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反射防止フィルム、偏光板、及び画像表示装置
説明

反射防止フィルム、偏光板、及び画像表示装置

【課題】十分に屈折率が低く、かつ耐擦傷性に優れた低屈折率層を備えた反射防止フィルムを提供する。
【解決手段】透明支持体上に低屈折率層を有する反射防止フィルムであって、該低屈折率層が、
(A) 一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物


[Rfは炭素原子とフッ素原子または炭素原子とフッ素原子と酸素原子のみから構成されるa価の有機基を表し、Aは単結合または一般式(II)で表される2価の連結基を表し、Qは重合性基または水素原子を表し、aは3から20の整数を表し、b、cはそれぞれ独立に0〜100の整数を表す。但し、a個のQのうち少なくとも2つは重合性基である。該重合性含フッ素化合物中の重合性基を重合させたとき、各架橋間分子量の計算値の少なくとも一つが300より大きい。]
(B)フッ素を含有しない多官能モノマー
(C)光重合開始剤
を含有する組成物から形成される反射防止フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射防止フィルム、該反射防止フィルムを用いた偏光板及び、該反射防止フィルム又は該偏光板をディスプレイの最表面に用いた画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
反射防止フィルムは、一般に、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や液晶表示装置(LCD)のような画像表示装置において、外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するために、光学干渉の原理を用いて反射率を低減する様ディスプレイの最表面に配置される。
【0003】
このような反射防止フィルムは、一般的には、支持体上に、該支持体より低屈折率の、適切な膜厚の低屈折率層を形成することにより作製できる。低い反射率を実現するために、低屈折率層にはできるだけ屈折率の低い材料の使用が望まれる。
【0004】
また、反射防止フィルムは、ディスプレイの最表面に用いられるため高い耐擦傷性が要求される。厚さ100nm前後の薄膜において、高い耐擦傷性を実現するためには、皮膜自体の強度、及び下層への密着性が必要である。
【0005】
材料の屈折率を下げるために、これまでフッ素系の化合物や珪素系の化合物を使用することが知られている。しかしながら、フッ素系化合物は屈折率が低く、透明性及び耐薬品性等に優れているものの耐擦傷性に優れた塗膜を形成するのは困難であるという問題があった。このためにフッ素含有の架橋性材料を用いる手段が提案されている(特許文献1)。
【0006】
一方で、珪素系化合物はフッ素系化合物と比較すると耐擦傷性には優れているものの酸、アルカリといった薬品に対する耐性が低いという問題があった。これより、耐擦傷性、耐薬品性、透明性等に優れた塗膜を得ることは非常に困難であった。
【0007】
低屈折率かつ耐擦傷性に優れた皮膜を形成するためにフッ素含率が高く、重合性基を複数有する架橋基間分子量が小さい含フッ素多官能モノマーが提案されている(特許文献2)。
しかしながら、この場合、架橋基間の分子量が小さくなれば被膜の硬度は高くなるもののフッ素含率は低下する方向であり屈折率を下げる効果が不十分であった。
【0008】
また、本発明で用いることのできる化合物と類似の化合物が、潤滑剤、界面活性剤、撥水撥油材として有用に用いることのできるフッ素系化合物として提案されている(特許文献3)。
しかしながら、これらの化合物も耐擦傷性は満足できるものではなく、改良が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−222702号公報
【特許文献2】特開2006−28409号公報
【特許文献3】特表2006−45159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、高いフッ素含率を有し、十分に屈折率が低く、かつ耐擦傷性に優れた低屈折率層を備えた反射防止フィルム、これを用いた偏光板および画像表示装置の提供にある。
【0011】
本発明者らは、上記課題を解消すべく鋭意検討した結果、下記構成とすることにより前記課題を解決し目的を達成しうることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0012】
1. 透明支持体上に少なくとも1層の低屈折率層を有する反射防止フィルムであって、該低屈折率層が、(A) 下記一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物
【0013】
【化1】

【0014】
[式中、Rfは実質的に炭素原子とフッ素原子または炭素原子とフッ素原子と酸素原子のみから構成されるa価の有機基を表し、Aは単結合または一般式(II)で表される2価の連結基を表し、Qは重合性基または水素原子を表し、aは3から20の整数を表し、b、cはそれぞれ独立に0〜100の整数を表す。但し、a個のQのうち少なくとも2つは重合性基である。また、一般式(I)で表される化合物は、該重合性含フッ素化合物中の重合性基を重合させたとき、各架橋間分子量の計算値の少なくとも一つが300より大きい化合物である。](B)フッ素を含有しない多官能モノマー、および(C)光重合開始剤を含有する塗布組成物から形成される反射防止フィルム。
2. 前記一般式(I)において、Qが−COC(R)=CH、アリル基、エポキシアルキレン基、−(CHSi(W)、−(CHNCOまたは−(CHCN(ここで、Rは水素原子、ハロゲン原子または置換基を有してよいアルキル基を表す。Wはアルコキシ基または水酸基を表す。x、yおよびzはそれぞれ1以上の整数を表す。3個のWは互いに異なってもよい。)である上記1に記載の反射防止フィルム。
3. 前記一般式(I)において、Qが−COC(R)=CH(ここで、Rは水素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表す。)である上記1に記載の反射防止フィルム。
4. 前記aが、3〜6の整数である上記1〜3のいずれかに記載の反射防止フィルム。
5. 前記bおよびcが0である上記1〜3のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
6. 前記一般式(I)において、Qが−COC(R)=CH(ここで、Rは水素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表す)、aが3〜6の整数、bおよびcが0である上記1または2に記載の反射防止フィルム。
7. 前記(B)フッ素を含有しない多官能モノマーが、官能基を3つ以上有する多官能(メタ)アクリレートである上記1〜6のいずれかに記載の反射防止フィルム。
8. 前記塗布組成物が、さらに(D)無機微粒子を含有する上記1〜7のいずれかに記載の反射防止フィルム。
9. 前記(D)無機微粒子の平均粒径が、20nm以上100nm以下であり、前記(D)無機酸化物微粒子の割合が、前記塗布組成物中の全固形分に対して10〜70質量%である上記8に記載の反射防止フィルム。
10. 前記(D)無機微粒子が、オルガノシラン化合物の加水分解物及び/又はその部分縮合物によって表面処理されている上記8または9に記載の反射防止フィルム。
11. 前記(D)無機微粒子のうち少なくとも1種が、内部に空孔を有する粒子である上記8〜10のいずれかに記載の反射防止フィルム。
12. 前記重合性含フッ素化合物が分子内に合わせて3個以上酸素原子、炭素原子、及びケイ素原子のうち少なくともいずれかで置換された炭素原子を有する(ただし、全て単結合で置換されている)上記1〜11のいずれかに記載の反射防止フィルム。
13. 前記(B)フッ素を含有しない多官能モノマーが、不飽和二重結合を有するオルガノシラン化合物を含む上記1〜12のいずれかに記載の反射防止フィルム。
14. 前記(A)重合性含フッ素化合物のフッ素含有率が、該重合性含フッ素化合物の分子量の40.0質量%以上である上記1〜13のいずれかに記載の反射防止フィルム。
15. 前記(A)重合性含フッ素化合物と(B)フッ素を含有しない多官能モノマーの合計量を100質量部とした時に(A)重合性含フッ素化合物の含有量が30〜80質量部である上記1〜14のいずれかに記載の反射防止フィルム。
16. 上記1〜15のいずれかに記載の反射防止フィルムが、偏光板における偏光膜の2枚の保護フィルムのうち少なくとも一方に用いられている偏光板。
17. 上記1〜15のいずれかに記載の反射防止フィルム又は上記16に記載の偏光板がディスプレイの最表面に用いられている画像表示装置。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、高いフッ素含率を有し、十分に屈折率が低く、かつ耐擦傷性に優れた低屈折率層を備えた反射防止フィルム、これを用いた偏光板および画像表示装置が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明の一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物について説明する。
【0017】
Rfは実質的に炭素原子とフッ素原子または炭素原子とフッ素原子と酸素原子のみから構成されるa価の有機基を表し、Aは単結合または一般式(II)で表される2価の連結基を表し、Qは重合性基または水素原子を表し、aは3から20の整数を表し、b、cはそれぞれ独立に0〜100の整数を表す。但し、a個のQのうち少なくとも2つは重合性基である。
なお、実質的に炭素原子とフッ素原子または炭素原子とフッ素原子と酸素原子のみから構成されるとは、水素原子を含有する副成分の割合が10モル%以下、好ましくは5モル%以下、より好ましくは1モル%以下であることを意味する。
また、一般式(I)で表される化合物は、該重合性含フッ素化合物中の重合性基を重合させたとき、各架橋間分子量の計算値の少なくとも一つが300より大きい化合物である。ここで、架橋間分子量の計算値とは、重合性含フッ素化合物(以下含フッ素多官能モノマーともいう。)の重合性基が全て重合した重合体において、合わせて3個以上炭素原子及び/又はケイ素原子が置換した炭素原子を(a)、合わせて3個以上炭素原子及び/又は酸素原子が置換したケイ素原子を(b)とするときに、(a)と(a)、(b)と(b)、又は(a)と(b)で挟まれた原子団の原子量の合計をいう。
【0018】
例えば、後述する含フッ素多官能モノマーの内、F−1を例に挙げて説明する。F−1の重合性基がすべて重合したと仮定すると、式(A)のように表される。
【0019】
【化2】

【0020】
この場合、上記で定義した架橋間分子量の計算の対象となる部分構造は、式(A)の破線で囲まれた部分であり、架橋間分子量の計算値は、C1517=653.0であり、300より大きい。
Rfの炭素数は好ましくは1〜100であり、より好ましくは3〜50であり、さらに好ましくは、6〜30である。aは好ましくは3〜6の整数を表し、bおよびcは好ましくは0〜10の整数を表し、より好ましくは0または1であり、特に好ましくは0である。
【0021】
Qで表される重合性基は、ラジカル、カチオン、又は縮合重合性の基であることが好ましく、−COC(R)=CH、アリル基、エポキシアルキレン基(好ましくはエポキシメチレン基)、−(CHSi(W)、−(CHNCOまたは−(CHCNであることがより好ましい。ここで、Rは水素原子、ハロゲン原子または置換基を有してよいアルキル基を表し、Wはアルコキシ基または水酸基を表し、x、yおよびzはそれぞれ1以上の整数を表し、3個のWは互いに異なってもよい。x、yおよびzはそれぞれ、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。Rにおけるアルキル基の置換基としてはどのような置換基でも構わないが、好ましくはハロゲン原子である。Rは好ましくは水素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基である。a個のQはそれぞれ同じであっても異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。また、a個のQのうち3つ以上が重合性基であることが好ましい。
【0022】
一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物のより好ましい態様は下記一般式(I−1)、(I−2)および(I−3)で表されるものである。
【0023】
【化3】

【0024】
式中、Rf1は酸素原子、または、実質的に炭素原子とフッ素原子または炭素原子とフッ素原子と酸素原子のみから構成されるd価の有機基を表し、Rf2は酸素原子、または、実質的に炭素原子とフッ素原子または炭素原子とフッ素原子と酸素原子のみから構成されるe価の有機基を表し、LfはCFCFCHOまたはCFCHO(いずれも炭素原子側で酸素原子と結合)を表し、AおよびQは上記と同義を表し、d,eはそれぞれ独立に2以上の整数を表し、fは1以上の整数を表す。Rf1およびRf2の炭素数は好ましくは0〜30であり、より好ましくは0〜10である。
【0025】
上記記一般式(I−1)、(I−2)および(I−3)で表される化合物のさらに好ましい態様は、下記一般式(I−1’)、(I−2’)および(I−3’)で表されるものである。
【0026】
【化4】

