説明

反応性ガス発生器においてプラズマに点火しこれを維持するための電力供給方法および装置

【課題】プラズマに点火しこれを維持するために電力を供給する従来の技法では、電力用半導体デバイスに対する損傷を防止するための回路を含むが、費用がかかり、信頼性が低い。
【解決手段】第1の態様によれば、反応性ガス発生器においてプラズマに点火するために電力を供給する電源および方法を提供し、(i)共振インダクタ(110)と、切換電源(60)と変圧器(30)との間にある共振キャパシタ(120)とを備えている直列共振回路(100)を結合するステップであって、変圧器が変圧器一次コイル(32)とプラズマ二次コイル(36)とを有する、ステップと(ii)共振キャパシタから変圧器の一次コイル間に実質的な共振AC電圧を供給することにより、変圧器一次コイル内に実質的な共振電流を誘導してプラズマ二次コイルを発生するステップと、(iii)プラズマ二次コイルの発生時に、共振インダクタが切換電源に流入する電流を制限するステップとを含む。別の態様によれば、プラズマの点火において補助するために、誘導性エネルギ結合と合わせて双極高電圧点火電極を用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、イオン、遊離基、原子、および分子を含有する反応性ガスの発生という分野に関し、反応性ガス発生器においてプラズマに点火するための電力供給装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ放電は、ガスを励起させ、イオン、遊離基、原子、および分子を含有する反応性ガスを生成するために用いられる。反応性ガスは、半導体ウェハのような固体材料、粒状物、およびその他のガスの処理を含む、多数の工業および科学的用途において用いられている。
【0003】
反応ガスの一例に原子状フッ素があり、基板表面上に薄膜を堆積するための化学蒸着(CVD)チェンバを清浄化するために用いることができる。CVDチェンバは、基板表面以外のチェンバ部分の表面上に積み重なる堆積物を除去するために定期的に清浄化する必要がある。チェンバの湿式清浄は、労働集約的であり、しかも作業者にとって有害であるのに対して、プラズマ源が発生する原子状フッ素を用いてチェンバを清浄化すると、チェンバを大気に解放することなく、堆積物を除去することができ、ツールの生産性および作業条件が改善する。原子状フッ素用の典型的な原料ガスは、NF、CF、CHF、C、およびCのような、フッ素化合物を含む。
【0004】
反応性ガスの別の例に、原子状酸素があり、これは微細電子製作においてフォトレジストの除去に用いることができる。パターン発生後、ウェハ表面を、プラズマ源が発生した原子状酸素に露出することによって、フォトレジストを除去する。原子状酸素は、フォトレジストと急速かつ選択的に反応するので、プロセスを真空および比較的低い温度で行うことが可能になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プラズマは、電源から、プラズマに変換することができるガスへのエネルギの誘導性結合によって発生することができる。プラズマに点火しこれを維持するために電力を供給する既知の技法では、プラズマ点火の際に電力用半導体デバイスに対する損傷を防止するための回路を含む。しかしながら、このような技法は、一般に、費用がかかり、信頼性が低い。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、反応性ガス発生器においてプラズマに点火しこれを維持するために電力を供給する方法および電源を特徴とする。特定的な実施形態の利点には、コストを削減し、信頼性および信頼性を高めて、電力用半導体デバイスに対する損傷を防止することが含まれる。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、反応性ガス発生器においてプラズマに点火するための電源および方法を提供し、(i)共振インダクタと共振キャパシタとを備えている直列共振回路を、切換電源と変圧器との間に結合するステップであって、変圧器が変圧器一次コイルとプラズマ二次コイルとを有する、ステップと、(ii)共振キャパシタから変圧器の一次コイルに、実質的な共振AC電圧を供給することにより、プラズマ二次コイルを発生するために変圧器一次コイルにおいて実質的な共振電流を誘導させるステップと、(iii)プラズマ二次コイルの発生時に、共振インダクタが、切換電源に流入する電流を制限するステップと含む。
【0008】
特定的な実施形態は、更に、切換電源から直列共振回路間に第1AC電圧を供給するステップであって、第1AC電圧の周波数が、直列共振回路の実質的な共振周波数である、ステップと、第1AC電圧に応答して、共振キャパシタから変圧器の一次コイルに実質的な共振AC電圧を供給することにより、変圧器の一次コイルに実質的な共振電流を誘導してプラズマ二次コイルを発生するステップと、切換電源からの第1AC電圧の周波数を、直列共振回路の実質的な共振周波数よりも高い周波数に変調し、プラズマ二次コイルの発生後に切換電源に流入する電流を更に制限するステップとを含むことができる。
【0009】
