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反射防止部材
説明

反射防止部材

【課題】反射防止部材に必要な透明性を確保しつつ、可視光領域での反射率を低減することができる反射防止部材を提供する。
【解決手段】透明支持体上に、ハードコート層、低屈折率層をこの順に設けた反射防止部材において、前記ハードコート層に、波長400〜800nmの範囲内の光を吸収する光吸収性材料を含有し、この光吸収性材料を含有する前記ハードコート層により波長400〜800nmの範囲内における光吸収性を有し、全光線透過率が90%以上であることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射防止部材に関するものであり、さらに詳しくは、ディスプレイ(CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、プロジェクションディスプレイ、ELディスプレイ等)の表示画面の表面に適用される反射防止部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、反射防止機能を有するフィルム状または板状の反射防止部材は、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表示装置(LCD)、プロジェクションディスプレイ、エレクトロルミネセンスディスプレイ(ELD)等の表示装置、タッチパネル、光学レンズ、眼鏡レンズ、フォトリソグラフィープロセスにおける反射防止処理、太陽電池パネル表面の反射防止処理等の様々な分野で利用されている。
【0003】
この反射防止部材は、フィルム状または板状の透明支持体上に、ハードコート層、低屈折率層をこの順に設けたものが主に用いられている(特許文献1、2参照)。
【0004】
透明支持体としてはPETフィルム等が主に用いられ、その上に設けられるハードコート層は、透明支持体よりも硬度の高い被膜であって、透明支持体の表面の硬度を向上させ、鉛筆等の荷重のかかる引っ掻きによる傷を防止するものである。また、透明支持体の屈曲による低屈折率層のクラック発生を抑制して反射防止部材の機械的強度を改善するものである。そしてハードコート層の上に透明支持体およびハードコート層よりも屈折率の低い低屈折率層を設けることで、反射防止性能を付与している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−31769号公報
【特許文献2】特開2004−258267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の反射防止部材は、透明支持体の裏面や、あるいはガラス板等の基板に貼り合わせた場合には基板の裏面からの反射光の寄与が大きく、可視光領域での反射率を高める要因となっていた。また、一般的な1層〜3層を積層したタイプの反射防止部材においては、反射率には大きな波長依存性があり、そのために透過色が着色し、例えば被着体のディスプレイの色再現性を損なう要因となっていた。
【0007】
そして反射率の低減に関しては従来より各種の検討がなされてきたものの、反射防止部材は高い透明性が要求されることが多く、そのため、光を吸収することで反射率を低減するという点に着目したアプローチは未だなされていない。
【0008】
また、反射防止部材には、反射防止性能以外にも帯電防止性能、防指紋性等の各種の性能が要求される場合もあり、これらの性能も同時に満足することができる技術が求められている。
【0009】
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、反射防止部材に必要な透明性を確保しつつ、可視光領域での反射率を低減することができる反射防止部材を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の反射防止部材は、透明支持体上に、ハードコート層、低屈折率層をこの順に設けた反射防止部材において、前記ハードコート層に、波長400〜800nmの範囲内の光を吸収する光吸収性材料を含有し、この光吸収性材料を含有する前記ハードコート層により波長400〜800nmの範囲内における光吸収性を有し、全光線透過率が90%以上であることを特徴としている。
【0011】
この反射防止部材において、L*a*b*表色系における透過色度が−1.0≦a*≦0かつ0≦b*≦1.0であることが好ましい。
【0012】
この反射防止部材において、平均視感反射率が1.0%以下であることが好ましい。
【0013】
この反射防止部材において、ハードコート層の屈折率が1.50〜1.90であることが好ましい。
【0014】
この反射防止部材において、チタン、アルミニウム、セリウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、およびアンチモンから選ばれる少なくとも1種の酸化物を高屈折率粒子としてハードコート層に含有することが好ましい。
