説明

反応性イソシアネート組成物

本発明は、イソシアネートに対する反応性成分を含まずに硬化できるイソシアネート基を有する組成物、そのような組成物を製造する方法ならびにそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イソシアネートに対して反応性である成分を含まずに硬化可能なイソシアネート基を有する組成物、そのような組成物を製造する方法ならびにそれらの使用に関する。
【0002】
外部または内部ブロックされたポリイソシアネートは、熱架橋可能なポリウレタン(PUR)−ラッカー組成物および接着剤組成物のために有用な架橋剤である。
【0003】
そこで例えばDE−OS 2735497は、卓越した天候安定性および熱安定性を備えるPUR−ラッカーについて記載している。製造法についてDE−OS 2712931に記載されている架橋剤は、ε−カプロラクタムブロック化イソシアヌレート基を含有するイソホロンジイソシアネートから構成される。さらに、それらのポリイソシアネート基が同様にブロックされているウレタン基、ビウレット基または尿素基含有ポリイソシアネートも公知である。
【0004】
これらの外部ブロックされた系の欠点は、熱架橋反応中にブロック化剤が分離されることにある。ブロック化剤は環境内に放出される可能性があるので、環境学的および労働衛生学的理由から、排気の浄化および/またはブロック化剤回収のために特別な予防措置を講じなければならない。さらに、これらの架橋剤は極めて低い反応性を有している。そこで170℃を超える硬化温度が不可欠である。
【0005】
DE−OS 3030539およびDE−OS 3030572は、それらの末端イソシアネート基がモノアルコール類またはモノアミン類を用いて不可逆性にブロックされている、ウレトジオン基を含有する重付加化合物を製造する方法を記載している。欠点となるのは、特にPURラッカーコーティングの極めて低い網目密度およびそれに伴う中等度の溶剤安定性をもたらす、架橋剤の鎖切断構成成分である。
【0006】
ヒドロキシル基を末端とする、ウレトジオン基を含有する重付加化合物は、EP669353の目的である。これらは、それらが備える2つの官能基に基づいて溶剤に対する改良された抵抗性を示す。これらの組成物には、これらのウレトジオン基含有ポリイソシアネートに基づいて、硬化反応において液体化合物を放出しない点が共通している。だが、燃焼温度は少なくとも180℃という高い水準にある。
【0007】
市販されている2K−調製物では、イソシアネート含有成分はイソシアネート基に対して反応性である成分と混合され、反応させられる。これは、適切な化学量論に注意を払わなければならないが、実際上では配量または計算において繰返し失敗することが多いという欠点を有している。さらに、高反応性系では、攪拌混合もまた最適に行われなければならないが、これは装置に関する費用が高額になることを意味している。
【0008】
湿潤硬化性ポリウレタン系(例、DE19646879参照)は、NCO成分以外のその他の反応パートナーを必要としない。しかし、これらの系は、硬化する工程が比較的に長期間(温度および湿度各々に従って1〜4週間)持続し、環境パラメータに大きくに左右されるという欠点を有している。
【0009】
そこで本発明の課題は、反応パートナーを添加せずに、少なくとも化学量論的量の反応パートナーを添加せずに硬化できる、反応性イソシアネート基を含有する組成物を見いだすことであった。
【0010】
驚くべきことに、本発明による組成物はこの課題を満たすことが見いだされた。
【0011】
本発明の目的は、本質的には:
A)芳香族、脂肪族、(シクロ)脂肪族もしくは脂環式ジイソシアネート類および/またはポリイソシアネート類をベースとする、それらのNCO基は場合により部分的にヒドロキシル基および/またはアミン基を有する化合物と反応されており、全調製物に対して10〜99.8質量%にある、少なくとも1つのイソシアネート基を有する化合物と、
B)触媒としての、対イオンとしてハロゲンまたは有機もしくは無機酸アニオンもしくはヒドロキシドを備える、全調製物に対して0.1〜3質量%にある少なくとも1つの第4級アンモニウム塩および/または第4級ホスホニウム塩と、
C)補助触媒としての、エポキシド基を備える、全調製物に対して0.1〜5質量%にある少なくとも1つの化合物と、
D)場合により、全調製物に対して0.01〜20質量%にあるモノマー形もしくはポリマー形の少なくとも1つの酸と、
E)場合により、全調製物に対して0.5〜70質量%にあるヒドロキシル基含有化合物と、
F)場合により、全調製物に対して0.001〜50質量%にある助剤および添加剤と、
G)場合により、全調製物に対して1〜70質量%にある溶剤と、を含有する反応性イソシアネート基を有する組成物である。
【0012】
本発明のまた別の目的は、本発明による組成物を製造するための方法である。
【0013】
本発明による組成物は、反応性である。これは、本組成物が80〜160℃では5〜30分間以内に硬化することを意味する。
【0014】
イソシアネート基を有する組成物としての成分A)は、基本的には芳香族、脂肪族、(シクロ)脂肪族もしくは脂環式ジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートをベースとする幅広い多彩なイソシアネート類に属している。本発明によると、例えばイソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート/2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート/4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、2−メチルペンタンジイソシアネート(MPDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、トルイジンジイソシアネート(TDI)およびテトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)などのジイソシアネート類がイソシアネート基を有する化合物A)として使用される。極めて特に好ましくは、IPDI、4,4’−H12MDIおよびHDIが使用される。当然ながら、混合物もまた使用できる。これらのイソシアネート基を有する組成物は、全調製物に対して10〜99.8質量%にある、純粋形または、例えば、イソシアヌレート、アロファネート、尿素、ビウレットおよび/またはカルボジイミドなどのそれらの誘導体形にある。純粋形または誘導体化されたイソシアネートは、ヒドロキシル基もしくはアミン基を有する化合物と反応することができるので、結果としてそこから成分A)としてのイソシアネート基を有するプレポリマーが生じる。
