反射鏡アセンブリおよびビーム形成装置
放物面反射鏡とともに使用するための反射鏡アセンブリは、ほぼ円筒形の本体(302)を備える。この本体は、その内部表面の周囲において円周方向に延びている、複数の階段状のファセット(306)を有する。各ファセットは、光源(308)からの発散光を反射し、再反射のために第1の反射鏡(314)に向けて戻し、これにより、生成されるビームを増強するように機能する。このような反射鏡については、現存するランプとともに使用することが可能である。また、あるいは、このような素子を組み込んでいる、専用の複合反射鏡を設計することも可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射鏡アセンブリに関し、具体的には、これに限られるわけではないが、放物面反射鏡を含む従来のランプあるいは光源とともに使用するためのアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
放物面反射鏡は、おそらく、ランプあるいはフィラメントなどの光源からの光がビームに集中されるための、最もありふれた方式である。全体的な形状あるいはサイズなどの設計制約は、多くの場合、次善のビームをもたらすランプパラメータを決定する。特に、自動車のヘッドランプは、多くの場合、特定の外殻(envelope)に適合する必要があり、このため、複数の反射鏡を有する複雑なユニットをもたらす。
【0003】
米国特許第4,794,504号明細書は、自動車のヘッドライトアセンブリを開示している。ここでは、反射鏡は、上側および下側の平面によって先端が切り取られている。この文献は、ライトの出力を改善するために、アセンブリにおける下側の面に配された反射鏡を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,794,504号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明における一態様の目的は、ランプに組み込んで光の集中特性を改善するための、単純で安価な装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明における第1の態様によると、反射鏡アセンブリであって、光入力用の端部および光出力用の端部を有する、ほぼ管状の本体を備え、軸方向に離れて配された複数の階段状の反射素子を有し、これらの反射素子が、前記本体の内部表面の周囲において円周方向に延び、前記入力用の端部に向けて傾けられている反射鏡アセンブリが提供される。
【0007】
アセンブリは、光源および第1の反射鏡を有するビーム形成装置に取り付けられるように構成されていると、好都合である。この構成では、光源からのビームは、入力用の端部に入力され、第1の反射鏡と反射鏡アセンブリとの組み合わせによって決定される、一定のビーム拡がり(あるいは発散)をもって、出力用の端部から出力されることが可能である。前記のような実施形態の反射素子は、光を捉えて反射するように構成されており、この光の発散は、所望の値よりも大きくなっている。したがって、反射鏡の本体における内部表面に入射される光は、反射され、所望のビームと組み合わせるために、第1の反射鏡に向けて戻される。このため、その強度が増大する。
【0008】
前記のような装置は、製造が容易であり、ビームに集中される光の量を増加するために、既存のビーム形成装置(典型的には、トーチあるいは閃光灯)に対して、容易に組み込むことの可能なものである。実質的に、任意の光源を収容することが可能であり、従来の技術に対して影響を及ぼす可能性のある熱の集積を、軽減することが可能である。
【0009】
慎重に設計することによって、また、より詳細に後述するが、第1の反射鏡から反射された光線が、反射鏡の本体にぶつかることのないように、さらに、前記の第1の反射鏡によって反射されずに出射された、前記光源からの光のみが、反射素子によって方向を変えられるように、反射鏡の本体をビーム形成装置に適合させることが可能である。
【0010】
本体の内部における全周囲に沿って反射素子を配置することによって、そうでなければ「失われて」しまう光源からの光の大部分が、方向を変えられて、所望のビームに向けて戻るようになっている。
【0011】
好ましくは、反射素子の全ては、実質的に同一の焦点を有する。また、光源から反射素子に入射される光が、反射されてその光源に戻るような構成となっていることが好ましい。
【0012】
一実施形態では、本体は、実質的に円筒形であり、反射素子は環状である。あるいは、素子は、浅いピッチを有するらせん形を画定することも可能である。
【0013】
本発明の実施形態は、アセンブリをビーム形成装置に取り付けるための、締め具を含む。これらは、協働する固定治具に対して係合するように設計された、ラッチあるいはネジとすることが可能である。あるいは、これに代えて、単純な押し込み形式によって、装置の領域にアセンブリを取り付けることを可能とするために、「一般的な(universal)」ゴム製のブッシュなどを、使用することも可能である。アセンブリは、取り外すことの可能なものであり、また、ユーザの要求に応じて、素早くかつ簡単に、使用あるいは不使用を切り替えることの可能なものである。
【0014】
前記管状の本体の厚さは、前記本体の直径の15%以下であると都合がよい。また、10%未満か、さらには5%未満の場合には、より都合がよい。本体の長さは、本体の直径以上であることが好ましい。
【0015】
本発明における別の態様は、ビーム形成装置であって、光源、および、ビーム軸に沿ったビームを生成するために、前記光源に対して配置されている第1の反射鏡を含むビーム源と、中心開口部の周囲において円周方向に配置されている1つ以上の反射素子を備えた、第2の反射鏡とを有し、前記第2の反射鏡が、前記ビームが前記中心開口部を通過するように構成され、前記光源からの光を前記第1の反射鏡に向けて反射するように構成されている、ビーム形成装置を提供する。
【0016】
好ましくは、第2の反射鏡は、前記第1の反射鏡によって反射されずに出射された、前記光源からの光線のみを反射するように構成されている。
【0017】
第1の反射鏡は、典型的には、その開口端にリムを有する。また、第2の反射鏡における開口部が、第1の反射鏡のリムと実質的に同一のサイズとなっていることが有利である。第1の反射鏡が放物面である場合には、リムは、直径を有することになる。そして、第2の反射鏡における開口部は、典型的には、実質的に同一の直径を有する円になるはずである。しかしながら、より一般的には、開口部は、ビーム軸(あるいは、ランプの回転軸)に垂直な方向において、リムと同一のサイズを有することになる。このことは、第1の反射鏡からの光の大部分(あるいは全て)が、影響を受けずに開口部を通過することを可能としたままで、第2の反射鏡における全体のサイズを最小化する。
【0018】
第2の反射鏡は、複数の反射鏡素子を有することが都合がよい。これらの素子の全ては、好ましくは、実質的に同一のサイズを有する。すなわち、ビーム軸に垂直な方向において、実質的に同一の断面積を有する。また、これらの素子は、好ましくは、軸方向に離されており、これにより、細長い中空の外殻を画定している。前記のような実施形態にしたがう装置では、第2の反射鏡は、その内表面に複数の反射素子を有する、チューブを形成すると見なすことが可能である。このチューブでは、その中心をビームが通過する。
【0019】
典型的には、第1の反射鏡のリムは、ビーム形成装置(例えば、携帯用のトーチあるいは閃光灯)のケーシングを画定する、リムの外部サイズに等しい厚さを有する。反射鏡素子は、ビーム軸に垂直な断面において、リムと実質的に同一のサイズ、あるいは、リムよりも小さいサイズを有することが有利である。この構成では、ビーム軸に垂直であると考えられる、第2の反射鏡における「足跡(footprint)」については、第1の反射鏡におけるリムと実質的に同一のサイズ、あるいはこれよりも小さいサイズとすることが可能である。携帯用のトーチの実施例では、トーチの全体的な直径を実質的に全く増加させることなく、第2の反射鏡が、外部ケーシングに含まれ得る。装置が、例えばトーチに組み込まれている場合には、トーチの長さを延ばすだけでよく、また、トーチの外形と一体化するように、装置を形成することも可能である。
【0020】
好ましくは、第1の反射鏡は、放物面である。また、好ましくは、第2の反射鏡は、放物面状あるいは球状であるか、あるいは、放物面反射鏡としての効果を発揮する、一連の素子を備え、さらに、前記第1の反射鏡と同軸である。また、第2の反射鏡が、実質的に軸上の点光源上に(あるいは、この点光源に隣接する)中心を有する球状の反射鏡であることは、都合がよい。好ましくは、第2の反射鏡は、円筒形のフレネル反射鏡である。
【0021】
第2の反射鏡は、前記第1の反射鏡と実質的に同じ外径を有することが有利である。
【0022】
本発明は、さらに、追加的な態様において、光源および第1の反射鏡を有するビーム形成装置からの光ビームの強度を増加するための、第1の態様にしたがう反射鏡アセンブリの使用を提供する。
【0023】
本発明における別の態様は、反射鏡であって、長手軸に沿って配置され、光出力用の開口部および光源の入口となる開口部を有する、ほぼ管状の内部反射体を備え、前記反射鏡が、前記光源の入口となる開口部を介して光源を受け入れ、前記光出力用の開口部からビームを生成するように構成されており、前記反射鏡が、様々な断面を有する後方の凹面領域と、ほぼ一定の断面を有する前方の角柱状の領域とを備える、反射鏡を提供する。
【0024】