【0015】
この反射防止部材において、ハードコート層が帯電防止性を有することが好ましい。
【0016】
この反射防止部材において、インジウム、亜鉛、錫、およびアンチモンから選ばれる少なくとも1種の酸化物を導電性ナノ粒子として前記ハードコート層に含有することが好ましい。
【0017】
この反射防止部材において、ハードコート層のシート抵抗が1014Ω/□以下であることが好ましい。
【0018】
この反射防止部材において、低屈折率層の屈折率が1.30〜1.45であることが好ましい。
【0019】
この反射防止部材において、低屈折率層の表面に防汚層を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、反射防止部材に必要な透明性を確保しつつ、可視光領域での反射率を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の反射防止部材の一例を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の反射防止部材の別の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明について詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の反射防止部材の一例を示す断面図である。
【0024】
この反射防止部材1は、透明支持体2として透明樹脂フィルムまたは透明樹脂板を用い、この透明支持体2の表面にハードコート層3、低屈折率層4をこの順に形成したものである。
【0025】
なお、図1に示す反射防止部材1では、透明支持体2の片面にハードコート層3を介して低屈折率層4を形成するようにしているが、透明支持体2の両面にハードコート層3を介して低屈折率層4を形成するようにしてもよい。
【0026】
本発明では、ハードコート層3に、波長400〜800nmの範囲内の光を吸収する光吸収性材料を含有し、光吸収性材料を含有する層により波長400〜800nmの範囲内における光吸収性を付与したものである。そして全光線透過率は90%以上であり、好ましくは92%以上である。
【0027】
このようにして光吸収性を付与することにより、本発明では、反射防止部材1の平均視感反射率が好ましくは1.0%以下とされ、より好ましくは0.7%以下とされる。
【0028】
そして、ディスプレイ等の用途においても光取り出し効率や消費電力等を損なうことのない反射防止部材1とすることができる。
【0029】
本発明の反射防止部材1において、L*a*b*表色系における透過色度は−1.0≦a*≦0かつ0≦b*≦1.0であることが好ましい。これにより、反射防止部材に必要な透明性と低反射性を確保しつつ、色調をニュートラルにすることができる。
【0030】
本発明において、透明支持体2としては、種々の有機高分子からなる透明樹脂フィルムまたは透明樹脂板を挙げることができる。通常、光学部材として用いられる有機高分子は、透明性、屈折率、ヘイズ等の光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性等の諸物性の点から、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミド樹脂、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セロファン等のセルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、あるいはこれらの有機高分子の共重合体等であり、これらの有機高分子等をフィルム状または板状に成形することによって、透明樹脂フィルムまたは透明樹脂板を製造することができる。
【0031】
また、上記の有機高分子等に、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤、難燃剤等を含有させたものを用いて透明支持体2を製造してもよい。
【0032】
透明支持体2は、単層のものであっても、あるいは複数の有機高分子を積層した多層のものであってもよい。透明支持体2の厚みは、特に限定されないが、50〜200μmであることが好ましい。
【0033】
本発明において、ハードコート層3は、透明支持体2よりも硬度の高い被膜であって、透明支持体2の表面の硬度を向上させ、鉛筆等の荷重のかかる引っ掻きによる傷を防止し、また、透明支持体2の屈曲による低屈折率層4のクラック発生を抑制して反射防止部材1の機械的強度を改善するものである。
【0034】
ハードコート層3の鉛筆硬度は好ましくはH以上、より好ましくは2H以上であり、ハードコート層3の硬度を向上させるためには、反応性硬化型樹脂、すなわち、熱硬化型樹脂と電離放射線硬化型樹脂の少なくとも一方をハードコート材料(ハードコート層形成用組成物)として用いてハードコート層3を形成するのが好ましい。
【0035】
