説明

反射防止コーティング組成物

反射防止コーティング材及びそれの関連するポリマーが開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の反射防止コーティング組成物、並びに反射性基材とフォトレジスト被膜との間に該新規反射防止コーティング組成物の薄い層を形成することによってそれをイメージプロセッシングに使用することに関する。このような組成物は、フォトリソグラフィ技術による半導体デバイスの製造に特に有用である。
【背景技術】
【0002】
フォトレジスト組成物は、コンピュータチップ及び集積回路の製造などの微細化された電子部品の製造のためのマイクロリソグラフィプロセスに使用されている。一般的に、これらのプロセスでは、先ず、フォトレジスト組成物のフィルムの薄い被膜が、集積回路の製造に使用されるケイ素ウェハなどの基材に供される。この被覆された基材は次いでベークし、フォトレジスト組成物中の溶剤を蒸発させて、被膜を基材上に定着させる。基材の被覆及びベークされた表面は次に放射線による像様露光に付される。
【0003】
この放射線露光は、被覆された表面の露光された領域において化学的な変化を引き起こす。可視光線、紫外線(UV)、電子ビーム及びX線放射エネルギーが、マイクロリソグラフィプロセスで現在常用されている放射線種である。この像様露光の後、被覆された基材は現像剤溶液で処理し、フォトレジストの放射線露光された領域または未露光の領域のいずれかを溶解除去する。
【0004】
半導体デバイスは微細化される傾向にあり、このような微細化に伴う問題を解消するために、より一層短い波長の放射線に感度を示す新しいフォトレジストや、精巧な多層(multilevel)システムが使用されている。
【0005】
フォトリソグラフィにおける高吸光性反射防止膜の使用は、高反射性基材からの光の後方反射(back reflection)の結果生ずる問題を軽減するための一つの方策である。後方反射の二つの主な不利な事は、薄膜干渉効果(thin film interference effects)と反射性ノッチング(reflective notching)である。薄膜干渉または定在波は、フォトレジストの厚さが変わるとフォトレジストフィルム中の全光強度が変化し、それによって微少線幅寸法が変化するという結果を招く。反射性ノッチングは、フォトレジストフィルム中に光を散乱させるトポグラフィー図形(topographical features)を含む基材上にフォトレジストをパターン化した場合に深刻になり、線幅の変動を招き及び極端な場合には完全にフォトレジストが失われた領域を形成する。
【0006】
線幅変動を更に減少させるかまたは無くすことが必要な場合には、底面反射防止膜の使用が、反射の除去のための最良の解決策を提供する。底面反射防止膜は、フォトレジストでのコーティング及び露光の前に基材に供される。フォトレジストは像様露光及び現像される。次いで、露光された領域の反射防止膜を、典型的にはガス状プラズマ中で、エッチングし、こうしてフォトレジストパターンが基材に転写される。反射防止フィルムのエッチング速度は、反射防止フィルムが、エッチングプロセスの間にフォトレジストフィルムの過剰の損失を伴うことなくエッチングされるように、フォトレジストと比較して比較的速いものであるべきである。また反射防止膜は、所望のリソグラフィ性を達成するために、露光波長において適切な吸収及び屈折率(“k”及び“n”として知られる)も有していなければならない。
【0007】
300nm未満の露光で良好に機能する底面反射防止膜を供する必要がある。このような反射防止膜は、高いエッチング速度を有し、そして反射防止膜として働くために適切な屈折率をもって十分に吸光性が高いものである必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】カナダ特許第1204547号明細書
【発明の概要】
【0009】
本発明は、高NAリソグラフィにおける反射防止コーティング材料に用途がある、芳香族発色団を持たない新規のポリマーを含む反射防止コーティング組成物を記載する。この材料は、このポリマー主鎖の故及びポリマーに結合した芳香族発色団が無い為に、極度に高いエッチング速度を有する。
【0010】
本発明の反射防止コーティング組成物は、芳香族発色団を含まないポリマー、酸発生剤、場合により及び架橋剤を含み、該ポリマーは、アミノプラスト類から誘導される構造単位と、ジオール類、トリオール類、ジチオール類、トリチオール類、他のポリオール類、二酸類(diacid)、三酸類(triacid)、他のポリ酸類、ジイミド類、ジアミド類、イミド−アミド類またはこれらの混合物から誘導される構造単位とを含み、この際、前記ジオール類、ジチオール類、トリオール類、トリチオール類、二酸類、三酸類、ジイミド類、ジアミド類またはイミド−アミドは、IC製造に有用な波長での吸光性を改善しかつ反射防止膜に高いn値を達成するために、場合により、一つもしくはそれ以上の窒素及び/または硫黄原子を含むかあるいは一つもしくはそれ以上のアルケン基を含む。
【0011】
本発明は、アミノプラスト類から誘導される構造単位と、ジオール類、トリオール類、ジチオール類、トリチオール類、他のポリオール類、二酸類、三酸類、他のポリオール類、ジイミド類またはこれらの混合物から誘導される構造単位とを含む、芳香族発色団を含まないポリマーであって、前記ジオール類、ジチオール類、トリオール類、トリチオール類、二酸類、三酸類、ジイミド類、ジアミド類またはイミド−アミド類は、場合により、一つもしくはそれ以上の窒素及び/または硫黄原子を含むかあるいは一つもしくはそれ以上のアルケン基を含む、前記ポリマーにも関する。
【0012】
また本発明は、本明細書に開示される反射防止コーティング組成物から形成された反射防止膜層を表面上に有する基材を含む被覆された基材であって、前記反射防止膜層が、193nmで測定した時に0.01≦k<0.35の範囲の吸光パラメータ(k)を有する前記基材にも関する。加えて、本発明は、a)本明細書に記載の反射防止コーティング組成物で基材をコーティングしそしてベークし; b)反射防止膜の上にフォトレジストをコーティングしそしてベークし; c)フォトレジストを像様露光し; d)フォトレジストに像を現像し; e)場合により、露光段階の後に基材をベークすることを含む、像を形成するための方法にも関する。加えて、本発明は、a)基材上に反射防止フィルムを形成し、ここで前記反射防止フィルムは本発明の反射防止コーティング組成物から形成され、該反射防止コーティング組成物中のジオール類、トリオール類、ジチオール類、トリチオール類、二酸類、三酸類、ジイミド類、ジアミド類またはイミド−アミド類は、該反射防止コーティング組成物中のポリマーの最大吸収が、フォトレジストのための露光波長よりも小さくなるように選択され、かつ露光波長は、反射防止コーティング組成物中のポリマーの吸光バンドの長波長側で最大吸収と最小吸収との間にあり、その結果として、反射防止フィルムの屈折率“n”を高めかつ反射防止フィルムの吸光パラメータ“k”を低める反射防止フィルムの屈折率に対する異常分散寄与を生じ; 及びb)反射防止フィルムの上にフォトレジストフィルムを形成することを含む、露光波長に感度を示す反射防止フィルム及びフォトレジストフィルムを基材上に形成する方法にも関する。場合により、前記ジオール類、トリオール類、ジチオール類、トリチオール類、他のポリオール類、二酸類、三酸類、他のポリ酸類、ジイミド類、ジアミド類またはイミド−アミド類は、該反射防止コーティング組成物中のポリマーの最大吸収がフォトレジストの露光波長よりも小さくなるように選択することができ、ここで露光波長は、長波長側で、該反射防止コーティング組成物中のポリマーの吸光バンドの半分の高さと最大吸収との間にある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、異常分散の原理を示し、各記号は以下を意味する。Ca:コーシーの相関Exλ:露光λ(高n、低k領域)ab:吸光バンドha:半値
【図2】図2は、分光エリプソメトリによって測定した、コーティング例2の異常分散効果を示す分散曲線を示し、waは波長を意味する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、高NAリソグラフィにおける反射防止コーティング材料に使用できる、芳香族発色団を持たない新規ポリマーを含む反射防止コーティング組成物を記載する。この材料は、前記ポリマー主鎖の故に及びポリマーに結合した芳香族発色団が無いことから、極端に高いエッチング速度を有する。
【0015】
本発明の反射防止コーティング組成物は、芳香族発色団を含まないポリマー、酸発生剤、場合により及び架橋剤を含み、ここで前記ポリマーは、アミノプラスト類から誘導される構造単位と、ジオール類、トリオール類、ジチオール類、トリチオール類、他のポリオール類、二酸類、三酸類、他のポリ酸類、ジイミド類、ジアミド類、イミド−アミド類またはこれらの混合物から誘導される構造単位とを含み、ここで、前記ジオール類、ジチオール類、トリオール類、トリチオール類、二酸類、三酸類、ジイミド類、ジアミド類またはイミド−アミド類は、IC製造に有用な波長での吸光性を改善しかつ反射防止材料に高いn値を達成するために、場合により、一つもしくはそれ以上の窒素及び/または硫黄原子を含むかあるいは一つもしくはそれ以上のアルケン基を含む。
【0016】
また本発明は、アミノプラスト類から誘導される構造単位と、ジオール類、トリオール類、ジチオール類、トリチオール類、他のポリオール類、二酸類、三酸類、他のポリ酸類、ジイミド類またはこれらの混合物から誘導される構造単位とを含む、芳香族発色団を含まないポリマーであって、前記ジオール類、ジチオール類、トリオール類、トリチオール類、二酸類、三酸類、ジイミド類、ジアミド類またはイミド−アミド類は、場合により、一つもしくはそれ以上の窒素及び/または硫黄原子を含むかあるいは一つまたはそれ以上のアルケン基を含む、前記ポリマーにも関する。
【0017】
また本発明は、本明細書に開示される反射防止コーティング組成物から形成された反射防止膜層を表面上に有する基材を含む被覆された基材であって、前記反射防止膜層が193nmで測定して0.01≦k<0.35の範囲の吸光パラメータ(k)を有する、前記基材にも関する。加えて、本発明は、a)本明細書に記載の反射防止コーティング組成物で基材をコーティングしそしてベークし; b)反射防止膜の上にフォトレジストフィルムをコーティングしそしてベークし; c)フォトレジストを像様露光し、d)フォトレジストに像を現像し; e)場合により、前記露光段階の後に基材をベークすることを含む、像を形成する方法にも関する。
【0018】
更に本発明は、本明細書に記載の反射防止コーティング組成物から形成された反射防止膜層を表面上に有する基材を含む被覆された基材であって、反射防止膜層が、193nmで測定して0.01≦k<0.35の範囲の吸光パラメータ(k)を有する、前記基材にも関する。加えて、本発明は、本明細書に記載の反射防止コーティング組成物で基材をコーティングしそしてベークし; b)反射防止膜の上にフォトレジストフィルムをコーティングしそしてベークし; c)フォトレジストを像様露光し; d)フォトレジストに像を現像し; e)場合により、露光段階の後に基材をベークすることを含む、画像形成方法にも関する。加えて、本発明は、a)基材上に反射防止フィルムを形成し、ここで前記反射防止フィルムは、本発明の反射防止コーティング組成物から形成され、ここで該反射防止コーティング組成物中の前記ジオール類、トリオール類、ジチオール類、トリチオール類、二酸類、三酸類、ジイミド類、ジアミド類またはイミド−アミド類は、反射防止コーティング組成物中のポリマーの最大吸収は、フォトレジストの露光波長より小さくなるように選択され、ここでこの露光波長は、反射防止コーティング組成物中のポリマーの吸光バンドの長波長側で最大吸収と最小吸収との間にあり、その結果、反射防止フィルムの屈折率“n”を高めかつ反射防止フィルムの吸光パラメータ“k”を低める反射防止フィルムの屈折率に対する異常分散寄与を生じ; 及びb)反射防止フィルム上にフォトレジストフィルムを形成することを含む、露光波長に感度のある反射防止フィルム及びフォトレジストフィルムを基材上に形成する方法にも関する。場合により、前記ジオール類、トリオール類、ジチオール類、トリチオール類、他のポリオール類、二酸類、三酸類、他のポリ酸類、ジイミド類、ジアミド類またはイミド−アミド類は、反射防止コーティング組成物中のポリマーの最大吸収はフォトレジストの露光波長より小さくなるように選択することができ、ここで露光波長は、長波長側で、反射防止コーティング組成物中のポリマーの吸光バンドの半分の高さと最大吸収との間にある。
【0019】
本明細書で使用する芳香族発色団とは、環構造中に炭素原子しか含まないアレーン含有発色団、例えばフェニル、ナフチル及びこれらの類似物を意味する。
【0020】
前記ジオール類、トリオール類、ジチオール類、トリチオール類、二酸類、三酸類及びジイミド類の例には、例えば次のもの及びこれらの類似物が挙げられる。
【0021】
【化1】

