説明

反応容器,並列処理装置、及びシーケンサ

【課題】スループットの更なる向上を図ったシーケンサを提供する。
【解決手段】本発明では低価格な高輝度LED光源を使用して、蛍光励起強度の10倍以上のパワー密度を達成する。これにより検出における励起光照射時間を1/10以下とすることで検出に要する時間を短縮する。これにより従来律速となっていた最小ユニットの反応時間内に3枚以上の複数の反応基板を並列に処理することにより、スループットの向上を図ることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は蛍光検出用反応制御装置に関わる。より具体的には、DNAあるいはRNAなどの核酸の塩基配列を解読するための方法および核酸配列解析装置に関わる。
【背景技術】
【0002】
1990年から2005年の間に30億ドルの予算を投じたヒトゲノム計画では、解読が最も容易な部分(全体の93%)を予定よりも2,3年早く読み取ることができ、非特許文献1にみられるように解読に必要な技術や方法を遺産として残した。そうした技術はその後もさらに改良が進み、今日では約2000万ドル($2×107)程度で、実用に耐えられる精度でのゲノム解読が可能になった。それでもなお、この金額では大規模な塩基配列解読ができるのは、専門の解読センターか、巨額の予算を得た大きな研究プロジェクトに限られる。しかし、配列決定のコストが下がれば、より大量のゲノムを多数扱うことができる。例えば患者と健常者のゲノムの比較が可能となり、結果としてゲノム情報の価値の向上が期待される。非特許文献2にみられるようにこのような基礎的データの取得は将来のテーラーメード医療への発展に大きく寄与することが予想される。
【0003】
上述した状況の下、米国立衛生研究所(NIH)が資金援助している「革新的ゲノム配列決定技術」のための2つのプログラムは、2009年までにヒトゲノム解読1人分で10万ドル($1×105)、そしてそれを2014年までに1000ドル($1×103)にすることを目標としている。いわゆる「1000ドルゲノム」解読技術の開発である。
【0004】
既に非特許文献3にみられるように454Life Science社,Solexa社およびAB社の3社の次世代シーケンサが商品化されている。これらの技術は既に従来技術の1/10〜1/100のコストを達成している。また、1回の解析により計測可能な塩基数も109オーダーを達成している。しかしながらこれらのシーケンサのコスト面での向上はほぼ頭打ちであり、既に商品化されている装置・方式による$1000ゲノムの達成は困難と予想されている。
【0005】
また、現在市販されている次世代シーケンサは109程度までの塩基配列を解読できるものの、109塩基に相当する大量データの配列解読のランタイムのみで2,3日以上の時間を要している。医療現場において個人レベルのゲノム配列解読がルーチン・ワークとなるためにはコストのみならず配列解読の高速化が必要となる。
【0006】
特許文献1にはAB社の次世代シーケンサにおけるシステムの詳細が述べられている。システムは、CCDカメラ,蛍光顕微鏡,可動ステージ,Peltierフローセル,温度制御装置,液体操作装置および専用のコンピュータを備える。AB社のシステムでは、Olympusエピ蛍光顕微鏡本体(横向きに設置)を主部とし、自動オートフォーカシングステージおよびCCDカメラを備える。回転式ホルダ内の4つのフィルタキューブにより、さまざまな励起および発光波長での4色検出が可能である。装置はカメラが常時作動中で維持されるように設計されている。そのためにAB社やHelicos社の次世代シーケンサは2つのフローセルを装着して、1つのフローセルの反応時間中にもう1つのフローセルを用いて蛍光画像の取得を行うシステムを採用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2008−528040号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Nature Reviews, vol5, pp335, 2004
【非特許文献2】『ヒトゲノム完全解読から「ヒト」理解へ』、pp253,服部正平、東洋書店、2005
【非特許文献3】Nature, vol.449, pp627, 2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記背景技術で説明したように、次世代シーケンシング技術においては更なるスループットの向上が望まれている。しかしながら、シーケンシングのスループット向上において伸長反応に代表される生化学反応が律速となっている。ポリメラーゼを用いる伸長反応及びリガーゼを用いるライゲーション反応のいずれも反応が完了するまでに90分程度のインキュベーションを要する。このインキュベーション時間をデッドタイムとしないために、AB社やHelicos社は装置に2つのフローセルを装着して、1つのフローセルの反応時間中にもう1つのフローセルを用いて蛍光画像の取得を行うシステムを採用している。しかしながら、上述の方式でも依然最小ユニットの反応に要する時間が律速なために、スループットの更なる向上が困難であった。
