説明

反応性ポリアゾ染料

本発明は、一般式I
【化1】


〔式中、変数は、それぞれ、請求項1に定義される通りである〕
で示されるポリアゾ染料と、それらの調製方法と、ヒドロキシル及び/又はカルボキサミドを含有する材料を染色又は捺染するためのそれらの使用と、に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応性染料に関する。
【背景技術】
【0002】
反応性染料は、反応性基を有しており、それを介して、ヒドロキシル基又はアミノ基を有する繊維材料に共有結合することが可能である。ほとんどの入手可能な反応性染料は、主に、綿を染色するのに好適であり、ナイロン、羊毛、又は絹などの他の基材を染色するのに好適なものはごくわずかにすぎない。このことはまた、皮革の染色の場合にもあてはまり、市販の反応性染料は、皮革に対する親和性が不十分であり、固着収率が低い。
【0003】
皮革を染色するために現在使用されているほとんどの染料は、アニオン性染料であり、酸性染料、直接染料、又は含金属染料として分類可能である(例えば、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3を参照されたい)。これらの染料は、基材に共有結合した状態にならないので、苛酷な条件下では皮革から脱離した状態になる可能性がある。
【0004】
例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3には、反応性基を含有するか又は含有しうるポリアゾ染料が開示されており、同様に、皮革を染色することが意図されているが、記載の問題を解決するものではない。
【0005】
【特許文献1】国際公開第97/24405号パンフレット
【特許文献2】EP0716130A1号明細書
【特許文献3】EP1035171A1号明細書
【非特許文献1】K.アイテル(K.Eitel)著、H.ヘアフェルト(H.Herfeld)(編):皮革叢書(Bibliothek des Leders)、第5巻、ウムシァウ・フェアラーク(Umschau Verlag)刊、フランクフルト(Frankfurt)、1987年
【非特許文献2】G.オットー(G.Otto)著:皮革の染色(Das Faerben des Leders)、ルーザー・フェアラーク(Roether Verlag)刊、ダルムシュタット(Darmstadt)、1962年
【非特許文献3】カラー・インデックス(Colour Index)、第3版、ランド・アンド・ハンフリーズ(Lund and Humphreys)刊、ブラッドフォード−ロンドン(Bradford−London)、1971−1976年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、記載の欠点を有しておらず且つ良好な親和性及び良好な固着性が特に注目に値する皮革染色用の染料が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この度、驚くべきことに、特定のポリアゾ反応性染料がこれらの性質を有し、記載の技術的問題を解決することを見出した。
【0008】
即ち、本発明は、一般式I
【化1】

〔式中、
Ar及びArは、独立して、少なくともAr又はArが繊維反応性基を保有することを条件として、置換若しくは非置換のアリールであり、
Tは、一般式II
【化2】

{ここで、
Bは、式−NH−、−CO−、−SO−、−CH=CH−、−CH−CH−、−NH−CO−、−NH−SO−、−SO−NH−SO−で示される架橋要素又は直接結合であり、
、R、R、及びRは、独立して、水素、−SOM、ヒドロキシル、アミノ、アルキル基に置換を有するか若しくは有していない(C〜C12)−アルキルアミノ、アルキル基に置換を有するか若しくは有していないジ−(C〜C12)−アルキルアミノ、置換若しくは非置換の(C〜C)−アルキル、置換若しくは非置換の(C〜C)−アルコキシ、ハロゲン、又はシアノであり、そして
s、t、u、及びvは、独立して、0、1、又は2である}
で示される基であるか、
又はTは、一般式III
【化3】

{ここで、
、R、s、及びtは、それぞれ、先に定義される通りである}
で示される基であり、
及びRは、2個の基が両方ともアミノ又はヒドロキシルであることはありえないことを条件として、水素、アミノ、又はヒドロキシルであり、
Mは、水素、アルカリ金属、又は等価量のアルカリ土類金属であり、
xは、0、1、又は2であり、
及びRは、独立して、Rの意味の1つを有するか、又は−COOM、−COOR10、−CONR1112、−SONR1314、若しくは−CO−R15であり、且つ
は、水素、OR16、又は−NR1718であり、ここで、
10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、及びR18は、独立して、水素、非置換(C〜C)−アルキル、又はヒドロキシル、ビニル、フェニル、−CN、若しくは−COO(C〜C)−アルキルにより置換された(C〜C)−アルキルであり、そして
rは、1又は2であり、
但し、rが2であり、R並びにR及びRの一方がアミノであり、且つR及びRの他方が−COOM、−COOR10、−CONR1112、又は−CO−R15であるときのポリアゾ染料は除外される〕
で示されるポリアゾ染料、更にはそれらの互いの混合物を提供する。
【0009】
Ar及びArアリール基は、好ましくは、フェニル及びナフチルである。置換型の場合、それらは、−SOM、ヒドロキシル、アミノ、(C〜C)−アルキルアミノ、ジ−(C〜C)−アルキルアミノ、ニトロ、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アルキル−SO−、−COOM、−NHCOCH、及びハロゲンからなる群から選択される1、2、若しくは3個の置換基を保有する。記載の(C〜C)−アルキル基はまた、例えば、ヒドロキシル、ビニル、フェニル、−CN、又は−COO(C〜C)−アルキルにより置換されていてもよい。
【0010】
更に、Ar及びArの少なくとも一方は、繊維反応性基を保有するものとする。本明細書中では、繊維反応性基とは、ヒドロキシル及び/又はカルボキサミドを含有する材料との共有結合、すなわち、例えば、セルロース材料のヒドロキシル基又は羊毛、皮革、若しくはナイロンのカルボキサミド基との共有結合を形成しうる基のことである。そのような基は、当業者に公知であろう。また、文献に広範に記載されている。
【0011】
好ましい繊維反応性基は、例えば、式−SOCH=CH又は−SOCHCHZで示される基である。但し、Zは、アルカリ脱離性基である。
【0012】
好ましい繊維反応性基は更に、式1、式2、又は式3で示されるヘテロ環式基を包含する。
【化4】