【0015】
これらのイソシアネート基を備えるイソシアネートからイソシアネート基を有するプレポリマー成分A)への変換は、遊離NCO基とヒドロキシル基含有および/またはアミン基含有モノマーもしくはポリマー、例えばポリエステル、ポリチオエーテル、ポリエーテル、ポリカプロラクタム、ポリエポキシド、ポリエステルアミド、ポリアミド、ポリエーテルアミン、ポリウレタンもしくは鎖伸長剤としての低分子量ジ−、トリ−および/またはテトラアルコールおよび場合により鎖破壊剤としてのモノアミンおよび/またはモノアルコールとの反応を含んでおり、既に頻回に報告されている(DE19851182、DE19700014、WO98/34972、WO97/466093、EP669353、EP669354)。このためには、例えばDBTLのような本発明による触媒は使用されない。
【0016】
モノマーのイソシアネートの過剰な含量は、場合により、蒸留によって、例えばプレポリマー混合物A)から直接蒸留もしくは薄層蒸留を用いて分離することができる。
【0017】
プレポリマーA)のNCO含量は、1〜45%の間で変動する可能性があり、このときNCO/OH基の比率は>1である。
【0018】
好ましくは、30〜250mgKOH/gのOH価および250〜6,000g/モルの平均分子量を備えるポリエステル、またはモノマーのジアルコール類、例えばエチレングリコール、プロパンジオール−(1,2)および−(1,3)、2,2−ジメチルプロパンジオール−(1,3)、ブタンジオール−(1,4)、ヘキサンジオール−(1,6)、2−メチルペンタンジオール−1,5、2,2,4−トリメチルヘキサンジオール−(1,6)、2,4,4−トリメチルヘキサンジオール−(1,6)、ヘプタンジオール−(1,7)、ドデカンジオール−(1,12)、オクタデセン−9,10−ジオール−(1,12)、チオジグリコール、オクタデカンジオール−(1,18)、2,4−ジ−メチル−2−プロピルヘプタンジオール−(1,3)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トランス−およびシス−1,4−シクロ−ヘキサンジメタノールが使用される。
【0019】
B)の下の触媒としては、対イオンとしてのハロゲンまたは有機もしくは無機酸イオンを備える第4級アンモニウム塩および/または第4級ホスホニウム塩が使用される。そのための例は、テトラメチルアンモニウムホルメート、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムプロピオネート、テトラメチルアンモニウムブチレート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムホルメート、テトラエチルアンモニウムアセテート、テトラエチルアンモニウムプロピオネート、テトラエチルアンモニウムブチレート、テトラエチルアンモニウムベンゾエート、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムホルメート、テトラプロピルアンモニウムアセテート、テトラプロピルアンモニウムプロピオネート、テトラプロピルアンモニウムブチレート、テトラプロピルアンモニウムベンゾエート、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムホルメート、テトラブチルアンモニウムアセテート、テトラブチルアンモニウムプロピオネート、テトラブチルアンモニウムブチレート、テトラブチルアンモニウムベンゾエート、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムホルメート、エチルトリフェニルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムベンゾトリアゾレート、テトラフェニルホスホニウムフェノレート、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムデカノエート、テトラメチルアンモニウムフロリド、テトラエチルアンモニウムフロリド、テトラブチルアンモニウムフロリド、テトラオクチルアンモニウムフロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムフロリド、テトラブチルホスホニウムヒドロキシド、テトラブチルホスホニウムフロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロニド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムヨージド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムヨージド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリプロピルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、メチルトリブチルアンモニウムクロリド、メチルトリプロピルアンモニウムクロリド、メチルトリエチルアンモニウムクロリド、メチルトリフェニルアンモニウムクロリド、フェニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリプロピルアンモニウムブロミド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロミド、メチルトリブチルアンモニウムブロミド、メチルトリプロピルアンモニウムブロミド、メチルトリエチルアンモニウムブロミド、メチルトリフェニルアンモニウムブロミド、フェニルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムヨージド、ベンジルトリエチルアンモニウムヨージド、ベンジルトリプロピルアンモニウムヨージド、ベンジルトリブチルアンモニウムヨージド、メチルトリブチルアンモニウムヨージド、メチルトリプロピルアンモニウムヨージド、メチルトリエチルアンモニウムヨージド、メチルトリフェニルアンモニウムヨージド、フェニルトリメチルアンモニウムヨージド、テトラメチルアンモニウムフロリド、テトラエチルアンモニウムフロリド、テトラブチルアンモニウムフロリド、テトラオクチルアンモニウムフロリドおよびベンジルトリメチルアンモニウムフロリドである。これらの触媒は、単独で、または混合物で添加することができる。これらはカプセル封入またはポリマー結合させることができる。好ましくは、テトラエチルアンモニウムベンゾエートおよびテトラブチルアンモニウムヒドロキシドが使用される。