【0010】
また、次世代シーケンシング技術では、光源ON/OFF時の挙動が不安定なレーザあるいは或いは高出力の水銀ランプやXeランプを用いている。これらの光源そのもののON/OFFを秒のオーダーで制御することには困難が伴った。そのため、上記いずれの方式においてもCCDのデータ転送時には高価なシャッタにより励起光を遮断する必要があった。
【0011】
また、蛍光検出を行うための基板として表面修飾を施したスライドガラスが広く用いられている。実験時においてはユーザが手動でスライドガラス上にビーズを吸着させる必要があるが、スライドガラスが剥き出しであるためハンドリングに細心の注意を要するため、使い勝手の改善が待たれている。
【0012】
また、従来の落射蛍光照明においては通常スライド面に対して励起光を対物レンズの後焦点面の中央に垂直に集光させることでケーラー照明といわれる均一な照明を行っている。この後焦点面の縁に入射後を垂直に集光させスライドガラス表面で全反射照明を達成することが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明では低価格な高輝度LED光源を使用して、従来用いられてきた水銀ランプなどのアーク光源による蛍光励起の10倍以上のパワー密度を達成する。これにより検出における励起光照射時間を1/10以下とすることで検出に要する時間を短縮する。これにより従来律速となっていた最小ユニットの反応時間内に3枚以上の複数の反応基板を並列に処理することにより、従来律速となっていた最小ユニットの反応時間に限定されることなくスループットの向上を図ることが可能となる。
【0014】
また、LEDを用いることでシャッタを用いることなく、電流制御により励起光の照射を制御できる。従って、シャッタレスのシステムの構築が可能となり、低コスト化が図れる。
【0015】
また、スライドガラスをパッケージングすることにより、スライドガラスのハンドリングを容易なものとする。更にパッケージングしたスライドガラス中に蛍光色素の発光の基点となるビーズを予め配置することにより、更にユーザの負担を軽減することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の蛍光測定装置は低価格なLED光源を使用して、検出に要する時間を短縮する。これにより最小ユニットの反応時間内のスキャン枚数を3枚以上に並列化する。本発明の効果として低コストかつハイスループットなDNAシーケンサのシステムを実現する。
【0017】
また、LEDの採用によるシャッタレスのシステムを構築し、装置の低コスト化を実現する。
【0018】
更にスライドガラスのパッケージ化を図ることにより、ユーザの操作性を向上させる効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施例1におけるスライドガラスのパッケージングについての説明図。
【図2】実施例2におけるシーケンス反応についての説明図。
【図3】実施例3において用いる蛍光色素の吸収スペクトルと蛍光スペクトル。
【図4】実施例3における2個或いは4個のLEDより構成される光源についての説明図。
【図5】実施例3におけるLED照明のために用い光学素子の配置についての説明図。
【図6(a)】実施例3におけるRoyal BlueのLEDの発光スペクトル。
【図6(b)】実施例3におけるWarm WhiteのLEDの発光スペクトル。
【図6(c)】実施例3におけるLEDからの発光を混合するためのダイクロイックミラーの透過特性。
【図6(d)】実施例3における4蛍光色素用のバンドパスフィルタの透過特性。
【図6(e)】実施例3における4蛍光色素用のエミッションフィルタの透過特性。
【図6(f)】実施例3における4蛍光色素用のダイクロイックミラーの透過特性。
【図7】実施例3における落射蛍光装置についての説明図。
【図8】実施例3においてシャッタレス化した場合のタイミングチャート。
【図9】実施例4における複数のスライドガラスの並列処理する方法についての説明図。
【図10】実施例4における複数のスライドガラスの並列処理する方法についての説明。
【図11】実施例4における複数のスライドガラスの並列処理する方法についての説明。
【図12】実施例5におけるスライドガラスのパッケージングについての説明図。
【図13】DNA断片が多数結合したビーズをスライドガラスに固定する説明図。
【図14】ビーズが予め配列されたスライドガラスがパッケージングされている場合の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の第1の実施例として、解析すべきDNA断片を複数結合したビーズを予めパッケージングされたスライドガラス上に固定する方法について図1を用いて以下に説明する。パッケージングされたスライドガラスは上面のカバー103とスライドガラス107によってスペーサ104を挟み込むことにより形成する。溶液交換を円滑に行うため、スペーサの104厚みは350um程度が望ましい。カバー103上面には溶液のインレットとなるセプタ101及びアウトレットとなるセプタ102が形成されている。このセプタ101、102に注射針などを挿入し、溶液を注入することでフローセル内に溶液を満たすことができる。この場合、セプタ101をインレットとして、溶液を注入する。セプタ102はアウトレットとして空気抜きの役割を担う。溶液内にはプローブオリゴ109を複数固定したビーズ108が多数存在している。ビーズ108はスライドガラス107と接触した際に共有結合を形成するように化学処理されているため、溶液を満たしたスライドガラス107を遠心することによりビーズ108はスライドガラス107上に沈降し、固定される。
