説明

収容部構造、及び脱臭剤、消臭剤、芳香剤、及び防虫剤等の物品、並びに脱臭剤

【課題】収容物による効果を有効に発揮することができる収容部構造を提供する。
【解決手段】容器体11の前面に収容部41を凹設し、収容部41をフロントカバー部53で覆う。収容部41内に脱臭シート72を収容することで、容器体11内のゲル状芳香消臭剤と分離して保持する。収容部41の左側壁面77及び右側壁面79を収容部41の底部75から開口方向へ向かうに従って外側へ傾斜する傾斜面で構成し、各側壁面77,79とフロントカバー部53間に左間隙78及び右間隙80を確保する。これにより、各間隙78,80を介して収容部41内に空気を通流させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通気性を有する収容部構造、及び脱臭剤、消臭剤、芳香剤、及び防虫剤等の物品、並びに脱臭剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレやリビングでは、芳香材が使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この芳香材は、磁石を磁着可能な亜鉛引鋼板と、該亜鉛引鋼板に積層された基材とを備えており、該基材には、香料が保持されるとともに、複数の穴が設けられている。
【0004】
一方、この芳香材は、平板状の装飾体を備えており、該装飾体には、小径の磁石が接着剤層を介して磁石が固定されている。
【0005】
この装飾体は、前記磁石が前記基剤に設けられた穴に挿入されるとともに、前記亜鉛引鋼板に磁着されており、前記基剤は、前記装飾体によって前記亜鉛引鋼板に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−321225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような従来の芳香材にあっては、前記基剤の裏面が前記亜鉛引鋼板に密着している。
【0008】
このため、基剤の前面しか機能発揮面として関せず、効率が悪いという問題があった。
【0009】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、効果を有効に発揮することができる収容部構造、及び脱臭剤、消臭剤、芳香剤、及び防虫剤等の物品、並びに脱臭剤を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために本発明の請求項1の収容部構造においては、容器体の表面に凹設された収容部と該収容部を覆うカバーとの間に収容物が収容された収容部構造であって、前記収容部の側壁面を当該収容部の底部から開口方向へ向かうに従って外側へ傾斜した傾斜面で構成するとともに、該傾斜面で構成された前記側壁面と前記カバーとの間に間隙を設けた。
【0011】
すなわち、容器体の表面には、収容部が凹設されており、該収容部はカバーで覆われている。これにより、前記収容部内に収容された収容物の不用意な離脱が防止される。
【0012】
そして、前記収容部の側壁面は、当該収容部の底部から開口方向へ向かうに従って外側へ傾斜する傾斜面で構成されており、該傾斜面で構成された前記側壁面と前記カバーとの間には、間隙が確保されている。このため、この間隙を介して前記収容部内に空気を通流させることができる。
【0013】
このとき、この通流路を構成する前記側壁面は、底部から開口方向へ向かうに従って外側へ傾斜した傾斜面で構成されている。このため、前記間隙から流入する空気は、前記側壁面が構成する傾斜面に沿って前記収容物の裏側にも案内される。
【0014】
また、本発明の請求項2の収容部構造にあっては、前記傾斜面を相対向して配置された各側壁面に設定するとともに、当該傾斜面が設定された各側壁面と前記カバーとの間に間隙を設けた。
【0015】
すなわち、前記傾斜面は、相対向して配置された各側壁面に設定されており、当該傾斜面が設定された各側壁面と前記カバーとの間に間隙が形成されている。このため、一方側の間隙から前記傾斜面に沿って前記収容物の裏側に流入した空気は、他方側に設定された傾斜面に沿って当該他方側の間隙から排出される。
【0016】
さらに、請求項3の収容部構造では、前記カバーに通気穴を設けた。
【0017】
すなわち、前記収容部の開口部を覆うカバーには、通気穴が設けられており、当該カバーの通気穴から流入した空気は、前記カバー側に位置する前記収容物の部位に接する。
【0018】
一方、前記カバーと前記側壁面間の間隙から流入した空気は、前記傾斜面に沿って前記収容物の裏側に案内された後、前記カバーに設けられた前記通気穴から排出され得る。
【0019】
加えて、請求項4の収容部構造にあっては、前記収容物を、平面状に形成した。