多くの実施形態では、第1の領域は、放物面状あるいは楕円面状である。第1の領域は、好ましくは、比較的に浅くなっており、最大半径に対する焦点距離の比率が、0.3よりも大きくなっている(より好ましくは、0.4よりも大きくなっている)。これにより、光源と反射鏡との間隔が、比較的に大きくなる。特に有利な実施形態においては、この比率がほぼ0.5であることが示され得る。この比率は、好ましくは、0.6よりも小さい。
【0025】
本発明は、本明細書において添付図面を参照しながら説明されるように、方法および/または装置にまで及ぶ。
【0026】
本発明の一態様における任意の特徴については、任意の適切な組み合わせによって、本発明における他の態様に応用することも可能である。
【0027】
次に、本発明における好ましい特徴が、以下に示すような添付図面を参照しながら、単なる一例として記述される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】焦点の後方に光源を有する放物面反射鏡を示す図である。
【図2】焦点の前方に光源を有する、同じ放物面反射鏡を示す図である。
【図3】点光源を有する本発明の実施形態を示す図である。
【図4】線光源を有する本発明の実施形態を示す図である。
【図5】特定の反射鏡形状に関する光線のプロットを示す図である。
【図6】さまざまな反射鏡形状に関する本発明の実施形態によって遮断される、エネルギーを示す図である。
【図7】放物線状の反射鏡の構成を示す図である。
【図8】複合反射鏡の構成を示す図である。
【図9】図7および図8の反射鏡に関する、理論的な効率を示す図である。
【図10】反射鏡素子における、さまざまな傾斜角度を示す図である。
【図11】反射鏡構成の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
よく知られているランプの設計は、軸に沿って集中されたビームを形成するために、光源の後方に配置された反射鏡(一般的には放物面反射鏡)を含む。図1に示した光源102は、反射鏡のベースと反射鏡の焦点104との間(多くの場合、焦点の「後方(behind)」と表現される)に配置することが可能であり、この場合では、全ての光線が、反射後に発散する。より一般的には、図2に示した光源202は、反射鏡の焦点204を超えた位置(多くの場合、焦点の「前方」と表現される)に配置されている。この場合では、反射された光線は、最初に集中する。次いで、これらは、軸を横切った後で発散する。反射鏡のベースから光源202までの、ビーム軸に沿った距離は、Zsとして示されており、光源長と称される。そして、この距離は、一般的には、焦点距離(反射鏡のベースから焦点までの距離)によって規格化された単位を用いて与えられる。
【0030】
後者の場合を考慮すると、破線内に210として示されているように、ビームの断面における半径あるいは「ネック」がランプのそれよりも小さくなっている領域が、円筒形の表面の形状をもって、ランプの開口端に存在する。210の半径rは、ランプの開口端における半径と同じであり、反射された光線は、ここを通過しない。
【0031】
本発明における実施形態の概略図が、図3に示されている。この実施形態は、軸上の点に光源が配されていることを前提としている。前記した仮想的な円筒に代えて、管状の本体302が配されている。管状の本体における内表面は、階段状の隆起304からなる。光源308を向いている傾斜した表面上に、環状の鏡素子306が設けられている。これにより、2つのコーン310と312との間の点光源S(熱フィラメント、アークあるいはLED)から出射された非反射光線は、階段状の鏡によって反射されて光源Sの近傍に戻り、その後、放物面鏡314によって2度目の反射を経る。光源Sから鏡面Bに向かって進み、Sを「通って(through)」放物面鏡のTに戻り、Dの方向に出力される光線経路の例を示す。2回の反射を経た光は、集中されてメインの1回反射ビームに加わり、これにより、オリジナルの1回反射ビームよりも明るい全体ビームを生成する。2回反射ビームの集中は、出力光線の角度(例えば、DCZ)が入力光線BSZのそれよりも小さい場合に可能となる。円筒の長さは、それがオリジナルのビームおよび2回反射光を阻害しないように、選択される。この設計における適切な実施例は、短い横断方向フィラメント(transverse filament)を有する、ミニチュアハロゲンの一種である。
【0032】
より複雑な設計の図が、図4に示されている。この設計は、光源が、軸に沿った線であることを前提としている。S1からS2まで延びている光源上の端点からの光線は、2回目の反射を受ける前に、光源における最も「前方(forward)」の部分に当たらないように、後方に反射される。この設計の実施例は、軸方向のフィラメントを有する、ミニチュアハロゲンの一種である。長さのある軸方向光源の結果については、線光源に近いものとしての点光源からなる線を検討することによる結果から、導くことが可能である。多くの場合、線光源の各端部における2つの点を検討することで足りる。
【0033】
低電圧のミニチュアハロゲンランプなどの、既存の白熱ランプでは、ランプの反射鏡は、多くの場合に放物面であるが、完全に滑らかであるというよりも、むしろ、ファセット化されている。最も制御されたビームを与える高品質の白熱フィラメントランプでは、フィラメントは、軸方向にある。均一さの劣るビームを与える、より安いものは、回転対称性をもたない横断方向フィラメントを使用している。キセノンアークランプは、高温ガスからなる、ほぼ球形の小さな領域を、やはり回転対称性を有する光源として使用している。最終的な設計は、これらの効果を考慮しているが、ここに記載されている設計は、依然として、予想される結果に近い結果を与えるはずである。
【0034】
前記した「ネック」すなわち円筒形の表面における最大の長さ、すなわち、管状の本体における最大の長さは、光源の位置およびランプの開口端における半径に依存し、数学的に決定可能なものである。一般的にいえば、円筒における最大の長さは、反射鏡のベースからの光源の距離が増加するにつれて、低下する。長さのある軸方向光源に関しては、図4に示されているように、最も大きい軸方向光源の位置(S2における位置)を、円筒における最大の長さを計算するために使用するべきである。
【0035】
円筒鏡における実際の長さについては、理想的な設計に基づいて、最大値よりも小さくなるように選択することが可能である。これは、2回の反射の後、光線が、再び円筒鏡にあたることはないはずだからである。図4に示されているように、2回の反射を経た光線は、光源の前方における最も遠い点よりも「前(ahead)」において軸を横切る。これらの交差点については、仮想的な光源と見なすことが可能であり、これらが円筒を横切る場所を予想するための、光源の点として使用することができる。これらがそのようにする軸方向における最小の距離は、円筒鏡における実際の長さを決定することになる。
【0036】
図5は、半径4.5fの放物面鏡から反射された光線を示している。ここで、fは、放物面の焦点距離であり、z軸に沿った2fの位置に点光源がある(細ビームMR16タイプの、ミニチュアハロゲン反射鏡ランプの典型である)。この例では、円筒鏡における最大の長さは、約7f(図5におけるz=5とz=12との間)となると予想される。狭いビームスポットライトから中程度のビームスポットライトの典型例では、光源の位置は、1.0fから約2.5fまでの間で異なる。反射の生じる「軸に沿った距離」zT(すなわち、光源からの光が入射する放物線上の点)が増すにつれて、反射された光線と放物線の軸とが形成する角度(射出角度と呼ばれる)が、まず増加し、最大値に到達して、その後、減少する、ということがわかる。この挙動は、本発明が有効利用している、前記した「ネック」をビームが有することの理由である。
【0037】
理想的には、回折効果を回避するために、鏡素子のサイズは、光の波長よりも大きくなっているべきである。しかしながら、これらが大きすぎる場合には、単一の素子から反射された光線の広がりが大きくなりすぎて、出力ビームにおける好適な集中を実現することが不可能となる。初期の計算が示すところによると、放物面の半径が20mm程度である場合には、ステップの深さは、0.1から0.5mm程度となるべきである。円筒形の鏡面上において実現可能な、光源サイズおよび角度における有限の許容誤差を認めるべきである。
【0038】
前記した内面的に階段状となっている構成要素については、例えば、適切に斜めになった内部エッジをそれぞれ有する一連のリングを機械加工し、これらのリングをまとめて順番に積層することによって、製造することが可能である。所望の形状を好適な精度で生成するために、ステレオリソグラフィーあるいは他の高速なプロトタイピング技術を使用することも可能である。その後に、この形状を、鋳型を製造するために使用することが可能である。積層された一連のリングから形成された階段状の部材の例が、図11に示されている。実用的な設計では、用途に応じて、少なければ10個あるいはそれ以上のファセット(facet)を使用することも可能であるが、ここでは、29個のリングが使用されている。この実施例では、リングにおける内側の半径(すなわち、鋭く尖った点)が、ほぼ47mmである。また、外側の半径は、少なくとも55mmであり、ほぼ62mmとして示されている。各リングの厚さおよびベベル角度は、反射鏡の長さにしたがって変化する。このため、細長い光源における最も遠い点からの入射光は、各ファセットにおけるほぼ最後の2mmの部分を、ファセットに対して実質的に垂直にたたくことになる。
【0039】