【0027】
式中、Rf1’は酸素原子、または、実質的に炭素原子とフッ素原子または炭素原子とフッ素原子と酸素原子のみから構成されるd’価の有機基を表し、Rf’は酸素原子、または、実質的に炭素原子とフッ素原子または炭素原子とフッ素原子と酸素原子のみから構成されるe’価の有機基を表し、Rは上記と同義を表し、d’、e’はそれぞれ独立に2または3の整数を表し、f’は1〜4の整数を表す。Rf1’およびRf2’の炭素数は好ましくは0〜30であり、より好ましくは0〜10である。
【0028】
以下に本発明の一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0029】
【化5】

【0030】
【化6】

【0031】
【化7】

【0032】
【化8】

【0033】
【化9】

【0034】
本発明の一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物の製造方法は特に限定されないが、例えば以下のような公知の方法の組み合わせにより製造することができる。尚、以下の説明において、既出の記号については特に記載のない限り前記と同義を表す。
工程1:Rh(CO2R1)aまたはRh(CH2OCOR2)aで表される化合物を米国特許第5,093,432号明細書や国際公開第00/56694号パンフレットに記載の液相フッ素化反応および引き続くメタノールとの反応により、メチルエステル Rf(CO2CH3)aを得る工程。(式中、R1はメチル基やエチル基のような低級アルキル基を表し、R2はアルキル基、好ましくは含フッ素アルキル基、より好ましくはペルフルオロアルキル基を表し、Rhは液相フッ素化反応によりRfとなり得る基を表す。)
【0035】
工程2:Rf(CO2CH3)aで表される化合物を水素化リチウムアルミニウムや水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤で還元してアルコールRf(CH2OH)aを得る工程。
工程3:Rf(CH2OH)aで表される化合物に、エチレンカーボネートまたはエチレンオキシド、およびグリシジルアルコールから選ばれる1種類以上をブロック状またはランダム状に付加させてアルコールをRf(CH2O−A−H)a得る工程。尚、b=c=0の場合、本工程は必要ない。
【0036】
工程4:Rf(CH2O−A−H)aで表される化合物に重合性基を導入して一般式(I)で表される化合物Rf(CH2O−A−Q)aを得る工程。ここで、Qが−COC(R)=CHの場合、重合性基導入反応としては、アルコールRf(CH2O−A−H)aと酸ハライドXCOC(R)=CH(Xはハロゲン原子を表し、好ましくは塩素原子を表す。)とのエステル化反応やカルボン酸HOCOC(R)=CHとの脱水縮合を利用することができる。また、Qがその他の重合性基の場合、アルコールRf(CH2O−A−H)aと対応するハライド化合物との求核置換反応等を利用することができる。
【0037】
次に、本発明の一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物の具体的な合成方法について述べる。
化合物例F-1で表される化合物を以下のルートにより合成した。
【0038】
【化10】

【0039】
(化合物3の合成)
濃塩酸(110ml)に文献[例えばジャーナルオブアメリカンケミカルソシエティー 70, 214(1948)]既知の1(36.6g, 145.6mmol)/メタノール(4ml)溶液を50℃にて1時間かけて滴下した。反応液を65℃にて6時間攪拌後、35℃まで冷却してメタノール(80ml)を添加し、その温度でさらに5時間攪拌した。反応液をトルエン(150ml)/10wt%食塩水(100ml)で抽出し、有機層を減圧にて濃縮した。濃縮残留物にメタノール(40ml)および濃塩酸(1ml)を添加し、室温にて4時間攪拌した。反応液をトルエン(150ml)/7.5wt%重曹水(150ml)で抽出後、有機層を25wt%食塩水(150ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を減圧にて留去した後、残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/3)で精製することにより化合物3(40.8g, 116.5mmol, 80%)を得た。
【0040】
(化合物4の合成)
原料供給口、フッ素供給口、へリウムガス供給口およびドライアイスで冷却した還流装置を経由してフッ素トラップに接続されている排気口を備えた1Lテフロン(登録商標)製容器に、クロロフルオロカーボン溶媒(750ml)を入れて、内温30℃にてヘリウムガスを流速100ml/minで30分間吹き込んだ。引き続き20%F/Nガスを100ml/minで30分間吹き込んだ後、フッ素流量を200ml/minとし、化合物3(15g, 42.8mmol)とヘキサフルオロベンゼン(4.0ml)の混合溶液を1.1ml/hで添加した。フッ素流量を100ml/minに下げ、ヘキサフルオロベンゼン(1.2ml)を0.6ml/hで添加し、さらに20%F/Nガスを100ml/minで15分間流した。反応器をヘリウムガスで置換した後、メタノール(100ml)を加え、1時間攪拌後、減圧にて溶媒を留去した。濃縮残渣をエーテル/炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、エーテル層を硫酸マグネシウム上で乾燥した。エーテルを留去した後、残渣を2mmHgで蒸留精製することにより、化合物4(17.4g, 26.5mmol, 62%)を得た
【0041】
(化合物5の合成)
リチウムアルミニウムヒドリド(3.5g)をジエチルエーテル(300ml)に分散し、10℃以下の温度で化合物4(10g, 15.2mmol)のジエチルエーテル(100ml)溶液を滴下した。反応液を室温にて6時間攪拌し、酢酸エチル(100ml)をゆっくり滴下した。この溶液を、希塩酸水/氷/酢酸エチルにゆっくり注ぎ、不溶物を濾別した。有機層を水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後減圧にて濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/1)で精製することにより化合物5(8.0g,14.0mmol, 92%)を粘稠な油状物として得た。
【0042】
(化合物F-1の合成)
化合物5(5.7g, 10mmol)および炭酸カリウム(9.0g)のアセトニトリル(120ml)溶液に、10℃以下の温度でアクリル酸クロリド(2.7ml)を滴下した。反応液を室温にて5時間攪拌後、炭酸カリウム(8g)およびアクリル酸クロリド(2.5ml)を追加し、さらに20時間攪拌した。反応液を酢酸エチル(500ml)/希塩酸水(500ml)に注ぎ、分液した。有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄後、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/3)で精製することにより化合物F-1(5.4g, 74%)を得た。
【0043】
その他の化合物例についても同様の方法により合成することができる。
【0044】
本発明の重合性含フッ素化合物は、架橋密度とフッ素含率の観点から、含フッ素多官能モノマーの重合性基を全て重合させたとき、架橋間分子量の計算値が全て300より大きくなる含フッ素コア部Rfを有することが好ましい。
【0045】
架橋間分子量の計算値は、300より大きく2000以下であることが好ましく、より好ましくは300より大きく1000以下、さらに好ましくは300より大きく800以下である。重合性含フッ素化合物の重合性基をすべて重合させたときの架橋間分子量が300よりも小さい場合、塗膜の硬度は上がる傾向にあるがフッ素含有率が低下する方向であり屈折率は上昇する。一方で、架橋間分子量が300より大きい場合、塗膜の硬度は下がっていく傾向にあるが、屈折率は低下できる傾向にある。そこで、架橋間分子量が300より大きい重合性含フッ素化合物であってもフッ素を含有しない多官能モノマー、好ましくは無機微粒子を併用することで高い硬度と低屈折率を両立することが可能である。架橋間分子量が2000を超えると、フッ素を含有しない多官能モノマー、好ましくは無機微粒子を併用しても塗膜にしたときの硬度が著しく下がってしまい、さらには、防汚性や耐傷性が悪化する。
また、重合性含フッ素化合物は分子内に合わせて3個以上酸素原子及び/又は炭素原子及び/又はケイ素原子で置換された炭素原子を有する(ただし、カルボニルの酸素原子は除く)ことが好ましい。またこれらが全て単結合で置換されていることがより好ましい。上記炭素原子を含有することで架橋間分子量が300より大きくても硬化時に緻密な架橋網目構造を構築することができ、塗膜の硬度が上がる傾向にある。
【0046】
また本発明において、(A)重合性含フッ素化合物のフッ素含有率は、該重合性含フッ素化合物の分子量の40.0質量%以上であることが好ましい。さらに好ましくは、45.0〜70.0質量%であり、最も好ましくは50.0〜70.0質量%である。この範囲であれば、本発明の組成物において低屈折率と塗膜の硬度が両立できるという効果が奏され好ましい。
【0047】
(B)フッ素を含有しない多官能モノマー
本発明では、上記重合性含フッ素化合物に対して硬化剤としてフッ素を含有しない多官能モノマーを併用する。
【0048】
本発明に用いられるフッ素を含有しない多官能モノマーについて説明する。該モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の重合性官能基を有する化合物が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。特に好ましくは下記の1分子内に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物を用いることができる。これら化合物は、特にポリマー本体に重合性不飽和基を有する化合物を用いた場合に耐擦傷性、あるいは薬品処理後の耐擦傷性改良に対する併用効果が大きく好ましい。
【0049】
(B)成分の具体例としては、ネオペンチルグリコールアクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;
ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;
2,2−ビス{4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル}プロパン、2−2−ビス{4−(アクリロキシ・ポリプロポキシ)フェニル}プロパン等のエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類;等を挙げることができる。
【0050】
さらにはエポキシ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類も、光重合性多官能モノマーとして、好ましく用いられる。
【0051】
中でも、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類が好ましい。さらに好ましくは、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーが好ましく、1分子中に4個以上の(メタ)アクリロイル基を有するものが最も好ましい。例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−クロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
【0052】
(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート系化合物類の具体化合物としては、日本化薬(株)製KAYARAD DPHA、同DPHA−2C、同PET−30、同TMPTA、同TPA−320、同TPA−330、同RP−1040、同T−1420、同D−310、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同GPO−303、大阪有機化学工業(株)製V#3PA、V#400、V#36095D、V#1000、V#1080等のポリオールと(メタ)アクリル酸のエステル化物を挙げることができる。また紫光UV−1400B、同UV−1700B、同UV−6300B、同UV−7550B、同UV−7600B、同UV−7605B、同UV−7610B、同UV−7620EA、同UV−7630B、同UV−7640B、同UV−6630B、同UV−7000B、同UV−7510B、同UV−7461TE、同UV−3000B、同UV−3200B、同UV−3210EA、同UV−3310EA、同UV−3310B、同UV−3500BA、同UV−3520TL、同UV−3700B、同UV−6100B、同UV−6640B、同UV−2000B、同UV−2010B、同UV−2250EA、同UV−2750B(日本合成化学(株)製)、UL−503LN(共栄社化学(株)製)、ユニディック17−806、同17−813、同V−4030、同V−4000BA(大日本インキ化学工業(株)製)、EB−1290K、EB−220、EB−5129、EB−1830,EB−4858(ダイセルUCB(株)製)、ハイコープAU−2010、同AU−2020((株)トクシキ製)、アロニックスM−1960(東亜合成(株)製)、アートレジンUN−3320HA,UN−3320HC,UN−3320HS、UN−904,HDP−4Tなどの3官能以上のウレタンアクリレート化合物、アロニックスM−8100,M−8030,M−9050(東亞合成(株)製、KRM−8307(ダイセルサイテック(株)製)などの3官能以上のポリエステル化合物なども好適に使用することができる。
【0053】
さらに、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する樹脂、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物などのオリゴマー又はプレポリマー等もあげられる。
【0054】
モノマーバインダーとしては、例えば特開2005−76005号、同2005−36105号に記載されたデンドリマーや、例えば特開2005−60425号記載のようなノルボルネン環含有モノマーを用いることもできる。
【0055】
多官能モノマーは、二種類以上を併用してもよい。これらのエチレン性不飽和基を有するモノマーの重合は、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤の存在下、電離放射線の照射または加熱により行うことができる。
【0056】
光重合性多官能モノマーの重合反応には、光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤と光カチオン重合開始剤が好ましく、特に好ましいのは光ラジカル重合開始剤である。
【0057】
(重合開始剤)
本発明の低屈折率層の硬化に有効な重合開始剤について述べる。低屈折率層の構成成分がラジカル重合性化合物の場合には、これら化合物の重合は、光ラジカル開始剤又は熱ラジカル開始剤の存在下、電離放射線の照射又は加熱により行うことができる。
【0058】
(光ラジカル開始剤)
光ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。
【0059】
アセトフェノン類の例には、2,2−ジメトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシ−ジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシ−ジメチル−p−イソプロピルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルホリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノンなどが含まれる。
【0060】
ベンゾイン類の例には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルなどが含まれる。
【0061】
ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルスルフィド、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン及びp−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、3,3',4,4'−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどが含まれる。
【0062】
ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドなどが含まれる。活性エステル類の例には1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、スルホン酸エステル類、環状活性エステル化合物などが含まれる。具体的には特開2000−80068号公報の実施例記載化合物1〜21が特に好ましい。
【0063】
オニウム塩類の例には、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩が挙げられる。ボレート塩の例にはカチオン性色素とのイオンコンプレックス類が挙げられる。
【0064】
活性ハロゲン類としては、具体的には、若林 等の“Bull Chem.Soc Japan”42巻、2924頁(1969年)、米国特許第3,905,815号明細書、特開平5−27830号、M.P.Hutt“Jurnal of Heterocyclic Chemistry”1巻(3号),(1970年)等に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物:s−トリアジン化合物が挙げられる。より好適には、少なくとも一つのモノ、ジまたはトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体が挙げられる。具体的な例にはS−トリアジンやオキサチアゾール化合物が知られており、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(p−スチリルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(3−Br−4−ジ(エチル酢酸エステル)アミノ)フェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−トリハロメチル−5−(p−メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールが含まれる。具体的には特開昭58−15503号公報のp14〜p30、特開昭55−77742号公報のp6〜p10、特公昭60−27673号公報のp287記載のNo.1〜No.8、特開昭60−239736号公報のp443〜p444のNo.1〜No.17、US−4701399のNo.1〜19などの化合物が特に好ましい。
【0065】
上記活性ハロゲン類の具体例は以下の通りである。
【0066】
【化11】

