説明

反応性親水ポリマー内部湿潤剤を含む湿潤性ハイドロゲル

【課題】よって、レンズ調合物に混入され、表面処理なしに当該レンズの湿潤性を改良できる別の親水ポリマーを提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも1個のシロキサン含有成分と、少なくとも1個の反応性親水ポリマー内部湿潤剤の反応生成物を含む湿潤性シリコーンハイドロゲルに関する。本発明は、さらに、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズであって、少なくとも1個の酸素透過性成分と、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズに湿潤性を付与するのに十分な量の反応性親水ポリマー内部湿潤剤を含むシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズに関する。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、少なくとも1個の反応性親水ポリマー内部湿潤剤を含むシリコーンハイドロゲル、ならびに、当該シリコーンハイドロゲルの生産および使用法に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
コンタクトレンズは、少なくとも1950年代から視力を改善するために商業的に使用されてきた。最初のコンタクトレンズは、硬質材料製であり、それ自体、ユーザーにとって幾分不快であった。現代のソフトコンタクトレンズは、より軟質の材料、典型的にはハイドロゲル製である。最近、シリコーンハイドロゲル製のソフトコンタクトレンズが導入された。シリコーンハイドロゲルは、高い酸素透過性を有する水膨潤ポリマー網状組織である。しかし、一部のユーザーは、これらのレンズ使用時、視力減退を招く不快および過剰眼内沈着物を経験する。
【0003】
他の者は、プラズマコーティングなど、親水性コーティング剤でシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの表面をコーティングすることによって、この問題を多少でも解決することを試みた。例えば、シリコーンハイドロゲルレンズは、レンズ表面にプラズマコーティングを適用することによって、あるいは、当該表面を反応性親水ポリマーで処理することによって、眼球表面への適合性が高まることが開示されている。医療用具表面上または近くの反応性官能基は、親水ポリマー上の反応性官能基に化学的に付着され、それによって、親水性表面を作り出す。ある例では、ビニルピロリドン−コ−4−ビニルシクロヘキシル−1,2−エポキシドポリマーが使用され、シリコーン基質をコートする。しかし、表面修飾は、通常、コンタクトレンズ生産の別工程である。
【0004】
コンタクトレンズの適用での使用に、エチレン不飽和疎水モノマーからの10〜90%反復単位を含む界面活性マクロモノマーが開示されている。2−段階反応が実施され、PVP−メタクリレートを形成する。全プロセスは、複数の合成段階を含み、結果として、各中間体の大規模な精製を必要とする。生じる「界面活性マクロモノマー(surface−active macromonomers)」は、分子量が低く、Mn、Mw、および多分散性の値は、それぞれ、4,900、8,900、および1.8である(PEG標準品に対して)。十分な量の疎水モノマーを加えると、湿潤性コンタクトレンズの形成を妨げる可能性がある。1時間より長いレンズ装着に関する湿潤性データは、報告されていない。
【0005】
親水性内部湿潤剤のマクロマー含有反応混合物への混入が開示されている。しかし、シリコーン含有マクロマーがすべて、親水性ポリマーと相溶性を示すわけではない。ポリマー物品の形成に使用されるモノマーミックスへの重合性界面活性剤の添加によるポリマー品の表面修飾も開示されている。しかし、生体内での湿潤性の改良と表面沈着物の軽減の持続は、達成されることができない。
【0006】
低い表面摩擦度、低い脱水率、および高い生体沈着物抵抗度(degree of biodeposit resistance)を示す相互浸透網状組織を形成するために、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)(PVP)またはポリ−2−エチル−2−オキサゾリンがハイドロゲル組成物に添加されている。
【0007】
これまでに、高分子量(Mw>300,000)PVPは、架橋シリコーンハイドロゲルマトリックス内に捕捉されることができることが、立証されている。しかし、有機溶媒中での抽出精製プロセス中に、当該高分子量PVPの若干の損失(<10重量%)が、依然として認められる。
【0008】
そのため、レンズ調合物に混入され、表面処理なしに当該レンズの湿潤性を改良できる別の親水ポリマーを見出すことが有利であると思われる。
【0009】
〔発明の概要〕
本発明は、生物医学的用具で使用される反応性親水ポリマー内部湿潤剤に関する。
【0010】
本発明は、さらに、少なくとも1個のシロキサン含有成分と少なくとも1個の反応性親水ポリマー内部湿潤剤との反応生成物を含む湿潤性シリコーンハイドロゲルに関する。
【0011】
本発明は、さらに、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズであって、少なくとも1個の酸素透過性成分と、当該コンタクトレンズに湿潤性を付与するのに十分な量の反応性親水ポリマー内部湿潤剤を含むシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズに関する。
【0012】
〔発明の詳細な説明〕
本明細書で使用される場合、「生物医学的用具(biomedical device)」は、哺乳動物の組織または体液の内部または上部、好ましくはヒトの組織または体液の内部または上部のいずれかで使用されるようにデザインされた任意の物品である。これらの用具の例は、カテーテル、インプラント、ステント、ならびに、眼内レンズおよびコンタクトレンズなどの眼科用具を含むが、それらに制約されない。好ましい生物医学的用具は、眼科用具、詳細にはコンタクトレンズ、最も詳細にはシリコーンハイドロゲル製コンタクトレンズである。
【0013】
本明細書で使用される場合、「レンズ」および「眼科用具」は、眼球内部または上部に滞留する用具を指す。これらの用具は、視力補正(optical correction)、創傷ケア、薬剤送達、診断機能性、美容強化または効果、あるいは、これらの特性の組合せを提供することができる。レンズという用語は、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズ、眼内レンズ、オーバーレイレンズ、眼内挿入物および光学挿入物を含むが、それらに制約されない。
【0014】
本明細書で使用される場合、「表面処理なし(without a surface treatment)」という語句は、本発明の用具の外面が、前記用具の湿潤性を改良するために個別に処理されないことを意味する。本発明のため、なしで済ませることのできる当該処理は、プラズマ処理、グラフティング、コーティングなどを含む。しかし、改良された湿潤性以外の特性を提供するコーティング、例えば、制限するものではないが、抗菌コーティング、色の適用、あるいは、他の美容強化などが、本発明の用具に適用されることができる。
【0015】
本明細書で使用される場合、「シリコーン含有相溶化成分(silicone containing compatibilizing component)」という用語は、少なくとも1個のシリコーンと少なくとも1個のヒドロキシル基を含有する反応成分を意味する。当該成分は、米国特許出願第10/236,538号および第10/236,762号に開示されている。
【0016】
本明細書で使用される場合、「マクロマー(macromer)」は、少なくとも1個の重合性末端基と、約1.66×10-22g(約100ダルトン)〜約1.66×10-19g(約100,000ダルトン)の数平均分子量に相当する10〜1000個の範囲のモノマー反復単位の重合度(DP)を有する低分子量ポリマーである。
【0017】
本明細書で使用される場合、「モノマー」という用語は、少なくとも1個の重合性基と、屈折率検出法を使ったゲル浸透クロマトグラフィーにより測定された場合に3.32×10-21g(2000ダルトン)未満前後の平均分子量とを含有する化合物である。
【0018】
本発明の組成物は、少なくとも1個のシリコーン含有成分と少なくとも1個の反応性親水ポリマー内部湿潤剤を含む、これら物質から基本的に成る、および、これら物質から成る。本明細書で使用される場合、「反応性親水ポリマー内部湿潤剤(reactive, hydrophilic polymeric internal wetting agent)」という用語は、少なくとも約3.32×10-21g(約2000ダルトン)の重量平均分子量を有する物質であって、当該物質がシリコーンハイドロゲル調合物への混入時に、硬化シリコーンハイドロゲルの湿潤性を改良する物質を指す。当該反応性親水ポリマー内部湿潤剤は、広範囲の分子量(重量平均)を有することができる。約8.30×10-21g(約5,000ダルトン)を上回る、さらに好ましくは約8.30×10-21g(約5,000ダルトン)〜約3.32×10-18g(約2,000,000ダルトン)の分子量が適している。ある実施態様では、約8.30×10-21g(約5,000ダルトン)〜約2.99×10-19g(約180,000ダルトン)、最も好ましくは約8.30×10-21g(約5,000ダルトン)〜約2.49×10-19g(約150,000ダルトン)の比較的低い分子量が好ましいと思われるが、他の実施態様では、約9.96×10-20g(約60,000ダルトン)〜約3.32×10-18g(約2,000,000ダルトン)、好ましくは約1.66×10-19g(約100,000ダルトン)〜約2.99×10-18g(約1,800,000ダルトン)、さらに好ましくは約2.99×10-19g(約180,000ダルトン)〜約2.49×10-18g(約1,500,000ダルトン)、最も好ましくは約2.99×10-19g(約180,000ダルトン)〜約1.66×10-18g(約1,000,000ダルトン)(全て、重量平均分子量)の比較的高い分子量範囲が使用されることができる。
【0019】
約3.32×10-21g(約2000ダルトン)を超える分子量を有するポリマーの分子量は、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを使ったゲル浸透クロマトグラフィー(GPC){サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)}によって測定され、特に明記されない限り、ポリ(2−ビニルピリジン)較正標準品に関連することができる。
【0020】
本発明の反応性親水ポリマー内部湿潤剤(IWAs)は、親水成分からの少なくとも90%、好ましくは少なくとも約95%の反復単位を含む。本明細書で使用される場合、親水成分(hydrophilic component)は、少量の架橋モノマーと重合されると、少なくとも約5重量%の水分、好ましくは約10重量%を超える水分、ある場合は、約20%を超える水分を吸収できるポリマーを形成する成分である。
【0021】
本明細書で使用される場合、「反応性(reactive)」は、陰イオン、陽イオンまたはフリーラジカル重合を受けることができる任意の基団を意味する。フリーラジカル反応基は、アクリレート、スチリル、ビニル、ビニルエーテル、C1-6アルキルアクリレート、アクリルアミド、C1-6アルキルアクリルアミド、N−ビニルラクタム、N−ビニルアミド、C2-12アルケニル、C2-12アルケニルフェニル、C2-12アルケニルナフチル、またはC2-6アルケニルフェニルC1-6アルキルを含む。陽イオン反応基は、ビニルエーテル、エポキシド基、およびそれらの混合物を含む。好ましい反応基は、メタクリレート、アクリルオキシ、メタクリルアミド、アクリルアミド、およびそれらの混合物を含む。本発明の反応性親水ポリマーIWAsは、1個以上の反応基を有することができる。ある実施態様では、当該反応性親水ポリマーIWAsは、末端に1個の反応基を有する。
【0022】
前記反応性親水ポリマー内部湿潤剤は、表面修飾なしでも使用中に表面沈着物を実質的に生じないコンタクトレンズを提供するのに十分な量で当該コンタクトレンズの調合物中に存在する。典型的な使用時間は、少なくとも8時間、好ましくは連続して数日間の装着、さらに好ましくは外さずに24時間以上を含む。実質的に表面沈着物を生じないということは、細隙灯で観察した場合に、患者群に装着されたレンズの少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約90%、さらに好ましくは約100%が、装着時間を通して、なしまたは軽度と評価された沈着物を示すことを意味する。
【0023】
反応性親水ポリマー内部湿潤剤の適切な量は、すべて、全反応成分の合計重量に基づいて、約1〜約15重量%、さらに好ましくは約3〜約15重量%、最も好ましくは約5〜約12重量%を含む。
【0024】
反応性親水ポリマー内部湿潤剤の例は、ポリアミド、ポリラクトン、ポリイミド、ポリラクタムおよび官能基化されたポリアミド、ポリラクトン、ポリイミド、ポリラクタムから(例えば、低モル量のヒドロキシル官能基化アゾ開始剤(例えば、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、または2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド})でDMAの重合を開始し、その後、生じた親水ポリマーのヒドロキシル基をラジカル重合性化合物(2−イソシアネートエチルメタクリレート、メタクリル酸無水物(methacrylic anhydride)、3−イソプロペニル−アルファ、アルファ−ジメチルベンジルイソシアネート、またはメタクリロイルクロライドなどであるが、それらに制約されない)を含有する材料で反応させることによって官能基化されたN,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)などから)誘導される反応性親水ポリマーを含むが、それらに限定されない。ある実施態様では、当該反応性親水ポリマー内部湿潤剤は、ポリマー主鎖またはペンダント基中、またはその両方にN基を含む。当該反応性親水ポリマーIWAは、DMA、オキサゾリン、またはN−ビニルピロリドンを含むことができ、エンドキャッピング試薬としてのグリシジルメタクリレートで処理されることができる。当該グリシジルメタクリレート基は、開環され、混合系において別の親水プレポリマーと併用され当該反応性親水ポリマーIWAの相溶性を高めることができるヒドロキシル基や、相溶性を付与する任意の他の基団を生じることができる。上記化合物の例は、式Iの親水ポリマーと式IIの反応性親水ポリマー内部湿潤剤を含む。
【0025】
【化1】

