFOMを計算するために、全反射率および全透過率だけが使用される。この性能指数は反射偏光子およびLCDにおいて使用される背面偏光子のような吸収偏光子の全光スループットを説明し、そして、拡散リフレクタまたはその等価物を用いて光リサイクリングがもたらされるLCDシステムに適用する式(1)
【数4】

と本質的に同じである。
【0017】
Rはリサイクリング反射膜の反射率、または各光リサイクリングに関連する効率を説明することに留意されたい。理想の場合には、Rは1に等しく、このことは、光リサイクリングにおいて光の損失がないことを意味する。Rが1未満の場合には、光リサイクリング径路において幾分かの光の損失がある。他の形態の性能指数が使用されうるが、反射偏光子の相対的なランキングは同じままであることにも留意されたい。反射偏光子の性能を定量化しランキング付けする目的のために、FOM≡T2t/(1−0.5(R1t+R2t))が本出願において使用されうる。減光比(extinction ratio)T2t/T1tまたはR1t/R2tは反射偏光子を説明するのに適切であるとは限らない、というのは、より高いT2t/T1tまたはR1t/R2tを有する反射偏光子は、より低い減光比を有するものよりも良好に必ずしも機能するとは言えないからである。理想的な従来の吸収偏光子については、T2t=1、R1t=R2t=0、よってFOM=1である。理想的な反射偏光子については、T2t=1、R1t=1、およびR2t=0、よってFOM=2である。メジャー相としてsPSを有する米国特許第5,783,120号の例6、8、10に開示されるような拡散反射偏光子はFOM<1.27を有していたが、これは満足できるものではなかった。
【0018】
第1および第2のポリマーの光学特性を調節することにより、本発明に従った拡散反射偏光子は1.35を超える、より好ましくは1.5を超えるFOM値を有することができた。米国特許第5,783,120号に開示されるいくつかの拡散反射偏光子は1.35を超えるFOMを有するが、それらは0.05を超える複屈折を有するメジャー相と、より低い複屈折の分散相とから構成されていた。
【0019】
非晶質および半結晶性ポリマー
そのガラス転移温度(T)未満からT+300℃までの範囲の温度にわたる示差走査熱量測定(DSC)試験中に結晶化(発熱)または溶融(吸熱)ピークを生じさせないポリマーは非晶質であると称される。逆に、DSC試験中にこのようなピークが記録される場合には、そのポリマー物質は半結晶性である。このDSC試験は当業者に周知である。
【0020】
実質的に非晶質のナノコンポジット物質
本明細書を通じて、実質的に非晶質のナノコンポジット物質とは、少なくとも先に定義された連続非晶質相と、少なくとも1つの追加の相とを含む二相または複数相非晶質物質をいい、この追加の相は連続非晶質相内で小さなドメインに分散されており、このドメインは、光の波長よりも小さな(すなわち、ナノスケールドメイン)、少なくとも1つの寸法における、特徴的寸法を有し、その結果、これらのドメインはこの物質を通過する光の散乱に寄与しないが、この物質の有効光学特性(屈折率および複屈折)を調節するために使用されうる。このナノスケール分散物質は非晶質または結晶性であることができ、有機または無機であることができる。これらのドメインは球状または非球状の形態であることもできる。
【0021】
本発明においては、高温での延伸中の熱結晶化に対するポリマーの特性およびこれにより望ましくない水準の曇りを生じさせるので、半結晶性ポリマーは、拡散反射膜のメジャー相において使用するのに充分に適していない。この問題は’440号特許において克服されており、そこではメジャー相における非晶質ポリマーの使用が提案された。しかし、’440号特許とは異なって、本発明におけるメジャー相は、純粋な非晶質のものではなく実質的に非晶質のナノコンポジット物質を含む。このアプローチは、散乱による光透過率の損失なしに、拡散反射膜におけるメジャー相の光学特性のより良好な制御を可能にする。
【0022】
非混和性で適合性のポリマーブレンド
溶融状態で一緒に混合されるときに熱力学的に非適合性であるポリマーは非混和性であると称される。このようなポリマーは粗い形態を有する区別できる相に分離し、不均一なブレンドを作り出し、それぞれの相はポリマー成分の区別できる特徴を保持し、相間での劣った接着性を示す。一方、適合性のブレンドは、微細な相形態およびこのブレンドを含むポリマードメイン間の良好な接着性を示す。
【0023】
メジャー相、マイナー相、連続相、不連続相および分散相
メジャー相およびマイナー相は、混合物中で熱力学的に区別できる相であり、これらの相は異なる重量分率を有する。メジャー相は50%を超える重量分率を有するが、マイナー相は50%未満の重量分率を有する。同様に、混合物中の連続相は、50%を超える体積分率を有する熱力学的に区別できる相であるが、混合物中の不連続相は、50%未満の体積分率を有する熱力学的に区別できる相である。分散相はマイナー相または50%未満の体積分率を有する相である。