【0020】
触媒B)の比率は、全調製物に対して0.1〜3質量%、好ましくは全調製物に対して0.3〜2質量%であってよい。
【0021】
補助触媒C)としてはエポキシドが使用される。このとき考慮の対象となるのは、例えばグリシジルエーテルおよびグリシジルエステル、脂肪族エポキシド、ビスフェノールAをベースとするジグリシジルエーテルならびにグリシジルメタクリレートである。そのようなエポキシドの例は、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC、商標名Araldit 810、Huntsman社)、テレフタル酸ジグリシジルエステルおよびトリメリット酸トリグリシジルエステル(商標名Araldit PT 910および912、Huntsman社)からの混合物、バーサチック酸のグリシジルエステル(商標名Kardura E10、Shell社)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ECC)、ビスフェノールA(商標名EPIKOTE 828、Shell社)をベースとするジグリシジルエーテル、エチルヘキシルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ペンタエリトリットテトラグリシジルエーテル(商標名Polypox R16、UPPC AG社)ならびに遊離エポキシ基を備えるその他のポリポックスタイプである。好ましくは、Araldit PT 910および/または912が使用される。
【0022】
触媒C)の比率は全調製物に対して0.1〜5質量%、好ましくは0.3〜2質量%であってよく、それらは単独または混合物で含有されてよい。
【0023】
D)の下に挙げた酸は、ブレンシュテット酸もしくはルイス酸の特性を有する、固体もしくは液体、有機もしくは無機、モノマーもしくはポリマー全ての物質である。例として、以下の:硫酸、酢酸、安息香酸、マロン酸、コハク酸、テレフタル酸、さらにまた少なくとも20の酸価を備えるコポリエステルもしくはコポリアミドを挙げられる。存在する場合は、全調製物に対するこれらの酸の比率は、0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜5質量%であってよく、それらは単独または混合物で含有されてよい。
【0024】
ヒドロキシル基を含有する化合物E)としては、例えば20〜500mgKOH/g、好ましくは30〜120mgKOH/gのOH価を備えるポリマーが使用される。
【0025】
ヒドロキシル基を含有するポリマーE)においては、20〜500(単位:mgKOH/g)のOH価および250〜6000g/モルの平均分子量を備えるポリエステル、ポリエーテル、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテルおよび/またはポリカーボネートが使用される。特に好ましいのは、20〜150のOH価および500〜6000g/モルの平均分子量を備えるヒドロキシル基含有ポリエステルであろう。当然ながら、そのようなポリマーの混合物もまた使用できる。
【0026】
ポリマーE)としては、特に好ましくはヒドロキシ基を含有するポリエステルが使用される。これらのポリエステルを製造するために好ましいカルボン酸類は、脂肪族、脂環式、芳香族および/または複素環式性質であってよく、場合によりハロゲン原子と置換されてよい、および/または不飽和であってよい。これについての例としては、以下の:コハク酸、アジピン酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ジ−およびテトラクロルフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、グルタル酸、マレイン酸、およびフマル酸、ないしは入手可能である限り、それらの無水物、テレフタル酸ジメチルエステル、テレフタル酸−ビス−グリコエステル、さらにその上環式モノカルボン酸、例えば安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸またはヘキサヒドロ安息香酸を挙げられる。
【0027】
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−および1,3−プロピレングリコール、1,4−および2,3−ブチレングリコール、ジ−β−ヒドロキシエチレンブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、ビス−(1,4−ヒドロキシメチル)−プロパン、2−メチルプロパンジオール−1,3.2−メチルペンタンジオール−1,5、2,2,4(2,4,4)−トリメチルヘキサンジオール−1,6、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール−1,2,6、ブタントリオール−1,2,4、トリス−(β−ヒドロキシエチル)−イソシアヌレート、ペンタエリトリット、マンニットおよびソルビットならびにジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、キシレングリコールおよびヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルがポリエステルE)を製造するための考慮の対象となる。
【0028】