【0020】
すなわち、前記収容物は平面状に形成されている。このため、前記間隙から前記側壁面が構成する傾斜面に沿って案内された空気は、平面状に形成された当該収容物の裏面側にも供給される。
【0021】
そして、請求項5の収容部構造においては、前記収容物を、前記カバー側を構成するカバー側構成部と前記底部側を構成する底部側構成部とを有する多重構造とした。
【0022】
すなわち、前記収容物は、前記カバー側を構成するカバー側構成部と、前記底部側を構成する底部側構成部とを有する多重構造からなる。このため、前記間隙から前記側壁面が構成する傾斜面に沿って案内された空気は、前記カバー側構成部と前記底部側構成部間にも供給される。
【0023】
また、請求項6の脱臭剤、消臭剤、芳香剤、及び防虫剤等の物品にあっては、請求項1から請求項5の収容部構造を有する。
【0024】
これにより、脱臭剤、消臭剤、芳香剤、及び防虫剤等の物品においても、前述した作用が得られる。
【0025】
さらに、請求項7の脱臭剤においては、請求項1から請求項5の収容部構造を有し、開閉されるドアに取り付けられ使用される。
【0026】
すなわち、前記収容部構造を備えた脱臭剤は、開閉操作されるドアに取り付けられ使用される。
【0027】
このため、前記ドアの開き閉めに伴い空気が正面から当たる頻度が多くなり、傾斜面に当たった空気が効率良く収容部内に取り込まれる。
【0028】
また、冷蔵庫で使用する際には、庫内で空気が循環しており、空気の動きがある。このため、効率良く前記収容部内に空気が取り込まれる。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように本発明の請求項1の収容部構造にあっては、収容部の側壁面を当該収容部の底部から開口方向へ向かうに従って外側へ傾斜した傾斜面で構成するとともに、該傾斜面で構成された前記側壁面と前記カバーとの間に間隙を形成したので、この間隙を介して前記収容部内に空気を通流させることができる。
【0030】
このとき、この通流路を構成する前記側壁面は、底部から開口方向へ向かうに従って外側へ傾斜した傾斜面で構成されている。このため、前記間隙から流入する空気を、前記側壁面が構成する傾斜面に沿って前記収容物の裏側にも案内することができる。
【0031】
このため、外気と前記収容物との接触が、専ら前記カバー側のみで行われる場合と比較して、前記収容物による効果を前記カバー側のみならず、その裏側でも発揮することができ、当該収容物による効果を有効に発揮することができる。
【0032】
また、本発明の請求項2の収容部構造にあっては、前記傾斜面を相対向して配置された各側壁面に設定し、当該傾斜面が設定された各側壁面と前記カバーとの間に間隙を形成した。
【0033】
このため、一方側の間隙から前記傾斜面に沿って前記収容物の裏側に流入した空気を、他方側に設定された傾斜面に沿って当該他方側の間隙から排出することができる。これにより、前記収容物の裏側での通流効率が高められ、前記収容物が発揮する効果を高めることができる。
【0034】
さらに、請求項3の収容部構造では、前記収容部の開口部を覆うカバーに通気穴が設けられており、当該カバーの通気穴から流入した空気を、前記収容物の前記カバー側に供給することができる。
【0035】
一方、前記カバーと前記側壁面間の間隙から流入した空気は、前記傾斜面に沿って前記収容物の裏側に案内された後、前記カバーに設けられた前記通気穴から排出することもできる。
【0036】
このため、前記収容物が通気性を有する場合に、前記空気を透過させることができ、当該収容物による効果をさらに高めることができる。
【0037】
加えて、請求項4の収容部構造にあっては、前記収容物は平面状に形成されており、前記間隙から前記側壁面が構成する傾斜面に沿って案内された空気を、平面状に形成された当該収容物の裏面側に供給することができる。
【0038】
このため、外気と前記収容物との接触が、専ら前記カバー側の面のみで行われる場合と比較して、前記収容物による効果を前記カバー側の面のみならず、その裏面側でも発揮することができる。このように、当該収容物による効果を前述の両面で発揮することができ、その効率を高めることができる。
【0039】
そして、請求項5の収容部構造においては、前記収容物は前記カバー側を構成するカバー側構成部と前記底部側を構成する底部側構成部とを有する多重構造からなり、前記間隙から前記側壁面が構成する傾斜面に沿って案内された空気を、前記カバー側構成部と前記底部側構成部間に供給することができる。
【0040】
この構造においては、前記カバー側構成部による効果と前記底部側構成部による効果とを、両者間を通過する際に付与することができる。これにより、当該収容物による効果をさらに高めることができる。
