説明

反射板及び反射板製造用金型の製造方法

【課題】高精度な反射板を製造するための金型製造方法を提供すること、及び光学特性が良好な反射板を提供すること。
【解決手段】シリコン基板1の片面に、延性モード切削加工により、三角錐形状の凸部2を最密の配列で形成する。凸部2の形成面に、フォトレジスト層3を形成する。フォトレジスト層3に平面形状が三角形の透孔4を所定の配列で多数形成する。このフォトレジスト層3をマスクとして、シリコン基板1の片面にドライエッチングを施し、シリコン基板1の表層部分に三角柱形状の凹部5を形成する。フォトレジスト層3の残部を除去されたシリコン基板1の片面にニッケルなどの金型材料を電鋳して、金型素材8を得る。金型素材8に形成された三角柱形状の凸部7に切削加工を施して、三角錐形状の凸部9を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射型液晶表示装置などに適用される反射板と、その製造に用いられる金型の製造方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、反射型液晶表示装置などに適用される反射板として、片面に三角錐プリズムが最密に配列され、その表面に銀などの高反射金属膜が形成された反射板が知られている。また、この種の反射板の製造方法として、反射板に形成される三角錐プリズムとは凹凸の向きが逆になった三角錐プリズムを有する金型を製造した後、この金型の三角錐プリズムを反射板材料に転写するという方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1には、反射板の形成に使用される金型の製造方法として、図7に示すものが記載されている。なお、図7の符号(a)〜(e)は各製造段階における金型の断面形状を示しており、図7の符号(f)〜(j)は各製造段階における金型の平面形状を示している。
【0004】
当該金型の製造に当たっては、まず工程1において、図7(a),(f)に示すように、ガラスなどのベース基板100上に、フォトレジストを用いて、互いの頂点を接した状態で同じ向きに配列された多数の正三角柱101を形成する。これにより、各正三角柱101の隣接部分には、平面形状が三角形の凹部102が形成される。
【0005】
次に、工程2において、工程1で作成された三角柱101が並んだベース基板100にNi−P無電解メッキを施し、次いで、Ni−P無電解メッキとフォトレジストの界面を剥離して、図7(b),(g)に示すように、正三角柱101と対応する部分に正三角柱形状の凹部103が形成され、凹部102と対応する部分に正三角柱104が形成された第1電鋳型105を作製する。
【0006】
次に、工程3において、作製された第1電鋳型105の正三角柱104に切削加工を施し、図7(c),(h)に示すように、所定高さの三角錐106を形成する。これにより、各三角錐106の隣接部分には、平面形状が三角形の凹部107が形成される。
【0007】
次に、工程4において、工程3で作成された三角錐106が並んだ第1電鋳型105に2回目のメッキ処理を施し、次いで、2回目のメッキ体と第1電鋳型105の界面を剥離して、図7(d),(i)に示すように、三角錐106と対応する部分に三角錐形状の凹部108が形成され、凹部107と対応する部分に正三角柱109が形成された第2電鋳型110を作製する。
【0008】
最後に、工程5において、作製された第2電鋳型110の正三角柱109に切削加工を施し、図7(e),(j)に示すように、所定高さの三角錐111が最密に配列された反射板製造用金型112を得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−189664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、図7(a)〜(j)に示した従来の金型製造方法は、2回のメッキ工程と剥離工程とを繰り返すので、メッキ毎に電鋳型の反りが大きくなると共に、剥離毎に電鋳型の変形が大きくなり、反射板製造用金型112に正確な三角錐111を切削加工によって形成することが困難になる。このため、この反射板製造用金型112から製造される反射板についても、光学特性が余り高くないものになる。
【0011】
