説明

収納キャビネット

【課題】収納部に温度調整を行う機能が付加されることにより、収納部内の物の温度管理ができる収納キャビネットを提供する。
【解決手段】浴室3と洗面脱衣所4を仕切る間仕切壁2に貫通形成されるキャビネット孔21に設けられる収納キャビネットであって、内部が収納空間16となる筐体からなる収納部1が、キャビネット孔21を塞ぐように設けられ、収納部1の側壁部には、内部の収納空間16と洗面脱衣所4とを連通させる脱衣所側開口12と、内部の収納空間16と浴室3とを連通させる浴室側開口13と、が形成され、脱衣所側開口12と浴室側開口13とにはそれぞれ扉14が開閉自在に設けられ、収納部1に、収納空間16内の温度の調整を行う温度調整部11で構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗面脱衣所と浴室が仕切られている、間仕切壁に設けられる収納キャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、洗面脱衣所と浴室を仕切っている間仕切壁に、洗面脱衣所から浴室へ貫通するキャビネット孔が開口し、キャビネット孔に収納部が設けられ、収納部には浴室側と洗面脱衣所側にそれぞれ扉が開閉自在に設けられているものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−72118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された従来の収納キャビネットは、収納部に温度調整を行う機能が無いため、収納部内の物が常温もしくは浴室の熱気で暖められてしまっていた。
【0005】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、収納部に温度調整を行う機能が付加されることにより、収納部内の物の温度管理ができる機能を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような構成とする。
【0007】
浴室と洗面脱衣所を仕切る間仕切壁に貫通形成されるキャビネット孔に設けられる収納キャビネットであって、内部が収納空間となる筐体からなる収納部が、前記キャビネット孔を塞ぐように設けられ、前記収納部の側壁部には、内部の前記収納空間と前記洗面脱衣所とを連通させる脱衣所側開口と、内部の前記収納空間と前記浴室とを連通させる浴室側開口と、が形成され、前記脱衣所側開口と前記浴室側開口とにはそれぞれ扉が開閉自在に設けられ、前記収納部に、前記収納空間内の温度の調整を行う温度調整部が設けられることを特徴とする。
【0008】
前記扉の前記収納空間側と反対側の外面に鏡が設けられていることが好ましい。
【0009】
前記収納部が前記洗面脱衣所側に突出していることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明にあっては、収納部に温度調整を行う機能が付加されることにより、収納部内の物の温度管理ができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第一実施形態の平面図である。
【図2】本発明の斜視図である。
【図3】本発明の第二実施形態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の第一実施形態について図1に基いて説明する。
【0013】
本実施形態は、浴室3と洗面脱衣所4とにそれぞれ連通する開口を有する収納部1と、収納部1内の温度の調整を行う、温度調整部11を備えている。
【0014】
浴室3は浴槽31と洗い場32を備えられている。また、浴室3と洗面脱衣所4とを隔てる間仕切壁2が設けられている。
【0015】
間仕切壁2には洗面脱衣所4から浴室3へと貫通するキャビネット孔21が設けられている。そして、キャビネット孔21は矩形状に形成されている。なおキャビネット孔21は、矩形状に限らず収納部1の形に合わせたものであればよい。
また間仕切壁2には、洗面脱衣所4から浴室3、浴室3から洗面脱衣所4へと出入りする、出入口22が設けられている。また、洗い場32の壁面にはカウンター33が設けられている。
【0016】
本実施形態は、収納部1がキャビネット孔21内に納まっている形態である。言い換えると、浴室3側と洗面脱衣所4側どちらにも、収納部1が突出していないものである。
【0017】
収納部1は内部が収納空間16となる筐体により形成されている。なお、収納部の形状は略矩形箱状となっているが、それだけに限定されない。
【0018】