【0021】
パッケージングされていないままのスライドガラス107を用いる場合、スライドガラス107の表面をユーザが不注意に触れてしまう危険性があった。また、スライドガラス107に固定したビーズ108は乾燥すると化学状態が変化してしまうため、後段のシーケンシング反応が円滑に進行しなくなる。従ってビーズ108が結合したスライドガラス107の表面には乾燥を発生させないため、常時水溶液内に存在させる必要がある。従って、本実施例で説明したパッケージングされたスライドガラス107を用いることにより、スライドガラス107への接触及びスライドガラス107上のビーズ108の乾燥を防止することが可能となる。また、予めパッケージングされたスライドガラス107を使用することにより、操作性よくビーズ108をスライドガラス107上に固定することが可能となる。
【0022】
次に本発明の第2の実施例として、シーケンス反応について図2を用いて以下に説明する。フローセル213内のスライドガラス表面には反応液がセプタ211,212を通して注入されている。反応液はそれぞれ異なる蛍光色素でラベルされた4種類のヌクレオチドおよびポリメラーゼを含む。各ヌクレオチドはそれぞれFAM−dCTP214,Cy3−dATP215,y5−dCTP216,Cy5−dCTP217である。各ヌクレオチドの濃度は200nMである。また、反応液は伸張反応が効率よく行われるように塩濃度,マグネシウム濃度およびpHが最適化されている。計測領域218は、サンプル面上における対物レンズの計測可能な視野である。従ってスライドガラス全面を計測するためには、少なくともスライドガラス全面の面積を計測領域218の面積で除した数だけスキャンする必要がある。反応開始前に配列を解読したいDNA断片206とプローブオリゴ205はハイブリダイゼーションさせる。反応溶液中にはポリメラーゼが含まれており、DNA断片206に相補的な蛍光ヌクレオチドが1塩基だけ取り込まれる。2塩基目の伸長が発生しないのは、1塩基目の蛍光色素がバルキーであるため、2塩基目の取り込みについて立体障害を起こすからである。1塩基が取り込まれた後、浮遊する蛍光ヌクレオチドを洗浄により除去した後、蛍光計測を行う。なお、以降の最小ユニットの反応を行うために、蛍光計測後、解離溶液により塩基から蛍光色素を解離させる工程が必須である。この工程により、最小ユニットの反応における蛍光色素の立体障害をリセットすることができる。これにより反応の継続が可能となる。再び蛍光ヌクレオチドをフローセル内に送液し、反応を繰り返すことにより、DNA断片206の逐次的なシーケンスが可能となる。
【0023】
次に本発明の第3の実施例として、LEDを蛍光色素の励起用光源として用いるシーケンス反応計測にいついて図3,図4,図5,図6,図7,図8を用いて以下に説明する。シーケンス反応には実施例2で説明したように4種類の蛍光色素を用いる。より具体的な4種類の蛍光色素セットの例としては図3に示すようにFAM,Cy3,Texas Red,Cy5を挙げることが可能である。図3(a)および(b)にFAM,Cy3,Texas Red,Cy5の吸収および発光特性を示す。図3(a)よりFAM,Cy3,Texas Red,Cy5の最適な励起波長は495,512,590,650nmであることがわかる。この4つの蛍光色素を励起するために、図4(a)で示すように2つのLEDを用いることが考えられる。より具体的には1つはRoyal Blue色のLEDであり、これはFAMの励起に用いる。もう1つは広い波長範囲に渡って励起光を発生することができるWarm-White色のLEDであり、これはCy3,Texas Red,Cy5の励起に用いる。この2つのLEDの発光特性を図6(a),(b)に示す。Royal Blue色のLED401はスペクトル幅が小さく、450nm付近に発光中心波長を持ち、FAM蛍光色素を効率よく励起することができる。Warm-white色のLED402は白色光源に近い広いスペクトル幅を示し、Cy3,Texas Red,Cy5を効率よく励起することができる。それぞれのLEDのカタログに記載されている出力は515mW,180lumenである。また、これらのLEDから発せられた光より色素励起に最適な波長成分を通過させるためのバンドパスフィルタの波長特性を図6(d)に示す。4つの色素の励起時にはこれらのバンドパスフィルタを光源であるLEDの前に順次設置することにより、各色素に最適な励起光を選択することができる。
【0024】
LED401,402は700mAの電流を流すことにより発光する。LED401,402の素子サイズは1mm角であるが、砲弾レンズのために見かけの素子サイズは1.39mm角となる。