【0026】
【化2】

【0027】
別の例では、反応性親水ポリマーIWAは、低モル量のアミン官能基化アゾ開始剤(例えば2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)ジヒドロクロライドなど)でモノマー(例えばDMAなど)の重合を開始し、次に、生じた低分子量ポリマーのアミン基を、2−イソシアネートエチルメタクリレート、3−イソプロペニル−アルファ、アルファ−ジメチルベンジルイソシアネート、メタクリル酸無水物、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロイルクロライド、またはメタクリロイルクロライドなどのフリーラジカル重合性基団含有材料と反応させることによって生成されることができる。上記化合物の例は、式IIIの低分子量親水ポリマーおよび式IVの反応性親水ポリマーIWAsを含む。
【0028】
【化3】

【0029】
【化4】

【0030】
なおもさらなる例では、反応性親水ポリマーIWAは、低モル量のカルボン酸官能基化アゾ開始剤(例えば2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]テトラハイドレートなど)でモノマー(例えばDMAなど)の重合を開始し、次に、生じた低分子量親水ポリマーのカルボン酸基を、例えば2−アミノエチルメタクリレート、または3−アミノプロピルメタクリルアミドなどのフリーラジカル重合性基団含有材料と反応させることによっても生成されることができる。
【0031】
当業者は、前記低分子量親水ポリマーと前記フリーラジカル重合性化合物の間の不完全な反応が、一部に、出発低分子量親水ポリマー(starting low molecular weight hydrophilic polymer)、前記反応性親水ポリマーIWA、および未反応フリーラジカル重合性化合物を含む生成物の混合物を生じることが分かるであろう。最終生成物混合物中に低分子量親水ポリマーが存在する場合、当該生成物混合物から当該低分子量親水ポリマーを除去することは、必須ではない。その代わりに、当該低分子量親水ポリマーは、残留し、コンタクトレンズ調合物中の希釈剤として働き、当該レンズの精製中に、後から除去されることができる。当業者は、前記反応性親水ポリマーIWAsの分子量が、存在する開始剤量、反応温度およびモノマー濃度などの反応パラメーターに応じて変動することも、認識するであろう。さらに、チオグリコール酸、チオ乳酸などの連鎖移動剤の存在が、当該反応性親水ポリマーIWAsの分子量の制御に使用されることもできる。
【0032】
上記化合物の例は、式Vの低分子量親水ポリマーおよび式VIおよび式VIIの反応性親水ポリマー内部湿潤剤を含む。
【0033】
【化5】

【0034】
【化6】

【0035】
【化7】

【0036】
ある好ましいクラスの反応性親水ポリマーIWAsは、その主鎖に環式部分を含有する内部湿潤剤、さらに好ましくは環式アミドまたは環式イミドを含む内部湿潤剤を含む。反応性親水ポリマーIWAsは、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリ−N−ビニル−2−ピペリドン、ポリ−N−ビニル−2−カプロラクタム、ポリ−N−ビニル−3−メチル−2−カプロラクタム、ポリ−N−ビニル−3−メチル−2−ピペリドン、ポリ−N−ビニル−4−メチル−2−ピペリドン、ポリ−N−ビニル−4−メチル−2−カプロラクタム、ポリ−N−ビニル−3−エチル−2−ピロリドン、およびポリ−N−ビニル−4,5−ジメチル−2−ピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリ−N−N−ジメチルアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキサイド、ポリ−2−(エチル−オキサゾリン)、ヘパリンポリサッカライド、多糖類、それらの混合物およびコポリマー(ブロック、またはランダム、枝分れ、多連鎖、櫛形または星形を含む)から誘導されるマクロマーを含むが、それらに制約されず、ポリ−N−ビニルピロリドン(PVP)が特に好ましい。PVPのグラフトコポリマーなど、コポリマーも使用されることができる。これらのラクタム含有ポリマーは、溶液中でのホウ水素化ナトリウム(NaBH4)、ホウ水素化亜鉛(zinc borohydride)、トリアセトキシボロハイドライドナトリウム(sodium triacetoxyborohydride)、ビス(イソプロポキシチタン)ボロハイドライド(bis(isopropoxytitanium) borohydride)などのアルカリおよび遷移金属ホウ水素化物による処理と、それに続く適切な重合性基団との反応によっても、反応性にされることができる。
【0037】
別のクラスの好ましい反応性親水ポリマーIWAsは、ヒドロキシル基と結合できるペンダント非環式アミド基を含む反応性ポリマーおよびコポリマーを含む。
【0038】
適切な反応性親水ポリマーIWAsの例は、式VIIIの反復単位を主鎖に含むポリマーおよびコポリマーを含み、
【0039】
【化8】


式中、Rcは、C1−C3アルキル基であり、
Raは、H、直鎖または枝分れ、置換または非置換のC1−C4アルキル基から選択され、
Rbは、H、直鎖または枝分れ、置換または非置換のC1−C4アルキル基、2個までの炭素を有するアミノ基、4個までの炭素原子を有するアミド基、および、2個までの炭素を有するアルコキシ基から選択され、
RaとRbの炭素原子数は、合わせて8個、好ましくは6個以下である。本明細書で使用される場合、置換アルキル基は、アミン基、アミド基、エーテル基、またはカルボキシ基で置換されたアルキル基を含む。
【0040】
ある好ましい実施態様では、RaおよびRbは、独立して、H、および、置換または非置換C1−C2アルキル基、好ましくは非置換C1−C2アルキル基から選択される。
【0041】
別の好ましい実施態様では、Qは直接結合であり、RaおよびRbは、独立して、H、および、置換または非置換C1−C2アルキル基から選択される。
【0042】
好ましくは、本発明の反応性親水ポリマーIWAsは、大多数の式VIIIの反復単位、さらに好ましくは少なくとも80モル%の式VIIIの反復単位を含む。
【0043】
式VIIIの反復単位の具体例は、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルプロピオンアミド、N−ビニル−N−メチル−2−メチルプロピオンアミド、N−ビニル−2−メチルプロピオンアミド、N−ビニル−N,N’−ジメチルウレア、および、次式の非環式ポリアミドから誘導される反復単位を含む。
【0044】
【化9】

【0045】
さらなる反復単位は、N−ビニルアミド、アクリルアミド、ヒドロキシアルキル(メト)アクリレート、アルキル(メト)アクリレート、または他の親水モノマー、および、シロキサン置換アクリレートまたはメタクリレートから選択されるモノマーから形成されることができる。反応性親水ポリマーIWAsの形成に使用されることができるモノマーの具体例は、N−ビニルピロリドン、N−N−ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、および、ブチルメタクリレート、メタクリルオキシプロピルトリストリメチルシロキシシランなど、および、それらの混合物を含む。好ましいさらなる反復単位モノマーは、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、およびそれらの混合物を含む。
【0046】
ある実施態様では、前記反応性親水ポリマーIWAは、ポリ(N−ビニル−N−メチルアセトアミド)を含む。
【0047】
さらに別の実施態様では、前記反応性親水ポリマーIWAは、ビニルラクタムモノマー、およびビニルカルボキシレートモノマーを含むモノマーから誘導される反応性高分子量コポリマーを含む。好ましくは、反応性高分子量コポリマーは、少なくとも約9.96×10-20g(約60,000ダルトン)、さらに好ましくは約9.96×10-20g(約60,000ダルトン)〜約1.25×10-18g(約750,000ダルトン)、はるかに好ましくは約1.66×10-19g(約100,000ダルトン)〜約9.96×10-19g(約600,000ダルトン)、最も好ましくは約2.99×10-19g(約180,000ダルトン)〜約8.30×10-19g(約500,000ダルトン)の分子量(重量平均)を有する。
【0048】
ある実施態様では、これらの反応性高分子量コポリマーは、3段階で合成されることができる。第一段階では、ビニルラクタムモノマーとビニルカルボキシレートモノマーが、フリーラジカル重合開始剤(free radical initiator)を使って共重合され、高分子量親水コポリマーを生じる。第二段階では、生じたコポリマーのカルボキシレート基は、適切な反応条件下で部分的または完全に加水分解され、「修飾」高分子量コポリマーを生じ、このコポリマーは、ポリマー主鎖上のヒドロキシル基を介して1個以上の光重合性化合物(photo−polymerizable compounds)とさらに反応することができる。部分加水分解は、ビニルラクタム、ビニルアルコールおよびカルボキシレート単位を含むターポリマー、例えばビニルピロリドン、酢酸ビニルおよびビニルアルコールのターポリマーを生じる。第三段階では、上記で定められたように、修飾高分子量親水コポリマーが反応性基団で処理され、前記反応性親水ポリマーIWAを生じる。
【0049】
適切なN−ビニルラクタムは、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−4−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−5,5−ジメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,3,5−トリメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−5−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,4,5−トリメチル−3−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−6−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−6−エチル−2−ピペリドン、N−ビニル−3,5−ジメチル−2−ピペリドン、N−ビニル−4,4−ジメチル−2−ピペリドン、N−ビニル−7−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−7−エチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3,5−ジメチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−4,6−ジメチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3,5,7−トリメチル−2−カプロラクタム、N−ビニルマレイミド、ビニルスクシンイミド、それらの混合物などを含む。
【0050】
好ましいビニルラクタムは、複素環に炭素原子4個を含有する複素環モノマーを含む。非常に好ましいビニルラクタムは、N−ビニル−2−ピロリドンである。
【0051】
適切なビニルカルボキシレートは、ビニルおよびカルボキシレート官能基の両方を有する、好ましくは10個までの炭素原子を有する化合物を含む。適切なビニルカルボキシレートの具体例は、ヘプタン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、ペンタン酸ビニル、ブタン酸ビニル、プロパン酸ビニル(プロピオン酸ビニル)、エタン酸ビニル(酢酸ビニル)、トリフルオロ酢酸ビニル、それらの混合物などを含む。好ましいビニルカルボキシレートは、酢酸ビニルである。
【0052】
前記高分子量コポリマーは、さらに、ビニルアルコールから誘導される反復単位を含むことができる。適切なビニルアルコールは、2−ヒドロキシエチル2−メチル−2−プロペノエート、p−ヒドロキシスチレン、4−ビニルベンジルアルコール、ジエチレングリコール モノメタクリレート、2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エチル2−メチル−2−プロペノエート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル2−メチル−2−プロペノエート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ブタンジオールモノアクリレート、ブタンジオールモノメタクリレート、3−[(4−エテニルフェニル)メトキシ]−1,2−プロパンジオール、3−(エテニルフェニル)メトキシ−1,2−プロパンジオールm−およびp−異性体ミックス、2−(エテニルフェニル)メトキシ酢酸m−およびp−異性体混合物、キシリトール1−メタクリレートおよびキシリトール3−メタクリレート、N−2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルアクリルアミドを含む。
【0053】
この実施態様のあるクラスの反応性親水ポリマーIWAsは、以下のモノマー単位から誘導される単位をそのポリマー鎖に含む(全数値の前には、単語「約」が来る)。
【0054】
【表1−1】

【0055】
高分子量コポリマーから形成される前記反応性親水ポリマーIWAsは、低モル量のアゾ重合開始剤によってN−ビニル−2−ピロリドン(NVP)および酢酸ビニル(VA)の重合を開始し、カルボキシレート基を加水分解または部分加水分解し、その後、生じた高分子量親水コポリマーのヒドロキシル基を、ラジカル重合性基団(メタクリル酸2−イソシアネートエチル、メタクリル酸無水物、塩化アクリロイル、または塩化メタクリロイルなど)含有材料で反応させ、高分子量光重合性親水コポリマー(HMWPPHC)を形成することによって、官能基化されたN−ビニル−2−ピロリドン(NVP)および酢酸ビニル(VA)などのポリアミド、ポリラクトン、ポリイミド、ポリラクタム、および、官能基化されたポリアミド、ポリラクトン、ポリイミド、ポリラクタム、ポリカルボキシレートから誘導されるコポリマーから形成されることもできる。適切なアゾ触媒は、技術上周知で、AIBN、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)ジハイドロクロライド、または、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]テトラハイドレート)を含む。グリシジルメタクリレートから生成される反応性親水ポリマーIWAsも、使用されることができる。グリシジルメタクリレート環は、開環され、ジオールを生じることができ、当該ジオールは、混合系で別の親水ポリマーと合わせて使用され、当該反応性親水ポリマーIWAs、相溶化成分、および任意の他の相溶性付与基の相溶性を高めることができる。上記の反応性親水ポリマーIWAsの例は、式IXおよび式Xの化合物を含む。
【0056】
【化10】

