説明

反射防止組成物及びそれを用いた方法

a)式1の化合物、b)熱酸発生剤、c)少なくとも一種のポリマーを含む、新規反射防止コーティング組成物が提供される。
【化1】


式中、U及びUは独立してC−C10アルキレン基であり; Vは、C−C10アルキレン、アリーレン及び芳香族アルキレンから選択され; Wは、H、C−C10アルキル、アリール、アルキルアリール及びV−OHから選択され; Yは、H、W、及びUC(O)OWから選択され、ここで、Uは独立してC−C10アルキレン基であり、そしてmは1〜10である。リソグラフィプロセスで基材のための反射防止コーティングとして上記組成物を使用する方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一種のポリマー樹脂、超屈折率(n)増強剤(hyper refractive index(n)enhancer)である化合物、及び熱酸発生剤を含む新規の反射防止組成物に関する。また本発明は、このような超屈折率組成物をフォトリソグラフィプロセスにおいて反射防止基材コーティングとして使用する方法にも関する。フォトリソグラフィとは、次いでエッチングにより基材に転写できるフォトレジストパターンを形成するための光化学的プロセスである。このような光化学的プロセスは、集積回路及びコンピュータチップの製造に使用される。集積回路は、表面上に完全な電子回路が配設された、基材と知られるケイ素ウェハから製造される。液浸リソグラフィは、深紫外線リソグラフィイメージングの解像限界を拡張するために使用される技術である。乾式リソグラフィイメージングで行われるようにレンズとウェハ面との間に空気または他の低屈折率ガスを用いるのではなく、液浸リソグラフィは、対物レンズとウェハとの間に液体を配し、それによってウェハ面における像の形成により高いオーダーの光を関与させることを可能にする。液浸リソグラフィの方法は、“Immersion liquids for lithography in deep ultraviolet”Switkes et al.Vol.5040,p.690−699,Proceedings of SPIE(非特許文献1)に記載されている。
【0002】
典型的には、このようなマイクロリソグラフィプロセスでは、基材を、フォトレジストと知られる薄い感光性フィルムでコーティングする。次いで、フォトレジストがコーティングされたこの基材をベークしてフォトレジスト組成物中の溶剤を蒸発させ、基材上にコーティングを定着させる。基材のフォトレジストがコーティングされそしてベークされた表面は次いで像様放射線露光に付す。
【0003】
放射線露光すると、コーティングされた表面の露光された領域が化学的な変化を起こす。液浸リソグラフィも含めてマイクロリソグラフィプロセスに常用される放射線の形態には、可視光線、紫外線(UV)、電子ビーム、極端紫外線(euv)、及びX線放射エネルギーなどが挙げられる。典型的には、放射線露光は、パターン化されたマスクを通して、選ばれた波長の光でフィルムを照射することによって成し遂げられる。露光されたフォトレジストは、基材に転写されそして最終的には集積回路に組み込まれるパターンを描画する。この像様露光の後に、コーティングされた基材は現像剤溶液で処理して、フォトレジストの放射線露光された領域または未露光の領域のいずれかを溶解、除去する。
【0004】
集積回路(IC)は益々小型になっており、それに伴い、フォトリソグラフィプロセスは、マイクロメータ以下、例えばおおよそ半マイクロメータの寸法を有する回路素子を製造している。しかし、フォトリソグラフィの露光ステップの間に基材から反射する散乱光が、所望の露光プロフィルを妨害し、それ故サブミクロンのIC素子を得ることの妨げとなる。
【0005】
マイクロメータ以下のIC素子寸法を精密に制御するために、正確な露光手順が、フォトレジストへのマイクロメータ以下の設計特徴(design feature)の転写にとって絶対不可欠であり、これには、適切な線量の放射線の供給や、正確なパターンの転写などがある。露光手順の正確さは、基材から反射してフォトレジスト中に逆戻りする光によって悪影響を受ける。このような反射された光は、元は露光されていないフォトレジスト中に伝わり、そして事実上、転写されたパターンを変化させてしまう恐れがある。他の悪影響は、反射された光が露光されたフォトレジスト中に逆戻りしして、これが、伝送される放射線と干渉し、それによってフォトレジストに吸収される放射線の線量を変化させてしまう時に起こり得る。
【0006】
生ずる干渉は、フォトレジストを現像するのに必要な放射線線量を、フォトレジストの厚さに左右されて変化させる恐れがある。レジスト厚への敏感性は、マイクロメータ以下の設計特徴を達成するのに必要なより短い波長において強調される。反射光の有害な効果は干渉効果と称される。これらの干渉効果は、非垂直なフォトレジストプロフィル、臨界線幅寸法の変化、及び反射ノッチングとして現れる。
【0007】
高反射性基材からの光の後方反射(back reflection)から生ずる問題を軽減するためにフォトリソグラフィでは吸光性反射防止コーティングが使用される。反射防止コーティングの例は、米国特許第7,553,905号明細書(特許文献1)並びに米国特許出願公開第20090246691号明細書(特許文献2)、米国特許出願公開第20090274974号明細書(特許文献3)、米国特許出願公開第20090280435号明細書(特許文献4)に記載されている。これらの特許文献の内容は、その全てが本明細書中に掲載されたものとする。
【0008】
フォトレジストの下で、反射性基材の上にコーティングされる反射防止コーティングは、フォトレジストのリソグラフィ性能に大きな改善をもたらす。このような反射防止コーティングは、底面反射防止コーティング(BARC)として知られている。典型的には、底面反射防止コーティングは基材上にコーティングされ、次いでフォトレジストの層を、反射防止コーティングの上にコーティングする。反射防止コーティングは、反射防止コーティングとフォトレジストとの間の相互混合を防ぐためにベーク(硬化)される。フォトレジストは像様露光され、そして現像される。次いで典型的には、露光された領域の反射防止コーティングは、様々なエッチングガスを用いてドライエッチされ、そうしてフォトレジストパターンが基材へと転写される。
【0009】
反射防止性の他に、先進の底面反射防止コーティングは、基材に対する増強されたパターン転写性をも供する。米国特許第7,416,834号明細書(特許文献5)に記載のように、単層パターン転写リソグラフィプロセスでは、高エッチング速度底面反射防止コーティングはフォトレジストフィルム厚を保って、それ故これは、像を基材に転写する時により厚手のマスクとして働き得る。
【0010】
速いエッチング速度を有する超屈折率(n)反射防止化合物及びこのような超n化合物を含む超屈折率コーティングは、液浸リソグラフィプロセスにおいて基材に転写されるパターンの最良の解像度及びプロフィルを達成するのに望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第7,553,905号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第20090246691号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第20090274974号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第20090280435号明細書
【特許文献5】米国特許第7,416,834号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2006/0058468号明細書
【特許文献7】米国特許第7638262号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第20060058468A1号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第20100009297A1号明細書
【特許文献10】米国特許第3,474,054号明細書
【特許文献11】米国特許第4,200,729号明細書
【特許文献12】米国特許第4,251,665号明細書
【特許文献13】米国特許第5,187,019号明細書
【特許文献14】米国特許第4,491,628号明細書
【特許文献15】米国特許第5,350,660号明細書
【特許文献16】米国特許第5,843,624号明細書
【特許文献17】米国特許第5,998,099号明細書
【特許文献18】米国特許第6,132,926号明細書
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】“Immersion liquids for lithography in deep ultraviolet”Switkes et al.Vol.5040,p.690−699,Proceedings of SPIE
【発明の概要】
【0013】
それ故、基材へのパターンの転写を効率よく成し遂げて、ライン・アンド・スペースパターンに定在波、フッティング及びスカミングなどの欠陥を無くす、画像形成プロセスの向上されたリソグラフィ性能のためのより良好な反射防止組成物に対する要望がある。
【0014】
本発明者らは、より効率のよい底面反射防止コーティングを調製した。該反射防止コーティング組成物は、屈折率増強剤化合物を含む。この向上された反射防止基材コーティングは、フォトリソグラフィプロセス、特に液浸リソグラフィにおいて速いエッチング速度を達成する。
【0015】
本発明は、式1を有する化合物(超屈折率(n)増強剤化合物)、熱酸発生剤、少なくとも一種のポリマー、及び任意に、架橋剤を含む組成物を提供する。また本発明は、リソグラフィプロセスにおいて基材のための反射防止コーティングとして上記組成物を使用する方法であって、提供される上記反射防止組成物を用いて速いエッチング速度が達成される上記方法も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、超n増強剤化合物構造を形成するのに使用し得るモノマーを示す。
【図2】図2は、超n増強剤生成物構造の例を示す。
