説明

反応性プラスチックからなる噴霧塗布の製造のための方法および装置

本発明は、反応性成分を、噴霧チャンネルにおいて複数の面において混合性ガスにより混合させる、反応性プラスチック材料からなる層および成形部品を製造するための方法に関する。さらに、本発明は、対応する方法を可能とする装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応性成分を、混合性ガスにより幾つかの面において噴霧チャンネルにおいて互いに混合させる、反応性プラスチック材料の層および成形部品を製造するための方法に関する。さらに、本発明は、このような方法を可能とする装置に関する。
【背景技術】
【0002】
成形部品を製造するための異なった反応性プラスチック材料の使用は、先行技術からよく知られる。反応性プラスチック材料を基材へ塗布する場合、噴霧は、通常、最適な塗布技術である。ポリウレタンをプラスチック材料として用いることが多いが、記載される技術は、他の反応性プラスチック材料へも適用可能である。
【0003】
Kunststoffhandbuch、第7巻、Polyurethane、Carl Hanser Verlagには、上記噴霧技術の種々の適用例が記載される。
【0004】
ポリウレタン加工では、液体反応成分の混合は、混合ヘッド中で行われ、高圧混合および低圧混合の間で区別することができる。両方の場合において、噴霧塗布は、下流の噴霧器系により達成される。
【0005】
低圧混合法では、反応成分を混合するのに必要な混合エネルギーは、動的撹拌器または静的混合装置により導入される。混合チャンバーの容積は、高圧混合に用いる混合ヘッドと比べて比較的大きく、混合プロセスの完了後に適当な洗浄剤または圧縮空気により清掃されなければならない。特に、高反応性ポリウレタン系を加工する場合、上記低圧混合ヘッドは、混合チャンバー堆積物が蓄積し、従って、長期操作後に詰まり易い設計関連の傾向を有する。
【0006】
高圧混合法では、反応成分の圧力エネルギーは、ノズルにより運動エネルギーへ変化される。成分がノズルから比較的小さい混合チャンバー中へ注入されることにより、運動エネルギーは、空間中で濃縮され、混合するために用いられる。混合チャンバーの清掃は機械吸引具により行われ、噴霧工程の短期間の中断が可能である。この優位性は、ロボット誘導噴霧工程において、一定な層厚みの形成に重要である高圧混合ヘッドの特徴である。なぜなら、移動速度は、ロボット進路の分岐点の直前で減少し、従って、表面積と材料出力との割合を変えるからである。噴霧塗布の短い中断の可能性は、分岐点を、噴霧すべき面積の外側領域へシフトさせることを可能とする。
【0007】
混合工程の下流の噴霧器系は、反応混合物を個々の液滴へと分割する働きをする。単一ノズル(無気高圧噴霧)および外部および内部混合を有する二重ノズル(圧力噴霧)が、噴霧に使用される。内部混合を有する二重ノズルの優位性は、二重ノズルが流れの比較的大きい断面積を有することであり、粗粒子を含有する液体を噴霧することもできる。他の優位性は、粘度または体積流量の変化が噴霧ジェットの形状についてあまり影響を及ぼさないことである。この特性は、固体を多く含んだポリウレタン系の下記の方法による加工性にかなり重要であるが、固体割合を可変的に調節する可能性は、大きな変化を粘度にもたらすからである。
【0008】
また、異なった噴霧系も先行技術に記載される。例えば、対応する流れチャンネルにおける空気および/またはガス注入開口は、US−A−3923253、DE102007016785A1またはUS−A−6131823から知られる。
【0009】
反応物を、必要に応じて2つの供給導管から混合管へ誘導する装置は、DE2700488A1から知られる。混合管は、多くのノズルB1、D1、B2およびD2を有し、高圧媒体は、例えばガスだけでなく、主液体流の成分も管へ導入し、主液体流と混合する。ノズルは、互いに反対に設置され、乱流が混合管に発生する。
【0010】
しかしながら、更なる成分を、反応性プラスチック材料と混合することが多くの用途に必要である。一方、これらは、生成物のより高い安定性を可能とする繊維であり得る。他の可能性のある添加剤としては、難燃剤、抗酸化剤、UV保護剤等が挙げられる。固体、液体および/または気体成分と反応混合物との混合は、異なった方法により先行技術に記載される。WO03/037528A2では、ポリオールおよびイソシアネート成分は、フィラーと共に混合ヘッド中で混合される。これは、ポリウレタン成分を、互いにだけでなく、フィラーとも混合することを可能とする。しかしながら、混合ヘッドがフィラーにより損傷することがある点で不利である。また、フィラー自体も、混合ヘッド中で起こり得るせん断力により損傷することがある。
【0011】