〔式中、
は、Ar及びArへの結合を示し、
は、水素、フェニル、又は(C〜C)−アルキルであり、
〜Xは、独立して、X及びXの少なくとも一方がハロゲンであることを条件として、水素、シアノ、又はハロゲンであり、
は、塩素又はフッ素であり、
は、一般式−N(R)−Y−R’
{ここで、
は、水素、フェニル、又は(C〜C)−アルキルであり、
Yは、−O−の介在を有するか若しくは有していない(C〜C)−アルキレンであるか、又は式
【化5】

で示される基であり、
は、水素、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ、スルホ、又は塩素であり、そして
R’は、−SOCH=CH又は−SOCHCHZであり、ここで、Zは先に定義される通りである}
で示される基であるか、又は
一般式−N(R)−R’’
{ここで、
は、先に定義される通りであり、そして
R’’は、非置換のフェニル、スルホ、(C〜C)−アルキル、及び(C〜C)−アルコキシからなる群から選択される1、2、若しくは3個の置換基により置換されたフェニル、非置換のナフチル、スルホ、(C〜C)−アルキル、及び(C〜C)−アルコキシからなる群から選択される1、2、若しくは3個の置換基により置換されたナフチル、又はシアノであり、
而もR及びR’’はまた、結合して、ヘテロ環式環、例えば、ピペリジノ、ピペラジノ、又はモルホリノを形成することも可能である}
で示される基である〕
【0013】
アルカリ脱離性Z置換基の例は、塩素、スルファト、チオスルファト、ホスファト、及び(C〜C)−アルカノイルオキシ、例えば、アセチルオキシ及びスルホベンゾイルオキシである。Zは、好ましくはスルファトである。
【0014】
好ましい繊維反応性基は、例えば、−SOCH=CH、−SOCHCHOSOH、並びに
【化6】

〔式中、
は、Ar及びArへの結合を示し、
は、フッ素又は塩素であり、
は、スルホ、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ、−SOCH=CH、又は−SOCHCHOSOHであり、そして
pは、0、1、2、又は3である〕
である。
【0015】
〜R18の(C〜C)−アルキルは、直鎖状であっても分枝状であってよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、又はtert−ブチルである。(C〜C)−アルコキシ基、(C〜C12)−アルキルアミノ基、又はジ−(C〜C12)−アルキルアミノ基の場合にも、同じことがあてはまる。
【0016】
ハロゲンは、好ましくは、フッ素、塩素、又は臭素である。
【0017】
アルカリ金属Mは、好ましくは、リチウム、ナトリウム、又はカリウムである。等価量アルカリ土類金属Mは、好ましくは、1当量のカルシウムである。
【0018】
本発明に係る好ましいポリアゾ染料は、Tが一般式IIで示される基であるときの一般式Iで示される染料である。これに関連して、Bが−NH−、−NH−CO−、又は−NH−SO−であるときは、特に好ましい。
【0019】
本発明に係る特に好ましいポリアゾ染料は、一般式Ia
【化7】

〔式中、
Ar、Ar、R、R、R、R、R、R、M、r、s、t、u、及びvは、それぞれ、先に定義される通りであり、
Bは、−NH−、−NH−CO−、又は−NH−SO−であり、更に
及びRの一方はヒドロキシルであり且つ他方はアミノであり、そして
は、OR16又は−NR1718であり、ここで、R16、R17、及びR18は、先に定義される通りである〕
により特徴付けられる。
【0020】
本発明に係る中でも特に好ましいポリアゾ染料は、一般式Ib
【化8】

〔式中、
Ar、Ar、R、R、M、及びrは、それぞれ、先に定義される通りであり、そして
は、OR16又は−NR1718であり、ここで、R16、R17、及びR18は、それぞれ、先に定義される通りである〕
により特徴付けられる。
【0021】
一般式Iで示される化合物は、ジアソ化反応及びカップリング反応を任意の順序で行って一般式IV〜VIII
【化9】