特定的な実施形態は、共振キャパシタと直列な1つ以上の共振インダクタを含む直列共振回路を設け、共振キャパシタを変圧器の一次コイルと並列に結合する、ステップと、プラズマ二次コイルの発生時に、1つ以上のインダクタを通じて切換電源に流入する電流を制限するステップとを含むことができる。このような実施形態では、前述の方法は、切換電源から直列共振回路間に第1AC電圧を供給するステップであって、第1AC電圧の周波数が、直列共振回路の実質的な共振周波数である、ステップと、第1AC電圧に応答して、共振キャパシタから変圧器の一次コイル間に実質的な共振AC電圧を供給することにより、変圧器の一次コイルに実質的な共振電流を誘導してプラズマ二次コイルを発生するステップと、切換電源からの第1AC電圧の周波数を直列共振回路の実質的な共振周波数よりも高い周波数に変調し、プラズマ二次コイルの発生後に1つ以上のインダクタを通じて切換電源に流入する電流を更に制限するステップとを含むことができる。
【0010】
また、特定的な実施形態は、1つ以上の共振インダクタと共振キャパシタとの間、または共振キャパシタと変圧器との間に直列に結合された第2キャパシタを更に含む直列共振回路を設けるステップであって、第2キャパシタがDC遮断キャパシタまたは第2共振キャパシタである、ステップも含むことができる。
【0011】
更に、特定的な実施形態は、プラズマ二次コイルを収容するプラズマ・チェンバを設けるステップと、変圧器の一次コイルからプラズマ二次コイルに、プラズマ・チェンバの一部を包囲する磁気コアと変圧器の一次コイルとを通じて、電束を結合するステップと、入力ガスを反応性ガスに変換するために、入力ガスをプラズマ二次コイルに通過させるステップとを含むことができる。
【0012】
本発明の第2の態様によれば、反応性ガス発生器においてプラズマに点火するための電源および方法を提供し、(i)変圧器一次コイルを有する変圧器を設けるステップであって、変圧器一次コイルが中央タップまたは実質的な中央タップを有する、ステップと、(ii)変圧器一次コイルの第1リードおよび第2リードを規定するために、一次コイルの中央タップを接地するステップと、(iii)第1リードをプラズマ本体の周囲にある第1位置に位置する第1点火電極に結合し、第2リードをプラズマ本体の周囲にある第2位置において第1点火電極と対向する第2点火電極に結合するステップと、(iv)第1極性の電圧を第1リードに印加し、第2極性の電圧を第2リードに印加することにより、第1および第2電極間の断面区域を電界束が横断し、プラズマ本体を発生するステップとを含む。
【0013】
更に、特定的な実施形態は、(v)プラズマ本体を収容するプラズマ・チェンバを設けるステップと、(vi)第1リードをプラズマ・チェンバの外面上にある第1点火電極に結合し、第2リードをプラズマ・チェンバの外面上にあり第1点火電極と対向する第2点火電極に結合するステップと、(vii)第1極性の電圧を第1リードに供給し、第2極性の電圧を第2リードに印加することにより、第1および第2電極間においてプラズマ・チェンバの断面区域を電界束が横断し、プラズマ本体を発生するステップとを含むことができる。
【0014】
本発明の以上のおよびその他の目的、特徴、ならびに利点は、添付図面に図示した本発明の好適な実施形態を更に特定した以下の説明から明らかとなろう。図面において、同様の参照番号は、種々の図全体を通じて、同じ部分を示すこととする。図面は、必ずしも、同一の拡縮率ではなく、本発明の原理を示す際には、逆に、強調されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、反応性ガス発生器においてプラズマに点火しこれを維持するために電力を供給する方法および電源を特徴とする。特定的な実施形態の利点には、コストを削減し、信頼性および信頼性を高めて、電力用半導体デバイスに対する損傷を防止することが含まれる。
【0016】
図1は、本発明の実施形態を適用することができる反応性ガス発生装置を示す図である。図示のように、反応性ガス発生器1は、電源10と、プラズマ・チェンバ20とを含む。プラズマ・チェンバ20は、プラズマ(例えば、Ar+)に変換するためのガス(例えば、アルゴン)を受ける入口40を含む。一旦発生すると、プラズマを直接使用してもよいし、あるいは1つ以上の原料ガスを励起して対応する反応性ガスとするために用いることもでき、この反応性ガスが出口42において発生器から出射し、例えば、プロセス・チェンバ45に進入する。
【0017】
プラズマに点火するために、電源10は変圧器30を含む。変圧器の一次コイルは、磁気コア34の一部の周囲に巻回されている一次巻線32を含む。電源10からのエネルギは、変圧器の一次コイルを通じて、チェンバ20を貫通して移動するガスに誘導的に結合されて、プラズマに点火するか、またはこれを発生する。プラズマ・チャンバ20内において点火したプラズマは、変圧器の二次コイルとしての役割を果たす。具体的には、電源10は、変圧器の一次巻線32間に大振幅(high magnitude)の励起電圧を印加する。この高励起電圧は、巻線32内に高電圧電流を誘導することによって、ガスの通路を横切って、磁気コア34を貫通する交流磁界を発生する。その結果、ガス内部に電流が誘導され、プラズマ内部への点火が生じる。一旦プラズマが発生したなら、他の原料ガスを励起するためにプラズマを用いることができ、特定の用途に合った所望の反応性ガスを生成することができる。
【0018】
図2Aおよび図2Bは、プラズマに点火しこれを維持するために電力を供給する既知の電源構成を表す回路図である。変圧器のプラズマ二次コイル36は、インダクタンスLおよび抵抗Zを有する等価回路として表すことができる。双方の構成において、電源は、高励起電圧を変圧器の一次コイル32に供給するために直列共振回路50を含む。具体的には、直列共振回路50は、一次巻線32を共振インダクタとして用い、共振キャパシタ54を切換電源60および一次巻線42の間に直列に結合することによって、形成されている。共振回路50の共振周波数またはそれに近い周波数を有する切換電源60からの励起電圧Vに応答して、共振電圧または実質的な共振電圧VRESが、変圧器30の一次巻線間に印加され、既に説明したように、プラズマの点火を誘起するために、一次巻線32において高電圧、共振電流IRESを含む。