ラクトン類、例えばε−カプロラクトンまたはヒドロキシカルボン酸、例えばヒドロキシピバリン酸、ε−ヒドロキシデカン酸、ε−ヒドロキシカプロン酸、チオグリコール酸由来のモノ−およびポリエステルもまたポリマーEを製造するための出発物質として使用できる。上記のポリカルボン酸ないしはそれらの誘導体およびポリフェノール類、例えばヒドロキノン、ビスフェノール−A、4,4’−ジヒドロキシビフェニルもしくはビス−(4−ヒドロキシフェニル)−スルホン由来のポリエステル;ヒドロキノン、ジフェニロールプロパン、p−キリリレングリコール、エチレングリコール、ブタンジオールもしくはヘキサンジオール−1,6およびその他のポリオール類から、例えばホスゲンもしくはジエチル−ないしはジフェニルカルボネートを用いた通例の凝縮反応によって、または環式カーボネート類、例えばグリコールカーボネートもしくはビニリデンカーボネートから公知の方法において重合によって入手される炭酸類のポリエステル;ケイ酸類のポリエステル、例えばメタン−、エタン−、β−クロールエタン−、ベンゾールもしくはスチロールリン酸−、−リン酸クロリドもしくは−リン酸エステルなどのリン酸類のポリエステルならびに上記に挙げた種類のポリアルコール類もしくはポリフェノール類のポリエステル;ホウ酸類のポリエステル;ポリシロキサン、例えば水を用いたジアルキルジクロールシランの加水分解およびその後のポリアルコール類を用いた処理、例えばアリルアルコールもしくはアクリル酸などのオレフィン類へのポリシロキサン二水和物の添加によって入手できる生成物は、ポリマーE)を製造するための出発物質として適切である。
【0029】
好ましいポリエステルE)は、さらにまた例えばDE−OS 2410513に記載されているように、ポリカルボン酸とグリシド化合物の反応生成物である。
【0030】
使用可能なグリシジル化合物の例は、例えばグリシジルパルミテート、グリシジルラウレートおよびグリシジルステアレートのような4〜18個の炭素原子を有する一塩基性酸を備える2,3−エポキシ−1−プロパノールのエステル、例えばブチレンオキシドのような4〜18個の炭素原子を備えるアルキレンオキシドおよび例えばオクチルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテルである。
【0031】
ポリエステルE)は、それ自体は公知の方法で100〜260℃、好ましくは130〜220℃の温度での、溶融物中もしくは共沸性操作方法において不活性雰囲気中での凝縮によって、例えばMethoden der Organischen Chemie(Houben−Weyl);第14/2巻、第1〜5頁、第21〜23頁、第40〜44頁、Georg Thieme Verlag, Stuttgart, 1963またはC.R. Martens, Alkyd Resins、第51〜59頁、Reinhold Plastics Appl. Series, Reinhold Publishing Comp., New York, 1961に記載されている方法で入手することができる。
【0032】
ポリマーE)としては、さらにヒドロキシ官能性ポリエーテルおよびポリカーボネートも考慮の対象となる。好ましいポリエーテルは、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、トリメチレンオキシド、3,3−ビス−(クロルメチル)−オキサビシクロブタン、テトラヒドロフラン、スチロールオキシドもしくはジフェニロールプロパンのビス−(2,5)−エポキシプロピルエーテルなどのエポキシド類の例えば三フッ化ホウ素のようなルイス酸の存在下でのカチオン性重合、またはアルカリヒドロキシドもしくはアルカリアルコレートを用いたアニオン性重合によるまたはこれらのエポキシドの添加による重付加によって、場合により混合物中で、または順に出発成分と、例えばアルコールもしくはアミン、反応性の水素原子、例えば水、エチレングリコール、ポリプロピレングリコール−(1,3)もしくは−(1,2)、ペンタメチレングリコール、ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、アニリン、アンモニア、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジ−(β−ヒドロキシプロピル)−メチルアミンならびにヒドロキシアルキル化フェノール類、例えばジ−(β−ヒドロキシエトキシ)−レゾルシンから製造することができる。
【0033】
例として挙げた、カーボネート基を有するポリマーE)は、周知のように、例として挙げた分子量範囲62〜300の二価もしくは三価アルコールとジアリールカーボネート、例えばジフェニルカーボネート、ホスゲンもしくは好ましくは環式カーボネート、例えばトリメチレンカーボネートもしくは2,2−ジメチル−トリメチレンカーボネート(NPC)との置換またはそのような環式カーボネートの混合によって入手することができる。特に好ましいカーボネートジオールは、上述した出発分子としての二価アルコールとNPCとから開環反応下で製造できるカーボネートジオールである。
【0034】
ポリマーE)としては、ポリウレタン化学においてそれ自体は公知である、例えば分子量範囲250〜8,500g/モルのイソシアネート基に対して反応性である、ヒドロキシル基を有するポリチオエーテル、ポリアセタール、ポリエポキシド、ポリエステルアミドもしくはポリウレタンが適合する。
【0035】
当然ながら、上述したポリマーE)の混合物もまた使用できる。
【0036】
モノマーのアルコールE)としては、少なくとも32の分子量を有するモノ−、ジ−もしくはポリオールが適合する。
【0037】
例えば、モノアルコール類には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、イソマーのペンタノール、ヘキサノール、オクタノールおよびノナノール、n−デカノール、n−ドデカノール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノール、n−オクタデカノール、シクロヘキサノール、イソマーのメチルシクロヘキサノールならびにヒドロキシメチルシクロヘキサンが考慮の対象となる。
【0038】
ジオール類においては、例えば、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ブタンジオール−1,4、ペンタンジオール−1,5、ヘキサンジオール−1,6、3−メチルペンタンジオール−1,5、ネオペンチルグリコール、2,2,4(2,4,4)−トリメチルヘキサンジオールならびにヒドロキシピバリン酸ネオペンヒルグリコールエステルが考慮の対象となる。