【化10】

〔式中、
Ar、Ar、R〜R、T、M、及びxは、それぞれ、先に定義される通りである〕
で示される化合物を用いて調製することにより、調製可能である。行われるジアソ化反応及びカップリング反応は、当業者に公知であろう。また、関連文献中に網羅的に記載されている。
【0022】
一形態では、例えば、塩酸の存在などに基づく酸性媒体中で1モル当量の一般式IVで示される化合物を亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸塩を用いて通常のジアゾ化を行い、ジアゾ化された化合物を約1モル当量の一般式VIで示されるカップリング成分と酸性媒体中で反応させることにより、一般式IX
【化11】

で示される化合物を生成させる。続いて、この化合物を、酸性、中性、若しくはアルカリ性の媒体中で、一般式VIIで示される化合物から生成されたテトラゾニウム塩と反応させることが可能であり、そして次に、得られた中間体を、酸性、中性、若しくはアルカリ性の媒体中で、一般式VIIIで示されるカップリング成分と反応させることが可能である。その結果として得られるのは、一般式X
【化12】

で示される化合物であり、この化合物は、単離することなく更に反応させることも可能であるし、或いは他の選択肢として、例えば、塩化ナトリウムなどを用いて塩析するか若しくはエタノールなどを用いて沈殿させることにより、又は適切であれば加圧浸透を行った後、反応溶液を蒸発させることにより、単離することも可能である。
【0023】
最後に、塩酸の存在などに基づく酸性媒体中で1〜3モル当量の一般式Vで示される化合物を亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸塩を用いて通常のジアゾ化を行い、ジアゾ化された化合物を、酸性、中性、若しくはアルカリ性の媒体中で、約1モル当量の一般式Xで示される化合物と反応させる。
【0024】
次に、得られた一般式Iで示されるポリアゾ染料は、単離することなく染色などに使用することも可能であるし、或いは塩化ナトリウムなどを用いて塩析するか若しくはエタノールなどを用いて沈殿させることにより、又は適切であれば加圧浸透を行った後、反応溶液を蒸発させることにより、単離することも可能である。
【0025】
他の選択肢として、一般的な方法で、例えば、上記したようにして、一般式VIIで示される化合物をテトラゾ化し、テトラゾ化された化合物を、例えば、上記したようにして、1モル当量の一般式VIで示されるカップリング成分と反応させることが可能である。次に、得られた中間体をジアゾ化された一般式IVで示される化合物と反応させ、続いて、一般式VIIIで示されるカップリング成分と反応させる。その結果として得られるのは、一般式Xで示される化合物であり、この化合物は、上記したようにして、一般式Iで示されるポリアゾ染料に変換することが可能である。
【0026】
特に反応性の高い一般式VIIIで示されるカップリング成分を使用し、且つ一般式IV及びVで示される化合物が同一である場合、約1モル当量の一般式VIIで示される化合物をテトラゾ化し、テトラゾ化された化合物を1モル当量の一般式VIで示されるカップリング成分と反応させ、次に、1モル当量の一般式VIIIで示されるカップリング成分と反応させる更なる形態が可能である。次に、得られた一般式XI
【化13】

で示される化合物を2〜4モル当量のジアゾ化された一般式IV又はVで示される化合物と更に反応させて、一般式Iで示されるポリアゾ染料を生成させる。
【0027】
特定的には、rが1であるときの本発明に係る一般式Iで示されるポリアゾ染料は、次の更なる形態により取得可能である。これによれば、1〜3モル当量のジアゾ化された一般式Vで示される化合物を一般式VIIIで示されるカップリング成分と反応させて、一般式XII
【化14】

で示される化合物を生成させる。次に、この化合物を、ジアゾ化された一般式IVで示される化合物と一般式VIで示されるカップリング成分との反応で得られた中間体とテトラゾ化された一般式VIIで示される化合物との反応により得られたジアゾニウム塩と、反応させる。
【0028】
一般式IV及びVで示される化合物は、好ましくは、次の構造を有する:
【化15】