【0019】
プラズマの印加に先立ち、図2Aおよび図2Bにおける一次巻線32のインダクタンスは、この高電圧共振電流IRESを、切換電源60に返流する際における安全動作レベルに制限する。しかしながら、一旦プラズマが点火すると、一次巻線32のインダクタンスは低下し(例えば、事実上短絡させる)、余分な電流が切換電源60に流れ込むことを可能にする。また、インダクタンスの低下により、この動作周波数における負荷は容量性となり、当業者にはお分かりのことであるが、AC電源において、大きな変形応力を有する過酷な遷移を生ずる。高電流および過酷な遷移双方は、潜在的な危害となり得るものであり、電源の構成半導体デバイス(例えば、FET、MOSFET、IGBT等)に対する損傷の原因となる。ここで用いる場合短絡電流とは、プラズマの点火時における巻線のインダクタンス低下の結果一次巻線を通過する電流の増大であればいずれでも当てはまる。プラズマ点火の後高回路電流を制限するために、図2Aの回路は、共振キャパシタ54を跨いで橋架した、制御可能なリレー56を含む。動作において、このリレー56は、プラズマの点火中には開放となり、共振キャパシタ54を回路に結合し、プラズマ点火の後に閉鎖して、回路からキャパシタ54を切断する。キャパシタ54を回路から切断することにより、共振電圧VRESは一次巻線32間にかかるソース励起電圧Vまで低下し、その結果一次巻線内に誘導する電流および電源60に環流する電流が減少する。また、リレーがキャパシタを能動回路から除去するので、負荷はもはや容量性ではなくなる。このため、切換電源内部における半導体損傷の可能性が低下する。
【0020】
しかしながら、この電源構成の欠点は、リレー56を必要とするために回路に伴う高コスト、ならびにリレー56およびプラズマ点火検出回路(図示せず)の時間遅延または潜在的な故障の可能性を含む。プラズマ点火の検出をし損ねた場合または検出が遅れた場合、短絡電流IRES+が電源に返流し、損傷の原因となる可能性がある。この回路では、励起電圧を供給する電力ハンド対に対する破壊的な損傷を回避するために、非常に速い電子部品の応答が必要となる。
【0021】
図2Bに関して、ソース励起電圧の周波数変調を用いて、高回路電流IRES+を制限する。具体的には、切換電源60が周波数変調を利用して、可変周波数の励起電圧Vを供給し、切換電源に返流する電流を制御する。プラズマ点火に先立ち、切換電源60は、直列共振回路50の共振周波数またはそれに近い周波数を有するソース励起電圧Vを供給する。一旦プラズマ点火が検出されたなら、周波数変調コントローラ80が励起電圧Vの周波数を調節して共振周波数から遠ざけ、一次巻線32に印加される電圧VRESの振幅を減少させ、こうして切換電源60に返流する電流を減少させる。
【0022】
ソース励起電圧の周波数を制御することにより、この回路は、リレーを必要とせずに、一次巻線32を通過する電流を制御することができる。しかしながら、それでもなお図2Aの回路と同様、プラズマ点火の検出をし損ねた場合、または検出が遅れた場合、高回路電流IRES+が電源に返流し、半導体損傷が起こる可能性があることに変わりはない。安全な動作に求められる周波数範囲は、回路要素の能力を超える場合もある。また、この回路は、励起電圧を供給する電力用半導体に対する破壊的な損傷を回避するためには、非常に速い電子部品の応答を必要とする。
【0023】
本発明は、反応性ガス発生器においてプラズマに点火しこれを維持するために電力を供給する方法および電源を特徴とする。特定的な実施形態の利点には、コストを削減し、信頼性および信頼性を高めて、電力用半導体デバイスに対する損傷を防止することが含まれる。
【0024】
図3Aは、反応性ガス発生器においてプラズマに点火しこれを維持するために電力を供給する電源を示す回路図である。この実施形態では、電源は、切換電源60と、一次巻線32、磁気コア34、およびプラズマ二次コイル36を備えている変圧器30とを含む。直列共振回路100を切換電源60によって駆動し、切換電源60および変圧器30と並列に、そのキャパシタと結合する。直列共振回路は、LC回路を含み、LC回路は、共振キャパシタ120と直列に共振インダクタ110を有する。一方、共振キャパシタ120は、一次巻線32と並列に結合されている。共振インダクタ110および共振キャパシタ120は、ロー・パス・フィルタ・ネットワークを形成する。
【0025】
動作において、切換電源60は、"Control Circuit for Switching Power Supply"(切換電源用制御回路)と題する米国特許出願第11/077,555に記載されているように、当技術分野では周知の半ブリッジまたは全ブリッジ電力変換器とすることができる。この特許出願の内容全体は、ここで引用したことにより、本願にも含まれるものとする。電源60は、直列共振回路の共振周波数または実質的にその周波数を有するAC励起電圧Vを供給する。一実施形態では、励起電圧の周波数は、共振インダクタンスおよび容量の共振周波数よりも高い。電流および電力が大きい程、周波数は共振に近づく。電流および電力が小さい程、周波数は共振から遠ざかる。通例、要求範囲全域において生ずる周波数のシフトは、共振周波数の50%未満である。点火がない回路について、Qファクタが10とすると、電流のシフトは最大値の小さな端数(10%よりも遥かに小さい)程度となる。実際には、点火中における共振電流の指令値は、定常状態のプラズマ動作に必要とされる値の1.5から3倍であることが好ましい。