あるいは、添加剤を、混合後に反応混合物へ添加することもできる。これは、反応性プラスチック物質の噴霧ジェットと対応するフィラーの噴霧ジェットとを混合することにより行われることが多い。これは、例えばDE2517864A1、US−A−3302891、WO2009/052990A1またはEP1458494B1から知られる。そこに記載の方法では、混合ヘッドは、フィラーにより損傷することがない。また、フィラー自体も損傷がない。しかしながら、フィラーと反応混合物との湿潤は、不十分であることが多い。
【0012】
未だ未公開の特許出願PCT/EP2009/001007は、加圧ガスにより噴霧されたポリウレタン噴霧ジェットへ固体を導入するための新たに開発された方法を記載する。固体粒子の導入は、粒子キャリアとしての噴霧ガスにより噴霧付属品(反応ジェット)になお含まれる液体反応混合物へと行われる(反応ジェット)。上記方法が可能な装置は、例えば未だ未公開のPCT出願PCT/EP2009/003545に記載される。混合ヘッドの下流の一体化混合面を有する付属品より、ガス/固体混合物は、液体反応混合物へ接線方向に供給され、得られる回転ねじれにより混合され、その後にのみ多相混合物として噴霧ジェットとしての噴霧器より放出される。
【0013】
この方法が開発される以前は、内部混合を有する二重ノズルのガス流供給による固体の噴霧および混合は、ポリウレタン噴霧工程において提供されなかった。噴霧装置は、圧力噴霧器の機能を単に有するだけであり、噴霧装置における反応混合物の短い滞留時間ならびにデッドスペースのないバリアーフリーチャンネル形状が清浄性を維持するために好ましい。
【0014】
しかしながら、PCT/EP2009/001007に記載の方法によりそこに記載の噴霧装置を用いて行われる実験では、粒子の湿潤は、より高い固形分を処理する場合に不十分であり得ることが認められた。
【0015】
小さい粒度での高固形分は、大きい表面積を反応混合物へ提供するが、混合帯域における短い滞留時間のため、反応混合物と十分に混合および湿潤させることができない。さらに、高密度での固体粒子は、流れチャンネルの壁領域において遠心力により蓄積し、緻密化のため条件付きでのみ反応混合物と混合することができる。例えば100g/秒の混合物出力および70重量%(硫酸バリウム)の固形分について、この影響は、混合物が放出される際に未湿潤固体粒子の環状構造として見られる。
【0016】
不十分な混合、例えば遠心力による固体の局所的蓄積の他の表示は、流れチャンネルにおける旋回浸食である。流れが乱流であり、および固体粒子が均質に分配される場合、一定の表面摩耗が、未硬化噴霧付属品を用いる場合に見られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許出願公開第3923253号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102007016785A1号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第6131823号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第2700488A1号明細書
【特許文献5】国際公開第03/037528A2号パンフレット
【特許文献6】独国特許出願公開第2517864A1号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第3302891号明細書
【特許文献8】国際公開第2009/052990A1号パンフレット
【特許文献9】欧州特許第1458494B1号明細書
【特許文献10】PCT/EP2009/001007
【特許文献11】PCT/EP2009/003545
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】Kunststoffhandbuch、第7巻、Polyurethane、Carl Hanser Verlag
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
従って、本発明の目的は、より高い固形分を処理することができ、同時にこれらの固体の均質な湿潤を確保する、反応性プラスチック材料、特にポリウレタンの層および成形部品を、特に噴霧塗布により製造するための方法および装置を開発することである。
【0020】