階段状の円筒鏡が、ランプと同一の直径に形成されていること、および、この円筒鏡が最大の長さを有することを仮定し、光源が、全方位に向けて均一に光を出射する軸上の点光源であることを仮定する場合には、従来の非反射光エネルギーにおける、階段状の円筒鏡によって捕捉することの可能な最大の割合(maximum fraction)を、ランプの形状から計算することが可能である。
【0040】
光源の位置の関数としての捕捉可能な(capturable)エネルギーの割合を特定する公式については、導き出すことは可能である。しかしながら、図6は、異なる放物面の長さsに応じた、光源の位置の関数としての捕捉可能なエネルギーのプロットを示している。これらのカーブは、放物面の長さを上回る光源の位置zSに関しては、描画されていない。
【0041】
既存のMR16ランプに関しては、最大の光源長zSは、約1.0fから2.4fまでの範囲に及び、sは5.1程度の長さを有する(半径=2√5.1=4.5)。円筒鏡によって捕捉可能なエネルギーは、17%程度である。より深い場合、すなわち、より長い放物面トーチ長は、約6.0fである。これは、約8%の捕捉可能な非反射エネルギーと同等である。
【0042】
従前の実施例では、既存のランプおよび反射鏡の設計における能力の向上に向けて、注意が払われていた。しかしながら、本発明の態様は、従来の設計を超える改善された能力を有する、新規の反射鏡設計を提供するために、有効利用することの可能なものである。例えば、高いビーム集中のための有利な設計は、短い放物面を有することが分かっている。これにより、再反射に関する利用可能な出射エネルギーの比率を高くすることが可能となり、その結果、ビーム強度を一定とした場合における、ランプ全体の半径をより小さくすることが可能となる(ランプの半径は、放物面長を小さくするにつれて減少する)。
【0043】
本発明における前記の態様をより完全に有効利用するためには、実用的な反射鏡の制限が検討される必要がある。小さな強い光源から狭い光ビームを生成するように意図されている一般的なランプ設計は、主に、放物面状あるいは楕円面状の反射鏡を使用する。この反射鏡では、光源(例えば、フィラメントあるいは高強度の放電管)を備える電球は、そのベースにある開口部を通して、反射鏡を挿入することを余儀なくされている。
【0044】
重要な設計制約は、反射鏡の一方の端部における電球の開口部のサイズ、および、他方の端部における、多くの場合に円形となっている出力開口部のサイズである。電球における入口の開口部および出力開口部(すなわち、ランプの直径)のサイズを固定した場合でも、放物面における焦点距離fに関する選択は、依然として自由である。放物面反射鏡に関する最も狭いビームは、有限のサイズの光源が、焦点上に中心を配されているときに得られる。楕円面の反射鏡に関しては、「ベース」の焦点からの光は、ランプの軸に沿ってより遠くにある第2の焦点に向かって、この焦点を通過するように反射される。実際には、全ての光源のサイズが有限であるために、光は、角度の範囲を越えて反射される。電球における入口の孔およびランプの直径を固定した場合でも、放物面における焦点距離fに関する選択は、依然として自由である。2つの開口部が円形であると仮定した場合、焦点に配置された点光源に関して、最大限度の光の割合(fraction of light)が反射される特定の焦点距離fpが存在する、ということがわかる。この最大の焦点距離fpおよび反射光の割合は、孔の直径に依存する。したがって、焦点距離fpを有する反射鏡は、最大エネルギーの放物面であると見なすことが可能である。焦点に光源を配した前記のような最大エネルギーの放物面の例が、図7に示されている。
【0045】
放物面反射鏡702は、その対称軸に対して垂直な2つの平面704、706によって端部を切り取られており、これらの平面は、放物面反射鏡702を切り取ることによって、2つの円を形成している。放物面のベースに最も近い、半径qを有する小さい方の円は、電球の取り付けに適合するように意図されている。光は、大きい方の円を通って出射される。この円は、半径rを有する、ランプの開口端を形成している。放物面から反射された光は、半径qの円筒と半径rの円筒との間の軸に対して平行に出射される。これは、立体角αを有する光源から出射される光に一致しているように見ることが可能である。反射光の比率を増加するために(すなわち、角度φを減少するために)、放物線の長さが延長された場合には、焦点は、後方の平面704に近づくように移動する必要がある。これは、同様に、角度θを増加し、光源の入口となる開口部を通って「失われる」光を増加させ、反射光の全体量を減少させる。反対に、角度θを減少させる試みは、角度φを増加させ、この場合も、反射光における最大のパーセンテージから離れてしまう。以上のように、反射されたエネルギーにおける実際の割合および焦点距離は、rに対するqの比率gのみに依存する。
【0046】
市販の反射鏡に対する測定は、最大エネルギーの放物面に近い反射鏡もある(例えば、評判のよいMR16ハロゲン反射鏡における変化形の中の大部分など)ことを示している。これらに関する電球の開口部の形状は、角の丸い長方形である。測定された焦点距離は、実際の電球における入口孔の形状における長いサイズと短いサイズとの間の値を有する、電球の孔の半径の値qに対応している。
【0047】
図8は、本発明の態様を具現化する、新しい反射鏡を示している。これは、図7に示したrに対するqの比率gと同じ比率gを有する。
【0048】
図8に示した反射鏡は、2つの構成要素領域から形成された、ほぼ管状の本体からなる。第1の領域は、放物面反射鏡802からなる。この反射鏡は、その焦点に点光源を有し、第1の設計と同様の、光源の入口となる開口部の半径qおよび光出力用の開口部の半径rを有するが、より長い焦点距離を有する。第2の領域は、出力開口部の半径rと実質的に同一の一定の半径を有する、円筒を備える。円筒の内表面は、多数の鏡面からなる。これらの鏡面は、前記したように、これらに衝突する焦点から出射された任意の光線が、その経路に沿って後方に反射されるような、理想的な特性を有する。放物面から反射された光は、第1の設計と同様に、1回あるいは2回の反射を経た後、半径qの円筒と半径rの円筒との間の軸に対して平行に出射される。
【0049】
所与のサイズqおよびrに関しては、特定の焦点距離において反射される光の割合の最大値が存在するような、最適な円筒鏡の長さLcylが存在することがわかる。したがって、これらの特性を有する、図8に示したような反射鏡は、最大エネルギーの複合反射鏡であると見なされる。この場合も、反射されるエネルギーにおける実際の割合は、rに対するqの比率gのみに依存する。
【0050】
さまざまなgの値に関する、これら2つの最大エネルギー設計から反射されたエネルギーの割合が、図9において比較されている。カーブ902は、最大の複合反射鏡に対応しており、全てのg値に関して、最大の放物面反射鏡の効率(カーブ904)よりも高い効率を与えていることがわかる。ほぼ0.22と0.32との間にある、MR16ランプに関する典型的なg値が示されており、この領域では、複合最大設計が、反射されたエネルギーにおける80から90%の値を返している一方、最大放物面設計は、50から65%の対応値のみを返していることがわかる。双方の最大エネルギー設計に関する反射されたエネルギーの割合を比較することは、これら2つにおける光強度の比較を与えることになる。これは、軸に対して垂直な平面上で減少するエネルギーは、半径qの円と半径rの円との間で減少するはずだからである。したがって、所与の出力開口部(あるいはリムサイズ)および光源の入口となる開口部の場合には、基本的な放物面設計によるよりも、複合設計による方が、より高い光強度が得られることがわかる。
【0051】
また、放物面設計の焦点距離は、gの増加(出力開口部の半径rによって規格化された単位での増加)に伴って増加する一方、最大化された複合設計に関する焦点距離は、0.5(すなわち、リムあるいは出力開口部における半径の半分)で一定となっている、ということもわかる。0から0.5の範囲のgを有する実際の反射鏡に関しては、複合設計の焦点距離は、常に、放物面設計のそれよりも大きい。したがって、複合設計は、電球と反射鏡との間の間隔をより大きくし、その結果として、所与の光源に対して、反射鏡の表面をより低温とすることが可能であり、あるいは、逆に、表面温度が同一であっても、より強力な光源を取り付けることが可能である。
【0052】
前記したように、実際の設計では、有限のサイズの光源が、円筒形の鏡からの反射光を阻害する可能性がある。本発明の実施形態は、反射光が光源の前方を通過するような構成とすることによって、これを軽減している。光源における実際の軸上フィラメントは、焦点からの相当な距離を軸に沿って延びているために、このことは、焦点からの相当な距離において、光線が軸を横切っていたことを意味していた。
【0053】
したがって、本発明の実施形態は、軸方向において傾けられていることに加えて、円周方向に傾けられた鏡素子を有する。このため、第1の反射鏡に向けて戻るビームは、平面外にある光源に「当たらない」とともに、ビーム軸と交差しない。このようにして、素子における複合効果の焦点は、効果的に、リングあるいは円に向けて拡がることが可能となっている。この構成は、光源が細長い場合に、特に有用となることが可能である。この場合には、反射ビームを、光源の前方ではなく、光源の「側」を通過させることが可能となる。
【0054】
これは、図10に示されている。この図では、本発明の態様にしたがう円筒形の反射鏡における、反射ファセット1002および1004が示されている。これらのファセットは、軸1008に沿った円形の平板1006の押し出しによって形成される外殻を有する、円筒形の反射鏡を代表するものであり、見やすいように、サイズの点で誇張されている。双方のファセットは、円周上における同一の位置に配置されているが、軸方向において離されている。