【0026】
励起電圧Vを直列共振回路100に印加して、共振回路に実質的な共振AC電圧VRESを変圧器の一次コイルに供給させ、変圧器の一次コイルに実質的な共振電流IRESを誘導し、プラズマに点火する。
【0027】
発生したプラズマ36は、変圧器30の二次コイルとしての役割を果たす。プラズマ二次コイルは、インダクタンスLおよびリアクタンスZを有する等価回路によって表すことができる。しかしながら、プラズマ二次コイル36は実際には、プラズマ・チェンバ内部の立体空間を横断するプラズマの本体であることは言うまでもない。プラズマ・チェンバ20は、円環形状、または円環状のガス流を生ずるその他の形状に製造することができる。
【0028】
一旦プラズマが点火すると、短絡電流は切換電源60に流れなくなる。逆に、プラズマ点火後、変圧器30の一次巻線32のインダクタンスは減少するが、直列共振回路100の共振インダクタ110は、ロー・パス・フィルタとしての役割を果たし続け、一次巻線32を通過する電流を、切換電源60への返流に合わせた安全動作レベルに制限する。また、キャパシタ120を跨る変圧器を通じて反映されるプラズマ・インピーダンス低下の効果により、誘導性負荷が生じ、大きな変形応力を有する過酷な遷移を回避する。つまり、高電流による電源60内にある構成半導体デバイスに対する損傷を実質的に防止する。この実施形態の利点には、リレー構成要素がなくなることによるコスト低減、およびプラズマ点火を検出したか否かには関係なく回路が電流を制限できることによる信頼性の向上が含まれる。
【0029】
図3Bは、別の実施形態にしたがって、反応性ガス発生器においてプラズマに点火しこれを維持するために電力を供給する電源を示す回路図である。ここに示す図では、電源は、回路が1つ以上の追加のキャパシタ122を共振キャパシタ120と直列に含むことを除いて、図3Aの電源と同様である。これら追加のキャパシタは、インダクタと元からの共振キャパシタとの間、または元からの共振キャパシタと変圧器との間に配置するとよく、DC遮断キャパシタまたは追加の共振キャパシタとしての役割を果たすことができる。また、この回路は、追加の共振インダクタ112も含み、共振キャパシタ120と直列に結合されており、プラズマ点火の最中に補助し、プラズマ点火後に電源に環流する電流を制限する。
【0030】
別の実施形態によれば、図3Aおよび図3Bの電源は、コントローラ140を含むことができる。コントローラ140は、更に、プラズマ点火の検出に応答して、電流および電力のプラズマ・ガス内への流れを制御するために用いることができる。図示の実施形態では、コントローラ140は、信号を切換電源60に供給し、この電源に、AC励起電圧Vの周波数および/またはデューティ・サイクルを変調させ(例えば、パルス幅変調即ちPWM)、その結果、電源回路内に所望の電流が流れ込むようにすることができる。所望の電流は、コントローラ140に入力する基準電流REFを設定することによって構成することができる。コントローラ140は、(i)回路における1箇所以上の所定の位置(例えば、位置A、B)において電流を検知し、(ii)それを基準電流と比較し、(iii)切換電源60に制御信号を送り、既知の周波数変調またはパルス幅変調技法を用いて、電源の動作周波数またはデューティ・サイクルに対して調節を行う。
【0031】
例えば、一旦ガスが点火してプラズマが発生すると、変圧器のインダクタンスが減少し、余分な電流を一次巻線に流入させる。この状態を、地点AまたはBにおいて電流センサによって検出し、コントローラ140にフィードバックして、周波数を共振周波数から遠ざけ、プラズマ流の維持および電源の安全な動作に適した周波数にシフトする。周波数が上昇すると、共振インダクタの作用によって電流量が減少する。これによって、回路のいずれかの位置においてこのパラメータを検知することにより、電流または電力流を調整し、ガスの励起の所望レベルを達成するために周波数を調節する手段が得られる。あるいは、または周波数変調と合わせて、パルス幅変調(PWM)も用いて、切換電源のデューティ・サイクルを調節し、調整のダイナミック・レンジ拡大を達成することもできる。特定的な実施形態によれば、低出力電流はパルス幅変調(PWM)によって調整することができ、一方電力はパルス周波数変調(PFM)によって調整することができる。あるいはその逆も可能である。このようにPFMおよびPWMを組み合わせて用いることによって、電力変換システム全体に対する調整のダイナミック・レンジが拡大することになる。PFMおよびPWMを組み合わせて用いることによる別の利点は、PFMのみによる調整では変調周波数がメガヘルツ範囲に近くなければならないのとは異なり、低電流または電力において切換電源内にあるMOSFETのボディ・ダイオード(body diode)に対する回復応力(recovery stress)が減少することである。
【0032】
本発明の別の態様によれば、プラズマ点火において補助するために、誘導性エネルギ結合と共に、双極高電圧点火電極を用いることができる。好ましくは、点火電極は、プラズマ・チャンバ内部またはその周囲に配して、チェンバ内部においてエネルギをガス流に容量的に結合し、プラズマに点火しこれを維持する。プラズマに点火しこれを維持するために点火電極に加える電圧は、通例、高電圧点火コントローラによって制御する。一旦プラズマが発生したなら、図1から図3Bにおいて既に説明したように、インダクタンスを通じて結合されるエネルギは、プラズマ状態を維持するのに十分となり、点火電極を不能化する、言い換えると「オフに切り換える」ことができる。