【0022】
【化2】

【0023】
【化3】

本発明のポリマーは、酸発生剤の援助下に自己架橋性である。
【0024】
前記アミノプラストは、二つもしくはそれ以上のアルコキシ基によって置換されていることができ、そして例えばグリコールウリル−アルデヒド樹脂、メラミン−アルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン−アルデヒド樹脂、及び尿素−アルデヒド樹脂などのアミノプラストに基づくことができる。アルデヒドの例には、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどが挙げられる。場合により、三つまたは四つのアルコキシ基が有用である。モノマー性のアルキル化グリコールウリル−ホルムアルデヒド樹脂が一例である。一つの例は、次の構造を有するテトラ(アルコキシアルキル)グリコールウリルである。
【0025】
【化4】

式中、各Rは(CH−O−(CH−CHであり、各R11は水素またはC〜Cアルキルであり、nは1〜4であり、そしてmは0〜3である。
((A)中の数は、化合物命名用の原子の番号を示す)
テトラ(アルコキシメチル)グリコールウリルの例には、例えば、テトラ(メトキシメチル)グリコールウリル、テトラ(エトキシメチル)グリコールウリル、テトラ(n−プロポキシメチル)グリコールウリル、テトラ(i−プロポキシメチル)グリコールウリル、テトラ(n−ブトキシメチル)グリコールウリル、テトラ(t−ブトキシメチル)グリコールウリル、置換されたテトラ(アルコキシメチル)グリコール類、例えば7−メチルテトラ(メトキシメチル)グリコールウリル、7−エチルテトラ(メトキシメチル)グリコールウリル、7−(i−またはn−)プロピルテトラ(メトキシメチル)グリコールウリル、7−(i−またはsec−またはt−)ブチルテトラ(メトキシメチル)グリコールウリル、7,8−ジメチルテトラ(メトキシメチル)グリコールウリル、7,8−ジエチルテトラ(メトキシメチル)グリコールウリル、7,8−ジ(i−またはn−)プロピルテトラ(メトキシメチル)グリコールウリル、7,8−ジ(i−またはsec−またはt−)ブチルテトラ(メトキシメチル)グリコールウリル、7−メチル−8−(i−またはn−)プロピルテトラ(メトキシメチル)グリコールウリル及びこれらの類似物などが挙げられ得る。テトラ(メトキシメチル)グリコールウリルは、Cytec Industries社からPOWDERLINKの商標で入手できる(例えばPOWDERLINK1174)。他の例には、メチルプロピルテトラメトキシメチルグリコールウリル、及びメチルフェニルテトラメトキシメチルグリコールウリルなどが挙げられる。
【0026】
他のアミノプラストは、Cytec Industries社からCYMELの商標で及びMonsanto Chemical Co.社からRESIMENEの商標で商業的に入手することができる。他のアミン類及びアミド類の縮合生成物も使用することができ、例えばトリアジン類、ジアジン類、ジアゾール類、グアニジン類、グアニミン類、及びアルキル−及びアリール−置換メラミン類も包含するこのような化合物のアルキル−及びアリール−置換誘導体のアルデヒド縮合物などがある。このような化合物の幾つかの例は、N,N’−ジメチル尿素、ベンゾユリア、ジシアンジアミド、ホルマグアナミン、アセトグアナミン、アンメリン、2−クロロ−4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、6−メチル−2,4−ジアミノ、1,3,5−トライジン、3,5−ジアミノトリアゾール、トリアミノピリミジン、2−メルカプト−4,6−ジアミノ−ピリミジン、3,4,6−トリス(エチルアミノ)−1,3,5−トリアジン、トリス(アルコキシカルボニルアミノ)トリアジン、N,N,N’,N’−テトラメトキシメチル尿素及びこれらの類似物である。
【0027】
他の可能なアミノプラスト類には、以下の構造を有する化合物などが挙げられ;
【0028】
【化5】

なお、これらの類似物及び誘導体も包含され、例えば東ソー社の特開平1−293339号公報に記載のものや、並びにエーテル化されたアミノ樹脂、例えばメチル化もしくはブチル化されたメラミン樹脂(それぞれN−メトキシメチル−またはN−ブトキシメチル−メラミン)あるいはメチル化/ブチル化グリコールウリル類、例えばCiba Specialty Chemicals社のカナダ特許第1204547号明細書(特許文献1)に記載のものなどがある。各種メラミン及び尿素樹脂が、Nicalacs(株式会社三和ケミカル)、Plastopal(BASF AG)またはMaprenal(Clariant GmbH)の商標で商業的に入手できる。上記のアミノプラストは、必要な場合には、本発明において架橋剤としても使用することができる。
【0029】
他のタイプの架橋剤には、次のもの、及びその誘導体が挙げられる。
【0030】
【化6】

本発明のポリマーの繰り返し単位の一例は次のものである。
【0031】
【化7】

式中、Zは、ジオール類、トリオール類、ジチオール類、トリチオール類、他のポリオール類、二酸類、三酸類、他のポリ酸類、ジイミド類、ジアミド類、イミド−アミド類またはこれらの混合物の残基であり; Xは、−OR、−O(O=C)R、または
【0032】
【化8】

であり、Rは、水素、置換されていないかもしくは置換されたアルキル、置換されていないかもしくは置換されたアルケン、置換されていないかもしくは置換されたアルキン、または環内に一つまたはそれ以上の窒素及び/または硫黄原子を場合により有する、置換されていないかもしくは置換された6員環であり;R及びRはそれぞれ独立してRであるか、あるいはRとRは、それらが結合している原子と一緒に、環内に一つまたはそれ以上の窒素及び/または硫黄原子を場合により有する、置換されていないかもしくは置換された5員または6員環を形成し; そしてR11はそれぞれ水素またはC1−6アルキルである。
【0033】
繰り返し単位の更に別の例には次のものが挙げられる。
【0034】
【化9】