【0039】
トリオール類においては、例えば、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール−1,2,6、ブタントリオール−1,2,4、トリス(β−ヒドロキシエチル)−イソシアヌレート、ペンタエリトリット、マンニットまたはソルビットが考慮の対象となる。
【0040】
全てのヒドロキシル基含有成分E)には:A)対E)の当量比、つまり>1のNCO/OH基の比率、好ましくはE)が存在する場合には>1.5のNCO/OH比が当てはまる。
【0041】
本組成物のためには、例えば、ポリシリコーンもしくはアクリレートのような流展剤、例えば立体障害アミンのような光線保護剤、または例えばEP669353に記載されているような他の助剤のような助剤および添加物F)を0.05〜5質量%の総量で添加することができる。充填剤および例えば二酸化チタンのような顔料は、組成物全体の50質量%までの量で添加することができる。
【0042】
任意で、例えばすでにポリウレタン化学において公知である追加の触媒が含有されてよい。この場合には主として有機金属触媒、例えばジブチルスズジラウレート、または第3アミン、例えば1,4−ジアザビシクロ[2,2,2,]オクタンが0.001〜1質量%の量で使用される。
【0043】
溶剤G)としては、すべての液体の、反応条件下で不活性の有機および無機液体が考慮の対象となる。例としては、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、キシロール、Solvesso 100、Solvesso 150、メトキシプロピルアセテートおよび二塩基性エステルが挙げられる。
【0044】
本発明の目的は、さらにまた120〜130℃の温度範囲内における均質化によって反応性イソシアネート基を有する組成物を製造するための方法である。
【0045】
本発明による組成物を製造するための全構成成分を均質化する工程は、適切な集合体内、例えば加熱可能な攪拌容器、混和機、または押出機内において行うことができるが、このとき120〜130℃の温度範囲が超えられてはならない。固体調製物においては、公知の方法、例えば静電粉末スプレー、焼結コーティング、または静電焼結コーティングによって適切な基質上へのスプレー可能な粉末の塗布を行うことができる。塗布後、層状の加工品は60〜220℃の温度で4〜60分間、好ましくは80〜160℃で6〜30分間にわたり硬化させるために加熱される。
【0046】
本発明のまた別の目的は、本発明による反応性イソシアネート基を有する組成物のコーティング材としての、特別にはプライマー、中間膜、上塗り剤、クリアラッカー、接着剤もしくはシーリング材ならびにコーティング材自体としての使用である。
【0047】
本発明の目的は、さらに金属、合成樹脂、ガラス、木材、繊維、MDF(中密度ファイバーボード)もしくはレザー基質上への、またはその他の耐熱性下塗り剤への液体状および粉末状のラッカーコーティングを製造するための、本発明による反応性イソシアネート基を有する組成物の使用である。
【0048】
本発明の目的は、さらに金属、合成樹脂、ガラス、木材、繊維、MDF(中密度ファイバーボード)もしくはレザー基質上への、またはその他の耐熱性下塗り剤を接着するための接着剤組成物としての、本発明による反応性イソシアネート基を有する組成物の使用である。
【0049】
同様に本発明の目的は、本発明による反応性イソシアネート基を有する組成物を含有している、特別には自動車のボディ、オートバイおよび自転車、建築部材および家庭用器具、木材コーティング組成物、ガラスコーティング組成物、繊維コーティング組成物、レザーコーティング組成物および合成樹脂コーティング組成物のための金属コーティング組成物である。
【0050】
コーティングは単独で使用することも、多層構造のうちの1つの層として使用することもできる。それらは、例えばプライマーとして、中間膜として、または上塗り剤もしくはクリアラッカーとして塗布することができる。本コーティングの上方または下方にある層は、便宜的には熱によって、またはさらに照射によっても硬化させることができる。
【0051】
以下では、本発明の目的を実施例によって詳細に説明する。
【0052】
実施例
I.使用材料:
【表1】

G:ガラス転移点:
【0053】
II.NCO−プレポリマーの製造
OH−ポリエステルDYNACOLL 7150(191g)は酢酸ブチル(BA)およびキシロール(1:1)の混合物150mL中に溶解させ、0.02gのDBTLと混合した。この混合物を80℃で30分間以内に31.7gのIPDI中へ滴下した。さらにこの温度で1.5時間にわたり攪拌し、その後冷却した。NCO含量は1.6%に達した。
【0054】
III.本発明による組成物1および比較例2*および4*
【表2】

* 本発明によらない比較例;質量%
【0055】
IV.結果
全ての調製物構成成分を混合し、磁気攪拌器を用いて20分間にわたり攪拌する。
【0056】
使用可能な調製物は、薄鋼板(Bonder Bleche 1303)上に20〜25μmの膜厚で一様に被覆し、150℃の換気オーブン内で硬化(30分間)させる。
【0057】
【表3】

* 本発明によらない比較例
【0058】
DIN 53156に準拠したエリクセン深さ、ASTM D 2794−93に準拠した落球衝撃試験。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本質的に:
A)芳香族、脂肪族、(シクロ)脂肪族もしくは脂環式ジイソシアネート類および/またはポリイソシアネート類をベースとする、それらのNCO基は場合により部分的にヒドロキシル基および/またはアミン基を有する化合物と反応されており、全調製物に対して10〜99.8質量%にある、少なくとも1つのイソシアネート基を有する化合物と、
B)触媒としての、対イオンとしてハロゲンまたは有機もしくは無機酸アニオンもしくはヒドロキシドを備える、全調製物に対して0.1〜3質量%にある少なくとも1つの第4級アンモニウム塩および/または第4級ホスホニウム塩と、
C)補助触媒としての、エポキシド基を備える、全調製物に対して0.1〜5質量%にある少なくとも1つの化合物とを含有する反応性イソシアネート基を有する組成物。