【0033】
図4Aおよび図4Bは、先行技術による高電圧点火コントローラおよび対応する点火電極の配列を示す図である。具体的には、高電圧点火コントローラ200は、変圧器30の磁気コア34の一部の周囲に巻回した巻線210の形態とした、第2変圧器一次コイルを含む。電源10が一次巻線32間に励起電圧を供給すると、巻線比に応じて第2変圧器一次コイル210内に電流が誘導される。巻線の第1リード210aは接地されており、一方第2リードは、プラズマ・チェンバ30の周囲または内部に配列された1つ以上の電力230に切換可能に接続されている。プラズマ点火の間、コントローラ200のリレー220は閉じているので、第2リード210bからの電圧を1つ以上の点火電極230に印加することができる。一旦プラズマが点火したなら、リレー220を開放し、容量性放電を不能化する。
【0034】
図4Bは、チェンバ250内においてプラズマ・チェンバ即ちチャネルの断面の周囲に位置付けられた点火電極の典型的な配列を示す。具体的には、点火電極230a、230bは、プラズマ・チェンバ250の対向する両側に位置付けられ、第2一次巻線210bの第2リードに切換可能に接続されており、その結果、双方の電極が同じ極性を有することになる。接地電極240a、240bも、プラズマ・チェンバ即ちチャネル250の対向する両側に、点火電極230a、230b間でずらして位置づけられている。
【0035】
高電圧点火コントローラ200がリレー220に点火電極を接続するように指令すると、第2リード210bにおける電圧が双方の電極230に印加され、点火電極230と接地電極240との間に、図示のように、空間的に制限された電界が発生する。この制限された電界、即ち、フリンジ・フィールド(fringe field)のために、チェンバ内部におけるある種のガス流および圧力条件の下で、プラズマに点火し損なう可能性があり、または点火をプラズマの塊の中に伝搬し損なう可能性がある。つまり、これらの場合、プラズマに点火するためには、電界を強くする必要がある。先行技術の技法では、必要十分な電束を発生するためには、点火電極230に印加する電圧を高めることを伴うために、絶縁性を高めそれに関係するコストが上昇する。
【0036】
本発明の第2の態様は、第2一次巻線に接続した中央接地タップの使用により、この問題に取り組む。中央接地タップの使用により、第2一次巻線から延出するリードが双極となり、したがって正の点火電極および負の点火電極を設けることが可能になる。正および負の点火電極を、これらが互いに対向するように配置することにより、プラズマ・チェンバ即ちチャネル全域に実現することができる電束の量が増大する。この結果、プラズマ・ガスに点火するために必要十分な量の電束を発生するのに要求される、接地への電圧が低下する。
【0037】
図5Aおよび図5Bは、一実施形態による高電圧点火コントローラおよび対応する点火電極の配列を示す図である。具体的には、高電圧点火コントローラ300は、変圧器30の磁気コア34の一部の周囲に巻回された巻線310の形態とした、第2変圧器一次コイルを含む。第2変圧器一次コイル310は、中央タップまたは実質的に中央にあるタップ310cを含む。タップ310cは接地されており、第1極性を有する第1リード310a、および第1極性とは異なる第2極性を有する第2リード310bを規定する。
【0038】
例えば、電源10が一次巻線32間に励起電圧を供給すると、第2一次巻線310内部に電流が誘導され、負極性の電圧−Vを第1リード310aに供給することができ、正極性の電圧V+を第2リード310bに印加することができることになる。例えば、電極の寿命を延長するために望ましい場合、第1リード310aおよび第2リード310bを双方共、切換可能にそれぞれの点火電極330a、330bに、リレー320a、320bを通じて接続する。
【0039】
この図示した実施形態では、第1リード310aはプラズマ・チェンバ350の外面上にある第1点火電極330aに結合されており、第2リード310bは、プラズマ・チェンバ350の外面上にあり第1点火電極330aに対向する、第2点火電極330bに結合されている。接地電極240a、240bも、プラズマ・チェンバ即ちチャネル300の対向する両側に、点火電極330a、330bの間でずらして位置づけられている。
【0040】
プラズマ点火の間、コントローラ300のリレー320a、302bは閉じているので、第1リード310aの正電圧および第2リード310bの負電圧がそれぞれの点火電極330a、330bに供給され、その結果強い電界束が、第1および第2電極間にあるプラズマ・チェンバ即ちチャネル350の断面区域を横断して、プラズマ二次コイルを発生する。一旦プラズマが点火したなら、リレー320a、320bを開放して、容量性放電を不能化することができる。
【0041】
図6Aおよび図6Bは、プラズマ・チェンバの周囲における点火電極の特定的な配列を示す模式図である。図6Aは、点火電極415a、415b、415c、および415dを有するプラズマ・チェンバの外面410の図を表す。各電極には、正または負の極性が関連付けられている。図6Bを参照すると、プラズマ・チェンバの三次元図が示されており、図6Aの外面410は、対向する外面420を有する。図6Bは、チェンバ450の対向面420が点火電極425a、425b、425c、および425dを含み、これらの電極が有する極性が表面の電極の極性に直接対向することを示す。このような構成によれば、プラズマ点火の間対向する面410、420上の双極電極間において、プラズマ・チェンバ内部で強い電界束を発生することができる。その結果、プラズマ・ガスに点火するための電束の必要十分な量が、点火電極に印加する電圧において、対応する増大を伴わずに、実現することができる。