【0067】
【化12】

【0068】
【化13】

【0069】
【化14】

【0070】
【化15】

【0071】
無機錯体の例には、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル]チタニウムが挙げられる。クマリン類の例には3−ケトクマリンが挙げられる。
これらの開始剤は単独でも混合して用いてもよい。
【0072】
本発明において、分子量が高く塗膜から揮散しにくい化合物としては、オリゴマー型の重合開始剤が好ましい。オリゴマー型放射線重合開始剤としては、放射線照射により光ラジカルを発生する部位を有するものであれば、特に制限はない。熱処理による揮散防止のために、重合開始剤の分子量は280以上10,000以下が好ましく、更に好ましくは300以上10,000以下である。より好ましくは、その質量平均分子量が400〜10,000である。質量平均分子量が400以上であれば、揮散性が小さいので好ましく、10,000以下であれば、得られる硬化塗膜の硬度が十分なものとなるので好ましい。オリゴマー型放射線重合開始剤の具体例としては、下記一般式(5)に示すオリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−{4−(1−メチルビニル)フェニル}プロパノン]を挙げることができる。
一般式(5)
【0073】
【化16】

【0074】
上記一般式(5)中、R51は、一価の基、好ましくは一価の有機基、qは2〜45の整数をそれぞれ示す。
【0075】
上記一般式(5)に示すオリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−{4−(1−メチルビニル)フェニル}プロパノン]の市販品としては、フラテツリ・ランベルティ社製商品名「エザキュアKIP150」(CAS−No.163702−01−0、q=4〜6)、「エザキュアKIP65LT」(「エザキュアKIP150」とトリプロピレングリコールジアクリレートの混合物)、「エザキュアKIP100F」(「エザキュアKIP150」と2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンの混合物)、「エザキュアKT37」、「エザキュアKT55」(以上、「エザキュアKIP150」とメチルベンゾフェノン誘導体の混合物)、「エザキュアKTO46」(「エザキュアKIP150」、メチルベンゾフェノン誘導体、及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドの混合物)、「エザキュアKIP75/B」(「エザキュアKIP150」と2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1オンの混合物)等を挙げることができる。
【0076】
「最新UV硬化技術」{(株)技術情報協会}(1991年)、p.159、及び、「紫外線硬化システム」加藤清視著(平成元年、総合技術センター発行)、p.65〜148にも種々の例が記載されており本発明に有用である。
【0077】
市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製の「イルガキュア651」、「イルガキュア184」、「イルガキュア819」、「イルガキュア907」、「イルガキュア1870」(CGI−403/Irg184=7/3混合開始剤)、「イルガキュア500」、「イルガキュア369」、「イルガキュア1173」、「イルガキュア2959」、「イルガキュア4265」、「イルガキュア4263」、「イルガキュア127」、“OXE01”等;日本化薬(株)製の「カヤキュアーDETX−S」、「カヤキュアーBP−100」、「カヤキュアーBDMK」、「カヤキュアーCTX」、「カヤキュアーBMS」、「カヤキュアー2−EAQ」、「カヤキュアーABQ」、「カヤキュアーCPTX」、「カヤキュアーEPD」、「カヤキュアーITX」、「カヤキュアーQTX」、「カヤキュアーBTC」、「カヤキュアーMCA」など;サートマー社製の“Esacure(KIP100F,KB1,EB3,BP,X33,KTO46,KT37,KIP150,TZT)”等、及びそれらの組み合わせが好ましい例として挙げられる。
【0078】
光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーケトン及びチオキサントンなどを挙げることができる。更にアジド化合物、チオ尿素化合物、メルカプト化合物などの助剤を1種以上組み合わせて用いてもよい。
【0079】
市販の光増感剤としては、日本化薬(株)製の「カヤキュアー(DMBI,EPA)」などが挙げられる。
【0080】
(D)無機微粒子
本発明の低屈折率層に用いることのできる無機微粒子について述べる。本発明においては、低屈折率層に無機微粒子を用いることが、低屈折率化、耐擦傷性改良の観点から好ましい。該無機微粒子は、平均粒子サイズが20〜100nmであることが好ましいが、低屈折率化の観点からは、無機の低屈折率粒子が好ましい。
【0081】
無機微粒子としては、低屈折率であることからフッ化マグネシウムやシリカの微粒子が挙げられる。特に、屈折率、分散安定性、コストの点でシリカ微粒子が好ましい。これら無機粒子のサイズ(1次粒径)は、20〜100nmが好ましく、より好ましくは30nm〜80nm、最も好ましくは40〜70nmである。
【0082】
無機微粒子の粒径が小さすぎると、耐擦傷性の改良効果が少なくなり、大きすぎると低屈折率層表面に微細な凹凸ができ、黒の締まりといった外観、積分反射率が悪化する。無機微粒子は、結晶質でも、アモルファスのいずれでも良く、また単分散粒子でも、所定の粒径を満たすならば凝集粒子でも構わない。形状は、球径が最も好ましいが、不定形であっても問題無い。
【0083】
無機微粒子の塗設量は、1mg/m〜100mg/mが好ましく、より好ましくは5mg/m〜80mg/m、更に好ましくは10mg/m〜60mg/mである。少なすぎると、耐擦傷性の改良効果が減り、多すぎると、低屈折率層表面に微細な凹凸ができ、黒の締まりなどの外観や積分反射率が悪化する。
【0084】
(多孔質又は中空の微粒子)
低屈折率化を図るには、多孔質又は内部に空孔を有する中空構造の微粒子を使用することが特に好ましい。これら粒子の空隙率は、好ましくは10〜80%、さらに好ましくは20〜60%、最も好ましくは30〜60%である。中空微粒子の空隙率を上述の範囲にすることが、低屈折率化と粒子の耐久性維持の観点で好ましい。
【0085】
多孔質又は中空粒子がシリカの場合には、微粒子の屈折率は、1.10〜1.40が好ましく、更に好ましくは1.15〜1.35、最も好ましくは1.15〜1.30である。ここでの屈折率は粒子全体として屈折率を表し、シリカ粒子を形成している外殻のシリカのみの屈折率を表すものではない。
【0086】
多孔質又は中空シリカの製造方法は、例えば特開2001−233611号公報や特開2002−79616号公報に記載されている。特にシェルの内部に空洞を有している粒子で、そのシェルの細孔が閉塞されている粒子が特に好ましい。なお、これら中空シリカ粒子の屈折率は特開2002−79616号公報に記載の方法で算出することができる。
【0087】
多孔質又は中空シリカの塗設量は、1mg/m〜100mg/mが好ましく、より好ましくは5mg/m〜80mg/m、更に好ましくは10mg/m〜60mg/mである。少なすぎると、低屈折率化の効果や耐擦傷性の改良効果が減り、多すぎると、低屈折率層表面に微細な凹凸ができ、黒の締まりなどの外観や積分反射率が悪化する。
【0088】
多孔質又は中空シリカの平均粒径は、低屈折率層の厚みの30%以上150%以下が好ましく、より好ましくは35%以上80%以下、更に好ましくは40%以上60%以下である。即ち、低屈折率層の厚みが100nmであれば、中空シリカの粒径は30nm以上150nm以下が好ましく、より好ましくは35nm以上100nm以下、更に好ましくは、40nm以上65nm以下である。本発明においては、空孔含有微粒子はサイズ分布を有していてもよく、その変動係数は好ましくは60%〜5%、更に好ましくは50%〜10%である。また、平均粒子サイズの異なる2種又は3種以上の粒子を混合して用いることもできる。
【0089】
シリカ微粒子の粒径が小さすぎると、空腔部の割合が減り屈折率の低下が見込めず、大きすぎると低屈折率層表面に微細な凹凸ができ、黒の締まりといった外観、積分反射率が悪化する。シリカ微粒子は、結晶質でも、アモルファスのいずれでも良く、また単分散粒子が好ましい。形状は、球径が最も好ましいが、不定形であっても問題無い。
【0090】
また、中空シリカは粒子平均粒子サイズの異なるものを2種以上併用して用いることができる。ここで、中空シリカの平均粒径は電子顕微鏡写真から求めることができる。
【0091】
本発明において中空シリカの比表面積は、20〜300m/gが好ましく、更に好ましくは30〜120m/g、最も好ましくは40〜90m/gである。表面積は窒素を用いBET法で求めることが出来る。
【0092】
本発明においては、中空シリカと併用して空腔のないシリカ粒子を用いることができる。空腔のないシリカの好ましい粒子サイズは、30nm以上150nm以下、更に好ましくは35nm以上100nm以下、最も好ましくは40nm以上80nm以下である。
【0093】
[多孔質又は中空微粒子の調製方法]
中空微粒子の好ましい製造方法を以下に記載する。第1段階として、後処理で除去可能なコア粒子形成、第2段階としてシェル層形成、第3段階としてコア粒子の溶解、必要に応じて第4段階として追加シェル相の形成である。具体的には中空粒子の製造は、例えば特開2001−233611号公報に記載されている中空シリカ微粒子の製造方法に準じて行うことができる。
【0094】
多孔質粒子の好ましい製造方法は、第1段階としてアルコキシドの加水分解や縮合の程度、共存物質の種類や量を制御し多孔質のコア粒子を製造し、第2段階としてその表面にシェル層を形成する方法である。具体的には多孔質粒子の製造は、例えば、特開2003−327424号、同2003−335515号、同2003−226516号、同2003−238140号等の各公報に記載された方法で行うことができる。
【0095】
本発明においては、後述する無機微粒子の吸着水量を減らすことが好ましく、粒子サイズの変更、シェル厚の変更、水熱処理の条件等により制御することができる。また、粒子を焼成することで吸着水量を低減することもできる。
【0096】
(被覆粒子)
シェル厚を厚くすることで粒子表面の吸着サイトを減少させ、吸着水量を低減することが可能であり、好ましい。さらに導電性の成分でシェルを形成すると導電性も付与することができて好ましい。特に好ましくは、コア粒子としてシリカ系の多孔質または中空の粒子を用い、シェルとして、ZnO2、Y23、Sb25、ATO、ITO、SnO2を用いる組み合わせである。以下特に好ましい酸化アンチモン被覆シリカ系微粒子について述べる。
【0097】
本発明に係る酸化アンチモン被覆シリカ系微粒子は、多孔質シリカ系微粒子または内部に空洞を有するシリカ系微粒子が酸化アンチモン被覆層によって被覆されている。前記多孔質シリカ系微粒子には、多孔質のシリカ微粒子とシリカを主成分とする複合酸化物微粒子が含まれ、特開平7−133105号公報に開示した、多孔性の無機酸化物微粒子の表面をシリカ等で被覆した低屈折率のナノメーターサイズの複合酸化物微粒子は好適に用いることができる。
【0098】
また、内部に空洞を有するシリカ系微粒子としては、特開2001−233611号公報に開示した、シリカとシリカ以外の無機酸化物からなり、内部に空洞を有する低屈折率のナノメーターサイズのシリカ系微粒子も好適に用いることができる。
【0099】
このような多孔質シリカ系微粒子または内部に空洞を有するシリカ系微粒子は、平均粒子径が4〜100nm、さらには10〜90nmの範囲にあることが好ましい。平均粒子径が4nm以上であれば、シリカ系微粒子を製造時の問題がなく得ることができ、得られた粒子も安定性が充分であり、また小サイズの粒子を用いた場合に起こり得る単分散の酸化アンチモン被覆シリカ系微粒子が得られないといった問題が生じない。平均粒子径が100nm以下であれば、得られる酸化アンチモン被覆シリカ系微粒子の平均粒子径を120nm以下に抑えることができ、大サイズの酸化アンチモン被覆シリカ系微粒子を用いて透明被膜を形成した場合に起こり得る透明性の低下や、ヘイズが高くなることを抑制できるため好ましい。
【0100】
前記多孔質シリカ系微粒子又は内部に空洞を有するシリカ系微粒子の屈折率は、シリカの屈折率である1.45以下、さらには1.40以下であることが好ましい。なお、屈折率が1.45〜1.46である非孔質のシリカ微粒子を単独で用いることもできるが、反射防止性能の点から多孔質または内部に空洞を有するシリカ系微粒子を用いることが好ましい。
【0101】
前記シリカ系微粒子は、被覆層の平均厚さが0.5〜30nm、好ましくは1〜10nmの範囲にある酸化アンチモンで被覆されていることが好ましい。被覆層の平均厚さが0.5nm以上であれば、シリカ系微粒子を完全に被覆でき、得られる酸化アンチモン被覆シリカ系微粒子の導電性も充分となるため、好ましい。被覆層の厚さが30nm以下であれば、導電性の向上効果が充分得られ、酸化アンチモン被覆シリカ系微粒子の平均粒子径が小さい場合の屈折率の不足を抑制できるため好ましい。
【0102】
本発明に係る酸化アンチモン被覆シリカ系微粒子は、平均粒子径が5〜120nm、さらには10〜100nmの範囲にあることが好ましい。酸化アンチモン被覆シリカ系微粒子の平均粒子径が5nm以上であれば、該微粒子を製造時の問題がなく得ることができ、得られた粒子における凝集粒子を抑制でき、好ましい。また、小粒子で起こり得る、分散性が不充分であるために透明被膜形成に用いた場合に、透明性、ヘイズ、被膜強度、基材との密着性等が不充分となることが生じず、好ましい。酸化アンチモン被覆シリカ系微粒子の平均粒子径が120nm以下であれば、形成された透明被膜は透明性が充分であり、ヘイズも低く抑えられ、好ましい。また、基材との密着性が不充分となることもない。
【0103】
酸化アンチモン被覆シリカ系微粒子の屈折率は1.25〜1.60、さらには1.30〜1.50の範囲にあることが好ましい。屈折率が1.25以上であれば、該粒子を製造時の問題がなく得ることができ、好ましい。また、得られた粒子の強度にも不足がない。他方、屈折率が1.60以下であれば、透明被膜の反射防止性能も充分であり、好ましい。
【0104】
酸化アンチモン被覆シリカ系微粒子の体積抵抗値は10〜5000Ω/cm、さらには10〜2000Ω/cmの範囲にあることが好ましい。体積抵抗値が10Ω/cm以上であれば該粒子を製造時の問題がなく得ることができ、好ましい。また、得られた粒子の屈折率も1.6以下となり、透明被膜の反射防止性能も充分であり、好ましい。他方、体積抵抗値が5000Ω/cm以下であれば、得られる透明被膜の帯電防止性能も充分であり、好ましい。本発明の酸化アンチモン被覆シリカ系微粒子は、必要に応じて常法によりシランカップリング剤により表面処理して用いることができる。
【0105】
[無機微粒子の表面処理方法]
無機微粒子の表面の処理方法について、多孔質又は中空の無機微粒子を例として述べる。低屈折率層形成用バインダーへの分散性を改良するために、無機微粒子の表面は下記一般式(1)で表されるオルガノシランの加水分解物及び/又はその部分縮合物により処理がされているのが好ましく、処理の際に、酸触媒及び金属キレート化合物のいずれか、あるいは両者が使用されることが更に好ましい。
【0106】
(オルガノシラン化合物)
本発明に用いるオルガノシラン化合物について詳細に説明する。
一般式(1):
(R10a1−Si(X114-a1
【0107】
一般式(1)において、R10は、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ヘキシル基、t−ブチル基、s−ブチル基、ヘキシル基、デシル基、ヘキサデシル基等が挙げられる。アルキル基として好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは1〜6のものである。アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
【0108】
11は、水酸基又は加水分解可能な基を表す。加水分解可能な基としては、例えばアルコキシ基(炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられる)、ハロゲン原子(例えばCl、Br、I等)、及びR12COO(R12は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、例えばCH3COO、C25COO等が挙げられる)で表される基が挙げられ、好ましくはアルコキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基又はエトキシ基である。
a1は1〜3の整数を表す。好ましくは1又は2であり、特に好ましくは1である。R10又はX11が複数存在するとき、複数のR10又はX11はそれぞれ異なっていてもよい。
【0109】
10に含まれる置換基としては特に制限はないが、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基(メチル基、エチ基、i−プロピル基、プロピル基、t−ブチル基等)、アリール基(フェニル基、ナフチル基等)、芳香族ヘテロ環基(フリル基、ピラゾリル基、ピリジル基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、ヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基等)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基等)、アリールチオ基(フェニルチオ基等)、アルケニル基(ビニル基、1−プロペニル基等)、アシルオキシ基(アセトキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル基等)、カルバモイル基(カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N−メチル−N−オクチルカルバモイル基等)、アシルアミノ基(アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アクリルアミノ基、メタクリルアミノ基等)等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていてもよい。なお、本明細書においては、水素原子を置換するものが単一の原子であっても、便宜上置換基として取り扱う。
【0110】
10が複数ある場合は、少なくとも1つが置換アルキル基又は置換アリール基であることが好ましい。中でも該置換アルキル基又は置換アリール基がさらにビニル重合性基を有することが好ましく、一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(1−2)で表されるビニル重合性の置換基を有するオルガノシラン化合物として表すことができる。
一般式(1−2):
【0111】
【化17】