DE102005058292A1から知られている通り、軽量かつ小さい設計は、ロボットを用いる噴霧工程に有利である。ロボット誘導混合ヘッドは、移動の極めて速い変化を含み、手動による誘導混合ヘッドについて計量かつ小さい設計の優位性は自明である。従って、本発明の更なる目的は、小さいおよび軽量設計を有する装置を提供することである。このような装置を用いると、高固形分を反応混合物へ導入することが可能となる。さらに、該装置は、耐摩耗性であり、噴霧能力を有し、および清掃が容易である。とりわけ、本発明による装置は、短い塗布間隔を可能とし、さらに、市販の注型/混合ヘッドへ適合する。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の目的は、混合区域を延長し、および幾つかの混合面をそこに導入した方法により達成することができた。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1aは、本発明による装置の断面図を示す。図1bは、本発明による装置における混合原理を示す。
【図2】図2aは、混合面を、必要とされる混合性能に応じて、必要に応じて、例えば円盤形態での混合部品により組み合わせることができる、上流PUR混合ヘッドを有さない本発明によるモジュール式ミキサー設計を示す。図2bは、対応する混合原理を示す。
【図3】図3aは、本発明による装置の断面図を示す。図3bは、関連する混合原理を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
最初の実施態様では、反応混合物、特にポリウレタン反応混合物を、混合ヘッドから本発明による装置へ通過させた。固体/気体混合物は、注入口より添加した。個々の混合面は、噴霧チャンネルへ繋がる、ガス流が流れる少なくとも1つのガスチャンネルから構成される。本発明によれば、ガス流の流れの方向は、噴霧チャンネルへ入るときに、噴霧チャンネルの中心の外に向かう。接線配置は、半径流成分を軸流に与える。半径流成分のため、成分、すなわち、この場合には反応混合物および固体は一緒に激しく混合される。ガスチャンネルおよび注入開口は、それぞれの混合面において、向かい合うねじれ方向を、流れの進路を越えて混合物上で与えるように配置する。1つの面のねじれ方向は、次の混合面のねじれ方向と向かい合う。最初の混合面、すなわち、最初の少なくとも1つのガスチャンネルは、固体−気体混合物のための注入開口より上にある。
【0024】
図1aは、本発明による装置の断面図を示す。簡易化した実用的表現のために、混合空間へ繋がる混合性ガスチャンネルは、この図および以下の断面図では接線方向に描かれていない。
【0025】
図1bは、本発明による装置における混合原理を示す。本発明によるノズルにおいて、半径流成分を、反応混合物が軸方向に流れる噴霧チャンネルにおいて混合性ガスにより与える。これは、反応混合物の乱流を再び引き起こす。次の混合面では、固体−気体混合物を、適切な注入口より導入する。また、注入口は接線方向に配置され、更なる混合をここで行う。固体−気体混合物により引き起こされたねじれ方向は、最初の混合面において混合性ガスにより引き起こされたねじれ方向に向かい合う。更なる混合面では、混合性ガスを、適切なガスチャンネルより再び注入する。
【0026】
ここで、接線方向の注入は、反応混合物の軸流の半径乱流を再び引き起こす。ここで製造された反応混合物のねじれ方向は、導入された固体/気体混合物により生じたねじれ方向に再び向かい合う。固体および反応混合物の間での混合の良好な性能は、向かい合うねじれ方向により確保される。また、反応混合物自体を完全に混合する。この目的のために、混合性ガスのためのガス注入口は、固体/気体混合物のための注入口の上流へ付与することが重要である。従って、本発明による装置は、少なくとも1つのガス注入口を、少なくとも2つの面のそれぞれに、すなわち、例えば固体/気体混合物のための注入口の1つの上流およびこれらの注入口の1つの下流に有する。
【0027】
本発明によれば、固体−気体混合物を、注入口より反応性流へ導入することができるだけではない。反応混合物の個々の成分を注入口より導入することも可能である。固体、液体および/または気体添加物を反応混合物へ添加することも更に可能である。しかしながら、これらの注入開口の上流に混合面が存在すること、すなわち、混合性ガスを流れチャンネルへ注入することが常に考えられる。
【0028】
好ましくは、本発明による装置は、更なる混合面を有する。図1bに示される通り、それぞれの少なくとも1つのガス注入口は、前記更なる混合面において、混合性ガスにより開始されるねじれ方向が、すぐ上の混合面のねじれ方向と異なる、すなわち、向かい合うように配置される。特に、本発明による装置は、2より多い、特に4より多い、とりわけ6より多い少なくとも1つのガス注入口を有する混合面を有する。
【0029】
従って、ガス流のベクトルは、静的ミキサーまたは撹拌器として働く。本発明によれば、各混合面は、少なくとも1つの、特に2つのガス注入口を有する。
【0030】
意外にも、本発明による装置での実験は、混合チャンネル方向において向かい合うねじれ方向および著しく大きいせん断力が、上流PUR混合ヘッドにより反応成分を混合することを省くことができるほど、質的に良好である混合作用を生じさせることを示した。
