説明

反射型アイリス

【課題】放物線型ランプから放射された平行光を集中させ、放物線型ランプの前に置かれて、放物線型ランプ/レンズ系のレンズが必要とされる寸法を小さくする。
【解決手段】反射型アイリス620は、放射ランプから放射された平行光を集中させるとされ、放物線型ランプ110は、平行光が放射されるランプ開口を有する。反射型アイリスは、平行光を反射して放物線型ランプの方に向けて戻し、その形状がランプ開口の形状に対して概して相補的な平面反射要素615と、光が平面反射要素を通り抜けることができるように、平面反射要素の垂直軸の周りに配置された、平面反射要素を貫通する光学的開口640とで構成される。反射型アイリスを放物線型ランプと軸方向に一直線に並ばせた場合に、平行光は平面反射要素で反射されて、放物線型ランプに向かって戻り、再度反射して光学的開口を通り抜ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、概略的には光学系システムに関し、具体的には、放物線型ランプから放射された平行光を集中させる反射型アイリスに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、放物線水銀(Hg)ランプなどの放物線型ランプをプロジェクタまたは他の光学系で光源として使用する場合、通常、単一の大型コンデンサレンズを使用して、放物線型ランプから出た平行光を集め、インテグレータの入口面に光を集束させる。
放物線Hgランプの典型的な開口寸法は7.62cm(3インチ)である。
これは、ランプから放射されたすべての光を集め、インテグレータに光を集束させるのに、直径が少なくとも7.62cm(3インチ)のコンデンサレンズが必要とされることを意味する。
集めた光の入力F値がF/1.3の場合、放物ランプ/コンデンサレンズ系の焦点距離は9.9cm(すなわち、3インチ×1.3)である。
プロジェクタについての一般的な傾向としては小型化に向かっているので、そのような長い焦点距離は、光学系の設計者にとっては魅力のないものであろう。
【0003】
さらに、そのような大型レンズの使用に関する別の問題がある。
インテグレータの光収集効率を決める1つの要因は、その入口面上の焦点スポット寸法である。
焦点距離が長いと、放物線型ランプの光源像の拡大比率が大きくなる。
場合によっては、焦点距離がより短く、直径が7.62cm(3インチ)の(またはさらに大きい)レンズを使用することもあるが、そのレンズは、より厚く、より重く、高価であり、光学的な歪みが起きやすい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記に鑑みて、放物線型ランプから放射された平行光を集中させ、放物線型ランプの前に置かれて、放物線型ランプ/レンズ系のレンズが必要とされる寸法を小さくする装置が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の第1の広範な態様は、放物線型ランプから放射された平行光を集中させる反射型アイリスを提供するものであり、放射ランプは、平行光が放射されるランプ開口を有する。
反射型アイリスは、平行光を反射して放物線型ランプに向けて戻すために、ランプ開口の形状に対してほぼ相補的な形状を有する平面反射要素を含む。
さらに、反射型アイリスは、平面反射要素の垂直軸の周りに配置されて、光が平面反射要素を通り抜けることができるように平面反射要素を貫通する光学的開口を含み、反射型アイリスが軸に沿って放物線型ランプと一直線に並んだ場合に、平行光は平面反射要素で反射されて放物線型ランプに向かって戻り、再び反射して光学的開口を通り抜ける。
【0006】
第1の広範な態様の幾つかの実施形態では、光学的開口の領域は、レンズの領域に対してほぼ相補的とされる。
第1の広範な態様の他の実施形態では、光学的開口の領域はほぼ円形である。
【0007】
第1の広範な態様の幾つかの実施形態では、反射型アイリスはさらに、光学的開口の領域を調整する可変開口装置を有する。
これらの実施形態の中には、可変開口装置がアイリス絞りを有するものもある。
【0008】
さらに、第1の広範な態様の他の実施形態では、反射型アイリスは、紫外線が光学的開口を通り抜けるのを防止する光学的紫外線フィルタを有する。