熱硬化型樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を用いることができる。
【0036】
これらの熱硬化型樹脂に、必要に応じて、例えば、架橋剤、重合開始剤、硬化剤、硬化促進剤、溶剤等を加えて用いることもできる。
【0037】
熱硬化型樹脂を用いてハードコート層3を形成する場合は、熱硬化型樹脂を反射防止部材1の表面に塗布した後、加熱により乾燥硬化させるのが好ましい。
【0038】
電離放射線硬化型樹脂としては、アクリレート系の官能基を有するものが好ましく用いられる。アクリレート系の官能基を有する電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマー、プレポリマーを用いることができる。
【0039】
また、これらのオリゴマー、プレポリマーに、反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー、または、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能モノマーを配合したものを用いることができる。
【0040】
さらに、上記の電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂とするには、光重合開始剤を配合することが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類等が挙げられる。
【0041】
また、光重合開始剤とともに光増感剤を用いてもよい。光増感剤としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、チオキサントン等が挙げられる。光重合反応する紫外線硬化型樹脂を用いてハードコート層3を形成する場合は、例えば、紫外線硬化型樹脂を透明支持体2の表面に塗布し乾燥した後、紫外線照射により硬化させることができる。
【0042】
ハードコート層3は、透明支持体2と屈折率が近似していることが好ましく、反射率低減等の点からは、ハードコート層3の屈折率は実用的には1.50〜1.90(ポリエステルフィルム1と屈折率と同等)が好ましい。
【0043】
ハードコート層3の膜厚は、1〜2μm以上あれば十分な強度が得られる。
【0044】
また、ハードコート層3の屈折率を増大させて反射防止性能を高めるために、ハードコート層材料中に高屈折率粒子、すなわち高屈折率の金属や金属酸化物の超微粒子を添加することができる。高屈折率粒子としては、例えば、屈折率が1.6以上で粒径が0.5〜200nmのものを用いることができる。反射防止部材1の低反射率化の点からは、高屈折率粒子の配合量をハードコート層3に対して5〜70体積%となるように調整することが好ましい。
【0045】
上記の高屈折率の金属や金属酸化物の超微粒子としては、例えば、チタン、アルミニウム、セリウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、およびアンチモンから選ばれる少なくとも1種の酸化物の粒子を用いることができる。具体的には、例えば、ZnO(屈折率1.90)、TiO(屈折率2.3〜2.7)、CeO(屈折率1.95)、Sb(屈折率1.71)、SnO、ITO(屈折率1.95)、Y(屈折率1.87)、La(屈折率1.95)、ZrO(屈折率2.05)、Al(屈折率1.63)等の微粉末を用いることができる。
【0046】
ハードコート層3には、帯電防止性を付与し、反射防止部材1としての帯電防止性や埃付着防止性を確保することが好ましい。ハードコート層3に帯電防止性を付与するために、例えば、ハードコート層3に導電性ナノ粒子を含有させることができる。
【0047】
導電性ナノ粒子としては、例えば、導電性の金属や金属酸化物で粒径が0.5〜200nmの超微粒子を用いることができる。具体的には、例えば、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンから選ばれる少なくとも1種の酸化物の粒子を用いることができ、好ましくは、酸化インジウム(ITO)、酸化錫(SnO)、アンチモン/錫酸化物(ATO)、鉛/チタン酸化物(PTO)、アンチモン酸化物(Sb)の超微粒子が用いられる。
【0048】
ハードコート層3の帯電防止性を得る点からは、そのシート抵抗が1014Ω/□以下であることが好ましい。なお、ハードコート層3のシート抵抗は小さいほど帯電防止性が向上するので、特に下限は限定されないが、シート抵抗の低減には限界があるため、ハードコート層3のシート抵抗は実質的に106Ω/□以上となる。また、ハードコート層3のシート抵抗値は導電性ナノ粒子の配合量等によって調整することができ、例えば、導電性ナノ粒子の配合量をハードコート層3に対して5〜70質量%となるように調整することができる。
【0049】