【0025】
LED照明を行う場合の光学素子の配置について図5を用いて以下に説明する。LED121で発光した光は非球面レンズ122により集光され、バンドバスフィルタ123を通過し、対物レンズ124の瞳面に結像する。対物レンズ124の瞳にLED121の像を置いた場合には、ケーラー照明が達成される。ケーラー照明とは光源自体に輝度ムラがあった場合においてもサンプル面での照明を均一に行うことができる照明法のことである。像のある位置から射出した光は、射出した位置に対応した角度でサンプル面を通過・照明する。以上の構成でスライドガラス125上に固定された上の蛍光色素126をLED光源の輝度ムラに依存することなく均一に照明することが可能となる。
【0026】
より詳細な光学素子の大きさおよび位置について以下に説明する。非球面レンズ122の直径は16mmで前焦点距離(BFL)は11.2mm、後焦点距離(BFL)は7.8mm、厚みは6mmである。また、LEDの発光面は1mm角の大きさであるが、砲弾レンズがLEDに被さっているため、LEDの見かけの大きさは1.39mmとなる。また、20倍対物レンズ(NA0.45)と焦点距離180mmの集光レンズを用いる場合、対物レンズの焦点距離は180/20=9mmとなる。対物レンズがサンプル面で発光したビーズから光を集光できる角度はNA=nsinθの公式よりsinθ=NA/n=0.45/1=0.45である。従って対物レンズの瞳の直径は2×9mm×0.45=8.1mmとなる。従って1.39mmのLEDを8.1mm以下に結像する光学系の構築が必要である。この場合、光学系の倍率は8.1/1.39=5.8倍である。前焦点距離11.2mmの比球面レンズを用いて5.8倍の拡大像を作りたい場合、物体を置くべき位置を計算することができる。結論としてLED固定面から光軸上での非球面レンズの像側の面までの距離を15.8mmとすれば、非球面レンズの像側の面からLEDの像が形成される距離は一意に76.0mmと決定される。従ってこの位置に対物レンズの瞳面を設置することによりケーラー照明が達成される。
【0027】
次にLEDから出射した光をサンプル面上に集光できるパワー密度について以下に見積もる。例としてFAMの励起に用いるRoyal Blue のLEDを用いて説明する。このLEDの出力はカタログ値で515mWである。515mWの光は非球面レンズ122より1/3以上集光できる。非球面レンズ122を通過後、集光する光路上にFAM用のバンドパスフィルタ(図6(d)に図示)を設置することによりFAM励起に適した波長帯域が選択される。バンドパスフィルタにより選択されるエネルギー量はバンドパスフィルタの幅にも依存するが、図6(d)のバンドパスフィルタを用いた場合は約30%のエネルギーが選択される。また、バンドパスおよびダイクロイックミラー,対物レンズ通過時に失うエネルギー量の割合をそれぞれ95%,90%,90%とする。最終的にスライドガラスのサンプル面上に到達する光のパワー密度は515mW×1/3×0.3×0.95×0.9×0.9=35.7mWを得る。20倍対物レンズの照明範囲は1mm以下であるため、最終的なパワー密度は35.7mW/mm2以上となる。Cy3,Texas Red,Cy5におけるパワー密度についても図6(b)に示されるWarm-White LEDのスペクトルについてCy3,Texas Red,Cy5のバンドパスフィルタを通過させた場合の光量を見積もることで算出できる。結果として得られたパワー密度はCy3,Texas Red,Cy5につきそれぞれ15.0,15.7,14.8mW/mm2である。この値は一般に蛍光色素の観察に必要とされるパワー密度である1.5mW/mm2よりも10倍以上大きいため、従来よりも短い露光時間で信号を取得することが可能である。
【0028】
次にLEDを用いた照明光源について図4を用いて説明する。LED401,402は発生した熱を大気中に逃がすためにヒートシンク403,404にそれぞれ固定されている。更に詳細には図5で示されるように発生した熱はサーミスタ129でモニタされ、熱を効率よく外部へと散逸させるためにファン128により送風される。また、フォトダイオード130を用いることでLED121の劣化をモニタすることができる。図4においてLED401,402で発光した光は0.7以上のNAを持つ非球面レンズ406及び407で集光される。LED401及び402から発した光はダイクロイックミラー408により同一光路上に導かれる。本実施例で用いたダイクロイックミラーの分光特性を図6(c)に示す。このダイクロイックミラーは500nm近傍で急峻に立ち上がるため、LED401からの光は反射し、LED402からの光を直進させることで効率よく2つのLEDからの光を混合することができる。混合された光はミラー409で反射され、測定対象物に対して照射される。なお図4(b)では4色の蛍光色素の励起波長に最適化された4つのLED410,411,412,413を用いる。(a)と比較して強い信号を取得することができる反面、ダイクロイックミラーおよびミラーなどを(a)よりも多数用意する必要があるため、コスト高であるという問題も発生する。従って以下より2つのLEDを用いた説明を行う。
