反応試験片光学測定装置および反応試験片
【課題】使用者の手作業で反応試験片1をハウジング60に挿入させる移動速度が変化するときに対処できる反応試験片測定装置および反応試験片を提供する。
【解決手段】反応試験片測定装置6は、出入口62をもつハウジング60と、ハウジング60に設けられ収容室61に挿入された反応試験片1の反応マーカ2(2a,2b)および移動速度マーカ3に光を照射させる照射部65と、照射部65で照射された反応試験片1の反応マーカ2(2a,2b)および移動速度マーカ3を読み取るセンサと、移動速度マーカ3の読み取り信号に基づいて反応試験片1のサンプリング条件を調整する制御部9とを有する。
【解決手段】反応試験片測定装置6は、出入口62をもつハウジング60と、ハウジング60に設けられ収容室61に挿入された反応試験片1の反応マーカ2(2a,2b)および移動速度マーカ3に光を照射させる照射部65と、照射部65で照射された反応試験片1の反応マーカ2(2a,2b)および移動速度マーカ3を読み取るセンサと、移動速度マーカ3の読み取り信号に基づいて反応試験片1のサンプリング条件を調整する制御部9とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液や尿等の被測定対象物に含まれる成分に応じて反応マーカの色変化の状況を判定する反応試験片光学測定装置および反応試験片に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、血液や尿等の被測定対象物に含まれる成分に応じて色変化を発生させる反応マーカと、分析する成分の項目の検量線情報に関連する検量線情報マーカとを有する反応試験片を開示する。そして、制御部により反応試験片の検量線情報マーカを読み取ることにより、分析する成分の項目の検量線情報を外部メモリから抽出し、反応マーカの読み取り信号と検量線情報とを比較することにより、被測定対象物に含まれている分析成分の状況を判定することにしている。
【0003】
使用者の手作業で反応試験片をハウジングに挿入させるときには、反応試験片の挿入速度が不可避的に変化し、これが反応マーカに関するサンプリング数に影響を与えるおそれがある。そこで特許文献2は、反応試験片のハウジングの収容室への挿入に伴い移動するステージと、ステージに設けられたラック部に噛み合う回転ギヤと、回転ギヤに同軸的に設けられたエンコーダとを有する光学測定装置を開示する。このものによれば、反応試験片のハウジングへの挿入に伴い、ステージが水平方向に沿って移動し、ステージに設けられたラック部に噛み合う回転ギヤが回転し、回転ギヤの回転をエンコーダが検出する。これにより制御部が反応試験片の移動速度を求め、求めた反応試験片の移動速度に応じてサンプリングタイムを変化させることにしている。これにより使用者の手作業で反応試験片をハウジングに挿入させる挿入速度が変化したとしても、反応マーカの色の状況に関するサンプリングタイムに影響を与えるおそれが解消される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−284279号公報
【特許文献2】特開2008−203114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1によれば、反応試験片を手作業でハウジングの収容室に挿入する装置に適用する場合には、使用者の手作業で反応試験片をハウジングに挿入させる挿入速度が変化すると、反応試験片の反応マーカに対するサンプリングタイムに影響を与えるおそれがある。特許文献2によれば、使用者の手作業で反応試験片をハウジングに挿入させる挿入速度が変化するときであっても対処できるものの、ラックとこれと噛み合う回転ギヤという方向変換機構が測定装置の内部に必須とされ、コスト高を誘発させるおそれがある。
【0006】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、ラックとこれと噛み合う回転ギヤという方向変換機構を必須とすることなく、反応試験片をハウジングの収容室に挿入させる移動速度が変化するときであっても対処できる反応試験片測定装置および反応試験片を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る反応試験片測定装置は、(i)反応により色変化を示す反応マーカと移動方向に沿って移動速度検出用の符号を間欠的にまたは連続的に延設させた移動速度マーカとを有する反応試験片を用い、反応試験片の反応マーカの色状況を測定する反応試験片光学測定装置であって、(ii)反応試験片を収容する収容室と収容室と外部とを連通させて反応試験片を出入りさせる出入口とをもつハウジングと、(iii)ハウジングに設けられ収容室に挿入された反応試験片の反応マーカおよび移動速度マーカに光を照射させる照射部と、(iv)照射部で照射された反応試験片の反応マーカおよび移動速度マーカを読み取るセンサと、(v)移動速度マーカの読み取り信号に基づいて反応マーカの色状況に関するサンプリング条件を調整する制御部とを具備する。
【0008】
まず、被測定対象物を含む測定液を反応試験片に供給させる。すると、測定液に含まれている被測定対象物の濃度等に応じて反応マーカの色は変化する。使用者の手作業またはロボットで反応試験片を保持し、反応試験片を測定装置のハウジングの出入口から収容室に向けて挿入させる。反応試験片の挿入と共に、反応試験片のハウジングに形成されている移動速度マーカも反応試験片と共に収容室に移動して挿入される。
【0009】
ここで、反応試験片の移動速度が速いと、移動速度マーカを構成する符号の移動速度が速いため、それに応じて制御部は単位時間あたりの反応マーカに関するサンプリング条件を調整する。これに対して、反応試験片の移動速度が遅いと、移動速度マーカの移動速度が遅いため、それに応じて制御部は単位時間あたりの反応マーカに関するサンプリング条件を調整する。これにより反応試験片の移動速度が変動したとしても、最適なサンプリングが得られる。よって、リニアイメージセンサによる反応マーカのサンプリングが良好に実行される。ここで、サンプリング条件を調整するとは、単位時間におけるサンプリング数、サンプリング間隔時間、総サンプリング時間のうちの少なくとも一つを調整することが例示される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ラックとこれと噛み合う回転ギヤという方向変換機構を必須とすることなく、使用者の手作業で反応試験片をハウジングに対して移動させる移動速度が変化するときであっても、移動速度に応じてサンプリング条件を調整して対処できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態1に係り、反応試験片を上方から視認する平面図である。
【図2】実施形態1に係り、リニアイメージセンサで反応試験片を測定している状態を側方から視認する側面図である。
【図3】実施形態1に係り、リニアイメージセンサで反応試験片の反応マーカを測定する状態を示す図である。
【図4】実施形態1に係り、測定装置の収容室に反応試験片を挿入している途中の状態を示す断面図である。
【図5】実施形態1に係り、測定装置の収容室に出入口から反応試験片を挿入している途中の状態を示す斜視図である。
【図6】実施形態1に係り、反応試験片の反応マーカを測定した結果を示すグラフである。
【図7】実施形態1に係り、測定装置に搭載されている制御部を示すブロック図である。
【図8】実施形態1に係り、反応試験片の挿入速度が変化したときにおいて、移動速度マーカで得られる信号パルスの変化状態を示すグラフである。
【図9】実施形態1に係り、(A)は移動速度マーカを示す図であり、(B)(C)は移動速度マーカで得られる波形を示す図である。
【図10】実施形態2に係り、(A)は移動速度マーカを示す平面図であり、(B)移動速度マーカを示す平面図であり、(C)は移動速度マーカを示す平面図である。
【図11】実施形態3に係り、制御部が実行するフローチャートである。
【図12】実施形態4に係り、反応試験片の反応マーカからの反射光をロッドレンズを介してリニアイメージセンサで測定する状態を示す斜視図である。
【図13】実施形態4に係り、反応試験片の反応マーカをリニアイメージセンサで測定する状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
(実施形態1)
図1は反応試験片1を上方から視認する平面図を示す。図2は反応試験片1を測定している状態を側方から視認する図を示す。図3はリニアイメージセンサ5で反応試験片1の反応マーカ2(2a,2b)を測定する状態を示す。図4は測定装置6の収容室61に反応試験片1を挿入している状態を示す。図5は測定装置6の収容室61に反応試験片1を挿入している状態を示す。
【0014】
まず、図1に示す反応試験片1について説明する。反応試験片1は、化学反応や抗体抗原反応等の反応により色変化を示すための反応マーカ2(2a,2b)と、反応試験片1の長さ方向(矢印L方向)に沿って移動速度検出用の符号30を延設させ反応試験片1の移動速度を検出するための移動速度マーカ3と、反応マーカ2(2a,2b)の判定に関する判定情報(抗原反応等の反応に関する検量線情報等の基準情報)を識別するための識別マーカ4とを有する。
【0015】