【0112】
一般式(1−2)において、R11は、水素原子、メチル基、メトキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子を表す。上記アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。R11としては、水素原子、メチル基、メトキシ基、メトキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子及び塩素原子が好ましく、水素原子、メチル基、メトキシカルボニル基、フッ素原子及び塩素原子が更に好ましく、水素原子及びメチル基が特に好ましい。
【0113】
11は、単結合、エステル基、アミド基、エーテル基又はウレア基を表す。単結合、エステル基及びアミド基が好ましく、単結合及びエステル基が更に好ましく、エステル基が特に好ましい。
【0114】
11は、2価の連結鎖であり、具体的には、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、内部に連結基(例えば、エーテル基、エステル基、アミド基)を有する置換もしくは無置換のアルキレン基、又は内部に連結基を有する置換もしくは無置換のアリーレン基であり、中でも、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリーレン基、内部に連結基を有する炭素数3〜10のアルキレン基が好ましく、無置換のアルキレン基、無置換のアリーレン基、内部にエーテル連結基又はエステル連結基を有するアルキレン基が更に好ましく、無置換のアルキレン基、内部にエーテル連結基又はエステル連結基を有するアルキレン基が特に好ましい。置換基は、ハロゲン、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基、アリール基等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていてもよい。
【0115】
a2は0又は1を表す。X11が複数存在するとき、複数のX11はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。a2として好ましくは0である。
【0116】
10は、前記一般式(1)のR10と同義であり、置換もしくは無置換のアルキル基、無置換のアリール基が好ましく、無置換のアルキル基、無置換のアリール基が更に好ましい。X11も一般式(1)のX11と同義であり、ハロゲン、水酸基、無置換のアルコキシ基が好ましく、塩素、水酸基、無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基が更に好ましく、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基が更に好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
【0117】
本発明に用いるオルガノシラン化合物として、下記一般式(2)で表されるものも好ましい。
一般式(2):(Rf−L21b1−Si(X214- b1
【0118】
上記一般式(2)中、Rfは炭素数1〜20の直鎖、分岐、環状の含フッ素アルキル基、又は炭素数6〜14の含フッ素芳香族基を表す。Rfは、炭素数3〜10の直鎖、分岐、環状のフルオロアルキル基が好ましく、炭素数4〜8の直鎖のフルオロアルキル基が更に好ましい。L21は炭素数10以下の2価の連結基を表し、好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基、更に好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基を表す。アルキレン基は、直鎖もしくは分岐の、置換もしくは無置換の、内部に連結基(例えば、エーテル、エステル、アミド)を有していてもよいアルキレン基である。アルキレン基は置換基を有していてもよく、その場合の好ましい置換基は、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基、アリール基等が挙げられる。X21は、一般式(1)のX11と同義であり、ハロゲン、水酸基、無置換のアルコキシ基が好ましく、塩素、水酸基、無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基が更に好ましく、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基が更に好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
b1は前記一般式(1)のa1と同義であり、1〜3の整数を表す。好ましくは1又は2であり、特に好ましくは1である。
【0119】
次に一般式(2)で表される含フッ素シランカップリング剤の中でも、下記一般式(2−1)で表される含フッ素シランカップリング剤が好ましい。
一般式(2−1):Cn2n+1−(CH2m−Si(X223
上記一般式(2−1)中、nは1〜10の整数、mは1〜5の整数を表す。nは4〜10が好ましく、mは1〜3が好ましく、X22はメトキシ基、エトキシ基、及び塩素原子を表す。
【0120】
一般式(1)、一般式(1−2)、一般式(2)及び一般式(2−1)で表される化合物は2種類以上を併用してもよい。
【0121】
以下に、一般式(1)、一般式(1−2)、一般式(2)及び一般式(2−1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0122】
【化18】

