説明

収穫機

【課題】収穫機において、茎葉の大小に係らず連続して移送できる肩揃え装置を提供する。
【解決手段】左右一対の無端体により圃場に植生している根菜を挟持して、後方へ移送しながら引き抜く抜き上げ移送装置8を自走車体Aに設け、該抜き上げ移送装置8の移送経路8a後部下方に、茎葉切断装置11と、該茎葉切断装置11の前方に肩揃え装置100・150を複数備える収穫機において、前記複数の肩揃え装置100・150のうち前方の肩揃え装置150は、左右一対の前後方向に延びるガイドロッド151・151と、少なくとも左右一側のガイドロッド151・151を移送経路と平行の状態で移送経路左右中心側に付勢する付勢機構160と、を備える収穫機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫機、より詳しくは、根菜収穫機の抜き上げ移送装置における挟持移送経路の下方かつ茎径切断装置の前方に設けられる肩揃え装置の構成技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大根や人参等の根菜を収穫する収穫機は、畑作に用いる農業機械として良く知られている。例えば、自走式根菜収穫機は、クローラ式自走車体に、抜き上げ作業部、選別コンベア部、及び収穫物載せ台を搭載して構成されている。ここで、抜き上げ作業部は、進行方向前端部に位置する茎葉分捌整姿装置と、その茎葉分捌整姿装置の後背下部から車体の後部上方にかけて、前低後高に傾設される抜き上げ移送装置(引き抜き移送装置)と、抜き上げ移送装置の挟持移送経路の始端部付近に位置するチゼルと、抜き上げ移送装置の移送終端部付近に連係させて設置される茎葉切断装置、及び排葉装置等によって構成されている。
【0003】
収穫機で収穫する全ての根菜は、根菜と茎葉との切断位置を根菜の主根の上端付近において揃えて切断される必要がある。そのため、抜き上げ移送装置には、挟持移送経路の下方かつ茎葉切断装置の前方において、肩揃え装置が設けられている。肩揃え装置は、挟持移送経路によって後上方に移送される途上、かつ茎葉切断装置に移送される前に、上下方向における根菜の上端(肩)を揃える装置である。
【0004】
例えば、特許文献1は、肩揃え装置として後段位置揃え装置を開示している。この肩揃え装置は、左右一対のローラをバネで接近方向に付勢する状態で取り付けて構成されている。また、特許文献2は、肩揃え装置とし首揃移送装置を開示している。この肩揃え装置は、前側で左右間隔を調整可能とする位置揃えバーによって構成されている。
【特許文献1】特開平07−008057号公報
【特許文献2】特開2004−000277号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1記載の肩揃え装置は、茎葉の大小が異なる根菜が移送される場合にそれぞれのローラが平行状態を保持できないため、根菜を挟持できない可能性もある。
また、特許文献2記載の肩揃え装置は、茎葉の小さい根菜を移送する場合には、根菜を挟持できず、一方、茎葉の大きい根菜を移送する場合には、連続作業ができない可能性がある。
そこで、解決しようとする課題は、収穫機において、茎葉の大小に係らず連続して移送できる肩揃え装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、左右一対の無端体により圃場に植生している根菜を挟持して、後方へ移送しながら引き抜く抜き上げ移送装置を自走車体に設け、該抜き上げ移送装置の移送経路後部下方に、茎葉切断装置と、該茎葉切断装置の前方に肩揃え装置を複数備える収穫機において、前記複数の肩揃え装置のうち前方の肩揃え装置は、左右一対の前後方向に延びるガイドロッドと、少なくとも左右一側のガイドロッドを移送経路と平行の状態で移送経路左右中心側に付勢する付勢手段と、を備えるものである。
【0008】
請求項2においては、請求項1記載の収穫機において、前記ガイドロッドの前後からステーを外側方に突設し、該ステーをベルクランクアームの一端に枢支し、該ベルクランクアームの中央部を抜き上げ移送装置の本体側に枢支し、他端に連結杆を枢支し、該連結杆に弾性体を連結して付勢手段を構成するものである。
【0009】
請求項3においては、請求項2記載の収穫機において、前後の少なくとも一方の前記ステーとベルクランクアームとの間に位置調節部を設けるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0011】
請求項1においては、根菜の茎葉の大きさに左右のガイドロッドの幅が追従するため、茎葉の大小に係らず連続して根菜を移送できる。すなわち、根菜の肩高さを一定に揃えることができる。
【0012】
請求項2においては、請求項1記載の効果に加え、ガイドロッドを茎葉の大きさに合わせて簡単な構成で平行移動させるため、左右のガイドロッドの間隔が前後で極端に広くなることがなくなり、安定して移送できる。
【0013】
請求項3においては、位置調節部によって寸法誤差を吸収させるため、肩揃え装置の製作を容易にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施例に係る人参収穫機の全体構成を示す側面図、図2は同じく平面概略図、図3は同じく正面概略図である。