【0035】
【化10】

【0036】
【化11】

【0037】
【化12】

【0038】
【化13】

【0039】
【化14】

【0040】
【化15】

【0041】
【化16】

【0042】
【化17】

【0043】
【化18】

【0044】
【化19】

本発明のポリマーは、当技術分野で既知の任意の標準的な重合方法、特に縮合重合技術によって製造することができる。該ポリマーは、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合、または類似の方法によって合成することができる。典型的には、アミノプラストを、ジオール類、トリオール類、ジチオール類、トリチオール類またはこれらの混合物と、高められた温度下に、場合によっては及び酸の存在下に縮合して、本発明のポリマーとする。アミノプラストとジオール類、トリオール類、ジチオール類、トリチオール類、他のポリオール類、二酸類、三酸類、他のポリ酸類、ジイミド類またはこれらの混合物との典型的な比率は1:2〜約3:1の範囲、更には約1:1.5〜約2.5:1の範囲である。
【0045】
本発明で使用される酸発生剤、好ましくは熱酸発生剤は、90℃超かつ250℃未満の温度に加熱されると酸を発生する化合物である。この酸は、架橋剤との組み合わせで、ポリマーを架橋する。熱処理後の反射防止膜層は、フォトレジストのコーティング用に使用される溶剤中に不溶性になり、更にフォトレジストの画像形成に使用されるアルカリ性現像剤中にも不溶性である。好ましくは、熱酸発生剤は90℃で、より好ましくは120℃よりも高い温度、更により好ましくは150℃よりも高い温度で活性化される。反射防止膜層はその被膜を架橋させるのに十分な長さの時間加熱される。酸及び熱酸発生剤の例は、ブタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ナノフルオロブタンスルホン酸、ニトロベンジルトシレート類、例えば2−ニトロベンジルトシレート、2,4−ジニトロベンジルトシレート、2,6−ジニトロベンジルトシレート、4−ニトロベンジルトシレート; ベンゼンスルホネート類、例えば2−トリフルオロメチル−6−ニトロベンジル4−クロロベンゼンスルホネート、2−トリフルオロメチル−6−ニトロベンジル4−ニトロベンゼンスルホネート; フェノールスルホネートエステル類、例えばフェニル,4−メトキシベンゼンスルホネート; 有機酸のアルキルアンモニウム塩、例えば10−カンファースルホン酸のトリエチルアンモニウム塩、及びこれらの類似物である。
【0046】
該新規反射防止組成物には遊離の酸を使用してもよいが、遊離の酸よりも熱酸発生剤の方が好ましい。というのも、ポリマーが溶液状態で架橋され得るものである場合には、反射防止溶液の経時的な貯蔵安定性は、酸の存在によって影響を受けるからである。熱酸発生剤は、反射防止フィルムが基材上で加熱された時しか活性化されない。加えて、熱酸(thermal acids)と遊離の酸との混合物も使用できる。ポリマーを効率よく架橋させるには熱酸発生剤が好ましいが、上記ポリマーと架橋剤を含む反射防止コーティング組成物も使用でき、この場合、加熱によりポリマーが架橋される。遊離の酸の例は、限定はされないが、強酸、例えばスルホン酸である。トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸またはこれらの混合物などのスルホン酸が好ましい。
【0047】
該新規組成物は更に光酸発生剤を含んでもよく、それの例は、限定はされないが、オニウム塩、スルホネート化合物、ニトロベンジルエステル類、トリアジン類などである。好ましい光酸発生剤は、オニウム塩及びヒドロキシイミド類のスルホネートエステル、具体的にはジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、ジアルキルヨードニウム塩、トリアルキルスルホニウム塩、及びこれらの混合物である。一種またはそれ以上の架橋性触媒を該組成物に使用することができる。
【0048】
該コーティング組成物の溶剤の例には、アルコール類、エステル類、グライム類、エーテル類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルエステル類、ケトン類、ラクトン類、環状ケトン類、及びこれらの混合物などが挙げられる。このような溶剤の例には、限定はされないが、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、エチル3−エトキシ−プロピオネート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ガンマバレロラクトン、メチル3−メトキシプロピオネート、及びこれらの混合物などが挙げられる。溶剤は、典型的には、約40〜約99重量%の量で存在する。在る特定の場合には、積層システムに使用する場合に該反射防止コーティング組成物の流動特性を助けるのにラクトン系溶剤の添加が有用である。使用する場合には、ラクトン系溶剤は、溶剤系の約1〜約10%を占める。γ−バレロラクトンが有用なラクトン系溶剤の一つである。
【0049】
該組成物中でのポリマーの量は、この組成物の固形分に対し約100重量%〜約1重量%の範囲で変えることができる。使用する場合に、該組成物中の架橋剤の量は、この組成物の固形分に対し0重量%〜約50重量%の範囲で変えることができる。該組成物中の酸発生剤の量は、この組成物の固形分に対し0.1重量%〜約10重量%の範囲で変えることができる。
【0050】
本発明の組成物は、その性能が負の影響を受けないことを条件に、場合により、反射防止コーティング組成物中に典型的に見られる追加の材料、例えばモノマー性染料、低級アルコール、表面レベリング剤、接着促進剤、消泡剤などを含むことができる。
【0051】
該組成物は、基材の表面にコーティングされそして更にドライエッチングに付されるため、該組成物が、半導体デバイスの性質が悪影響を受けない程に十分に低い金属イオン濃度及び十分な純度を有することも想定内である。ポリマーの溶液またはこのポリマーを含む組成物をイオン交換カラムに通すことや、濾過、及び抽出プロセスなどの処理を、金属イオンの濃度及び異物(particles)の減少のために使用することができる。
【0052】
該反射防止膜の光学特性は、露光波長及び他の所望のリソグラフィ特性に合わせて最適化される。一例としては、193nm露光用の該新規組成物の吸光パラメータ(k)は、エリプソメトリを用いて測定して、約0.1〜約1.0、好ましくは約0.2〜約0.75、より好ましくは約0.11〜約0.35の範囲である。屈折率(n)の値は約1.25〜約2.0、好ましくは約1.8〜約2.0の範囲である。193nmにおける該組成物の良好な吸光特性の故に、約20nmのオーダーの非常に薄い反射防止フィルムを使用できる。このことは、非芳香族系のフォトレジスト、例えば193nm、157nm及びより短い波長に感度のあるフォトレジストを使用し、フォトレジストフィルムが薄くそして反射防止フィルムのエッチングマスクとして働かなければならない場合に特に有利である。