【0024】
複屈折、弱い複屈折、およびほぼ光学等方性
量(nx−ny)は面内複屈折「Δnin」と称され、ここでnxおよびnyは方向xおよびyにおける屈折率であり;xはx−y面における最大屈折率の方向として採用され、y方向はそれに対して垂直にとられ;このx−y面はこの層の表面に対して平行であり;dはz方向でのこの層の厚みである。Δninの値は典型的には、波長λ=550nmで与えられる。
【0025】
量[nz−(nx+ny)/2]は面外複屈折「Δnth」と称され、ここでnzはz方向における屈折率である。nz>(nx+ny)/2の場合には、Δnthは正(正の複屈折)であり、nz<(nx+ny)/2の場合には、Δnthは負(負の複屈折)である。Δnthの値は典型的には、λ=550nmで与えられる。
本明細書において使用される場合、「ほぼ光学等方性」または「弱い複屈折」とは延伸後、その物質が0.02未満の複屈折を有することを意味する。
【0026】
本発明はメジャー相を形成する実質的に非晶質のナノコンポジット物質である第1のポリマーと、マイナー相を形成する第2のポリマーとを含み、メジャー相がほぼ等方性である拡散反射偏光子に関し、並びに、このような拡散反射偏光子を製造する方法が本明細書で以下に、および図面を参照することにより記載される。本発明の拡散反射偏光子はLCDのようなディスプレイ装置に効果的に使用され、光効率を増大させる。
【0027】
ここで、図1および2を参照すると、本発明の拡散反射偏光子30は膜10を含み、この膜はメジャー相である第1のポリマー相14と第1のポリマーメジャー相内に分散されている第2のポリマー相12とを有する非混和性ブレンドを含み、前記第1ポリマーは実質的に非晶質のナノコンポジット物質であって、約0.02未満の複屈折を有する。第1のポリマーメジャー相14は、非晶質連続相15および追加の相をさらに含むナノコンポジットであり、この追加の相は連続相15内でナノスケールドメイン16に分散されている。分散されたドメイン16は、少なくとも1つの寸法において、光の波長よりも小さい特徴的寸法を有し、その結果、これらのドメインは第1のポリマーメジャー相14を通過する光の散乱に寄与しない。しかし、それらは第1のポリマーメジャー相14の有効屈折率を調節することができる。これらのドメインは図2においては、原寸に比例して描かれていない。第2のポリマーは、典型的には、排他的ではないが、半結晶性であり、前記分散されているマイナー相12については、このマイナー相と前記メジャー相14との屈折率の差が、第1の軸に沿って約0.05より大きく、当該第1の軸に対して直交する第2の軸に沿って約0.05より小さく;電磁放射線の少なくとも1つの偏光状態について少なくとも1つの軸に沿って一緒にされた前記第1の相および第2の相の拡散反射率は少なくとも約50%である。一般に、ナノスケールドメイン16のサイズは、少なくとも1つの寸法において、マイナー相12よりも少なくとも10倍小さい。
【0028】
場合によっては、拡散反射偏光子30は追加の層(保護層または「スキン」層20Aおよび20Bが、例えば、図1において例示されている)を含むことができ、これら追加の層は、複数相コンポジット膜の延伸を容易にするために、または反射偏光子の1以上の物理的、化学的もしくは熱的特性を向上させるために、またはコア層の物理的保護のために使用されうる。
【0029】
メジャー相の濃度は、膜10中の全物質の少なくとも51重量%であるが、一方、分散されているマイナー相の濃度は50重量%未満である。好ましくは、メジャー相は少なくとも60重量%であり、分散されているマイナー相は40重量%未満である。
【0030】
第1のポリマーメジャー相は、分散されたナノスケールドメインの他に、単一種のポリマーまたは2種以上の混和性のポリマーを含むことができる。分散されているマイナー相である第2のポリマー相は単一種のポリマーまたは2種以上の混和性のポリマーを含むこともできる。典型的には、この2相のそれぞれは単一種のポリマーのみを含む。しかし、溶融粘度、T、物理的特性、熱的特性、屈折率などの様々な特性を最適化しまたは変更するために、2種以上の混和性ポリマーのブレンドがいずれかの相において効果的に使用されることができる。
【0031】
メジャー相を含む1種以上のポリマーは実質的に非晶質のナノコンポジットで、透過性で、かつ弱い複屈折である。分散されているマイナー相を構成する1種以上のポリマーは透過性であり、かつ高度に複屈折であり、典型的には、排他的ではないが、半結晶性である。第1のポリマーにおける低い複屈折値は、非常に低い応力−光学係数を有するポリマーを選択することにより、マトリックスの応力−光学係数を低くするナノスケール物質を分散させることにより、および/またはメジャー相を構成するポリマーのガラス転移温度を充分上回る温度(T)、T>Tg,1+30℃(Tg,1はメジャー相のガラス転移温度である)で膜を延伸することにより達成され、その結果、延伸後この物質が固化する場合に、面内複屈折の水準を0.02未満、好ましくは0.01未満、より好ましくは0.005未満まで低下させるのに充分に、分子配向が緩和させられる。実質的に非晶質のナノコンポジットメジャー相において使用するためのポリマーの例には、多孔質シリカ担持金属不均一触媒を使用してアニオン重合されたビニル芳香族共役ジエンブロックコポリマーを実質的に完全に水素化することによって製造される環式ブロックコポリマー(CBC)が挙げられる。