図4は同じく伝動系統図、図5は収穫する人参を示す側面図、図6は第一肩揃え装置の全体構成を示す平面図である。
図7は同じく側面図、図8は第二肩揃え装置の全体構成を示す平面図、図9は同じく側面図である。
図10はクッションの全体構成を示す平面図、図11は同じく側面図である。
【0015】
まず、本発明に係る根菜収穫機の全体的な構成について図1から図4を用いて説明する。
図1から図4において、自走式根菜収穫機は、左右のクローラ1a・1bを備える自走車体Aに、抜き上げ作業部Bと選別コンベア部C及び収穫物載せ台Dを装設して構成され、自走車体Aは、左右におけるクローラ1a・1bの各々の駆動輪2(2)に動力伝達するトランスミッション3を、搭乗運転部4の機械室5内に搭載したエンジン6の出力軸に連動連結し、エンジン6の動力でもって、左右のクローラ1a・1bを回転駆動して走行し、運転操作を搭乗運転部4において行なう乗用型に構成されている。
【0016】
そして、搭乗運転部4が、一方のクローラ1b側の車体前部上方に配設されると共に、その搭乗運転部4の横側部、つまり、他方のクローラ1a側に前後向きの抜き上げ作業部Bが設けられ、さらに、その抜き上げ作業部Bの終端部下方の後部車体上に、抜き上げ作業部Bと平行に残葉処理装置72と、抜き上げ作業部Bとは直交する車幅方向に向け、残葉処理装置72の後部下方から右上がりに昇降可能に傾斜して配設される持ち上げコンベア73よりなる選別コンベア部Cが配設され、選別コンベア部Cの移送終端側、即ち、搭乗運転部4を挟んで、前記抜き上げ作業部Bとは反対側の車体横外側方に収穫物載せ台Dが配設される。また、前記搭乗運転部4と選別コンベア部Cの間には選別作業を行なう補助者が座る補助作業者用座席50が設けられている。
【0017】
また、抜き上げ作業部Bは、同作業部Bの進行方向前端部に位置する茎葉分捌整姿装置7と、その茎葉分捌整姿装置7の後背下部から車体の後部上方に掛けて、前低後高に傾設される、抜き上げ移送装置(引き抜き移送装置)8と、抜き上げ移送装置8の挟持移送経路8a(図3に図示)の始端部付近に位置するチゼル9と、抜き上げ移送装置8の移送終端部付近に連係させて設置される茎葉切断装置11及び排葉装置12等によって構成されており、これらの諸装置からなる、抜き上げ作業部Bの全体が後述する回動支点部19を支点にして、シーソー状に上下回動するように成されている。なお、抜き上げ作業部Bには、その抜き上げ移送装置8の移送中途部下方に根切断装置10を装設している。
【0018】
抜き上げ作業部Bの茎葉分捌整姿装置7は、左右のケーシング13から水平横向きに突出する横回しタイン14を備えた茎葉掻き込み機構15と、左右一側のケーシング13の外側前部位に直交状に併設するケーシング16の前上面から突出して後上方に移行する縦回しタイン17を備えた分葉機構18とで構成されて、抜き上げ圏内の根菜の茎葉と、抜き上げ圏外の根菜の茎葉とを分葉機構18で分け捌き、分け捌かれた、抜き上げ圏内の根菜の茎葉を茎葉掻き込み機構15で持って抜き上げ移送装置8の挟持移送経路8aの始端部に掻き込むように構成されている。
【0019】
抜き上げ移送装置8は、水平横向きの回動支点部19を中心にして上下回動可能なブラケット20に保持された支持フレーム21の前端部に装着する左右一対の始端側輪体22・22と、支持フレーム21の後端部に配設する左右一対の終端側輪体23・23と、始端側および終端側輪体22・23間の支持フレーム21に配設する複数の中間輪体24群とに、左右の挟持移送無端帯25・25を各々掛回して、これらの両無端帯25・25の対向面間に前記挟持移送経路8aを形成し、該挟持移送経路8aが、他方(左方)のクローラ1aの外縁より外側において、平面視で自走車体Aの進行方向と平行状となるように位置するものとなっている。また、各々の挟持移送無端帯25は、Vプーリ構造の始端側輪体22等に掛回するVベルトの外周に軟弾性材からなる挟持帯部間に、根菜の茎葉Kを挟持するように構成されている。
【0020】
さらに、チゼル9は、上下の枢軸26・27を中心にして上下回動する上リンク28と下リンク29とからなる平行リンク機構の前端に連結した縦支持杆30の下端に取付けられ、縦支持杆30から垂下する縦刃の下端から横側方に横刃を屈曲形成して構成される。
【0021】
そして、図1及び図2に見られるように、上方の枢軸26に嵌着したプーリ31と前記エンジン6の出力軸に設けた出力プーリ32とにベルトを掛回するとともに、枢軸26に嵌着する偏心ボス(図示省略)に上リンク28の基端を連結して、偏心ボスの回転により上リンク28を揺動させて、根菜の地中部主根Nの適宜下方の土中に横刃が進入位置したチゼル9を、上下及び前後又は、上下或いは前後に振動させるように構成され、また、下リンク29の基端と自走車体Aとの間に伸縮シリンダ33が介装され、該伸縮シリンダ33の伸縮作動によって上下リンク28・29を昇降作動させるように構成されている。
【0022】