【0042】
以上、回路図の例に関して本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるのではない。更に、本発明の他の実施形態は、混成回路、ディスクリート回路、MOSFET、IGBT、および当業者には周知のその他の使用を含む、代替となる実施態様の詳細を含んでもよい。
【0043】
以上、本発明について、その好適な実施形態を参照しながら特定的に示し説明したが、添付した特許請求の範囲によって包含される本発明の範囲から逸脱することなく、形態および詳細における種々の変更が可能であることは、当業者には言外であろう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、本発明の実施形態を適用することができる、反応性ガス発生器を示す図である。
【図2A】図2Aは、プラズマに点火しこれを維持するために電力を供給する既知の電源構成を示す回路図である。
【図2B】図2Bは、プラズマに点火しこれを維持するために電力を供給する既知の電源構成を示す回路図である。
【図3A】図3Aは、一実施形態にしたがって反応性ガス発生器においてプラズマに点火しこれを維持するために電力を供給する電源を示す回路図である。
【図3B】図3Bは、別の実施形態にしたがって反応性ガス発生器においてプラズマに点火しこれを維持するために電力を供給する電源を示す回路図である。
【図4A】図4Aは、従来技術による、高電圧点火コントローラおよび対応する点火電極の配列を示す図である。
【図4B】図4Bは、従来技術による、高電圧点火コントローラおよび対応する点火電極の配列を示す図である。
【図5A】図5Aは、一実施形態による、高電圧点火コントローラおよび対応する点火電極の配列を示す図である。
【図5B】図5Bは、一実施形態による、高電圧点火コントローラおよび対応する点火電極の配列を示す図である。
【図6A】図6Aは、プラズマ・チェンバ周囲における点火電極の特定的な配列を示す模式図である。
【図6B】図6Bは、プラズマ・チェンバ周囲における点火電極の特定的な配列を示す模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応性ガス発生器においてプラズマに点火するための電力供給方法であって、
共振インダクタと共振キャパシタとを備えている直列共振回路を、切換電源と変圧器との間に結合するステップであって、前記変圧器が変圧器一次コイルとプラズマ二次コイルとを有する、ステップと、
前記共振キャパシタから前記変圧器の一次コイルに、実質的な共振AC電圧を供給することにより、前記プラズマ二次コイルを発生するために前記変圧器一次コイルにおいて実質的な共振電流を誘導させるステップと、
前記プラズマ二次コイルの発生時に、前記共振インダクタが、前記切換電源に流入する電流を制限するステップと、
を備えている、方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、更に、
前記切換電源から前記直列共振回路間に第1AC電圧を供給するステップであって、前記第1AC電圧の周波数が、前記直列共振回路の実質的な共振周波数である、ステップと、
前記第1AC電圧に応答して、前記共振キャパシタから前記変圧器の一次コイルに前記実質的な共振AC電圧を供給することにより、前記変圧器の一次コイルに前記実質的な共振電流を誘導して前記プラズマ二次コイルを発生するステップと、
前記切換電源からの第1AC電圧の周波数を、前記直列共振回路の実質的な共振周波数よりも高い周波数に変調し、前記プラズマ二次コイルの発生後に前記切換電源に流入する電流を更に制限するステップと、
を備えている、方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法であって、更に、前記共振キャパシタと直列な1つ以上の共振インダクタを含む前記直列共振回路を設け、前記共振キャパシタを前記変圧器の一次コイルと並列に結合する、ステップと、
前記プラズマ二次コイルの発生時に、前記1つ以上のインダクタを通じて前記切換電源に流入する電流を制限するステップと、
を備えている、方法。
【請求項4】
請求項3記載の方法であって、更に、
前記1つ以上の共振インダクタと前記共振キャパシタとの間、または前記共振キャパシタと前記変圧器との間に直列に結合された第2キャパシタを更に含む前記直列共振回路を設けるステップであって、前記第2キャパシタがDC遮断キャパシタまたは第2共振キャパシタである、ステップを備えている、方法。
【請求項5】
請求項3記載の方法であって、更に、
前記切換電源から前記直列共振回路間に第1AC電圧を供給するステップであって、前記第1AC電圧の周波数が、前記直列共振回路の実質的な共振周波数である、ステップと、
前記第1AC電圧に応答して、前記共振キャパシタから前記変圧器の一次コイル間に前記実質的な共振AC電圧を供給することにより、前記変圧器の一次コイルに前記実質的な共振電流を誘導して前記プラズマ二次コイルを発生するステップと、
前記切換電源からの第1AC電圧の周波数を前記直列共振回路の実質的な共振周波数よりも高い周波数に変調し、前記プラズマ二次コイルの発生後に前記1つ以上のインダクタを通じて前記切換電源に流入する電流を更に制限するステップと、