【図3】図3は、超屈折率(n)ポリマー生成物の例を示す。
【0017】
本発明は、少なくとも一種のポリマー樹脂、超屈折率“n”増強剤である式1の化合物、及び熱酸発生剤を含む新規の反射防止組成物に関する。該組成物は、追加的に、架橋剤を含んでもよいか、または追加の架橋剤を含まなくともよい。また本発明は、フォトリソグラフィプロセスにおいて反射防止基材コーティングとしてこのような組成物を使用する方法にも関する。
【0018】
本発明は、a)式1の化合物、b)熱酸発生剤、c)少なくとも一種のポリマーを含む反射防止コーティング組成物に関する。
【0019】
【化1】

【0020】
式中、U及びUは独立してC−C10アルキレン基であり; Vは、C−C10アルキレン、アリーレン及び芳香族アルキレンから選択され; Wは、H、C−C10アルキル、アリール、アルキルアリール及びV−OHから選択され; Yは、H、W、及びUC(O)OWから選択され、ここでUは独立してC−C10アルキレン基であり、そしてmは1〜10である。また本発明は、リソグラフィプロセスにおいて基材のための反射防止コーティングとして上記組成物を使用することにも関する。
【0021】
[発明の詳細な説明]
本発明は、少なくとも一種のポリマー、本明細書において“超屈折率(n)増強剤”と称する化合物、熱酸発生剤、及び任意に、架橋剤を含む、新規反射防止組成物に関する。該組成物は架橋剤を含んでもよいしまたは架橋剤を含まなくともよい。該組成物は架橋されることが可能である。該組成物の屈折率は1.7またはそれ以上であることができる。一つの態様では、該反射防止組成物の屈折率は1.9またはそれ以上に最適化される。本発明はまた、該新規反射防止コーティング層でコーティングされたフォトレジスト層に画像を形成する方法にも関する。一つの態様では、高エッチング速度及び1.9またはそれ以上の屈折率は、提供される反射防止組成物を用いて達成され、この際、反射防止コーティングフィルムのエッチング速度は、この反射防止フィルムの上にコーティングされるフォトレジストフィルムのエッチング速度よりも少なくとも1.5倍速い。
【0022】
本発明は、a)式1の増強剤化合物、b)熱酸発生剤、c)少なくとも一種のポリマー、及びd)任意に、架橋剤を含む反射防止コーティング組成物に関し、ここで式1は、
【0023】
【化2】

【0024】
によって表される。式中、U及びUは独立してC−C10アルキレン基であり; Vは、C−C10アルキレン、アリーレン及び芳香族アルキレンから選択され; Wは、H、C−C10アルキル、アリール、アルキルアリール及びV−OHから選択され; Yは、H、W、及びUC(O)OWから選択され、ここでUは独立してC−C10アルキレン基であり、そしてmは1〜10である。一つの態様では、mは1〜5であり、ここでmは1〜5のうちのいずれかであるかまたは混合している。一つの態様では、mは1または2である。一つの態様では、mは1である。
【0025】
ここで本明細書全体にわたり、アルキレンは、直鎖状アルキレン、分枝状アルキレン、シクロアルキレン、非芳香族不飽和等価物であることができ; アルキルは、直鎖状アルキル、分枝状アルキル、シクロアルキル、または非芳香族不飽和等価物であることができ; 芳香族アルキレンは、芳香族基及びアルキレン基の混合物を含む基であり、ここで芳香族基はアルキレン鎖中にあることができるか、または芳香族基は、アルキレン鎖に側基として結合することができるか、または芳香族基は、アルキレン鎖に結合及び主構造に結合することができる。
【0026】
他の態様の一つでは、式1の化合物の一例は次式2である。
【0027】
【化3】

【0028】
式中、Rは、独立して、水素(H)、C−C10アルキル基、アリール、アルキルアリール基、及びヒドロキシアルキル基からなる群から選択され、RはV−OHであり、そしてV、Y、U及びUはここに記載の通りである。一つの態様では、Rは、水素、アルキル、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、tert−ブチル基; ヒドロキシアルキル、例えばヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブテン、ヒドロキシブチン及び類似物から選択される。Rは、ヒドロキシアルキル基、例えばヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブテン、及びヒドロキシブチンから選択される。
【0029】
他の態様の一つでは、式1の化合物の一例は次式3である。
【0030】
【化4】

【0031】
式中、Rは、独立して、水素(H)、C−C10アルキル基、アリール基、アルキルアリール及びヒドロキシアルキル基からなる群から選択され、RはV−OHであり、そしてV、Y、U及びUはここに記載の通りである。一つの態様では、Rは、水素、アルキル、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、tert−ブチル基; ヒドロキシアルキル、例えばヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブテン、ヒドロキシブチン、及び類似物から選択される。Rは、ヒドロキシアルキル基、例えばヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブテン、及びヒドロキシブチンから選択される。
【0032】
他の態様の一つでは、式1の化合物の一例は次式4である。
【0033】
【化5】

【0034】
式中、R及びRは、独立して、水素(H)、C−C10アルキル基、アリール基、アルキルアリール及びヒドロキシアルキル基からなる群から選択され、RはV−OHであり、そしてV、U、U及びUは上述の通りである。一つの態様では、R及びRは、独立して、水素、アルキルまたはヒドロキシアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、tert−ブチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブテン、ヒドロキシブチン、及び類似物から選択される。Rは、ヒドロキシアルキル基、例えばヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブテン、及びヒドロキシブチンから選択される。一つの態様では、R及びRのうちの一つだけが水素である。他の態様の一つでは、R及びRのいずれも水素ではない。
【0035】
他の態様の一つでは、式1の化合物の一例は次式5である。
【0036】
【化6】

【0037】
式中、R及びRは、独立して、水素(H)、C−C10アルキル基、アリール基、アルキルアリール及びヒドロキシアルキル基からなる群から選択され、RはV−OHであり、そしてVは上述の通りである。一つの態様では、R及びRは、独立して、水素、アルキル基及びヒドロキシアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、tert−ブチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブテン、ヒドロキシブチン、及び類似物から選択される。Rは、ヒドロキシアルキル基、例えばヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブテン、及びヒドロキシブチンから選択される。
【0038】
一つの態様では、式1の化合物の一例は、以下の構造6によって例示し得る。
【0039】
【化7】

【0040】
式中、Rは、水素、C−C10アルキル基及びヒドロキシアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、tert−ブチル基、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基及びヒドロキシブテン、ヒドロキシブチン、及び類似物から選択され; そしてmは1〜5であるが、より大きくともよく、例えば10までであることができる。mが1〜10またはmが1〜5の異なるm値の式6の化合物の混合物が該組成物中に存在してよい。
【0041】
一つの態様では、式1の化合物の一例は以下の構造7によって例示し得る。
【0042】
【化8】

【0043】
式中、Rは、水素、C−C10アルキル基及びヒドロキシアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、tert−ブチル基、ヒドロキシアルキル基、例えばヒドロキシエチル基またはヒドロキシプロピル基から選択され; そしてmは1〜5のいずれかであるが、より大きくともよく、すなわち10までであることができる。式7のmが1〜10またはmが1〜5の異なるm値の混合物が該組成物中に存在してよい。
【0044】
超n増強剤化合物構造を形成するのに合成に使用し得るモノマーの例を図1に示すが、これらに限定されない。超n増強剤生成物構造の例を図2に示すが、これらに限定されない。超屈折率(n)ポリマー生成物の例を図3に示すが、これらに限定されない。反射防止コーティング組成物中に式1を有する化合物は、一つまたはそれ以上のヒドロキシル基を有する分子、オリゴマーまたはポリマーであることができる。式1は、ポリヒドロキシ化合物と、以下の構造のうちの一つを有する化合物(8または9)とを反応させることによって得ることができる。
【0045】
【化9】

【0046】
式中、U、U及びUはそれぞれ独立してC−C10アルキレン基であり、R21、R22及びR24はそれぞれカルボン酸または酸エステル基を表し、そしてR23は、水素またはC−C10アルキルまたはC−C10不飽和アルキルである。場合により、式1を有する化合物は、エポキシド化合物と化合物(8または9)とを反応させることによって得ることができる。通常、反応は触媒、例えばベンジルトリエチルアンモニウムクロライドの存在下に行われる。ポリヒドロキシ化合物の濃度は、式1中のmの値を制御するために変えることができる。
【0047】