また、図1と図2及び図4に示す如く、前記回動支点軸19を同芯に設けた、横向き伝動筒34の外端部から、前上方にパイプフレーム35を連設し、該パイプフレーム35の先端から車体内方右方向きに、茎葉分捌整姿装置7の茎葉掻き込み機構15に動力伝達する伝動パイプ36を連結すると共に、そのパイプフレーム35の外端から前方に延びる伝動ケース37と、それに連接する横ケース38を介して、茎葉分捌整姿装置7の分葉機構18を連設している。
【0023】
そして上側の枢軸26に嵌着するプーリ39と、前記回動支点軸19の内方端右端に嵌着したプーリ40にベルトを掛回して、前記枢軸26から回動支点部19に動力伝達し、さらに、回動支点部19からパイプフレーム35、伝動パイプ36、伝動ケース37及び横ケース38内の伝動機構を介して、茎葉掻き込み機構15及び分葉機構18に伝動して、それぞれを回転駆動するように構成されている。
【0024】
また、前記回動支点軸19の外端部(左端部)に嵌着したプ−リ41からベルト42を介して後部伝動ケ−ス43に動力伝達し、抜き上げ移送装置8における左右一対の終端側輪体23・23の支軸に伝動して、抜き上げ移送装置8の挟持移送無端帯25・25をそれぞれ所期の方向に回転駆動するとともに、抜き上げ移送装置8の挟持移送無端帯25・25によって挟持移送される根菜の茎葉Kを受け継ぎ挟持して水平後方に移送する排葉装置12と、根菜が排葉装置12によって移送されている間にその茎葉Kを切断する茎葉切断装置11とに動力伝達して両装置12・11をも駆動するように構成される。
【0025】
なお、排葉装置12は上下に併設する挟持移送無端帯機構44a・44bからなり、各々の挟持移送無端帯機構44a・44bの挟持移送経路始端部を挟持移送経路8aの終端後背部に近接位置させ、さらに、下方の挟持移送無端帯機構44bの前部下側から挟持移送経路8aの後背面に臨ませて左右一対の第一肩揃え装置100を前延させ、さらにその前下方に第二肩揃え装置150を前延させて、抜き上げ移送装置8により吊持移送される根菜の主根Nの上端を左右一対のガイドロッドと無端体で規制しながら誘導し、根菜の主根Nより上方の茎葉Kを挟持移送無端帯機構44a・44bの挟持移送経路始端部に的確に受け継がせるように構成される。なお、肩揃え装置100・150は更に前方に複数配置することも可能である。又、挟持移送無端帯機構44a・44bの挟持移送経路終端部には、茎葉切断装置11によって切断された根菜の茎葉Kを、根菜抜き取り後の圃場に落流させる排葉ガイド板46が連設されている。該上方の挟持移送無端帯機構44a・44bは弾性無端帯により構成したベルトにより構成している。
【0026】
また、茎葉切断装置11は、駆動ケース47から上方に突出する左右の回転縦軸48・48と回転刃49・49によりディスク刃に構成されている。該茎葉切断装置11を前記上方の挟持移送無帯体機構44a・44aと左右の挟持移送無端帯機構44b・44bの下側に近接させて、更に、第一肩揃え装置100の後端に近づけて配置し、該両回転刃49・49の重合部分に切断作用部を形成し、この切断作用部によって、根菜の主根Nの上端付近(後述する肩部N1)から上方の茎葉Kを切断するように構成されている(図5参照)。
【0027】
さらに、選別コンベア部Cの残葉処理装置72は抜き上げ移送装置8の後部下方における茎葉切断装置11の下方に、前後方向に移送ベルトの一例である平ベルト72aが配置される。該平ベルト72aは前後平行に軸心が左右方向に配置されたローラが配置され、該ローラ間に平ベルト72aが巻回されて、該平ベルト72a上に茎葉切断後の根菜の主根Nが落下するように配置している。この落下位置には、落下緩衝部材81が設けられ、その後部上に残葉処理ローラの一例である斜めローラ72bが配置され、該斜めローラ72bは平ベルト72a上面と所定の隙間をあけて配置され、左前から右後方に斜めに配置される。また、斜めローラ72bの始端部には、前記隙間を調節する高さ調節機構75が配置されている。そして、平ベルト72aと斜めローラ72bを回転駆動することにより、落下した主根Nを後方へ移送し、斜めローラ72bにより持ち上げコンベア73の左下部の始端側に落下するように案内している。このとき、前記茎葉切断装置11により全て切断できない茎葉Kが主根Nに残っている場合があり、この未処理茎葉残葉部は後方への移送途中で平ベルト72aと斜めローラ72bの間に挟まり引き千切られることなり、主根Nのみ持ち上げコンベア73へ移送されるのである。残葉処理装置72で処理された茎葉Kは、平ベルト72a終端部からシュータ90を経て圃場に落流される。
前記持ち上げコンベア73は、残葉処理装置72の後部から右側方に落下する根菜の主根Nを受け止めて、抜き上げ作業部Bの反対側(進行方向右側)の車体側部に配置した収穫物載せ台D上のコンテナまたは収納袋(フレコンバッグ)等の収納体に向けて移送するもので、持ち上げコンベア73は、左右両端のローラ間に平ベルトを巻回し、該平ベルトの外周には平板状のスラット79を所定間隔ごとに前後方向に立設し、前出のトランスミッション3のPTO軸51から伝動機構52を経て入力部53に伝達される動力でもって平ベルトを斜め上方向に回転駆動されるように構成されている。そして、根菜の主根N群がスラット79とスラット79の間に落下して、持ち上げコンベア73の移送終端部に向けて移送される間に、その主根N群のうちの不良なものを人為的に選別して取り除き、持ち上げコンベア73の移送終端部に達した主根Nの良品のみを収穫物載せ台D上に吊り下げた収納袋54に収容するようになっている。