【0123】
【化19】

【0124】
【化20】

【0125】
【化21】

【0126】
【化22】

【0127】
【化23】

【0128】
【化24】

【0129】
【化25】

【0130】
【化26】

【0131】
また、ジシロキサン系の化合物も表面処理剤として用いることができ、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジブチルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、3−グリシドキシプロピルペンタメチルジシロキサンなどが挙げられる。
これらの具体例の中で、(M−1)、(M−2)、(M−30)、(M−35)、(M−49)、(M−51)、(M−56)、(M−57)等が特に好ましい。また、特許第3474330号公報の参考例に記載のA,B,Cの化合物も分散安定性に優れ好ましい。
【0132】
前記一般式(1)、一般式(1−2)、一般式(2)及び一般式(2−1)で表されるオルガノシラン化合物の使用量は、特に制限はないが、無機微粒子当たり1〜300質量%が好ましく、更に好ましくは3〜100質量%、最も好ましくは5〜50質量%である。無機微粒子の表面の水酸基当たりでは1〜300モル%が好ましく、更に好ましくは5〜300モル%、最も好ましくは10〜200モル%である。オルガノシラン化合物の使用量が上記範囲であると、分散液の安定化効果が充分得られ、塗膜形成時に膜強度も上昇する。本発明においては、複数種のオルガノシラン化合物を併用することも好ましく、複数種の化合物を同時に添加することも、添加時間をずらして反応させることもできる。また、複数種の化合物を予め部分縮合物にしてから添加すると反応制御が容易であり好ましい。
【0133】
〔無機微粒子の分散性の改善〕
以上述べたオルガノシラン化合物の加水分解物及び/又はその部分縮合物を無機微粒子表面と作用させることにより、無機微粒子の分散性を改善することができる。オルガノシラン化合物の加水分解/縮合反応は、加水分解性基(X11、X21及びX22)1モルに対して、0.3〜2.0モル、好ましくは0.5〜1.0モルの水を添加し、本発明に用いられる酸触媒又は、金属キレート化合物の存在下、15〜100℃で、撹拌することにより行われることが好ましい。
【0134】
[分散性改良処理の触媒]
オルガノシランの加水分解物及び/又は縮合反応物による分散性の改良処理は、触媒の存在下で行われることが好ましい。触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸類;シュウ酸、酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基類;トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類;トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム等の金属アルコキシド類等が挙げられるが、無機酸化物微粒子液の製造安定性や保存安定性の点から、本発明においては、酸触媒(無機酸類、有機酸類)及び/又は金属キレート化合物が用いられる。無機酸では塩酸、硫酸、有機酸では、水中での酸解離定数(pKa値(25℃))が4.5以下のものが好ましく、塩酸、硫酸、水中での酸解離定数が3.0以下の有機酸がより好ましく、塩酸、硫酸、水中での酸解離定数が2.5以下の有機酸が更に好ましく、水中での酸解離定数が2.5以下の有機酸が更に好ましく、メタンスルホン酸、シュウ酸、フタル酸、マロン酸が更に好ましく、シュウ酸が特に好ましい。
【0135】
オルガノシランの加水分解性基がアルコキシ基で酸触媒が有機酸の場合には、有機酸のカルボキシル基やスルホ基がプロトンを供給するために、水の添加量を減らすことができる。オルガノシランのアルコキシド基1モルに対する水の添加量は、0〜2モル、好ましくは0〜1.5モル、より好ましくは、0〜1モル、特に好ましくは、0〜0.5モルである。また、アルコールを溶媒に用いた場合には、実質的に水を添加しない態様も好適である。
【0136】
(金属キレート化合物)
オルガノシランの加水分解物及び/又は縮合反応物による分散性の改良処理に用いる金属キレート化合物は、下記一般式(3−1)で表されるアルコールと下記一般式(3−2)で表される化合物とを配位子とした、Zr、Ti又はAlから選ばれる金属を中心金属とする少なくとも1種の金属キレート化合物が好ましい。金属キレート化合物は、Zr、Ti又はAlから選ばれる金属を中心金属とするものであれば、特に制限なく好適に用いることができる。この範疇であれば、2種以上の金属キレート化合物を併用してもよい。
一般式(3−1):R31OH
一般式(3−2):R32COCH2COR33
(式中、R31及びR32は、同一又は異なってもよく、炭素数1〜10のアルキル基を示し、R33は炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。)
【0137】
本発明に好適に用いられる金属キレート化合物の具体例としては、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウムキレート化合物;ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどのチタニウムキレート化合物;ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、ジイソプロポキシアセチルアセトナートアルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物などが挙げられる。
【0138】
これらの金属キレート化合物のうち好ましいものは、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムである。これらの金属キレート化合物は、1種単独であるいは2種以上混合して使用することができる。また、これらの金属キレート化合物の部分加水分解物を使用することもできる。これらの金属キレート化合物の量は、オルガノシラン化合物に対して0.1〜10.0質量%が好ましく、更に好ましくは0.5〜5.0質量%、最も好ましくは1.0〜3.0質量%である。
【0139】
(不飽和二重結合を有するオルガノシラン化合物)
低屈折率層には、(B)成分として、不飽和二重結合を有するオルガノシラン化合物又は、該不飽和二重結合を有するオルガノシラン化合物の加水分解物および/またはその部分縮合物等(以下、得られた反応溶液を「ゾル成分」とも称する)を含有させることが、耐擦傷性の点で好ましい。
これら化合物は、前記硬化性組成物を塗布後、乾燥、加熱工程で縮合して硬化物を形成することによりバインダーとして機能する。また、多官能アクリレートポリマー/あるいはモノマーを有する場合、活性光線の照射により3次元構造を有するバインダーが形成される。
本発明において重合性含フッ素化合物と併用した際、これらオルガノシラン化合物は下部に偏析する傾向がある。重合性含フッ素化合物は反対に塗膜の上部に偏析する傾向があることから併用により下層との密着性を向上させることができ、耐擦傷性を大幅に改善することが可能である。
【0140】
具体的化合物例としては、前述の無機微粒子のオルガノシラン化合物(M−1)〜(M−88)を用いることができる。これらのうち、(M−1)、(M−2)、(M−30)および(M−35)が好ましい。
【0141】
該オルガノシラン化合物または、その加水分解物及び/またはその部分縮合物の配合量は、低屈折率層の全固形分の0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜30質量%がより好ましく、1〜20質量%が最も好ましい。
該オルガノシラン化合物は塗布組成物に直接添加してもよいが、前記オルガノシラン化合物をあらかじめ触媒の存在下に処理して前記オルガノシラン化合物の加水分解物および/または部分縮合物を調製し、得られた反応溶液(ゾル液)を用いて前記塗布組成物を調整するのが好ましく、本発明においてはまず前記オルガノシラン化合物の加水分解物および/または部分縮合物および金属キレート化合物を含有する組成物を調製し、これにβ−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物を添加した液を塗布組成物に含有せしめて塗設することが好ましい。
【0142】
(含フッ素共重合体)
本発明における低屈折率層には含フッ素共重合体化合物を好ましく用いることができる。本明細書において、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリロイル」は、それぞれ「アクリレートまたはメタクリレート」、「アクリル酸またはメタクリル酸」、「アクリロイルまたはメタクリロイル」を表す。
含フッ素共重合体は、塗布組成物の固形分中、0〜50質量%が好ましく、5〜30質量%がさらに好ましい。
【0143】
含フッ素ビニルモノマーとしてはフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(商品名、大阪有機化学製)やR−2020(商品名、ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられるが、好ましくはパーフルオロオレフィン類であり、屈折率、溶解性、透明性、入手性等の観点から特に好ましくはヘキサフルオロプロピレンである。これらの含フッ素ビニルモノマーの組成比を上げれば屈折率を下げることができるが、皮膜強度は低下する。本発明では共重合体のフッ素含率が20〜60質量%となるように含フッ素ビニルモノマーを導入することが好ましく、より好ましくは25〜55質量%の場合であり、特に好ましくは30〜50質量%の場合である。
【0144】
上記含フッ素ビニルモノマーと架橋反応性付与のために下記(A)、(B)、(C)で示される単位との共重合体が好ましく利用できる。
【0145】
(A):グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテルのように分子内にあらかじめ自己架橋性官能基を有するモノマーの重合によって得られる構成単位、
(B):カルボキシル基やヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基等を有するモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、マレイン酸、クロトン酸等)の重合によって得られる構成単位、
(C):分子内に上記(A)、(B)の官能基と反応する基とそれとは別に架橋性官能基を有する化合物を、上記(A)、(B)の構成単位と反応させて得られる構成単位、(例えばヒドロキシル基に対してアクリル酸クロリドを作用させる等の手法で合成できる構成単位)が挙げられる。
【0146】
上記(C)の構成単位は該架橋性官能基が光重合性基であることが好ましい。ここに、光重合性基としては、例えば(メタ)アクリロイル基、アルケニル基、シンナモイル基、シンナミリデンアセチル基、ベンザルアセトフェノン基、スチリルピリジン基、α-フェニルマレイミド基、フェニルアジド基、スルフォニルアジド基、カルボニルアジド基、ジアゾ基、o-キノンジアジド基、フリルアクリロイル基、クマリン基、ピロン基、アントラセン基、ベンゾフェノン基、スチルベン基、ジチオカルバメート基、キサンテート基、1,2,3−チアジアゾール基、シクロプロペン基、アザジオキサビシクロ基などを挙げることができ、これらは1種のみでなく2種以上であってもよい。これらのうち、(メタ)アクリロイル基およびシンナモイル基が好ましく、特に好ましくは(メタ)アクリロイル基である。
【0147】
光重合性基含有共重合体を調製するための具体的な方法としては、下記の方法を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
a.水酸基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、(メタ)アクリル酸クロリドを反応させてエステル化する方法、
b.水酸基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、イソシアネート基を含有する(メタ)アクリル酸エステルを反応させてウレタン化する方法、
c.エポキシ基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、(メタ)アクリル酸を反応させてエステル化する方法、
d.カルボキシル基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、エポキシ基を含有する含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させてエステル化する方法。
【0148】
上記光重合性基の導入量は任意に調節することができ、塗膜面状安定性・無機粒子共存時の面状故障低下・膜強度向上などの点からカルボキシル基やヒドロキシル基等を一定量残すことも好ましい。
【0149】
本発明に有用な共重合体では上記含フッ素ビニルモノマーから導かれる繰返し単位および側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する繰返し単位以外に、基材への密着性、ポリマーのTg(皮膜硬度に寄与する)、溶剤への溶解性、透明性、滑り性、防塵・防汚性等種々の観点から適宜他のビニルモノマーを共重合することもできる。これらのビニルモノマーは目的に応じて複数を組み合わせてもよく、合計で共重合体中の0〜65モル%の範囲で導入されていることが好ましく、0〜40モル%の範囲であることがより好ましく、0〜30モル%の範囲であることが特に好ましい。
【0150】
併用可能なビニルモノマー単位には特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2‐ヒドロキシエチル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等)、スチレン誘導体(スチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−メトキシスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、不飽和カルボン酸類(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等)、アクリルアミド類(N、N−ジメチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類(N、N−ジメチルメタクリルアミド)、アクリロニトリル等を挙げることができる。
【0151】
本発明で特に有用な含フッ素ポリマーは、パーフルオロオレフィンとビニルエーテル類またはビニルエステル類のランダム共重合体である。特に単独で架橋反応可能な基((メタ)アクリロイル基等のラジカル反応性基、エポキシ基、オキセタニル基等の開環重合性基等)を有していることが好ましい。これらの架橋反応性基含有重合単位はポリマーの全重合単位の5〜70mol%を占めていることが好ましく、特に好ましくは30〜60mol%の場合である。好ましいポリマーについては、特開2002−243907号、特開2002−372601号、特開2003−26732号、特開2003−222702号、特開2003−294911号、特開2003−329804号、特開2004−4444、特開2004−45462号に記載のものを挙げることができる。
【0152】
本発明の含フッ素ポリマーには防汚性を付与する目的で、ポリシロキサン構造が導入されていることが好ましい。ポリシロキサン構造の導入方法に制限はないが例えば特開平6−93100号、特開平11−189621号、同11−228631号、特開2000−313709号の各公報に記載のごとく、シリコーンマクロアゾ開始剤を用いてポリシロキサンブロック共重合成分を導入する方法、特開平2−251555号、同2−308806号の各公報に記載のごとくシリコーンマクロマーを用いてポリシロキサングラフト共重合成分を導入する方法が好ましい。特に好ましい化合物としては、特開平11−189621号の実施例1、2、及び3のポリマー、又は特開平2−251555号の共重合体A−2及びA−3を挙げることができる。これらのポリシロキサン成分はポリマー中の0.5〜10質量%であることが好ましく、特に好ましくは1〜5質量%である。
【0153】
本発明に好ましく用いることのできるポリマーの好ましい分子量は、質量平均分子量が5000以上、好ましくは10000〜500000、最も好ましくは15000〜200000である。平均分子量の異なるポリマーを併用することで塗膜面状の改良や耐傷性の改良を行うこともできる。
【0154】
(ポリシロキサン系化合物)
次にポリシロキサン系化合物について説明する。本発明では滑り性付与による耐擦傷性向上、及び防汚性の付与を目的としてポリシロキサン構造を有する化合物を用いることが好ましい。化合物の構造は特に制限はなく、ジメチルシリルオキシ単位を繰り返し単位として複数個含む、化合物鎖の末端及び/又は側鎖に置換基を有するものが挙げられる。また、ジメチルシリルオキシを繰り返し単位として含む化合物鎖中にはジメチルシリルオキシ以外の構造単位を含んでもよい。
【0155】
これらの化合物を添加する場合には低屈折率層全固形分の0.01〜20質量%の範囲で添加されることが好ましく、より好ましくは0.05〜10質量%の範囲で添加される場合であり、特に好ましくは0.1〜5質量%の場合である。
【0156】
ポリシロキサン構造を有する化合物の分子量には特に制限はないが、10万以下であることが好ましく、5万以下であることが特に好ましく、3000〜30000であることが最も好ましい。
【0157】
転写を防ぐという観点で、(メタ)アクリロイル基又は(メタ)アクリロイル基と反応して結合を形成する官能基を含有することが好ましい。この結合形成反応は、重合開始剤存在下で速やかに進行することが好ましい。好ましい化合物の例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0158】
好ましい例としてはジメチルシリルオキシ単位を繰り返し単位として複数個含む化合物鎖の末端および/または側鎖に置換基を有するものが挙げられる。ジメチルシリルオキシを繰り返し単位として含む化合物鎖中にはジメチルシリルオキシ以外の構造単位を含んでもよい。置換基は同一であっても異なっていても良く、複数個あることが好ましい。好ましい置換基の例としてはアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリール基、シンナモイル基、オキセタニル基、フルオロアルキル基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基などを含む基が挙げられる。特に(メタ)アクリロイル基を含むことが好ましい。分子量に特に制限はないが、10万以下であることが好ましく、5万以下であることがより好ましく、3000〜30000であることが特に好ましく、10000〜20000であることが最も好ましい。シリコーン系化合物のシリコーン原子含有量には特に制限はないが18.0質量%以上であることが好ましく、25.0〜37.0質量%であることが特に好ましく、30.0〜37.0質量%であることが最も好ましい。好ましいシリコーン系化合物の例 としては信越化学(株)製、X−22−174DX、X−22−2426、X−22−164B、X22−164C、X−22−1821(以上商品名)やチッソ(株)製、FM−0725、FM−7725、FM6621、FM−1121やGelest製DMS−U22、RMS−033、RMS−083、UMS−182、DMS−H21、DMS−H31、HMS−301、FMS121、FMS123、FMS131、FMS141、FMS221(以上商品名)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0159】
防塵性、帯電防止等の特性を付与する目的で、公知のカチオン系界面活性剤あるいはポリオキシアルキレン系化合物のような防塵剤、帯電防止剤等を適宜添加することもできる。これら防塵剤、帯電防止剤は前述したシリコーン系化合物にその構造単位が機能の一部として含まれていてもよい。これらを添加剤として添加する場合には低屈折率層全固形分の0.01〜20質量%の範囲で添加されることが好ましく、より好ましくは0.05〜10質量%の範囲で添加される場合であり、特に好ましくは0.1〜5質量%の場合である。好ましい化合物の例としては東レダウコーニング(株)製、SH−3748(商品名)などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0160】
(反射防止フィルムの層構成)
本発明の反射防止フィルムは、透明支持体(以下、支持体と呼ぶことがある。)上に、屈折率、膜厚、層の数、層順等を考慮して少なくとも一層の反射防止層が積層されている。
【0161】
本発明の反射防止フィルムは、一般に、最も単純な構成では、基材上に低屈折率層のみを塗設した構成である。更に反射率を低下させるには、反射防止層を、基材よりも屈折率の高い高屈折率層と、基材よりも屈折率の低い低屈折率層を組み合わせて構成することが好ましい。構成例としては、基材側から高屈折率層/低屈折率層の2層のものや、屈折率の異なる3層を、中屈折率層(基材又はハードコート層よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているもの等があり、更に多くの反射防止層を積層するものも提案されている。中でも、耐久性、光学特性、コストや生産性等から、ハードコート層を有する基材上に、中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の順に塗布することが好ましい。
【0162】
本発明の反射防止フィルムの好ましい層構成の例を下記に示す。下記構成において、(帯電防止層)と表記したものは、その他の機能を有する層が帯電防止層の機能も合わせ持つ構成である。帯電防止層に帯電防止以外の機能を持たせることで、形成する層の数を減らすことができるため、該構成は生産性が向上し好ましい。
【0163】
・支持体/帯電防止層/低屈折率層、
・支持体/低屈折率層(帯電防止層)、
・支持体/防眩層(帯電防止層)/低屈折率層、
・支持体/防眩層/帯電防止層/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/防眩層(帯電防止層)/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/防眩層/帯電防止層/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/帯電防止層/防眩層/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層(帯電防止層)/防眩層/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/高屈折率層/帯電防止層/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/高屈折率層(帯電防止層)/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/帯電防止層/高屈折率層/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層(帯電防止層)/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層/中屈折率層(帯電防止層)/高屈折率層/低屈折率層、
・支持体/ハードコート層(帯電防止層)/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・支持体/防眩層/高屈折率層(帯電防止層)/低屈折率層、
・支持体/防眩層/中屈折率層(帯電防止層)/高屈折率層/低屈折率層、
