説明

反復伸張に関連する疾患または病態の治療に有用な方法および組成物

本発明は、CAG、CUG、またはCCUGヌクレオチド反復含有RNA(NRR)の反復領域に相補的であり、その反復領域内でハイブリッド形成することができる、化学修飾されたオリゴマーに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、治療薬としての使用のための化学修飾されたオリゴマーに関する。
【0002】
配列表
本出願は、電子フォーマットの配列表と共に出願されている。配列表は、2011年2月7日に作成され、8KbのサイズであるCORE0088WOSEQ.txtと表題を付けられたファイルとして提供される。配列表の電子フォーマットでの情報は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
政府支援
本発明は、アメリカ国立衛生研究所によって認可された2−R01−GM073042−06の下での政府支援により作製された。政府は、本発明においてある種の権利を有する。
【背景技術】
【0004】
遺伝子特異的なマイクロサテライトおよびミニサテライト反復配列の不安定性は、サテライトにおける反復配列の長さの増加をもたらし、約35種類のヒト遺伝性障害に関連する。ハンチントン病に対する原因遺伝子、HDは、第4染色体上に位置する。ハンチントン病は、常染色体性優性様式で継承される。遺伝子が、ポリグルタミン鎖をコードする35超のCAGトリヌクレオチド反復を有するとき、反復の数は、連続した世代において伸張する可能性がある。反復の長さの進行的な増加のため、この疾患は、表現促進現象と称されるプロセスにより、重症度が増加する傾向があり、継続する世代においてより早期の年齢で呈するようになる。HD遺伝子の産物は、348kDa細胞質タンパク質ハンチンチンである。ハンチンチンは、正常な形態では40個未満のグルタミンアミノ酸残基の特徴的な配列を有する一方で、疾患を引き起こす突然変異したハンチンチンは、40個超の残基を有する。神経細胞中での変異体ハンチンチン分子の継続的発現は、大幅なタンパク質沈着の形成をもたらし、最終的に、とりわけ前頭葉および基底核(主に尾状核における)における細胞死を引き起こす。疾患の重症度は、概して余分な残基の数に比例する。
【0005】
不安定な反復単位はまた、3’UTRの筋強直性ジストロフィー1型(DM1)等の非翻訳領域において、または筋強直性ジストロフィー2型(DM2)等のイントロン配列においても見出される。反復の正常な数は、DMPKについて5〜37前後であるが、2から10倍以上の前突然変異および完全な疾患状態まで、50、100、および時には1000以上の反復単位にまで増加する。DM2/ZNF9については、10,000以上の反復にまでの増加が報告されている。(Cleary and Pearson,Cytogenet.Genome Res.100:25−55,2003)。
【0006】
DM1は、成人において最も一般的な筋ジストロフィーであり、主に骨格筋、心臓、および脳の、遺伝性、進行性、退行性、多臓器性障害である。DM1は、ヒト第19q染色体上のDMPK遺伝子(筋強直性ジストロフィータンパク質キナーゼ)の3’非翻訳領域における不安定なトリヌクレオチド(CTG)反復の伸長によって引き起こされる(Brook et al,Cell,1992)。2型筋強直性ジストロフィー(DM2)は、ZNF9遺伝子のイントロン1におけるCCTG伸長によって引き起こされる(Liquori et al,Science 2001)。筋強直性ジストロフィー1型の場合、DMPK転写物の核細胞質核外輸送は、増加した反復の長さによって遮断され、それは核病巣中に蓄積するヘアピン様二次構造を形成する。長い(CUG)路を支持するDMPK転写物は、マッスルブラインドファミリーのタンパク質に結合し、その後、核内のリボ核病巣中に凝集する、ヘアピン様構造を形成し得る。これらの核封入体は、マッスルブラインドタンパク質、および潜在的に他の因子を隔離すると考えられ、それは次いでその細胞に制限的となる。DM2においては、(CCUG)伸張反復を担持するZNF9 RNAの蓄積が、類似した病巣を形成する。マッスルブラインドタンパク質は、スプライシング因子であるため、それらの枯渇は、スプライス異常(spliceopathy)と称される、他の転写物のスプライシングにおける劇的な再編成をもたらす。結果として、多くの遺伝子の転写物は、例えば、胎児エクソンの包含、またはエクソンの排除によって、異常にスプライスされるようになり、非機能性タンパク質および細胞機能障害をもたらす。DM1については、核内に蓄積する異常な転写物は、下方調節されるか、または完全に除去され得る。異常な転写物における比較的小さい低減であっても、実質的なおよび可能性としては十分な量の隔離された細胞因子を放出し、それによってDMのための正常なRNAプロセシングおよび細胞代謝を回復する一助となり得る(Kanadia et al.,PNAS 2006)。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、CAG、CUG、またはCCUGヌクレオチド反復含有RNA(NRR)の反復領域に相補的であり、その反復領域内でハイブリッド形成することができる化学修飾されたオリゴマーに関する。本発明の化学修飾されたオリゴヌクレオチドは、野生型対立遺伝子の正常な機能を侵すことなく、疾患を治療するために、変異体NRRの有害作用を選択的に妨害するのに有用である。トリプレットCAGもしくはCUG、またはカルテットCCUG反復配列を標的とする、本明細書に記載される化学修飾されたオリゴヌクレオチドは、次の基準のうちの1つ以上を組み込むことができる:(i)オリゴヌクレオチドは、NRRの反復伸長部分に対する十分な親和性を有するべきである、(ii)オリゴヌクレオチド薬物設計モチーフ(すなわち、アンチセンスオリゴヌクレオチド中に組み込まれるヌクレオシド修飾のパターン)は、安定な自己相補的構造を形成するアンチセンスオリゴヌクレオチドの傾向を最小化するべきである、または(iii)オリゴヌクレオチドは、エキソヌクレアーゼおよびエンドヌクレアーゼの両方に対して安定であるべきである。本発明の化学修飾されたオリゴヌクレオチドは、CAG、CUG、またはCCUG反復含有RNAの変異体対野生型形態の優先的な低下、またはそれらの機能の優先的な阻害に有用である。
【0008】
本発明の一実施形態では、17〜22核酸塩基長で、CAGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である配列番号1[TGCTGCTGCTGCTGC]の核酸塩基配列を含む、化学修飾されたオリゴヌクレオチドが提供され、式中、各Tは独立して、ウリジンもしくはチミジンヌクレオシド、またはウラシルもしくはチミン塩基もしくはそれらの類似体を含有するヌクレオシドであり、かつ独立して選択された高親和性糖修飾を含み、各非末端Gは、2’−デオキシリボース糖を含む、グアノシンヌクレオシド、またはグアニンもしくはグアニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各非末端Cは、2’−デオキシリボース糖を含む、シチジンヌクレオシド、またはシトシンもしくはシトシン類似体塩基(例えば、5−メチルシトシン)を含有するヌクレオシドであり、5’または3’末端ヌクレオシドのうちの1つまたは両方が、1つ以上のヌクレアーゼ耐性修飾を含む。一実施形態では、該1つ以上のヌクレアーゼ耐性修飾は独立して、修飾された糖部分または修飾されたヌクレオシド間結合である。一実施形態では、ヌクレアーゼ耐性修飾は独立して、二環式糖部分である。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、CAGヌクレオチド反復含有RNAは、20以上、30以上、または40以上の反復を含む。ある種の実施形態では、本明細書に提供される化学修飾されたオリゴヌクレオチドは、17、18、19、20、21、または22核酸塩基長である。
【0009】
本発明の一実施形態では、13〜22核酸塩基長で、CAGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である配列番号2[TGCTGCTGCTG]の核酸塩基配列を含む、化学修飾されたオリゴヌクレオチドが提供され、式中、各Tは独立して、ウリジンもしくはチミジンヌクレオシド、またはウラシルもしくはチミン塩基もしくはそれらの類似体を含有するヌクレオシドであり、各々が、独立して選択された高親和性糖修飾を含み、各非末端Gは、2’−デオキシリボース糖を含む、グアノシンヌクレオシド、またはグアニンもしくはグアニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各非末端Cは、2’−デオキシリボース糖を含む、シチジンヌクレオシド、またはシトシンもしくはシトシン類似体塩基(例えば、5−メチルシトシン)を含有するヌクレオシドであり、5’または3’末端ヌクレオシドのうちの1つまたは両方が、1つ以上のヌクレアーゼ耐性修飾を含む。一実施形態では、該1つ以上のヌクレアーゼ耐性修飾は独立して、修飾された糖部分または修飾されたヌクレオシド間結合である。一実施形態では、ヌクレアーゼ耐性修飾は、二環式糖部分である。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、CAGヌクレオチド反復含有RNAは、20以上、30以上、または40以上の反復を含む。ある種の実施形態では、本明細書に提供される化学修飾されたオリゴヌクレオチドは、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22核酸塩基長である。
【0010】
本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、チミン(T)核酸塩基の各々は独立して、チミン類似体で置換することができる。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、グアニン(G)核酸塩基の各々は独立して、グアニン類似体で置換することができる。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、シトシン(C)核酸塩基の各々は独立して、シトシン類似体で置換することができる。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、ウラシル(U)核酸塩基の各々は独立して、ウラシル類似体で置換することができる。
【0011】
一実施形態では、各Tは独立して、独立して選択された二環式糖部分を含む、チミジンもしくはウリジンヌクレオシド、またはウラシルもしくはチミン塩基もしくはそれらの類似体を含有するヌクレオシドである。追加的な実施形態では、各Tは独立して、独立して選択された4’〜2’二環式糖部分を含む、チミジンもしくはウリジンヌクレオシド、またはウラシルもしくはチミン塩基もしくはそれらの類似体を含有するヌクレオシドである。一実施形態では、4’〜2’架橋は、独立して−[C(R)(R)]−、−C(R)=C(R)−、−C(R)=N−、−C(=NR)−、−C(=O)−、−C(=S)−、−O−、−Si(R−、−S(=O)−、および−N(R)−から選択される2〜4個の結合基を含み、
式中、
xは、0、1、または2であり、
yは、1、2、3、または4であり、
各RおよびRは、独立して、H、保護基、ヒドロキシル、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換C−Cアルキニル、C−Cアリール、置換C−C20アリール、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C−C脂環式ラジカル、置換C−C脂環式ラジカル、ハロゲン、OJ、NJ、SJ、N、COOJ、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)−J)、またはスルホキシル(S(=O)−J)であり、
各JおよびJは、独立して、H、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換C−Cアルキニル、C−C20アリール、置換C−Cアリール、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、C−Cアミノアルキル、置換C−Cアミノアルキル、または保護基である。
【0012】
本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、二環式糖部分の架橋は、−[C(R)(R)]−、−[C(R)(R)]−O−、−C(R)−N(R)−O−、または−C(R)−O−N(R)−であり、式中、各RおよびRは独立して、水素、ハロゲン、置換または非置換C−Cアルキルであり、各Rは独立して、水素または置換もしくは非置換C−Cアルキルである。本発明の追加的な化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、各二環式糖修飾チミジンヌクレオシド、4’〜2’架橋は独立して、4’−(CH−2’、4’−(CH−2’、4’−CH−O−2’、4’−CH(CH)−O−2’、4’−(CH−O−2’、4’−CH−O−N(R)−2’、および4’−CH−N(R)−O−2’−架橋である。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、各Tは、4’−CH(CH)−O−2’二環式糖部分を含む。
【0013】
本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、各Tは独立して、独立して選択された2’修飾糖部分を含む、チミジンもしくはウリジンヌクレオシド、またはウラシルもしくはチミン塩基もしくはそれらの類似体を含有するヌクレオシドである。ある種の実施形態では、かかる2’修飾は、置換および非置換アルコキシ、置換および非置換チオアルキル、置換および非置換アミノアルキル、置換および非置換アルキル、置換および非置換アリル、ならびに置換および非置換アルキニルを含むが、これらに限定されないハロゲン化物から選択される置換基を含む。ある種の実施形態では、2’修飾は、O[(CHO]CH、O(CHNH、O(CHCH、O(CHONH、OCHC(=O)N(H)CH、およびO(CHON[(CHCHを含むが、これらに限定されない置換基から選択され、式中、nおよびmは、1〜約10である。他の2’置換基群もまた、C−C12アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アラルキル、O−アルカリールもしくはO−アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NH、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA開裂基、レポーター基、インターカレーター、薬物動態的特性を改善するための基、またはオリゴマー化合物の薬力学的特性を改善するための基、および類似した特性を有する他の置換基から選択することができる。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、2’−修飾は、2’−O−(2−メトキシ)エチル(2’−O−CHCHOCH)である。
【0014】
本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、ヌクレオシドは、リン酸塩ヌクレオシド間結合によって結合される。追加的な実施形態では、化学修飾されたオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのホスホロチオエート結合を含む。ある種の実施形態では、各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合である。
【0015】
本発明の一実施形態では、17〜22核酸塩基長で、CAGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である配列番号1[TGCTGCTGCTGCTGC]の核酸塩基配列を含む、化学修飾されたオリゴヌクレオチドが提供され、式中、各非末端Tは独立して、2’−デオキシリボース糖を含む、ウリジンもしくはチミジンヌクレオシド、またはウラシルもしくはチミン塩基もしくはそれらの類似体を含有するヌクレオシドであり、各末端Tは独立して、2’−デオキシリボース糖および/またはヌクレアーゼ耐性修飾を含む、ウリジンもしくはチミジンヌクレオシド、またはウラシルもしくはチミン塩基もしくはそれらの類似体を含有するヌクレオシドであり、各Gは、高親和性糖修飾を含む、グアノシンヌクレオシド、またはグアニンもしくはグアニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各非末端Cは、2’−デオキシリボース糖を含む、シチジンヌクレオシド、またはシトシンもしくはシトシン類似体塩基(例えば、5−メチルシトシン)を含有するヌクレオシドであり、各末端Cは独立して、2’−デオキシリボース糖および/または1つ以上のヌクレアーゼ耐性修飾を含む、シチジンヌクレオシド、またはシトシンもしくは5−メチルシトシンを含むシトシン類似体塩基を含有するヌクレオシドである。追加的な実施形態では、化学修飾されたオリゴヌクレオチドは更に、5’または3’末端のうちの1つまたは両方の上で、1つ以上のヌクレアーゼ耐性修飾により修飾され、該ヌクレアーゼ耐性修飾は、修飾された糖および/または修飾されたヌクレオシド間結合である。一実施形態では、ヌクレアーゼ耐性修飾は、二環式糖部分である。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、CAGヌクレオチド反復含有RNAは、20以上、30以上、または40以上の反復を含む。ある種の実施形態では、本明細書に提供される化学修飾されたオリゴヌクレオチドは、17、18、19、20、21、または22核酸塩基長である。
【0016】
本発明の一実施形態では、13〜22核酸塩基長で、CAGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である配列番号2[TGCTGCTGCTG]の核酸塩基配列を含む、化学修飾されたオリゴヌクレオチドが提供され、式中、各非末端Tは独立して、2’−デオキシリボース糖を含む、ウリジンもしくはチミジンヌクレオシド、またはウラシルもしくはチミン塩基もしくはそれらの類似体を含有するヌクレオシドであり、各末端Tは独立して、2’−デオキシリボース糖および/またはヌクレアーゼ耐性修飾を含む、ウリジンもしくはチミジンヌクレオシド、またはウラシルもしくはチミン塩基もしくはそれらの類似体を含有するヌクレオシドであり、各Gは、高親和性糖修飾を含む、ヌクレオシド、またはグアニンもしくはグアニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各非末端Cは、2’−デオキシリボース糖を含む、シチジンヌクレオシド、またはシトシンもしくはシトシン類似体塩基(例えば、5−メチルシトシンを含有するヌクレオシドであり、各末端Cは独立して、2’−デオキシリボース糖および/または1つ以上のヌクレアーゼ耐性修飾を含む、シチジンヌクレオシド、またはシトシンもしくはシトシン類似体塩基(例えば、5−メチルシトシン)を含有するヌクレオシドである。追加的な実施形態では、化学修飾されたオリゴヌクレオチドは独立して、1つ以上のヌクレアーゼ耐性修飾を有する5’または3’末端ヌクレオシドを含む。一実施形態では、該ヌクレアーゼ耐性修飾は独立して、修飾された糖部分および/または修飾されたヌクレオシド間結合である。一実施形態では、ヌクレアーゼ耐性修飾は、二環式糖部分である。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、CAGヌクレオチド反復含有RNAは、20以上、30以上、または40以上の反復を含む。ある種の実施形態では、本明細書に提供される化学修飾されたオリゴヌクレオチドは、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22核酸塩基長である。
【0017】
一実施形態では、各Gは、独立して選択された二環式糖部分を含むグアノシンである。追加的な実施形態では、各Gは、独立して選択された4’〜2’二環式糖部分を含むグアノシンである。ある種の実施形態では、4’〜2’架橋は、独立して−[C(R)(R)]−、−C(R)=C(R)−、−C(R)=N−、−C(=NR)−、−C(=O)−、−C(=S)−、−O−、−Si(R−、−S(=O)−、および−N(R)−から選択される2〜4個の結合基を含み、
式中、
xは、0、1、または2であり、
yは、1、2、3、または4であり、
各RおよびRは、独立して、H、保護基、ヒドロキシル、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換C−Cアルキニル、C−Cアリール、置換C−C20アリール、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C−C脂環式ラジカル、置換C−C脂環式ラジカル、ハロゲン、OJ、NJ、SJ、N、COOJ、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)−J)、またはスルホキシル(S(=O)−J)であり、
各JおよびJは、独立して、H、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換C−Cアルキニル、C−C20アリール、置換C−Cアリール、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、C−Cアミノアルキル、置換C−Cアミノアルキル、または保護基である。
【0018】
本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、二環式糖部分の架橋は、−[C(R)(R)]−、−[C(R)(R)]−O−、−C(R)−N(R)−O−、または−C(R)−O−N(R)−であり、式中、各RおよびRは独立して、水素、ハロゲン、置換または非置換C−Cアルキルであり、各Rは独立して、水素または置換もしくは非置換C−Cアルキルである。本発明の追加的な化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、各二環式糖修飾チミジンヌクレオシド、4’〜2’架橋は独立して、4’−(CH−2’、4’−(CH−2’、4’−CH−O−2’、4’−CH(CH)−O−2’、4’−(CH−O−2’、4’−CH−O−N(R)−2’、および4’−CH−N(R)−O−2’−架橋である。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、各Tは、4’−CH(CH)−O−2’二環式糖部分を含む。
【0019】
本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、各Gは、独立して選択された2’修飾糖部分を含む、グアノシンヌクレオシド、またはグアニンもしくはグアニン類似体塩基を含有するヌクレオシドである。ある種の実施形態では、かかる2’修飾は、置換および非置換アルコキシ、置換および非置換チオアルキル、置換および非置換アミノアルキル、置換および非置換アルキル、置換および非置換アリル、ならびに置換および非置換アルキニルを含むが、これらに限定されないハロゲン化物から選択される置換基を含む。ある種の実施形態では、2’修飾は、O[(CHO]CH、O(CHNH、O(CHCH、O(CHONH、OCHC(=O)N(H)CH、およびO(CHON[(CHCHを含むが、これらに限定されない置換基から選択され、式中、nおよびmは、1〜約10である。他の2’置換基群もまた、C−C12アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アラルキル、O−アルカリールもしくはO−アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NH、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA開裂基、レポーター基、インターカレーター、薬物動態的特性を改善するための基、またはオリゴマー化合物の薬力学的特性を改善するための基、および類似した特性を有する他の置換基から選択することができる。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、2’−修飾は、2’−O−(2−メトキシ)エチル(2’−O−CHCHOCH)である。
【0020】
本発明の一実施形態では、17〜22核酸塩基長で、CUGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である配列番号3[AGCAGCAGCAGCAGC]の核酸塩基配列を含む、化学修飾されたオリゴヌクレオチドが提供され、式中、各Aは独立して、アデノシンヌクレオシド、またはアデニンもしくはアデニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、独立して選択された高親和性糖修飾を含み、各非末端Gは、2’−デオキシリボース糖を含む、グアノシンヌクレオシド、またはグアニンもしくはグアニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各非末端Cは、2’−デオキシリボース糖を含む、シチジンヌクレオシド、またはシトシンもしくは5−メチルシトシンを含むシトシン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各末端Gは、独立して選択された2’−デオキシリボース糖および/またはヌクレアーゼ耐性修飾を含む、グアノシンヌクレオシド、またはグアニンもしくはグアニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各末端Cは、独立して選択された2’−デオキシリボース糖および/またはヌクレアーゼ耐性修飾を含む、シチジンヌクレオシド、またはシトシンもしくはシトシン類似体塩基(例えば、5−メチルシトシン)を含有するヌクレオシドである。一実施形態では、該1つ以上のヌクレアーゼ耐性修飾は独立して、修飾された糖部分および/または修飾されたヌクレオシド間結合である。一実施形態では、ヌクレアーゼ耐性修飾は独立して、二環式糖部分である。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、CUGヌクレオチド反復含有RNAは、20以上、30以上、または40以上の反復を含む。ある種の実施形態では、本明細書に提供される化学修飾されたオリゴヌクレオチドは、17、18、19、20、21、または22核酸塩基長である。
【0021】
本発明の一実施形態では、13〜22核酸塩基長で、CUGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である配列番号4[AGCAGCAGCAG]の核酸塩基配列を含む、化学修飾されたオリゴヌクレオチドが提供され、式中、各Aは独立して、独立して選択された高親和性糖修飾を含む、アデノシンヌクレオシド、またはアデニンもしくはアデニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各非末端Gは、2’−デオキシリボース糖を含む、グアノシンヌクレオシド、またはグアニンもしくはグアニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各非末端Cは、2’−デオキシリボース糖を含む、シチジンヌクレオシド、またはシトシンもしくは5−メチルシトシンを含むシトシン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各末端Gは、独立して選択された2’−デオキシリボース糖および/またはヌクレアーゼ耐性修飾を含む、グアノシンヌクレオシド、またはグアニンもしくはグアニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各末端Cは、独立して選択された2’−デオキシリボース糖および/またはヌクレアーゼ耐性修飾を含む、シチジンヌクレオシド、またはシトシンもしくはシトシン類似体塩基(例えば、5−メチルシトシン)を含有するヌクレオシドである。一実施形態では、該1つ以上のヌクレアーゼ耐性修飾は独立して、修飾された糖部分および/または修飾されたヌクレオシド間結合である。一実施形態では、ヌクレアーゼ耐性修飾は、二環式糖部分である。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、CUGヌクレオチド反復含有RNAは、20以上、30以上、または40以上の反復を含む。ある種の実施形態では、本明細書に提供される化学修飾されたオリゴヌクレオチドは、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22核酸塩基長である。
【0022】
本発明の一実施形態では、17〜22核酸塩基長で、CCUGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である配列番号5[AGGCAGGCAGGCAG]の核酸塩基配列を含む、化学修飾されたオリゴヌクレオチドが提供され、式中、各Aは独立して、独立して選択された高親和性糖修飾を含む、アデノシンヌクレオシド、またはアデニンもしくはアデニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各非末端Gは、2’−デオキシリボース糖を含む、グアノシンヌクレオシド、またはグアニンもしくはグアニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各非末端Cは、2’−デオキシリボース糖を含む、シチジンヌクレオシド、またはシトシンもしくは5−メチルシトシンを含むシトシン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各末端Gは、独立して選択された2’−デオキシリボース糖および/またはヌクレアーゼ耐性修飾を含む、グアノシンヌクレオシド、またはグアニンもしくはグアニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各末端Cは、独立して選択された2’−デオキシリボース糖および/またはヌクレアーゼ耐性修飾を含む、シチジンヌクレオシド、またはシトシンもしくはシトシン類似体塩基(例えば、5−メチルシトシン)を含有するヌクレオシドである。一実施形態では、該1つ以上のヌクレアーゼ耐性修飾は独立して、修飾された糖部分および/または修飾されたヌクレオシド間結合である。一実施形態では、ヌクレアーゼ耐性修飾は独立して、二環式糖部分である。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、CUGヌクレオチド反復含有RNAは、20以上、30以上、または40以上の反復を含む。ある種の実施形態では、本明細書に提供される化学修飾されたオリゴヌクレオチドは、17、18、19、20、21、または22核酸塩基長である。
【0023】
本発明の一実施形態では、13〜22核酸塩基長で、CCUGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である配列番号6[AGGCAGGCAG]の核酸塩基配列を含む、化学修飾されたオリゴヌクレオチドが提供され、式中、各Aは独立して、独立して選択された高親和性糖修飾を含む、アデノシンヌクレオシド、またはアデニンもしくはアデニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各非末端Gは、2’−デオキシリボース糖を含む、グアノシンヌクレオシド、またはグアニンもしくはグアニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各非末端Cは、2’−デオキシリボース糖を含む、シチジンヌクレオシド、またはシトシンもしくは5−メチルシトシンを含むシトシン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各末端Gは、独立して選択された2’−デオキシリボース糖および/またはヌクレアーゼ耐性修飾を含む、グアノシンヌクレオシド、またはグアニンもしくはグアニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各末端Cは、独立して選択された2’−デオキシリボース糖および/またはヌクレアーゼ耐性修飾を含む、シチジンヌクレオシド、またはシトシンもしくはシトシン類似体塩基(例えば、5−メチルシトシン)を含有するヌクレオシドである。一実施形態では、該1つ以上のヌクレアーゼ耐性修飾は独立して、修飾された糖部分および/または修飾されたヌクレオシド間結合である。一実施形態では、ヌクレアーゼ耐性修飾は、二環式糖部分である。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、CCUGヌクレオチド反復含有RNAは、20以上、30以上、または40以上の反復を含む。ある種の実施形態では、本明細書に提供される化学修飾されたオリゴヌクレオチドは、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22核酸塩基長である。
【0024】
本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、各核酸塩基は独立して、アデニン類似体で置換することができる。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、各グアニン核酸塩基は独立して、グアニン類似体で置換することができる。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、各シトシン核酸塩基は独立して、シトシン類似体で置換することができる。
【0025】
一実施形態では、各Aは、独立して二環式糖部分を含む、アデノシンヌクレオシド、またはアデニンもしくはアデニン類似体塩基を含有するヌクレオシドである。追加的な実施形態では、各Aは、独立して4’〜2’二環式糖部分を含む、アデノシンヌクレオシド、またはアデニンもしくはアデニン類似体塩基を含有するヌクレオシドである。一実施形態では、4’〜2’架橋は、独立して−[C(Ra)(Rb)]y−、C(Ra)=C(Rb)−、C(Ra)=N−、C(=NRa)−、−C(=O)−、−C(=S)−、−O−、−Si(Ra)2−、−S(=O)x−、およびN(R1)−から選択される2〜4個の結合基を含み、
式中、
xは、0、1、または2であり、
yは、1、2、3、または4であり、
各RaおよびRbは、独立して、H、保護基、ヒドロキシル、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、置換C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、置換C2−C6アルキニル、C5−C9アリール、置換C5−C20アリール、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C5−C7脂環式ラジカル、置換C5−C7脂環式ラジカル、ハロゲン、OJ1、NJ1J2、SJ1、N3、COOJ1、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)2−J1)、またはスルホキシル(S(=O)−J1)であり、
各J1およびJ2は、独立して、H、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、置換C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、置換C2−C6アルキニル、C5−C20アリール、置換C5−C9アリール、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、C1−C6アミノアルキル、置換C1−C6アミノアルキル、または保護基である。
【0026】
本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、二環式糖部分の架橋は、[C(Rc)(Rd)]n−、[C(Rc)(Rd)]n−O−、C(RcRd)−N(Re)−O−、または−C(RcRd)−O−N(Re)−であり、式中、各RcおよびRdは独立して、水素、ハロゲン、置換または非置換C1−C6アルキルであり、各Reは独立して、水素または置換もしくは非置換C1−C6アルキルである。本発明の追加的な化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、各二環式糖修飾チミジンヌクレオシド、4’〜2’架橋は独立して、4’−(CH2)2−2’、4’−(CH2)3−2’、4’−CH2−O−2’、4’−CH(CH3)−O−2’、4’−(CH2)2−O−2’、4’−CH2−O−N(Re)−2’、および4’−CH2−N(Re)−O−2’−架橋である。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、各Aは、4’−CH(CH3)−O−2’二環式糖部分を含む。
【0027】
本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、各Aは、独立して2’修飾糖部分を含む、アデノシンヌクレオシド、またはアデニンもしくはアデニン類似体塩基を含有するヌクレオシドである。ある種の実施形態では、かかる2’修飾は、置換および非置換アルコキシ、置換および非置換チオアルキル、置換および非置換アミノアルキル、置換および非置換アルキル、置換および非置換アリル、ならびに置換および非置換アルキニルを含むが、これらに限定されないハロゲン化物から選択される置換基を含む。ある種の実施形態では、2’修飾は、O[(CH2)nO]mCH3、O(CH2)nNH2、O(CH2)nCH3、O(CH2)nONH2、OCH2C(=O)N(H)CH3、およびO(CH2)nON[(CH2)nCH3]2を含むが、これらに限定されない置換基から選択され、式中、nおよびmは、1〜約10である。他の2’置換基群もまた、C1−C12アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アラルキル、O−アルカリールもしくはO−アラルキル、SH、SCH3、OCN、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2CH3、ONO2、NO2、N3、NH2、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリ−アルキルアミノ、置換シリル、RNA開裂基、レポーター基、インターカレーター、薬物動態的特性を改善するための基、またはオリゴマー化合物の薬力学的特性を改善するための基、および類似した特性を有する他の置換基から選択することができる。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、2’−修飾は、2’−O−(2−メトキシ)エチル(2’−O−CH2CH2OCH3)である。
【0028】
本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、ヌクレオシドは、リン酸塩ヌクレオシド間結合によって結合される。追加的な実施形態では、化学修飾されたオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのホスホロチオエート結合を含む。ある種の実施形態では、各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合である。
【0029】
本発明の一実施形態では、17〜22核酸塩基長で、CUGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である配列番号3[AGCAGCAGCAGCAGC]の核酸塩基配列を含む、化学修飾されたオリゴヌクレオチドが提供され、式中、各Aは独立して、2’−デオキシリボース糖を含む、アデノシンヌクレオシド、またはアデニンもしくはアデニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各Gは独立して、高親和性糖修飾を含む、グアノシンヌクレオシド、またはグアニンもしくはグアニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各Cは、シチジンヌクレオシド、またはシトシンもしくは5−メチルシトシンを含むシトシン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、2’−デオキシリボース糖を含む。追加的な実施形態では、化学修飾されたオリゴヌクレオチドは更に、5’または3’末端のうちの1つまたは両方の上で、1つ以上のヌクレアーゼ耐性ヌクレオチドにより修飾され、該ヌクレアーゼ耐性ヌクレオチドは、修飾された糖および/またはヌクレオシド間結合を含む。一実施形態では、ヌクレアーゼ耐性ヌクレオチドは、二環式糖部分を含む。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、CUGヌクレオチド反復含有RNAは、20以上、30以上、または40以上の反復を含む。ある種の実施形態では、本明細書に提供される化学修飾されたオリゴヌクレオチドは、17、18、19、20、21、または22核酸塩基長である。
【0030】
本発明の一実施形態では、13〜22核酸塩基長で、CUGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である配列番号4[GCAGCAGCAG]の核酸塩基配列を含む、化学修飾されたオリゴヌクレオチドが提供され、式中、各非末端Aは、2’−デオキシリボース糖を含む、アデノシンヌクレオシド、またはアデニンもしくはアデニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各末端Aは、2’−デオキシリボース糖および/またはヌクレアーゼ耐性修飾を含む、アデノシンヌクレオシド、またはアデニンもしくはアデニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各Gは、独立して選択された高親和性糖修飾を含む、グアノシンヌクレオシド、またはグアニンもしくはグアニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各非末端Cは、2’−デオキシリボース糖を含む、シチジンヌクレオシド、またはシトシンもしくは5−メチルシトシンを含むシトシン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各末端Cは、独立して2’−デオキシリボース糖および/またはヌクレアーゼ耐性修飾を含む、シチジンヌクレオシド、またはシトシンもしくはシトシン類似体塩基(例えば、5−メチルシトシン)を含有するヌクレオシドである。一実施形態では、該ヌクレアーゼ耐性修飾は独立して、修飾された糖部分および/または修飾されたヌクレオシド間結合である。一実施形態では、ヌクレアーゼ耐性修飾は、二環式糖部分である。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、CUGヌクレオチド反復含有RNAは、20以上、30以上、または40以上の反復を含む。ある種の実施形態では、本明細書に提供される化学修飾されたオリゴヌクレオチドは、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22核酸塩基長である。
【0031】
本発明の一実施形態では、17〜22核酸塩基長で、CCUGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である配列番号5[AGGCAGGCAGGCAG]の核酸塩基配列を含む、化学修飾されたオリゴヌクレオチドが提供され、式中、各Gは独立して、グアノシンヌクレオシド、またはグアニンもしくはグアニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、独立して選択された高親和性糖修飾を含み、各非末端Aは、2’−デオキシリボース糖を含む、アデノシンヌクレオシド、またはアデニンもしくはアデニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各非末端Cは、2’−デオキシリボース糖を含む、シチジンヌクレオシド、またはシトシンもしくは5−メチルシトシンを含むシトシン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各末端Aは、独立して選択された2’−デオキシリボース糖および/またはヌクレアーゼ耐性修飾を含む、アデノシンヌクレオシド、またはアデニンもしくはアデニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各末端Cは、独立して選択された2’−デオキシリボース糖および/またはヌクレアーゼ耐性修飾を含む、シチジンヌクレオシド、またはシトシンもしくはシトシン類似体塩基(例えば、5−メチルシトシン)を含有するヌクレオシドである。一実施形態では、該1つ以上のヌクレアーゼ耐性修飾は独立して、修飾された糖部分および/または修飾されたヌクレオシド間結合である。一実施形態では、ヌクレアーゼ耐性修飾は独立して、二環式糖部分である。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、CUGヌクレオチド反復含有RNAは、20以上、30以上、または40以上の反復を含む。ある種の実施形態では、本明細書に提供される化学修飾されたオリゴヌクレオチドは、17、18、19、20、21、または22核酸塩基長である。
【0032】
本発明の一実施形態では、13〜22核酸塩基長で、CCUGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である配列番号6[AGGCAGGCAG]の核酸塩基配列を含む、化学修飾されたオリゴヌクレオチドが提供され、式中、各Gは独立して、独立して選択された高親和性糖修飾を含む、グアノシンヌクレオシド、またはグアニンもしくはグアニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各非末端Aは、2’−デオキシリボース糖を含む、アデノシド(adenoside)ヌクレオシド、またはアデニンもしくはアデニン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各非末端Cは、2’−デオキシリボース糖を含む、シチジンヌクレオシド、またはシトシンもしくは5−メチルシトシンを含むシトシン類似体塩基を含有するヌクレオシドであり、各末端Aは、アデノシンヌクレオシド独立して選択された2’−デオキシリボース糖および/またはヌクレアーゼ耐性修飾を含む;各末端Cは、独立して選択された2’−デオキシリボース糖および/またはヌクレアーゼ耐性修飾を含む、シチジンヌクレオシド、またはシトシンもしくはシトシン類似体塩基(例えば、5−メチルシトシン)を含有するヌクレオシドである。一実施形態では、該1つ以上のヌクレアーゼ耐性修飾は独立して、修飾された糖部分および/または修飾されたヌクレオシド間結合である。一実施形態では、ヌクレアーゼ耐性修飾は、二環式糖部分である。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、CCUGヌクレオチド反復含有RNAは、20以上、30以上、または40以上の反復を含む。ある種の実施形態では、本明細書に提供される化学修飾されたオリゴヌクレオチドは、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22核酸塩基長である。
【0033】
一実施形態では、各Gは独立して、二環式糖グアニンヌクレオシド、またはグアニンもしくはグアニン類似体塩基を含有するヌクレオシドである。追加的な実施形態では、各Gは独立して、4’〜2’二環式糖ヌクレオシドである。4’〜2’架橋において、独立して−[C(Ra)(Rb)]y−、C(Ra)=C(Rb)−、C(Ra)=N−、C(=NRa)−、−C(=O)−、−C(=S)−、−O−、−Si(Ra)2−、−S(=O)x−、およびN(R1)−から選択される2〜4個の結合基を含み、
式中、
xは、0、1、または2であり、
yは、1、2、3、または4であり、
各RaおよびRbは、独立して、H、保護基、ヒドロキシル、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、置換C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、置換C2−C6アルキニル、C5−C9アリール、置換C5−C20アリール、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C5−C7脂環式ラジカル、置換C5−C7脂環式ラジカル、ハロゲン、OJ1、NJ1J2、SJ1、N3、COOJ1、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)2−J1)、またはスルホキシル(S(=O)−J1)であり、
各J1およびJ2は、独立して、H、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、置換C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、置換C2−C6アルキニル、C5−C20アリール、置換C5−C9アリール、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、C1−C6アミノアルキル、置換C1−C6アミノアルキル、または保護基である。
【0034】
本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、二環式糖部分の架橋は、[C(Rc)(Rd)]n−、[C(Rc)(Rd)]n−O−、C(RcRd)−N(Re)−O−、または−C(RcRd)−O−N(Re)−であり、式中、各RcおよびRdは独立して、水素、ハロゲン、置換または非置換C1−C6アルキルであり、各Reは独立して、水素または置換もしくは非置換C1−C6アルキルである。本発明の追加的な化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、各二環式糖修飾チミジンヌクレオシド、4’〜2’架橋は独立して、4’−(CH2)2−2’、4’−(CH2)3−2’、4’−CH2−O−2’、4’−CH(CH3)−O−2’、4’−(CH2)2−O−2’、4’−CH2−O−N(Re)−2’、および4’−CH2−N(Re)−O−2’−架橋である。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、各Gは、4’−CH(CH3)−O−2’二環式糖部分を含む。
【0035】
本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、各Gは、独立して選択された2’修飾糖部分を含む、グアノシンヌクレオシド、またはグアニンもしくはグアニン類似体塩基を含有するヌクレオシドである。ある種の実施形態では、かかる2’修飾は、置換および非置換アルコキシ、置換および非置換チオアルキル、置換および非置換アミノアルキル、置換および非置換アルキル、置換および非置換アリル、ならびに置換および非置換アルキニルを含むが、これらに限定されないハロゲン化物から選択される置換基を含む。ある種の実施形態では、2’修飾は、O[(CH2)nO]mCH3、O(CH2)nNH2、O(CH2)nCH3、O(CH2)nONH2、OCH2C(=O)N(H)CH3、およびO(CH2)nON[(CH2)nCH3]2を含むが、これらに限定されない置換基から選択され、式中、nおよびmは、1〜約10である。他の2’置換基群もまた、C1−C12アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アラルキル、O−アルカリールもしくはO−アラルキル、SH、SCH3、OCN、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2CH3、ONO2、NO2、N3、NH2、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリ−アルキルアミノ、置換シリル、RNA開裂基、レポーター基、インターカレーター、薬物動態的特性を改善するための基、またはオリゴマー化合物の薬力学的特性を改善するための基、および類似した特性を有する他の置換基から選択することができる。本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、2’−修飾は、2’−O−(2−メトキシ)エチル(2’−O−CH2CH2OCH3)である。
【0036】
本発明のある種の化学修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて、ヌクレオシドは、リン酸塩ヌクレオシド間結合によって結合される。追加的な実施形態では、化学修飾されたオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのホスホロチオエート結合を含む。ある種の実施形態では、各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合である。
【0037】
本発明の追加的な実施形態では、変異体ヌクレオチド反復含有RNAを有するか、または有することが疑われる細胞を、本明細書に記載される任意の化学修飾されたオリゴヌクレオチドと接触させることを含む、細胞中の変異体ヌクレオチド反復含有RNAの機能を選択的に阻害する方法が提供される。本発明のある種の実施形態では、CAGトリプレット反復伸長を含有するRNA分子に関連する疾患または障害であると診断された患者を治療する方法は、該疾患または障害であると診断された患者に、本明細書に記載される任意の化学修飾されたオリゴヌクレオチドを投与することを含んでいる。一実施形態では、疾患または障害は、ハンチントン病、アトロフィン1(DRPLA)、球脊髄性筋萎縮症/ケネディ病、脊髄小脳運動失調症(SCA)1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、SCA12、SCA17、またはハンチントン病類縁疾患2型(HDL2)から選択される。本発明のある種の実施形態では、CUGトリプレット反復伸長を含有するRNA分子に関連する疾患または障害であると診断された患者を治療する方法は、該疾患または障害であると診断された患者に、CUG反復含有RNAを標的とする本明細書に記載される任意の化学修飾されたオリゴヌクレオチドを投与することを含んでいる。一実施形態では、疾患または障害は、アタキシン8逆鎖(ATXN8OS)、ハンチントン病類縁疾患2型、筋強直性ジストロフィー、またはSCA8から選択される。本発明のある種の実施形態では、CCUG反復伸長を含有するRNA分子に関連する疾患または障害であると診断された患者を治療する方法は、該疾患または障害であると診断された患者に、CCUG反復含有RNAを標的とする本明細書に記載される任意の化学修飾されたオリゴヌクレオチドを投与することを含んでいる。一実施形態では、疾患または障害は、DM2である。
【0038】
ある種の実施形態では、投与することは、静脈内注射、皮下注射、筋肉内注射、髄腔内注射、または脳内注射によって行われる。ある種の実施形態では、投与することは、筋肉内注射によって行われる。