【0055】
ファセット1002は、反射鏡の軸に対して、角度γをもって傾けられており、このため、円形の平板1006の中心において点Aから放射された光線は、反射されて、この平面上の点Bに向けて戻る、ということがわかる。しかしながら、ファセット1002は、円周方向に傾いていない。このため、このファセットから点Bに向かう光線は、点Cにおいて、反射鏡の中心軸を通過する。
【0056】
次に、ファセット1004については、これも、異なる角度においてではあるが、ファセット1002と同様の方法で、反射鏡の軸に対して傾けられている。しかしながら、それは、さらに、角度Ψをもって、円周方向にも傾けられている。このため、点Aから放射された光線は、反射されて、円形の平面1006上の、点Dに向けて戻る。ファセット1004からDに向けて反射された光線は、反射鏡の中心軸を通過しない。すなわち、それは、光源、ファセット自体および反射鏡の軸1008を含む平面から外れて反射される。Aに配置されている光源が有限のサイズを有する場合、前記した2つのファセットの双方は、中心の点Aから間隔を介した点において、光源の平面1004を遮断するように光を反射するが、この間隔の方向は直交している、ということがわかる。
【0057】
平面から外れるこのような反射光については、反射素子をらせん状に配置することによって、得ることが可能である。あるいは、円周方向における傾きの角度を、単一の環状の素子における外周に沿って交互に入れ替えることが可能である。これにより、平面外における互いに反対の方向に光線を反射する、所与の軸位置において互い違いとなっているファセットを有する、「ジグザグ」のファセット構造を得ることができる。可能性のある別の構成は、単一の環状の素子からなる複数のファセットを有し、これらの全てが、円周方向において同一の方向に傾斜している。これにより、「ノコ歯」状のファセット構造を得られる。
【0058】
当然のことではあるが、細長い光源が反射鏡の軸に沿って配置されている場合には、平面から外れた光線を、光源の「前方(in front)」とは反対の「側(side)」に向けることによって、光線を、光源に当たらないようにしたままで、最適な形状に近づけることが可能となる。これもまた、有利な性能を提供する。
【0059】
当然のことではあるが、本発明は、単なる一例として前記されているにすぎない。そして、本発明の範囲内において、詳細な点についての変形を形成することが可能である。実施形態は、主に、円形および円筒形の形状を有するように記載されてきた。しかしながら、例えば六角形、八角形、および、より高次の多角形状のように、前記した形状あるいは他の形状に類似の、ファセット化された構成をとることも可能である。放物面反射鏡が記載されている場合には、適切なパラメータを用いて、楕円面の反射鏡を使用することも可能である。
本明細書に開示されている各特徴、および、(必要に応じて)請求項および図面については、単独で、あるいは任意の適切な組み合わせによって、提供することも可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射鏡アセンブリに関し、具体的には、これに限られるわけではないが、放物面反射鏡を含む従来のランプあるいは光源とともに使用するためのアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
放物面反射鏡は、おそらく、ランプあるいはフィラメントなどの光源からの光がビームに集中されるための、最もありふれた方式である。全体的な形状あるいはサイズなどの設計制約は、多くの場合、次善のビームをもたらすランプパラメータを決定する。特に、自動車のヘッドランプは、多くの場合、特定の外殻(envelope)に適合する必要があり、このため、複数の反射鏡を有する複雑なユニットをもたらす。
【0003】
米国特許第4,794,504号明細書は、自動車のヘッドライトアセンブリを開示している。ここでは、反射鏡は、上側および下側の平面によって先端が切り取られている。この文献は、ライトの出力を改善するために、アセンブリにおける下側の面に配された反射鏡を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,794,504号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明における一態様の目的は、ランプに組み込んで光の集中特性を改善するための、単純で安価な装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明における第1の態様によると、反射鏡アセンブリであって、光入力用の端部および光出力用の端部を有する、ほぼ管状の本体を備え、軸方向に離れて配された複数の階段状の反射素子を有し、これらの反射素子が、前記本体の内部表面の周囲において円周方向に延び、前記入力用の端部に向けて傾けられている反射鏡アセンブリが提供される。
【0007】
アセンブリは、光源および第1の反射鏡を有するビーム形成装置に取り付けられるように構成されていると、好都合である。この構成では、光源からのビームは、入力用の端部に入力され、第1の反射鏡と反射鏡アセンブリとの組み合わせによって決定される、一定のビーム拡がり(あるいは発散)をもって、出力用の端部から出力されることが可能である。前記のような実施形態の反射素子は、光を捉えて反射するように構成されており、この光の発散は、所望の値よりも大きくなっている。したがって、反射鏡の本体における内部表面に入射される光は、反射され、所望のビームと組み合わせるために、第1の反射鏡に向けて戻される。このため、その強度が増大する。
【0008】
前記のような装置は、製造が容易であり、ビームに集中される光の量を増加するために、既存のビーム形成装置(典型的には、トーチあるいは閃光灯)に対して、容易に組み込むことの可能なものである。実質的に、任意の光源を収容することが可能であり、従来の技術に対して影響を及ぼす可能性のある熱の集積を、軽減することが可能である。
【0009】
慎重に設計することによって、また、より詳細に後述するが、第1の反射鏡から反射された光線が、反射鏡の本体にぶつかることのないように、さらに、前記の第1の反射鏡によって反射されずに出射された、前記光源からの光のみが、反射素子によって方向を変えられるように、反射鏡の本体をビーム形成装置に適合させることが可能である。
【0010】
本体の内部における全周囲に沿って反射素子を配置することによって、そうでなければ「失われて」しまう光源からの光の大部分が、方向を変えられて、所望のビームに向けて戻るようになっている。
【0011】
好ましくは、反射素子の全ては、実質的に同一の焦点を有する。また、光源から反射素子に入射される光が、反射されてその光源に戻るような構成となっていることが好ましい。
【0012】
一実施形態では、本体は、実質的に円筒形であり、反射素子は環状である。あるいは、素子は、浅いピッチを有するらせん形を画定することも可能である。
【0013】
本発明の実施形態は、アセンブリをビーム形成装置に取り付けるための、締め具を含む。これらは、協働する固定治具に対して係合するように設計された、ラッチあるいはネジとすることが可能である。あるいは、これに代えて、単純な押し込み形式によって、装置の領域にアセンブリを取り付けることを可能とするために、「一般的な(universal)」ゴム製のブッシュなどを、使用することも可能である。アセンブリは、取り外すことの可能なものであり、また、ユーザの要求に応じて、素早くかつ簡単に、使用あるいは不使用を切り替えることの可能なものである。
【0014】
前記管状の本体の厚さは、前記本体の直径の15%以下であると都合がよい。また、10%未満か、さらには5%未満の場合には、より都合がよい。本体の長さは、本体の直径以上であることが好ましい。
【0015】
本発明における別の態様は、ビーム形成装置であって、光源、および、ビーム軸に沿ったビームを生成するために、前記光源に対して配置されている第1の反射鏡を含むビーム源と、中心開口部の周囲において円周方向に配置されている1つ以上の反射素子を備えた、第2の反射鏡とを有し、前記第2の反射鏡が、前記ビームが前記中心開口部を通過するように構成され、前記光源からの光を前記第1の反射鏡に向けて反射するように構成されている、ビーム形成装置を提供する。
【0016】
好ましくは、第2の反射鏡は、前記第1の反射鏡によって反射されずに出射された、前記光源からの光線のみを反射するように構成されている。
【0017】
第1の反射鏡は、典型的には、その開口端にリムを有する。また、第2の反射鏡における開口部が、第1の反射鏡のリムと実質的に同一のサイズとなっていることが有利である。第1の反射鏡が放物面である場合には、リムは、直径を有することになる。そして、第2の反射鏡における開口部は、典型的には、実質的に同一の直径を有する円になるはずである。しかしながら、より一般的には、開口部は、ビーム軸(あるいは、ランプの回転軸)に垂直な方向において、リムと同一のサイズを有することになる。このことは、第1の反射鏡からの光の大部分(あるいは全て)が、影響を受けずに開口部を通過することを可能としたままで、第2の反射鏡における全体のサイズを最小化する。
【0018】
第2の反射鏡は、複数の反射鏡素子を有することが都合がよい。これらの素子の全ては、好ましくは、実質的に同一のサイズを有する。すなわち、ビーム軸に垂直な方向において、実質的に同一の断面積を有する。また、これらの素子は、好ましくは、軸方向に離されており、これにより、細長い中空の外殻を画定している。前記のような実施形態にしたがう装置では、第2の反射鏡は、その内表面に複数の反射素子を有する、チューブを形成すると見なすことが可能である。このチューブでは、その中心をビームが通過する。