・支持体/帯電防止層/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・帯電防止層/支持体/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・支持体/帯電防止層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・帯電防止層/支持体/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・帯電防止層/支持体/防眩層/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層。
【0164】
光学干渉により反射率を低減できるものであれば、特にこれらの層構成のみに限定されるものではない。
【0165】
(透明支持体)
本発明のフィルムの支持体としては、透明樹脂フィルム、透明樹脂板、透明樹脂シートや透明ガラスなど、特に限定は無い。透明樹脂フィルムとしては、セルロースアシレートフィルム(例えば、セルローストリアセテートフィルム(屈折率1.48)、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム)、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム等が使用できる。
【0166】
(セルロースアシレートフィルム)
その中でも、透明性が高く、光学的に複屈折が少なく、製造が容易であり、偏光板の保護フィルムとして一般に用いられているセルロースアシレートフィルムが好ましく、セルローストリアセテートフィルムが特に好ましい。又、透明支持体の厚さは通常25μm〜1000μm程度とする。
【0167】
本発明ではセルロースアシレートフィルムに、酢化度が59.0〜61.5%であるセルロースアセテートを使用することが好ましい。酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。セルロースアシレートの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。
【0168】
また、本発明に使用するセルロースアシレートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の値が1.0に近いこと、換言すれば分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜1.7であることが好ましく、1.3〜1.65であることがさらに好ましく、1.4〜1.6であることが最も好ましい。
【0169】
一般に、セルロースアシレートの2,3,6位の水酸基は全体の置換度の1/3ずつに均等に分配されるわけではなく、6位水酸基の置換度が小さくなる傾向がある。本発明ではセルロースアシレートの6位水酸基の置換度が、2,3位に比べて多いほうが好ましい。
全体の置換度に対して6位の水酸基が32%以上アシル基で置換されていることが好ましく、更には33%以上、特に34%以上であることが好ましい。さらにセルロースアシレートの6位アシル基の置換度が0.88以上であることが好ましい。6位水酸基は、アセチル基以外に炭素数3以上のアシル基であるプロピオニル基、ブチロイル基、バレロイル基、ベンゾイル基、アクリロイル基などで置換されていてもよい。各位置の置換度の測定は、NMRによって求めることができる。
【0170】
本発明ではセルロースアシレートとして、特開平11−5851号公報の段落番号0043〜0044、実施例、合成例1、段落番号0048〜0049、合成例2、段落番号0051〜0052、合成例3に記載の方法で得られたセルロースアセテートを用いることができる。
【0171】
(ポリエチレンテレフタレートフィルム)
本発明では、ポリエチレンテレフタレートフィルムも、透明性、機械的強度、平面性、耐薬品性および耐湿性共に優れており、その上安価であり好ましく用いられる。
透明プラスチックフィルムとその上に設けられるハードコート層との密着強度をより向上させるため、透明プラスチックフィルムは易接着処理が施されたされたものであることが更に好ましい。市販されている光学用易接着層付きPETフィルムとしては東洋紡績社製コスモシャインA4100、A4300等が挙げられる。
【0172】
〔塗布組成物〕
本発明の塗布組成物は、(A)重合性含フッ素化合物、(B)フッ素を含有しない多官能モノマー、(C)光重合開始剤、必要に応じて(D)無機微粒子および上述のその他の成分を含有する。塗布組成物の固形分の含有量は、特に限定されないが、(A)および(B)の合計量を100質量部とした時に(A)の含有量が30〜80質量部であることが好ましい。さらに好ましくは40〜80質量部であり、50〜80質量部であることが最も好ましい。(A)の含有量が80質量部を超えると耐擦傷性が悪化し、30質量部より少ない場合、屈折率が十分に下がらず反射防止効果が小さくなる。
【0173】
(C)に関しては、固形分に対して1〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がさらに好ましい。(D)に関しては、固形分に対して10〜70質量%含有することが好ましく、20〜60質量%含有することがさらに好ましく、30〜60質量%含有することが最も好ましい。
【0174】
塗布組成物には、さらに溶媒を用いることができる。溶媒を用いた場合、塗布組成物中の固形分の濃度が0.1〜90質量%の範囲となるように溶媒を用いるのが好ましい。
【0175】
〔溶媒〕
上記化合物半導体を溶解する溶媒としては、特に限定されないが、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤が好ましく用いられる。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、メチルイソプロピルケトン、エチルイソプロピルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−t−ブチルケトン、ジアセチル、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、メシチルオキサイド、クロロアセトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等をあげることができる。この中でも、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが好ましい。これらの溶媒は単独で用いても、任意の混合比で混合して用いてもよい。
【0176】
また、補助溶媒として、適宜、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、またはフッ素系溶剤(フッ素系アルコールなど)を用いることができる。これらの溶媒は単独で用いても、任意の混合比で混合して用いてもよい。
【0177】
(塗布方式)
本発明の反射防止フィルムは以下の方法で形成することができるが、この方法に制限されない。まず各層を形成するための成分を含有した塗布組成物が調製される。次に、塗布組成物をディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やダイコート法により透明支持体上に塗布し、加熱・乾燥するが、マイクログラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ダイコート法(米国特許2681294号明細書、特開2006−122889号公報参照)がより好ましく、ダイコート法が特に好ましい。
【0178】
塗布後、光照射あるいは加熱して、塗布組成物から形成される層を硬化する。これにより低屈折率層が形成される。必要に応じて、透明支持体上にあらかじめ光学層(以下に述べるフィルムを構成する層、例えば、ハードコート層、防眩層、中屈折率層、高屈折率層など)を塗設しておき、その上に低屈折率層が形成することができる。このようにして本発明の反射防止フィルムが得られる。
【0179】
(ハードコート層)
本発明のフィルムには、フィルムの物理的強度を付与するために、ハードコート層を設けることができる。
好ましくは、その上に低屈折率層が設けられ、更に好ましくはハードコート層と低屈折率層の間に中屈折率層、高屈折率層が設けられ、反射防止フィルムを構成する。
ハードコート層は、二層以上の積層から構成されてもよい。
【0180】
本発明におけるハードコート層の屈折率は、反射防止性のフィルムを得るための光学設計から、屈折率が1.48〜2.00の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1.52〜1.90であり、更に好ましくは1.55〜1.80である。本発明では、ハードコート層の上に低屈折率層が少なくとも1層あるので、屈折率がこの範囲より小さ過ぎると反射防止性が低下し、大き過ぎると反射光の色味が強くなる傾向がある。
【0181】
ハードコート層の膜厚は、フィルムに充分な耐久性、耐衝撃性を付与する観点から、ハードコート層の厚さは通常0.5μm〜50μm程度とし、好ましくは1μm〜20μm、さらに好ましくは5μm〜20μmである。
また、ハードコート層の強度は、鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。さらに、JIS
K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
【0182】
ハードコート層は、電離放射線硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成されることが好ましい。例えば、電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーを含む塗布組成物を透明支持体上に塗布し、多官能モノマーや多官能オリゴマーを架橋反応、又は、重合反応させることにより形成することができる。
電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。
光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。具体的には(フッ素を含有しない多官能モノマー)で挙げた化合物を好ましく用いることができる。
【0183】
ハードコート層には、内部散乱性付与の目的で、平均粒径が1.0〜10.0μm、好ましくは1.5〜7.0μmのマット粒子、例えば無機化合物の粒子または樹脂粒子を含有してもよい。
【0184】
ハードコート層のバインダーには、ハードコート層の屈折率を制御する目的で、高屈折率モノマーまたは無機粒子、或いは両者を加えることができる。無機粒子には屈折率を制御する効果に加えて、架橋反応による硬化収縮を抑える効果もある。本発明では、ハードコート層形成後において、前記多官能モノマーおよび/又は高屈折率モノマー等が重合して生成した重合体、その中に分散された無機粒子を含んでバインダーと称する。
【0185】
画像の鮮明性を維持する目的では、表面の凹凸形状を調整することに加えて、透過画像鮮明度を調整することが好ましい。クリアな反射防止フィルムの透過画像鮮明度は60%以上が好ましい。透過画像鮮明度は、一般にフィルムを透過して映す画像の呆け具合を示す指標であり、この値が大きい程、フィルムを通して見る画像が鮮明で良好であることを示す。透過画像鮮明度は好ましくは70%以上であり、更に好ましくは80%以上である。
【0186】
(防眩層)
防眩層は、表面散乱による防眩性と、好ましくはフィルムの硬度、耐擦傷性を向上するためのハードコート性をフィルムに寄与する目的で形成される。
【0187】
防眩性を形成する方法としては、特開平6−16851号記載のような表面に微細な凹凸を有するマット状の賦型フィルムをラミネートして形成する方法、特開2000−206317号記載のように電離放射線照射量の差による電離放射線硬化型樹脂の硬化収縮により形成する方法、特開2000−338310号記載のように乾燥にて透光性樹脂に対する良溶媒の質量比が減少することにより透光性微粒子および透光性樹脂とをゲル化させつつ固化させて塗膜表面に凹凸を形成する方法、特開2000−275404号記載のように外部からの圧力により表面凹凸を付与する方法などが知られており、これら公知の方法を利用することができる。
【0188】
本発明で用いることができる防眩層は好ましくはハードコート性を付与することのできるバインダー、防眩性を付与するための透光性粒子、および溶媒を必須成分として含有し、透光性粒子自体の突起あるいは複数の粒子の集合体で形成される突起によって表面の凹凸を形成されるものであることが好ましい。
マット粒子の分散によって形成される防眩層は、バインダーとバインダー中に分散された透光性粒子とからなる。防眩性を有する防眩層は、防眩性とハードコート性を兼ね備えていることが好ましい。
【0189】
(高屈折率層、中屈折率層)
本発明のフィルムには、高屈折率層、中屈折率層を設け、反射防止性を高めることができる。以下の本明細書では、この高屈折率層と中屈折率層を高屈折率層と総称して呼ぶことがある。なお、本発明において、高屈折率層、中屈折率層、低屈折率層の「高」、「中」、「低」とは層相互の相対的な屈折率の大小関係を表す。また、透明支持体との関係で言えば屈性率は、透明支持体>低屈折率層、高屈折率層>透明支持体の関係を満たすことが好ましい。また、本明細書では高屈折率層、中屈折率層、低屈折率層を総称して反射防止層と総称して呼ぶことがある。
【0190】
高屈折率層の上に低屈折率層を構築して、反射防止フィルムを作製するためには、高屈折率層の屈折率は1.55〜2.40であることが好ましく、より好ましくは1.60〜2.20、更に好ましくは、1.65〜2.10、最も好ましくは1.80〜2.00である。
【0191】
支持体から近い順に中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層を塗設し、反射防止フィルムを作成する場合、高屈折率層の屈折率は、1.65乃至2.40であることが好ましく、1.70乃至2.20であることがさらに好ましい。中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.55乃至1.80であることが好ましい。
【0192】
高屈折率層および中屈折率層に用いるTiOを主成分とする無機粒子は、分散物の状態で高屈折率層および中屈折率層の形成に使用する。
無機粒子の分散において、分散剤の存在下で分散媒体中に分散する。
【0193】
本発明に用いる高屈折率層および中屈折率層は、分散媒体中に無機粒子を分散した分散液に、好ましくは、さらにマトリックス形成に必要なバインダー前駆体(例えば、後述する電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーなど)、光重合開始剤等を加えて高屈折率層および中屈折率層形成用の塗布組成物とし、透明支持体上に高屈折率層および中屈折率層形成用の塗布組成物を塗布して、電離放射線硬化性化合物(例えば、多官能モノマーや多官能オリゴマーなど)の架橋反応又は重合反応により硬化させて形成することが好ましい。
【0194】
さらに、高屈折率層および中屈折率層のバインダーを層の塗布と同時または塗布後に、分散剤と架橋反応又は重合反応させることが好ましい。
このようにして作製した高屈折率層および中屈折率層のバインダーは、例えば、上記の好ましい分散剤と電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーとが、架橋又は重合反応し、バインダーに分散剤のアニオン性基が取りこまれた形となる。さらに高屈折率層および中屈折率層のバインダーは、アニオン性基が無機粒子の分散状態を維持する機能を有し、架橋又は重合構造がバインダーに皮膜形成能を付与して、無機粒子を含有する高屈折率層および中屈折率層の物理強度、耐薬品性、耐候性を改良する。
【0195】
高屈折率層のバインダーは、該層の塗布組成物の固形分量に対して、5〜80質量%添加する。
【0196】
高屈折率層における無機粒子の含有量は、高屈折率層の質量に対し10〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは15〜80質量%、特に好ましくは15〜75質量%である。無機粒子は高屈折率層内で二種類以上を併用してもよい。
高屈折率層の上に低屈折率層を有する場合、高屈折率層の屈折率は透明支持体の屈折率より高いことが好ましい。
高屈折率層に、芳香環を含む電離放射線硬化性化合物、フッ素以外のハロゲン化元素(例えば、Br,I,Cl等)を含む電離放射線硬化性化合物、S,N,P等の原子を含む電離放射線硬化性化合物などの架橋又は重合反応で得られるバインダーも好ましく用いることができる。
【0197】
高屈折率層の膜厚は用途により適切に設計することができる。高屈折率層を後述する光学干渉層として用いる場合、30〜200nmが好ましく、より好ましくは50〜170nm、特に好ましくは60〜150nmである。
【0198】
高屈折率層のヘイズは、防眩機能を付与する粒子を含有しない場合、低いほど好ましい。5%以下であることが好ましく、さらに好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。
高屈折率層は、前記透明支持体上に直接、又は他の層を介して構築することが好ましい。
【0199】
(低屈折率層)
本発明のフィルムの反射率を低減するため、低屈折率層を用いる。低屈折率層の屈折率は、1.20〜1.46であることが好ましく、1.25〜1.40であることがより好ましく、1.30〜1.37であることが特に好ましい。
【0200】
低屈折率層の厚さは、30〜500nmであることが好ましく、70〜500nmであることがさらに好ましい。
【0201】
低屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。
【0202】
低屈折率層の強度は、500g荷重の鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
【0203】
反射防止フィルムの防汚性能を改良するために、反射防止フィルムの表面の水に対する接触角が90度以上であることが好ましい。更に好ましくは95度以上であり、特に好ましくは100度以上である。
【0204】
(偏光板)
偏光板は、偏光膜とその表側および裏側の両面を保護する2枚の保護フィルムで主に構成される。本発明の反射防止フィルムは、偏光膜を両面から挟む2枚の保護フィルムのうち少なくとも1枚に用いることが好ましい。本発明の反射防止フィルムが保護フィルムを兼ねることで、偏光板の製造コストを低減できる。また、本発明の反射防止フィルムを最表層に使用することにより、外光の映り込み等が防止され、耐傷性、防汚性等も優れた偏光板とすることができる。
【0205】
鹸化処理によって親水化された表面は、ポリビニルアルコールを主成分とする偏光膜との接着性を改良するのに特に有効である。また、親水化された表面は、空気中の塵埃が付着しにくくなるため、偏光膜と接着させる際に偏光膜と反射防止フィルムの間に塵埃が入りにくく、塵埃による点欠陥を防止するのに有効である。
【0206】
鹸化処理は、最外層を有する側とは反対側の透明支持体の表面の水に対する接触角が40゜以下になるように実施することが好ましい。更に好ましくは30゜以下、特に好ましくは20゜以下である。
【0207】
(画像表示装置)
本発明の反射防止フィルムまたは偏光板は、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)、表面電界ディスプレイ(SED)のような画像表示装置に適用することができる。特に好ましくは液晶表示装置(LCD)に用いられる。
【実施例】
【0208】
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特別の断りの無い限り、「部」及び「%」は質量基準である。
【0209】
(反射防止フィルムの各種評価)
(スチールウール(SW)耐傷性評価)
ラビングテスターを用いて、以下の条件でこすりテストをおこなうことで、耐擦傷性の指標とすることが出来る。
評価環境条件:25℃、60%RH
こすり材:スチールウール(日本スチールウール(株)製、ゲレードNo.0000)
試料と接触するテスターのこすり先端部(1cm×1cm)に巻いて、バンド固定。
移動距離(片道):13cm、
こすり速度:13cm/秒、
荷重:500g/cm
先端部接触面積:1cm×1cm、こすり回数:10往復。
こすり終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、こすり部分の傷を反射光で目視観察したり、擦った部分以外との反射光量との差によって評価したりする。
【0210】
(鏡面反射率)
鏡面反射率の測定は、分光光度計“V−550”[日本分光(株)製]にアダプター“ARV−474”を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における出射角−5゜の鏡面反射率を測定し、450〜650nmの平均反射率を算出し、反射防止性を評価することができる。
【0211】
(防汚性試験)
<マジック拭き取り耐久性>
フィルムをガラス面上に粘着剤で固定し、25℃60RH%の条件下で黒マジック「マッキー極細(商品名:ZEBRA製)」のペン先(細)にて直径5mmの円形を3周書き込み、5秒後に10枚重ねに折り束ねたベンコット(商品名、旭化成(株))でベンコットの束がへこむ程度の荷重で20往復拭き取る。マジック後が拭き取りで消えなくなるまで前記の書き込みと拭き取りを前記条件で繰り返し、拭き取りできた回数により防汚性を評価することが出来る。
消えなくなるまでの回数は5回以上であることが好ましく、10回以上であることが更に好ましい。
【0212】
(ハードコート層用塗布液(HCL−1)の調製)
MEK90質量部に対して、シクロヘキサノン10質量部、部分カプロラクトン変性の多官能アクリレート(DPCA−20、日本化薬(株)製)95質量部、光重合開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)5質量部、を添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層用の塗布液(HCL−1)を調製した。
【0213】
(反射防止フィルム試料1の作製)
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム“TAC−TD80U”{富士フイルム(株)製}をロール形態で巻き出して、直接、上記のハードコート層用塗布液(HCL−1)を、線数180本/in、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数30rpm、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、さらに窒素パージ下酸素濃度0.1体積%で160W/cmの「空冷メタルハライドランプ」{アイグラフィックス(株)製}を用いて、放射照度400mW/cm、照射量70mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ10.0μmの層を形成し、巻き取った。このようにしてハードコート層(HC−1)を得た。
【0214】
(中空シリカ粒子分散液の調製)
中空シリカ粒子微粒子ゾル(イソプロピルアルコールシリカゾル、触媒化成工業(株)製CS60−IPA、平均粒子径60nm、シエル厚み10nm、シリカ濃度20%、シリカ粒子の屈折率1.31)500部に、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン20部、およびジイソプロポキシアルミニウムエチルアセテート1.5部加え混合した後に、イオン交換水9部を加えた。60℃で8時間反応させた後に室温まで冷却し、アセチルアセトン1.8部を添加し、分散液Aを得た。その後、シリカの含率がほぼ一定になるようにシクロヘキサノンを添加しながら、圧力30Torrで減圧蒸留による溶媒置換を行い、最後に濃度調整により固形分濃度18.2%の分散液を得た。得られた分散液のIPA残存量をガスクロマトグラフィーで分析したところ0.5%以下であった。
【0215】
(重合性含フッ素化合物の合成)
上記に記載した(F−1)化合物の合成と同様の方法で(F−8)化合物、(F−10)化合物、および(F−13)化合物を合成した。
【0216】
(低屈折率層用塗布液の調製)
各成分を表1のように混合し(質量部)、MEKに溶解して固形分5%の低屈折率層用塗布液を作製した。
【0217】
【表1】