【0057】
前記反応性親水ポリマーIWAsは、いずれも全反応成分の合計に基づいて、約1〜約15重量%、さらに好ましくは約3〜約15%、最も好ましくは約5〜約12%の量で使用されることができる。
【0058】
一部の実施態様では、前記反応性親水ポリマーIWAは、加工温度で前記希釈剤に可溶性であるのが好ましい。簡便性およびコスト削減から、水または水溶性希釈剤を使用する製造プロセスが好ましい。これらの実施態様では、加工温度で水溶性の親水ポリマーIWAsが好ましい。
【0059】
前記反応性親水ポリマーIWAsに加えて、本発明のハイドロゲルは、1個以上のシリコーン含有成分と、任意に、1個以上の親水成分をさらに含む。本発明のポリマーの製造に使用されるシリコーン含有成分および親水成分は、シリコーンハイドロゲルの製造に先行技術で使用される既知成分のいずれかであることができる。これらの用語、シリコーン含有成分および親水成分は、シリコーン含有成分が幾分親水性であることがあり、また、親水成分が若干のシリコーンを含むことがあるという点で、相互に排除し合うものではない。これは、シリコーン含有成分も親水基を有することができ、また、親水成分もシリコーン基を有することができるためである。
【0060】
さらに、シリコーン含有成分および親水成分は、重合前に反応され、プレポリマーを形成することができ、当該プレポリマーは、後から、希釈剤の存在下で重合され、本発明のポリマーを形成する。プレポリマーまたはマクロマーが使用される場合、少なくとも1個のシリコーン含有モノマーと少なくとも1個の親水モノマーを前記希釈剤の存在下で重合し、当該シリコーン含有モノマーおよび当該親水モノマーは異なるのが好ましい。用語「モノマー」は、本明細書で使用される場合、重合されることができる低分子量化合物(即ち、典型的には、700未満の数平均分子量を有する)を指す。よって、当然、用語「シリコーン含有成分」および「親水成分」は、モノマー、マクロモノマー、およびプレポリマーを含む。
【0061】
シリコーン含有成分は、モノマー、マクロマーまたはプレポリマー中に少なくとも1個の[−Si−O−Si]基を含有する成分である。好ましくは、Siおよび結合Oは、当該シリコーン含有成分中に、当該シリコーン含有成分の総分子量の20重量%を超える量、さらに好ましくは30重量%を超える量で存在する。有用なシリコーン含有成分は、好ましくは、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニルラクタム、N−ビニルアミドおよびスチリル官能基などの重合性官能基を含む。本発明で有用なシリコーン含有成分の例は、米国特許第3,808,178号、第4,120,570号、第4,136,250号、第4,153,641号、第4,740,533号、第5,034,461号および第5,070,215号、および、EP080539に認められることができる。本明細書で引用される全特許は、参照することによって、そのまま本明細書に組み入れられている。これらの参考文献は、オレフィンシリコーン含有成分の多くの例を開示している。
【0062】
適切なシリコーン含有モノマーのさらなる例は、次式で表されるポリシロキサニルアルキル(メト)アクリルモノマーであり、
【0063】
【化11】


式中、Zは、Hまたは低級アルキル、好ましくはHまたはメチルを示し、
Xは、OまたはNR4を示し、
各R4は、独立して、水素またはメチルを示し、
各R1〜R3は、独立して、低級アルキルラジカルまたはフェニルラジカルを示し、
jは、1、または3〜10である。
【0064】
これらのポリシロキサニルアルキル(メト)アクリルモノマーの例は、メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、ペンタメチルジシロキサニル メチルメタクリレート、および、メチルジ(トリメチルシロキシ)メタクリルオキシメチル シランを含む。メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランが最も好ましい。
【0065】
ある好ましいクラスのシリコーン含有成分は、式XIIで表されるポリ(オルガノシロキサン)プレポリマーであり、
【0066】
【化12】


式中、各Aは、独立して、活性化不飽和基を示し、例えば、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルまたはアミド、あるいは、アルキルまたはアリール基などであり(少なくとも1個のAが、ラジカル重合を受けることができる活性化不飽和基を含むという条件付きで)、
各R5、R6、R7およびR8は、独立して、炭素原子間にエーテル結合を有することができる炭素原子1〜18個を有する、一価炭化水素ラジカルまたはハロゲン置換一価炭化水素ラジカルから成る群から選択され、
R9は、炭素原子1〜22個を有する二価炭化水素ラジカルを示し、
mは、0、または1以上、好ましくは5〜400、さらに好ましくは10〜300の整数である。ある具体例は、α,ω−ビスメタクリルオキシプロピルポリジメチルシロキサンである。別の好ましい例は、mPDMS(モノメタクリルオキシプロピル末端モノ−n−ブチル末端ポリジメチルシロキサン)である。
【0067】
別の有用なクラスのシリコーン含有成分は、次式のシリコーン含有ビニルカーボネートまたは次式のビニルカルバメートモノマーを含み、
【0068】
【化13】


式中、Yは、O、SもしくはNHを示し、
RSiは、シリコーン含有有機ラジカルを示し、
Rは、水素または低級アルキル、好ましくは水素(H)またはメチルを示し、
dは、1、2、3もしくは4であり、
qは、0もしくは1である。適切なシリコーン含有有機ラジカルRSiは、以下のものを含む。
【0069】
【化14】


式中、pは、1〜6、あるいは、炭素原子1〜6個を有するアルキルラジカルもしくはフルオロアルキルラジカルであり、
eは、1〜200であり、
qは、1、2、3もしくは4であり、
sは、1、2、3、4もしくは5である。
【0070】
前記のシリコーン含有ビニルカーボネートまたはビニルカルバメートモノマーは、具体的には、1,3−ビス[4−(ビニルオキシカルボニルオキシ)ブト−1−イル]テトラメチル−イシロキサン 3−(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル−[トリス(トリメチルシロキシシラン]、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート、3−[トリス(トリメチルシロキシ)ウィリル]プロピルビニルカルバメート(3− [tris(trimethylsiloxy)wilyl] propyl vinyl carbamate)、トリメチルシリルエチルビニルカーボネート、トリメチルシリルメチルビニルカーボネート、および以下を含む。
【0071】
【化15】

【0072】
別のクラスのシリコーン含有成分は、次式の化合物を含み、
式XIV−XV
(*D*A*D*G)α*D*D*E1
E(*D*G*D*A)α*D*G*D*E1
E(*D*A*D*G)α*D*A*D*E1
式中、
Dは、炭素原子6〜30個を有する、アルキルラジカル、アルキルシクロアルキルジラジカル、シクロアルキルジラジカル、アリールジラジカル、またはアルキルアリールジラジカルを示し、
Gは、炭素原子1〜40個を有する、アルキルジラジカル、シクロアルキルジラジカル、アルキルシクロアルキルジラジカル、アリールジラジカル、またはアルキルアリールジラジカルを示し、主鎖にエーテル、チオまたはアミン結合を含有することができ、
*は、ウレタンまたはウレイド結合を示し、
αは、少なくとも1であり、
Aは、次式の二価ポリマーラジカルを示し、
【0073】
【化16】


R11は、独立して、炭素原子1〜10個を有する、アルキルまたはフッ素置換アルキル基を示し、炭素原子間にエーテル結合を含有でき、
rは、少なくとも1であり、
pは、400〜10,000の部分重量(moiety weight)を提供し、
各EおよびE1は、独立して、次式で表される重合性不飽和有機ラジカルを示し、
【0074】
【化17】


式中、R12は、水素またはメチルであり、
R13は、水素、炭素原子1〜6個を有するアルキルラジカル、または、−CO−Y−R15ラジカルで、式中、Yは−O−、Y−S−、または、−NH−であり、
R14は、炭素原子1〜12個を有する二価ラジカルであり、
Xは、−CO−または−OCO−を示し、
Zは、−O−、または、−NH−を示し、
Arは、炭素原子6〜30個を有する芳香族ラジカルを示し、
aは、0〜6であり、
bは、0または1であり、
eは、0または1であり、
cは、0または1である。
【0075】
好ましいシリコーン含有成分は、次式で表され、
【0076】
【化18】


式中、R16は、イソフォロンジイソシアネートのジラジカルなど、イソシアネート基除去後のジイソシアネートのジラジカルである。別の好ましいシリコーン含有マクロマーは、フルオロエーテル、ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサン、イソフォロンジイソシアネート、およびイソシアネートエチルメタクリレートの反応によって形成される式Xの化合物である(式中、x + yは、10〜30の範囲の数である)。
【0077】
【化19】