【0031】
図2aは、混合面を、必要とされる混合性能に応じて、必要に応じて、例えば円盤形態での混合部品により組み合わせることができる、上流PUR混合ヘッドを有さない本発明によるモジュール式ミキサー設計を示す。最初の注入口径を、反応性プラスチック材料の反応性成分AおよびBを導入するためにここで用いる。図2bは、対応する混合原理を示す。2つの注入開口をここで示す。しかしながら、更なる注入開口を、本発明による同一面に付与することができる。
【0032】
従って、本発明による方法では、少なくとも2つの成分を、外から前記2つの注入口よりそれぞれノズルにおける噴霧チャンネルへ導入する。この噴霧チャンネルは、少なくとも1つの混合性ガスを、少なくとも1つの接線方向に配置されたガスチャンネルより射出する少なくとも2つの混合面を有し、およびこれらの混合面の少なくとも1つを、成分の注入口の上流へ、および他の混合面をその下流へ設ける。「上流」および「下流」は、反応性流の流れの方向に従って理解される。
【0033】
従って、混合ヘッド機能は、専ら本発明による装置、混合/噴霧ノズルにより働き、これにより、可動部およびシールを有さない極めて小さくかつ軽量設計を、低いコストにて達成することができる。さらに、コストの大きい高圧計量系を本発明により省くことができる。
【0034】
本発明による装置では、噴霧チャンネルは、混合ノズルの内側にある。噴霧チャンネルは、周囲のガス空間から壁により分離され、混合性ガスは、少なくとも2つの混合面においてそれぞれ少なくとも1つのガスチャンネルより噴霧チャンネルへ、ガス空間から噴霧チャンネルへ注入することができる。従って、本発明によるノズルのための1つだけのガス接続口が必要である。混合性ガスは、全ての存在するガスチャンネルより噴霧チャンネルの内部へ同じ圧力で流れる。1つの面内では、ガス空間から噴霧チャンネルへ通過する少なくとも1つのガスチャンネルが存在する。しかしながら、好ましくは、1より多いガスチャンネルが1つの面にあり、好ましくは、互いに向き合う2つのガスチャンネルが1つの面にある。
【0035】
好ましい実施態様では、円筒状混合帯域は、先細ノズル排出口を有する。このような設計は、本発明による噴霧混合ノズルの極めて簡単な設計である。
【0036】
圧力混合の原理は、後のポリウレタンマトリックの密度の低下を引き起こし、および特定の用途について望ましくない混合物のガス装填を生じさせる。例えば、バネ質量原理に従う音低減のための機能層では、明らかに>2の質量層の密度が求められる。このような場合には、固体の添加と同時に混合法により引き起こされるガス装填は、逆効果をもたらす。
【0037】
従って、更なる実施態様では、本発明の目的は、中空円筒が噴霧チャンネルの内部に付与され、その中空円筒の中央に、混合性ガス流がガスチャンネルより噴霧チャンネルへ接線方向により注入されるガス分配器が設けられた噴霧混合ノズルにより達成される。図3aは、本発明による装置の断面図を示す。図3bは、関連する混合原理を示す。混合性ガスの射出流は、接線方向に注入され、それぞれ互いに向かい合う。外側にある噴霧チャンネルでは、相当する反応性成分、また、固体、液体および/または気体添加剤も、外から導入することができる。反応性成分および添加剤のための注入口は、2つの異なった面上に付与され、反応性成分を1つの面に導入し、添加剤を異なった面に導入する。これらの面の間では、混合性ガスを注入する少なくとも1つの混合面が存在する。
【0038】
このような混合空間形状は、個々の反応性成分および添加剤、特に固体の間での混合を確保する。内側から外側へのガスからの流れは、加圧ガスの量を減少させた場合でも十分な混合を可能とし、従ってガス装填が減少する。混合は、向かい合う、接線方向に注入された混合性ガスにより、従って、個々の混合面において向かい合うねじれ方向により可能となる。反応成分および添加剤の導入もまた、ねじれ方向がノズル内で変化するように行われる。
【0039】
中空円筒からなる混合空間の形状は、その中央にガス分配器が存在する。小さい隙間での環状流の形成により、加圧ガス流の混合作用が、円筒状混合空間に対して、混合空間(流れチャンネルの空間の中央における)の中央において失われることをなくすことができる。さらに、ガス流の混合作用は、遠心力により悪影響を及ぼさない。
【0040】
図3aに記載の配置では、加圧ガスチャンネルの清浄性を維持することは、外側に対する混合チャンバー壁境界が、固体を供給した後に完全に閉じ、従って遠心力によるガスチャンネルへの湿潤固体粒子の侵入をなくすことができるので有利である。対応するガス流においては、逆流による混合性ガスチャンネルへの混合物の侵入は可能ではない。
【0041】