【0028】
なお、収穫物載せ台Dは、抜き上げ作業部Bとは左右反対側の車体横側部に起立回倒自在にヒンジ装着される台板によって構成され、作業時には、台板を車体横側方に張り出す水平姿勢に維持して、水平姿勢の台板上に収納袋54を載置するように構成されている。
【0029】
また、茎葉掻き込み機構15および分葉機構18からなる茎葉分捌整姿装置7は、回動支点軸19を中心にして上下回動する抜き上げ移送装置8と一体的に上下回動するように枠組支持され、その一体的に上下回動する枠組体から前向きに突出する支持杆55の前端に装着した接地輪56によって、対地支持されている。
【0030】
前出の伸縮シリンダ33を伸長作動させて、平行リンク機構を上昇回動させると、前記平行リンク機構の下リンク29の側面に設けた、押し上げ用の回転ローラ57が、茎葉掻き込み機構15の支持フレームの下面側に設けた側面視『ヘ』字状のガイドレール58の下面に沿って移動し、単一の伸縮シリンダ33の伸長動でもって、チゼル9と共に茎葉分捌整姿装置7及び抜き上げ移送装置8の下端が地面から大きく上昇するようになっている。
【0031】
以上のような根菜収穫機によって作業する際は、伸縮シリンダ33の作動により抜き上げ作業部Bの前部を作業姿勢に降下させ、その抜き上げ作業部Bの茎葉掻き込み機構15の掻き込み作用路及び抜き上げ移送装置8の挟持移送経路8aの始端部が、圃場に条列する根菜に合致するように条合わせして、抜き上げ作業部Bの各部を作動させながら自走車体Aを前進させる。
【0032】
すると、分葉機構18の縦回しタイン17が抜き上げ圏内の根菜の茎葉Kと抜き上げ圏外の根菜の茎葉Kとを分け捌き、分け捌かれた、抜き上げ圏内の根菜の茎葉Kを、茎葉掻き込み機構15の横回しタイン14が引起し整姿しながら抜き上げ移送装置8の挟持移送経路8aの始端部に掻き込み誘導する。
【0033】
そして、抜き上げ移送装置8の挟持移送経路8aに達した根菜の茎葉Kが挟持移送経路8aに挟持されて斜め後上方に揚上されることにより、根菜の主根Nが土中から抜き上げられるのであるが、その際には、抜き上げ作業部Bの対地降下によって、根菜の主根Nの適宜下方位置にまで突入するチゼル9が振動し、土中を掘削して土壌を膨軟にするから根菜の主根Nは軽微な力で抜き上げられる。
【0034】
抜き上げ移送装置8の挟持移送経路8aに茎葉Kを挟持され吊持状態で斜め後上方に揚上移送される途中で、根菜の先端の細い根、所謂、尻尾部N2が根切断装置10により切断される。そして更に後上方へ移送されると、根菜の主根Nの肩部N1は、第二肩揃え装置150及び第一肩揃え装置100の下面側により拘束されて略水平後方に移行し、それより上方の茎葉Kは排葉装置12の挟持移送無端帯機構44a・44bにより挟持されて後送され、その途上に、茎葉切断装置11の回転刃49・49の切断作用部で切断され、切断された茎葉Kは挟持移送無端帯機構44a・44bの後終端部から排葉ガイド板46を経て圃場に落流される。また、茎葉Kの切断によって吊持を解かれた根菜の主根Nは、選別コンベア部Cの残葉処理装置72に落ちて後方へ移送され、後部の斜めローラ72bにより残葉が処理されて側方へ移送され、持ち上げコンベア73の始端側に落下させる。該持ち上げコンベア73上に落下した主根Nは右斜め上方へ移送され、この移送途中において、搬送コンベア上で選別作用を受けて、選別後の良品が収納袋54に収容される。
【0035】
ここで、図5を用いて、本発明に係る根菜収穫機が収穫する根菜としての人参について、各部位を定義付ける。
図5に示すように、人参は、茎葉Kと主根Nとに区別される。また、茎葉Kは、上部K1と根元部K2に区別して定義される。さらに、主根Nの上端周囲は肩部N1、主根N下端の細い根は尻尾部N2と定義される。ここで、挟持移送無端帯25・25は、上部K1を挟持して人参を後上方に移送する。挟持移送無端帯25・25の下方に配置される根切断装置10で尻尾部N2が切断される。挟持移送無端帯25・25の後工程側の肩揃え装置100・150は、同時に上部K1を挟持する挟持力よりも弱い挟持力にて根元部K2を挟持する。そして、移送されるに従い、根菜の肩部N1の高さ位置は、肩揃え装置100・150に従うことになる。つまり、肩揃え装置100・150は、茎葉切断装置11に移送される前において、移送される人参の肩部N1の高さ位置を一定に揃える装置である。また、茎葉切断装置11は、切断後の茎葉Kの長さが肩部N1より均一の長さ(数ミリ程度)となるよう切断する。
【0036】
ここで、図6及び図7を用いて、本発明に係る第一肩揃え装置100について、詳細に説明する。なお、図6及び図7において、実線矢印の向きを前方向としている。また、図6において、中心線(図において破線で示す)より破線矢印で示す向きを外向きとする。
【0037】
図6に示すように、第一肩揃え装置100は、左右の挟持部110R・110L、付勢部130・張架部140等をから構成されている。挟持部110Rは、張架部140に支持されている。一方、挟持部110Lは、付勢部130に支持されている。