【0218】
なお、上記表中における略号は以下の通りである。
【0219】
「P−1」: 特開2004−45462号公報に記載の含フッ素共重合体P−3(質量平均分子量約50000)
DPHA: ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物、日本化薬(株)製
Irg.127: イルガキュア127、重合開始剤(日本チバガイギー(株)製)
F−1、F−8、F−10、F−13: 上記した例示化合物(重合性含フッ素化合物)
A−1:特開2006−28280号公報に例示の含フッ素アクリレートM−1
RMS−033: メタクリロキシ変性シリコーン(Gelest(株)製)
【0220】
(中屈折率層用塗布液Aの調製)
ZrO2微粒子含有ハードコート剤(デソライトZ7404[屈折率1.72、固形分濃度:60質量%、酸化ジルコニウム微粒子含量:70質量%(対固形分)、酸化ジルコニウム微粒子の平均粒子径:約20nm、溶剤組成:MIBK/MEK=9/1、JSR(株)製])10.0質量部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA)3.0質量部、光重合開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.1質量部、メチルイソブチルケトン86.9.質量部を添加して攪拌した。十分に攪拌ののち、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して中屈折率層用塗布液Aを調製した。
【0221】
(高屈折率層用塗布液Aの調製)
ZrO2微粒子含有ハードコート剤(デソライトZ7404[屈折率1.72、固形分濃度:60質量%、酸化ジルコニウム微粒子含量:70質量%(対固形分)、酸化ジルコニウム微粒子の平均粒子径:約20nm、溶剤組成:MIBK/MEK=9/1、JSR(株)製])15.0質量部に、メチルイソブチルケトン85.0質量部を添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して高屈折率層用塗布液Aを調製した。
【0222】
(試料NO.1〜8の塗設)
ハードコート層(HC−1)の上に、上記低屈折率層用塗布液Ln−1〜8を用い、低屈折率層膜厚が95nmになるように調節して、マイクログラビア塗工方式で反射防止フィルム試料1〜8を作製した。
【0223】
低屈折率層の乾燥条件は60℃、60秒とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が0.1体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600mW/cm2、照射量600mJ/cm2の照射量とした。
【0224】
(試料NO.9の塗設)
ハードコート層(HC−1)の上に、上記中屈折率層用塗布液Aを用いて中屈折率層膜厚が60nmとなるように調節してマイクログラビア塗工方式で中屈折率層を塗布した後、その上に高屈折率層用塗布液Aを用いて高屈折率層膜厚が110nmとなるように調節してマイクログラビア塗工方式で高屈折率層を塗布した後、最後に低屈折率層用塗布液Ln−5を用いて低屈折率層膜厚が90nmとなるように低屈折率層を設け、反射防止フィルム試料9を作成した。低屈折率層の塗工条件は反射防止フィルム試料1〜8と同様とした。
【0225】
中屈折率層の乾燥条件は90℃、30秒とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら180W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量240mJ/cm2の照射量とした。
【0226】
高屈折率層の乾燥条件は90℃、30秒とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量240mJ/cm2の照射量とした。
【0227】
(反射防止フィルムの評価)
上記の反射防止フィルムを用いて以下の評価を行った。
【0228】
(評価1)スチールウール耐傷性評価
上記記載の方法により試験し、こすり終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、反射光で目視観察して、こすり部分の傷を、以下の基準で評価した。荷重500g/cm、回数は10往復とした。
A :非常に注意深く見ても、全く傷が見えない。
B :非常に注意深く見ると僅かに弱い傷が見える。
C :弱い傷が見える。
D :中程度の傷が見える。
E :一目見ただけで分かる傷がある。
【0229】
(評価2)防汚耐久性
上記記載の方法により試験し、マジックが消えなくなるまでの回数を求めた。消えなくなるまでの回数は5回以上であることが好ましく、10回以上であることが更に好ましい。
【0230】
(評価3)鏡面反射率の評価
上記に記載の方法で入射角5°における出射角−5゜の鏡面反射率を測定した。
【0231】
評価結果を表2に示す。
【0232】
【表2】