【0029】
更に図7を用いて4蛍光色素の蛍光計測装置について説明する。LED光源501は電源519から駆動回路518を経て駆動され、発光する。LED401,402が格納されたLED光源501より射出した光は、回転ターレット502に保持されたキューブ504,505,506,507に向かう。キューブ504,505,506,507にはそれぞれ図6(d),(e),(f)で図示されたバンドパスフィルタ521,ダイクロイックミラー522,エミッションフィルタ523が装着されている。キューブ504,505,506,507内の光学フィルタはそれぞれFAM,Cy3,Texas Red,Cy5について最適化されている。回転ターレット502は測定すべき蛍光色素に適したキューブを回転させることで光路上に設置する。LED401及び402から発した光はバンドパスフィルタ521を経てダイクロイックミラー522により上方に反射され、対物レンズ509により集光され、スライドガラス上に固定されたビーズに照射される。伸長反応に伴ってビーズ上に取りこまれた蛍光色素は励起され、蛍光を発する。スライドガラス上で等方的に発光した蛍光のうち一部が再び対物レンズ509により回収され、平行光となる。更に蛍光はダイクロイックミラー522,エミッションフィルタ523を通過し、集光レンズ517を経てCCD516の検出面で像を形成する。伸長反応に伴い、フローセル上では固定されたビーズ上で蛍光色素が取り込まれ、4色のうち伸長した塩基に相当する1色の蛍光を発する。以下FAMの場合を例として説明する。伸長反応に伴い、取り込まれたFAM−dCTPを励起するためにLED401がONとなりLED402はOFFとなる。また、回転ターレットはキューブ504を回転させて光路に導く。これによりFAMに最適な励起光がサンプル面に照射され、FAM−dCTPが取り込まれたビーズのみが発光する。この蛍光像をCCDカメラ520で取得・保存する。次にCy3,Texas Red,Cy5の蛍光像を取得するためにLED401はOFF、LED402をONとする。Cy3の励起を行うために光路にキューブ505を導く。これによりCy3に最適な励起光がサンプル面に照射され、Cy3−dATPが取り込まれたビーズのみが発光する。蛍光像取得の直前にはピントを合わせるため、対物レンズオートフォーカス用モータ508により対物レンズ509をZ方向に駆動し、オートフォーカスを行う。
【0030】
LED401,402のON/OFFは駆動回路518によって容易に行うことができる。従来のシーケンサの光源はレーザ或いは水銀ランプやキセノンランプなどに用いられるアーク光源だった。しかし、これらの光源は光源ON/OFF時の挙動が不安定だった。従ってレーザあるいはアーク光源を光源として用いる場合にはCCDの転送時において高価なシャッタを用いて励起光を遮断する必要があった。この状態を図8(a)に示す。LED401,402のON/OFFは駆動回路518によって容易に行うことができるため、図8(b)のようにシャッタレスのシステムの構築が可能となり、装置の低コスト化が図れる。
【0031】
スライドガラス524は25×75mmの大きさであり、そのうちビーズを結合している反応領域は20×60mmの大きさである。計測に用いる対物レンズ509は視野数22の20x対物レンズである。従って計測可能な領域の大きさは770um角程度の大きさである。従ってスライドガラス524の全ての反応領域を計測するためにはスライドガラス524を移動させ、画像を取得する必要がある。20×60mmの領域を770um角の計測で網羅するためには2100回程度のスライドガラス524の移動が必要となる。この場合、スライドガラス524はXYステージにより移動する。
【0032】
次に本発明の第4の実施例として、LEDを蛍光色素の励起用光源として用いるシーケンス反応計測の並列化について図9,図10,図11を用いて以下に説明する。
【0033】
一般に1つの塩基の伸長に要する反応時間は90分程度と長い。従来の次世代シーケンサでは塩基伸長を行っている時間を有効に活用するため、1枚のスライドガラスで伸長反応を行っている90分の間にもう1枚のスライドガラスをスキャンできるように、2枚のスライドガラスの装着が可能なように設計されているものが多い。具体的な例としてはLifeTech社のSOLiDやHelicos社のHeliscopeなどを挙げることができる。
【0034】
本発明ではLEDを用いた照明を行い、FAM,Cy3,Texas Red,Cy5についてのパワー密度は35.7,15.0,15.7,14.8mW/mm2を得た。これは通常の水銀ランプなどを用いて蛍光色素を励起するために必要なパワー密度の1.5mW/mm2の10倍以上のパワー密度である。このことは純粋に光照射している時間を1/10以下に短縮できるということを意味する。露光時間を短縮することはスキャニング時間の大幅な短縮に繋がる。一方化学反応である最小ユニットの反応の短縮は反応効率の低下を招くため、短縮は困難である。従ってスループットの向上のためには最小ユニットの反応の90分の間に複数のスライドをどれだけ並列処理できるかによって決定される。図9(b)の表に示されるとおり、反応とスキャンに要する時間の比が1:1の場合は2枚のスライドの並列処理が可能である。ここで注目すべき点は、対物レンズやCCDカメラが1つであるため、スキャニングは並列化できないが、最小ユニットの反応については溶液をフローセルに満たすだけなので、並列化できるという点である。