本発明は、かかる従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、高精度な反射板を製造するための金型製造方法を提供すること、及び光学特性が良好な反射板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前記課題を解決するため、反射板製造用金型の製造方法に関して、第1に、シリコン基板の片面に、多数の三角錐形状の凸部を切削加工により最密配列で形成し、底面における各頂点が特定の方向に向けられた第1の凸部群と、当該第1の凸部群とは底面における各頂点の向きが180°異なる第2の凸部群とを形成する工程と、前記シリコン基板の凸部形成面にフォトレジスト層を形成する工程と、前記フォトレジスト層における前記第1の凸部群と対応する部分に、前記第1の凸部群を構成する各凸部の底面の形状と同一の三角形で、かつ各頂点の向きが同一の透孔を形成する工程と、この三角形の透孔が形成されたフォトレジスト層をマスクとして、前記シリコン基板の片面にドライエッチングを施し、前記第1の凸部群を除去すると共に、当該第1の凸部群が除去された部分に三角柱形状の凹部を形成する工程と、前記フォトレジスト層を除去した後、前記シリコン基板の片面に金型材料を電鋳し、前記第2凸部群から転写された三角錐形状の凹部と、前記三角柱形状の凹部から転写された三角柱形状の凸部とを有する金型素材を作製する工程と、前記金型素材から前記シリコン基板を除去した後、前記三角柱形状の凸部に切削加工を施して、前記三角錐形状の凹部と同形の三角錐形状の凸部を形成する工程とを含むという構成にした。
【0013】
かかる構成によると、1回のメッキ(電鋳)工程を実施するだけで所要の反射板製造用の金型を製造できるので、2回のメッキ工程を繰り返す場合に比べて、メッキ時及びメッキ剥離時における金型の変形を抑制することができる。
【0014】
また、本発明は、反射板製造用金型の製造方法に関して、第2に、第1シリコン基板の片面に、各頂点を互いに接した状態で同じ向きに配列された多数の三角柱形状の凹部をドライエッチングにより形成する工程と、前記第1シリコン基板の凹部形成面に、シリコン酸化膜を介して第2シリコン基板を接合する工程と、前記第2シリコン基板に、多数の三角錐形状の凸部を切削加工により最密配列で形成し、底面における各頂点が前記第1シリコン基板の片面に形成された三角柱形状の凹部と同一方向に向けられ、かつ前記凹部の上方に配置された第1の凸部群と、当該第1の凸部群とは底面における各頂点の向きが180°異なる第2の凸部群とを形成する工程と、前記第2の凸部群を構成する各凸部の周囲に形成されたシリコン酸化膜及び前記第1の凸部群を除去する工程と、前記第2の凸部群を有する前記第1シリコン基板の片面に金型材料を電鋳し、前記第2の凸部群から転写された三角錐形状の凹部と、前記三角柱形状の凹部から転写された三角柱形状の凸部とを有する金型素材を作製する工程と、前記金型素材から前記第1シリコン基板を除去した後、前記三角柱形状の凸部に切削加工を施して、前記三角錐形状の凹部と同形の三角錐形状の凸部を形成する工程とを含むという構成にした。
【0015】
この方法によっても、1回のメッキ(電鋳)工程を実施するだけで反射板製造用の金型を製造できるので、2回のメッキ工程を繰り返す場合に比べて、メッキ時及びメッキ剥離時における金型の変形を抑制することができる。
【0016】
一方、本発明は、反射板に関して、反射板材料の片面に、三角錐形状の凸部と凹部とを最密に配列してなるという構成にした。
【0017】
反射板は、反射板製造用金型に形成された凹凸パターン(三角錐パターン)を反射板材料に転写することにより製造される。上述のように、本発明に係る反射板製造用金型には、三角錐形状の凸部と凹部とが最密に配列されるので、この金型から転写される反射板にも、三角錐形状の凸部と凹部とが最密に配列された凹凸パターンが形成される。かかる構成の反射板も、三角錐形状の凸部を最密に配列してなる反射板と光学的に等価であるので、入射した光が入射した方向に反射する反射板として用いることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の反射板製造用金型の製造方法は、1回のメッキ(電鋳)工程を実施するだけで所要の金型を製造できるので、2回のメッキ工程を繰り返す場合に比べてメッキ時及びメッキ剥離時における金型の変形を抑制することができ、高精度にして光学特性が良好な反射板を複製可能な金型を製造することができる。
【0019】
本発明の反射板は、三角錐形状の凸部と凹部とが最密に配列された凹凸パターンを形成してなるので、三角錐形状の凸部を最密に配列してなる反射板と光学的に等価であり、反射型液晶表示装置などに適用可能な入射した光が入射した方向に反射する反射板として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態に係る金型製造方法を示す図2のA−A端面図である。
【図2】第1実施形態に係る金型製造方法を示す平面図である。
【図3】第2実施形態に係る金型製造方法を示す図4のB−B端面図である。