【請求項2】
以下の成分:
D)全調製物に対して0.01〜20質量%にあるモノマー形もしくはポリマー形の少なくとも1つの酸と、
E)全調製物に対して0.5〜70質量%にあるヒドロキシル基含有化合物と、
F)全調製物に対して0.001〜50質量%にある助剤および添加剤と、
G)全調製物に対して1〜70質量%にある溶剤とのうちの少なくとも1つを追加して含有することを特徴とする、請求項1に記載の反応性イソシアネート基を有する組成物。
【請求項3】
成分A)として、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート/2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート/4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、2−メチルペンタンジイソシアネート(MPDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、トルイジンジイソシアネート(TDI)および/またはテトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)から選択される化合物を含有することを特徴とする、請求項1〜2の少なくとも一項に記載の反応性イソシアネート基を有する組成物。
【請求項4】
成分A)として、IPDI、4,4’H12MDIおよび/またはHDIが含まれることを特徴とする、請求項3に記載の反応性イソシアネート基を有する組成物。
【請求項5】
前記イソシアネート基を有する化合物A)をヒドロキシル基および/またはアミン基含有モノマーおよび/またはポリマーと反応させてイソシアネート基含有プレポリマーA)にされ、このときNCO/OH基の比率は>1であることを特徴とする、請求項1〜4の少なくとも一項に記載の反応性イソシアネート基を有する組成物。
【請求項6】
ポリエステル、ポリチオエーテル、ポリエーテル、ポリカプロラクタム、ポリエポキシド、ポリエステルアミド、ポリアミド、ポリエーテルアミン、ポリウレタンから選択されるポリマーが使用されることを特徴とする、請求項5に記載の反応性イソシアネート基を有する組成物。
【請求項7】
30〜250mgKOH/gのOH価および250〜6,000g/モルの平均分子量を備えるポリエステルが使用されることを特徴とする、請求項6に記載の反応性イソシアネート基を有する組成物。
【請求項8】
ジ−、トリ−および/またはテトラアルコール、モノアミンおよび/またはモノアルコールが使用されることを特徴とする、請求項5に記載の反応性イソシアネート基を有する組成物。
【請求項9】
エチレングリコール、プロパンジオール−(1,2)および−(1,3)、2,2−ジメチルプロパンジオール−(1,3)、ブタンジオール−(1,4)、ヘキサンジオール−(1,6)、2−メチルペンタンジオール−1,5、2,2,4−トリメチルヘキサンジオール−(1,6)、2,4,4−トリメチルヘキサンジオール−(1,6)、ヘプタンジオール−(1,7)、ドデカンジオール−(1,12)、オクタデセン−9,10−ジオール−(1,12)、チオジグリコール、オクタデカンジオール−(1,18)、2,4−ジ−メチル−2−プロピルヘプタンジオール−(1,3)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トランス−およびシス−1,4−シクロ−ヘキサンジメタノールが単独または混合物で使用されることを特徴とする、請求項8に記載の反応性イソシアネート基を有する組成物。
【請求項10】
イソシアヌレート、アロファネート、尿素、ビウレットおよび/またはカルボジイミドがA)中に含まれることを特徴とする、請求項1〜9の少なくとも一項に記載の反応性イソシアネート基を有する組成物。
【請求項11】
テトラメチルアンモニウムホルメート、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムプロピオネート、テトラメチルアンモニウムブチレート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムホルメート、テトラエチルアンモニウムアセテート、テトラエチルアンモニウムプロピオネート、テトラエチルアンモニウムブチレート、テトラエチルアンモニウムベンゾエート、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムホルメート、テトラプロピルアンモニウムアセテート、テトラプロピルアンモニウムプロピオネート、テトラプロピルアンモニウムブチレート、テトラプロピルアンモニウムベンゾエート、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムホルメート、テトラブチルアンモニウムアセテート、テトラブチルアンモニウムプロピオネート、テトラブチルアンモニウムブチレート、テトラブチルアンモニウムベンゾエート、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムホルメート、エチルトリフェニルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムベンゾトリアゾレート、テトラフェニルホスホニウムフェノレート、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムデカノエート、テトラメチルアンモニウムフロリド、テトラエチルアンモニウムフロリド、テトラブチルアンモニウムフロリド、テトラオクチルアンモニウムフロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムフロリド、テトラブチルホスホニウムヒドロキシド、テトラブチルホスホニウムフロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロニド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムヨージド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムヨージド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリプロピルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、メチルトリブチルアンモニウムクロリド、メチルトリプロピルアンモニウムクロリド、メチルトリエチルアンモニウムクロリド、メチルトリフェニルアンモニウムクロリド、フェニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリプロピルアンモニウムブロミド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロミド、メチルトリブチルアンモニウムブロミド、メチルトリプロピルアンモニウムブロミド、メチルトリエチルアンモニウムブロミド、メチルトリフェニルアンモニウムブロミド、フェニルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムヨージド、ベンジルトリエチルアンモニウムヨージド、ベンジルトリプロピルアンモニウムヨージド、ベンジルトリブチルアンモニウムヨージド、メチルトリブチルアンモニウムヨージド、メチルトリプロピルアンモニウムヨージド、メチルトリエチルアンモニウムヨージド、メチルトリフェニルアンモニウムヨージド、フェニルトリメチルアンモニウムヨージド、テトラメチルアンモニウムフロリド、テトラエチルアンモニウムフロリド、テトラブチルアンモニウムフロリド、テトラオクチルアンモニウムフロリドおよびベンジルトリメチルアンモニウムフロリドから選択される触媒B)が含まれることを特徴とする、請求項1〜10の少なくとも一項に記載の反応性イソシアネート基を有する組成物。
【請求項12】
成分B)として、テトラエチルアンモニウムベンゾエートおよび/またはテトラブチルアンモニウムヒドロキシドが含まれることを特徴とする、請求項11に記載の反応性イソシアネート基を有する組成物。
【請求項13】
成分C)として、グリシジルエーテルおよびグリシジルエステル、脂肪族エポキシド、ビスフェノールAをベースとするジグリシジルエーテルおよび/またはグリシジルメタクリレートが含まれることを特徴とする、請求項1〜12の少なくとも一項に記載の反応性イソシアネート基を有する組成物。
【請求項14】
トリグリシジルイソシアヌレート、テレフタル酸ジグリシジルエステルおよびトリメリット酸トリグリシジルエステルからの混合物、バーサチック酸のグリシジルエステル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ECC)、ビスフェノールAをベースとするジグリシジルエーテル、エチルヘキシルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ペンタエリトリットテトラグリシジルエーテル、または遊離エポキシ基を備えるその他のポリポックスタイプが単独または混合物で含まれることを特徴とする、請求項13に記載の反応性イソシアネート基を有する組成物。
【請求項15】
成分D)として、少なくとも20の酸価を備える硫酸、酢酸、安息香酸、マロン酸、テレフタル酸、フタル酸、コポリエステルおよび/またはコポリアミドが含まれることを特徴とする、請求項1〜14の少なくとも一項に記載の反応性イソシアネート基を有する組成物。
【請求項16】
成分E)として、20〜500mgKOH/gのOH価および250〜6000g/モルの平均分子量を備えるポリエステル、ポリエーテル、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテルおよび/またはポリカーボネートが含まれることを特徴とする、請求項1〜15の少なくとも一項に記載の反応性イソシアネート基を有する組成物。
【請求項17】
成分E)として、20〜150mgKOH/gのOH価および500〜6000g/モルの平均分子量を備えるヒドロキシル基含有ポリエステルが含まれることを特徴とする、請求項1〜16の少なくとも一項に記載の反応性イソシアネート基を有する組成物。
【請求項18】
成分E)として、ポリカルボン酸およびグリシド化合物の反応生成物が含まれることを特徴とする、請求項1〜17の少なくとも一項に記載の反応性イソシアネート基を有する組成物。
【請求項19】
成分E)として、分子量範囲250〜8500g/モルの、イソシアネート基に対して反応性であるヒドロキシル基を有するポリチオエーテル、ポリアセタール、ポリエポキシド、ポリエステルアミドおよび/またはポリウレタンが含まれることを特徴とする、請求項1〜18の少なくとも一項に記載の反応性イソシアネート基を有する組成物。
【請求項20】
成分E)として、少なくとも32g/モルの分子量のモノ−、ジ−および/またはポリオールが含まれることを特徴とする、請求項1〜19の少なくとも一項に記載の反応性イソシアネート基を有する組成物。
【請求項21】
A)対E)の当量比、したがってNCO/OH基の比率が>1、好ましくはNCO/OHが>1.5に達することを特徴とする、請求項1〜20の少なくとも一項に記載の反応性イソシアネート基を有する組成物。
【請求項22】
120〜130℃の温度範囲内における均質化によって、本質的に:
A)芳香族、脂肪族、(シクロ)脂肪族もしくは脂環式ジイソシアネート類および/またはポリイソシアネート類をベースとする、それらのNCO基は場合により部分的にヒドロキシル基および/またはアミン基を有する化合物と反応されており、全調製物に対して10〜99.8質量%にある、少なくとも1つのイソシアネート基を有する化合物と、
B)触媒としての、対イオンとしてハロゲンまたは有機もしくは無機酸アニオンもしくはヒドロキシドを備える、全調製物に対して0.1〜3質量%にある少なくとも1つの第4級アンモニウム塩および/または第4級ホスホニウム塩と、
C)補助触媒としての、エポキシド基を備える、全調製物に対して0.1〜5質量%にある少なくとも1つの化合物とを含有する反応性イソシアネート基を有する組成物を製造するための方法。
【請求項23】
本質的に:
A)芳香族、脂肪族、(シクロ)脂肪族もしくは脂環式ジイソシアネート類および/またはポリイソシアネート類をベースとする、それらのNCO基は場合により部分的にヒドロキシル基および/またはアミン基を有する化合物と反応されており、全調製物に対して10〜99.8質量%にある、少なくとも1つのイソシアネート基を有する化合物と、