本明細書で使用する“アルキル”という用語は、直鎖状、分枝状または環状鎖炭化水素を意味する。アルキルの代表的な例には、限定はされないが、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、及びn−デシルなどが挙げられる。アルキルは、不飽和二重または三重結合を含むが、非芳香族であるアルキル基のことも指し得る。環状アルキル基は、単環式または多環式であることができる。単環式アルキル基の適当な例には、置換されたシクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチル基などが挙げられる。置換基は、ここに記載の非環式アルキル基のいずれのものでもよい。他に記載が無ければ、アルキルは、炭素原子数1〜10の要素を指す。
【0048】
アルキレン基は、上記のアルキル基のいずれかから誘導される二価のアルキル基である。アルキレン基と言う時は、これには、アルキレン基の主炭素鎖中で(C−C)アルキル基で置換されたアルキレン鎖も包含される。アルキレン基は、アルキレン要素中に一つまたはそれ以上のアルケンまたはアルキン基も含むことができ、ここでアルケン及びアルキンは、それぞれ二重及び三重結合のことを指す。本質的に、アルキレンは、主鎖としての二価の炭化水素基である。応じて、二価の非環式基は、メチレン、1,1−または1,2−エチレン、1,1−、1,2−、または1,3−プロピレン、2,5−ジメチル−ヘキセン、2,5−ジメチル−ヘキサン−3−インなどなどであることができる。同様に、二価の環状アルキル基は、1,2−または1,3−シクロペンチレン、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキシレン、及び類似物であり得る。二価の三環式アルキル基は、上記の三環式アルキル基のいずれでもよい。本発明において特に有用な三環式アルキル基は4,8−ビス(メチレン)−トリシクロ[5.2.1.0.2,6]デカンである。他に記載が無ければ、アルキルは炭素原子数1〜10の要素のことを言う。
【0049】
本明細書で使用する“アリール”という用語は、水素の一原子を除去することによって芳香族炭化水素から誘導される基を意味し、置換されているかまたは置換されていなくともよい。アリーレンは二価の芳香族基である。
【0050】
本明細書で使用する“アルコキシ”という用語は、アルキル−O−の基のことを指し、ここでアルキルはここで定義する通りである。アルコキシの代表的な例には、限定はされないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、及びヘキシルオキシなどが挙げられる。
【0051】
ここで使用するアリールオキシという用語は、アリール−O−の基を意味し、ここでアリールはここで定義する通りである。
【0052】
増強剤を形成するためのポリヒドロキシ(ヒドロキシ基数が2以上)またはエポキシ化合物は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、スチレングリコール、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、ブチレンオキシド、ヘキサンジオール、ブタンジオール、ブタンジオール、ブチンジオール、1−フェニル−1,2−エタンジオール、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、ジエチルビス(ヒドロキシメチル)−マロネート、ヒドロキノン、及び3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールによって例示し得る。芳香族ジオールの更に別の例は、(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジメチルフェノール)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4’−スルホニルデフェノール、4,4’−(1,3−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール、4,4’−(1,4−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール、4,4’−エチリデンビスフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)プロパン; 2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン; 1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブタン; ビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)メタン; 1,5−ジヒドロキシナフタレン; 1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−アルキルフェニル)エタン、2,2−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール及び2,2’−(1,2−フェニレンジオキシ)−ジエタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、2−ベンジルオキシ−1,3−プロパンジオール、3−フェノキシ−1,2−プロパンジオール、2,2’−ジフェニルジメタノール、4−ヒドロキシベンジルアルコール、1,2−ベンゼンジメタノール、2,2’−(o−フェニレンジオキシ)ジエタノール、1,7−ジヒドロキシ−ナフタレン、1,5−ナフタレンジオール、9,10−アントラセンジオール、9,10−アントラセンジメタノール、2,7,9−アントラセントリオール、他のナフチルジオール類及び他のアントラシルジオール類である。
【0053】
芳香族ジオキシド類の例には、限定はされないが、スチレンオキシド、1,2−エポキシ−フェノキシプロパン、グリシジル−2−メチルフェニルエーテル、(2,3−エポキシプロピル)ベンゼン、1−フェニルプロピレンオキシド、スチルベンオキシド、2−(または3−または4−)ハロ(クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード)スチルベンオキシド、ベンジルグリシジルエーテル、C1−10 直鎖状または分枝鎖状アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、及び類似物など)フェニルグリシジルエーテル、4−ハロ(クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード)フェニルグリシジルエーテル、グリシジル4−C1−10直鎖状または分枝鎖状アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、及び類似物など)フェニルエーテル、2,6−ジハロ(クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード)ベンジルメチルエーテル、3,4−ジベンジルオキシベンジルハライド(クロライド、フルオライド、ブロマイド、アイオダイド)、2−(または4−)メトキシジフェニル、3,3’−(または4,4’−)ジC1−10直鎖状または分枝鎖状アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、及び類似物など)ジフェニル、4,4’−ジメトキシオクタフルオロジフェニル、1−(または2−)C1−10直鎖状または分枝鎖状アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、及び類似物など)ナフタレン、2−ハロ(クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード)−6−メトキシナフタレン、2,6−ジC1−10直鎖状または分枝鎖状アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、及び類似物など)ナフタレン、2,7−ジC1−10直鎖状または分枝鎖状アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、及び類似物など)ナフタレン、1,2,3,4,5,6−ヘキサハロ(クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード)−7−C10直鎖状または分枝鎖状アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、及び類似物など)ナフタレン、9,10−ビス(4−C1−10直鎖状または分枝鎖状アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、及び類似物など)フェニル)−アントラセン、2−C1−10直鎖状または分枝鎖状アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、及び類似物など)−9,10−ジC1−10直鎖状または分枝鎖状アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、及び類似物など)アントラセン、9,10−ビス(4−C1−10直鎖状または分枝鎖状アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、及び類似物など)フェニル)−2−ハロ(クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード)−アントラセン、2,3,6,7,10,11−ヘキサメトキシトリフェニレン、グリシジル−3−(ペンタデカジエニル)フェニルエーテル、4−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、トリフェニロールメタントリグリシジルエーテル、[(4−(1−ヘプチル−8−[3−(オキシラニルメトキシ)フェニル]−オクチル)フェノキシ)メチル]オキシラン、テトラフェニロールエタンテトラ−グリシジルエーテル、ヒドロキシフェノールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0054】