【発明を実施するための形態】
【0039】
本明細書で使用されるとき、「ヌクレオチド反復含有RNA」(NRR)という用語は、反復要素を含むヌクレオチドの配列を含有する変異体RNA分子を意味し、ここでヌクレオチドのトリプレットまたはカルテットは、該配列内で連続的に数回反復され、該RNAの正常なプロセシングを侵す。これらのNRRはまた、当該技術分野で、hnRNPを隔離し、核内のRNAプロセシングの正常な作用を損なう能力を獲得する「機能獲得RNA」とも称され(Cooper,T.(2009)Cell 136,777−793、O’Rourke,JR(2009)J.Biol.Chem.284(12),7419−7423を参照されたい)、これらの参考文献は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。複数の疾患状態がNRRに関連し、該疾患のうちの幾つかは、閾値の数の反復がNRR内に含有される場合のみに生じる。例えば、1つの疾患状態は、特定の遺伝子における50〜200の反復によって引き起こされる可能性があり、ここで異なる疾患または重症度は、同じ遺伝子における400超の異なる数の反復によって引き起こされる。NRRを引き起こす幾つかの突然変異は、異型接合であり得、したがって遺伝子の幾つかのコピーは機能性であり得、結果として、遺伝子の野生型コピーを侵すことなく変異体NRRを干渉する必要性が存在する。疾患に関与するCAG、CUG、およびCCUGヌクレオチド反復含有RNA分子の例は、次の通りである。
【数1−1】