【0053】
該反射防止膜が表面に形成される基材は、半導体工業で典型的に使用されるもののうちの任意のものであることができる。適当な基材には、限定はされないが、ケイ素、金属表面で被覆したケイ素基材、銅で被覆したケイ素ウェハ、銅、反射防止膜で被覆した基材、アルミニウム、ポリマー性樹脂、二酸化ケイ素、金属、ドープした二酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化酸化ケイ素、窒化チタン、タンタル、タングステン、銅、ポリシリコン、セラミック、アルミニウム/銅混合物; ヒ化ガリウム及び他のこのような第III/V族化合物及びこれらの類似物などが挙げられる。基材は、上記の材料から作られた任意の数の層を含んでもよい。
【0054】
該コーティング組成物は、当業者には周知の技術、例えばディップコート法、スピンコート法またはスプレーコート法を用いて基材上にコーティングすることができる。該反射防止膜のフィルム厚は約0.01μm〜約1μmの範囲である。被膜は、ホットプレートまたは熱対流炉あるいは他の周知の加熱方法で加熱することができ、そうして残留溶剤を除去しかつ望まれる場合には架橋を誘発し、それで反射防止膜を不溶化して、反射防止膜とフォトレジストとの間の相互混合を防ぐ。温度の好ましい範囲は約90℃〜約250℃である。温度が90℃より低い場合には、溶剤の不十分な除去または不十分な量の架橋が起こり、他方、300℃を超える温度では、組成物が化学的に不安定になる恐れがある。次いで、フォトレジストのフィルムを最上層の反射防止膜の表面にコーティングしそしてベークしてフォトレジスト溶剤を実質的に除去する。コーティング工程の後に、基材の縁を清掃するために当技術分野で周知の方法を用いてエッジビードリムーバを適用してもよい。
【0055】
フォトレジスト組成物には、ネガ型とポジ型の二つのタイプのものがある。ネガ型フォトレジスト組成物を放射線に像様露光すると、放射線に曝された領域のレジスト組成物が現像剤溶液に対し溶けにくくなり(例えば架橋反応が起こる)、他方、未露光の領域のフォトレジスト被膜はこのような溶液に比較的可溶性のままに残る。それ故、露光されたネガ型レジストを現像剤で処理すると、未露光の領域のフォトレジスト被膜が除去され、被膜にネガ型の像が形成され、それによってフォトレジスト組成物が堆積していたその下にある基材表面の所望の部分が裸出される。
【0056】
これに対し、ポジ型フォトレジスト組成物を放射線に像様露光すると、放射線に曝された領域のフォトレジスト組成物が現像剤溶液に対し溶けやすくなり(例えば転位反応が起こる)、他方、未露光の領域は現像剤溶液に対し比較的不溶性のままに残る。それ故、露光されたポジ型フォトレジストを現像剤で処理すると、露光された領域の被膜が除去され、フォトレジスト被膜にポジ型の像が形成される。この場合もまた、下にある表面の所望の部分が裸出される。
【0057】
ネガ型フォトレジスト及びポジ型フォトレジスト組成物並びにそれらの使用は、当業者には周知である。
【0058】
典型的には乾式で行われる上記のポジ型及びネガ型フォトレジストと共に、193nm液浸リソグラフィは、45nmノード以降までのノードのための実行可能な解決策である。193nmでの吸光性アンダーレイヤーでは、低“k”BARCが、シミュレーションに基づいて最適基材反射率制御(optimum substrate reflectivity control)のためにより適している。他方、BARCフィルムは、薄膜リソグラフィにおいて非常に小さな図形のための所望のエッチング選択性を有するために十分に薄いものである必要がある。この低膜厚はBARCに高いn値を要求する。本発明は、非芳香族系色素(dye)を持つ新規ポリマーを含む反射防止コーティング組成物を記載する。この色素は、慣用の193nmBARCの色素、例えばフェニルまたはそれの誘導体よりも193nmでの吸光性が低い。本発明は、色素の賢明な選択によって最大吸収λmax付近での(λmaxは除く)異常分散効果を利用するものである。露光吸光度(193nm)よりも低い最大吸光度を有する色素を使用して非常に大きいn値を達成する。理論的には、コーシーの相関から予測される値よりも高いn値は高いものと考えられ、これは、長波長領域における吸光バンドの半分全体をカバーする。強さが並の色素を使用する場合には、高n低k材料は、理想的には、化学線波長が、吸光バンドの長波長側での吸光バンドの半分の高さにおける波長λと同じになるような最大吸収λmaxを有するべきである(図1)。その位置から短波長方向に半分の長さ(λmax−λ)まで移動した最大吸収λmaxが、露光波長λを図1に示す典型的な高n低k領域中に属させる。屈折率の変動の振幅は、λmaxの位置だけによって決定されるのではなく、クラマース−クローニッヒの関係式に基づく吸光度の強さによっても影響を受ける。原理的には、殆どの場合において、n値の増加は、色素が異常分散領域に相当する極めて強い吸光度を有するかぎり達成することができる。有機BARCの低kの要求はn増大の振幅を制限し、そして色素の選択及び材料開発に関する更なる課題を与えるものである。本発明者らは、160〜190nm、好ましくは170〜190nmの最大吸収を有する色素、例えばシアヌル酸、アルケン、アルキンまたはケトンをポリマー構造に首尾良く組み入れた。エリプソメトリ分光分析によって測定した、コーティング例2(合成例2のポリマー)に基づく分散曲線の例を図2に示す。コーシーの相間に基づく予測は、材料が透明であると仮定して193nmで1.63のn値となる。材料の実際のn値は1.93と測定される。それ故、露光波長は正確には最適な高n低k位置にはないが、0.30の屈折率の増分は分散効果の故と考えられる。
【0059】
反射防止膜に使用される光学指数は、純粋な形または液体溶液中での有機化合物の吸光性とは同じではないことを記載しておくべきである。コーティングの状態での色素の吸光スペクトルは、溶剤、添加剤及び起こり得る化学反応などの化学的及び物理的環境の変化よってシフトし得る。染料は溶液状態で理想的に挙動するが、これは反射防止膜にとっては正しくないことがある。本発明は、各種の注意深く選択された色素を用いて多くの低kBARC材料を研究し、そしてこの作業において上記の構造を提供するものである。
【0060】
本発明では、反射防止コーティング組成物中のジオール類、トリオール類、ジチオール類、トリチオール類、二酸類、三酸類、ジイミド類、ジアミド類またはイミド−アミド類は、基材上に反射防止フィルムを形成するために使用される反射防止コーティング組成物中でポリマーの最大吸収がフォトレジストの露光波長よりも小さくなるように選択することができ、ここでこの露光波長は、反射防止コーティング組成物中のポリマーの吸光バンドの長波長側で、最大吸収と最小吸収との間にあり、その結果、反射防止フィルムの屈折率“n”を高めかつ反射防止フィルムの吸光パラメータ“k”を低める反射防止フィルムの屈折率への異常分散寄与を生じる。幾つかの場合には、ジオール類、トリオール類、ジチオール類、トリチオール類、他のポリオール類、二酸類、三酸類、他のポリ酸類、ジイミド類、ジアミド類またはイミド−アミド類は、反射防止コーティング組成物中のポリマーの最大吸収が、フォトレジストの露光波長のよりも小さくなるように選択でき、ここで、この露光波長は、長波長側で、反射防止コーティング組成物中のポリマーの吸光バンドの半分の高さと、最小吸収との間である。どちらのケースにおいても、反射防止フィルムの屈折率に対する異常分散寄与が、反射防止フィルムの屈折率“n”を高め、反射防止フィルムの吸光パラメータ“k”を低める結果となる。