ハードコート層3の表面には、低屈折率層4を形成する前に、表面処理を行うことが好ましい。このような表面処理としては、例えば、プラズマ放電処理、コロナ処理、フレーム処理等の物理的表面処理や、カップリング剤、酸、アルカリ等による化学的表面処理等を挙げることができる。このような表面処理を行うことにより、ハードコート層3と低屈折率層4とのぬれ性、密着性を向上させることができる。
【0050】
ハードコート層3に配合される光吸収性材料は、ハードコート層3の材質等も考慮すると、シアニン系色素、フタロシアニン系色素等が好ましい。例えば、シアニン系色素の光吸収波長の範囲は400〜600nm、フタロシアニン系色素の光吸収波長の範囲は600〜800nmである。
【0051】
これらの配合量は特に限定されないが、例えば、シアニン系色素については株式会社アデカ製GPX301をハードコート層3の全量に対して0.005〜0.01質量%、フタロシアニン系色素については、株式会社日本触媒製TX−EX−609Kをハードコート層3の全量に対して0.002〜0.006質量%配合することができる。
【0052】
本発明において、低屈折率層4は、透明支持体2およびハードコート層3よりも屈折率の小さい層であって、ハードコート層3の表面に低屈折率コーティング剤を塗工するなどして形成することができる。
【0053】
この低屈折率層4は、屈折率が好ましくは1.30〜1.45であり、より好ましくは1.30〜1.40である。低屈折率層4の厚みdは、低屈折率層4の屈折率をn、入射する光の波長をλとすると、nd=λ/4であることが好ましい。具体的には、低屈折率層4の厚みは、好ましくは50〜200nmであり、より好ましくは80〜120nmである。
【0054】
低屈折率コーティング剤は、バインダー材料自身が低屈折率である場合はバインダー材料単体で調製することができるが、バインダー材料に低屈折率粒子を配合して調製することもできる。
【0055】
バインダー材料としては、例えば、珪素アルコキシドの加水分解物、あるいは飽和炭化水素またはポリエーテルを主鎖として有するポリマー(UV硬化型樹脂、熱硬化型樹脂)等を用いることができる。また、これらの分子内にフッ素原子を含む構成単位を有するものを用いることもできる。
【0056】
バインダー材料の珪素アルコキシドとしては、例えば、RmSi(OR´)nで表される化合物を用いることができる。ここでR、R´は炭素数1〜10のアルキル基を示し、mおよびnはそれぞれ整数を示し、m+nは4である。
【0057】
このような化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等を用いることができ、また、これらを基本骨格とするオリゴマーやポリマー、あるいはこれらの少なくとも2種以上の共重合体を用いることができる。
【0058】
珪素アルコキシドのバインダー材料は、上記の珪素アルコキシドを適当な溶媒中に溶解し加水分解して調製することができる。
【0059】
溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0060】
珪素アルコキシドは、上記の溶媒中に、珪素アルコキシドが100%加水分解および縮合したとして生じるSiO換算で好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.1〜10質量%になるように溶解する。珪素アルコキシドの濃度が低過ぎると、形成されるゾル膜が所望の特性を十分に発揮できない場合があり、一方、珪素アルコキシドの濃度が高過ぎると、透明で均質な膜の形成が困難となる場合がある。
【0061】
この溶液に加水分解に必要な量以上の水を加え、好ましくは15〜35℃、より好ましくは22〜28℃の温度で、好ましくは0.5〜10時間、より好ましくは2〜5時間撹拌を行う。加水分解には触媒を用いることが好ましく、触媒としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等の酸を用いることができる。これらの酸を好ましくは0.001〜20.0N、より好ましくは0.005〜5.0Nの水溶液として加え、水溶液中の水分を加水分解用の水分とすることができる。このようにして得られたSiOゾルは、無色透明な液体であり、ポットライフが約1ヶ月の安定な溶液であり、基材に対して濡れ性が良く、塗布適性に優れている。
【0062】
この珪素アルコキシドの加水分解物には、反応性有機珪素化合物またはその部分加水分解物を添加してもよい。このような反応性有機珪素化合物としては、熱または電離放射線によって反応架橋する複数の基、例えば、重合性二重結合基を有する分子量5000以下の有機珪素化合物を用いることができる。
【0063】
具体的には、例えば、片末端ビニル官能性ポリシラン、両末端ビニル官能性ポリシラン、片末端ビニル官能ポリシロキサン、両末端ビニル官能性ポリシロキサン、あるいはこれらの化合物を反応させたビニル官能性ポリシラン、ビニル官能性ポリシロキサン等を用いることができる。
【0064】
バインダー材料の飽和炭化水素またはポリエーテルを主鎖として有するポリマーは、架橋したものが好ましい。
【0065】
飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーは、エチレン性不飽和モノマーの重合反応により得られたものが好ましい。また、架橋しているバインダー材料のポリマーを得るためには、2以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを用いることが好ましい。
【0066】
2以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーとして、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート等の多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル;1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン等のビニルベンゼンおよびその誘導体;ジビニルスルホン等のビニルスルホン;メチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド、メタクリルアミド等を用いることができる。
【0067】
2以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わりに、あるいはそれに加えて、架橋性官能基の反応により架橋構造をバインダー材料のポリマーに導入してもよい。このような架橋性官能基としては、例えば、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基、活性メチレン基等が挙げられる。また、ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステル、およびウレタンも、架橋構造を導入するためのモノマーとして用いることができる。なお、ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。
【0068】
ポリエーテルを主鎖として有するポリマーとしては、例えば、多官能エポシキ化合物の開環重合反応により合成したものを用いることができる。
【0069】
バインダー材料のポリマーの重合反応および架橋反応に用いる重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤や光重合開始剤を用いることができる。
【0070】
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類等を用いることができる。
【0071】
さらに低屈折率層4に防汚性を付与するために、バインダー材料の一部を撥水、撥油性材料に置き換えても良い。撥水、撥油性材料は一般にワックス系の材料等が挙げられるが、特に、含フッ素化合物を含有することが望ましい。含フッ素化合物を配合することで、低屈折率層4の表面が汚れから保護され、また付着した汚れ、指紋等の除去性も向上する。さらに表面の摩擦抵抗を低減でき、耐摩耗性向上の効果も期待できる。
【0072】
上記のバインダー材料に配合される低屈折率粒子は、屈折率が好ましくは1.5以下、より好ましくは1.20〜1.45である。
【0073】
低屈折率粒子の平均粒子径は0.5〜200nmであることが好ましい。この平均粒径が200nmよりも大きくなると、得られる低屈折率層4においてレイリー散乱によって光が乱反射され、低屈折率層4が白っぽく見え、そのヘイズ値が増大することがある。0.5nm以下であると、低屈折率粒子の分散性が低下し、低屈折率コーティング剤の液中で凝集を生じてしまう。
【0074】
また、低屈折率粒子の添加量は、低屈折率化や表面硬度、耐摩耗性等も考慮すると、低屈折率層3の全量に対して20〜99体積%であることが好ましい。
【0075】
低屈折率粒子としては、例えば、シリカ微粒子、中空シリカ微粒子等の中空粒子、あるいは、フッ化マグネシウム、フッ化リチウム、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化ナトリウム等のフッ化物微粒子を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの低屈折率粒子は、バインダー材料の樹脂等との相溶性を付与するための表面処理を施すことができる。
【0076】
なお、中空粒子は、外殻によって包囲された空洞を有する微粒子である。中空粒子自体の屈折率は1.20〜1.45であることが好ましく、この中空粒子の屈折率は特開2001−233611号公報に記載の方法によって測定することができる。
【0077】
中空粒子としては、例えば、特開2001−233611号公報に開示されている中空粒子を用いることができる。
【0078】
中空粒子の外殻を構成する材料としては、例えば、SiO、SiO、TiO、TiO、SnO、CeO、Sb、ITO、ATO、Al等を単独で、あるいはこれらの材料のいずれかの組み合わせの混合物の形態のものを用いることができる。また、これらの材料のいずれかの組み合わせの複合酸化物であってもよい。なお、SiOは、酸化雰囲気中で焼成した場合に、SiOとなるものが好ましい。