B)触媒としての、対イオンとしてハロゲンまたは有機もしくは無機酸アニオンもしくはヒドロキシドを備える、全調製物に対して0.1〜3質量%にある少なくとも1つの第4級アンモニウム塩および/または第4級ホスホニウム塩と、
C)補助触媒としての、エポキシド基を備える、全調製物に対して0.1〜5質量%にある少なくとも1つの化合物とを含有する、反応性イソシアネート基を有する組成物からなる、請求項1〜21の少なくとも一項に記載の反応性イソシアネート基を有する組成物のコーティング材としての使用。
【請求項24】
プライマー、中間膜、上塗り剤、クリアラッカーまたはシーリング材としての、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
金属、合成樹脂、木材、繊維、ガラス、レザー、MDF(中密度ファイバーボード)もしくはその他の耐熱性下塗りのためのラッカーおよび接着剤組成物を製造するための、請求項23または24に記載の使用。
【請求項26】
A)芳香族、脂肪族、(シクロ)脂肪族もしくは脂環式ジイソシアネート類および/またはポリイソシアネート類をベースとする、それらのNCO基は場合により部分的にヒドロキシル基および/またはアミン基を有する化合物と反応されており、全調製物に対して10〜99.8質量%にある、少なくとも1つのイソシアネート基を有する化合物と、
B)触媒としての、対イオンとしてハロゲンまたは有機もしくは無機酸アニオンもしくはヒドロキシドを備える、全調製物に対して0.1〜3質量%にある少なくとも1つの第4級アンモニウム塩および/または第4級ホスホニウム塩と、
C)補助触媒としての、エポキシド基を備える、全調製物に対して0.1〜5質量%にある少なくとも1つの化合物からなる請求項1〜21の少なくとも一項に記載の反応性イソシアネート基を有する組成物を含む、コーティング材。
【請求項27】
本質的に
A)芳香族、脂肪族、(シクロ)脂肪族もしくは脂環式ジイソシアネート類および/またはポリイソシアネート類をベースとする、それらのNCO基は場合により部分的にヒドロキシル基および/またはアミン基を有する化合物と反応されており、全調製物に対して10〜99.8質量%にある、少なくとも1つのイソシアネート基を有する化合物と、
B)触媒としての、対イオンとしてハロゲンまたは有機もしくは無機酸アニオンもしくはヒドロキシドを備える、全調製物に対して0.1〜3質量%にある少なくとも1つの第4級アンモニウム塩および/または第4級ホスホニウム塩と、
C)補助触媒としての、エポキシド基を備える、全調製物に対して0.1〜5質量%にある少なくとも1つの化合物からなる反応性イソシアネート基を有する組成物を含む、金属コーティング組成物。
【請求項28】
本質的に
A)芳香族、脂肪族、(シクロ)脂肪族もしくは脂環式ジイソシアネート類および/またはポリイソシアネート類をベースとする、それらのNCO基は場合により部分的にヒドロキシル基および/またはアミン基を有する化合物と反応されており、全調製物に対して10〜99.8質量%にある、少なくとも1つのイソシアネート基を有する化合物と、
B)触媒としての、対イオンとしてハロゲンまたは有機もしくは無機酸アニオンもしくはヒドロキシドを備える、全調製物に対して0.1〜3質量%にある少なくとも1つの第4級アンモニウム塩および/または第4級ホスホニウム塩と、
C)補助触媒としての、エポキシド基を備える、全調製物に対して0.1〜5質量%にある少なくとも1つの化合物からなる反応性イソシアネート基を有する組成物を含む、木材コーティング組成物。
【請求項29】
本質的に
A)芳香族、脂肪族、(シクロ)脂肪族もしくは脂環式ジイソシアネート類および/またはポリイソシアネート類をベースとする、それらのNCO基は場合により部分的にヒドロキシル基および/またはアミン基を有する化合物と反応されており、全調製物に対して10〜99.8質量%にある、少なくとも1つのイソシアネート基を有する化合物と、
B)触媒としての、対イオンとしてハロゲンまたは有機もしくは無機酸アニオンもしくはヒドロキシドを備える、全調製物に対して0.1〜3質量%にある少なくとも1つの第4級アンモニウム塩および/または第4級ホスホニウム塩と、
C)補助触媒としての、エポキシド基を備える、全調製物に対して0.1〜3質量%にある少なくとも1つの化合物からなる反応性イソシアネート基を有する組成物を含む、レザーコーティング組成物または繊維コーティング組成物。
【請求項30】
本質的に
A)芳香族、脂肪族、(シクロ)脂肪族もしくは脂環式ジイソシアネート類および/またはポリイソシアネート類をベースとする、それらのNCO基は場合により部分的にヒドロキシル基および/またはアミン基を有する化合物と反応されており、全調製物に対して10〜99.8質量%にある、少なくとも1つのイソシアネート基を有する化合物と、
B)触媒としての、対イオンとしてハロゲンまたは有機もしくは無機酸アニオンもしくはヒドロキシドを備える、全調製物に対して0.1〜3質量%にある少なくとも1つの第4級アンモニウム塩および/または第4級ホスホニウム塩と、
C)補助触媒としての、エポキシド基を備える、全調製物に対して0.1〜5質量%にある少なくとも1つの化合物からなる反応性イソシアネート基を有する組成物を含む、合成樹脂コーティング組成物またはガラスコーティング組成物。
【請求項31】
自動車のボディ、オートバイおよび自転車、建築部材および家庭用器具のための、請求項27に記載の金属コーティング組成物。
【請求項32】
成分D)〜G)のうちの少なくとも1つが含まれることを特徴とする、請求項27〜31の一項に記載のコーティング組成物。
【請求項33】
請求項2〜21の少なくとも一項に記載のこれらの化合物が含まれることを特徴とする、請求項27〜32の一項に記載のコーティング組成物。

【公表番号】特表2011−510105(P2011−510105A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538562(P2010−538562)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【国際出願番号】PCT/EP2008/066996
【国際公開番号】WO2009/080479
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】