【0041】
また、請求項6の脱臭剤、消臭剤、芳香剤、及び防虫剤等の物品においても、前述した作用・効果を得ることができる。
【0042】
さらに、請求項7の脱臭剤においては、前記収容部構造を備えた脱臭剤が開閉操作されるドアに取り付けられ使用される。
【0043】
このため、前記ドアの開き閉めに伴い空気が正面から当たる頻度が多くなり、傾斜面に当たった空気を、効率良く収容部内に取り込むことができる。
【0044】
また、冷蔵庫で使用する際には、庫内で空気が循環しており、空気の動きがある。このため、効率良く前記収容部内に空気を取り込むことができる。
【0045】
これらによって、前述した作用効果が顕著となる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施の形態を示す図である。
【図2】同実施の形態の後面側を示す斜視図である。
【図3】同実施の形態の外装部品を示す斜視図である。
【図4】図2のA−A線に沿った断面図である。
【図5】図2のB−B線に沿った断面図である。
【図6】図1のC−C線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。
【0048】
図1は、本実施の形態にかかる収容部構造1を備えた脱臭剤2を示す図であり、該脱臭剤2は、冷蔵庫のドアポケットに係止され使用される冷蔵庫用脱臭剤である。
【0049】
この脱臭剤2は、矩形状の容器体11と、該容器体11の上面開口部を閉鎖するキャップ12と、前記容器体11に装着された外装部品13とによって構成されている。
【0050】
前記容器体11は、図1及び図2に示すように、横長の長方形状に形成された底面21と、該底面21の前縁より起立した前面22と、前記底面21の左縁より起立した左側面23と、前記底面21の右縁より起立した右側面24と、前記底面21の後縁より起立した後面25とによって矩形容器状に形成されており、前記前面22と前記後面25間の厚み寸法は薄肉に形成されている。
【0051】
前記容器体11の上縁部には、側方へ突出した鍔部31が全周に渡って形成されており、当該鍔部31より上方側には、前記キャップ12が外嵌した状態で装着されている。該キャップ12には、複数の開口部32,・・・が開設されており、前記容器体11内に収容されたゲル状芳香消臭剤で芳香消臭効果を得られるように構成されている。
【0052】
前記後面25は平坦面で構成されており、前記前面22は、左右方向中央部へ向かうに従って前方に突出した横断面湾曲形状に形成されている。この前面22の中央部には、図1に示したように、内側に後退した凹部が前記底面21から上面開口部に渡って形成されており、当該容器体11には、前記凹部によって収容部41が形成されている。
【0053】
前記外装部品13は、図3に示すように、矩形リング状の環状バンド部51を備えており、該環状バンド部51が前記容器体11の底面21側から外嵌するとともに、前記鍔部31に当接した状態で位置決めされるように構成されている(図1及び図2参照)。
【0054】
このとき、前記容器体11の前記後面25には、図4及び及び図5に示すように、返し50,・・・が設けられており、各返し50,・・・は、前記底面21側から上面開口部へ向かうに従って幅広となる三角形状に形成されるとともに、その厚み寸法が前記底面21から前記上部開口部側へ向かうに従って厚肉となるように設定されている。これにより、前記外装部品13は、前記環状バンド部51の下縁が前記各返し50,・・・の上縁に係止された状態で下方への不用意な抜けが防止されるように構成されている。
【0055】
この環状バンド部51の前面部52の中央からは、図3に示したように、縦長矩形状のフロントカバー部53が下方へ向けて延出しており、該フロントカバー部53には、縦長の通気穴54,・・・が複数開設されている。前記フロントカバー部53の下端には、裏面側へ向けて延出した底面部55が一体形成されおり、該底面部55の中央部には、前記容器体11の前記底面21へ向けてさらに延出した延出部56が形成されている。該延出部56の先端部には、図4にも示すように、前記容器体11の前記底面21に凹設された係合凹部57と係合する係合凸部58が形成されており、前記係合凸部58が前記係合凹部57に係合した状態で当該外装部品13が前記容器体11に固定されている。
【0056】
前記フロントカバー部53の前記底面部55の一部は、図1及び図3に示したように、前方へ向けて延出しており、当該前方延出部55aによって、当該脱臭剤2の自立性が高められている。
【0057】
前記フロントカバー部53の前記底面部55の左縁及び右縁からは、図3に示したように、底側左面部61及び底側右面部62が上方へ向けて延出しており、この底側左面部61及び底側右面部62は、前記フロントカバー部53の左縁及び右縁に接続されている。