【0009】
さらに、第1の広範な態様の他の実施形態では、平面反射要素の形状は、直径がランプ開口の直径以上である概略的な円形とされる。
【0010】
さらに、広範な態様の幾つかの実施形態では、反射型アイリスは、少なくとも1つの平面を含む胴体を有し、平面反射要素は、少なくとも1つの平面にある。
さらに、これらの実施形態の幾つかでは、胴体は、少なくとも1つの平面に対して垂直な軸に沿った穴を有し、光学的開口はその穴からなる。
実施形態によっては、胴体の横断面は環状形状を有し、穴は環状開口からなる。
さらに、他の実施形態では、胴体はアルミニウムからなる。
さらに、他の実施形態では、少なくとも1つの平面には反射平面が含まれ、平面反射要素は反射平面からなる。
さらに、別の実施形態では、少なくとも1つの平面には、少なくとも1つの平面に貼り付けられた反射フィルムが含まれ、平面反射要素は反射フィルムからなる。
【0011】
他の実施形態では、胴体は、ほぼ透明な材料からなり、平面反射要素は、少なくとも1つの平面の第1の領域に貼り付けられた反射フィルムからなり、反射フィルムは、少なくとも1つの平面のうちの、反射フィルムのない第2の領域を囲み、光学的開口には第2の領域が含まれる。
これらの実施形態の幾つかでは、反射フィルムは、アルミニウムフィルムおよび光学的薄膜構造のうちの少なくとも1つからなる。
さらに、他の実施形態では、ほぼ略透明な材料にはガラスが含まれる。
これらの実施形態の幾つかでは、ガラスには、バイコール(Vycor、登録商標)およびパイレックス(Pyrex、登録商標)のうちの少なくとも1つが含まれる。
【0012】
第1の広範な態様の幾つかの実施形態では、胴体は放物線型ランプとレンズとの間に取り付けることができる。
これらの実施形態の幾つかでは、胴体は放物線型ランプに取り付けることができる。
【0013】
実施形態の第2の広範な態様は、光生成系、画像形成部品、および投射部品を有するプロジェクタを提供するものである。
光生成系は、平行光を発生させる放物線型ランプと、第1の広範な態様の中の反射型アイリスと、放物線型ランプのランプ開口と軸方向に一直線に並ぶ光学的開口と、放物線型ランプから伝播した平行光を光学的開口を介して受け入れ、放物線型ランプから伝播した平行光を光学的開口を介してインテグレータ上に集束させる、光学的開口と軸方向に一直線に並ぶコンデンサレンズと、光を画像形成部品に送るために、その入口がコンデンサレンズと軸方向に一直線に並ぶインテグレータとを有する。
これらの実施形態では、画像形成部品は、インテグレータから光を受け入れ、インテグレータからの光が画像を形成するためにあり、投射部品は画像を投射するためにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下の図を参照して実施形態を説明する。
以下に説明する実施形態を理解するために、最初に先行技術を検討することは有益である。
したがって、図1は、放物線型ランプからの光をコンデンサレンズ120を介してインテグレータ125の入口126に集束させる、先行技術による光学系を示している。
コンデンサレンズ120およびインテグレータ125は、中心軸115に沿って放物線型ランプ110と軸方向に一直線に並んでいる。
放物線型ランプ110は断面図で示されている。
コンデンサ120は側面図で示され、インテグレータ125は概略的に示されている。
当業者には周知のように、インテグレータ125は、入口126に当たる光を集め、その光を、例えば、光学プロジェクタ内の画像形成部品などの別の光学部品に送り、それと同時に、光を内部で散乱させて一様な光ビームを生成する。
【0015】
放物線型ランプ110は、放物線反射器112および光源114を有し、光源114は、放物線反射器112の焦点に配置されている。
当業者には周知のように、中心軸115に対して平行な状態で放物線型ランプ110に入る光線は、放物線反射器112の放物面形状としての特性により、放物線反射器112の焦点に向けて反射される。
同様に、例えば、光源114からなど、焦点から放射された光線は、平行光線として(すなわち、中心軸に対して略平行に)放物線反射器112から出る。
放物線反射器112の後部と焦点との間の距離はF1であり、放物線反射器112の開口は、直径がDである。