【0019】
典型的には、第1の反射鏡のリムは、ビーム形成装置(例えば、携帯用のトーチあるいは閃光灯)のケーシングを画定する、リムの外部サイズに等しい厚さを有する。反射鏡素子は、ビーム軸に垂直な断面において、リムと実質的に同一のサイズ、あるいは、リムよりも小さいサイズを有することが有利である。この構成では、ビーム軸に垂直であると考えられる、第2の反射鏡における「足跡(footprint)」については、第1の反射鏡におけるリムと実質的に同一のサイズ、あるいはこれよりも小さいサイズとすることが可能である。携帯用のトーチの実施例では、トーチの全体的な直径を実質的に全く増加させることなく、第2の反射鏡が、外部ケーシングに含まれ得る。装置が、例えばトーチに組み込まれている場合には、トーチの長さを延ばすだけでよく、また、トーチの外形と一体化するように、装置を形成することも可能である。
【0020】
好ましくは、第1の反射鏡は、放物面である。また、好ましくは、第2の反射鏡は、放物面状あるいは球状であるか、あるいは、放物面反射鏡としての効果を発揮する、一連の素子を備え、さらに、前記第1の反射鏡と同軸である。また、第2の反射鏡が、実質的に軸上の点光源上に(あるいは、この点光源に隣接する)中心を有する球状の反射鏡であることは、都合がよい。好ましくは、第2の反射鏡は、円筒形のフレネル反射鏡である。
【0021】
第2の反射鏡は、前記第1の反射鏡と実質的に同じ外径を有することが有利である。
【0022】
本発明は、さらに、追加的な態様において、光源および第1の反射鏡を有するビーム形成装置からの光ビームの強度を増加するための、第1の態様にしたがう反射鏡アセンブリの使用を提供する。
【0023】
本発明における別の態様は、反射鏡であって、長手軸に沿って配置され、光出力用の開口部および光源の入口となる開口部を有する、ほぼ管状の内部反射体を備え、前記反射鏡が、前記光源の入口となる開口部を介して光源を受け入れ、前記光出力用の開口部からビームを生成するように構成されており、前記反射鏡が、様々な断面を有する後方の凹面領域と、ほぼ一定の断面を有する前方の角柱状の領域とを備える、反射鏡を提供する。
【0024】
多くの実施形態では、第1の領域は、放物面状あるいは楕円面状である。第1の領域は、好ましくは、比較的に浅くなっており、最大半径に対する焦点距離の比率が、0.3よりも大きくなっている(より好ましくは、0.4よりも大きくなっている)。これにより、光源と反射鏡との間隔が、比較的に大きくなる。特に有利な実施形態においては、この比率がほぼ0.5であることが示され得る。この比率は、好ましくは、0.6よりも小さい。
【0025】
本発明は、本明細書において添付図面を参照しながら説明されるように、方法および/または装置にまで及ぶ。
【0026】
本発明の一態様における任意の特徴については、任意の適切な組み合わせによって、本発明における他の態様に応用することも可能である。
【0027】
次に、本発明における好ましい特徴が、以下に示すような添付図面を参照しながら、単なる一例として記述される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】焦点の後方に光源を有する放物面反射鏡を示す図である。
【図2】焦点の前方に光源を有する、同じ放物面反射鏡を示す図である。
【図3】点光源を有する本発明の実施形態を示す図である。
【図4】線光源を有する本発明の実施形態を示す図である。
【図5】特定の反射鏡形状に関する光線のプロットを示す図である。
【図6】さまざまな反射鏡形状に関する本発明の実施形態によって遮断される、エネルギーを示す図である。
【図7】放物線状の反射鏡の構成を示す図である。
【図8】複合反射鏡の構成を示す図である。
【図9】図7および図8の反射鏡に関する、理論的な効率を示す図である。
【図10】反射鏡素子における、さまざまな傾斜角度を示す図である。
【図11】反射鏡構成の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
よく知られているランプの設計は、軸に沿って集中されたビームを形成するために、光源の後方に配置された反射鏡(一般的には放物面反射鏡)を含む。図1に示した光源102は、反射鏡のベースと反射鏡の焦点104との間(多くの場合、焦点の「後方(behind)」と表現される)に配置することが可能であり、この場合では、全ての光線が、反射後に発散する。より一般的には、図2に示した光源202は、反射鏡の焦点204を超えた位置(多くの場合、焦点の「前方」と表現される)に配置されている。この場合では、反射された光線は、最初に集中する。次いで、これらは、軸を横切った後で発散する。反射鏡のベースから光源202までの、ビーム軸に沿った距離は、Zsとして示されており、光源長と称される。そして、この距離は、一般的には、焦点距離(反射鏡のベースから焦点までの距離)によって規格化された単位を用いて与えられる。
【0030】
後者の場合を考慮すると、破線内に210として示されているように、ビームの断面における半径あるいは「ネック」がランプのそれよりも小さくなっている領域が、円筒形の表面の形状をもって、ランプの開口端に存在する。210の半径rは、ランプの開口端における半径と同じであり、反射された光線は、ここを通過しない。
【0031】
本発明における実施形態の概略図が、図3に示されている。この実施形態は、軸上の点に光源が配されていることを前提としている。前記した仮想的な円筒に代えて、管状の本体302が配されている。管状の本体における内表面は、階段状の隆起304からなる。光源308を向いている傾斜した表面上に、環状の鏡素子306が設けられている。これにより、2つのコーン310と312との間の点光源S(熱フィラメント、アークあるいはLED)から出射された非反射光線は、階段状の鏡によって反射されて光源Sの近傍に戻り、その後、放物面鏡314によって2度目の反射を経る。光源Sから鏡面Bに向かって進み、Sを「通って(through)」放物面鏡のTに戻り、Dの方向に出力される光線経路の例を示す。2回の反射を経た光は、集中されてメインの1回反射ビームに加わり、これにより、オリジナルの1回反射ビームよりも明るい全体ビームを生成する。2回反射ビームの集中は、出力光線の角度(例えば、DCZ)が入力光線BSZのそれよりも小さい場合に可能となる。円筒の長さは、それがオリジナルのビームおよび2回反射光を阻害しないように、選択される。この設計における適切な実施例は、短い横断方向フィラメント(transverse filament)を有する、ミニチュアハロゲンの一種である。
【0032】
より複雑な設計の図が、図4に示されている。この設計は、光源が、軸に沿った線であることを前提としている。S1からS2まで延びている光源上の端点からの光線は、2回目の反射を受ける前に、光源における最も「前方(forward)」の部分に当たらないように、後方に反射される。この設計の実施例は、軸方向のフィラメントを有する、ミニチュアハロゲンの一種である。長さのある軸方向光源の結果については、線光源に近いものとしての点光源からなる線を検討することによる結果から、導くことが可能である。多くの場合、線光源の各端部における2つの点を検討することで足りる。
【0033】
低電圧のミニチュアハロゲンランプなどの、既存の白熱ランプでは、ランプの反射鏡は、多くの場合に放物面であるが、完全に滑らかであるというよりも、むしろ、ファセット化されている。最も制御されたビームを与える高品質の白熱フィラメントランプでは、フィラメントは、軸方向にある。均一さの劣るビームを与える、より安いものは、回転対称性をもたない横断方向フィラメントを使用している。キセノンアークランプは、高温ガスからなる、ほぼ球形の小さな領域を、やはり回転対称性を有する光源として使用している。最終的な設計は、これらの効果を考慮しているが、ここに記載されている設計は、依然として、予想される結果に近い結果を与えるはずである。
【0034】
前記した「ネック」すなわち円筒形の表面における最大の長さ、すなわち、管状の本体における最大の長さは、光源の位置およびランプの開口端における半径に依存し、数学的に決定可能なものである。一般的にいえば、円筒における最大の長さは、反射鏡のベースからの光源の距離が増加するにつれて、低下する。長さのある軸方向光源に関しては、図4に示されているように、最も大きい軸方向光源の位置(S2における位置)を、円筒における最大の長さを計算するために使用するべきである。
【0035】
円筒鏡における実際の長さについては、理想的な設計に基づいて、最大値よりも小さくなるように選択することが可能である。これは、2回の反射の後、光線が、再び円筒鏡にあたることはないはずだからである。図4に示されているように、2回の反射を経た光線は、光源の前方における最も遠い点よりも「前(ahead)」において軸を横切る。これらの交差点については、仮想的な光源と見なすことが可能であり、これらが円筒を横切る場所を予想するための、光源の点として使用することができる。これらがそのようにする軸方向における最小の距離は、円筒鏡における実際の長さを決定することになる。
【0036】