【0079】
低屈折率コーティング剤は、例えば、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、グラビアロールコーティング法、リバースコーティング法、トランスファーロールコーティング法、マイクログラビアコーティング法、キャストコーティング法、カレンダーコーティング法、ダイコーティング法等の液相法により、表面処理を行ったハードコート層3上に塗工することができる。塗工後、加熱乾燥により塗膜中の溶剤を揮発させ、その後、加熱、加湿、紫外線照射、電子線照射等を行い塗膜を硬化させて低屈折率層4を形成することができる。
【0080】
本発明では、反射防止部材の防汚性、指紋除去性をさらに向上させるために、図2に示すように、低屈折率層4の表面に防汚層5を形成することができる。防汚層5の厚みは光学特性に影響を与えないため、30nm以下にするのが好ましい。
【0081】
防汚層5の形成処理は、例えば、シリコーン系化合物またはフッ素含有化合物を被覆し、低屈折率層4の表面と化学的に結合させるようにして行うことができる。また、防汚層5を形成する材料としては、アルコキシシラノ基を有するフッ素化合物、反応性シリコーンオイル等のように反応性を有するものが耐摩耗性、耐薬品性、耐経時劣化性を向上することができる点から好ましい。
【0082】
防汚層5は、例えば、モメンティブ社製長鎖フルオロアルキルシランコーティング材「XC98−2472」を希釈溶剤IPA(イソプロパノール)を用い、固形分0.2%まで希釈し、この混合溶液を膜厚5nmとなるようにワイヤーバーコーター#10番で低屈折率層4の表面に塗布した後、120℃、3分間乾燥させることによって形成することができる。
【実施例】
【0083】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0084】
<実施例1>
ポリエステルフィルム1としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム東洋紡績株式会社製「A4300(厚み100μm)」を用いた。
【0085】
ハードコート層用のハードコート材料として、アクリル系紫外線硬化型樹脂(大日精化工業(株)製「セイカビームPET−HC301」、有効成分(固形分)60質量%)中に、高屈折率粒子として酸化チタン粒子(テイカ(株)製「760T」、分散溶剤:トルエン、固形分48質量%)を30質量%、光吸収性材料としてシアニン色素(株式会社アデカ製GPX−301)を0.005質量%、フタロシアニン色素(和光純薬工業株式会社製、テトラベンズテトラアザポルフィリン)を0.002質量%添加し、ディスパーで混合した。このハードコート材料(混合液)をワイヤーバーコーター#10番でポリエステルフィルム1の上に塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、UV照射(500mJ/cm)により硬化させて形成した。
【0086】
次に、低屈折率材料をハードコート層の表面に塗布して低屈折率層を形成した。低屈折率材料は、テトラエトキシシラン208質量部にメタノール356質量部を加え、さらに水18質量部および0.01Nの塩酸水溶液18質量部を加え、これをディスパーで混合して混合液を得た後、この混合液を25℃恒温槽中で2時間攪拌して重量平均分子量を850に調整したシリコーンレジンをバインダー材料として用いた。低屈折率粒子として、低屈折率ナノ粒子の中空シリカIPA(イソプロパノール)分散ゾル(触媒化成工業(株)製「スルーリアCS−60IPA」、固形分20質量%)をシリコーンレジンマトリックスの全体量の40体積%となる量でシリコーンレジンに配合し、その後、全固形分が1.5質量%になるようにメタノールで希釈することによって、低屈折率材料を調整した。
【0087】
この低屈折率材料を膜厚100nmになるようにワイヤーバーコーター#10番で上記のハードコート層の表面に塗布した後、120℃、15分間乾燥させて低屈折率層を形成し、反射防止部材を作製した。
【0088】
<実施例2>
ハードコート層用のハードコート材料として、アクリル系紫外線硬化型樹脂(大日精化工業(株)製「セイカビームPET−HC301」、有効成分(固形分)60質量%)中に、高屈折率粒子として酸化チタン粒子(テイカ(株)製「760T」、分散溶剤:トルエン、固形分48質量%)を30質量%、光吸収性材料としてシアニン色素(株式会社アデカ製GPX−301)を0.01質量%、フタロシアニン色素(和光純薬工業株式会社製、テトラベンズテトラアザポルフィリン)を0.006質量%添加し、ディスパーで混合した。その他は実施例1と同様にして反射防止部材を作製した。
【0089】
<実施例3>