図1に示すように、反応試験片1は、第1開口窓15、第2開口窓16および収容空間を有するケース10と、ケース10の収容空間12に収容された試験紙13とを有する。試験紙13は上面13aと下面13cとを有する。反応試験片1は、上記反応により色変化を示す反応マーカ2(2a,2b)を有する。反応マーカ2(2a,2b)は第2開口窓16から外部の上方に露出して視認可能である。ここで、第1開口窓15から供給された被測定対象物を含む測定液が試験紙13に供給されると、測定液は試験紙13に沿って反応マーカ2(2a,2b)に向けて移動する。よって、反応試験片1に供給された被測定対象物の濃度等に応じて、反応マーカ2(2a,2b)の色は変化する。反応マーカ2(2a,2b)はケース10の第2開口窓16において露出しているため、反応マーカ2(2a,2b)の色状況は外部の上方から視認可能とされる。
【0016】
ここで、図1に示すように、反応マーカ2(2a,2b)はケース10の外壁面11の上面11uよりも内方(下方)に退避している。移動速度マーカ3および識別マーカ4は、ケース10の外壁面11の上面11uに外部の上方に露出するように配置されている。このため、反応試験片1が水平状態に設置されるときには、反応試験片1の反応マーカ2(2a,2b)の高さ位置は、移動速度マーカ3および識別マーカ4の高さ位置よりも低い位置とされている。
【0017】
図1に示すように、移動速度マーカ3は、着色(例えば黒色)された線状または棒状の微小の符号30を、反応試験片1の挿入方向(矢印L1方向)に沿って複数個並設させた状態で、反応試験片1のケース10の外壁面11の上面11uにおいて露出するように形成されている。移動速度マーカ3は、反応試験片1のケース10の第2開口窓16の長さ方向、すなわち、反応試験片1の長さ方向(矢印L方向)に沿って符号30を間隔を隔てて間欠的に延設することにより形成されている。図1に示すように、反応試験片1の幅方向(矢印D方向)において、移動速度マーカ3は、反応試験片1のケース10の第2開口窓16に隣設状態で並設されている。この結果、後述するリニアイメージセンサ5で移動速度マーカ3を読み取りつつ、反応試験片1の試験紙13の反応マーカ2(2a,2b)の色状況を読み取ることができる。本実施形態によれば、図1に示すように、移動速度マーカ3のうち挿入方向(矢印L1方向)の一端3eと他端3fとの間に、反応マーカ部2(2a,2b)および識別マーカ4が直列に配置されている。
【0018】
なお、識別マーカ4は反応試験片1の挿入先端部10aではなく、反応試験片1を手指で掴む掴み部10cの側に寄った位置に配置されている。即ち、反応試験片1の長さ方向(矢印L方向)において、反応マーカ2(2a,2b)および識別マーカ4は直列に配置されている。このため、反応試験片1に反応マーカ2(2a,2b)、移動速度マーカ3および識別マーカ4の三者を配置させつつも、反応試験片1の幅方向(矢印D方向)の寸法サイズを小さくさせるのに有利である。このため、後述する測定装置6のハウジング60の収容室61が矢印D方向において制約を受けるときに有利である。識別マーカ4はQRコードで形成されており、基準点4a,4b,4cを有する。識別マーカ4の基準点4a,4b,4cが移動速度マーカ3と共にリニアイメージセンサ5により読み取られるため、基準点4a,4b,4cの位置の確定性が向上し、識別マーカ4の読み取り精度が高まる。識別マーカ4はQRコードに限らず、他の識別コードとしても良い。なお、産業界では一般的には、QRコードは実質的に静止状態のカメラにより撮像されて検知される。図1に示すように反応マーカ2(2a,2b)および識別マーカ4に沿って移動速度マーカ3が延設されているため、すなわち、矢印L1,L2方向において、反応マーカ2(2a,2b)および識別マーカ4が移動速度マーカ3と重なっているため、反応マーカ2(2a,2b)および識別マーカ4の読み取りが移動速度マーカ3により良好に行い得る。換言すると、移動速度マーカ3のうち挿入方向(矢印L1方向)の一端3eと他端3fとの間であれば、反応試験片1の挿入速度および引き出し速度を検知することができ、その速度に応じてサンプリング条件が調整されるため、挿入速度および引き出し速度が変化したとしても、反応マーカ2(2a,2b)および識別マーカ4の読み取りが良好に行われる。
【0019】
図4は、反応試験片1の反応マーカ2(2a,2b)の色変化を測定するための反応試験片光学測定装置6を示す。図4に示すように、反応試験片光学測定装置6は、ハウジング60と、ハウジング60内に設けられた照射部65と、ハウジング60内に設けられたリニアイメージセンサ5(センサ)と、ハウジング60内に設けられた制御部9と、ハウジング60の外壁面の上面60uに設けられた表示部97とを有する。ハウジング60は偏平な薄型形状をなしており、反応試験片1を収容する薄型の収容室61と、収容室61と外部とを連通させて反応試験片1を出入りさせる出入口62とをもつ。出入口62はハウジング60の側壁部60eにおいて外部に向けて開口する。出入口62は、反応試験片1を水平方向(矢印L1,L2方向)に沿って出し入れさせる。照射部65は、ハウジング60の収容室61に設けられており、出入口62から収容室61に挿入された反応試験片1の反応マーカ2(2a,2b)、移動速度マーカ3および識別マーカ4に光をそれぞれ照射させる。
【0020】
図2に示すように、照射部65は、反応試験片1の挿入方向および引き出し方向である矢印L1,L2方向において、リニアイメージセンサ5を挟む位置に配置された第1照射部651および第2照射部652で構成されている。反応試験片1が収容室61に挿入されるとき、第1照射部651および第2照射部652は、反応マーカ2(2a,2b)、移動速度マーカ3および識別マーカ4の真上に位置することになる。これにより反応マーカ2(2a,2b)、移動速度マーカ3および識別マーカ4などを照らす照射むらが抑制される。よってリニアイメージセンサ5のセンシング精度が確保される。ここで、図1から理解できるように、第1照射部651および第2照射部652は、反応試験片1の長さ方向(矢印L方向)と交差する方向、即ち、反応試験片1の幅方向(矢印D方向)に沿って収容室61内において長く延設されている。
【0021】
第1照射部651および第2照射部652は、ウレタン、エポキシ、フェノール等の透明樹脂などの導光材料に、光を反射させる微粒子状の光拡散材を混合させて形成されている。この場合、第1照射部651に光を入射させる投光用光源と、第2照射部652に光を入射させる投光用光源とが収容室61内に設けられていることが好ましい。あるいは、第1照射部651および第2照射部652は、収容室61内に設けられた図略の発光ダイオード(投光用光源)を矢印D方向に並設させて形成されていても良い。場合によっては、第1照射部651および第2照射部652に代えて、または、第1照射部651および第2照射部652と共に、照射源として機能する発光源である発光ダイオード5x(図4参照)を採用しても良い。
【0022】
図1から理解できるように、リニアイメージセンサ5は、ハウジング60の収容室61において、反応試験片1の上方に位置するように設けられている。リニアイメージセンサ5は、複数の受光画素を一列に反応試験片1の幅方向(矢印D方向,反応試験片1の挿入方向である矢印L2方向と直交する方向)に沿って並設させた構造を有する。このような構造のリニアイメージセンサ5は、撮像カメラとは異なり、短い焦点距離をもつため、ハウジング60の高さ方向(矢印H方向)の薄型化に有利となる。撮像カメラによれば、撮像方向の先方に向かうにつれて撮像範囲が大きく拡大する関係上、焦点距離の短縮化には不利であり、更に、接近物の接写には不利である。このため撮像カメラが使用される場合には、リニアイメージセンサ5が使用される場合とは異なり、ハウジング60の高さの薄型化には限界がある。本実施形態によれば、リニアイメージセンサ5が採用されているため、ハウジング60の高さの薄型化に有利である。リニアイメージセンサ5は、照射部65で照射された反応試験片1の反応マーカ2(2a,2b)、移動速度マーカ3および識別マーカ4から反射された反射光を後述のロッドレンズアレイ7を介して読み取る。図2および図3に示すように、ハウジング60の収容室61内に、収容室61内に挿入された反応試験片1とリニアイメージセンサ5との間に位置するようにロッドレンズアレイ7(レンズ)が設けられている。図3に示すように、ロッドレンズアレイ7は、反応試験片1の幅方向(矢印D方向)において複数のロッドレンズ70を隣設させつつ並設させることにより形成されている。
【0023】
本実施形態によれば、図3から理解できるように、リニアイメージセンサ5を使用することにより、ひとつのセンサだけで反応試験片1の反応マーカ2(2a,2b)および移動速度マーカ3を同時に読み込むことができる。さらに、反応試験片1の識別マーカ4も、同じリニアイメージセンサ5で検出できる。リニアイメージセンサ5を使用することにより、CCDエリアイメージセンサやCMOSエリアイメージセンサと比べて以下の特徴が得られる。画素サイズを大きくできるので、感度が高くできる。ビデオレートが高速なため迅速な読取が可能である。ロッドレンズ等が使用可能であり、光学作動距離を短くできる。読み取り方向の信号レベルが一定であるため、明度の補正がいらない。電気回路構成、画像処理プログラム構成が簡単になる。
【0024】
なお、フォトトランジスタ、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、光電子増倍管などの単素子が採用されている場合には、リニアイメージセンサ5が採用される場合とは異なり、移動速度マーカ3および識別マーカ4を同時に読み込むことができない問題がある。なお、図7に示すように、制御部9は、CPU90と、第1メモリ91(EEPROM)と、第2メモリ92(SRAM)と、時間検知用半導体素子93(RTC)と、外部メモリ(USB)94が接続されるUSB端子95とをもつ。CPU90の指令は照射部65の投光用光源69および表示部97に出力される。CPU90から指令に基づいてリニアイメージセンサ5は撮像を開始するものである。イメージセンサ5は、制御回路50と、制御回路50からの信号を増幅させるアンプ51と、アンプ51からのアナログ信号をデジタル信号に変換してCPU90に出力させる変換部52とを有する。第1メモリ91の所定のエリアには、反応マーカ2(2a,2b)の色変化に関する判定情報(例えば検量線情報)および測定プログラムが格納されている。CPU90は、第2メモリ92の所定のエリアに、反応マーカ2(2a,2b)の色状況に関する測定情報を格納させる。