【0035】
反応とスキャンに要する時間の比が2:1の場合は3枚のスライドの並列処理が可能である。同様に反応とスキャンに要する時間の比が3:1の場合は4枚のスライドの並列処理が可能である。これを一般化して反応とスキャンに要する時間の比がn:1の場合はn+1枚のスライドの並列処理が可能である。
【0036】
図9(a)では4枚のスライドガラス704,705,706,707を同時並列処理する場合を示す。この場合、スライドガラス4枚を同時に搭載可能なXYステージが必要となる。スライドガラス707で伸長反応が進行している間にスライドガラス704,705,706のスキャンを完了し、次にスライドガラス706の伸長反応に移行する。この伸長反応の間にスライドガラス704,705,707のスキャンを行う。以上の手続きを繰り返すことで複数のスライドガラスの並列処理が可能となり、スループットをこの場合においては4倍向上させることが可能となる。
【0037】
図10でも同様の処理を10枚のスライドガラスについて行っている。10枚のスライドガラスを同時並列処理する場合を示す。この場合、10枚のスライドガラスを同時に搭載可能なXYステージが必要となる。スライドガラス804で伸長反応が進行している間にそれ以外のスライドガラスのスキャンを完了し、次にスライドガラス805の伸長反応に移行する。この間にスライドガラス805以外のスキャンを行う。以上の手続きを繰り返すことで10枚のスライドガラスの並列処理が可能となり、スループットを向上させることが可能となる。
【0038】
図11ではスライドガラスを環状ステージに設置し、複数のスライドガラスを同時並列処理する実施例を説明する。環状のステージには8枚のフローセルが設置されている。フローセル内にはスライドガラスが保持されている。フローセル911にはピペッタ907,908を介して反応液がフローセル内に送液される。環状ステージは反応時間/(8−1)≒13分毎に隣接するフローセルの位置まで回転する。ピペッタ912,913はスキャン直前に反応溶液を洗浄溶液で洗浄する。フローセル910のスキャン時には環状ステージはXY方向へ駆動し、フローセル910内のスライドガラス上に固定されたビーズから発せられる蛍光信号をスライド表面全体について取得することが可能である。プライマの解離反応などのために必要な温調装置906を設置する。環状ステージであるため8つのスライドガラス804について8つの温調装置を設置しなくてもよい。それはスライドガラス804は円運動を行うため、いずれのスライドガラス804も温調装置906を順次通過していくからである。ピペッタの設置個数についても同様の効果がある。従って環状ステージを採用することにより、ピペッタ907,908,912,913の能動的駆動を省略し、かつ温調装置906の個数を1個にできるという効果をもたらす。また、環状ステージは常時同じ速度で回転することも可能である。ステップ動作をしないで常時定常速度で回転しているため、装置としての安定性が向上する。
【0039】
次に第5の実施例として、全反射照明による蛍光増強方法について図12を用いて以下に説明する。図12(a)に示すように通常の落射蛍光法では対物レンズを介してサンプル面に垂直に励起光が入射する。一方全反射照明ではスライドガラスと溶液の界面に励起光を臨界角よりも大きい角度で入射させることで、スライドガラスよ溶液の界面にエバネッセント場が形成され、試料側の厚さ数百ナノメートルの領域が照明される。従って、この厚みの範囲でのみ励起光が当たった試料からの蛍光が発生する。図12(b)に示すように入射角を臨界角に近づけるにつれて、境界面の光強度が入射光強度に対して増加することが知られている。臨界角ではその増強倍率は4倍である。シーケンス反応後の蛍光検出においても従来の落射照明法の代わりに全反射照明を用いることで境界面近傍から発せられる蛍光量を増大させることが可能となる。現状では直径1umのビーズを用いているが、高スループット化の要求に伴ってビーズの高密度化が要求され、ひいてはビーズの微小化が必要となる。特に全反射照明においては100nm以下の領域において増強効果が得られるため、100nm程度のビーズを用いることも有効である。この場合、落射照明と比較して4倍の蛍光増強効果が得られる。また、落射照明において2umのビーズを用いることも有効である。現在は1umのビーズを用いて蛍光信号を取得しているが、装置関数にマッチしたビーズの径は2umである。より具体的には1umのビーズを分解するためにCCDカメラの3ピクセルを使用した場合、周辺に像が滲む影響を考慮すると現実には1umのビーズにも5ピクセルを用いていることとなる。2umのビーズを用いた場合にはすでに十分ビーズは大きいため、1umビーズのような滲みは発生しない。従って1umのビーズも2umのビーズも結局解像するために5−6ピクセル程度を要している。従って像の大きさという観点からは1umと2umビーズの差は殆どない。一方1umビーズと2umビーズの表面積の大きさは4倍であるため、DNA断片が結合する量も4倍となり、取得可能な蛍光量の増大が見込める。また、図13に示すように、DNA断片が多数結合した直径500umのビーズ108をスライドガラス112に固定する。このビーズ108の内部は微小な空隙が多数存在しているため、遠心処理によりビーズ108に対して加圧すると扁平につぶれてしまい、円盤状のスポット113を形成する。円盤状のスポットの直径は1um、高さは0.1umとなる。この状態で全反射照明を行うと、ビーズ108から発せられる蛍光をエバネッセント場に含むことが可能となり、落射照明法と比較して4倍に近い蛍光増強が確認される。