ハードコート層用のハードコート材料として、アクリル系紫外線硬化型樹脂(大日精化工業(株)製「セイカビームPET−HC301」、有効成分(固形分)60質量%)中に、光吸収性材料としてシアニン色素(株式会社アデカ製GPX−301)を0.005質量%、フタロシアニン色素(和光純薬工業株式会社製、テトラベンズテトラアザポルフィリン)を0.002質量%添加し、ディスパーで混合した。その他は実施例1と同様にして反射防止部材を作製した。
【0090】
<実施例4>
ハードコート層用のハードコート材料として、アクリル系紫外線硬化型樹脂(大日精化工業(株)製「セイカビームPET−HC301」、有効成分(固形分)60質量%)中に、高屈折率粒子として酸化チタン粒子(テイカ(株)製「760T」、分散溶剤:トルエン、固形分48質量%)を60質量%、光吸収性材料としてシアニン色素(株式会社アデカ製GPX−301)を0.005質量%、フタロシアニン色素(和光純薬工業株式会社製、テトラベンズテトラアザポルフィリン)を0.002質量%添加し、ディスパーで混合した。その他は実施例1と同様にして反射防止部材を作製した。
【0091】
<実施例5>
ハードコート層用のハードコート材料として、アクリル系紫外線硬化型樹脂(大日精化工業(株)製「セイカビームPET−HC301」、有効成分(固形分)60質量%)中に、高屈折率粒子として酸化チタン粒子(テイカ(株)製「760T」、分散溶剤:トルエン、固形分48質量%)を20質量%、帯電防止粒子としてATO粒子(日揮触媒化成(株)製「ELCOM P−特殊品A」分散溶剤:MEK/トルエン(4/1)、固形分30質量%)を20質量%、光吸収性材料としてシアニン色素(株式会社アデカ製GPX−301)を0.005質量%、フタロシアニン色素(和光純薬工業株式会社製、テトラベンズテトラアザポルフィリン)を0.002質量%添加し、ディスパーで混合した。その他は実施例1と同様にして反射防止部材を作製した。
【0092】
<実施例6>
ハードコート層、低屈折率層は実施例1と同様にして作製した。防汚層用の防汚材料として、モメンティブ社製長鎖フルオロアルキルシランコーティング材「XC98−2472」を希釈溶剤IPA(イソプロパノール)を用い、固形分0.2%まで希釈し、この混合溶液を膜厚5nmとなるようにワイヤーバーコーター#10番で低屈折率層の表面に塗布した後、120℃、3分間乾燥させることによって、防汚層を形成し、反射防止部材を作製した。
【0093】
<実施例7>
低屈折率層用材料調合において、低屈折率ナノ粒子の中空シリカIPA(イソプロパノール)分散ゾル(触媒化成工業(株)製「スルーリアCS−60IPA」、固形分20質量%)をシリコーンレジンマトリックスの全体量の60体積%となる量でシリコーンレジンに配合した以外は、実施例1と同様にして反射防止部材を作製した。
【0094】
<実施例8>
低屈折率層用材料調合において、低屈折率ナノ粒子の中空シリカIPA(イソプロパノール)分散ゾル(触媒化成工業(株)製「スルーリアCS−60IPA」、固形分20質量%)をシリコーンレジンマトリックスの全体量の20体積%となる量でシリコーンレジンに配合した以外は、実施例1と同様にして反射防止部材を作製した。
【0095】
<比較例1>
ハードコート材料の調合において、光吸収性材料としてシアニン色素(株式会社アデカ製GPX−301)および、フタロシアニン色素(和光純薬工業株式会社製、テトラベンズテトラアザポルフィリン)を添加しない以外は、実施例1と同様にして反射防止部材を作製した。
【0096】
<比較例2>
ハードコート材料の調合において、光吸収性材料としてシアニン色素(株式会社アデカ製GPX−301)を0.01質量%、フタロシアニン色素(和光純薬工業株式会社製、テトラベンズテトラアザポルフィリン)を0.02質量%添加した以外は、実施例1と同様にして反射防止部材を作製した。
【0097】
<比較例3>
ハードコート材料の調合において、光吸収性材料としてシアニン色素(株式会社アデカ製TY−235)を0.005質量%、フタロシアニン色素(和光純薬工業株式会社製、テトラベンズテトラアザポルフィリン)を0.002質量%添加した以外は、実施例1と同様にして反射防止部材を作製した。
【0098】
<比較例4>
ハードコート材料の調合において、光吸収性材料としてシアニン色素(株式会社アデカ製GPX−301)を0.005質量%、Cuフタロシアニン色素(和光純薬工業株式会社製、Cuテトラベンズテトラアザポルフィリン、PG7)を0.002質量%添加した以外は、実施例1と同様にして反射防止部材を作製した。
【0099】
実施例および比較例の反射防止部材について、次の測定を行った。
【0100】
[ヘイズ]
反射防止フィルムを濁度計(日本電色株式会社製NDH−2000)を用いて、JISK7361−1997に基づき、ヘイズを測定した。
【0101】
[全光線透過率]
反射防止フィルムを濁度計(日本電色株式会社製、NDH−2000)を用いて、JISK7361−1997に基づき、全光線透過率を測定した。
【0102】
[最小反射率]