1つの非限定的な例では、光源114は水銀アークランプからなる。
【0016】
コンデンサレンズ120もまた直径がDである。
直径がDより大きいコンデンサレンズを使用することができるが、一般的に、コンデンサレンズは可能な限り小さいのが望ましい。
さらに、コンデンサレンズ120は、焦点距離がF2である。
放物線型ランプ110から放射された光は平行にされるので、コンデンサレンズ120に当たる光線はほぼ平行である。
コンデンサレンズ120は平行光を受け入れ、その平行光をインテグレータ125の入口126に集束させる。
当業者には周知のように、入口126上での光源114の像の拡大比率はF2/F1であり、系のF値はF2/Dである。
【0017】
さらに、図1は、光源114から放射されたときに、パス150aをたどる光線の光路図を示している。
次いで、光線は放物線反射器112で反射して、平行路150bに沿って進む。
次いで、光線はコンデンサレンズ120に当たり、パス150cに沿って、焦点スポット(すなわち、光源114の像)として一般的に知られる領域にある、インテグレータ125の入口126に集束される。
【0018】
光源114は、ほぼ点光源に近いが、通常は点光源ではなく、焦点スポットにおいて光線の散乱と不均一な分布をもたらすことがあって、焦点スポット寸法が大きくなる。
実際に、焦点スポットにおける光線の分布はガウス分布に近いことが多い、
さらに、焦点距離F2が長いほど、拡大比率F2/F1が大きくなり、焦点スポット寸法が大きくなる。
焦点スポット寸法が入口126よりも大きい場合、インテグレータ125は、焦点スポットのすべての光を収集することができない。
【0019】
図2は、反射型アイリス210の非限定的な実施形態のランプ側から見た図であり、反射型アイリスは放物線型ランプ110の前に置かれて、放物線反射器112から放射された平行光をより小さい領域に集中させることができ、最終的にはコンデンサレンズ120の大きさを小さくすることができる。
反射型アイリス210と放物線反射器/レンズ系との相互作用については、図7を参照して後の方で説明する。
【0020】
反射型アイリス210は胴体220を有し、胴体220は胴体220を貫通する穴を有し、この穴は(紙面から出る)垂直軸310に沿って中心に置かれて、光学的開口230を形成するが、光学的開口については、さらに、非限定的な実施形態に関連させて以下に詳細に説明する。
胴体220のランプ側の面240は全体的に平坦である。
【0021】
さらに、反射型アイリス220は、ランプ側の面240を放物線型ランプの方に向けて、反射型アイリス220を放物線型ランプ(例えば、図1の放物線型ランプ110)の前に置いた場合に、光を反射して放物線型ランプに戻す平面反射要素を有し、垂直軸310が放物線型ランプの中心軸(例えば、図1の中心軸115)と一直線に並ぶ。
実施形態によっては、胴体220は反射材料からなり、ランプ側の面240は、ほぼ反射性となるように研磨される。
これらの実施形態では、平面反射要素はランプ側の面240からなる。
実施形態によっては、ランプ側の面240のうちの、放物線型ランプからの平行光が当たる部分のみが反射性とされる。
1つの非限定的な例では、胴体はアルミニウムからなる。
他の実施形態では、胴体は、研磨されたときにほぼ反射性となる別の材料からなる。
【0022】
光学的開口230は、垂直軸310に沿って中心に置かれていて、光がそこを通るのを可能にする。
上記に簡単に説明したように、非限定的な実施形態では、光学的開口230は、胴体220を貫通する穴によって形成される。
図7を参照して後の方でさらに詳細に説明するように、平面反射要素は、放物線型ランプの領域からの光を反射して放物線型ランプに戻し、光が再度反射して光学的開口230を通るようにする働きをし、したがって、放物線型ランプから放射された平行光を集中させて光学的開口230に通す。
【0023】
図2に示した非限定的な実施形態では、胴体220は、横断面においてほぼ環状であり、穴は環状開口(すなわち光学的開口230)を形成している。
この実施形態では、胴体220は外径DOを有し、光学的開口は、内径DIを有する。
外径DOは、通常、放物線反射器/レンズ系にある放物線型ランプの開口の直径よりも大きいかまたは等しい。