【0058】
これにより、当該外装部品13を前記容器体11に装着した状態では、図1及び図4に示すように、前記フロントカバー部53と、前記容器体11の前記前面22に形成された前記収容部41と、前記フロントカバー部53の前記底面部55とで包囲された収容空間71が形成されるように構成されている。
【0059】
この収容空間71には、図6に示したように、シート状の収容物としての脱臭シート72が収容されるように構成されている。この脱臭シート72は、前記底側左面部61及び前記底側右面部62によって位置決めされており、図4に示したように、前記収容部41に設けられた抜け止め73によって不用意な離脱が防止されている。
【0060】
前記脱臭シート72は活性炭を含有した薄肉の縦長板状に形成されており、この縦長板状部材は、長さ方向中央部で折り返されている。これにより、当該脱臭シート72は、図6に示したように、前記収容部41に収容された状態で前記フロントカバー部53側に配置された平面板状のカバー側構成部74と、前記収容部41の底部75側に配置された平面板状の底部側構成部76とによって二重構造を成しており、前記カバー側構成部74と前記底部側構成部76とが連設された折返し部分が上側となるように配置されている。
【0061】
この脱臭シート72が収容された前記収容部41において、相対向して配置された左側壁面77及び右側壁面79は、当該収容部41の前記底部75から当該収容部41の開口方向へ向かうに従って外側へ傾斜した傾斜面で構成されており、該傾斜面で構成された前記左側壁面77と前記フロントカバー部53との間には左間隙78が形成されている。また、前記右側壁面79と前記フロントカバー部53との間には、右間隙80が形成されている。
【0062】
このとき、前記底部75は、湾曲面で形成される一方、前記脱臭シート72の前記底部側構成部76は平面板状に形成されており、前記底部側構成部76の左側部及び右側部と前記底部75との間には、僅かな間隙K1,K1が形成されている。また、前記カバー側構成部74と前記底部側構成部76との間にも左方及び右方へ開口した間隙K2,K2が形成されている。
【0063】
前記外装部品13における前記環状バンド部51の後面部81には、図2及び図3に示したように、当該脱臭剤2を挟持箇所を挟持して取り付けるクリップ82が設けられており、該クリップ82は、一対のアーム83,83を備えている。
【0064】
各アーム83,83は、図2に示したように、前記容器体11に外嵌する前記環状バンド部51より後方へ向けて延出した板状の延出部91と、該延出部91より斜め下方へ向けて延出した板状の屈曲部92と、該屈曲部92より下方へ向けて延出し前記容器体11の前記後面25に沿って延在する延在部93とで構成されており、前記延出部91と前記屈曲部92と前記延在部93とで形成された角部によって各アーム83,83のショルダー部94,94が構成されている。両アーム83,83の前記延在部93,93は、下方へ向かうに従って他方の延在部93に近接するように前記容器体11の上下方向に対して傾斜して設けられており、両延在部93,93は、逆ハの字状に配置されている。
【0065】
前記各アーム83,83の前記延在部93,93の先端には、前記グリップ部101が支持されており、該グリップ部101が設けられた前記各延在部93,93の先端には、図5にも示すように、前記容器体11の幅方向、すなわち該容器体11に対してやや斜めに配置された前記各延在部93,93の略幅方向に延在する薄肉部102,102が形成されている。この薄肉部102が構成するPPヒンジによって、前記グリップ部101は、その中途部が前記アーム83,83の先端部に傾倒可能に支持されており、前記薄肉部102は、前記グリップ部101の傾倒中心軸103を形成するように構成されている。
【0066】
前記グリップ部101は、図2に示したように、前記両アーム83,83の先端側に配置された先端側構成部111と、該先端側構成部111より前記両アーム83,83の基端側へ向けて延出した基端側構成部112とで構成されており、該基端側構成部112は、前記両アーム83,83間に配置されている。
【0067】
前記グリップ部101の支持部分である前記薄肉部102を境とする先端側の前記先端側構成部111は、図2及び図3に示したように、横長形状に形成されており、該先端側構成部111は、前記各アーム83,83より側方へ延出する長さ寸法に設定されている。この先端側構成部111は、上下方向中央部が前記容器体11側へ向けて突出する湾曲面で構成されており、その突出部分は、前記挟持箇所に当接される当接部としての下方抑え部121を構成している。