【図4】第2実施形態に係る金型製造方法を示す平面図である。
【図5】反射板の製造方法を示す断面図である。
【図6】本発明に係る反射板の断面図である。
【図7】従来例に係る金型製造方法の工程説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
〈反射板製造用金型の製造方法の第1実施形態〉
本発明に係る反射板製造用金型の製造方法の第1実施形態を、図1及び図2を用いて説明する。
【0022】
まず、図1(a)及び図2(a)に示すように、シリコン基板1の片面に、延性モード切削加工により、三角錐形状の凸部2を最密の配列で形成する(第1工程)。なお、図2(a)に表示した●印は、各凸部2の頂点を示している。三角錐形状の凸部2を最密に配列した場合、図2(a)に示すように、底面が上向き三角形の凸部2aと下向き三角形の凸部2bとが、底面の一辺を接して交互に形成される。このような凸部2の集合は、刃先の角度が60°に形成された切削刃を、シリコン基板1の表面に沿う面内で、互いに60°ずつ方位が異なる3方向(図2(a)のl−l方向、m−m方向、n−n方向)に移動することにより形成することができる。
【0023】
次に、図1(b)に示すように、シリコン基板1の凸部2が形成された面に、フォトレジスト層3を均一に形成する(第2工程)。シリコン基板1へのフォトレジスト層3の形成は、ドライレジストフィルムを貼付する方法や、液状のレジストをスピンコートして乾燥する方法などを採ることができる。
【0024】
次に、図1(c)及び図2(b)に示すように、フォトレジスト層3に平面形状が三角形の透孔4を所定の配列で多数形成する(第3工程)。本例においては、シリコン基板1に形成された凸部2のうち、底面における1つの頂点が下向きに形成された凸部2bと対応する部分に透孔4を形成している。透孔4の形成は、例えば、ポジ型のフォトレジスト材料を用いてフォトレジスト層3を形成し、当該フォトレジスト層3上に透孔4に相当する開口を有する遮光マスクを位置決めして設定し、この遮光マスクを介してフォトレジスト層3を露光した後、フォトレジスト層3を現像処理して、露光部を除去するという方法で形成することができる。
【0025】
次に、図1(d)に示すように、透孔4が形成されたフォトレジスト層3をマスクとして、シリコン基板1の片面にドライエッチングを施し、底面における1つの頂点が下向きに形成された凸部2aを除去すると共に、その下方のシリコン基板1の表層部分に三角柱形状の凹部5を形成する(第4工程)。ドライエッチング法には、反応性ガスエッチング、反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング、イオンビームエッチング及び反応性レーザビームエッチングがあるが、これらのドライエッチング法は、いずれも使用するフォトレジスト材料との選択性が高いので、凹部5の形成に際しては、使用するフォトレジスト材料に応じた適宜のドライエッチング法を選択する。
【0026】
次に、シリコン基板1の表面からフォトレジスト層3の残部を除去した後、図1(e)に示すように、シリコン基板1の片面にニッケルなどの金型材料を電鋳し、三角錐形状の凸部2から転写された三角錐形状の凹部6と、三角柱形状の凹部5から転写された三角柱形状の凸部7とを有する金型素材8を作製する(第5工程)。
【0027】
最後に、金型素材8からシリコン基板1を剥離して、図1(f)に示す金型素材8を単体で取り出した後、三角柱形状の凸部7に切削加工を施して、図1(g)及び図2(c)に示すように、三角錐形状の凹部6と、この凹部6とは凹凸の向きが反転した三角錐形状の凸部9とを有する反射板製造用金型10を得る(第6工程)。なお、図2(c)においては、理解を容易にするため、凹部6の底点には○印を表示し、凸部9の頂点には●印を表示してある。
【0028】
本例の反射板製造用金型の製造方法は、第5工程において1回のメッキ(電鋳)工程を実施するだけで所要の反射板製造用金型10を製造できるので、2回のメッキ工程を繰り返す従来の反射板製造用金型の製造方法に比べてメッキ時及びメッキ剥離時における金型の変形を抑制することができ、高精度にして光学特性が良好な反射板を複製可能な金型を製造することができる。また、本例の反射板製造用金型の製造方法は、第1工程においてシリコン基板1を延性モードで切削加工するので、シリコン基板1にクラックが発生せず、良品を高歩留まりで製造することができる。
【0029】
〈反射板製造用金型の製造方法の第2実施形態〉
本発明に係る反射板製造用金型の製造方法の第2実施形態を、図3及び図4を用いて説明する。
【0030】