内径DIは、通常、放物線反射器/レンズ系にあるレンズの直径よりも小さいかまたは等しい。
【0024】
図3は、図2に示した反射型アイリス210の非限定的な実施形態の線3−3に沿った断面図を示している。
断面図では、胴体220がさらに、厚さTを有するのが分かる。
さらに、図3は、レンズ側の面340を示している。
これらの実施形態では、レンズ側の面340は平坦とすることができ、一方、他の実施形態では、レンズ側の面340は平坦ではなく、例えば、仕上げをしていない。
幾つかの実施形態に示すように、レンズ側の面340は、ランプ側の面240に対してほぼ平行とすることができる。
しかし、他の実施形態では、レンズ側の面340は、ランプ側の面240に対して角度をなして配置することができる。
【0025】
1つの非限定的な実施形態では、平面反射要素は、概略的に示した反射コーティング320を有し、反射コーティング320は、ランプ側の面240に塗布されていて、ランプ側の面240で光を反射する。
実施形態によっては、反射コーティング320はアルミニウムなどの反射性材料からなる。
他の実施形態では、反射コーティング320は、薄膜の光学コーティングからなる。
これらの実施形態の幾つかでは、薄膜の光学コーティングは、多層薄膜光学コーティングからなる。
これらの実施形態では、胴体220は、限定するものではないが、金属またはガラスを含む任意の適切な材料からなる。
【0026】
さらに、図3は、上記のように、胴体220を貫通する穴によって形成された光学的開口230を示している。
これらの実施形態の幾つかでは、穴には、限定するものではないが、紫外線(UV)フィルタを含む光学フィルタを充填することができる。
【0027】
図4は、図2に示した反射型アイリス210の別の非限定的な実施形態の、線3−3に沿った断面図を示している。
この実施形態では、胴体220は厚さT’を有し、光学的に透明な材料からなる。
1つの非限定的な実施形態では、光学的に透明な材料にはガラスが含まれる。
これらの実施形態の幾つかでは、ガラスは、限定するものではないが、バイコール(登録商標)、パイレックス(登録商標)などを含む耐熱性ガラスである。
これらの実施形態では、平面反射要素は、レンズ側の面340に施された反射コーティング320からなる。
これらの実施形態では、光はランプ側の面240から胴体220に入ることができ、レンズ側の面340で反射コーティング320によって反射され得る。
幾つかの実施形態、例えば、光の入射角が0°である実施形態では、反射コーティング320で反射された光はさらに、ランプ側の面240を通って再度反射される。
【0028】
図5は、図6の線5−5に沿って切り取った、反射型アイリス410の別の非限定的な実施形態の断面図を示している。
図5の実施形態の要素は、図4に示した実施形態と同様であり、同じ要素は同じ番号で示されている。
この実施形態では、平面反射要素は、胴体490の面480に施された反射コーティング420からなる。
胴体490は、図2の胴体220と同様であるが、穴を有していない。
胴体490は、限定するものではないが、上記のガラスを含む固体透明材料からなる。
1つの非限定的な実施形態では、胴体490は、波長が特定の範囲にある光がそこを通るのを可能にし、波長が他の範囲にある光がそこを通過するのを阻む光学フィルタを有することができる。
これらの実施形態の幾つかでは、光学フィルタはUVフィルタからなることができる。
【0029】
面480は、上記のレンズ側の面340またはランプ側の面240と同様に、レンズ側の面およびランプ側の面の一方からなってもよい。
さらに、胴体490は、面480に対してほぼ平行である、ほぼ平坦な反対側の面470を有する。
例えば、図7にあるように、反射型アイリス410が放物線型ランプとレンズとの間に置かれる場合に、面480かまたは反対側の面470のいずれかを放物線型ランプの方に向けて、胴体490を取り付けることができる。
幾つかの非限定的な実施形態では、面480、反対側の面470、または両面を、限定するものではないが、薄膜UVフィルタを含む少なくとも1つの光学コーティングで被覆することができる。
少なくとも1つの光学コーティングが面480に施された実施形態の幾つかでは、少なくとも1つの光学コーティングを光学的開口230の領域のみに施すことがある。