【0025】
反応試験片光学測定装置6で反応試験片1の反応マーカ2(2a,2b)の色変化を測定する場合について説明する。まず、被測定対象物を含む測定液を反応試験片1の第1開口窓15に供給させる。すると、測定液は表面張力等により反応試験片1の試験紙13を移動し、反応マーカ2(2a,2b)に到達する。測定液に含まれている被測定対象物の濃度に応じて、反応マーカ2(2a,2b)の色は変化する。次に、使用者が手作業で反応試験片1の掴み部10cを掴み、反応試験片1を測定装置6のハウジング60の底面60vに案内させつつ、出入口62から矢印L1方向に収容室61に向けて移動させて挿入させる。反応試験片1がハウジング60の収容室61に挿入されると共に、反応試験片1のハウジング60に形成されている移動速度マーカ3および識別マーカ4も反応試験片1と共に収容室61に挿入される。
【0026】
ここで、手作業による反応試験片1の挿入速度(移動速度)が速い場合には、移動速度マーカ3の移動速度が速いため、多数の移動速度マーカ3の符号30に基づくパルス信号の単位時間あたりの数が増加する。このパルス数がCPU90に検知され、CPU90は反応試験片1の挿入速度を演算で求める。この場合、制御部9のCPU90は単位時間あたりのサンプリング数(反応マーカ2(2a,2b)の色状況に関するサンプリング数)を増加させる指令をリニアイメージセンサ5に出力する。これに対して、手作業による反応試験片1の挿入速度(移動速度)が遅い場合には、移動速度マーカ3の移動速度が遅いため、移動速度マーカ3の符号30に基づく信号パルスの単位時間あたりの数が減少する。このパルス数がCPU90に検知され、CPU90は反応試験片1の挿入速度を求める。この場合、制御部9のCPU90は単位時間あたりのサンプリング数(反応マーカ2(2a,2b)の色状況に関するサンプリング数)を減少させる指令をリニアイメージセンサ5に出力する。このように反応試験片1の挿入速度が変動したとしても、単位時間当たり最適なサンプリング数、最適なサンプリング間隔等のサンプリング条件が得られる。よって、リニアイメージセンサ5によるサンプリングが良好に実行される。このようにして制御部9により反応マーカ2(2a,2b)の色状況の光強度に関する信号S1,S2(図6参照)が求められる。このようにしてCPU90は、信号S1および信号S2に関する測定値を検知する。例えば、CPU90は、測定値として、信号S1と信号S2との比を求める。更に本実施形態によれば、CPU90は、反応試験片1のケース10に形成されている識別マーカ4を読み取る。従って、識別マーカ4の読み取りに基づいて、CPU90は、ハウジング60の第1メモリ91の所定のエリアに格納されている反応マーカ2(2a,2b)の色状況に関する判定情報(例えば検量線情報)を読み出す。そしてCPU90は上記した測定値と判定情報(例えば検量線情報)とに基づいて、制御部9は、測定液に含まれている被測定対象物の濃度を求める。その後、CPU90は被測定対象物の濃度に関する情報を表示部97に表示させる指令を出力する。
【0027】
図8において特性線A1は手作業による反応試験片1の挿入速度を示す。領域A2から挿入速度が低下している。特性線A1で示される反応試験片1の挿入速度の大小に応じて、単位時間あたりに得られるパルスPの数が変化する。パルスPの数は、移動速度マーカ3を構成する符号30の数に相当する。従って、単位時間Tあたりに得られるパルスPの数が多いときには、反応試験片1の挿入速度(移動速度)が速いことを示す。単位時間Tあたりに得られるパルスPの数が少ないときには、反応試験片1の挿入速度が遅いことを示す。反応試験片1をハウジング60から引き出すときも同様である。
【0028】
図9は、反応試験片1のケース10に配置されている移動速度マーカ3によって反応試験片1の挿入または反応試験片1の引き出しを判定する原理を示す。図9に示すように、移動速度マーカ3は、反応試験片1の移動方向に沿って延びる第1仮想線100,第2仮想線102に規定されつつ形成されている。即ち、移動速度マーカ3は、第1仮想線100に沿って間欠的に並設された第1符号部30aと、第2仮想線102に沿って間欠的に並設された第2符号部30bとをもつ。反応試験片1が矢印L1方向に移動されて反応試験片1がハウジング60に挿入されるときには、図9(B)に示すパルス波形が得られる。反応試験片1が矢印L1方向に移動されて反応試験片1がハウジング60から引き出されるときには、図9(C)に示すパルス波形が得られる。このように移動速度マーカ3の形状に基づいて、反応試験片1の挿入および引き出しが判定される。
【0029】
以上説明したように本実施形態において、前記した従来技術とは異なり、ラックとこれと噛み合う回転ギヤという方向変換機構を必須とすることなく、使用者の手作業で反応試験片1をハウジング60に挿入させる挿入速度が変化するときにサンプリング条件を調整して対処できる反応試験片測定装置6および反応試験片1を提供することができる。
【0030】
上記したように移動速度マーカ3のうち移動方向である挿入方向(矢印L1方向)の一端3eと他端3fとの間であれば、反応試験片1の挿入速度および/または引き出し速度を検知することができる。この点について本実施形態によれば、図1に示すように、移動速度マーカ3のうち移動方向(矢印L1方向)の一端3eと他端3fとの間に、反応マーカ部2(2a,2b)および識別マーカ4が直列に配置されている。このため、反応試験片1の挿入速度に応じて、更に、引き出し速度に応じて、反応マーカ部2(2a,2b)および識別マーカ4に対する単位時間当たりのサンプリング数およびサンプリング間隔等といったサンプリング条件を調整できる。故に、反応マーカ部2(2a,2b)および識別マーカ4を良好に検知できる。
【0031】
なお本実施形態によれば、図1から理解できるように、挿入先端部10aから掴み部10cにかけて、矢印L方向において反応マーカ部2(2a,2b)および識別マーカ4の順に配置されているが、これに限らず、逆でも良い。
【0032】
(実施形態2)
図10は実施形態3を示す。本実施形態は前記した実施形態1,2と基本的には共通の構成および共通の作用効果を有する。図10(A)によれば、移動速度マーカ3を構成する符号30の形状は、反応試験片1の挿入方向(矢印L1方向)において幅が増加するように変化する。この場合、反応試験片1の挿入方向(矢印L1方向)において幅が減少するように変化することにしても良い。図10(B)によれば、移動速度マーカ3を構成する符号30の形状は、反応試験片1の挿入方向(矢印L1方向)と直交する方向(矢印D方向)において、第1符号30fと第2符号30sと第3符号30tとが並設されている。第1符号30fは、反応試験片1の挿入方向(矢印L1方向)において間隔を隔てて複数個並設されている。第2符号30sは、反応試験片1の挿入方向(矢印L1方向)において間隔を隔てて複数個並設されている。第3符号30tは、反応試験片1の挿入方向(矢印L1方向)において間隔を隔てて複数個並設されている。図10(C)によれば、移動速度マーカ3を構成する符号30は、反応試験片1の挿入方向(矢印L1方向)において間隔を隔てて並設されている。
【0033】
本実施形態においても、ラックとこれと噛み合う回転ギヤという方向変換機構を必須とすることなく、使用者の手作業で反応試験片1をハウジング60に挿入させる挿入速度が変化するときに対処できる反応試験片測定装置6および反応試験片1を提供することができる。
【0034】
(実施形態3)
図11は実施形態3を示す。本実施形態は前記した実施形態1,2と基本的には共通の構成および共通の作用効果を有しており、図1〜図10を準用できる。図11は制御のフローチャートの一例を示す。制御のフローチャートはあくまでも一例であり、これに限定されるものではない。フローチャートは反応試験片1の挿入と共に開始される。まず、移動速度マーカ3を読み取った後(ステップS2)、反応試験片1の挿入か否かを判定する(ステップS2)。挿入であれば、反応試験片1の挿入速度を演算で求める(ステップS4)。次に、反応試験片1の挿入速度に応じてサンプリング挿入速度を演算で求める(ステップS6)。更に、規定されたサンプリング挿入速度で反応マーカ2(2a,2b)を読み取り、読み取り結果を第2メモリ92の所定のエリアに格納させる。挿入が完了していなければ(ステップS8のNo)、上記した操作を継続させる。挿入完了は、反応試験片1の基端側の識別マーカ4を読み取れば、検知される。あるいは、反応試験片1において移動速度マーカ3が存在しないことが検知されることからも判定される。反応試験片1の挿入が完了していれば(ステップS12のYes)、反応試験片1の挿入が完了した旨を表示部97で表示する(ステップS14)。更に、移動速度マーカ3を読み込んだ後(ステップS16)、反応試験片1の引き出しか否かを判定する(ステップS18)。引き出しであれば、反応試験片1の引き出し挿入速度を演算で求める(ステップS20)。次に、反応試験片1の引き出し挿入速度に応じてサンプリング挿入速度を演算で求める(ステップS22)。更に、規定されたサンプリング挿入速度で反応マーカ2(2a,2b)を読み取り、読み取り結果を第2メモリ92の所定のエリアに格納させる(ステップS24)。引き出しが完了していなければ(ステップS26のNo)、上記した操作を継続させる。引き出し完了は、反応試験片1の基端側の識別マーカ4を読み取れば、検知される。あるいは、移動速度マーカ3が存在しないことからも判定される。反応試験片1の挿入が完了していれば(ステップS26のYes)、反応試験片1の挿入時における反応マーカ2(2a,2b)における信号S1,S2を求める(ステップS28)。