対応する設計では、中央に設けられたガス分配器の位置を軸方向にシフトさせることができ、これにより、排出開口直前の混合空間における容積、従って流量を、調節することができる。この作用は、とりわけ、噴霧像に影響を及ぼすために用いることができる。
【0042】
図3aに記載の噴霧混合ノズルを、必要であれば、従来用いられるPUR混合プラントと組み合わせることもできるので、既存の機械技術の継続使用が可能となる。
【0043】
本発明による噴霧混合ノズルの清掃は、先行技術による加圧ガスにより行うことができる。清掃方法は、成分流の切り替えおよび加圧ガスの供給を維持または増加させることにより開始する。この手順により、高圧技術での類似性により短期間のショット中断もまた可能となり、上述の通り、例えば噴霧層の均質な厚みの形成のためのロボット誘導噴霧塗布において有利である。
【0044】
特定の実施態様では、ガスチャンネルの侵入角度は、成分面より下に、接戦方向および成分流の方向に斜めに配置した。しかしながら、このガス流の侵入形状は、混合物の流れの方向における傾斜がガスチャンネルへの混合物の侵入を助けるので増加したガス流量または速い流速を用いることによってのみ可能である。
【0045】
混合面の数、ガス流量、ガス流の回転の方向およびガス流の侵入角の他に、混合工程上の影響は、ガス流を拍動させることによっても与え得る。拍動性ガス供給においては、各混合面を、加圧ガスの高周波数パルスで供給する場合に有利である。図1aおよび図2aからの装置の加圧ガス供給は、外側に存在し、この変法について理想的な条件を提供する。
【0046】
固体−気体混合物を、本発明による装置により反応混合物中で導入することができるだけではない。予備噴霧エアロゾルとして反応成分を、加圧ガス流を用いてノズル中へ導入することも可能である。反応相手の混合比における質量差を、体積流および粒度に適合させることにより補正することができる。例えば100〜1までの混合比は、高圧混合器により通常混合することができないが、50g/秒の塗布速度まで首尾良く混合または処理することができる。
【0047】
他の実施態様では、既存の注入口より反応混合物へ高温ガスを射出することが更に可能である。これは、反応物の熱活性を可能とする。短い混合物滞留時間により、600℃までのガス温度を、本発明による方法に用いる。
【0048】
反応性プラスチック材料の反応の過程に加熱金型表面または温度制御混合物成分より影響を及ぼすことは、通常の手段である。温風噴霧の工程は、同様の作用を可能とするが、必要であれば、混合物の取り出しの間に変化させることができる。従って、例えば広い面積の成分について噴霧の全期間にわたる混合物の反応の過程へ適合させることができ、これにより上記方法の生産性を強化することができる。さらに、斜平面上での反応混合物の分布により、確実に影響を与えることもできる。
【0049】
本発明によれば、反応性プラスチック材料は、好ましくはポリウレタンである。従って、用いる反応性成分は、とりわけポリオールおよびイソシアネート成分である。先行技術から既知の成分を用いることができる。
【0050】
本発明によれば、繊維は、好ましくは、注入口より反応混合物へ導入する。他の添加し得る可能性のある固体としては、例えば難燃剤、安定剤または抗酸化剤が挙げられる。また、同一の機能は、供給し得る液体助剤により供給し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応性プラスチック材料の層および成形部品の製造方法であって、少なくとも2つの成分をそれぞれ、これらを混合するノズルの噴霧チャンネルへ、外から注入口より導入し、前記噴霧チャンネルは、少なくとも1つの混合性ガスが、少なくとも1つの接線方向に配置されたガスチャンネルより注入される少なくとも2つの混合面を有し、および該混合面の少なくとも1つを、前記成分のための注入口の上流に設けることを特徴とする、方法。
【請求項2】
混合性ガスを、ガス流の流れの方向が、噴霧チャンネルに入るときに噴霧チャンネルの中心の外に向かうように噴霧チャンネルへ注入することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ポリオールおよびイソシアネート成分を、ノズル中へ導入することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ノズルを、反応混合物、特にポリウレタン反応混合物が噴霧チャンネル中へ軸方向に流れる混合ヘッドへ接続し、および更なる成分を、注入口より該反応性流と混合することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