【0038】
挟持部110Lは、肩揃え無端体としてのコグベルト(歯付きベルト)113、前側の回転体としての駆動プーリ111、後側の回転体としての従動プーリ112から構成されている。駆動プーリ111及び従動プーリ112は、前方から後方に向かって駆動プーリ111、従動プーリ112の順に回動自在に配置されている。また、駆動プーリ111は、挟持移送無端帯機構44b・44bの回動伝達によって駆動される。コグベルト113は、駆動プーリ111及び従動プーリ112に巻回され、かつ張架されている。また、コグベルト113は、歯側を外側に向けて巻回することで、対向して配置されるコグベルト113・113によって茎葉Kを上下方向にはズレ易いが移送方向にはズレ難く挟持し、確実に移送できるようにされている。ここで特記すべき事項として、従動プーリ112の径は、駆動プーリ111の径よりも小さい径のプーリが使用されている。また、移送方向左右中心側のコグベルト113・113が略平行となるように配置されている。なお、挟持部110Rについては、挟持部110Lと同様の構成であり、説明を省略する。
【0039】
張架部140は、アーム141、弾性体としてのバネ143、移送フレーム144、及びバネ支持材145から構成されている。アーム141は、長手方向を左右方向と略平行に配置されている。また、アーム141は、支点bによって、中途部を移送フレーム144に枢支されている。移送フレーム144は、内側において支点bを形成し、外側を抜き上げ作業部Bに支持されている。バネ支持材145は、長手方向を略左右方向において後方に傾斜させて配置されている。また、バネ支持材145は、ナットにより支持長さを変更することで、バネ143の弾性力Zを調節可能とされている。バネ143は、前後方向において、前端143aについて支持材145を介して移送フレーム144に支持され、後端143bをアーム141に支持されている。
【0040】
このような構成とすることで、以下の作用が得られる。すなわち、バネ143の弾性力Z(1R)は、アーム141に支点bを中心とする平面視における左回転の付勢モーメントY(1R)を与え、従動プーリ112に対し張架力X(1R)を付与する。また、茎葉入口側(前側)である駆動プーリ111・111の径が大きく、駆動プーリ111・111の共通接線の距離が長いため、太い茎葉Kを容易に取り込むことができる。さらに、従動プーリ112・112は、径が小さいため、茎葉切断装置11に近接して切断精度を高めることができる。なお、張架部140の構成・作用は、従来技術である。
【0041】
図6及び図7に示すように、付勢部130は第一アーム131、第二アーム132、バネ133、及び移送フレーム134等から構成されている。第一アーム131は、長手方向を左右方向に略平行に配置されている。また、第一アーム131は、内端(中央側)に支点a(従動プーリ112の枢支軸)、並びに略中央に支点b(第一アーム131の枢支軸)が形成されている。つまり、第一アーム131は、一端に従動プーリ112が枢支され、他端にバネ133が係止され、中途部は第二アーム132の先端が枢支されている。第二アーム132は、平面視において長辺部132m及び短辺部132nからなる略L字型に形成されている。長辺部132mは、断面視においてL字型に形成され、長手方向を前後方向と略平行に配置されている。また、長辺部132mは、前端に支点c、後端に支点bが構成されている。前記短辺部132nは、長手方向を左右方向と略平行に配置されている。また、短辺部132nは、外端に支持材135を介して、バネ133の前端133aを支持している。バネ133は、前後方向において、前端133aについて支持材135を介して短辺部132nに支持され、後端133bを第一アーム131によって支持されている。移送フレーム134は、内側に支点cを形成し、外側を抜き上げ作業部Bに支持されている。つまり、第二アーム132はコグベルト113外側方で前後方向に配置して、先端(後部)で第一アーム131に枢支され、中途部の前部で移送フレーム134に枢支され、他端にバネ133を係止し、後側の従動プーリ112を回動支点cを中心に移送方向左右中央側に回動するようにバネ133で付勢している。
【0042】
ストッパー136・137は、移送フレーム134と第二アーム132との間に第二アーム132の回動範囲を規制するために設けられている。ここで、ストッパー136は、第二アーム132の移送方向左右中心側への回動を規制する。また、ストッパー136は、ボルトにより構成され、一端は移送フレーム134に位置調整可能に固定され、他端は第二アーム132側面にボルト頭を当接する構成とされている。一方、ストッパー137は、第二アーム132の移送方向左右外側への回動を規制している。ストッパー137は、ピンを第二アーム132の外側で移送フレーム134に対して上下方向に貫通固定する構成とされている。ただし、付勢部130は、少なくとも左右一側に設けられれば良い。なお、付勢部130は、左右両側に配設する構成とする場合には、左右両側に広がる範囲を増加することができるため、更に茎葉Kの太い根菜にも対応することができる。