【0032】
ビニル芳香族/共役ジエンブロックコポリマーは、水素化の前に、公知の何らかの構造、例えば、区別できるブロック、テーパードブロックおよびラジアルブロックなどを有することができる。交互のビニル芳香族ブロックと共役ジエンブロックとを含む区別できるブロック構造は、特にこのようなブロック構造がトリブロックコポリマーまたはペンタブロックコポリマーを生じさせ、それぞれの場合にビニル芳香族末端ブロックを有する場合には、好ましい結果を生じさせる。ペンタブロックコポリマーは特に好ましいブロックコポリマーを構成する。ビニル芳香族ブロックは、所望のように、同じまたは異なる分子量を有することができる。同様に、共役ジエンブロックは同じまたは異なる分子量を有することができる。
【0033】
典型的なビニル芳香族モノマーには、スチレン、アルファ−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体(特にパラビニルトルエン)、エチルスチレンの全ての異性体、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなど、またはこれらの混合物が挙げられる。ブロックコポリマーは、各ビニル芳香族ブロック中に1種以上の重合されたビニル芳香族モノマーを含むことができる。ビニル芳香族ブロックは好ましくはスチレンを含み、より好ましくは、本質的にスチレンからなり、さらにより好ましくはスチレンからなる。
【0034】
共役ジエンブロックは2つの共役二重結合を有するモノマーを含むことができる。例示であって、非限定的である、共役ジエンモノマーの例には、ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、イソプレンまたはこれらの混合物が挙げられる。ビニル芳香族ブロックに関しては、ブロックコポリマーは1種(例えば、ブタジエンもしくはイソプレン)または1種より多く(例えば、ブタジエンとイソプレンとの両方)を含むことができる。ブロックコポリマー中の好ましい共役ジエンポリマーブロックは、水素化の前に、ポリブタジエンブロック、ポリイソプレンブロックまたは混合ポリブタジエン/ポリイソプレンブロックを含むことができる。ブロックコポリマーは、水素化の前に、1つのポリブタジエンブロックおよび1つのポリイソプレンブロックを含むことができるが、好ましい結果は、ポリブタジエン単独のブロックまたはポリイソプレン単独のブロックである共役ジエンブロックを水素化の前に有するブロックコポリマーの使用により起こる。単独のジエンモノマーを好むことは主として製造を単純化することに端を発する。両方の場合において、ポリマー骨格へのジエン組み込みマイクロ構造は制御されて、実質的にまたは完全に非晶質であるCBCポリマーを達成することができる。
【0035】
各ビニル芳香族ブロックがスチレン(S)を含みかつ各共役ジエンブロックがブタジエン(B)またはイソプレン(I)を含む典型的に好ましいビニル芳香族/共役ジエンブロックコポリマーには、SBSおよびSISトリブロックコポリマー並びにSBSBSおよびSISISペンタブロックコポリマーが挙げられる。ブロックコポリマーはトリブロックコポリマーまたは、より好ましくは、ペンタブロックコポリマーであることができるが、ブロックコポリマーは1以上の追加のビニル芳香族ポリマーブロック、1以上の追加の共役ジエンポリマーブロックまたは1以上の追加のビニル芳香族ポリマーブロックと1以上の追加の共役ジエンポリマーブロックとの両方、またはスターブロックコポリマー(例えば、カップリングを介して生じさせられる)を有するマルチブロックであることができる。所望の場合には、2種のブロックコポリマーのブレンド(例えば、2種のトリブロックコポリマー、2種のペンタブロックコポリマーまたは1種のトリブロックコポリマーと1種のペンタブロックコポリマー)を使用することができる。2種の異なるジエンモノマーを単一ブロック内に使用することもでき、これは、例えば、SIBSとして示されうる構造を提供する。これら典型的な構造は、これに限定されないが、本発明の実施形態における第1のポリマーとして使用するのに好適であり得るブロックコポリマーを示す。
【0036】