【0078】
本発明での使用に適した他のシリコーン含有成分は、ポリシロキサン、ポリアルキレンエーテル、ジイソシアネート、ポリフッ素化炭化水素、ポリフッ素化エーテルおよびポリサッカライド基を含有するマクロマーなど、WO 96/31792に記述されている成分を含む。米国特許第5,321,108号、第5,387,662号および第5,539,016号は、末端二フッ素置換炭素原子に結合された水素原子を有する、極性フッ素化グラフトまたは側基を有するポリシロキサンを記述している。当該ポリシロキサンは、本発明でシリコーンモノマーとして使用されることもできる。
【0079】
前記ハイドロゲルは、残りの反応成分と配合されると、生じたレンズに少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約25%の水分含有量を提供できる成分などの親水成分をさらに含むことができる。適切な親水成分は、存在する場合、すべて、全反応成分の重量に基づいて、約60重量%まで、好ましくは約10〜約60重量%、さらに好ましくは約15〜約50重量%、なおもさらに好ましくは約20〜約40重量%の量で存在することができる。本発明のポリマーの製造に使用されることができる親水モノマーは、少なくとも1個の重合性二重結合と、少なくとも1個の親水性官能基を有する。重合性二重結合を有する官能基の例は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、フマル酸、マレイン酸、スチリル、イソプロペニルフェニル、O−ビニルカーボネート、O−ビニルカルバメート、アリル、O−ビニルアセチルおよびN−ビニルラクタムおよびN−ビニルアミドの各二重結合を含む。当該親水モノマーは、それ自体、架橋剤として使用されることができる。「アクリル酸タイプ(Acrylic−type)」または「アクリル酸含有(acrylic−containing)」モノマーは、アクリル基(CR’H=CRCOX)を含有するモノマーであり、式中、Rは、HまたはCH3、R’は、H、アルキル、またはカルボニル、Xは、OまたはNであり、これは容易に重合することも既知であり、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリセロールメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸およびそれらの混合物などである。
【0080】
本発明のハイドロゲルに混入されることができる親水性ビニル含有モノマーは、N−ビニルラクタム(例、N−ビニルピロリドン(NVP))、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニル−N−エチルアセトアミド、N−ビニル−N−エチルホルムアミド、N−ビニルホルムアミド、N−2−ヒドロキシエチルビニルカルバメート、N−カルボキシ−β−アラニンN−ビニルエステルなどのモノマーを含み、NVPが好ましい。
【0081】
本発明で用いられることができる他の親水モノマーは、重合性二重結合含有官能基で置換された末端ヒドロキシル基の1個以上を有するポリオキシエチレンポリオールを含む。例は、重合性二重結合含有官能基で置換された末端ヒドロキシル基の1個以上を有するポリエチレングリコールを含む。例は、ポリエチレングリコールであって、当該ポリエチレングリコールが、エンドキャッピング基(イソシアネートエチルメタクリレート(「iEM」)、メタクリル酸無水物、塩化メタクリロイル、塩化ビニルベンゾイルなど)1モル当量以上と反応され、1個以上の末端重合性オレフィン基を有するポリエチレンポリオールを生成し、当該オレフィン基が、カルバメートまたはエステル基などの結合部分を介してポリエチレンポリオールに結合される、ポリエチレングリコールを含む。
【0082】
なおもさらなる例は、米国特許第5,070,215号に開示されている親水性ビニルカーボネートまたはビニルカルバメートモノマー、および、米国特許第4,910,277号に開示されている親水性オキサゾロンモノマーである。他の適切な親水モノマーは、当業者には明らかであろう。
【0083】
本発明のポリマーに混入されることができる、さらに好ましい親水モノマーは、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリセロールメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−ビニルピロリドン(NVP)、およびポリエチレングリコールモノメタクリレートなどの親水モノマーを含む。
【0084】
最も好ましい親水モノマーは、DMA、NVP、およびそれらの混合物を含む。
【0085】
本発明の反応性親水ポリマーIWAsが、シリコーンヒドロゲル調合物に混入される場合、少なくとも1個のヒドロキシル含有成分を含み、本発明の反応性親水ポリマーIWAとシリコーン含有成分の相溶化に役立つのが望ましい。本発明のポリマーの製造に使用されることができるヒドロキシル含有成分は、少なくとも1個の重合性二重結合と、少なくとも1個の親水性官能基を有する。重合性二重結合の例は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、フマル酸、マレイン酸、スチリル、イソプロペニルフェニル、O−ビニルカーボネート、O−ビニルカルバメート、アリル、O−ビニルアセチルおよびN−ビニルラクタムおよびN−ビニルアミドの各二重結合を含む。当該ヒドロキシル含有成分は、架橋剤として作用することもできる。さらに、当該ヒドロキシル含有成分は、ヒドロキシル基を含む。このヒドロキシル基は、一級、二級または三級アルコール基であることができ、アルキル基またはアリール基上に位置することができる。使用可能なヒドロキシル含有モノマーの例は、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルビニルカルバメート、2−ヒドロキシエチルビニルカーボネート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシヘキシルメタクリレート、ヒドロキシオクチルメタクリレート、および、米国特許第5,006,622号、第5,070,215号、第 5,256,751号および第5,311,223号に開示されるような他のヒドロキシル官能基モノマーを含むが、それらに制約されない。好ましいヒドロキシル含有モノマーは、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、および、シリコーンまたはシロキサン官能基を含むヒドロキシル官能基モノマー(WO03/022321に開示されるヒドロキシル官能基化シリコーン含有モノマーなど)、および、WO03/022322に開示されているような少なくとも1個の活性水素と少なくとも1個のシロキサン基を含む相溶化成分を含む。これらの特許の開示内容は、参照することによって、本明細書にそのまま組み入れられている。具体例は、2−プロペン酸、2−メチル−2−ヒドロキシ−3−[3−[l,3,3,3−テトラメチル−1−[トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロポキシ]プロピルエステル(これは、(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシランとも称されることができる)、3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、ビス−3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシプロピルポリジメチルシロキサン, 3−メタクリルオキシ−2−(2−ヒドロキシエトキシ)プロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、N−2−メタクリルオキシエチル−O−(メチル−ビス−トリメチルシロキシ−3−プロピル)シリルカルバメート、およびN,N,N’,N’−テトラキス(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−α,ω−ビス−3−アミノプロピル−ポリジメチルシロキサン、およびそれらの混合物を含み、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン), 3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、およびそれらの混合物が好ましい。
【0086】
相溶化成分が使用される場合、前記ポリマー調合物中の相溶化成分の有効量は、約5%(前記反応成分の合計重量に基づいた重量%)〜約90%、好ましくは約10%〜約80%、最も好ましくは約20%〜約50%を含む。
【0087】
別法として、前記反応性親水ポリマーIWAsは、親水性ハイドロゲルに含まれることができる。一般に、これらのハイドロゲルは、上記の親水モノマーから生成される。市販ハイドロゲル調合物は、エタフィルコン(etafilcon)、ポリマコン(polymacon)、ビフィルコン(vifilcon)、ゲンフィルコンA(genfilcon A)、およびレネフィルコンA(lenefilcon A)を含むが、それらに制約されない。
【0088】
一般に、前記反応性成分は、希釈剤中で混合され、反応混合物を形成する。適切な希釈剤は、技術上周知である。
【0089】
シリコーンハイドロゲル反応混合物に適した希釈剤クラスは、エーテル、エステル、アルカン、ハロゲン化アルキル、シラン、アミド、アルコールおよびそれらの配合物を含む。アミドおよびアルコールが好ましい希釈剤で、炭素2〜20個を有するアルコール、一級アミンから誘導され、炭素原子10〜20個を有するアミド、炭素原子8〜20個を有するカルボン酸である。一部の実施態様では、一級および三級アルコールが好ましい。好ましいクラスは、炭素5〜20個を有するアルコール、炭素原子10〜20個を有するカルボン酸を含む。
【0090】
使用可能な具体的な希釈剤は、1−エトキシ−2−プロパノール、ジイソプロピルアミノエタノール、イソプロパノール、3,7−ジメチル−3−オクタノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1−オクタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、2−オクタノール、3−メチル−3−ペンタノール、tert−アミルアルコール、tert−ブタノール、2−ブタノール、1−ブタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、エタノール、2−エチル−1−ブタノール、SiGMAアセテート、1−tert−ブトキシ−2−プロパノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、tert−ブトキシエタノール、2−オクチル−1−ドデカノール、デカン酸、オクタン酸、ドデカン酸、2−(ジイソプロピルアミノ)エタノール、それらの混合物などを含む。
【0091】
好ましい希釈剤は、3,7−ジメチル−3−オクタノール、1−ドデカノール、1−デカノール、1−オクタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、2−オクタノール、3−メチル−3−ペンタノール、2−ペンタノール、t−アミルアルコール、tert−ブタノール、2−ブタノール、1−ブタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、エタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2−オクチル−1−ドデカノール、デカン酸、オクタン酸、ドデカン酸、それらの混合物などを含む。
【0092】
さらに好ましい希釈剤は、3,7−ジメチル−3−オクタノール、1−ドデカノール、1−デカノール、1−オクタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、2−オクタノール、1−ドデカノール、3−メチル−3−ペンタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、tert−アミルアルコール、tert−ブタノール、2−ブタノール、1−ブタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2−オクチル−1−ドデカノール、それらの混合物などを含む。
【0093】
非シリコーン含有反応混合物に適した希釈剤は、グリセリン、エチレングリコール、エタノール、メタノール、酢酸エチル、塩化メチレン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、制限するものではないが、二価アルコールのホウ酸エステルを含む、米国特許第4,018,853号、第4,680,336号および第5,039,459号に開示されているものなどの低分子量PVP、それらの配合物などを含む。
【0094】
希釈剤混合物が使用されることができる。前記希釈剤は、前記反応混合物中の全成分の合計の、約50重量%までの量で使用されることができる。さらに好ましくは、当該希釈剤は、当該反応混合物中の全成分の合計の、約45%未満の量、さらに好ましくは約15〜約40重量%の量で使用される。
【0095】
別の実施態様では、前記希釈剤は、光重合性反応基を含まない低分子量親水ポリマーを含む。当該希釈剤は、離型剤などの追加成分も含む。適切な離型剤は、水溶性で、レンズのデブロッキング(deblocking)を助ける。
【0096】
架橋モノマーとも呼ばれる、1個以上の架橋剤、例えば、エチレングリコールジメタクリレート(「EGDMA」)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(「TMPTMA」)、グリセロールトリメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート(当該ポリエチレングリコールは、例えば約5000までの分子量を有するのが好ましい)、および、他のポリアクリレートおよびポリメタクリレートエステル(2個以上の末端メタクリレート部分を含有する、上記のエンドキャップ化ポリオキシエチレンポリオールなど)などを前記反応混合物に添加することが一般的に必要である。当該架橋剤は、通常量、例えば前記反応混合物中に、約0.000415〜約0.0156モル/反応成分100グラムで使用される(当該反応成分は、ポリマーの構造の一部にならない希釈剤および任意の追加加工助剤を除く、当該反応混合物中のすべてである)。別法として、前記親水モノマーおよび/または前記シリコーン含有モノマーが、架橋剤として作用する場合、当該反応混合物への架橋剤の添加は、任意である。架橋剤として作用することができ、存在する場合に、当該反応混合物への追加架橋剤の添加を必要としない親水モノマーの例は、2個以上の末端メタクリレート部分を含有する上記のポリオキシエチレンポリオールを含む。
【0097】
架橋剤として作用することができ、存在する場合に、当該反応混合物への架橋モノマーの添加を必要としないシリコーン含有モノマーの例は、α,ω−ビスメタクリルオキシプロピルポリジメチルシロキサンを含む。
【0098】
前記反応混合物は、UV吸収剤、薬剤、抗菌化合物、反応性着色剤(reactive tints)、色素、共重合性および非重合性染料、離型剤およびそれらの配合物などであるが、それらに制約されない、追加成分を含有することができる。
【0099】
前記反応混合物中には、好ましくは重合触媒または開始剤が含まれる。当該重合開始剤は、適度の昇温でフリーラジカルを発生する化合物(過酸化ラウリル、過酸化ベンゾイル、イソプロピルパーカーボネート、アゾビスイソブチロニトリルなど)、光重合開始剤系(芳香族アルファ−ヒドロキシケトン、アルコキシオキシベンゾイン、アセトフェノン、アシルフォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイド、および三級アミンプラスジケトン、それらの混合物など)を含む。光重合開始剤の説明に役立つ例は、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、 2−ヒドロキシ−2−メチル−l−フェニル−プロパン− 1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4−4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド(DMBAPO)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(イルガキュア819(Irgacure 819))、2,4,6−トリメチルベンジルジフェニルフォスフィンオキサイド、および2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾインメチルエーテル、および、カンファーキノンと4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸エチルの配合物である。市販の可視光重合開始剤系は、イルガキュア819(Irgacure 819)、イルガキュア1700(Irgacure 1700)、イルガキュア1800(Irgacure1800)、イルガキュア819(Irgacure 819)、イルガキュア1850(Irgacure 1850)(すべて、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals)から販売)、およびルシリン(Lucirin)TPO重合開始剤(BASFから入手可能)を含む。市販のUV光重合開始剤は、ダロキュア1173(Darocur 1173)、およびダロキュア2959(Darocur 2959)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals))を含む。使用可能なこれらおよび他の光重合開始剤は、J.V.クリヴェロおよびK.ディエトリカー(J.V. Crivello & K. Dietliker)著、G.ブラッドレー(G. Bradley)編集の「フォトイニシエーターズ・フォー・フリー・ラジカル・カチオニック・アンド・アニオニック・フォトポリメライゼーション(Photoinitiators for Free Radical Cationic & Anionic Photopolymerization)」第3巻、2版(ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社(John Wiley and Sons)ニューヨーク、 1998)に開示されており、これは、参照することによって、本明細書に組み入れられている。当該重合開始剤は、前記反応混合物中に、当該反応混合物の光重合を開始するのに有効な量、例えば、反応モノマー100重量部当たり約0.1〜約2重量部で使用される。当該反応混合物の重合は、使用される重合開始剤に応じて、熱もしくは可視光もしくは紫外線または他の手段を適切に選択して開始されることができる。別法として、開始は、光重合開始剤なしで、例えばe−ビームを使って実施されることができる。しかし、光重合開始剤が使用される場合、好ましい開始剤は、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(イルガキュア819(Irgacure 819)(登録商標))などのビスアシルフォスフィンオキサイド、または、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4−4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド(DMBAPO)の配合物などであり、好ましい重合開始法は、可視光である。最も好ましいのは、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(イルガキュア819(Irgacure 819)(登録商標))である。
【0100】
本発明は、さらに、共有結合された反応性親水ポリマーIWAを含有するシリコーンハイドロゲル、および、以下に示される調合物から形成される生物医学的用具、眼科用具およびコンタクトレンズを含む、これらから成る、および、これらから基本的に成る(全数値の前には、単語「約」が来る)。
【0101】
【表1−2】

【0102】
本発明の反応混合物は、振盪または攪拌などの当業者に周知の方法のいずれかによって形成され、既知法によるポリマー品もしくは用具の形成に使用されることができる。
【0103】
例えば、本発明の生物医学的用具は、反応成分と希釈剤を重合開始剤と混合し、適切な条件で硬化させ、後から旋盤(lathing)、切断などによって適切な形状に形成されることができる製品を形成することによって調製されることができる。別法として、前記反応混合物は、鋳型に入れられ、適切な物品に硬化されることができる。
【0104】
コンタクトレンズの生産における前記反応混合物の加工には、スピンキャスティング法および置注鋳造法(static casting)を含めた各種プロセスが既知である。スピンキャスティング法は、米国特許第3,408,429号および第3,660,545号に、置注鋳造法は、米国特許第4,113,224号および第4,197,266号に開示されている。本発明のポリマーを含むコンタクトレンズの好ましい生産法は、シリコーンハイドロゲルの成型によるもので、これは、経済的であり、水和レンズの最終形状の正確な制御を可能にする。この方法の場合、前記反応混合物は、最終の所望シリコーンハイドロゲル、即ち、水膨潤ポリマーの形状を有する鋳型に入れられ、当該反応混合物は、モノマーが重合し、それによって、最終の所望製品の形状のポリマー/希釈剤混合物を生成する条件に供される。その後、このポリマー/希釈剤混合物は、溶媒で処理され、希釈剤が除去され、最終的に当該希釈剤を水に置換し、元の成型されたポリマー/希釈剤品のサイズと形状に良く似た最終のサイズと形状を有するシリコーンハイドロゲルを生成する。この方法は、コンタクトレンズの形成に使用されることができ、参照することによって本明細書に組み入れられている米国特許第4,495,313号、第4,680,336号、第4,889,664号および第5,039,459号にさらに詳細に記述されている。
【0105】
本発明の生物医学的用具、特に眼科レンズは、当該用具を特に有用にするバランスのとれた特性を有する。当該特性は、透明性、水分含有量、酸素透過性および接触角を含む。よって、ある実施態様では、当該生物医学的用具は、約17%を超える水分含有量、好ましくは約20%を超える水分含有量、さらに好ましくは約25%を超える水分含有量を有するコンタクトレンズである。
【0106】
本明細書で使用される場合、透明性(clarity)は、目に見える曇りが実質的にないことを意味する。好ましくは、透明レンズは、約150%未満、さらに好ましくは約100%未満の曇り度を有する。
【0107】
適切な酸素透過度は、好ましくは約3.00×10-162/sPa(約40バーラー(barrer))を超え、さらに好ましくは約4.50×10-162/sPa(約60バーラー)を超える。
【0108】
また、当該生物医学的用具、特に眼科用具およびコンタクトレンズは、約80°未満、好ましくは約70°未満、さらに好ましくは約65°未満の接触角(前進)を有する。一部の好ましい実施態様では、本発明の物品は、上記の酸素透過率、水分含有量および接触角の組合せを有する。上記範囲の全組合せは、本発明の範囲内であると見なされる。
【0109】
以下の制約のない実施例が、本発明をさらに詳細に説明する。
【0110】
動的接触角、即ちDCAは、ウィルヘルミーバランス(Wilhelmy balance)を使って、ホウ酸緩衝食塩水、23℃で測定された。レンズ表面とホウ酸緩衝食塩水の間の湿潤力は、当該レンズの中央部から切断された短冊状サンプル片が100ミクロン/秒の速度で前記食塩水に浸漬されながら、ウィルヘルミーマイクロバランス(Wilhelmy microbalance)を使って測定される。以下の方程式が使用され、
F=2γpcosθ 即ち、θ=cos-1(F/2γp)
式中、Fは湿潤力、γはプローブ液の表面張力、pはメニスカスでのサンプルの周長、θは接触角である。典型的には、2つの接触角、即ち前進接触角と後退接触角は、動的湿潤実験から得られる。前進接触角は、サンプルがプローブ液に浸漬されている湿潤実験部分から得られ、これらは、本明細書で報告される数値である。組成物毎に少なくとも4個のレンズが測定され、平均値が報告される。
【0111】
水分含有量は、次のように測定された。即ち、被験レンズは、包装溶液中に24時間置かれた。3個の被験レンズは、それぞれ、先端がスポンジの綿棒を使って包装溶液から取り出され、包装溶液で湿らされた吸い取りシート上に置かれた。当該レンズの両側がシートに接触された。ピンセットを使って、被験レンズは、秤量皿中に置かれ、重量を計測された。さらに2セットのサンプルが、上記のとおりに、調製され、重量を計測された。秤量皿は、3回重量を計測され、その平均が湿重量(wet weight)である。
【0112】
予め60℃に30分間加熱された真空オーブンに前記サンプル皿を置いて乾燥重量が測定された。真空は、少なくとも0.4インチ(1.02 cm)のHgが達成されるまで、加えられた。真空バルブおよびポンプがオフにされ、当該レンズは、4時間乾燥された。パージバルブが開かれ、オーブンは、大気圧に達することが可能となった。当該皿が取り出され、重量が計測された。水分含有量は、次のように算出された。
【0113】
【数1】