図5は、半径4.5fの放物面鏡から反射された光線を示している。ここで、fは、放物面の焦点距離であり、z軸に沿った2fの位置に点光源がある(細ビームMR16タイプの、ミニチュアハロゲン反射鏡ランプの典型である)。この例では、円筒鏡における最大の長さは、約7f(図5におけるz=5とz=12との間)となると予想される。狭いビームスポットライトから中程度のビームスポットライトの典型例では、光源の位置は、1.0fから約2.5fまでの間で異なる。反射の生じる「軸に沿った距離」zT(すなわち、光源からの光が入射する放物線上の点)が増すにつれて、反射された光線と放物線の軸とが形成する角度(射出角度と呼ばれる)が、まず増加し、最大値に到達して、その後、減少する、ということがわかる。この挙動は、本発明が有効利用している、前記した「ネック」をビームが有することの理由である。
【0037】
理想的には、回折効果を回避するために、鏡素子のサイズは、光の波長よりも大きくなっているべきである。しかしながら、これらが大きすぎる場合には、単一の素子から反射された光線の広がりが大きくなりすぎて、出力ビームにおける好適な集中を実現することが不可能となる。初期の計算が示すところによると、放物面の半径が20mm程度である場合には、ステップの深さは、0.1から0.5mm程度となるべきである。円筒形の鏡面上において実現可能な、光源サイズおよび角度における有限の許容誤差を認めるべきである。
【0038】
前記した内面的に階段状となっている構成要素については、例えば、適切に斜めになった内部エッジをそれぞれ有する一連のリングを機械加工し、これらのリングをまとめて順番に積層することによって、製造することが可能である。所望の形状を好適な精度で生成するために、ステレオリソグラフィーあるいは他の高速なプロトタイピング技術を使用することも可能である。その後に、この形状を、鋳型を製造するために使用することが可能である。積層された一連のリングから形成された階段状の部材の例が、図11に示されている。実用的な設計では、用途に応じて、少なければ10個あるいはそれ以上のファセット(facet)を使用することも可能であるが、ここでは、29個のリングが使用されている。この実施例では、リングにおける内側の半径(すなわち、鋭く尖った点)が、ほぼ47mmである。また、外側の半径は、少なくとも55mmであり、ほぼ62mmとして示されている。各リングの厚さおよびベベル角度は、反射鏡の長さにしたがって変化する。このため、細長い光源における最も遠い点からの入射光は、各ファセットにおけるほぼ最後の2mmの部分を、ファセットに対して実質的に垂直にたたくことになる。
【0039】
階段状の円筒鏡が、ランプと同一の直径に形成されていること、および、この円筒鏡が最大の長さを有することを仮定し、光源が、全方位に向けて均一に光を出射する軸上の点光源であることを仮定する場合には、従来の非反射光エネルギーにおける、階段状の円筒鏡によって捕捉することの可能な最大の割合(maximum fraction)を、ランプの形状から計算することが可能である。
【0040】
光源の位置の関数としての捕捉可能な(capturable)エネルギーの割合を特定する公式については、導き出すことは可能である。しかしながら、図6は、異なる放物面の長さsに応じた、光源の位置の関数としての捕捉可能なエネルギーのプロットを示している。これらのカーブは、放物面の長さを上回る光源の位置zSに関しては、描画されていない。
【0041】
既存のMR16ランプに関しては、最大の光源長zSは、約1.0fから2.4fまでの範囲に及び、sは5.1程度の長さを有する(半径=2√5.1=4.5)。円筒鏡によって捕捉可能なエネルギーは、17%程度である。より深い場合、すなわち、より長い放物面トーチ長は、約6.0fである。これは、約8%の捕捉可能な非反射エネルギーと同等である。
【0042】
従前の実施例では、既存のランプおよび反射鏡の設計における能力の向上に向けて、注意が払われていた。しかしながら、本発明の態様は、従来の設計を超える改善された能力を有する、新規の反射鏡設計を提供するために、有効利用することの可能なものである。例えば、高いビーム集中のための有利な設計は、短い放物面を有することが分かっている。これにより、再反射に関する利用可能な出射エネルギーの比率を高くすることが可能となり、その結果、ビーム強度を一定とした場合における、ランプ全体の半径をより小さくすることが可能となる(ランプの半径は、放物面長を小さくするにつれて減少する)。
【0043】
本発明における前記の態様をより完全に有効利用するためには、実用的な反射鏡の制限が検討される必要がある。小さな強い光源から狭い光ビームを生成するように意図されている一般的なランプ設計は、主に、放物面状あるいは楕円面状の反射鏡を使用する。この反射鏡では、光源(例えば、フィラメントあるいは高強度の放電管)を備える電球は、そのベースにある開口部を通して、反射鏡を挿入することを余儀なくされている。
【0044】
重要な設計制約は、反射鏡の一方の端部における電球の開口部のサイズ、および、他方の端部における、多くの場合に円形となっている出力開口部のサイズである。電球における入口の開口部および出力開口部(すなわち、ランプの直径)のサイズを固定した場合でも、放物面における焦点距離fに関する選択は、依然として自由である。放物面反射鏡に関する最も狭いビームは、有限のサイズの光源が、焦点上に中心を配されているときに得られる。楕円面の反射鏡に関しては、「ベース」の焦点からの光は、ランプの軸に沿ってより遠くにある第2の焦点に向かって、この焦点を通過するように反射される。実際には、全ての光源のサイズが有限であるために、光は、角度の範囲を越えて反射される。電球における入口の孔およびランプの直径を固定した場合でも、放物面における焦点距離fに関する選択は、依然として自由である。2つの開口部が円形であると仮定した場合、焦点に配置された点光源に関して、最大限度の光の割合(fraction of light)が反射される特定の焦点距離fpが存在する、ということがわかる。この最大の焦点距離fpおよび反射光の割合は、孔の直径に依存する。したがって、焦点距離fpを有する反射鏡は、最大エネルギーの放物面であると見なすことが可能である。焦点に光源を配した前記のような最大エネルギーの放物面の例が、図7に示されている。
【0045】
放物面反射鏡702は、その対称軸に対して垂直な2つの平面704、706によって端部を切り取られており、これらの平面は、放物面反射鏡702を切り取ることによって、2つの円を形成している。放物面のベースに最も近い、半径qを有する小さい方の円は、電球の取り付けに適合するように意図されている。光は、大きい方の円を通って出射される。この円は、半径rを有する、ランプの開口端を形成している。放物面から反射された光は、半径qの円筒と半径rの円筒との間の軸に対して平行に出射される。これは、立体角αを有する光源から出射される光に一致しているように見ることが可能である。反射光の比率を増加するために(すなわち、角度φを減少するために)、放物線の長さが延長された場合には、焦点は、後方の平面704に近づくように移動する必要がある。これは、同様に、角度θを増加し、光源の入口となる開口部を通って「失われる」光を増加させ、反射光の全体量を減少させる。反対に、角度θを減少させる試みは、角度φを増加させ、この場合も、反射光における最大のパーセンテージから離れてしまう。以上のように、反射されたエネルギーにおける実際の割合および焦点距離は、rに対するqの比率gのみに依存する。
【0046】
市販の反射鏡に対する測定は、最大エネルギーの放物面に近い反射鏡もある(例えば、評判のよいMR16ハロゲン反射鏡における変化形の中の大部分など)ことを示している。これらに関する電球の開口部の形状は、角の丸い長方形である。測定された焦点距離は、実際の電球における入口孔の形状における長いサイズと短いサイズとの間の値を有する、電球の孔の半径の値qに対応している。
【0047】
図8は、本発明の態様を具現化する、新しい反射鏡を示している。これは、図7に示したrに対するqの比率gと同じ比率gを有する。
【0048】
図8に示した反射鏡は、2つの構成要素領域から形成された、ほぼ管状の本体からなる。第1の領域は、放物面反射鏡802からなる。この反射鏡は、その焦点に点光源を有し、第1の設計と同様の、光源の入口となる開口部の半径qおよび光出力用の開口部の半径rを有するが、より長い焦点距離を有する。第2の領域は、出力開口部の半径rと実質的に同一の一定の半径を有する、円筒を備える。円筒の内表面は、多数の鏡面からなる。これらの鏡面は、前記したように、これらに衝突する焦点から出射された任意の光線が、その経路に沿って後方に反射されるような、理想的な特性を有する。放物面から反射された光は、第1の設計と同様に、1回あるいは2回の反射を経た後、半径qの円筒と半径rの円筒との間の軸に対して平行に出射される。
【0049】
所与のサイズqおよびrに関しては、特定の焦点距離において反射される光の割合の最大値が存在するような、最適な円筒鏡の長さLcylが存在することがわかる。したがって、これらの特性を有する、図8に示したような反射鏡は、最大エネルギーの複合反射鏡であると見なされる。この場合も、反射されるエネルギーにおける実際の割合は、rに対するqの比率gのみに依存する。
【0050】
さまざまなgの値に関する、これら2つの最大エネルギー設計から反射されたエネルギーの割合が、図9において比較されている。カーブ902は、最大の複合反射鏡に対応しており、全てのg値に関して、最大の放物面反射鏡の効率(カーブ904)よりも高い効率を与えていることがわかる。ほぼ0.22と0.32との間にある、MR16ランプに関する典型的なg値が示されており、この領域では、複合最大設計が、反射されたエネルギーにおける80から90%の値を返している一方、最大放物面設計は、50から65%の対応値のみを返していることがわかる。双方の最大エネルギー設計に関する反射されたエネルギーの割合を比較することは、これら2つにおける光強度の比較を与えることになる。これは、軸に対して垂直な平面上で減少するエネルギーは、半径qの円と半径rの円との間で減少するはずだからである。したがって、所与の出力開口部(あるいはリムサイズ)および光源の入口となる開口部の場合には、基本的な放物面設計によるよりも、複合設計による方が、より高い光強度が得られることがわかる。