を備えている、方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、前記切換電源が半ブリッジ反転器である、方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法において、前記切換電源が全ブリッジ反転器である、方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法であって、更に、
第2変圧器の一次コイルを前記変圧器に結合するステップであって、前記第2変圧器の一次コイルが、中央タップまたは実質的な中央タップを有する、ステップと、
前記第2変圧器の一次コイルの第1リードおよび第2リードを規定するために、前記第2変圧器の一次コイルの中央タップを接地するステップと、
前記第1リードを前記プラズマ二次コイルの周囲にある第1位置に位置する第1点火電極に結合し、前記第2リードを前記プラズマ二次コイルの周囲にある第2位置において前記第1点火電極と対向する第2点火電極に結合するステップと、
第1極性の電圧を前記第1リードに印加し、第2極性の電圧を前記第2リードに印加することにより、前記第1および第2電極間の断面区域を電界束が横断し、前記プラズマ二次コイルを発生するステップと、
を備えている、方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法であって、更に、
前記プラズマ二次コイルを収容するプラズマ・チェンバを設けるステップと、
前記第1リードを前記プラズマ・チェンバの外面上にある前記第1点火電極に結合し、前記第2リードを前記プラズマ・チェンバの外面上にあり前記第1点火電極と対向する第2点火電極に結合するステップと、
第1極性の電圧を前記第1リードに印加し、第2極性の電圧を前記第2リードに印加することにより、前記第1および第2電極間において前記プラズマ・チェンバの断面区域を電界束が横断し、前記プラズマ二次コイルを発生するステップと、
を備えている、方法。
【請求項10】
請求項1記載の方法であって、更に、
前記プラズマ二次コイルを収容するプラズマ・チェンバを設けるステップと、
前記変圧器の一次コイルから前記プラズマ二次コイルに、前記プラズマ・チェンバの一部を包囲する磁気コアと前記変圧器の一次コイルとを通じて、電束を結合するステップと、
入力ガスを反応性ガスに変換するために、前記入力ガスを前記プラズマ二次コイルに通過させるステップと、
を備えている、方法。
【請求項11】
反応性ガス発生器においてプラズマに点火するための電源であって、
切換電源と、
変圧器一次コイルとプラズマ二次コイルとを備えている変圧器と、
前記切換電源と前記変圧器一次コイルとの間に結合されている共振インダクタと共振キャパシタとを備えている直列共振回路であって、前記共振キャパシタが前記変圧器一次コイル間に実質的な共振AC電圧を供給することにより、前記プラズマ二次コイルを発生するために前記変圧器一次コイルにおいて実質的な共振電流を誘導させる、直列共振回路と、
を備えており、
前記プラズマ二次コイルの発生時に、前記共振インダクタが、前記切換電源に流入する電流を制限する、電源。
【請求項12】
請求項11記載の電源であって、更に、
コントローラを備えており、
前記切換電源は、前記直列共振回路間に第1AC電圧を供給し、前記第1AC電圧の周波数が、前記直列共振回路の実質的な共振周波数であり、
前記第1AC電圧に応答して、前記共振キャパシタが、前記変圧器の一次コイルに前記実質的な共振AC電圧を供給することにより、前記変圧器の一次コイルに前記実質的な共振電流を誘導して前記プラズマ二次コイルを発生し、
前記コントローラは、前記切換電源からの第1AC電圧の周波数を、前記直列共振回路の実質的な共振周波数よりも高い周波数に変調し、前記プラズマ二次コイルの発生後に前記切換電源に流入する電流を更に制限するために、信号を前記切換電源に供給する、電源。
【請求項13】
請求項11記載の電源において、前記直列共振回路は、
前記共振キャパシタと直列な1つ以上の共振インダクタを備えており、前記共振キャパシタが前記変圧器の一次コイルと並列に結合されており、
前記プラズマ二次コイルの発生時に、前記1つ以上のインダクタが前記切換電源に流入する電流を制限する、電源。
【請求項14】
請求項13記載の電源において、前記直列共振回路は、更に、
前記1つ以上の共振インダクタと前記共振キャパシタとの間、または前記共振キャパシタと前記変圧器との間に直列に結合された第2キャパシタ備えており、前記第2キャパシタがDC遮断キャパシタまたは第2共振キャパシタである、電源。
【請求項15】
請求項13記載の電源であって、更に、
コントローラを備えており、
前記切換電源は、前記直列共振回路間に第1AC電圧を供給し、前記第1AC電圧の周波数が、前記直列共振回路の実質的な共振周波数であり、
前記第1AC電圧に応答して、前記共振キャパシタが、前記変圧器の一次コイル間に前記実質的な共振AC電圧を供給することにより、前記変圧器の一次コイルに前記実質的な共振電流を誘導して前記プラズマ二次コイルを発生し、
前記コントローラは、前記切換電源からの第1AC電圧の周波数を前記直列共振回路の実質的な共振周波数よりも高い周波数に変調し、前記プラズマ二次コイルの発生後に前記1つ以上のインダクタを通じて前記切換電源に流入する電流を更に制限する、電源。
【請求項16】
請求項11記載の電源において、前記切換電源は半ブリッジ反転器を備えている、電源。
【請求項17】
請求項11記載の電源において、前記切換電源は全ブリッジ反転器を備えている、電源。
【請求項18】
請求項11記載の電源であって、更に、