【0068】
前記基端側構成部112は、前記両アーム83,83間に設けられており、前記先端側構成部111の上縁より上方へ向けて延出した上方延出部131と、該上方上方延出部131の上端に設けられた押圧部132とによって構成されている。
【0069】
該押圧部132は、図4にも示すように、前記上方延出部131より前記容器体11側へ向けて傾斜した傾斜面141と、該傾斜面141の先端より延出して前記容器体11の前記後面25に沿って延在する押圧面142と、該押圧面142の上縁より後方へ向けて延出した後方延出面143と、該後方延出面143、前記傾斜面141、及び前記押圧面142の両縁を連設した連設面144,144とによって後方へ向けて開口した容器状に形成されており、その剛性が高められている。
【0070】
そして、前記押圧面142は、図3に示したように、前記挟持箇所に当接される当接部としての上方抑え部151を構成しており、図2に示したように、該上方抑え部151の長さ寸法L1は、前記下方抑え部121の長さ寸法L2より短く設定されている。
【0071】
以上の構成にかかる本実施において、容器体11の表面である前面22には、その中央部に収容部41が凹設されており、該収容部41はカバー部としてのフロントカバー部53で覆われている。このため、前記収容部41内に収容された収容物としての脱臭シート72の不用意な離脱を防止できる。
【0072】
また、前記収容部41内に前記脱臭シート72を収容することで、当該脱臭シート72を、前記容器体11内に収容されたゲル状芳香消臭剤と分離して保持することができる。これにより、ゲル状芳香消臭剤による芳香消臭効果と、前記脱臭シート72による脱臭効果とを得ることができる。
【0073】
そして、前記収容部41の左側壁面77及び右側壁面79は、当該収容部41の底部75から開口方向へ向かうに従って外側へ傾斜する傾斜面で構成されており、該傾斜面で構成された前記各側壁面77,79と前記フロントカバー部53との間には、左間隙78及び右間隙80が確保されている。このため、これらの間隙78,80を介して前記収容部41内に空気を通流させることができる。
【0074】
このとき、この通流路を構成する前記各側壁面77,79は、前記底部75から開口方向へ向かうに従って外側へ傾斜した傾斜面で構成されている。このため、前記各間隙77,79から流入する空気を、前記各側壁面77,79が構成する傾斜面に沿って前記脱臭シート72の裏側にも案内することができる。
【0075】
このため、外気と前記脱臭シート72との接触が、専ら前記フロントカバー部53側のみで行われる場合と比較して、前記脱臭シート72による効果を前記フロントカバー部53側のみならず、その裏側でも発揮することができ、当該脱臭シート72による効果を有効に発揮することができる。
【0076】
そして、前記傾斜面は、相対向して配置された各側壁面77,79に設定されており、当該傾斜面が設定された各側壁面77,79と前記フロントカバー部53との間に前記各間隙78,80が形成されている。
【0077】
このため、左右いずれか一方の間隙78,80から前記傾斜面に沿って前記脱臭シート72の裏側に流入した空気を、他方側に設定された傾斜面に沿って当該他方側の間隙78,80から排出することができる。これにより、前記脱臭シート72の裏側での通流効率が高められ、前記脱臭シート72が発揮する効果を高めることができる。
【0078】
このとき、前記収容部41の開口部を覆うフロントカバー部53には、通気穴54,・・・が設けられており、当該フロントカバー部53の各通気穴54,・・・から流入した空気を、前記脱臭シート72の前記フロントカバー部53側に供給することができる。
【0079】
一方、前記フロントカバー部53と前記各側壁面77,79間の各間隙78,80から流入した空気は、前記傾斜面に沿って前記脱臭シート72の裏側に案内された後、前記フロントカバー部53に設けられた前記各通気穴54,・・・から排出することもできる。
【0080】
このため、本実施の形態の用に通気性を有した前記脱臭シート72を収容物とした際には、前記空気を透過させることができるので、当該脱臭シート72による効果をさらに高めることができる。
【0081】
また、前記脱臭シート72は平面状に形成されており、前記各間隙78,80から前記各側壁面77,79が構成する傾斜面に沿って案内された空気を、平面状に形成された当該脱臭シート72の裏面側に供給することができる。
【0082】
このため、外気と前記脱臭シート72との接触が、専ら前記フロントカバー部53側の前面のみで行われる場合と比較して、前記脱臭シート72による効果を前記フロントカバー部53側の前面のみならず、その裏面側でも発揮することができる。
【0083】