【0030】
図5に示した実施形態では、光学的開口230は、反射コーティング320にパターンをつけることによって形成されている。
言い換えると、面480の第1の領域は反射コーティング420を被覆され、一方、面480の第2の領域は反射コーティング420がなく、第1の領域は第2の領域を全体的に囲んでいる。
光学的開口230は、面480のうちの、反射コーティングのない領域からなる。
したがって、光は反射コーティング420で反射され、光学的開口230と、透明材料からなる胴体490とを通過する。
【0031】
図6は、胴体490の面480の方から見た図5の反射型アイリス410を示している。
1つの非限定的な実施形態では、反射コーティング420は環状形状を有し、光学的開口230は環状開口からなる。
これらの実施形態では、上記のように、反射コーティング420は外径DOを有し、光学的開口230は内径DIを有する。
この実施形態では、胴体490は円筒状である。
幾つかの実施形態によっては、胴体490は円筒径がDOであるが、他の実施形態では、胴体490はDOよりも大きい円筒径を有してもよい。
直径DOは通常、放物線反射器/レンズ系にある放物線型ランプの開口の直径よりも大きいかまたは等しい。
直径DIは通常、放物線反射器/レンズ系にあるレンズの直径よりも小さいかまたは等しい。
【0032】
別の非限定的な実施形態では、反射コーティング420を2つの透明な胴体の間に挟み込むことができる。
さらに、別の非限定的な実施形態では、反射コーティング420を透明胴体と不透明胴体との間に挟み込むことができ、不透明胴体は、反射コーティングの環状開口と直径が等しい穴を有し、反射コーティング420の光学的開口230と軸方向に一直線に並ぶ。
【0033】
反射型アイリス210および反射型アイリス410は、図2および図6にそれぞれほぼ環状として示されているが、他の実施形態では、反射型アイリス210および反射型アイリス410は異なる形状を有することができる。
1つの非限定的な例では、光学的開口230は、インテグレータ125の入口126と形状を同じにすることができる。
別の非限定的な例では、胴体210または胴体490は、光学系内の取り付け装置に適合する形状とすることができる。
【0034】
ここで、図7に注目すると、図7は、放物線型ランプ110からの光を、反射型アイリス620およびコンデンサレンズ630を介して、インテグレータ125の入口126に集束させる、非限定的な実施形態による光学系を示している。
図7は図1と同様であり、同じ要素を同じ符号で示している。
平面反射要素615(例えば、図2のランプ側の面240、図3および図4の反射コーティング320、または図5および図6の反射コーティング420)と、光学的開口640(例えば、光学的開口230)とを有する反射型アイリス620を概略的に示している。
反射型アイリス620には、図2、図3、および図4の反射型アイリス220、または図5および図6の反射型アイリス410、または平面反射要素および光学的開口を有する他の反射型アイリスが含まれ得る。
いずれにしても、反射型アイリス620、コンデンサレンズ630、およびインテグレータ125は、放物線型ランプ110の中心軸と軸方向に一直線に並ぶ。
【0035】
上記のように、放物線型ランプ110の開口は直径DOを有する。
実施形態によっては、反射要素615も直径DOを有し、一方、他の実施形態では、反射要素615はDOよりも大きい直径を有する。
光学的開口640は、直径DOよりも小さい直径DIを有する。
コンデンサレンズ630は、幾つかの実施形態によっては、直径DIと同じである直径D’を有する。
他の実施形態では、直径D’は直径DIよりも大きい。
いずれにしても、直径D’は、図1のコンデンサレンズ120の直径Dよりも小さい。
【0036】
さらに、図7は、光線の光路図を示しており、放物線反射器112の焦点で光源114から光線が放射されると、光線はパス650aをたどる。
次いで、光線は放物線反射器112で反射して平行路650bに沿って進む。
次いで、光線は反射型アイリス620に衝突し、そこで反射されて、パス650cに沿って放物線反射器112の方に向かって戻るが、パス650cはパス650bに一致する。