透明支持体の表面(図1の最下面)をサンドペーパーでこすり、艶消しの黒色塗料を塗布した後、分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ製「U−4100」)を用いて、最小反射率(5°相対反射率)を測定した。
【0103】
[平均視感反射率]
透明支持体の表面(図1の最下面)をサンドペーパーでこすり、艶消しの黒色塗料を塗布した後、分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ製「U−4100」)を用いて、JIS R−3106に基づき、平均視感反射率(5°相対反射率)を測定した。
[透過色度]
【0104】
反射防止フィルムを分光測色計(コニカミノルタホールディングス株式会社製、CM3600D)を用いて、10度視野、C光源条件にて、透過色度を測定した。
[シート抵抗]
【0105】
反射防止フィルムの表面に電極を設置し、絶縁抵抗測定器(株式会社アドバンテスト製R8340A)を用いて、JIS K6911に基づき、シート抵抗を測定した。
[指紋除去性]
【0106】
反射防止フィルムの表面に指紋を付着させて表面を汚した後、BEMCOT−S2(旭化成せんい株式会社製)で50往復してふき取る。その後反射防止フィルムから40cmの距離から目視で観察し、指紋の除去度合いを評価した。
【0107】
測定結果を表1および表2に示す。
【0108】
【表1】

【表2】

【0109】
表1および表2より、ハードコート材料に光吸収性材料を適切な量で配合した実施例1では、最小反射率と平均視感反射率が低く、かつ全光線透過率が高いものであり、透明で反射率の低い反射防止部材が得られた。なお、反射防止部材の実用性を考慮すると、全光線透過率は90%以上、平均視感反射率は1.0%以下が一つの目安となる。
【0110】
また、L*a*b*表色系における透過色度を−1.0≦a*≦0かつ0≦b*≦1.0とすることで、反射防止部材に必要な透明性と低反射性を確保しつつ、色調をニュートラルにすることができた。
【0111】
これに対して比較例1では、ハードコート材料に光吸収性材料を配合しなかったため最小反射率と平均視感反射率が高くなった。比較例2〜4は光吸収性材料を配合したが適切な量を逸脱したため全光線透過率が低下した。
【符号の説明】
【0112】
1 反射防止部材
2 透明支持体
3 ハードコート層
4 低屈折率層
5 防汚層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明支持体上に、ハードコート層、低屈折率層をこの順に設けた反射防止部材において、前記ハードコート層に、波長400〜800nmの範囲内の光を吸収する光吸収性材料を含有し、この光吸収性材料を含有する前記ハードコート層により波長400〜800nmの範囲内における光吸収性を有し、全光線透過率が90%以上であることを特徴とする反射防止部材。
【請求項2】
L*a*b*表色系における透過色度が−1.0≦a*≦0かつ0≦b*≦1.0であることを特徴とする請求項1に記載の反射防止部材。
【請求項3】
平均視感反射率が1.0%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止部材。
【請求項4】
前記ハードコート層の屈折率が1.50〜1.90であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか一項に記載の反射防止部材。
【請求項5】
チタン、アルミニウム、セリウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、およびアンチモンから選ばれる少なくとも1種の酸化物を高屈折率粒子として前記ハードコート層に含有することを特徴とする請求項1ないし4いずれか一項に記載の反射防止部材。
【請求項6】
前記ハードコート層が帯電防止性を有することを特徴とする請求項1ないし5いずれか一項に記載の反射防止部材。
【請求項7】
インジウム、亜鉛、錫、およびアンチモンから選ばれる少なくとも1種の酸化物を導電性ナノ粒子として前記ハードコート層に含有することを特徴とする請求項1ないし6いずれか一項に記載の反射防止部材。
【請求項8】
前記ハードコート層のシート抵抗が1014Ω/□以下であることを特徴とする請求項1ないし7いずれか一項に記載の反射防止部材。
【請求項9】
前記低屈折率層の屈折率が1.30〜1.45であることを特徴とする請求項1ないし8いずれか一項に記載の反射防止部材。
【請求項10】
前記低屈折率層の表面に防汚層を有することを特徴とする請求項1ないし9いずれか一項に記載の反射防止部材。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−109169(P2013−109169A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254437(P2011−254437)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】