【化16】

【化17】

【0029】
一般式VIで示される化合物は、好ましくは、次の構造を有する:
【化18】

【0030】
一般式VIIで示される化合物は、好ましくは、次の構造を有する:
【化19】

【化20】

【0031】
一般式VIIIで示される化合物は、好ましくは、次の構造を有する:
【化21】

【0032】
本発明に係るポリアゾ染料は、有用な適用特性を有する。それらは、ヒドロキシル及び/又はカルボキサミドを含有する材料を、例えば、繊維の形態、紙や皮革などのシート状構造若しくはポリアミドなどのフィルムの形態、又はポリアミドやポリウレタンなどの塊状態で、染色又は捺染するために使用される。同様に、本発明に係るポリアゾ染料の合成されたままの溶液は、適切であれば緩衝物質を添加した後、更には適切であれば濃縮又は希釈を行った後、液体調製物として直接染色するために使用することが可能である。ヒドロキシル含有材料とは、例えば、セルロース系繊維材料又はそれらの再生生成物及びポリビニルアルコールのような天然源若しくは合成源の材料のことである。セルロース系繊維材料は、好ましくは綿であるが、リネン繊維、麻繊維、ジュート繊維、及びラミー繊維などの他の植物繊維でもよく、再生セルロース繊維は、例えば、ビスコースレーヨンステープル及びビスコースレーヨンフィラメント、更にはアミノ化セルロース繊維などの化学修飾セルロース系繊維、又は国際公開第96/37641号パンフレット及び国際公開第96/37642号パンフレット更にはEP−A−0538785号明細書及びEP−A−0692559号明細書などに記載されているような繊維である。
【0033】
カルボキサミド含有材料とは、例えば、特定的には繊維の形態の、合成及び天然のポリアミド及びポリウレタン、例えば、羊毛及び他の獣毛、絹、皮革、ナイロン−6.6、ナイロン−6、ナイロン−11、並びにナイロン−4のことである。従って、本発明はまた、これらの材料を染色若しくは捺染するための本発明に係るポリアゾ染料の使用、又は着色剤として本発明に係るポリアゾ染料を利用して、従来の手順でそのような材料を染色若しくは捺染する方法を提供する。
【0034】
綿などのセルロース材料で構成された繊維材料を染色する方法は、当業者に公知であろう。また、関連文献に広範に記載されている。材料の原液着色又はシート状構造の形態をとる材料の染色の場合にも、同じことがあてはまる。
【0035】
本発明に係るポリアゾ染料は、好ましくは、羊毛、ナイロン、及び皮革を染色するために使用される。
【0036】
羊毛は、酸性媒体から従来の方法で染色される。例えば、所望のpHを得るべく、酢酸及び/又は硫酸アンモニウム、又は酢酸及び酢酸アンモニウム若しくは酢酸ナトリウムを染浴に添加することが可能である。染色物で有用な均染度を達成するために、例えばシアヌル酸クロリドと3倍モル量のアミノベンゼンスルホン酸及び/又はアミノナフタレンスルホン酸との反応生成物をベースとする、又は例えばステアリルアミンとエチレンオキシドとの反応生成物をベースとする慣用的な均染助剤を添加することが望ましい。例えば、本発明に係るポリアゾ染料を、好ましくは、最初に、pH制御下で約3.5〜5.5のpHを有する酸性染浴からの吸尽操作に付し、その後、染色時間の終点に向かって、pHを中性に、適切であれば、特定的には濃い色調が達成されるように、本発明に係る染料混合物の染料と繊維と間の十分な反応結合を生成させるべく、8.5のpHまでの弱アルカリ性の範囲に、変化させる。同時に、非固着染料を脱離させる。ここに記載された手順はまた、他の天然ポリアミドで構成された繊維材料又は合成ポリアミドで構成された繊維材料の染色を行ううえでも有効である。一般的には、染色される材料を約40℃の温度の浴に導入し、ある時間にわたり浴中で攪拌し、その後、好ましくは酢酸により、染浴を所望の弱酸性pHに調整し、そして実際の染色を60〜98℃の温度で行う。染色物はまた、沸騰状態で行うか又は106℃までの温度で密閉染色機中で行うことが可能である。本発明に係るポリアゾ染料の水溶性は非常に良好であるので、慣用的な連続染色法においても有利に使用可能である。本発明に係る染料混合物の色強度は、極めて高い。
【0037】
皮革の染色方法は、再鞣しなどの皮革の前処理工程、実際の染色工程、並びに洗浄、セッティングアウト(setting out)、及びステーキング(staking)などの後処理工程をはじめとする当業者に公知の複数の工程を含む。皮革は、酸性媒体から、例えば、ギ酸又は酢酸若しくはそれらの混合物から染色される。また、所望のpHにするために、それらのナトリウム塩を染浴に添加することが可能である。均染及び染料浸透を達成するために、慣用的な皮革加工助剤を使用することが可能である。例えば、40、60、又は80℃の温度において約3.5〜4.5のpHの酸性染浴から本発明に係るポリアゾ染料で十分に染色し、染料を基材に固着させた状態にする。皮革の染色に関する更なる詳細は、例えば、K.アイテル(K.Eitel)著、H.ヘアフェルト(H.Herfeld)(編):皮革叢書(Bibliothek des Leders)、第5巻、ウムシァウ・フェアラーク(Umschau Verlag)刊、フランクフルト(Frankfurt)、1987年、更にはG.オットー(G.Otto)著:皮革の染色(Das Faerben des Leders)、ルーザー・フェアラーク(Roether Verlag)刊、ダルムシュタット(Darmstadt)、1962年から取得可能である。
【0038】
皮革を染色するための本発明に係る方法の好ましい形態では、用いられる一般式Iで示されるポリアゾ染料の溶液は、7未満のpHを有し、例えば炭酸ナトリウム又は水酸化ナトリウムなどのアルカリを添加することなく基材を染色するために利用される。2〜5の範囲内のpH値、特定的には3〜5の範囲内のpH値で染色することが特に好ましい。
【実施例】
【0039】
以下の実施例を用いて、本発明について具体的に説明する。部及びパーセントは、特に指定がない限り重量基準である。キログラムがリットルに関連付けられるように、重量部は体積部に関連付けられる。
【0040】
実施例において式を用いて記載された化合物は、遊離酸の形態で示されている。しかしながら、一般的には、それらは、リチウム塩、ナトリウム塩、又はカリウム塩などのそれらのアルカリ金属塩の形態で調製及び単離され、そしてそれらの塩の形態で染色に使用される。同様に、以下の実施例、特に表に記載の実施例に規定される遊離酸の形態の出発化合物及び成分は、そのままの状態で、又はそれらの塩、好ましくはアルカリ金属塩の形態で、合成に使用することが可能である。
【0041】
実施例1
a)十分に攪拌しながら14部の4−ニトロアニリンを25部の水に導入する。得られた懸濁液を60部の20%塩酸と混合し、50部の氷で0〜5℃に冷却する。次に、少し過剰の亜硝酸塩が存在する状態になるまで、20部の水と7部の亜硝酸ナトリウムとの溶液を徐々に滴下する。アミンから対応するジアゾ化合物への変換が終了した後、アミドスルホン酸を添加することにより過剰の亜硝酸塩を分解する。
【0042】
b)25%の水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより、得られる溶液のpHを0.5〜1.5に保持しながら、100部の水と32部の1−アミノ−8−ヒドロキシ−3,6−ジスルホン酸との中性溶液をa)に従って得られた溶液に、90分間かけて25℃〜30℃で滴下する。添加の終了後、カップリングが終了するまで混合物を攪拌する。
【0043】
c)26部の4−アミノ−N−(4−アミノフェニル)ベンゼンスルホンアミドを87部の20%塩酸に攪拌しながら導入する。冷却するために80部の氷を添加する。次に、少し過剰の亜硝酸塩が存在する状態になるまで、20部の水と14部の亜硝酸ナトリウムとの溶液を徐々に滴下する。ジアミンから対応するテトラアゾ化合物への変換が終了した後、アミドスルホン酸を添加することにより過剰の亜硝酸塩を分解する。
【0044】
d)b)に従って調製された溶液を100部の氷と混合し、続いて、c)に従って調製された反応混合物を60分間かけて添加する。その間、溶液のpHは25%の水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより0.5〜1.5に保持される。添加の終了後、60分間にわたりpHを6〜7に調整してから、このpHで10分間攪拌する。その後、7〜8のpHに達するまで、固体炭酸ナトリウムを反応混合物に添加する。カップリングが終了するまで、攪拌を継続する。
【0045】
e)11部のm−フェニレンジアミンをd)に従って得られた反応混合物に添加する。25%の水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより反応混合物のpHを8〜8.5に保持し、カップリングが終了するまで反応混合物を攪拌する。カップリングが終了した後、反応混合物を50℃に加熱し、pH5〜6に調整する。塩化ナトリウムを添加することによる従来の方法で、得られた染料を沈澱させる。得られた懸濁液を吸引濾過により濾別し、濾過ケーキを50℃で乾燥させ、遊離酸の形態で式
【化22】