「実質的に完全に水素化」とは、水素化前にビニル芳香族ブロックに存在する二重結合の少なくとも95パーセントが水素化されまたは飽和され、および水素化前にジエンブロックに存在する二重結合の少なくとも97パーセントが水素化されまたは飽和されることを意味する。ブロックの相対的な長さ、全分子量、ブロック構造(例えば、ジブロック、トリブロック、ペンタブロック、マルチアームドラジアルブロック(multi−armed radial block)など)およびプロセス条件を変えることにより、様々な種類のナノ構造形態が、このブロックコポリマーから得られることができ、それにより、メジャー相の光学特性を変えることができる。特定の非限定的な例には、ラメラ形態、両連続らせん(bicontinuous gyroid)形態、円柱形態および球形態などが挙げられる。ブロックコポリマーのこの形態およびマイクロ相分離挙動は周知であり、例えば、「The Physics of Block Copolymers by Ian Hamley, Oxford University Press,(オックスフォードユニバーシティープレス、イアンハムレイによるブロックコポリマーの物理学)1998」に見いだされうる。特に好ましいCBCポリマーは、水素化前に55〜80重量%のスチレンの量および20〜45重量%の共役ジエンの量を有するものである。
【0037】
充分に分散された無機ナノスケール粒子とブレンドされた非晶質の高度に透過性のポリマーは、実質的に非晶質のナノコンポジット物質の別の例である。
【0038】
メジャー相中のCBCポリマーは1つのブロックを有する非ブロックポリマーまたはコポリマーとブレンドされうる。典型的な非ブロックポリマーおよびコポリマーには、これに限定されないが、水素化ビニル芳香族ホモポリマーまたはランダムコポリマー、環式オレフィンポリマー(COP)、環式オレフィンコポリマー(COC)、アクリルポリマー、アクリルコポリマーまたはこれらの混合物が挙げられる。非ブロックコポリマーまたはコポリマーは、CBC物質とブレンドされる場合に、ブロックコポリマーの1つの相と混和性であり、その相の中に隔離される。
【0039】
COCおよびCOPは、本発明のメジャー相のための混和性ブレンド成分として特に興味深い。これらの環式オレフィン物質は著しくガラス様の有機物質である。COC物質は可視領域で91%の視感透過率を有する。その高い透過率および高いアッベ数(58)に加えて、COC樹脂は非常に低い曇りおよび黄色度を有し、散乱または吸収による最小限の光損失を確実にする。低い光学異方性を有する非晶質ポリマーの場合、それらは本質的に低い複屈折および非常に低い応力光学係数(PMMAのと同じくらいまたはそれよりも低い)も有し、その結果それらは荷重下で低い複屈折を保持する。いくつかの等級のCOC樹脂は170℃(338°F)の高さの熱たわみ温度で利用可能であり、それらを非常に高い温度への短期間曝露に耐性にする。COC樹脂は優れた水分制御を提供する。それは、高密度ポリエチレン(HDPE)のおよそ2倍の水分バリア、および低密度ポリエチレン(LDPE)の5倍の水分バリアを有する。COC樹脂は環境に優しく、かつ簡単な廃棄を可能にする。燃焼の際に、それは毒性ガスを形成せず、水と二酸化炭素とを形成するだけである。
【0040】
マイナー相における複屈折の高い値は、相対的に高い応力光学係数を有する物質を利用することにより、およびTg,2<T<Tg,2+30℃(ここで、Tg,2は分散されているマイナー相のTである)となる温度Tで膜を延伸することにより達成される。マイナー相において使用するのに好適なポリマーの例には、これに限定されないが、ポリエステル、ポリアミド、およびポリエステル−アミド、並びに他の種類の半結晶性ポリマーが挙げられる。具体的な非限定的な例には、ポリ(エチレンテレフタラート)(PET)、ポリ(エチレンナフタラート)(PEN)およびシクロヘキシルジメチレン部分を含むポリエステルが挙げられる。
【0041】
本発明のある実施形態においては、マイナー分散相は適合性ポリエステルブレンドおよびエステル交換反応を実質的に阻害する手段を含む。このポリエステルブレンドは1種以上のポリエステルまたは少なくとも1種のポリエステルおよびポリカーボナートを含むことができる。エステル交換阻害剤はポリマー加工産業界において周知であり、一般的にリン含有化合物を含む。本発明において使用するのに好適なエステル交換阻害剤には、これに限定されないが、有機亜リン酸エステル、例えば、亜リン酸トリフェニル、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフィット、ジ−n−オクタデシルホスフィット、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフィット、トリス(モノノニルフェニル)ホスフィット、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチルなどが挙げられる。
【0042】