脂肪族オキシドの例には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド類(イソブチレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド及び2,3−ブチレンオキシドも包含する)、ペンチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、デシルグリシジルエーテル、及びドデシルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0055】
反応させることができる化合物(8及び9)の非限定的な例を図1に記載する。
【0056】
増強剤の重量平均分子量は約250〜約3,000の範囲であることができる。増強剤の重量平均分子量は約300〜約2,000の範囲であることができる。増強剤の重量平均分子量は約300〜約1,000の範囲であることができる。一つの態様では、該組成物中の式1の増強剤は、m=1及びm=2の混合物あることができる。この混合物において、m=1:m=2の増強剤混合物の比率は約10:1〜約1:1であることができ、またはm=1:m=2は、約4:1〜約1:1の範囲であることができる。一つの態様では、増強剤は、m=3〜10の成分の混合物を含んでよい。
【0057】
本発明の反射防止コーティングは、超n増強剤化合物を、少なくとも一種のポリマーと、溶剤及び熱酸発生剤と一緒にブレンドすることによって調合される。本発明の反射防止コーティング組成物は、(a)超n増強剤、(b)少なくとも一種のポリマー、(c)熱酸発生剤、及び(d)溶剤、及び任意に、(e)架橋剤を含む。該反射防止コーティング組成物のポリマー(b)は、クロスリンカーポリマー(crosslinker polymer)または架橋可能なポリマー(cross−linkable polymer)のいずれかであることができる。ポリマーはベーク時に架橋して、フォトレジストのコーティング溶剤中に不溶性になる。一つの態様では、該組成物は、(a)超n増強剤、(b)少なくとも一種のクロスリンカーポリマー、(c)熱酸発生剤、及び(d)溶剤、及び任意に、(e)架橋剤、及び任意に、(f)架橋可能なポリマーを含む。一つの態様では、該組成物は、(a)超n増強剤、(b)少なくとも一種のクロスリンカーポリマー、(c)熱酸発生剤及び(d)溶剤、及び任意に、(e)架橋剤を含み、架橋可能なポリマーは含まない。一つの態様では、該組成物は、(a)超n増強剤、(b)少なくとも一種の架橋可能なポリマー、(b)熱酸発生剤、及び(d)溶剤、及び任意に、(e)架橋剤、及び任意に、クロスリンカーポリマーを含み、但し、(e)または(f)の少なくとも一つが存在する。架橋可能なポリマーが該組成物中に存在して硬化したコーティングを形成する場合には、クロスリンカーが存在し、これはモノマー性、オリゴマー性またはポリマー性であることができる。クロスリンカーポリマーは架橋剤無しで硬化して、硬化したコーティングを形成することができる。
【0058】
様々なクロスリンカー(crosslinker)または架橋剤(crosslinking agent)を本発明の組成物中に使用することができる。酸の存在下にポリマーを架橋し得るものであれば任意の適当な架橋剤を使用してよい。このような架橋剤の例は、限定はされないが、メラミン類を含む樹脂、メチロール類、グリコールウリル、ポリマー性グリコールウリル類、ベンゾグアナミン、尿素、ヒドロキシアルキルアミド類、エポキシ及びエポキシアミン樹脂、ブロックドイソシアネート類、及びジビニルモノマーである。ヘキサメトキシメチルメラミンなどのモノマー性メラミン類; テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリルなどのグリコールウリル類; 及び2,6ビスヒドロキシメチルp−クレゾールなどの芳香族メチロール類を使用し得る。
【0059】
典型的には、クロスリンカーポリマーは、求電子剤として作用することができ、そして単独で、または酸の存在下に、カルボアニオンを生成できる化合物である。それで、アルコール、エーテル、エステル、オレフィン、メトキシメチルアミノ、メトキシメチルフェニル、及び複数の求電子部位を含む他の分子などの基を含む化合物が架橋可能である。クロスリンカーポリマーは、自己架橋できる。ポリマー性クロスリンカー、例えばグリコールウリルとポリオール類とのポリマーも使用し得る。クロスリンカーは、限定はされないが、メラミン類、メチロール類、グリコールウリル類、ポリマー性グリコールウリル類、ヒドロキシアルキルアミド類、エポキシ及びエポキシアミン樹脂、ブロックドイソシアネート類、ポリマー性クロスリンカー、及びジビニルモノマーから選択してよい。米国特許出願公開第2006/0058468号明細書(特許文献6)に記載の架橋剤も使用し得、この場合、架橋剤は、少なくとも一種のグリコールウリル化合物を、少なくとも一つのヒドロキシ基及び/または少なくとも一つの酸基を有する少なくとも一種の反応性化合物とを反応させることによって得られるポリマーである。前述の特許文献の内容は本明細書中に掲載されたものとする。
【0060】
クロスリンカーポリマーを該組成物に使用する場合は、これは、全固形物の約5重量%〜約95重量%で存在し得る。
【0061】
一つの態様では、クロスリンカーポリマーは、グリコールウリルと、ヒドロキシ基及び/または酸基を含む反応性コモノマーとの縮合反応から形成される。一つの態様では、少なくとも二つの反応性基(ヒドロキシ及び/または酸)が、グリコールウリルと反応するコモノマー中で利用可能であるのがよい。この重合反応は酸で触媒してもよい。他の態様では、グリコールウリル化合物はそれ自体とまたは他のポリオール、ポリ酸またはハイブリッド化合物と縮合してよく、及び追加的に、一つのヒドロキシ及び/または一つの酸基を有する化合物をポリマー中に組み入れてもよい。それで、一つの態様では、該ポリマーは、グリコールウリルと、ヒドロキシ及び/または酸基の混合物を含む反応性化合物とから誘導されるモノマー性単位を含む。
【0062】
他の態様では、該反射防止コーティング組成物のポリマー(b)は、クロスリンカーポリマーまたは架橋剤、例えばここに記載のものと架橋する架橋可能なポリマーであってもよい。架橋可能なポリマーには、限定はされないが、ポリヒドロキシスチレンのコポリマー、例えばポリ(ヒドロキシスチレンーメチルメタクリレート); ポリアクリレート; ポリエステル及びポリイミドなどが挙げられ、ここでポリマーは、ヒドロキシル、カルボキシ、アミドまたはイミド基などの架橋性官能基を有する。該ポリマーは、アクリル酸またはそれのエステル、メタクリル酸またはそれのエステル、無水マレイン酸、酢酸ビニル、ビニルエーテル、アクリルアミド、ビニルカルボン酸、ビニルアルコールまたはビニルスルホン酸であるコモノマーから誘導し得る。これらのモノマーの一種またはそれ以上をポリマーに組み入れることができる。アクリレートポリマーを形成するのに使用されるアクリレートモノマーの一部のタイプは、アクリル酸、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、及びトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)である。米国特許第7638262号明細書(特許文献7)、米国特許出願公開第20060058468A1号明細書(特許文献8)、及び米国特許出願公開第20100009297A1号明細書(特許文献9)に記載の架橋可能なポリマーのいずれも使用できる。
【0063】
クロスリンカーとの架橋には様々な他の架橋可能なポリマーを使用し得る。架橋可能なポリマーの例は、モノマー単位、例えば、次のものには限定されないが、ヒドロキシ含有アクリレートモノマー、例えばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシイソデシルアクリレート、ヒドロキシラウリルアクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートなど、及び上述のアクリレートに対応するヒドロキシ含有メタクリレートモノマー、例えばヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルヘキシルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシイソデシルメタクリレート、ヒドロキシラウリルメタクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレートなど; アリル系モノマー、例えばアリルアルコール、メタリルアルコール、アリルアルコール及びメタリルアルコールとエチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び類似物とのアルコキシル化生成物、及びこれらの混合物(これの例には、アリルアルコールモノプロポキシレート及びアリルアルコールモノエトキシレートが挙げられる); スチレン誘導体、例えばp−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシ−2−メチルスチレン、4−ヒドロキシ−3−メチルスチレン、3−ヒドロキシ−2−メチルスチレン、3−ヒドロキシ−4−メチルスチレン、3−ヒドロキシ−5−メチルスチレン; アミノ基で置換されたモノマー、例えばアミノエチルアクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、アミノエチルアクリレート、アミノエチルメタクリレート、2−メチルアミノエチルメタクリレート、3−アミノプロピルメタクリレート、4−アミノシクロヘキシルメタクリレート、及び4−アミノスチレンなど; カルボン酸基で置換されたモノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸及び類似物など; スルホン酸基で置換されたモノマー、例えばビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルベンジルスルホン酸、メタリルスルホン酸及び類似物など、並びに対応するスルホンアミド類、及び類似物などのモノマー単位を含むポリマーである。
【0064】