に一致する化合物が得られる。
【0046】
f)十分に攪拌しながら28部の2−(4−アミノベンゼンスルホニル)エチルヒドロゲンサルフェートを150部の水に導入する。得られた懸濁液を17部の31%塩酸と混合し、氷で0〜5℃に冷却する。次に、少し過剰の亜硝酸塩が存在する状態になるまで、20部の水と7部の亜硝酸ナトリウムとの溶液を徐々に滴下する。アミンから対応するジアゾ化合物への変換が終了した後、アミドスルホン酸を添加することにより過剰の亜硝酸塩を分解する。
【0047】
g)e)に従って得られた生成物の半分を250部の水中で十分に攪拌し、溶液のpHを、10重量%の水酸化リチウム水溶液を添加することにより6〜7で保持する。この後、50℃に加熱し、50℃で120分間攪拌し、そして30℃まで冷却する。次に、10重量%の水酸化リチウム水溶液を添加することによりpHを6.5〜7.0に保持しながら、f)に従って調製されたジアゾニウム塩懸濁液を徐々に滴下する。添加の終了後、60分間攪拌し、50℃に加熱し、カップリング反応が終了するまで攪拌する。カップリングが終了した後、反応混合物を室温まで冷却し、pH4〜5に調整する。塩化ナトリウムを添加することによる従来の方法で、得られた染料を沈澱させる。得られた懸濁液を吸引濾過により濾別し、濾過ケーキを50℃で乾燥させ、遊離酸の形態で式
【化23】