このように、当該脱臭シート72による効果を両面で発揮することができ、その効率を高めることができる。
【0084】
そして、前記脱臭シート72は、折り畳まれており、前記フロントカバー部53側を構成するカバー側構成部74と、前記底部75側を構成する底部側構成部76とを有する多重構造とされており、前記各間隙78,80から前記各側壁面77,79が構成する傾斜面に沿って案内された空気を、前記カバー側構成部74と前記底部側構成部76間に供給することができる。
【0085】
このような構造においては、前記カバー側構成部74による効果と前記底部側構成部76による効果とを、両者間を通過する際に付与することができる。
【0086】
したがって、当該脱臭シート72による効果を最大限に発揮することができる。
【0087】
加えて、本実施の形態では、前記脱臭剤2は、冷蔵庫用脱臭剤であり、前記収容部構造1を備えた冷蔵庫用の脱臭剤2は、開閉操作される冷蔵庫のドアに、前面が開閉方向になるように取り付けられ使用される。
【0088】
このため、前記ドアの開き閉めに伴って空気が前面2に当たる頻度が多くなり、各側壁面77,79が構成する傾斜面に当たった空気を、効率良く前記収容部41内に取り込むことができる。
【0089】
また、使用する冷蔵庫では、庫内で空気が循環しており、空気の動きがある。このため、効率良く前記収容部41内に空気を取り込むことができる。
【0090】
これらによって、前述した作用効果が顕著となる。
【0091】
なお、本実施の形態では、前記収容部41に収容された収容物を平面形状に形成された前記脱臭シート72で構成した場合に付いてのみ説明したが、これに限定されるものではない。
【0092】
例えば、活性炭や消臭剤からなる粒状物をケースに収容して前記収容部41に収容しても、直接前記収容部41に収容しても、前述した効果を得ることができる。
【0093】
前記容器11内に芳香消臭剤を入れ、脱臭シート72と併用する例について記載したが、脱臭シート72のみの構造を有するれば良い。
【0094】
また、悪臭を脱臭する脱臭シート72について記載したが、揮散性の薬剤を含浸させたシート、例えば消臭薬剤を含浸させたシートを有する消臭剤や、芳香薬剤を含浸させたシートを有する芳香剤や、防虫薬剤を含浸させたシートを有する防虫剤等の物品に応用した場合は、揮散効率を向上させるという作用・効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0095】
1 収容部構造
11 容器体
22 前面
41 収容部
54 連通穴
72 脱臭シート
74 カバー側構成部材
75 底部
76 底部側構成部材
77 左側壁面
78 左間隙
79 右側壁面
80 右間隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器体の表面に凹設された収容部と該収容部を覆うカバーとの間に収容物が収容された収容部構造であって、
前記収容部の側壁面を当該収容部の底部から開口方向へ向かうに従って外側へ傾斜した傾斜面で構成するとともに、該傾斜面で構成された前記側壁面と前記カバーとの間に間隙を設けたことを特徴とする収容部構造。
【請求項2】
前記傾斜面を相対向して配置された各側壁面に設定するとともに、当該傾斜面が設定された各側壁面と前記カバーとの間に間隙を設けたことを特徴とする請求項1記載の収容部構造。
【請求項3】
前記カバーに通気穴を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の収容部構造。
【請求項4】
前記収容物を、平面状に形成したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の収容部構造。
【請求項5】
前記収容物を、前記カバー側を構成するカバー側構成部と前記底部側を構成する底部側構成部とを有する多重構造としたことを特徴とする請求項1から4にいずれか記載の収容部構造。
【請求項6】
請求項1から請求項5の収容部構造を有することを特徴とした脱臭剤、消臭剤、芳香剤、及び防虫剤等の物品。
【請求項7】
開閉するドアに取り付けられ使用されることを特徴とする請求項1から請求項5の収容部構造を有した脱臭剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−112384(P2013−112384A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261220(P2011−261220)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000102544)エステー株式会社 (127)
【Fターム(参考)】