【0035】
更に、反応試験片1の挿入時における反応マーカ2(2a,2b)における信号S1,信号S2の比を求める(ステップS30)。次に、反応試験片1の引き出し時における反応マーカ2(2a,2b)における信号S1,S2を求める(ステップS32)。更に、反応試験片1の引き出し時における反応マーカ2(2a,2b)における信号S1,信号S2の比を求める(ステップS34)。次に、第1メモリ91にエリアに格納されているCPU90は、ハウジング60の第1メモリ91の所定のエリアに格納されている反応マーカ2(2a,2b)の色状況に関する判定情報(例えば検量線情報)を読み込む。そしてCPU90は、反応試験片1の挿入時における上記した測定値(信号S1,信号S2の比)と判定情報(例えば検量線情報)とに基づいて、制御部9は、測定液に含まれている被測定対象物の濃度(反応試験片1の挿入時に測定された被測定対象物の濃度)を求める。更に、CPU90は、反応試験片1の挿入時における上記した測定値(信号S1,信号S2の比)と判定情報(例えば検量線情報)とに基づいて、制御部9は、測定液に含まれている被測定対象物の濃度(反応試験片1の引き出し時に測定された被測定対象物の濃度)を求める(ステップS38)。その後、CPU90は判定結果を表示部97に表示させる指令を出力する(ステップS40)。この場合、反応試験片1の挿入時に測定された被測定対象物の濃度Cgoと、反応試験片1の引き出し時に測定された被測定対象物の濃度Creturnとを表示部97は表示する。更に、表示部97は、反応試験片1の挿入時に測定された濃度と反応試験片1の引き出し時に測定された濃度との平均値Caveを表示する。
【0036】
このため、挿入時における濃度Cgoと引き出し時における濃度Creturnとが大きく相違するときには、使用者は反応試験片1の測定を再度行うことにすれば良い。但し、本実施形態によれば、挿入時における濃度Cgoのみを表示部97で表示させることにしても良い。更に、引き出し時における濃度Creturnのみを表示部97で表示させることにしても良い。或いは、平均値Caveのみを表示部97で表示させることにしても良い。
【0037】
(実施形態4)
図12及び図13は実施形態4を示す。本実施形態は前記した実施形態1〜3と基本的には共通の構成および共通の作用効果を有する。実施形態1と同様に、反応試験片1が水平状態に設置されるとき、高さ方向Hにおいて、反応マーカ2(2a,2b)の高さ位置は、移動速度マーカ3および識別マーカ4の高さ位置よりも低い位置とされている。図12に示すように、収容室61内に挿入された反応試験片1とリニアイメージセンサ5との間にロッドレンズアレイ7(レンズ)が設けられている。図12に示すように、ロッドレンズアレイ7は、反応試験片1のケース10に内蔵されている試験紙13の反応マーカ2(2a,2b)に焦点距離を合わせる第1ロッドレンズアレイ71(第1レンズ部)と、反応試験片1のケース10の外壁面11の上面11uに配置されている移動速度マーカ3および識別マーカ4に焦点距離を合わせる第2ロッドレンズアレイ72(第2レンズ部)とを有する。前述したように移動速度マーカ3および識別マーカ4は反応マーカ2(2a,2b)よりも高い位置に配置されているため、焦点距離が個別に設定されていることは有効である。
【0038】
図13に示すように、移動速度マーカ3および識別マーカ4は、反応試験片1の長さ方向(矢印L方向)における所定位置に配置されており、反応試験片1の幅方向(矢印D方向)において互いに隣設されている。この結果、図13に示すように、反応試験片1のケース10の外壁面11の上面11uにおいて、反応マーカ2(2a,2b)、移動速度マーカ3および識別マーカ4の順に反応試験片1の幅方向(矢印D方向)において並設されている。このように反応マーカ2(2a,2b)および移動速度マーカ3が接近しつつ矢印D方向において隣設されている。この場合、反応試験片1の幅方向(矢印D方向の)寸法が増加する傾向があるが、反応試験片1の長さ方向(矢印L方向)の寸法を短縮させることができる。
【0039】
本実施形態においても、他の実施形態と同様に、ラックとこれと噛み合う回転ギヤという方向変換機構を測定装置に必須とすることなく、使用者の手作業で反応試験片1をハウジング60に挿入させる挿入速度が変化するときに容易に対処できる反応試験片測定装置6および反応試験片1を提供することができる。上記したように移動速度マーカ3のうち挿入方向(矢印L1方向)の一端3eと他端3fとの間であれば、反応試験片1の挿入速度および引き出し速度を検知することができる。この点について本実施形態によれば、図13に示すように、移動速度マーカ3のうち挿入方向(矢印L1方向)の一端3eと他端3fとの間に、反応マーカ部2(2a,2b)および識別マーカ4が並列状態に配置されている。このため、反応試験片1の挿入速度に応じて、更に、引き出し速度に応じて、反応マーカ部2(2a,2b)および識別マーカ4に対する単位時間当たりのサンプリング数およびサンプリング間隔等といったサンプリング条件を調整できる。故に、反応マーカ部2(2a,2b)および識別マーカ4を良好に検知できる。
【0040】
(その他)上記した実施形態によれば、移動速度マーカ3の移動速度が速いときには、制御部9は単位時間あたりのサンプリング数(反応マーカ2(2a,2b)の色状況に関するサンプリング数)を増加させる指令をリニアイメージセンサ5に出力する。また移動速度マーカ3の移動速度が遅いときには、制御部9は単位時間あたりのサンプリング数(反応マーカ2(2a,2b)の色状況に関するサンプリング数)を減少させる指令をリニアイメージセンサ5に出力する。しかしこれに限らず、移動速度マーカ3の移動速度が速いときには、制御部9は総サンプリングタイムを短縮させる指令をリニアイメージセンサ5に出力し、移動速度マーカ3の移動速度が遅いときには、制御部9は総サンプリングタイムを延長させる指令をリニアイメージセンサ5に出力することにしても良い。この場合においても、反応試験片1の挿入速度の変化に対処できる。本発明は、血液や尿等の被測定対象物に含まれる成分を測定するばかりか、化学物質によって反応マーカの色変化の状況を判定する場合についても適用できる。本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。
【符号の説明】
【0041】
1は反応試験片、10はケース、13は試験紙、2は反応マーカ、3は移動速度マーカ、30は符号、4は識別マーカ、5はリニアイメージセンサ(センサ)、6は測定装置、60はハウジング、61は収容室、62は出入口、65は照射部、651は第1照射部、652は第2照射部、9は制御部を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液や尿等の被測定対象物に含まれる成分に応じて反応マーカの色変化の状況を判定する反応試験片光学測定装置および反応試験片に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、血液や尿等の被測定対象物に含まれる成分に応じて色変化を発生させる反応マーカと、分析する成分の項目の検量線情報に関連する検量線情報マーカとを有する反応試験片を開示する。そして、制御部により反応試験片の検量線情報マーカを読み取ることにより、分析する成分の項目の検量線情報を外部メモリから抽出し、反応マーカの読み取り信号と検量線情報とを比較することにより、被測定対象物に含まれている分析成分の状況を判定することにしている。
【0003】
使用者の手作業で反応試験片をハウジングに挿入させるときには、反応試験片の挿入速度が不可避的に変化し、これが反応マーカに関するサンプリング数に影響を与えるおそれがある。そこで特許文献2は、反応試験片のハウジングの収容室への挿入に伴い移動するステージと、ステージに設けられたラック部に噛み合う回転ギヤと、回転ギヤに同軸的に設けられたエンコーダとを有する光学測定装置を開示する。このものによれば、反応試験片のハウジングへの挿入に伴い、ステージが水平方向に沿って移動し、ステージに設けられたラック部に噛み合う回転ギヤが回転し、回転ギヤの回転をエンコーダが検出する。これにより制御部が反応試験片の移動速度を求め、求めた反応試験片の移動速度に応じてサンプリングタイムを変化させることにしている。これにより使用者の手作業で反応試験片をハウジングに挿入させる挿入速度が変化したとしても、反応マーカの色の状況に関するサンプリングタイムに影響を与えるおそれが解消される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−284279号公報
【特許文献2】特開2008−203114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1によれば、反応試験片を手作業でハウジングの収容室に挿入する装置に適用する場合には、使用者の手作業で反応試験片をハウジングに挿入させる挿入速度が変化すると、反応試験片の反応マーカに対するサンプリングタイムに影響を与えるおそれがある。特許文献2によれば、使用者の手作業で反応試験片をハウジングに挿入させる挿入速度が変化するときであっても対処できるものの、ラックとこれと噛み合う回転ギヤという方向変換機構が測定装置の内部に必須とされ、コスト高を誘発させるおそれがある。