重合してポリマーにすることができ、そして本発明の反射防止コーティング組成物に使用し得るモノマーには、限定はされないが、芳香族ビニル化合物、例えばスチレン、アルファ−メチルスチレン、4−メチルスチレン、m−メチルスチレン、4−アセトキシスチレン、4−カルボキシスチレン、4−アミノスチレン、4−メトキシスチレン、1,3−ジメチルスチレン、tert−ブチルスチレン、ビニルナフタレン、及び類似物など; スチレンとメタクリレートとのポリマー、例えばポリp−ヒドロキシスチレン−co−メチルメタクリレート、ポリp−ヒドロキシスチレン、またはポリ2−(メタクリロイルオキシ)エチルアセトアセテート−co−メチルメタクリレート; アルキルメタクリレート、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ドデシルメタクリレートなど; ビニルエーテル類、例えばエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、トリルビニルエーテル及び類似物など; アルキルアクリレート、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ドデシルアクリレートなど; アリールメタクリレートまたはアルキルアリールメタクリレート、例えばフェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート; アリールアクリレートまたはアルキルアリールアクリレート、例えばフェニルアクリレート、ベンジルアクリレート; ビニルエーテル類及びエステル類などが挙げられる。反射防止組成物に使用されるポリマーの製造に慣用的に使用される任意の他のポリマーを使用できる。該反射防止コーティング組成物のポリマーは、固形材料の全重量の約5%〜約95%の範囲で存在する。異なる架橋可能なポリマーまたはクロスリンカーポリマーの混合物も該新規組成物に存在し得る。
【0065】
本発明の熱酸発生剤は、90℃超で300℃未満の温度に加熱した時に酸を発生する化合物である。この酸は組成物中の架橋反応、例えばポリマー(複数可)またはクロスリンカーの架橋を触媒する。熱処理後、該反射防止コーティングは、フォトレジストのコーティングに使用される溶剤に対し不溶性になり、更に、フォトレジストの画像形成に使用されるアルカリ性現像剤中にも不溶性である。一つの態様では、架橋は、150℃またはそれ以上、または200℃またはそれ以上で起こる。反射防止フィルムは、コーティングを架橋させるのに十分な時間加熱される。
【0066】
熱酸発生剤は、加熱時に強酸を発生することができる熱酸発生剤であってよい。本発明に使用される熱酸発生剤(TAG)は、架橋可能なポリマーと反応しそして本発明中に存在するポリマーの架橋を伝播できる酸を加熱時に発生する任意の一種またはそれ以上のTAGであってよく、特に好ましいものは、スルホン酸類などの強酸である。熱酸発生剤の非限定的な例は、金属不含のスルホニウム塩及びヨードニウム塩、例えば非求核性強酸のトリアリールスルホニウム、ジアルキルアリールスルホニウム、及びジアリールアルキルスルホニウム塩; 非求核性強酸のアルキルアリールヨードニウム、ジアリールヨードニウム塩; 及び非求核性強酸のアンモニウム、アルキルアンモニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアルキルアンモニウム、テトラアルキルアンモニウム塩である。供給結合型(covalent)熱酸発生剤も有用な添加剤として想定され、例えばアルキルまたはアリールスルホン酸の2−ニトロベンジルエステル、及び熱分解して遊離のスルホン酸類を与える他のスルホン酸エステル類などがある。例としては、ジアリールヨードニウムパーフルオロアルキルスルホネート類、ジアリールヨードニウムトリス(フルオロアルキルスルホニル)メチド、ジアリールヨードニウムビス(フルオロアルキルスルホニル)メチド、ジアリールヨードニウムビス(フルオロアルキルスルホニル)イミド、ジアリールヨードニウム第四アンモニウムパーフルオロアルキルスルホネートなどが挙げられる。不安定エステルの例には、2−ニトロベンジルトシレート、2,4−ジニトロベンジルトシレート、2,6−ジニトロベンジルトシレート、4−ニトロベンジルトシレート; ベンゼンスルホネート類、例えば2−トリフルオロメチル−6−ニトロベンジル4−クロロベンゼンスルホネート、2−トリフルオロメチル−6−ニトロベンジル4−ニトロベンゼンスルホネート; フェノール系スルホネートエステル、例えばフェニル,4−メトキシベンゼンスルホネート; 第四アンモニウムトリス(フルオロアルキルスルホニル)メチド、及び第四アルキルアンモニウムビス(フルオロアルキルスルホニル)イミド、有機酸のアルキルアンモニウム塩、例えば10−カンフルスルホン酸のトリエチルアンモニウム塩などが挙げられる。様々な芳香族(アントラセン、ナフタレンまたはベンゼン誘導体)スルホン酸アミン塩をTAGとして使用することができ、これには、米国特許第3,474,054号明細書(特許文献10)、米国特許第4,200,729号明細書(特許文献11)、米国特許第4,251,665号明細書(特許文献12)及び米国特許第5,187,019号明細書(特許文献13)に記載のものなどが挙げられる。好ましくは、TAGは、170〜220℃の温度で非常に低い揮発性を有する。TAGの例は、Nacure及びCDXの名称でKing Industriesから販売されているものである。このようなTAGは、Nacure5225及びCDX−2168Eであり、後者は、King Industries,Norwalk,Conn.06852,USAからプロピレングリコールメチルエーテル中25〜30%の有効成分含有率で供給されているドデシルベンゼンスルホン酸アミン塩類である。他のTAGは、1−ノナフルオロブタンスルホン酸、またはp−トルエンスルホン酸のアミン塩であり得る。典型的には、熱酸発生剤は、該組成物の固形成分の全重量の約0.1〜約10重量%、好ましくは約0.1〜7.0重量%の濃度で、より好ましくは該組成物の固形成分の全重量の約0.1〜5.0重量%の濃度で、反射防止化合物に存在する。
【0067】
該反射防止コーティング組成物のための溶剤の例には、アルコール類、エステル類、グライム類、エーテル類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルエステル類、ケトン類、ラクトン類、環状ケトン類及びこれらの混合物などが挙げられる。このような溶剤の例には、次のものには限定はされないが、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、エチル3−エトキシ−プロピオネート、乳酸エチル、ガンマバレロラクトン、メチル3−メトキシプロピオネート、メチルα−ヒドロキシイソブチレート及びこれらの混合物が挙げられる。溶剤は、典型的には、約40〜約99重量%の量で存在する。場合により、ラクトン系溶剤の添加が、層状システムで使用する時の反射防止コーティング組成物の流動特性を助ける上で有用である。ラクトン系溶剤が存在する場合には、これは溶剤システムの約1〜約10%を閉める。ガンマ−バレロラクトンが有用なラクトン系溶剤の一つである。
【0068】
該反射防止コーティング組成物は、当業者には周知の技術を用いて基材にコーティングされ、例えばスピンコート法、ディップ法またはスプレー法などがある。フィルム厚は、約0.005ミクロン〜約1ミクロンの範囲である。10ミクロンまでのより厚手の反射防止コーティングは、トポグラフィを有する基材の平坦化のために使用し得る。反射防止コーティングは更にホットプレートまたはコンベクションオーブンで加熱して、残留溶剤を除去しそして反射防止フィルムを不溶性にする。
【0069】
該反射防止コーティングの上にコーティングされるフォトレジストは、半導体工業で使用される任意のタイプのものであることができるが、フォトレジスト及び反射防止コーティング中の光活性化合物が、画像形成プロセスに使用される露光波長で実質的に吸収を示すことが条件である。フォトレジストは、像様露光を供するために様々な技術、例えば248nm、193nm及び13.4nmを含む450nm〜10nmの範囲の放射線を使用してよい。
【0070】
フォトレジスト組成物にはネガ型及びポジ型の二つのタイプのものがある。ネガ型フォトレジスト組成物を放射線に像様露光すると、放射線に曝された領域のレジスト組成物が現像剤溶液に溶け難くなり(例えば、架橋反応が起こる)、他方、未露光の領域のフォトレジストコーティングはこのような溶液に対し比較的可溶性のまま残る。それ故、露光されたネガ型レジストを現像剤で処理すると、フォトレジストコーティングの未露光領域が除去されて、コーティングにネガ型の画像が生ずる。それによって、フォトレジスト組成物が堆積していた所の下にある基材表面の所望の部分が裸出される。
【0071】
これに対し、ポジ型フォトレジスト組成物を放射線に像様露光すると、放射線に曝された領域のフォトレジスト組成物が現像剤溶液に溶け易くなり、他方、未露光の領域は、現像剤溶液に対し比較的不溶性のまま残る。それ故、露光されたポジ型フォトレジストを現像剤で処理すると、コーティングの露光された領域が除去され、フォトレジストコーティングにポジ型の画像が生ずる。この場合もまた、下にある表面の所望の部分が裸出される。
【0072】
ポジ型フォトレジスト組成物は、ネガ型レジストと比べて一般的により良好な解像能力を有するために、現在はポジ型フォトレジスト組成物の方が後者よりも優勢である。フォトレジスト解像度とは、レジスト組成物が、露光及び現像の後に高いレベルの鋭い像縁をもってフォトマスクから基材へと転写できる最小の図形(feature)と定義される。現在の多くの製造用途では、1ミクロン未満のオーダーのレジスト解像度が必要である。加えて、現像されたフォトレジストの壁の側面が基材に対してほぼ垂直であることが大概の場合に望まれる。レジストコーティングの現像された領域と現像されていない領域との間のこのような明確な境界画定が、基材へのマスク像の正確なパターン転写につながるのである。微細化に向かう動向がデバイス上での微小寸法(CD)を小さくしているので、この事はより一層重大な事柄となっている。
【0073】