光線が放物線反射器112の方に向かって戻るときに、その光線が放物線反射器112の中心軸と略平行であると、放物線反射器112の特性から、次いで光線は反射されて、元の放射パス650aと一致するパス650dに沿って、焦点の方に向かって戻る。
次いで、光線は焦点を通り、パス650eに沿って、パス650d、650eが放物線反射器112と交差する、放物線反射器112上の地点に進む、言い換えると、最初の放射路650aから180°転換する。
実際には、光線は光源114から効果的に放射されてパス650eに沿っても進む。
【0037】
光線は放物線反射器112で再度反射されて、平行路650bよりも放物線型ランプの中心軸に近い第2の平行路650fに沿って進み、光線が放物線型ランプ112から出ると、光線は反射型アイリス620の光学的開口640を通り抜け、コンデンサレンズ630に当たる。
光線は、コンデンサレンズ630からパス650gに沿って、インテグレータ125の入口126に集束されて、焦点スポットの一部を形成する。
【0038】
比較のために、図7はまた、光線が光源114から放射されたときに、パス660aをたどる光線の光路図を示している。
次いで、光線は放物線反射器112で反射して平行路660bに沿って進む。
次いで、光線は光学的開口640を通り抜けてコンデンサレンズ630に当たり、そこからパス660cに沿って、インテグレータ125の入口126に集束されて焦点スポットの一部を形成する。
【0039】
概略すると、最初の放射路(例えば、パス660a)が光学的開口640の直径DIよりも小さい光線は、放物線反射器112で反射されて光学的開口640を通り抜ける。
光学的開口640の直径DIよりも最初の放射路が大きい光線は、放物線反射器112で反射された後、反射要素615に当たって反射して放物線反射器112に戻り、再度反射されて前記光学的開口640を通り抜ける。
このように、放物線型ランプ110から放射された光は、光学的開口640の領域に集中し、その領域は、放物線型ランプ110の開口よりも全体的に小さい。
これにより、光を集め、これをインテグレータ125の入口126に集束させるのに必要なコンデンサレンズ630の直径を小さくすることが可能になり、図7に示す光学系のコンデンサレンズ630の直径D’は、図1の光学系のコンデンサレンズ120の直径Dよりも小さい。
レンズのコストは、レンズの直径の2乗に比例する傾向があるので、コストを大幅に節約できる。
【0040】
反射型アイリス620のさらなる利点を考えるのに、反射型アイリス620がない図1の光学系のF値と、反射型アイリス620がある図7の光学系のF値とを検討する。
図1の光学系のF値はFX1であり、FX1は、公式FX1=F2/Dを使用して計算できる。
図7の光学系のF値はFX7であり、FX7は、公式FX7=F2’/DIを使用して計算でき、ここで、F2’はコンデンサレンズ630の焦点距離である。
コンデンサレンズ630に当たる光の領域は光学的開口640で決まるので、図7の光学系のF値を計算する際に使用するのは光学的開口640の直径であって、コンデンサレンズ630の直径ではないことに留意すべきである。
【0041】
2つの系が同じF値、すなわち、FX1=FX7になるには、コンデンサレンズ630は、焦点距離がF2’=F2*D’/Dでなければならない。
言い換えると、同じF値になるためには、焦点距離F2’は、焦点距離F2のD’/D倍とされる。
これにより、反射型アイリス620を使用する放物線型ランプ/コンデンサレンズ系において、反射型アイリス620を使用しない放物線型ランプ/コンデンサレンズ系と比較して、コンデンサレンズ630とインテグレータ125との間の距離を短くすることが可能になる。
【0042】
さらに、図1の光学系の拡大比率はF2/F1であり、一方、図7の光学系の拡大比率はF2’/F1である。
F2’はF2より小さいので、図7の光学系の倍率は、図1の系の倍率よりも小さくなる。
したがって、入口126の焦点スポット寸法が小さくなり、システムの光収集効率が高くなる。
【0043】
図8は、同じ要素が同じ符号で示した図1とほぼ同様のものであり、反射型アイリス620が、光学的開口640の領域を変化させる装置820を有することができる別の非限定的な実施形態を示している。