【0006】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、ラックとこれと噛み合う回転ギヤという方向変換機構を必須とすることなく、反応試験片をハウジングの収容室に挿入させる移動速度が変化するときであっても対処できる反応試験片測定装置および反応試験片を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る反応試験片測定装置は、(i)反応により色変化を示す反応マーカと移動方向に沿って移動速度検出用の符号を間欠的にまたは連続的に延設させた移動速度マーカとを有する反応試験片を用い、反応試験片の反応マーカの色状況を測定する反応試験片光学測定装置であって、(ii)反応試験片を収容する収容室と収容室と外部とを連通させて反応試験片を出入りさせる出入口とをもつハウジングと、(iii)ハウジングに設けられ収容室に挿入された反応試験片の反応マーカおよび移動速度マーカに光を照射させる照射部と、(iv)照射部で照射された反応試験片の反応マーカおよび移動速度マーカを読み取るセンサと、(v)移動速度マーカの読み取り信号に基づいて反応マーカの色状況に関するサンプリング条件を調整する制御部とを具備する。
【0008】
まず、被測定対象物を含む測定液を反応試験片に供給させる。すると、測定液に含まれている被測定対象物の濃度等に応じて反応マーカの色は変化する。使用者の手作業またはロボットで反応試験片を保持し、反応試験片を測定装置のハウジングの出入口から収容室に向けて挿入させる。反応試験片の挿入と共に、反応試験片のハウジングに形成されている移動速度マーカも反応試験片と共に収容室に移動して挿入される。
【0009】
ここで、反応試験片の移動速度が速いと、移動速度マーカを構成する符号の移動速度が速いため、それに応じて制御部は単位時間あたりの反応マーカに関するサンプリング条件を調整する。これに対して、反応試験片の移動速度が遅いと、移動速度マーカの移動速度が遅いため、それに応じて制御部は単位時間あたりの反応マーカに関するサンプリング条件を調整する。これにより反応試験片の移動速度が変動したとしても、最適なサンプリングが得られる。よって、リニアイメージセンサによる反応マーカのサンプリングが良好に実行される。ここで、サンプリング条件を調整するとは、単位時間におけるサンプリング数、サンプリング間隔時間、総サンプリング時間のうちの少なくとも一つを調整することが例示される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ラックとこれと噛み合う回転ギヤという方向変換機構を必須とすることなく、使用者の手作業で反応試験片をハウジングに対して移動させる移動速度が変化するときであっても、移動速度に応じてサンプリング条件を調整して対処できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態1に係り、反応試験片を上方から視認する平面図である。
【図2】実施形態1に係り、リニアイメージセンサで反応試験片を測定している状態を側方から視認する側面図である。
【図3】実施形態1に係り、リニアイメージセンサで反応試験片の反応マーカを測定する状態を示す図である。
【図4】実施形態1に係り、測定装置の収容室に反応試験片を挿入している途中の状態を示す断面図である。
【図5】実施形態1に係り、測定装置の収容室に出入口から反応試験片を挿入している途中の状態を示す斜視図である。
【図6】実施形態1に係り、反応試験片の反応マーカを測定した結果を示すグラフである。
【図7】実施形態1に係り、測定装置に搭載されている制御部を示すブロック図である。
【図8】実施形態1に係り、反応試験片の挿入速度が変化したときにおいて、移動速度マーカで得られる信号パルスの変化状態を示すグラフである。
【図9】実施形態1に係り、(A)は移動速度マーカを示す図であり、(B)(C)は移動速度マーカで得られる波形を示す図である。
【図10】実施形態2に係り、(A)は移動速度マーカを示す平面図であり、(B)移動速度マーカを示す平面図であり、(C)は移動速度マーカを示す平面図である。
【図11】実施形態3に係り、制御部が実行するフローチャートである。
【図12】実施形態4に係り、反応試験片の反応マーカからの反射光をロッドレンズを介してリニアイメージセンサで測定する状態を示す斜視図である。
【図13】実施形態4に係り、反応試験片の反応マーカをリニアイメージセンサで測定する状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
(実施形態1)
図1は反応試験片1を上方から視認する平面図を示す。図2は反応試験片1を測定している状態を側方から視認する図を示す。図3はリニアイメージセンサ5で反応試験片1の反応マーカ2(2a,2b)を測定する状態を示す。図4は測定装置6の収容室61に反応試験片1を挿入している状態を示す。図5は測定装置6の収容室61に反応試験片1を挿入している状態を示す。
【0014】
まず、図1に示す反応試験片1について説明する。反応試験片1は、化学反応や抗体抗原反応等の反応により色変化を示すための反応マーカ2(2a,2b)と、反応試験片1の長さ方向(矢印L方向)に沿って移動速度検出用の符号30を延設させ反応試験片1の移動速度を検出するための移動速度マーカ3と、反応マーカ2(2a,2b)の判定に関する判定情報(抗原反応等の反応に関する検量線情報等の基準情報)を識別するための識別マーカ4とを有する。
【0015】
図1に示すように、反応試験片1は、第1開口窓15、第2開口窓16および収容空間を有するケース10と、ケース10の収容空間12に収容された試験紙13とを有する。試験紙13は上面13aと下面13cとを有する。反応試験片1は、上記反応により色変化を示す反応マーカ2(2a,2b)を有する。反応マーカ2(2a,2b)は第2開口窓16から外部の上方に露出して視認可能である。ここで、第1開口窓15から供給された被測定対象物を含む測定液が試験紙13に供給されると、測定液は試験紙13に沿って反応マーカ2(2a,2b)に向けて移動する。よって、反応試験片1に供給された被測定対象物の濃度等に応じて、反応マーカ2(2a,2b)の色は変化する。反応マーカ2(2a,2b)はケース10の第2開口窓16において露出しているため、反応マーカ2(2a,2b)の色状況は外部の上方から視認可能とされる。
【0016】
ここで、図1に示すように、反応マーカ2(2a,2b)はケース10の外壁面11の上面11uよりも内方(下方)に退避している。移動速度マーカ3および識別マーカ4は、ケース10の外壁面11の上面11uに外部の上方に露出するように配置されている。このため、反応試験片1が水平状態に設置されるときには、反応試験片1の反応マーカ2(2a,2b)の高さ位置は、移動速度マーカ3および識別マーカ4の高さ位置よりも低い位置とされている。
【0017】
図1に示すように、移動速度マーカ3は、着色(例えば黒色)された線状または棒状の微小の符号30を、反応試験片1の挿入方向(矢印L1方向)に沿って複数個並設させた状態で、反応試験片1のケース10の外壁面11の上面11uにおいて露出するように形成されている。移動速度マーカ3は、反応試験片1のケース10の第2開口窓16の長さ方向、すなわち、反応試験片1の長さ方向(矢印L方向)に沿って符号30を間隔を隔てて間欠的に延設することにより形成されている。図1に示すように、反応試験片1の幅方向(矢印D方向)において、移動速度マーカ3は、反応試験片1のケース10の第2開口窓16に隣設状態で並設されている。この結果、後述するリニアイメージセンサ5で移動速度マーカ3を読み取りつつ、反応試験片1の試験紙13の反応マーカ2(2a,2b)の色状況を読み取ることができる。本実施形態によれば、図1に示すように、移動速度マーカ3のうち挿入方向(矢印L1方向)の一端3eと他端3fとの間に、反応マーカ部2(2a,2b)および識別マーカ4が直列に配置されている。
【0018】
なお、識別マーカ4は反応試験片1の挿入先端部10aではなく、反応試験片1を手指で掴む掴み部10cの側に寄った位置に配置されている。即ち、反応試験片1の長さ方向(矢印L方向)において、反応マーカ2(2a,2b)および識別マーカ4は直列に配置されている。このため、反応試験片1に反応マーカ2(2a,2b)、移動速度マーカ3および識別マーカ4の三者を配置させつつも、反応試験片1の幅方向(矢印D方向)の寸法サイズを小さくさせるのに有利である。このため、後述する測定装置6のハウジング60の収容室61が矢印D方向において制約を受けるときに有利である。識別マーカ4はQRコードで形成されており、基準点4a,4b,4cを有する。識別マーカ4の基準点4a,4b,4cが移動速度マーカ3と共にリニアイメージセンサ5により読み取られるため、基準点4a,4b,4cの位置の確定性が向上し、識別マーカ4の読み取り精度が高まる。識別マーカ4はQRコードに限らず、他の識別コードとしても良い。なお、産業界では一般的には、QRコードは実質的に静止状態のカメラにより撮像されて検知される。図1に示すように反応マーカ2(2a,2b)および識別マーカ4に沿って移動速度マーカ3が延設されているため、すなわち、矢印L1,L2方向において、反応マーカ2(2a,2b)および識別マーカ4が移動速度マーカ3と重なっているため、反応マーカ2(2a,2b)および識別マーカ4の読み取りが移動速度マーカ3により良好に行い得る。換言すると、移動速度マーカ3のうち挿入方向(矢印L1方向)の一端3eと他端3fとの間であれば、反応試験片1の挿入速度および引き出し速度を検知することができ、その速度に応じてサンプリング条件が調整されるため、挿入速度および引き出し速度が変化したとしても、反応マーカ2(2a,2b)および識別マーカ4の読み取りが良好に行われる。