【0043】
このような構成とすることで、以下の作用が得られる。まず、バネ133の弾性力Z(1L)は、第一アーム131に回動支点bを中心とする平面視における右回転の付勢モーメントY(1LB)を与え、従動プーリ112に対し張架力X(1LA)を付与する。また、バネ133の弾性力Z(1L)は、第二アーム132に回動支点cを中心とする平面視における左回転の付勢モーメントY(1LA)作用を与え、第一アーム131は左右方向において中央に向けて付勢力X(1LB)を与える。すなわち、バネ133の弾性力Z(1L)は、従動プーリ112に対し、挟持力X(1LB)と張架力X(1LA)を同時に付与することができる。
【0044】
このようにして、以下の効果を奏する。すなわち、従動プーリ112が左右回動可能であり、かつコグベルト113が撓むため、根菜の茎葉Kの大きさに追従でき、抜き上げ移送装置8による引き上げ過ぎ或いは引き上げ不足をなくし、肩揃え精度を向上できる。また。切断直前の根菜の前方に大きい茎葉Kの根菜が移送されても、幅が広くなって根菜の高さズレがなく、茎葉切断装置11に導入されるときに茎葉Kの位置決めができ、精度良く所定の高さで肩部N1を切断できる。また、従動プーリ112の径が小さいため、コグベルト113・113後部と茎葉切断装置11との間のデッドスペースを小さくすることができ、根菜の移送姿勢が安定し、肩部N1の切断精度を向上できる。さらに、一つのバネ133により、ベルト張架作用である張架力X1と茎葉Kの挟持付勢作用である挟持力X2を同時に付勢できるため、簡単な構成で安価に第一肩揃え装置100を製作できる。また、従動プーリ112を小径とした場合には、従動プーリ112の側方に第二アーム132を配置し、第一肩揃え装置100を省スペースで設計できる。
【0045】
ここで、図8及び図9を用いて、第二肩揃え装置150について、詳細に説明する。なお、図8及び図9において、実線矢印の向きを前方向としている。また、図8において、中心線(図において破線で示す)より破線矢印で示す向きを外向きとする。
【0046】
図8に示すように、第二肩揃え装置150は、ガイドロッド151・151、付勢機構160から構成されている。一方のガイドロッド151は、ガイドフレーム152によって、抜き上げ作業部Bに支持固定されている。他方のガイドロッド151は、付勢機構160によって、抜き上げ作業部Bに支持され、平行移動可能とされている。
【0047】
図8及び図9に示すように、付勢機構160は、弾性機構170、前方リンク機構180F、後方リンク機構180Rから構成されている。
【0048】
弾性機構170は、ガイドフレーム172、弾性体としてのバネ171、及び連結杆173から構成されている。ガイドフレーム172は、移送方向左右中央側に支点b(F)及びb(R)が形成され、移送方向左右外側を抜き上げ作業部Bに支持されている。バネ171は、前後方向に配置され、前端171Fを連結杆173の一端(前端)に支持され、後端171Rについてバネ支持材174を介してガイドフレーム172に支持されている。連結杆173は、前端171Fをバネ171の一端に支持され、後述するベルクランクアーム181・181を枢支する支点a(F)及びa(R)が形成されている(図8参照)。
【0049】
後方リンク機構180Rは、ベルクランクアーム181及びステー182Fから構成されている。ベルクランクアーム181は、L字型に形成され、外端に支点a(R)、中央部に支点b(R)、前端に支点c(R)を形成している。ステー182Fは、長手方向を左右方向として、前側のステー182と略平行に配置されている。また、ステー182Fは、外端に支点c(R)、内端に位置調整部αが形成されている。そして、ステー182Fは、支点c(R)によって、ベルクランクアーム181の前端に枢支され、ベルクランクアーム181の中央部は、支点b(R)によって、ガイドフレーム172に枢支され、支点a(R)によって、連結杆173に枢支されている。なお、前方リンク機構180Fは、位置調整部αが構成されない以外は後方リンク機構180Rと同じであり、ガイドフレーム190とステー182Fを一体とすると、ステー182となるため、説明を省略する。なお、上述した各支点a(F)、a(R)〜c(F)、c(R)は支持軸によって構成されている。
【0050】
ガイドロッド151は、外側面の前後において、前方をステー182、後方をガイドフレーム190によって固設されている。位置調整部αは、ガイドフレーム190に形成される長孔(図示略)に対し、ボルト191によって、ステー182Fが固設されている。つまり、ベルクランクアーム181・181の一側は連結杆173の両側に枢支されて平行リンクを構成し、他側をガイドロッド151に固設したステーに枢支するように組み立てられる。この場合、左右方向の寸法誤差を吸収する部分がなければ、ガイドロッド151は平行リンクによってスムースな回動が得られない。そこで、位置調整部αを設けて、組み立て時において、ボルト191を緩めて仮止めした状態で回動させ、スムースに回動する位置を求めて固定し、スムースなベルクランクアーム181・181の回動を得ることができる。なお、位置調整部αは前後両側に配設することもできる。