【0061】
本発明の方法は、本発明のポリマーを含む反射防止コーティング組成物で基材をコーティングし、そしてこの基材を、被膜がフォトレジストのコーティング溶液中にまたは水性アルカリ性現像剤中に不溶性になるのに十分な程度まで、コーティング溶剤を除去しかつ必要ならばポリマーを架橋するのに十分な温度で、十分な長さの時間、ホットプレートまたは熱対流炉あるいは他の周知の加熱方法で加熱することを含む。当技術分野において周知の方法を用いて基材の縁を清掃するためにエッジビードリムーバを適用してもよい。加熱は約70℃〜約250℃の温度の範囲である。温度が70℃未満であると、不十分な溶剤の除去または不十分な量の架橋が起こる恐れがあり、他方、250℃を超える温度では、ポリマーが化学的に不安定になる恐れがある。次いで、フォトレジスト組成物のフィルムを、該反射防止膜の表面上にコーティングし、そしてベークしてフォトレジスト溶剤を実質的に除去する。フォトレジストは像様露光し、そして水性現像剤中で現像して、処理されたレジストを除去する。現像の前及び露光の後に任意選択の加熱段階をプロセスに組み込むことができる。フォトレジストをコーティング及び画像形成する方法は当業者には周知であり、使用する特定のレジストのタイプに合わせて最適化される。次いで、パターン化された基材を、適当なエッチングチャンバ中でドライエッチして、反射防止フィルムの露光された部分を除去することができ、この際、残ったフォトレジストはエッチングマスクとして働く。有機反射防止膜のエッチング用として様々なガスが当技術分野において知られており、例えばO、Cl、F及びCF並びに当技術分野で既知の他のエッチングガスがある。この方法は、一般的に、二層プロセスとして知られている。
【0062】
相互混合を防ぐために反射防止膜とフォトレジストとの間に中間層を配置してもよく、これもまた、本発明の範囲に包含されるものとして想定される。中間層は、溶剤からキャストされる不活性なポリマーであり、このようなポリマーの例はポリスルホン類及びポリイミド類である。
【0063】
加えて、多層システム、例えば三層システム、またはそのための方法も本発明の範囲内に想定される。例えば三層プロセスでは、基材上に有機フィルムを形成し、この有機フィルム上に反射防止フィルムを形成し、そしてこの反射防止フィルムの上にフォトレジストフィルムを形成する。前記有機フィルムは、反射防止フィルムとしても働くことができる。有機フィルムは、スピンコート法などによって基材上に下層レジストフィルムとして形成される。有機フィルムは、次いで、スピンコート法などによって塗布した後に、熱または酸を用いて架橋してもよいし、または架橋しなくともよい。この有機フィルムの上には、反射防止フィルム、例えば本明細書に開示されるものが中間レジストフィルムとして形成される。反射防止フィルム組成物をスピンコート法などによって有機フィルム上に供した後、有機溶剤を蒸発させ、そして反射防止フィルムが上にあるフォトレジストフィルムと相互混合するのを防ぐために架橋反応を促進する目的でベークを行う。反射防止フィルムを形成した後、その上にフォトレジストフィルムを上層レジストフィルムとして形成する。反射防止フィルムの形成と同様に、フォトレジストフィルムの形成にはスピンコート法を用いることができる。フォトレジストフィルム組成物をスピンコート法などによって塗布した後、プリベークを行う。その後、パターン回路領域を露光し、そしてポスト露光ベーク(PEB)及び現像剤を用いた現像を行ってレジストパターンを得る。
【0064】
他の三層レジストプロセスは、底面層をカーボンエッチマスクを用いて形成するといったものである。底面層の上に、ケイ素原子を含む中間レジスト層組成物を用いることによって中間層を形成する。中間層の上には、本発明の反射防止コーティング組成物に基づく反射防止層を形成する。最後に、この反射防止層の上に、フォトレジスト組成物の上面レジスト層組成物を用いて上面層を形成する。この場合、前記中間層を形成するための組成物の例には、ポリシルセスキオキサンに基づくシリコーンポリマー、テトラオルトシリケートガラス(TEOS)、及びこれらの類似物などが挙げられ得る。このような組成物をスピンコートすることによって形成されたフィルム、あるいはCVDによって形成されたSiO、SiNまたはSiONのフィルムを中間層として用いることができる。フォトレジスト組成物の上面レジスト層組成物は、好ましくは、ケイ素原子を持たないポリマーを含む。ケイ素原子を持たないポリマーを含む上面レジスト層は、ケイ素原子含有ポリマーを含む上面レジスト層と比べて優れた解像度を与えるという利点を有する。次いで、上記の二層レジストプロセスと同じ仕方で、上面レジスト層のパターン回路領域を標準的な手順に従い露光する。次いで、ポスト露光ベーク(PEB)及び現像を行ってレジストパターンを得、その後、エッチング及び更なるリソグラフィ工程を行う。
【0065】
以下の例は、本発明の組成物を製造及び使用する方法の詳細な例示を与えるものである。しかし、これらの例は、本発明の範囲を如何様にも限定もしくは減縮することを意図したものではなく、本発明を実施するために排他的に使用しなければならない条件、パラメータまたは値を教示するものと解釈するべきものではない。
【実施例】
【0066】
合成例1
32グラムのテトラメトキシメチルグリコールウリル、13グラムのトリス−(2−ヒドロキシエチル)シアヌル酸及び100グラムのシクロヘキサノンを、温度計、冷水凝縮器及び機械的攪拌機を備えた500mLフラスコ中に仕込んだ。この反応混合物を80℃に加熱した。触媒量のパラ−トルエンスルホン酸一水和物(0.14g)を添加した後、反応をこの温度で6.0時間維持した。次いでこの反応溶液を室温に冷却し、約30%固形分のポリマー溶液が得られた。ポリマーの平均分子量は約2000g/モルである。
【0067】
合成例2
29グラムのテトラメトキシメチルグリコールウリル、16グラムのトリス−(2−ヒドロキシエチル)シアヌル酸及び100グラムのシクロヘキサノンを、温度計、冷水凝縮器及び機械的攪拌機を備えた500mLフラスコ中に仕込んだ。この反応混合物を80℃に加熱した。触媒量のパラ−トルエンスルホン酸一水和物(0.14g)を添加した後、反応をこの温度で6.0時間維持した。次いでこの反応溶液を室温に冷却し、約30%固形分のポリマー溶液が得られた。ポリマーの平均分子量は約2000g/モルである。
【0068】
合成例3
6.1gの無水酢酸、13グラムのトリス−(2−ヒドロキシエチル)シアヌル酸及び120グラムのシクロヘキサノンを、温度計、冷水凝縮器及び機械的攪拌機を備えた500mLフラスコ中に仕込んだ。この混合物を100℃に加熱し、そして0.11gのパラ−トルエンスルホン酸一水和物を加えた。16時間後、この反応混合物を80℃に冷却し、そして32グラムのテトラメトキシメチルグリコールウリルを加えた。反応をこの温度で16.0時間維持した。次いで、この反応溶液を室温に冷却し、そしてポリマー溶液が得られた。