【数1−2】

【0040】
定義
別段の指示がない限り、次の用語は、次の意味を有する。
本明細書で使用されるとき、「ヌクレオシド」は、複素環式塩基部分および糖部分を含む化合物を指す。ヌクレオシドは、天然産ヌクレオシド(DNAおよびRNA中に見出されるような)、脱塩基ヌクレオシド、修飾されたヌクレオシド、および糖修飾ヌクレオシドを含むが、これらに限定されない。ヌクレオシドは、多様な置換基のいずれで修飾されてもよい。
【0041】
本明細書で使用されるとき、「糖部分」は、天然の(フラノシル)、修飾された糖部分または糖代用物を意味する。
【0042】
本明細書で使用されるとき、「修飾された糖部分」は、化学修飾されたフラノシル糖または非フラノシル糖部分を意味する。また、二環式糖、テトラヒドロピラン、モルホリノ、2’修飾糖、4’修飾糖、5’修飾糖、および4’置換糖を含む、フラノシル糖類似体および誘導体も、この用語によって包含される。
【0043】
本明細書で使用されるとき、「糖修飾ヌクレオシド」は、修飾された糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0044】
本明細書で使用されるとき、「糖代用物」という用語は、天然産ヌクレオシドのフラノース環を置換することができる構造を指す。ある種の実施形態では、糖代用物は、非フラノース(または4’置換フラノース)環もしくは環系または開放系である。かかる構造は、6員環等の、天然フラノース環に対する単純な変化を含むか、またはペプチド核酸に使用される非環系と同様により複雑であり得る。糖代用物には、限定されずに、モルホリノおよびシクロヘキセニルおよびシクロヘキシトールが含まれる。糖代用基を有するほとんどのヌクレオシドにおいて、複素環式塩基部分は、概して、ハイブリダイゼーションを可能にするように維持される。
【0045】
本明細書で使用されるとき、「ヌクレオチド」は、修飾されたもしくは修飾されていないリン酸塩結合基または非リン酸塩ヌクレオシド間結合を更に含むヌクレオシドを指す。
【0046】
本明細書で使用されるとき、「結合されたヌクレオシド」は、リン酸塩結合によって結合されても、されなくてもよく、故に「結合されたヌクレオチド」を含む。
【0047】
本明細書で使用されるとき、「核酸塩基」は、ヌクレオシドの複素環式塩基部分を指す。核酸塩基は、天然産であってもよく、または修飾されてもよく、したがって、アデニン、シトシン、グアニン、ウラシル、チミジン、および5−メチルシトシン等のそれらの類似体が含まれるが、これらに限定されない。ある種の実施形態では、核酸塩基は、別の核酸の塩基に水素結合することができる任意の原子または原子の基を含んでもよい。
【0048】
本明細書で使用されるとき、「修飾されたヌクレオシド」は、天然産RNAまたはDNAヌクレオシドと比較して少なくとも1つの修飾を含むヌクレオシドを指す。かかる修飾は、糖部分においておよび/または核酸塩基においてであってもよい。
【0049】
本明細書で使用されるとき、「T」は、二重鎖核酸の2つの鎖が分離する温度である融解温度を意味する。Tは、二重鎖安定性、またはアンチセンス化合物の相補的RNA分子への結合親和性の目安としてしばしば使用される。
【0050】
本明細書で使用されるとき、「高親和性糖修飾」は、それがヌクレオシド中に含まれ、また該ヌクレオシドがアンチセンスオリゴヌクレオチド中に組み込まれるとき、該アンチセンスオリゴヌクレオチド:RNA二重鎖の安定性(Tによって測定される)が、DNA:RNA二重鎖の安定性と比較して増加される、修飾された糖部分である。
【0051】
本明細書で使用されるとき、「高親和性糖修飾ヌクレオシド」は、該ヌクレオシドがアンチセンス化合物中に組み込まれるとき、該アンチセンス化合物の相補的RNA分子への結合親和性(Tによって測定される)が増加される、修飾された糖部分を含むヌクレオシドである。本発明のある種の実施形態では、該糖修飾高親和性ヌクレオシドのうちの少なくとも1つは、Freier et al.,Nucleic Acids Res.,1997,25,4429−4443に記載される手法に従って決定したとき、相補的RNAに対して1ヌクレオシド当たり少なくとも1〜4度のΔTを付与し、この参考文献は参照によりその全体が組み込まれる。別の態様では、高親和性糖修飾のうちの少なくとも1つは、1修飾当たり、2度以上、3度以上、または4度以上を付与する。本発明の文脈において、糖修飾高親和性ヌクレオシドの例としては、(i)2’置換および4’〜2’二環式ヌクレオシドを含む、ある種の2’修飾ヌクレオシド、ならびに(ii)修飾されたテトラヒドロピランおよびトリシクロDNAヌクレオシド等の、1修飾当たり結合親和性の増加を提供する、ある種の他の非リボフラノシルヌクレオシドが挙げられるが、これらに限定されない。糖修飾高親和性ヌクレオシドである他の修飾については、Freier et al.,Nucleic Acids Res.,1997,25,4429−4443を参照されたい。
【0052】
本明細書で使用されるとき、「ヌクレアーゼ耐性修飾」は、オリゴヌクレオチド中に組み込まれるとき、該オリゴヌクレオチドを細胞ヌクレアーゼ(例えばエキソヌクレアーゼまたはエンドヌクレアーゼ)下での分解に対してより安定にする、糖修飾または修飾されたヌクレオシド間結合を意味する。ヌクレアーゼ耐性修飾の例としては、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、二環式糖修飾、2’修飾ヌクレオチド、または中性ヌクレオシド間結合が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
本明細書で使用されるとき、「二環式ヌクレオシド」は、二環式糖部分を含む修飾されたヌクレオシドを指す。二環式ヌクレオシドの例としては、限定されずに、4’リボシル環原子と2’リボシル環原子との間の架橋を含むヌクレオシドが挙げられる。ある種の実施形態では、本明細書に提供されるオリゴマー化合物は、1つ以上の二環式ヌクレオシドを含み、ここで架橋は、4’〜2’二環式ヌクレオシドを含む。かかる4’〜2’二環式ヌクレオシドの例としては、次の式のうちの1つが挙げられるが、これらに限定されない:4’−(CH)−O−2’(LNA)、4’−(CH)−S−2’、4’−(CH−O−2’(ENA)、4’−CH(CH)−O−2’、および4’−CH(CHOCH)−O−2’(およびそれらの類似体、2008年7月15日に発行された米国特許第7,399,845号を参照されたい)、4’−C(CH)(CH)−O−2’(およびそれらの類似体、2009年1月8日に公開された公開国際出願第WO/2009/006478号を参照されたい)、4’−CH−N(OCH)−2’(およびそれらの類似体、2008年12月11日に公開された公開国際出願第WO/2008/150729号を参照されたい)、4’−CH−O−N(CH)−2’(2004年9月2日に公開された公開米国特許出願第US2004−0171570号を参照されたい)、4’−CH−N(R)−O−2’(式中、Rは、H、C−C12アルキル、または保護基(2008年9月23日に発行された米国特許第7,427,672号を参照されたい)である)、4’−CH−C(H)(CH)−2’(Chattopadhyaya,et al.,J.Org.Chem.,2009,74,118−134を参照されたい)、ならびに4’−CH−C(=CH)−2’(およびそれらの類似体、2008年12月8日に公開された公開国際出願第WO2008/154401号を参照されたい)。例えば、Singh et al.,Chem.Commun.,1998,4,455−456、Koshkin et al.,Tetrahedron,1998,54,3607−3630、Wahlestedt et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,2000,97,5633−5638、Kumar et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2219−2222、Singh et al.,J.Org.Chem.,1998,63,10035−10039、Srivastava et al.,J.Am.Chem.Soc.,129(26)8362−8379(Jul.4,2007)、米国特許第7,053,207号、第6,268,490号、第6,770,748号、第6,794,499号、第7,034,133号、および第6,525,191号、Elayadi et al.,Curr.Opinion Invens.Drugs,2001,2,558−561、Braasch et al.,Chem.Biol.,2001,8,1−7、およびOrum et al.,Curr.Opinion Mol.Ther.,2001,3,239−243、ならびに米国特許第6,670,461号、国際出願第WO 2004/106356号、第WO 94/14226号、第WO 2005/021570号、米国特許公開第US2004−0171570号、第US2007−0287831号、第US2008−0039618号、第米国特許第7,399,845号、米国特許第12/129,154号、第60/989,574号、第61/026,995号、第61/026,998号、第61/056,564号、第61/086,231号、第61/097,787号、第61/099,844号、PCT国際出願第PCT/US2008/064591号、第PCT/US2008/066154号、第PCT/US2008/068922号、および公開PCT国際出願第WO 2007/134181号を参照されたい。例えば、α−L−リボフラノースおよびβ−D−リボフラノースを含む1つ以上の立体化学的な糖構成を有する、前述の二環式ヌクレオシドの各々を調製することができる(1999年3月25日に第WO 99/14226号として公開されたPCT国際出願第PCT/DK98/00393号を参照されたい)。
【0054】
ある種の実施形態では、BNAヌクレオシドの二環式糖部分は、ペントフラノシル糖部分の4’位と2’位との間の少なくとも1つの架橋を有する化合物を含むが、これらに限定されず、ここでかかる架橋は独立して、−[C(R)(R)]−、−C(R)=C(R)−、−C(R)=N−、−C(=NR)−、−C(=O)−、−C(=S)−、−O−、−Si(R−、−S(=O)−、および−N(R)−から独立して選択される1個または2〜4個の結合基を含み、
式中、
xは、0、1、または2であり、
nは、1、2、3、または4であり、
各RおよびRは、独立して、H、保護基、ヒドロキシル、C−C12アルキル、置換C−C12アルキル、C−C12アルケニル、置換C−C12アルケニル、C−C12アルキニル、置換C−C12アルキニル、C−C20アリール、置換C−C20アリール、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C−C脂環式ラジカル、置換C−C脂環式ラジカル、ハロゲン、OJ、NJ、SJ、N、COOJ、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)−J)、またはスルホキシル(S(=O)−J1)であり、
各JおよびJは、独立して、H、C−C12アルキル、置換C−C12アルキル、C−C12アルケニル、置換C−C12アルケニル、C−C12アルキニル、置換C−C12アルキニル、C−C20アリール、置換C−C20アリール、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、C−C12アミノアルキル、置換C−C12アミノアルキル、または保護基である。
【0055】
ある種の実施形態では、二環式糖部分の架橋は、−[C(R)(R)]−、−[C(R)(R)]−O−、−C(R)−N(R)−O−、または−C(R)−O−N(R)−である。ある種の実施形態では、架橋は、4’−CH−2’、4’−(CH−2’、4’−(CH−2’、4’−CH−O−2’、4’−(CH−O−2’、4’−CH−O−N(R)−2’、および4’−CH−N(R)−O−2’−であり、式中、各Rは、独立して、H、保護基、またはC−C12アルキルである。
【0056】
ある種の実施形態では、二環式ヌクレオシドは更に、異性体構成によって定義される。例えば、4’−2’メチレン−オキシ架橋を含むヌクレオシドは、α−L構成中またはβ−D構成中にあってもよい。以前は、α−L−メチレンオキシ(4’−CH−O−2’)BNAは、アンチセンス活性を示すアンチセンスオリゴヌクレオチド中に組み込まれていた(Frieden et al.,Nucleic Acids Research,2003,21,6365−6372)。
【0057】
ある種の実施形態では、二環式ヌクレオシドには、下に示されるような、(A)α−L−メチレンオキシ(4’−CH−O−2’)BNA、(B)β−D−メチレンオキシ(4’−CH−O−2’)BNA、(C)エチレンオキシ(4’−(CH−O−2’)BNA、(D)アミノオキシ(4’−CH−O−N(R)−2’)BNA、(E)オキシアミノ(4’−CH−N(R)−O−2’)BNA、および(F)メチル(メチレンオキシ)(4’−CH(CH)−O−2’)BNA、(G)メチレン−チオ(4’−CH−S−2’)BNA、(H)メチレン−アミノ(4’−CH2−N(R)−2’)BNA、(I)メチル炭素環式(4’−CH−CH(CH)−2’)BNA、(J)プロピレン炭素環式(4’−(CH−2’)BNA、および(K)エチレン炭素環式(4’−CH−CH−2’)(カルバLNAまたは「cLNA」)が含まれるが、これらに限定されない。
【0058】
【化1】

式中、Bxは、塩基部分であり、Rは独立して、H、保護基、またはC−C12アルキルである。
【0059】
ある種の実施形態では、二環式ヌクレオシドは、式I:
【化2】

を含み、式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
−Q−Q−Q−は、−CH−N(R)−CH−、−C(=O)−N(R)−CH−、−CH−O−N(R)−、−CH−N(R)−O−、または−N(R)−O−CHであり、
は、C−C12アルキルまたはアミノ保護基であり、
およびTは各々、独立して、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応リン基、リン部分、または支持媒体への共有結合である。
【0060】
ある種の実施形態では、二環式ヌクレオシドは、式II:
【化3】

を含み、式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
およびTは各々、独立して、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応リン基、リン部分、または支持媒体への共有結合であり、
は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換C−Cアルキル、置換C−Cアルケニル、置換C−Cアルキニル、アシル、置換アシル、置換アミド、チオール、または置換チオである。
【0061】
一実施形態では、置換された基の各々は、独立して、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、OJ、NJ、SJ、N、OC(=X)J、およびNJC(=X)NJから独立して選択される置換基群で一置換または多置換され、式中、各J、JおよびJは、独立して、H、C−Cアルキル、または置換C−Cアルキルであり、Xは、OまたはNJである。
【0062】
ある種の実施形態では、二環式ヌクレオシドは、式III:
【化4】

を含み、式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
およびTは各々、独立して、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応リン基、リン部分、または支持媒体への共有結合であり、
は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換C−Cアルキル、置換C−Cアルケニル、置換C−Cアルキニル、または置換アシル(C(=O)−)である。
【0063】
ある種の実施形態では、二環式ヌクレオシドは、式IV:
【化5】

を含み、式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
およびTは各々、独立して、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応リン基、リン部分、または支持媒体への共有結合であり、
は、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、または置換C−Cアルキニルであり、
各q、q、q、およびqは、独立して、H、ハロゲン、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニルもしくは置換C−Cアルキニル、C−Cアルコキシル、置換C−Cアルコキシル、アシル、置換アシル、C−Cアミノアルキルもしくは置換C−Cアミノアルキルである。
【0064】
ある種の実施形態では、二環式ヌクレオシドは、式V:
【化6】

を含み、式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
およびTは各々、独立して、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応リン基、リン部分、または支持媒体への共有結合であり、
、q、q、およびqは各々、独立して、水素、ハロゲン、C−C12アルキル、置換C−C12アルキル、C−C12アルケニル、置換C−C12アルケニル、C−C12アルキニル、置換C−C12アルキニル、C−C12アルコキシ、置換C−C12アルコキシ、OJ、SJ、SOJ、SO、NJ、N、CN、C(=O)OJ、C(=O)NJ、C(=O)J、O−C(=O)NJ、N(H)C(=NH)NJ、N(H)C(=O)NJ、またはN(H)C(=S)NJであるか、
あるいはqおよびqは一緒に、=C(q)(q)であり、
およびqは各々、独立して、H、ハロゲン、C−C12アルキル、または置換C−C12アルキルである。
【0065】
メチレンオキシ(4’−CH−O−2’)BNA単量体アデニン、シトシン、グアニン、5−メチルシトシン、チミン、およびウラシルの合成および調製が、それらのオリゴマー化、および核酸認識特性と共に記載されている(Koshkin et al.,Tetrahedron,1998,54,3607−3630)。BNAおよびそれらの調製もまた、第WO 98/39352号および第WO 99/14226号に記載される。
【0066】
メチレンオキシ(4’−CH−O−2’)BNA、メチレンオキシ(4’−CH−O−2’)BNA、および2’−チオ−BNAの類似体もまた、調製されている(Kumar et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2219−2222)。核酸ポリメラーゼのための基質としてオリゴデオキシリボヌクレオチド二重鎖を含む、固定されたヌクレオシド類似体の調製もまた、記載されている(Wengelら、第WO 99/14226号)。更に、2’−アミノ−BNA、新規の立体配座的に制限された高親和性オリゴヌクレオチド類似体の合成が、当該技術分野で記載されている(Singh et al.,J.Org.Chem.,1998,63,10035−10039)。加えて、2’−アミノ−および2’−メチルアミノ−BNAが調製されており、相補的RNAおよびDNA鎖によるそれらの二重鎖の熱安定性が以前に報告されている。
【0067】
ある種の実施形態では、二環式ヌクレオシドは、式VI:
【化7】

を含み、式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
およびTは各々、独立して、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応リン基、リン部分、または支持媒体への共有結合であり、
各q、q、q、およびqは、独立して、H、ハロゲン、C−C12アルキル、置換C−C12アルキル、C−C12アルケニル、置換C−C12アルケニル、C−C12アルキニル、置換C−C12アルキニル、C−C12アルコキシル、置換C−C12アルコキシル、OJ、SJ、SOJ、SO、NJ、N、CN、C(=O)OJ、C(=O)NJ、C(=O)J、O−C(=O)NJ、N(H)C(=NH)NJ、N(H)C(=O)NJまたはN(H)C(=S)NJであり、
およびqまたはqおよびqは一緒に、=C(q)(q)であり、式中、q、およびqは各々、独立して、H、ハロゲン、C−C12アルキル、または置換C−C12アルキルである。
【0068】
4’−(CH−2’架橋およびアルケニル類似体架橋4’−CH=CH−CH−2’を有する1つの炭素環式二環式ヌクレオシドが記載されている(Frier et al.,Nucleic Acids Research,1997,25(22),4429−4443およびAlbaek et al.,J.Org.Chem.,2006,71,7731−7740)。それらのオリゴマー化と共にした炭素環式二環式ヌクレオシドの合成および調製、ならびに生化学的研究もまた、記載されている(Srivastava et al.,J.Am.Chem.Soc.2007,129(26),8362−8379)。
【0069】
本明細書で使用されるとき、「4’−2’二環式ヌクレオシド」または「4’〜2’二環式ヌクレオシド」は、糖環の2’炭素原子および4’炭素原子を結合する、フラノース環の2個の炭素原子を結合する架橋を含むフラノース環を含む二環式ヌクレオシドを指す。
【0070】
本明細書で使用されるとき、「単環式ヌクレオシド」は、二環式糖部分でない修飾された糖部分を含むヌクレオシドを指す。ある種の実施形態では、ヌクレオシドの糖部分、または糖部分類似体は、任意の位置において修飾または置換されてもよい。
【0071】
本明細書で使用されるとき、「2’修飾糖」は、2’位において修飾されたフラノシル糖を意味する。ある種の実施形態では、かかる修飾は、置換および非置換アルコキシ、置換および非置換チオアルキル、置換および非置換アミノアルキル、置換および非置換アルキル、置換および非置換アリル、ならびに置換および非置換アルキニルを含むが、これらに限定されないハロゲン化物から選択される置換基を含む。ある種の実施形態では、2’修飾は、O[(CH)nO]mCH、O(CH)nNH、O(CH)nCH、O(CH)nONH、OCHC(=O)N(H)CH、およびO(CH)nON[(CH)nCHを含むが、これらに限定されない置換基から選択され、式中、nおよびmは、1〜約10である。他の2’置換基群もまた、C−C12アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アラルキル、O−アルカリールもしくはO−アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NH、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA開裂基、レポーター基、インターカレーター、薬物動態的特性を改善するための基、またはオリゴマー化合物の薬力学的特性を改善するための基、および類似した特性を有する他の置換基から選択することができる。ある種の実施形態では、修飾されたヌクレオシドは、−MOE側鎖を含む(Baker et al.,J.Biol.Chem.,1997,272,11944−12000)。かかる2’−MOE置換は、修飾されていないヌクレオシド、ならびに2’−O−メチル、O−プロピル、およびO−アミノプロピル等の他の修飾されたヌクレオシドと比較して改善された結合親和性を有することが記載されている。2’−MOE置換基を有するオリゴヌクレオチドもまた、体内での使用に有望な特徴を有する、遺伝子発現のアンチセンス阻害物質であることが示されている(Martin,P.,Helv.Chim.Acta,1995,78,486−504、Altmann et al.,Chimia,1996,50,168−176、Altmann et al.,Biochem.Soc.Trans.,1996,24,630−637、およびAltmann et al.,Nucleosides Nucleotides,1997,16,917−926)。
【0072】
本明細書で使用されるとき、「修飾されたテトラヒドロピランヌクレオシド」または「修飾されたTHPヌクレオシド」は、正常なヌクレオシドにおけるペントフラノシル残基の代わりに置換された6員テトラヒドロピラン「糖」を有するヌクレオシドを意味する。修飾されたTHPヌクレオシドは、当該技術分野でヘキシトール核酸(HNA)、アニトール(anitol)核酸(ANA)、マンニトール核酸(MNA)(Leumann、CJ.Bioorg.&Med.Chem.(2002)10:841−854を参照されたい)、フルオロHNA(F−HNA)と称されるもの、または式X:
【化8】