ノボラック樹脂と、光活性化合物としてのキノンジアジド系化合物とを含むポジ型フォトレジストは当技術分野において周知である。ノボラック樹脂は、典型的には、ホルムアルデヒドと一種またはそれ以上のポリ置換フェノール類とを、酸触媒、例えばシュウ酸の存在下で縮合させることによって製造される。光活性化合物は、一般的に、ポリヒドロキシフェノール系化合物とナフトキノンジアジド酸またはそれらの誘導体とを反応させることによって得られる。これらのタイプのレジストの感度は典型的には約300nm〜440nmの範囲である。
【0074】
高解像度の化学増幅型深紫外線(100〜300nm)ポジ型及びネガ型フォトレジストが、四分の一ミクロン未満の幾何形状を有する画像のパターニングに利用できる。微細化に大きな進展をもたらした二つの主要な深紫外線(uv)露光技術があり、これらは、248nm及び193nmの放射線を放つレーザーである。このようなフォトレジストの例は、米国特許第4,491,628号明細書(特許文献14)、米国特許第5,350,660号明細書(特許文献15)、米国特許第5,843,624号明細書(特許文献16)、米国特許第5,998,099号明細書(特許文献17)、及び米国特許第6,132,926号明細書(特許文献18)に記載されている。これらの特許文献の内容は本明細書中に掲載されたものとする。248nm用のフォトレジストは、典型的には、置換されたポリヒドロキシスチレン及びそれのコポリマーに基づいてきた。他方で、193nm露光用のフォトレジストは、芳香族類がこの波長で不透明なために非芳香族系ポリマーを必要とする。一般的に、脂肪環式炭化水素は、芳香族官能基を取り除いたことによって失われた耐エッチング性を補うためにポリマーに組み入れられる。更に、より低い波長では、基材からの反射がより一層、フォトレジストのリソグラフィ性能にとって有害となる。それゆえ、このような波長では、反射防止コーティングが重要となる。本発明の組成物は、euvまたは193nmまたは248nmでの画像形成に特に有用である。
【0075】
本発明の方法は、更に、基材を新規反射防止コーティング組成物でコーティングし、次いでコーティングを不溶化して、フォトレジストのコーティング溶剤またはフォトレジストの現像に使用する水性アルカリ性現像剤中に可溶性でないようにするために十分な高さの温度かつ十分な時間、ホットプレートまたはコンベクションオーブンで加熱することを含む。当技術分野で既知の様々な基材、例えば平らなもの、トポグラフィを有するものまたはホールを有するものなどを使用し得る。好ましい温度範囲は約70℃〜約250℃、好ましくは約130℃〜約225℃である。温度が70℃未満であると、溶剤の除去または不溶化の程度が不十分となり、温度が250℃を超えると、ポリマーが化学的に不安定となる恐れがある。使用すべき正確な温度は、特定の用途によって決定される。次いで、感光性材料(フォトレジスト)のフィルムを反射防止コーティングの上にコーティングし、そしてベークしてフォトレジスト溶剤を実質的に除去する。フォトレジストは像様露光しそして水性現像剤中で現像して、処理されたレジストを除去する。現像の前及び露光の後に、任意に加熱ステップをプロセスに組み入れることができる。フォトレジストのコーティング及び画像形成方法は当業者には周知であり、そして使用するフォトレジストの特定のタイプに合わせて最適化される。次いで、パターン化された基材をドライエッチングする。エッチングは、適当なエッチングチャンバ中で行って反射防止フィルムの露光された部分を除去してよく、この際、残ったフォトレジストはエッチングマスクとして働く。本発明は、液浸リソグラフィプロセスにおいて基材のための反射防止コーティングとして上記組成物を使用する方法も提供するものであり、この際、提供された反射防止組成物によって速いエッチング速度が達成される。任意に加熱ステップを含ませてエッチングプロセスを最適化し得る。当技術分野で既知の様々なエッチング技術を使用し得る。
【0076】
コーティングプロセスの後、フォトレジストは像様露光される。露光は、典型的な露光装置を用いて行い得る。次いで、露光されたフォトレジストを水性現像剤中で現像して、処理されたフォトレジストを除去する。現像剤は、好ましくは、水性アルカリ性溶液、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)を含む水性アルカリ性溶液である。現像剤は更に一種またはそれ以上の界面活性剤を含んでよい。現像剤は、2.38重量%TMAH水溶液であり得る。現像時間は60秒であってよい。現像の前及び露光の後に任意に加熱ステップをプロセスに組み入れることができる。
【0077】
フォトレジストのコーティング及び画像形成方法は当技術分野において周知であり、そして使用するフォトレジストの特定のタイプに合わせて最適化される。パターン化された基材は次いで、適当なエッチングチャンバ中で、エッチングガスまたはガス混合物でドライエッチングして、反射防止フィルムのまたは反射防止コーティングの複数の層の所望の部分を除去することができる。残ったフォトレジストは、エッチングマスクとして機能する。有機反射防止コーティングをエッチングするための様々なエッチングガスが当技術分野で知られており、例えばO、CF、CHF、Cl、HBr、SO、COなどを含むガスがある。
【0078】
該新規組成物の吸光パラメータ(k)は、エリプソメトリを用いて測定して、約0.1〜約1.0、または約0.15〜約0.7、または約0.2〜約0.5の範囲である。反射防止コーティングの屈折率(n)も最適化される。一つの態様では、193nmでの屈折率(n値)は2付近である。他の態様では、n値は約1.94〜約1.97の範囲である。該反射防止コーティング組成物の屈折率値は1.0またはそれ以上に最適化し得る。一つの態様では、該反射防止コーティング組成物の屈折率値は約1.91またはそれ以上に最適化される。他の態様の一つでは、該反射防止コーティング組成物の屈折率値は約1.92またはそれ以上に最適化される。更に別の態様の一つでは、該反射防止コーティング組成物の屈折率値は約1.93またはそれ以上に最適化される。一つの態様では、該反射防止コーティング組成物の屈折率値は約1.94またはそれ以上に最適化される。他の態様の一つでは、該反射防止コーティング組成物の屈折率値は約1.95またはそれ以上に最適化される。更に別の態様の一つでは、該反射防止コーティング組成物の屈折率値は約1.96またはそれ以上に最適化される。更に別の態様の一つでは、該反射防止コーティング組成物の屈折率値は約1.97またはそれ以上に最適化される。なお更に別の態様の一つでは、該反射防止コーティング組成物の屈折率値は約1.98またはそれ以上に最適化される。
【0079】
一つの態様では、該組成物の屈折率は1.70かまたは1.70超であってよい。増強剤は、反射防止組成物のための添加剤として使用し得、ここで該組成物の屈折率は1.7超である。
【0080】
n及びk値は、エリプソメータ、例えばJ.A.Woollam WVASE VU−302TMエリプソメータを用いて計算することができる。k及びnの最適範囲の正確な値は、使用する露光波長及び用途のタイプに依存する。典型的には、193nmではkの好ましい範囲は0.1〜0.75または0.2〜0.5であり、248nmではkの好ましい範囲は0.15〜0.8または0.2〜0.5であり、そして365nmでは好ましい範囲は0.1〜0.8である。反射防止コーティングの厚さは、上面フォトレジストの厚さよりも薄い。
【0081】
上記で引用した文献はそれぞれ、全ての目的に関してその内容の全体が本明細書に掲載されたものとする。以下の具体例は、本発明の反射防止組成物を製造する方法、反射防止コーティングを調製するために、提供される該組成物を使用する方法、及びフォトレジスト上での画像の形成に、提供される反射防止コーティングを使用する方法の詳細な例示を与えるものである。しかし、これらの例は、本発明の範囲を如何様にも限定または減縮することを意図したものではなく、本発明を実施するために排他的に使用するべき条件、パラメータまたは値を教示するものと解釈するべきものではない。
【実施例】
【0082】
合成例1
23gのビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート及び16.7gの無水エチレングリコールを500mlのフラスコ中に入れた。150gの4M HClジオキサン溶液を窒素雰囲気下に加えた。この混合物を攪拌し、そして温度を約1時間で50、60、70、80度に徐々に高めた。還流下に24時間、96〜97℃で反応させた。反応溶液を室温まで冷却しそして濾過した。フード中で数日間、空気中に曝した後に、溶剤を蒸発させた。約40℃で真空中で乾燥した後、約25gの固形生成物が得られた。
【0083】
合成例2
ディーン−スタークトラップを備えたフラスコ中に、600gのビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート、306.7gのエチレングリコール及び8.0gのパラ−トルエンスルホン酸一水和物を窒素雰囲気下に加えた。温度を120℃に高めそして1時間維持し、次いで一時間140℃に、次いで1時間150℃に、そして最後に1時間160℃に高めた。温度を150℃に高めた後、窒素フラッシングを止め及び真空ラインを接続して、水の発生が止むまで150〜160℃で水を除去した。冷却後、生成物をGPC分析用に採取した。この生成物は、1630g/molの平均MWを有する。
【0084】
合成例3
23gのビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート及び16gの無水エチレングリコールを500mlのフラスコ中に入れた。150gの4M HClジオキサン溶液を窒素雰囲気下に加えた。この混合物を攪拌し、そして温度を約1時間で50、60、70、80度に徐々に高めた。還流下に24時間、96〜97℃で反応させた。反応溶液を室温まで冷却しそして濾過した。溶剤をロータリーエバポレーションで蒸発、乾固した。酢酸イソブチル中で再結晶化することによって生成物を得た。固形物を濾過した集めた。約40℃で真空下に乾燥後、12gの白色の粉末状生成物が得られた。この生成物は550g/molの平均MWを有する。
【0085】
合成例4
50gのビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレートを500mlのフラスコ中に入れた。400gの4M HClメタノール溶液を窒素雰囲気下に加えた。透明な溶液が得られるまで、この混合物を攪拌し及び30分間、55℃に温度を徐々に高めた。還流下に1時間、65℃で反応させた。反応溶液を室温まで冷却しそして濾過した。白色の固形物を濾過して集めた。約40℃で真空中で乾燥した後、45gのビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレートのジメチルエステルが得られ、これをプロトンNMRスペクトロスコピーで特徴付けした。
【0086】
合成例5
15gの合成例4からの材料及び7gの無水エチレングリコールを250mlのフラスコ中に入れた。90gの4M HClジオキサン溶液を窒素雰囲気下に加えた。この混合物を攪拌し、そして温度を約1時間で50、60、70、80度に徐々に高めた。24時間、90℃で反応させた。反応溶液を室温まで冷却しそして濾過した。溶剤をロータリーエバポレーションで蒸発、乾固した。THF/t−ブチルメチルエーテル中で再結晶化して生成物を得た。固形物を濾過して集めた。約40℃で真空中で乾燥した後、6gの白色の粉末状生成物が得られた。この生成物は500g/molの平均MWを有する。
【0087】
合成例6
29gのトリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート及び20.8gの無水エチレングリコールを500mlのフラスコ中に入れた。150gの4M HClジオキサン溶液を窒素雰囲気下に加えた。この混合物を攪拌し、そして温度を約1時間で50、60、70、80度に徐々に高めた。還流下に24時間、80〜90℃で反応させた。反応溶液を室温まで冷却しそして濾過した。溶剤をロータリーエバポレーションで除去した。約40℃で真空下に乾燥した後、油状の生成物が得られた。
【0088】
合成例7
110gのテトラメトキシメチルグリコールウリル及び61gのトリス(2−ヒドロキシエチル)シアヌル酸を350gのジオキサン中に加えた。温度を92〜94℃に高めて、透明な溶液が得られた。0.7gのPTSAを加え、そして還流下に6時間反応させた。室温まで冷却した後、0.5gのトリエチルアミンを加えた。この溶液を5℃の酢酸n−ブチル中で析出させた。ポリマーを濾過しそして真空下に乾燥した。得られたポリマーは、約2200g/molの重量平均分子量を有していた。
【0089】
合成例8
600gのテトラメトキシメチルグリコールウリル、96gのスチレングリコール及び1200gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を、温度計、機械的攪拌機及び冷水凝縮器を備えた2Lジャケット付きフラスコ中に仕込み、そして85℃に加熱した。触媒量のパラ−トルエンスルホン酸一水和物を加えた後、反応をこの温度で5時間維持した。この反応溶液を次いで室温まで冷却しそして濾過した。濾液を攪拌しながら蒸留水中に少しずつ注ぎ入れてポリマーを析出させた。ポリマーを濾過し、十分に水洗し、そして減圧炉中で乾燥した。250gのポリマーが得られた。得られたポリマーは約17,345g/molの重量平均分子量及び2.7の多分散性を有していた。
【0090】
合成例9
10gのブタンテトラカルボン酸二無水物、7gのスチレングリコール、0.5gのベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、及び35gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を、凝縮器、温度コントローラー及び機械的攪拌機を備えたフラスコ中に仕込んだ。窒素雰囲気下にかつ攪拌しながら、この混合物を110℃に加熱した。約1〜2時間後に透明な溶液が得られた。温度を3時間110℃に維持した。冷却して、60gのPGMEA及び36gのプロピレンオキシドを上記の溶液と混合した。反応を48時間50℃で維持した。反応溶液を室温に冷却し、そして高速ブレンダー中で多量の水中にゆっくりと注ぎ入れた。ポリマーを集め、そして十分水洗した。最後に、ポリマーを減圧炉中で乾燥した。約20,000g/molの平均分子量(MW)を有する16gのポリマーが得られた。
【0091】
調合及びコーティング例1
0.7gの合成例7からのポリマー及び0.3gの合成例1からの生成物を30gのメチルα−ヒドロキシイソブチレート溶剤中に溶解して3.3重量%の溶液を調製した。PGMEA/PGME70/30中10%のドデシルベンゼンスルホン酸トリエチルアミン塩0.1g、PGMEA/PGME70/30中10%のノナフルオロブタンスルホン酸トリエチルアミン塩0.05gの混合物を、前記ポリマー溶液に加えた。この混合物を次いで孔径0.2μmのマイクロフィルターに通して濾過した。この溶液を次いで40秒間、ケイ素ウェハ上にスピンコートした。次いで、コーティングされたウェハをホットプレートで1分間、200℃で加熱した。反射防止コーティングを分光エリプソメータで分析した。193nmでの最適化された屈折率“n”は1.97であり、吸光パラメータ“k”は0.27であった。
【0092】
調合及びコーティング例2
0.7gの合成例7からのポリマー及び0.3gの合成例3からの生成物を30gのPGMEA/PGME70/30溶剤中に溶解して3.3重量%溶液を調製した。PGMEA/PGME70/30中10%のドデシルベンゼンスルホン酸トリエチルアミン塩0.03g、PGMEA/PGME70/30中10%のノナフルオロブタンスルホン酸トリエチルアミン塩0.03g、及びPGMEA/PGME70/30中10%のp−トルエンスルホン酸トリエチルアミン塩0.06gの混合物を前記ポリマー溶液に加えた。この混合物を次いで孔径0.2μmのマイクロフィルターに通して濾過した。この溶液を次いで40秒間、ケイ素ウェハ上にスピンコートした。次いで、コーティングされたウェハをホットプレートで1分間、200℃で加熱した。反射防止コーティングを分光エリプソメータで分析した。193nmでの最適化された屈折率“n”は1.97であり、吸光パラメータ“k”は0.27であった。
【0093】
調合及びコーティング例3
0.7gの合成例7からのポリマー及び0.3gの合成例5からの生成物を30gのメチルα−ヒドロキシイソブチレート溶剤中に溶解して3.3重量%の溶液を調製した。PGMEA/PGME70/30中10%のドデシルベンゼンスルホン酸トリエチルアミン塩0.03g、PGMEA/PGME70/30中10%のノナフルオロブタンスルホン酸トリエチルアミン塩0.03g、及びPGMEA/PGME70/30中10%のp−トルエンスルホン酸トリエチルアミン塩0.06gの混合物を前記ポリマー溶液に加えた。この混合物を次いで孔径0.2μmのマイクロフィルターに通して濾過した。この溶液を次いで40秒間、ケイ素ウェハ上にスピンコートした。次いで、コーティングされたウェハをホットプレートで1分間、200℃で加熱した。反射防止コーティングを分光エリプソメータで分析した。193nmでの最適化された屈折率“n”は1.97であり、吸光パラメータ“k”は0.27であった。
【0094】
調合及びコーティング例4
0.7gの合成例7からのポリマー、0.2gの合成例3からの生成物、及び0.1gの合成例9からのポリマーを30gのPGMEA/PGME70/30溶剤中に溶解して3.3重量%の溶液を調製した。PGMEA/PGME70/30中10%のドデシルベンゼンスルホン酸トリエチルアミン塩0.03g、PGMEA/PGME70/30中10%のノナフルオロブタンスルホン酸トリエチルアミン塩0.03g、及びPGMEA/PGME70/30中10%のp−トルエンスルホン酸トリエチルアミン塩0.06gの混合物を前記ポリマー溶液に加えた。この混合物を次いで孔径0.2μmのマイクロフィルターに通して濾過した。この溶液を次いで40秒間、ケイ素ウェハ上にスピンコートした。次いで、コーティングされたウェハをホットプレートで1分間、200℃で加熱した。反射防止コーティングを分光エリプソメータで分析した。193nmでの最適化された屈折率“n”は1.94であり、吸光パラメータ“k”は0.29であった。
【0095】
調合及びコーティング例5
0.3gの合成例7からのポリマー、0.5gの合成例8からの生成物及び0.2gの合成例3からの生成物を30gのPGMEA/PGME70/30溶剤中に溶解して3.3重量%溶液を調製した。PGMEA/PGME70/30中10%のドデシルベンゼンスルホン酸トリエチルアミン塩0.03g、PGMEA/PGME70/30中10%のノナフルオロブタンスルホン酸トリエチルアミン塩0.03g、及びPGMEA/PGME70/30中10%のp−トルエンスルホン酸トリエチルアミン塩0.06gの混合物を前記ポリマー溶液に加えた。この混合物を次いで孔径0.2μmのマイクロフィルターに通して濾過した。この溶液を次いで40秒間、ケイ素ウェハ上にスピンコートした。次いで、コーティングされたウェハをホットプレートで1分間、200℃で加熱した。反射防止コーティングを分光エリプソメータで分析した。193nmでの最適化された屈折率“n”は1.94であり、吸光パラメータ“k”は0.30であった。
【0096】
調合及びコーティング例6
0.8gの合成例7からのポリマー及び0.2gの合成例3からの生成物を30gのPGMEA/PGME70/30溶剤中に溶解して3.3重量%溶液を調製した。PGMEA/PGME70/30中10%のドデシルベンゼンスルホン酸トリエチルアミン塩0.03g、PGMEA/PGME70/30中10%のノナフルオロブタンスルホン酸トリエチルアミン塩0.03g及びPGMEA/PGME70/30中10%のp−トルエンスルホン酸トリエチルアミン塩0.06gの混合物を前記ポリマー溶液に加えた。この混合物を次いで孔径0.2μmのマイクロフィルターに通して濾過した。この溶液を次いで40秒間、ケイ素ウェハ上にスピンコートした。次いで、コーティングされたウェハをホットプレートで1分間、200℃で加熱した。反射防止コーティングを分光エリプソメータで分析した。193nmでの最適化された屈折率“n”は1.96nmであり、吸光パラメータ“k”は0.27であった。
【0097】
リソグラフィ性能例1