収納部1の側壁部には、内部の収納空間16と洗面脱衣所4とを連通させる脱衣所側開口12と、内部の収納空間16と浴室3とを連通させる浴室側開口13と、が形成されている。収納部1の脱衣所側開口12と浴室側開口13とにはそれぞれ扉14が開閉自在に設けられる。このため、シャンプーや洗顔料といった洗面脱衣所4と浴室3両方で使用される小物類を収納することで、浴室3側と洗面脱衣所4側どちらからでも、この小物類を取り出すことができる。よって、小物類を使用するにあたって、洗面脱衣所4と浴室3との間を往復して取りに行く必要が無く、また同じ小物類を洗面脱衣所4と浴室3に用意する必要が無い。また小物類を目に付かない場所に収納できるので、美観もよくなる。
【0019】
本実施形態では、洗面脱衣所4側の扉14の収納空間16側と反対側の外面に鏡が設けられている。なお鏡は浴室3側の扉14の外面に設けられてもよく、また両方の扉14の外面に設けられていてもよい。
【0020】
収納部1の内部には棚板15が設けられている。なお、棚板15は取外し自在でもよく、棚板15は収納部1内に無くてもよい。
【0021】
収納部1に、収納部1内の温度の調整を行う温度調節部11が設けられる。温度調節部11はペルチエ素子を用いるものや、ヒートポンプを用いるもの等、既存のものが適宜用いられるもので、前記ペルチエ素子やヒートポンプのみに限定されない。なお収納部1に温度調節部11を備えたことで、冷温管理が必要な化粧品や飲み物を冷やしておくことができるため、わざわざ台所等に取りに行かず、その場で飲み物等を手に入れることができる。
【0022】
また化粧品を台所にある食品用の冷蔵庫に入れていたのでは、匂いが食品に移る、化粧品をこぼして食品を台無しにするといった虞があるが、収納部1に化粧品を収納しておくことにより、これらの問題を生じ難くすることができる。さらに冷蔵の機能があると、夏場には化粧品を冷やして快適に使用できるとともに、雑菌の繁殖を抑えることができ、化粧品を長持ちさせることができる。そして台所にある冷蔵庫に入れていては邪魔になるものや、誤って使用してしまう虞のあるものを収納しておくことができる。
【0023】
次に、第二実施形態について図3に基づいて説明する。なお、本実施形態については図1に示す上記第一実施形態と大部分について同じであるため、同じ構成については同符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0024】
本実施形態は収納部1が、洗面脱衣所4側に突出し、洗面脱衣所4に備えられている洗面台41のミラーキャビネットと同様のデザインで設けられたものである。このような構成にしたことで、収納部1を洗面台41のミラーキャビネットと一体の外観にし易くなり、違和感が生じ難くなる。そして収納部1の容量が増え小物類をより多く収納しておくことができる。また収納部1は浴室3側に突出していてもよい。
【符号の説明】
【0025】
1 収納部
11 温度調節部
12 脱衣所側開口
13 浴室側開口
14 扉
15 棚板
16 収納空間
2 間仕切壁
21 キャビネット孔
22 出入口
3 浴室
31 浴槽
32 洗い場
33 カウンター
4 洗面脱衣所
41 洗面台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室と洗面脱衣所を仕切る間仕切壁に貫通形成されるキャビネット孔に設けられる収納キャビネットであって、
内部が収納空間となる筐体からなる収納部が、
前記キャビネット孔を塞ぐように設けられ、
前記収納部の側壁部には、内部の前記収納空間と前記洗面脱衣所とを連通させる脱衣所側開口と、
内部の前記収納空間と前記浴室とを連通させる浴室側開口と、
が形成され、
前記脱衣所側開口と前記浴室側開口とにはそれぞれ扉が開閉自在に設けられ、
前記収納部に、
前記収納空間内の温度の調整を行う温度調整部が設けられることを特徴とする収納キャビネット。
【請求項2】
前記扉の前記収納空間側と反対側の外面に鏡が設けられていることを特徴とする請求項1記載の収納キャビネット。
【請求項3】
前記収納部が前記洗面脱衣所側に突出していることを特徴とする請求項1又は2記載の収納キャビネット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−108233(P2013−108233A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251915(P2011−251915)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】