サンプルについて、水分含有量の平均値および標準偏差が算出され、報告される。
【0114】
初期ゲージの高さまで下げられたロードセル搭載の定速移動式引張試験機のクロスヘッドを使って弾性率が測定された。適切な試験機は、インストロンモデル1122(Instron model 1122)を含む。全長0.522インチ(1.326 cm)、「耳」幅0.276インチ(0.701 cm)、「首」幅0.213インチ(0.541 cm)を有するドッグボーン形サンプルが、グリップ内に装填され、2インチ/分(5.08 cm/分)の一定の引っ張り速度で、当該サンプルが破断するまで伸ばされた。当該サンプルの初期ゲージの長さ(L0)と、破断時のサンプルの長さ(Lf)が測定された。組成物毎に12個の検体が測定され、平均値が報告される。応力/歪曲線の初期直線部分で、張力係数が測定された。
【0115】
曇り度は、周囲温度で、平坦な黒色背景の上の透明な20 x 40 x 10 mmガラスセル内のホウ酸緩衝食塩水中に水和被験レンズを入れ、光ファイバーランプ(チタン・ツール・サプライ・カンパニー(Titan Tool Supply Co.)、出力設定4〜5.4に設定された直径0.5インチ(1.27 cm)の光導波路を備えた光ファイバー光)で、当該レンズセルに垂直な66°の角度で下から照射し、レンズ台の14 mm上方に配置したビデオカメラ(ナビターTVズーム7000(Navitar TV Zoom 7000)ズームレンズ付きDVC 1300C:19130 RGBカメラ)で当該レンズセルに垂直なレンズの画像を上方から捉えることによって測定される。背景の光の散乱は、EPIX XCAP V 1.0ソフトウェアを使って、ブランクセルの画像を差し引くことによって、当該レンズの光の散乱から差し引かれる。差し引かれた散乱光画像は、レンズの中央10 mmを積分した(integrating)後、曇り度0と設定されたレンズを使わずに、曇り度100に独自に設定された−1.00ジオプターCSI薄肉レンズ(CSI Thin Lens)(登録商標)と比較することによって、定量分析される。5個のレンズが分析され、結果が平均化され、曇り度が標準CSIレンズのパーセンテージとして得られる。
【0116】
酸素透過率(Dk)は、ISO 9913−1:1996(E)に概説されているポーラログラフィー法に、以下の変更を加えて測定されることができる。測定は、2.1%酸素含有環境で実施される。この環境は、適当な比率に設定された窒素および空気注入量、例えば、窒素1800 mL/分および空気200 mL/分を試験チャンバーに入れることによって作られる。t/Dkは、調整pO2を使って算出される。ホウ酸緩衝食塩水が使用された。暗電流は、MMAレンズを適用する代わりに、純粋加湿窒素環境を使って測定された。測定前は、当該レンズは、拭き取りをされなかった。厚さの異なるレンズを使用する代わりに4個のレンズが積重ねられた。フラットセンサーの代わりに、カーブセンサーが使用された。得られたDk値は、バーラー(barrers)で報告される。
【0117】
全実施例で、以下の略語が使用され、これら略語は、以下の意味を有する。
SiGMA 2−プロペン酸2−メチル−2−ヒドロキシ−3−[3−[1,3,3,3−テトラメチル−1−[トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロポキシ]プロピルエステル
DMA N,N−ジメチルアクリルアミド
HEMA 2−ヒドロキシエチルメタクリレート
mPDMS 800−1000 MW(Mn)モノメタクリルオキシプロピル末端モノ−n−ブチル末端ポリジメチルシロキサン
Norbloc 2−(2’−ヒドロキシ−5−メタクリルイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
CGI 1850 1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトンおよびビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4−4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドの1:1(重量)混合物
CGI819 2,4,6−トリメチルベンジルジフェニルフォスフィンオキサイド
LMWHP ヒドロキシル、アミン、カルボン酸またはカルボキシレート末端基のいずれかを有するポリ(N−ビニルピロリドン)主鎖から構成される低分子量親水ポリマー
HMWHC ポリ(N−ビニルピロリドン)−コ−(9−ビニルカルバゾール) (97.5/2.5)から構成される高分子量親水コポリマー
RHPIWA 共有結合された光重合性末端基を有するポリ(N−ビニルピロリドン)主鎖から構成される反応性親水ポリマーIWA
IPA イソプロピルアルコール
D3O 3,7−ジメチル−3−オクタノール
TEGDMA テトラエチレングリコールジメタクリレート
EGDMA エチレングリコールジメタクリレート
MMA メチルメタクリレート
THF テトラヒドロフラン
ジオキサン 1,4−ジオキサン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMAc N,N−ジメチルアセトアミド
PVP low ポリ(N−ビニルピロリドン)、〜2500 MW
【0118】
〔参考例1〕
9−ビニルカルバゾール(0.79 g、4.1 mmol) (アルドリッチ社(Aldrich),ウィスコンシン州ミルウォーキー)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]テトラハイドレート(0.16 g、 0.46 mmol) (ワコー・ケミカルズUSA(Wako Chemicals USA),ミズーリ州セントルイス)、および新鮮蒸留N−ビニル−2−ピロリドン(NVP) (15.1 g、136 mmol)が、電磁攪拌棒および窒素流入口を備えた250 mL丸底フラスコに添加された。当該反応混合物に、メチルアルコール(19.2 g)および蒸留水(23.4 g)が添加された。当該混合物は、3回の凍結−ポンプ−融解サイクルを使って脱気された後、周囲温度まで加温された。当該反応混合物は、60℃で16時間加熱され、次に、溶媒としてアセトンを使って3回沈殿され、Mn、Mwおよび多分散度が、それぞれ、166,000、420,000および2.6の白色ポリマーを生じた。ポリ(2−ビニルピリジン)標準品および移動相としてヘキサフルオロイソプロパノールを使ったゲル透過クロマトグラフィー(GPC)で分子量が測定された。1H NMR (D2O):Δ= 7.0−8.2 (bm、8H、カルバゾール芳香族H)、 3.4−3.8 (bm、1H、−CH2CH−)、2.8− 3.3 (bm、2H、−C[O]NCH2−)、2.0−2.4 (bm、2H、−C[O]CH2−)、1.8−2.0 (bm、2H、−CH2CH2CH2−)、1.4−1.7 (bm、2H、−CH2CH−)
【0119】
〔参考例2〕
9−ビニルカルバゾール(アルドリッチ社(Aldrich),ウィスコンシン州ミルウォーキー) (1.9 g、9.6 mmol)、2,2’−アゾビス [N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]テトラハイドレート(ワコー・ケミカルズUSA(Wako Chemicals USA),ミズーリ州セントルイス) (0.56 g、1.4 mmol)、および新鮮蒸留N−ビニル−2−ピロリドン(NVP) (52.8 g、475 mmol)が、電磁攪拌棒および窒素流入口を備えた1 L丸底フラスコに添加された。当該反応混合物に、メチルアルコール(231.4g)が添加された。当該混合物は、3回の凍結−ポンプ−融解サイクルを使って脱気された後、周囲温度まで加温された。当該反応混合物は、60℃で4時間加熱され、次に、ジイソプロピルエーテルへの沈殿(3回)によって単離され、ポリ(2−ビニルピリジン)標準品および移動相としてヘキサフルオロイソプロパノールを使って、Mn、Mwおよび多分散度が、それぞれ、30,000、110,000および3.7の白色ポリマーを生じた。
【0120】
〔実施例3〕
実施例2 (27.0 g、239 mmol)からのポリマー、DMAC (173 g)、4− ジメチルアミノピリジン(DMAP, アボカド・リサーチ・ケミカルズ社(Avocado Research Chemicals),イギリスヒーシャム(Heysham, England))(1.2 g、9.6 mmol)、ピリジン(20 mL)、メタクリル酸無水物(アルドリッチ社(Aldrich),ウィスコンシン州ミルウォーキー) (7.43 g、48.2 mmol)、およびハイドロキノン(50 mg、0.5 mmol、アルドリッチ社(Aldrich),ウィスコンシン州ミルウォーキー)が、電磁攪拌棒および窒素流入口を備えた500 mL丸底フラスコに添加された。当該反応混合物は、70℃で6時間加熱され、次に、ジイソプロピルエーテルへの沈殿(3回)によって単離され、ポリ(2−ビニルピリジン)標準品および移動相としてヘキサフルオロイソプロパノールを使って、Mn、Mwおよび多分散度が、それぞれ、33,000、109,000および3.3の白色固体が得られた。
【0121】
〔実施例4〕
N−ビニルピロリドン(50.0 g、450 mmol)、2−メルカプトプロピオン酸(アルドリッチ社(Aldrich),ウィスコンシン州ミルウォーキー) (0.97 g、9.2 mmol)、9−ビニルカルバゾール(1.8 g、9.2 mmol)、および2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]テトラハイドレート (ワコー・ケミカルズUSA(Wako Chemicals USA),ミズーリ州セントルイス)(0.53 g、1.3 mmol)、DMAC(143 g)、および蒸留水(40 mL)が、窒素流入口および電磁攪拌棒を備えた500 mL丸底フラスコに仕込まれた。反応混合物は、外部CO2/アセトン槽を使って凍結された後、真空下に置かれた。当該溶液は、窒素を充填され、合計3回の凍結−ポンプ−融解サイクルによって真空下で融解、再度凍結された。当該溶液は、窒素下で60℃まで6時間加熱された。当該反応混合物にハイドロキノン(50 mg、0.5 mmol、アルドリッチ社(Aldrich),ウィスコンシン州ミルウォーキー)が添加され、その後、5℃まで冷却された。1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(アルドリッチ社(Aldrich),ウィスコンシン州ミルウォーキー) (3.7 g、28 mmol)、2−アミノエチルメタクリレートハイドロクロライド(アルドリッチ社(Aldrich),ウィスコンシン州ミルウォーキー) (4.6 g、28 mmol)およびl−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミドハイドロクロライド(EDC)(アルドリッチ社(Aldrich, Milwaukee),ウィスコンシン州ミルウォーキー)(5.3 g、28 mmol)が添加され、当該混合物は、5℃で1時間攪拌された後、室温で、さらに20時間攪拌された。当該反応混合物は、DMAC(250 mL)で希釈され、次に、70:30のt−ブチルメチルエーテル/ヘキサンにゆっくりと注がれ、白色固体が沈殿した(90%)。当該ポリマーは、2−プロパノールに溶解され、さらに2回再沈殿された。得られたPVPマクロマーは、それぞれ、41,000、155,000および3.7のMn、Mwおよび多分散度を有した。
【0122】
〔実施例5〕
N−ビニルピロリドン(42.6 g、384 mmol)、9−ビニルカルバゾール(0.59 g、3.0 mmol)、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジヒドロクロライド(ワコー・ケミカルズUSA(Wako Chemicals USA),ミズーリ州セントルイス)( 2.67 g、7.89 mmol)、およびメチルアルコール(160 g)が、窒素流入口および電磁攪拌棒を備えた500 mL丸底フラスコに仕込まれた。当該反応混合物は、3回の凍結−ポンプ−融解サイクルに供された後、窒素下で60℃まで6時間加熱された。3回のジイソプロピルエーテルへの沈殿によって、前記ポリマーが白色固体(85%)として単離され、その後、乾燥された。
【0123】
得られたポリマー(15.8 g、141mmol)は,無水1,4−ジオキサン(アルドリッチ社(Aldrich),ウィスコンシン州ミルウォーキー)(400 mL)に溶解された。当該反応混合物に、ハイドロキノン(50 mg、0.5 mmol)が添加され、続いて、2−イソシアネートエチルメタクリレート(アルドリッチ社(Aldrich),ウィスコンシン州ミルウォーキー) (2.2 g、14 mmol)、および0.33Mオクタン酸第一錫100 μL (オクタン酸第一錫(アルドリッチ社(Aldrich),ウィスコンシン州ミルウォーキー)を無水トルエンに溶解して調製)が添加された。当該反応混合物は、70℃まで8時間加熱された後、ジイソプロピルエーテルにゆっくりと注がれ、白色固体(88%)が得られた。当該ポリマーは、2−プロパノールに再溶解され、さらに2回沈殿された。生じたPVPマクロマーは、それぞれ、8,000、46,000および6.0のMn、Mwおよび多分散度を有した。
【0124】
〔実施例6〕
N−ビニルピロリドン(50.4 g、453 mmol)、2−メルカプトプロピオン酸(アルドリッチ社(Aldrich),ウィスコンシン州ミルウォーキー) (1.0 g、9.2 mmol)、9−ビニルカルバゾール(1.78 g、9.4 mmol)、および2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)ジハイドロクロライド(ワコー・ケミカルズUSA(Wako Chemicals USA),ミズーリ州セントルイス)(2.5 g、9.3 mmol)、DMAC(150 g)、および蒸留水(100 mL)が、窒素流入口および電磁攪拌棒を備えた500 mL丸底フラスコに仕込まれた。当該反応混合物は、外部CO2/アセトン槽を使って凍結された後、真空下に置かれた。当該溶液は、窒素を充填され、合計3回の凍結−ポンプ−融解サイクルによって真空下で、融解、再度凍結された。当該溶液は、窒素下で60℃まで6時間加熱された。当該反応混合物にハイドロキノン(50 mg、0.5 mmol)が添加され、次に、10℃まで冷却された。1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(3.9 gm, 30 mmol), 2−アミノエチルメタクリレートハイドロクロライド(4.6 g、28 mmol)、およびEDC (5.7 g、30 mmol)が添加され、当該混合物は、5℃で1時間、次に、室温でさらに40時間攪拌された。当該反応混合物は、DMAC(200 mL)で希釈され、次に、70:30のt−ブチルメチルエーテル/ヘキサンにゆっくりと注がれ、白色固体が沈殿した(84%)。当該ポリマーは、2−プロパノールに溶解され、さらに2回再沈殿された。得られたPVPマクロマーは、それぞれ、9,800、44,000および4.5のMn、Mwおよび多分散度を有した。
【0125】
〔例7〕
コンタクトレンズの形成
表2に挙げる反応成分および希釈剤(tert−アミルアルコール)が、23℃で、全成分が溶解されるまで、少なくとも約3時間、攪拌、振盪または回転によって混和された。当該反応成分は、全反応成分および希釈剤の重量%として報告され、低分子量PVP(PVP low)は、反応混合物の重量%である。
【0126】
前記反応成分は、N2を使って約15分間パージされた。当該反応調合物約40〜50μLが、ピペットで清潔なポリプロピレン凹形半割り型に注入され、対応するポリプロピレン凸形半割り型で覆われた。当該半割り型は、圧縮され、当該混合物は、可視光(0.4mW/cm2、フィリップス(Philips) TL 20W/03T蛍光電球を用い、インターナショナルライト放射計/光度計(International Light radiometer/photometer)によって測定)の存在下、55℃で、約30分間硬化された。前記割り型は、室温まで冷却された。最上部半割り型が外され、レンズがピンセットを使って、静かに取り出された。当該レンズは、90℃の水中で約20分間離型された後、ホウ酸緩衝包装溶液を含有するバイアルに入れられた。
【0127】
【表2】