【0069】
合成例4
32グラムのテトラメトキシメチルグリコールウリル、13グラムのトリス−(2−ヒドロキシエチル)シアヌル酸、1.9gの1,4−ジチアン−2,5−ジオール及び100グラムのシクロヘキサノンを、温度計、冷水凝縮器及び機械的攪拌機を備えた500mLフラスコ中に仕込んだ。この反応混合物を80℃に加熱した。触媒量のパラ−トルエンスルホン酸一水和物(0.15g)を添加した後、反応をこの温度で6.0時間維持した。次いでこの反応溶液を室温に冷却し、約30%固形分のポリマー溶液が得られた。
【0070】
合成例5
29.2グラムのテトラメトキシメチルグリコールウリル、8グラムのトリス−(2−ヒドロキシエチル)シアヌル酸、5.4gのトリチオシアヌル酸及び100グラムのシクロヘキサノンを、温度計、冷水凝縮器及び機械的攪拌機を備えた500mLフラスコ中に仕込んだ。この反応混合物を80℃に加熱した。触媒量のパラ−トルエンスルホン酸一水和物(0.15g)を添加した後、反応をこの温度で6.0時間維持した。次いでこの反応溶液を室温に冷却し、約30%固形分のポリマー溶液が得られた。
【0071】
合成例6
29.2グラムのテトラメトキシメチルグリコールウリル、16グラムのトリス−(2−ヒドロキシエチル)シアヌル酸、9.6gのイソシアヌル酸ジアリルエステル及び100グラムのシクロヘキサノンを、温度計、冷水凝縮器及び機械的攪拌機を備えた500mLフラスコ中に仕込んだ。この反応混合物を80℃に加熱した。触媒量のパラ−トルエンスルホン酸一水和物(0.15g)を添加した後、反応をこの温度で6.0時間維持した。次いで、この反応溶液を室温に冷却し、そして約35%固形分のポリマー溶液が得られた。
【0072】
合成例A
600グラムのテトラメトキシメチルグリコールウリル、96グラムのスチレングリコール及び1200グラムのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を、温度計、機械的攪拌機及び冷水凝縮器を備えた2L容積のジャケット付きフラスコ中に仕込みそして85℃に加熱した。触媒量のパラ−トルエンスルホン酸一水和物を添加した後、反応をこの温度で5時間維持した。次いで、この反応溶液を室温に冷却しそして濾過した。その濾液を攪拌しながら蒸留水中にゆっくりと注ぎ入れてポリマーを析出させた。このポリマーを濾過し、水で十分に洗浄しそして減圧炉中で乾燥した(250グラムが得られた)。得られたポリマーは、約17,345g/モルの重量平均分子量及び2.7の多分散性を有していた。
【0073】
合成例B
20gのブタンテトラカルボン酸二無水物、20gの(+)−ジメチルL−タートレート、1.0gのベンジルトリブチルアンモニウムクロライド及び70gのPGMEAを、凝縮器、温度制御器及び機械的攪拌機を備えたフラスコに仕込んだ。窒素雰囲気及び攪拌下に、この混合物を110℃に加熱した。約1〜2時間後に透明な溶液が得られた。温度を110℃に4時間維持した。60℃に冷却した後、40gのPGMEA、60gのアセトニトリル、68gのプロピレンオキシド及び30gのトリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレートを上記の溶液と混合した。反応を52℃で40時間維持した。反応溶液を室温に冷却し、そして高速ブレンダー中で多量の水中にゆっくりと注ぎ入れた。ポリマーを集め、水で十分に洗浄した。最後に、ポリマーを減圧炉中で乾燥した。約32000g/モルの重量平均分子量(MW)を有するポリマー40gが得られた。
【0074】
コーティング調合物例1
合成例1からの1.0gのポリマー溶液を、7gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGMEA/PGME)70/30溶剤中に溶解して約4重量%の溶液を調製した。次いで、この混合物を0.2μm孔サイズのマイクロフィルターに通して濾過し、ケイ素ウェハ上にコーティングしそして200℃で90秒間ベークした。このウェハを、分光エリプソメトリを用いた光学パラメータの評価のために提出した。193nmでの最適化された屈折率“n”、及び吸光パラメータ“k”を表1に示す。
【0075】
コーティング調合物例2
合成例2からの1.0gのポリマー溶液を、7gのPGMEA/PGME70/30溶剤中に溶解して約4重量%の溶液を調製した。次いで、この混合物を0.2μm孔サイズのマイクロフィルターに通して濾過し、ケイ素ウェハ上にコーティングしそして200℃で90秒間ベークした。このウェハを、分光エリプソメトリを用いた光学パラメータの評価のために提出した。193nmでの最適化された屈折率“n”、及び吸光パラメータ“k”を表1に示す。
【0076】
コーティング調合物例3
合成例3からの1.0gのポリマー溶液を、7gのPGMEA/PGME70/30溶剤中に溶解して約4重量%の溶液を調製した。次いで、この混合物を0.2μm孔サイズのマイクロフィルターに通して濾過し、ケイ素ウェハ上にコーティングしそして200℃で90秒間ベークした。このウェハを、分光エリプソメトリを用いた光学パラメータの評価のために提出した。193nmでの最適化された屈折率“n”、及び吸光パラメータ“k”を表1に示す。
【0077】
コーティング調合物例4
合成例4からの1.0gのポリマー溶液を、7gのPGMEA/PGME70/30溶剤中に溶解して約4重量%の溶液を調製した。次いで、この混合物を0.2μm孔サイズのマイクロフィルターに通して濾過し、ケイ素ウェハ上にコーティングしそして200℃で90秒間ベークした。このウェハを、分光エリプソメトリを用いた光学パラメータの評価のために提出した。193nmでの最適化された屈折率“n”、及び吸光パラメータ“k”を表1に示す。
【0078】
コーティング調合物例5
合成例5からの1.0gのポリマー溶液を、7gのPGMEA/PGME70/30溶剤中に溶解して約4重量%の溶液を調製した。次いで、この混合物を0.2μm孔サイズのマイクロフィルターに通して濾過し、ケイ素ウェハ上にコーティングしそして200℃で90秒間ベークした。このウェハを、分光エリプソメトリを用いた光学パラメータの評価のために提出した。193nmでの最適化された屈折率“n”、及び吸光パラメータ“k”を表1に示す。
【0079】
コーティング調合物例6
合成例6からの1.0gのポリマー溶液を、7gのPGMEA/PGME70/30溶剤中に溶解して約4重量%の溶液を調製した。次いで、この混合物を0.2μm孔サイズのマイクロフィルターに通して濾過し、ケイ素ウェハ上にコーティングしそして200℃で90秒間ベークした。このウェハを、分光エリプソメトリを用いた光学パラメータの評価のために提出した。193nmでの最適化された屈折率“n”、及び吸光パラメータ“k”を表1に示す。
コーティング調合物例1〜6の光学パラメータ評価(193nmでのn&k測定)
【0080】
【表1】