に一致する化合物を得る。この場合、式
【化24】

で示される染料が主成分として存在する。生成物は、暗色の粉末として得られる。この生成物は、全体にわたり良好な堅牢性を有して、羊毛及びナイロンを黄緑色の色調に、キャトルハイドサイドレザー(cattle-hide side leather)を黒色の色調に染色する。染料は、基材上に良好に配置され、良好な耐脱離堅牢性、例えば、耐溶媒堅牢性を有する。
【0048】
実施例2
a)15%の炭酸ナトリウム溶液を添加することにより溶液のpHを1〜2に保持しながら、32部の1−アミノ−8−ヒドロキシ−3,6−ジスルホン酸を実施例1fに従って得られた溶液に導入する。35℃に徐々に加熱しながら、溶液を360分間攪拌する。その後、カップリングが終了するまで溶液を攪拌し、25℃に冷却し、そして15%の炭酸ナトリウム溶液を添加することによりpH4.5〜5.5に調整する。
【0049】
b)100部の氷をa)に従って調製された溶液に添加し、20%の塩酸を添加することによりpHを0.5〜1.0に調整し、そして実施例1cに従って調製された反応混合物を60分間かけて添加する。この後、60分間にわたり25%の水酸化ナトリウム水溶液を添加することによりpHを6〜7に上げ、そして10分間攪拌する。その後、7.5〜8のpHにするのに十分な炭酸ナトリウムを添加する。その際、反応混合物の温度は20〜25℃でなければならない。カップリングが終了するまで、混合物を攪拌する。
【0050】
c)11部のm−フェニレンジアミンをb)に従って得られた反応混合物に添加する。25%の水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより反応混合物のpHを8〜8.5に保持し、その後、カップリングが終了するまで攪拌する。カップリングが終了した後、25重量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加することによりpHを10〜11に調整し、その後、20〜25℃で60分間攪拌し、そして20%の塩酸を添加することによりpH9〜10に調整する。塩化ナトリウムを添加することにより、得られた染料を従来の方法で沈澱させる。得られた懸濁液を吸引濾過により濾別する。得られた濾過ケーキを450部の水に懸濁させ、20%塩酸を添加することにより6〜7のpHに設定する。得られた懸濁液を吸引濾過により濾別し、濾過ケーキを50℃で乾燥させ、遊離酸の形態で式
【化25】

に一致する化合物を得る。
【0051】
d)c)に従って得られた生成物の1/10を150部の水中で十分に攪拌し、混合物をpH6〜7に調整する。混合物を50℃に加熱し、50℃で60分間攪拌し、そして35℃まで冷却する。次に、10%の水酸化リチウム水溶液を添加することによりpHを6〜7に保持しながら、実施例1fに従って調製された10部のジアゾニウム塩懸濁液を徐々に滴下する。添加の終了後、混合物を60分間攪拌し、50℃に加熱し、そしてカップリング反応が終了するまで攪拌する。カップリングが終了した後、反応混合物を室温まで冷却する。塩化ナトリウムを添加することにより、得られた染料を従来の方法で沈澱させる。得られた懸濁液を吸引濾過により濾別し、濾過ケーキを50℃で乾燥させ、遊離酸の形態で式
【化26】

に一致する混合物を得る。この場合、式
【化27】

及び
【化28】

で示される染料が成分として存在する。生成物は、暗色の粉末として得られる。この生成物は、全体にわたり良好な堅牢性を有して、キャトルハイドサイドレザーを黒色の色調に染色する。
【0052】
実施例3
実施例1eに従って得られた生成物を、実施例1aに記載される方法により式
【化29】

で示される化合物から得られたジアゾニウム塩と、実施例2dに記載される手法で、反応させる。塩化ナトリウムを添加することにより、得られた染料を従来の方法で沈澱させる。得られた懸濁液を吸引濾過により濾別し、濾過ケーキを50℃で乾燥させ、遊離酸の形態で式
【化30】

に一致する混合物を得る。この場合、式
【化31】

及び
【化32】

で示される染料が成分として存在する。生成物は、暗色の粉末として得られる。この生成物は、全体にわたり良好な堅牢性を有して、羊毛及びナイロンを黄緑色の色調に、皮革を黒色の色調に染色する。染料は、基材上に良好に配置され、良好な耐脱離堅牢性、例えば、耐溶媒堅牢性を有する。
【0053】
実施例4
実施例1eに従って得られた生成物を、実施例1aに記載される方法により式
【化33】

で示される化合物から得られたジアゾニウム塩と、実施例2dに記載される手法で、反応させる。塩化ナトリウムを添加することにより、得られた染料を従来の方法で沈澱させる。得られた懸濁液を吸引濾過により濾別し、濾過ケーキを50℃で乾燥させ、遊離酸の形態で式
【化34】

に一致する混合物を暗色の粉末として得る。この粉末は、全体にわたり良好な堅牢性を有して、羊毛及びナイロンを黄緑色の色調に、キャトルハイドサイドレザーを黒色の色調に染色する。混合物は、実施例1〜3に示される成分と一致する成分を含む。
【0054】
実施例5
実施例1eに従って得られた生成物を、式
【化35】

で示される化合物から実施例1aに記載される方法により得られたジアゾニウム塩と、実施例2dに記載される手法で、反応させる。塩化ナトリウムを添加することにより、得られた染料を従来の方法で沈澱させる。得られた懸濁液を吸引濾過により濾別し、濾過ケーキを50℃で乾燥させ、遊離酸の形態で式
【化36】