【0128】
前記反応性親水ポリマーIWAs(RHPIWA)は、少量(〜1モル%)の蛍光ビニルモノマーの存在下で合成された。当該反応性親水ポリマーIWAsの生成からの未反応モノマーの、コンタクトレンズからの拡散の検出に、共有結合蛍光「プローブ」、即ちフルオロフォアが使用された。当該RHPIWA中の蛍光プローブ濃度は、標識RHPIWAの物理的性状が非標識RHPIWAの物理的性状と同様であるように、十分に低い。
【0129】
蛍光プローブおよび蛍光標識マクロマーは、最初に試験され、光強度および熱などの、レンズの作製に必要な条件がフルオロフォアの蛍光の発光に影響を与えるか否かが決定された。次に、生じた蛍光標識マクロマーが反応成分および希釈剤と配合され、コンタクトレンズが形成された。蛍光カルバゾール基で標識されたPVPマクロマーの放出が、シマヅ(Shimadzu) RF5301−PC分光蛍光計 (励起λ= 343 nm、発光λ= 348 nm、スリット幅= 3 nm)を使って抽出媒質から測定された。レンズからのPVPマクロマー放出量の相互関係を示すために、PVPマクロマー標準品の標準検量線が使用された。対照として、それぞれ、94,800、511,000および5.4のMn、Mwおよび多分散度を有するPVP(2.5モル%カルバゾール基含有)に基づいて、高分子量親水コポリマー(HMWHC)が使用された。当該内部湿潤剤の分子量(Mn)および50〜100時間後に抽出された内部湿潤剤量が表3に示される。
【0130】
【表3】

【0131】
参考例7A,7B、および実施例7C〜7Fの結果は、前記反応混合物成分とその量が変動可能であることを示している。全レンズが、低曇り度を示した。
【0132】
実施例7C〜7Fの反応性親水ポリマー内部湿潤剤は、比較可能であり、即ち、光重合性基団を持たない参考例2(調合物7Bで使用)の低分子量親水ポリマーよりも分子量が低かった。コンタクトレンズからの当該反応性親水ポリマーIWAs(実施例7C〜7F)の放出%(5〜35%)は、光重合性基団を持たないポリマー(参考例7B、50%)に比較して低かった。参考例7Aは、非反応性高分子量親水コポリマーを使用した。図1は、時間の関数としてのIPA中の内部湿潤剤損失%を示す。実施例7Dは、IWAの約5%未満を損失した反応性親水ポリマーIWAを含み、一方、参考例7A(非反応性親水ポリマーIWAを含有した)は、約12%のIWAを損失した。実施例4によれば、光重合性末端基を有する低めの分子量の親水ポリマーIWAを使用して、比較可能な、はるかに遅い放出速度が達成されることができる。
【0133】
前記実施例は、反応性親水ポリマーIWAが、複数の合成経路を使って合成され、特に末端基での異なる構造を有する反応性親水ポリマーIWAsを生じることができることも示している。
【0134】
実施例7Fからのレンズが、分析され、接触角、水分含有量、および機械的性状が測定された。結果は、以下の表4に示される。
【0135】
【表4】

【0136】
よって、前記反応性親水ポリマーIWAsは、所望の性状を有するコンタクトレンズを生じる。
【0137】
〔実施例8〕
反応性親水ポリマーIWAが、9−ビニルカルバゾールの使用を除いて実施例3のとおりに合成され、それぞれ、38,000、113,000および3.0のMn、Mwおよび多分散度を有する白色ポリマーを生じた。
【0138】
〔実施例9〕
反応性親水ポリマーIWAが、9−ビニルカルバゾールの使用を除いて実施例4のとおりに合成され、それぞれ、34,5 00、138,000および4.0のMn、Mwおよび多分散度を有する白色ポリマーを生じた。
【0139】
〔実施例10〕
反応性親水ポリマーIWAが、9−ビニルカルバゾールの使用を除いて実施例5のとおりに合成され、それぞれ、8,500、42,000および4.9のMn、Mwおよび多分散度を有する白色ポリマーを生じた。
【0140】
〔実施例11〕
反応性親水ポリマーIWAは、9−ビニルカルバゾールの使用を除いて実施例6のとおりに合成され、それぞれ、10,000、40,000および4.0のMn、Mwおよび多分散度を有する白色ポリマーを生じた。
【0141】
〔実施例12〕
コンタクトレンズ形成
実施例8〜11(フルオロフォアなし)の反応性親水ポリマー内部湿潤剤を含有するレンズが、実施例7のとおりに形成された。硬化強度、温度および時間は、それぞれ、4.0 mW/cm2、55℃および12分間に維持された。やはり、全レンズで低曇り度が認められた。
【0142】
〔参考例13〕
NVP (50.5 g、454 mmol), 酢酸ビニル(6.7 g、78 mmol)、9−ビニルカルバゾール(1.0 g、5.4 mmol)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]テトラハイドレート(0.578 g、1.39 mmol)、メチルアルコール(170 g)、および蒸留水(27 g)が、電磁攪拌棒および窒素流入口を備えた500 mL丸底フラスコに添加された。当該混合物は、3回の凍結−ポンプ−融解サイクルを使って脱気され、周囲温度まで加温された。当該反応混合物は、60℃で6時間加熱された後、ジイソプロピルエーテルへの沈殿(3回)によって単離され、白色ポリマーが得られた。当該ポリマーは、蒸留水(1L)に再溶解され、NaOHが添加された(3.6 g、89 mmol)。当該反応混合物は、70℃まで4時間加熱され、次に、溶媒の回転蒸発で濃縮された。冷アセトンからポリマーが沈殿され、蒸留水2Lに再溶解され、3500 分子量カットオフスペクトラ/ポア(Spectra/Por)(登録商標)透析膜 (VWRから購入)を使って、水に対して72時間、イソプロピルアルコールに対して48時間透析された。溶媒除去によって当該ポリマーが単離され、それぞれ、49,000、191,000および3.9のMn、Mwおよび多分散度を有するオフホワイトの固体が得られた。
【0143】
〔実施例14〕
参考例13からの高分子量ポリマー生成物(21 g、200 mmol), 無水トリエチルアミン(11.6 g、115 mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(アルドリッチ社(Aldrich),ウィスコンシン州ミルウォーキー) (6.1 g、50 mmol)、ハイドロキノン(アルドリッチ社(Aldrich),ウィスコンシン州ミルウォーキー) (50 mg、0.5 mmol)、および無水 1,4−ジオキサン(300 mL)が、窒素流入口および電磁攪拌棒を備えた500 mL丸底フラスコに仕込まれた。塩化メタクリロイル (アルドリッチ社(Aldrich),ウィスコンシン州ミルウォーキー)( 6.0 g、57mmol)が、当該反応混合物に滴加された。その後、当該混合物は、60℃で4時間加熱された。50/50の t−ブチルメチルエーテル/ヘキサンへの沈殿によって当該ポリマーが単離され、それぞれ、54,000、200,000および3.7のMn、Mwおよび多分散度を有するオフホワイトの固体が得られた。
【0144】
〔参考例15〕
NVP (50.7 g、457 mmol), 酢酸ビニル(3.7 g、43 mmol)、9−ビニルカルバゾール(0.90 g、4.9 mmol)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]テトラハイドレート(0.38 g、0.91 mmol)、メチルアルコール(75 g)、および蒸留水(75 g)が、電磁攪拌棒および窒素流入口を備えた500 mL丸底フラスコに添加された。当該混合物は、3回の凍結−ポンプ−融解サイクルを使って脱気され、周囲温度まで加温された。当該反応混合物は、60℃で18時間加熱された後、50/50のジイソプロピルエーテル/ヘキサンへの沈殿(3回)によって単離され、白色ポリマーが得られた。当該ポリマーは、蒸留水(1L)に再溶解され、NaOHが添加された(1.7 g、43 mmol)。当該反応混合物は、60℃まで6時間加熱され、次に、60℃での溶媒の回転蒸発で濃縮された。70/30のアセトン/ヘキサンからポリマーが沈殿され、蒸留水2Lに再溶解され、3500 分子量カットオフスペクトラ/ポア(Spectra/Por)(登録商標)透析膜 (VWRから購入)を使って、水に対して72時間、イソプロピルアルコールに対して48時間透析された。溶媒除去によって当該ポリマーが単離され、それぞれ、86,000、310,000および3.6のMn、Mwおよび多分散度を有するオフホワイトの固体が得られた。
【0145】
〔実施例16〕
参考例15からの高分子量ポリマー生成物(25 g、240 mmol)、ハイドロキノン(アルドリッチ社(Aldrich),ウィスコンシン州ミルウォーキー) (50 mg、0.5 mmol)、2−イソシアネートエチルメタクリレート(アルドリッチ社(Aldrich),ウィスコンシン州ミルウォーキー) (3.21 mg、20.4 mmol)、および0.33 Mオクタン酸第一錫100 mL[オクタン酸第一錫(アルドリッチ社(Aldrich),ウィスコンシン州ミルウォーキー)を無水トルエンに溶解して調製)、および無水1,4−ジオキサン(300 mL)が、窒素流入口および電磁攪拌棒を備えた500 mL丸底フラスコに仕込まれた。当該反応混合物は、70℃まで8時間加熱された後、ジイソプロピルエーテルにゆっくりと注がれ、白色固体(92%)が得られた。当該ポリマーは、2−プロパノールに溶解され、さらに2回沈殿され、それぞれ、86,000、320,000および3.7のMn、Mwおよび多分散度を有するオフホワイトの固体が得られた。
【0146】
〔例17〕
表3に挙げられた反応成分および希釈剤(tert−アミルアルコール)が混和され、上記の実施例7に述べられた手順に従って、加工され、レンズが形成された。
【0147】
ある実施態様では、反応性親水ポリマーIWAは、少量(〜1モル%)の蛍光ビニルモノマーの存在下で合成された。その一般構造は、式XIXに示され、その場合、9−ビニルカルバゾール単位は、0.1〜2モル%で存在する。
【0148】
【化20】