まず、図3(a)及び図4(a)に示すように、第1シリコン基板11の片面に、各頂点を互いに接した状態で三角形の底面が同じ向きに配列された多数の三角柱形状の凹部12をドライエッチングにより形成する(第1工程)。この第1工程で作製される第1シリコン基板11は、各凹部12と接する部分が三角形状の平面になる。第1シリコン基板11に対する凹部12の形成は、第1シリコン基板11の片面にフォトレジスト層を形成し、このフォトレジスト層に凹部12に相当する透孔を開設した後、このフォトレジスト層をマスクとして第1シリコン基板11の片面にドライエッチングを施すという方法で行うことができる。また、第1シリコン基板11に対するフォトレジスト層の形成は、ドライレジストフィルムを貼付する方法や、液状のレジストをスピンコートして乾燥する方法などを採ることができ、フォトレジスト層に対する三角形の透孔の開設は、例えば、ポジ型のフォトレジスト材料を用いてフォトレジスト層を形成し、当該フォトレジスト層上に透孔に相当する開口を有する遮光マスクを位置決めして設定し、この遮光マスクを介してフォトレジスト層を露光した後、フォトレジスト層を現像処理して、露光部を除去するという方法で形成することができる。また、ドライエッチング法としては、反応性ガスエッチング、反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング、イオンビームエッチング及び反応性レーザビームエッチングなどの中から、使用するフォトレジスト材料に応じた適宜のドライエッチング法を選択することができる。
【0031】
次に、図3(b)に示すように、第1シリコン基板11の凹部12が形成された面に、シリコン酸化膜13を介して、第2シリコン基板14を接合する(第2工程)。シリコン酸化膜13は第2シリコン基板14の片面に予め形成しておくことができ、第1シリコン基板11に対する第2シリコン基板14の接合は、加熱下で両部材11,14の間に押圧力を加えることにより行うことができる。なお、第1シリコン基板11との接合後、第2シリコン基板14の表面には、必要に応じて研磨による薄膜化処理が施される。
【0032】
次に、図3(c)及び図4(b)に示すように、第2シリコン基板14に、延性モード切削加工により、三角錐形状の凸部15を最密の配列で形成する(第3工程)。三角錐形状の凸部15を最密に配列した場合、図4(b)に示すように、底面における1つの頂点が上向きの凸部15aと下向きの凸部15bとが交互に形成されるが、第1シリコン基板11に形成された凹部12の上方には、底面における1つの頂点の向きが凹部12と同一向きの凸部15を形成されるように、凸部15の配列が調整される。このような凸部15の集合は、刃先の角度が60°に形成された切削刃を、シリコン基板1の表面に沿う面内で、互いに60°ずつ方位が異なる3方向(図4(b)のl−l方向、m−m方向、n−n方向)に移動することにより形成することができる。
【0033】
次に、図3(d)及び図4(c)に示すように、第1シリコン基板11の表面に露出しているシリコン酸化膜13を溶剤処理により除去する(第4工程)。この処理過程において、第1シリコン基板11に形成された凹部12の上方にシリコン酸化膜13を介して形成されていた凸部15も除去される。したがって、第4工程終了後の第1シリコン基板11には、三角柱状の凹部12と凸部15とが面方向に交互に形成される。
【0034】
次に、図3(e)に示すように、第1シリコン基板11の片面にニッケルなどの金型材料を電鋳し、三角錐形状の凸部15から転写された三角錐形状の凹部16と、三角柱形状の凹部12から転写された三角柱形状の凸部17とを有する金型素材18を作製する(第5工程)。
【0035】
最後に、金型素材8からシリコン基板1を剥離して、図3(f)に示す金型素材18を単体で取り出した後、三角柱形状の凸部17に切削加工を施して、図3(g)及び図4(d)に示すように、三角錐形状の凹部16と、この凹部16とは凹凸の向きが反転した三角錐形状の凸部19とを有する反射板製造用金型20を得る(第6工程)。なお、図2(d)においては、理解を容易にするため、凹部16の底点には○印を表示し、凸部19の頂点には●印を表示した。
【0036】
本例の反射板製造用金型の製造方法は、第5工程において1回のメッキ(電鋳)工程を実施するだけで所要の反射板製造用金型20を製造できるので、第1実施形態に係る反射板製造用金型の製造方法と同様の効果を有する。
【0037】
〈反射板の構成及びその製造方法〉
以下、本発明に係る反射板の構成とその製造方法を、図5及び図6にしたがって説明する。
【0038】
本発明に係る反射板は、図5に示すように、例えば反射板製造用金型10の凹凸パターン形成面に反射板材料30を加熱下で押し付け、反射板製造用金型10に形成された三角錐形状の凹部6と凸部9とを反射板材料30に転写することにより形成される。