を有する化合物が含まれるが、これらに限定されず、式中、式Xの該少なくとも1つのテトラヒドロピランヌクレオシド類似体の各々について独立して、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
およびTは各々、独立して、テトラヒドロピランヌクレオシド類似体をオリゴマー化合物に結合するヌクレオシド間結合基であるか、あるいはTおよびTの1つは、テトラヒドロピランヌクレオシド類似体をオリゴマー化合物もしくはオリゴヌクレオチドに結合するヌクレオシド間結合基であり、TおよびTのもう1つは、H、ヒドロキシル保護基、結合共役基、または5’もしくは3’末端基であり、
、q、q、q、q、q、およびqは各々、独立して、H、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、または置換C−Cアルキニルであり、
およびRの1つは、水素であり、もう1つは、ハロゲン、置換または非置換アルコキシ、NJ、SJ、N、OC(=X)J、OC(=X)NJ、NJC(=X)NJ、およびCNから選択され、式中、XはO、S、またはNJであり、各J、J、およびJは、独立して、HまたはC−Cアルキルである。
【0073】
ある種の実施形態では、式Xの修飾されたTHPヌクレオシドが提供され、式中、q、q、q、q、q、q、およびqは各々、Hである。ある種の実施形態では、q、q、q、q、q、q、およびqのうちの少なくとも1つは、H以外である。ある種の実施形態では、q、q、q、q、q、q、およびqのうちの少なくとも1つは、メチルである。ある種の実施形態では、式XのTHPヌクレオシドが提供され、式中、RおよびRの1つは、Fである。ある種の実施形態では、Rがフルオロであり、かつRがHである、Rがメトキシであり、かつRがHである、またRがメトキシエトキシであり、かつRがHである。
【0074】
本明細書で使用されるとき、「2’修飾」または「2’置換」は、2’位において、HまたはOH以外の置換基を含むヌクレオシド糖を指す。2’修飾ヌクレオシドは、その中で糖環の2個の炭素原子を結合する架橋が2’炭素および糖環の別の炭素を結合する、二環式ヌクレオシド、ならびにアリル、アミノ、アジド、チオ、O−アリル、O−C−C10アルキル、−OCF、O−(CH−O−CH、2’−O(CHSCH、O−(CH−O−N(R)(R)、またはO−CH−C(=O)−N(R)(R)等の非架橋2’置換基を有するヌクレオシドを含むが、これらに限定されず、式中、各RおよびRは、独立して、H、または置換もしくは非置換C−C10アルキルである。2’修飾ヌクレオシドは更に、例えば、糖の他の位置におけるおよび/または核酸塩基における、他の修飾を含んでもよい。
【0075】
本明細書で使用されるとき、「2’−F」は、2’位においてフルオロ基を含む糖を含むヌクレオシドを指す。
【0076】
本明細書で使用されるとき、「2’−OMe」または「2’−OCH」または「2’−O−メチル」は各々、糖環の2’位において−OCH基を含む糖を含むヌクレオシドを指す。
【0077】
本明細書で使用されるとき、「MOE」または「2’−MOE」または「2’−OCHCHOCH」または「2’−O−メトキシエチル」は各々、糖環の2’位において−OCHCHOCH基を含む糖を含むヌクレオシドを指す。
【0078】
本明細書で使用されるとき、「アデニン類似体」という用語は、オリゴマー中に組み込まれるとき、RNAまたはDNAの相補的鎖のチミジンまたはウラシルのいずれかとワトソン−クリック塩基対を形成することができる、化学修飾されたプリン核酸塩基を意味する。
【0079】
本明細書で使用されるとき、「ウラシル類似体」という用語は、オリゴマー中に組み込まれるとき、RNAまたはDNAの相補的鎖のアデニンのいずれかとワトソン−クリック塩基対を形成することができる、化学修飾されたピリミジン核酸塩基を意味する。
【0080】
本明細書で使用されるとき、「チミン類似体」という用語は、オリゴマー中に組み込まれるとき、RNAまたはDNAの相補的鎖のアデニンのいずれかとワトソン−クリック塩基対を形成することができる、化学修飾されたアデニン核酸塩基を意味する。
【0081】
本明細書で使用されるとき、「シトシン類似体」という用語は、オリゴマー中に組み込まれるとき、RNAまたはDNAの相補的鎖のグアニンのいずれかとワトソン−クリック塩基対を形成することができる、化学修飾されたピリミジン核酸塩基を意味する。例えば、シトシン類似体は、5−メチルシトシンであり得る。
【0082】
本明細書で使用されるとき、という用語は、「グアニン類似体」は、オリゴマー中に組み込まれるとき、RNAまたはDNAの相補的鎖のシトシンのいずれかとワトソン−クリック塩基対を形成することができる、化学修飾されたプリン核酸塩基を意味する。
【0083】
本明細書で使用されるとき、「グアノシン」という用語は、グアニンまたはグアニン類似体核酸塩基を含む、ヌクレオシドまたは糖修飾ヌクレオシドを指す。
【0084】
本明細書で使用されるとき、「ウリジン」という用語は、ウラシルまたはウラシル類似体核酸塩基を含む、ヌクレオシドまたは糖修飾ヌクレオシドを指す。
【0085】
本明細書で使用されるとき、「チミジン」という用語は、チミンまたはチミン類似体核酸塩基を含む、ヌクレオシドまたは糖修飾ヌクレオシドを指す。
【0086】
本明細書で使用されるとき、「シチジン」という用語は、シトシンもしくはシトシン類似体核酸塩基を含む、ヌクレオシドまたは糖修飾ヌクレオシドを指す。
【0087】
本明細書で使用されるとき、「アデノシン」という用語は、アデニンもしくはアデニン類似体核酸塩基を含む、ヌクレオシドまたは糖修飾ヌクレオシドを指す。
【0088】
本明細書で使用されるとき、「オリゴヌクレオチド」は、複数の結合されたヌクレオシドを含む化合物を指す。ある種の実施形態では、複数のヌクレオシドのうちの1つ以上が修飾される。ある種の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、1つ以上のリボヌクレオシド(RNA)および/またはデオキシリボヌクレオシド(DNA)を含む。
【0089】
本明細書で使用されるとき「オリゴヌクレオシド」は、ヌクレオシド間結合のいずれもリン原子を含有しないオリゴヌクレオチドを指す。本明細書で使用されるとき、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオシドを含む。
【0090】
本明細書で使用されるとき、「修飾されたオリゴヌクレオチド」または「化学修飾されたオリゴヌクレオチド」は、少なくとも1つの修飾された糖、修飾された核酸塩基、および/または修飾されたヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドを指す。
【0091】
本明細書で使用されるとき「ヌクレオシド間結合」は、隣接したヌクレオシドの間の共有結合を指す。
【0092】
本明細書で使用されるとき「天然ヌクレオシド間結合」は、3’〜5’のホスホジエステル結合を指す。
【0093】
本明細書で使用されるとき、「修飾されたヌクレオシド間結合」は、天然ヌクレオシド間結合以外の任意のヌクレオシド間結合を指す。
【0094】
本明細書で使用されるとき、「オリゴマー化合物」は、2つ以上の部分構造を含む重合体構造を指す。ある種の実施形態では、オリゴマー化合物は、オリゴヌクレオチドである。ある種の実施形態では、オリゴマー化合物は、1本鎖のオリゴヌクレオチドである。ある種の実施形態では、オリゴマー化合物は、2つのオリゴヌクレオチドを含む2本鎖の二重鎖である。ある種の実施形態では、オリゴマー化合物は、1つ以上の共役基および/または末端基を含む、1本鎖または2本鎖のオリゴヌクレオチドである。
【0095】
本明細書で使用されるとき、「共役体」は、オリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物に結合された原子または原子の基を指す。概して、共役基は、薬力学的、薬物動態的、結合、吸収、細胞分布、細胞取込み、電荷、およびクリアランスを含むが、これらに限定されない、それらが結合される化合物の1つ以上の特性を修飾する。共役基は、化学分野で日常的に使用され、直接にまたは任意の結合部分もしくは結合基を介してオリゴマー化合物等の親化合物に結合される。ある種の実施形態では、共役基には、限定されずに、インターカレーター、レポーター分子、ポシアミン、ポリアミド、ポリエチレングリコール、チオエーテル、ポリエーテル、コレステロール、チオコレステロール、コール酸部分、葉酸塩、脂質、リン脂質、ビオチン、フェナジン、フェナントリジン、アントラキノン、アダマンタン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、および染料が含まれる。ある種の実施形態では、共役体は、末端基である。ある種の実施形態では、共役体は、オリゴヌクレオチドの3’もしくは5’末端ヌクレオシドにまたは内部ヌクレオシドに結合される。
【0096】
本明細書で使用されるとき、「共役結合基」は、共役体をオリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物に結合させるために使用される任意の原子または原子の基を指す。当該技術分野で既知のもの等の結合基または二機能性結合部分が、本発明に適合する。
【0097】
本明細書で使用されるとき、「アンチセンス化合物」は、その少なくとも一部分が、それとハイブリッド形成する標的核酸に少なくとも部分的に相補的であり、該標的核酸の活性、プロセシング、または発現を調節する、オリゴマー化合物を指す。
【0098】
本明細書で使用されるとき、「発現」は、それによって細胞が最終的にタンパク質をもたらすプロセスを指す。発現には、転写、スプライシング、転写後修飾、および翻訳が含まれるが、これらに限定されない。
【0099】
本明細書で使用されるとき、「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、オリゴヌクレオチドであるアンチセンス化合物を指す。
【0100】
本明細書で使用されるとき、「アンチセンス活性」は、アンチセンス化合物のその標的核酸とのハイブリダイゼーションに帰するとされ得る任意の検出可能なおよび/または測定可能な活性を指す。ある種の実施形態では、かかる活性は、核酸またはタンパク質の量の増加であっても減少であってもよい。ある種の実施形態では、かかる活性は、核酸またはタンパク質のスプライス変異型の比率の変化であってもよい。アンチセンス活性の検出および/または測定は、直接であっても間接であってもよい。ある種の実施形態では、アンチセンス活性は、細胞または動物中の表現型変化を観察することによって査定される。
【0101】
本明細書で使用されるとき、活性、反応、または効果との関連における「検出」または「測定」は、かかる活性、反応、または効果を検出または測定するための試験が行われることを示す。かかる検出および/または測定は、ゼロの値を含んでもよい。故に、検出または測定のための試験が、活性なし(ゼロの活性)という知見をもたらす場合、活性の検出または測定のステップは、それでもなお行われている。例えば、ある種の実施形態では、本発明は、アンチセンス活性を検出する、毒性を検出する、および/または毒性のマーカーを測定するステップを含む方法を提供する。任意のかかるステップは、ゼロの値を含んでもよい。
【0102】
本明細書で使用されるとき、「標的核酸」は、その発現、量、または活性をアンチセンス化合物によって調節することができる任意の核酸分子を指す。ある種の実施形態では、標的核酸は、DNAまたはRNAである。ある種の実施形態では、標的RNAは、mRNA、プレ−mRNA、非コーディングRNA、プリ−マイクロRNA、プレ−マイクロRNA、成熟マイクロRNA、プロモーター指向性RNA、または天然アンチセンス転写物である。例えば、標的核酸は、その発現が特定の障害または疾患状態に関連する細胞遺伝子(または細胞から転写されたmRNA)、または感染因子からの核酸分子であり得る。ある種の実施形態では、標的核酸は、ウイルスまたは細菌核酸である。
【0103】
本明細書で使用されるとき、「標的mRNA」は、タンパク質をコードする事前選択されたRNA分子を指す。
【0104】
本明細書で使用されるとき、「標的pdRNA」は、1つ以上のプロモーターと相互作用して転写を調節する事前選択されたRNA分子を指すを指す。
【0105】
本明細書で使用されるとき、「標的とする(targeting)」または「を標的とする(targeted to)」は、アンチセンス化合物の、標的核酸分子内のヌクレオチドの特定の標的核酸分子または特定の領域との会合を指す。アンチセンス化合物は、それが、生理的条件下でハイブリダイゼーションを可能にするために、標的核酸に十分に相補的である場合、標的核酸を標的とする。
【0106】
本明細書で使用されるとき、「標的部位」は、アンチセンス化合物によって結合される標的核酸の領域を指す。ある種の実施形態では、標的部位は、少なくとも部分的にRNA分子の3’非翻訳領域内にある。ある種の実施形態では、標的部位は、少なくとも部分的にRNA分子の5’非翻訳領域内にある。ある種の実施形態では、標的部位は、少なくとも部分的にRNA分子のコード領域内にある。ある種の実施形態では、標的部位は、少なくとも部分的にRNA分子のエクソン内にある。ある種の実施形態では、標的部位は、少なくとも部分的にRNA分子のイントロン内にある。ある種の実施形態では、標的部位は、少なくとも部分的にRNA分子のマイクロRNA標的部位内にある。ある種の実施形態では、標的部位は、少なくとも部分的にRNA分子の反復領域内にある。
【0107】
本明細書で使用されるとき、「標的タンパク質」は、その発現がアンチセンス化合物によって調節される、タンパク質を指す。ある種の実施形態では、標的タンパク質は、標的核酸によってコードされる。ある種の実施形態では、標的タンパク質の発現は、標的核酸によって別の方法で影響を受ける。
【0108】
本明細書で使用されるとき、核酸塩基に関する「相補性」は、核酸塩基と塩基対形成することができる核酸塩基を指す。例えば、DNA内で、アデニン(A)は、チミン(T)に相補的である。例えば、RNA内で、アデニン(A)は、ウラシル(U)に相補的である。ある種の実施形態では、相補的核酸塩基は、その標的核酸の核酸塩基と塩基対形成することができるアンチセンス化合物の核酸塩基を指す。例えば、アンチセンス化合物のある種の位置における核酸塩基が、標的核酸のある種の位置における核酸塩基と水素結合することができる場合、オリゴヌクレオチドと標的核酸との間の水素結合の位置は、その核酸塩基対において相補的であると考えられる。ある種の修飾を含む核酸塩基は、相対する核酸塩基と対形成する能力を維持し得、故に、依然として核酸塩基相補性の能力がある。
【0109】
本明細書で使用されるとき、核酸塩基に関する「非相補的」」は、互いとの水素結合を形成しないか、または別の方法でハイブリダイゼーションを支持しない、核酸塩基の対を指す。
【0110】
本明細書で使用されるとき、結合されたヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、または核酸に関する「相補的」は、オリゴマー化合物の、核酸塩基相補性を通じて別のオリゴマー化合物または核酸とハイブリッド形成する能力を指す。ある種の実施形態では、アンチセンス化合物およびその標的は、各分子内の十分な数の対応する位置が、互いに結合し得る核酸塩基によって占有されて、アンチセンス化合物と標的との間の安定な会合を可能にするとき、互いに相補的である。当業者は、ミスマッチの封入が、オリゴマー化合物の会合したままでいる能力を排除することなく可能であることを認識する。したがって、ミスマッチ(すなわち、標的の対応するヌクレオチドに相補的な核酸塩基でない)である最大約20%ヌクレオチドを含み得るアンチセンス化合物が本明細書に記載される。好ましくはアンチセンス化合物は、約15%以下、より好ましくは約10%以下、最も好ましくは5%以下、またはゼロのミスマッチを含有する。残りのヌクレオチドは、相補的な核酸塩基であるか、さもなければハイブリダイゼーションを妨害しない(例えば、ユニバーサル塩基)。当業者であれば、本明細書に提供される化合物が、標的核酸に少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%相補的であることを認識するであろう。
【0111】
本明細書で使用されるとき、「ハイブリダイゼーション」は、相補的オリゴマー化合物の対形成を指す(例えば、アンチセンス化合物およびその標的核酸)。特定の機構に限定されないが、対形成の最も一般的な機構は、水素結合を伴い、それは相補的ヌクレオシドまたはヌクレオチド塩基(核酸塩基)の間のワトソン−クリック、フーグスティーン、または逆フーグスティーン水素結合であってもよい。例えば、天然塩基アデニンは、水素結合の形成を通じて対形成する天然核酸塩基チミジンおよびウラシルに相補的な核酸塩基である。天然塩基グアニンは、天然塩基シトシンおよび5−メチルシトシンに相補的な核酸塩基である。ハイブリダイゼーションは、様々な状況下で生じる可能性がある。
【0112】
本明細書で使用されるとき、「特異的にハイブリッド形成する」は、オリゴマー化合物の、それが別の核酸部位とハイブリッド形成する場合よりも大きい親和性で、1つの核酸部位とハイブリッド形成する能力を指す。ある種の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、1つ以上の標的部位と特異的にハイブリッド形成する。
【0113】
本明細書で使用されるとき、「全体的な同一性」は、オリゴマー化合物の長さにわたる、特定の核酸またはその部分に対するオリゴマー化合物の核酸塩基同一性を指す。
【0114】
本明細書で使用されるとき、「調節」は、調節前の機能または活性と比較したときの、機能または活性の量または質の撹乱を指す。例えば、調節は、遺伝子発現における増加(刺激または誘導)または減少(阻害または低減)のいずれかの、変化を含む。更なる例として、発現の調節は、プレ−mRNAプロセシングのスプライス部位選択を撹乱することを含み得、それは撹乱されなかった状態と比較して、存在する特定のスプライス変異型の量の変化をもたらす。更なる例として、調節には、タンパク質の翻訳を撹乱することを含む。
【0115】
本明細書で使用されるとき、「モチーフ」は、オリゴマー化合物またはその領域における修飾のパターンを指す。モチーフは、オリゴマー化合物のある種のヌクレオシドにおけるおよび/またはある種の結合基における修飾によって定義されてもよい。
【0116】
本明細書で使用されるとき、「ヌクレオシドモチーフ」は、オリゴマー化合物またはその領域におけるヌクレオシドの修飾のパターンを指す。かかるオリゴマー化合物の結合は、修飾されても、修飾されなくてもよい。別段の指示がない限り、ヌクレオシドのみを説明する本明細書におけるモチーフは、ヌクレオシドモチーフであることが意図される。故に、かかる例において、結合は限定されない。
【0117】
本明細書で使用されるとき、「結合モチーフ」は、オリゴマー化合物またはその領域における結合修飾のパターンを指す。かかるオリゴマー化合物のヌクレオシドは、修飾されても、修飾されなくてもよい。別段の指示がない限り、結合のみを説明する本明細書におけるモチーフは、結合モチーフであることが意図される。故に、かかる例において、ヌクレオシドは限定されない。
【0118】
本明細書で使用されるとき、「同じ修飾」は、修飾の不在を含む、互いに同じである天然産分子に相対的な修飾を指す。故に、例えば、2つの修飾されていないDNAヌクレオシドは、DNAヌクレオシドが修飾されていない場合であっても、「同じ修飾」を有する。
【0119】
本明細書で使用されるとき、ある「タイプ」のヌクレオシドまたはヌクレオシドに関する「修飾のタイプ」は、ヌクレオシドの修飾を指し、修飾されたおよび修飾されていないヌクレオシドを含む。したがって、別段の指示がない限り、「第1のタイプの修飾を有するヌクレオシド」は、修飾されていないヌクレオシドである場合がある。
【0120】
本明細書で使用されるとき、「別個の領域」は、オリゴマー化合物の部分を指し、ここでその領域内のヌクレオシドおよびヌクレオシド間結合はすべて、同じ修飾を含み、任意の近接した部分のヌクレオシドおよび/またヌクレオシド間結合は、少なくとも1つの異なる修飾を含む。
【0121】
本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容される塩」は、活性化合物の所望の生物学的活性を保持し、かつ所望でない毒物学的効果をそこに付与しない活性化合物の塩を指す。
【0122】
本明細書で使用されるとき、「キャップ構造」または「末端キャップ部分」は、アンチセンス化合物のいずれかの末端において組み込まれる化学修飾を指す。
【0123】
本明細書で使用されるとき、「独立して」という用語は、特許請求の範囲のオリゴヌクレオチド内での反復可変の各々の発生が、互いから独立して選択されることを意味する。例えば、各反復可変は、(i)反復可変の各々が同じである、(ii)2つ以上が同じである、または(iii)反復可変の各々が異なり得るように、選択することができる。
【0124】
一般的な化学定義
本明細書で使用されるとき、「アルキル」は、最大24個の炭素原子を含有する、飽和の直鎖または分岐鎖炭化水素ラジカルを指す。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、n−ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル等が挙げられるが、これらに限定されない。アルキル基は典型的には、1〜約24個の炭素原子、より典型的には1〜約12個の炭素原子(C−C12アルキル)を含むが、1〜約6個の炭素原子(C−Cアルキル)がより好ましい。本明細書で使用される「低級アルキル」という用語は、1〜約6個の炭素原子(C−Cアルキル)を含む。本明細書で使用されるアルキル基は任意に、1つ以上の更なる置換基群を含んでもよい。本明細書において、炭素原子の数の指示がない「アルキル」という用語は、1〜約12個の炭素原子(C−C12アルキル)を有するアルキルを意味する。
【0125】
本明細書で使用されるとき、「アルケニル」は、最大24個の炭素原子を含有し、かつ少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する、直鎖または分岐鎖炭化水素鎖ラジカルを指す。アルケニル基の例としては、エテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イル、1,3−ブタジエン等のジエン等が挙げられるが、これらに限定されない。アルケニル基は、典型的には2〜約24個の炭素原子、より典型的には2〜約12個の炭素原子を含むが、2〜約6個の炭素原子がより好ましい。本明細書で使用されるアルケニル基は任意に、1つ以上の更なる置換基群を含んでもよい。
【0126】
本明細書で使用されるとき、「アルキニル」は、最大24個の炭素原子を含有し、かつ少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する、直鎖または分岐鎖炭化水素ラジカルを指す。アルキニル基の例としては、エチニル、1−プロピニル、1−ブチニル等が挙げられるが、これらに限定されない。アルキニル基は、典型的には2〜約24個の炭素原子、より典型的には2〜約12個の炭素原子を含むが、2〜約6個の炭素原子がより好ましい。本明細書で使用されるアルキニル基は任意に、1つ以上の更なる置換基群を含んでもよい。
【0127】
本明細書で使用されるとき、「アミノアルキル」は、アミノ置換アルキルラジカルを指す。この用語は、任意の位置においてアミノ置換基を有するC−C12アルキル基を含むことが意図され、ここでアルキル基は、アミノアルキル基を親分子に結合する。アルキルおよび/またはアミノアルキル基のアミノ部分は更に、置換基群で置換することができる。
【0128】
本明細書で使用されるとき、「脂肪族」は、最大24個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖炭化水素ラジカルを指し、ここで任意の2個の炭素原子の間の飽和は、単結合、二重結合、または三重結合である。脂肪族基は、好ましくは1〜約24個の炭素原子、より典型的には1〜約12個の炭素原子を含有するが、1〜約6個の炭素原子がより好ましい。脂肪族基の直鎖または分岐鎖は、窒素、酸素、硫黄、およびリンを含む1つ以上のヘテロ原子で中断されてもよい。かかる脂肪族基は、限定されずにポリアルキレングリコール、ポシアミン、およびポリイミン等のポリアルコキシを含む、ヘテロ原子によって中断される。本明細書で使用される脂肪族基は任意に、更なる置換基群を含んでもよい。
【0129】
本明細書で使用されるとき、「脂環式」または「アリシクリル(alicyclyl)」は、環が脂肪族である環式環系を指す。この環系は、1つ以上の環を含み得、ここで少なくとも1つの環は、脂肪族である。好ましい脂環式化合物(alicyclics)には、環中に約5〜約9個の炭素原子を有する環が含まれる。本明細書で使用される脂環式化合物(alicyclics)は任意に、更なる置換基群を含んでもよい。
【0130】
本明細書で使用されるとき、「アルコキシ」は、アルキル基と酸素原子との間に形成されるラジカルを指し、ここで酸素原子は、アルコキシ基を親分子に結合するために使用される。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、ネオペントキシ、n−ヘキソキシ等が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用されるアルコキシ基は任意に、更なる置換基群を含んでもよい。
【0131】
本明細書で使用されるとき、「ハロ」および「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素から選択される原子を指す。
【0132】
本明細書で使用されるとき、「アリール」および「芳香族」は、1つ以上の芳香族環を有する、単環式または多環式の炭素環式環系ラジカルを指す。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニル等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいアリール環系は、1つ以上の環中に約5〜約20個の炭素原子を有する。本明細書で使用されるアリール基は任意に、更なる置換基群を含んでもよい。
【0133】
本明細書で使用されるとき、「アラルキル」および「アリールアルキル」は、アルキル基とアリール基との間に形成されるラジカルを指し、ここでアルキル基は、アラルキル基を親分子に結合するために使用される。例としては、ベンジル、フェネチル等が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用されるアラルキル基は任意に、ラジカル基を形成するアルキル、アリール、または両方の基に結合された更なる置換基群を含んでもよい。
【0134】
本明細書で使用されるとき、「複素環式ラジカル」は、少なくとも1個のヘテロ原子を含み、不飽和、部分飽和、または完全飽和である、ラジカル単環式または多環式の環系を指し、それによってヘテロアリール基を含む。複素環式はまた、縮合環系を含むことが意図される。ここで縮合環のうちの1つ以上は、少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、残りの環は、1個以上のヘテロ原子を含有し得るか、または任意にヘテロ原子を含有しない。複素環式基は典型的には、硫黄、窒素、または酸素から選択される少なくとも1個の原子を含む。複素環式基の例としては、[1,3]ジオキソラン、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、キノキサリニル、ピリダジノニル、テトラヒドロフリル等が挙げられる。本明細書で使用される複素環式基は任意に、更なる置換基群を含んでもよい。
【0135】
本明細書で使用されるとき、「ヘテロアリール」および「ヘテロ芳香族」は、単環式または多環式の芳香族環、環系、または縮合環系を含むラジカルを指し、ここで環のうちの少なくとも1つは、芳香族であり、かつ1個以上のヘテロ原子を含む。ヘテロアリールはまた、縮合環のうちの1つ以上がヘテロ原子を含有しない系を含む縮合環系を含むことが意図される。ヘテロアリール基は、典型的には、硫黄、窒素、または酸素から選択される1個の環原子を含む。ヘテロアリール基の例としては、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノキサリニル等が挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアリールラジカルは、直接にまたは脂肪族基またはヘテロ原子等の結合部分を通じて、親分子に結合することができる。本明細書で使用されるヘテロアリール基は任意に、更なる置換基群を含んでもよい。
【0136】
本明細書で使用されるとき、「ヘテロアリールアルキル」は、ヘテロアリールアルキル基を親分子に結合することができるアルキ(alky)ラジカルを有する、先に定義されたようなヘテロアリール基を指す。例としては、ピリジニルメチル、ピリミジニルエチル、ナフチリジニルプロピル(napthyridinylpropyl)等が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用されるヘテロアリールアルキル基は任意に、ヘテロアリールまたはアルキル部分のうちの1つまたは両方の上に、更なる置換基群を含んでもよい。
【0137】
本明細書で使用されるとき、「単(mono)環式または多環式の構造」は、縮合または結合された環を有する、単(single)環式または多環式である任意の環系を指し、個々に、脂肪族、脂環式、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アリールアルキル、複素環式、ヘテロアリール、ヘテロ芳香族、ヘテロアリールアルキルから選択される単一および混合型の環系を含むことが意図される。かかる単環式または多環式の構造は、一様であるか、または、完全飽和、部分飽和、もしくは完全不飽和を含む様々な飽和の程度を有する環を含有し得る。各環は、C、N、O、およびSから選択される環原子を含んで、複素環式環、ならびにC環原子のみを含む環を生み出すことができ、これらは、例えば、1つの環が炭素環原子のみを有し、かつ縮合環が2個の窒素原子を有するベンズイミダゾール等の混合モチーフ中で存在し得る。単環式または多環式の構造は更に、例えば、環のうちの1つに結合された2個の=O基を有するフタルイミド等の置換基群で置換することができる。別の態様では、単環式または多環式の構造は、環原子を通じて直接に、置換基もしくは二機能性結合部分を通じて、親分子に結合することができる。
【0138】
本明細書で使用されるとき、「アシル」は、有機酸からのヒドロキシル基の除去によって形成され、一般式−C(O)−Xを有するラジカルを指し、式中、Xは、典型的には脂肪族、脂環式、または芳香族である。例としては、脂肪族カルボニル、芳香族カルボニル、脂肪族スルホニル、芳香族スルフィニル、脂肪族スルフィニル、芳香族リン酸塩、脂肪族リン酸塩等が挙げられる。本明細書で使用されるアシル基は任意に、更なる置換基群を含んでもよい。
【0139】
本明細書で使用されるとき、「ヒドロカルビル」は、C、O、およびHを含む任意の基を指す。あらゆる飽和の程度を有する直鎖、分枝鎖、および環式の基が含まれる。かかるヒドロカルビル基は、N、O、およびSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み得、更に、1つ以上の置換基群で一置換または多置換され得る。
【0140】
本明細書で使用されるとき、「置換基(substituent)」および「置換基(substituent group)」は、典型的には、所望の特性を強化するか、または所望の効果を与えるように、他の基または親化合物に付加される基を含む。置換基群は、保護または脱保護され得、親化合物中の1つの利用可能な部位または多くの利用可能な部位に付加され得る。置換基群はまた、他の置換基で更に置換されてもよく、直接に、またはアルキル基もしくはヒドロカルビル基等の結合基を介して親化合物に結合されてもよい。
【0141】
別段の指示がない限り、置換されたまたは「任意に置換された」という用語は、次の置換基を指す:ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル(−C(O)Raa)、カルボキシル(−C(O)O−Raa)、脂肪族基、脂環式基、アルコキシ、置換オキソ(−O−Raa)、アリール、アラルキル、複素環式、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アミノ(−NRbbcc)、イミノ(=NRbb)、アミド(−C(O)NRbbccまたは−N(Rbb)C(O)Raa)、アジド(−N)、ニトロ(−NO)、シアノ(−CN)、カルバミド(−OC(O)NRbbccまたは−N(Rbb)C(O)ORaa)、ウレイド(−N(Rbb)C(O)NRbbcc)、チオウレイド(−N(Rbb)C(S)NRbbcc)、グアニジニル(−N(Rbb)C(=NRbb)NRbbcc)、アミジニル(−C(=NRbb)NRbbccまたは−N(Rbb)C(NRbb)Raa)、チオール(−SRbb)、スルフィニル(−S(O)Rbb)、スルホニル(−S(O)bb)、スルホンアミジル(−S(O)NRbbccまたは−N(Rbb)S(O)bb)、および共役基。式中、各Raa、Rbb、およびRccは、独立して、H、任意に結合された化学官能基、または更なる置換基群であり、このうち好ましい一覧には、限定されずにH、アルキル、アルケニル、アルキニル、脂肪族、アルコキシ、アシル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、脂環式、複素環式、およびヘテロアリールアルキルが含まれる。本明細書に記載される化合物内で選択される置換基は、再帰的な程度に存在する。
【0142】
この文脈において、「再帰的置換基」は、置換基がそれ自体の別の出現を繰り返してもよいことを意味する。かかる置換基の再帰的性質のため、理論的には、任意の所与の特許請求の範囲には、多数の再帰的置換基が存在する場合がある。医薬品化学および有機化学分野の専門家は、かかる置換基の総数が、目的化合物の所望の特性によって合理的に制限されることを理解している。かかる特性には、限定ではなく例として、分子量、溶解度、またはlog P等の物理的特性、目的の標的に対する活性等の応用特性、および合成のしやすさ等の実際的な特性が含まれる。
【0143】
再帰的置換基は、本発明の目的とする態様である。医学および有機化学分野の専門家は、かかる置換基の多用途性を理解している。再帰的置換基が本発明の特許請求の範囲に存在する程度に合わせて、その総数が上述のように決定されるであろう。
【0144】
本明細書で使用される「安定な化合物」および「安定な構造」という用語は、反応混合物から有用な程度の純度への単離および有効な治療剤への製剤化に耐えるのに十分なほど堅牢な化合物を示すことが意図される。安定な化合物のみが本明細書において企図される。
【0145】
本明細書で使用されるとき、特定の単位の数を示す範囲におけるゼロ(0)は、その単位が不在であり得ることを意味する。例えば、特定のモチーフの0〜2つの領域を含むオリゴマー化合物は、オリゴマー化合物が、特定のモチーフを有する1つもしくは2つのかかる領域を含む可能性があること、またはオリゴマー化合物が、特定のモチーフを有する領域を全く有さない可能性があることを意味する。分子の内部部分が不在である場合の例において、不在部分の側面に位置する部分は、互いに直接に結合される。同様に、本明細書で使用される「なし(none)」という用語は、ある種の特徴が存在しないことを示す。
【0146】
本明細書で使用されるとき、「類似体」または「誘導体」は、化合物が作製される方法に関わらず、構造において類似しているが元素組成物の点で親化合物と異なる、化合物または部分のいずれかを意味する。例えば、類似体または誘導体化合物は、化学出発物質として親化合物から作製される必要がない。
【0147】
ある種の核酸塩基
ある種の実施形態では、本発明のヌクレオシドは、修飾されていない核酸塩基を含む。ある種の実施形態では、本発明のヌクレオシドは、修飾された核酸塩基を含む。
【0148】
ある種の実施形態では、核酸塩基修飾は、ヌクレアーゼ安定性、結合親和性、または幾つかの他の有益な生物学的特性を、オリゴマー化合物に付与し得る。本明細書で使用されるとき、「修飾されていない」または「天然」核酸塩基は、プリン塩基アデニン(A)およびグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基チミン(T)、シトシン(C)、およびウラシル(U)を含む。本明細書において複素環式塩基部分とも称される修飾された核酸塩基は、他の合成および天然核酸塩基を含み、その多くの例としては、中でも5−メチルシトシン(5−me−C)、5−ヒドロキシメチルシトシン、7−デアザグアニン、および7−デアザアデニン等が挙げられる。
【0149】
複素環式塩基部分はまた、プリンまたはピリミジン塩基が、他の複素環、例えば、7−デアザ−アデニン、7−デアザグアノシン、2−アミノピリジン、および2−ピリドンと置換されるものを含み得る。ある種の修飾された核酸塩基は、例えば、Swayze,E.E.and Bhat,B.,The Medicinal Chemistry of Oligonucleotides in Antisense Drug Technology,Chapter 6,pages 143−182(Crooke,S.T.,ed.,2008)、米国特許第3,687,808号に開示され、The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering,pages 858−859,Kroschwitz,J.I.,ed.John Wiley&Sons,1990に開示されるもの、Englisch et al.,Angewandte Chemie,International Edition,1991,30,613によって開示されるもの、およびSanghvi,Y.S.,Chapter 15,Antisense Research and Applications,pages 289−302,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,ed.,CRC Press,1993によって開示されるものがある。これらの核酸塩基のうちのある種は、本発明のオリゴマー化合物の結合親和性を増加させるために特に有用である。これらには、2アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシル、および5−プロピニルシトシンを含む、5−置換ピリミジン、6−アザピリミジン、ならびにN−2、N−6、およびO−6置換プリンが含まれる。
【0150】
ある種の実施形態では、核酸塩基は、核酸塩基の1つ以上の複素環式塩基部分の代わりに、多環式の複素環式化合物を含む。幾つかの三環式の複素環式化合物が以前に報告されている。これらの化合物は、修飾された鎖の標的鎖への結合特性を増加させるために、アンチセンス用途において日常的に使用される。最も研究された修飾は、グアノシンを標的とし、したがってそれらはG−クランプまたはシチジン類似体と称されている。
【0151】
第2の鎖中のグアノシンとの3水素結合をもたらす代表的なシトシン類似体には、1,3−ジアザフェノキサジン−2−オン(Kurchavov,et al.,Nucleosides and Nucleotides,1997,16,1837−1846)、1,3−ジアザフェノチアジン−2−オン(Lin,K.−Y.;Jones,R.J.;Matteucci,M.J.Am.Chem.Soc.1995,117,3873−3874)、および6,7,8,9−テトラフルオロ−1,3−ジアザフェノキサジン−2−オン(Wang,J.;Lin,K.−Y.,Matteucci,M.Tetrahedron Lett.1998,39,8385−8388)が含まれる。オリゴヌクレオチド中に組み込まれるとき、これらの塩基修飾は、相補的グアニンとハイブリッド形成するすることが示されており、後者はまた、アデニンとハイブリッド形成し、スタッキング相互作用によって、らせんの熱安定性を強化するすることが示された(米国特許出願公開第20030207804号および米国特許出願公開第20030175906号もまた参照されたく、これらの特許の双方は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
【0152】
ヘリックス−安定化特性は、シトシン類似体/置換体が、強固な1,3−ジアザフェノキサジン−2−オン足場に結合されたアミノエトキシ部分を有するときに観察されている(Lin,K.−Y.;Matteucci,M.J.Am.Chem.Soc.1998,120,8531−8532)。結合研究は、単一の組み込みが、5−メチルシトシン(dC5me)に対して最大18°の△Tにより、モデルオリゴヌクレオチドの、その相補的標的DNAまたはRNAへの結合親和性を強化し得ることを実証し、それは、単一の修飾に対する、知られる限り最も高い親和性強化である。その一方で、らせんの安定性の獲得は、オリゴヌクレオチドの特異性に支障をきたさない。Tデータは、dC5meと比較して、完全マッチ配列とミスマッチ配列との間のさらにより大きい区別を示す。繋ぎ止められたアミノ基が、相補的グアニンのフーグスティーンフェイス、つまりO6と相互作用し、それによって4水素結合を形成するために、追加的な水素結合ドナーとしての役割を果たすことが示唆された。これは、G−クランプの増加された親和性が、伸張塩基スタッキングおよび追加的な特異的水素結合の組み合わせによって媒介されることを意味する。
【0153】
本発明に適合する三環式の複素環式化合物およびそれらを使用する方法は、米国特許第6,028,183号および米国特許第6,007,992号に開示され、双方の内容は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0154】
フェノキサジン誘導体の強化された結合親和性は、それらの配列特異性と一緒に、それらを、より強力なアンチセンスに基づく薬物の開発のために貴重な核酸塩基類似体にする。活性強化は、単一の置換が20mer 2’−デオキシホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの体外での効力を有意に改善することが示されたことから、G−クランプの場合においてさらにより顕著であった(Flanagan,W.M.;Wolf,J.J.;Olson,P.;Grant,D.;Lin,K.−Y.;Wagner,R.W.;Matteucci,M.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1999,96,3513−3518)。
【0155】
複素環式塩基として有用な修飾された多環式複素環式化合物は、上述の米国特許第3,687,808号、ならびに米国特許第4,845,205号、第5,130,302号、第5,134,066号、第5,175,273号、第5,367,066号、第5,432,272号、第5,434,257号、第5,457,187号、第5,459,255号、第5,484,908号、第5,502,177号、第5,525,711号、第5,552,540号、第5,587,469号、第5,594,121、5,596,091号、第5,614,617号、第5,645,985号、第5,646,269号、第5,750,692号、第5,830,653号、第5,763,588号、第6,005,096号、および第5,681,941号、ならびに米国特許出願公開第20030158403号に開示されるが、これらに限定されず、これらの特許の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0156】
糖修飾ヌクレオシド
RNA二重鎖は、「A型」ジオメトリと称されているものにおいて存在する一方で、DNA二重鎖は、「B型」ジオメトリにおいて存在する。概して、RNA:RNA二重鎖は、DNA:DNA二重鎖よりも、より安定であるか、またはより高い融解温度(T)を有する(Sanger et al.,Principles of Nucleic Acid Structure,1984,Springer−Verlag;New York,NY.、Lesnik et al.,Biochemistry,1995,34,10807−10815、Conte et al.,Nucleic Acids Res.,1997,25,2627−2634)。RNAの増加された安定性は、複数の構造的特徴、最も著しくは、A型ジオメトリからもたらされる改善された塩基スタッキング相互作用に帰するとされている(Searle et al.,Nucleic Acids Res.,1993,21,2051−2056)。RNA中の2’ヒドロキシルの存在は、糖を、C3’エンドパッカー、すなわち、二重鎖にA型ジオメトリを選好させる、ノーザンパッカーとしても指定されるパッカーの方へ偏向させる。加えて、RNAの2’ヒドロキシル基は、RNA二重鎖を安定化させる一助となる水媒介型の水素結合のネットワークを形成することができる(Egli et al.,Biochemistry,1996,35,8489−8494)。その一方で、デオキシ核酸は、C2’エンド糖パッカー、すなわち、安定性の低いB型ジオメトリを付与すると考えられる、サザンパッカーとしても知られるパッカーを選好する(Sanger,W.(1984)Principles of Nucleic Acid Structure,Springer−Verlag,New York,NY)。
【0157】
天然オリゴヌクレオチドと比較した、化学修飾されたオリゴマー化合物の相補的核酸鎖に結合する相対的な能力は、該化学修飾されたオリゴマー化合物の、その相補的修飾されていない標的核酸とのハイブリダイゼーション複合体の融解温度を得ることによって測定される。二重ヘリックスの特徴的な物理的特性である、融解温度(T)は、50%らせん対コイル(ハイブリッド形成していない)形態が提示される、摂氏温度の温度を示す。T(一般的に結合親和性とも称される)は、UVスペクトルを用いて、ハイブリダイゼーションの形成および崩壊(融解)を決定することによって測定される。ハイブリダイゼーション中に生じる、塩基スタッキングには、UV吸収の低減(淡色性)が伴う。結果として、UV吸収の低減は、より高いTを示す。
【0158】
アンチセンス化合物:RNA標的二重鎖の相対的な二重鎖安定性が、化学修飾されたヌクレオシドのアンチセンス化合物中への組み込みを通じて調節され得るということは、当該技術分野で既知である。糖修飾ヌクレオシドは、その標的RNAによるアンチセンス化合物のTを調節する最も効率的な手段を提供している。C3’−エンド(ノーザン、RNA様糖パッカー)構成における糖の集団を増加するか、または固定する糖修飾ヌクレオシドは、主に、相補的RNA標的に向かうアンチセンス化合物に対して1修飾当たりのT増加を提供している。C2’−エンド(サザン、DNA様糖パッカー)構成における糖の集団を増加するか、または固定する糖修飾ヌクレオシドは、主に、相補的RNA標的に向かうアンチセンス化合物に対して1修飾当たりのTm減少を提供する。所定の糖修飾ヌクレオシドの糖パッカーは、相補的RNAに向かうアンチセンス化合物のTを増加または減少させる、ヌクレオチドの能力を決定づける唯一の因子ではない。例えば、糖修飾ヌクレオシドトリシクロDNAは、主にC2’−エンド立体配座にあるが、それは、相補的RNAに向かう、Tにおける1修飾当たり1.9〜3℃の増加を付与する。C3’−エンド立体配座を採用しない糖修飾高親和性ヌクレオシドの別の例は、α−L−LNAである(本明細書に詳述される)。
【0159】
ある種のオリゴヌクレオチド
ある種の実施形態では、本発明は、修飾されたオリゴヌクレオチドを提供する。ある種の実施形態では、本発明の修飾されたオリゴヌクレオチドは、修飾されたヌクレオシドを含む。ある種の実施形態では、本発明の修飾されたオリゴヌクレオチドは、修飾されたヌクレオシド間結合を含む。ある種の実施形態では、本発明の修飾されたオリゴヌクレオチドは、修飾されたヌクレオシドおよび修飾されたヌクレオシド間結合を含む。
【0160】
ある種の実施形態では、本発明は、対応する野生型核酸に及ぼすよりも変異体核酸に及ぼすより高い効果を有する、変異体選択的な化合物を提供する。ある種の実施形態では、変異体選択的な化合物の変異体核酸に及ぼす効果は、変異体選択的な化合物の対応する野生型核酸に及ぼす効果よりも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、または100倍高い。ある種の実施形態では、かかる選択性は、変異体選択的な化合物の、対応する野生型核酸に対するよりも変異体核酸に対するより高い親和性からもたらされる。ある種の実施形態では、選択性は、野生型核酸と比較した、変異体の構造における差異からもたらされる。ある種の実施形態では、選択性は、変異体および野生型核酸のプロセシングまたは細胞下の分布における差異からもたらされる。ある種の実施形態では、幾つかの選択性は、野生型核酸と比較した、変異体核酸中の追加的な標的部位の存在に帰するとされ得る場合がある。例えば、ある種の実施形態では、標的変異体対立遺伝子は、標的配列の追加的なコピーを含む伸張反復領域を含む一方で、野生型対立遺伝子は、より少ない反復のコピー、および故に、反復領域を標的とするアンチセンス化合物のハイブリダイゼーションのためのより少ない部位を有する。ある種の実施形態では、変異体選択的な化合物は、標的部位の増加した数によって予測される選択性と等しいか、またはそれを超える選択性を有する。ある種の実施形態では、変異体選択的な化合物は、標的部位の増加した数によって予測される選択性を超える選択性を有する。ある種の実施形態では、変異体対立遺伝子の阻害の野生型対立遺伝子に対する比率は、変異体対立遺伝子の反復の数の野生型対立遺伝子に対する比率と等しいか、またはそれを超える。ある種の実施形態では、変異体対立遺伝子の阻害の野生型対立遺伝子に対する比率は、変異体対立遺伝子の反復の数の野生型対立遺伝子に対する比率を超える。
【0161】
ある種のヌクレオシド間結合
かかる実施形態では、ヌクレオシドは、任意のヌクレオシド間結合を用いて一緒に結合され得る。2つの主なクラスのヌクレオシドの間結合基は、リン原子の存在または不在によって定められる。ヌクレオシド間結合を含有する代表的なリンには、ホスホジエステル(P=O)、リントリエステル、メチルホスホネート、ホスホロアミデート、およびホスホロチオエート(P=S)が含まれるが、これらに限定されない。ヌクレオシド間結合基を含有する代表的な非リンには、メチレンメチルイミノ(−CH−N(CH)−O−CH−)、チオジエステル(−O−C(O)−S−)、チオノカルバメート(−O−C(O)(NH)−S−)、シロキサン(−O−Si(H)2−O−)、およびN,N’−ジメチルヒドラジン(−CH−N(CH)−N(CH)−)が含まれるが、これらに限定されない。非リンヌクレオシド間結合基を有するオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオシドと称されてもよい。天然ホスホジエステル結合と比較して、修飾された結合は、オリゴマー化合物のヌクレアーゼ耐性を変化、典型的には増加させるために使用することができる。ある種の実施形態では、キラル原子を有するヌクレオシド間結合は、別個の鏡像異性体としてラセミ混合物に調製することができる。代表的なキラル結合には、アルキルホスホネートおよびホスホロチオエートが含まれるが、これらに限定されない。リン含有および非リン含有ヌクレオシド間結合の調製の方法は、当業者に周知である。
【0162】
本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、1つ以上の不斉中心を含有し、故に、絶対立体化学の点から(R)もしくは(S)として、糖アノマーについて等のαもしくはβ、またはアミノ酸らについて等の(D)もしくは(L)として定義され得る、鏡像異性体、ジアステレオマー、および他の立体異性体構成を生み出す。すべてのかかる可能性のある異性体、ならびにそれらのラセミおよび光学的に純粋な形態が、本明細書に提供されるアンチセンス化合物に含まれる。
【0163】
本明細書で使用されるとき、「ヌクレオシド間結合」または「ヌクレオシド間結合基」という用語は、ホスホジエステルおよびホスホロチオエート等のリン含有ヌクレオシド間結合基、ならびにホルムアセチルおよびメチレンイミノ等の非リン含有ヌクレオシド間結合基を含むが、それらに限定されない当該技術分野で既知のヌクレオシドの間結合基のすべての様態を含むことが意図される。ヌクレオシド間結合はまた、アミド−3(3’−CH−C(=O)−N(H)−5’)、アミド−4(3’−CH−N(H)−C(=O)−5’)、およびメチルホスホネート等の中性非イオン性ヌクレオシド間結合を含み、ここでリン原子は、常に存在するわけではない。
【0164】
本明細書で使用されるとき、「中性ヌクレオシド間結合」という句は、非イオン性であるヌクレオシド間結合を含むことが意図される。中性ヌクレオシド間結合は、限定されずに、リントリエステル、メチルホスホネート、MMI(3’−CH−N(CH)−O−5’)、アミド−3(3’−CH−C(=O)−N(H)−5’)、アミド−4(3’−CH−N(H)−C(=O)−5’)、ホルムアセタール(3’−O−CH−O−5’)、およびチオホルムアセタール(3’−S−CH−O−5’)を含む。更なる中性ヌクレオシド間結合は、非イオン性結合を含むシロキサン(ジアルキルシロキサン)、カルボン酸エステル、カルボキサミド、スルフィド、スルホン酸エステル、およびアミド(例えば、Carbohydrate Modifications in Antisense Research;Y.S.Sanghvi and P.D.Cook,Eds.,ACS Symposium Series 580;Chapters 3 and 4,40−65を参照されたい)。更なる中性ヌクレオシド間結合は、混合のN、O、S、およびCH構成成分部分を含む非イオン性結合を含む。
【0165】
天然核酸中に見出されるヌクレオチド間結合は、ホスホジエステル結合である。この結合は、安定性問題、例えば、ヌクレアーゼによる分解のため、大概mRNA等の核酸の部分を標的とする、合成オリゴヌクレオチドのための一般的に好まれる結合ではなかった。非リン酸エステルタイプ結合について当てはまるように、好ましいヌクレオチド間結合またはヌクレオシド間結合は、例えば、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、リントリエステル、アミノアルキルリントリエステル、メチル、および3’−アルキレンホスホネート、5’−アルキレンホスホネート、およびキラルホスホネートを含む他のアルキルホスホネート、ホスフィン酸塩、3’−アミノホスホロアミデートおよびアミノアルキルホスホロアミデートを含むホスホロアミデート、チオノホスホロアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルリントリエステル、通常の3’〜5’結合、これらの2’〜5’結合類似体を有するセレノリン酸塩およびボラノリン酸塩、ならびに逆極性を有するものを含み、ここで1つ以上のヌクレオチド間結合は、3’〜3’、5’〜5’、または2’〜2’結合である。逆極性を有する好ましいオリゴヌクレオチドは、最も3’側のヌクレオチド間結合における単独の3’〜3’結合、すなわち脱塩基であり得る単独の逆ヌクレオシド残基を含む(核酸塩基は、欠損しているか、またはその代わりにヒドロキシル基を有する)。種々の塩、混合塩、および遊離酸形態もまた含まれる。
【0166】
上記のリン含有結合の調製を教示する代表的な米国特許には、米国特許第3,687,808号、第4,469,863号、第4,476,301号、第5,023,243号、第5,177,196号、第5,188,897号、第5,264,423号、第5,276,019号、第5,278,302号、第5,286,717号、第5,321,131号、第5,399,676号、第5,405,939号、第5,453,496号、第5,455,233号、第5,466,677号、第5,476,925号、第5,519,126号、第5,536,821号、第5,541,306号、第5,550,111号、第5,563,253号、第5,571,799号、第5,587,361号、第5,194,599号、第5,565,555号、第5,527,899号、第5,721,218号、第5,672,697号、および第5,625,050号が含まれるが、これらに限定されず、これらの特許のある種のものは、本出願と共通に所有され、これらの特許の各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0167】
本明細書におけるリン原子を含まない好ましい修飾されたヌクレオシド間結合は、短鎖アルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間結合、混合ヘテロ原子、およびアルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間結合、または1つ以上の短鎖ヘテロ原子のもしくは複素環式ヌクレオシド間結合を含む。これらには、シロキサン、スルフィド、スルホキシド、スルホン、ホルムアセチル、チオホルムアセチル、メチレンホルムアセチル、チオホルムアセチル、アルケニル、スルファミン酸塩、メチレンイミノ、メチレンヒドラジノ、スルホン酸塩、スルホンアミド、アミド、ならびに混合N、O、S、およびCH構成成分部分を有するその他が含まれる。
【0168】
上記のオリゴヌクレオシドの調製を教示する代表的な米国特許には、米国特許第5,034,506号、第5,166,315号、第5,185,444号、第5,214,134号、第5,216,141号、第5,235,033号、第5,264,562号、第5,264,564号、第5,405,938号、第5,434,257号、第5,466,677号、第5,470,967号、第5,489,677号、第5,541,307号、第5,561,225号、第5,596,086号、第5,602,240号、第5,610,289号、第5,602,240号、第5,608,046号、第5,610,289号、第5,618,704号、第5,623,070号、第5,663,312号、第5,633,360号、第5,677,437号、第5,792,608号、第5,646,269号、および第5,677,439号が含まれるが、これらに限定されず、これらの特許のある種のものは、本出願と共通に所有され、これらの特許の各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0169】
本発明の最も好ましい実施形態は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を有するオリゴマー化合物、ならびにヘテロ原子ヌクレオシド間結合、特に上記に参照される米国特許第5,489,677号の−CH−NH−O−CH−、−CH−N(CH)−O−CH−[メチレン(メチルイミノ)またはMMI骨格として知られる]、−CH−O−N(CH)−CH−、−CH−N(CH)−N(CH)−CH−、および−O−N(CH)−CH−CH−[式中、天然ホスホジエステル骨格は、−O−P(=O)(OH)−O−CH−として表される]、ならびに上記に参照される米国特許第5,602,240号のアミドヌクレオシド間結合を有するオリゴマー化合物である。上記に参照される米国特許第5,034,506号のモルホリノ骨格構造を有するオリゴヌクレオチドもまた好ましい。
【0170】
3’および5’塩基修飾ならびに共役
追加的な修飾がまた、オリゴヌクレオチド上の他の位置、特に3’末端ヌクレオチド上の糖の3’位および5’末端ヌクレオチドの5’位において行われてもよい。例えば、本発明のリガンド共役させたオリゴヌクレオチドの1つの追加的な修飾は、オリゴヌクレオチドを、オリゴヌクレオチドの活性、細胞分布、または細胞取込みを強化する1つ以上の追加的な非リガンド部分または共役体に化学的に結合することを伴う。かかる部分には、コレステロール部分等の脂質部分(Letsinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1989,86,6553)、コール酸(Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1994,4,1053)、チオエーテル、例えば、ヘキシル−S−トリチルチオール(Manoharan et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.,1992,660,306、Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Let.,1993,3,2765)、チオコレステロール(Oberhauser et al.,Nucl.Acids Res.,1992,20,533)、脂肪族鎖、例えば、ドデカンジオールもしくはウンデシル残基(Saison−Behmoaras et al.,EMBO J.,1991,10,111、Kabanov et al.,FEBS Lett.,1990,259,327、Svinarchuk et al.,Biochimie,1993,75,49)、リン脂質、例えば、ジ−ヘキサデシル−rac−グリセロールもしくはトリエチルアンモニウム1,2−ジ−O−ヘキサデシル−rac−グリセロ−3−H−ホスホネート(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36,3651;Shea et al.,Nucl.Acids Res.,1990,18,3777)、ポリアミンもしくはポリエチレングリコール鎖(Manoharan et al.,Nucleosides&Nucleotides,1995,14,969)、またはアダマンタン酢酸(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36,3651)、パルミチル部分(Mishra et al.,Biochim.Biophys.Acta,1995,1264,229)、またはオクタデシルアミンもしくはヘキシルアミノ−カルボニル−オキシコレステロール部分(Crooke et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1996,277,923)が含まれるが、これらに限定されない。
【0171】
かかるオリゴヌクレオチド共役体の調製を教示する代表的な米国特許には、米国特許第4,828,979号、第4,948,882号、第5,218,105号、第5,525,465号、第5,541,313号、第5,545,730号、第5,552,538号、第5,578,717、5,580,731号、第5,580,731号、第5,591,584号、第5,109,124号、第5,118,802号、第5,138,045号、第5,414,077号、第5,486,603号、第5,512,439号、第5,578,718号、第5,608,046号、第4,587,044号、第4,605,735号、第4,667,025号、第4,762,779号、第4,789,737号、第4,824,941号、第4,835,263号、第4,876,335号、第4,904,582号、第4,958,013号、第5,082,830号、第5,112,963号、第5,214,136号、第5,082,830号、第5,112,963号、第5,214,136号、第5,245,022号、第5,254,469号、第5,258,506号、第5,262,536号、第5,272,250号、第5,292,873号、第5,317,098号、第5,371,241、5,391,723号、第5,416,203、5,451,463号、第5,510,475号、第5,512,667号、第5,514,785号、第5,565,552号、第5,567,810号、第5,574,142号、第5,585,481号、第5,587,371号、第5,595,726号、第5,597,696号、第5,599,923号、第5,599,928号、および第5,688,941号が含まれるが、これらに限定されず、これらの特許のある種のものは、共通に所有され、これらの特許の各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0172】
オリゴヌクレオチド合成
オリゴマー化合物および関連する化合物の支持媒体に基づく合成のために日常的に使用される市販の機器は、例えば、Applied Biosystems(Foster City,CA)、General Electric、およびその他を含む複数の業者によって販売される。自動合成技術を含む、好適な固相技術は、Scozzari and Capaldi,“Oligonucleotide Manufacturing and Analysic Processes for 2’−O−(2−methoxyethyl−Modified Oligonucleotides”in Crooke,ST(ed.)Antisense Therapeutics(2008)に記載される。
【0173】
ある種の使用
ある種の実施形態では、CAGヌクレオチド反復含有RNAに関連する疾患の治療のための、13〜22核酸塩基長であり、配列番号2[TGCTGCTGCTG]を含み、かつCAGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である核酸塩基配列を有する、化学修飾されたオリゴヌクレオチドの使用が本明細書に記載され、式中、
a.各Tは独立して、ウリジンまたはチミジンヌクレオシドであり、各々が、独立して選択された高親和性糖修飾を含み、
b.各非末端Gは、2’−デオキシリボース糖を含むグアノシンヌクレオシドであり、
c.各非末端Cは、2’−デオキシリボース糖を含むシチジンヌクレオシドであり、
化学修飾されたオリゴヌクレオチドの5’または3’末端ヌクレオシドのうちの1つまたは両方が、独立して、1つ以上のヌクレアーゼ耐性修飾を含む。
【0174】
ある種の使用では、疾患は、アトロフィン1、ハンチントン病、ハンチントン病類縁疾患2型(HDL2)、球脊髄性筋萎縮症、ケネディ病、脊髄小脳運動失調症1、脊髄小脳運動失調症12、脊髄小脳運動失調症17、ハンチントン病類縁疾患4型(HDL4)、脊髄小脳運動失調症2、脊髄小脳運動失調症3、マシャド−ジョセフ病、脊髄小脳運動失調症6、および脊髄小脳運動失調症7のうちのいずれかである。
【0175】
ある種の実施形態では、CAGヌクレオチド反復含有RNAに関連する疾患の治療のための、13〜22核酸塩基長で、CAGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である配列番号2[TGCTGCTGCTG]の核酸塩基配列を含む、化学修飾されたオリゴヌクレオチドの使用が本明細書に記載され、式中、
a.各Gは、独立して高親和性糖修飾を含むグアノシンヌクレオシドであり、
b.各非末端Tは独立して、2’−デオキシリボース糖を含むウリジンまたはチミジンヌクレオシドであり、
c.各末端Tは独立して、2’デオキシリボース糖またはヌクレアーゼ耐性修飾を含むウリジンまたはチミジンヌクレオシドであり、
d.各非末端Cは、2’−デオキシリボース糖を含むシチジンヌクレオシドであり、
e.各末端Cは、2’デオキシリボース糖またはヌクレアーゼ耐性修飾のいずれかを含むシチジンヌクレオシドである。
【0176】
ある種の使用では、疾患は、アトロフィン1、ハンチントン病、ハンチントン病類縁疾患2型(HDL2)、球脊髄性筋萎縮症、ケネディ病、脊髄小脳運動失調症1、脊髄小脳運動失調症12、脊髄小脳運動失調症17、ハンチントン病類縁疾患4型(HDL4)、脊髄小脳運動失調症2、脊髄小脳運動失調症3、マシャド−ジョセフ病、脊髄小脳運動失調症6、および脊髄小脳運動失調症7のうちのいずれかである。
【0177】
ある種の実施形態では、CUGヌクレオチド反復含有RNAに関連する疾患の治療のための、13〜22核酸塩基長であり、配列番号4[AGCAGCAGCAG]を含み、かつCUGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である核酸塩基配列を有する、化学修飾されたオリゴヌクレオチドの使用が本明細書に記載され、式中、
a.各Aは独立して、アデノシンヌクレオシドであり、各々が、独立して選択された高親和性糖修飾を含み、
b.各非末端Gは、2’−デオキシリボース糖を含むグアノシンヌクレオシドであり、
c.各末端Gは、独立して2’−デオキシリボース糖および/またはヌクレアーゼ耐性修飾を含むグアノシンヌクレオシドであり、
d.各非末端Cは、2’−デオキシリボース糖を含むシチジンヌクレオシドであり、
e.各末端Cは、独立して2’−デオキシリボース糖および/またはヌクレアーゼ耐性修飾を含むシチジンヌクレオシドである。
【0178】
ある種の使用では、疾患は、ハンチントン病類縁疾患2型(HDL2)、筋強直性ジストロフィー(DM1)、または脊髄小脳運動失調症8のうちのいずれかである。
【0179】
ある種の実施形態では、CUGヌクレオチド反復含有RNAに関連する疾患の治療のための、13〜22核酸塩基長で、CUGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である配列番号4[AGCAGCAGCAG]の核酸塩基配列を含む、化学修飾されたオリゴヌクレオチドの使用が本明細書に記載され、式中、
a.各Gは、独立して高親和性糖修飾を含むグアノシンヌクレオシドであり、
b.各非末端Aは独立して、2’−デオキシリボース糖を含むアデノシンヌクレオシドであり、
c.各末端Aは独立して、2’デオキシリボース糖またはヌクレアーゼ耐性修飾を含むアデノシンヌクレオシドであり、
d.各非末端Cは、2’−デオキシリボース糖を含むシチジンヌクレオシドであり、
e.各末端Cは、2’デオキシリボース糖またはヌクレアーゼ耐性修飾のいずれかを含むシチジンヌクレオシドである。
【0180】
ある種の使用では、疾患は、ハンチントン病類縁疾患2型(HDL2)、筋強直性ジストロフィー(DM1)、または脊髄小脳運動失調症8のうちのいずれかである。
【0181】
投与
ある種の実施形態では、本明細書に記載される化合物および組成物は、非経口で投与される。
【0182】
ある種の実施形態では、非経口投与は、注入による。注入は、慢性的または継続的または短期的または間欠的であってもよい。ある種の実施形態では、注入される医薬品は、ポンプで送達される。ある種の実施形態では、非経口投与は、注射による。
【0183】
ある種の実施形態では、化合物および組成物は、CNSに送達される。ある種の実施形態では、化合物および組成物は、脳脊髄液に送達される。ある種の実施形態では、化合物および組成物は、脳柔組織に投与される。ある種の実施形態では、化合物および組成物は、髄腔内投与または脳室内投与によって、動物に送達される。本明細書に記載される化合物および組成物の中枢神経系内の広範な分布は、実質内投与、髄腔内投与、または脳室内投与により達成されてもよい。
【0184】
ある種の実施形態では、非経口投与は、注射による。注射は、シリンジまたはポンプで送達されてもよい。ある種の実施形態では、注射は、ボーラス注射である。ある種の実施形態では、注射は、組織、等の線条体、尾状核、皮質、海馬、および小脳に直接に投与される。
【0185】
ある種の実施形態では、本明細書に記載される化合物または組成物の送達は、化合物または組成物の薬物動態的プロフィールに影響を及ぼし得る。ある種の実施形態では、本明細書に記載される化合物または組成物の標的組織への注射は、化合物または組成物の注入と比較して、化合物または組成物の薬物動態的プロフィールを改善する。ある種の実施形態では、化合物または組成物の注射は、広範な拡散と比較した効力を改善し、類似した薬理学を達成するためにより少ない化合物または組成物を要する。ある種の実施形態では、類似した薬理学は、標的mRNAおよび/または標的タンパク質が下方調節される時間の量(例えば、作用の持続期間)を指す。ある種の実施形態では、ボーラス注射によって等の、医薬品を特異的に限局する方法は、半有効濃度(EC50)を約50分の1に減少させる(例えば、同じまたは類似した薬力学的効果を達成するために組織中で50倍低い濃度が要求される)。ある種の実施形態では、ボーラス注射によって等の、医薬品を特異的に限局する方法は、半有効濃度(EC50)を、20、25、30、35、40、45、または50分の1に減少させる。ある種の実施形態では、本明細書に更に記載されるアンチセンス化合物における医薬品。ある種の実施形態では、標的組織は、脳組織である。ある種の実施形態では、標的組織は、線条体組織である。ある種の実施形態では、EC50を減少させることは、それを必要とする患者において薬理学的結果を達成するために要求される用量を低減するため、望ましい。
【0186】
ある種の実施形態では、本明細書に記載される化合物または組成物のCNSへの送達は、少なくとも91日間にわたって標的mRNAおよび/または標的タンパク質の47%下方調節をもたらす。ある種の実施形態では、化合物または組成物の送達は、少なくとも20日間、少なくとも30日間、少なくとも40日間、少なくとも50日間、少なくとも60日間、少なくとも70日間、少なくとも80日間、少なくとも85日間、少なくとも90日間、少なくとも95日間、少なくとも100日間、少なくとも110日間、少なくとも120日間にわたって、標的mRNAおよび/または標的タンパク質の少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、または少なくとも75%の下方調節をもたらす。ある種の実施形態では、CNSへの送達は、実質内投与、髄腔内投与、または脳室内投与による。
【0187】
ある種の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、1ヶ月毎、2ヶ月毎、90日毎、3ヶ月毎、6ヶ月毎に1回、年2回または年1回、注射または注入によって送達される。
【実施例】
【0188】
非限定的な開示および参照による組み込み
本明細書に記載されるある種の化合物、組成物、および方法が、ある種の実施形態に従って特異的に記載されている一方で、次の例は、本明細書に記載される化合物を例証するのみの役割を果たしており、それらを限定するようには意図されない。本出願に列挙される参考文献の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0189】
下記の本明細書全体を通じて、次の表記は、次のものを意味する:「L」=LNA、「E」または「k」=cEt、イタリック体の塩基は、2’−O−メトキシエチルリボース修飾を有し、「d」=デオキシリボース、「s」=ホスホロチオエート、「l」=cLNAまたは炭素環式(carbacyclic)−LNA(「l」=LNAである表17を除く)、およびmC=5−メチルシトシン。
【0190】
実施例1:ヒトハンチンチン(htt)mRNAを標的とする、LNA修飾オリゴヌクレオチドの、ハンチンチン(Htt)タンパク質に及ぼす効果
LNA修飾を有する変異体ハンチンチンmRNAのCAG反復配列を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの、体外のHttタンパク質レベルに及ぼすそれらの効果について試験した。変異体htt対立遺伝子において69のCAG反復および野生型対立遺伝子において17のCAG反復を含有する、GM04281線維芽細胞株(Coriell Institute for Medical Research,NJ,USA)を、このアッセイで使用した。細胞を、6ウェルプレート中、1ウェル当たり60,000細胞の密度で培養し、Lipofectamine(商標)RNAiMAX試薬(Invitrogen,CA)を用いて、100nMアンチセンスオリゴヌクレオチドで24時間トランスフェクトした。次いでウェルを吸引し、新鮮な培養培地を各ウェルに添加した。
【0191】
トランスフェクション後4日間の期間の後、細胞をトリプシン溶液(0.05%トリプシン−EDTA、Invitrogen)で採取し、溶解させた。各試料中のタンパク質濃度を、マイクロ−ビシンコニン酸(マイクロ−BCA)アッセイ(Thermo Scientific)で定量化した。SDS−PAGEゲル(Bio−Rad)を使用して、野生型および変異体Httタンパク質を分離した。ゲルを80Vで15分間、続いて110Vで5時間泳動させた。過熱を防止するために、電気泳動装置を氷水浴中に配置した。Htt発現についての分析と並行して、各タンパク質ライセート試料の部分もまた、β−アクチン発現について、SDS−PAGEによって分析して、各試料の同等のタンパク質負荷が存在したことを確認した。
【0192】
電気泳動後、ゲル中のタンパク質をニトロセルロース膜に移した(Hybond−C Extra;GE Healthcare Bio−Sciences)。Htt(MAB2166、Chemicon)およびβ−アクチン(Sigma)タンパク質に特異的な一次抗体を1:10,000希釈で使用した。HRPで共役させた抗マウス二次抗体(1:10,000、Jackson ImmunoResearch Laboratories)を使用して、SuperSignalウエストピコ化学発光基質(Thermo Scientific)を用いて、タンパク質を可視化した。タンパク質バンドを、ImageJソフトウェアを用いて定量化した。阻害百分率を陰性対照試料について算出し、表1に提示した。野生型Httタンパク質および変異体Httタンパク質の比較の阻害パーセントもまた、提示する。示差走査熱量測定(DSC)によって決定した各オリゴヌクレオチドについてのT値もまた示す。
【0193】
アッセイに利用したアンチセンスオリゴヌクレオチドを表1に記載する。アンチセンスオリゴヌクレオチドをSigma AldrichまたはISIS Pharmaceuticalsのいずれかから得た。表1に提示するアンチセンスオリゴヌクレオチドのうち、DNA22は、修飾されていないオリゴヌクレオチド(ホスホジエステル結合を有するDNAヌクレオシド)である。陰性対照は、スクランブルオリゴヌクレオチド配列である。各オリゴヌクレオチドにおけるLNA修飾を、各塩基の後の下付き文字「L」によって示す。
【0194】
【表1】