【0149】
少量の共有結合蛍光「プローブ」、即ちフルオロフォアが使用され、実施例7に述べられるように、コンタクトレンズからの、表3に挙げられるポリマーの拡散が検出された。レンズ組成、内部湿潤剤の分子量、50〜100時間後に抽出された内部湿潤剤量が、以下の表5に示される。
【0150】
【表5】

【0151】
参考例17A〜17C,17E、および実施例17D,17Fの結果は、前記反応混合物成分とその量が、変動可能であることを示している。全レンズが、低曇り度を示した。
【0152】
表5に示されるように、反応性基のないポリマー(参考例17Cおよび17E)の放出速度は、イソプロパノール中で100時間までの時間の後、高分子量の対照(参考例17A)の放出速度よりも速く、低分子量対照(参考例17B)の放出速度よりも遅かった。本発明の反応性親水ポリマーIWAsを含有した実施例17Dおよび17Fは、当該内部湿潤剤のわずかな放出を示した。前記反応混合物中の成分の初期重量%が、硬化および有機溶媒での抽出後、比較的一定のままであることから、当該内部湿潤剤の保存が、これまで述べられた他の性状に加えて、レンズ湿潤性を維持する助けになるので、これは重要である。
【0153】
〔実施例18〕
9−ビニルカルバゾールを使用せずに、参考例13のとおりに合成が実施された。さらに、前記反応混合物中のメチルアルコールは、等量の蒸留水で置換された。ポリマーのMn、Mwおよび多分散度は、45,000、225,000および5.0であった。
【0154】
〔実施例19〕
9−ビニルカルバゾールを使用せずに、実施例14のとおりに合成が実施された。さらに、前記反応混合物中のメチルアルコールは、等量の蒸留水で置換された。ポリマーのMn、Mwおよび多分散度は、49,000、230,000および4.7であった。
【0155】
〔実施例20〕
実施例18の低分子量親水ポリマーおよび実施例19の反応性親水ポリマーIWAを含有するレンズが、同様の量の反応成分を使用し、フルオロフォアを添加せずに、実施例17のとおりに形成された。硬化強度、温度および時間は、同様に、それぞれ、4.0 mW/cm2、55℃および12分間に保たれた。全レンズに低曇り度が認められた。
【0156】
〔実施の態様〕
(1) シリコーンハイドロゲルにおいて、
少なくとも1個の酸素透過性成分、および少なくとも1個の反応性親水ポリマー内部湿潤剤を含む、反応混合物から形成される、
シリコーンハイドロゲル。
(2) 実施態様1に記載のハイドロゲルにおいて、
前記内部湿潤剤が、約8.30×10-21g(約5,000ダルトン)〜約3.32×10-18g(約2,000,000ダルトン)のMwを有する、
ハイドロゲル。
(3) 実施態様1に記載のハイドロゲルにおいて、
前記内部湿潤剤が、約8.30×10-21g(約5,000ダルトン)〜約2.99×10-19g(約180,000ダルトン)のMwを有する、
ハイドロゲル。
(4) 実施態様1に記載のハイドロゲルにおいて、
前記内部湿潤剤が、約8.30×10-21g(約5,000ダルトン)〜約2.49×10-19g(約150,000ダルトン)のMwを有する、
ハイドロゲル。
(5) 実施態様1に記載のハイドロゲルにおいて、
前記内部湿潤剤が、約9.96×10-20g(約60,000ダルトン)〜約3.32×10-18g(約2,000,000ダルトン)のMwを有する、
ハイドロゲル。
(6) 実施態様1に記載のハイドロゲルにおいて、
前記内部湿潤剤が、約2.99×10-18g(約1,800,000ダルトン)〜約2.49×10-18g(約1,500,000ダルトン)のMwを有する、
ハイドロゲル。
(7) 実施態様1に記載のハイドロゲルにおいて、
前記反応性親水ポリマー内部湿潤剤の混合物、
を含む、ハイドロゲル。
(8) 実施態様1に記載のハイドロゲルにおいて、
前記内部湿潤剤が、ポリアミド、ポリラクトン、ポリイミド、ポリラクタム、および、官能基化されたポリアミド、ポリラクトン、ポリイミド、ポリラクタム、ならびに、それらのコポリマーおよび混合物から成る群から選択される、少なくとも1個のポリマーから誘導される、
ハイドロゲル。
(9) 実施態様1に記載のハイドロゲルにおいて、
前記内部湿潤剤が、式II、IV、VIおよびVIIのポリマーから成る群から選択される、少なくとも1個のポリマーから誘導される、
ハイドロゲル。
【0157】
【化21】

【0158】
【化22】

【0159】
【化23】

【0160】
【化24】


(10) 実施態様1に記載のハイドロゲルにおいて、
前記内部湿潤剤が、式VIIIの反復単位を含む、少なくとも1個のポリマーから誘導され、
【0161】
【化25】


式中、Rcが、C1〜C3アルキル基であり、
Raが、H、直鎖または枝分れ、置換または非置換のC1〜C4アルキル基から選択され、
Rbが、H、直鎖または枝分れ、置換または非置換のC1〜C4アルキル基、2個までの炭素を有するアミノ基、4個までの炭素原子を有するアミド基、および、2個までの炭素を有するアルコキシ基から選択され、
RaおよびRbの炭素原子数が、合わせて8個、好ましくは6個以下であり、
本明細書で使用される場合、置換アルキル基が、アミン基、アミド基、エーテル基、またはカルボキシ基で置換された、アルキル基を含む、
ハイドロゲル。
【0162】
(11) 実施態様1に記載のハイドロゲルにおいて、
前記反応性親水ポリマー内部湿潤剤が、全反応成分の合計重量に基づいて、約1〜約15重量%の量で存在する、
ハイドロゲル。
(12) 実施態様1に記載のハイドロゲルにおいて、
前記内部湿潤剤が、全反応成分の合計重量に基づいて、約3〜約15重量%の量で存在する、
ハイドロゲル。
(13) 実施態様1に記載のハイドロゲルにおいて、
前記内部湿潤剤が、全反応成分の合計重量に基づいて、約5〜約12重量%の量で存在する、
ハイドロゲル。
(14) 実施態様10に記載のハイドロゲルにおいて、
前記内部湿潤剤が、N−ビニルピロリドン、N−N−ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、シロキサン置換アクリレートまたはメタクリレート、アルキル(メト)アクリレート、およびそれらの混合物から成る群から選択される、反復単位をさらに含む、
ハイドロゲル。
(15) 実施態様10に記載のハイドロゲルにおいて、
前記内部湿潤剤が、N−ビニルピロリドン、N−N−ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、およびそれらの混合物から成る群から選択される、反復単位をさらに含む、
ハイドロゲル。
(16) 実施態様10に記載のハイドロゲルにおいて、
前記反復単位が、N−ビニル−N−メチルアセトアミドを含む、
ハイドロゲル。
(17) 実施態様1に記載のハイドロゲルにおいて、
前記酸素透過性成分が、少なくとも1個のシリコーン含有成分を含む、
ハイドロゲル。
(18) 実施態様17に記載のハイドロゲルにおいて、
前記少なくとも1個のシリコーン含有成分が、シリコーン含有モノマー、シリコーン含有マクロマー、およびそれらの混合物から成る群から選択される、
ハイドロゲル。
(19) 実施態様17に記載のハイドロゲルにおいて、
前記少なくとも1個のシリコーン含有成分が、ポリシロキアルキル(メト)アクリルモノマー、ポリ(オルガノシロキサン)プレポリマー、シリコーン含有ビニルカーボネートモノマー、シリコーン含有ビニルカルバメートモノマー、およびそれらの混合物から成る群から選択される、
ハイドロゲル。
(20) 実施態様1に記載のハイドロゲルにおいて、
少なくとも1個の親水モノマー、
をさらに含む、ハイドロゲル。
【0163】
(21) 実施態様20に記載のハイドロゲルにおいて、
前記親水モノマーが、全反応成分の重量に基づいて、約60重量%までの量で存在する、
ハイドロゲル。
(22) 実施態様20に記載のハイドロゲルにおいて、
前記親水モノマーが、全反応成分の重量に基づいて、約10〜約60重量%の量で存在する、
ハイドロゲル。
(23) 実施態様20に記載のハイドロゲルにおいて、
前記親水モノマーが、全反応成分の重量に基づいて、約20〜約40重量%の量で存在する、
ハイドロゲル。
(24) 実施態様20に記載のハイドロゲルにおいて、
前記親水モノマーが、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロールメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−ビニルピロリドン、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、およびそれらの混合物から成る群から選択される、
ハイドロゲル。
(25) 実施態様1に記載のハイドロゲルにおいて、
少なくとも1個の相溶化成分、
をさらに含む、ハイドロゲル。
(26) 実施態様25に記載のハイドロゲルにおいて、
前記相溶化成分が、ヒドロキシル含有モノマー、およびヒドロキシル含有マクロマーから選択される、
ハイドロゲル。
(27) 実施態様25に記載のハイドロゲルにおいて、
前記相溶化成分が、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルビニルカルバメート、2−ヒドロキシエチルビニルカーボネート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシヘキシルメタクリレート、ヒドロキシオクチルメタクリレート、および、シリコーン基またはシロキサン基を含むヒドロキシル官能基モノマー、ならびに、それらの混合物から成る群から選択される、
ハイドロゲル。
(28) 実施態様25に記載のハイドロゲルにおいて、
前記相溶化成分が、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、ビス−3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシプロピルポリジメチルシロキサン, 3−メタクリルオキシ−2−(2−ヒドロキシエトキシ)プロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、N−2−メタクリルオキシエチル−O−(メチル−ビス−トリメチルシロキシ−3−プロピル)シリルカルバメート、およびN,N,N’,N’−テトラキス(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−α,ω−ビス−3−アミノプロピル−ポリジメチルシロキサン、ならびにそれらの混合物から成る群から選択される、
ハイドロゲル。
(29) 実施態様25に記載のハイドロゲルにおいて、
前記相溶化成分が、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、およびそれらの混合物から成る群から選択される、
ハイドロゲル。
(30) 実施態様25に記載のハイドロゲルにおいて、
前記相溶化成分が、反応成分の合計重量に基づいて、約5〜約90重量%の量で存在する、
ハイドロゲル。
【0164】
(31) 実施態様25に記載のハイドロゲルにおいて、
前記相溶化成分が、反応成分の合計重量に基づいて、約10〜約80重量%の量で存在する、
ハイドロゲル。
(32) 実施態様25に記載のハイドロゲルにおいて、
前記相溶化成分が、反応成分の合計重量に基づいて、約20〜約50重量%の量で存在する、
ハイドロゲル。
(33) コンタクトレンズにおいて、
実施態様1に記載のハイドロゲルから形成される、コンタクトレンズ。
(34) 実施態様1に記載のハイドロゲルにおいて、
前記反応性親水ポリマー内部湿潤剤が、ビニルラクタムモノマー、およびビニルカルボキシレートモノマーを含むモノマーから誘導される、反応性高分子量コポリマーを含む、
ハイドロゲル。
(35) 実施態様34に記載のハイドロゲルにおいて、
前記反応性親水ポリマー内部湿潤剤が、少なくとも約9.96×10-20g(約60,000ダルトン)の分子量(重量平均)を有する、
ハイドロゲル。
(36) 実施態様34に記載のハイドロゲルにおいて、
前記反応性親水ポリマー内部湿潤剤が、約9.96×10-20g(約60,000ダルトン)〜約1.25×10-18g(約750,000ダルトン)の分子量(重量平均)を有する、
ハイドロゲル。
(37) 実施態様34に記載のハイドロゲルにおいて、
前記反応性親水ポリマー内部湿潤剤が、約2.99×10-19g(約180,000ダルトン)〜約8.30×10-19g(約500,000ダルトン)の分子量(重量平均)を有する、
ハイドロゲル。
(38) 実施態様34に記載のハイドロゲルにおいて、
前記ビニルラクタムモノマーが、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−4−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−5,5−ジメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,3,5−トリメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−5−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,4,5−トリメチル−3−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−6−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−6−エチル−2−ピペリドン、N−ビニル−3,5−ジメチル−2−ピペリドン、N−ビニル−4,4−ジメチル−2−ピペリドン、N−ビニル−7−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−7−エチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3,5−ジメチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−4,6−ジメチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3,5,7−トリメチル−2−カプロラクタム、N−ビニルマレイミド、ビニルスクシンイミド、およびそれらの混合物から成る群から選択される、
ハイドロゲル。
(39) 実施態様34に記載のハイドロゲルにおいて、
前記ビニルラクタムモノマーが、複素環中に4個の炭素原子を含有する複素環モノマーから成る群から選択される、
ハイドロゲル。
(40) 実施態様34に記載のハイドロゲルにおいて、
前記ビニルラクタムモノマーが、N−ビニル−2−ピロリドンを含む、
ハイドロゲル。
【0165】
(41) 実施態様34に記載のハイドロゲルにおいて、
前記ビニルカルボキシレートモノマーが、1〜10個の炭素原子、ならびに、ビニル官能基およびカルボキシレート官能基の両方、を有する化合物から成る群から選択される、
ハイドロゲル。
(42) 実施態様34に記載のハイドロゲルにおいて、
前記ビニルカルボキシレートモノマーが、ヘプタン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、ペンタン酸ビニル、ブタン酸ビニル、プロパン酸ビニル(プロピオン酸ビニル)、エタン酸ビニル(酢酸ビニル)、およびそれらの混合物から成る群から選択される、
ハイドロゲル。
(43) 実施態様34に記載のハイドロゲルにおいて、
前記ビニルカルボキシレートモノマーが、酢酸ビニルを含む、
ハイドロゲル。
(44) 実施態様34に記載のハイドロゲルにおいて、
前記反応性親水ポリマー内部湿潤剤が、式IX、Xの化合物、およびそれらの混合物から成る群から選択される、
ハイドロゲル。
【0166】
【化26】