【0051】
ストッパー175は、ベルクランクアーム181とガイドフレーム172との間にはベルクランクアーム181の回動範囲を規制するように設けられている。また、ストッパー175は、ステーに長孔を設けて、ステーの一端をガイドフレーム172に固定し、他側を長孔にベルクランクアーム181より立設したピンを挿入する構成とされている。
【0052】
なお、付勢機構160は、少なくとも左右一側に設ける構成であれば良い。また、左右両側に配置する構成とすることも可能である。この場合左右両側に広がる範囲を増加することができるため、更に茎葉Kの太い根菜にも対応することが可能となる。
【0053】
このような構成とすることで、以下の作用が得られる。すなわち、バネ171の弾性力Z(2)は、連結杆173を前方に向けて作動する付勢力Y(2)を与え、それぞれのベルクランクアーム181・181に平面視における右回転の付勢モーメントX(2F)・X(2R)を与え、それぞれのステー182F・182に移送方向左右中央に向けて作用する付勢力W(2F)・W(2R)を与える。ここで、特記すべき事項として、付勢力W・Wは同じ力が働く。つまり、ガイドロッド151には、左右方向中央向きに挟持力が常時働く。
【0054】
このようにして、以下の効果を奏する。すなわち、根菜の茎葉Kの大きさに左右のガイドロッド151・151の幅が追従するため、茎葉Kの大小に係らず連続して根菜を移送できる。すなわち、根菜の肩部N1高さを一定に揃えることできる。また、ガイドロッド151・151を茎葉Kの大きさに合わせて簡単な構成で平行移動させるため、左右のガイドロッド151・151の間隔が前後で極端に広くなることがなくなり、安定して移送できる。さらに、位置調節部αによって左右方向の寸法誤差を吸収させるため、第二肩揃え装置150の製作を容易にできる。
【0055】
このようにして、抜き上げ移送装置8の後部下方において、第二肩揃え装置150によって根菜における肩部N1のおよその位置を揃えて、その後部に配置した第一肩揃え装置100によって精度良く肩部N1の位置を揃える。つまり、第二肩揃え装置150は、ガイドロッド151・151であるため上下方向の挟持範囲が狭く、茎葉Kは比較的上下に移動しやすいため、大まかに肩部N1の位置決めできる。そして、第二肩揃え装置150はコグベルト113・113により挟持するため、上下方向の挟持範囲は大きくなり、揃えた状態での位置を確実に保持でき、その後工程で正確な位置で茎葉Kを切断することができる。
【0056】
ここで、図10及び図11を用いて、残葉処理装置72について、詳細に説明する。
残葉処理装置72は、上述したように抜き上げ移送装置8の後部下方における茎葉切断装置11の下方に、前後方向に平ベルト72aが配置される。該平ベルト72aは前後平行に軸心が左右方向に配置されたローラが配置され、該ローラ間に平ベルト72aが巻回されて、該平ベルト72a上に茎葉切断後の主根Nが落下するように配置している。この落下位置の後部には、斜めローラ72bが配置され、該斜めローラ72bは平ベルト72a上面である移送面と所定の隙間をあけて配置され、左前から右後方に斜めに配置されるように構成されている。
【0057】
また、残葉処理装置72は機体前後方向に平行な左右一対のコンベアフレーム71・71が両側に設けられ、該コンベアフレーム71・71の前後両側に前記ローラが配置され、該コンベアフレーム71・71の前後中途部の内側に取り付けブラケット76・76が斜めローラ72bの前下方に固定されている。該取り付けブラケット76・76間に枢支軸78が斜めローラ72bと平行に横架され、該枢支軸78にベルト受部材80が斜めローラ72bの下側で、かつ平行に配置されるように、両側が回動自在に枢支されている。該ベルト受部材80は開放部を下向きに設けた断面視「コ」字状のフレームからなり、前記残葉処理装置72の内部、つまり、平ベルト72aの上下の移送部と非移送部の間で左右の前記コンベアフレーム71の間に斜めに配置されている。即ち、ベルト受部材80は移送面の下方より前記斜めローラ72b側に押し当てる押圧部材として配設されている。
【0058】
ここで、図10及び図11を用いて、残葉処理装置72におけるクッション201及びオーバーフローゴム210について、詳細に説明する。
図10及び図11に示すように、クッション201は、茎葉切断装置11によって茎葉Kを切断された主根Nを残葉処理装置72に傷つかないようにガイドしながら落下させる部材である。クッション201は、クッション支持材202に掛止されている。クッション支持材202は、平面視略L字型に形成されている。また、クッション支持材202は、第一肩揃え装置100及び茎葉切断装置11の下方の後と外側方周囲に配設されている。
【0059】
クッション201の素材は、弾性体とされている。本実施例では、クッション201は、厚みを持つゴムシートで形成されている。また、クッション201は、平面視において、クッション支持材202のコーナー部Pから下方に切り込みが形成され、前後部201a及び左右部201bが形成されている。前後部201a及び左右部201bは、クッション支持材202から平ベルト72aまでの高さ寸法以上の高さで形成されているため、それぞれクッション支持材202から前方及び右方に垂れ下がって、クッション支持材202に掛止されている。