本発明の拡散反射偏光子は、LCDのようなディスプレイ装置において典型的に使用される1種以上の他の光学膜、例えば、反射防止、周囲光抑制、照明増大、光コリメーション、光方向変換、光拡散、光スプレッディング、視認角増大、偏光などの機能を提供する膜、との組み合わせで使用されうる。
【0043】
本発明の拡散反射偏光子は複数工程プロセスによって生じさせられる。最初に、第1のメジャー相および第2の分散相を含む全ての成分が所望の組成で一緒にドライブレンドされる。このブレンディングは、二軸押出機または静的ミキサーを使用する追加の溶融ブレンド工程を含むことができる。この混合物は押出機に供給され、次いで、シート形成ダイまたはマルチマニホルドダイを通してロールスタックおよびカレンダー上にキャストされる。膜の分散マイナー相において所望の複屈折レベルを誘起させるために、このキャストシートは延伸工程を受けなければならない。この組成物を配向させるために、この延伸はシート押出の直後にインラインで行われうるか、または別の工程でオフラインで行われうる。いずれの場合においても、シートは最初に、Tg,2<T<Tg,2+30℃である:Tの温度に加熱され、次いで、機械方向に沿ってもしくは機械横断方向に沿って一軸延伸されるか、またはその双方で、分散されているマイナー相における所望の水準の面内複屈折を生じさせる。
【0044】
よって、この延伸温度は次の条件を満たさなければならない:
【数5】

ここで、Tg,1は実質的に非晶質のナノコンポジットメジャー相のガラス転移温度であり、Tg,2はマイナー相を構成する第2のポリマーのガラス転移温度である。
【0045】
メジャー相が高い応力光学係数を有する場合には、ひいては、メジャー相において低い複屈折を達成するために(すなわち、メジャー相の複屈折は延伸および固化後に0.02未満でなければならない)、T−Tg,1>30℃、すなわち、延伸温度は、メジャー相のガラス転移温度よりも相対的に高くなければならない。
【0046】
典型的な伸長または延伸比は3倍〜7倍の範囲であるが、より広範囲の延伸比が考慮されうる。延伸は当業者に周知の多くの方法を用いて行われうる。いくつかの場合においては、延伸された膜の端は延伸工程中に拘束されうるが、拘束されない延伸が好ましい。米国特許第5,783,120号の試みと比較して、本発明は、先行技術に特定される制限なしに、より低コストおよびよりすぐれた光学性能の可能性を有する広範囲の選択肢および物質を提供する。
【0047】
延伸後、本発明の反射偏光子の全厚みは25〜1000ミクロンで変化すると予想される。典型的には、約100〜500ミクロンの全厚みは、所望の程度の偏光リサイクリングおよび寸法安定性を達成するのに充分である。
【0048】
前述のように、本発明のある実施形態においては、反射偏光子30は、膜10のそれぞれの面上に保護層20Aおよび20Bを伴って製造される(図1を参照)。この保護層は膜10と共に共押出されかつ共延伸されて、分散されているマイナー相の組成と類似するおよび場合によっては同じ物質を含むことができる。延伸されたシートは最終的に冷却されてロールに丸められる。保護層20Aおよび20Bは膜10に永続的に取り付けられたままであることができ、または反射偏光子がLCディスプレイに組み込まれる前の何らかの時点で剥ぎ取られても良い。この保護層の剥ぎ取りは図3に示されており、この保護層は膜10に対する弱い接着力によって保持されることを必要とする。接着のこのレベルは好適な表面活性化剤、ポリマー界面活性剤、可塑剤および様々な他の追加物の添加によって制御されうる。あるいは、保護層と膜10との間の接着は、図4に示されるような結合層(tie layer)の追加によって向上されることができ、図4においては、層22Aおよび22Bは、膜10と対応する保護層21Aおよび21Bとの間に配置された結合層を表す。結合層において使用するのに好適な物質は、保護層21Aおよび21B並びに膜10に使用される連続ポリマー相に対して幾分かの適合性または親和性を有するべきである。メジャー相がCBCポリマーを含み保護層がポリエステルを含むある実施形態においては、好適な結合層物質には、エチレン−酢酸ビニルポリマーおよびエチレン−アクリラートポリマーが挙げられる。
【符号の説明】
【0049】
10 膜
12 第2のポリマー相
14 第1のポリマー相
15 非晶質連続相
16 ナノスケールドメイン
20A、20B、21A、21B 保護層
22A、22B 結合層
30 拡散反射偏光子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡散反射偏光子を製造する方法であって;