【0195】
オリゴヌクレオチドのうちの複数が、それらが対応する野生型を低減したのよりも大きく、ヌクレオチド反復含有RNAを低減した。
【0196】
実施例2:LNA修飾ヌクレオチドの、ヒトHttタンパク質に及ぼす体外の用量依存的効果
実施例1からのアンチセンスオリゴヌクレオチド(化学修飾の説明については表1を参照されたい)を、患者の線維芽細胞中で、種々の用量で試験した。GM04281線維芽細胞を、表2および3に指示されるように、6ウェルプレート中、1ウェル当たり60,000細胞の密度でプレートし、Lipofectamine(商標)RNAiMAX試薬(Invitrogen,CA)試薬を用いて、斬増濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドで24時間トランスフェクトした。細胞試料を、実施例1に概説される手順を利用して、タンパク質分析のためにプロセスした。
【0197】
結果を、処置されていない対照細胞に対する、野生型および変異体Httタンパク質の阻害パーセントとして、表2および3に提示する。提示するデータは、各アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて行った複数の独立したアッセイの平均である。表2に例証するように、Htt変異体タンパク質レベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチド処置された細胞中で、用量依存的様態で低減された。変異体タンパク質および野生型タンパク質の阻害に対する各オリゴヌクレオチドについてのIC50(nM)値もまた示し、各オリゴヌクレオチドが、野生型と比較して、変異体htt mRNAを優先的に標的とすることが示される。表3に列挙するオリゴヌクレオチドは、野生型と比較して、変異体mRNAの体外の効力が低いこと、およびまたは優先的な低下がほとんどもしくは全くないことを実証する。
【0198】
【表2】