【0051】
また、放物面設計の焦点距離は、gの増加(出力開口部の半径rによって規格化された単位での増加)に伴って増加する一方、最大化された複合設計に関する焦点距離は、0.5(すなわち、リムあるいは出力開口部における半径の半分)で一定となっている、ということもわかる。0から0.5の範囲のgを有する実際の反射鏡に関しては、複合設計の焦点距離は、常に、放物面設計のそれよりも大きい。したがって、複合設計は、電球と反射鏡との間の間隔をより大きくし、その結果として、所与の光源に対して、反射鏡の表面をより低温とすることが可能であり、あるいは、逆に、表面温度が同一であっても、より強力な光源を取り付けることが可能である。
【0052】
前記したように、実際の設計では、有限のサイズの光源が、円筒形の鏡からの反射光を阻害する可能性がある。本発明の実施形態は、反射光が光源の前方を通過するような構成とすることによって、これを軽減している。光源における実際の軸上フィラメントは、焦点からの相当な距離を軸に沿って延びているために、このことは、焦点からの相当な距離において、光線が軸を横切っていたことを意味していた。
【0053】
したがって、本発明の実施形態は、軸方向において傾けられていることに加えて、円周方向に傾けられた鏡素子を有する。このため、第1の反射鏡に向けて戻るビームは、平面外にある光源に「当たらない」とともに、ビーム軸と交差しない。このようにして、素子における複合効果の焦点は、効果的に、リングあるいは円に向けて拡がることが可能となっている。この構成は、光源が細長い場合に、特に有用となることが可能である。この場合には、反射ビームを、光源の前方ではなく、光源の「側」を通過させることが可能となる。
【0054】
これは、図10に示されている。この図では、本発明の態様にしたがう円筒形の反射鏡における、反射ファセット1002および1004が示されている。これらのファセットは、軸1008に沿った円形の平板1006の押し出しによって形成される外殻を有する、円筒形の反射鏡を代表するものであり、見やすいように、サイズの点で誇張されている。双方のファセットは、円周上における同一の位置に配置されているが、軸方向において離されている。
【0055】
ファセット1002は、反射鏡の軸に対して、角度γをもって傾けられており、このため、円形の平板1006の中心において点Aから放射された光線は、反射されて、この平面上の点Bに向けて戻る、ということがわかる。しかしながら、ファセット1002は、円周方向に傾いていない。このため、このファセットから点Bに向かう光線は、点Cにおいて、反射鏡の中心軸を通過する。
【0056】
次に、ファセット1004については、これも、異なる角度においてではあるが、ファセット1002と同様の方法で、反射鏡の軸に対して傾けられている。しかしながら、それは、さらに、角度Ψをもって、円周方向にも傾けられている。このため、点Aから放射された光線は、反射されて、円形の平面1006上の、点Dに向けて戻る。ファセット1004からDに向けて反射された光線は、反射鏡の中心軸を通過しない。すなわち、それは、光源、ファセット自体および反射鏡の軸1008を含む平面から外れて反射される。Aに配置されている光源が有限のサイズを有する場合、前記した2つのファセットの双方は、中心の点Aから間隔を介した点において、光源の平面1004を遮断するように光を反射するが、この間隔の方向は直交している、ということがわかる。
【0057】
平面から外れるこのような反射光については、反射素子をらせん状に配置することによって、得ることが可能である。あるいは、円周方向における傾きの角度を、単一の環状の素子における外周に沿って交互に入れ替えることが可能である。これにより、平面外における互いに反対の方向に光線を反射する、所与の軸位置において互い違いとなっているファセットを有する、「ジグザグ」のファセット構造を得ることができる。可能性のある別の構成は、単一の環状の素子からなる複数のファセットを有し、これらの全てが、円周方向において同一の方向に傾斜している。これにより、「ノコ歯」状のファセット構造を得られる。
【0058】
当然のことではあるが、細長い光源が反射鏡の軸に沿って配置されている場合には、平面から外れた光線を、光源の「前方(in front)」とは反対の「側(side)」に向けることによって、光線を、光源に当たらないようにしたままで、最適な形状に近づけることが可能となる。これもまた、有利な性能を提供する。
【0059】
当然のことではあるが、本発明は、単なる一例として前記されているにすぎない。そして、本発明の範囲内において、詳細な点についての変形を形成することが可能である。実施形態は、主に、円形および円筒形の形状を有するように記載されてきた。しかしながら、例えば六角形、八角形、および、より高次の多角形状のように、前記した形状あるいは他の形状に類似の、ファセット化された構成をとることも可能である。放物面反射鏡が記載されている場合には、適切なパラメータを用いて、楕円面の反射鏡を使用することも可能である。
本明細書に開示されている各特徴、および、(必要に応じて)請求項および図面については、単独で、あるいは任意の適切な組み合わせによって、提供することも可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光入力用の端部および光出力用の端部を有する、ほぼ管状の本体を備え、軸方向に離れて配された複数の階段状の反射素子を有し、これらの反射素子が、前記本体の内部表面の周囲において円周方向に延び、前記入力用の端部に向けて傾けられている、反射鏡アセンブリ。
【請求項2】
前記素子が環状である、請求項1に記載の反射鏡アセンブリ。
【請求項3】
前記素子に垂直な線の全てが、中心軸を通過している、請求項1または2に記載の反射鏡アセンブリ。
【請求項4】
前記素子に垂直な線の全てが、実質的に同一の点を通過している、請求項4に記載の反射鏡アセンブリ。
【請求項5】
前記素子に垂直な線が、中心軸と交差していない、請求項1または2に記載の反射鏡アセンブリ。
【請求項6】
前記素子が、らせん形状を画定している、請求項5に記載の反射鏡アセンブリ。
【請求項7】
前記素子に垂直な線の全てが、前記中心軸上に中心を配された円内を通過している、請求項6に記載の反射鏡アセンブリ。
【請求項8】
前記管状の本体の厚さが、前記本体の直径の10%以下である、請求項1から7のいずれか一項に記載の反射鏡アセンブリ。
【請求項9】
前記管状の本体の直径が、前記本体の長さ以下である、請求項1から8のいずれか一項に記載の反射鏡アセンブリ。
【請求項10】
前記アセンブリが、光源および第1の反射鏡を有するビーム形成装置に取り付けられるように構成されており、これにより、使用時に、前記光源からのビームが、前記入力用の端部に入力され、前記出力用の端部から出力されるようになっており、前記反射素子が、入射光を、前記第1の反射鏡に向けて反射するように構成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の反射鏡アセンブリ。
【請求項11】
前記アセンブリが、携帯用のトーチに取り付けられるように構成されている、請求項10に記載の反射鏡アセンブリ。
【請求項12】
前記入力用の端部に、据え付け手段が設けられている、請求項10または11に記載の反射鏡アセンブリ。
【請求項13】
光源、および、ビーム軸に沿ったビームを生成するために、前記光源に対して配置されている第1の反射鏡を含むビーム源と、
中心開口部の周囲において円周方向に配置されている1つ以上の反射素子を備える、第2の反射鏡とを備え、
前記第2の反射鏡が、前記ビームが前記中心開口部を通過するように構成されているとともに、前記光源からの光を前記第1の反射鏡に向けて反射するように構成されている、ビーム形成装置。
【請求項14】
第2の反射鏡が、前記第1の反射鏡によって反射されずに出射された、前記光源からの光線のみを反射するように構成されている、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の反射鏡が、光源の後方に延び、前方に光を反射し、第2の反射鏡が、光源の前方に延び、後方に光を反射する、請求項13または14に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の反射鏡がリムを有し、第2の反射鏡における開口部が、第1の反射鏡のリムと実質的に同一のサイズである、請求項12から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
第2の反射鏡が複数の反射鏡素子を備える、請求項13から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
全ての反射鏡素子におけるビーム軸に垂直な方向のサイズが、実質的に同一である、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
反射鏡素子が軸方向に離されており、これにより、細長い中空の外殻を画定している、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