固体、液体および/または気体成分を、注入口より反応性流へ添加することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ガスチャンネルを、半径流成分を、混合性ガスを面に注入することにより反応混合物の軸流上に与えるように配置し、半径流成分は、1つの方向を面の1つにおいて、および次の面において向かい合う方向を有し、注入口からの成分の導入も面と見なすことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
混合性ガスを、ノズルの内部に設けられた中空円筒より、少なくとも3つの面においてそれぞれ少なくとも1つのガスチャンネルよりノズルへ接線方向に注入し、前記ノズルは、種々の成分のための更なる注入口を少なくとも2つの異なった面に有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ガスチャンネルを、半径流成分を、混合性ガスを面に注入することにより反応混合物の軸流上に与えるように配置し、1つの面における半径流成分の方向は、次の面における半径流成分の方向と向かい合い、成分のための注入口もまた面であると見なすことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ノズルは、周囲のガス空間から壁で分離された噴霧チャンネルを内側に有し、混合性ガスは、少なくとも2つの混合面においてそれぞれ少なくとも1つのガスチャンネルより噴霧チャンネルへ、ガス空間から噴霧チャンネルへ注入されることを特徴とする、請求項1に記載の方法により反応性プラスチック物質の層および成形部品を製造するための装置。
【請求項10】
ガスチャンネルは、ガス流の流れの方向が、噴霧チャンネルに入るときに噴霧チャンネルの中心の外に向かうように配置され、およびこの接線方向配置は、半径流成分を該軸流へ噴霧チャンネルにおいて与えることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
ガスチャンネルおよび注入口は、向かい合うねじれ方向が、噴霧チャンネルにおいて流れにわたって混合物上に与えられるように配置され、該ねじれ方向は1つの面において次の面のねじれ方向と向かい合うことを特徴とする、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
噴霧チャンネルは、混合ヘッドへ接続され、および固体、液体、反応性気体および/または混合性ガスは、注入口より、混合ヘッドから軸方向に流れる反応性流へ導入され、混合性ガスのための少なくとも1つのガスチャンネルは、該注入口の上流へ設けられることを特徴とする、請求項9〜11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
2つのガスチャンネルは、互いに1つの面において向かい合うことを特徴とする、請求項9〜12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
噴霧チャンネルの内部は、中空円筒を有し、その中央に、混合性ガス流を、噴霧チャンネルへ繋がるガスチャンネルより接線方向に注入するガス分配器が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の方法により反応性プラスチック材料の層および成形部品を製造するための装置。
【請求項15】
注入口は、少なくとも2つの異なった面において外から噴霧チャンネルへ繋がり、該注入口より、反応性成分および少なくとも1つの固体、液体および/または気体添加剤を混合することができることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
ガスチャンネルは、軸方向に流れる反応性成分にねじれを与えるように配置され、反応性成分および前記少なくとも1つの添加物を混合する面のために持続する1つの面におけるねじれ方向は、次の面のねじれ方向と異なることを特徴とする、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
2つのガスチャンネルは、1つの面において互いに向き合うことを特徴とする、請求項14〜16のいずれかに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−503052(P2013−503052A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525905(P2012−525905)
【出願日】平成22年8月13日(2010.8.13)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004964
【国際公開番号】WO2011/023302
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】