【0233】
上記結果より、本発明において、本発明の反射防止フィルムは、屈折率が低く、かつ耐擦傷性、防汚耐久性に優れていることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明支持体上に少なくとも1層の低屈折率層を有する反射防止フィルムであって、該低屈折率層が、
(A) 下記一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物
【化1】

[式中、Rfは実質的に炭素原子とフッ素原子または炭素原子とフッ素原子と酸素原子のみから構成されるa価の有機基を表し、Aは単結合または一般式(II)で表される2価の連結基を表し、Qは重合性基または水素原子を表し、aは4から20の整数を表し、b、cはそれぞれ独立に0〜100の整数を表す。但し、a個のQのうち少なくとも4つは重合性基である。また、一般式(I)で表される化合物は、該重合性含フッ素化合物中の重合性基を重合させたとき、各架橋間分子量の計算値の少なくとも一つが300より大きい化合物である。]
(B)フッ素を含有しない多官能モノマー、および
(C)光重合開始剤
を含有し、
前記(A)重合性含フッ素化合物と(B)フッ素を含有しない多官能モノマーの合計量を100質量部とした時に(A)重合性含フッ素化合物の含有量が30〜80質量部である
塗布組成物から形成される反射防止フィルム。
【請求項2】
前記塗布組成物がさらに含フッ素共重合体化合物を全固形分に対して0〜30質量%含有する請求項1に記載の反射防止フィルム。
【請求項3】
前記一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物が下記一般式(I−1)、(I−2)、又は(I−3)で表される化合物である請求項1又は2に記載の反射防止フィルム。
【化2】


式中、Rf1は酸素原子、または、実質的に炭素原子とフッ素原子または炭素原子とフッ素原子と酸素原子のみから構成されるd価の有機基を表し、Rf2は酸素原子、または、実質的に炭素原子とフッ素原子または炭素原子とフッ素原子と酸素原子のみから構成されるe価の有機基を表し、LfはCFCFCHOまたはCFCHO(いずれも炭素原子側で酸素原子と結合)を表し、AおよびQは上記と同義を表し、d,eはそれぞれ独立に2以上の整数を表し、fは1以上の整数を表す。
【請求項4】
前記一般式(I)、(I−1)、(I−2)、又は(I−3)において、Qが−COC(R)=CH(ここで、Rは水素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表す。)である請求項1〜3のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。
【請求項5】
前記aが、4〜6の整数である請求項1、2、4のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。
【請求項6】
前記bおよびcが0である請求項1、2、4、5のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。
【請求項7】
前記一般式(I)において、Qが−COC(R)=CH(ここで、Rは水素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表す)、aが4〜6の整数、bおよびcが0である請求項1または2に記載の反射防止フィルム。
【請求項8】
前記(B)フッ素を含有しない多官能モノマーが、官能基を3つ以上有する多官能(メタ)アクリレートである請求項1〜7のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。
【請求項9】
前記塗布組成物が、さらに(D)無機微粒子を含有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。
【請求項10】
前記(D)無機微粒子の平均粒径が、20nm以上100nm以下であり、前記(D)無機酸化物微粒子の割合が、前記塗布組成物中の全固形分に対して10〜70質量%である請求項9に記載の反射防止フィルム。
【請求項11】
前記(D)無機微粒子が、オルガノシラン化合物の加水分解物及びその部分縮合物のうち少なくともいずれかによって表面処理されている請求項9または10に記載の反射防止フィルム。
【請求項12】
前記(D)無機微粒子のうち少なくとも1種が、内部に空孔を有する粒子である請求項9〜11のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。
【請求項13】
前記重合性含フッ素化合物が分子内に合わせて3個以上酸素原子、炭素原子、及びケイ素原子のうち少なくともいずれかで置換された炭素原子を有する(ただし、全て単結合で置換されている)請求項1〜12のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。
【請求項14】
前記(B)フッ素を含有しない多官能モノマーが、不飽和二重結合を有するオルガノシラン化合物を含む請求項1〜13のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。
【請求項15】
前記(A)重合性含フッ素化合物のフッ素含有率が、該重合性含フッ素化合物の分子量の40.0質量%以上である請求項1〜14のいずれか一項に記載の反射防止フィルム。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の反射防止フィルムが、偏光板における偏光膜の2枚の保護フィルムのうち少なくとも一方に用いられている偏光板。
【請求項17】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の反射防止フィルム又は請求項16に記載の偏光板がディスプレイの最表面に用いられている画像表示装置。

【公開番号】特開2013−109372(P2013−109372A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−26072(P2013−26072)
【出願日】平成25年2月13日(2013.2.13)
【分割の表示】特願2008−251926(P2008−251926)の分割
【原出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】