したがって、この実施形態では、光学的開口640は可変直径D’Iを有する。
実施形態によっては、装置820は、(示すように)光学的開口640に挿入される。
他の実施形態では、装置820を反射型アイリス620のランプ側に取り付けることができ、一方、さらに他の実施形態では、装置820を反射型アイリス620のレンズ側に取り付けることができる。
さらに他の実施形態では、装置820は、反射型アイリス620から独立した要素とし、反射型アイリス620とコンデンサレンズ630との間か、または反射型アイリス620と放物線型ランプ110との間のいずれかに取り付けることができる。
装置820は通常、図8の系の利用者が可変直径D’Iを調整できる装置を有することもできる。
実施形態によっては、装置820のランプに対向する面830は反射性を有する。
非限定的な実施形態によっては、装置820はアイリス絞りを有する。
【0044】
光学的開口640の可変直径D’Iを変化させることにより、F値=F2’/D’Iに従って、図8の系のF値を変えることができる。
したがって、光学的開口640が小さくなるほどF値は大きくなる。
これは、入口126に当たる光の円錐角を鋭角にする効果を有し、その結果、インテグレータ125が光を送る光学部品のコントラスト比が良好になる。
【0045】
1つの非限定的な例では、図7および/または図8の系は、光学プロジェクタ用の光生成システムを構成する。
これらの実施形態の幾つかでは、光学プロジェクタはアナログ光学プロジェクタからなり、一方、他の実施形態では、光学プロジェクタは、デジタル光学プロジェクタ、例えば、カナダ国N2G4Y7オンタリオ州北キッチナー809ウェリントン通りに所在のクリスティ・デジタル・システムズ・カナダ社(Christie Digital Systems Canada Inc.)で製造されるデジタル光学プロジェクタなどからなる。
【0046】
実施形態によっては、反射型アイリス620がコンデンサレンズ630と放物線型ランプ110との間に取り付くようにすることができる。
他の実施形態では、例えば、反射型アイリス620を放物線型ランプ110の開口に直接接着することにより、反射型アイリス620を放物線型ランプ110に取り付けることができる。
【0047】
実施形態を実現できる代替の実装形態および修正形態がさらに多くあり、上記の実装形態および実例は、1つまたは複数の実施形態の単なる例示に過ぎないと当業者には分かるであろう。
したがって、その範囲は、本明細書に添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】放物線型ランプからの光をコンデンサレンズによってインテグレータの入口に集束させる、先行技術による光学系を示している。
【図2】非限定的な実施形態による反射型アイリスをランプ側から見た図を示している。
【図3】図2の線3−3に沿って見た、反射型アイリスの非限定的な実施形態の断面図を示している。
【図4】図2の線3−3に沿って見た、反射型アイリスの非限定的な実施形態の断面図を示している。
【図5】図6の線5−5に沿って見た、反射型アイリスの非限定的な実施形態の断面図を示している。
【図6】非限定的な実施形態による反射型アイリスの正面図を示している。
【図7】放物線型ランプからの光を反射型アイリスおよびコンデンサレンズを介してインテグレータの入口に集束させる、非限定的な実施形態による光学系を示している。
【図8】放物線型ランプからの光を、可変光学的開口を有する反射型アイリスとコンデンサレンズを介して、インテグレータの入口に集束させる、非限定的な実施形態による光学系を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行光を放射するランプ開口を有する放物線型ランプから放射された平行光を集中させる反射型アイリスであって、
前記ランプ開口の形状に対してほぼ相補的な形状を有し、前記平行光を反射して前記放物線型ランプの方に向けて戻す平面反射要素と、
光が前記平面反射要素を通り抜けることができるように、前記平面反射要素の垂直軸の周りに配置された、前記平面反射要素を貫通する光学的開口とを有し、