【0199】
【表3】

【0200】
実施例3:ヒトハンチンチン(htt)mRNA標的とする、化学修飾されたオリゴヌクレオチドの、ハンチンチン(Htt)タンパク質に及ぼす効果
変異体ハンチンチン核酸のCAG反復配列を標的とする、および種々の化学修飾を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを、体外のHttタンパク質レベルに及ぼすそれらの効果について試験した。GM04281線維芽細胞を、6ウェルプレート中、1ウェル当たり60,000細胞の密度で培養し、Lipofectamine(商標)RNAiMAX試薬(Invitrogen,CA)を用いて、100nMアンチセンスオリゴヌクレオチドで24時間トランスフェクトした。細胞試料を、実施例1に概説される手順を利用してタンパク質分析のためにプロセスした。
【0201】
タンパク質試料の阻害百分率を陰性対照試料について算出し、表4に提示した。野生型Httタンパク質および変異体Httタンパク質の比較の阻害パーセントもまた、提示する。DSCによって決定した、T各オリゴヌクレオチドについての値もまた示す。
【0202】
アッセイに利用したアンチセンスオリゴヌクレオチドを表4に記載する。アンチセンスオリゴヌクレオチドを、Sigma Aldrich、ISIS Pharmaceuticals、Glen Research(Virginia,USA)、またはM.J.Damha laboratory(McGill Univeristy,Montreal,Cancada)から得た。各オリゴヌクレオチドにおける修飾を次のように示す:下付き文字「E」=cEt、下付き文字「l」=cLNA、下付き文字「L」=LNA、括弧付き塩基=ENA、イタリック体塩基=MOE。
【0203】
【表4】

【0204】
実施例4:化学修飾されたオリゴヌクレオチドの、ヒトHttタンパク質に及ぼす体外の用量依存的効果
実施例3からのアンチセンスオリゴヌクレオチド(化学修飾の説明については表4を参照されたい)を、患者の線維芽細胞中で、種々の用量で試験した。GM04281線維芽細胞を、表5および6に指示されるように、6ウェルプレート中、1ウェル当たり60,000細胞の密度でプレートし、Lipofectamine(商標)RNAiMAX試薬(Invitrogen,CA)試薬を用いて、斬増濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドで24時間トランスフェクトした。細胞試料を、実施例1に概説される手順を利用してタンパク質分析のためにプロセスした。
【0205】
結果を、処置されていない対照細胞に対する、野生型および変異体Httタンパク質の阻害パーセントとして、表5および6に提示する。提示するデータは、各アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて行った複数の独立したアッセイの平均である。表4に例証するように、Htt変異体タンパク質レベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチド処置された細胞中で、用量依存的様態で低減された。変異体タンパク質および野生型タンパク質の阻害に対する各オリゴヌクレオチドについてのIC50(nM)値もまた示し、各オリゴヌクレオチドが、野生型と比較して、変異体htt mRNAを優先的に標的とすることが示される。表6に列挙するオリゴヌクレオチドは、野生型と比較して、変異体mRNAの体外の効力が低いこと、および/または優先的な低減がほとんどもしくは全くないことを実証する。
【0206】
【表5】