【0081】
リソグラフィ調合物例1
合成例1からの2.2gのポリマー溶液及び合成例Aからの0.35gのポリマー固形物を、80gのPGMEA/PGME(70/30)溶剤中に溶解して1.2重量%の溶液を調製した。0.35%のドデシルベンゼンスルホン酸/トリエチルアミン及び1%のトリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルフェートを前記ポリマー溶液に加えた。次いで、この混合物を0.2μm孔サイズのマイクロフィルターに通して濾過した。
【0082】
リソグラフィー調合物1のリソグラフィ性能評価
リソグラフィー調合物例1の反射防止コーティング調合物の性能を、AZ(登録商標)T83472フォトレジスト(AZ Electronic Materials USA Corp.,Somerville,NJの製品)を用いて評価した。ケイ素ウェハを、AZ(登録商標)1C5D底面反射防止コーティング組成物(AZ Electronic Materials USA Corp.,Somerville,NJ)でコーティングして60nm厚のフィルムを形成した。次いで、リソグラフィ調合物例1の21nm厚のフィルムをコーティングしそして200℃で90秒間ベークした。次いで、T83472フォトレジスト溶液の190nm厚のフィルムをコーティングし、そして115℃で60秒間ベークした。次いで、このウェハを、PSMマスクを用いて0.9シグマのダイポールY照明の下に、0.85NAのNikon NSR−306D193nmスキャナを使用して像様露光した。露光されたこのウェハを110℃で60秒間ベークし、そしてAZ(登録商標)300MIF現像剤(AZ Electronic Materials USA Corp.,Somerville,NJから入手可能)中で30秒間現像した。次いで、洗浄したこのウェハを走査電子顕微鏡で検査した。ラインアンドスペースパターンは、定在波、フッティング及びスカミングのいずれも示さなかった。これは該底面反射防止膜の有効性を示す。
【0083】
リソグラフィ調合物例2
合成例1からの2.0gのポリマー溶液及び合成例Bからの0.3gのポリマー固形物を、3gのγ−バレロラクトン及び60gのPGMEA/PGME70/30溶剤中に溶解して1.4重量%の溶液を調製した。1%のドデシルベンゼンスルホン酸/トリエチルアミンをこのポリマー溶液に加えた。次いで、この混合物を0.2μm孔サイズのマイクロフィルターに通して濾過した。
【0084】
リソグラフィ例2のリソグラフィ性能評価
リソグラフィ調合物例2の反射防止コーティング調合物の性能を、T83472フォトレジスト(AZ Electronic Materials USA Corp.,Somerville,NJの製品)を用いて評価した。ケイ素ウェハを、AZ(登録商標)1C5D底面反射防止コーティング組成物(AZ Electronic Materials USA Corp.,Somerville,NJ)でコーティングし、そして200℃で90秒間ベークして52nm厚のフィルムを形成した。次いで、リソグラフィ調合物例1の23nm厚のフィルムをコーティングした。次いで、190nm厚のT83472フォトレジスト溶液をコーティングしそして115℃で60秒間ベークした。次いで、このウェハを、PSMマスクを用いて0.9シグマのダイポールY照射下に、0.85NAのNikon NSR−306D193nmスキャナを使用して像様露光した。この露光されたウェハを110℃で60秒間ベークし、そしてAZ(登録商標)300MIF現像剤(AZ Electronic Materials USA Corp.,Somerville,NJから入手可能)中で30秒間現像した。洗浄したこのウェハを次いで走査電子顕微鏡で検査した。ラインアンドスペースパターンは、定在波、フッティング及びスカミングのいずれも示さなかった。これは該底面反射防止膜の有効性を示す。
【0085】
リソグラフィ調合物例3
合成例2からの4.4gのポリマー溶液を、5gのγ−バレロラクトン及び95gのPGMEA/PGME30/70溶剤中に溶解して1.2重量%の溶液を調製した。1%のトリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルフェートをこのポリマー溶液に加えた。次いで、この混合物を0.2μm孔サイズのマイクロフィルターに通して濾過した。
【0086】
リソグラフィ調合物例3のリソグラフィ性能評価
リソグラフィ調合物例3の反射防止コーティング調合物の性能を、T83472フォトレジスト(AZ Electronic Materials USA Corp.,Somerville,NJの製品)を用いて評価した。ケイ素ウェハを、AZ(登録商標)1C5D底面反射防止コーティング組成物(AZ Electronic Materials USA Corp.,Somerville,NJ)でコーティングし、そして200℃で90秒間ベークして60nm厚のフィルムを形成した。次いで、リソグラフィ調合物例3の20nm厚のフィルムをコーティングした。次いで、190nm厚のT83472フォトレジスト溶液をコーティングしそして115℃で60秒間ベークした。次いで、このウェハを、PSMマスクを用いて0.9シグマのダイポールY照射下に、0.85NAのNikon NSR−306D193nmスキャナを使用して像様露光した。この露光されたウェハを110℃で60秒間ベークし、そしてAZ(登録商標)300MIF現像剤(AZ Electronic Materials USA Corp.,Somerville,NJから入手可能)中で30秒間現像した。洗浄したこのウェハを次いで走査電子顕微鏡で検査した。ラインアンドスペースパターンは、定在波、フッティング及びスカミングのいずれも示さなかった。これは該底面反射防止膜の有効性を示す。
【0087】
本発明の上記の記載は本発明を例示、説明するものである。加えて、該開示は、本発明の好ましい態様を示し、記載するものに過ぎないが、上述の通り、本発明は、他の様々な組み合わせ、改変及び環境においての使用も可能であること、かつ上記の教示及び/または関連する技術分野の技術または知識に相応して、ここに表される発明的思想の範囲内で変更または改変が可能であることは当然に理解されることである。更に、上記の態様は、本発明を実施する上での把握しているベストモードを説明し、そして他の当業者が本発明をそのままでまたは他の態様で及び本発明の特定の適用または使用によって要求される様々な改変をもって利用できるようにすることを意図したものである。応じて、上記の記載は、開示の形態に本発明を限定することを意図したものではない。また、添付の特許請求の範囲は、代替的な態様も含むと解釈されることも意図される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族発色団を含まないポリマー、酸発生剤、場合により及び架橋剤を含む反射防止コーティング組成物であって、前記ポリマーは、アミノプラスト類から誘導される構造単位と、ジオール類、トリオール類、ジチオール類、トリチオール類、他のポリオール類、二酸類、三酸類、他のポリ酸類、ジイミド類、ジアミド類、イミド−アミド類、またはこれらの混合物から誘導される構造単位とを含み、前記ジオール類、ジチオール類、トリオール類、トリチオール類、二酸類、三酸類、ジイミド類、ジアミド類またはイミド−アミド類は、場合により、一つもしくはそれ以上の窒素及び/または硫黄原子を含むかあるいは一つまたはそれ以上のアルケン基を含む、前記反射防止コーティング組成物。
【請求項2】
アミノプラスト類が次のもの、すなわち
【化1】