【0060】
このような構成とすることで、クッション201は、一枚のゴムシートの中央部に切り込みを設けL字状に折り曲げるのみの簡易な構成にて実現できる。また、クッション201下部を後述するオーバーフローゴム210aに当接させることで折り曲げられ、前後部201a及び左右部201bが重なり、隙間ができることを防止して、主根Nの移送漏れを防止できる。そして、茎葉切断装置11によって茎葉Kを切断された主根Nについて、残葉処理装置72に落下する衝撃を緩和することができる。すなわち、前後部201a及び左右部201bによって、落下する主根Nを柔らかく受け止めるため、主根Nの損傷を低減できる。また、主根Nが残葉処理装置72における斜めローラ72bを超えて移送されることを防止できる。
【0061】
図10及び図11に示すように、オーバーフローゴム210a・210bは、それぞれ押さえ板211a・211bによって、支持ステー70に取付けられている。また、オーバーフローゴム210a・210bは、先端をカールした弾性体で形成されている。さらに、オーバーフローゴム210a・210bは、平面視において、支持ステー70と平行に配置されている。また、オーバーフローゴム210a・210bは、断面視において、先端は斜めローラ72bによって持ち上げられるため、前上方に傾斜している。このため、オーバーフローゴム210a・210bは、クッション前後部201aを前方向に支持する構成とされている。ここで、特記すべき事項として、オーバーフローゴム210aの取り付け孔は前後方向に長い長孔(または複数の孔)に形成されている。つまり、オーバーフローゴム210aについては、前後方向において、支持ステー70に対する取り付け位置を調整できる。
【0062】
このような構成とすることで、オーバーフローゴム210aの斜めローラ72bを超えて突出する長さを調整できる。すなわち、オーバーフローゴム210aは取り付け位置の変更で高さが変更されるため、クッション前後部201aの下面との当接位置が変更されて、前方向の傾斜角度を変更できる。このようにして、圃場条件(畝が高い又は低い)が変っても常に最適の落下姿勢が得られ、精度良く、損傷の無い収穫作業が行なえる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施例に係る人参収穫機の全体構成を示す側面図。
【図2】同じく平面概略図。
【図3】同じく正面概略図。
【図4】同じく伝動系統図。
【図5】収穫する人参を示す側面図。
【図6】第一肩揃え装置の全体構成を示す平面図。
【図7】同じく側面図。
【図8】第二肩揃え装置の全体構成を示す平面図。
【図9】同じく側面図。
【図10】クッションの全体構成を示す平面図。
【図11】同じく側面図。
【符号の説明】
【0064】
A 自走車体
B 抜き上げ作業部
C 選別コンベア部
D 収穫物載せ台
K 茎葉部
K1 上部
K2 根元部
N 主根
N1 肩部
N2 尻尾
8 抜き上げ移送装置
8a 挟持移送路
11 茎葉切断装置
100 第一肩揃え装置
110 挟持部
111 駆動プーリ
112 従動プーリ
113 コグベルト
131 第一アーム
132 第二アーム
133 バネ
150 第二肩揃え装置
151 ガイドロッド
160 付勢機構
171 バネ
173 連結杆
181 ベルクランクアーム
182 ステー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の無端体により圃場に植生している根菜を挟持して、後方へ移送しながら引き抜く抜き上げ移送装置を自走車体に設け、該抜き上げ移送装置の移送経路後部下方に、茎葉切断装置と、該茎葉切断装置の前方に肩揃え装置を複数備える収穫機において、
前記複数の肩揃え装置のうち前方の肩揃え装置は、
左右一対の前後方向に延びるガイドロッドと、
少なくとも左右一側のガイドロッドを移送経路と平行の状態で移送経路左右中心側に付勢する付勢手段と、
を備える
ことを特徴とする収穫機。
【請求項2】
請求項1記載の収穫機において、
前記ガイドロッドの前後からステーを外側方に突設し、
該ステーをベルクランクアームの一端に枢支し、
該ベルクランクアームの中央部を抜き上げ移送装置の本体側に枢支し、
他端に連結杆を枢支し、
該連結杆に弾性体を連結して付勢手段を構成する
ことを特徴とする収穫機。
【請求項3】
請求項2記載の収穫機において、
前後の少なくとも一方の前記ステーとベルクランクアームとの間に位置調節部を設ける
ことを特徴とする収穫機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−89693(P2009−89693A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−265884(P2007−265884)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】