【0040】
第6の実施例として、ビーズが予め配列されたスライドガラスがパッケージングされている場合について図14を用いて以下に説明する。実施例1で説明したように、従来は外部で調整したビーズを計測直前にスライドガラスへ流し込むことにより固定していた。しかし、計測者にとってより望ましいのは予めビーズ1111がスライドガラス1112表面に固定されている状態である。これにより計測者に必要な作業は調整したサンプルをフローセル内に注入することのみとなり、外部でビーズを用いて化学処理などを行う手間を省略できる。また、ビーズを流路に流さないため、流路の詰まりを回避することが可能となる。将来は更なるビーズの高密度化が進むことが予想されるため、ビーズ1111を格子状に配置したスライドガラス1112をパッケージングすることが望ましい。本実施例についてはビーズ1111がスライドガラス1112表面に格子状に配置されている以外は実施例1と同じである。
【0041】
本発明の課題は、次のように表現できる。次世代シーケンシング技術スループット向上において1塩基伸長反応に代表される生化学反応が律速となっている。ポリメラーゼと用いる伸長反応及びリガーゼを用いるライゲーション反応のいずれも最小ユニットの反応が完了するまでに90分程度のインキュベーションを要する。このインキュベーション時間をデッドタイムとしないために、AB社やHelicos社はは2つのフローセルを装着して、1つのフローセルの反応時間中にもう1つのフローセルを用いて蛍光画像の取得を行うシステムを採用している。しかしながら、上述の方式でも依然最小ユニットの反応に要する時間が律速なるために、スループットの更なる向上が困難であった。
【0042】
また、この課題を解決するための手段は次のように表現できる。本発明では低価格な高輝度LED光源を使用して、蛍光励起強度の10倍以上のパワー密度を達成する。これにより検出における励起光照射時間を1/10以下とすることで検出に要する時間を短縮する。これにより従来律速となっていた最小ユニットの反応時間内に3枚以上の複数の反応基板を並列に処理することにより、スループットの向上を図ることが可能となる。また、LEDを用いることでシャッタを用いることなく、電流制御により励起光の照射を制御できる。従って、シャッタレスのシステムの構築が可能となり、低コスト化が図れる。また、スライドガラスをパッケージングすることにより、スライドガラスのハンドリングを容易なものとする。更にパッケージングしたスライドガラス中に蛍光色素の発光の基点となるビーズを予め配置することにより、更にユーザの負担を軽減することが可能となる。
【0043】
また、本発明の効果は次のように表現できる。本発明の蛍光測定装置は低価格なLED光源を使用して、検出に要する時間を短縮する。これにより最小ユニットの反応時間内のスキャン枚数を3枚以上に並列化する。本発明の効果として低コストかつハイスループットなDNAシーケンサのシステムを実現する。また、LEDの採用によるシャッタレスのシステムを構築し、装置の低コスト化を実現する。更にスライドガラスのパッケージ化を図ることにより、ユーザの操作性を向上させる効果をもたらす。
【符号の説明】
【0044】
101,102,211,212 セプタ103 カバー104 スペーサ107,112,125,524,704,705,706,707,804,805,904,910, スライドガラス108,111 ビーズ109 プローブオリゴ113 円盤状のスポット121,401,402,410,411,412,413 LED122,418,419,420,421 非球面レンズ123,521 バンドパスフィルタ124,509,703,803,903 対物レンズ126 蛍光色素127,403,404,414,415,416,417 ヒートシンク128 ファン129 サーミスタ130 フォトダイオード206 DNA断片213 フローセル214 FAM−dCTP215 Cy3−dATP216 Texas Red−dCTP217 Cy5−dCTP218 計測領域408,423,424,425,522 ダイクロイックミラー409,426 ミラー501 LED光源502,701,801,901 回転ターレット504,505,506,507 キューブ508,702,802,902 対物レンズオートフォーカス用モータ516 CCDカメラ517 集光レンズ518 駆動回路519 電源520 PC523 エミッションフィルタ525,526,907,908,912,913 