【0207】
【表6】

【0208】
実施例5:ホスホロチオエート骨格を有し、ヒトハンチンチン(htt)mRNAを標的とするオリゴヌクレオチドの、ハンチンチン(Htt)タンパク質に及ぼす効果
変異体ハンチンチン核酸のCAG反復配列を標的とし、かつ均一なホスホロチオエート骨格を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを、体外のHttタンパク質レベルに及ぼすそれらの効果について試験した。GM04281線維芽細胞を、6ウェルプレート中、1ウェル当たり60,000細胞の密度で培養し、Lipofectamine(商標)RNAiMAX試薬(Invitrogen,CA)を用いて、100nMアンチセンスオリゴヌクレオチドで24時間トランスフェクトした。細胞試料を、実施例1に概説される手順を利用してタンパク質分析のためにプロセスした。
【0209】
タンパク質試料の阻害百分率を陰性対照試料について算出し、表7に提示した。野生型Httタンパク質および変異体Httタンパク質の比較の阻害パーセントもまた、提示する。DSCによって決定した、各オリゴヌクレオチドについてのT値もまた示す。
【0210】
アッセイに利用したアンチセンスオリゴヌクレオチドを表7に記載する。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ISIS Pharmaceuticalsからのものであった。各オリゴヌクレオチドにおける修飾を次のように示す:下付き文字「E」=cEt、下付き文字「L」=LNA、イタリック体塩基=MOE、太字塩基=2’F−RNA、およびmC=5−メチルシトシン。LNA(T)−PS、cEt−PS、MOE−PS、およびMOE−cEt−PSは、ホスホロチオエート結合を有する。
【0211】
【表7】

【0212】
実施例6:ホスホロチオエート骨格を有するオリゴヌクレオチドの、ヒトHttタンパク質に及ぼす体外の用量依存的効果
実施例5からのアンチセンスオリゴヌクレオチド(化学修飾の説明については表7を参照されたい)を、患者の線維芽細胞中で、種々の用量で試験した。GM04281線維芽細胞を、表8および9に指示されるように、6ウェルプレート中、1ウェル当たり60,000細胞の密度でプレートし、Lipofectamine(商標)RNAiMAX試薬(Invitrogen,CA)試薬を用いて、斬増濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドで24時間トランスフェクトした。細胞試料を、実施例1に概説される手順を利用してタンパク質分析のためにプロセスした。
【0213】
結果を、処置されていない対照細胞に対する、野生型および変異体Httタンパク質の阻害パーセントとして、表8および9に提示する。提示するデータは、各アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて行った複数の独立したアッセイの平均である。表8に例証するように、Htt変異体タンパク質レベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチド処置された細胞中で、用量依存的様態で低減された。変異体タンパク質および野生型タンパク質の阻害に対する各オリゴヌクレオチドについてのIC50(nM)値もまた示し、各オリゴヌクレオチドが、野生型と比較して、変異体htt mRNAを優先的に標的とすることが示される。表9に列挙するオリゴヌクレオチドは、野生型と比較して、変異体mRNAの優先的な標的化を示さない。
【0214】
【表8】

【0215】
【表9】

【0216】
実施例7:CAG反復を標的とする化学修飾されたオリゴヌクレオチドの、ヒトハンチンチン(htt)mRNAレベルに及ぼす効果
実施例1、実施例3、および実施例5からのアンチセンスオリゴヌクレオチド(化学修飾の説明については、それぞれ表1、表4、および7を参照されたい)を、GM04281細胞中で試験した。変異体ハンチンチン核酸のCAG反復配列を標的とし、かつ種々の化学修飾を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを、体外のhtt mRNAレベルに及ぼすそれらの効果について試験した。GM04281細胞を、6ウェルプレート中、1ウェル当たり60,000細胞の密度で培養し、Lipofectamine(商標)RNAiMAX試薬(Invitrogen,CA)を用いて、50nMアンチセンスオリゴヌクレオチドで24時間トランスフェクトした。次いでウェルを吸引し、新鮮な培養培地を各ウェルに添加した。トランスフェクション後3日間の期間の後、細胞をトリプシン溶液で採取し(0.05%トリプシン−EDTA、Invitrogen)、溶解させた。
【0217】
処置されたおよび処置されていない線維芽細胞からの総RNAを、TRIzol試薬(Invitrogen)を用いて抽出した。次いで試料をDNase I(Worthington Biochemical.)により、25℃で10分間処置した。逆転写反応を、製造業者のプロトコルに従ってHigh Capacity cDNA Reverse Transcription Kit(Applied Biosystems)を用いて行った。定量PCRを、iTaq SYBR Green Supermix with ROX(Bio−rad)を用いてBioRad CFX96 Real Time System上で行った。データをGAPDH mRNAレベルに対して正規化した。httに特異的なプライマー配列は、次の通りである:順方向プライマー、5’−CGACAGCGAGTCAGTGAATG−3’(本明細書で配列番号15として指定される)および逆方向プライマー、5’−ACCACTCTGGCTTCACAAGG−3’(本明細書で配列番号16として指定される)。GAPDHに特異的なプライマーをApplied Biosystemsから得た。
【0218】
結果を表10に提示し、処置されていない細胞と比較したhtt mRNAの阻害パーセントが示される。結果として、mRNAレベルが、アンチセンスオリゴヌクレオチドでの処置による影響を受けなかったことが示される。
【0219】
【表10】

【0220】
実施例8:変異体htt mRNAを標的とするLNA修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドの、ヒトハンチンチン(Htt)タンパク質レベルに及ぼす時間依存的効果
チミン塩基においてLNA修飾を有し、かつ野生型タンパク質と比較して変異体ハンチンチンタンパク質の有意な選択的阻害を実証したISISアンチセンスオリゴヌクレオチド(化学修飾の説明については表1および2を参照されたい)を更に研究した。このオリゴヌクレオチドの時間依存的効果を試験した。GM04281線維芽細胞を、6ウェルプレート中、1ウェル当たり60,000細胞の密度で培養し、Lipofectamine(商標)RNAiMAX試薬(Invitrogen,CA)を用いて、100nMアンチセンスオリゴヌクレオチドで24時間トランスフェクトした。トランスフェクションの2日、3日、4日、5日、および6日後に、実施例1に概説される手順を利用して、細胞試料をタンパク質分析のためにプロセスした。
【0221】
結果を表11に提示し、それは変異体ハンチンチンタンパク質レベルにおける優先的な時間依存的減少を示す。トランスフェクション後3日目に効果が最適となることが観察された。
【0222】
【表11】

【0223】
実施例9:41または44反復長を含有する変異体ハンチンチンmRNAのオリゴヌクレオチド選択性
htt遺伝子の変異体対立遺伝子対野生型対立遺伝子に対するオリゴヌクレオチド選択性を説明する実施例1〜8における研究を、変異体htt対立遺伝子において69のCAG反復を含有するGM04281線維芽細胞株中で行った。アンチセンスオリゴヌクレオチドが、より短いCAG反復を有する変異体htt mRNAを選択的に標的とするかどうかを決定するために、2つのHD患者由来の線維芽細胞株、GM04717およびGM04719(Corriell Institute for Medical Research、NJ、USA)を利用した。GM04717線維芽細胞株は、変異体対立遺伝子上に41の反復および野生型対立遺伝子上に20の反復を含有する。GM04719線維芽細胞株は、変異体対立遺伝子上に44の反復および野生型対立遺伝子上に15の反復を含有する。
【0224】
細胞を、10%FBS(Sigma)および0.5%MEM非必須アミノ酸(Sigma)を補充したMEM(Sigma)中、37℃および5%COで維持した。トランスフェクションの2日前に、細胞を、6ウェルディッシュ中、補充したMEM中の60,000細胞/ウェルでプレートした。使用前に、修飾されたアンチセンスオリゴヌクレオチドのストック溶液を65℃で5分間加熱して、いずれの凝集も溶解させた。修飾されたASOを、製造業者の指示に従って、Lipofectamine(商標)RNAiMAX(Invitrogen、USA)を用いて、表12および13に後述される様々な用量で細胞中にトランスフェクトした。トランスフェクションの1日後、培地を、新鮮な補充した培地と交換した。細胞をPBSで洗浄し、トランスフェクションの4日後にタンパク質分析のために採取した。
【0225】
細胞をトリプシン−EDTA溶液(Invitrogen)で採取し、溶解させた。各試料中のタンパク質濃度をマイクロ−ビシンコニン酸(マイクロ−BCA)アッセイ(Thermo Scientific)で定量化した。SDS−PAGE(分離ゲル:5%アクリルアミド−ビスアクリルアミド[50:1]、450mMトリス−酢酸pH8.8、濃縮ゲル:4%アクリルアミド−ビスアクリルアミド[50:1]、150mMトリス−酢酸(aceate)pH6.8)を使用して、野生型および変異体HTTタンパク質を分離した。ゲルを、Novexトリス−酢酸DS Running Buffer(Invitrogen)中、1ゲル当たり30mAで6〜7時間で泳動させた。過熱を防止するために、電気泳動装置を15℃水浴中に配置した。HTT発現についての分析と並行して、すべてのレーンにおけるタンパク質の均等な負荷を確認するために、試料を、β−アクチン発現について、SDS−PAGE(7.5%アクリルアミドプレキャストゲル、Bio−Rad)によって分析した。これらのゲルを、1×TGS緩衝液(Bio−Rad)中、80Vで15分間、続いて100Vで1時間泳動させた。
【0226】
電気泳動後、タンパク質を膜(Hybond−C Extra;GE Healthcare Bio−Sciences)に移した。HTT(MAB2166、Chemicon)に特異的な一次抗体およびβ−アクチン(Sigma)タンパク質を得、1:10,000希釈で使用した。HRP共役抗マウス二次抗体(1:10,000、Jackson Immuno Research Laboratories)を使用して、SuperSignalウエストピコ化学発光基質(Thermo Scientific)を用いて、タンパク質を可視化した。タンパク質バンドを、ImageJ Softwareを用いてオートラジオグラフから定量化した。阻害の百分率を対照試料に対する相対値として算出した。
【0227】
HTTの阻害についての用量反応実験からの各データプロットを、Prism 4.0(GraphPad)を用いて次のモデル方程式:y=100(1−x/(n+x))に当てはめ、式中、yは、HTTタンパク質の発現パーセントであり、xは、ASOの濃度である。mおよびnの両方は、フィッティングパラメータであり、式中、nは、IC50値として見なす。IC50値を、上記の方程式に当てはめた個々の用量反応から算出し、次いで3つ以上の生物学的複製の平均およびその平均の標準誤差として報告した。
【0228】
試験したアンチセンスオリゴヌクレオチドは、LNA(T)(実施例1に記載される)およびcEt(実施例3に記載される)であった。結果を表12および13に提示する。結果として、変異体および野生型対立遺伝子の両方が用量依存的様態で低減されることが実証される。しかしながら、変異体対立遺伝子は、野生型対立遺伝子よりも有意に低減される。
【0229】
各アンチセンスオリゴヌクレオチドについてのIC50を表14に提示する。変異体対立遺伝子は、野生型対立遺伝子よりも3〜7倍大きく低減され、アンチセンスオリゴヌクレオチドが、変異体対立遺伝子を選択的に低減することが実証される。このデータは、CAG反復の数が41および44の数である場合であっても、対立遺伝子特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドが、httの野生型対立遺伝子と変異体対立遺伝子とを識別できることを示す。
【0230】
【表12】

【0231】
【表13】

【0232】
【表14】

【0233】
実施例10:htt mRNAのCAG反復配列を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの有効性における、異なるトランスフェクション試薬の役割
異なるアンチセンスオリゴヌクレオチドの化学がオリゴヌクレオチドのトランスフェクション効率に影響を及ぼし、したがって変異体htt mRNAを阻害するそれらの有効性を歪めるかどうかを試験するために、異なるトランスフェクション試薬でトランスフェクトしたアンチセンスオリゴヌクレオチドによる阻害の並列比較を行った。トランスフェクション試薬Lipofectamine(商標)RNAiMAX(Invitrogen,CA,USA)、Oligofectamine(商標)(Invitrogen,CA,USA)、TriFECTin(Integrated DNA Technologies,CA,USA)、TransIT(登録商標)−Oligo(Mirus Bio LLC,WI,USA、およびPepMute(商標)(Signagen Laboratories,MD,USA)を、この研究で利用した。
【0234】
試験したアンチセンスオリゴヌクレオチドは、LNA(T)(実施例1に記載される)およびMOE(実施例4に記載される)であった。陰性対照LNAオリゴヌクレオチドおよび陽性対照siRNA(siHdh1 siRNA)もまた、アッセイに含めた。アンチセンスオリゴヌクレオチドをGM04281細胞中にトランスフェクトし、httのタンパク質分析を、実施例1に記載される手順と類似した手順により行った。結果を下記の表15に提示し、陰性対照と比較した阻害パーセントとして表す。
【0235】
表15に提示するように、LNA(T)オリゴヌクレオチドは、使用したトランスフェクション試薬に関わらず、効力および対立遺伝子特異性を実証した。すべての脂質に基づくトランスフェクション試薬(Lipofectamine(商標)RNAiMAX、Oligofectamine(商標)、TriFECTin、おおよびTransIT(登録商標)−Oligo)の性能は、したがって類似していた。先の実験では、LNA(T)が、対立遺伝子選択的阻害を示した一方で、MOEオリゴは、阻害がより低く、かつ選択性がほとんどまたは全くないことを実証した。他のトランスフェクション試薬を用いて、MOE ASOは、対立遺伝子選択的(selectie)阻害を示した。
【0236】
非脂質ペプチドに基づくトランスフェクション試薬、PepMute(商標)の場合は、このトランスフェクション試薬で細胞中にトランスフェクトしたMOEオリゴヌクレオチドが、効力および対立遺伝子特異性の両方を実証したことを観察した。したがって、トランスフェクション試薬の選択は、オリゴヌクレオチド化学間の比較に影響を及ぼし得、特定の細胞アッセイにおけるアンチセンスオリゴヌクレオチドの低い性能に対する理由であり得る。
【0237】
【表15】

【0238】
実施例11:単回線条体内ボーラス投与を介したR6/2マウスにおける、変異体httのCAG反復を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの効果
R6/2マウスの右線条体に、その組織中の変異体ハンチンチンタンパク質発現に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの選択性を試験する目的のために、ISISオリゴヌクレオチドを単回ボーラスとして投与した。この研究に使用したアンチセンスオリゴヌクレオチドを表16および17に提示する。表16において、化学モチーフは、「k」=cEtおよび「d」=2’−デオキシリボースの下付き文字で示される通りである。すべてのシトシン残基は、5−メチルシトシンである。各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合である。表17において、化学モチーフは、「E」=cEtの下付き文字で示される。すべてのシトシン残基は、5−メチルシトシンである。各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合である。
【0239】
【表16】

【0240】
【表17】

【0241】
処置および外科手術
4匹の8週齢R6/2マウスの一群を、ISIS 473814で、右線条体に2μLの容量で送達した50μgの単回ボーラスとして送達することにより処置した。1匹の8週齢R6/2マウスを、ISIS 473813で、右線条体に2μLの容量で送達した50μgの単回ボーラスとして送達することにより処置した。3匹の8週齢R6/2マウスの対照群を、PBSで類似した手順により処置した。4週間後、マウスを安楽死させ、線条体組織を抽出した。細い湾曲鉗子の対を、海馬のすぐ前の脳中にまっすぐに配置して、鈍的切開(blunt dissection)によって皮質および下層組織中に横切開を作製した。細い湾曲鉗子の別の対の先端を、海馬と嗅球との中間の矢状静脈洞に沿ってまっすぐに配置して、鈍的切開(blunt dissection)によって、脳梁を切断する縦切開を作製した。次いで鉗子の第1の対を使用して、結果として生じる皮質の角を後ろに曲げて(reflect back)線条体および内包を曝露し、次いで内包を線条体から切り離した。鉗子の第2のセットを、湾曲した末端部が線条体の両側に来るように配置し、押し下げて組織を単離した。鉗子の第1のセットを使用して、線条体の後端を摘み取り、脳から線条体を除去した。
【0242】
タンパク質分析
注射部位の真上の右線条体からの組織を、実施例1に記載される手順と類似した手順によりタンパク質分析のためにプロセスした。ペプチドバンド強度を、Adobe Photoshopソフトウェアを用いて定量化した。結果を、非特異的バンド対照と比較した可溶性ヒトhttタンパク質の阻害パーセントとして表18に提示する。結果として、両方のISISオリゴヌクレオチドが可溶性ヒト変異体ハンチンチンタンパク質の蓄積レベルを阻害したことが示される。
【0243】
【表18】

【0244】
実施例12:脳血管内(ICV)注入を介した、変異体htt R6/2マウスのCAG反復を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの効果
R6/2マウスの右線条体に、その組織中の変異体ハンチンチンタンパク質発現に対するISIS 473814の選択性を試験する目的のために、ISISオリゴヌクレオチドを、ICV注入を介して投与した。
【0245】
処置および外科手術
5匹の7週齢R6/2マウスの一群に、ISIS 473814を、75μg/日でAlzet2002ポンプによりICV送達することにより、0.5μL/時間の率で2週間にわたって投与した。4週齢R6/2マウスの対照群をPBSで同様に処置した。Alzet浸透ポンプ(モデル2002)を、製造業者の指示に従って組み立てた。ポンプに、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含有する溶液を充填し、移植の24時間前に37℃で一晩インキュベートした。動物に3%イソフルラン(isofluorane)で麻酔をかけ、定位脳手術用フレーム中に配置した。外科手術部位を滅菌した後、頭蓋骨にわたって正中線切開を作製し、後方にわたって皮下ポケットを作り出し、その中に事前に充填した浸透ポンプを移植した。右側脳室の上の頭蓋骨を通して小さい穿頭孔を作製した。次いでプラスチックカテーテルを介して浸透ポンプに接続したカニューレを脳室中に配置し、Loctite接着剤を用いて定置に接着した。切開部を縫合により閉じた。アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはPBSを14日間注入し、その後、動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)によって認可された人道的プロトコルに従って、動物を安楽死させた。注射部位の真隣の右線条体からの組織を、更なる分析のために抽出した。
【0246】
タンパク質分析
注射部位の真上の右線条体からの組織を、実施例1に記載される手順と類似した手順により、タンパク質分析のためにプロセスした。ペプチドバンド強度を、Adobe Photoshopソフトウェアを用いて定量化した。結果を、GAPDHバンドと比較した可溶性ヒトhttタンパク質の阻害パーセントとして表す。ISIS 473814が、PBS対照と比較して、可溶性ヒト変異体ハンチンチンタンパク質の蓄積レベルを30%阻害したことを観察した。
【0247】
実施例13:CUG反復を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの設計
多数のCUG反復を含有するmRNA転写物を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを設計した。これらのオリゴヌクレオチドの化学ならびにそれらの配列を表19および20に示す。表19において、糖タイプに対して指定される記号は、塩基の後に下付き文字で示され、それは次の通りである:d=2’−デオキシリボース、k=(S)−cEt、およびl=LNA(固定された核酸)。複素環名は、アデニン、シトシン、チミン、およびグアニンに対する標準記号により定義され、「mC」は、5−メチルシトシンに対するものである。リンカーは、糖タイプの後に下付き文字で示され、次の記号により指定される:s=チオエートエステル、また、ホスホロチオエート。表20において、糖タイプに対して指定される記号は、塩基の後に下付き文字で示され、それは次の通りである:E=(S)−cEtおよびL=LNA(固定された核酸)。複素環名は、アデニン、シトシン、チミン、およびグアニンに対する標準記号により定義され、「mC」は、5−メチルシトシンに対するものである。リンカーは、糖タイプの後に下付き文字で示され、次の記号により指定される:s=チオエートエステル、また、ホスホロチオエート。
【0248】
【表19】

【0249】
【表20】

【0250】
実施例14:ヒトアタキシン−3(atx3)mRNAを標的とする、BNA修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドの、アタキシン−3(ATX3)タンパク質に及ぼす効果
運動失調症−3 mRNAのCAG反復配列を標的とし、BNA修飾を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを、体外のATX3タンパク質レベルに及ぼすそれらの効果について試験した。変異体atx3対立遺伝子において74CAG反復および野生型対立遺伝子において24CAG反復を含有する、GM06151線維芽細胞株(Coriell Institute for Medical Research,NJ,USA)を、このアッセイで利用した。細胞を、10%熱失活ウシ胎児血清(Sigma Corp)および0.5%MEM非必須アミノ酸(Sigma Corp.)を補充したMEMイーグル培地(Sigma Corp.)中、37℃および5%COで維持した。トランスフェクションの2日前、細胞を、6ウェルプレート中、1ウェル当たり70,000細胞の密度で培養した。BNA修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドを、製造業者の指示に従って、65℃で5分間加熱し、次いでPepMuteトランスフェクション試薬(SignaGen,Ijamsville,MD)を用いて適切な濃度にまで希釈し、次いで種々の用量で細胞にトランスフェクトした。24時間後、培地を除去し、新鮮な補充したMEM培地と交換した。
【0251】
トランスフェクション後4日間の期間の後、細胞をトリプシン−EDTA溶液(Invitrogen,CArlsbad)で採取し、溶解させた。各試料中のタンパク質濃度をBCAアッセイ(Thermo Scientific,Waltham,MA)で定量化した。SDS−PAGEゲル(7.5%アクリルアミドプレキャストゲル、Bio−Rad)を使用して、野生型および変異体ATX3タンパク質を分離した。過熱を防止するために、電気泳動装置を氷水浴中に配置した。ATX3発現についての分析と並行して、各タンパク質ライセート試料の部分もまた、SDS−PAGEによって、β−アクチン発現について分析して、各試料の同等のタンパク質負荷が存在したことを確認した。
【0252】
電気泳動後、ゲル中のタンパク質をニトロセルロース膜に移し、特異的抗体でプローブした。一次抗体に特異的なATX3(MAB5360,Chemicon)およびβ−アクチン(Sigma)タンパク質を1:10,000希釈で使用した。HRPで共役させた抗マウス二次抗体(1:10,000、Jackson ImmunoResearch Laboratories)を使用して、SuperSignalウエストピコ化学発光基質(Thermo Scientific)を用いて、タンパク質を可視化した。タンパク質バンドを、ImageJソフトウェア(Rasband,W.S.,ImageJ,U.S.National Institutes of Health,Bethesda,USA,http://rsb.info.nih.gov/ij/,1997−2007)を用いて定量化した。ATX3タンパク質レベルの用量依存的阻害を表21および表22に提示する。阻害百分率を陰性対照試料について算出した。野生型ATX3タンパク質および変異体ATX3タンパク質のIC50ならびにアンチセンスオリゴヌクレオチドの選択性を、表21および表22に提示する。
【0253】
アッセイに利用したアンチセンスオリゴヌクレオチドを表21および表22に記載する。アンチセンスオリゴヌクレオチドを、Glen Research Corporation(Sterling、VA)またはISIS Pharmaceuticalsのいずれかから得た。表21において、カルバ−LNA修飾塩基は、下付き文字「l」によって示され、cET修飾塩基は、下付き文字「E」によって示される。表22において、cET修飾塩基は、下付き文字「k」によって示される。
【0254】
【表21】