及び
【化37】

に一致する混合物を暗色の粉末として得る。この粉末は、全体にわたり良好な堅牢性を有して、羊毛及びナイロンを緑色の色調に、キャトルハイドサイドレザーを黒色の色調に染色する。混合物は、実施例1〜3に示される成分と一致する成分を含む。
【0055】
実施例6
実施例1eに従って得られた生成物を、実施例1aに記載される方法により式
【化38】

で示される化合物から得られたジアゾニウム塩と、実施例2dに記載される手法で、反応させる。塩化ナトリウムを添加することにより、得られた染料を従来の方法で沈澱させる。得られた懸濁液を吸引濾過により濾別し、濾過ケーキを50℃で乾燥させ、遊離酸の形態で式
【化39】

に一致する混合物を暗色の粉末として得る。この粉末は、全体にわたり良好な堅牢性を有して、羊毛及びナイロンを黄緑色の色調に、キャトルハイドサイドレザーを黒色の色調に染色する。混合物は、実施例1〜3に示される成分と一致する成分を含む。
【0056】
実施例7
次の出発化合物
【化40】

を前記の実施例に記載される手法で反応させて、式
【化41】

で示される生成物を与える。この生成物は、帯青黒色の色調で皮革を染色する。
【0057】
実施例8
次の出発化合物
【化42】

を前記の実施例に記載される手法で反応させて、式
【化43】

で示される生成物を与える。この生成物は、緑色の色調で皮革を染色する。
【0058】
実施例9
実施例8に従って得られた生成物と、水酸化ナトリウム水溶液との溶液を、室温下、pH10〜11で2時間攪拌する処理を行い、次に、塩酸でpHを7に調整し、そして反応混合物をエバポレートし、式
【化44】

で示される生成物を与える。この生成物は、同様に、緑色の色調で皮革を染色する。
【0059】
実施例10
次の出発化合物
【化45】

を前記の実施例に記載される手法で反応させて、遊離酸の形態で式
【化46】

及び
【化47】

と一致する混合物を与える。生成物は、灰色の色調で皮革を染色する。
【0060】
実施例11
次の出発化合物
【化48】

を以上の実施例のようにして反応させて、遊離酸の形態で式
【化49】

及び
【化50】

と一致し且つ灰色の色調で皮革を染色する混合物を与える。
【0061】
以下の表に記載の出発化合物を反応させることにより、本発明に係る更なるポリアゾ染料を取得する:
【0062】
【表1】

【0063】
【表2】

【0064】
【表3】

【0065】
【表4】

【0066】
染色例(キャトルハイドサイドレザーの染色方法)
(部は重量基準である)
a)皮革の準備:
4〜5のpHになるように、60℃の温度において、2.2mmのシェービング加工厚さを有する慣例に従って鞣し処理された90部の皮革を0.45部のギ酸カルシウム及び0.225部の炭酸ナトリウムと共に、250部の水と混合した。皮革を60分間ドラミング処理する。続いて、皮革を500部の水で洗浄する。
【0067】
この後、5部の市販の合成鞣し剤を用いて40℃の温度において250部の水で再鞣しする。再鞣し液中で皮革を45分間ドラミング処理し、取り出し、そして水で洗浄する。
【0068】
b)皮革の染色:
前記の実施例のいずれか1つに記載される染料の0.045部を300部の水に溶解させ、15部の皮革を添加し、液を緩衝液でpH4に調整する。皮革を染液中でドラミング処理しながら、20分間にわたり液を80℃に加熱し、80℃に20分間保持し、更に15分間にわたり100℃に加熱し、そして100℃に45分間保持する。この後、40℃まで冷却し、染浴から皮革を取り出す。その後、皮革を低温で濯ぎ、セッティングアウト処理し、乾燥させ、そしてステーキング処理する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I
【化1】

〔式中、
Ar及びArは、独立して、少なくともAr又はArが繊維反応性基を保有することを条件として、置換若しくは非置換のアリールであり、
Tは、一般式II
【化2】

{ここで、
Bは、式−NH−、−CO−、−SO−、−CH=CH−、−CH−CH−、−NH−CO−、−NH−SO−、−SO−NH−SO−で示される架橋要素又は直接結合であり、
、R、R、及びRは、独立して、水素、−SOM、ヒドロキシル、アミノ、アルキル基に置換を有するか若しくは有していない(C〜C12)−アルキルアミノ、アルキル基に置換を有するか若しくは有していないジ−(C〜C12)−アルキルアミノ、置換若しくは非置換の(C〜C)−アルキル、置換若しくは非置換の(C〜C)−アルコキシ、ハロゲン、又はシアノであり、そして
s、t、u、及びvは、独立して、0、1、又は2である}
で示される基であるか、
又はTは、一般式III
【化3】