第2の反射鏡が、円筒形のフレネル反射鏡である、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記第2の反射鏡が、前記第1の反射鏡と実質的に同一の外径を有する、請求項13から20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
第1の反射鏡が、放物面あるいは楕円面である、請求項13から21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
第2の反射鏡から反射された光が、ビーム軸を通過しない、請求項13から22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
光源および第1の反射鏡を有するビーム形成装置からの光ビームの強度を増加するための、請求項1に記載の反射鏡アセンブリの使用。
【請求項25】
前記ビーム形成装置が、携帯用のトーチである、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
長手軸に沿って配置され、光出力用の開口部および光源の入口となる開口部を有する、ほぼ管状の内部反射体を備える反射鏡であって、前記反射鏡が、前記光源の入口となる開口部を介して光源を受け入れ、前記光出力用の開口部からビームを生成するように構成されており、前記反射鏡が、様々な断面を有する後方の凹面領域と、ほぼ一定の断面を有する前方の角柱状の領域とを備える、反射鏡。
【請求項27】
前記第2の領域が、前記第1の領域に比べて、軸方向に長くなっている、請求項26に記載の反射鏡。
【請求項28】
前記第1の領域が、放物面あるいは楕円面である、請求項26または27に記載の反射鏡。
【請求項29】
第1の領域における最大の半径に対する、第1の領域における焦点距離の比率が、0.4よりも大きい、請求項28に記載の反射鏡。
【請求項30】
第1の領域における最大の半径に対する、第1の領域における焦点距離の比率が、ほぼ0.5である、請求項28または29に記載の反射鏡。
【請求項31】
前記前方の位置が、前記後方の位置からの入射光を反射し、前記後方の位置に向けて戻す、請求項26から30のいずれか一項に記載の反射鏡。
【請求項1】
光入力用の端部および光出力用の端部を有する、ほぼ管状の本体を備え、軸方向に離れて配された複数の階段状の反射素子を有し、これらの反射素子が、前記本体の内部表面の周囲において円周方向に延び、前記入力用の端部に向けて傾けられている、反射鏡アセンブリ。
【請求項2】
前記素子が環状である、請求項1に記載の反射鏡アセンブリ。
【請求項3】
前記素子に垂直な線の全てが、中心軸を通過している、請求項1または2に記載の反射鏡アセンブリ。
【請求項4】
前記素子に垂直な線の全てが、実質的に同一の点を通過している、請求項4に記載の反射鏡アセンブリ。
【請求項5】
前記素子に垂直な線が、中心軸と交差していない、請求項1または2に記載の反射鏡アセンブリ。
【請求項6】
前記素子が、らせん形状を画定している、請求項5に記載の反射鏡アセンブリ。
【請求項7】
前記素子に垂直な線の全てが、前記中心軸上に中心を配された円内を通過している、請求項6に記載の反射鏡アセンブリ。
【請求項8】
前記管状の本体の厚さが、前記本体の直径の10%以下である、請求項1から7のいずれか一項に記載の反射鏡アセンブリ。
【請求項9】
前記管状の本体の直径が、前記本体の長さ以下である、請求項1から8のいずれか一項に記載の反射鏡アセンブリ。
【請求項10】
前記アセンブリが、光源および第1の反射鏡を有するビーム形成装置に取り付けられるように構成されており、これにより、使用時に、前記光源からのビームが、前記入力用の端部に入力され、前記出力用の端部から出力されるようになっており、前記反射素子が、入射光を、前記第1の反射鏡に向けて反射するように構成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の反射鏡アセンブリ。
【請求項11】
前記アセンブリが、携帯用のトーチに取り付けられるように構成されている、請求項10に記載の反射鏡アセンブリ。
【請求項12】
前記入力用の端部に、据え付け手段が設けられている、請求項10または11に記載の反射鏡アセンブリ。
【請求項13】
光源、および、ビーム軸に沿ったビームを生成するために、前記光源に対して配置されている第1の反射鏡を含むビーム源と、
中心開口部の周囲において円周方向に配置されている1つ以上の反射素子を備える、第2の反射鏡とを備え、
前記第2の反射鏡が、前記ビームが前記中心開口部を通過するように構成されているとともに、前記光源からの光を前記第1の反射鏡に向けて反射するように構成されている、ビーム形成装置。
【請求項14】
第2の反射鏡が、前記第1の反射鏡によって反射されずに出射された、前記光源からの光線のみを反射するように構成されている、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の反射鏡が、光源の後方に延び、前方に光を反射し、第2の反射鏡が、光源の前方に延び、後方に光を反射する、請求項13または14に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の反射鏡がリムを有し、第2の反射鏡における開口部が、第1の反射鏡のリムと実質的に同一のサイズである、請求項12から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
第2の反射鏡が複数の反射鏡素子を備える、請求項13から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
全ての反射鏡素子におけるビーム軸に垂直な方向のサイズが、実質的に同一である、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
反射鏡素子が軸方向に離されており、これにより、細長い中空の外殻を画定している、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
第2の反射鏡が、円筒形のフレネル反射鏡である、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記第2の反射鏡が、前記第1の反射鏡と実質的に同一の外径を有する、請求項13から20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
第1の反射鏡が、放物面あるいは楕円面である、請求項13から21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
第2の反射鏡から反射された光が、ビーム軸を通過しない、請求項13から22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
光源および第1の反射鏡を有するビーム形成装置からの光ビームの強度を増加するための、請求項1に記載の反射鏡アセンブリの使用。
【請求項25】
前記ビーム形成装置が、携帯用のトーチである、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
長手軸に沿って配置され、光出力用の開口部および光源の入口となる開口部を有する、ほぼ管状の内部反射体を備える反射鏡であって、前記反射鏡が、前記光源の入口となる開口部を介して光源を受け入れ、前記光出力用の開口部からビームを生成するように構成されており、前記反射鏡が、様々な断面を有する後方の凹面領域と、ほぼ一定の断面を有する前方の角柱状の領域とを備える、反射鏡。
【請求項27】
前記第2の領域が、前記第1の領域に比べて、軸方向に長くなっている、請求項26に記載の反射鏡。
【請求項28】
前記第1の領域が、放物面あるいは楕円面である、請求項26または27に記載の反射鏡。
【請求項29】
第1の領域における最大の半径に対する、第1の領域における焦点距離の比率が、0.4よりも大きい、請求項28に記載の反射鏡。
【請求項30】
第1の領域における最大の半径に対する、第1の領域における焦点距離の比率が、ほぼ0.5である、請求項28または29に記載の反射鏡。
【請求項31】
前記前方の位置が、前記後方の位置からの入射光を反射し、前記後方の位置に向けて戻す、請求項26から30のいずれか一項に記載の反射鏡。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2010−511276(P2010−511276A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538767(P2009−538767)
【出願日】平成19年11月23日(2007.11.23)
【国際出願番号】PCT/GB2007/004496
【国際公開番号】WO2008/065358
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(501352882)キネテイツク・リミテツド (93)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月23日(2007.11.23)
【国際出願番号】PCT/GB2007/004496
【国際公開番号】WO2008/065358
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(501352882)キネテイツク・リミテツド (93)
【Fターム(参考)】
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