【0039】
したがって、図6に示すように、本発明に係る反射板31には、反射板製造用金型10に形成された三角錐形状の凹部6から転写された三角錐形状の凸部32と、反射板製造用金型10に形成された三角錐形状の凸部9から転写された三角錐形状の凹部33とが最密パターンで形成される。なお、反射板製造用金型20を用いた場合も、これと同一の反射板31が得られる。
【0040】
本発明の反射板は、三角錐形状の凸部32と三角錐形状の凹部33とを最密に配列してなるので、三角錐形状の凸部を最密に配列してなる反射板と光学的に等価であり、再帰性反射板として用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、入射した光が入射した方向に反射する反射板の製造に利用できる。
【符号の説明】
【0042】
1 シリコン基板
2 三角錐形状の凸部
3 フォトレジスト層
4 平面形状が三角形の透孔
5 三角柱形状の凹部
6 三角錐形状の凹部
7 三角柱形状の凸部
8 金型素材
9 三角錐形状の凸部
10 反射板製造用金型
11 第1シリコン基板
12 三角柱形状の凹部
13 シリコン酸化膜
14 第2シリコン基板
15 三角錐形状の凸部
16 三角錐形状の凹部
17 三角柱形状の凸部
18 金型素材
19 三角錐形状
20 反射板製造用金型
30 反射板材料
31 反射板
32 三角錐形状の凸部
33 三角錐形状の凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン基板の片面に、多数の三角錐形状の凸部を切削加工により最密配列で形成し、底面における各頂点が特定の方向に向けられた第1の凸部群と、当該第1の凸部群とは底面における各頂点の向きが180°異なる第2の凸部群とを形成する工程と、
前記シリコン基板の凸部形成面にフォトレジスト層を形成する工程と、
前記フォトレジスト層における前記第1の凸部群と対応する部分に、前記第1の凸部群を構成する各凸部の底面の形状と同一の三角形で、かつ各頂点の向きが同一の透孔を形成する工程と、
この三角形の透孔が形成されたフォトレジスト層をマスクとして、前記シリコン基板の片面にドライエッチングを施し、前記第1の凸部群を除去すると共に、当該第1の凸部群が除去された部分に三角柱形状の凹部を形成する工程と、
前記フォトレジスト層を除去した後、前記シリコン基板の片面に金型材料を電鋳し、前記第2凸部群から転写された三角錐形状の凹部と、前記三角柱形状の凹部から転写された三角柱形状の凸部とを有する金型素材を作製する工程と、
前記金型素材から前記シリコン基板を除去した後、前記三角柱形状の凸部に切削加工を施して、前記三角錐形状の凹部と同形の三角錐形状の凸部を形成する工程
とを含むことを特徴とする反射板製造用金型の製造方法。
【請求項2】
第1シリコン基板の片面に、各頂点を互いに接した状態で同じ向きに配列された多数の三角柱形状の凹部をドライエッチングにより形成する工程と、
前記第1シリコン基板の凹部形成面に、シリコン酸化膜を介して第2シリコン基板を接合する工程と、
前記第2シリコン基板に、多数の三角錐形状の凸部を切削加工により最密配列で形成し、底面における各頂点が前記第1シリコン基板の片面に形成された三角柱形状の凹部と同一方向に向けられ、かつ前記凹部の上方に配置された第1の凸部群と、当該第1の凸部群とは底面における各頂点の向きが180°異なる第2の凸部群とを形成する工程と、
前記第2の凸部群を構成する各凸部の周囲に形成されたシリコン酸化膜及び前記第1の凸部群を除去する工程と、
前記第2の凸部群を有する前記第1シリコン基板の片面に金型材料を電鋳し、前記第2の凸部群から転写された三角錐形状の凹部と、前記三角柱形状の凹部から転写された三角柱形状の凸部とを有する金型素材を作製する工程と、
前記金型素材から前記第1シリコン基板を除去した後、前記三角柱形状の凸部に切削加工を施して、前記三角錐形状の凹部と同形の三角錐形状の凸部を形成する工程
とを含むことを特徴とする反射板製造用金型の製造方法。
【請求項3】
反射板材料の片面に、三角錐形状の凸部と凹部とを最密に配列してなることを特徴とする反射板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−169751(P2010−169751A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−9987(P2009−9987)
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】