[式中、各Rは、(CH−O−(CH−CHであり、各R11は水素またはC〜Cアルキルであり、nは1〜4であり、そしてmは0〜3である]
【化2】

【化3】

から選択されるか、あるいは
アミノプラスト類が、
【化4】

[式中、Rは(CH−O−(CH−CHであり、各R11は水素またはC〜Cアルキルであり、nは1〜4であり、そしてmは0〜3である]
である、
請求項1の反射防止コーティング組成物。
【請求項3】
前記ジオール類、ジチオール類、トリオール類、トリチオール類、二酸類、三酸類、ジイミド類、ジアミド類またはイミド−アミド類が、次のものから選択される、請求項1または2の反射防止コーティング組成物。
【化5】

【化6】

【請求項4】
ポリマーが、構造(1A)
【化7】

[式中、Zは、ジオール類、トリオール類、ジチオール類、トリチオール類、他のポリオール類、二酸類、三酸類、他のポリ酸類、ジイミド類、ジアミド類、イミド−アミド類、またはこれらの混合物の残基であり; Xは、−OR、−O(O=C)R、または
【化8】

であり、ここでRは、水素、置換されていないかもしくは置換されたアルキル、置換されていないかもしくは置換されたアルケン、置換されていないかもしくは置換されたアルキン、または環内に一つまたはそれ以上の窒素及び/または硫黄原子を場合により有する、置換されていないかもしくは置換された6員環であり;R及びRはそれぞれ独立してRであるか、またはRとRは、それらが結合する原子と一緒になって、環内に一つまたはそれ以上の窒素及び/または硫黄原子を場合により有する、置換されていないかもしくは置換された5または6員環を形成し; そして各R11は水素またはC1−6アルキルである]
の繰り返し単位、または
次のもの、すなわち
【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

から選択される繰り返し単位、
を含む、請求項1〜3のいずれか一つの反射防止コーティング組成物。
【請求項5】
芳香族発色団を含むポリマーを更に含む、請求項1〜4のいずれか一つの反射防止コーティング組成物。
【請求項6】
芳香族発色団を含まないポリマーであって、アミノプラスト類から誘導される構造単位と、ジオール類、トリオール類、ジチオール類、トリチオール類、他のポリオール類、二酸類、三酸類、他のポリ酸類、ジイミド類またはこれらの混合物から誘導される構造単位とを含み、ここで前記ジオール類、ジチオール類、トリオール類、トリチオール類、二酸類、三酸類、ジイミド類、ジアミド類またはイミド−アミド類が、場合により、一つもしくはそれ以上の窒素及び/または硫黄原子を含むかあるいは一つまたはそれ以上のアルケン基を含み、また該ポリマーは、次もの、すなわち
【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

から選択される繰り返し単位を含む、前記ポリマー。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか一つの反射防止コーティング組成物から形成された反射防止膜層を表面上に有する基材を含む、被覆された基材であって、前記反射防止膜層が、193nmで測定して0.01≦k<0.35の範囲の吸光パラメータ(k)を有する、前記被覆された基材。
【請求項8】
a)請求項1〜5のいずれか一つの反射防止コーティング組成物で基材をコーティングし、そしてベークし; b)この反射防止膜の上にフォトレジストフィルムをコーティングし、そしてベークし; c)フォトレジストを像様露光し; d)フォトレジストに像を現像し; e)場合により、露光段階の後に基材をベークする、ことを含む画像形成方法。
【請求項9】
a)基材上に反射防止フィルムを形成し、ここでこの反射防止フィルムは、請求項1〜5のいずれか一つの反射防止コーティング組成物から形成され、該反射防止コーティング組成物中のジオール類、トリオール類、ジチオール類、トリチオール類、二酸類、三酸類、ジイミド類、ジアミド類またはイミド−アミド類は、反射防止コーティング組成物中のポリマーの最大吸収が、フォトレジストの露光波長より小さくなるように選択され、ここで露光波長は、反射防止コーティング組成物中のポリマーの吸光バンドの長波長側で、最大吸収と最小吸収との間にあり、その結果、反射防止フィルムの屈折率“n”を高めかつ反射防止フィルムの吸光パラメータ“k”を低める、反射防止フィルムの屈折率に対する異常分散寄与を生じ; 及び
b) 前記反射防止フィルムの上にフォトレジストフィルムを形成する、
ことを含む、露光波長に感度を示す反射防止フィルム及びフォトレジストフィルムを基材上に形成する方法。
【請求項10】
a)基材上に反射防止フィルムを形成し、ここで該反射防止フィルムは、請求項1〜5のいずれか一つの反射防止コーティング組成物から形成され、該反射防止コーティング組成物中のジオール類、トリオール類、ジチオール類、トリチオール類、二酸類、三酸類、ジイミド類、ジアミド類またはイミド−アミド類は、該反射防止コーティング組成物中のポリマーの最大吸収が、フォトレジストの露光波長よりも小さくなるように選択され、ここで露光波長は、長波長側で、反射防止コーティング組成物中のポリマーの吸光バンドの半分の高さと、最小吸収との間にあり、その結果、反射防止フィルムの屈折率“n”を高めかつ反射防止フィルムの吸光パラメータ“k”を低める、反射防止フィルムの屈折率に対する異常分散寄与を生じ; 及び
b)上記反射防止フィルムの上にフォトレジストフィルムを形成する、
ことを含む、請求項9の方法。
【請求項11】
前記ジオール類、トリオール類、ジチオール類、トリチオール類、二酸類、三酸類、ジイミド類、ジアミド類またはイミド−アミド類が請求項3に記載のものである、請求項9または10の方法。
【請求項12】
反射防止コーティング組成物に関して、ポリマーが、次のもの、すなわち
【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

から選択される繰り返し単位を含む、請求項9〜11のいずれか一つの方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−527461(P2011−527461A)
【公表日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517254(P2011−517254)
【出願日】平成21年4月29日(2009.4.29)
【国際出願番号】PCT/IB2009/005486
【国際公開番号】WO2010/004378
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(305010827)エイゼット・エレクトロニック・マテリアルズ・ユーエスエイ・コーポレイション (81)
【Fターム(参考)】