当該方法は、膜を押出しかつ延伸することを含み;当該膜は第1のポリマーおよび第2のポリマーを含み;第1のポリマーは0.02未満の複屈折を有し、実質的に非晶質のナノコンポジット物質であり;第1のポリマーはメジャー相であり、第2のポリマーは分散されているマイナー相であり;前記第1のポリマーおよび第2のポリマーは一緒にされて、電磁放射線の1つの偏光状態のための第1の軸に沿って、拡散反射率R1d、正反射率R1s、全反射率R1t、拡散透過率T1d、正透過率T1s、および全透過率T1tを示し、電磁放射線の別の偏光状態のための第2の軸に沿って、拡散反射率R2d、正反射率R2s、全反射率R2t、拡散透過率T2d、正透過率T2s、および全透過率T2tを示し;前記第1の軸および第2の軸は直交しており;第1および第2のポリマーの組成、Tgおよび屈折率、並びに延伸温度および延伸比のパラメーターが式:
【数1】

を満足するように選択される;
拡散反射偏光子を製造する方法。
【請求項2】
延伸温度Tが条件:
【数2】

(ここで、Tg,1は実質的に非晶質のナノコンポジットの第1のポリマーのガラス転移温度であり、Tg,2は第2のポリマーのガラス転移温度である)
を満足する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
膜が25〜1000ミクロンの全厚さに延伸される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1のポリマーが環式ブロックコポリマーである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
環式ブロックコポリマーが、アニオン重合されたビニル芳香族共役ジエンブロックコポリマーを実質的に完全に水素化することにより製造される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ビニル芳香族ブロックコポリマーが、スチレン、アルファ−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体(特にパラビニルトルエン)、エチルスチレンの全ての異性体、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなど、またはこれらの混合物を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
共役ジエンブロックコポリマーがブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、イソプレンまたはこれらの混合物を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
第1のポリマー内に分散されている追加の相がナノスケール粒子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第1のポリマーが、環式ブロックコポリマーと別の非ブロックポリマーとの混和性ブレンドを含み、前記別の非ブロックポリマーが水素化ビニル芳香族ホモポリマーもしくはランダムコポリマー、環式オレフィンポリマー、環式オレフィンコポリマー、アクリルポリマー、アクリルコポリマーまたはこれらの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
第2のポリマーがポリエステルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
第2のポリマーがPETまたはPENを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
第2のポリマーが、2種以上のポリマーの混和性ポリエステルブレンドおよびエステル交換阻害剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
保護層が反射偏光子膜の両面上に共押出によって配置されている、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
第1のポリマーは環式ブロックコポリマーであって、約0.02未満の複屈折を有し;第1のポリマーはメジャー相であり、第2のポリマーは分散されているマイナー相であり;第1のポリマーの屈折率は第2のポリマーよりも配向による調節可能性に劣る;第1のポリマーと第2のポリマーとを含む組成物を提供し;並びに
電磁放射線の少なくとも1つの偏光のための少なくとも1つの軸に沿った前記組成物の拡散反射率が約50%を超えるまで、前記組成物を選択された温度範囲で、かつ選択された延伸比で延伸する;
ことを含む、拡散反射偏光子を製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−175236(P2011−175236A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−258000(P2010−258000)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(508330870)エスケーシー・ハース・ディスプレイ・フィルムズ・カンパニー,リミテッド (31)
【Fターム(参考)】