前記変圧器に結合されている第2変圧器の一次コイルであって、該第2変圧器の一次コイルが、中央タップまたは実質的な中央タップを有する、第2変圧器の一次コイルと、
前記プラズマ二次コイルの周囲にある第1位置に位置する第1点火電極であって、前記第1リードに結合されている、第1点火電極と、
前記プラズマ二次コイルの周囲にある第2位置において前記第1点火電極と対向する第2点火電極であって、前記第2リードに結合されている、第2点火電極と、
を備えており、
前記第2変圧器の一次コイルは、第1極性の電圧を前記第1リードに印加し、第2極性の電圧を前記第2リードに印加することにより、前記第1および第2電極間の断面区域を電界束が横断し、前記プラズマ二次コイルを発生する、電源。
【請求項19】
請求項18記載の電源であって、更に、
前記プラズマ二次コイルを収容するプラズマ・チェンバを備えており、
前記第1リードは、前記プラズマ・チェンバの外面上にある前記第1点火電極に結合されており、前記第2リードは、前記プラズマ・チェンバの外面上にあり前記第1点火電極と対向する第2点火電極に結合されており、
前記第2変圧器の一次コイルは、第1極性の電圧を前記第1リードに供給し、第2極性の電圧を前記第2リードに印加することにより、前記第1および第2電極間において前記プラズマ・チェンバの断面区域を電界束が横断し、前記プラズマ二次コイルを発生する、電源。
【請求項20】
請求項11記載の電源において、前記プラズマ二次コイルを、プラズマ・チェンバ内部に収容する、電源。
【請求項21】
請求項20記載の電源であって、更に、
前記変圧器一次側コイルから前記プラズマ二次コイルに電束を結合するために、前記プラズマ・チェンバの一部および前記変圧器の一次コイルを包囲する磁気コアを備えている、電源。
【請求項22】
反応性ガス発生器においてプラズマに点火するための電力供給方法であって、
変圧器一次コイルを有する変圧器を設けるステップであって、前記変圧器一次コイルが中央タップまたは実質的な中央タップを有する、ステップと、
前記変圧器一次コイルの第1リードおよび第2リードを規定するために、前記一次コイルの中央タップを接地するステップと、
前記第1リードをプラズマ本体の周囲にある第1位置に位置する第1点火電極に結合し、前記第2リードを前記プラズマ本体の周囲にある第2位置において前記第1点火電極と対向する第2点火電極に結合するステップと、
第1極性の電圧を前記第1リードに印加し、第2極性の電圧を前記第2リードに印加することにより、前記第1および第2電極間の断面区域を電界束が横断し、前記プラズマ本体を発生するステップと、
を備えている、方法。
【請求項23】
請求項22記載の方法であって、更に、
前記プラズマ本体を収容するプラズマ・チェンバを設けるステップと、
前記第1リードを前記プラズマ・チェンバの外面上にある前記第1点火電極に結合し、前記第2リードを前記プラズマ・チェンバの外面上にあり前記第1点火電極と対向する第2点火電極に結合するステップと、
第1極性の電圧を前記第1リードに印加し、第2極性の電圧を前記第2リードに印加することにより、前記第1および第2電極間において前記プラズマ・チェンバの断面区域を電界束が横断し、前記プラズマ本体を発生するステップと、
を備えている、方法。
【請求項24】
請求項11記載の電源であって、更に、
コントローラを備えており、
前記切換電源は、前記直列共振回路間に第1AC電圧を供給し、前記第1AC電圧の周波数が、前記直列共振回路の実質的な共振周波数であり、
前記第1AC電圧に応答して、前記共振キャパシタが、前記変圧器一次コイル間に前記実質的な共振AC電圧を供給することにより、前記変圧器の一次コイルに前記実質的な共振電流を誘導して前記プラズマ二次コイルを発生し、
前記コントローラは、前記第1AC電圧のデューティ・サイクルを変調し、前記プラズマ二次コイルの発生後に前記切換電源に流入する電流を更に制限するために、信号を前記切換電源に供給する、電源。
【請求項25】
請求項1記載の方法であって、更に、
前記切換電源から前記直列共振回路間に第1AC電圧を供給するステップであって、前記第1AC電圧の周波数が、前記直列共振回路の実質的な共振周波数である、ステップと、
前記第1AC電圧に応答して、前記共振キャパシタから前記変圧器の一次コイルに前記実質的な共振AC電圧を供給することにより、前記変圧器の一次コイルに前記実質的な共振電流を誘導して前記プラズマ二次コイルを発生するステップと、
前記第1AC電圧のデューティ・サイクルを変調し、前記プラズマ二次コイルの発生後に前記切換電源に流入する電流を更に制限するステップと、
を備えている、方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate


【公表番号】特表2009−515300(P2009−515300A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539078(P2008−539078)
【出願日】平成18年11月3日(2006.11.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/043046
【国際公開番号】WO2007/056190
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(592053963)エム ケー エス インストルメンツ インコーポレーテッド (114)
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INCORPORATED