送液用チューブ905 環状ステージ906 温調装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の反応容器をn個保持し、前記反応容器1個の最小ユニットの反応が完了する間に前記複数の反応容器n−1個の計測を自動で完了させ、順次反応を自動で進行させていくことで、計測のスループットをn倍に向上させる並列処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、前記反応が所定の反応容器内で進行することを特徴とする基板表面上におけるシーケンス反応であり、かつ前記シーケンスの最小ユニットの反応に要する時間が90分以上であり、かつシーケンス反応に用いる蛍光色素の数が4種以上であることを特徴とするシーケンサ。
【請求項3】
請求項2において、
前記所定の反応容器は、水溶液を注入する穴を少なくとも2個以上保持する基板と、注入される水溶液中に含まれる微粒子と強く結合する表面処理を施されている光透過性を持つ基板と、2つの基板の間隔を一定に保つためのスペーサと、前記スペーサを2つの基板で挟んで張り合わせることにより形成される反応容器であることを特徴とするシーケンサ。
【請求項4】
請求項2において、
前記所定の反応容器は、水溶液を注入する穴を少なくとも2個以上保持する基板と、複数の微粒子を結合させた光透過性を持つ基板と、2つの基板の間隔を一定に保つためのスペーサと、前記スペーサを2つの基板で挟んで張り合わせることにより形成される反応容器であることを特徴とするシーケンサ。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれかに記載の装置において、前記蛍光画像測定に用いる光源が2種類以上のLEDであり、かつ蛍光検出方法が対物レンズを介した落射蛍光検出法であり、前記蛍光色素に最適化されたバンドパスフィルタ,ダイクロイックミラー,エミッションフィルタを装着したキューブを回転ターレットにより回転制御し、かつオートフォーカスを行い、蛍光検出に用いるセンサが2次元CCDカメラであることを特徴とするシーケンサ。
【請求項6】
請求項5記載の装置において、前記LED光源のON−OFFを回路上から制御することにより蛍光励起のための光の遮断を不要とし、シャッタレスであることを特徴とするシーケンサ。
【請求項7】
請求項6記載の装置において、前記LED光源の出力が全て15mW/mm2以上であることを特徴とするシーケンサ。
【請求項8】
請求項7記載の装置において、2種類のLED光源の一つがRoyal Blue色、もう一つがWarm-White色のLEDであり、かつダイクロイックミラーで前記2種類のLED光源から発する光を混合し、光路を同一にして照射することを特徴とするシーケンサ。
【請求項9】
請求項8記載の装置において、前記LEDから発する光を高い開口角を持つ非球面レンズにより集光し、対物レンズの後焦点面にLEDの像を結像させることにより、前記反応容器の基板表面で光源の照明ムラを除去した均一な照明であるケーラー照明を行うことを特徴とするシーケンサ。
【請求項10】
請求項9記載の装置において、前記反応容器をXYステージにより前記対物レンズの計測視野の大きさだけ逐次移動していくことにより前記反応容器の全表面でスキャンすることを特徴とするシーケンサ。
【請求項11】
請求項10記載の装置において、前記反応容器を移動させるXYステージが反応容器を環状回転させるθステージを含み、反応容器の溶液交換および温度調節を順次回転に伴い処理していくことを特徴とするシーケンサ。
【請求項12】
請求項9記載の装置において、対物レンズの後焦点面の外周付近にLEDを結像させることにより前記反応容器の基板表面で臨界角近傍における全反射照明により蛍光を4倍増強することを特徴とするシーケンサ。
【請求項13】
請求項12記載の装置において、100nmのビーズを用いることによりビーズに結合した蛍光色素を全て蛍光増強場内に配置させることにより蛍光を4倍増強することを特徴とするシーケンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図6(c)】
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【図6(d)】
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【図6(e)】
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【図6(f)】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−245014(P2012−245014A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−205208(P2012−205208)
【出願日】平成24年9月19日(2012.9.19)
【分割の表示】特願2009−139771(P2009−139771)の分割
【原出願日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】