【0019】
図4は、反応試験片1の反応マーカ2(2a,2b)の色変化を測定するための反応試験片光学測定装置6を示す。図4に示すように、反応試験片光学測定装置6は、ハウジング60と、ハウジング60内に設けられた照射部65と、ハウジング60内に設けられたリニアイメージセンサ5(センサ)と、ハウジング60内に設けられた制御部9と、ハウジング60の外壁面の上面60uに設けられた表示部97とを有する。ハウジング60は偏平な薄型形状をなしており、反応試験片1を収容する薄型の収容室61と、収容室61と外部とを連通させて反応試験片1を出入りさせる出入口62とをもつ。出入口62はハウジング60の側壁部60eにおいて外部に向けて開口する。出入口62は、反応試験片1を水平方向(矢印L1,L2方向)に沿って出し入れさせる。照射部65は、ハウジング60の収容室61に設けられており、出入口62から収容室61に挿入された反応試験片1の反応マーカ2(2a,2b)、移動速度マーカ3および識別マーカ4に光をそれぞれ照射させる。
【0020】
図2に示すように、照射部65は、反応試験片1の挿入方向および引き出し方向である矢印L1,L2方向において、リニアイメージセンサ5を挟む位置に配置された第1照射部651および第2照射部652で構成されている。反応試験片1が収容室61に挿入されるとき、第1照射部651および第2照射部652は、反応マーカ2(2a,2b)、移動速度マーカ3および識別マーカ4の真上に位置することになる。これにより反応マーカ2(2a,2b)、移動速度マーカ3および識別マーカ4などを照らす照射むらが抑制される。よってリニアイメージセンサ5のセンシング精度が確保される。ここで、図1から理解できるように、第1照射部651および第2照射部652は、反応試験片1の長さ方向(矢印L方向)と交差する方向、即ち、反応試験片1の幅方向(矢印D方向)に沿って収容室61内において長く延設されている。
【0021】
第1照射部651および第2照射部652は、ウレタン、エポキシ、フェノール等の透明樹脂などの導光材料に、光を反射させる微粒子状の光拡散材を混合させて形成されている。この場合、第1照射部651に光を入射させる投光用光源と、第2照射部652に光を入射させる投光用光源とが収容室61内に設けられていることが好ましい。あるいは、第1照射部651および第2照射部652は、収容室61内に設けられた図略の発光ダイオード(投光用光源)を矢印D方向に並設させて形成されていても良い。場合によっては、第1照射部651および第2照射部652に代えて、または、第1照射部651および第2照射部652と共に、照射源として機能する発光源である発光ダイオード5x(図4参照)を採用しても良い。
【0022】
図1から理解できるように、リニアイメージセンサ5は、ハウジング60の収容室61において、反応試験片1の上方に位置するように設けられている。リニアイメージセンサ5は、複数の受光画素を一列に反応試験片1の幅方向(矢印D方向,反応試験片1の挿入方向である矢印L2方向と直交する方向)に沿って並設させた構造を有する。このような構造のリニアイメージセンサ5は、撮像カメラとは異なり、短い焦点距離をもつため、ハウジング60の高さ方向(矢印H方向)の薄型化に有利となる。撮像カメラによれば、撮像方向の先方に向かうにつれて撮像範囲が大きく拡大する関係上、焦点距離の短縮化には不利であり、更に、接近物の接写には不利である。このため撮像カメラが使用される場合には、リニアイメージセンサ5が使用される場合とは異なり、ハウジング60の高さの薄型化には限界がある。本実施形態によれば、リニアイメージセンサ5が採用されているため、ハウジング60の高さの薄型化に有利である。リニアイメージセンサ5は、照射部65で照射された反応試験片1の反応マーカ2(2a,2b)、移動速度マーカ3および識別マーカ4から反射された反射光を後述のロッドレンズアレイ7を介して読み取る。図2および図3に示すように、ハウジング60の収容室61内に、収容室61内に挿入された反応試験片1とリニアイメージセンサ5との間に位置するようにロッドレンズアレイ7(レンズ)が設けられている。図3に示すように、ロッドレンズアレイ7は、反応試験片1の幅方向(矢印D方向)において複数のロッドレンズ70を隣設させつつ並設させることにより形成されている。
【0023】
本実施形態によれば、図3から理解できるように、リニアイメージセンサ5を使用することにより、ひとつのセンサだけで反応試験片1の反応マーカ2(2a,2b)および移動速度マーカ3を同時に読み込むことができる。さらに、反応試験片1の識別マーカ4も、同じリニアイメージセンサ5で検出できる。リニアイメージセンサ5を使用することにより、CCDエリアイメージセンサやCMOSエリアイメージセンサと比べて以下の特徴が得られる。画素サイズを大きくできるので、感度が高くできる。ビデオレートが高速なため迅速な読取が可能である。ロッドレンズ等が使用可能であり、光学作動距離を短くできる。読み取り方向の信号レベルが一定であるため、明度の補正がいらない。電気回路構成、画像処理プログラム構成が簡単になる。
【0024】
なお、フォトトランジスタ、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、光電子増倍管などの単素子が採用されている場合には、リニアイメージセンサ5が採用される場合とは異なり、移動速度マーカ3および識別マーカ4を同時に読み込むことができない問題がある。なお、図7に示すように、制御部9は、CPU90と、第1メモリ91(EEPROM)と、第2メモリ92(SRAM)と、時間検知用半導体素子93(RTC)と、外部メモリ(USB)94が接続されるUSB端子95とをもつ。CPU90の指令は照射部65の投光用光源69および表示部97に出力される。CPU90から指令に基づいてリニアイメージセンサ5は撮像を開始するものである。イメージセンサ5は、制御回路50と、制御回路50からの信号を増幅させるアンプ51と、アンプ51からのアナログ信号をデジタル信号に変換してCPU90に出力させる変換部52とを有する。第1メモリ91の所定のエリアには、反応マーカ2(2a,2b)の色変化に関する判定情報(例えば検量線情報)および測定プログラムが格納されている。CPU90は、第2メモリ92の所定のエリアに、反応マーカ2(2a,2b)の色状況に関する測定情報を格納させる。
【0025】
反応試験片光学測定装置6で反応試験片1の反応マーカ2(2a,2b)の色変化を測定する場合について説明する。まず、被測定対象物を含む測定液を反応試験片1の第1開口窓15に供給させる。すると、測定液は表面張力等により反応試験片1の試験紙13を移動し、反応マーカ2(2a,2b)に到達する。測定液に含まれている被測定対象物の濃度に応じて、反応マーカ2(2a,2b)の色は変化する。次に、使用者が手作業で反応試験片1の掴み部10cを掴み、反応試験片1を測定装置6のハウジング60の底面60vに案内させつつ、出入口62から矢印L1方向に収容室61に向けて移動させて挿入させる。反応試験片1がハウジング60の収容室61に挿入されると共に、反応試験片1のハウジング60に形成されている移動速度マーカ3および識別マーカ4も反応試験片1と共に収容室61に挿入される。
【0026】
ここで、手作業による反応試験片1の挿入速度(移動速度)が速い場合には、移動速度マーカ3の移動速度が速いため、多数の移動速度マーカ3の符号30に基づくパルス信号の単位時間あたりの数が増加する。このパルス数がCPU90に検知され、CPU90は反応試験片1の挿入速度を演算で求める。この場合、制御部9のCPU90は単位時間あたりのサンプリング数(反応マーカ2(2a,2b)の色状況に関するサンプリング数)を増加させる指令をリニアイメージセンサ5に出力する。これに対して、手作業による反応試験片1の挿入速度(移動速度)が遅い場合には、移動速度マーカ3の移動速度が遅いため、移動速度マーカ3の符号30に基づく信号パルスの単位時間あたりの数が減少する。このパルス数がCPU90に検知され、CPU90は反応試験片1の挿入速度を求める。この場合、制御部9のCPU90は単位時間あたりのサンプリング数(反応マーカ2(2a,2b)の色状況に関するサンプリング数)を減少させる指令をリニアイメージセンサ5に出力する。このように反応試験片1の挿入速度が変動したとしても、単位時間当たり最適なサンプリング数、最適なサンプリング間隔等のサンプリング条件が得られる。よって、リニアイメージセンサ5によるサンプリングが良好に実行される。このようにして制御部9により反応マーカ2(2a,2b)の色状況の光強度に関する信号S1,S2(図6参照)が求められる。このようにしてCPU90は、信号S1および信号S2に関する測定値を検知する。例えば、CPU90は、測定値として、信号S1と信号S2との比を求める。更に本実施形態によれば、CPU90は、反応試験片1のケース10に形成されている識別マーカ4を読み取る。従って、識別マーカ4の読み取りに基づいて、CPU90は、ハウジング60の第1メモリ91の所定のエリアに格納されている反応マーカ2(2a,2b)の色状況に関する判定情報(例えば検量線情報)を読み出す。そしてCPU90は上記した測定値と判定情報(例えば検量線情報)とに基づいて、制御部9は、測定液に含まれている被測定対象物の濃度を求める。その後、CPU90は被測定対象物の濃度に関する情報を表示部97に表示させる指令を出力する。
【0027】