【0255】
【表22】

【0256】
実施例15:ISIS 473810およびISIS 473811による、ヒト筋緊張性ジストロフィー−タンパク質キナーゼ(DMPK)mRNAのアンチセンス阻害
ISIS 473810およびISIS 473811(化学修飾の説明については表19および20を記載されたい)を、体外のDMPK mRNAレベルに及ぼすそれらの効果について試験した。すべてがBpm I制限部位多型を含有するDMPK遺伝子(Hamshere et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,94:7394−7399,1997)の変異体対立遺伝子のエクソン10内に位置する、DM患者から確立した線維芽細胞株を、このアッセイで利用した。細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)を有する通常の増殖培地中で培養し、500nMアンチセンスオリゴヌクレオチドを有するトランスフェクション試薬を用いずに5日間トランスフェクトした。次いでウェルを吸引し、新鮮な培養培地を各ウェルに添加した。
【0257】
トランスフェクションの1日後、細胞を採取し、RNAを、Trizol(登録商標)試薬(Invitrogen,Carlsbad,CA)を用いて単離した。逆転写およびPCR増幅反応をDMPK mRNAについて行い、その後、cDNAをBpm I制限酵素で消化した。次いで消化した試料を、トリス−ホウ酸塩−EDTA(TBE)ゲル上で泳動させ、DNAバンド可視化のためにSYBR緑色染色染料で30分間染色した。変異体対立遺伝子のみにおけるBpm I制限多型の存在が、cDNA試料の、152塩基の対(野生型対立遺伝子)および136塩基の対(変異体対立遺伝子)の2つ特有のバンドへの分離を可能にした。分離したDNAバンドを、任意単位を用いて定量化したが、その密度を表23に提示する。
【0258】
【表23】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
13〜22核酸塩基長であり、配列番号2[TGCTGCTGCTG]を含み、かつCAGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である核酸塩基配列を有する、化学修飾されたオリゴヌクレオチドであって、式中、
a.各Tが、独立して、ウリジンまたはチミジンヌクレオシドであり、各々が、独立して選択された高親和性糖修飾を含み、
b.各非末端Gが、2’−デオキシリボース糖を含むグアノシンヌクレオシドであり、
c.各非末端Cが、2’−デオキシリボース糖を含むシチジンヌクレオシドであり、そして
前記化学修飾されたオリゴヌクレオチドの5’または3’末端ヌクレオシドのうちの1つまたは両方が、独立して、1つ以上のヌクレアーゼ耐性修飾を含む、
化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項2】
前記ヌクレアーゼ耐性修飾が、修飾された糖部分または修飾されたヌクレオシド間結合である、請求項1に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項3】
前記修飾された糖部分が、二環式糖部分である、請求項2に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項4】
各高親和性糖修飾が、2’修飾糖部分または二環式糖部分である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項5】
各Tが、独立して、4’〜2’二環式糖部分を含むチミジンまたはウリジンヌクレオシドである、請求項4に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項6】
各4’〜2’架橋が、独立して、−[C(R)(R)]−、−C(R)=C(R)−、−C(R)=N−、−C(=NR)−、−C(=O)−、−C(=S)−、−O−、−Si(R−、−S(=O)−、および−N(R)−から独立して選択される2〜4個の結合基を含み、
式中、
xが、0、1、または2であり、
yが、1、2、3、または4であり、
各RおよびRが、独立して、H、保護基、ヒドロキシル、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換C−Cアルキニル、C−Cアリール、置換C−C20アリール、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C−C脂環式ラジカル、置換C−C脂環式ラジカル、ハロゲン、OJ、NJ、SJ、N、COOJ、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)−J)、またはスルホキシル(S(=O)−J)であり、そして
各JおよびJが、独立して、H、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換C−Cアルキニル、C−C20アリール、置換C−Cアリール、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、C−Cアミノアルキル、置換C−Cアミノアルキル、または保護基である、
請求項5に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項7】
各4’〜2’架橋が、独立して、−[C(R)(R)]−、−[C(R)(R)]−O−、−C(R)−N(R)−O−、または−C(R)−O−N(R)−であり、式中、
各RおよびRが、独立して、水素、ハロゲン、置換または非置換C−Cアルキルであり、そして
各Rが、独立して、水素または置換もしくは非置換C−Cアルキルである、
請求項6に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項8】
各4’〜2’架橋が、独立して、4’−(CH−2’、4’−(CH−2’、4’−CH−O−2’、4’−CH(CH)−O−2’、4’−(CH−O−2’、4’−CH−O−N(R)−2’、および4’−CH−N(R)−O−2’−架橋である、請求項7に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項9】
各Tが、4’−CH(CH)−O−2’二環式糖部分を含むチミジンヌクレオシドである、請求項8に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項10】
各Tが、独立して、2’修飾糖部分を含むチミジンまたはウリジンヌクレオシドである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項11】
前記CAGヌクレオチド反復含有RNAが、20以上、30以上、または40以上の反復を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項12】
前記ヌクレオシドが、リン酸塩ヌクレオシド間結合によって結合される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項13】
前記リン酸塩ヌクレオシド間結合のうちの少なくとも1つが、ホスホロチオエート結合である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項14】
変異体ヌクレオチド反復含有RNAを有する細胞を、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチドと接触させることを含む、細胞中の変異体ヌクレオチド反復含有RNAの機能を選択的に阻害する方法。
【請求項15】
CAGヌクレオチド反復含有RNAに関連する疾患の治療のための、13〜22核酸塩基長であり、配列番号2[TGCTGCTGCTG]を含み、かつCAGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である核酸塩基配列を有する、化学修飾されたオリゴヌクレオチドの使用であって、式中、
d.各Tが、独立して、ウリジンまたはチミジンヌクレオシドであり、各々が、独立して選択された高親和性糖修飾を含み、
e.各非末端Gが、2’−デオキシリボース糖を含むグアノシンヌクレオシドであり、
f.各非末端Cが、2’−デオキシリボース糖を含むシチジンヌクレオシドであり、そして
前記化学修飾されたオリゴヌクレオチドの5’または3’末端ヌクレオシドのうちの1つまたは両方が、独立して、1つ以上のヌクレアーゼ耐性修飾を含む、
化学修飾されたオリゴヌクレオチドの使用。
【請求項16】
前記疾患が、アトロフィン1、ハンチントン病、ハンチントン病類縁疾患2型(HDL2)、球脊髄性筋萎縮症、ケネディ病、脊髄小脳運動失調症1、脊髄小脳運動失調症12、脊髄小脳運動失調症17、ハンチントン病類縁疾患4型(HDL4)、脊髄小脳運動失調症2、脊髄小脳運動失調症3、マシャド−ジョセフ病、脊髄小脳運動失調症6、および脊髄小脳運動失調症7のうちのいずれかである、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
13〜22核酸塩基長で、CAGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である配列番号2[TGCTGCTGCTG]の核酸塩基配列を含む、化学修飾されたオリゴヌクレオチドであって、式中、
g.各Gが、独立して高親和性糖修飾を含むグアノシンヌクレオシドであり、
h.各非末端Tが、独立して、2’−デオキシリボース糖を含むウリジンまたはチミジンヌクレオシドであり、
i.各末端Tが、独立して、2’デオキシリボース糖またはヌクレアーゼ耐性修飾を含むウリジンまたはチミジンヌクレオシドであり、
j.各非末端Cが、2’−デオキシリボース糖を含むシチジンヌクレオシドであり、そして
k.各末端Cが、2’デオキシリボース糖またはヌクレアーゼ耐性修飾のいずれかを含むシチジンヌクレオシドである、
化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項18】
前記化学修飾されたオリゴヌクレオチドの5’または3’末端ヌクレオシドのうちの1つまたは両方が、1つ以上のヌクレアーゼ耐性修飾を含む、請求項17に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項19】
前記ヌクレアーゼ耐性修飾が、修飾された糖またはヌクレオシド間結合である、請求項18に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項20】
前記修飾された糖が、二環式糖部分である、請求項19に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項21】
各高親和性糖修飾が、独立して、2’修飾糖部分または二環式糖部分である、請求項17〜20のいずれか1項に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項22】
各Gが、独立して、4’〜2’二環式糖部分を含むグアノシンヌクレオシドである、請求項21に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項23】
各4’〜2’架橋が、独立して、−[C(R)(R)]−、−C(R)=C(R)−、−C(R)=N−、−C(=NR)−、−C(=O)−、−C(=S)−、−O−、−Si(R−、−S(=O)−、および−N(R)−から独立して選択される2〜4個の結合基を含み、
式中、
xが、0、1、または2であり、
yが、1、2、3、または4であり、
各RおよびRが、独立して、H、保護基、ヒドロキシル、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換C−Cアルキニル、C−Cアリール、置換C−C20アリール、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C−C脂環式ラジカル、置換C−C脂環式ラジカル、ハロゲン、OJ、NJ、SJ、N、COOJ、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)−J)、またはスルホキシル(S(=O)−J)であり、そして
各JおよびJが、独立して、H、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換C−Cアルキニル、C−C20アリール、置換C−Cアリール、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、C−Cアミノアルキル、置換C−Cアミノアルキル、または保護基である、
請求項22に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項24】
前記二環式糖部分の前記4’〜2’架橋が、独立して、−[C(R)(R)]−、−[C(R)(R)]−O−、−C(R)−N(R)−O−、または−C(R)−O−N(R)−であり、式中、
各RおよびRが、独立して、水素、ハロゲン、置換または非置換C−Cアルキルであり、そして
各Rが、独立して、水素または置換もしくは非置換C−Cアルキルである、
請求項23に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項25】
各4’〜2’架橋が、独立して、4’−(CH−2’、4’−(CH−2’、4’−CH−O−2’、4’−CH(CH)−O−2’、4’−(CH−O−2’、4’−CH−O−N(R)−2’、および4’−CH−N(R)−O−2’−架橋である、請求項24に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項26】
各Gが、4’−CH(CH)−O−2’二環式糖部分を含むグアノシンヌクレオシドである、請求項24に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項27】
変異体ヌクレオチド反復含有RNAを有するか、または有することが疑われる細胞を、請求項17〜26のいずれか1項に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチドと接触させることを含む、細胞中の変異体ヌクレオチド反復含有RNAの機能を選択的に阻害する方法。
【請求項28】
CAGトリプレット反復伸長を含有するRNA分子に関連する疾患または障害を有すると診断された患者を治療する方法であって、前記疾患または障害を有すると診断された患者に、請求項1〜13または17〜26のいずれか1項に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチドを投与することを含む、前記方法。
【請求項29】
前記疾患または障害が、ハンチントン病、アトロフィン1(DRPLA)、球脊髄性筋萎縮症/ケネディ病、脊髄小脳運動失調症(SCA)1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、SCA12、SCA17、またはハンチントン病類縁疾患2型(HDL2)から選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記化学修飾されたオリゴヌクレオチドが、注射によって投与される、請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
前記化学修飾されたオリゴヌクレオチドが、中枢神経系に注射される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記化学修飾されたオリゴヌクレオチドが、脳内に注射される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記注射が、ボーラス注射である、請求項30〜32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
前記注射が、注入である、請求項30〜32のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記注入が、継続的である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
CAGヌクレオチド反復含有RNAに関連する疾患の治療のための、13〜22核酸塩基長であり、CAGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である配列番号2[TGCTGCTGCTG]の核酸塩基配列を含む、化学修飾されたオリゴヌクレオチドの使用であって、式中、
各Gが、独立して高親和性糖修飾を含むグアノシンヌクレオシドであり、
各非末端Tが、独立して、2’−デオキシリボース糖を含むウリジンまたはチミジンヌクレオシドであり、
各末端Tがね独立して、2’デオキシリボース糖またはヌクレアーゼ耐性修飾を含むウリジンまたはチミジンヌクレオシドであり、
各非末端Cが、2’−デオキシリボース糖を含むシチジンヌクレオシドであり、そして
各末端Cが、2’デオキシリボース糖またはヌクレアーゼ耐性修飾のいずれかを含むシチジンヌクレオシドである、
化学修飾されたオリゴヌクレオチドの使用。
【請求項37】
前記疾患が、アトロフィン1、ハンチントン病、ハンチントン病類縁疾患2型(HDL2)、球脊髄性筋萎縮症、ケネディ病、脊髄小脳運動失調症1、脊髄小脳運動失調症12、脊髄小脳運動失調症17、ハンチントン病類縁疾患4型(HDL4)、脊髄小脳運動失調症2、脊髄小脳運動失調症3、マシャド−ジョセフ病、脊髄小脳運動失調症6、および脊髄小脳運動失調症7のうちのいずれかである、請求項36に記載の使用。
【請求項38】
13〜22核酸塩基長であり、配列番号4[AGCAGCAGCAG]を含み、かつCUGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である核酸塩基配列を有する、化学修飾されたオリゴヌクレオチドであって、式中、
各Aが、独立して、アデノシンヌクレオシドであり、各々が、独立して選択された高親和性糖修飾を含み、
各非末端Gが、2’−デオキシリボース糖を含むグアノシンヌクレオシドであり、
各末端Gが、独立して2’−デオキシリボース糖および/またはヌクレアーゼ耐性修飾を含むグアノシンヌクレオシドであり、
各非末端Cが、2’−デオキシリボース糖を含むシチジンヌクレオシドであり、そして
各末端Cが、独立して2’−デオキシリボース糖および/またはヌクレアーゼ耐性修飾を含むシチジンヌクレオシドである、
化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項39】
前記化学修飾されたオリゴヌクレオチドの5’または3’末端ヌクレオシドのうちの1つまたは両方が、1つ以上のヌクレアーゼ耐性修飾を含む、請求項38に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項40】
前記ヌクレアーゼ耐性修飾が、修飾された糖部分または修飾されたヌクレオシド間結合である、請求項39に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項41】
前記修飾された糖部分が、二環式糖部分である、請求項40に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項42】
各高親和性糖修飾が、独立して、2’修飾糖部分または二環式糖部分である、請求項38〜41のいずれか1項に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項43】
各Aが、独立して、4’〜2’二環式糖部分を含むアデノシンヌクレオシドである、請求項42に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項44】
各4’〜2’架橋が、独立して−[C(R)(R)]−、−C(R)=C(R)−、−C(R)=N−、−C(=NR)−、−C(=O)−、−C(=S)−、−O−、−Si(R−、−S(=O)−、および−N(R)−から選択される2〜4個の結合基を含み、
式中、
xが、0、1、または2であり、
yが、1、2、3、または4であり、
各RおよびRが、独立して、H、保護基、ヒドロキシル、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換C−Cアルキニル、C−Cアリール、置換C−C20アリール、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C−C脂環式ラジカル、置換C−C脂環式ラジカル、ハロゲン、OJ、NJ、SJ、N、COOJ、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)−J)、またはスルホキシル(S(=O)−J)であり、そして
各JおよびJが、独立して、H、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換C−Cアルキニル、C−C20アリール、置換C−Cアリール、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、C−Cアミノアルキル、置換C−Cアミノアルキル、または保護基である、
請求項43に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項45】
各4’〜2’架橋が、独立して、−[C(R)(R)]−、−[C(R)(R)]−O−、−C(R)−N(R)−O−、または−C(R)−O−N(R)−であり、式中、
各RおよびRが、独立して、水素、ハロゲン、置換または非置換C−Cアルキルであり、そして
各Rが、独立して、水素または置換もしくは非置換C−Cアルキルである、
請求項40に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項46】
各4’〜2’架橋が、独立して、4’−(CH−2’、4’−(CH−2’、4’−CH−O−2’、4’−CH(CH)−O−2’、4’−(CH−O−2’、4’−CH−O−N(R)−2’、および4’−CH−N(R)−O−2’−架橋である、請求項45に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項47】
各Aが、4’−CH(CH)−O−2’二環式糖部分を含むアデノシンヌクレオシドである、請求項46に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項48】
各Aが、独立して選択された、2’修飾された糖部分を含むアデノシンヌクレオシドである、請求項38〜40のいずれか1項に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項49】
前記CUGヌクレオチド反復含有RNAが、20以上、30以上、または40以上の反復を含む、請求項38〜48のいずれか1項に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項50】
前記ヌクレオシドが、リン酸塩ヌクレオシド間結合によって結合される、請求項38〜48のいずれか1項に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項51】
前記リン酸塩ヌクレオシド間結合のうちの少なくとも1つが、ホスホロチオエート結合である、請求項38〜48のいずれか1項に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項52】
変異体ヌクレオチド反復含有RNAを有する細胞を、請求項34〜47のいずれか1項に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチドと接触させることを含む、細胞中の変異体ヌクレオチド反復含有RNAの機能を選択的に阻害する方法。
【請求項53】
CUGヌクレオチド反復含有RNAに関連する疾患の治療のための、13〜22核酸塩基長であり、配列番号4[AGCAGCAGCAG]を含み、かつCUGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である核酸塩基配列を有する、化学修飾されたオリゴヌクレオチドの使用であって、式中、
各Aが、独立して、アデノシンヌクレオシドであり、各々が、独立して選択された高親和性糖修飾を含み、
各非末端Gが、2’−デオキシリボース糖を含むグアノシンヌクレオシドであり、
各末端Gが、独立して2’−デオキシリボース糖および/またはヌクレアーゼ耐性修飾を含むグアノシンヌクレオシドであり、
各非末端Cが、2’−デオキシリボース糖を含むシチジンヌクレオシドであり、そして
各末端Cが、独立して2’−デオキシリボース糖および/またはヌクレアーゼ耐性修飾を含むシチジンヌクレオシドである、
化学修飾されたオリゴヌクレオチドの使用。
【請求項54】
前記疾患が、ハンチントン病類縁疾患2型(HDL2)、筋強直性ジストロフィー(DM1)、または脊髄小脳運動失調症8のうちのいずれかである、請求項53に記載の使用。
【請求項55】
13〜22核酸塩基長であり、CUGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である配列番号4[AGCAGCAGCAG]の核酸塩基配列を含む、化学修飾されたオリゴヌクレオチドであって、式中、
各Gが、独立して高親和性糖修飾を含むグアノシンヌクレオシドであり、
各非末端Aが、独立して、2’−デオキシリボース糖を含むアデノシンヌクレオシドであり、
各末端Aが、独立して、2’デオキシリボース糖またはヌクレアーゼ耐性修飾を含むアデノシンヌクレオシドであり、
各非末端Cが、2’−デオキシリボース糖を含むシチジンヌクレオシドであり、そして
各末端Cが、2’デオキシリボース糖またはヌクレアーゼ耐性修飾のいずれかを含むシチジンヌクレオシドである、
化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項56】
前記化学修飾されたオリゴヌクレオチドの5’または3’末端ヌクレオシドのうちの1つまたは両方が、1つ以上のヌクレアーゼ耐性修飾を含む、請求項55に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項57】
前記ヌクレアーゼ耐性修飾が、修飾された糖部分または修飾されたヌクレオシド間結合である、請求項56に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項58】
前記修飾された糖部分が、二環式糖部分である、請求項57に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項59】
各高親和性糖修飾が、独立して、2’修飾糖部分または二環式糖部分である、請求項55〜58のいずれか1項に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項60】
各二環式糖部分が、4’〜2’二環式糖部分である、請求項58に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項61】
各4’〜2’架橋が、独立して、−[C(R)(R)]−、−C(R)=C(R)−、−C(R)=N−、−C(=NR)−、−C(=O)−、−C(=S)−、−O−、−Si(R−、−S(=O)−、および−N(R)−から独立して選択される2〜4個の結合基を含み、
式中、
xが、0、1、または2であり、
yが、1、2、3、または4であり、
各RおよびRが、独立して、H、保護基、ヒドロキシル、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換C−Cアルキニル、C−Cアリール、置換C−C20アリール、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C−C脂環式ラジカル、置換C−C脂環式ラジカル、ハロゲン、OJ、NJ、SJ、N、COOJ、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)−J)、またはスルホキシル(S(=O)−J)であり、そして
各JおよびJが、独立して、H、C−Cアルキル、置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、置換C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換C−Cアルキニル、C−C20アリール、置換C−Cアリール、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、C−Cアミノアルキル、置換C−Cアミノアルキル、または保護基である、
請求項58に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項62】
前記二環式糖部分の前記4’〜2’架橋が、独立して、−[C(R)(R)]−、−[C(R)(R)]−O−、−C(R)−N(R)−O−、または−C(R)−O−N(R)−であり、式中、
各RおよびRが、独立して、水素、ハロゲン、置換または非置換C−Cアルキルであり、そして
各Rが、独立して、水素または置換もしくは非置換C−Cアルキルである、
請求項61に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項63】
各4’〜2’架橋が、独立して、4’−(CH−2’、4’−(CH−2’、4’−CH−O−2’、4’−CH(CH)−O−2’、4’−(CH−O−2’、4’−CH−O−N(R)−2’、および4’−CH−N(R)−O−2’−架橋である、請求項56に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項64】
各Gが、4’−CH(CH)−O−2’二環式糖部分を含むグアノシンヌクレオシドである、請求項63に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項65】
変異体ヌクレオチド反復含有RNAを有するか、または有することが疑われる細胞を、請求項54〜64のいずれか1項に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチドと接触させることを含む、細胞中の変異体ヌクレオチド反復含有RNAの機能を選択的に阻害する方法。
【請求項66】
CUGトリプレット反復伸長を含有するRNA分子に関連する疾患または障害を有すると診断された患者を治療する方法であって、前記疾患または障害を有すると診断された患者に、請求項40〜52または55〜64のいずれか1項に記載の化学修飾されたオリゴヌクレオチドを投与することを含む、方法。
【請求項67】
前記疾患または障害が、筋強直性ジストロフィー(DM1)、SCA8、アタキシン8逆鎖、またはハンチントン病類縁疾患2型である、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記投与が、筋肉内注射、皮下注射、または静脈内注射によって行われる、請求項66または68に記載の方法。
【請求項69】
CUGヌクレオチド反復含有RNAに関連する疾患の治療のための、13〜22核酸塩基長であり、CUGヌクレオチド反復含有RNAの反復領域内で100%相補的である配列番号4[AGCAGCAGCAG]の核酸塩基配列を含む、化学修飾されたオリゴヌクレオチドの使用であって、式中、
各Gが、独立して高親和性糖修飾を含むグアノシンヌクレオシドであり、
各非末端Aが、独立して、2’−デオキシリボース糖を含むアデノシンヌクレオシドであり、
各末端Aが、独立して、2’デオキシリボース糖またはヌクレアーゼ耐性修飾を含むアデノシンヌクレオシドであり、
各非末端Cが、2’−デオキシリボース糖を含むシチジンヌクレオシドであり、そして
各末端Cが、2’デオキシリボース糖またはヌクレアーゼ耐性修飾のいずれかを含むシチジンヌクレオシドである、
化学修飾されたオリゴヌクレオチドの使用。
【請求項70】
前記疾患が、ハンチントン病類縁疾患2型(HDL2)、筋強直性ジストロフィー(DM1)、または脊髄小脳運動失調症8のうちのいずれかである、請求項69に記載の使用。

【公表番号】特表2013−518603(P2013−518603A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552931(P2012−552931)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【国際出願番号】PCT/US2011/024099
【国際公開番号】WO2011/097641
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(595104323)アイシス ファーマシューティカルズ, インコーポレーテッド (53)
【出願人】(500039463)ボード・オブ・リージエンツ,ザ・ユニバーシテイ・オブ・テキサス・システム (115)
【Fターム(参考)】