前記調合及びコーティング例1からの反射防止コーティング調合物の性能を、AZ(登録商標)2110Pフォトレジスト(AZ Electronic Materials USA Corp.,Somerville,NJの製品)を用いて評価した。ケイ素ウェハをAZ(登録商標)EB18B底面反射防止コーティング組成物(AZ Electronic Materials USA Corp.,Somerville,NJ)でコーティングしそして220℃で60秒間ベークして50nm厚のフィルムを形成した。次いで、希釈後の調合及びコーティング例1の25nm厚フィルムをコーティングし、そして205℃で60秒間ベークした。次いで、190nm厚AZ(登録商標)2110Pフォトレジスト溶液をコーティングしそして100℃で60秒間ベークした。次いで、ウェハを、PSMマスクで0.9シグマのダイポールY照明下に、0.85NAのNikon NSR−306D193nmスキャナを用いて像様露光した。露光されたウェハを110℃で60秒間ベークし、そしてAZ(登録商標)300MIF現像剤(AZ Electronic Materials USA Corp.,Somerville,NJから入手可能)中で30秒間現像した。清浄したウェハを次いで走査電子顕微鏡下に検査した。感光速度(photo speed)40mJ/cmの80nmL/S1:1でのライン・アンド・スペースパターンは、定在波、フッティング及びスカミングを示さなかった。このことは、該底面反射コーティングの有効性を示している。
【0098】
リソグラフィ性能例2
調合及びコーティング例2からの反射防止コーティング調合物の性能を、AZ(登録商標)2110Pフォトレジスト(AZ Electronic Materials USA Corp.,Somerville,NJの製品)を用いて評価した。ケイ素ウェハをAZ(登録商標)EB18B底面反射防止コーティング組成物(AZ Electronic Materials USA Corp.,Somerville,NJ)でコーティングしそして220℃で60秒間ベークして50nm厚のフィルムを形成した。次いで、希釈後の調合及びコーティング例2の25nm厚フィルムをコーティングし、そして205℃で60秒間ベークした。次いで、190nm厚AZ(登録商標)2110Pフォトレジスト溶液をコーティングしそして100℃で60秒間ベークした。次いで、ウェハを、PSMマスクで0.9シグマのダイポールY照明下に、0.85NAのNikon NSR−306D193nmスキャナを用いて像様露光した。露光されたウェハを110℃で60秒間ベークし、そしてAZ(登録商標)300MIF現像剤(AZ Electronic Materials USA Corp.,Somerville,NJから入手可能)中で30秒間現像した。清浄したウェハを次いで走査電子顕微鏡下に検査した。感光速度40mJ/cmの80nmL/S1:1でのライン・アンド・スペースパターンは、定在波、フッティング及びスカミングを示さなかった。このことは、該底面反射コーティングの有効性を示している。
【0099】
リソグラフィ性能例3
調合及びコーティング例4からの反射防止コーティング調合物の性能を、AZ(登録商標)2110Pフォトレジスト(AZ Electronic Materials USA Corp.,Somerville,NJの製品)を用いて評価した。ケイ素ウェハをAZ(登録商標)EB18B底面反射防止コーティング組成物(AZ Electronic Materials USA Corp.,Somerville,NJ)でコーティングしそして220℃で60秒間ベークして50nm厚のフィルムを形成した。次いで、希釈後の調合及びコーティング例4の26nm厚フィルムをコーティングし、そして205℃で60秒間ベークした。次いで、190nm厚AZ(登録商標)2110Pフォトレジスト溶液をコーティングしそして100℃で60秒間ベークした。次いで、ウェハを、PSMマスクで0.9シグマのダイポールY照明下に、0.85NAのNikon NSR−306D193nmスキャナを用いて像様露光した。露光されたウェハを110℃で60秒間ベークし、そしてAZ(登録商標)300MIF現像剤(AZ Electronic Materials USA Corp.,Somerville,NJから入手可能)中で30秒間現像した。清浄したウェハを次いで走査電子顕微鏡下に検査した。感光速度40mJ/cmの80nmL/S1:1でのライン・アンド・スペースパターンは定在波、フッティング及びスカミングを示さなかった。このことは該底面反射防止コーティングの有効性を示している。
【0100】
リソグラフィ性能例4
調合及びコーティング例5からの反射防止コーティング調合物の性能を、AZ(登録商標)2110Pフォトレジスト(AZ Electronic Materials USA Corp.,Somerville,NJの製品)を用いて評価した。ケイ素ウェハをAZ(登録商標)EB18B底面反射防止コーティング組成物(AZ Electronic Materials USA Corp.,Somerville,NJ)でコーティングしそして220℃で60秒間ベークして50nm厚のフィルムを形成した。次いで、希釈後の調合及びコーティング例5の26nm厚フィルムをコーティングし、そして205℃で60秒間ベークした。次いで、190nm厚AZ(登録商標)2110Pフォトレジスト溶液をコーティングしそして100℃で60秒間ベークした。次いで、ウェハを、PSMマスクで0.9シグマのダイポールY照明下に、0.85NAのNikon NSR−306D193nmスキャナを用いて像様露光した。露光されたウェハを110℃で60秒間ベークし、そしてAZ(登録商標)300MIF現像剤(AZ Electronic Materials USA Corp.,Somerville,NJから入手可能)中で30秒間現像した。清浄したウェハを次いで走査電子顕微鏡下に検査した。感光速度40mJ/cmの80nmL/S1:1でのライン・アンド・スペースパターンは定在波、フッティング及びスカミングを示さなかった。このことは該底面反射防止コーティングの有効性を示している。
【0101】
リソグラフィ性能例5
調合及びコーティング例4で45nm1:1L/S(ライン/スペース)の性能を、偏光させた1.2NA、ダイポール40Y及びシグマ0.979/0.824の照明条件を用いて193nm液浸リソグラフィにより評価した。断面SEM画像は、感光速度35mJ/cmの45nm1:1L/Sパターンについて、良好な反射性制御及び良好なフォトレジストコンパチビリティを実証した。
【0102】
ここに開示される発明の変形は、本発明の趣旨を外れることなく為し得ることは当業者には当然理解されるものである。従って、本発明は、ここに開示される特定の態様によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)次式1の化合物、b)熱酸発生剤、及びc)少なくとも一種のポリマーを含む反射防止コーティング組成物。
【化1】

[式中、U及びUは独立してC−C10アルキレン基であり; Vは、C−C10アルキレン、アリーレン及び芳香族アルキレンから選択され; Wは、H、C−C10アルキル、アリール、アルキルアリール及びV−OHから選択され; Yは、H、W、及びUC(O)OWから選択され、ここでUは独立してC−C10アルキレン基であり、そしてmは1〜10である]
【請求項2】
ポリマーがクロスリンカーポリマーである、請求項1の反射防止コーティング組成物。
【請求項3】
ポリマーが架橋可能なポリマーである、請求項1の反射防止コーティング組成物。
【請求項4】
クロスリンカーを更に含む、請求項1の反射防止コーティング組成物。
【請求項5】
クロスリンカーが、架橋剤またはクロスリンカーポリマーから選択される、請求項4の反射防止コーティング組成物。
【請求項6】
熱酸発生剤が、ヨードニウム塩類、トシレート類、ベンゼンスルホン酸塩類の誘導体、及びナフタレンスルホン酸塩類の誘導体から選択される、請求項1〜5のいずれか一つの反射防止コーティング組成物。
【請求項7】
任意に存在するクロスリンカーが、メラミン類、メチロール類、グリコールウリル類、ポリマー性グリコールウリル類、ヒドロキシアルキルアミド類、エポキシ及びエポキシアミン樹脂、ブロックドイソシアネート類及びジビニルモノマーから選択される、請求項1の反射防止コーティング組成物。
【請求項8】
該組成物の屈折率値が193nmにおいて1.9またはそれ以上に最適化される、請求項1〜7のいずれか一つの反射防止コーティング組成物。
【請求項9】
該組成物の屈折率値が193nmにおいて約1.9〜約2.0の範囲に最適化される、請求項8の反射防止コーティング組成物。
【請求項10】
該組成物の屈折率値が、193nmにおいておおよそ1.91、1.92、1.93、1.94、1.95、1.96または1.97に最適化される、請求項9の反射防止コーティング組成物。
【請求項11】
k値が約0.2〜約0.7の範囲である、請求項1〜10のいずれか一つの反射防止コーティング組成物。
【請求項12】
(a) 請求項1〜11のいずれか一つの反射防止コーティング組成物で基材をコーティング及びベークし、
(b) 反射防止コーティングの上にフォトレジストフィルムの層をコーティング及びベークし、
(c) フォトレジストを露光装置で像様露光し;
(d) フォトレジスト中に画像を現像し; 及び
(e) 任意に、露光段階の後に基材をベークする、
ことを含む、フォトレジストに画像を形成する方法。
【請求項13】
フォトレジストを13nm〜250nmの波長で像様露光する、請求項12の方法。
【請求項14】
フォトレジストを193nmの波長で像様露光する、請求項13の方法。
【請求項15】
反射防止コーティングを90℃を超える温度でベークする、請求項12〜14のいずれか一つの方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−519926(P2013−519926A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553412(P2012−553412)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際出願番号】PCT/IB2011/000370
【国際公開番号】WO2011/101737
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(305010827)エイゼット・エレクトロニック・マテリアルズ・ユーエスエイ・コーポレイション (81)
【Fターム(参考)】