図8において特性線A1は手作業による反応試験片1の挿入速度を示す。領域A2から挿入速度が低下している。特性線A1で示される反応試験片1の挿入速度の大小に応じて、単位時間あたりに得られるパルスPの数が変化する。パルスPの数は、移動速度マーカ3を構成する符号30の数に相当する。従って、単位時間Tあたりに得られるパルスPの数が多いときには、反応試験片1の挿入速度(移動速度)が速いことを示す。単位時間Tあたりに得られるパルスPの数が少ないときには、反応試験片1の挿入速度が遅いことを示す。反応試験片1をハウジング60から引き出すときも同様である。
【0028】
図9は、反応試験片1のケース10に配置されている移動速度マーカ3によって反応試験片1の挿入または反応試験片1の引き出しを判定する原理を示す。図9に示すように、移動速度マーカ3は、反応試験片1の移動方向に沿って延びる第1仮想線100,第2仮想線102に規定されつつ形成されている。即ち、移動速度マーカ3は、第1仮想線100に沿って間欠的に並設された第1符号部30aと、第2仮想線102に沿って間欠的に並設された第2符号部30bとをもつ。反応試験片1が矢印L1方向に移動されて反応試験片1がハウジング60に挿入されるときには、図9(B)に示すパルス波形が得られる。反応試験片1が矢印L1方向に移動されて反応試験片1がハウジング60から引き出されるときには、図9(C)に示すパルス波形が得られる。このように移動速度マーカ3の形状に基づいて、反応試験片1の挿入および引き出しが判定される。
【0029】
以上説明したように本実施形態において、前記した従来技術とは異なり、ラックとこれと噛み合う回転ギヤという方向変換機構を必須とすることなく、使用者の手作業で反応試験片1をハウジング60に挿入させる挿入速度が変化するときにサンプリング条件を調整して対処できる反応試験片測定装置6および反応試験片1を提供することができる。
【0030】
上記したように移動速度マーカ3のうち移動方向である挿入方向(矢印L1方向)の一端3eと他端3fとの間であれば、反応試験片1の挿入速度および/または引き出し速度を検知することができる。この点について本実施形態によれば、図1に示すように、移動速度マーカ3のうち移動方向(矢印L1方向)の一端3eと他端3fとの間に、反応マーカ部2(2a,2b)および識別マーカ4が直列に配置されている。このため、反応試験片1の挿入速度に応じて、更に、引き出し速度に応じて、反応マーカ部2(2a,2b)および識別マーカ4に対する単位時間当たりのサンプリング数およびサンプリング間隔等といったサンプリング条件を調整できる。故に、反応マーカ部2(2a,2b)および識別マーカ4を良好に検知できる。
【0031】
なお本実施形態によれば、図1から理解できるように、挿入先端部10aから掴み部10cにかけて、矢印L方向において反応マーカ部2(2a,2b)および識別マーカ4の順に配置されているが、これに限らず、逆でも良い。
【0032】
(実施形態2)
図10は実施形態3を示す。本実施形態は前記した実施形態1,2と基本的には共通の構成および共通の作用効果を有する。図10(A)によれば、移動速度マーカ3を構成する符号30の形状は、反応試験片1の挿入方向(矢印L1方向)において幅が増加するように変化する。この場合、反応試験片1の挿入方向(矢印L1方向)において幅が減少するように変化することにしても良い。図10(B)によれば、移動速度マーカ3を構成する符号30の形状は、反応試験片1の挿入方向(矢印L1方向)と直交する方向(矢印D方向)において、第1符号30fと第2符号30sと第3符号30tとが並設されている。第1符号30fは、反応試験片1の挿入方向(矢印L1方向)において間隔を隔てて複数個並設されている。第2符号30sは、反応試験片1の挿入方向(矢印L1方向)において間隔を隔てて複数個並設されている。第3符号30tは、反応試験片1の挿入方向(矢印L1方向)において間隔を隔てて複数個並設されている。図10(C)によれば、移動速度マーカ3を構成する符号30は、反応試験片1の挿入方向(矢印L1方向)において間隔を隔てて並設されている。
【0033】
本実施形態においても、ラックとこれと噛み合う回転ギヤという方向変換機構を必須とすることなく、使用者の手作業で反応試験片1をハウジング60に挿入させる挿入速度が変化するときに対処できる反応試験片測定装置6および反応試験片1を提供することができる。
【0034】
(実施形態3)
図11は実施形態3を示す。本実施形態は前記した実施形態1,2と基本的には共通の構成および共通の作用効果を有しており、図1〜図10を準用できる。図11は制御のフローチャートの一例を示す。制御のフローチャートはあくまでも一例であり、これに限定されるものではない。フローチャートは反応試験片1の挿入と共に開始される。まず、移動速度マーカ3を読み取った後(ステップS2)、反応試験片1の挿入か否かを判定する(ステップS2)。挿入であれば、反応試験片1の挿入速度を演算で求める(ステップS4)。次に、反応試験片1の挿入速度に応じてサンプリング挿入速度を演算で求める(ステップS6)。更に、規定されたサンプリング挿入速度で反応マーカ2(2a,2b)を読み取り、読み取り結果を第2メモリ92の所定のエリアに格納させる。挿入が完了していなければ(ステップS8のNo)、上記した操作を継続させる。挿入完了は、反応試験片1の基端側の識別マーカ4を読み取れば、検知される。あるいは、反応試験片1において移動速度マーカ3が存在しないことが検知されることからも判定される。反応試験片1の挿入が完了していれば(ステップS12のYes)、反応試験片1の挿入が完了した旨を表示部97で表示する(ステップS14)。更に、移動速度マーカ3を読み込んだ後(ステップS16)、反応試験片1の引き出しか否かを判定する(ステップS18)。引き出しであれば、反応試験片1の引き出し挿入速度を演算で求める(ステップS20)。次に、反応試験片1の引き出し挿入速度に応じてサンプリング挿入速度を演算で求める(ステップS22)。更に、規定されたサンプリング挿入速度で反応マーカ2(2a,2b)を読み取り、読み取り結果を第2メモリ92の所定のエリアに格納させる(ステップS24)。引き出しが完了していなければ(ステップS26のNo)、上記した操作を継続させる。引き出し完了は、反応試験片1の基端側の識別マーカ4を読み取れば、検知される。あるいは、移動速度マーカ3が存在しないことからも判定される。反応試験片1の挿入が完了していれば(ステップS26のYes)、反応試験片1の挿入時における反応マーカ2(2a,2b)における信号S1,S2を求める(ステップS28)。
【0035】
更に、反応試験片1の挿入時における反応マーカ2(2a,2b)における信号S1,信号S2の比を求める(ステップS30)。次に、反応試験片1の引き出し時における反応マーカ2(2a,2b)における信号S1,S2を求める(ステップS32)。更に、反応試験片1の引き出し時における反応マーカ2(2a,2b)における信号S1,信号S2の比を求める(ステップS34)。次に、第1メモリ91にエリアに格納されているCPU90は、ハウジング60の第1メモリ91の所定のエリアに格納されている反応マーカ2(2a,2b)の色状況に関する判定情報(例えば検量線情報)を読み込む。そしてCPU90は、反応試験片1の挿入時における上記した測定値(信号S1,信号S2の比)と判定情報(例えば検量線情報)とに基づいて、制御部9は、測定液に含まれている被測定対象物の濃度(反応試験片1の挿入時に測定された被測定対象物の濃度)を求める。更に、CPU90は、反応試験片1の挿入時における上記した測定値(信号S1,信号S2の比)と判定情報(例えば検量線情報)とに基づいて、制御部9は、測定液に含まれている被測定対象物の濃度(反応試験片1の引き出し時に測定された被測定対象物の濃度)を求める(ステップS38)。その後、CPU90は判定結果を表示部97に表示させる指令を出力する(ステップS40)。この場合、反応試験片1の挿入時に測定された被測定対象物の濃度Cgoと、反応試験片1の引き出し時に測定された被測定対象物の濃度Creturnとを表示部97は表示する。更に、表示部97は、反応試験片1の挿入時に測定された濃度と反応試験片1の引き出し時に測定された濃度との平均値Caveを表示する。
【0036】
このため、挿入時における濃度Cgoと引き出し時における濃度Creturnとが大きく相違するときには、使用者は反応試験片1の測定を再度行うことにすれば良い。但し、本実施形態によれば、挿入時における濃度Cgoのみを表示部97で表示させることにしても良い。更に、引き出し時における濃度Creturnのみを表示部97で表示させることにしても良い。或いは、平均値Caveのみを表示部97で表示させることにしても良い。
【0037】
(実施形態4)
図12及び図13は実施形態4を示す。本実施形態は前記した実施形態1〜3と基本的には共通の構成および共通の作用効果を有する。実施形態1と同様に、反応試験片1が水平状態に設置されるとき、高さ方向Hにおいて、反応マーカ2(2a,2b)の高さ位置は、移動速度マーカ3および識別マーカ4の高さ位置よりも低い位置とされている。図12に示すように、収容室61内に挿入された反応試験片1とリニアイメージセンサ5との間にロッドレンズアレイ7(レンズ)が設けられている。図12に示すように、ロッドレンズアレイ7は、反応試験片1のケース10に内蔵されている試験紙13の反応マーカ2(2a,2b)に焦点距離を合わせる第1ロッドレンズアレイ71(第1レンズ部)と、反応試験片1のケース10の外壁面11の上面11uに配置されている移動速度マーカ3および識別マーカ4に焦点距離を合わせる第2ロッドレンズアレイ72(第2レンズ部)とを有する。前述したように移動速度マーカ3および識別マーカ4は反応マーカ2(2a,2b)よりも高い位置に配置されているため、焦点距離が個別に設定されていることは有効である。