【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】図1は、反応性および非反応性親水ポリマー内部湿潤剤の損失パーセントを示すグラフである。
【図2】図2は、反応性および非反応性親水ポリマー内部湿潤剤の損失パーセントを示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーンハイドロゲルにおいて、
少なくとも1個の酸素透過性成分、および少なくとも1個の反応性親水ポリマー内部湿潤剤を含む、反応混合物から形成され、
前記内部湿潤剤が、8.30×10-21g(5,000ダルトン)〜2.49×10-19g(150,000ダルトン)の分子量(重量平均)を有する、
シリコーンハイドロゲル。
【請求項2】
請求項1に記載のハイドロゲルにおいて、
反応性親水ポリマー内部湿潤剤の混合物、
を含む、ハイドロゲル。
【請求項3】
請求項1に記載のハイドロゲルにおいて、
前記内部湿潤剤が、ポリアミド、ポリラクトン、ポリイミド、ポリラクタム、および、官能基化されたポリアミド、ポリラクトン、ポリイミド、ポリラクタム、ならびに、それらのコポリマーおよび混合物から成る群から選択される、少なくとも1個のポリマーから誘導される、
ハイドロゲル。
【請求項4】
請求項1に記載のハイドロゲルにおいて、
前記内部湿潤剤が、式II、IV、VIおよびVIIのポリマーから成る群から選択される、少なくとも1個のポリマーから誘導される、
ハイドロゲル。
【化1】


【化2】


【化3】


【化4】

【請求項5】
請求項1に記載のハイドロゲルにおいて、
前記内部湿潤剤が、式VIIIの反復単位を含む、少なくとも1個のポリマーから誘導され、
【化5】

であり、
式中、Rcが、C1〜C3アルキル基であり、
Raが、H、直鎖または枝分れ、置換または非置換のC1〜C4アルキル基から選択され、
Rbが、H、直鎖または枝分れ、置換または非置換のC1〜C4アルキル基、2個までの炭素を有するアミノ基、4個までの炭素原子を有するアミド基、および、2個までの炭素を有するアルコキシ基から選択され、
RaおよびRbの炭素原子数が、合わせて8個以下であり、
ここでは、置換アルキル基は、アミン基、アミド基、エーテル基、またはカルボキシ基で置換された、アルキル基を含む、
ハイドロゲル。
【請求項6】
請求項1に記載のハイドロゲルにおいて、
前記反応性親水ポリマー内部湿潤剤が、全反応成分の合計重量に基づいて、1〜15重量%の量で存在する、
ハイドロゲル。
【請求項7】
請求項1に記載のハイドロゲルにおいて、
前記内部湿潤剤が、全反応成分の合計重量に基づいて、3〜15重量%の量で存在する、
ハイドロゲル。
【請求項8】
請求項1に記載のハイドロゲルにおいて、
前記内部湿潤剤が、全反応成分の合計重量に基づいて、5〜12重量%の量で存在する、
ハイドロゲル。
【請求項9】
請求項5に記載のハイドロゲルにおいて、
前記内部湿潤剤が、N−ビニルピロリドン、N−N−ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、シロキサン置換アクリレートまたはメタクリレート、アルキル(メト)アクリレート、およびそれらの混合物から成る群から選択される、反復単位をさらに含む、
ハイドロゲル。
【請求項10】
請求項5に記載のハイドロゲルにおいて、
前記内部湿潤剤が、N−ビニルピロリドン、N−N−ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、およびそれらの混合物から成る群から選択される、反復単位をさらに含む、
ハイドロゲル。
【請求項11】
請求項5に記載のハイドロゲルにおいて、
前記反復単位が、N−ビニル−N−メチルアセトアミドを含む、
ハイドロゲル。
【請求項12】
請求項1に記載のハイドロゲルにおいて、
前記酸素透過性成分が、少なくとも1個のシリコーン含有成分を含む、
ハイドロゲル。
【請求項13】
請求項12に記載のハイドロゲルにおいて、
前記少なくとも1個のシリコーン含有成分が、シリコーン含有モノマー、シリコーン含有マクロマー、およびそれらの混合物から成る群から選択される、
ハイドロゲル。
【請求項14】
請求項12に記載のハイドロゲルにおいて、
前記少なくとも1個のシリコーン含有成分が、ポリシロキアルキル(メト)アクリルモノマー、ポリ(オルガノシロキサン)プレポリマー、シリコーン含有ビニルカーボネートモノマー、シリコーン含有ビニルカルバメートモノマー、およびそれらの混合物から成る群から選択される、
ハイドロゲル。
【請求項15】
請求項1に記載のハイドロゲルにおいて、
少なくとも1個の親水モノマー、
をさらに含む、ハイドロゲル。
【請求項16】
請求項15に記載のハイドロゲルにおいて、
前記親水モノマーが、全反応成分の重量に基づいて、60重量%までの量で存在する、
ハイドロゲル。
【請求項17】
請求項15に記載のハイドロゲルにおいて、
前記親水モノマーが、全反応成分の重量に基づいて、10〜60重量%の量で存在する、
ハイドロゲル。
【請求項18】
請求項15に記載のハイドロゲルにおいて、
前記親水モノマーが、全反応成分の重量に基づいて、20〜40重量%の量で存在する、
ハイドロゲル。
【請求項19】
請求項15に記載のハイドロゲルにおいて、
前記親水モノマーが、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロールメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−ビニルピロリドン、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、およびそれらの混合物から成る群から選択される、
ハイドロゲル。
【請求項20】
請求項1に記載のハイドロゲルにおいて、
少なくとも1個の相溶化成分、
をさらに含む、ハイドロゲル。
【請求項21】
請求項20に記載のハイドロゲルにおいて、
前記相溶化成分が、ヒドロキシル含有モノマー、およびヒドロキシル含有マクロマーから選択される、
ハイドロゲル。
【請求項22】
請求項20に記載のハイドロゲルにおいて、
前記相溶化成分が、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルビニルカルバメート、2−ヒドロキシエチルビニルカーボネート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシヘキシルメタクリレート、ヒドロキシオクチルメタクリレート、および、シリコーン基またはシロキサン基を含むヒドロキシル官能基モノマー、ならびに、それらの混合物から成る群から選択される、
ハイドロゲル。
【請求項23】
請求項20に記載のハイドロゲルにおいて、
前記相溶化成分が、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、ビス−3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシプロピルポリジメチルシロキサン, 3−メタクリルオキシ−2−(2−ヒドロキシエトキシ)プロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、N−2−メタクリルオキシエチル−O−(メチル−ビス−トリメチルシロキシ−3−プロピル)シリルカルバメート、およびN,N,N',N'−テトラキス(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−α,ω−ビス−3−アミノプロピル−ポリジメチルシロキサン、ならびにそれらの混合物から成る群から選択される、
ハイドロゲル。
【請求項24】
請求項20に記載のハイドロゲルにおいて、
前記相溶化成分が、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、およびそれらの混合物から成る群から選択される、
ハイドロゲル。
【請求項25】
請求項20に記載のハイドロゲルにおいて、
前記相溶化成分が、反応成分の合計重量に基づいて、5〜90重量%の量で存在する、
ハイドロゲル。
【請求項26】
請求項20に記載のハイドロゲルにおいて、
前記相溶化成分が、反応成分の合計重量に基づいて、10〜80重量%の量で存在する、
ハイドロゲル。
【請求項27】
請求項20に記載のハイドロゲルにおいて、
前記相溶化成分が、反応成分の合計重量に基づいて、20〜50重量%の量で存在する、
ハイドロゲル。
【請求項28】
コンタクトレンズにおいて、
請求項1に記載のハイドロゲルから形成される、コンタクトレンズ。
【請求項29】
請求項1に記載のハイドロゲルにおいて、
前記反応性親水ポリマー内部湿潤剤が、ビニルラクタムモノマー、およびビニルカルボキシレートモノマー、を含むモノマーから誘導される、反応性高分子量コポリマーを含む、
ハイドロゲル。
【請求項30】
請求項29に記載のハイドロゲルにおいて、
前記反応性親水ポリマー内部湿潤剤が、少なくとも9.96×10-20g(60,000ダルトン)の分子量(重量平均)を有する、
ハイドロゲル。
【請求項31】
請求項29に記載のハイドロゲルにおいて、
前記ビニルラクタムモノマーが、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−4−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−5,5−ジメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,3,5−トリメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−5−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,4,5−トリメチル−3−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−6−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−6−エチル−2−ピペリドン、N−ビニル−3,5−ジメチル−2−ピペリドン、N−ビニル−4,4−ジメチル−2−ピペリドン、N−ビニル−7−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−7−エチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3,5−ジメチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−4,6−ジメチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3,5,7−トリメチル−2−カプロラクタム、N−ビニルマレイミド、ビニルスクシンイミド、およびそれらの混合物から成る群から選択される、
ハイドロゲル。
【請求項32】
請求項29に記載のハイドロゲルにおいて、
前記ビニルラクタムモノマーが、複素環中に4個の炭素原子を含有する複素環モノマーから成る群から選択される、
ハイドロゲル。
【請求項33】
請求項29に記載のハイドロゲルにおいて、
前記ビニルラクタムモノマーが、N−ビニル−2−ピロリドンを含む、
ハイドロゲル。
【請求項34】
請求項29に記載のハイドロゲルにおいて、
前記ビニルカルボキシレートモノマーが、1〜10個の炭素原子、ならびに、ビニル官能基およびカルボキシレート官能基の両方、を有する化合物から成る群から選択される、
ハイドロゲル。
【請求項35】
請求項29に記載のハイドロゲルにおいて、
前記ビニルカルボキシレートモノマーが、ヘプタン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、ペンタン酸ビニル、ブタン酸ビニル、プロパン酸ビニル(プロピオン酸ビニル)、エタン酸ビニル(酢酸ビニル)、およびそれらの混合物から成る群から選択される、
ハイドロゲル。
【請求項36】
請求項29に記載のハイドロゲルにおいて、
前記ビニルカルボキシレートモノマーが、酢酸ビニルを含む、
ハイドロゲル。
【請求項37】
請求項29に記載のハイドロゲルにおいて、
前記反応性親水ポリマー内部湿潤剤が、式IX、Xの化合物、およびそれらの混合物から成る群から選択される、
ハイドロゲル。
【化6】


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−140631(P2012−140631A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−51620(P2012−51620)
【出願日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【分割の表示】特願2007−534791(P2007−534791)の分割
【原出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【出願人】(500092561)ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド (153)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【Fターム(参考)】