{ここで、
、R、s、及びtは、それぞれ、先に定義される通りである}
で示される基であり、
及びRは、2個の基が両方ともアミノ又はヒドロキシルであってはならないことを条件として、水素、アミノ、又はヒドロキシルであり、
Mは、水素、アルカリ金属、又は等価量のアルカリ土類金属であり、
xは、0、1、又は2であり、
及びRは、独立して、Rの意味の1つを有するか、又は−COOM、−COOR10、−CONR1112、−SONR1314、若しくは−CO−R15であり、且つ
は、水素、OR16、又は−NR1718であり、ここで、
10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、及びR18は、独立して、水素、非置換(C〜C)−アルキル、又はヒドロキシル、ビニル、フェニル、−CN、若しくは−COO(C〜C)−アルキルにより置換された(C〜C)−アルキルであり、そして
rは、1又は2であり、
但し、rが2であり、R並びにR及びRの一方がアミノであり、且つR及びRの他方が−COOM、−COOR10、−CONR1112、又は−CO−R15であるときのポリアゾ染料は除外される〕
で示されるポリアゾ染料、更にはそれらの互いの混合物。
【請求項2】
Ar及びArが有する前記繊維反応性基が、式−SOCH=CH若しくは−SOCHCHZ(ここで、Zはアルカリ脱離性基である)で示される基、又は
式1、式2、若しくは式3
【化4】

〔式中、
は、Ar及びArへの結合を示し、
は、水素、フェニル、又は(C〜C)−アルキルであり、
〜Xは、独立して、X及びXの少なくとも一方がハロゲンであることを条件として、水素、シアノ、又はハロゲンであり、
は、塩素又はフッ素であり、
は、一般式−N(R)−Y−R’
{ここで、
は、水素、フェニル、又は(C〜C)−アルキルであり、
Yは、−O−の介在を有するか若しくは有していない(C〜C)−アルキレンであるか、又は式
【化5】

で示される基であり、
は、水素、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ、スルホ、又は塩素であり、そして
R’は、−SOCH=CH又は−SOCHCHZであり、ここで、Zは先に定義される通りである}
で示される基であるか、又は
一般式−N(R)−R’’
{ここで、
は、先に定義される通りであり、そして
R’’は、非置換のフェニル、スルホ、(C〜C)−アルキル、及び(C〜C)−アルコキシからなる群から選択される1、2、若しくは3個の置換基により置換されたフェニル、非置換のナフチル、スルホ、(C〜C)アルキル、及び(C〜C)−アルコキシからなる群から選択される1、2、若しくは3個の置換基により置換されたナフチル、又はシアノであり、
而もR及びR’’はまた、組み合わされて、ヘテロ環式環、例えば、ピペリジノ、ピペラジノ、又はモルホリノを形成することも可能である}
で示される基である〕
で示されるヘテロ環基である、請求項1に記載のポリアゾ染料。
【請求項3】
Ar及びArが有する前記繊維反応性基が、式−SOCH=CH、−SOCHCHOSOH、又は
【化6】

〔式中、
は、Ar及びArへの結合を示し、
は、フッ素又は塩素であり、
は、スルホ、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ、−SOCH=CH、又は−SOCHCHOSOHであり、そして
pは、0、1、2、又は3である〕
で示される基である、請求項2に記載のポリアゾ染料。
【請求項4】
Tが一般式IIで示される基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリアゾ染料。
【請求項5】
一般式Iが、一般式Ia
【化7】

〔式中、
Ar、Ar、R、R、R、R、R、R、M、r、s、t、u、及びvは、それぞれ、請求項1に定義される通りであり、
Bは、−NH−、−NH−CO−、又は−NH−SO−であり、更に
及びRの一方はヒドロキシルであり且つ他方はアミノであり、そして
は、OR16又は−NR1718であり、ここで、R16、R17、及びR18は、請求項1に定義される通りである〕
で示される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリアゾ染料。
【請求項6】
一般式Iが、一般式Ib
【化8】

〔式中、
Ar、Ar、R、R、M、及びrは、それぞれ、請求項1に定義される通りであり、そして
は、OR16又は−NR1718であり、ここで、R16、R17、及びR18は、それぞれ、請求項1に定義される通りである〕
で示される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリアゾ染料。
【請求項7】
ジアソ化反応及びカップリング反応を任意の順序で行って一般式IV〜VIII
【化9】

〔式中、
Ar、Ar、R〜R、T、M、及びxは、それぞれ、請求項1に定義される通りである〕
で示される化合物を用いて調製することを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリアゾ染料の調製方法。
【請求項8】
ヒドロキシル及び/又はカルボキサミドを含有する材料を染色又は捺染するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリアゾ染料の使用。
【請求項9】
皮革を染色するための、請求項8に記載のポリアゾ染料の使用。
【請求項10】
使用する前記ポリアゾ染料の溶液が7未満のpHを有する、請求項9に記載のポリアゾ染料の使用。

【公表番号】特表2008−516032(P2008−516032A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535169(P2007−535169)
【出願日】平成17年10月5日(2005.10.5)
【国際出願番号】PCT/EP2005/055027
【国際公開番号】WO2006/040285
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(503412791)ダイスター・テクスティルファルベン・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・ドイッチュラント・コマンデイトゲゼルシャフト (40)
【Fターム(参考)】