【0038】
図13に示すように、移動速度マーカ3および識別マーカ4は、反応試験片1の長さ方向(矢印L方向)における所定位置に配置されており、反応試験片1の幅方向(矢印D方向)において互いに隣設されている。この結果、図13に示すように、反応試験片1のケース10の外壁面11の上面11uにおいて、反応マーカ2(2a,2b)、移動速度マーカ3および識別マーカ4の順に反応試験片1の幅方向(矢印D方向)において並設されている。このように反応マーカ2(2a,2b)および移動速度マーカ3が接近しつつ矢印D方向において隣設されている。この場合、反応試験片1の幅方向(矢印D方向の)寸法が増加する傾向があるが、反応試験片1の長さ方向(矢印L方向)の寸法を短縮させることができる。
【0039】
本実施形態においても、他の実施形態と同様に、ラックとこれと噛み合う回転ギヤという方向変換機構を測定装置に必須とすることなく、使用者の手作業で反応試験片1をハウジング60に挿入させる挿入速度が変化するときに容易に対処できる反応試験片測定装置6および反応試験片1を提供することができる。上記したように移動速度マーカ3のうち挿入方向(矢印L1方向)の一端3eと他端3fとの間であれば、反応試験片1の挿入速度および引き出し速度を検知することができる。この点について本実施形態によれば、図13に示すように、移動速度マーカ3のうち挿入方向(矢印L1方向)の一端3eと他端3fとの間に、反応マーカ部2(2a,2b)および識別マーカ4が並列状態に配置されている。このため、反応試験片1の挿入速度に応じて、更に、引き出し速度に応じて、反応マーカ部2(2a,2b)および識別マーカ4に対する単位時間当たりのサンプリング数およびサンプリング間隔等といったサンプリング条件を調整できる。故に、反応マーカ部2(2a,2b)および識別マーカ4を良好に検知できる。
【0040】
(その他)上記した実施形態によれば、移動速度マーカ3の移動速度が速いときには、制御部9は単位時間あたりのサンプリング数(反応マーカ2(2a,2b)の色状況に関するサンプリング数)を増加させる指令をリニアイメージセンサ5に出力する。また移動速度マーカ3の移動速度が遅いときには、制御部9は単位時間あたりのサンプリング数(反応マーカ2(2a,2b)の色状況に関するサンプリング数)を減少させる指令をリニアイメージセンサ5に出力する。しかしこれに限らず、移動速度マーカ3の移動速度が速いときには、制御部9は総サンプリングタイムを短縮させる指令をリニアイメージセンサ5に出力し、移動速度マーカ3の移動速度が遅いときには、制御部9は総サンプリングタイムを延長させる指令をリニアイメージセンサ5に出力することにしても良い。この場合においても、反応試験片1の挿入速度の変化に対処できる。本発明は、血液や尿等の被測定対象物に含まれる成分を測定するばかりか、化学物質によって反応マーカの色変化の状況を判定する場合についても適用できる。本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。
【符号の説明】
【0041】
1は反応試験片、10はケース、13は試験紙、2は反応マーカ、3は移動速度マーカ、30は符号、4は識別マーカ、5はリニアイメージセンサ(センサ)、6は測定装置、60はハウジング、61は収容室、62は出入口、65は照射部、651は第1照射部、652は第2照射部、9は制御部を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応により色変化を示す反応マーカと移動方向に沿って移動速度検出用の符号を間欠的にまたは連続的に延設させた移動速度マーカとを有する反応試験片を用い、前記反応試験片の前記反応マーカの色状況を測定する反応試験片光学測定装置であって、
前記反応試験片を収容する収容室と前記収容室と外部とを連通させて前記反応試験片を出入りさせる出入口とをもつハウジングと、
前記ハウジングに設けられ前記収容室に挿入された前記反応試験片の前記反応マーカおよび前記移動速度マーカに光を照射させる照射部と、
前記照射部で照射された前記反応試験片の前記反応マーカおよび前記移動速度マーカの色状況を読み取るセンサと、
前記移動速度マーカの読み取り信号に基づいて前記反応試験片の前記反応マーカの色状況に関するサンプリング条件を調整する制御部とを具備する反応試験片光学測定装置。
【請求項2】
請求項1において、前記移動速度マーカの前記移動方向の一端と他端との間に、前記反応マーカ部が配置されている反応試験片光学測定装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記反応試験片には、前記反応マーカの色の状況を判定する判定情報を識別するための識別マーカが設けられており、
前記センサは、前記照射部で照射された前記反応試験片の前記反応マーカおよび前記移動速度マーカの他に、前記識別マーカを読み取る反応試験片光学測定装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちの一項において、前記ハウジングは、前記収容室内に挿入された反応試験片と前記センサとの間にレンズを有しており、前記レンズは、前記反応試験片の前記反応マーカに焦点距離を合わせる第1レンズ部と、前記反応試験片の前記移動速度マーカに焦点距離を合わせる第2レンズ部とを有する反応試験片光学測定装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちの一項において、前記移動速度マーカは、前記反応試験片を前記ハウジングの前記出入口から前記収容室に挿入させる移動方向においてマーカ形状を異ならせた構成とされており、前記収容室への前記反応試験片の挿入と前記収容室からの前記反応試験片の引出との判定に用いられる反応試験片光学測定装置。
【請求項6】
反応により色変化を示す反応マーカと、移動方向に沿って速度検出用の符号を間欠的にまたは連続的に延設させた移動速度検出用の移動速度マーカとを具備する反応試験片。
【請求項7】
請求項6において、前記移動速度マーカの前記移動方向の一端と他端との間に、前記反応マーカ部が配置されている反応試験片。
【請求項8】
請求項6または7において、更に、前記反応マーカの色の状況を判定する判定情報を識別するための識別マーカを有する反応試験片。
【請求項1】
反応により色変化を示す反応マーカと移動方向に沿って移動速度検出用の符号を間欠的にまたは連続的に延設させた移動速度マーカとを有する反応試験片を用い、前記反応試験片の前記反応マーカの色状況を測定する反応試験片光学測定装置であって、
前記反応試験片を収容する収容室と前記収容室と外部とを連通させて前記反応試験片を出入りさせる出入口とをもつハウジングと、
前記ハウジングに設けられ前記収容室に挿入された前記反応試験片の前記反応マーカおよび前記移動速度マーカに光を照射させる照射部と、
前記照射部で照射された前記反応試験片の前記反応マーカおよび前記移動速度マーカの色状況を読み取るセンサと、
前記移動速度マーカの読み取り信号に基づいて前記反応試験片の前記反応マーカの色状況に関するサンプリング条件を調整する制御部とを具備する反応試験片光学測定装置。
【請求項2】
請求項1において、前記移動速度マーカの前記移動方向の一端と他端との間に、前記反応マーカ部が配置されている反応試験片光学測定装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記反応試験片には、前記反応マーカの色の状況を判定する判定情報を識別するための識別マーカが設けられており、
前記センサは、前記照射部で照射された前記反応試験片の前記反応マーカおよび前記移動速度マーカの他に、前記識別マーカを読み取る反応試験片光学測定装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちの一項において、前記ハウジングは、前記収容室内に挿入された反応試験片と前記センサとの間にレンズを有しており、前記レンズは、前記反応試験片の前記反応マーカに焦点距離を合わせる第1レンズ部と、前記反応試験片の前記移動速度マーカに焦点距離を合わせる第2レンズ部とを有する反応試験片光学測定装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちの一項において、前記移動速度マーカは、前記反応試験片を前記ハウジングの前記出入口から前記収容室に挿入させる移動方向においてマーカ形状を異ならせた構成とされており、前記収容室への前記反応試験片の挿入と前記収容室からの前記反応試験片の引出との判定に用いられる反応試験片光学測定装置。
【請求項6】
反応により色変化を示す反応マーカと、移動方向に沿って速度検出用の符号を間欠的にまたは連続的に延設させた移動速度検出用の移動速度マーカとを具備する反応試験片。
【請求項7】
請求項6において、前記移動速度マーカの前記移動方向の一端と他端との間に、前記反応マーカ部が配置されている反応試験片。
【請求項8】
請求項6または7において、更に、前記反応マーカの色の状況を判定する判定情報を識別するための識別マーカを有する反応試験片。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−174843(P2011−174843A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−39810(P2010−39810)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
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