前記反射型アイリスが前記放物線型ランプと軸方向に一直線に並んでいる場合に、前記平行光は、前記平面反射要素で反射されて、前記放物線型ランプに向かって戻り、再度反射されて前記光学的開口を通り抜ける反射型アイリス。
【請求項2】
前記光学的開口の領域は、レンズの領域に対してほぼ相補的である請求項1に記載の反射型アイリス。
【請求項3】
前記光学的開口の領域はほぼ円形である請求項1に記載の反射型アイリス。
【請求項4】
前記光学的開口の領域を調整する可変開口装置をさらに有する請求項1に記載の反射型アイリス。
【請求項5】
前記可変開口装置はアイリス絞りを有する請求項4に記載の反射型アイリス。
【請求項6】
紫外線が前記光学的開口を通過するのを防止する光学的紫外線フィルタをさらに有する請求項1に記載の反射型アイリス。
【請求項7】
前記平面反射要素の形状は、直径が前記ランプ開口の直径以上である略円形とされる請求項1に記載の反射型アイリス。
【請求項8】
胴体をさらに有し、前記胴体は少なくとも1つの平面を有し、前記平面反射要素が前記少なくとも1つの平面にある請求項1に記載の反射型アイリス。
【請求項9】
前記胴体は、前記少なくとも1つの平面に対して垂直な軸に沿った穴をさらに有し、前記光学的開口は前記穴からなる請求項8に記載の反射型アイリス。
【請求項10】
前記胴体の横断面は環形状を有し、前記穴は環状開口からなる請求項9に記載の反射型アイリス。
【請求項11】
前記胴体はアルミニウムからなる請求項10に記載の反射型アイリス。
【請求項12】
前記少なくとも1つの平面には反射平面が含まれ、前記平面反射要素は前記反射平面からなる請求項9に記載の反射型アイリス。
【請求項13】
前記少なくとも1つの平面は前記少なくとも1つの平面に貼り付けた反射フィルムを有し、前記平面反射要素は前記反射フィルムからなる請求項9に記載の反射型アイリス。
【請求項14】
前記胴体はほぼ透明な材料からなり、前記平面反射要素は前記少なくとも1つの平面の第1の領域に貼り付けた反射フィルムからなり、前記反射フィルムは前記少なくとも1つの平面のうちの前記反射フィルムのない第2の領域を囲み、前記光学的開口は前記第2の領域を含む請求項8に記載の反射型アイリス。
【請求項15】
前記反射フィルムには、アルミニウムフィルムおよび光学的薄膜構造のうち少なくとも1つが含まれる請求項14に記載の反射型アイリス。
【請求項16】
前記ほぼ透明な材料にはガラスが含まれる請求項14に記載の反射型アイリス。
【請求項17】
前記ガラスには、バイコール(登録商標)およびパイレックス(登録商標)のうちの少なくとも1つが含まれる請求項16に記載の反射型アイリス。
【請求項18】
前記胴体は前記放物線型ランプとレンズとの間に取り付けることができる請求項8に記載の反射型アイリス。
【請求項19】
前記胴体は前記放物線型ランプに取り付けることができる請求項8に記載の反射型アイリス。
【請求項20】
光生成系を有するプロジェクタであって、
前記光生成系は、
平行光を生成する放物線型ランプと、
前記光学的開口が前記放物線型ランプのランプ開口と軸方向に一直線に並ぶ、請求項1に記載の反射型アイリスと、
前記放物線型ランプから伝播した平行光を前記光学的開口を介して受け入れ、前記放物線型ランプから伝播した前記平行光を前記光学的開口を介してインテグレータの上に集束させる、前記光学的開口と軸方向に一直線に並ぶコンデンサレンズと、
その入口が前記コンデンサレンズと軸方向に一直線に並び、光を画像形成部品に送る前記インテグレータと、
前記インテグレータから光を受け入れ、前記インテグレータからの光が画像を形成するようにする前記画像形成部品と、
前記画像を投射する投射部品とを有するプロジェクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−42745(P2009−42745A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−168608(P2008−168608)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(508191949)クリスティ デジタル システムズ ユーエスエイ インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】